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Microsoft PowerPoint - ERIA\216\226\221O\225\361\223
参考資料
【平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞】
第3回受賞者を発表
【大賞】
大賞】
テイン・セイン
前ミャンマー連邦共和国大統領
【経済・社会科学賞】
経済・社会科学賞】
藤田 昌久
甲南大学特別客員教授
京都大学経済研究所特任教授
【文化賞】
文化賞】
ヘルマン・ファン・ロンパイ
ヘルマン・ファン・ロンパイ
日EU俳句交流大使
EU俳句交流大使
欧州理事会名誉議長
ASIA COSMOPOLITAN AWARDS(平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞)は、「大賞」、
「経済・社会科学賞」、「文化賞」、の3賞について第3回受賞者を上記の通り発表します。
ASIA COSMOPOLITAN AWARDSは2年に一度、東アジア域内における文化面、経済面での地
域統合、域内の格差是正、持続可能な成長社会形成を主眼に、2012年に創設され、質的に充実し
た東アジア共同体形成に資する優れた活動を行った個人・団体に対し、国籍を問わず、授与される
今回第3回目となる国際賞です。
また、本賞の授賞式典ならびに受賞を記念した基調講演、受賞者による記念講演を含む記念
フォーラム「アジアコスモポリタン賞受賞記念奈良フォーラム」を2017年1月15日(日)に奈良県にて
行います。多数のご参加をお待ちしています。
以上
【アジアコスモポリタン賞についてのお問い合わせ】
アジアコスモポリタン賞事務局
東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)
E-mail:[email protected]
Tel:+62-21-5797-4460(英語・日本語 可)
Mob :+62-813 0894 6956 (担当:杉本)
【フォーラム内容・申し込みについてのお問い合わせ】
アジアコスモポリタン賞受賞記念奈良フォーラム2017事務局
株式会社コンベンションリンケージ内
E-mail:[email protected]
Tel:06-6377-2188 / Fax:06-6377-2075
報道発表資料①
【第
第3回ASIA COSMOPOLITAN AWARDS 受賞者 略歴】
略歴
大 賞
テイン・セイン(Thein
テイン・セイン(Thein Sein)
Sein)
1945年イギリス領ビルマ(現ミャンマー)パテイン郡生まれ。前ミャンマー連
邦共和国大統領
1963年に陸軍入隊。1967年 国軍士官学校卒業。軍では要職を歴任。
1997年に国家平和開発評議会(SPDC)委員に就任。2007年に暫定首相
を経て首相に就任し、大将に昇格。2010年4月に軍を退役し、首相職の
まま、連邦連帯開発党(USDP)を結成し、党首に就任。
2010年11月 下院(国民代表院)議員選挙にて当選後2011年3月に23年
ぶりの大統領に就任し、経済社会改革を推進し、軍政から民政への移行
期のミャンマーを改革開放路線へと転換させた。現在USDP中央指導委
員会委員。
経済・社会科学賞
藤田 昌久(Masahisa
昌久(Masahisa Fujita)
Fujita)
1943年 山口県生まれ。1966年京都大学工学部土木工学科卒業。京都
大学工学部
授、 ン ル
ア大学 授、京都大学経済
授 を経て
。2007年より京都大学経済
任 授。2003年か
ら2007年まで
行
人日本
(ジ
)アジア経済
長、2007年から2016年3月まで
行
人経済 業
(RIETI) 長。日本学 院会 。
ポール・ ルー
ン らとともに、
の国際経済学 都 経済学、
業
のモ ルに
的 念を り れ、都
業の集
ムを
する「
経済学」とい
を
し、 の発 に多大
な貢献を行った。
助教 ペ シ バニ 教
研究所教
等 現職
研究所特 教
独立 政法 貿易振興機構 ェトロ
研
究所所
独立 政法 産 研究所
所
士 員
ク グマ 氏
従来
や 市
産 組織論 デ 空間 概 取 入 市や産 積メカ
ニズ 分析 空間
う新分野 構築 そ 展
文化賞
ヘルマン・ファン・ロンパイ(
ヘルマン・ファン・ロンパイ(Herman
ロンパイ(Herman Van Rompuy)
Rompuy)
1947年ベルギー王国・ブリュッセル生まれ。ベルギー王国国務大臣(2004
年)、代議院議長(2007年)を経て、2008年から2009年までベルギー首相
を務め、2009年初代欧州理事会常任議長に就任。以後2014年まで2期、
議長を務めた。
オランダ語俳句作家としても知られ、 2011年と2013年の二度、自身の俳
句集を出版。俳句愛好家として、俳句を通じた日本文化の理解促進、日
欧関係の強化に貢献してきていることから、2015年6月、日本国外務省よ
り日EU俳句交流大使を委嘱された。2015年11月旭日大綬章受章。
年
2016 11月25日
1
報道発表資料①
賞の概略
賞の名称は「ASIA COSMOPOLITAN AWARDS」であり、日本における呼称は「平
城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞」です。本賞は、東アジア域内における
文化面・経済面での地域統合、域内の格差是正、持続可能な成長社会形成を主
眼に、質的に充実した東アジア共同体形成に資する優れた貢献を行った個人・団
体に対し、国籍を問わず、本賞発案の地、奈良県において原則2年に1回、授賞す
るものです。
賞の種類
ASIA COSMOPLITAN AWARDSには、大賞、経済・社会科学賞及び文化賞
の3つの賞があります。なお、追加の賞を設置する場合もあります。
大賞
経済・社会科学または文化の分野から最も顕著な功績のあった個人または
団体に授与されます。
経済・社会科学賞
経済に関する学術研究、ビジネスモデル、産業技術、消費活動、安全保障、
社会保障、政治学、哲学、その他社会科学全般において、優れた成果によ
り、アジアにおける経済・社会科学面の育成、発展に貢献した個人または団
体に授与されます。
文化賞
芸術、文学、コンテンツ、その他文化に関する学術研究等において、優れ
た成果により、アジアにおける文化面の育成、発展に貢献した個人または
団体に授与されます。
年
2016 11月25日
2
報道発表資料①
選考・審査プロセス
前述に関わる活動を対象に、東アジア16カ国を代表する経済・政策研究機関から成る
推薦委員および選考委員(後述)により、「文化」、「経済・社会科学」の各部門において
候補者が推薦されます。著名な文化人、有識者、各研究機関、組織の首脳等から構成
される選考委員会(後述)にて更なる吟味と厳正なる選考を行い、最終的な受賞者を決
定します。
東アジア・アセアン経済研究センターは事務局として、奈良県と緊密な連携の下に、
「ASIA COSMOPOLITAN AWARDS憲章」に基づき、選考・審査をサポートします。
受賞者
協賛・
協賛・後援
選考
選考委員会 (委員8
委員8名)
事務局
(ERIA)
奈良県
推薦
ASIA COSMOPOLITAN
AWARDS 憲章
Awards Charter
推薦委員・選考委員
選考委員会
各賞の受賞者を決定するため、「ASIA COSMOPOLITAN AWARDS選考委員
会」を設置します。選考委員会の委員「選考委員」は、各界の有識者で構成され、
次頁のとおりとなります。選考委員の任期は原則2年ですが、再任も可能です。
選考委員は、推薦委員と選考委員から推薦された受賞候補者を基に最終受賞
者を決定します。
年
2016 11月25日
3
報道発表資料①
選考委員 (アルファベット順 A-Z)
青柳 正規、東京大学名誉教授、前文化庁長官
正規
Prof. Masanori Aoyagi,
Aoyagi
Professor Emeritus,University of Tokyo
Former Commissioner of the Agency for Cultural Affairs
荒井 正吾、奈良県知事
正吾、
Mr. Shogo Arai,
Arai Governor of Nara Prefecture
有馬 朗人、武蔵学園学園長、元文部大臣
朗人
H.E. Dr. Akito Arima,
Arima
Chancellor of Musashi Academy of the Nezu Foundation
Former Minister of Education of Japan
李 御寧、韓国初代文化大臣
御寧
H.E. Dr. Lee O Young,
Young
First Minister of Culture of Republic of Korea
中西 寛、京都大学公共政策大学院教授
Prof. Hiroshi Nakanishi,
Dean, Kyoto University School of Government
ノロドム・シリブッド、カンボジア協力平和研究所会長
ノロドム・シリブッド
H.R.H. Samdech Norodom Sirivudh,
Sirivudh
Founder and Chairman of the Board of Directors
Cambodian Institute for Cooperation and Peace (CICP)
スリン・ピッスワン、ERIA特別顧問
前ASEAN事務総長
スリン・ピッスワン
H.E. Dr. Surin Pitsuwan,
Pitsuwan,
Special Advisor to the President of ERIA
Former Secretary-General of ASEAN
年
2016 11月25日
4
報道発表資料①
過去の受賞者
第1 回
❖大 賞
スパチャイ・パニチャパック (Supachai Panitchpakdi)
国連貿易開発会議(UNCTAD)事務局長(当時)
❖経済・社会科学
経済・社会科学賞
・社会科学賞
ベネディクト・アンダーソン (Benedict Anderson) 故人
政治学者、コーネル大学政治学部名誉教授
❖文化賞
文化賞
井上 雄彦 (いのうえ たけひこ)
漫画家
❖メモラブル賞(
メモラブル賞(特別賞)
特別賞)
故ハディ・スサストロ (Hadi Soesastro)
インドネシア戦略国際研究所元所長
年
2016 11月25日
5
報道発表資料①
過去の受賞者
第2 回
❖大 賞
マンモハン・シン(Manmohan Singh)
前インド首相
❖経済・社会科学
経済・社会科学賞
・社会科学賞
ピーター・デーヴィッド・ドライスデール( Peter David Drysdale)
経済学者、オーストラリア国立大名誉教授
ワン・グンウ(Wang Gungwu)
歴史学者、シンガポール国立大学上級教授
❖文化賞
文化賞
リティー パン(Rithy Panh)
映画監督
宝塚歌劇団
年
2016 11月25日
6
報道発表資料①
東アジア・アセアン経済研究センターとは
(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia/ERIA)
ERIAは、東アジア経済統合の推進を目的として、政策研究・政策提言を行う国際的機関
です。2007年の第3回東アジアサミットの議長声明等を受け、2008年にASEAN事務局にお
いて設立総会が開催され、正式に設立されました。ASEAN事務局がある本部はインドネシ
アの首都ジャカルタにあり、参加国はASEAN10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、
ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)と日本、中国、韓
国、インド、豪州、ニュージーランドの計16か国です。
ERIAは、政策研究事業の3つの柱として、「経済統合の推進」、「発展格差の縮小」、「持
続可能な経済成長」を掲げ、調査分析・政策提言等の知的貢献を通じて、地域一体となっ
た政策的取組を支援しています。具体的には、域内の研究機関のネットワークなども活用し
て各種政策研究プロジェクトを実施し、その成果を東アジアサミットやASEAN経済大臣会合
等の場で各国首脳・閣僚を含む政策当局者に提言し、政策の実現を促しています。また、
途上国の政策研究能力向上を目的としたキャパビル事業や、研究内容の普及と域内の産
学官の幅広い関係者の意見交換の促進を目的として、各国において随時シンポジウム・セ
ミナーを実施しています。
ERIAの主な活動内容は以下のとおりです。
① 経済統合の推進
• 東アジア域内に併存する既存のFTAをデータベース化することで比較し、東アジア
地域包括的経済連携(RCEP)に向け、今後の検討課題を分析
• ASEAN首脳・閣僚等からのタスクアウトを受け、ASEAN経済共同体ブループリントの
中間レビューなどを通じ、2015年のASEAN経済共同体実現を支援
• AEC発足2015年以降のASEANとAECの課題を網羅的にまとめたASEAN RISINGを
2015年に発表
• 国連貿易開発会議(UNCTAD)と共同でASEAN各国における非関税措置を取りまと
めたデータベースを構築
② 発展格差の縮小
• 東アジアの連結性強化のための青写真となる「アジア総合開発計画(CADP)」を策定
し、2010年の東アジアサミットに報告。2015年にはその改定版CADP 2.0を2015年の
東アジアサミットに提出した。
• 2010年のASEANサミットで合意されたASEAN域内のインフラ開発のための「ASEAN
連結性マスタープラン」の策定に協力。
• カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムで主に政府関係者向けの人材育成支援事
業を展開
③ 持続可能な経済成長
• 東アジア地域の持続可能な成長に向け、「EASエネルギーアウトルック」、「バイオ資
源開発ガイドライン」などを策定。
http://www.eria.org/
年
2016 11月25日
7
第3回(2016年)アジアコスモポリタン賞
受賞者・授賞理由
ASIA COSMOPOLITAN AWARDS 事務局
東アジア・アセアン経済研究センター
Asia)
)
(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia
2016年
2016年11月
11月25日
25日
報道発表資料①
第3回アジアコスモポリタン賞大賞
テイン・セイン(Thein
イン・セイン(Thein Sein)
Sein)
プロフィール
1945年旧イギリス領ビルマ(現ミャンマー)パテイン郡生まれ。
前ミャンマー連邦共和国大統領。
1963年に陸軍入隊。1967年 国軍士官学校卒業。軍では要職を歴任。
1997年に国家平和開発評議会(SPDC)委員に就任。2007年に暫定首相を経て首相に就任し、
大将に昇格。2010年4月に軍を退役し、首相職のまま、連邦連帯開発党(USDP)を結成し、党首
に就任。
2010年11月 下院(国民代表院)議員選挙にて当選後2011年3月に23年ぶりの大統領に就任し、
経済社会改革を推進し、軍政から民政への移行期のミャンマーを改革開放路線へと転換させた。
総選挙を経て2016年3月に大統領を退任。現在USDP中央指導委員会委員。
受賞に値する功績
テイン・セイン氏は、大統領として国を経済改革をはじめとする諸改革を通じてより開放的かつ
繁栄する国家に変貌されることを目指した。彼のリーダーシップのもとでミャンマーは民主化に向
けて多くの改革を含む多くの重要なステップを踏むことができた。2014年にはASEANの議長国
の大統領として、各種サミットや閣僚会合等を成功裡に纏め上げ、2015年以降のASEAN共同体
の絵姿を策定することをASEANとして世界に約した功績は大いに評価に値するものである。こう
した内外の課題に対する指導力を、選考委員会は高く評価し、第3回アジアコスモポリタン賞の
大賞を授与することを名誉に思う。
テインセイン氏がミャンマーの改革に乗り出すにあたって、政府は漸進的に民主的でかつ市
場志向の経済改革をめざした。法や民意に従って多くの課題解決に着手し、確実に成果がでる
努力を継続した。 テインセイン政権は、国民の安全な生活を確保し、雇用機会を創出し、生活
水準と一般市民の社会的・経済的地位を向上させるため、社会密着型の広範な経済改革も導
入した。
また彼の政権下で小学校と中等教育の無償化を導入した。
年
2016 11月25日
9
報道発表資料①
第3回アジアコスモポリタン賞大賞
テイン・セイン(Thein
イン・セイン(Thein Sein)
Sein)
各課題を次から次へとこなす厳密な直線的アプローチでなく、彼の政府は、多焦点的アプ
ローチを採用した。そのような取り組みの中で特筆すべきは経済社会改革(FESR)の枠組み
において選定された優先項目の中で、とりわけ、金融政策と為替政策の影響である。マクロ経
済の安定と外国投資の制限緩和を確実にする金融政策と為替レートの改革は重要な改革の
領域であった。
2011年に従来の公定レート(公式レートの100倍以上の評価)に変わり、2012/2013予算の
中で市場為替レートを使用することを決定し、2012/2013予算の内容は、民間の開発推進に
よる成長を目指す方向に大きく転換した。またFESRを通じ外国投資に関する法整備を進めて
外国人投資家のための投資環境の改善に努めた。
こうした改革のおかげで、欧米の経済制裁が緩和、または解除され、援助国がミャンマーの
政治的、経済的な移行をより強力にサポートすることが可能になった。
国際分野における前大統領のもっとも大きな成果は2014年に初めてASEAN議長国となり、
この地域全体のリーダーシップが求められたときである。長らく閉鎖的な環境に鑑みれば、各
種サミットや閣僚会合等を滞りなくやり遂げただけでも大変な功績である。この年のサミットで
採択されたネピドー宣言は、その翌年採択されるASEAN共同体ビジョン2025策定に向けて重
要な骨格を示した。
議長国としての成功はミャンマーの人々に自信を持てる結果を生み出し、ミャンマーが開放
的で地域や世界規模の課題に取り組んでいけることを示した。
テインセイン氏の内外への関心とリーダーシップが、第3回アジアコスモポリタン賞の大賞を授
与するのにもっとも相応しい人物たらしめるものである。
年
2016 11月25日
10
報道発表資料①
第3回アジアコスモポリタン賞 経済・社会科学賞
経済・社会科学賞
藤田 昌久(Masahisa
昌久(Masahisa Fujita)
Fujita)
プロフィール
1966年京都大学工学部土木工学科卒業。甲南大学特別客員教授、京都大学経済研究所特任
教授。
京都大学工学部助教授、米国ペンシルバニア大学助教授、準教授、教授、京都大学経済研究
所教授を経て現職。また国連大学高等研究所(東京)客員教授、文部省科学官、応用地域学会
会長、日本経済学会会長などを歴任、2003年から2007年まで日本貿易振興機構(ジェトロ)アジ
ア経済研究所所長、および2007年から2016年3月まで独立行政法人 経済産業研究所(RIETI)
所長も兼務。日本経済学会会長(2009-2010年)。主な研究分野は都市・地域・国際・空間経済
学。1972年米国ペンシルバニア大学博士号(地域科学)取得。日本学士院会員。
受賞に値する功績
今回のアジアコスモポリタン賞、経済・社会科学賞は藤田教授に授与される。藤田教授は都
市・地域経済学で優れた研究業績をあげ、特に新経済地理学・空間経済学の構築に不可欠な
貢献を成してきた。ポール・クルーグマン、アンソニー・ベナブルズとの共著による『空間経済学
―都市・地域・国際貿易の新しい分析』は、新経済地理学・空間経済学における必読書となって
おり、Google Scholarによれば8,000以上の学術研究により引用されている。
新経済地理学・空間経済学は、経済活動の集積と分散を分析する学問であり、輸送費の変化
が集積力や分散力を生み出し、産業立地や人口移動、国際分業等に影響を及ぼすことを経済
理論により説明する。こうした藤田教授の研究は、東アジアで地域統合を推進するための理論的
基盤となっている。
藤田教授は、理論研究に多大な貢献をされてきたが、実証研究も同様に重視されている。藤
田教授の研究成果と研究に対する熱意は、政策研究やエビデンス(証拠)に基づく政策立案を
志す東アジアの研究者・実務家を触発している。ASEAN連結性マスタープランやASEAN経済共
同体ブループリント2025といったASEANの様々なイニシアティブや東アジア経済統合の推進に、
藤田教授の卓越した研究業績と指導力が多大な影響を及ぼしている。
年
2016 11月25日
11
報道発表資料①
第3回アジアコスモポリタン賞 文化賞
ヘルマン・ファン・ロンパイ(Herman
ルマン・ファン・ロンパイ(Herman Van Rompuy)
Rompuy)
プロフィール
1947年10月31日生まれ。
2009年12月1日、リスボン条約で新設された常任の欧州理事会議長の初代議長に就任し、
2012年に再任、2014年11月30日まで2期5年務めた。
2007年から2008年までは下院議員議長に就き、2008年12月30日から2009年11月25日まで同
国首相を務めた。それ以前は副首相兼予算相(1993-1999)や内務大臣(2004)、金融・小企業
大臣(1988)などの要職を経験した。
ベルギー国立銀行の経済学者だった氏は1973年にフラマン系キリスト教民主党 の前身である
キリスト教人民党青年団の代表を皮切りに政治の世界に入り、1988年から1993年までキリスト教
民主党党首を務めた。1998年から1995年まで上院議員、1995年から2009年まで下院議員。
ルーヴェン大学哲学科卒。同経済学修士。
現在 ルーヴェンおよびルーヴァン・ラ・ヌーヴの大学やブラッセルの欧州大学院大学、パリ政
治学院等で教鞭をとっている。欧州政策センター理事長。
2011年11月3日 旭日大綬章 受章
2015年7月21日にフィリップ国王より伯爵の爵位を授与された。
母国語のオランダ語のほか、英語、フランス語、ドイツ語に堪能。
年
2016 11月25日
12
報道発表資料①
第3回アジアコスモポリタン賞 文化賞
ヘルマン・ファン・ロンパイ(Herman
ルマン・ファン・ロンパイ(Herman Van Rompuy)
Rompuy)
受賞に値する功績
受賞に値する功績
自選の句集を出版するほどの俳句愛好家であり、世界最小の定型詩の魅力にひかれ2004年
に句作をはじめ、欧州理事会議長としての多忙な日常七課でも俳句の制作に時間をとっていた。
氏はすでに2句集をオランダ語で上木している:Haiku, Poeziecentrum Vzw, 2010; and Haiku 2,
Poeziecentrum Vzw, 2013. Haiku 2は ドイツ語、フランス語、英語、日本語訳もされている。
技術の発展に伴って複雑化し、懐疑心が横行する現代世界にあって、俳句の「簡素さ」は際
立っており、競争、敵愾心、嫉妬心が渦巻くこの地球上で、俳句が奏でる「調和」の調べは貴重
な存在であると主張し、「平和」と「和解」と「一致団結」の世界を信念にEU大統領として政治活
動を行ってきた。その信念に王冠を授けてくれたのが「俳句」であり、自ら俳句の門をたたき、自
分の生活の一部として、俳句が自分の生活を変えたという。
俳句は日本からヨーロッパにつながり、ヨーロッパの思想体系に組み込まれた実例であるとも主
張する。
俳句は日本からヨーロッパにつながり、ヨーロッパの思想体系に組み込まれた実例であるとも
主張する。
誰もが軽やかに口ずさめる短詩で平和の尊さを表現する点が、人種や主義の違いを超えて価
値観の共有を目指すEUの姿と重なると強調する。
ファンロンパイ氏はドストエフスキーが、「美のみが世界を救う」と言ったことを引き、俳句も美。
人々が美の感性を高めれば、争いを抑えられると考えたいと述べている。
かつて第2芸術と批判された俳句という日本で生まれた詩形がいわばグローバルスタンダード
として世界で受け入れられようとしており、そのことを身をもって世界に訴えかけるファンロンパイ
氏はまさにアジアコスモポリタンと言うにふさわしい。BREXITが契機となり、EUにおけるひとの移
動の問題が問われているが、ファンロンパイ氏が示しているように、単なる経済利益の追求を超
えた、人と人との心の交流のありかたが「ひとの移動・交流」が受け入れられる根本条件である。
俳句のような短詩型を通じて異なる文化、自然を受入れ、その多様性を尊敬しつつ、共通の詩
的認識手法により「調和」をもたらすことが今求められている。
その意味において、氏がアジアコスモポリタン文化賞を受賞するにふさわしい。
「俳句の背後にある哲学は、世界共通のもの」だとしてUNESCO無形文化遺産への登録に賛
意を示し、尽力している。
年
2016 11月25日
13
報道発表資料①
第3回アジアコスモポリタン賞 文化賞
ヘルマン・ファン・ロンパイ(Herman
ルマン・ファン・ロンパイ(Herman Van Rompuy)
Rompuy)
代表句は以下のとおりであり、高い評価を受けている。
(平和の俳句)
Who looks at the sun
At the sea,at the stars
Loves peace
陽を海を星を見る者和を愛する
(東日本大震災に際して)
The three disasters
Storms turn into a soft wind
A new humane wind
三災後仁愛の風流れ込む
(その他)
Two wild ducks
Alighting on my pond
A brace forever
二羽の鴨わが庭に来て離れざる
Wandering clouds
Full moon and black heaven
Chiaroscuro
雲は流れる
暗い空に満月
調和のとれた明暗
以上
年
2016 11月25日
14
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