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r - 名大の授業
2010年11月22日(月) 13:00-14:30 S2Y 平成22年度 工V系(社会環境工学科) 第7回 電磁気学Ⅰ 天野 浩 項目 電気双極子、種々の帯電体による電界と電位の計算法 *本日は二つの事柄、即ち ①電気双極子、及び ②種々の帯電体と電界、電位の計算法の実際 を学びます。 電気双極子の考え方の応用例 *分極・・・固体やガスなどで生じる。 物質名 チタン酸バリウム 水 アルコール ガラス 木材 雲母 紙 空気 r 0 比誘電率 約5,000 80.4 16~31 5.4~9.9 5.4 9.9 2.5~7.7 70 7.0 2.0~2.6 1 00059 1.00059 強誘電体 真空の誘電率 0 圧電スピーカ 8.854 10 12 [ F / m] http://f.hatena.ne.jp/koki-h/20090428190100 •空気=絶縁体 •電界があまりに大きくなると絶縁も壊れる。 電界があまりに大きくなると絶縁も壊れる •→空気の絶縁が壊れると… http://www.aobaya.jp/photo1.html 空気の絶縁破壊電界は 約30[KV/cm] と言われている。 と言われている 誘電体を使うと何がよいのか? コンデンサ(キャパシタ)容量 :誘電率 S C d S:面積 d:電極間隔 Q=C・Vなので、同じ電圧ならばCが大きい方がQが大きい! 誘電率の大きい材料を用いると、同じ面積、同じ電 誘電率の大きい材料を用いると 同じ面積 同じ電 圧、同じ厚さで、蓄える電荷量を増やすことができ る! 誘電体に関する最近のエレクトロニクスの話題 学生証にもFeRAM FeRAMは、構造などがDRAMに似ていて、フラッシュメモリの10倍以 上に及ぶ高速な読み書きが可能である。また、信頼性の面においても フラッシュメモリ、EEPROMに比べて格段に上と言われている。 FeRAM:強誘電体メモリ http://ascii.jp/elem/000/000/344/344538/ http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200510/05-055/ http://journal.mycom.co.jp/news/2003/07/09/11bl.jpg http://www.usc-sbc.com/felica/index.htm 静電容量の定義 1.空間に孤立した導体に電荷Q[C]が帯電しており、その時の導体の 1 空間に孤立した導体に電荷Q[C]が帯電しており その時の導体の 電位がV[V]であるとき、その導体の静電容量Cは C Q [C / V F ] V 単位はファラッド 2.空間の二つの導体に電荷+Q[C]、 2 空間の二つの導体に電荷+Q[C] -Q[C]が帯電しており Q[C]が帯電しており、導体間 導体間 の電位差がV[V]であれば、その導体間の静電容量は C Q [F] V 電荷を蓄えられるように配置した1対の導体を キャパシタ、またはコンデンサと呼ぶ。 空気以外の絶縁体(誘電体、不導体) 真空中の場合の平行平板コンデンサ 面積S 金属電極 + - + + - - V d 電界 E [V / m] 電束密度ベクトル 電極の全電荷 Q=C・V=D・S[C] Q [ ] D 0 E[C / m 2 ] V S E ,C 0 d d 空気以外の絶縁体(誘電体、不導体) 電極間に誘電体を挟んだ時、誘電率が0からに変わったとする。 面積S ++ + ++ - -- -- 金属電極 V d =r0 として、rを比誘電率と呼 ぶ。X線領域以外では、r>1 r 1 ( r 1) D E 0 r E 0 1 ( r 1)E 0 E 0 ( r 1) E 0 E P[C / m 2 ] Pを分極ベクトルと呼ぶ。 Pを分極 クトルと呼ぶ。 単位[C/m2] P 0 ( r 1) E[C / m 2 ] 空気以外の絶縁体(誘電体、不導体) 分極とは何か? → 物質内部で、電気的に中性であったものが、電荷が発生する現象。 ーq q m q 電気双極子 電気 極 P mi +q q i は微小長さ、 微 長 、 mは電気双極子モーメント 電気 極 物質内部に発生する電気双極子の総和が分極P 空気以外の絶縁体(誘電体、不導体) 分極の種類 1 電子による分極 1. 原子核 核 + 電子雲 E m + *各原子における正電荷(原子核)と負電荷(電子)の重心位置のずれ により、電気双極子が発生する。 *特徴:電子は 原子核に強く束縛されているので それほど大きくな *特徴:電子は、原子核に強く束縛されているので、それほど大きくな い。 *電子は軽いので 早い周波数にも対応する *電子は軽いので、早い周波数にも対応する。 空気以外の絶縁体(誘電体、不導体) 2 イオン分極 2. NaClのような結晶を考える。 Na:正イオン(青) Cl:負イオン(赤紫) E + = 元の格子+ずれた格子位置に電気双極子を配置することと同じ 元の格子+ずれた格子位置に電気双極子を配置することと同じ。 特徴:格子振動に対応するので、赤外領域まで追随する。 電気双極子とは? z d +Q 2 -Q x r1 r2 短い距離d[m]だけ離れた±Q[C]の電荷対 P Q7-1 Pの電位は? V y Q 1 1 ( ) 4 0 r1 r2 d r r cos , 1 2 d<<rなので r r d cos 2 2 Q d cos Qd cos V 4 0 2 d 2 4 0 r 2 2 r cos 4 d 2 電気双極子モーメントp[C・m]を定義する。 電気双極子モ メントp[C m]を定義する。 p Q d V Qd cos p cos 4 0 r 2 4 0 r 2 電気双極子による電界 デカルト座標系 (Cartesian Coordinate) z d +Q 2 -Q x P( P(x,y,z) ) r1 r2 d 2 d d r1 ( x, y, z ), r2 ( x, y, z ) 2 2 E V y Ex V Q x 4 0 Ey V Q x 4 0 Ez V Q x 4 0 Q7-2 電界を求めなさい。 1 1 Qx ( 1 1 ) x 4 0 r13 r2 3 d 2 d 2 2 2 2 2 x y (z ) x y (z ) 2 2 1 1 Q 1 1 Qy ( 3 3) y 4 0 r1 r2 d 2 d 2 2 x2 y 2 ( z )2 x y (z ) 2 2 d d z z Q 1 1 2 ( 3 32 ) 4 0 r1 z r2 d d 2 2 2 x2 y 2 ( z )2 x y (z ) 2 2 電気双極子による電界 極座標系(Polar Coordinate) 第3回講義ノートより 第 回講義 より 直交座標 i j k z x y 円筒座標 極座標 1 ir i iz z r r E V V 1 1 ir i i r r r sin p cos 4 0 r 2 Q7-3 極座標を用いて、電界を求めなさい。 r方向の電界 Er p cos 1 p cos 1 2 4 0 r r 2 0 r 3 方向の電界 E 1 p p sin 1 cos r 4 0 r 2 4 0 r 3 電界の大きさ p E Er E 2 2 3 cos 2 1 4 0 r 3 2.5 2 大き きさ 1.5 1 系列1 0.5 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 z 軸との為す角度[rad] 3 cos 2 1 のグラフ 無限の長さの導線に単位長さ当たりq[C/m]の電荷が与えられている 問題2-4 時, この導線から垂直距離r[m]だけ離れている地点Pでの電界の 方向および大きさ、及び電位は? 上下方向の電界は無い r ガウスの法則を使うと 内部の電荷 q D dS q dl×2r×D=q×dl d E q 2 0 r [V / m] 電界の向きは、導線に対して垂直方向外向き 電位は r V q 2 0 r dr r2 q 2 0 距離r1とr2の電位差は?V r1 発散する。 (log r log )[V ] q 2 0 r dr q 2 0 log r2 [V ] r1 Q7-4 長さが無限で単位長さ当たりq[C/m]に帯電した半径a[m]の 中空円筒のr方向の電界分布を求めよ。 r a r<aでは 中に電荷は存在しないのでE=0[V/m] r<aでは、中に電荷は存在しないのでE=0[V/m]。 r>aでは、中心r=0に電荷が集中している導線と 同じ。 q E [V / m] 2 0 r Q7-5 半径a[m]の球導体の表面上にのみ電荷Q[C]が一様に分布し ている。電界と電位分布を求めなさい。 Q a 最初に電界分布を求める。 球の内部では電荷はゼロ→電界E=0[V/m] r>aでは ガウスの法則を用いて r>aでは、ガウスの法則を用いて E Q 4 0 r 2 [V / m] 次に電位分布を求める。 r r>aでは、 では V a r<aでは、 V Q 4 0 r Q 4 0 r 2 2 d dr dr 0 Q 4 0 r Q 4 0 a [V ] [[V V] 球体内部は表面電 位と同じ! 位と同じ Q7-6 2枚の無限に広い平行導体板がそれぞれ+、-[C/m2]だけ 帯電している。導体板間距離をd[m]とすると、電界分布はどうなる [ ] か?また、2枚の導体板間の電位差はどれだけか? 二枚の 板間 ー d[m] 平行平板の外では,打ち消しあって電界は零 平行平板の外では 打ち消しあ て電界は零 平行平板の内側のみ E 2 [V / m] 2 0 電位差は 0 dx d [V ] 0 d 0 0 V 同心球の導体の場合の電気力線 内側の導体球に+Q1,外側の導体球に+Q2の電荷を与えた場合 静電誘導により,外側の導体 静電誘導 り,外側 導体 球内部表面にーQ1,外部表 面に+Q1の電荷が発生 ーQ1 +Q1 +Q2 内部の電気力線は Q1 +Q1+Q2 外部の電気力線は Q1 Q 2 重要! ガウスの法則の本質 Q7-7 図のように、真空におかれた2個の同心球導体を考える。内球の半径はa[m]、外球の 内側の半径はb[m]、外側の半径はc[m]である。 (1)内導体球に電荷Q[C] 外導体球に電荷0[C]与えた時の電界分布及び電分布を求めよ (1)内導体球に電荷Q[C]、外導体球に電荷0[C]与えた時の電界分布及び電分布を求めよ。 (2) 内導体球に電荷0[C]、外導体球に電荷Q[C]与えた時の電界分布及び電分布を求めよ。 (3)内導体球に電荷Q[C]、外導体球に電荷-Q[C]与えた時の電界分布及び電分布を求め よ。 a b (1) 導体内部では電界=0、すなわち 0<r<a b<r<cではE=0[V/m] 0<r<a、b<r<cではE=0[V/m] E b>r>a、r>cでは 、 c r>cでは a<r<bでは a bでは a>rでは > では V V V Q 4 0 r Q 4 0 c [[V V] r b Q 4 0 r 2 c>r>bでは Q 4 0 r d dr 2 [V / m] V Q 4 0 c [[V V] Q 1 1 1 [V ] 4 0 c r b Q 1 1 1 [V ] 4 0 c a b Q7-7 図のように、真空におかれた2個の同心球導体を考える。内球の半径はa[m]、外球の 内側の半径はb[m]、外側の半径はc[m]である。 (2) 内導体球に電荷0[C]、外導体球に電荷Q[C]与えた時の電界分布及び電分布を求めよ。 内導体球に電荷0[C] 外導体球に電荷Q[C]与えた時の電界分布及び電分布を求めよ 0<r<cでは 内部に電荷が無いのでE=0[V/m] 0<r<cでは、内部に電荷が無いのでE=0[V/m] a b c r>cでは E Q 4 0 r 2 Q [V ] V r cでは r>cでは 4 0 r r<cでは V Q 1 [V ] 4 0 c [V / m] Q7-7 図のように、真空におかれた2個の同心球導体を考える。内球の半径はa[m]、外球の 内側の半径はb[m]、外側の半径はc[m]である。 (3)内導体球に電荷Q[C] 外導体球に電荷-Q[C]与えた時の電界分布及び電分布を求め (3)内導体球に電荷Q[C]、外導体球に電荷 Q[C]与えた時の電界分布及び電分布を求め よ。 a b 導体内部では電界=0、すなわち 導体内部では電界=0 すなわち 0<r<a、b<r<cではE=0[V/m] b>r>aでは E c Q 4 0 r r>cでは E 0[V / m] [V / m] V 0[V ] r>bでは r a<r<bでは V b a>rでは 2 V Q 4 0 r dr 2 Q 1 1 [V ] 4 0 r b Q 1 1 [V ] 4 0 a b 本日のまとめ •7問中何問正解したか? •電気双極子について、自分なりにまとめよ。 •導体内の電界及び電位は理解できたか? •導体球、無限導線、無限導体板それぞれの電界と電位分布を自分な りにまとめよ。 りにまとめよ •次回11月29日(月)は、理解度チェックテストを行います。必ず電卓を 持参してください。 持参してください