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先端地球科学技術による地球の未来像創出

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先端地球科学技術による地球の未来像創出
先端地球科学技術による地球の未来像創出
The 21st Century COE Program , Tohoku University
Advanced Science and Technology Center for the Dynamic Earth
2003 年度 活動報告書
2003 Activity Report
2004 年5月
東北大学
拠点リーダーからの一言
私たちは,本 21 世紀 COE プログラムによって,東北大学の地球惑星科
学関連分野の研究・教育の連携・融合と高度化を目指しています.ここ
では,私たちのプログラムの概要をご紹介しましょう.
このプログラムでは,マントル対流などの数億年の超長時間変動から小
天体衝突現象・地震破壊現象などのマイクロ秒変動に至る広大な時間
拠点リーダー 大谷 栄治
スケールの現象を,先端地球科学技術を駆使して解明します.地球は緩やかに変化したものではなく,種々
の激変によって変化してきました.このプログラムでは,様々な時間スケールの地球変動現象を激変とその
緩和・修復過程と捉え,その現象の要因と進行過程を解明します.
この21世紀COEプログラムでは,固体地球(核マントルダイナミクス,地震火山ダイナミクス)研究,流体地
球・惑星圏(気候変動ダイナミクス,太陽地球系ダイナミクス)研究,そして地球進化史研究という3研究領域
5研究分野の研究を強力に推進する計画です.この拠点には,理学研究科・地学専攻,同・地球物理学専攻,
環境科学研究科・環境科学専攻の3専攻に加え,地球物理学系3研究センター(地震・噴火予知研究観測セ
ンター,大気海洋変動観測研究センター,惑星プラズマ・大気研究センター),流体科学研究所衝撃波研究セ
ンター,東北アジア研究センター,総合学術博物館,破壊制御システム研究施設が参加し理工連携もめざし
ています。
また,このプログラムでは大学院生の教育や若手研究者の育成のために,先端地球惑星科学拠点大学院コ
ースを開設します.このコースでは,世界に開かれた研究教育環境のもとで,高い技術開発力,広い視野,
分析力と総合力を磨くことを重視した教育を行い,外国人客員教官や外国人研究者の招聘と教育研究への
参画を勧め,留学生コースである先端理学国際コースと連携して教育にあたります.優れた大学院後期学生
には,特待大学院生(SDC)としての経済的な支援を行い,博士課程の後期の学生には授業料相当の経済
的支援を行います.また,課題研究のための海外滞在への補助,海外国際会議への出席旅費補助などの
支援も行います.若手研究者を海外拠点に優先的に派遣し,海外との共同研究を推奨したいと考えていま
す.私たちの21世紀COEプログラムでは, 上記のような研究教育を行い,5年後には参加する専攻などが連
携・融合する地球惑星科学研究教育機構として発展させたいと考えています.
< 目
次 >
構 成 メ ン バ ー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
拠 点 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
研究分野の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2003 年度
活動報告
研究・教育活動
Ⅰ.
研 究 成 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
Ⅱ.
ポスドク研究員紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
Ⅲ. 教 育 支 援
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
シ ン ポ ジ ウ ム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81
特 記 事 項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 108
新聞等で報道された研究成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 108
構 成 メンバー
事業推進担当者
氏 名
OHTANI EIJI
大谷 栄治
HASEGAWA
AKIRA
長谷川 昭
KONDO TADASHI
近藤 忠
SATO HARUO
佐藤 春夫
FUJIMOTO
HIROMI
藤本 博己
所属・身分
専門分野・学位
理学研究科 地学専攻・教授
地球物性学・理学博士
理学研究科 附属地震・噴火予知
研究観測センター・教授
理学研究科 地学専攻・助教授
理学研究科 地球物理学専攻・教授
理学研究科 附属地震・噴火予知
研究観測センター・教授
担当領域・分野
拠点リーダー(総括)
核マントル
固体地球研究リーダー
地震学・理学博士
地震火山、核マントル、地震発生機
構
地球物性学・理学博士
固体地球物理学・
理学博士
核マントル、超高圧実験
地震火山、核マントル、地震波動
海底測地学・理学博士
地震火山、海底地殻変動
地球力学・理学博士
地震火山、岩石破壊学
地球工学・工学博士
地震火山、地殻内流体
岩石学・理学博士
地震火山、島弧マグマ学
火山物理学・理学博士
地震火山、火山噴火
火山科学・理学博士
地震火山、火山爆発
NAGAHAMA
HIROYUKI
理学研究科 地学専攻・助教授
長濱 裕幸
TSUCHIYA
NORIYOSHI
土屋 範芳
環境科学研究科 環境科学専攻・
助教授
YOSHIDA
TAKEYOSHI
理学研究科 地学専攻・教授
吉田 武義
NISHIMURA
TAKESHI
西村 太志
TANIGUCHI
HIROMITSU
谷口 宏充
理学研究科 地球物理学専攻・
助教授
東北アジア研究センター
地域環境研究部門・教授
氏 名
HANAWA KIMIO
花輪 公雄
NAKAZAWA
TAKAKIYO
中澤 高清
KAWAMURA
HIROSHI
川村 宏
OKAMOTO
HAJIME
岡本 創
YAMASAKI
NAKAMICHI
山崎 仲道
IRYU YASUFUMI
井龍 康文
所属・身分
専門分野・学位
理学研究科 地球物理学専攻・教授
海洋物理学・理学博士
理学研究科 附属大気海洋変動
担当領域・分野
流体地球・惑星圏研究リーダー
海洋物理
気象学・理学博士
気候変動、物質循環
衛星海洋学・理学博士
気候変動、衛星海洋
気象学・理学博士
気候変動、大気物理
資源工学・工学博士
気候変動、深部掘削
理学研究科 地学専攻・助教授
古生物学・理学博士
気候変動、化石分析
理学研究科 地球物理学専攻・教授
超高層物理学・理学博士
太陽地球系、惑星大気
理学研究科 地球物理学専攻・教授
惑星物理学・理学博士
太陽地球系、地球電磁気
総合学術博物館・助手
岩石磁気学・博士(理学)
太陽地球系、惑星電磁気
理学研究科 地学専攻・助教授
地球化学・Ph.D.
理学研究科 地学専攻・教授
堆積学・理学博士
観測研究センター・教授
理学研究科 附属大気海洋変動
観測研究センター・教授
理学研究科 附属大気海洋変動
観測研究センター・助教授
環境科学研究科 環境科学専攻・
教授
FUKUNISHI
HIROSHI
福西 浩
ONO TAKAYUKI
小野 高幸
NAKAMURA
NORIHIRO
中村 教博
KAKEGAWA
TAKESHI
掛川 武
MINOURA KOJI
箕浦 幸治
地球進化史研究リーダー
初期地球
地球進化史、津波堆積学、気候史
氏 名
KAIHO KUNIO
海保 邦夫
所属・身分
専門分野・学位
担当領域・分野
理学研究科 地学専攻・教授
古生物学・理学博士
地球進化史、生物事変学
流体工学・工学博士
地球進化史、衝突シミュレーション
地球工学・工学博士
地球進化史、電磁探査、衛星計測
SAITO TSUTOMU
流体科学研究所
斎藤 務
衝撃波研究センター・助教授
SATO MOTOYUKI
東北アジア研究センター
佐藤 源之
地域環境研究部門・教授
事業推進協力者
•
固体地球研究グループ (順不同)
中原 恒, 余 偉明 (以上,理学研究科 地球物理学専攻), 松澤 暢, 三品 正明, 三浦 哲,
岡田 知己, 矢部 康男, 五十嵐 丈二, 植木 貞人, 田中 聡, 日野 亮太, 西野 実, 中島
淳一 (以上,地震・噴火予知研究観測センター),大槻 憲四郎, 平野 信一, 村山 良之, 工藤
康弘, 藤巻 宏和, 塚本 勝男, 林 謙一郎, 中村 美千彦, 栗林 貴弘,
大場 司, 鈴木 昭
夫, 寺崎 英紀, 今泉 俊文(以上,理学研究科 地学専攻), 後藤 章夫, 宮本 毅 (以上,東北
アジア研究センター), 長瀬 敏郎 (総合学術博物館), 松木 浩二, 坂口 清敏, 木崎 彰久,
平野 伸夫, 高橋 弘, 浅沼 宏, 森谷 祐一, 林 一夫, 関根 孝太郎, セルゲイ・フォミン,
高橋 亨 (以上,環境科学研究科 環境科学専攻), 栗田 哲 (工学研究科 都市・建築学専攻)
•
流体地球・惑星圏研究グループ (順不同)
安田 延壽, 岩崎 俊樹, 余 偉明, 松島 大, 須賀 利雄, 木津 昭一, 飯島 雅英,
篤志,
熊本
高橋 幸弘, 藤原 均 (以上, 理学研究科 地球物理学専攻), 青木 周司, 浅野 正二,
境田 太樹 (以上,大気海洋変動観測研究センター), 森岡 昭, 三澤 浩昭, 土屋 史紀, 岡野
章一, 坂野井 健(以上,惑星プラズマ・大気研究センター), 尾田 太良, 中森 亨, 日野 正輝,
松本 秀明, 平野 信一, 村山 良之, 大月 義徳, 宮澤 仁, 今泉 俊文(以上,理学研究科 地
学専攻), 山田 努 (大学教育センター), 鈴木 紀毅 (総合学術博物館), 千田 佶, 松木 浩
二, 境田 清隆, 上田 元, 関根 良平, 村田 功, 井奥 洪二 (以上,環境科学研究科 環境科
学専攻)
•
地球進化史研究グループ (順不同)
遅沢 壮一, 藤巻 宏和, 林 謙一郎 (以上, 理学研究科 地学専攻), 浅野 正二 (同 地球物
理学専攻), 永広 昌之, 島本 昌憲, 佐々木 理, 佐藤 慎一 (以上,総合学術博物館), 千田
佶 (環境科学研究科 環境科学専攻)
各種委員会
•
統括室
大谷 栄治 (室長), 長谷川 昭, 花輪 公雄, 掛川 武, 岩崎 俊樹, 尾田 太良, 藤本 博巳,
吉田 武義, 海保 邦夫, 佐藤 春夫, 土屋 範芳
•
研究運営委員会
藤本 博巳 (委員長), 海保 邦夫 (副委員長), 井龍 康文, 近藤 忠, 高橋 幸弘, 岡本 創,
坂野井 健, 長濱 裕幸, 塚本 勝男, 佐藤 源之
•
教育運営委員会
吉田 武義 (委員長), 佐藤 春夫 (副委員長), 西村 太志, 須賀 利雄, 飯島 雅英, 中森 亨,
境田 清隆, 工藤 康弘, 土屋 範芳
•
施設班
掛川 武 (班長), 井龍 康文, 山田 努, 近藤 忠, 三澤 浩昭
•
広報室
木津 昭一 (室長), 掛川 武, 中村 美千彦, 中村 教博, 森谷 祐一
•
事務職員
熊谷 志津子, 佐藤 郁子, 佐々木 容子, 目黒 さおり
拠点概要
拠点形成の目的、必要性・重要性
本拠点は、理学・工学研究者が連携した先端地球科学技術の開発を基礎として、地球変動のダイナミクスや
小天体衝突などによる全地球システムの激変とその緩和・修復過程を解明することにより、地球の未来像を
創出する拠点である。本拠点は、固体地球(核マントルダイナミクス・地震火山ダイナミクス)を研究する地震
学、固体地球物理学、火山学、地質学、超高圧地球科学、地球工学などの分野、流体地球・惑星圏(気候変
動ダイナミクス・太陽地球系ダイナミクス)を研究する気象学、海洋物理学、超高層物理学、比較惑星学など
の分野、地球進化史を研究する地史学、地球進化学などの分野をカバーする。
COE の目指すもの
本拠点は、すでに実績のある独自の観測・実験機器開
発や、観測・モニタリングネットワークの構築という先端
的地球科学技術の開発を、さらに理学と工学が連携し
て組織的に強力に推進する。これら他には無い独自技
術に基づいた観測・調査を基礎とし、地球中心から超
高層までを対象とした世界最先端の研究と教育を行う
拠点を形成する。海外研究教育組織とも連携し、国際
共同研究や海外調査研究を促進することで、地球規模
の諸課題に取り組む高度な研究能力と国際性を持ち、
新しい手法開発能力に優れ、幅広い視野と柔軟な発
想、独創性のある研究者を養成する.
本拠点は、(1)地球中心から超高層まで、核進化過程のような数億年から小天体衝突のようなナノ秒イベ
ントに至るまでの広大な時間スケールの地球システム変動を対象とし、その地球変動を激変と緩和・修復過
程と捉えて解明する視点を持つ拠点、(2)理学・工学が連携して先端地球科学技術を開発しつつ、これを活
用して研究教育を推進する拠点、(3)地学、地球物理学、地球工学の3専攻に加えて、世界的に実績のある
地球物理学系3研究センター、流体科学研究所衝撃波研究センター、東北アジア研究センターが連携し、さ
らに海外の研究教育組織とも連携しつつ研究教育を推進する拠点、さらに(4)最先端の研究を通して、技術
開発力に秀で、高度な観測や野外調査の能力を有し、独創性に溢れ、国際性と高度な研究能力を持つ研究
リーダーを養成する拠点としてユニークである.
COE としてどのような重要性・発展性があるのか
本拠点で行う固体地球、流体地球・惑星圏、地球進化史研究の3研究領域において、先端地球科学技術開
発に基づいた研究が進み、(1)その知見が取り入れられた統合的な新しい地球の未来像が創出される。
(2)新しい世界最高の地球科学技術開発が進み、多くの装置は実用化される。(3)本拠点が「地球惑星シス
テム研究教育機構」に発展し、「先端地球惑星科学拠点大学院コース」が設けられ、地球科学分野の融合的
な研究と教育の基盤が完成する。(4)海外との人材交流が進み、国際ネットワークを活かした国際研究教育
拠点へと発展する。(5)本拠点における研究から、地球環境保全のための社会的貢献をすることができる。
期待される研究・教育の成果
本拠点形成によって、(1)激変と緩和・修復過程としての変動地球像が解明され、新しい地球の未来像が創
出される。(2)理学・工学の連携が進み、本拠点で開発された先端地球科学技術は、環境科学、材料開発、
防災科学など、広範な分野への波及効果が期待できる。さらに、(3)高度な観測や野外調査の能力を有し、
技術開発力に優れたこの分野をリードする若手研究者を多数輩出することによって、我が国の地球科学を
独自性と独創性のある学問分野に発展させることができる。(4)教育においても、理学と工学のさらなる連携
が進み、柔軟な思考力と幅広い知識や視野を持つ若手研究リーダーを養成することができる。
研究拠点形成実施計画
1. 拠点リーダーを中心とする現組織横断型の「研究教育拠点統括室」の設置。非常勤職員(事務補佐員、技
術補佐員)を雇用し、「事務局」を整備。研究に関わる運営全般の重要事項を決定する「研究運営委員会」
の設置。「外部評価委員会」の設置(各年毎の評価と3年目には中間評価)。
2. 外国人研究員の招聘と博士研究員(PD)の任用。
3. 国際シンポジウムや国際会議を開催(毎年仙台で開催)。
海外研究連携拠点の整備(米国アラスカ大学フェアバンクス校は重点拠点校)と国際交流の推進。
教育実施計画
理学と工学が連携した研究活動と大学院教育活動を一体で推進し、幅広い視野と国際性、高い研究能力を
有する人材、高度な観測や野外調査の能力を有し、技術開発能力を備えた独創的な人材の育成を目標とす
る。教育に関わる方針を策定する「教育運営委員会」と、「先端地球惑星科学拠点大学院コース」を新設。
1. 分野横断型の「アドバイザリーボード」の設置。
2. 新たなカリキュラムの導入と既存のカリキュラムの改
善と外国人の客員教員および非常勤教員の確保。
3. 大学院生・博士研究員の研究生活面での経済的支援
(スーパーDCを設け、国内・国外出張旅費、研究費を
支給)。また、大学院生の早期自立を促すためRAお
よびTA制度を活用。
4. 上記コースを、留学生に対する専門コースである「先
端理学国際大学院コース」と一体で運用し、英語によ
る授業を行う。
研 究 分 野 の概 要
固体地球研究グループ
「固体地球研究グループ」は,地球の表層から地球の中心部を対象とし
て広範な研究を行うことで,大規模な地球内部の物質とエネルギーの移
動と,その主要な表れである地震および火山現象の理解を深めることを目
的としています.本グループは,「核マントルダイナミクス研究サブグルー
プ」と「地震火山ダイナミクス研究サブグループ」の二つのサブグループから
なっています.
固体地球研究グループ
リーダー 長谷川 昭
<核マントルダイナミクス研究サブグループ>
「核マントルダイナミクス研究サブグループ」では,マントルと核を含む地球の構造と構成物質の解明,地球
の形成,進化,物質と熱の移動のダイナミクスを研究対象としています.さらに,地震火山ダイナミクス研究
サブグループや進化史研究グループなどの他の研究グループとも連携し,初期地球の層構造の形成と進化,
プレート運動や地震火山活動を引き起こす全地球的なテクトニクスも研究対象としています.
この研究サブグループでは,高温高圧を実現する静的超高圧発生技術及び衝撃圧発生技術という多様な
極限状態発生技術を駆使した超高圧研究とグローバル地震学研究を融合することにより,地球深部の不均
質構造の性質,核を含めた全地球における物質の循環と熱の移動などを解明することによって,数億∼数
十億年スケールの地球進化像を創出したいと考えています.
このように地球の構造,物質,状態とそのダイナミクスを解明することを目指して,具体的には以下の研究
を行います.
(1) 静的超高圧および衝撃圧発生技術など地球中心部の条件を実現する各種超高圧力発生技術の開
発.
(2) 地球深部を解明するために不可欠な放射光を用いた高温高圧研究.
(3) 電子顕微鏡,X 線回折,各種分光分析技術等を用いた地球深部物質及び惑星起源物質の研
(4) 水や水素などの揮発性物質を含有する高温高圧鉱物の研究と地球表層部からマントルそして核へ
の揮発性物質の移動の研究.
(5) 地震学的手法にもとづく地球内部の不均質構造とダイナミクスの研究.
<地震火山ダイナミクス研究サブグループ>
プレート沈み込み帯は,地球全体の物質循環システムの中で極めて重要な位置を占めます.そこは現在も
物質の分化と地殻の生成が進行している場であり,地震や火山活動に代表される変動現象が地球上で最も
活発に現れる場でもあります.「地震火山ダイナミクス研究サブグループ」は,このようなプレートの沈み込み
帯を主たる研究対象として,地球物理学的手法と物質科学的手法に基づいて地震火山ダイナミクスの研究
を推進します.
私達はこれまでに,東北日本沈み込み帯におけるプレート間固着の時空間ゆらぎ及びプレート境界地震の
発生過程,沈み込んだスラブの構造,プレート沈み込みに伴うマグマの生成上昇過程,陸のプレート内にお
ける浅発地震の発生過程と火山の噴火機構の研究等,プレート沈み込みに起因する地震や火山の研究を
先端的に進めて来ました.さらに,断層・亀裂系や不均質構造における波動伝播の研究,地震破壊や地殻
の粘弾性的挙動の研究,地殻岩石の流動・破壊,摩擦すべりとそれに伴う電磁気現象,水熱化学,マグマ化
学と噴火のダイナミクスなどを先進的に進めてきました.
本研究サブグループは,これまでの研究を基礎にしつつ,地球物理学的手法と物質科学的な手法を融合
させることにより,島弧・沈み込み帯の地震・火山ダイナミクスの 研究を組織的・系統的に推進します.さら
に,地震発生・マグマ生成の場の状態の記述を精緻化するとともに,物質と熱の移動を解明し,海溝型地震
ならびに内陸地震の発生や火山噴火の機構を解明します.特に地殻流体(マグマ,熱水)を横糸とした統合
的理解を目指します.
具体的には,以下のサブテーマに基づいて研究を推進します.
(1)
島弧・沈み込み帯における不均質構造の研究
(2)
地震発生のダイナミクスの研究
(3)
火山噴火のダイナミクスの研究
(4)
水−岩石相互作用と地震発生過程の研究
流体地球・惑星圏研究グループ
「流体地球・惑星圏研究グループ」は,地球の表層から超高層,太陽・惑星圏を対象
として広範な研究を行うことで,気候形成の理解,気候変動の理解を深めることを目
的としています.本研究グループは,大きく二つの研究サブグループからなっていま
す.一つは「気候変動ダイナミクス研究サブグループ」,もう一つが「太陽地球系ダイ
ナミクス研究サブグループ」です.
「気候変動ダイナミクス研究サブグループ」は,地球の気候形成の仕組みを理
流体地球・惑星圏研究
解し,過去から現代に至る様々時間スケールでの変動を復元・解明し,さらに数値
グループ
シミュレーションにより,未来の気候像を提出することを目的としています.これを
リーダー 花輪 公雄
効率よく実現するため,「気候素過程解明班」,
「気候シミュレーション班」,「陸域気候復元班」,「海域気候復元班」,「災害科学班」の各班を設け,強い連携
の基に研究を進めます.
一方,「太陽地球系ダイナミクス研究サブグループ」は,太陽活動変動にともなう,地球周辺の電磁環境変
動(宇宙天気)や地球の気候変動の解明を目指し,また他の惑星における環境変動とを比較研究することで,
広い意味での地球気候の形成を理解することを目的としています.このため,「太陽活動と地球電磁圏変動
(宇宙天気)班」,「太陽活動と地球気候変動班」,及び「比較惑星科学班」を設けています.
いずれの研究班においても,先端の技術を開発・駆使して研究を進めることが特徴です.それは,世界最
高の分析技術(堆積物や氷床コアの分析技術)や世界唯一のセンサーの開発(飛翔体搭載のレーダやセン
サー)なども含まれます.また,既存技術の採用でも,ネットワーク化や観測自動化を目指した世界でもユニ
ークな観測網,モニタリング網の構築も含まれます.さらには,先端数値モデルの開発もターゲットです.
本研究グループの研究遂行には,若い皆さんのプログラム参加が必要不可欠です.皆さん,本プログラム
に積極的に参加し,地球気候の未来像の構築に向けて一緒に研究しようではありませんか.
地球進化史研究グループ
「地球進化史研究グループ」では,
(1)
初期地球における化学進化と生命起源の実験および地質学的アプ
ローチによる検証
(2)
大規模氷河活動・極端温暖化・海洋低酸素事変に代表される地球
環境激変と生物進化との関連
(3)
地球進化史研究グループ
リーダー 掛川 武
小天体衝突による地球表層環境激変課程とその生物絶滅に対す
る実験,コンピューターシミュレーションおよび地質学的アプローチによる研究
以上を重点テーマとして取り組みます.これら一連のテーマの中で,生命起源と初期進化様式,その後の
生物絶滅と新たな進化への地球内部要因,地球外部要因を具体化し地球―生命システムの未来像構築
に向けた基礎研究を行います.
東北大学が所有する衝撃波発生実験装置,微少領域安定同位体分析装置,液体クロマトグラフ,ガスクロ
マトグラフ質量分析計,DNA シークエンサー,エックス線卓上顕微鏡,XRF,SEM, TEM などを駆使して上
記研究課題を推進します.海外研究拠点大学と連携し外国での野外調査も積極的に実施します.
2003 年度
活動報告
研 究 ・教 育 活 動
I. 研究成果
固体地球研究グループ
<核マントルダイナミクス研究サブグループ>
研究:
平成15年度においては、本サブグループでは以下の研究・教育活動を行った。高温高圧研究に関して
は、焼結ダイヤモンドアンビルを用いた超高圧発生とX線その場観察実験を行うとともに、レーザー加熱ダ
イヤモンドアンビルセルによる高温高圧発生法を確立した。これらの実験技術をもちいて、以下の研究を進
めた。
1. 核マントル境界と核の解明のための実験的研究
(1)
(Mg,Fe)O や FeO は 100 万気圧・2000K の条件下でも NaCl 構造が安定である。FeO 端成分側
で出現する NiAs 相 5%-20%の Mg 成分を含んだ組成では NiAs 相が観察されず、下部マント
ル条件下では岩塩構造相が安定であることを明らかにした。
(2)
核の軽元素の候補として有力な水素と鉄の合金について高圧力下での圧縮特性を 80 万気圧
まで明らかにし 50GPa 以上で FeH が非圧縮的挙動を示す事を示した。予想される核の水素量
は 6-20atm%と少なく従来の推定値の 1/3 程度であることを明らかにした。
(3)
鉄-珪素合金について室温下で、地球核内部の条件である約 200 万気圧までの圧縮曲線を得
た。その結果、珪素が入る事によって鉄珪素合金は純鉄よりも非圧縮的になり、珪素は内核の
低い密度と比較的速い地震波速度を説明できる。
(4)
珪酸塩と溶融金属鉄の反応関係を約 80 万気圧、3500K まで調べた結果、珪酸塩中の珪素や
酸素の一部が溶融鉄側に取り込まれる可能性がある事を示した。
2. ケイ酸塩の反応のカイネテイクスの研究
(1)
スピネルやガーネットの相転移のカイネテイクスを高温高圧 X 線その場観察実験によって明ら
かにした。相転移速度がプレートの下部マントルへの沈み込みに大きく影響していることを明ら
かにした。また、水が相転移速度に大きく影響していることを明らかにした。
3. 地球内部における水の貯蔵、移動、循環の研究
(1)
様々な含水量の橄欖岩・水系の相関系と溶融関係を25GPa 程度の圧力条件で明らかにした。
その結果含水量が2wt%の場合と同様 0.5%の場合でも水の存在下において、上部マントルか
らマントル遷移層には、不連続にソリダス温度が上昇することが明らかになった。すなわち、現
実的な水の存在量においても、上部マントル最下部において上昇するプルームが脱水溶融を
することが明らかになった。
(2)
含水(2wt%)および無水の玄武岩組成について、25GPa までの圧力にわたって相関係と溶融
関係を明らかにした。そして、無水玄武岩組成のガーネット・ポストガーネット転移の境界を試料
急冷法および X 線その場観察法で決定した。その結果、この境界は大きな勾配を持ち、スラブ
の低温においては、リングウダイトの分解圧力よりも低圧で相転移することが明らかになった。
含水系においては、無水系にくらべて 0.5 1GPa 程度低圧で相転移が起こることが明らかになっ
た。この関係はスラブの地殻成分の沈み込みに大きな影響をあたえるものである。
(3)
上記の橄欖岩組成と玄武岩組成に出現する高圧相である Mg-ペロブスカイト、Ca-ペロブスカイ
ト、NAL 相などの無水鉱物に含まれる水の量を顕微 FTIR を用いて測定した。マントル遷移層鉱
物 wadsleyite, ringwoodite,下部マントル鉱物 perovskite, magnesiowustite の最大含水量を決定
し、マントル遷移層と下部マントルには総量でそれぞれ海洋の 2.5 倍の水が貯蔵できることを示
した。
共同研究・研究支援・シンポジウム:
海外招聘研究者として、バイロイト大学の Falko Langenhorst 博士、ノビシビルスク大学の Andrey
Korsakov 博士、Putnis 教授、NASA の Chernov 博士を招聘し共同研究を開始した。
Langenhorst 博士とは、遷移金属Fe,Crを含むケイ酸塩高圧相の合成とその EELS スペクトル測定を行う
ことによって、高圧相中のこれらの金属の Valence state を推定する試みを行っている。東北大学において
ダイヤモンドアンビルを用いて高圧相の合成を行った。この試料はバイロイト大学において分析電子顕微
鏡による組成の決定と EELS の測定を行うことになっている。
Korsakov 博士は、滞在中に Kokchetav 地域の超高圧変成岩中のダイヤモンドの顕微ラマン法による研
究を行った。超高圧変成岩は大陸地殻が上部マントル深部に持ち込まれ、上昇してきたものであり、プレ
ートの沈み込みにともなう地殻物質のマントル内部への移動を検証する最適の試料であり、これらの岩石
を用いた高温高圧実験を試みる共同研究の計画を策定した。
イリノイ大学の Jay Bass 教授とは下部マントル鉱物の物性に関する共同研究を継続している。下部マント
ル鉱物である Mg-perovskite および aluminous stishovite の圧縮率の測定を共同研究として実施した。 フ
ランスの EFRS において東北大学で合成した試料の非弾性散乱実験を行い、下部マントル鉱物の弾性的
性質を解明する計画である。
平 成 1 5 年 9 月 に 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ 「 International workshop on ultrahigh pressure earth science:
Applications to High Pressure mineral physics and Geochemistry 」を実施した。ワークショップは外国人10
名を含む約60人の参加を得て、Spring8 において開催した。このワークショップでは、超高圧地球科学にお
いて放射光の利用の現状の紹介とともに将来の展望についても議論した。
サブグループの教育支援:大学院の学生に積極的に国際学会に出席し、成果を発信することを奨励し
た。その結果、博士課程の学生が Goldschmidt conference、高輝度光科学研究センターでの国際ワークシ
ョップ、2003AGU fall meeting などに積極的に出席し英語による講演・ポスター発表などを行った。
<地震火山ダイナミクス研究サブグループ>
目的:
プレート沈み込み帯は,地球全体の物質循環システムの中で極めて重要な位置を占めます.そこは現在
も物質の分化と地殻の生成が進行している場であり,地震や火山活動に代表される変動現象が地球上で最
も活発に現れる場でもあります.「地震火山ダイナミクス研究サブグループ」は,このようなプレートの沈み込
み帯を主たる研究対象として,地球物理学的手法と物質科学的手法に基づいて地震火山ダイナミクスの研
究を推進します.
私達はこれまでに,東北日本沈み込み帯におけるプレート間固着の時空間ゆらぎ及びプレート境界地震の
発生過程,沈み込んだスラブの構造,プレート沈み込みに伴うマグマの生成上昇過程,陸のプレート内にお
ける浅発地震の発生過程と火山の噴火機構の研究等,プレート沈み込みに起因する地震や火山の研究を
先端的に進めて来ました.さらに,断層・亀裂系や不均質構造における波動伝播の研究,地震破壊や地殻
の粘弾性的挙動の研究,地殻岩石の流動・破壊,摩擦すべりとそれに伴う電磁気現象,水熱化学,マグマ化
学と噴火のダイナミクスなどを先進的に進めてきました.本研究サブグループは,これまでの研究を基礎にし
つつ,地球物理学的手法と物質科学的な手法を融合させることにより,島弧・沈み込み帯の地震・火山ダイ
ナミクスの 研究を組織的・系統的に推進します.さらに,地震発生・マグマ生成の場の状態の記述を精緻化
するとともに,物質と熱の移動を解明し,海溝型地震ならびに内陸地震の発生や火山噴火の機構を解明しま
す.
研究概要:
以下に示す地震・火山ダイナミクスに関する広範な分野の研究を実施しています.
(1)
東北日本の地殻および上部マントルの地震波速度構造:マントルウエッジにおける低速度領域
の発見
(2)
沈み込み帯の地震テクトニクス:アスペリティモデルが成り立つことを実証,釜石沖の繰り返し
地震の発生予測に成功
(3)
島弧火山の深部構造:島弧火山マグマ生成上昇モデルを構築
(4)
日本近海の沈み込み帯と西太平洋海膨の海底測地学の研究
(5)
インド洋の中央海嶺の研究
(6)
地震波の散乱波(コーダ波)をもちいた地球の不均質性の研究
(7)
不均質媒質を通る地震波の伝播の研究
(8)
震源における破壊プロセスの研究
(9)
地震,地殻岩石の変形のフラクタル統計の研究
(10)
地震電磁気学と関連する現象の研究
(11)
岩石の粘弾性とファブリック転移の研究
(12)
断層のメカニズムとプレートテクトニクス理論の研究
(13)
島弧マグマのマグマ供給系とその進化の研究
(14)
島弧におけるカルデラ形成の研究
(15)
地殻とマントルにおける流体の移動とそれにともなう岩石の物理・化学的プロセスの研究.火山
岩と深成岩の地質学的岩石学的研究:Spring8 の強力 X 線を用いて,岩石中の流体の3次元分
布を X 線撮像法によって明らかにした.
(16)
Holocene の活テクトニクスの地形学的研究
(17)
地震にともなう活断層の研究
(18)
岩石と水の間の機械的,化学的,水力学的相互作用の研究と広範な地球現象への適用
共同研究・研究支援・シンポジウム:
Water dynamics 国際ワークショップ,地震・火山と水のシンポジウム等を積極的に主催した.また,米国地
質調査所の Kirby 博士,米国アラスカ大学の Freymueller 博士,イタリアローマ大学の Accocella 博士を招聘
し,沈み込み帯の地震火山テクトニクスに関する連続講義を行った.この講義には,専攻をまたいだ多くの大
学院生が聴講した.
流体地球・惑星圏研究グループ
<気候変動ダイナミクス研究サブグループ>
「気候変動ダイナミクス領域」は,地球の気候形成の仕組みを理解し,過去から現代に至る様々時間スケ
ールでの変動を復元し,さらに数値シミュレーションにより,未来の気候像を提出することを目的としている.
そして,これを効率よく実現するため,「気候素過程解明班」,「気候シミュレーション班」,「陸域気候復元班」,
「海域気候復元班」などの班を設け,互いに連携しながら研究を進めている.
いずれの班においても,先端の技術を開発・駆使して研究を進めることが特徴で,世界最高の分析技術
(堆積物や氷床コアの分析技術)や,人工衛星資料の計算アルゴリズムの開発なども含んでいる.また,既
存技術の採用でも,ネットワーク化や観測自動化を目指した世界でもユニークな観測網,モニタリング網の構
築も重要な課題である.さらには,先端的数値モデルの開発もターゲットとしている.
1. 気候素過程解明班
この班は,船舶による観測やモニタリングの資料,人工衛星資料による大気海洋相互作用の実態とその
機構の解明を行うとともに,採集空気や氷床コアの二酸化炭素・メタンなどの温室効果気体や同位体の濃度
分析を行い,その変動の実態と機構を解明することを目的としている.
海洋物理グループは,Argoフロートデータを用いて渦による表層水塊の輸送,バリヤーレイヤーの分布形
成過程を明らかにした.また,ハワイ−日本間の高密度XBT/XCTD観測に基づき,海洋による熱の南北輸
送量の評価を行った.
物質循環グループは,気候変動にとって重要な役割を持つ二酸化炭素,メタン,一酸化ニ窒素などの温室
効果気体の変動と循環を明らかにするために,濃度や同位体比,それらに関連する諸要素について地上観
測,船舶観測,航空機観測,大気球観測を広域にわたって準備・展開するとともに,全球循環モデルの開発
およびそれを用いたシミュレーションを実施した.
また,衛星海洋グループは,「新世代海面水温」の開発研究,衛星観測による赤潮検出の開発研究,合成
開口レーダーを用いた高解像度沿岸海域海上風の研究,亜寒帯循環系の長期変動に関する研究などを行
った.
2. 気候シミュレーション班
この班は,接地境界層の力学・熱力学的過程の観測的・理論的解明と,大気放射に及ぼすエアロゾロの
効果の観測的・理論的解明を行い,全球気候モデル,局地気候モデルに組み込み,改善した気候モデルに
よるシミュレーションを行うことを目的としている.
エアロゾロ・放射グループは,海洋科学技術センター(JAMSTEC)の観測船「みらい」に雲レーダーとライダ
を搭載した観測を,熱帯域を含む太平洋上で実施した.さらに,この航海で得られた観測データに対して,す
でに開発したアルゴリズムを適用し,雲とエアロゾルの微物理量を抽出した.また,CCSR-NIES開発の大気
大循環モデル(GCM)をベースにしたエアロゾル輸送モデルSPRINTARSで,みらいの航路にそって,雲場と
エアロゾル場を再現し,レーダーとライダの観測値の比較を行った.また,雲レーダーと355nmの波長を持つ
ライダを搭載した航空機観測が鹿児島沖で実施している.
数値モデル班は,非静力学モデルを整備し,海陸風など極地循環の再現性を確かめた.また,物資循環
モデルによるオゾン層分布の再現も試みている.
3. 陸域古気候復元班
この班は,後期新生代の古気候と古環境に関する東アジア標準を構築し,あわせて現在の気候帯形成と
植生の発達(いわゆる西太平洋Green Belt)を地球科学的に解明すること,そして東アジア標準に基づき来
世紀にかけて継続するであろう温室化とその後に予測される寒冷化の人類に及ぼす影響を人間活動と自然
環境との相互作用を含めて描くことを目的としている.
バイカル湖で掘削されたコア試料を用いて,後期新生代における東アジアの陸域古気候を復元に取り組ん
だ.堆積物の粒度分析や粘土鉱物の分析等の堆積学的検討と併せて,花粉・珪藻化石に関する古生物学
的研究を行った結果,バイカル湖の周辺域における植生変遷や湖内での生物生産量の変動が明らかとなっ
た.また現在新たに,バイカル湖に隣接するフブスグル湖でも掘削を行っており,今後,その検討結果を統合
して,さらに高精度の気候変動・植生変遷史を明らかにする予定である.
4. 海域古気候復元班
この班は,北西太平洋の海底堆積物に含まれる微化石に関する古生物学的・地球化学的検討結果に基
づき,過去約 2,500 万年間の古環境変動,特に黒潮の動態,アジアモーンスーンの進化を明らかにし,また,
西太平洋のサンゴやシャコガイの骨格記録から,過去の ENSO や日射量の変化を復元することを目的として
いる.
サンゴ礁研究グループは,西太平洋暖水塊の北縁に位置するグアム島から採取したサンゴ骨格(過去
213年間成長した骨格)の酸素・炭素同位体比を月分解能で抽出し,18世紀末以降の西太平洋海洋環境変
動(ENSO・十数年∼数十年変動)を復元することに成功した.また,琉球列島における第四紀気侯変動とそ
れに呼応したサンゴ礁の形成・発達過程を復元するために,同列島の現世サンゴ礁および第四紀サンゴ礁
堆積物の詳細な調査を実施し,多くの重要なデータを取得するとともに,同目的を達成するための国際的な
研究グループを組織した.
微化石研究グループは,過去の黒潮の動態を明らかにするために,東シナ海の大陸棚および黒潮流域に
セヂメントトラップを設置し,浮遊性有孔虫を含む粒子の堆積過程を明らかにした.また,過去のENSO復元
のために,西太平洋赤道海域においてプランクトンネットで浮遊性有孔虫を採取し,暖水塊と湧昇域で有孔
虫の種構成が異なることを明らかにした.
<太陽地球系ダイナミクス研究サブグループ>
太陽地球系ダイナミクスにかかわる研究グループは,太陽活動変動にともなう地球周辺の電磁環境変動
(宇宙天気)や地球の気候変動の解明を目指し,また 他の惑星における環境変動とを比較研究することに
より,広い意味での地球気候の形成を理解することを目的としている.この研究目的を達成するため,グル
ープを,「太陽活動と地球電磁圏変動 (宇宙天気)班」,「太陽活動と地球気候変動班」,及び「比較惑星科
学班」の3班で構成し,互いの班と連携をとりつつ研究を推進している.
1. 太陽活動と地球電磁圏変動 (宇宙天気)班
太陽活動にともなう太陽放射および太陽風の変動は,地球の磁気圏,電離圏さらには大気圏に様々な変
動をもたらす.しかしその因果関係は単純ではなく多様な要素が複雑に作用していることが認識されている.
本研究班では,宇宙天気という観点から,この問題に取り組み,複雑系としての太陽地系ダイナミックスの理
解を目指す.
当班のグループでは,日本初の火星探査機「のぞみ」に搭載されている紫外線分光計により星間水素の観
測を行ってきた.星間水素は太陽から放射される紫外線を散乱し,その散乱光強度は太陽活動に応じて変
化するが,本グループでは太陽の自転周期に近い 28 日周期変動を捉えることに成功した.このことは太陽
面裏側での活動領域の存在を予報することにつながり,宇宙天気研究に大きな貢献となる.
放射線帯高エネルギー電子の太陽活動に対する応答の研究では,放射線帯の粒子は,太陽の黒点11
年周期に応答して放射線帯の位置,フラックス量とエネルギー,拡散速度等が明瞭に変化することが明らか
にされ,さらにシミュレーションによりこの結果は,太陽活動変動による radial diffusion 拡散率変化によって
説明されることが示された.
磁気嵐による内部磁気圏プラズマ擾乱の研究も精力的に進められ,磁気急始SCによって発生する電磁
流体波とその伝播によって発生する多様な電磁場の擾乱について,あけぼの衛星のプラズマ波動,電場,
磁場計測および柿岡地磁気観測所のデータを用いた解析から新しい知見を得た.またその擾乱通過直後に
は,磁気圏対流電場がプラズマ圏内に侵入していることが示され,従来のプラズマ圏ダイナミックスの概念に
大きな変更を迫ることとなった.
2. 太陽活動と地球気候変動班
太陽活動が地球の気候変動にどのように作用しているかは,地球自身の過去の気候,未来にわたっての
気候予測の点からも大変興味のある研究である.さらには,惑星としての原始惑星以来の大気の変遷という
観点からも,重要な課題である.しかし,研究のアプローチは,地道に地球および惑星における大気圏の諸
現象の解明から太陽活動効果を抽出する研究から始まる.
昭和基地、東北大学惑星圏女川観測所に設置された磁力計観測データ(ELF 波動観測)を用いた雷活動
起源のシューマン共鳴(SR)成分の観測から,全球的なスプライトの発生頻度分布を推定することに成功した.
SR 強度は日々変動を示し、約 28 日の周期性を有することが明らかとなった.ここでの結果は太陽、地磁気
活動、雲量等と雷活動との関係を示唆するものであり,今後はこれらをリンクする物理メカニズムの解明が
大きな課題である.
スプライトを発生する雷雲の分類、雷雲の発達とスプライトの発生、カラム型スプライト発生における雷の役
割などについて,日本での冬季スプライト観測をもとに調べられた.また,数値シミュレーションからスプライト
に起因する化学過程によって生じる大気微量成分の変動の評価を行った.これらの研究を進めることにより,
気象・気候変動とスプライトの関係について,さらには上記の太陽活動と種々の変動との関係について理解
が進むものと期待される.
3. 比較惑星科学班
太陽系の諸惑星で生起する宇宙現象と環境を明らかにし,惑星環境の変動を支配する物理過程を探求す
る比較惑星科学は,太陽系を統一された物理法則のもとに形成・進化してきた一つのシステムとして捉える
ことを目指している.
こうした比較惑星科学研究の内容は、理論・シミュレーション研究,惑星電波観測を中心とする観測研究,
という2つのアプローチを以て推進されている.
理論シミュレーション研究面では,太陽風に電離した惑星大気が同化して行くイオンピックアップ素過程の
研究および太陽風内波動粒子相互作用の研究が進められた.これらは,(1)さきがけ観測に基づく太陽風と
彗星周辺プラズマの相互作用(イオンピックアップ過程)研究,および(2)GEOTAIL で観測された太陽風中を
遡る左旋偏波をもつ 0.3-1.1Hz の ULF 波動と太陽風粒子の波動粒子相互作用の研究として進められた.
観測研究の面では、惑星電波放射観測をベースとしての惑星電磁圏探測として,(1)木星デカメータ電波
出現の長周期変動の研究,(2)木星デカメータ電波のガリレオ衛星群によるコントロールの研究,(3)木星デカ
メータ電波バーストの研究,および,(4)高感度宇宙電波観測手法の研究が進められた.また,(5)本学に設
置する木星放射線帯シンクロトロン電波観測の装置開発および引き続く観測が行われ,木星内部磁気圏の
相対論的電子の振る舞いを検出する研究が進められた.さらに,国内外の大型アンテナを用いた木星シンク
ロトロン電波スペクトル観測が実施された.
また,地上光学観測による惑星プラズマ,大気の観測・研究として,(1)木星衛星イオ周辺ナトリウム原子分
布の分光観測による火山性ガス散逸過程の研究,(2)イオ衛星起源イオウイオンのファブリペロー分光観測
によるイオンピックアップ過程の研究,(3)光学撮像観測による火星および金星の大気・気象学的研究が進め
られた.さらに,(4) 惑星気象学の理解を深めることを目的とし,宇宙航空研究開発機構(JAXA)により計画さ
れている金星探査衛星(Planet-C)搭載のための雷・大気光(オーロラ)観測カメラの開発が進められている.
これらの研究に加えて,本グループが主宰して,平成15年3月15から3日間,北方圏環境変動研究計画
に関する国際レビュー会議が開催された.本国際会議は,2004 年度からの5年計画として,日本の大学・研
究機関コンソーシアムによって策定された JAMP 計画(北極圏環境変動研究計画―地球温 暖化の高精度
予測と制御)と,この計画と密接な連携のもとに行われる米国の CAMP 計画(北極圏気候変動研究計画)の
科学的意義と期待される成果に関して,世界の先端研究者が詳細なレビューを行うことによって,地球温暖
化研究における JAMP/CAMP 共同研究の国際的な役割を明らかにすることを目的としている.会議はセッシ
ョン、レビューアー会議、記念講演会からなり,8名のレビューアーの報告のほか,セッションにおける研究紹
介・研究発表,さらに市民向けの特別講演と,活発な議論が交わされると共に,北極圏とその周辺地域の大
気・陸域生態系・永久凍土・水循環・海氷・海洋等のサブシステム間の理解に大きな成果を収めた.
地球進化史研究グループ
目標:
進化史グループは、「生命起源・初期進化に関する地球科学的研究」「極端温暖化・寒冷化と生物進化・絶
滅」「小天体衝突と大量絶滅」の3つを重点的研究・教育テーマとして取り組んでいる。東北大学理学部で培
われてきた研究教育手法に加え、工学部的実験手法、外国人研究者の協力による国際性増加させ、上記研
究教育テーマに関する格段の進歩を目指している。
研究:
「生命起源・初期進化に関する地球科学的研究」衝撃派発生装置などを用い隕石衝突をシュミレーション
したメタン・アンモニア生成実験およびアミノ酸合成実験が行われた。初期地球地殻内を想定したアミノ酸合
成実験も行われた。初期生命体の痕跡を探査する為に、グリーンランド・イスア地域の調査研究を行った。初
期生命体の生態系を明らかにする為に現世海底熱水場の掘削・表層調査を行った。これらは、主に文部科
学省科学研究費 A, B および科学技術振興調整費のサポートにより推進されている。アミノ酸合成実験は特
許申請、海底熱水研究は国際雑誌公表など成果は社会還元されてきている。
「極端温暖化・寒冷化と生物進化・絶滅」
(1)
小天体衝突が、暁新世/始新世境界の極端温暖化を導いた可能性に関して研究を行った。
スペインのカラバカのコア試料中に極端温暖化の始まりに伴う、イリジウム(2 ppb) とコロネン
の濃集を発見した。このデータは、暁新世/始新世境界に、地球に小天体が衝突して、極端
温暖化を導いたことを示している。
(2)
暁新世/始新世境界の極端温暖化期に、深層水底生有孔虫は特有の群集組成だった事を
示した。中央太平洋熱帯域にあったシャツキーライズで、暁新世/始新世境界の深層水底生
有孔虫の絶滅事変の直後の約 10 万年間の極端温暖化期に、深層水底生有孔虫は、小さく、
殻が薄い群集になっていた事を発見した。暁新世/始新世境界の極端温暖化期に深海有孔
虫は小さく、表層水有孔虫は大きかった事を示した。
(3)
暁新世/始新世境界の極端温暖化期に、中央太平洋熱帯域にあったシャツキーライズで、深
層水底生有孔虫と中層水浮遊性有孔虫の殻サイズは、極小になったが、表層水浮遊性有孔
虫の殻サイズは、極大になった。前者は、底生有孔虫溶存酸素指標の極小と同時であり、溶
存酸素低下が原因と考えられる。後者の原因は、温暖化による表層への栄養塩供給の減少
ではないかとする仮説を提唱した。
「小天体衝突と大量絶滅」
(1)
ぺルム紀中期末の大量絶滅は、安定炭素同位体比負異常を伴う破局的現象の可能性とする
仮説を検証した。ペルム紀中期末のグアダルピアン/ロピンジアン境界にも大量絶滅が起き
たとされているが、その実体は分かっていなかった。その大量絶滅が記録されている南中国
のライビンの海洋堆積物中に、急激な大量絶滅と同時に安定炭素同位体比が減少したことを
初めて明らかにした. これは、白亜紀末の現象と似ており、破局的原因が示唆される。小天
体衝突起源の成層圏ダストが生命環境システムに及ぼした影響の評価を数値計算(シミュレ
ーション)を行ない、成層圏に入る放出物質の種類と量を算出した。
(2)
生物の大量絶滅の原因究明に関して以下の研究を行った。
1.
ベルギーのホニーのフラスニアン/ファメニアン(F/F)境界と、岐阜県勝山の三畳紀/ジ
ュラ紀 境 界に、燃焼起源のコロネンの濃集を発見した。
2.
中国のライビンのグアダルピアン/ロピンジアン(G/L)境界で、境界粘土層を発見した
3.
生物の大量絶滅の原因究明のため下記のフィールド調査を行なった。
a) ベルギーのホニーとシンシンのフラスニアン/ファメニアン(F/F)境界の地質調査、試
料採取、磁化率測定を行なった。
b) 中国の桂林のデボン紀フラスニアン/ファメニアン(F/F)境界、ライビンのグアダルピ
アン/ロピンジアン(G/L)境界(ペルム紀中期末)、カオフー、チャンシンのペルム紀/
三畳紀(P/T)境界の地質調査、試料採取、磁化率測定を行なった。
教育:
進化史関連の博士課程学生に対して、アドバイザリーボードを設置し理工連携の教育指導体制を確立し
た。外国調査(グリーンランド、マリアナ海域など)や海洋掘削計画(ODP-IODP)に大学院学生を参加させる
など国際性豊かな実践的教育を実施してきている。
国際交流:
初期地球環境に詳しい Mrtin Bizzarro 博士(Copenhagen 大学)、小天体衝突研究で有名な Dennis Kent 博
士(Rutgers 大学)の2名を招聘した。海外研究拠点の一つである Copenhagen 大学と共同でグリーンランドイ
スア地域の調査を行った。生物の大量絶滅の原因究明のため、The University of Western Australia と武漢
地質大学と共同で、中国の桂林のデボン紀フラスニアン/ファメニアン(F/F)境界、ライビンのグアダルピアン
/ロピンジアン(G/L)境界(ペルム紀中期末)、カオフー、チャンシンのペルム紀/三畳紀(P/T)境界の地質調
査、試料採取、磁化率測定を行なった。Rutgers 大学から特別研究員を向かえ、大量絶滅と極端温暖化事変
の研究を共同で行なっている。エジプトからの大学院生とともに極端温暖化事変の研究を共同で行なってい
る。
社会的啓蒙:
仙台市科学館や国際微生物地球化学シンポジウムなどで、大量絶滅、生命起源に関する社会一般普及
講演を行った。その様子は岩波書店「科学」に取り上げられた。また NHK で放送されている特別番組「地球
大進化」にも東北大学研究者が取材協力に関わってきている。スカイパーフェクト TV(大量絶滅について)に
東北大研究者(海保教授)がテレビ出演している。これら多くのメディアに東北大学研究者が関わってき
ている事は、東北大学の研究教育に関する社会的重要性を示すものである。
Ⅱ. ポスドク研究員紹介
固体地球研究グループ
鈴木 由希,博士(理学)
(地震火山ダイナミクス, 受入: 吉田武義)
内田 直希,博士(理学)
(地震火山ダイナミクス, 受入: 長谷川昭)
平尾 直久,博士(理学)
(核マントルダイナミクス, 受入: 大谷栄治)
Konstantin Litasov, Ph. D (核マントルダイナミクス, 受入: 大谷栄治)
流体地球・惑星研究グループ
上原 裕樹,博士(理学)
山崎 誠,
(気候変動ダイナミクス, 受入: 花輪公雄)
博士(学術) (気候変動ダイナミクス, 受入: 尾田太良)
石戸谷 重之,博士(理学)(気候変動ダイナミクス, 受入: 中澤高清)
地球進化史研究グループ
石田 春磨,博士(理学)
(受入: 浅野正二)
新妻 祥子,博士(理学)
(受入: 掛川武)
日本学術振興会 COE 枠 博士研究員
宮崎 和幸
(気候変動ダイナミクス, 受入: 岩崎俊樹)
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
鈴木 由希(すずき ゆき)
所属:固体地球研究グループ
(地震火山ダイナミクス)
専門分野:火山学・岩石学
所属学会:American Geophysical Union,
火山学会,岩石鉱物鉱床学会, 地質学会
学部・修士:早稲田大学・地学
博士:東京大学理学系研究科・地球惑星科学専攻
(地震研・火山センター・中田研)
学位:博士(理学)
学位論文:Petrological study on magmatic process in felsic magma eruption-Especially on magma
ascent deduced from degassing, vesiculation, and crystallization in the ejecta-, 209pp.
主な職歴:アラスカ大学フェアバンクス校地球物理学研究所・研究員(2002年4月∼2004年1月)
【これまでの研究】
火山噴火のメカニズムを理解するには,火山下のマグマ供給系の深さ・構造や,マグマ
の挙動を知ることが重要です.このような視点で地質・岩石学的研究を行ってきました.特
に火山噴出物に残されたマグマの挙動の記録を丹念に解読することを重視してきました.
1.1火山のマグマ供給系進化と,海洋性島弧におけるマグマの成因
修士までは,過去15 万年にわたり活動してきた東伊豆単成火山群の調査を行い,見出し
の課題に取り組みました(鈴木,2000).火山下の供給系の研究の多くは噴火直前の(マグ
マ溜りでの)状態を探りますが,この研究ではマグマ生成まで遡り,より総合的に供給系を
扱ったことが特徴です.すなわち珪長質地殻の部分溶融により生成した珪長質マグマにつ
いて,噴火直前にも珪長質地殻内に存在し,かつ生成条件に近い温度であったことを示す
ことで,生成後,著しい移動・温度変化を経ずに噴出するシナリオを提示しました.さらに安
山岩質マグマを生成する,玄武岩質マグマによる珪長質地殻の同化過程の多様性と,そ
の時間変化を明らかにしました.
2.噴火に際したマグマ挙動
主にマグマ溜りよりも浅所でのマグマのダイナミックスを,噴出物の結晶・発泡組織や,
結晶・ガラスの組成から読み取り,噴火機構への理解を高めることを目的とした研究です.
浅所でのマグマ移動(上昇)の速度と様式が,噴火機構(e.g.噴火様式)を左右するとの考え
が提示され,この種の研究に注目が集まるようになりました.従来からの岩石学的研究に
比べ世界的に例が少なく,今後も発展の余地のある分野といえます.D 論以来のテーマで
あり,今後も取り組むことになります.D 論では 2 噴火の機構の検討を行うだけでなく,噴出
物からマグマ上昇の情報を定量的に抽出する手法の改善・開発も行いました.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
2—1
噴出物からの情報抽出による研究
マグマの移動過程では,マグマの減圧によって,結晶・発泡組織が連続的に変化し
ます.したがって精度良くマグマ移動を復元するには,ある組織がいつ形成されたか
理解することが重要になります.そこでこのような判断を可能とする結晶や気泡のサ
イズ分布を利用したり,下記の工夫を試みました.結果的にマグマ移動の微分情報
(速度変化や停滞,等)を明らかにしました.
・榛名火山二ツ岳噴火
6 世紀中頃に起きた一輪廻の活動(プリニー式→火砕流→溶岩ド−ム)を対象に,
マグマ移動様式の一噴火を通じた変化と,その噴火様式多様性との関係を議論しま
した(Suzuki and Nakada, in prep. No.1).特に最初に噴出したマグマのみが溜りから
の移動途中で停滞したことを明らかにし,マグマ移動が火道形成と平行し起きた結果
であると提案しました.停滞は,減圧によってマグマ中に生成した気泡がマグマから
抜け出るための時間を与えます.抜け出るかどうかが噴火の爆発性を左右するので,
珪長質マグマ噴火の初期に比較的多く見られる溢流的なイベントは,この停滞を反
映しているのではとも考えています.二ツ岳については,斑晶に富み粘性の高い珪長
質マグマの噴火誘発機構,という視点からも検証しました.珪長質マグマ溜りに苦鉄
質マグマが注入し生成した低粘性なマグマが,元の珪長質マグマに先立ち噴出する
事実を踏まえ,低粘性マグマが火口を開栓しマグマ溜りが減圧されるプロセスが,高
粘 性 マ グ マ の 噴 出 に 重 要 で あ っ た と 提 唱 し ま し た ( Suzuki and Nakada, in
prep.No.2).
a)Ascent process
b)Textural evolution
West-Nishiyama
Summit o f
Mt. Usu
◇ No crystallization(quench depth)
◇ Rapid increase of small bubbles
→ Increase of bubble nucleation rate
Fragme ntation
by the water
and quench
(various depth)
Stage-2
Aquifer
100-50bar Decompression
stage-2
→ Stop of textural
evolution
Disquilibrium exs olution
Increase in
ascent speed
[50-100 bar/s]
500 b ar
← Increase of
bubble nucleation rate
Decompression
stage-1
Stage-1
Equilibrium exsolution
Gas escape from system
[ Single Step Decompression,
stayed under 500bar for 1-2days ]
◇ Start of bubble nucleation
res ervoir[ 900℃, P H2 O=1250bar ]
Fig. 1. Magma ascent process in the Usu 2000 eruption. Modified from Fig. 8
of Suzuki and Nakada (2002). Parenthesis [ ]shows experimental result
from Suzuki and Gardner ( in prep.). In decompression experiments, microlite
and bubble textures were replicated for Stage-1 and Stage-2, respectively.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
・有珠山 2000 年噴火
3月 31 日のマグマ水蒸気爆発前における,マグマ挙動を明らかにすることを目指し
ました.帯水層での固結深度の異なる軽石の組織比較から,帯水層でのマグマの組
織変化を押さえ,これを手がかりに,溜りからの移動を通じた組織変化・移動の履歴
を復元する試みを行いました(鈴木・中田;2001,2002).特に鈴木・中田(2002)では,
気泡核形成・気泡のマグマからの分離の履歴を解明しました.これにより山頂地下を
上昇後,西麓の西山地下(2km 深)まで到達したマグマが,西山地下通過後(火口の
開栓によって)加速するモデルを提唱しました(Fig.1).すなわちマグマ移動が,2ステ
ージに分類できることを示しました.
2̶2 実験的研究
アラスカ大では高温高圧実験装置を使用することで,噴火に際したマグマ挙動を
様々な条件で再現し(減圧実験;実験産物の例は Fig. 2 の B)),噴出物組織(例えば,
Fig. 2 の A)は噴出物の石基)が再現される度合いによって,実際の噴火での移動速
度や様式を決定する試みを始めました(Suzuki and Gardner, in prep.).
A)
B)
Fig. 2. BSE images for groundmass of ejecta
in Usu 2000 eruption (A)), and product of
decompression experiment where sample was
instantly decompressed from 1250bar to
500bar and then kept under 500 bar for
24hours(B)). The experimental product best
matches ejecta (A)) in terms of crystallinity
and texture and composition of microlites.
This indicates that magma was actually
decompressed in such manner. Phases in
both natural groundmass and experimental
product are Fe-Ti oxides, pyroxene,
plagioclase, glass, and bubbles in the order of
decreasing average atomic number. Actual
magma was decompressed down to
100-50bar after crystallization was completed
(Fig. 1), so there exists textural difference of
bubbles between A) and B).
対象の有珠山 2000 年噴火については,物理観測によって,溜りからのマグマ移動の
一部分が捕えられており,これと実験結果を比較することで,実験的検証の有利な点
や正確さを明確にすることも可能でした.綿密な噴出物組織の解析を基礎とし実験を
行えば,マグマ移動のタイムスケールの他に,移動様式など観測でも不明な事柄に
制約を与えることが可能であることが分かってきました(Fig.1).これは今後,同様の
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
実験的検証を観測データのない過去の噴火に応用する上で,重要なステップであっ
たと考えます.
減圧実験は,噴火に際しマグマが減圧され起きる現象(結晶作用や発泡作用)の
普遍性を理解するのにも重要な手段で,噴火機構の研究に欠かせないもののはずで
す.ただし世界的にも研究例は限られており,また国内では装置を十分活用できる状
況は整っておりません.そこで今後も他の研究者と協力し,この種の研究や,実験装
置の整備を推進していく予定です.
【文献】
鈴木由希,東伊豆単成火山群における珪長質マグマの成因,火山,2000 年,45,
149-171.
鈴木由希・中田節也,マグマ上昇過程における発泡と結晶作用のタイミング-有珠山
2000 年噴火,マグマ水蒸気爆発の例-,地震研究所彙報,2001 年,76,253-268.
鈴木由希・中田節也,気泡組織・サイズ分布から見た,有珠山 2000 年噴火でのマグ
マ上昇と発泡プロセス,火山,2002 年,47,675-688.
(以下、投稿準備中のもの)
•
Y. Suzuki and S. Nakada, Evolution of ascent process in the explosive
felsic magma eruption-Implication from Futatsudake, Haruna volcano,
Japan.
•
Y. Suzuki and S. Nakada, Magma chamber processes in the preparation
stage for an eruption-especially on the roles of the mafic magma
injection to trigger an eruption of high-viscosity felsic magma-.
•
Y. Suzuki and J.E. Gardner, Experimental Approach to Magma Ascent
During the Usu 2000 Eruption, Japan.
連絡先(ご意見,ご感想はこちらまで)
〒980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉 東北大学大学院理学研究科
地学専攻
E-mail: [email protected]
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
内田 直希(うちだ なおき)
所属:固体地球研究グループ
(地震火山ダイナミクス)
修士:東北大学大学院理学研究科
地球物理学専攻
博士:同上
学位:博士(理学)
【研究概要】
プレート間すべりの時間,空間分布を把握することは,地震発生に至る応力集中機
構を解明する上で重要です.本研究では,プレート境界で発生する小さな繰り返し地
震により,プレート間のゆっくりとしたすべり(非地震性すべり)の時空間変化を把握す
ることを目的とします. 具体的には,非地震性すべり領域と地震性すべり領域を推定
し,大地震を発生させるアスペリティの同定に役立てます.また,地震間に生じるゆっ
くりとしたすべりの検出からアスペリティへの応力集中過程を解明し,プレート境界で
の地震発生のモデル化を行うことを目指します.
【研究内容】
プレート境界で発生する大地震は,あらかじめ決まった場所に存在するアスペリテ
ィの破壊であると推定されます(図 1).従って,プレート境界で発生する大地震の発生
に至る応力集中機構を解明するためには,1)大アスペリティ領域の同定と 2)そのアス
ペリティ周辺の状況の時間変化の追跡が必要です.1)については過去の大地震の波
形解析が進められていますが,大地震の発生間隔に比較して良質な波形記録が得ら
れる期間は限られるため,すべての大アスペリティを精度よく求めることは困難です.
2)については,1990 年代半ば頃から GPS 観測によりプレートの固着状態を知ることが
できるようになってきました.しかし,GPS 観測点は陸上にしか存在せず,海域におけ
るプレート境界上での詳細な固着状態を知るのは依然として困難です.
本研究ではプレート境界での非地震性すべりの分布を,小さいアスペリティの繰り
返し破壊であると考えられる相似地震のデータを用いて高分解能で推定することを目
指しています.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
図 1. アスペリティー分布の模式
図(Uchida et al. 2003)
図 2. 1985∼2000 における 2 年毎のすべり
レート分布 [Uchida et al., 2003].コンター
は永井・他(2001)による 1994 三陸はるか
沖地震のモーメント解放量分布. 星は M6
以上の地震の震央.黒太線は Igarashi et
al., 2001 による低角逆断層型地震発生の
西縁.
プレート境界の深部(三陸沿岸近く)では,
定常的なすべりが見られる.また,ほとん
どすべての M6 以上の地震に伴って準静
的すべりが発生していることがわかる.
図 2 は相似地震の解析により得られたプレート境界上のすべりレートを 2 年ごとに
示しました(Uchida et al. 2003).このような手法でプレート境界での非地震性すべりを
明らかにした例は,アメリカのサンアンドレアス断層での研究が知られていますが,沈
み込み帯の,これほど広域・高分解能でプレート間すべりの推定を行った例は世界的
に見ても存在しません.前述のように,沈み込み帯のプレート境界地震が発生する領
域の大部分は海底下であり,このような手法による,準静的すべりの推定は有力な情
報となると考えられます.
図 3 は,大地震のアスペリティ破壊との関連について,地震前後のアスペリティ周
辺の非地震的すべりを調べたものです.この研究により本震前のアスペリティの周囲
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
のすべりが本震の破壊に影響を与えている可能性があることが示唆されました
(Uchida et al. 2004).
図 3. 1989 三陸沖地震(M7.1) 前後のすべり (a) 本
震 10 日前から本震 100 日後までの地震の震央分
布.コンターは Yamanaka and Kikuchi (2003)による
アスペリティの位置. 星は M6 以上の地震の震央.
(b) 図 3a の各ウインドウ内のすべりの時間変化.黒
い縦線は本震の発震時,破線は最初の M6 以上の
地震の発生時を示す.下段は M5 以上の地震に対
する M-T 図.(c) 本震前 10 日間の準静的すべりの
分布.すべり量をカラーパターンで示す.黄色い星
は M5 以上の地震の震央.(d) 本震後 100 日間の準
静的すべりの分布.
本震前に本震のアスペリティの海溝側で準静的す
べりが発生していることが分かる.
【文献】
Uchida, N., T. Matsuzawa, T. Igarashi and A. Hasegawa, Interplate
quasi-static slip off Sanriku, NE Japan, estimated from repeating
earthquakes, Geophys. Res. Lett., 30, 10.1029/2003GL017452, 2003
Uchida, N., A. Hasegawa, T. Matsuzawa, and T. Igarashi, Pre- and
post-seismic slow slip on the plate boundary off Sanriku, NE Japan
associated with three interplate earthquakes as estimated from small
repeating earthquake data, Tectonophysics, 2004, in press.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
平尾 直久(ひらお なおひさ)
所属:
固体地球研究グループ
(核マントルダイナミクス)
研究分野:高圧物理化学・地球惑星科学・鉱物物理学
所属学会:American Geophysics Union,
Mineralogical Society of America,
日本高圧力学会,日本鉱物学会
学位:
博士(理学)
【研究内容】
地球や惑星を構成する物質の高温高圧条件下における物理化学的特性を実験
的に調べることにより,地球や惑星内部の構成物質,構造,進化,ダイナミクスなど
を解明するというものです.特に興味があるのは,地球の中心核を構成している鉄
や鉄合金,木星などの外惑星を作る軽元素物質です.私は数百万気圧(大気圧の
数百万倍)以上の圧力を発生させることのできる「ダイヤモンドアンビル装置」と呼ば
れる超高圧発生装置を用いて,地球核に相当する圧力 135 万気圧以上でこれらの
物質の高圧実験を行っています.
博士論文のタイトルは,「鉄‒軽元素系の高圧その場観察実験:地球核への適用」
( In Situ High-Pressure Experiments on Iron–Light Element Systems:
Implications for the Earth’s Core)で,地球核の化学組成,つまり地球核中に含
まれる軽元素量を実験的に制約する研究を行いました.現在は,21 世紀 COE の核
マントルダイナミクス研究サブグループの研究テーマの一つである「地球核の物質
構成の解明」に携わっており,地球の内核に相当する圧力条件(330 万気圧以上)で
の高圧実験を実現するための高圧力発生技術の開発を行っています.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
【論文など】
Hirao, N., E. Ohtani, T. Kondo, and T. Kikegawa, Equation of state of
iron-silicon alloys to megabar pressure, Phys. Chem, Minerals, in press.
Kondo, T., E. Ohtani, N. Hirao, T. Yagi, and T. Kikegawa, Phase transitions
of (Mg,Fe)O at megabar pressures, Phys. Earth Planet. Inter., in press.
Hirao, N., T. Kondo, E. Ohtani, K. Takemura, and T. Kikegawa (2004)
Compression of iron hydride to 80 GPa and hydrogen in the Earth's inner
core,Geophys.Res.Lett.,31, No. 6, L06616, doi:10.1029/2003GL019380.
平尾直久 (2002) 惑星探査における鉱物分光学の重要性,岩石鉱物科学,31,
111-122.
連絡先
〒980-8578
仙台市青葉区荒巻字青葉
東北大学大学院理学研究科地学専攻
PHONE
022-217-6672
FAX
022-217-6675
E-MAIL
[email protected]
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
Konstantin Litasov
DEGREES:
M.A. in geochemistry, Novosibirsk State University,
June, 1995.
Diploma title: Petrology of megacryst assemblages
from alkaline basaltoids of the Vitim volcanic field.
Ph.D. in geochemistry, United Institute of Geology, Geophysics and Mineralogy, December,
1998.
Title: Geochemical models of mantle magmatic systems developments: evidence from
deep-seated xenoliths from alkaline basalts of the Vitim and Udocan volcanic field,
Transbaikalia.
CAREER RECORDS:
01.1995-10.1998,
Junior research fellow,
United Institute of Geology, Geophysics and Mineralogy SB RAS,
Novosibirsk, Russia.
10.1998 – 06.1999
Research associate,
United Institute of Geology, Geophysics and Mineralogy SB RAS,
Novosibirsk, Russia.
06.1999 – 03.2002
Postdoctoral Research fellow,
Center for Northeast Asian Studies, Tohoku University, Sendai, Japan.
05.2002 – 04.2004
Postdoctoral Research fellow,
Institute of Mineralogy, Petrology and Economic Geology, Faculty of Science,
Tohoku University, Sendai, Japan.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
CURRENT RESEARCH INTERESTS:
1.Mineral physics and chemistry. High-pressure - high-temperature
experiments. Phase diagrams of mantle-related compositions. Role of
volatiles in the Earth’s mantle.
2.Mantle petrology. Mantle xenoliths in alkaline basalts and kimberlites,
ophiolite and massif peridotites, superdeep mantle rocks and inclusions in
diamonds.
3.Global geodynamics. Magmatic and tectonic evolution of the mobile belts.
4.Origin of the Universe. Physics and chemistry of the Solar system. Interior
structure and composition of planets and satellites.
CURRENT TOPICS:
(1) Water solubility in lower mantle perovskites. Detailed study of various
effects (composition, structural state after quenching, fluid inclusions and
coexisiting phases) on water solubility. Water partitioning between phases of
the transition zone and lower mantle. Development of FTIR and SIMS
techniques for measurements of hydrogen concentrations in experimental
samples.
(2) Trace element partitioning between solid and melt phases in the lower
mantle (peridotite mantle and basaltic oceanic crust). Influence of volatiles
(H2O and CO2) on trace element partitioning. Implications for the origin of
superdeep inclusions in diamonds and the role of carbonatite melt in the
deep mantle.
(3) P-T-V equation of state and elastic parameters of Al- and Fe-rich
Mg-perovskite with implications for lower mantle heterogeneity. X-ray
diffraction and Brillouin scattering studies.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
LIST OF PUBLICATIONS:
1.
Ashchepkov I.V., Litasov Yu.D., Litasov K.D., 1996, Garnet peridotite
xenoliths from melanephelinites of Khentey range (South Baikal). Russ.
Geol. Geophys., 37 (1): 130-147.
2.
Litasov K.D., Ashchepkov I.V., 1996, Ilmenite megacrysts and
ilmenite-bearing pyroxenites from alkaline basalts, Vitim Plateau. Russ.
Geol. Geophys., 37 (7): 97-108.
3.
Litasov K.D., 1998, Geochemical models of mantle magmatic system
development: trace element study of deep-seated xenoliths from Vitim
and Udokan volcanic field (Transbaikalia, Russia). Abst. of PhD thes.,
United Inst. Geol. Geophys. Mineral. Press, Novosibirsk, 22pp. (in
Russian).
4.
Litasov K.D., Mal’kovets V.G., 1998, Sr-Ba-Rb systematization of the
alkaline feldspar megacrysts from basaltoids of Central Asia. Russ. Geol.
Geophys., 39 (9): 1304-1308.
5.
Litasov K.D., Litasov Yu.D., 1999, Biotite in megacryst assemblages of
the alkaline basaltoids, Vitim plateau. Geochem. Int., 37 (3): 213-223.
6.
Litasov K.D., Litasov Yu.D., 1999, Petrology of garnet-spinel lherzolites
and accompanying xenoliths from Pliocene-Pleistocene basanites of the
Vitim volcanic plateau. Russ. Geol. Geophys., 40 (4): 546-558.
7.
Bragin V.Yu., Reutsky V.N., Litasov K.D., Mal’kovets V.G., 1999, Late
Cretaceous magmatism of North-Minussinsk foredeep: paleomagnetism
and geohronology. Russ. Geol. Geophys., 40 (4): 559-565.
8.
Litasov K.D., 1999, Petrology and geochemistry of lower crustal
xenoliths from alkaline basaltoids of the Vitim volcanic field, Russia.
Russ. Geol. Geophys., 40 (5): 655-676.
9.
Litasov Yu.D., Litasov K.D., 1999, Reduction of continental lithospheric
mantle in the rift zone: Evidence from different-age mantle geotherms.
Transact. (Doklady) Rus. Acad. Sci., Earth Sci. Sect., 365 (3): 319-322.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
10. Litasov K.D., Litasov Yu.D., 1999, Cumulative rock xenoliths from
alkaline basaltoid of the Vitim plateau: Implification for the Moho
discontinuity and lower crust composition. Transact. (Doklady) Rus.
Acad. Sci., Earth Sci. Sect., 366 (4): 482-485.
11. Litasov K.D., Dobretsov N.L., Sobolev A.V., 1999, Reactive percolation of
melt in the upper mantle: Evidence from peridotite xenoliths in basalts
of the Vitim and Udokan volcanic fields, Transbaikal Region. Transact.
(Doklady) Rus. Acad. Sci., Earth Sci. Sect., 368 (7): 1014-1018.
12. Litasov K.D., Rasskazov S.V., Ivanov A.V., 1999, Depleted and enriched
spinel peridotites in xenoliths from the Late Cenozoic basanite, Lake
Kuas area, Udokan Ridge, East Siberia. Transact. (Doklady) Rus. Acad.
Sci., Earth Sci. Sect., 369 (8): 1156-1160.
13. Litasov Yu.D., Litasov K. D., 1999, Reaction transformation of primitive
mantle: Evidence from mantle xenoliths in alkaline basalt from the
Vitim plateau. Transact. (Doklady) Rus. Acad. Sci., Earth Sci. Sect., 369
(8): 1124-1127.
14. Bragin V.Yu., Reutsky V.N., Litasov K.D., Mal’kovets V.G., Travin A.V.,
Mitrokhin D.V., 1999, Paleomagnetism and
40Ar/39Ar-dating
of Late
Mesozoic volcanic pipes of Minusinsk depression (Russia). Phys. Chem.
Earth, A: Solid Earth and Geodesy, 24 (6): 545-549.
15. Litasov K.D., Litasov Yu.D., Fujimaki H., Miyamoto T., Taniguchi H.,
1999, Mantle evolution beneath the Eastern Baikal region, Russ.
Northeast Asian Studies, 4: 145-172.
16. Litasov K.D., Mekhonoshin A.S., 2000, Zinc in spinels of peridotite
xenoliths from Pliocene basanites of the Vitim volcanic field. Geochem.
Int., 38 (8): 738-743.
17. Litasov K.D., 2000, Geochemistry of the reactionary orthopyroxenites in
the upper mantle: evidence from mantle xenoliths from Miocene
picrobasalts of the Vitim volcanic field. Transact. (Doklady) Rus. Acad.
Sci., Earth Sci. Sect., 372 (5): 663-667.
18. Litasov, K.D., 2000, Petrology of a megacrysts assemblage in
Plio-Pleistocene basanites from the Vitim plateau. Volcanol. Seismol.,
22 (1): 24-35.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
19. Litasov K.D., Litasov Yu.D., Mekhonoshin A.S., Mal’kovets V.G., 2000,
Mineralogy of mantle xenoliths from Pliocene basanites of the Dzhilinda
River (Vitim volcanic field). Russ. Geol. Geophys., 41 (11): 1532-1554.
20. Litasov K.D., Litasov Yu.D., Mekhonoshin A.S., Mal’kovets V.G., 2000,
Geochemistry of clinopyroxenes and petrogenesis of mantle xenoliths
from Pliocene basanites of the Dzhilinda River (Vitim volcanic field).
Russ. Geol. Geophys., 41 (11): 1555-1572.
21. Litasov K.D., Foley S.F., Litasov Yu.D., 2000, Magmatic modification
and metasomatism of the subcontinental mantle beneath the Vitim
volcanic field (East Siberia): evidence from trace element data on
pyroxenite and peridotite xenoliths from Miocene picrobasalt, Lithos,
54: 83-114.
22. Litasov K., Ohtani E., Taniguchi H., 2001, Melting and solid phase
relations in pyrolite-H2O system at the transitional zone pressures.
Geophys. Res. Lett., 28: 1303-1306.
23. Ohtani E., Toma M., Litasov K., Kubo T., Suzuki A., 2001, Stability of
hydrous silicate phases and water storage capacity in the transition
zone and lower mantle, Phys. Earth Planet. Inter., 124: 105-117.
24. Litasov K.D., Ohtani E., Dobretsov N.L., 2001, Stability of hydrous
phases in the Earth’s mantle Transact. (Doklady) Rus. Acad. Sci., Earth
Sci. Sect., 378 (4): 456-459.
25. Litasov K., Ohtani E., Taniguchi H., 2001, Phase diagram of pyrolite in
the system CaO-MgO-Al2O3-SiO2-H2O up to 25 GPa. Transact.
(Doklady) Rus. Acad. Sci., Earth Sci. Sect., 379 (2): 543-545.
26. Ohtani E., Litasov K., Suzuki A., Kondo T., 2001, Stability field of new
hydrous phase, -AlOOH, with implications for water transport into the
deep mantle. Geophys. Res. Lett., 28: 3991-3994.
27. Litasov Yu.D., Hasenaka T., Litasov K.D., Yarmolyuk V.V., Sugorakova
A.M., Sasaki M., Taniguchi H., 2001, Petrologic characteristics of
Cenozoic alkaline basalts from the Azas Plateau, Northeast Tuva
(Russia). Northeast Asian Studies, 6: 201-226.
28. Litasov K.D., Ito Y., Litasov Yu.D., Kitakaze A., Taniguchi H., 2001,
Lithosphere structure and thermal regime of the upper mantle along
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
Baikal rift axis: Evidences from deep-seated xenoliths. Northeast Asian
Studies, 6: 227-252.
29. Litasov K.D., Ito Y., Malkovets V.G., Litasov Yu.D., Taniguchi H., 2002,
Mineralogy of Late Miocene picrobasalt from Vitim volcanic field:
evidences for xenolith/host interaction. Northeast Asian Studies, 7:
191-203.
30. Litasov K.D., Taniguchi H., 2002, Mantle evolution beneath Baikal rift.
Center for Northeast Asian Studies, Tohoku University, Japan, CNEAS
Monograph Series, v.5, 221pp.
31. Litasov K., Ohtani E., 2002, Phase relations and melt compositions in
CMAS-pyrolite-H2O system up to 25 GPa. Phys. Earth Planet. Inter.
134: 105-127.
32. Malkovets, V.G., Litasov Y.D., Travin A.V., Litasov K.D., Taylor L.A.,
2003, Volcanic pipes as clues to upper mantle petrogenesis: Mesozoic
Ar-Ar dating of Minusa basalts, SW Siberia..Int. Geol. Rev., 45: 133-142.
33. Litasov, K., Ohtani, E., 2003, Stability of hydrous phases in
CMAS-pyrolite-H2O system up to 25 GPa. Phys. Chem. Mineral., 30:
147-156.
34. Litasov, K.D., Ohtani, E., Langenhorst, F., Yurimoto, H., Kubo, T.,
Kondo, T., 2003, Water solubility in Mg-perovskites and water storage
capacity in the lower mantle. Earth Planet. Sci. Lett., 211: 189-203.
35. Litasov, K.D., Simonov, V.A., Kovyazin, S.V., Litasov, Yu.D., Sharygin,
V.V., 2003, Interaction between mantle xenoliths and deep-seated melts:
results of study of melt inclusions and interstitial glasses in peridotites
from basanites of the Vitim volcanic field. Russ. Geol. Geophys., 44 (5):
436-450.
36. Litasov, K.D., Litasov, Yu.D., Malkovets, V.G., 2003, Metasomatism and
modification of the upper mantle of the South Baikal region: evidences
from deep-seated xenoliths of the Bartoy volcanic group. Geochem. Int.,
in press.
37. Litasov, K.D., Malkovets, V.G., Kostrovitsky, S.I., Taylor, L.A., 2003,
Petrogenesis of the ilmenite-bearing symplectite xenoliths from Vitim
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
alkaline basalts and Yakutian kimberlites, Russia. Int. Geol. Rev., in
press.
38. Vanpeteghem, C.B., Ohtani, E., Litasov, K., Kondo, T., Watanuki, T.,
Isshiki, M., Takemura, K., 2003, The compressibility of hexagonal
Al-rich
NAL phase:
similarities
and
differences
with
calcium
ferrite-type (CF) phase with implications for the lower mantle, Phys.
Earth Planet. Inter., in press.
39. Litasov, K., Sharygin, V., Simonov, V., Malkovets, V., Taniguchi, H., 2003,
Petrogenesis of glasses and microphenocrysts in mantle xenoliths from
Baikal-Mongolia region: a review. Northeast Asian Studies, 8, in press.
40. Litasov, K., Ohtani, E., Phase relations in hydrous MORB at 18-26 GPa:
Implications for heterogeneity of the lower mantle. Phys. Earth Planet.
Inter., in press.
41. Litasov, K., Ohtani, E., Hydrous solidus of CMAS-pyrolite and melting
of mantle plumes at the bottom of the upper mantle. Geophys. Res. Lett.,
in press.
42. Litasov, K., Ohtani, E., Relationship of the Al-bearing phases NAL and
CF in the lower mantle. Russ. Geol. Geophys., in press.
ADDRESS
Department of Earth Science, Graduate School of Science,
Tohoku University, Aoba-ku, Sendai 980-8578 Japan
Telephone:
81-22-217-6662
Fax:
81-22-217-6662
E-mail:
[email protected]
Birth date:
March 30, 1974
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
上原 裕樹(うえはら ひろき)
所属:流体地球・惑星圏研究グループ
(気候変動ダイナミクス)
学位:博士(理学)
【これまでの研究(概要)】
●高密度 XBT 測線資料による, 北太平洋亜熱帯循環系を横切る海洋熱輸送量の評価
本研究室で行っている,ハワイ−日本間の高密度 XBT 観測(JAHMP)資料と,米国のス
クリプス海洋研究所の行っている,サンフランシスコ−ハワイ間の XBT 資料を合わせて用
い,亜熱帯循環系を横切る熱輸送量を見積もりました。(図1). この手法により,従来と比
べ熱輸送量の誤差を小さくすることができました. また,気象庁気象研究所から提供され
た,高解像度海洋大循環モデルの出力データを解析し,高密度 XBT 資料を用いた熱輸送
量評価の妥当性を検討しました.
図 1.北太平洋における海洋熱輸送量.本研究で評価した値を赤い
星印で示す(0.31 ± 0.10 pW).曲線はフラックス法,他の点は直接法
で求めた過去の研究の値を示す.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
●北太平洋亜熱帯モード水の形成・輸送における中規模渦の役割に関する考察
黒潮再循環域に集中展開された,Argo フロートの資料を用い,北太平洋亜熱帯モード水
(NPSTMW)の形成・輸送過程において,再循環域に多く存在する中規模渦,特に高気圧
性渦が重要な役割を果たすことを示唆しました.
【論文など】
Uehara, H., T. Suga, K. Hanawa, and N. Shikama, 2003: A role of eddies
information and transport of North Pacific Subtropical Mode Water, Geophys. Res.
Lett., 30 (13), 1705, doi: 10.1029/2003GL017542.
須賀・上原, 2003: Argoデータによるモード水の研究―北太平洋亜熱帯モード水の形成・輸
送と中規模渦―. 月刊海洋, 35, 893-899.
【賞歴ほか】
Best Student Poster Prize: "Role of mesoscale eddies on formation and transport
of the North Pacific subtropical mode water demonstrated with Argo floats",
WOCE final conference ‘WOCE and Beyond’, San Antonio, Texas, November 2002.
【今後の方針・予定・抱負】
前述のような,北太平洋亜熱帯モード水の輸送中における変質過程や,その中での渦
の効果について考察するため,数値モデルの出力データの解析や,Argo フロート・データ
の解析を進めていきたいです。
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
山崎 誠(やまさき まこと)
所属:流体地球・惑星圏研究グループ
(気候変動ダイナミクス)
学位:博士(学術)
熊本大学大学院自然科学研究科
2001年3月
【主な研究課題】
・ セジメント・トラップを用いた浮遊性生物(浮遊性有孔虫)の堆積プロセス
の解
明
・ 北西大平洋における浮遊性生物の地理分布の解明
・ エルニーニョ南方振動に対する西太平洋赤道域における浮遊性生物の応答に関
する研究
【研究の紹介】
浮遊性有孔虫は炭酸カルシ
ウムの殻を持つ動物プランクト
ンの一種で,その殻が堆積物
に化石として残ることから過去
の海洋環境を推測する手がか
りとして用いられています.そ
の浮遊性有孔虫を対象にセジ
メント・トラップやプランクトンネ
ットなどの方法を用いて生態を
調査し,過去の海洋環境復元
への応用を目指しています.
セジメント・トラップの回収の様子(東シナ海にて)
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
【主要な業績】
Yamasaki, M. and Oda, M.(2003).Sedimentation of planktic foraminifers in
the East China Sea: evidence from sediment trap experiment. Marine
Micropaleontology , 49, 3-20.
山崎 誠,尾田太良,秋元和實,田中裕一郎(2001).東シナ海陸棚縁辺域から陸棚
斜面域における有孔虫の輸送過程. 地質学雑誌,107,15-25.
【その他(学会発表等)】
山崎 誠,尾田太良(2002).海洋フラックスの古海洋への適用 −セジメント・トラップ
の総括−, 月刊海洋,24,381-387.
山崎 誠,時枝隆之,尾田太良.気象庁凌風丸によって得られた北西太平洋表層水
における浮遊性有孔虫の分布.古生物学会 2003 年年会,静岡.2003 年 6 月.
山崎 誠,中館 明,永井直樹,時枝隆之,尾田太良.気象庁「凌風丸」によって得ら
れた北西太平洋表層水の浮遊性有孔虫の分布および季節変化.2002 年度日本海
洋学会春季大会,東京.2002 年 3 月.
Yamasaki, M., Oda, M., Tanaka, Y., Xu, X. Seasonal variation in the flux of
planktic foraminifera: sediment trap results from the Okinawa Trough and
the Ryukyu Trench.7th International Conference on Paleoceanography.
Sapporo, Japan. September, 2001.
Yamasaki, M., Oda, M., and Tanaka, Y. Transport processes of foraminifera
from the shelf edge to the slope in the East China Sea : evidence from
sediment trap experiment. International symposium on carbon cycle in the
North Pacific. Nagoya University, Japan. February 2000.
Yamasaki, M. and Oda, M. Transport processes of planktic foraminifera :
seasonal changes in the East China Sea. 6th International Conference on
Paleoceanography. Risbon, Portgal. Augast, 1998.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
石戸谷 重之(いしどや しげゆき)
所属:流体地球・惑星圏研究グループ
(気候変動ダイナミクス)
学位:博士(理学)
【研究の紹介】
大気中の二酸化炭素(CO2)濃度増加に伴う気候変化への影響を予測するために
は、人為起原 CO2 の大気、陸上植物、海洋の各リザーバー間への配分を正確に見積
もることが不可欠です。
大気中の酸素(O2)濃度は、有機物の燃焼と陸上植物の呼吸・光合成活動において、
CO2 濃度とほぼ 1 対 1 の関係を保ちながら逆方向に変化します。一方、海洋への取り
込みにおいては、CO2 は弱酸として働き解離して存在しますが、O2 はヘンリーの法則
に従って溶け得る量しか溶解しないため、両者は独立に変化します。このような O2 と
CO2 の各リザーバー間の交換過程の違いを利用し、大気中 O2 濃度と CO2 濃度の経
年変化を同時に解析することにより、人為起原 CO2 のリザーバー間収支を見積もるこ
とができるのです。
大気中 CO2 濃度変化に伴う O2 濃度変化を検出するためには、O2 存在量の 6 桁目
の変動を検出する高精度の測定が必要であるため、私は東北大学大学院理学研究
科地球物理学専攻博士課程において、質量分析計を利用した大気中酸素(O2)濃度
(・(O2/N2))の高精度測定法を開発し、大気観測への適用を行いました(図 1)。
今後、東北大学 21 世紀 COE プログラム「地球科学」博士研究員として、より高精度
で時間的に密な・ (O2/N2)の変動を検出するための・(O2/N2)の連続観測装置の開発
や、東北大学が日本−オーストラリア間および日本−北米間で行っている船舶観測で
の広域にわたる・(O2/N2)観測の開始、2004 年に南極昭和基地上空で採取した成層
圏大気試料(図 2)の分析などの研究を推進し、地表から中部成層圏にわたる
・(O2/N2)の 3 次元的な時空間変動を明らかにするとともに、全球 CO2 循環および物質
輸送に関する理解の向上を図っていくつもりです。
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
【出版リスト】
Ishidoya, S., S. Aoki and T. Nakazawa, High precision measurements of the
atmospheric O2/N2 ratio on a mass spectrometer, J. Meteorol. Soc. Japan, 81
(1), 127-140, 2003.
Yamanouchi,T., M. Wada, M. Shiobara, S.Morimoto, Y. Asuma, S. Yamagata,
T.Yamazaki, S. Ishidoya, T.Kawahara, M. Yabuki, Y. Inomata, A. Herber, J.
Graeser, K. Hara, N.Hirasawa, S. Aoki, S. Sugawara, T. Machida, T.Watai
and R. Treffeisen, Preliminary report of
Arctic Airborne Measurement
Program 2002
(AAMP02), Polar Meteorol. Glaciol., 17, 103-115, 2003.
Toyoda,s., N.Yoshida, T. Urabe, Y. Nakayama, T.Suzuki, K. Tsuji, K. Shibuya,
S. Aoki, T. Nakazawa, S. Ishidoya, K. Ishijima, S. Sugawara, T. Machida, G.
Hashida, S.Morimoto, and H.Honda, Temporal and latitudinal distributions
of stratospheric N2O isotopomers, J. Geophys. Res., in press.
0
400
-100
380
-200
360
-300 8km-tropopause
340 8km-tropopause
CO2 concentration (ppmv)
0
δ(O2/N2) (per meg)
-100
-200
-300 4km
0
-100
-200
-300 2km
400
380
360
340 4km
400
380
360
340 2km
0
400
-100
380
-200
360
-300 surface
1999 2000
2001
2002 2003
340 surface
1999 2000
Year
2001
2002 2003
Year
図1:地上(仙台市青葉山)および日本上
図2:南極昭和基地におけるクライオ
空の各高度におけるO2濃度(左図)と
サンプラー回収気球実験(2004.01.05
CO2濃度(右図)の変化。
実施)の放球作業。
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
石田 春磨(いしだ はるま)
所属:地球進化史研究グループ
学位:博士(理学)
【研究内容】
1. 不均質な大気、特に雲が存在する大気における放射伝達の計算手法の開発
2. 地表における大気放射の観測からの大気リモートセンシング
3. 隕石衝突時のエアロゾルの気候変動に対する影響のシミュレーション
【研究の解説】
「大気放射学とは」
雨や風などの日常的な気象現象から、長い時間をかけて変動する地球規模の温暖
化や寒冷化まで、それらの振る舞いを規定するのは、大気中における各種のエネル
ギーのやりとりです。その中において放射エネルギーは、気象現象のそもそもの原動
力である太陽からのエネルギーを地球に伝え、また、宇宙空間へ赤外線を放射する
という形でエネルギーを逃がすことによって、地球に入ってきたエネルギーとのバラン
スをとっています。そして、大気中においては放射エネルギーの伝達によるエネルギ
ーの分配が、大気の状態を決定する大きな要因となります。このように、放射エネル
ギーの伝達の様子を詳しく知ることは、気象現象を理解する上で非常に重要です。大
気放射学は、このような大気中での放射現象を様々な機器で観測し、また、物理法則
に基づいて放射伝達の過程を計算から再現することによって、放射現象を研究する
ものです。さらには、大気中に存在する物質と放射現象との関係の解析から、逆に放
射を観測することによって大気中の物質の量や物性を推定するリモートセンシングに
も応用されています。
「不均質な雲における放射伝達の計算手法の開発」
雲は太陽からの入射光を反射し、一方で地表からの赤外放射を吸収します。このよ
うに、雲は放射現象に対して非常に大きな影響を与えます。しかし、
一般的に雲は複雑な形状を持ち、また雲内部における雲粒子の空間分布が一様で
ない(即ち不均質)ため、放射伝達を正確に計算することは困難です。そこで、このよう
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
な不均質雲における三次元的な放射伝達を的確に表現する方程式を定式化し、その
解を効率的かつ精度よく計算する手法の開発を行っています。またそれを基に、不均
質雲が放射現象に与える影響の解明を目指しています。
三次元の放射伝達方程式は、一般に 5 個の独立変数(位置に 3 個、
方向に 2 個)を持つ微分積分方程式になり、これはそのままの形で解析
解を求めることは不可能です。そこで、それぞれの変数に適合した変数
分離法をこの方程式に用いて、1 次元のベクトル微分方程式を導出しま
した。特に、水平方向座標に依存する成分に関しては、スケーリング関
数による級数展開を応用しました。これによって、雲の水平方向におけ
る変動をより的確かつ効率的に表現することができます。図 1 はその計
算手法を用いて計算した結果です。上図は雲の光学的厚さの水平分布、
下図はその雲の上端での上向きフラックス、および雲の下端での下向き
フラックス(但し散乱成分のみ)の、太陽入射光フラックスに対する割合で
す。特に下向きフラックスにおいては、光学的厚さのみではフラックス量
は決まりません。即ち雲の不均質の影響が大きいのです。
Optical Thickness
20
15
10
5
0
1.2
Upward Flux
1.0
Upward Flux at Cloud Top
Downward Flux at Cloud Bottom
µ0=-0.6
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
Horizontal Distance [km]
2.5
図1. 放射伝達計算によって再現した不均質な雲における放射フラックス
3.0
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
「地表観測からのリモートセンシング」
雲粒子の微物理特性の違いによって、雲が気象現象や気候に与える影響は大きく
異なってきます。放射観測を利用したリモートセンシングは、雲を連続的に観測するこ
とができるため非常に有用です。雲を透過した太陽光や雲が放射する赤外線を地表
において測定し、雲の微物理特性を推定する手法を開発しています。現在は特に、
雲の不均質性による誤差をどのように除去すればよいかについて研究しています。
「隕石衝突と気候変動」
現在研究を開始しているのが、過去の地球における隕石衝突と、それによる大気中
エアロゾル増加の気候変動への影響の解明です。地質学的な解析によって得られた
隕石衝突時の地球環境の知見を、大気放射学の研究手法と組み合わせることによっ
て、過去に起こった気候変動をより詳細に理解することを目標としています。
【出版リスト】
Ishida, H, T. Hayasaka, M. Kajikawa, K. Kikuchi, H. Uyeda, Y. Asuma, and Y.
Inoue, 1998, Observations of liquid water, water vapor, and downward flux of
infrared radiation in the Arctic region with a microwave radiometer and a
pyrgeometer. Polar Meteorol. Glaciol., 12, 10-18.
Ishida, H, T. Hayasaka, and M. Tanaka, 1998, Retrieval of cloud physical
parameters from ground based observations of microwave atmospheric
radiation and transmitted solar radiation. Microwave Remote Sensing of the
Atmosphere and Environment, Proceedings of SPIE, 3503, 414-422.
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
新妻 祥子 (にいつま さちこ)
所属:地球進化史研究グループ
学位:博士(理学)
【研究の紹介】
これまで,糸魚川−静岡構造線東方の北部フォッサ・マグナ地域で地質学・古地磁
気学的研究(Niitsuma et. al, 2003)を行ない,堆積盆におけるテクトニクスおよび堆積
環境を解析してきました. 南西日本と北東日本の境界である糸魚川−静岡構造線(糸静
線)は,アムール(ユーラシア)プレートと北米(オホーツク)プレートの境界です.この地域に
特徴的なのは,数キロ以上に及ぶ厚い新第三紀堆積層が強い圧縮を受けて変形しているこ
とです.この圧縮応力は北アルプスの隆起にも関係して,砕屑物や有機物が大量に供給した
ため,この堆積盆はプレート境界特有の堆積環境にあったと考えられます.地層が堆積した
ときに地球磁場を記録している場合,変形した地層を水平に戻すことで当時の地球磁場(古
地磁気)を復元できます. 古地磁気を記録している堆積物の磁気的性質を検討した結
果,この地域の地層には硫化鉱物,特にgreigite (Fe3S4)が堆積当時に生成しているこ
とがわかりました.この鉱物は堆積環境や堆積当時の生命活動を知る上で重要な情
報を与えてくれると,国際的にも多くの研究者が注目しています.
生命進化史の中で最も古い時代から活動していた硫酸還元菌は,硫酸を還元し硫
化水素を生成します.硫化水素は,鉄と結びついてFeS→FeS2と反応が進み,堆積物
中で安定なpyriteができます.このようなPyritizationと関連して化学的に不安定な
greigite (Fe3S4)やpyrrhotite (Fe7S8)が自生し,その当時の地球磁場を化学残留磁化と
して記録することが知られています.現在報告されている最古のGreigiteの残留磁化
は,白亜紀(約 1 億年前)の記録です.
地球の生命の起源・進化を探るこ
とは,地球のみならず地球外を含め
た,宇宙における生命のルーツを探
ることであり,重要な研究テーマで
す.地球表層と生命の歴史を,核や
マントルを含んだ地球全体の変動
の中に位置づけることで地球進化
史をとらえることを目指しています.
約 46 億年前の地球の誕生後,核の
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
形成され,電磁流体である外核が成長することで,ダイナモ作用が始まり,約 25∼30
億年前に地球磁場ができたことが提唱されています.この地球磁場の発生によって
太陽からの有害な紫外線が遮断され,深海底熱水系で誕生した原始的な原核生物
が浅海で活動する光合成生物(シアノバクテリア)へ進化し,酸素を放出し始めたとい
うシナリオが,地球科学系の多くの分野の研究によって構築されてきました.しかし,
地球磁場の発生と生命の誕生について,未だ不確定な部分が多く残されています.
現在および過去の地球磁場に関する研究は,モデル計算(シミュレーション)と岩石
に残された古地磁気記録の両側面から行われてきました.岩石に記録される古地磁
気記録は,過去の地球磁場を知る上で非常に有用な情報であり,特に過去 500 万年
間の地磁気逆転記録は詳細にわかってきた.ところが,20 億年を超える古い岩石で
の研究例は少なく,20 億年を越す古い岩石に残された地球磁場強度記録から 27 億
年前に地球磁場が発生したという報告(Hale, 1987)が,現在広く受け入れられてきま
した.しかし,同研究に用いられた地球磁場強度記録数は少なく,また風化の影響を
指摘されています.
2003 年夏,西オーストラリアのピルバラ地塊で
深度約 250mの大規模掘削が,日・豪・米の国
際 研 究 プロジェクト
http://www-space.cla.kagoshima-u.ac.jp/neda
chi-kawaminami/planet/ABDP.htm Archean
Biosphere Drilling Project (ABDP)によって行わ
れました.この掘削により,風化の影響を受けて
いない新鮮な約 27∼35 億年前の岩石コア試料
の採取されました.これまでの研究で 27 億年前
の黒色頁岩に硫化鉱物(greigite: Fe3S4;
pyrrhotite: Fe7S8)のノジュールが含まれ,古地
磁気を記録していること,堆積物中でこれらが
成長したことがわかってきました.これらのノジ
ュールの硫化鉱物は,鉄と硫黄のほかにニッケ
ルやコバルトを含み,初期地球の表層環境を知
る上で重要です.また 36 億年前のチャートから
地球史上最古の地球磁場逆転の記録が発見さ
れました.これは地球磁場が 35 億年前にも逆転
を起こしていたことを明らかにするとともに,当時すでにダイナモ駆動が起きていた可
能性を強く示唆します.これらの成果は地球生命の誕生・進化のシナリオを大きく塗り
替える可能性があり,古地磁気学・岩石磁気学・地球化学の視点から研究を進めて
いきます.どうぞ宜しくお願いします。
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
【論文リスト】
新妻祥子,グレガイト(Fe3S4)を含む北部フォッサ・マグナ高府泥岩の化学残留磁化,
堆積学研究(投稿中).
Niitsuma,S., N.Niitsuma and K.Saito, 2003, Evolution of the Komiji Syncline
in the North Fossa Magna, central Japan: Paleomagnetic and K-Ar age
insights, The Island Arc, vol.12, Issue 3, 310-323.
Shipboard Scientific Party, 2003, D Hondt, S. L., Jorgensen, B. B. and Miller,
J. (Eds.), Proceedings of the Ocean Drilling Program, Initial Reports, vol.
201.
(その他、以下をご参照下さい)
http://sacchin9.hp.infoseek.co.jp/info/publication.html
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
宮崎 和幸(みやざき かずゆき)
日本学術振興会特別研究員(DC1)
所属:東北大学大学院理学研究科
地球物理学専攻 博士後期課程2年
(当COEでは 流体地球・惑星圏研究グループ
(気候変動ダイナミクス))
所属学会:日本気象学会
真鍋淑郎先生(プリンストン大学
客員教授、写真左)と本人(同右)
【研究の紹介】
地球環境の診断と予測のために、気象庁気象研究所と共同で成層圏オゾン実況監
視システムの開発に取り組んでいます。成層圏オゾンは、放射・力学・化学過程と複
雑に関連し合い、大気の構造に影響を及ぼす重要な物質であると考えられています。
成層圏実況監視システムは、全球の気象を計算する大気大循環モデルと、大気微量
成分の化学反応と大気輸送の効果を計算する3次元化学輸送モデルの結合モデル
として構成されます(図1を参照)。私の研究では、結合モデルとデータ同化手法を組
み合わせ、過去数10年の日々のグローバルなオゾン分布を再現し、その変動機構
を解明することを目的としています。
オゾン分布の変動機構の中でも、大気波動活動と関連したオゾンの輸送特性に着
目し、波動平均流相互作用の観点からオゾン分布の季節変化および年々変動を理
解することを目指しています。解析には、我々が提案している物質の子午面での輸送
特性を診断する新しい手法(等温位面での質量重み付き帯状平均に基づく子午面オ
ゾン輸送特性診断ツール)を用いています。子午面での物質の輸送特性は、平均子
午面循環による平均流輸送と渦輸送とに分けて考えられますが、従来の解析手法で
は渦輸送の表現に問題を抱えていました。我々の解析では、平均流輸送に加えて渦
輸送の効果を厳密且つ容易に評価することが可能となり、その結果、オゾンのライフ
サイクルにおいて平均流だけではなく渦輸送も重要な働きをしていることが解りました。
図2には、北半球の冬季におけるオゾンライフサイクルの概念図を示します。大まか
に、成層圏ではプラネタリー波活動に、対流圏では傾圧不安定波の活動に関連して、
平均流だけではなく渦輸送もオゾン分布に重要な影響を与えることを示しています。
今後は、モデルの向上を通してオゾン分布の再現性を高め、北極振動や QBO などに
関連する波動活動の年々変動に伴うオゾン輸送特性の変化や、極渦における詳細な
オゾン輸送特性など、様々な時空間スケールにおけるオゾン分布の変動機構の理解
を目指します。
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
図1.成層圏オゾン実況監視システム
大 気 大 循 環 モ デ ル ( GCM ) と 3 次 元 化 学 輸 送 モ デ ル
(CTM)の結合モデルとして構成される。成層圏中の大気
微量成分の化学反応と輸送の効果を計算し、オゾン分布
を再現する。過去の大気場を再現するために、客観解析
データを大気大循環モデルに同化する。
図2.オゾンライフサイクルの概念図
実線(緑色)は平均流による輸送、波線(青色)は渦輸送、色
付きの領域は化学過程による生成域(source)・消滅域(sink)
を示す。横軸は緯度、縦軸は気圧(hPa)。
∼ 東北大学 21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究員紹介 ∼
【主な論文】
Miyazaki, K., and T. Iwasaki, Diagnosis of meridional ozone transport based
on mass weighted isentropic zonal means, submitted to J. Atmos.Sci.
Miyazaki, K., and T. Iwasaki, Seasonal variation of meridional ozone
transport in the troposphere and stratosphere based on isentropic
representation, to be submitted.
Tanaka, D., T. Iwasaki, S. Uno, M. Ujiie and K. Miyazaki, Eliassen-Palm flux
diagnosis based on isentropic representation, accepted by J. Atmos.Sci.
Ⅲ. 教育支援
特待大学院生(SDC)プログラム
平成 15 年度 選考過程と結果
本COE拠点を構成する部局に所属する,大学院博士課程後期1年から3年の大学院生を対象として公募を行
い,その結果,25名の応募がありました.応募者を
(1)研究の意義と重要性,
(2)英文論文の発表実績,
(3)国際学会における発表の実績,
(4)研究の目的が本COEの方向性と合致するか,
(5)将来的に研究リーダーとして活躍が期待できるか,
の5つの基準に則り厳正に審査した結果,以下の6名の方々を特待大学院生(SDC)として選考するに至り
11月1日付で発令しました.(順不同,敬称略)
浅海竜司 (地学専攻 博士課程後期3年),
内田直希 (地球物理学専攻 博士課程後期3年),
長谷川拓也 (地球物理学専攻 博士課程後期3年),
横尾亮彦 (地学専攻 博士課程後期2年),
新堀淳樹 (地球物理学専攻 博士課程後期1年),
武藤潤 (地学専攻 博士課程後期1年)
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
∼
浅海竜司
所 属 専 攻
地学専攻
指導教官名
井龍康文 助教授 ・ 山田 努 助手
研究グループ名
流体地球・惑星圏研究グループ(気候変動ダイナミクス)
研究活動報告
グアム島のサンゴ骨格の炭素・酸素同位体比・金属元素から過去 200 年間の西太平洋海洋環境
変動を高分解能で復元する研究に取り組んだ.この研究の成果は、国内外の学会で発表し、国
内・国際学術雑誌に投稿した(下記参照).
学会発表リスト
1.
浅海竜司・山田努・井龍康文:グアム島のサンゴ骨格記録に基づいた過去 200 年間の海洋環境復元,
日本地球化学会,倉敷作陽大,2003 年 9 月(既発表).
2.
R. Asami, T. Yamada and Y. Iryu: Interannual and decadal variability of sea surface condition recorded in
Guam coral for the years 1787-2000, 13th Annual V. M. Goldschmidt Conference, Kurashiki, JAPAN,
Sep. 2003 (Grant Application採択・既発表).
3.
浅海竜司:サンゴ骨格から読み取る古環境変動—グアム島のサンゴを中心にしてー,IODP/ICDP掘削
プロジェクト公開シンポジウム,海洋科学技術センター,2004 年 1 月.
4.
R. Asami, T. Yamada, Y. Iryu, and T. M. Quinn: A coral-based reconstruction of paleoceanographic
changes in the western Pacific for the last 2 centuries, International Review Meeting on the Northern
Environmental change Research Project, Sendai, JAPAN, Mar. 2004 (既発表・The Best Poster Award受
賞).
5.
R. Asami, T. Yamada, Y. Iryu, T. M. Quinn, C. P. Meyer and G. Paulay: Interannual and decadal
variability of the western Pacific sea surface condition for the last two centuries: Reconstruction based on
oxygen isotope records from a Guam coral, 10th International Coral Reef Symposium, Okinawa, JAPAN,
Jun. 2004 (Grant LOCAP採択).
論文リスト
1.
R. Asami, T. Yamada, and Y. Iryu: Interannual and decadal variability of sea surface condition
recorded in Guam coral for the years 1787-2000, Geochim. Cosmochim. Acta, Suppl. 1, vol. 67, 18,
A27.
2.
浅海竜司・山田 努・井龍康文:サンゴ骨格のMg/Ca比,Sr/Ca比を用いた古水温復元法の現状と
問題点,第四紀研究,(受理済).
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
∼
内 田 直 希
所 属 専 攻
地球物理学専攻
指導教官名
長谷川 昭 教授
研究グループ名
固体地球研究グループ
研究活動報告
プレート間すべりの時間発展の追跡と非地震性すべり領域の検出のため,相似地震を用いた解析
を行い,成果を国内外の学会で発表した.また,博士論文「相似地震を用いた東北日本沈み込み
プレート境界での準静的すべりの推定」を提出した.
学会発表リスト
1.
Naoki Uchida, Akira Hasegawa, Toru Matsuzawa, and Toshihiro Igarashi, Spatio-temporal distribution of
interplate quasi-static slips east off northern Honshu, Japan, in the last 20 years, International Symposium
on Slow Slip Events at Plate Subduction Zones, Symposion Hall, Nagoya University, Japan, March 2004
2.
内田直希・長谷川昭・松澤暢・五十嵐俊博,小繰り返し地震から推定されたプレート境界の準静的すべ
り,21 世紀COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」研究集会 「地震発生帯での岩石−水
相互作用」,宮城県 東北大学環境科学研究科 本館 講義室,2004 年 3 月
3.
Naoki Uchida, Akira Hasegawa, Toru Matsuzawa, and Toshihiro Igarashi, Estimation of quasi-static slip
by small repeating earthquakes in the Northeastern Japan subduction zone: Temporal change and its
influence on the rupture of asperities, International Review Meeting on the Northern Environmental
Change Research Project, Sendai International Center, Sendai, Japan, March 2004
4.
内田直希・松澤暢・五十嵐俊博・長谷川昭,東北日本沈み込みプレート境界における準静的すべりの
時間変化とアスペリティの破壊,21 世紀COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」地震・火山
グループ研究集会,宮城県薬師の湯,2004 年 2 月
5.
Naoki Uchida,Toru Matsuzawa, Toshihiro Igarashi, and Akira Hasegawa , Relationship Between
Quasi-static Slips and Rupture of Asperities in the Northeastern Japan Subduction Zone: Insights From
Small Repeating Earthquake Data Analyses, AGU 2003 Fall Meeting, San Francisco, California,
December 2003
6.
内田直希・長谷川昭・松澤暢・五十嵐俊博,相似地震解析による宮城県沖地震アスペリティ周辺の準静
的すべり,2003 年日本地震学会秋季大会,京都市 国立京都国際会館アネックスホ−ル,2003 年 10
月
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
7.
∼
Naoki Uchida,Toru Matsuzawa, Toshihiro Igarashi, and Akira Hasegawa, FLUCTUATION OF
RECURRENCE INTERVALS OF 'CHARACTERISTIC EARTHQUAKE' SEQUENCE OFF KAMAISHI,
NE
JAPAN
-
IS IT CAUSED
BY SLIP RATE
CHANGE IN
THE
SURROUNDING
QUASI-STATICALLY SLIPPING AREA?, IUGG 2003, Sapporo, June 2003
8.
内田直希・松澤暢・五十嵐俊博・長谷川昭,繰り返し地震から推定された準静的すべりの時間変化とア
スペリティの破壊,2003 年球惑星科学関連学会,J063,千葉県幕張メッセ国際会議場 ,2003 年 5 月
論文リスト
1.
Naoki Uchida, Toru Matsuzawa, Toshihiro Igarashi and Akira Hasegawa, Interplate quasi-static slip off
Sanriku,
NE
Japan,
estimated
from
repeating
earthquakes,
Geophys.
Res.
Lett.,
30,
10.1029/2003GL017452, 2003.
2.
Naoki Uchida, Toshihiro Igarashi, Toru Matsuzawa, and Akira Hasegawa, Interplate quasi-static slip
estimated from repeating earthquake analyses in the Northeastern Japan subduction zone, Tohoku Geophys.
Journ., 36, 531-534, 2003.(Extended abstract)
3.
松澤暢・内田直希, 地震観測から見た東北地方太平洋下における津波地震発生の可能性, 月刊地球,
No.25, 368-373, 2003
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
∼
長谷川 拓也
所 属 専 攻
地球物理学専攻
指導教官名
花輪公雄 教授
研究グループ名
流体地球・惑星圏研究グループ:気候変動ダイナミクス
研究活動報告
在任期間中、太平洋における気候変動に関して研究を行い、それらをまとめて学会発表および
国際誌への投稿を行った。
まず、北太平洋における海洋表層貯熱量(以下、OHC)偏差場を主体とした解析により、この
領域において周期 30 年程度で OHC 偏差が時計回りの伝播をしていることを明らかにした。さら
に、この変動と黒潮流量、北太平洋亜熱帯モード水のコア水温、アリューシャン低気圧および海
面水温などが密接に関係することを見出した。上記の結果を国際誌へ投稿した(論文リスト①)
また、エルニーニョに関係して、北太平洋亜熱帯域において、OHC、海面水温、海面気圧、海
面風応力が関係して、この領域における OHC 偏差の強化を導くことを示す結果が得られた。さ
らに、これらの変動の 10 年スケールの変調に関して新たな知見を得ることができた。これらの結
果を日本海洋学会で発表し(学会発表リスト①)、さらに国際誌へ投稿した(論文リスト②)
さらに、10 年スケールの変動に関しては、エルニーニョと似た OHC 偏差の伝播特性や赤道域
の OHC 偏差と海面水温との関係が見られたことを見出した.これらの成果を国際会議において
発表するとともに、海外の研究者と有意義な議論を行うことができた(学会発表リスト②および
③)。
学会発表リスト
1.
長谷川拓也・花輪公雄: 西部熱帯太平洋におけるENSO と関係した海洋表層貯熱量と大気場の関係
―経年∼10 年スケール変動に着目して―. 日本海洋学会. つくば市, 2004 年 3 月.
2.
Hasegawa, T. and K. Hanawa 2004: Decadal scale variability of upper ocean heat content in the tropical
Pacific and its comparison with ENSO scale variability.NASA-CRCES-IPRC Workshop on Decadal
Climate Variability, Hawaii, USA.
3.
Hasegawa, T. and K. Hanawa 2004: Decadal scale variability of upper ocean heat content in the tropical
Pacific and its comparison with ENSO scale variability. International Review Meeting on the Northern
Environmental Change Research Project, Sendai.
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
∼
横尾 亮彦
所 属 専 攻
地学専攻
指導教官名
谷口 宏充 教授
研究グループ名
地震火山ダイナミクス研究サブグループ
研究活動報告
火山性圧力波発生機構の理解に向けた予備実験を行い,火山爆発が水底で起きた場合の爆発
源周囲の変動状況を理解した.また,噴火映像解析のプログラムを作成し,阿蘇山 1989 年噴火に
おいて連続的に圧力波放出が発生していた事実を明らかにした.
学会発表リスト
1.
Yokoo A., Ichihara M., Goto A., Oshima H., Aoyama H., Maekawa T., and Taniguchi H. (2003)
Underwater Explosion Experiments for Submarine Explosive Eruption. IUGG, XXIII General
Assembly, Sapporo, Japan.
2.
Yokoo A. and Taniguchi T. (2003) Numerical simulation of flashing arc and determination of
explosion energy and depth. Cities on Volcanoes 3, Hawai'i U.S.A.
3.
横尾亮彦・市原美恵・谷口宏充 (2003) 伊豆大島 1986 年噴火の光環現象発生源について. 科学
研究費特定領域研究「火山爆発のダイナミックス」シンポジウム(東京).
4.
横尾亮彦・市原美恵・谷口宏充・池辺伸一郎 (2003) 火山性圧力波の可視映像. 地球惑星関連学
会 2003 年合同大会(幕張).
5.
横尾亮彦・前野 深 (2003) 鳥海火山猿穴溶岩流における二次爆発の痕跡. 地球惑星関連学会
2003 年合同大会(幕張).
6.
横尾亮彦・斎藤 務・市原美恵・高山和喜 (2003) 地形を考慮した 3 次元爆発波伝播の数値計算に
よる伊豆大島 1986 年光環現象の解析. 地球惑星関連学会 2003 年合同大会(幕張).
7.
谷口宏充・後藤章夫・市原美恵・横尾亮彦 (2003) 火山探査移動観測ステーション MOVE の開発
について. 地球惑星関連学会 2003 年合同大会(幕張).
8.
山下宙也・横尾亮彦・市原美恵・斎藤 務・高山和喜 (2004) 火山噴火時に発生する光環現象の数
値模擬. 平成 15 年度衝撃波シンポジウム(千葉)
論文リスト
1.
横尾亮彦・市原美恵・谷口宏充 光環現象の数値模擬と伊豆大島 1986 年噴火. 火山, 査読中.
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
新 堀
∼
淳 樹
所 属 専 攻
地球物理学専攻
指導教官名
小野高幸 教授
研究グループ名
太陽地球系ダイナミクス
研究活動報告
本研究では、SC 並びにその後の磁気嵐に伴う内部磁気圏・プラズマ圏に生起しているプラズマ波
動、電磁場の変動を明らかにする目的としてあけぼの衛星観測データと柿岡地磁気観測所による
1 秒値を合わせた解析を行った。その結果、1989 年 1 月から 2002 年 12 月までの約 14 年間にお
いて見いだされた 2803 例の SC について解析した結果、広範なプラズマ圏内において、これらの
SC に伴い、極めて良い対応を持って ULF-VLF 帯プラズマ波動が励起されると共に電場の振幅が
数 mV/m から数十 mV/m にまで及ぶという通常のプラズマ圏内では観測されない大電場の変動が
示された。この電場の初動の方向は、主に時計回りで、プラズマが地球方向へドリフトしてゆく方向
であることも判明し、この事実は、プラズマ圏内で SC に伴って励起されるプラズマ波動の励起には、
この大電場が深く関わっていることを物語っている。これらの結果を札幌とサンフランシスコで開か
れた国際会議で口頭発表し、その成果をまとめで学術雑誌論文(JGR、EPS)に投稿し、受理され
た。
学会発表リスト
(国内学会)
1.
新堀 淳樹, 小野 高幸, 飯島 雅英, 熊本 篤志, 大家 寛, SCに伴うプラズマ圏内におけるプラズマ波
動、場の変動現象について, 地球惑星圏関連学会 2003 年合同大会, 幕張メッセ国際会議場, 2003 年 5
月 29 日
2.
新堀 淳樹, 小野 高幸, SC・磁気嵐に伴うプラズマ圏内のプラズマ波動、場の変動現象について, 内部
磁気圏分科会, 幕張メッセ国際会議場, 2003 年 5 月 29 日
3.
新堀 淳樹, 小野 高幸, 磁気急始(SC)に伴うプラズマ波動、場の変動現象について, プラズマ圏・内部
磁気圏研究集会, 通信総合研究所, 2003 年 8 月 21 日
4.
新堀 淳樹, 小野 高幸, 飯島 雅英, 熊本 篤志, 大家 寛, SCに伴うプラズマ圏内のプラズマ波動、場
の変動特性について, 第 114 回地球電磁気・地球惑星圏学会講演会, 富山, 2003 年 10 月 31 日-11 月
03 日
5.
新堀 淳樹, 小野 高幸, 飯島 雅英, 熊本 篤志, 大家 寛,あけぼの衛星によって観測されるプラズマ
圏磁気赤道域付近の静電的電子サイクロトロン高調波の出現特性について, 第 8 回波動分科会, 京都,
2004 年 1 月 28 日-1 月 29 日
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
武 藤
∼
潤
所 属 専 攻
地学専攻
指導教官名
長濱裕幸 助教授
研究グループ名
地震火山ダイナミクス研究サブグループ
研究活動報告
塑性変形岩の誘電率異方性を測定し,微分幾何学の知識を用い,塑性変形による岩石の誘電特
性変化を定式化した.この研究成果は学術雑誌 Phys. Earth Planet. Inter.および地震・火山グルー
プ研究集会において発表した.塑性変形した石英のカソードルミネッセンス,赤外分光測定を行い,
塑性変形岩中での水の分布を明らかにした.また,加水軟化によって石英の c 軸ファブリック転移
が引き起こされる可能性を指摘した.これらの研究成果は,国際図書( Microstructural Evolution
and Physical Properties in High-Strain Zones),3 度の国際学会(EGS- AGU-EGU Joint Assembly
2003, IUGG 2003, APHYS 2003)および日本地質学会第 110 年学術大会で発表した.さらに,現在
学術雑誌 J. Microscopy に投稿,修正中である.塑性変形による鉱物定向配列の発達を,微形連
続体理論を用いて定式化し,地殻・マントル中での地震波速度異方性について論じた.この研究成
果は,国際図書(Earthquake Source Asymmetry, Structural Media and Rotation Effects)で発表し
た.Pin-on-disk 法を用いた天然水晶の摩擦帯電発光実験を行い,地震発光現象との関係を論じ
た.この研究成果は,学習院大学理学部荒川一郎教授,三浦崇助手とともに日本物理学会第 59
年次大会において発表した.
学会発表リスト
1.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama & Tetsuo Hashimoto: Fabric Transitions of Quartz c-axis Induced by
Hydrogen Defects. EGS-AGU-EGU Joint Assembly, Nice, France, 6-11 April, 2003.
2.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama & Tetsuo Hashimoto: Fabric Transitions of Quartz c-axis: Influence of
Hydrogen Defects. 2003, IUGG Joint Assembly 2003, Sapporo, Japan, 30 June -11 July, 2003.
3.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama & Tetsuo Hashimoto: New Micro-IR Spectroscopic Mapping: Application
to Natural Quartz. 2003, 1st International Meeting on Applied Physics (APHYS-2003), Badajoz, Spain,
13-18 October, 2003.
4.
武藤潤・長濱裕幸・橋本哲夫:カソードルミネッセンス・顕微赤外分光観察:再結晶石英中の水素欠陥マ
ッピング,日本地質学会第 110 年学術大会(静岡),2003 年 9 月 19 日∼9 月 21 日.
5.
武藤潤・長濱裕幸:地殻の誘電率異方性と変形:物理相互作用場理論によるアプローチ,21 世紀 COE
「先端地球科学技術による地球の未来像創出」地震・火山グループ研究集会,マントルウエッジ・地殻
内における流体の移動とその役割,2004 年 2 月 23 日∼24 日.
∼SDC 平成 15 年度 研究活動報告書
6.
∼
荒川一郎・三浦崇・橋本麻衣・平出高平・長濱裕幸・武藤潤・小木曽俊輔:Pin-on-disk 法による天然水
晶の摩擦帯電と発光の研究.日本物理学会第 59 年次大会(九州・箱崎),2004 年 3 月 28 日.
論文リスト
1.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama: Dielectric anisotropy and deformation of crustal rocks: physical
interaction theory and dielectric mylonites. Phys. Earth Planet. Inter., 141, 27-35 (2004).
2.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama & Tetsuo Hashimoto: Fabric Transitions of Quartz c-axis Induced by
Hydrogen Defects. Geophys. Res. Abst., 5, EAE03-A-08040 (2003).
3.
Jun Muto, Yusuke Kawada & Hiroyuki Nagahama: Micromorphic Continuum with Defects and
Taylor-Bishop-Hill Theory for Polycrystals: Anisotropic Propagation of Seismic Waves and Golebiewska
Gauge. In Teisseyre, R., Takeo, M. & Majewski, E. (eds.) Earthquake Source Asymmetry, Structural Media
and Rotation Effects (accepted in 2003).
4.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama & Tetsuo Hashimoto: Hydrogen Distributions in Dynamically
Recrystallized Quartz Grains: Cathodoluminescence and Micro-Infrared Spectroscopic Mappings. In
Burlini L. & Bruhn D. (eds.) Microstructural Evolution and Physical Properties in High-Strain Zones,
Geological Society of London special publication (accepted in 2004).
5.
Jun Muto, Hiroyuki Nagahama & Tetsuo Hashimoto: Micro-IR spectroscopic mapping and
cathodoluminescence observation: Application to hydrogen determination in natural deformed quartz. J.
Microscopy (submitted).
リサーチアシスタント(RA)プログラム
平成 15 年度 選考過程と結果
本COE拠点を構成する部局に所属する,大学院博士課程後期1年から3年の大学院生を対象として公募しま
した.選考の結果,本COEのプロジェクトメンバーの研究を支援していただくリサーチアシスタント(RA)として,
次の53名の方(順不同,学年・敬称略)の採用を決定し,さる11月1日付で発令しました.
<地学専攻>
小松一生, 岩下智洋, 山本俊一郎, 前野深, 後藤晶子, 酒井孝幸, 小田原啓,
宮城康夫, 永関浩樹, 高橋信人, 星野忠祐, 大賀博道, 菅原大助, 長嶋剣,
佐々木一弘, 蘇徳斯琴, 遠藤尚, A. B. M. Kamal Pasha, 古田智弘, 熱田真一,
水本匡起, Ali Mahmoud Fussain, 鹿納晴尚, 佐久間博, 大金薫, 武田浩太郎,
山田亮一
<地球物理学専攻>
石島健太郎, 吉田幸生, 渡邊拓男, 佐藤佳奈子, 矢吹崇, 中岡慎一郎, 鍵谷将人,
鈴木克, 張霞, 西澤智明, 八代尚, 堀井孝憲, 高橋努, 佐藤凡子, 佐藤光輝,
山脇輝夫, 高橋幸祐, 吉田純, 細谷亮, 島田照久
<環境科学専攻>
鹿琪, 林宏飛, 浜崎考, 根本克己, 吉田敬
<土木工学専攻>
鴫原良典
大学院生 国際学会参加支援プログラム
博士課程後期の大学院生が国際学会で研究発表することを奨励するために,以下の通り,支援プログラムを実施し
た。
支援の対象と内容
大学院博士課程後期に在籍し,東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創
出」のプロジェクトメンバー(事業推進担当者 および 同協力者)の指導下にある大学院生が,海外で開催され
る国際学会へ参加し研究発表を行う場合の旅費(の一部)を支援します.
申請者が発表論文の筆頭著者である場合に限ります.研究生および学術振興会特別研究員は本経費の支給
対象とはなりません.また,科研費や他の資金による支援が見込まれる方は,本経費への申請はご遠慮くださ
い.また,本旅費支援は院生一人あたり一年度に一回と限らせていただきます.
申請方法
事前申請が必要です.当該国際学会へ発表論文の投稿が済んだ時点で,指導教官の了解の下,遅くとも当該
学会開催の 60 日以上前に手続きして下さい.
申請は,当 COE 事務室(熊谷志津子)宛のメールで行って頂きます.所定のファイル 院生国際学会旅費支援
申請(MS Excel 形式)に記入し,発表論文のコピー(PDF ファイル形式)と共にメールの添付ファイルとして送
付して下さい.メールの件名は「COE 院生国際学会旅費支援申請:(申請者氏名)」として下さい.本文には何
も記述しなくて結構です.
『旅費概算』欄には,積算根拠 をもとに積算した金額を,また『航空運賃(飛行機代)』欄には最も低廉な料金
を記載してください.
書類の送付先
〒980-8578 東北大学 大学院理学研究科 内
21 世紀 COE「地球科学」事務室 熊谷志津子宛
E-mail: [email protected]
TEL. 022-217-6668
審査について
本 COE の教育運営委員会が,申請書類にもとづき,随時,選考します.旅費の支援は申請額の一部となる可
能性があります.
採択後の提出物
航空機を利用する場合は,採択後に航空運賃の見積もりを COE「地球科学」事務室あてに送付していただきま
す.これは,支給金額を最終的に決定するために必要です.
発表論文のコピー,および,発表が掲載されているプログラムのページのコピーを PDF ファイル形式で COE
「地球科学」事務室あてに送付していただきます.送付の際は,発表者の学籍番号と氏名に 学会発表予稿 と
いう文字をそのままつなげたものをファイル名として下さい.(例: "AxxDxxxx 山田太郎学会発表予稿.pdf")
問い合わせ先
本支援プログラムに関するお問い合わせは,以下までメールでお願いします.
東北大学 大学院理学研究科 地学専攻 吉田武義
E-mail: [email protected]
東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻 佐藤春夫
E-mail: [email protected]
大学院生学会参加旅費支援申請者リスト
1
氏名
専攻
指導教官
発表演題
武藤 潤
地学
長濱 裕幸
Muto, J., Nagahama, H. & Hashimoto, T. New micro-IR spectroscopic mapping: Application to natural quartz
Muto Jun
(顕微赤外分光マッピング法の開発:天然石英への応用)
First International Meeting on Applied Physics(APHYS-2003), Spain,Badajoz, 10/2003
2
永関 浩樹
地学
林 謙一郎
Nagaseki, H., and Hayashi, K., An experimental investigation of the effect of CO2 on NaCl solubility in hydrothermal
solutions using synthetic fluid inclusions (人工硫体包有物を用いた、熱水への NaCl 溶解度に対する
Nagaseki Hiroki
CO2 の効果に関する実験的研究)GSA Annual Meeting, USA, Seattle, 11/2003
3
平尾 直久
地学
大谷 栄治
Hirao Naohisa
Hirao,N., Ohtani, E.,Kondo, T.,Kikegawa, T., Equation of state of iron-silicon alloys to megabar pressure:
Implication for the Earth's core(メガバール領域までの鉄ーシリコン合金の状態方程式:地球核への応用)
AGU Fall Meeting, USA, San Francisco, 12/2003
4
川添 貴章
地学
大谷 栄治
Kawazoe, T., and E. Ohtani, Reaction between Liquid Iron and Mg-perovskite
(熔融金属鉄と Mg−ぺロブスカイトの反応)
Kawazoe Takaaki
AGU Fall Meeting, USA, San Francisco, 12/2003
5
佐久間 博
地学
大槻憲四郎
Sakuma H., T. Tsuchiya, K. Kawamura, and K. Otsuki, Mobility of water molecules on
surfaces by ab initio potential energy surface and molecular
Sakuma Hiroshi
brucite and talc
dynamics simulations
(第一原理電子状態計算によるポテンシャル曲面と分子動力学計算から得られるブルーサイト、タルク表面での水分子の挙動)AGU Fall
Meeting, San Francisco, CA, 12/2003
6
高橋 努
地球物理
佐藤 春夫
Quaternary Volcanoes in Northeastern Japan Revealed from S-wave Envelope Analysis
Takahashi
(S 波エンベロープ解析から推定された東北日本第四紀火山群間に存在する高周波数地震波の透過経路)
Tsutomu
7
山田 亮一
Takahashi, T., H. Sato, T. Nishimura, and K. Obara, Transparent Paths between
AGU Fall Meeting, U.S.A., San Francisco, 12/2003
地学
吉田 武義
Ryoichi Yamada and Takeyoshi Yoshida, Transition from back arc rifting to oceanic arc
Yamada
associated Kuroko formation in late Cenozoic, NE Honshu, Japan
Ryoichi
( 黒鉱鉱床形成に関連した背弧海盆の拡大から島弧への転換、東北本州弧後期新生代の事例)
AGU 2004 Fall Meeting, USA, Sanfrancisco, 12/2003
8
アリ・フセイン
地学
海保 邦夫
Hussain, A.M., K.Kaiho, and M.A.Lamolda, Extinction and survivorship patterns
Ali Mahmoud
of benthic foraminifera across the Paleocene/Eocene boundary at Caravaca core section, SE Spain
Hussain Sayid
(スペイン南東部カラバカの掘削コアにおける曉新世/始新世境界の底生有孔虫の絶滅と生き残りパターン)
Climate and biota of the early Paleogene: Fifth international conference on global events and reorganzation of the biosphere in the
Paleocene-Eocene transition, Egypt, Luxor, 01/2004
Sato,K.and K.hanawa, Temporal variations of North Pacific Tropical Water observed in the 137E repeat section and their relation to atmospheric
9
佐藤 佳奈子
Sato Kanako
地球物理
花輪 公雄
circulation field
(東経 137 度定線観測における北太平洋回帰線水の時間変化およびそれらと大気循環場との関係)
NASA-CRCES-IPRC Workshop on Decadal Climate Variability, the United States of America, Kona,02/2004
大学院生 海外長期滞在旅費支援プログラム
博士課程後期の大学院生が海外で長期にわたり研究を行うことを奨励するため,以下の通り,支援プログラム
を実施した。
支援の対象と内容
大学院博士課程後期に在籍し,東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創
出」のプロジェクトメンバー(事業推進担当者 および 同協力者)の指導下にある大学院生が,海外で長期に
わたり研究を行う際の旅費の一部を支援するものです.
研究生および学術振興会特別研究員は本経費の支給対象とはなりません.また,科研費や他の資金による
支援が見込まれる方は,本経費への申請はご遠慮ください.
申請方法
事前申請が必要です.遅くとも当該出張出発の 60 日以上前に手続きを行って下さい.
所定のファイル 院生海外滞在旅費支援申請(MS Excel 形式)に記入し,下に示す申請書A,Bと共に,本CO
E事務室(熊谷志津子) 宛にメール添付ファイルとして送付して下さい(添付ファイルは3つ).メールの件名は
「COE 院生海外滞在旅費支援申請:(申請者氏名)」として下さい.メールの本文には何も記述しなくて結構で
す.
・ 申請書A: 以下の内容をA4版1頁以内にまとめ,PDF 形式に変換したもの
1.申請日
2.学籍番号,院生氏名,E-Mail,電話番号,所属専攻名
3.指導教官名,指導教官の E-mail,電話番号,研究グループ名
4.研究を行う組織名(大学・研究所名),所在地,研究指導者氏名,職名
5.滞在中に行う研究の題名 (和英併記)
6.研究の内容 (和文)
外国で行うべき理由と,期待できる研究成果,滞在先研究者〔研究機関〕とのこれまでの研究交
流実績,どのような研究の枠組み(校費,科研費他)に属する研究なのか,本経費の支給を希望
する理由など.
7.旅行日程(年月日−年月日),交通・宿泊旅費概算〔円〕(飛行機代含),飛行機代.
・ 申請書B: 指導教官による推薦書(A4版1頁以内,形式自由)を PDF 形式に変換したもの
*『旅費概算』欄には,積算根拠 をもとに積算した金額を,また『航空運賃(飛行機代)』欄には最も低廉な料
金を記載してください.
書類送付先
東北大学大学院理学研究科 21 世紀 COE「地球科学」事務室 熊谷志津子 宛
E-mail: [email protected] TEL 217-6668
審査について
審査は随時行います.本 COE の教育運営委員会が申請書を取りまとめ, 統括室において決定いたします.
採択後の提出物
航空機を使用する場合は,採択後に航空運賃見積もりを COE「地球科学」事務室あてに送付していただきます.
これは,支給金額を最終的に決定するために必要です.
帰国後,研究報告書(英文,A4版一枚〕を提出していただきます.院生の氏名と学籍番号に 長期滞在研究報
告 という文字をそのままつなげたものをファイル名とし,MS-Word 形式のファイルでお送りください(例:
"AxxDxxxx 山田太郎長期滞在研究報告.doc").
問い合わせ先: 本支援プログラムに関する問い合わせは,以下までメールでお願いします.
東北大学・大学院理学研究科・地学専攻 吉田武義
E-mail: [email protected]
東北大学・大学院理学研究科・地球物理学専攻 佐藤春夫
E-mail: [email protected]
大学院生 インターンシップ研修制度
東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」(通称 地球科学 )の発足に
あたり,地球物理学専攻と地学専攻では,以下の通り平成 16 年度からインターンシップ研修制度を発足させま
す.
制度の概要
大学院博士課程前期,後期の学生を対象とし,単位数2単位の選択科目として各々『インターンシップ研修』,
『インターンシップ特別研修』を設けます.
国内外の大学や研究所あるいはそれらに準ずる機関で,かつ当専攻の教務委員会が認定した場所において,
本学内では実現不可能な実験や観測を含む研究とそれに関わる実習を適切な指導者のもとで行うことを目的
とし,一定期間(二週間以上)研修を受ける場合,事前の申請に基づく審査により,これを上記の単位として認
めます.観測や野外調査等も対象となります.
事前の申請手続きおよび単位認定は,いずれも当該大学院生の指導教官が行います.
詳しくは,平成 16 年度の学生便覧を参照してください.
大学院生 単位相互履修制度
東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」(通称 地球科学 )では,以
下の通り平成 16 年度から関係専攻間で大学院の単位の相互履修を可能とする制度を発足させます.
制度の概要
東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」(通称 地球科学 )を構成す
る3専攻(理学研究科 地学専攻,同 地球物理学専攻,環境科学研究科 環境科学専攻)の間で,互いの専
門科目(環境科学専攻の専門基盤科目と学際基盤科目を含む)を所属専攻の関連科目として認める制度で
す.
<地球物理学専攻に属する大学院博士課程前期の学生の場合>
地学専攻の専門科目および環境科学研究科の専門基盤科目と専門科目を関連科目として履修できます.
<地球物理学専攻に属する大学院博士課程後期の学生の場合>
地学専攻の専門科目および環境科学研究科の学際基盤科目を関連科目として履修できます.
<地学専攻に属する大学院博士課程前期の学生の場合>
地球物理学専攻の専門科目および環境科学研究科の専門基盤科目と専門科目を,関連科目として履修でき
ます.
<地学専攻に属する大学院博士課程後期の学生の場合>
地球物理学専攻の専門科目および環境科学研究科の学際基盤科目を,関連科目として履修できます.
<環境科学専攻に属する大学院博士課程前期の学生の場合>
地球物理学専攻の専門科目および地学専攻の専門科目を,関連科目として履修できます.
<環境科学専攻に属する大学院博士課程後期の学生の場合>
地球物理学専攻の専門科目および地学専攻の専門科目を,関連科目として履修できます.
上記の科目については,個々に関連科目として認定を受ける必要がなくなります.
(これら以外の科目については,従来通り,各研究科委員会の承認が必要です)
詳しくは,平成 16 年度の学生便覧を参照してください.
平成 15 年度 COE 地球科学主催セミナーリスト
List of COE Seminars (for the financial year of 2003)
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
平成 15 年 9 月 16 日
マーチン・ビザーロ博士
Sep 16, 2003
Dr. Martine Bizzaro
平成 15 年 12 月 1 日
フェルナンダ・サオサバ博士
ブラジル国立宇宙科学研究所
スプライトの発生メカニズム − 雷放電及び大気との関係
Dec 1, 2003
Dr. Fernanda de Sao Sabbas
Tavares
Instituto Nacional de Pesquisas Espaciais. Aeronomy
Division (Brazil)
Sprites Generation Mechanism: Relationship With the
Lightning Source and Atmospheric Characteristics
平成 15 年 12 月 17 日
玉生(富樫)茂子 博士
連携併任教授・産業技術総合研究所
地殻の平均化学組成を求める
Dec 17, 2003
Dr. Shigeko Tamanyu
平成 16 年 1 月 14 日
岡田 義光 氏
Jan 14, 2004
Dr. Yoshimitsu Okada
National Research Institute for Earth Science and
Disaster Prevention (NIED)
平成 16 年 2 月 13 日
ファルコ・ランゲンホースト氏
バイロイト大学(ドイツ)上級研究員
Feb 13, 2004
Dr. Falko Langenhorst
Bayerisches Geoinstitut, University of Bayreuth
(Germany)
Introduction to analytical transmission electron microscopy and
applications to Earth interior
平成 16 年 2 月 16 日
ファルコ・ランゲンホースト氏
バイロイト大学(ドイツ)上級研究員
隕石や衝撃を受けた地球の岩石中の高圧鉱物
Feb 16, 2004
Dr. Falko Langenhorst
High-pressure minerals in shocked meteorites and terrestrial impact rocks
: New insights from transmission electron microscopy
平成 16 年 2 月 26 日
西澤 修 氏
Feb 26, 2004
Dr. Osamu Nishizawa
Bayerisches Geoinstitut, University of Bayreuth
(Germany)
地学専攻地球物質科学・連携併任教授
産業技術総合研究所
National Institute of Advanced Industrial Science and
Technology
(AIST)
平成 16 年 3 月 4 日
アンドレイ・コルサコフ氏
ノボシビルスク国立大学 (ロシア)
超高圧変成岩中の離溶ラメラ
Mar 4, 2004
Dr. Andrey Korsakov
Novosibirsk State University (Russia)
Exsolution lamellae in ultrahigh pressure metamorphic rocks
1
2
3
4
5
6
7
8
コペンハーゲン大
地殻研究センター研究員
Researcher, Lithosphere Research Center,
Copenhagen University
National Institute of Advanced Industrial Science and
Technology (AIST)
地球物理学専攻、固体地球物理学講座併任教授・
防災科学技術研究所
地球及び地球外物質のマグネシウム同位体の研究
Mg Isotope Study of Terrestrial and Extraterrestrial Material
New average chemical compositions of the crust
首都圏の地震活動
Seismicity Beneath the Tokyo Metropolitan Area
分析電子顕微鏡入門と地球内部への適用
ランダム不均質媒質中を伝播する地震波の実験的研究
− 実験手法と地震学・物理探査への応用について −
Experimental study on seismic wave propagation in randam
heterogeneous media - Experimental procedure and its application to
eismology and geophysical exploration
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
平成 16 年 3 月 8 日
アンドレイ・コルサコフ氏
ノボシビルスク国立大学(ロシア)
沈み込む大陸地殻における炭酸塩メルトとダイヤモンドの生成
Mar 8, 2004
Dr. Andrey Korsakov
Novosibirsk State University (Russia)
Carbonate melts and diamond formation in subducted continental crust
平成 16 年 3 月 11 日
梅津 功 氏
日本電気(株)電波応用事業部・海洋システム部
黒潮の季節変動に及ぼす海底地形の影響
Mar 11, 2004
Dr. Isao Umetsu
NEC Corporation
Effect of bottom topography on the seasonal variation of the Kuroshio
平成 16 年 3 月 15 日
①アンドリュー・プトゥニス氏
②アレキサンダー・チェルノフ氏
①ミュンスター大学(ドイツ)鉱物学部
②NASA マーシャル宇宙センター(米国)
①多孔質体における過飽和の定義と結晶成長
②結晶形態に及ぼす拡散と界面現象
Mar 15, 2004
①Prof. Andrew Putnis
②Prof. Alexander Chernov
①Institut für Mineralogie, Universität Münster (Germany)
②NASA/George C. Marshall Space Flight Center (USA)
①Supersaturation and crystal growth in porous media
②Transport versus interfacial phenomena in crystal morphology
平成 16 年 3 月 17 日
①アンドリュー・プトゥニス氏
②アレキサンダー・チェルノフ氏
①ミュンスター大学(ドイツ)鉱物学部
②NASA マーシャル宇宙センター(米国)
①多孔質体における過飽和の定義と結晶成長(その 2)
②Q&Aコーナー 「鉱物学と結晶成長について」
Mar 17, 2004
①Prof. Andrew Putnis
②Prof. Alexander Chernov
①Institut für Mineralogie, Universität Münster (Germany)
②NASA/George C. Marshall Space Flight Center (USA)
①Supersaturation and crystal growth in porous media (Part 2)
②Q&A: "On Mineralogy and Crystal Growth"
平成 16 年 3 月 19 日
スティーブン・カービー氏
米国地質調査所
Mar 19, 2004
Dr. Stephen H. Kirby
U.S. Geological Survey
平成 16 年 3 月 22 日
アレキサンダー・チェルノフ氏
NASA マーシャル宇宙センター(米国)
今話題の結晶成長テーマ
Mar 22, 2004
Prof. Alexander Chernov
NASA/George C. Marshall Space
Flight Center (USA)
Elements of crystallization physics illustrated by proteins
平成 16 年 3 月 23 日
アンドリュー・プトゥニス氏
ミュンスター大学(ドイツ)鉱物学部
多孔質岩における過飽和の定義と結晶成長(その 3)
Mar 23, 2004
Prof. Andrew Putnis
Institut für Mineralogie, Universität Münster
(Germany)
Supersaturation and crystal growth in porous rocks (Part 3)
平成 16 年 3 月 26 日
スティーブン・カービー氏
米国地質調査所
Mar 26, 2004
Dr. Stephen H. Kirby
U.S. Geological Survey
平成 16 年 3 月 31 日
デニス・ケント氏
ラトガーズ大学、ラーモント -ドハティ地球観測所(米国)
彗星衝突による炭素同位体比とイリジウム濃度の変化
Mar 31, 2004
Prof. Dennis Kent
Rutgers University & Lamont-Doherty Earth Observatory (USA)
Scaling of Comet Impacts and Associated Carbon Isotope and Iridium
Anomalies
9
10
11
12
13
14
15
16
17
プレート沈み込みプロセスの解明 −スラブの持つ神秘性,
多様性に注目して−
講義(1)導入(プレート沈み込みプロセスの発見と最新の知見、他)
Subduction as a Global Process: Focus on the Mysteries, Trends and
Diversity of Slabs and Slab Processes.
Lecture 1: Introductory Lecture
プレート沈み込みプロセスの解明 −スラブの持つ神秘性,
多様性に注目して−
講義(2)アメリカ大陸におけるプレート沈み込みプロセス
Subduction as a Global Process: Focus on the Mysteries, Trends
and Diversity of Slabs and Slab Processes.
Lecture 2:Subduction in the Americas
平成 15 年度 COE 地球科学招聘外国人研究者リスト
List of Invited Scientists (for the financial year of 2003)
番
号
招聘研究者氏名
官職
所属機関
国名
招聘目的
招聘期間
受入教官
備 考
#
NAME
POSITION/TITLE
AFFILIATION
COUNTRY
PURPOSE
PERIOD
INVITOR
NOTE
フェルナンダ・サオサバ
研究員
ブラジル国立宇宙科学研究所
ブラジル
共同研究、セミナー開催
11/28-12/6
高橋幸弘
Fernanda de Sao Sabbas Tavares
Assitant Professor
Brazil
Joint Research; Seminar
Nov28-Dec6, 2003
Y. Takahashi
ファルコ・ランゲンホースト
上級研究員
バイロイト大学
ドイツ
共同研究、セミナー開催
2/6-2/20
大谷栄治
University of Bayreuth
Germany
Joint Research; Seminar
Feb6-Feb20, 2004
E. Ohtani
1
2
Falko Langenhorst
3
Akademischer Rat and
Oberrat
6
Espaciais
アンドレィ・V. コルサコフ
研究員
ノボシビルスク国立大学
ロシア
共同研究、セミナー開催
2/29-3/12
大谷栄治
Andrey V. Korsakov
Researcher
Novosibirsk State University
Russia
Joint Research; Seminar
Feb29-Mar12, 2004
E. Ohtani
アレキサンダー・A. チェルノフ
教 授
NASA マーシャル宇宙センター
ロシア
大学院特別講義開催
3/12-3/23
塚本 勝男
Alexander A. Chernov
Professor of Physics
Russia
Joint Research; Seminar
Mar12-Mar23, 2004
K. Tsukamoto
アンドリュー・プトゥニス
教 授
ミュンスター大学鉱物学部
ドイツ
大学院特別講義開催
3/14-3/26
塚本 勝男
Andrew Putnis
Professor
University of Muenster
Germany
Joint Research; Seminar
Mar14-Mar26, 2004
K. Tsukamoto
ブルース・W.D.ヤードリー
教 授
リーズ大学 地球科学部
イギリス
水のシンポにて講演
3/13 - 3/20
土屋 範芳
Bruce W. D. Yardley
Professor
University of Leeds
U.K.
Lecturer at WD Symposium
Mar13-Mar20, 2004
N. Tsuchiya
ロバート・J. ボドナ
教 授
アメリカ
水のシンポにて講演
3/14-3/22
土屋 範芳
U.S.A
Lecturer at WD Symposium
Mar14-Mar22, 2004
N. Tsuchiya
4
5
Instituto Nacional de Pesquisas
7
Robert J. Bodner
ブライアン・ジェフリー・ラスク
8
Brian Geoffrey Rusk
NASA/George C. Marshall Space
Flight Center
バージニア州立大学科学技術
研究所
C.C. Garvin Professor
Virginia Polytechnic Institute &
of Geochemistry
State University
助 手
オレゴン大学
アメリカ
共同研究
3/10−
土屋 範芳
University of Oregon
U.S.A
Joint Research
Mar 10, 2004-
N. Tsuchiya
Courtesy Assistant
Professor
滞在期間未定(長期滞在)
Staying period is not decided yet.
(Long term period of stay)
番
号
招聘研究者氏名
官職
所属機関
国名
招聘目的
招聘期間
受入教官
備 考
#
NAME
POSITION/TITLE
AFFILIATION
COUNTRY
PURPOSE
PERIOD
INVITOR
NOTE
スティーブン・H. カービー
上級研究員
米国地質調査所
アメリカ
非常勤講師
3/15-4/19
海野 徳仁
Stephen H. Kirby
Geophysicist/Investigator
U.S. Geological Survey
U.S.A
Research Geophysicist
Mar15-Apr19, 2004
N. Umino
ハンス・ウルフガング・ハバーテン
教 授
ポツダム大学・アルフレッ
ドウェーゲナー研究所
ドイツ
北方圏国際レビュー会議レビューアー
Hans-Wolfgang Hubberten
Professor/Director
Potsdam Univ./AWI
Potsdam
Germany
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar12-Mar18, 2004
H. Fukunishi
マンフレッド・ランゲ
教 授
ミュンスター大学
ドイツ
北方圏国際レビュー会議レビューアー
3/12-3/19
福西 浩
Manfred Lange
Professor
University of Muenster
Germany
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar12-Mar19, 2004
H. Fukunishi
ヤリ・ハーパラ
研究員
フィンランド海洋研究所
フィンランド
北方圏国際レビュー会議レビューアー
Jari Haapala
Scientist
Finnish Institute of Marine
Research
Finland
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar14-Mar21, 2004
H. Fukunishi
クヌート・サンド
上級研究員
SWECO
ノルウェー
北方圏国際レビュー会議レビューアー
3/13-3/18
福西 浩
Knut Sand
Senior Advisor
SWECO
Norway
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar13-Mar18, 2004
H. Fukunishi
アツム・オオムラ
研究所長
スイス連邦科学技術研究
所・気候研究所
スイス
北方圏国際レビュー会議レビューアー
3/9∼3/17
福西 浩
Atsumu Omura
Professor
ETH
Switzerland
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar9-Mar17, 2004
H. Fukunishi
マイケル・ベヴィス
教 授
オハイオ州立大学
アメリカ
北方圏国際レビュー会議レビューアー
3/12∼3/19
福西 浩
Michael Bevis
Professor
Ohio State Universtiy
U.S.A
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar12-Mar19,2004
H. Fukunishi
シュクロウ・マナベ
上級研究員
プリンストン大学
アメリカ
北方圏国際レビュー会議レビューアー
3/14∼3/17
福西 浩
Shukuro Manabe
Visiting Research
Collaborator
Princeton University
U.S.A
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar14-Mar17, 2004
H. Fukunishi
ユルゲン・ロトガー
教 授
マックスプランク研究所
ドイツ
北方圏国際レビュー会議レビューアー
3/15∼3/18
福西 浩
Juergen Rottger
Professor
Max-Planck Institute
Germany
Reviewer at International Review Meeting on the
Northern Environment Change Research Project
Mar15-Mar18, 2004
H. Fukunishi
9
10
11
12
13
14
15
16
17
3/12∼3/18
3/14∼3/21
福西 浩
福西 浩
シンポジウム
2003 年 9 月 14-16 日
International Workshop on High-pressure Mineral Physics and Geochemistry:
Interaction of Plate, Mantle, and Core, and Global Circulation of the Earth
Material”, SPring-8, Aioi Japan
2003 年 12 月 5 日
東北大学 21 世紀 COE 拠点推進シンポジウム, 仙台エクセルホテル東急、
仙台
2004 年 2 月 23-24 日
21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出 地震・火山グル
ープ研究集会 『マントルウェッジ・地殻内における流体の移動とその役割』,
やくらい林和泉館, 宮城県加美町
2004 年 3 月 11-12 日
惑星電磁圏・大気圏研究会、東北大学青葉記念会館、仙台
2004 年 3 月 15-17 日
北方圏環境変動研究計画に関する国際レビュー会議、仙台国際センター、
仙台
2004 年 3 月 17 日
北方圏環境変動 市民講演会、仙台国際センター、仙台
2004 年 3 月 17-19 日
1st International Workshop on WATER DYNAMICS, Aoba Memorial Hall
TOHOKU UNIVERSITY, Sendai
International
Workshop
ON
on
High–pressure Mineral Physics and Geochemistry:
Interaction of Plate, Mantle, and Core,
and Global Circulation of the Earth Material
Sponsored by Steering committee of MEXT *grant for Ultrahigh pressure Earth Science
*Ministry of Education, Culture, Science, Sport and Technology
Japan Atomic Energy Research Institute (JAERI)
Japan Synchrotron Radiation Research Institute (JASRI)
14th~16th, September , 2003
SPring-8, JAPAN
Focus:
Focus:
Future perspective for High Pressure Mineral Physics and Geochemistry. New application of SR in
Earth and Material Sciences: New technique for High Pressure Research.
Abstract submission:
Please submit your abstract electronically (WORD document) to Mrs. Sekiguchi, [email protected]
, before
July 31, 2003.
There is no specific page limit or format. The presentations are of two types: Invited and
Contributed papers for oral presentations and contributed or invited posters.
Publication:
The workshop proceedings will be published if a suitable number of papers are available.
Deadline:
For application to attend the workshop: Please e-mail to Mrs. Sekiguchi,
[email protected] , before July 31, 2003
* Registration fee is free,
Accommodation:
Guest House of SPring-8, 2000 yen/night (For a single room)
Workshop Banquet
The workshop banquet will be held at Cafeteria. Participants wishing to join the banquet are
requested to pay the fee (regular participants are 5,000yen / students are 2,000yen)in
advance at the reception desk.
Travel information:
See the home page of SPring-8: http://www.spring8.or.jp/e/ SPring-8 locates 50 km from
Kurashiki, the meeting place of Goldschmidt conference. It takes 30-40 minutes by Shinkansen
to Aioi station, and about 30 minutes by bus from Aioi to SPring-8.
Organizing Committee:
2003 High Pressure Mineral Physics and Geochemistry Workshop
Department of Earth and Planetary Material Science, Graduate School of Science,
Tohoku University Sendai 980-8578,Japan,
Tel/Fax +81-22-217-6662
International Workshop on High–pressure Mineral Physics and Geochemistry:
Interaction of Plate, Mantle, and Core, and Global Circulation of the Earth Material
Workshop Program (updated 9/10)
Sat. Sep 13, 2003
15:00 - 19:00
Registration
at guest house reception hall
19:00 - 21:00
Reception
at guest house reception hall after dinner
Sun. Sep 14, 2003
9:00 -
Convener
Opening remarks
9:00 – 9:40
E. Ohtani
High pressure Mineral Physics and Geochemistry: Resent
progress and topics
9:40 – 10:10
D. Zhao
Seismic tomography of the deep Earth
10:10 – 10:50 R.P. Rapp
Deep recycling of crustal lithologies in subduction zones:
experimental constraints to 25 GPa
10:50 – 11:10 Coffee break
11:10 – 11:50
Y. Wang
Progress in high P-T deformation experiments using the DDIA at
GSECARS
11:50 – 12:20 T. Yagi
High pressure in situ X-ray diffraction study using Drickamertype apparatus
12:20 – 14:00 Lunch
at cafeteria
14:00 – 14:40 W. Sturhahn
Nuclear resonant inelastic scattering under extreme conditions
14:40 – 15:10 E. Ito
Melting of mantle materials under high-pressures
15:10 – 15:40 Y. Asahara
Phase relations of the Allende meteorite at lower mantle
conditions
15:40 – 16:10 N. Nishiyama
Precise determination of the phase boundary between the B1 and
B2 phases in NaCl by in-situ X-ray diffraction
16:10 –18:00
Poster session
18:00 –
Banquet
BBQ party at “HOUKOU-KAN”
Mon. Sep 15, 2003
9:00 – 9:30
T. Katsura
Thermal expansion of Mg2SiO4 ringwoodite at temperatures of
300 to 2000 K and pressure of 21 GPa
9:30 – 10:10
M.H.Manghnani Equation of state of hydrous ringwoodite Fo89 to 50 GPa
determined by synchrotron X-ray powder diffraction
10:10 – 10:50 C. McCammon Mantle oxidation state and its influence on mantle properties and
dynamics
10:50 – 11:10 Coffee break
11:10 – 11:40
T. Kubo
Cation diffusivity in wadsleyite: Implications for transport
properties in the mantle transition zone
11:40 – 12:20 K. Hirose
High-pressure laser heating experiments at SPring-8
12:20 – 14:00 Lunch
at cafeteria
14:00 – 14:40 C. Agee
Experimental constraints on planetary core formation
14:40 – 15:20 R. Secco
Equation of State of core mimetic liquid Fe alloy
15:20 – 15:50 N. Hirao
Equation of state of iron-silicon alloys and iron Hydride:
Implication to the Earth’s core
16:00 – 18:00 Poster Session
18:00 – 19:00 Laboratory tour in SPing-8
Tue Sep 16, 2003
09:00 – 11:00
11:00 -
Discussion on future perspectives
Convener
Closing remarks
Poster presentation (updated 9/7)
Yuichi Akahama
Pressure scale in megabar range: Crosscheck of Pt, Au, and Ag scales and
diamond T2g Raman mode for pressure scale
Jun-ichi Ando
Microstructures of olivine in the weakly shocked Divnoe meteorite
Ryouta Ando
In situ density measurement of basaltic glass at high pressure
Hiroshi Fukui
Thermal expansion under pressure and pressure dependence of entropy of
hydroxides
Ken-ichi Funakoshi
High-pressure viscosity measurements of Fe-FeS melts using an X-ray
radiography technique
Nobumasa Funamori Structure of MgSiO3 and CaSiO3 melts at upper mantle pressures
Ryouta Hae
Diffusion of hydrogen in wadsleyite
Masaki Harada
Pressure-induced structural phase transition of MgH2
T. Hosoya
Effects of H2O on kinetics of the olivine-wadsleyite transformation in
Mg2SiO4: Implications for the olivine metastability in subduction zone
Sachiko Kato
Temperature dependency on NiO partition coefficienet of olivine/melt and
the genesis of low-temperature cratonic peridotite
Haruki Kawamura
Anti-CdI2 structure of Re-Hydride
Takaaki Kawazoe
Reaction between liquid iron and Mg-perovskite
Tadashi Kondo
X-ray diffraction experiments using laser heated diamond anvil cell in KEKPF.
Yuuichi Kosaka
The measurements of melting temperatures of iron alloys
Atsushi Kubo
In-situ X-ray observation of peridotite under lower mantle conditions using
Kawai-type apparatus equipped with sintered diamond
Tomoaki Kubo
In situ X-ray diffraction study on kinetics of the post-garnet transformation:
Implications for the density of the descending plate at the top of the lower
mantle
Konstantin Litasov
Water in the Lower Mantle: the Arising Problem
Nobuyoshi Miyajima ATEM study of the interface between Fe and FexO using a focused ion
milling method
Taku Okada
Pressure-temperature dependence on the spontaneous nucleation and growth
process of diamond formation
Kazuaki Okamoto
Fe-Ti oxide in the garnetite: an experimental constraint on the MORB+H2O
system
Osamu Ohtaka
Pressure-induced polymorphic phase transition in liquid germanate
Takeshi Sakai
High-temperature and high-pressure reaction between iron and silicate using
laser heated DAC
Nagayoshi Sata
A. Suzuki
A laser heated diamond anvil cell (LHDAC) system at BL10XU of
SPring-8
Viscosity of komatiite magma at high pressure
Takeyuki Uchida
Development of a high pressure tomography apparatus
Satoru Urakawa
Application of the x-ray absorption method to the density measurement of
silicate
Takahiro Yamada
Nuclear resonant inelastic scattering of hematite under high pressure
Takamitsu Yamanaka Compression and phase transformation of ABO3 ilmenites to LiNbO3 or
corundum structure by single-crystal diffraction study using SR
Akira Yoneda
A new stress analysis method: Estimation of stress state in a
Kawai-type apparatus
﹁物質階層融合科学の構築﹂
﹁先端地球科学技術による地球の未来像創出﹂
﹁大分子複雑系未踏化学﹂
---------------------21 st COE
Century
Invitation
Graduate School of Science,Tohoku University
東北大学21世紀COE
拠点推進シンポジウム
●講演 13:00−16:10
「世界最大の海産物食中毒
シガテラへの化学の挑戦」
−平間 正博先生 (東北大学大学院理学研究科教授) −
「地震予知研究の新たな展開」
日時:平成15年12月15日(月)
●講演会--13:00∼18:00
●懇親会--18:30∼20:30
会場:仙台エクセルホテル東急
仙台市青葉区一番町2-9-25
TEL(022)262-2411
講演会参加費:無料
−大竹 政和先生 (日本地震学会会長:東北大学名誉教授) −
「ニュートリノ天文学の創始」
−小柴 昌俊先生 (ノーベル賞受賞:東京大学名誉教授) −
●16:30−18:00
各COE概要説明
懇親会参加費:当日徴収致します
教授(6,000円)、助教授・講師(5,000円)
助手(4,000円)、学生(2,000円)
◆参加連絡先◆高橋(物理)TEL(022)217-6417
浅尾(化学)TEL(022)217-6582
長濱(地学)TEL(022)217-7778
E-mail:[email protected]
拠点リーダー(大谷)による本 COE の概要説明
3COE 合同シンポ会場風景
大竹政和東北大名誉教授による 特別講演風景 ①
大竹政和東北大名誉教授による 特別講演風景 ②
21 世紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」地震・火山グループ研究集会
「マントルウエッジ・地殻内における流体の移動とその役割」
日時:2004 年 2 月 23 日(月)∼24 日(火)
場所:やくらい林泉館(宮城県加美町)
集合:23 日 10 時
地震・噴火予知研究観測センター(貸切バスで移動)
解散:24 日 15 時
地震・噴火予知研究観測センター(貸切バスで移動)
目的
近年の観測・実験精度の向上や計算機の発達により,スラブ内の含水鉱物の脱水分解に
よる流体の供給,マントルウエッジから地殻浅部への流体の移動,それによって生じる島
弧地殻の変形過程の理解が急激に進展しています.本研究集会は,21 世紀 COE「先端地球
科学技術による地球の未来像創出」の地震・火山グループに属する研究者の最新の研究成
果をもとに,沈み込み帯で進行している様々な現象についての理解を深めることを目的と
して開催するものです.
本研究集会は,基調講演,ポスター発表の2部構成となっております.詳細は下記のプ
ログラムを参照してください.
プログラム
2 月 23 日
挨拶
長谷川
13:00∼13:15
昭(固体地球研究グループリーダー:地震・噴火予知研究観測センター)
[基調講演]
中島淳一(地球物理学専攻:地震・噴火予知研究観測センター):13:15∼13:35
東北日本弧下マントルウエッジの温度構造と流体分布
∼地震波速度・減衰データによる推定∼
(質疑応答)13:35∼13:55
[休憩]13:55∼14:00
吉田武義(地学専攻:地球物質科学講座):14:00∼14:20
東北本州弧下の地殻∼マントル構造について
(質疑応答)14:20∼14:40
[休憩]14:40∼14:45
中村美千彦(地学専攻:地球物質科学講座):14:45∼15:05
含水鉱物の脱水分解と流体を含む岩石の微細構造:レビューと予察
(質疑応答)15:05∼15:25
[休憩]15:25∼15:40
[ポスターセッション1]9 名
名前
職名(学
年)
所属
タイトル
三浦 哲
助教授
地震・噴火予知 GPS 観測により得られた東北日本弧の歪分布―火山フ
研究観測センター ロントに沿う歪集中帯―
岡田知己
助手
地震・噴火予知
2003 年 7 月 26 日 宮城県北部の地震について
研究観測センター
菅ノ又淳一 M1
地震・噴火予知 Double-Difference トモグラフィー法による 2001 年芸予
研究観測センター 地震(M6.7)震源域周辺の 3 次元地震波速度構造
高橋 努
D1
固体地球物理学 東北日本火山フロント周辺における高周波数 S 波エン
講座
ベロープの経路依存性
清水淳平
M1
地震・噴火予知
東北地方南部における S 波偏向異方性
研究観測センター
内田直希
D3
地震・噴火予知 東北日本沈み込みプレート境界における準静的すべり
研究観測センター の時間変化とアスペリティの破壊
桑野亜佐
子
教務補佐
地震・噴火予知 1994 年三陸はるか沖地震の破壊開始点周辺における
研究観測センター 本震発生前後の微小地震活動の時空間変化
N. G. S.
Shantha
M1
Focal depth distribution of aftershocks of October 31,
地震・噴火予知
2003, off-Fukushima earthquake (M6.8) estimated from
研究観測センター
sP phase
藤本博巳
教授
地震・噴火予知
マントルブーゲー異常と低密度層
研究観測センター
(夕食)19:00∼(21:00)
2 月 24 日
[ポスターセッション2]14 名
※↓ポスター リンク先(パワーポイント形式)
名前
職名(学年)
所属
タイトル
今泉俊文
教授
環境地理学講
座
DIGITAL ACTIVE FAULT MAP OF JAPAN AND ITS
APPLICATION
大槻憲四
郎
教授
地圏進化学講
座
断層 geometry と地震
佐久間博
D3
地圏進化学講
座
断層ガウジの摩擦強度に対して吸着水の与える影響
中村教博
助手
地圏進化学講
座
カナダ・サドバリー隕石孔の衝撃起源シュードタキラ
イトと古地球磁場強度
武藤 潤
D1(SuperDc)
地圏進化学講
座
地殻の誘電率異方性と変形:物理相互作用場理論に
よるアプローチ
川田祐介
M2
地圏進化学講
座
岩石の高温粘弾性挙動とその相転移モデル
内田良始・
M1
小泉洋介
地圏進化学講
座
ガス圧式三軸圧縮試験機の立ち上げ
熱田真一
D3
地球物質科学
科
マグマ溜まりへの岩脈貫入現象の事例:瀬戸内地
方・白亜紀領家花崗岩中の苦鉄質岩脈の産状と含水
量, 流量,古広域応力の見積もり
山田亮一
D1
地球物質科学
科
東北本州弧の島弧形成過程―リフト火成活動の変遷
―
大内智博
M2
地球物質科学
科
ウェーライト中の流体分布
土屋範芳
助教授
環境科学研究
科
環境科学研究科環境化学研究室の紹介
山本 信・
森 敏和
M2
M1
環境科学研究
科
熱発光の応力依存性
阿部 淳
M1
環境科学研究
科
岩石の熱水結誘起割れ
臼井洋一
4年
地圏環境科学
科(地質)
複合磁気ファブリックで花崗岩マグマ定置時の情報を
探る
(昼食)12:30∼13:30
(バス出発:13:45)
地震・火山ダイナミクス研究サブ
グループ研究進会における
長谷川 昭教授(固体地球科学グ
ループリーダーの挨拶
ポスターセッションの風景
惑星電磁圏・大気圏研究会
日時:平成 16 年 3 月 11 日 9:30-18:30、12 日 9:00-17:10
場所:東北大学青葉記念会館
名古屋大学太陽地球環境研究所研究集会「木星電磁圏探査研究」・「惑星大気圏研究会」
東北大学惑星プラズマ・大気研究センター惑星圏研究会(大家コンファレンス)
東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」
更新日時 2004 年 3 月 3 日
■研究会情報
プログラム
アクセス及び会場案内(例年の会場から変更となっています)
これまでの惑星電磁圏・大気圏研究会(2000 年度、 2001 年度、2002 年度、 2003 年度)
■リンク
交通機関案内
・交通機関時刻表(新幹線、長距離バス、航空機)(東北大学生協トラベルコープ)
宿泊・ホテル案内
・「旅の窓口」 ホテル予約サービス
・ホーネット ホテル予約サービス
仙台市・宮城県観光案内
・仙台市観光ガイド(東北大学のページ)
・宮城県観光連盟「宮城まるごと探訪」
■お問い合わせ
〒980-8578
仙台市青葉区荒巻字青葉
東北大学大学院理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター
森岡 昭
Tel:022-217-6735 [email protected]
岡野 章一
Tel:022-217-6367 [email protected]
土屋 史紀
Tel:022-217-6738 [email protected]
「北方圏環境変動研究計画に関する国際レビュー会議」における
ポスター賞受賞者発表のお知らせ
去る2004年3月15∼17日に,東北大学21世紀COEプログラム「先端地球科学技術
による地球の未来像創出」の主催により,「北方圏環境変動研究計画に関する国際
レビュー会議」が開催されました.
同会議では,本COEの活動の紹介や,研究成果のポスター発表が併せて行われ,
若手研究者の研究発表を奨励するために,優れた発表にポスター賞を与えることが
企画されました.5名の審査員による審査の結果,以下の通り,1名に最優秀ポスタ
ー賞が,2名に優秀ポスター賞が授与されましたので,ここにご報告します.
最優秀ポスター賞
浅海竜司(地学専攻 地圏環境科学科)
Asami, R., Yamada, T., Iryu, Y. and Quinn, T. M.
A coral—based reconstruction of paleoceanographic changes in the western Pacific for the
last 2 centuries.
優秀ポスター賞
足立 透(地球物理学専攻 太陽惑星空間物理学講座 惑星大気物理学分野)
Adachi, T., Fukunishi, H., Takahashi, Y., Sato, M. and Okubo, A.
Roles of the EMP and QE field processes in the generation of columniform sprites in winter
of Japan.
新堀淳樹(地球物理学専攻 太陽惑星空間物理学講座 宇宙地球電磁気学分野)
Shinbori, A., Ono, T., Iizima, M., Kumamoto, A. and Oya, H.
SC related plasma waves observed by the Akebono satellite in the polar region and inside
the plasmasphere region.
平成16年3月31日
東北大学21世紀COEプログラム
『先端地球科学技術による地球の未来像創出』
研究運営委員会 委員長 藤本博巳
1st International Workshop
WATER DYNAMICS
17-19 March, 2004
Aoba Memorial Hall, Tohoku University
Keynote Lecture
401 Lecture Room
Oral Introduction
401 Lecture Room
Poster Presentation
Lobby at First Floor
17 March Wednesday
9:00-10:30 Registration
Aoba Memorial Hall Floor 4
Assoc. Prof. N.
Opening Ceremony
10:30-10:50 Welcome
Workshop
Address
Prof. K.
Nakatsuka
Prof. K. Tohji
Tsuchiya
Vice President of Tohoku University
Graduate School of Environmental Studies, Tohoku
University
Keynote
11:00-12:00
Prof. N. Yamasaki
Invited
"The Role of Water in Recycling of Wastes into Beneficial Materials and
Lecture
in Destruction of Organic Wastes"
Prof. S. Komarneni
Pennsylvania State University, USA
12:00-13:30 Lunch & Preparation for Poster
Assoc. Prof. B.
13:30-14:30 Oral Introduction
Jayadevan
14:30-15:50 Poster Session
Keynote
Invited
16:00-17:00
Dr. Greg Bignall
"The distribution and role of water in the crust and upper mantle:
I. The fluid inclusion record
Lecture
II. Experimental data for the PVTX properties of aqueous fluids"
Prof. Robert J. Bodnar
Virginia Polytechnic Institute and State University,
USA
Keynote
Invited
17:00-18:00 Lecture
Prof. N. Yamasaki
"Role of water assembley and disassembley by biomolecules - insights for
origin of life -"
Prof. T. Adschiri
18:30-20:00 Welcome Party
Institute of Multidisciplinary Research for Advanced
Materials, Tohoku University
Restaurant: Aoba Memorial Hall Floor 3
18 March Thursday
Keynote
9:00-10:00
Prof. K. Kaya
Invited
"Water pollution by endocrine disruptors and its adverse effects on
Lecture
aquatic ecosystems"
Dr. Toshihiro Horiguchi
National Institute for Environmental Studies, Japan
Keynote
10:05-11:05
Invited
Lecture
Dr. Greg Bignall
"The Role of Water in Controlling Metal Concentration in the Crust"
Prof. Bruce W. D. Yardley
University of Leeds, UK
Keynote
11:10-12:10
Invited
Lecture
Prof. K. Kaya
"Eutrophication, consequential health risks and their management"
Prof. Geoffrey A. Codd
University of Dundee, UK
12:10-13:30 Lunch time
13:30-14:30 Oral Introduction
Dr. K. Shinoda
14:30-15:30 Poster Session
Keynote
15:40-16:40
Invited
Lecture
Prof. N. Yamasaki
"Understanding the role of water in Material Transformation"
Dr. Gopinathan Sankar
Royal Institution of Great Britain, UK
Assoc. Prof. N.
Keynote
16:45-17:45 Invited
Lecture
Tsuchiya
"The Role of Water in Mantle and Core Dynamics"
Prof. Eiji Ohtani
18:30-20:00 Workshop Banquet
Tohoku University
Sendai
Washington
Rainbow Hall
19 March Friday
Campus Tour
registration: not required
Lab Tour
registration: not required
Excurtion : Matsushima Islands registration: required
Category A:
B:
C:
Hotel:
Invited speakers
Category A: Water and Materials Design
Gopinathan Sankar
Royal Institution of Great Britain, UK
"Understanding the role of water in Material Transformation"
Sridhar Komarneni
Pennsylvania State University, USA
"The Role of Water in Recycling of Wastes into Beneficial Materials and in
Destruction of Organic Wastes"
Tadafumi Adschiri
Tohoku University, Japan
"Role of water assembley and disassembley by biomolecules - insights for origin
of life -"
Category B : Global circulation of water in the Earth's Interior
Bruce W. D. Yardley
University of Leeds, UK
"The Role of Water in Controlling the Deformation and Chemical Evolution of
the Crust"
Robert J. Bodnar
Virginia Polytechnic Institute and State University, USA
"The distribution and role of water in the crust and upper mantle:
I. The fluid inclusion record
II. Experimental data for the PVTX properties of aqueous fluids"
Eiji Ohtani
Tohoku University, Japan
"The Role of Water in Mantle and Core Dynamics"
Category C : Water quality and Ecology
Geoffrey A. Codd
University of Dundee, UK
"Eutrophication, consequential health risks and their management"
Toshihiro Horiguchi
National Institute for Environmental Studies, Japan
"Water pollution by endocrine disruptors and its adverse effects on aquatic
ecosystems"
第 1 回 国際ワークショップ 「ウォーター・ダイナミクス」 記念写真 (2004.3.17)
特記事項
連合組織COMPRESに本COEが参加
東北大学21世紀 COE「地球科学」(正式名称
先端地球科学技術による地球の未来像創出 )を構成す
る大学院理学研究科(地学専攻および地球物理学専攻)は,「地球科学における物質科学研究に関する米
国の研究連合組織:Consortium for Materials Properties Research in Earth Sciences (COMPRES)」に正式
会員として参加することになりました.この組織は2002年5月に設立され,地球惑星内部の物性,特に高温
高圧科学技術分野の研究を支援し促進することを目的としています.COMPRES は米国内の放射光研究施
設や中性子研究施設などの研究施設における高圧研究を支援する組織です.COMPRES は上記の施設の
ビームラインを運用し,高圧研究の新技術の開発を支援し,高圧地球科学の研究と教育プログラムへの支
援を提言するものです.
COMPRESは研究者が組織するものであり,米国外の研究機関はCOMPRESの規約にしたがって会員に
なることができます.現在,会員はヨーロッパでは8研究機関(イギリス1,フランス2,ドイツ4,スウェーデン
1),ロシアでは2研究機関が会員となっており,現在のところ我が国では,東北大学大学院理学研究科1機
関のみが参加しています.参加機関の詳細については,
(http://www.compres.stonybrook.edu/People/membership/Members.htmlT)をご参照ください.
この組織への参加によって,米国を含む世界各国との間で研究と教育上の交流が促進されることが期
待されています.この COMPRES のホームページは,http://www.compres.stonybrook.edu/ となっていま
す.
大谷栄治 (東北大学21世紀 COE 「地球科学」 拠点リーダー)
平成16年4月4日 記
新聞等で報道された研究成果
理学研究科
読売新聞 2004 年 2 月 3 日 「優秀な留学生確保へ 授業すべて英語で」
中澤高清
日本経済新聞 2003 年7月 15 日 「大気中のCO2 濃度―国際線旅客機で測定」
川村 宏
河北新報 2003 年7月 15 日朝刊 「衛星で海面温度観測」
日本経済新聞 2004 年 5 月 9 日朝刊 「最悪の赤潮は自然現象―ベトナム沖 強風が影響」
福西 浩
2003 年12月12日(金) NHK総合テレビ(青森、福島を除く)東北地方全域
特集番組(放送時間73分)「東北発 お∼い!南極 −探検と観測の90年−」
須賀利雄
読売新聞 2003 年 10 月 15 日夕刊 「 海水の塊が過去を記憶」
境田清隆
定年時代 平成 16 年 3 月号 「地球温暖化が東北の夏冷やす」
市政だより 市史編さん こぼれ話 115 「周期的に入れ替わる東風の時代と西風の時代」
読売新聞 2004 年 2 月 3 日
日本経済新聞 2003 年 7 月 15 日
河北新報朝刊 2003 年 7 月 15 日
日本経済新聞朝刊 2004 年 5 月 9 日
読売新聞夕刊 2003 年 10 月 15 日
市政だより 市史編さん こぼれ話 115
定年時代 平成 16 年 3 月号
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