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XDS(施設間情報共有統合プロ ファイル)を使った病診連携 - IHE-J
第11回 IHE Workshop in 大津 XDS(施設間情報共有統合プロ ファイル)を使った病診連携 有限責任中間法人 日本IHE協会 京都医療科学大学 細羽 実 IHEによる病診連携 • • • • • • 連携の仕組みが標準化されている 連携情報が標準化されている セキュアな基盤の上に構築されている 情報の管理責任を明確にできる 広域に展開可能 EHRへの展開 2 IHEの手法による病診連携とは • 相互運用したいテーマ(シナリオ)を 特定する(例:○○についての病診 連携を行う) – 共通の業務の流れ(ワークフロー)を とらえる – 共通の文書(コンテンツ)を定義する – 共通インフラ(セキュリティ基盤、医療 連携の情報共有・交換)を整備する 3 IHE手法のキーワードと病診連携 統合プロファイル (病診連携のどのソリューションか?) 問題(テーマ)の解決例(臨床の現場はOK!) アクタとトランザクションで構成する(実装できる!) アクタ (レジストリ、リポジトリ、ソース、コンシューマ...) (情報を処理の機能単位(システム、装置)を特定する) 必要なトランザクションを実行する単位 トランザクション (詳細情報のやりとりを記述) 標準規格(HL7、DICOM、ebXML、Webなど)を採用 4 医療連携の共有の仕組みを特定する 管理台帳 (レジストリ) 情報インデックス の登録 共有情報の 保管庫 (リポジトリ) 医療機関B 急性期診療 (入院) 医療機関A 初期治療、診療 (救急) 患者ID 管理 医療機関C 長期診療 情報 の検索 共有情報の 保管庫 (リポジトリ) 共有情報の 保管庫 (リポジトリ) 共有情報の利用者 医療機関D 診療所など 5 共有について同意 したコミュニティ 機能単位を定義する→アクタ 患者IDソース (患者IDの提供) ドキュメント レジストリ(管理台帳) アクタ アクタ リポジトリ ドキュメント ソース (データ提供) アクタ ドキュメント リポジトリ(データ保管) アクタ ドキュメント 利用者(コンシューマ ) アクタ 6 機能単位間の通信(トランザクション)を記述 標準規格の適用 統合プロファイル:XDS(Cross-Enterprise Document Sharing) 患者ID トランザクション (HL7,ebXML) ソース (患者IDの提供) ドキュメントセットの提 供と登録(Provide and Register ドキュメント ソース (データ提供) アクタ XDS.b 2007-2008 ↓患者IDの供給 (Patient ID Feed) Document Set) アクタ アクタ ドキュメントの問い合わせ ドキュメント レジストリ(台帳) (Regisry Stored Query) ↑ドキュメントセットの登録 (Register Document Set) ドキュメント リポジト(データ保管) アクタ ドキュメント 利用者(コンシューマ ) ドキュメントの読 み出し (Retrieve Document Set) 7 アクタ XDS(施設間情報共有・統合プロファイル)の 実装例 ドキュント ドキュメント ドキュント ドキュメント リポジトリ リポジトリ (データ管理) (データ管理) ドキュメント ドキュメント ソース ソース (データ提供) (データ提供) 院内電子 カルテシス テム レジストリセンタ ドキュメント ドキュメント リポジトリ リポジトリ (データ管理) (データ管理) ドキュメント ドキュメント 利用者 利用者 ドキュント ドキュント 利用者 利用者 院内電子 カルテシス テム ドキュメント ドキュメント レジストリ(台帳) レジストリ(台帳) 医療機関B 急性期 診療 (入院) ドキュメント ドキュメント 利用者 利用者 医療機関A 初期治療、診療 (救急) ソース ソース (データ提供) (データ提供) 8 診療所電 子カルテ システム 医療機関C 診療所など (診断 サービス) A 実装形態の他の例 ドキュメント ソース (データ提供) 登録 ドキュメント リポジトリ (データ保管) ドキュメント レジストリ ドキュメント レジストリ (台帳) ドキュメント 利用者利用者 読み出し ドキュメント レジストリ ドキュメント レジストリ (台帳) ドキュメント ソース (データ提供) A 問い合わせ 登録 ドキュメント リポジトリ (データ保管) 提供と登録 ドキュメント ドキュメント ソース (データ提供) ソース 9 B 問い合わせ ドキュメント 利用者 読み出し ドキュメント 利用者 ドキュメント ドキュメント レジストリ (台帳) ドキュメント リポジトリ (データ保管) C IHEにより連携できる情報 • 連携したいデータをドキュメントと呼ぶ • ドキュメントはコミュニティで定義できる – 人が読める、マシンが処理できる、署名ができるもの (色々なレベルで) • ドキュメントを定義する統合プロファイル – – – – – – – 画像 退院時サマリ(アレルギー、投薬) 臨床検査 個人健康・医療情報 救急部門 患者同意文書 手術前情報 – – – CDA R2 HL7 Care Record Summary ASTM/HL7 Continuity of10Care Document • 標準規格でコンテンツを定義 XDS-I XDS-MS XD*-LAB PHR EDR BPPC PPHP 情報検索キーとなるデータ(Meta Data) ((レジストリ(台帳)に登録) 1.作成者: ・所属施設 ・名前 ・役割 ・専門性 2.承認者 3.タイトル、コメント、作成時間、サービス開始、終了時間 4.利用ステータス: 発行、承認、不可 5.ID : 患者ID,Unique ID,UUID 6.患者情報 7.診療行為関連 ・診療行為種類コードと名前(盲腸炎手術、結腸鏡検査…) ・施設種類コードと名前(クリニック、専門病院…) ・診療科コードと名前 (検査ラボ、放射線科…) 8.Code値 ・提供施設タイプ、守秘コード 9.ドキュメントの種類 ・classCode(一般的カテゴリ)・typeCode(詳細) 11 ・eventCodeList(主な臨床イベントなど) 検討中のテーマ、運用の問題 • ダイナミックな情報(アレルギー、投薬、プロブレム) • オーダの発行、追跡(処方:ePrescription, 照会: eReferral) • コミュニティ間共有 • セキュリティ運用は各コミュニティで – 他の統合プロファイルを利用して構築する • コミュニティ内の管理運用 12 連携(共有・交換)の形 施設間情報共有 XDS 電子カルテ システム ドキュメントセット の提供と登録 ドキュメ ント リポジトリ ドキュメン ト ソース 施設間情報高信頼性交換 XDR(Reliable Interchange) ドキュメントセット の提供と登録 電子カルテ システム ドキュメ ント 受信 ドキュメン ト ソース 13 施設間メディア交換 XDM (Cross enterprise Document Media interchange) メディア(CD-R,USB),によるドキュメントの配信 Portable Media Creator Portable Media Importer PMC • ドキュメントを患者 に提供 • 手渡しによるドキュ メントの転送 • CD,USB,メールも含 む PMI Webコンテンツへのエントリ 提供するドキュメントセットへのエントリ その他のコンテンツ(XDMには関係ない) 14 メディアのディレクトリ構造 IHEによる医療情報連携 3つの方式 XDS 構造をもつ オブジェクト Publish Cross Enterprise Document Sharing XDR Send to Pull Pull Switch Send to XD Reliable Interchange XDM Export Interchange Media Inport XD Media Interchange ワークフロー 管理 情報 要求 Transactions Query / Response 15 ワークフロー 管理 データ リポジトリ IHEによる連携基盤 各 に ン イ メ ド 関 係 ドキュメントの内容(コンテンツ)を決める統合プロファイル 外科手術 PPHP 画像 XDS-I イ ン フ に ラ 関 同意文書 BPPC 臨床検査 XD*-Lab 救急 EDR スキャン文書 XDS-SD 退院サマリ XDS-MS PHR交換 XPHR 係 ドキュメント共有 ドキュメント交換 1対1 メディア交換 XDS XDR XDM ドキュメント連携のための統合プロファイル セキュリティ基盤 16統合プロファイル IHE インフラ ・ドメイン • 世界で100を超えるベンダ • 8 テクニカルフレームワーク • 58 統合プロファイル Veterinary Endoscopy Pathology Pharmacy Quality •臨床部門: •放射線, 循環器, 臨床検査,… Patient Care Devices (1) Patient Care Coordination (5) Radiation Oncology (1) •部門、あるいは病院の壁を越えて •EHRを可能にするもの Eye Care (3) Laboratory (6) Cardiology (7) IT Infrastructure for Healthcare (17) 17 Year 9 (2007) Year 8 (2006) Year 7 (2005) Year 6 (2004) Year 5 (2003) Year 4 (2002) Year 3 (2001) Year 2 (2000) Year 1 (1999) Radiology (18) ITI(インフラ) 統合プロファイル 施設間ユーザアサーション (XUA) 患者基本情報の 問い合わせ(PDQ) ドキュメント電子署名 (DDS) スキャン文書 XDS-SD 監査証跡と ノード認証(ATNA) 患者IDを異なるIDドメイン間で マッピング セキュアなドメインを形成するための監 ドキュメント 共有 ドキュメント 交換 メディア 交換 査証跡とノード間認証 1対1 時刻の整合性 (CT) ネットワーク接続されたシステムにおけ る時刻の整合 医療機関職員の登録簿 (PWP) 施設内 ユーザ認証(EUA) ユーザに単一の名前と全システムにわた る集中認証プロセスを提供 MPIのための 患者ID相互参照 (PIX) XDS XDR XDM ドキュメント交換のための統合プロファイル コミュニティ間アクセス ドキュメント利用可能通知 (NAV) フォームデータの読み出し (RFD) アプリケーション内データを外部利 用するフォームデータの読み出し 施設内だけの利用 表示のための 情報検索(RID) 18 患者管理 (PAM) 患者同期 アプリケーション(PSA) 一患者に対する複数アプリケーション のデスクトップ上での同期 セキュリティへの対応 統合プロファイル • 正しいユーザか – ユーザのID → PWP(職員の登録) – ユーザ認証 → XUA(ユーザ認証) – アクタ(機器、ノード)認証 → ATNA(監査 証跡とノード認証) – アクセス制御 → 将来 • 誰がアクセスしたか – 監査証跡 → ATNA • 改ざんはないか – データ完全性 → CT(時刻の整合), ATNA, DSG(ディジタル署名) • 秘匿されているか 19 – データ秘匿 → ATNA, BPPC(同意文書) 監査証跡と認証、時刻の正当性 ATNA(Audit Trail & Node Authentication) & CT(Consistent Time)の利用 電子カルテPMS 救急部門 開業医 リポジトリ ドキュメント レジストリ PACS リポジトリ ドキュメントの問い合わせ ドキュメントの登録 PACS セキュアなメッセージ交換 ドキュメントの読み出し ドキュメントの読み出し 時刻の同期 電子カルテ ドキュメントセットの登録 臨床 検査 時刻の 監査証跡の 中核病院 時刻の 同期 コミュニティ システ 記録 ATNA監査 同期 ム CT タイムサーバ クリニック 記録 監査証跡の 監査証跡の記録 リポジトリ 記録 20 XDS コミュニティ 施設間でのユーザ認証 XUA(Cross-Enterprise User Assertion) ユーザ認証の プロバイダ 施設間Assertionの プロバイダ ユーザを認証する SAML:一度の認証 で複数のWebサイ トやサービスが利 用できるシングル サインオン 施設間Assertion の検証 施設間Assertion の入手 ドキュメントの読み出し ドキュメントの問い合わせ 施設間サービスの ユーザ 施設間Assertion の提供 21 施設間サービスの プロバイダ (レジストリ、リポジトリ) 施設間で患者IDを 相互に参照する 仕組み アクタ PIX(Patient ID Cross referencing) 患者IDソース (IDの提供) Patient Identity Feed 患者ID 利用者 Patient Identity Feed HL7 V3 PIXV3 Query PIX Query 患者IDの問い合わせ 患者IDの提供 PIX Update Notification 患者ID相互参照 マネージャ 22 PIXV3 Update Notification 患者IDの更新通知 患者IDの相互参照 PIX(Patient ID Cross referencing) 患者ID 相互参照 - 患者ID相互参照 マネジャ ドメイン B:X456 B: X456 C:2RT C: 2RT A:123 B:Y921 C:3TY B:D456 A:235 B:DF45 A:678 患者IDソース Id=123 Id=235 Id=678 患者 ID ドメイン A 患者IDソース Id=X456 Id=Y921 Id=D456 Id=DF45 患者ID ドメイン B Id=3TY Id=2RT 患者IDソース 患者ID ドメイン C 23 B:X456 C: ? B:X456 C: 2RT 患者ID 相互参照 患者ID 利用者 患者ID相互参照と患者情報の問い合わせ PIX & PDQ(Patient Demographic Query)の利用 PDQ による 患者 IDの問い合わせ 患者ID相互参照マネージャ 患者ID 提供 患者ID提供 A87631 M8354673993 M8354673993 M8354673993 14355 L-716 L-716 電子カルテ 患者ID ソース M8354673993 開業医 患者ID提供 患者ID 救急部門 提供 ドキュメント レジストリ リポジトリ L-716 患者IDの 問い合わせ 臨床検 査システ ム 患者IDの 問い合わせ PACS A87631 リポジトリ ドキュメント問い合わせ (Pt Id) PACS コミュニティ クリニック A87631 ドキュメント登録(Pt ID) ドキュメントの読み出し 電子カルテ ドキュメントの提供と登録 中核病院 ATNA監査記録 ATNA監査記録 リポジトリ CT タイムサーバ 24 XDS コミュニティ コミュニティ(Affinity Domain)の連携 XCA(Cross Community Access) コミュニティ B Receiving Gateway コミュニティ A ドキュメント レジストリ ドキュメント リポジトリ ドキュメントの問い 合わせ(Regisry Stored Query) Initiating Cross Gateway Query Gateway Cross Gateway Query ドキュメント の読み出し (Retrieve Document Set) ドキュメント 利用者 ドキュメントの問い合 わせ(Regisry Stored Query) ドキュメントの 読み出し (Retrieve Document Set) 25 ドキュメント レジストリ ドキュメントの問い 合わせ(Regisry Stored Query)ドキュメント リポジトリ コミュニティ C ドキュメントの問い合わ せ(Regisry Stored Query) Receiving Gateway ドキュメントの 読み出し (Retrieve Document Set) ドキュメント レジストリ ドキュメント リポジトリ コミュニティ (Affinity Domain)の チェックリスト •ドメイン外との接続性 •システム仕様 • 組織規程 – – – – – – – 構成、設立者、運営者 経済的、税務的検討 透明性 責任機関(支払い、利用権、 セキュリティ) 法的事項の管理 債務 免責事項 –レジストリ、リポジトリ、ソース、利 用者、 –PIXマネージャ、PIX利用者、 –PDQソース、PDQ利用者、監査 証跡リポジトリ、 –ドメイン間トランザクション •メタデータ (辞書) •患者同意 •セキュリティ技術 • 運用規程 – – – – サービス契約 日常管理 トラブル メンテナンス(追加、更新、バ ックアップ) – 災害復旧 –承認 –認証 –アクセス –完全性 –倫理 –監査証跡 –リスク解析 • 会員規程 26 IHEによる病診連携 • • • • • • 連携の仕組みが標準化されている 連携情報が標準化されている セキュアな基盤の上に構築されている 情報の管理責任を明確にできる 広域に展開可能 EHRへの展開 27 28 名古屋プロジェクト 疾患別地域医療情報連携システムの標準化及び実証事業 救急車ー急性期病院間 情報伝達フォーマット (診療・検査・画像情報) 地域連携クリティカルパス 手術支援 ネットワーク 救急車 急性期病院ーリハ病院間 情報伝達フォーマット (診療・検査・画像情報) 急性期病院 救急医療 ネットワーク レジストリーシステム リハ病院ー療養型施設・かかりつけ医間 情報伝達フォーマット (診療・検査・画像情報) 回復期 リハ病院 HPKI CA局 患者の レジストリ リポジトリ 地域ID 共有情報 共有情報 管理簿 登録簿 保管庫 療養型施設 かかりつけ医 療養型施設・かかりつけ医ー在宅間 情報伝達フォーマット (診療・検査情報) かかりつけ医 ネットワーク 基幹病院 ネットワーク 在宅 29 東海ネット医療フ ォーラム・NPO 粒子線治療連携デモンストレーション 施設間連携用 情報管理サーバ CyberRAD2007 ドキュメント レジストリ(台帳) 一般病院 診療情報・画像情報の 提供 ドキュメント リポジト(データ保管) 放射線治療専門病院 ドキュメント問合せ・参照 ドキュメント 利用者(コンシューマ ) 画像ドキュメント 利用者(コンシューマ ) ドキュメント ソース (データ提供) 画像ドキュメント ソース (データ提供) DICOM画像、キー画像取得 Clinical Affinity Domain 30 IHEによる病診連携の現状と問題点 • 実証試験(名古屋、放医研:18年~20年) – 運用体制の確立 – ビジネスモデルの確立 • 普及のためには – IHEの枠組みによる推進 • 必要な国内拡張と国際整合 • コネクタソンの実施 – アクタのオープンソース化 – テスト環境の支援 • 大きな枠組みへ 31 – 病診連携 → 地域連携 → EHR 公開情報・オープンソース • IHE Wiki – http://wiki.ihe.net/ • オープンソース – Source Forge project ‘IheOs’ • 公開レジストリ – ‘IheOs’ • http://ihexds.nist.gov – XDSテスト 32 接続テスト会 • ePHDS委員会によるXDS接続テスト(放医研) – 2007年 10月29日、30日 – 基本アクタのオープンソース – テスト用のレジストリ、レポジトリの立ち上げ来年 のコネクタソンのプレテスト – 参加にはJPACS(日本PACS研究会)への会員登 録が必要 • www.e-rad.jp/xoops/ 33 おわります。 ご清聴ありがとうございました。 http://www.ihe.net/ http://www.ihe-j.org/