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平成24年2月 一陸特国家試験 受験対策問題集 無線工学

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平成24年2月 一陸特国家試験 受験対策問題集 無線工学
平成24年2月 一陸特国家試験
受験対策問題集
無線工学 146題
㈱ベータテック
※各問題、解答となる番号は1つだけです。
※問題には、正しいものを選ぶ場合と、誤っているものを選ぶ場合とがあります
ので、問題をよく読んでください。
※この問題集では、抵抗を新記号
で出題される可能性があります。
1
で表しています。国家試験問題は旧記号
§1 基礎理論
問題
[001]抵抗の直並列接続回路の端子電圧の値
図に示す回路において、端子 a b 間に直流電圧を加えたところ、12 〔Ω〕 の抵抗に 1.5 〔A〕 の電流が
流れた。端子 a b 間に加えられた電圧の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1
36 〔V〕
2
40 〔V〕
3
48 〔V〕
4
54 〔V〕
5
62 〔V〕
12 〔Ω〕
6 〔Ω〕
a
b
4 〔Ω〕
[002] 抵抗の直並列接続回路の消費電力の値
図に示す回路において、12〔Ω〕の抵抗の消費電力の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1
1〔W〕
2
3〔W〕
3
9〔W〕
4
18〔W〕
5
48〔W〕
12 〔Ω〕
9 〔Ω〕
4 〔Ω〕
24 〔V〕
[003] 抵抗のブリッジ接続回路の岐路電流の値
図に示す回路において、R3 を流れる電流 I3 が 0.2 〔A〕のとき、ab 間に流れる電流は 0〔A〕であった。
R1 を流れる電流 I1 の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、R1=100〔Ω〕、R2=80〔Ω〕、
R3=80〔Ω〕、R4=64〔Ω〕、R5=120〔Ω〕とする。
1
0.08 〔A〕
2
0.10 〔A〕
3
0.16 〔A〕
4
0.24 〔A〕
5
0.36 〔A〕
I0
I1
R1
V
R5
a
直流電源
b
I2
R2
I3
R3
R4
[004] 電源の並列接続抵抗回路の電流(キルヒホッフ)
図に示す回路において、8〔Ω〕の抵抗に流れる電流の値として、正しいものを下の番号から選べ。但し、
a、b、I1、I2、I3 は計算用として独自に付けたものである。
a
1
0.4〔A〕
2
0.9〔A〕
3
1.8〔A〕
4
2.5〔A〕
5
3.6〔A〕
I1
I3
I2
3〔Ω〕
6〔Ω〕
24〔V〕
15〔V〕
b
2
8〔Ω〕
以上の結果より、ab 間の電圧は、36+18=54〔V〕になります。
[002] 抵抗の直並列接続回路の消費電力の値
答 2
R1 R2
V2
公式)2つの並列接続抵抗の合成抵抗 R 
抵抗で消費される電力 P 
〔W〕
R
R1  R2
各項)各抵抗 R1、R2〔Ω〕
各合成抵抗 R〔Ω〕 全体の電圧 V〔V〕 抵抗で称される電力 P〔W〕
注意)消費電力を求めることに注意が必要です。
手順)並列接続抵抗を合成→全体の電圧から、合成した抵抗の両端に加わる電圧を算出
→電力を求める
解法)12〔Ω〕と 4〔Ω〕の並列接続抵抗の合成抵抗を R とすると、
R
R1 R2
12  4 48


 3 〔Ω〕
R1  R2 12  4 16
次に、この合成抵抗と 9〔Ω〕の抵抗の比は 9:3 であり、全体の電圧は 24〔V〕であるから、
24〔V〕を 9:3 に分ければ 18〔V〕
:6〔V〕となり、並列接続抵抗の両端には 6〔V〕が加
わることになります。よって、電力の式と抵抗値 12〔Ω〕から、12〔Ω〕で消費される電力を
求めると、 P 
V 2 6 2 36


 3 〔W〕となります。
R 12 12
[003] 抵抗のブリッジ接続回路の岐路電流の値
答 3
公式)ブリッジ回路の平衡条件は、R1R4=R3R2 これを変形すると
R1 R3

R2 R4
抵抗 R1 と抵抗 R2 の2つの直列接続の合成抵抗 R = R1+R2
手順)平衡条件を確認する→R3 と R4 の直列部分の両端に加わる電圧(直流電源の電圧)を求める
R1 と R2 の直列合成抵抗から電流 I1 を求める。
解法)回路が平衡しているかどうかを調べます。この回路において、 R1R4=R3R2 (これを変形すると、
R1 R3

)の関係が成り立つときには、R5 の抵抗には電流が流れず、この R5 の抵抗は無視して
R2 R4
扱うことができます。100×64=80×80 が成り立つので、R5 が無視できるとして、I2= 0 〔A〕となります。
この問題では、電流 I3 がわかっており、R5 には電流が流れないため、電流 I3 は抵抗 R3 と R4 のみを
流れます。これらの直列の合成抵抗×電流を計算することにより、直流電源の電圧が求められ、
V=I3 (R3+R4) = 0.2×(80+64) = 0.2×144=28.8〔V〕となります。この電圧は、抵抗 R1 と R2 の
直列接続部分に加わる電圧と同じになるので、求める電流 I1 は、この抵抗の直列接続に流れる
電流であるので、 I1 
V
28.8
28.8


 0.16 〔A〕となります。
R1  R2 100  80 180
11
[056] PCM 多重通信方式における 1 フレーム内のチャンネル配置
次の記述は、図に示す PCM 通信方式における1フレーム内の各チャネルの配置等について述べたもの
である。
内に入れるべき数値の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、各チャネル(ch.)は
8 ビット構成とし、また、同じ記号の
(1) 1 フレームは、8×
A
(2) 1 タイムスロットは、
内には、同じ値が入るものとする。
+1〔bit〕であるから、1 フレームは
B
〔bit〕である。
C 〔μs〕として求めることができる。
B
A
B
C
1
24
193
125
2
24
193
250
3
24
193
375
4
48
385
250
5
48
385
125
1 フレーム (125〔μs〕)
ch.1
ch.2
ch.3
ch.23
ch.24
フ
レ
ー
ム
同
期
ビ
ッ
ト
1 タイムスロット
[057] PCM 多重送信端局装置のクロックパルスの繰返し周波数
24 回線(チャネル)の容量を持つ PCM 方式多重送信端局装置において、1 回線(チャネル)における
標本化周波数を 8 〔kHz〕及び符号化ビット数を 8 ビットとし、24 回線(チャネル)ごとに 1 ビットのフレーム同
期パルスを挿入して多重化した。このときのクロックパルスの繰り返し周波数として、正しいものを下の番号
から選べ。
1
1.536 〔MHz〕
5
3.088 〔MHz〕
2
1.544 〔MHz〕
3
1.728 〔MHz〕
4
3.072 〔MHz〕
[058] PCM 多重送信端局装置のタイムスロット
24 回線(チャネル)の容量を持つ PCM 方式多重送信端局装置において、1 回線(チャネル)における
標本化周波数を 8 〔kHz〕及び符号化ビット数を 8 ビットとし、24 回線(チャネル)ごとに 1 ビットのフレーム同
期パルスを挿入して多重化した。このときの 1 タイムスロットの値として、最も近いものを下の番号から選べ。
1
0.32 〔μs〕
2
0.48 〔μs〕
3
0.65 〔μs〕
37
4
0.76 〔μs〕
5
0.84 〔μs〕
説明)チャネル数は 24 であり、各チャネルは 8 ビットで、これにフレーム同期の 1 ビットが加わる計算と
なります。これにより 1 フレームは 8×24+1=193 ビットです。ビットレートは、1 秒あたりのビット数で
あるので、1 フレームの全ビット数 193 を 1 フレームあたりの時間 125〔μs〕で割った値となります。
これを実際に計算すれば、193÷125〔bit/μs〕=1.544〔Mbps〕となります。
[056] PCM 多重通信方式における 1 フレーム内のチャンネル配置
答 1
説明)チャネル数は 24 であり、各チャネルは 8 ビットで、これにフレーム同期の 1 ビットが加わる計算と
なります。これにより 1 フレームは 8×24+1=193 ビットです。1 タイムスロットは、1 ビットに要する時間
であるので、1 フレームあたりの時間 125〔μs〕を、1 フレームの全ビット数 193 で割った値となります。
これを実際に計算すれば、125〔μs〕÷193≒0.65〔μs〕となります。
[057] PCM 多重送信端局装置のクロックパルスの繰返し周波数
答 2
公式)標本化周期 TS〔s〕 
1
fS
1 タイムスロットに要する時間〔s〕=1 フレームの時間〔s〕÷全ビット数
クロックパルスの繰返し周波数(1 タイムスロットの周波数)=1÷1 タイムスロットに要する時間
=全ビット数÷1 フレームの時間〔s〕
各項)標本化周期 TS〔s〕
標本化周波数 fS〔Hz〕
注意)まずは、算出する内容を理解しなければならない。
手順)標本化周波数から標本化周期を求めれば、この標本化周期が 1 フレームの時間となる。
→次に 1 フレームに要する時間を全ビット数で割り、1 タイムスロットに要する時間を求める。
→クロックパルスは、1 タイムスロットの時間に相当するパルスなので、時間を周波数に変換する。
解法)最初に、1 フレームにかかる時間を求めます。問題より、各チャネルの標本化周波数が 8〔kHz〕
です。これは、アナログ信号の値をサンプルしてから、次のサンプルをするまでのスピードにあたる
ので、この 8〔kHz〕の逆数が、標本化から標本化までの所要時間(周期)ということになります。
PCM 多重方式の場合には、この時間が「1 フレームに要する時間」となります。
つまり、標本化を行ってから次の標本化までが、1 フレームの時間に相当するということになります。
したがって、標本化周期は、
TS 
1
1
1

 103  0.125 103 〔s〕  125 〔μs〕となります。
3
f S 8 10
8
1 フレーム (125〔μs〕)
ch.1
ch.2
ch.3
ch.23
ch.24
フ
レ
ー
ム
同
期
ビ
ッ
ト
1 タイムスロット
一方、1 タイムスロットとは、上の図にあるように、信号1ビットを伝送するときのわずかな所要時間の
ことです。上の図からわかるように、1 タイムスロットは、「1 フレームにかかる時間÷1 フレームのビット
45
[116] マイクロ波の大気中における減衰
次の記述は、マイクロ波の電波の大気中における減衰について述べたものである。
内に入れるべ
き字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1) 伝搬路中の降雤域で受ける減衰は、降雤量が多いほど
A
、電波の周波数が
B
ほど
大きい。
(2) 特定の周波数の電波は、大気中の水蒸気や酸素分子などで
C
現象が生じ、エネルギーが
吸収されて減衰する。
A
B
C
1
小さく
高い
屈折
2
小さく
低い
共振
A
B
C
3
大きく
高い
共振
4
大きく
低い
屈折
[117] マイクロ波回線における受信機入力電力の値
図に示すマイクロ波回線において、A 局から送信機出力電力 5〔W〕で送信したときの B 局の受信機
入力電力の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、自由空間基本伝送損失を 138〔dB〕、
送信及び受信アンテナの利得をそれぞれ 40〔dB〕
、送信及び受信帯域フィルタの損失をそれぞれ 1〔dB〕、
送信及び受信給電線の長さをそれぞれ 10〔m〕とし、給電線損失を 0.2〔dB/m〕とする。また、1〔mW〕
を 0〔dBm〕、 log 10 5≒0.7 とする。
1
-15〔dBm〕
2
-21〔dBm〕
3
-27〔dBm〕
4
-33〔dBm〕
5
-39〔dBm〕
送信アンテナ
A局
送信機
受信アンテナ
B局
帯 域
フィルタ
帯 域
フィルタ
給電線
受信機
給電線
[118] マイクロ波回線に必要な送信電力の値
マイクロ波通信において、送信及び受信アンテナ系の利得がそれぞれ 35〔dB〕、自由空間伝搬損失
が 120〔dB〕、受信機の入力換算雑音電力が-125〔dBW〕であるとき、受信側の信号対雑音比
(S/N)を 45〔dB〕とするために必要な送信側の電力の値として、正しいものを下の番号から選べ。
ただし、1〔W〕を 0〔dBW〕とする。
1
0.1〔mW〕
2
0.5〔mW〕
3
1〔mW〕
73
4
1〔W〕
5
5〔W〕
給電線全体の損失=給電線の長さ〔m〕×給電線の 1m あたりの損失〔dB/m〕
注意)単位はすべてデシベルに統一しないと計算できない。
損失(ロス)はデシベルの引き算、利得はデシベルの足し算として計算すること。
電力の単位で、〔W〕(ワット)をデシベルに変換した単位が〔dBW〕(デービーワット)、
〔mW〕(ミリワット)をデシベルに変換した単位が〔dBm〕(デービーエム)である。
手順)解答の選択肢が〔dBm〕であるので、送信電力を〔dBm〕に直す→給電線の全体の損失を求める
→損失と利得を計算していき、受信機入力電力を求める。
解法)送信電力 5〔W〕を〔dBm〕に変換すると、5〔W〕=5,000〔mW〕なので、
10 log10 5000  10 log10 5  1000  10  log10 5  log10 1000  10  0.7  3  37 〔dBm〕
となります。次に、給電線全体の損失値は、10〔m〕×0.2〔dB/m〕=2〔dB〕となります。
送信から受信までの式をたてて計算すると、
送信電力〔dBm〕-帯域フィルタ損失〔dB〕-送信給電線損失〔dB〕+送信アンテナ利得〔dB〕
-自由空間基本伝送損失〔dB〕+受信アンテナ利得〔dB〕-受信給電線損失〔dB〕
-帯域フィルタ損失〔dB〕=受信電力〔dBm〕 の要領で、
37  1  2  40  138  40  2  1  27 〔dBm〕と求められます。
[118] マイクロ波回線に必要な送信電力の値
答 3
公式)受信機の入力電力〔dBW〕
=受信機の入力換算雑音電力〔dBW〕+受信側の信号対雑音比(S/N)〔dB〕
送信電力 PT〔dBW〕+送信アンテナ利得〔dB〕-自由空間伝搬損失〔dB〕
+受信アンテナ利得〔dB〕=受信機の入力電力〔dBW〕
電力〔dBW〕=10log10(電力の真値〔W〕
)
電力〔dBm〕=10log10(電力の真値〔mW〕
)
注意)受信機の入力電力は信号の電力であり、雑音電力と信号電力の比が S/N である。
したがって、雑音電力〔dBW〕に S/N〔dB〕を足せば、信号の電力〔dBW〕となる。
この問題では給電線損失等が記載されていないので、無視できる。
アンテナ利得と自由空間伝搬損失の値は必ず計算に含まれることを覚えておくことが大切である。
手順)受信機の入力電力を求める→送信電力から受信機の入力電力までの式をたて、
送信電力を求める。→送信電力の真値を求める。
解法)受信機の入力電力(信号電力)は、-125〔dBW〕+45〔dB〕=-80〔dBW〕
次に、送信から受信までの式をたてると、 PT
 35  120  35  80
PT  30 〔dBW〕と
なります。これを真値の〔W〕に直すと、真値を x とおいて、  30  10 log 10 x
x  10 3 〔W〕  1 〔mW〕となります。
78
 3  log 10 x
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