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日本科学未来館 2010年活動報告 (2)人材を育てる
日本 科 学未 来 館 2010 年度の活動 2 . 人 材 を 育 て る 科 学 コ ミュ ニ ケ ー タ ー の 養 成 科 学 を 伝 える人材としての 科 学コミュニケー ター の 養 成と 、彼らが 社 会で 活 躍 するための 場づくりを 積 極 的 に推 進しています 。 ■「 日本 科 学 未 来 館 科 学コミュニケーター 」とは 私たちが掲げる目標は、世界中の人々がお互いを尊重しつつ、豊かに暮らしていける持続可能な社会を構築すること。そのた めには、一人ひとりが理論と実証に基づく科学的な視点を持つこと、すなわち科学を世界中の人々が共通に持つ文化のひとつ とすることが必要です。このような「科学を文化にする」ための、社会の様々な場面で行われる活動が科学コミュニケーション であり、科学コミュニケーターはその担い手となります。 ■ O JT による人材 養 成と研 修 未来館が展開する日々の活動に業務として携わること( OJT )をとおして基礎力の研鑽と応用力の強化を図りました。さらに、 科 学コミュニケーション理 論の深化や視 野の拡 大、発想 力の強化などをめざした研 修や館内インターンシップの実 施により、 各人のキャリアパスを意識した業務体験の機会も充実させました。 ●内部研修実施一覧 日 程 4 月 2 日∼ 4 月 26 日、 1月 2 日∼1月 24 日 4 月15 日、 1月 20 日 4 月 23 日、 1月17 日 (講 師名等 敬称略) 講 義 内 容 入社時 SC 基 礎 研 修 SC 実地研 修 ロジカルコミュニケーション 発 声(ナレーション) 講 師 名 池辺靖、冨田知宏、濱 亜 沙 子、山本広美、 他(日本 科 学未 来 館) 宮負敦(株 式会社 パンネーションズ・ コンサルティング・グループ) 野口きいこ (株 式会社 総合 教育コンサルティング) 毛 利衛、竹内恵、橋 本 裕 子、池辺靖、 他(日本 科 学未 来 館) 石川泰彦、藪本晶子、越智響、 他(日本 科 学未 来 館) 6 月 22 日 科 学コミュニケーション理 解 6 月 29 日 入社後フォロー 未 来 館ブランド研 修、対 話 活動振り返り等 7月13 日 ファシリテーション研 修(基 礎) 橋 本 裕 子、山本広美(日本 科 学未 来 館) 9 月14 日 プレゼンテーション研 修 釋左 枝(株 式会社インソース) 10 月 9 日、16 日、23 日、 11月 6 日、9 日、13 日、27 日 ライティング 研 修(全 6 回) 引野 肇(中日新聞 電子メディア局) 11月 9 日 アンケート調査研 修 野口朋子(日本 科 学未 来 館) 11月 9 日 メディア制作研 修 楠見春 美、籔本晶子(日本 科 学未 来 館) 12 月 6 日 インタビュー 研 修 上 野 啓子(株 式会社インタービスタ) 12 月 21日 プロジェクトマネジメント研 修 鬼 木 睦 男(株 式会社アイシンク) 1月 25 日 企画立 案、映像制作基 礎 研 修 2 月1日 ファシリテーション研 修(応用) 2 月15 日 科 学コミュニケーション理 解 林勝彦(東 京 工 業 大学)、 村田豊 彦(株 式会社映像開発) 彦田友 治(株 式会社グローバ ル・シフト・ コミュニケーション) 毛 利衛、中島 義 和、小中元秀、林部尚 (日本 科 学未 来 館) ●サイエンス・クロスロード(外部講師招へい) 日 程 4 月14 日 11月 22 日 3 月7日 3 月 30 日 3 月 31日 講 師 名 鈴木健(株 式会社サルガッソー) 佐 貫俊 幸(日本アイ・ビー・エム株 式会社) 阪本成一(独 立行政 法 人宇宙航 空研究開発 機構) 鈴木 幸一(国立 感 染 症 研究 所ハンセン研究センター) 中村 隆司(東 京 工 業 大学大学院) (講 師名等 敬称略) 講 義 内 容 (タイトル) 情 報 技 術で世の中をバージョンアップしてみよう IBM が見つめる未 来 ∼より賢い地 球をめざして∼ 「はやぶさ」、そしてその先へ 放 射 線 が人体に及ぼ す影 響について 放 射 線科 学の基 礎 知 識について ■ 2010 年 度の 未 来 館 科 学コミュニケーター 輩 出の 実 績 輩出先 業 種 人数 大学・研究機 関等 5名 科 学 館・博 物 館 等 2名 企業 1名 その 他 6名 計 14 名 ※開館から 2011年末までに 144 名の科 学コミュニケーターを輩出しています。 〈担当スタッフ〉 永田順子、新井真由美、田中園子、濱亜沙子、山口史恵、白根純人 2011 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 13 日本 科 学未 来 館 2010 年度の活動 2 . 人 材 を 育 て る 科 学 コ ミュ ニ ケ ー タ ー 外 部 研 修 外 部 向 け の 科 学コミュニケー ター 育 成 プ ログラムとして 、数 日 間 の 短 期 研 修 と 、1 年 にわたる 長 期 研 修 を 実 施しています 。 ■短期研修 ●カリキュラム 各講座とも、 [ グループワーク+演習+ディスカッション]形式で 3 つのスキルを体系的に学びます。 情 報コーディネーション 講 座 科 学 技 術を 分析する視 点の深 化 プレゼンテーション 講 座 ファシリテーション 講 座 プレゼンテーションスキルの向上 科学コミュニケーションの構築力の強化 ・科学情報を論理的に評価する ・情報の社会的価値について考える ・プレゼンテーションの意義を考える ・コミュニケーションの阻害要因を理 ・話す人を観察する 解する ・ファシリテーターの役割を考える ・科学記事作成 ・プレゼンテーション構成と発表 ・科学コミュニケーション企画の立案 ・総括ディスカッション [講座と自分自身の活動をつなぐ] ・総括ディスカッション [講座と自分自身の活動をつなぐ] ・総括ディスカッション [講座と自分自身の活動をつなぐ] ● 2010 年度受講生内訳 情報コーディネーション講座 小 中高 教 員 広 報 担 当者 12 人 7人 研究者 大学教 員、 ( ) 企業研究 員等 9人 博 物 館・ 科学館職員 NPO/ 公的機関職員 その 他 合計 4人 2人 21人 55 人 プレゼンテーション講座 15 人 7人 9人 5人 2人 23 人 61人 ファシリテーション講座 13 人 8人 10 人 6人 2人 21人 60 人 ※「科学コミュニケーター 研 修プログラム」は、教 員 免許状 更新講 習として文部 科 学省から指定を受けています。 の べ 176 名の受講 者のうち 24 名が教 員 免許状 更新講 習対 象者です。 ■ 長 期 研 修(1年コース) 埼玉県教育委員会より高校教 員( 2 名)、一 般公募より1名を受 入れました。日々の実践を通 じて科 学コミュニケーションの意義を理 解し科 学コミュニケーターとしての総合力を高め ると共に、研修後も自身の活動に還元可能な企画の開発に取り組みました。 ●研修テーマ ①「科学コミュニケーションのための実験教室等の実践手法開発と評価」 友の会 会員向け実験教室「バイオ初級 DNA コース」を対象別に改良、実践。 「 親から子に伝わるも のとは?」を共通テーマに、発育段階に合わせた課題を設定することで、より効果的なプログラム になりました。 ②「教員と研究機関のネットワーク構築」 教員のネットワーク構築を目指して、科学教育や教員研修の現状を調査するとともに、若手教員の研鑽機会向上や研修手法の開発・情 報共有をねらいとしたメーリングリストの設立と教員研修の実践を行いました。 ③「学校と研究機関等における連携と活用について ∼先端科学技術研究の情報発信と伝達手法の研究∼」 中高生向け学習プログラムの実践とともに、新規開発を行いました。 「 職場体験プログラム」は職業観の習得に留まらないキャリア教育 的観点を重視。エネルギー分野の「学習プログラム」は研究者と共同開発しました。 〈担当スタッフ〉 山本広美、二瓶亜三子、橋本裕子、池辺靖、石川泰彦、岡山悠子、豊田倫子、蓮沼一美、菅野治虫(長期研修生)、大沼潤一(長期研修生)、井上 仁(長期研修生) 2011 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 14 日本 科 学未 来 館 2010 年度の活動 2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ① 日本 科 学 未 来 館 で の 科 学コミュニケー ション 活 動 の O J T をとおして 、科 学 技 術と社 会 をつなぐ 役 割 を果 たしています 。2010 年 度は 以下の 科 学コミュニケーターが 活 躍しました。 天野春樹 五十嵐海央 出井正道 井上直子 磁性研究装置の研究開発をテーマ に理学修士を取得。専攻とあわせて 取り組んだ科学コミュニケーション 活動の中で、人の考えを引き出し気 づきを共 有 することの面白さに衝 撃が走り現 職に。イベント「語ろう! 科学のはじめの一歩」では、研究者 の素顔を引き出すための場 作りに 挑戦。挑戦はまだまだ続く。 海洋 生物 資 源学(修士)。環 境 教 育 に 携 わった 後 、科 学 的 な 視 点 で の 伝 え 方 を求めて未 来 館へ 。未 来 館 の活動を通じ多様な場面で科学コ ミュニケーションを行ってきたが、 どんな時でも相手と状 況に合わせ たアレンジのきく、しなやかな科学 コミュニケーターでありたい。 高校で微生物を用いた商品開発に 携わる。大学で微生物学、食品科学 を 学 ん だ 後 、研 究 所 に 勤 務し 、水 素・メタン二段発酵のプロジェクト に参加。2006 年度から日本科学未 来 館 に 勤 務 。微 生 物 にロマ ン を 感 じて い る 。科 学 を 知 ることで 視 野 が 広 がって いく感 動 を多くの方々 と共有したい。 化 学 専 攻( 修 士 )。2 0 0 6 年から未 来 館の展 示フロアにて科 学コミュ ニケーションを行なっている。メー カーの技術営業職で培った相手の 考えを引き出すノウハウに加え、来 館者とともに考えることで、科学の おもしろさ、奥深さに気づいてもら えたときは、最高の喜びである。 大西将徳 久保暢宏 大崎章弘 機 械 工学 専 攻。博士 後 期 過 程 退学 後 、大 学 助 手 を 経て 20 0 9 年 10 月 より現 職 。前 職 で は 空 中 描 画 によ る表 現 活 動 の 探 求、体 験 型 装 置の 研 究 開 発 等 を 行な い 、現 在 は自身 をインタフェースに 来 館 者 の 気づ きや 表 現を引き出す対 話や場づく りを実 践 中。専 門 はヒューマン・イ ンタフェース、空中描画。 博士(人間・環境学)。日本学術振興 会 特 別 研究 員、高等工 業 専 門 学 校 非常勤講師などを経て現職。 「 科学 者だけ が 未 来を 決 め るのでは な い。未 来はみんなで創るもの」とい う思 いから日本 科 学 未 来 館へ 。未 来 館が、多くの人が議 論し、明るい 未 来を描き出す 場となることをめ ざしている。 大堀菜摘子 大 学 で は 主に化 学 を専 攻し 、そ の 後民間で1年半の勤務経験を経て、 20 0 8 年 10 月より未 来 館へ 。科 学 の楽しさを感じるきっかけを、科学 コミュニケーション を 通じて もっ て もら い た い という思 い の も と 、 日々フロア で のコミュニケーショ ンを図っている。 岡山悠子 専 門 は火 山 学(修士)。民 間 企 業 で 2 年間勤務し、2006 年国立科学博 物 館 サイエンスコミュニケー タ養 成 実 践 講座 の受 講を機に 20 07 年 4月より現職。5 年目を迎え、自分の 経 験を軸に未 来 館が積み上げ てき たも のを日本にそして世界に発 信 しようと模索中。 専 門 は表 面 化 学(工学 博士)。実 験 だいすき。 「 見てみる、触ってみる、 やってみ る 」が モット ー 。私にとっ ての科 学は知らない世界へ のパス ポート 。い つ か 宇 宙 へ…と夢 見 つ つ、南極観測隊参加、ちきゅう乗 船 を目指して修行中。 大学は得意のカエルで細 胞周期を 研究。JT 生命誌研究館での企画 編 集 を 経 て 未 来 館 へ 。2 0 10 年 度 は 「未 来 設 計 会 議 」イベントの立ち上 げ、常 設 展 示「生 命 の 科 学と人 間」 改修企画、公 式 Twit ter 企画、研究 者アウトリーチ協力などを行なう。 めざすは、未来に咲く種となるモノ づくり。 桑子朋子 小林直樹 坂巻たみ 提髪玲子 佐藤雅一 芝塚紗和子 博士(医学)。免疫学を専攻後、ポス ドク、特 任 助 教を経て、現 職。平成 22 年度は実 験 工 房に加え、社会問 題となった口 蹄疫について科 学 の 視 点 から解 説 をするも 、ノー ベ ル 賞 の 受 賞 者 予 想 は見 事 外す 。信 条 は「スベっても泣かない」。 航 空 宇 宙 専 攻 。長 野 県 松 本 で 一人 乗りヘリコプター の 開 発 に 8 年 携 わり、20 0 8 年 秋より未 来 館へ。現 在 一 児 の 母 。科 学 技 術 の ありが た さと生命の 神秘を噛み締めながら 子育 て中。未 来 館 で 科 学 技 術にふ れた来 館者の発する思いがけない 一言 が 仕事 を行う原 動 力となって いる。 発 光 性 昆 虫( 蛍 な ど )の 系 統 分 類 で 博士 号を取 得。2010 年度は「未 来 館 で お月見! 」の 全 体 統 括 を担 当。ボランティア研修の企画実施や ボ ラン ティアに よる イベ ント 実 施 協力も行った。人の心を動かし、自 分自身も納得できる仕事を今後も 行っていきたい。 大学 院博士課程でロボットの 研究 に従事するかたわら専門学 校 等で 非常勤講師を務め、2004 年夏より 日本科学未来館勤務。 「 技術革新と 未 来 」分 野 、特 にロボット の 展 示・ 企画を担当。実験教室やロボットコ ンテスト等 の誰でも気 軽に参加で きる場を提 供していきたいと考え ている。 子ども の 頃 から 宇 宙 に興 味 をも ち、遠赤外線天文学で修士を取得。 I Tコン サル タント 会 社 に 勤 務 後 、 2006 年 7月から未来 館に常勤とし て 勤 務 。生 命・フロンティアのエリ アと実験工房を担当。日々、来 館者 の方々から直 接 反 応が 得られる仕 事にやりがいを感じている。 澁谷知子 嶋田義皓 鈴木真一朗 外口慶樹 代島慶一 実 験 工 房 SC として「また 来 たくな る 実 験 教 室 を つくる 」ことを 目 標 に、ロボット運動系コースの内容を 改修。本コース改修を通じて自分自 身も感じた、 「 難しいけど、おもしろ い!!」というやりがいが 多くの 参 加 者に伝われば良い なと思ってい る。 ひみつ 道 具で 大 学 に 飛 び入学し 、 大学院では光物性物理学の研究で 博士 号(工学)を取 得。理 科 の 視 点 から日 常 生 活 を 見つ め 、科 学 を日 本固有の文化にしようと 2008 年 4 月より未 来 館へ。 「 百聞は一見に如 かず」がモットー。物 理をきちんと 勉強していない理 系 の蔓 延をひそ かに嘆いている。 未 踏ソフトウェア創 造 事 業 で 培っ た 企 画 力と実 装 力を武 器に、恋 愛 支 援 システムを つくって修 士 号を 取得。その後、商社での研究開発職 を経て、2009 年 10 月より現 職。認 知 科 学と情 報 工学 の 背 景を いか し、自分にしかできない科学コミュ ニケーション を 見 いだそうと日々 邁進しています! 臨 場 感 の高い 映 像 メディアを実 現 するため 、嗅 覚 刺 激の 提 示 が 視 聴 者へ与える心 理 的効果を研究し修 士 号を 取 得 。通 信 機 器メーカ ーで 新 製 品 の 研 究 開 発 を 4 年 間 行なっ た後、20 0 8 年 4 月に科 学コミュニ ケーターとして未来館に転職。枠に とらわれず柔軟 な 視 点をもった科 学コミュニケーターをめざす。 2011 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 15 専門は生態学及び自然公園など環 境 学 。趣 味 宇 宙 。 「 ワクワクしな が ら 科 学 を 体 験 する 」を モット ー に 2006 年より勤務。展示フロアや友 の会など 5 年間の活動を通して、本 物 の 科 学に触れること体 験するこ との 重 要 性 が 身 に 染 みました 。こ れ から もこのことを 胸 に 、科 学 の 面白さを伝えていきたい。 日本 科 学未 来 館 2010 年度の活動 2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ② 高橋里英子 高田真希 理 学 博士。生物 の 生 態、進化、発 生 の 境 界領 域をテーマとした研 究に 従事。GCOE 研究 員などを得て現 職。今ここにある世界のすべてには 物 語 が あり 、そこには 科 学 が 深く 関 わって い る 。そ の 科 学 と 呼 ば れ る 集 合 は 、い か に 切 り取 れ ば「 未 来」と重ねられるのか。その手法を 考えていきたい。 高 校 教 員、青 年海 外協 力 隊 を 経て 2011 年 1月より現 職 。協 力 隊 で は 電気なし、水道なしでもできる限り の 実 験 を 生 徒と共 に 楽しむ 中 で 、 見て 納 得 することの 大 切 さ を 実 感。現在の目標は、展 示を通してそ の科 学 技 術が何で、どうすごくて、 私 達とどう関 わってい るかを相 手 に合わせて解説すること。 寺田雅美 寺村たから 高見裕一 物 理 学 を専 攻し 微 粒 子 の 拡 散シ ミュレーションで修士号を取得。シ ステム エンジニアを 経 て 2 0 0 8 年 12 月より未 来 館に勤 務。子どもの 頃 に 感じた 科 学 の 不 思 議 さや 、わ かったとき の 楽しさを 伝 えるため に日々フロア で 奮 闘 中 。目 標 は 来 館者との対 話の中で新たな発 見を 共有すること。 豊田倫子 竹下陽子 大学では、ダイオキシン類によるア ザラシへの毒性評価を行ない修士 号を取 得 。分析 会 社で の 技 術 職を 経験後、 「 研 究 成 果 が 国 民 に伝 わ る 」ことの 重 要 性 を 感じて 科 学コ ミュニケー ター 職 に 就く 。来 館 者 が新しい 視 点や世界観に出会えれ ばと、日々奮闘中。 中川映理 田端萌子 地 球 惑 星科 学で 修士取 得。虫 が 嫌 いで 実 演 に 苦 戦した 経 験 あり 。最 近 は 科 学 の 分 野 間 だ けで なく 、科 学とアートなど様 々な分 野 の イン タラクションに夢中。それが科学コ ミュニケーションを面白くすると信 じている。 「 日 々 勉 強 」、 「時間厳 守」、 「 南極進出」を目標にフロアで 修行中。 野田裕美子 進化 発 生 生 物 学 を専 攻 。研 究 者を 志していた が、 「 科 学ジャーナリズ ム授業」を契機に進路変更。国立公 園等インタープリター(環境教育)、 某 都 内 科 学 館インストラクターを 経て、現 職。世界との繋がりを実 感 し 、日 常 の 深 み を 見 出すコミュニ ケーションがしたい。愛 読 書は「セ ンス・オブ・ワンダー」。 ドラえも ん を 読 んで 理 科 好 きに 。 理学修士(化学)。食品メーカー、通 信 会 社を 経 て未 来 館へ 。展 示フロ アでの対 話業務では「伝える」こと と「伝わる」ことの 違いをひしひし と 感 じ て い る 。より広くより 楽 し く 、科 学 が「 伝 わ る 」方 法 を マ ス ターすること が 、未 来 館 在 勤 中 の 目標。 小学生の頃から理科全 般に興味を もつ。大 学、大 学 院 では 地 球 科 学、 環 境 学 を専 攻 。医 療 系 メーカー の 研 究 開 発 職を 経て 、20 0 8 年 10 月 より現 職 。館 内 館 外 の 対 話を 中 心 とした 科 学コミュニケーション 活 動を展開しつつ、新たな科学コミュ ニケーションの場、表現法を日々模 索中である。 子どもの頃 から好きだった美 術を 科 学と関連づけることが できない かと 、大 学 で は 考 古 化 学 という新 し い テ ー マ を 追 求 。理 学 修 士 。 「 ノー 2007年11月より、未来館へ。 ベル賞化学者からのメッセージ プ ラスチック E Lへ の 応 用 」のコ ース の開発に携わる。 得意科目は「理系科目以外」にも関 わらず 、海 好 きが 高じて 理 系 へ 進 学 。マリアナ 海 域 深 海 底 の 磁 化 構 造 解 析で 修 士 号 取 得 後 、コン サル ティングファームを経て、20 0 9 年 より現 職 。文 系 理 系 関 係 なく科 学 に 親し め る 場 を つくり 、研 究 成 果 や 研 究者 の 魅 力を 伝 え たい。科 学 と観光の協働スキームを模索中。 二瓶亜三子 蓮沼一美 早川知範 林田美里 廣木一亮 大学で専攻した分析化学に魅了さ れて、分析機器メーカーに入社し研 究 開 発 に没 頭。新しい 科 学 技 術 が 生 まれ 、発 展 する 喜 び を社 会 に伝 えたいと思い 20 0 8 年より未 来 館 に転職。鍛錬した科学コミュニケー ションスキルを 活 かすべく 、2011 年より活動の場を政 府機 関に移し “リスコミ”に挑戦する。 広瀬信吉 理 工学 部 物 理 学 科 卒 業、表 面 物 理 を専攻し、STM 等の真 空装置を用 いて化合 物半 導体の表面を観察し 構造解析をする研究に従事。2007 年 4 月より未 来 館に勤務。研究者と 社 会との 橋 渡しが で きるようにが んばりたい。 大 学 で は 教 育 学( 理 科 教 育 )を 専 攻。科学コミュニケーションの能力 を高めるため、20 0 9 年 4 月より未 来 館 へ 。新し い 科 学 コ ミュ ニケー ションのあり方を模索しながらも、 日々の業務を楽しんでいる。 専 門 は 天 文 学 。アメリカ 、ニ ュー ヨー ク州 にて博 物 館 学 を 学 び 、プ ラネタリウム解説員を経て 2010 年 4月より現職。英会話講師の経歴も 持ち、なによりも人と人とのコミュ ニケーションを大切と考える。最近 の 興 味 はアジ ア 、特に 韓 国 の 科 学 館。 物理学と宇宙をこよなく愛する。米 国カリフォルニア州 にて物 理 学 修 士を履修 後、帰国。I Tエンジニアと 英文科学記事執筆を経 験して現職 に 。来 館 者に「 科 学 する 」ことの 楽 しさを 感じていた だくことが日々 の目標。 藤井友紀子 干場真弓 細川聡子 リス が 好 きで 博 士を 取 得 。みん な からリス博 士と呼 ば れることをめ ざして日々 埋 進 中 。将 来 は 森 林 の 動物を用いて環境教育を行ないた いと考 えな がら 、未 来 館 でさ まざ まなことを勉強している。 日本周辺の古海洋環 境の 復 元を テ ーマに博 士 号 取 得 。ど ん な 現 象 にも 興 味 をもち 、ど ん な分 野 でも 楽しく感じられるという特 技(?) をもつ( 最 近 は 巨 大 建 造 物と 乗り 物が好き!)。未来 館では、 「 科学が わかる 世界がかわる」ことの 素 晴 らしさを 伝 える べく修 行と奮 闘 の 日々を送っている。 植物の匂い認識の研究で修士号を 取得。博士課程途中で研究を離れ、 大 学 のシン ポジウムや セミナーを インターネットで配信するプロジェ クトに従 事 。20 07 年 4 月より未 来 館 に常 勤として 勤 務 。大 学 や 研 究 所に眠ってい る驚 きと 感 動 を多く の人に伝えたい。 2011 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 16 共役系高分子(導電性高分子)の合 成と物性評価の研究で博士(工学) を取得。専門は有機合成化学・高分 子 化 学・グ リ ーン ケミ ストリ ー な ど。未 来 館 では「技 術 革 新と未 来」 の 展 示 改 修 や 4 K デ ジタル シ ネマ 「かぐやの夢」にて声の出演に携わ る。 松島淳一 専 門 は有 機 合成化 学。生 理 活 性 物 質の 合成研究をテーマに修士号を 取 得 。2 0 0 5 年 5 月 より 未 来 館 勤 務。学 校 連 携、友の 会、新人科 学コ ミ ュ ニケ ー タ ー の 研 修 な ど を 担 当。なんでもやります。 日本 科 学未 来 館 2010 年度の活動 2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ③ 松山桃世 水野 壮 線虫相手に研究生活 10 年?専門は 分子生物学(理学博士)。暗記嫌い、 謎 解 き 好 き 。ワクワク する仮 定 を たて て 実 験 、得ら れ た 結 果 からモ デル を 立 て て さらに 検 証 する 、日 常生活で役立つ研究の醍醐味を伝 えたい。研究者の思考法のちょっと したコツを、どんな仕掛けで体得し てもらうか、思案中。 ゴキブリや蚊を日々解剖し、農学博 士取 得。専 門 は分 子 生物 学、昆 虫・ 三 国 志・科 学 の 三 本 柱 で 、科 学 コ ミュニケーション活動を行なってい く。約 2 年間、3 階展示フロアを中心 とした 実 演 、イベ ント企 画 や そ の ファシリテーション及び執筆活動を 行なった後、2009 年度より「技術革 新と未来」の展示企画調査を担当。 山口美佳 山崎 功 三ツ橋知沙 専 門 は植物 分 子 生物 学(修士)。実 験 三 昧 の 日々を 送るが 、さらに お もしろい 仕事 を求めて 研 究 所から 未 来 館へ 。専 門 外 の 科 学 のおもし ろさを知り、日々の生活もより楽し くなった。一般社会に伝わる方法を 模索中。 吉田健二 村嶋 恵 森田由子 渡辺有紀 江水是仁 専 門 は栄 養 学(博 士)。食べ 物 がか らだをつくっている!ことに感動を 覚え、からだと栄養、さらに心と栄 養 の つな がりを 研 究 。日 常 すぎ て 科学っぽくない栄養学を、ゆるく科 学コミュニケーションして い きた い。 虫 好きが 高じて大学で生物学を学 ぶ。分子 生物学から採集まで、なん でも「あり」の幸福な昆虫研究生活 の末に理学博士を取得。その後、背 骨のある生き物への好奇心から製 薬 会 社 に 転 進し 、癌 を 研 究して い た。未 来 館では、ライフサイエンス と他 の 領域にまたがるような仕事 をしたいと思っている。 医学博士、専門は脳科学。理研研究 員を経て 20 06 年 4 月に未 来 館へ。 常 設 / 企 画 展 製 作 、イベ ント企 画 、 新 聞コラム 連 載 な どに 携 わ る 。笑 いや和み、人間ドラマ、時には恐 怖 をス パイスに……先 端 科 学 をどう 料理して伝えるか、人々の反応を想 像しながら企むのが楽しい。 高 校 卒 業 後 、い ろん な 人や文化 に 接したいと思い米国に留学。ミネソ タ大学大学院で自然環境教育を専 攻。そ の 後10 年 間ミネソタ科 学 博 物 館 で 勤 務。2011 年 1月から未 来 館 で 勤 務 。外 国 からの 来 館 者にも 楽しんでもらえる環 境 を 作って行 きたい。 出版社 勤務を経て、20 08 年 4 月よ り現 職 。学 校 連 携 担 当として全 国 の高等学校や中学校へ出前授業を 実 施して い る 。今 年 の 自 身 の テ ー マは「こえる」。 白衣と実験に憧れ、農学部に進学。 イネの害虫抵抗性の 研究を通じて 出会った 留学 生 たちの 話を 聞くう ち、関心はイネより海 外に。修士課 程 卒 業 後 は 、青 年海 外協 力 隊 でホ ンジュラスへ渡り、感染症の媒介虫 対 策に従 事 。未 来 館 で出 会う様 々 な人との出会いが宝物。 美 術系 歴 史 系博 物 館 勤 務 の 後、未 来 館へ。建築計画の立場から、展示 と 人との 間 で 起こるコミュニケー ション に 注 目し 、展 示 空 間 の 評 価 を研 究。博士(工学)。社 会 科 学 的、 人 文 科 学 的 文 脈で 未 来 館の「脱 構 築」が研究課題の一つ。 尾崎美貴子 小山内裕美 恩田雄一郎 木邑優子 幸繁優子 大 学 では 機 械 工学 を専 攻。科 学 技 術 の 進歩はバリアフリーな 社 会に つながる !?との思いで来 館 者との バリアフリー化をめざす。自分がわ くわくする気持ちを、他の人へ伝え るよう邁進中。 科 学 の 楽しさを伝える事に興 味を もち、20 0 3 年より未 来 館に勤 務。 一人でも多くの方に「科学って面白 い! 」と 感 じ て い た だ け る よ う 、 日々、科学コミュニケーションに励 んでいる。脳にとても興味があり、 大 学 院 にて生物 物 理 学・神 経 科 学 を学び、2010 年に博士(理学)。 小さい頃に見た MITのロボコン番 組 に 感 動 し 、科 学・機 械 好 き に 。 買ったチョロQはほとんど解体し、 大 学 では 機 械 工学 を 学ぶ。未 来 館 でコミュニケーションの 面 白さに 開 眼 。リピート 来 館 者 倍 増 を ひ そ かな目標に、SC 活動奮闘中! 笹川浩美 橘 美由紀 中村江利子 GW イベントは「変 化アサガオ」担 当 。サ マー ナイト は 企 画 から 関 わ る。蛍の 光 交 信・実 験・暗 闇 体 験 付 き「光る!私の実験室∼光を操る生 物 多 様 性 と 地 球 環 境 」6 回 実 施 。 JST 先 端 的 科 学 館連 携推 進 事 業、 千 葉 市 科 学 館 第1回「 地 球 環 境 ∼ 蜜蜂に学ぶ生きる知恵」講演。農学 博士。研究所大学研究員。 アラスカにてインタープリテーショ ン を 学 ぶ 。理 学 修 士( 地 球 環 境 科 学 )。専 門 は 極 地 の 植 物 。2 0 0 5 年 より未来館に勤務し、VIP 向けの英 語ツアー 、特 別 企 画 展(「 マンモス から の 警 告 」展 )の 展 示・イベ ント 企画に携わった。現在、育児をしな がら「 3 歳 からわかる 科 学 」をめざ し、勉強中。 大学で環境科学や生物科学を学 び、環 境 計 量 士(濃 度関 係)と技 術 士補(環境部門)などの環境関連の 資 格を 取 得 。銀 行 システム 開 発 の 仕事 を 経 験 後 、大 学 院 に戻り海 洋 生物の研究で修士を取得。2003 年 より未 来 館 勤 務 。海 洋 生 態 系や 環 境 問 題について強い 関 心をもって いる。 専門分野は環境教育と持続可能な 開発のための教育( ESD )。大学 卒 業 後 、ス ポーツ用 品 メーカ ー に 勤 務 。退 社 後 、青 年 海 外協 力 隊( フィ ジ ー )、愛・地 球 博 でインタープ リ ターなど 。大 学 院( ストレスマネジ メント領域)ではコミュニケーショ ン に つ いて 研 究した 。モット ー は 「よく生きる」こと。 藤谷 哲 大 好きな情 報科 学 技 術を楽しくご 紹 介 で きるサイエ ン ス・コ ミ ュ ニ ケーション 実 践 の 場としての 未 来 館 に魅 力 を 感じて い る 。中 高 講 師 をしながら 20 0 0 年博士 号(工学) 取得。専門は教育工学。現在都内大 学准 教 授。担 当 科目は 教 育 方法 技 術、情報科教育法等。 2011 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 17 理 工学 部生体 物 質 工学 研究 室に て 、た ん ぱく 質 の 修 飾 を 研 究し 、 nature に掲載。鉄鋼先端技術研究 所にて、真空中での原子、分子の動 向 研 究 。2 0 0 6 年 4 月より 未 来 館 で、生命エリア担 当。遺伝 子工学と 社会の関わりに興味がある。 戸次真一郎 大 学 院 では 理 論 天 文 学 を専 攻。未 来 館 では「 すばる望 遠 鏡 が めざ す 宇 宙 」の 展 示 改 修 や「 エ イリア ン 展 」に 展 示 解 説 担 当 者として 関 わ る 。科 学 にま つわ るさまざ ま な 話 題を 物理学的もしくは社 会的な点 から考えることで意 外な側 面を見 つ け ら れ る よう な コ ミ ュ ニケ ー ションを目的にしている。 日本 科 学未 来 館 2010 年度の活動 2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ④ 堀井京子 物 理 化 学 専 攻 で 修士取 得 後、数年 間 精 密 機 器メーカーにて技 術 者と して 開 発 に 携 わ る 。学 生 時 代 から 歴 史 、音 楽 、美 術に関 心 が あり 、文 化 や 日 常 生 活 の 一 部 として の 科 学、という視点をもってお客様と対 話することを心がけている。 杠 知子 イオン付着法と飛行時間型 質 量 分 析法を組み合わせた質量分析装置 の 開 発 を テ ーマに修 士を 取 得 。物 理学科への進学と科学に携わる仕 事に就くことは、自他ともに認める 意 外 な 展 開 。人との 出 会 いで 大 き く人 生 が 変わることをしみじみ 感 じている。 ●科学コミュニケーション専門主任 池辺 靖 理学博士。宇宙物理の分野で、理化 学研究所、ドイツマックスプランク 宇 宙 空 間 物 理 研 究 所 、ア メ リ カ NASA /GSFC において 9 年 半 の 研究生活を経て、2004 年より未来 館勤務。地球環境とフロンティア分 野担当。 小沢 淳 科 学 技 術系シンクタンクを経て現 職 。専 門 は コ ン ピ ュ ー タ・グ ラ フィック 。前 職 で は 、情 報 技 術 を 使った 近 未 来 社 会 の 予 測 や、科 学 技 術と文化芸 術の融合領域におけ る政 策 研 究 な ど を 行なった 。未 来 館では情報科学技術分野の展示企 画を担当。 竹内 恵 工学 博 士。石油 会 社の 技 術 者等 を 経て 2003 年より未来館勤務。技術 革新と未来の分野を担当。 橋本裕子 理学博士。専門は生化学。学術振興 会特別研究員、非常勤研究員、民間 企 業 で の サイエンスライター 等 を 経て未来館へ。企画展・医療の常設 展 示・実 験 工 房・サイエンスカフェ な ど に 関 わ る 。研 究 者 ば かりで な く、誰もが科学を気負わずに語り、 人 生 が 豊 かになる出会 いの場を 作っていきたい。 2011 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 18