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Analytix - Sigma
Analytix Issue 1, 2・2012 合併号 ビールの微生物検査 • ビールの微生物検査 • エルシニア属 • ボルタンメトリー&イオンクロ マトグラフィー用高純度試薬 • 有機、無機認証スタンダード • 農薬、動物薬、カビ毒スタン ダード • 医薬品中の水分定量 • ESR 分光法用スピンラベル • 誘導体化試薬 2 安全で美味しいビールは好きですか? はじめに ビールを愛する方々へ 人類がビールを飲み始めたのは数千年前 にさかのぼります。今も、夜に街では多く の人々がこの飲み物を楽しんでいるのを 見かけます。しかしこの美味しい飲み物の 陰には、多くの熟練の技と見えない努力 が隠されています。ほんの数分で飲み干 してしまう一杯のビールでも、実は長く複 雑なプロセスを経てできたものです。収 穫したホップとモルトに始まり、酵母によ る発酵を経て、微生物に関する厳密な品 質管理で終わるプロセスです。 Jvo Siegrist Product Manager Microbiology 乾杯! 口に含んだ途端に吐き出したくなるよう な不味いビールを飲んだことがある人は 多いはずです。その主な原因は細菌で、 ビールが腐っているのです。通常、このよ うな問題は、制御の困難な発酵や瓶詰め の過程で生じます。 私は、 プロダクトマネー ジャーとして仕事をしてきた中で、ある一 Jvo Siegrist つのロットすべてをリコールしたいくつか Product Manager Microbiology の業者を見たことがあります。リコールは [email protected] 大きな損失をもたらしますが、素早く対応 しなければ、悪い評判につながります。ほ とんどの人は、腐ったビールを一度飲ん だら、その商品は二度と飲まなくなるで しょう。ですから、起こってしまってから 対応するよりも、予防することのほうが重 要なのです。 Analytix is published five times per year by Sigma-Aldrich Chemie GmbH, MarCom Europe, Industriestrasse 25, CH-9471 Buchs SG, Switzerland Publisher: Sigma-Aldrich Marketing Communications Europe Publication director: Ingo Haag, PhD Editor: Daniel Vogler sigma-aldrich.com/analytix 弊社シグマ アルドリッチは、ビールを腐らせる微生 物を初期段階で検出する優れた培地と検査用品を取 り揃えて、貴重な黄金の液体を腐らせることがないよ うに、醸造業者の方をお手伝いいたします。弊社の HybriScan® ビールキットをお使いいただければ、醸造 業者の方々の心労は著しく軽減されるでしょう−微生 物にとっては心配事が増えることになりますが・・・。 ワンステップで、腐敗を起こす微生物を検出できます。 ですから我々は、ビールをもっと安全に楽しむことが できるようになるのです! 3 4 ビールの微生物検査 滴定 22 微生物 7 エルシニア属 微量分析 9 新製品 ボルタンメトリーおよびイオンクロマ トグラフィー用の高純度試薬 TraceSELECT® スタンダード 目 次 トピックス 医薬品中の水分定量 HYDRANAL® 試薬を用いたカールフィッシャー 滴定 分光法 24 新製品 医薬品および油類用の溶媒 TraceSELECT® 25 ESR 分光法用のスピンラベル クロマトグラフィー 10 新製品 イオンクロマトグラフィー用、有機酸 スタンダード 26 MSTFA および MSTFA-D9 − GC/MS による化合 物同定に必須のツール 13 新製品 TraceCERT® 単一元素スタンダード 28 新製品 GC 誘導体化用のシリル化試薬 14 新製品 クロマトグラフィーおよび定量 NMR 用 TraceCERT® 有機認証標準物質 15 新製品 農薬およびカビ毒分析用標準試薬 16 医薬品不純物スタンダード 18 新製品 ウィザニア(Withania somnifera) 分析用スタンダードおよび HPLC メソッド 20 新製品 植物性医薬品の標準試薬 21 新製品 動物用医薬品標準試薬 sigma-aldrich.com/analytix 4 ビールの微生物検査 Jvo Siegrist, Product Manager Microbiology [email protected] トピックス 古くからビールの品質管理に使われてきた微生物の検査方法は現在でも重要 ですし、現在でも多くの方法は分析のコストを減らすために、少なくとも 1 回はプレエンリッチ操作を行います。しかし現代のツールを使えば、重要な 結果がはるかに迅速に得られるため、醸造業者の方々の苦労を著しく軽減で きるでしょう。 Figure 1 注ぎ口からのフレッシュ ビール ビールは、懇親会を和ませる飲み物として人気のある 飲み物です。特に夏には人気が高くなり、ビールの消 費がうなぎのぼりで、醸造業者にとってはかき入れ時 です。しかし、製造や販売が増えるのは、ものごとの 一面でしかありません。生産されたビールが市場で生 きのびるためには、非常に高い品質でなければなりま せん。 従来の方法は、形態学、染色法、酵素反応(代謝) 、 および多様な選択的分別的培地に基づくものです。最 初のステップの一つはビールのろ過で、次いで、フィ ルターを寒天板上で培養してエンリッチ操作を経て固 体培地で培養するか、あるいは現代的な検出試験を行 います。寒天板上に疑わしいコロニーがあれば、顕微 鏡観察を行い、続いて、染色過程を経て生化学試験 を行います。体系的な同定方法の詳細を、Figure 3 に 示しました。 ものだけです(例外:ラクトバチルス・リンドネリで は、すべての系統種が腐敗を招きます) 。 ラクトバチルス・ブレビスは、最も頻繁に見つかるビー ル腐敗菌で、次に多いのがラクトバチルス・リンドネ リです [1]。さらに、多くの野生酵母がビール腐敗の 原因になっていますが、その中ではサッカロミセス・ セレビシエが最も多く、次がカンジダ・ペリクロサと なっています [2]。最大の問題の一つは、醸造物の中 にバイオフィルムが生じることで、これが生じると腐 敗に関連する微生物の除去が非常に困難になります。 これらの汚染菌の中には、発酵を阻害したり、風味や 賞味期限に悪影響を及ぼすようなものもあります。ま た、腐敗に関連する微生物の多くは、ビールを酸っぱ くしたり、ジアセチル化合物やテトラデン化合物のよ うな味を悪くする物質を生成します。ペクチナタス属 およびメガスフェラ属も、危険な病原体です。 Medium CAT. NO. CaCO3 Agar 40545 Corn Meal Agar 42347 HiCrome ™ OGYE Agar Base 66481 Lysine Medium L5910 Malt Agar M9802 Malt Extract Agar, modified 97218 MRS Agar 69964 MRS Agar, Vegitone 41782 MRS Broth 69966 MRS Broth modified, Vegitone 38944 OGY Agar 75310 Plate Count Agar 70152 Plate Count Agar according to Buchbinder et al. (ready media in the bottle) 88588 68414 Plate Count Agar, Vegitone 19718 Plate Count MUG Agar 51413 Raka Ray Agar, Base 02538 Rogosa SL Agar R1148 Rose Bengal Chloramphenicol Agar 17211 Schwarz Differential Agar 40608 Tomato Juice Agar 17216 Universal Beer Agar ラクトバチルス属およびペディオコッカス属に属する WL Differential Agar 乳酸菌や、ペクチナタス属およびメガスフェラ属の種 WL Nutrient Agar の偏性嫌気性菌のようなビール腐敗に関連する微生 WL Nutrient Broth 物の検出に用いられる培地には多くの種類がありま Wort Agar す。 醸造所や発酵所にいるカビや野生酵母も、腐敗 Yeast Carbon Base を引き起こすことがあります(Table 1 参照) 。しかし、 Yeast Malt Agar ビールやワインを腐敗させるような細菌、野生酵母お Yeast Nitrogen Base よびカビの属は限られています。アルコール含量や低 Yeast Nitrogen Base without Amino Acid pH および他の成分の作用により、ほとんどの微生物 Yeast Nitrogen Base without Amino Acid and Ammonium Sulfate の生育が阻害されるからです。ビールを腐敗させると YPD Broth して知られている乳酸桿菌の種の中でも、実際にビー ル中で成長し、腐敗の原因となるのは特定の系統種の Table 1 代表的な醸造品質管理用培地 sigma-aldrich.com/microbiology 17226 17215 17222 W2261 70196 Y3627 Y3127 51483 Y0626 Y1251 Y1375 5 Figure 2 Contaminated beer ビール腐敗に関連する微生物の革新的な高速検出法 ビールに必要な品質管理は非常に特殊であるため、醸 造所および研究施設における微生物分析は、高度に熟 練した研究スタッフが行わなければなりません。ほと んどの研究施設では、規格に準拠した従来型の培養 法が未だに用いられていますが、この方法は大変時間 がかかり、ビールが販売できるようになるまでに 3 ∼ 5 日かかってしまうという問題があります。 HybriScan と他の迅速検査システムの比較 標準的な培養ベースの方法を使って品質管理をして いたのでは、時間がかかり、製品の出荷が遅れます。 近年、この作業を速めようと多くの企業が迅速検査シ ステムの開発を手掛けています。ビールおよび他の飲 料の品質管理向けの技術としては、現在、以下の 3 種が市場に出ています。 • HybriScan(サンドイッチハイブリッド化) 他の迅速検査システムと異なり、HybriScan 分析はロ • PCR(ポリメラーゼ連鎖反応) バスト性が高いため、醸造物酵母中の細菌コンタミ • VIT(バーミコン同定技術) ネーションの検出が可能であり、貴重な資源を効率的 に利用できます。 この革新的な迅速検査システムでは、 Morphology + Bacilli Gram staining Catalase test Lactobacillus Gas production + Lactobacillus brevis (*35%) L. Linderi (*25%) L.brevisimilis (*3%) L. frigidus (*2%) - Lactobacillus coryniformis (*3%) L. casei (*2%) L. plantarum (^1%) Cocci Gram staining Alcoholic fermentation + Zymomonas mobilis (^<1%) + - + + DL Pectinatus cerevisiiphilus and Pectinatus fringensis (*4%) - Lactat configuration Pantoe agglomerans (°<1%) Obesumbacterium Catalase test Kocuria kristinae (^<1%) Pediococcus damnosus (*17%) Pediococcus inopinatus (^1%) L(+) Lactococcus lactis D(-) Leuconostoc mesenteroides and and Lactococcus raffinolactis Leuconostoc paramesenteroides (^1%) Megasphera cerevisiae (*2%) (^<1%) Figure 3 ビール腐敗に関連する菌の同定フローチャート * 偏性ビール腐敗 ^ ビール腐敗可能性 °間接ビール腐敗 % 値は、ビールの品質苦情(1980-2002)における腐敗に関連する微生物の割合を示します。 (Source: Handbook of filling techniques: Grundlagen und Praxis für das Abfüllen flüssiger Produkte; S. Blüml, S. Fischer 2004) Genus Lactobacillus: Lactobacillus acidophilus Genus Pediococcus: Pediococcus acidilactici Lactobacillus brevis Pediococcus claussenii Lactobacillus brevisimilis Pediococcus damnosus Lactobacillus buchneri Pediococcus inopinatus Lactobacillus casei Pediococcus parvulus Lactobacillus collinoides Pediococcus pentosaceus Lactobacillus coryniformis Lactobacillus curvatus Genus Pectinatus: Lactobacillus fermentum Pectinatus cerevisiiphilus Pectinatus fringensis Lactobacillus fructivorans Lactobacillus lindneri Genus Megasphaera: Megasphaera cerevisiae Lactobacillus malefermentans Lactobacillus parabuchneri (frigidus) Lactobacillus paracasei Lactobacillus paraplantarum Lactobacillus plantarum Lactobacillus rhamnosus Table 2 HybriScan D ビールキット(Fluka® CAT. NO. 62533、96 検体)で検出可能なビール腐敗に関連する微生物 (6ページに続く) sigma-aldrich.com/microbiology トピックス HybriScan® ビールキットは、リボソーム RNA に基づ いて微生物を検出する迅速検査システムで、1 回の分 析で 2 時間以内にすべてのビール腐敗汚染菌を検出 できるため、製品の出荷が素早くできるようになりま す。2 時間(必要な場合は、24 時間のプレエンリッ チを実施)後には、醸造者は最初の信頼できる結果を 得ることができるでしょう。 ビール腐敗汚染菌を検出できるだけでなく、すべての 細菌が定量できます。したがって、HybriScan 検査シ ステムは、ディスペンサーの微生物管理に完璧なツー ルと言えます。ディスペンサーの滅菌管理の法基準は 100.000 CFU/mL であり、プレエンリッチ処理なしで 高速かつ直接的にビール腐敗菌を検出することがで きるため、2 時間以内に分析結果が得られます。 6 こ れ ら 3 種 の 技 術 の 比 較 を Table 3 に 示 し ま す。 す。HybriScan 検査と、培養ベースの分析法(MRS 寒 HybriScan® を PCR および VIT と比較すると、この迅速 天培地)とを比較すると、細胞数の量にわずかな違い 検査システムの優位性は明らかです。 しかないことが分かります。 • 高速で、コストパフォーマンスの高い分析 • 安価な読み取り技術 • 高い感度と選択性 plate count 1,E+10 Figure 4 ビールの充填 cells/ml トピックス 検査フォーマット 検査方法は、8 ウェル×12 片からなる単純な 96 ウェ ルのマイクロプレート上で行うようになっており、サ ンドイッチハイブリッド化法です。この方法は、試料 微生物 RNA の検出には二つの異なるプローブを用い マトリックスを感知せず、生細胞だけを検出します。 るので、偽陽性結果となる事はほぼありえません。 高額な特殊機器は不要で、検査は約 2 ∼ 2.5 時間で終 Figure 5 には、3 個の異なる試料における種菌(サイ 了します。陽性の結果は肉眼でも確認できますが、細 レージ)中のブーフナー乳酸杆菌の定量結果を示しま 胞の数を定量するには、標準的なマイクロプレート リーダーを用いて 450 nm で読み取ります。 1,E+11 HybriScan 1,E+09 1,E+08 1,E+07 1,E+06 1 2 sample 3 Figure 5 3 個の異なる試料における HybriScanD キットと寒天平 板計数の細胞数の比較 References [1] E. StorgArds, M.-L. Suiiiko, Detection and Identification of Lactobacillus linderi from Brewery Environments, J. Inst. Brew., Vol. 104, pp. 47– 54 (1998). [2] Markus Timke, et al., Identity, Beer Spoiling and Biofilm Forming Potential of Yeasts from Beer Bottling Plant Associated Biofilms, Springer Science+Business Media B.V. (2007). 培養ベースの方法 PCR VIT HybriScan method 光学的または顕微鏡で読み取る培養 ベース法 PCR/real-time PCR 蛍光顕微鏡法 サンドイッチ ハイブリッドデザイ ンで測光検出 detection spectrum ビール腐敗に関連する微生物すべて を検出して同定 ビール腐敗に関連する全ての微生物 の検出と同定が可能 有胞子性乳酸菌およびペディオコッ カス・ダムノサス、有胞子性乳酸菌 + ラクトバチラス・ブレビス、ペク チナタス属 + メガスフェラ・セレ ビシエ ビール腐敗に関連する全ての微生物 の検出と同定が可能 sample preparation 選択的なプレエンリッチ 菌のエンリッチおよび溶解、必要な 場合はプレエンリッチ操作を行な う。 選択的なプレエンリッチ 菌のエンリッチおよび溶解、必要な 場合はプレエンリッチ操作を行な う。 time 3∼7日 3 時間∼ 2 日 2日 3 時間∼ 2 日 cost per test Low High High Low detection limit (cfu) 1 1–5 x 103 1 x 103 1–5 x 103 devices 不要 PCR サイクラー 蛍光顕微鏡 マイクロプレートリーダー advantage 高感度、比較的安価 高感度定量分析 disadvantage 時間がかかる、培養できない微生物 は検出できない、人件費が高額 高価な機器が必要、生細胞と死細胞 の区別不可、公定法でない 簡単な検出技術の構成、生細胞 (RNA)のみを検出 迅速で高感度、生細胞を定性的定量 的に検出、コストパフォーマンスの 高い分析 時間がかかる、試料処理速度が遅い、 血清型と亜種の区別不可、プローブ 高価、自動化不可、データ解析が困 設計に限界(rRNA ターゲット)、公 難、公定法でない 定法でない Table 3 ビール腐敗に関連する菌の検出に用いられる様々な技術の比較 HybriScan キットの概要 食品、水および他の試験体などにおいて、幅広い用途があります。 HybriScan は、単にビール腐敗に関連する微生物を検出可能なだ たとえば、HybriScan 迅速検査システムで水中のレジオネラ菌を けではありません。この革新的で迅速な検査システムは、飲料、 検出できます。 Genus CAT. NO. Species CAT. NO. Groups/Applications CAT. NO. Campylobacter 56917 E. coli 96343 Waste Water Index 78436 & 04447 Cronobacter (Enterobacter sakazakii) 12838 Legionella pneumophila 07190 & 49417 Beer Spoilage Organisms 62533 Beverage Spoilage Organisms 68301 Lactobacilli 62533 Listeria monocytogenes 49699 & 49712 Total Bacterial Count 02349 Legionella 16593 Microthrix parvicella 04447 Yeasts 61397 Listeria 55661 Brettanomyces 79742 Salmonella 55662 Candida albicans 19503 Megasphaera 42875 Lactobacillus brevis 75724 Leuconostoc 77007 Lactobacillus buchneri 80065 Lactobacillus lindneri 86827 Pectinatus cerevisiiphilus 89348 Pectinatus frisingensis 73582 Pediococcus damnosus 67289 sigma-aldrich.com/microbiology HybriScan に関するより詳しい情報については以下のウェブサイ トを参照ください。 sigma-aldrich.com/hybriscan 7 エルシニア属 Jvo Siegrist, Product Manager Microbiology [email protected] エルシニア種の検出、同定、区別および培養 今のところ、エルシニアは大きな問題とはなっていま せんが、これらのうち少なくとも 3 種が病原体として 時折、出現しており、大発生の可能性は否定できませ ん。たとえば、2011 年 3 月、ノルウェー公衆衛生研 究所は、エルシニア・エンテロコリチカ 0:9 による 21 の事例を同定し、その発生源がチコリロッソを含 む袋入りのミックスサラダであることを突き止めまし た。製造業者は、そのバッチを自主的にリコールしま した。 エルシニアの科学的分類 界:細菌 門:プロテオバクテリア 綱:ガンマプロテオバクテリア 目:腸内細菌目 科:腸内細菌科 属:エルシニア 特徴 Y. enterocolitica カタラーゼ陽性、ほとんどの系統はオ ルニチン陽性、22 ∼ 26˚C で運動性、 37˚C で非運動性、尿素陽性、ソルビトー ルおよびセロビオース陽性、ほとんど の系統はスクロース陽性、CIN 寒天培 地で赤色牛眼状 エルシニアは、グラム陰性の棒状細菌の属で、腸内細 菌科に属する通性嫌気性菌です。また、発酵代謝を 行い、オキシダーゼ陰性、マンニトール陽性、グルコー ス陽性でラクトース陰性です。エルシニアはサルモネ Y. pseudotuberculosis 22 ∼ 26˚C で運動性、37˚C で非運動性、 ラに関係した微生物ですが、亜硫酸ビスマス寒天培地 尿素陽性、エスクリン陽性、オルニチ (Fluka® 95388)上で区別できます。エルシニアは硫 ンデカルボキシラーゼ陰性、インドー ル陰性、ラムノース陽性 化水素を生成しないからです(その他の培地や検査用 Y. pestis 二つの抗貪食性成分(抗貪食性スライ 。さらに 品については Table 1 ∼ 4 を参照ください) ム)を生成、カタラーゼ陽性、22 ∼ エルシニアは、好冷性の微生物で、0 ∼ 4˚C の低温(た 26˚C および 37˚C で非運動性(エルシ とえば冷蔵庫内の食品上)で生存、増殖できます。ま ニア種を除く)、エスクリン陽性、イ た、比較的耐熱性も高い種もありますが、37˚C では ンドール陰性、オルニチンデカルボキ 他の腸内細菌よりも生育が遅くなります(小型のコロ シラーゼ陰性 ニーとしてのみ見られます) 。しかし、過酸化水素や Table 1 重要なエルシニア種の特徴 過マンガン酸カリウムのような酸化剤で容易に不活性 化できます。エルシニアの自然界での発生源は、ブタ、 ネズミ類、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌおよび ネコです。現状で、 エルシニアによるヒトの病気のケー スは、ほとんどがエルシニア・エンテロコリチカによ るものですが、すべての次亜種が病原性を示すわけで はありません。エルシニア・エンテロコリチカはエル シニア感染症の原因となりますが、この病気は伝染性 で、発熱、腹痛、下痢などの症状が出ます。エルシニ ア属の既知の 11 種のうちで、臨床的に重要なのは他 に 2 種だけです。その 2 種とは、エルシニア・シュー ドツベルクローシス(エルシニア・エンテロコリチカ と同様の症状ですが、ほとんどの場合下痢は見られま せん)と、エルシニア・ペスティス(腺ペストの病原 体)です。ほとんどの感染は、 生あるいは充分火の通っ ていないブタ肉製品、猟肉、海鮮品、野菜、低温殺菌 されていないミルクあるいは生水など汚染された食 品を通じて起こっています。しかし、感染した動物あ るいはその糞尿に接触した場合や、ノミを通じて感染 Figure 1 べん毛染色法を用いて撮影したエルシニア・エンテロ することもあります。 コリチカの光学顕微鏡写真(出典:CDC 1980) この細菌の名称は、スイスの微生物学者である A. E. J. Yersin の名前から取られました。Yersin は、1894 年に 香港でエルシニア・ペスティスを発見しました。 (8ページに続く) sigma-aldrich.com/microbiology 微生物 種 8 サプリメント CAT. NO. Ferrioxamine E 38266 Yersinia Selective Supplement 75258 Ticarcillin Supplement 17778 Potassium Chlorate Supplement 17777 Table 3 エルシニア用選択性および成長サプリメント エルシニア診断用検査用品 微生物 非選択性培養液 CAT. NO. CAT. NO. Bile Esculin Disks 80507 Catalase Test 88597 Cellobiose Disks 56481 Dextrose (Glucose) Disks 63367 DMACA Indole Disks 05686 DMACA Reagent 49825 Kovac’s Reagent for Indoles 67309 Kovac’s Reagent Strips 78719 Lactose Disks 28816 Brain Heart Broth 53286 Mannitol Disks 94438 Peptone Water, phosphate-buffered, Vegitone 40893 Methyl Red Solution 08714 Peptone Water, phosphate-buffered 77187 Oxidase Reagent acc. Gaby-Hadley A 07345 CAT. NO. Oxidase Reagent acc. Gaby-Hadley B 07817 選択的なエンリッチ培養液 ITC Broth (Base) 17156 Oxidase Reagent acc. Gordon-McLeod 18502 Mossel Broth 69965 Oxidase Strips 40560 17192 Oxidase Test 70439 Rhamnose Disks 93999 Peptone Sorbitol Bile Broth 炭水化物利用向け基本培地 CAT. NO. Andrade Peptone Water A0715 Salicin Disks 92971 Andrade Peptone Water, Vegitone 28943 Sorbitol Disks 93998 CAT. NO. Sucrose Disks 94309 自己凝集反応用培地 Methyl Red Voges Proskauer Broth 分別および確認用非選択性寒天培地 39484 Christensen’s Urea Agar 27048 Kligler Agar 60787 Motility Indole Ornithine Medium M1428 OF Test Nutrient Agar 75315 Ornithine Decarboxylase Broth O5386 Urea Broth 検出および単離用選択性寒天培地 Yersinia Selective Agar (CIN Agar) 分別、検出および単離用分別システム付き 選択性寒天培地 51463 CAT. NO. 95760 CAT. NO. Bile Esculin Agar 48300 Bismuth Sulfite Agar 95388 DCLS Agar 70135 DCLS Agar No. 2 90035 Mac Conkey Agar No 1 70143 Violet Red Bile Glucose Agar without Lactose 17213 Violet Red Bile Glucose Agar without Lactose, Vegitone 53605 VRB MUG Agar 95273 Table 2 エルシニア用培地 sigma-aldrich.com/microbiology Table 4 エルシニアの同定と分別用の検査用品 CAT. NO. References [1] K.J. Ryan, C.G. Ray (editors), Sherris Medical Microbiology, 4th ed., McGraw Hill, 368 –70 (2004). [2]F.M. Collins, Pasteurella, Yersinia, and Francisella. In: Barron’s Medical Microbiology (S. Barron et al, eds.), 4th ed., University of Texas Medical Branch (1996). [3]F. Bichai, P. Payment, B. Barbeau, Protection of Waterborne Pathogens by Higher Organisms in Drinking Water: A Review, Can. J. Microbiol. 54 (7), 509 –524 (2008). [4] Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology, (1994), 9th ed., Williams and Wilkins, Baltimore. 培地および試験用品についてのさらに詳しい情報は、 以下のウェブサイトを参照ください。 sigma-aldrich.com/microbiology 9 新製品 ボルタンメトリーおよびイオンクロマトグラフィー用の高純度試薬 TraceSELECT® Matthias Drexler, Product Manager Analytical Reagents [email protected] シグマ アルドリッチの TraceSELECT シリーズの製品 は、 ppb(µg/kg)レベルの分析用に開発されたもので、 注意深く調製、検査し、最終製品の金属含量およびイ オン性微量不純物について確認した上で、これらの純 度および組成を保証しております。ボルタンメトリー およびイオンクロマトグラフィーに最適な新しい有機 試薬を、この製品群に新たに加えました。また、ポー ラログラフィーにおける電極として用いる水銀も、便 利なサイズのパッケージでお求めいただけるようにな りました。 ボルタンメトリーおよびイオンクロマトグラフィー用試薬の一部。全製品のリストは、以下のウェブサイトを ご覧ください。 sigma-aldrich.com/traceselect CAT. NO. Brand Description Specification Pack Size 83359 Fluka® Mercury for polarography >= 99.9995% 5 g, 25 g, 100 g 12819 Fluka DL-Tartaric acid TraceSELECT 25 g 39692 Fluka Ethylenediaminetetraacetic acid TraceSELECT 25 g 78513 Fluka D-Mannitol TraceSELECT 50 g References [1] Henze, G.. Introduction to Polarography and Voltammetry, Metrohm Monograph 60 pages, DIN A 5 format. For a free copy, please contact www.metrohm.com sigma-aldrich.com/traceselect 微量分析 ボルタンメトリーは、もっぱらアニオンやカチオンの 無機トレース分析に用いられていますが、種々の有機 化合物の分析にも用いることができます。無機分析に おける最も重要な分野は、冶金学、環境分析、食品分 析、毒物学および臨床分析です。水銀をボルタンメト リー用セルの電極に用いた場合、その技術はポーラロ グラフィーと呼ばれます。金属が水銀中に還元される 反応は、固体電極への還元よりも容易に起こります。 また、測定ごとにクリーンで新しい Hg 電極表面を用 いることができます。 10 新製品 イオンクロマトグラフィー用、有機酸スタンダード Jürg Wüthrich, Senior Scientist R&D Europe [email protected] CRM は、認められた標準物質にトレーサブルという だけでなく、純度が明確に決められるとともに、その 不確かさも適切に算出されていなければなりません。 使用する CRM の品質は分析結果の精度に直接影響す るため、適切な CRM 製造業者を選択することが極め て重要です。ほとんどの科学者にとって、このことは 信頼の問題に直結します。 この記事では、TraceCERT® というブランドの新しい IC 用有機スタンダードについて、その製造および認 証に関する最も重要な技術的側面について説明しま す。これらの CRM は、単一成分を水ベースで濃度 1 g/L としたものであり、一般的なほとんどのカルボ ン酸を網羅しています。 スタンダード 信頼をボトルに詰める方法 CRM 製造業者の技術的、管理的能力の基礎の一つと なるのは、独立した機関による検査および認定です。 現在、 イオンクロマトグラフィー(IC)の利用は、 食品・ これらの IC 用スタンダードを製造しているシグマ ア 飲料、環境、生命科学、薬学、発電、エレクトロニク ルドリッチの Buchs(スイス)にある施設では、SAS スなど多くの産業に広がっています。この幅広い分野 (Swiss Accreditation Service) か ら ISO ガ イド 34( 標 での分析対象物としては、無機アニオン・カチオン、 準物質製造者の能力に関する一般要求事項)の認定 有機酸、炭水化物、アミノ酸、タンパク質、脂肪酸、 を受けています。また、いくつかの分析方法(たとえ 多糖類、ポリリン酸、界面活性剤などが挙げられます。 ば秤量、qNMR®、ICP-OES、滴定、密度)についても、 ISO/IEC 17025(検査施設および校正機関の能力に関 残念ながら IC は一次分析法ではないため、校正や品 する一般要求事項)のもとで認定を受けています。 質管理用のスタンダードとして、 認証標準物質(CRM) ISO/IEC 17025 と ISO ガイド 34 の組合せは、品質保証 が必ず必要となります。CRM は、国家計量機関のよ に関して得られる最高レベルのもので、CRM 製造業 うな国際的に認められた別の標準物質や、SI 単位に直 者に対する認定の中で「ゴールドスタンダード」とも 呼ばれています。 接トレーサブルとなるため、その役割は重要です。 これらの認定要求事項によって、CRM 製造が厳格な コンセプトに則っており、証明されたプロセスに従っ ていることが認証されています。弊社では、親水性有 機化合物スタンダードの製造および認証には、下記に 示すステップに従うことが最も重要であると考えてい ます。 qNMR による 出発原料含有量 高精度な秤量 による 重量の測定 クリーンルーム での滅菌容器へ のボトル詰め 最終 CRM 溶液 容器の浸出 および 蒸発データ sigma-aldrich.com/ic ボトル詰め CRM 溶液に対する 安定性検査 11 分析対象物の濃度に影響する物質の主な発生源と潜 在的な汚染物が特定され、可能な限り除去することが できて初めて、製造工程が適切に検証されたと言うこ とができます。弊社は、認証のプロセスに関して卓越 した専門性を有しており、お客様には、手に取られた すべての製品を信頼していただけることをお約束いた します。 このような条件をすべて維持し、さらに基本設備を 日々改良することによって初めて、弊社は、1 mg か ら 65 kg までの全ての重量領域を、非常に小さい不確 かさ(通常約 0.01%)でカバーできるのです。 高精度秤量後、出発原料は 60 L の PVDF 容器に定量 的に移されます。混合容器を天秤に載せた状態で、計 算した最終溶液の重量になるように高純度水(比伝導 度:18 MΩ•cm、全有機炭素:低 ppb レベル、0.2 µm ろ過済)を加えます。この秤量に基づく方法によって、 校正溶液の最終濃度が精密に調整できます。その後、 容器を上下反転させ回転することで溶液を均一化し ます。この技術によって、溶液には測定可能な不均一 性がなくなることが確かめられています。 (12ページに続く) sigma-aldrich.com/ic スタンダード qNMR® による出発原料の認証 定量的核磁気共鳴分光法(qNMR)は、有機物質の定 量および純度測定に関して、他の分析技術より多くの 優れた点があります。それは、qNMR の最も顕著な属 性が相対的一次法だということです。すなわち、シグ ナルの強度は、共鳴する水素原子核の数に直接比例し ます。従って、化学物質の構造は全く関係がありませ ん。さらに、シグナルの比に影響するような重要な実 最後に重要なのは、溶液を最終の高密度ポリエステル 験的因子や不明なバイアスも全くありません。つまり、 (HDPE)ボトルに、移行プロセス中にいかなる汚染も qNMR 手法における直接的な応答は、最高の確度を有 起こさずに、移さなければならないことです。これは、 しており、これにより認証値における不確かさが低下 クリーンルーム条件下で、不活性な PTFE チューブと します(次の記事もご覧ください:ANALYTX 02-2010 ペリスターポンプを用いて、スタンダードをボトル詰 “Certified Standards for Quantitative 1H-NMR”and めすれば達成できます。多くの有機分析対象物の品質 ANALYTX 03-2010“Launch of a New Generation of と安定性という点では、微生物による汚染が何より最 Organic CRMs” ) 。 も重要な懸念であり、弊社は特別な注意を払っていま す。HDPE ボトルは X 線滅菌しており、ボトルに詰め シュウ酸ナトリウムのような水素原子核を含まない化 た溶液はさらにアジ化ナトリウム(約 0.0005%)で 合物など少数の例外を除いて、弊社の IC スタンダー 安定化させ、0.2 µm 膜でろ過してあります。 ド溶液用の出発原料は qNMR で認証しております。 すべての測定は、ISO/IEC 17025 認証の下で実施され、 保管と安定性 認証値は NIST SRM に直接トレーサブルです。 スタンダード溶液の理想的な容器は、完全に不活性で あり、分析対象物を吸着せず、溶液中への不純物の溶 秤量による製造、均一化およびボトル詰め 解や、溶媒および大気の浸透もない、取扱いと保管が 秤量による製造は最も正確な製造技術であり、ISO/ 容易である容器です。これらすべての要件を満たし、 IEC 17025 認定の高精度秤量定能力に基づいておりま かつ高価でない容器材料は不可能なように思われま す。高精度天秤が、正確な秤量に必須のツールである す。弊社では、現在手に入る最適の材料は、ほとんど ことは言うまでもありません。しかし、天秤の周辺環 の微量不純物がないという要求を満たす HDPE ボトル 境、オペレータの技量やノウハウも非常に重要です。 であると考えています。いくつかの不純物、たとえば カルシウム、ナトリウム、フッ化物、酢酸、ギ酸、グ 弊社では、特別な秤量室を建設し、1000 kg にもなる リコール酸などが、ごく微量(低 µg/L 程度)見つか 3 点支持の花崗岩テーブルの上に天秤を設置しまし ることがあるかもしれませんが、1 g/L スタンダード た。振動が測定結果に影響することはなく、天秤の最 溶液では通常問題のないレベルです(Figure 1) 。 高性能が得られます。静電気も秤量誤差につながるの で、高電圧静電放散器を用いて正確な秤量を確実にし HDPE は、溶媒が容器の壁を透過して蒸散してしまう ています。室内環境も測定精度に影響します。空気に ことが知られています。損失の速度と程度は、温度、 よる浮力を計算するのに必要となるため、秤量室内の 壁厚、壁の形状および表面によって変わります。表 温度、湿度および気圧を綿密にモニターしています。 面 / 体積比が大きいほど、溶媒の損失は早くなります。 空気による浮力は、秤量の結果に最大 0.1% まで影響 HDPE ボトルにおける溶媒の蒸散速度について、様々 する可能性があります。すべての高精度天秤は、第三 な保管条件で、安定性研究の一環として包括的な研 者機関で定期的に検査・校正を受けており、DAkkS ガ 究を行いました。このときのデータは、不確かさの値 イ ド ラ イ ン(DAkkS = Deutsche Akkreditierungsstelle に組み込んでおり、また製品の有効期限と最大保管温 GmbH、ドイツの認定機関)に従って認証されていま 度を算出するのにも用いています。 す。 12 starting material mass starting material content bulk mass homogenization density measurement storage stability 0% Figure 1 赤線= HDPE ボトルにおける水中への浸出検査試料。 (5) 黒線=次の各物質の混合溶液:それぞれ 1 µg/kg の(1)F–、 (7)NO2–、 (8)C2O42–、 (9)NO3–、 (10)PO43–、 (11)SO42–、 (13) Cl–、 (3)CH3COO–、 I– およびそれぞれ 10 µg/kg の(2)HOCH2COO–、 – 2– (12)C2O4 ; (6)システムピーク (4)CHOO 、 測定の不確かさと認証 ISO/IEC 17025 認証の研究施設で作業している場合、 分析結果の測定の不確かさは計算できる、あるいは少 なくとも見積りできる必要があります。そのため、校 正に用いた標準試薬に由来する不確かさが分かって いる必要があります。CRM 製造業者にとって、関連 する不確かさの要因すべてを考慮することが最も重 要であり、それによってお客様の試料中の分析対象物 の測定不確かさをより信頼できるものにすることがで きます。 スタンダード 認証値を「値は認証した日付のものです」という注意 書をつけて発行している CRM 製造業者もありますが、 これは(上記の通り) 、ボトル内部の濃度が保管条件 や容器の種類によって変化することを無視したもので す。こうすれば、不確かさは非現実的なレベルに下げ られます。 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% Figure 2 このチャートは、通常の不確かさの要因を % で表した ものです。1000 mg/L スタンダード溶液(100 mL HDPE ボトル) における拡張不確かさ(95% confidence level)は、通常 3 年の 有効期限に対して 4 mg/L です。 確かさに含めています。なぜならば、弊社は、お客様 がその CRM を購入されるのが製造の 1 カ月後である か 2 年後であるかに関わらず、認証した濃度をお約 。 束したいと考えているからです(Figure 2) これらの新しい IC スタンダード溶液は、ISO ガイド 31 による包括的な認証書がついており、弊社のウェ ブサイトから入手可能です。製品番号およびロット番 号を入力すると、以下の情報が示されます。 • • • • • ロットごとの濃度の値 拡張測定不確かさ(95% confidence level) 認証値のトレーサビリティ 推奨する保管条件および使用方法 有効期限と組成 弊社では、定期的に製品ラインを拡大しております。 最新のリストについては、以下のウェブサイトをご覧 TraceCERT® スタンダード溶液は違います! 弊社では、 ください。 保管中に起こるこの潜在的な濃度変化を最終的な不 sigma-aldrich.com/ic Name Composition CAT. NO. Package Size Acetate Standard for IC Acetic acid, NaOH, water 51791 100 mL Benzoate Standard for IC Benzoic acid, water 40497 100 mL Butyrate Standard for IC Sodium butyrate, water 08089 100 mL Citrate Standard for IC Citric acid, water 96068 100 mL Formate Standard for IC Calcium formate, water 44293 100 mL Maleate Standard for IC Maleic acid, water 06908 100 mL Malonate Standard for IC Malonic acid, water 42412 100 mL Oxalate Standard for IC Sodium oxalate, water 73139 100 mL Phthalate Standard for IC Potassium phthalate monobasic, water 90677 100 mL Propionate Standard for IC Sodium propionate, water 51716 100 mL Tartrate Standard for IC L-(+)-tartaric acid, water 43484 100 mL Table 1 イオンクロマトグラフィー用の認証有機標準物質の最初のシリーズ。分析対象物の濃度は 1000 mg/L sigma-aldrich.com/ic 13 新製品 TraceCERT® 単一元素スタンダード Jürg Wüthrich, Senior Scientist R&D Europe [email protected] Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected] • • • • Fluka® の TraceCERT 製品ラインには、様々な用途に応 じた、有機および無機の認証付標準物質(CRM)が あります。これらの標準物質は、達成しうる最高の品 質レベルを満たし、ISO/IEC 17025 および ISO ガイド 34 に従って製造、認証されています [1,2]。 認証値のトレーサビリティ 推奨する保管・使用方法 有効期限と組成 ICP スタンダードについては、約 70 種の微量不純物 ICP スタンダードは HDPE ボトルに充填され、光およ び気体を通さないアルミ箔の袋でパッケージされて います。この念入りな包装によって、スタンダードの 不確かさは低くなり、有効期限も 4 年に及びます。 下記のリストには、TraceCERT 製品ラインに最近加 わった原子吸光、ICP 用およびイオンクロマトグラ フィー用の CRM を示します。最新のリストは、以下 のウェブサイトをご覧ください。 sigma-aldrich.com/inorganiccrm ISO ガイド 31[3] に従って作成された包括的な認証書 には、以下の内容が記載されています。 • ロットごとの、拡張不確かさを含む濃度の値 Element 1000 mg/L Dysprosium Europium Neodym Terbium Composition ICP Standards CAT. NO. 68339 05779 04730 44881 Dy2O3 in HNO3 Eu2O3 in HNO3 Nd2O3 in HNO3 Tb2O3 in HNO3 [1] ISO/IEC 17025, General requirements for the competence of testing and calibration laboratories, (2005). [2]ISO Guide 34, General requirements for the competence of reference material producers, (2009). [3]ISO Guide 31, Reference materials – Contents of certificates and labels, (2000). Pack Size 100 mL 100 mL 100 mL 100 mL AAS Standards CAT. NO. 78247 03734 41695 50356 Pack Size 100 mL 100 mL 100 mL 100 mL Table 1 ICP および AAS 用認証標準物質の新製品 Element 10000 mg/L Antimony Cobalt Lead Tin Titanium Tungsten Composition Sb semi-metal in HNO3 /HF Co metal in HNO3 Pb(NO3)2 in HNO3 Sn metal in HNO3 /HF Ti metal in HNO3 /HF W metal in HNO3 /HF CAT. NO. 91482 01488 39082 42991 44973 50938 Pack Size 100 mL 100 mL 100 mL 100 mL 100 mL 100 mL CAT. NO. 91286 Pack Size 100 mL Table 2 ICP 用高濃度認証標準物質の新製品 Name Multi-cation standard 1 for IC Composition 50 mg/L: Li 200 mg/L: K, Mg, Na 400 mg/L: NH4 1000 mg/L: Ca in <0.1% HNO3 Table 3 新製品 IC 用認証標準物質 混合カチオン溶液 sigma-aldrich.com/inorganiccrm スタンダード 無機 TraceCERT 製品ラインには、50 を超える ICP お よび AAS 用の 1 g/L の単一元素溶液を、取り揃えてお ります。最も一般的に用いられている元素については、 万一、お客様のニーズに応じたスタンダードが弊社の 10 g/L の高濃度 ICP スタンダード溶液も用意しており 製品群にない場合、弊社では特注品としてご提供する ます。 事が可能です。カスタム(特注)スタンダードをご希 望の場合は、お手数ですが、弊社アナリティカル製品 (E-mail: 出発原料は、すべて高純度のものを注意深く選定し、 グ ル ー プ ま で お 問 い 合 わ せ く だ さ い。 徹底的にキャラクタライズを行うことによって、それ [email protected]) ぞれの元素のスタンダード溶液として特有の要件を References 満たすものにしております。 14 新製品 クロマトグラフィーおよび定量 NMR 用 TraceCERT® 有機認証標準物質 自分の分析結果を信じることは、つまり自分の標準物質を信じること。 Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected] Alexander Rück, Senior Scientist R&D Europe [email protected] Christine Hellriegel, Senior Scientist R&D Europe [email protected] 分析において信頼性ある定量的な結果を得るために は、校正に用いる標準物質の選択が非常に重要です。 下記のリストに、最近追加された製品を挙げています。 新製品を継続的に加えておりますので、すべての製品 をカバーする最新のリストは、弊社のウェブサイト 国際的なスタンダード(NIST SRM® のような)へのト (sigma-aldrich.com/organiccrm)を ご 覧 くだ さ い。 レーサビリティを有する標準物質を用いることは、信 また証明書のサンプルや技術資料がダウンロードでき 頼性が高く比較可能な結果を得るのに役立ちます。し るようになっております。 かし、有機物質では、トレーサブルな標準物質が容易 CAT. Brand Product Pack Product に見つからない場合も多くあります。市販されている NO. Size Group 標準物質の多くは、国際的に認められたスタンダード 100 mg FA/FAME 07041 Fluka® Methyl Laurate にトレーサブルではありません。これは、ほとんどの 76511 Fluka Resveratrol 100 mg Natural Products 分析技術で、国際的に認められた同じ化合物のスタン 92549 Fluka Acenaphthylene 100 mg PAH ダードが入手できず、トレーサビリティが不可能だか 07671 Fluka Anthracene 100 mg PAH 96996 Fluka Biphenyl 100 mg Pesticide らです。 シグマ アルドリッチは、TraceCERT 有機標準物質の製 品ラインで、直接 NIST SRM、さらには SI へのトレー サビリティを備えた、高品質の認証標準物質(CRM) を提供しており、製品群の幅を急速に広げて包括的な ものにしつつあります。トレーサビリティは、高性能 定量 NMR(HP-qNMR®)を相対的一次法として使用す ることで得られます。CRM は、ISO/IEC 17025 および ISO ガイド 34 の両方を満たした、研究施設で認証さ れます。 スタンダード これらの TraceCERT 有機認証標準物質は、以下の特 徴があります; • 定量 NMR(qNMR)による認証値 • 超高レベルの精度、算出した不確かさ、およびロッ トごとの値 • NIST SRM へのトレーサビリティ • 製品に同封する包括的な書面(ISO ガイド 31 によ る認証書) 51991 91481 64947 50744 30958 94664 Fluka Fluka Fluka Fluka Fluka Fluka 30056 51868 03323 94676 68714 49893 09172 Fluka Fluka Fluka Fluka Fluka Fluka Fluka Cypermethrin 50 mg Malathion 50 mg Prochloraz 50 mg Dimethyl fumarate 100 mg Benzo[b]fluoranthene 50 mg Anhydrotetracycline 50 mg hydrochloride Betaine 50 mg trans-Caffeic acid 50 mg Benzo[k]fluoranthene 10 mg Citric Acid 100 mg Malonic Acid 100 mg Succinic Acid 100 mg L-(-)-Malic acid 100 mg Pesticide Pesticide Pesticide PAH Antibiotics Natural Products Natural Products PAH Natural Products Natural Products Natural Products Natural Products Table 1 新製品 TraceCERT クロマトグラフィー用未希釈有機認 証標準物質 新製品 定量 NMR 用 TraceCERT® 有機認証標準物質 定量 NMR 測定を行われるお客様向けに、様々な ppm 値と溶解度をカバーする内部標準を NIST トレーサブル な認証標準物質として提供いたします。既に販売して いる 9 製品に、 新たに 2 製品が加わりました(Table 2) 。 相対的一次法としての 1H 定量 NMR の大きな利点は、 弊社のウェブサイト(sigma-aldrich.com/organiccrm) 水素原子核のシグナルの積分値が化学構造に全く依 には、すべての製品をカバーする完全な最新のリスト 存しない点です。 が掲載されており、証明書のサンプルや技術資料がダ ウンロードできるようになっております。 ですから、秤量法で製造した分析対象物の溶液と内部 CAT. Brand Produkt Chemical Soluble In 標準の両方を測定すれば、NIST トレーサブルが可能 NO. Shift な内部標準が少数であっても、基本的にはどんな有機 07038 Fluka Dimethyl 3.9 + 8.1 ppm CDCl3, 化合物も認証できることになります。質量対質量の比 MeOD, terephthalate が正確に分かりますから、分析対象物の含有量を非常 DMSO-d6 89151 Fluka Dimethylmalonic 1.3 ppm D2O, MeOD, に高精度で算出することができるのです。通常、不確 acid DMSO-d6 かさは、0.5% から 0.1% の範囲になります。 Table 2 新製品 TraceCERT qNMR 用未希釈有機認証標準物質 新製品 TraceCERT クロマトグラフィー用有機認証 標準物質 現在の製品群には、前報 [1] で示したとおり、70 種を 超える CRM があり、アミノ酸、天然物、PAH、脂肪 酸 /FAME、農薬および医薬品が含まれます。 sigma-aldrich.com/organiccrm References [1] TraceCERT Organic Certified Reference Materials, Analytix, Vol 3 2010; Vol. 1 2011; Vol. 3 2011; Vol 4 2011. [2]TraceCERT Organic Certified Reference Materials, Analytix, Vol 2 2010. 15 新製品 農薬およびカビ毒分析用標準試薬 Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected] 新製品 残留農薬分析用高純度スタンダード 新製品 カビ毒(マイコトキシン)標準試薬 弊社では PESTANAL のライン アップとして、食品および環 境分析用の農薬とその代謝物、 さらに同位体でラベル化した 化合物の 1500 を超える高純度 スタンダードを提供しており ます。この製品群は、引き続 き拡充しております。最近追 加した新製品を、以下にリス トアップしました。製品リスト は下記のウェブサイトをご覧 ください。 sigma-aldrich.com/pesticides ® Brand CAT. NO. Description Pack Size 4-(3,6-Dimethyl-3-heptyl)phenol-ring-13C6 solution Fluka 35371 Acibenzolar acid 50 mg Fluka 32461 Ametoctradin 50 mg Fluka 32457 Aminopyralid 25 mg Fluka 32849 Amisulbrom 25 mg Fluka 32442 Amitraz Metabolite BTS 27271 10 mg Fluka 32474 Benzofenap solution Fluka 32456 Chlorethoxyfos 25 mg 1 mL 2 mL 収穫物がカビに汚染されると、直接的に、あるいは家畜のエサと しての使用を通じて、人間の食品へカビ毒汚染が起こることにな ります。シグマ アルドリッチは、食品分析用として、カビ毒お よび同位体ラベル化したカビ毒の分析用スタンダードをご用意し ております。下記の表は、この製品群への最新の追加製品を挙げ たものです。カビ毒スタンダードのすべての製品リストについて は、下記のウェブサイトをご覧ください。 sigma-aldrich.com/mycotoxins Fluka 35376 Cuelure 25 mg Brand CAT. NO. Description Fluka 37023 Cumyluron 25 mg Fluka 35758 Alternariol Pack Size 0.1 mg Fluka 35978 Dimethirimol 10 mg Fluka 35762 Alternariol 9-methyl ether 0.1 mg Fluka 35352 Dioxabenzofos 10 mg Fluka 37012 Beauvericin 0.1 mg Fluka 32475 Fenothiocarb 100 mg Fluka 35878 Citreoviridin A 0.1 mg Fluka 35372 Fluazifop-P 25 mg Fluka 35410 Citrinin solution, 100µg/mL in acetonitrile 1 mL 1 mL Fluka 37038 Flumorph, mixture of E and Z isomers 25 mg Fluka 37017 Fumagillin solution, 100 µg/mL in acetonitrile Fluka 32462 Fluopyram 50 mg Fluka 35598 Gliotoxin solution, 100 µg/mL in actonitrile Fluka 32464 Fluthiacet-methyl 25 mg Fluka 35970 Meleagrin 100 mg Fluka 37013 Moniliformin sodium salt solution, 100 µg/mL in acetonitrile/water 100 mg Fluka 35516 Patulin-13C7 solution, 25 µg/mL in acetonitrile 10 mg Fluka 35417 Paxilline solution, 100 µg/mL in acetonitrile 35976 Stachybotrylactam 0.1 mg 0.1 mg Fluka 32458 Glycarbylamide Fluka 35378 Haloxyfop-P Fluka 35373 Hydramethylnon Fluka 37007 Iminoctadine triacetate 25 mg 1 mL 0.1 mg 1 mL 1.2 mL 1 mL Fluka 35351 Inabenfide 10 mg Fluka Fluka 37009 Isouron 10 mg Fluka 35977 Tentoxin 100 mg Fluka 37016 Verruculogen solution, 100 µg/mL in acetonitrile 1 mL Fluka 32473 Metoclopramide Fluka 32440 N-(2,4-Dimethylphenyl)-N’-methyl-d3-formamidine 10 mg Fluka 35441 Wortmannin solution, 100 µg/mL in acetonitrile 1 mL Fluka 37005 Oxaziclomefone 10 mg Fluka 35405 α-Zearalanol-solution , 10µg/mL in acetonitrile 1 mL 10 mg Fluka 35406 α-Zearalenol-solution, 10µg/mL in acetonitrile 1 mL 25 mg Fluka 35407 β-Zearalanol-solution , 10µg/mL in acetonitrile 1 mL Fluka 35409 β-Zearalenol-solution, 10µg/mL in acetonitrile 1 mL Fluka Fluka 35346 32459 Pyraflufen-ethyl Pyrazolynate Fluka 32437 Pyrazoxyfen 50 mg Fluka 35999 Pyrimidifen 10 mg Fluka 35369 Simeconazole 25 mg Table 2 新製品 カビ毒(マイコトキシン)標準試薬 Table 1 新製品 農薬標準試薬 sigma-aldrich.com/pesticides スタンダード Fluka® 32471 16 医薬品不純物スタンダード Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected] 医薬品中の不純物は、薬の効果に大きな影響を与えた り、望ましくない副作用をもたらしたりすることがあ ります。したがって、医薬品の品質管理においては、 製品中に存在する可能性のある不純物を注意深くモ ニターすることが重要です。ICH ガイダンス Q3A[1] 「新 有効成分含有医薬品のうち原薬の不純物に関するガ イドライン」によると、不純物は、有機不純物、無機 不純物および残留溶媒の 3 つに分類されています。 有機不純物は、製造工程中に生じる可能性があるもの で、たとえば、過剰な出発原料、中間体、試薬、副生 成物などが挙げられます。さらに製造プロセスや保管 中に、劣化によって不純物が生じる可能性もあります。 医薬品の不純物およびその分析方法や上限値は、USP や EP のようなそれぞれの薬局方によって規制されて います。 新製品 不純物標準試薬の製品ラインアップ 医薬品の不純物の標準物質をお客様が容易に入手で きるように、シグマ アルドリッチは医薬品不純物ス タンダードの新しい製品ラインを立ち上げました。こ れらのスタンダードの仕様書には、通常、クロマトグ ラフィーでの純度、水分量、残留溶媒および NMR に よる構造確認が記載されています。 最初に 6 種の有効成分、吉草酸ベタメタゾン、カル ベジロール、プロピオン酸クロベタゾール、塩酸メト ホルミン、塩酸オンダンセトロンおよび塩酸ラニチジ ンの不純物からスタートしましたが、これから数カ月 で製品群を増やしていく予定です。弊社のウェブサイ ト:sigma-aldrich.com/pharmaimpurities を ご 覧 く ださい。最新の製品リストが対応する API ごとに記載 してあります。 References [1] www.fda.gov/downloads/RegulatoryInformation/Guidances/ ucm127984.pdf CAT. NO. Description USP Ph Eur Pack Size Metformin hydrochloride Impurities スタンダード 41924 Cyanoguanidine 08515 Melamine Related Cmpd A Impurity A 50 mg Impurity D 50 mg Ondansetron hydrochloride Impurities 54318 9-Methyl-3-methylene-1,2,3,9-tetrahydro-4H-carbazol-4-one 02739 Imidazole Related Cmpd D Impurity D 50 mg Impurity E 50 mg 02736 2-Methylimidazole Impurity F 50 mg 95439 Ondansetron LC System Suitability LC Sys Suit 50 mg 42884 Ondansetron TLC System Suitability Resolution Mix TLC Sys Suit 50 mg Ranitidine hydrochloride Impurities 19336 2-[[[5-[(Dimethylamino)methyl]furan-2-yl]methyl]sulphanyl]ethanamine hemifumarate salt Related Cmpd A Impurity B 50 mg 42218 N,N’-Bis[2-[[[5-[(dimethylamino)methyl]furan-2-yl]methyl]sulphanyl]ethyl]-2nitroethene-1,1-diamine Related Cmpd B Impurity A 50 mg 52448 Ranitidine S-oxide Related Cmpd C Impurity C 50 mg Betamethasone valerate Impurities 03936 Betamethasone-21-valerate 18081 Betamethasone Related Cmpd A Impurity E 50 mg Impurity A 200 mg Carvedilol Impurities 07496 1-[[9-[2-Hydroxy-3-[[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino]propyl]-9Hcarbazol-4-yl]oxy]-3-[[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino]propan-2-ol Related Cmpd A Impurity A 50 mg 41946 (2RS)-1-[Benzyl[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino]-3-(9H-carbazol-4-yloxy) propan-2-ol Related Cmpd C Impurity C 50 mg 36008 Carvedilol spiked with impurity F Sys suit mixture 50 mg Clobetasol-17-propionate Impurities 93686 (17R)-4’-Chloro-5’-ethyl-9-fluoro-11β-hydroxy-16β-methylspiro[androsta1,4-diene-17,2’(3’H)-furan]-3,3’-dione 38325 73529 Impurity J 50 mg 21-Chloro-9-fluoro-11β-hydroxy-16-methylpregna-1,4,16-triene-3,20-dione Impurity B 50 mg 21-Chloro-9-fluoro-11β,17-dihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20dione (clobetasol) Impurity G 50 mg 新製品 医薬品不純物標準試薬 sigma-aldrich.com/pharmaimpurities Related Cmpd A 17 新製品 医薬品不純物標準試薬 NH NH2 N H H2N CN N H2N 41924 N N N H H3C O N H NO2 N H N H 52448 02736 H3C HO H3C CH3 S O NH2 CH3 N O NO2 S O N H S N H O HO O O CH3 H3C HO CH3 H3C O H H OH N H O 03936 18081 O O HO H3C OH N OH 07496 N N H O H3CO OH CH3 O OCH3 O CH3 N CH3 H F O HO O OCH3 O OH • 1/2 HO 42218 H F O CH3 N 19336 H3C 02739 O S H3C CH3 NH2 N 08515 CH3 N N F N H H3C Cl H CH3 H O 41946 38325 スタンダード Fluka® RTC 薬局方トレーサブル 医薬品二次標準試薬を使えば、 時間と費用を節約できます! • 複数の薬局方 (USP、EP、BP) にトレーサブル。 • 分析は、薬局方を用いて GMP によって検証済の装置で実施。 • 秤量法を用い、ISO 17025 および ISO ガイド 34 に従った認証値。 • ISO ガイド 31 による包括的な認証書付。 Learn more on sigma-aldrich.com/pharmastandards sigma-aldrich.com/pharmaimpurities 18 新製品 ウィザニア(Withania somnifera)分析用スタンダードおよび HPLC メソッド Matthias Nold, David S. Bell and Hugh Cramer [email protected] Fresh Plant ウィザニアの乾燥した根はアシュワガンダの原料で す。アシュワガンダはインド伝統医学 (アーユルヴェー ダ)で最も人気のある療法の一つです。このインド伝 統の植物薬は、西洋諸国でも人気が出てきており、そ れはアメリカ薬局方(USP)にアシュワガンダ根粉末 として [1]、またイギリス薬局方(BP)に伝統的なハー ブ医薬品(THMP)用ウィザニア根として [2] 記載さ れていることからも分かります。 昔から得られている健康上の効能は、催淫作用、若返 り、長生き作用など、非常に多様です [3]。その効用 は最近の生物活性の研究でも裏付けられ、動物実験 でウィサフェリン A が著しい抗ガン活性を備えてい ることが示されています [4]。 Dried Root シグマ アルドリッチは、植物薬製品群に、アシュワ ガンダの定性と定量に役立つウィザニア成分について のスタンダードを数種類追加しました。また、重要な 成分を素早く効率的に分離するのに有効な HPLC カラ ムも特定することができました。 スタンダード ウィザニアの成分 特徴的な成分は、ステロイドラクトンのグループに属 するもので、ステロイドの骨組みが六員環ラクトンに 結合したものです。構造式を Figure 1 に示します。 A 12-Deoxywithastramonolide C Withanolide A B Withaferin A D Withanolide B E Withanone F Withanoside IV G Withanoside V Figure 1 Structures of Selected Withania Constituents Ascentis® Express カラムを用いたウィザニア成分の HPLC 分析 最近の自然健康製品に関する数多くの研究の一環とし て、ウィザ ニ ア の 主 成 分 の 多くを、最 近 の FusedCore® 固定相を数種用いてスクリーニングしました。 このスクリーニングの結果、Ascentis Express F5 およ び Ascentis Express Phenyl-Hexyl の両相が、C18 固定相 よりも選択性が優れていることが分かりました。この 両固定相は、固有の平面構造に起因するものと思われ る、面選択性が高いことで知られています。この面選 択性成分は、平面構造を持つよく似た化合物を分離 するのに有用であることがよくあります。 これに対し、phenyl-hexyl を用いた場合には、15 分の グラジエントでカラムは 10 cm × 2.1 mm と短くても、 すべての成分をベースライン分離できています。 Figure 2 に、ウィザニアスタンダード成分を USP 法 で分離した場合と、Ascentis Express Phenyl-Hexyl で分 離した場合との比較を示しました。USP 法では、40 分という長時間のグラジエントと 25 cm × 4.6 mm C18 カラムが必要です。この時間のかかる分析メソッ ドを用いても、ウィタノリド A とウィザノンとの分離 は部分的にしか行えません。 結論 天然物の成分分析のような複雑なマトリックスの分析 も、高品質のスタンダードと最新の分析ツールがあれ ば、著しく容易になる可能性があります。今回の例で は、Ascentis Express Phenyl-Hexyl Fused-Core 粒子カラ ムを用いることで、アシュワガンダ根からの 7 つの成 分について素早く完全に解析することができました。 sigma-aldrich.com/medicinalplants Figure 3 には、アシュワガンダ抽出成分を両方の分析 メソッドで分離した場合の比較を示します。この場合 も、phenyl-hexyl カラムの方が、短時間かつ約 3 倍の 感度で分解能も優れていることが分かります。ここで は、自信を持って同定できた成分だけを記載してある こ と に ご 注 意 く だ さ い。 同 様 の 結 果 が、Ascentis Express F5 固定相を用いた場合にも得られました (デー タは示していません) 。 19 Discovery® C18 compound 7 elutes at 24 minutes 4 3 Discovery C18 compound 7 elutes at 24 minutes 5 6 3 1 7 1 12 24 5 2 14 16 18 Min. 20 24 0 10 20 Min. Ascentis ® Express Phenyl-Hexyl compound 7 elutes at <9 minutes 1 22 4 Ascentis Express Phenyl-Hexyl compound 7 elutes at <9 minutes 56 3 3 4 1 7 5 2 2 0246810 Min. 0246810 Min. Figure 2 ウィザニアスタンダードを C18 USP 法で分離した場合 と Ascentis Express Phenyl-Hexyl 法で最適分離した場合の比較 Figure 3 アシュワガンダ抽出成分を C18 USP 法で分離した場合 と Ascentis Express Phenyl-Hexyl 法で最適分離した場合の比較 Discovery C18 Conditions for Figures 2 and 3 Description column: mobile phase A: mobile phase B: gradient: 12-Deoxywithastramonolide * 0.14 gのリン酸二水素カリウムを900 mLの水に溶かしたものに 0.5 mLのリン酸を加え、1000 mLになるように水で希釈した後、 攪拌しました。 Ascentis Express Phenyl-Hexyl Conditions for Figures 2 and 3 column: Ascentis Express Phenyl-Hexyl, 10 cm x 2.1 mm I.D., 2.7 µm (53336-U) mobile phase A: water mobile phase B: acetonitrile gradient: Min. %A %B 0.0 80.0 20.0 10.0 0.0 100.0 10.5 0.0 100.0 11.0 20.0 80.0 15.0 20.0 80.0 flow rate: 0.3 mL/min. temp.: 35 ˚C det.: 227 nm injection: 5 µL samples: same as Discovery C18 1. 2. 3. 4. Withanoside IV Withanoside V Withaferin A Withastramonolide 5. 6. 7. Withanolide A Withanone Withanolide B CAT. NO. 10 mg 94187 Withaferin A 10 mg 89910 Withanolide A 10 mg 74776 Withanolide B 10 mg 94284 Withanone 10 mg 90896 Withanoside IV 10 mg 94186 Withanoside V 10 mg 66042 1 53336-U Ascentis Express Phenyl-Hexyl Column 10 cm x 2.1 mm I.D., 2.7 µm シグマ アルドリッチは、植物性医薬品の成分につい て 250 を超える幅広い分析スタンダード、一次標準 物質および認証標準物質を提供しており、医薬品業界 の品質管理に役立てられています。 弊社のウェブサイトsigma-aldrich.com/medicinalplants では、これらの製品をアルファベット順、物質の分類 または数多い薬草の属ごとに、ご覧いただけます。 謝辞 ウィザニアの写真は Dr. Amit Agarwal(Director, Natural Remedies Pvt. Ltd., Bangalore, India)に提供いただきま した。 References [1] USP 34, Dietary Supplements, Ashwagandha 1079. [2]BP 2011, Withania somnifera roots for THMP, 3674. [3]Agarwal, A.; Murali, B.; “Quality Assessment of Selected Indian Medicinal Plants”; Volume 1. [4] Singh, G.; Sharma, P.K.; Dudhe, R.; Singh, S.; Annals of Biological Research, 1 (3); 56–63. sigma-aldrich.com/medicinalplants スタンダード flow rate: temp.: det.: injection: samples: Discovery C18, 25 cm x 4.6 mm I.D., 5 µm (504971) phosphate buffer* acetonitrile Min. %A %B 0.0 95.0 5.0 18.0 55.0 45.0 25.0 20.0 80.0 28.0 20.0 80.0 30.0 95.0 5.0 40.0 95.0 5.0 1.5 mL/min. 27 ˚C 227 nm 20 µL Standard: 20 µg/mL each in 80:20 = water: methanol Extract: As per USP (1) Package Size 20 新製品 植物性医薬品の標準試薬 Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected] 植物由来の物質は、近年植物性医薬品や食品または サプリメントとして、重要度を増しています。これら の製品は、自然由来であり、多くの場合は伝統的に医 薬品として用いられてきたものであるため、品質管理 の必要性が見過ごされがちでした。 しかし、植物抽出物の成分プロファイルは、収穫条件 および加工方法によって著しく異なることがありま す。さらに、毒性のある植物種や他の汚染物質の混入 の可能性も考えられます。これらに応えるため、近年 Pack Size 規制への圧力が増してきました。有効成分や指標成分 の濃度をモニターするためには、信頼できる分析用標 準試薬が必要です。シグマ アルドリッチは、薬用植 物の有効成分やマーカーの分析用標準試薬や一次標 準を提供しております。現在この製品ラインアップは、 200 を超え、常に新製品が追加されています。 リストはウェブサイトからご覧いただけます。 sigma-aldrich.com/medicinalplants CAT. NO. Brand Description CAT. NO. Brand Description 18543 Fluka® Acetoxyvalerenic acid 10 mg 44689 Fluka Kuromanin chloride 50292 Fluka Aloin 10 mg 77556 Fluka N-Malonyl-DL-tryptophan 90331 Fluka Arjunetin 5 mg 04157 Fluka Matairesinol 44006 Fluka Avicularin 5 mg 42248 Fluka 7-Methoxycoumarin 56619 Fluka Bacopaside I 73962 Fluka I3,II8-Biapigenin 5 mg 80488 Fluka R-(+)-Methysticin 10 mg 72576 Fluka Myricetin Pack Size 5 mg 10 mg 5 mg 10 mg 5 mg 10 mg 40501 Fluka Deacylgymnemic acid 5 mg 06069 Fluka Oleandrin 5 mg 51773 Fluka Desmethoxyyangonin 5 mg 75602 Fluka 6-Prenylnaringenin 5 mg 41866 Fluka (S)-(+)-7,8-Dihydrokavain 5 mg 75119 Fluka 8-Prenylnaringenin 5 mg 52007 Fluka (+)-Dihydromethysticin 5 mg 30147 Fluka Primulaverin 5 mg スタンダード 18442 Fluka Faradiol 5 mg 90657 Fluka Primverin 5 mg 52181 Fluka Gymnemangenin 5 mg 73633 Fluka Psoralen 10 mg 79737 Fluka Hederacoside C 10 mg 30873 Fluka Rhein 10 mg 07512 Fluka α-Hederin 10 mg 73422 Fluka Sakuranetin 10 mg 78109 Fluka Homoorientin 5 mg 43623 Fluka β-Sitosterol 10 mg 5 mg 39363 Fluka Sodium 3-(3,4-dihydroxyphenyl)-DL-lactate 55507 Fluka Hydroxyvalerenic acid 59802 Fluka (1S,2R,5R)-(+)-Isomenthol 55423 Fluka (-)-Isoxanthohumol 00382 Fluka (R)-(+)-Kavain 25 mg 5 mg 79257 Fluka Tiliroside 10 mg 10 mg 75575 Fluka Yangonin 5 mg Table 新製品 植物性医薬品の有効成分およびマーカー化合物の分析用標準試薬 薬用植物のための標準物質 植物性医薬品、機能性食品、研究用の分析用標準試薬および一次標準 シグマ アルドリッチは、薬用植物に関する有効成分分析スタンダードおよびマーカー化合物を幅広く提供 しており、さらに製品群を拡充中です。この製品群には、植物性医薬品の品質管理、工程内管理および安 定性検査用の、一次標準スタンダードも入っています。リストは、ウェブサイトをご覧ください: sigma-aldrich.com/medicinalplants 製品は、アルファベット順、構造分類および植物の属で分類し、リストアップしております。 sigma-aldrich.com/medicinalplants 5 mg 21 新製品 動物用医薬品標準試薬 Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected] 現代の畜産、水産業においては、感染、寄生虫および 病害を防ぐため、抗生物質等の薬剤が広く使用されて います。そのため、動物起源の食料品は、残留医薬品 およびその代謝物について検査する必要があります。 弊社の VETRANAL® 製品群には、200 を超える動物用 医薬品の有効成分の高品質なスタンダードを提供し ており、同位体でラベル化した化合物や、一般的な代 謝物もあります。下記の表は、追加した VETRANAL 製品の最新の製品をリストアップしたものです。製品 のリストについては、弊社のウェブサイトをご覧くだ さい。 CAT. NO. Brand Description 35342 Fluka® 2,5-Dimethyl-celecoxib Pack Size 10 mg 32463 Fluka 5-Hydroxyflunixin 10 mg CAT. NO. Brand Description 32479 Fluka Mapenterol-(dimethyl-d6, propyl-d5) hydrochloride Pack Size 10 mg 10 mg 35404 Fluka 5-Hydroxymebendazole 10 mg 35403 Fluka Mebendazole-amine 35394 Fluka Albendazole sulfone 10 mg 35364 Fluka Mefenamic acid-(benzoic ring-13C6) 10 mg 35395 Fluka Albendazole sulfoxide 10 mg 32460 Fluka Meropenem trihydrate 25 mg 35344 Fluka Albendazole-(methyl-d3) 10 mg 37011 Fluka Methazolamide 35396 Fluka Brombuterol-(tert-butyl-d9) hydrochloride 10 mg 32477 Fluka Moxifloxacin hydrochloride 50 mg 35365 Fluka 10 mg 10 mg Niclosamide-(2-chloro-4nitrophenyl-13C6) hydrate 10 mg 100 mg Fluka Bromchlorbuterol hydrochloride 32472 Fluka Cefquinome sulfate 100 mg 32482 Fluka Niflumic acid-(phenyl-13C6) 32488 Fluka 13 Chloramphenicol- C11 solution 1.2 mL 32439 Fluka Nifurpirinol 50 mg 35398 Fluka Cimbuterol-(tert-butyl-d9) 10 mg 35367 Fluka Nitroxynil-(phenyl-13C6) 10 mg 35399 Fluka Clencyclohexerol hydrochloride 10 mg 35379 Fluka Oxyclozanide-(benzoyl ring-13C6) 10 mg 35401 Fluka Clenisopenterol hydrochloride 10 mg 32438 Fluka Parbendazole 25 mg 32480 Fluka Clenpenterol-(dimethyl-d6, propyl-d5) hydrochloride 10 mg 32493 Fluka Phenylbutazone-(diphenyl-13C12) 10 mg 35381 Fluka Rafoxanide-(benzoyl ring-13C6) 10 mg 35353 Fluka Clorsulon-(phenyl-13C6) 10 mg 35382 Fluka Secnidazole hemihydrate 10 mg 35359 Fluka Closantel-(benzoyl ring-13C6) 10 mg 32476 Fluka Selamectin 10 mg 32489 Fluka Cyclosporin A-13C62 solution 1.2 mL 32478 Fluka Sudan II-(naphthyl-d6) 10 mg 32465 Fluka Detomidine hydrochloride monohydrate 10 mg 35383 Fluka Sulfadimethoxine-(phenyl-13C6) 10 mg 35384 Fluka Sulfamethizole-(phenyl-13C6) 10 mg Diclofenac-(acetophenyl ring13 C6) sodium salt 4.5-hydrate 10 mg 35386 Fluka Sulfisoxazole-(phenyl-13C6) 10 mg 35387 Fluka Ternidazole hydrochloride 10 mg 35361 Fluka 35362 Fluka Firocoxib-(5,5-dimethyl-d6) 10 mg 35388 Fluka Toltrazuril-(N-methyl-d3) 10 mg 32492 Fluka Florfenicol amine 10 mg 35389 Fluka Triclabendazole sulfone 10 mg 35363 Fluka Flufenamic acid-(benzoic ring-13C6) 10 mg 35391 Fluka Triclabendazole sulfoxide 10 mg 32491 Fluka Griseofulvin-13C17 solution 1.2 mL 35393 Fluka Triclabendazole-(methyl-d3) 10 mg 32481 Fluka Halofuginone hydrobromide 10 mg 35345 Fluka 10 mg 35349 Fluka Iminoctadine albesilate 10 mg Tulobuterol-(tert-butyl-d9) hydrochloride 35343 Fluka Mabuterol-(tert-butyl-d9) hydrochloride 10 mg 32483 Fluka Voriconazole 25 mg sigma-aldrich.com/standards スタンダード 35397 22 医薬品中の水分定量 HYDRANAL® 試薬を用いたカールフィッシャー滴定 Andrea Felgner, Market Segment Manager [email protected] 重要事項: 1. 滴定試薬は選択できます。滴定容器にメタノール を用いる場合の推奨滴定液は、一液型試薬である HYDRANAL- コンポジットです。 2. 弊社は、以前行った EP 比較テストや難しい試料に ついてのアプリケーションレポートにおいて、分 析対象試料に応じた適切な溶媒を多数推奨してま いりました。この先行研究によって、EP に「… も しくは滴定試薬メーカーが推奨する」という文言 が挿入されたのです。 医薬品の製造に使う材料の多くに対して、水分の定量 が義務づけられています。カールフィッシャー(KF) 滴定は、この分析において長年標準的な方法となって おり、ヨーロッパ薬局方(EP) 、アメリカ薬局方(USP) および日本薬局方(JP)のような主な薬局方に記載さ れています。 一例として、ゲンタマイシン硫酸が挙げられます。 EP では、滴定容器中にメタノールを使うべきとし ています。適合性テストを行った結果、この化合 物は滴定中に完全には溶解しないことが分かりま した。その結果、水分量の測定値は低くなり、添 加した水の回収量が大きくなりました。これは、 後に完溶したためです。この試験結果は、適合性 テストの要件を満足することができませんでした。 これは、滴定フラスコに HYDRANAL- メタノールド ライとホルムアミドとの混合物を用いた場合と対照 的です。この場合には化合物はよく溶け、結果は適 合性テストの要件を満たしました。 滴 定 ヨーロッパ薬局方のカールフィッシャー(KF)滴定 3. より適した滴定液の選択に加え、滴定フラスコに 要件 入れる溶媒を指定することもできます。この許容 最近まで、KF 試薬の配合組成については、ピリジン 度の広さは、EP の文面の「メタノール R または文 を含めて詳細に規定されていました。しかし 1980 年 献に示された溶媒または滴定試薬メーカーが推奨 以降、化学的技術の進歩により、有害で不快臭のする する溶媒」という箇所に反映されています。 ピリジンを含まない滴定試薬として HYDRANAL カー ルフィッシャー試薬を供給できるようになりました。 弊社のウェブサイト http://www.sigmaaldrich.com/ この成功により、EP はバージョン 5.7 から重要な変更 japan/analytical-chromatography/analyticalを行い、カールフィッシャー滴定による水分定量にピ reagents/hydranal.html には、KF 滴定に関する EP リジンベースの試薬を使うことが必須でなくなりまし の要件について、より詳しい情報を掲載しておりま た。 す。弊社の HYDRANAL 技術サービスチームは、様々 な物質に対して適合性テストを実施しております。 2.5.12. 章 水分:セミミクロ分析(容量滴定)において、 A 法として記載されているのは水の直接滴定法、B 法 資料をご希望の際は [email protected] へご連絡くだ は間接法です。このうち直接法の方が便利なので、よ さい。 く使用されます。公表されている説明は以下のとおり です。 カールフィッシャーオーブン法(KF- オーブン法 / 水 分気化法) 「A 法:滴定フラスコに、メタノール R または文献に 不溶性の試料、KF 試薬と副反応する試料あるいは高 示された溶媒または滴定試薬メーカーが推奨する溶 温でないと水を放出しない試料も、KF オーブン法を 媒を入れます。使用する器具によっては、滴定セルか 用いれば分析できる可能性があります。様々な温度で ら残留水を除去するか、予備滴定を行います。検査す 放出された試料中の水分は、適切なキャリアーガスに べき物質を素早く中に投入後、必要な抽出時間撹拌し よって KF 滴定フラスコの中に移送されます。水分量 て滴定を行います。 」 は標準の手順で分析されます。5- アミノレブリン酸 -HCl(凍結乾燥物)は、メタノール中で強い副反応を 示し、 直接 KF 滴定法を行っても終点には到達しません。 sigma-aldrich.com/hydranal 23 この化合物は、含まれる水分が少ないので、弊社では KF オーブンと電量滴定法と組み合わせて測定するこ とを推奨しています。適切な測定パラメータは、蒸発 温度 80˚C(試料の分解は 120˚C で始まります) 、滴定 時間 600 秒、試薬として HYDRANAL®- クーロマット AG または HYDRANAL- クーロマット AG- オーブンお よび HYDRANAL- クーロマット CG(アプリケーショ ンレポート:L506)です。 副反応、および pH が影響する試料 窒素化合物を含む物質は、測定系 pH 値に干渉を起こ すことがあります。副反応が KF 滴定中に進行すると、 電極が覆われてしまったり、終点がはっきりしなく なったり、全く終点がなくなってしまったりして、誤 差を含む結果につながることがあります。これらの副 反応は、 滴定フラスコ中の溶媒に適切なバッファー(緩 衝剤)を加えれば、抑制できる可能性があります。 リン -3- 水和物(アプリケーションレポート:L352) およびアンピシリン(アプリケーションレポート: L422)があります。 しかし、リボフラビンリン酸ナトリウム(生化学的コ ファクターであり、食品着色料としても使用されます) のような物質は、アルコールベースの KF 溶媒には溶 けないことが分かっています。この化合物に適した溶 媒として、ホルムアミドが推奨されます。これを 1:1 の割合で測定溶媒に加えることができます(容量滴定 法) (アプリケーションレポート:L495) 。 試料溶解度の改善 KF 溶 媒 中 で 溶 解 度 が 乏 し い 試 料 に つ い て は、 HYDRANAL- バッファーベース、あるいは HYDRANALメタノールドライとサリチル酸との混合物を推奨しま す。これにより溶解度が向上し、正しい滴定結果が得 られます(滴定液は HYDRANAL- コンポジット) 。その 例としては、β ラクタム系抗生物質であるアモキシシ 34801 HYDRANAL-Titrant 5 34800 HYDRANAL-Solvent 34836 HYDRANAL-Coulomat AG 34739 HYDRANAL-Coulomat AG-Oven 34840 HYDRANAL-Coulomat CG 34724 HYDRANAL-Formamide dry 37865 HYDRANAL-Salicylic acid 32035 HYDRANAL-Benzoic acid 37859 HYDRANAL-Buffer Base sigma-aldrich.com/hydranal 滴 定 アプリケーションレポート 本論文で述べた応用レポートは、弊社の HYDRANAL 技術サービスチームに問い合わせいただければお送り いたします。お問い合わせ先、 さらなるアプリケーショ ンレポート、全製品のリストおよびカールフィッ シャー滴定に関するより詳しい情報については、弊社 パーキンソン病の治療に使われる有効成分であるベ の ウ ェ ブ サ イ ト http://www.sigmaaldrich.com/ ンセラジド塩酸塩は、このような窒素含有物質の一例 japan/analytical-chromatography/analyticalで す。 こ の 物 質 の 水 分 量 を 正 し く 測 定 す る に は、 reagents/hydranal.html を ご 覧 く だ さ い。 カ ー ル HYDRANAL- バッファーベース、または HYDRANAL- フィッシャー滴定について、30 年を超える経験から メタノールドライとサリチル酸との混合物を測定時の 得た知見と、幅広い応用に関するデータベースを、ご 溶媒として使用し、HYDRANAL- コンポジット 2 で滴 利用ください。ご質問、サポート、あるいはフィード 定するとよいでしょう(アプリケーションレポート: バックについては、弊社のウェブサイトをご覧いただ L416) 。局所防腐剤であるヘミ硫酸プロフラビンも測 くか、[email protected] までご連絡ください。 定時の溶媒の pH 値を上げてしまい、滴定の終点が得 られません。HYDRANAL- バッファーベース、または 活性成分 L249 Adenosine-5’-triphosphoric acid disodium salt HYDRANAL- メタノールドライと安息香酸との混合物 L230 Dobutamine hydrochloride を用いれば、pH 値を低下させることができ、副反応 L242 Erythromycin を防ぐには HYDRANAL- コンポジット 5 で滴定します L660 Ibuprofen (film tablets) (アプリケーションレポート:L354) 。ペニシリン類は L307 Benzyl penicillin procaine カビ代謝物の一群で、細菌による感染の治療に用いら L448 Gentamicin sulfate れます。ペニシリン中の水分量の測定は、pH によっ L510 Ethosuximide 副反応では、 L463 ては副反応が起こるために妨害されます。 Cyclophosphamide ペニシロ酸や他の加水分解生成物などのペニシリン 添加剤 誘導体がヨウ素で酸化されます。しかし、滴定を弱酸 L607 Sorbitol solution (70%) Polysorbate 80 性条件下で実施すれば、この副反応は抑制できます。 L608 L169 Citric acid KF 一成分技術では、HYDRANAL- メタノールドライま L70 Glucose and Lactose た は HYDRANAL- メ タ ノ ー ル ラ ピ ッ ド お よ び L604 Povidon HYDRANAL- コンポジット 2 を使っており、滴定フラ L326 Magnesium stearate スコ内の pH をほぼ 5 にすることができます。こうす L297 Glycerine monostearate れば、副反応を起こさずにペニシリン中の水分量を滴 L489 Disodium hydrogen phosphate-12-hydrate 定できます。終点が容易に得られない場合には、 (滴 Table 医薬品業界向けのその他のアプリケーションレポート 定前に)サリチル酸を溶媒に加えることを推奨してい ます。ペニシリンの滴定は、二液型試薬を使って行う CAT. NO. Description こともできます。推奨する試薬は HYDRANAL-Solvent 34805 HYDRANAL-Composite 5 34806 HYDRANAL-Composite 2 とサリチル酸との混合物で、滴定は HYDRANAL- タイ 34741 HYDRANAL-Methanol dry トラントを使って行えます(アプリケーションレポー 37817 HYDRANAL-Methanol Rapid ト:L166) 。 24 新製品 医薬品および油類用の溶媒 TraceSELECT® Matthias Drexler, Product Manager, Analytical Reagents [email protected] 微量金属の分析が成功するかどうかは、正しい試料前 処理技術を使い、正しい試薬を使うかどうかにかかっ ています。ほとんどの場合、試料は湿式分解または溶 融分解で分解する必要があります。これに対し、医薬 品化合物や様々なタイプの油類のような試料は、直接 希釈して AAS または ICP-OES/MS で分析できます。分 解のステップを避けられることによって、分析は通常 速く(したがって安く)できるようになり、このこと はルーチン分析の場合に特に有用となります。 いくつかの金属ベースの燃料添加剤によって、バイオ ディーゼルの燃焼効率が向上しますが、逆にいくつか の(Cu,Co,Mn のような)金属は、酸化劣化の触媒作 用や毒性を有したりするために油類に有害な影響を与 えます。したがって、植物油やバイオディーゼルに含 まれる微量金属をモニターするための公的な手順が多 弊社の新しい TraceSELECT グレー く定められています。 ドの 1- プロパノール(Fluka® 09158)は、植物油やバ イオディーゼルの希釈に特に適しており、有毒あるい は腐食性の分解試薬を使用する必要がなくなります。 分光法 多くの重金属は有毒で劣化作用があるため、医薬品に おいて、微量金属を分析して品質管理を確実に行うこ とは、公的書類においても極めて重要とされています。 医薬品を直接希釈し、微量金属を素早くスクリーニン グするためには、有機溶媒と水(Fluka 14211)の混 合物が使われており、特に Pd や Pt のような重金属の 微量を分析する上でとても有用です。このような重金 属は、医薬品化合物の有効成分やその前駆物質を合 成するための有機金属触媒として広く使われているも のです。 すべての TraceSELECT 有機溶媒は、70 種に及ぶ金属 種について分析証明書に明確に記載されているよう に、ブランク値が極めて低くなっています。また浸出 の影響を最低限に抑える高品質の包装容器に充填さ れています。このため、これらの有機溶媒は長期間の 保管後でも問題ありません。 References [1] E. S. Chaves, M. T. C. de Loos-Vollebregt, A. J. Curtiusa, F. Vanhaecke, Determination of Trace Elements in Biodiesel and Vegetable Oil by Inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectrometry Following Alcohol Dilution, Spectrochim. Acta B 66 (2011) 733–739. [2]N. Lewen, The Use of Atomic Spectroscopy in the Pharmaceutical Industry for the Determination of Trace Elements in Pharmaceuticals, J. Pharm. Biomed. Anal. 55 (2011) 653–661. [3]N. Lewen, S. Mathew, M. Schenkenberger, T. Raglione, A Rapid ICP-MS Screen for Heavy Elements in Pharmaceutical Compounds, J. Pharm. Biomed. Anal. 35 (2004) 739–752. CAT. NO. Brand Description Specification 09158 Fluka 1-Propanol TraceSELECT (>= 99.5%) Pack Sizes 92328 Fluka Ethylene glycol butyl ether TraceSELECT (>= 98%) 1L 01324 Fluka Acetonitrile TraceSELECT (>= 99.9%) 1L 500 mL 42105 Fluka Methanol TraceSELECT (>= 99.9%) 1L 14211 Fluka Water TraceSELECT Ultra 1L 43729 Fluka 1-Methyl-2-pyrrolidinone (NMP) TraceSELECT (>= 99%) 1L 製品リスト 微量金属分析用試料の直接希釈に最適な溶媒 sigma-aldrich.com/traceselect sigma-aldrich.com/traceselect 25 ESR 分光法用のスピンラベル Matthias Drexler, Product Manager, Analytical Reagents [email protected] NH2 OCH3 H3C H3C N O• CH3 CH3 H3C H3C N O• CH3 CH3 ESR 分光法は、高分子生物学、特にタンパク質の構造、 動力学および高次構造変化のキャラクタリゼーション において重要な方法になってきています。タンパク質 結晶化による構造解析とは対照的に、ESR は溶液中で の構造や高次構造を確認することができます。ESR は NMR 分光法と比較していくつかの重要な優位性があり ます。たとえば、電子スピンの磁気モーメントが比較 的大きいために感度が高い点、タイムスケールがはる かに小さい(ナノスケール)ためにより速い動力学を 研究できる点があります。最近、多重周波数 ESR の技 術が進歩し、タンパク質の動力学についてさらに詳し いキャラクタリゼーションが行えるようになりました。 H3C H3C N O• NCS CH3 CH3 H3C H3C N • O CH3 CH3 対象となる化学・生物学試料のほとんどは、安定な固 有の不対電子を持っていないので、ESR 法の多くはス ピンラベルした試薬を使うことを前提としています。 通常、TEMPO(2,2,6,6- テトラメチル -1- ピペリジニ ルオキシル)の誘導体のような窒素酸化物が用いられ ます。この物質では、不対電子の安定性が高く、ESR 感度が極めて高い上に、化学反応によって試料に容易 に結合しうる汎用性の高い官能基を有しているからで す。シグマ アルドリッチは、ESR 分光法に適した包括 的なスピンラベル製品群を提供しておりますが、これ らは高純度で、分析結果の解析も容易なものとなって おります。 CAT. NO. Brand Description Specification 43967 Fluka® 4-Amino-TEMPO for ESR-spectroscopy, ≥ 98% Pack Sizes 42777 Fluka 4-Hydroxy-TEMPO for ESR-spectroscopy, ≥ 99% 1g 76381 Fluka 4-Isothiocyanato-TEMPO for ESR-spectroscopy, ≥ 97% 250 mg 42619 Fluka 4-Methoxy-TEMPO for ESR-spectroscopy, ≥ 99% 250 mg 42442 Fluka TEMPO for ESR-spectroscopy, ≥ 99.5% 250 mg 250 mg 製品リスト ESR 分光用スピンラベル用試薬の一部 全製品のリストは次のウェブサイトをご覧ください。sigma-aldrich.com/esr 分光法 References [1] P. P. Borbat et al., Electron Spin Resonance in Studies of Membranes and Proteins, Science (2001), 291, 266–269. [2]Wayne L. Hubbell et al., Identifying Conformational Changes with Site-directed Spin Labeling, Nature Structural & Molecular Biology, (2000), 7, 735–739. [3]Linda Columbus and Wayne L. Hubbell, A New Spin on Protein Dynamics, Trends in Biochemical Sciences (2002), 27, 288–295. [4] Yuri E. Nesmelov and David D. Thomas, Protein Structural Dynamics Revealed by Site-directed Spin Labeling and Multifrequency EPR, Biophys. Rev. (2010), 2, 91–99. sigma-aldrich.com/esr 26 MSTFA および MSTFA-D9 − GC/MS による化合物同定に必須のツール Dieter Urbach BKA, KT 12 – Zentrale Analytik II 65173 Wiesbaden はじめに 誘導体化、特にシリル化は、GC/MS を用いて既知お よび未知の化合物を同定し定量する上で、大変有効な ツールで広く使われるようになってきています。この 方法を適用できるのは、低分子だけではありません。 大型のペプチドでも、特に重水素を導入したい場合、 この方法を応用できます [1]。N- メチル -N- トリメチ ルシリルトリフルオロアセトアミド(MSTFA)は、最 も汎用性のある試薬で、非極性のトリメチルシリル (TMS)基を付加することで有機化合物の多くの一般 的な官能基を誘導体化できます。多くの場合 TMS 誘 導体は、揮発温度が比較的低くなっているので、より 低温で使用できるようになり、インジェクターやカラ ム内での熱による分解を減らすことができるようにな ります。定量分析には、触媒を使用することが推奨さ れます [2–4]。 F F CH3 F O N Si F CH3 CH3 + CH3 CH3 R-OH R O Si CH3 CH3 + F Method Derivatization 1. 1 mgの試料を 270 µLのMSTFAに溶解させます(あるいは、約 10 µgの試料を25 µlのMSTFA-D 9に溶解させます) 2. 70˚Cで10分加熱します。 3. 30 µlのピリジンを加えます。 4. 70˚Cで10分加熱します。 必要に応じて、溶液をクロロホルムで希釈します。 GC/MS Column: F O MSTFA-D9 を使うと、192 m/z フラグメントイオンは 6 質量単位シフトして 198 になり、また 9 質量単位シ フトして 201 m/z になっています(Figure 2 下) 。最 初のシフトは、TMS 基が一つ付加したことを示して います。9 質量単位のシフトは、アンフェタミンの脂 肪鎖中の α- メチル結合の開裂に伴うもので、フラグ メント化のメカニズムに関してさらなる情報が得られ ます。 NH CH3 semi-polar GC column, e.g. Supelco® SLB™-5ms, 30 m x 0.25 mm, 0.25 µm (28471-U) Carrier Gas Flow: 1 ml/min (helium) Temp. Grad.: 40 –300 ˚C in 26 min, hold for 10 min Figure 1 MSTFA による水酸基の誘導体化の反応スキーム(R–X, X=–OH, –COOH, =NH, –NH2 および –SH) 100 x7 44 クロマト グラフィー Figure 2 に、 SLB-5ms カラムで GC-MS を用いた場合の、 アンフェタミン(α- メチルフェネチルアミン)のマ ススペクトルを示します。アンフェタミンのような一 級あるいは二級アミノ化合物の場合、しばしば [M-1]+• イオンが現れますが、これを分子質量と誤認すると窒 素含有化合物の同定を誤ってしまいます。アンフェタ ミンも、特定できないどちらとも取れる主フラグメン トを生じます(44 m/z はアミノ化合物にもアルデヒ ド化合物も有しています(Figure 2 上) ) 。MSTFA 誘 導体化後のマススペクトル(Figure 2 中)には、典型 的な TMS 誘導体フラグメント(TMS からメチルが失 われたもの)が認められますが、ターゲット化合物の アンフェタミンの分子質量は、そのままの分子として の 192 m/z から算出できます(192+15 m/z = 207 m/z、 TMS- アンフェタミン) 。 sigma-aldrich.com/cichromatography CH3 or m/z 44 OH M+.= 135 m/z NH2 CH2 m/z 44 CH3 50 91 65 42 51 77 103 120 0 100 Relative Abundance 重水素化 MSTFA-D9 を利用した化合物の同定 未知の化合物を同定しなければならない場合、分子内 でいくつの官能基が誘導体化反応の影響を受けるの か は っ き り し な い こ と も あ り ま す。 付 加 反 応 で MSTFA-D9 を使えば、この問題を克服することができ ます。MSTFA-D9 誘導体による分子質量の増加は、誘 導体化した官能基の数× 9 質量単位と分かるからで す。したがって、MSTFA/MSTFA-D9 のスペクトルの質 量シフトを考慮することで元の化合物の分子質量を 算出できます。 + + NH2 134 116 + NH CH3 . CH3 Si CH3 CH3 M+ = 207 m/z m/z 116 50 H3C Si + CH3 CH3 192 91 116 NH 192 73 CH3 192 m/z 73 0 100 91 100 45 59 65 175 135 147 160 206 125 +9u M+.= 216 m/z +9u 50 D3C Si CD3 82 +6u 50 65 60 CH3 +9u m/z 82 40 198 91 125 NH + CD3 0 CH3 Si CH3 CH3 91 106 80 100 +9u 198 201 139 149 162 181 190 215 120 140 m/z 160 180 CD3 Si CD3 CD3 201 200 Figure 2 アンフェタミン(上) 、TMS- アンフェタミン(中) 、 TMS-D9 アンフェタミン(下)のマススペクトル。アンフェタミ ンのマススペクトルでは、特定できない誤認しやすいフラグメン トだけが認められます。44 m/z および 134 m/z は、窒素化合物 や正しい分子質量を示しているわけではありません。これは、 MSTFA/MSTFA-D9 で誘導体化したものを見れば明らかです。 27 7,98 100 TIC MS Relative Abundance 50 0 100 7,98 NH CH3 m/z= 43,50-44,50+ 115,50-116,50 CH3 Si CH3 CH3 50 5,69 0 100 NH2 7,93 NH CH3 0 CH3 5,70 50 4,0 6,0 Si m/z= 43,50-44,50+ 124,50-125,50 CD3 CD3 CD3 8,0 Time (min) 10,0 12,0 Figure 3 誘導体化アンフェタミンおよび非誘導体化アンフェタミンの GC/MS クロマトグラム(TIC, EIC) Figure 3 は、SLB™ -5ms カ ラ ム で の ク ロ マ ト グ ラ フィーへの誘導体化の影響を示します。他の薬剤と異 なり、誘導体化されていないアンフェタミンが最初に 溶出し、 次いで TMS 誘導体が出てきます。この例では、 誘導体化をどのように行なえば、保持力および選択性 を変え、通常なら試料のマトリックスや他の成分と同 時に溶出してしまう未知の化合物を検出できるように なるかを示しています。 まとめ 現在の GC/MS システムの多くには、シングル四重極 質量分析計がついていますが、その質量分解能には限 界があります。この装置では、トリプル四重極質量分 析計やイオントラップ質量分析計のように、MS/MS や MSn スペクトルを得ることはできません。このよ う な シ ン プ ル な GC/MS シ ス テ ム で は、MSTFA/ MSTFA-D9 を用いた誘導体化法が大きな力を発揮しま す。すなわち、分子質量を得る化学イオン化を調整す る必要がなく、分子組成やフラグメント組成を解明す る MS/MS を付加することも可能です。 Brand Description CAT. NO. GC 誘導体化試薬 Fluka® MSTFA for GC derivatization 69479 Fluka MSTFA-D9 for GC derivatization 68769 Supelco SLB-5ms Capillary-GC column, 30 m x 0.25 mm, df=0.25 µm 28471-U GC カラム Supelco® クロマト グラフィー MSTFA および MSTFA-D9 のその他の優位点は、それら の誘導体物とのクロマトグラフィー上の特性が比較可 能であるということです。TMS および TMS-D9 の誘導 体は、同じ時間フレームで溶出してきます。重水素化 された化合物の方が早く溶出することもあるかもしれ ませんが、ほんの数秒だけです。したがって、低濃度 レベルでも、保持時間からターゲット化合物を検出し て同定することができます。 References [1] Spengler, B., F. Lützenkirchen, R. Kaufmann (1993) On-target Deuteration for Peptide Sequencing by Laser Mass Spectrometry. Org. Mass Spectrom., 28, 1482–1490. [2]M. Donike: N-Methyl-N-trimethylsilyl-trifluoracetamid, ein neues Silylierungsmittel aus der Reihe der silylierten Amide. J Chromatogr, 42 (1969) 103. [3]Donike M, Zimmermann J: Zur Darstellung von Trimethylsilyl-, Triethylsilyl- und tert. Butyl-dimethylsilyl-enoläthern von Ketosteroiden fürgaschromatographische und massenspektrometrische Untersuchungen. J.Chromatogr , 202 (1980) 483. [4] Blau King, Handbook of Derivatives for Chromatographie. Verlag Wiley-VCH (1993). [5]McLafferty, Turecek : Interpretation von Massenspektren. Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg (1995). 新しい誘導体化試薬のパンフレットには、GC、HPLC、 キラルおよび TLC 誘導体化用の製品リストを掲載 しています。無料のパンフレットは、sigma-aldrich. com/derivatization からご請求ください。 sigma-aldrich.com/cichromatography 新製品 GC 誘導体化用のシリル化試薬 Shyam Verma, Market Segment Manager Analytical Reagents & Solvents [email protected] シリル化によって化合物を誘導体化すると、その化合 物は化学的に修飾され、揮発性が増し表面吸着が減 少します。シリル化誘導体は、-OH、-SH および -NH 基の活性な水素が置換されることによって生成しま す。シリル化を受ける活性な水素原子を含む化合物と しては、酸、アルコール、チオール、アミン、アミド およびエノール化が可能なケトンとアルデヒドなどが あります。これらの化合物は、誘導体化されないまま ではクロマトグラフィー挙動が乏しく、揮発性が不十 分で、熱安定性に欠けるうえ、適切に検出されない場 合もあります。これらの化合物のシリル化誘導体は、 一般に、元の化合物より揮発性が高く、極性が低く、 熱安定性が高いため、正確なクロマトグラフィー分析 が可能です。シリル化試薬は、その化合物に対する反 応性および選択性、対象用途、誘導体の安定性、並 びに反応副生成物の質や量を考慮して選択します。 シリル化は質量分析を行う上でも有用で、シリル基の 導入によって、より特徴的なフラグメントが生じたり、 SIM(選択イオンモニタリング)で使用される非常に 特徴的なイオンが生じたりします。 シグマ アルドリッチは、誘導体化試薬について様々 なタイプの幅広い製品群を取り揃えており、さらなる 進歩と、これらを用いた革新的な改良製品の探求に寄 与しております。下記の製品は、シリル化誘導体化を、 溶媒なしあるいは GC 分析用試薬の過剰な添加なしで 行える試薬です。全製品のリストは、弊社のウェブサ イト(sigma-aldrich.com/derivatization)をご覧い ただくか、無料の最新の Derivatization Guide(誘導体 化ガイド)をご請求ください。 CAT. NO. Brand Description 79262 Fluka® tert-Butyldimethylsilyl methallylsulfinate, for GC derivatization Pack Size 5 mL 79264 Fluka Triethylsilyl methallylsulfinate, for GC derivatization 5 mL 79271 Fluka Trimethylsilyl methallylsulfinate, for GC derivatization 5 mL © 2012 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. SIGMA, SAFC, SIGMA-ALDRICH, ALDRICH, and SUPELCO are trademarks of Sigma-Aldrich Co. LLC, registered in the US and other countries. FLUKA is a trademark of Sigma-Aldrich GmbH, registered in the US and other countries. SAFC brand products are sold through Sigma-Aldrich, Inc. Purchaser must determine the suitability of the product(s) for their particular use. Additional terms and conditions may apply. Please see product information on the Sigma-Aldrich website at sigma-aldrich.com. Ascentis, Discovery, HYDRANAL, PESTANAL, TraceCERT and TraceSELECT are registered trademarks of Sigma-Aldrich and Sigma-Aldrich Biotechnology, LP. 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