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3.2MB - 日本産業カウンセリング学会

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3.2MB - 日本産業カウンセリング学会
日本産業カウンセリング学会
会 報 (スーパーバイザー養成研修概要 他) No.23
2008.3.28 千鳥ヶ淵にて
目 次
スーパーバイザー養成研修概要決まる… … 平木典子 2
学会の進むべき方向について… …………… 桐村晋次   8
スーパーバイザー制度の検討
2008 年度 委員会活動予定… ………………… 9 ~ 10
(第 1 期平成 16 - 17 年)
… ……………… 楡木満生 3
第 13 回大会のご案内… ……………………………… 11
JAIC スーパーバイザー制度の概要
写真で綴る第 12 回大会… ……………………… 12 ~ 15
…………………………………… スーパービジョン委員会 4
第 12 回大会学術賞を受賞して… ………… 平川 完 16
ご挨拶「会長をお引き受けして」
… ………… 木村 周 5
会員投稿、インフォメーション………………………… 17
会長辞任にあたってのご挨拶… …………… 松原達哉 6
新入会員紹介…………………………………………… 18
本学会顧問 高田勗先生端宝中綬章 叙勲… ………… 7
「JAIC ニュースレター」登録 / 変更 / 削除 方法…
− 1 −
20
ス ー パ ー バ イ ザー養成研修概要決まる
スーパービジョン委員会委員長 平 木 典 子 会員の皆さんはご存知のとおり、本学会では
パーバイジー経験とスーパーバイザー経験
3 年前から、働く人たちのためのカウンセラー
があることが望ましい)
の資質の向上のために、スーパービジョン制度
⑷自己のカウンセリング哲学・理論・方法・
の検討を行ってきました。すでにホームページ
スタイルの明確性を記述した論文による審
でも公開いたしましたが、学会のスーパービ
査にパスした者(申請時提出)
ジョン委員会は、学会認定のスーパーバイザー
3.今後のスーパーバイザー養成の進め方の段階
制度を確立するために、
まず、
スーパーバイザー
⑴ 2008 年度はスーパーバイザー・トレーナー
(養成講座の講師)研修会を実施
養成のための研修を企画し、2 月 23 日の常任
理事会で概要の承認を得たところです。以下の
(スーパービジョン委員会委員、学会理事の
とおり概要をお知らせいたします。
有資格者を中心に養成講座カリキュラムの試
なお、日本のカウンセリングの世界で、スー
行・洗練を目的とする)
(年間 13 〜 15 日−お
パーバイザー養成の体系を制度として確立して
よそ大学院教育 6 〜 8 単位相当)
いる学会はほとんどなく、この制度の確立と、
⑵ 2009 年 1 月 25 日(日)第 1 期スーパーバ
イザー養成研修開始予定
養成の開始は画期的なものとなっていくと考え
られます。今後の研鑽の一つの方向として参考
(受講申請有資格者で、スーパーバイザー経
にしていただきたいと思います。
験者から募集する)
1.JAIC スーパーバイザー認定の手続き
⑶その後:スーパーバイザーを目指す受講申
⑴スーパーバイザー養成研修受講申請(2.
請有資格者へ広げていく
申請資格要件による)を行い、養成研修の
4.スーパーバイザー養成研修の概要
受講審査を受けて受講許可を得る
⑴ 5 領域のカリキュラムのトレーニング
⑵所定の講座(4.参照)を修了する
①スーパービジョン概論
⑶スーパーバイザーの資格認定試験を受け
②カウンセリングに関する知識・スキル・
情報
る。
2.スーパーバイザー養成研修受講申請資格要件
③スーパービジョン・スキル訓練
⑴カウンセリングの有資格者(産業カウンセ
④スーパービジョンの倫理 ⑤自己のカウンセリングとスーパービジョ
ラー・キャリアコンサルタント・認定カウ
ン哲学・スタイルの明確化
ンセラー・臨床心理士 および同等の資格
を有する者)で、心理面接、スーパービジョ
⑵受講料:30 万円(見込)
ン、ケース検討会出席などを含むカウンセ
⑶募集人数 最小人数 6 名、最大人数 12 名
で開始
リングに関する実務経験 5,000 時間以上
(そ
⑷募集方法 日本産業カウンセリング学会
のうち、カウンセリング面接時間は 2,500
ホームページに告知
時間以上であること)を有する者
⑵日本産業カウンセリング学会会員暦 3 年以
上の者
⑶スーパービジョン経験(50 時間以上のスー
− 2 −
スーパーバイザー制度の検討(第1期 平成16−17年)
副会長(前スーパービジョン委員長)
楡 木 満 生(にれぎみつき) カウンセラーは資格を取ったからといって、
うことになる。ところが日本産業カウンセリン
それですぐにカウンセリングの面接ができるよ
グ学会の中で行われているカウンセリング面接
うになるわけではない。カウンセラー資格を
内容は、
理論も分野も複雑多岐にわたっている。
とった後も多くの実践を学ぶ機会が必要であ
そこで何処にどの内容の専門家がいるか明確に
る。日本産業カウンセリング学会は、学会員の
しておかなければならない。このような議論を
ためにそのような学ぶチャンスを作ろうとして
経て、産業カウンセリング分野を次のような 3
平成 16 年から今日まで検討を続けている。検
領域に分けてスーパービジョンの専門領域を考
討を始めてからすでに 4 年もかかっているの
えてみた。
は、本当に実効のあるスーパーバイザー制度を
1.キャリア領域
作ろうとしているためである。平成 16 年と 17
この学会には、多くの人事・労務、経営、産
年の最初の 2 年は、楡木が委員長になり、松原
業組織、再就職支援、職場環境、管理者教育な
達哉(前会長)
、小澤康司(事務局長)
、緒方一
どに関連されている学会員がいる。この人たち
子、上脇貴、寺田正美、中澤次郎、平木典子、
が職場で、カウンセリングや相談活動を行うと
横山哲夫など各委員会の代表者に集まっていた
きに必要なノウハウを得られるスーパービジョ
だき、
「日本産業カウンセリング学会のスーパー
ンである。
バイザー制度はどのようにあるべきか」という
2.メンタルヘルス領域
題で検討を始めた。この第 1 期は、本学会の会
この学会の中には、企業の精神保健や地域の
員の人たちがカウンセラーとしての力量を発揮
精神保健に関係し、従業員のストレス対策やE
するために、どんなスーパービジョン組織で支
AP活動を進めている人たちがいる。この人た
援すればよいか皆で話し合ったのである。その
ちの活動のお手伝いをするスーパービジョンが
結果、次のような点でいくつかの基本的な点で
考えられる。
了解を得られたと思っている。(これは、この
3.カウンセリング・臨床心理学領域
後の第 2 期の「研修内容」において変更があっ
これはカウンセリングや臨床心理学を学問的
た場合には修正されることになるのはご了承い
にとらえて、心理学的援助とは何か、どのよう
ただきたい)
な理論的技法的開発が求められるのかを考えて
初心者のカウンセラーにとって
「役に立った」
いることである。
「なるほどこうすればよかったのか」といわれ
このような広範囲にわたるスーパーバイザー
るようなスーパービジョンを行うには、どのよ
を養成するにはどうしたらよいのか、第 1 期
うな援助が必要なのであろうか。大切なのは、
スーパービジョン委員会は次のようなスーパー
バイザー養成研修案を答申した。
「必要なときに必要なだけの援助」が与えられ
ることである。つまり、初心者のカウンセラー
⑴自己評価
が困ったときに、その困ったことに対して、適
スーパーバイザーになりたい人は、まずは学
切な助言、指導が出てくる組織を作ることであ
会が作った自己チェックシート項目に基づき自
る。これは言い換えると、
「多方面の分野から」
分の知識、技能、態度について自己評価を行う。
⑵基礎研修
「カウンセラーの進化のレベルに合わせて援助
自己チェックシートで不足している部分を、
できるスーパーバイザー」を多数配置するとい
− 3 −
基礎研修で補う。
すでにスーパーバイザーになっている人から
⑶必修研修
援助法についての様々な意見を聞き、スーパー
スーパーバイザーになりたい人は、全員その
バイザーとしての心構えを聞き、不足している
倫理や役割など必修の内容を、日本産業カウン
ところを補う
セリング学会の認定研修会で学ぶ機会をつくる。
⑹最終試験
⑷専門研修
スーパーバイザーになりたい人のために学会
キャリア領域、メンタルヘルス領域、カウン
は年に一度の試験を実施する。
セリング・臨床心理学領域などの領域に応じて、
以上の答申後、平成 18 年より平木典子先生
先輩から学べるような機会をつくる。
を委員長とする第 2 期スーパービジョン委員会
⑸SV評価
にバトンタッチされた。
JAIC スーパーバイザー制度の概要
Ⅰ.JAIC スーパーバイザー制度の骨子
⑴スーパービジョンとは
<スーパーバイザー制度の目的>
⑵スーパーバイザー・トレーニングの概要
働く人たちのためのカウンセラーの資質向上
2.カウンセリングに関する知識とスキルと情報
に寄与するため、学会認定スーパーバイザーの
⑴カウンセリングに関する知識と情報
養成及び認定をおこなう。
⑵カウンセリング・スキル
<スーパーバイザー制度の内容>
3.スーパービジョン・スキル
○スーパーバイザー養成研修受講申請の資格要
⑴スーパービジョン・スキルトレーニング概論
⑵カウンセリング応答指導(コミュニケー
件による審査
ション・マネジメント)
○スーパーバイザー養成研修の実施と修了認定
⑶ケースの概念化・運営・管理・評価(ケー
○ 学会スーパーバイザーの認定
Ⅱ.学会スーパーバイザー養成研修受講申請資格
ス・マネジメント)
⑷組織における HRM、HRD、EAP との連
1.カウンセリング有資格者(産業カウンセ
ラー・キャリアコンサルタント・認定カ
携など(システム・マネジメント)
ウンセラー・臨床心理士 および同等の
⑸カウンセラーの能力開発・ファシリテーション
資格)
4.スーパービジョンの倫理
⑴スーパービジョン契約
2.カウンセリングの実務経験 5,000 時間以
上(そのうち、カウンセリング面接時間
⑵現場手続きの指導
は 2,500 時間以上であること)
⑶発生する倫理問題への対処
⑷スーパービジョンの評価について
3.日本産業カウンセリング学会会員歴 3
5.自己のカウンセリングとスーパービジョン・
年以上
モデルの明確化
4.スーパービジョン経験者(スーパーバイ
⑴自己のカウンセリングスタイル・哲学・
ジー:50 時間以上、スーパーバイザー経
理論・方法の明確化
験があることが望ましい)
5.自己のカウンセリングのスタイル・哲学・
⑵自己のスーパービジョンのスタイル・哲
学・理論・方法の明確化
理論・方法が明確な人
Ⅲ.スーパーバイザー養成研修シラバス大綱
1.スーパービジョン概論
− 4 −
ご 挨 拶 「会長をお引き受けして」
日本産業カウンセリング学会 会長 木 村 周 前松原会長突然のご退任により、まことに力不足ではありますが会
長をお引き受けしました。残余の任期は残り少ないのですが下記の3
点を実行したいと思いますので会員の皆さんのご支援、ご協力をお願
いします。
を開始すべく集中的な作業をしてもらっていま
1.地域会員一人一人のニーズへ
の対応と現場活動への貢献
す。
3.第 13 回学会大会の地域からの
自由で自主的な参加
本学会は、産業カウンセリングの研究と実践
に貢献することを目的とする学会です。現場に
こそ真実がありそれを会員と理事等で共有した
いと思います。地域の会員が集まり研究会、集
前回大会ははじめて地方中核都市福島で行わ
会(会員以外も含む)などを計画し、学会理事
れましたが、地域の研究者と実践家の自主的な
等の参加を希望する場合は事務局にご連絡くだ
アイデアと行動力によって、新鮮で現場に結び
さい。予算の限度と理事等の都合がありますが、
ついた大会だったと私は感じています。
地域に出かける予算を若干計上してもらいまし
第 13 回学会大会は、本年 10 月 24 日(金)
た。
より立正大学を会場にして行います。大会準備
委員だけではなく多くの会員に企画、準備段階
から参加いただき成功させたいと心から念じて
2.スーパーバイザーの養成
います。
なお、多くの会員のご協力により学会設立
本学会スーパービジョン委員会は、これまで
10 周年記念事業として進めてききました「産
永年にわたりスーパーバイザー制度の内容と
業カウンセリング辞典」もそれまでに刊行しま
スーパーバイザー養成のためのカリキュラムの
す。
検討を進めてきました。一部の会員の方々には
本学会は、単なるカウンセリングの学会では
永らくお待たせしましたが、いよいよ成案が固
なく、
「産業」カウンセリングの学会です。ま
まりつつあります。学会ホームぺージでは本年
た、研究者と実践家があらゆる意味で対等に活
3 月、そして本会報においてその概要をお知ら
躍し、現場に貢献する学会だと私は考えてきま
せしましたが、本年度の第 13 回学会大会にお
した。残余の任期中にやれることは少ないので
いてもシンポジウムのテーマとして取り上げ、
すが精一杯努力しますので、ご支援ご協力をお
来年 1 月には第 1 期スーパーバイザー養成研修
願いします。
− 5 −
会長辞任にあたってのご挨拶
東京福祉大学大学院教授 松 原 達 哉 私は 5 年間本学会の会長を杉渓一言前会長の
した。また「産業カウンセリング研究」を年 1
後を引き継いでしてきましたが、今回日本カウ
〜 2 回森田一寿編集委員長が中心になり現在 9
ンセリング学会理事長に選出されましたので辞
巻 1 号まで発刊しています。さらに会報も一昨
任いたします。辞任にあたり、日本産業カウン
年は十周年記念号として 20 号が上脇貴広報委
セリング学会が、同学会の創立を振り返り、今
員長が中心に発刊し、学会に貢献しています。
後の発展を祈念してご挨拶申し上げます。
さらに研究委員会は現在は宮城まり子委員長が
日本産業カウンセリング学会は 12 年前の
中心になり研究会、事例研究会、産業カウンセ
1996 年 3 月に創立されました。
ラーの実態調査研究などをし、研修委員会は今
学会創立以前、私たち(杉渓一言先生(当時
野能志委員長中心にケース研究、研修会、シン
日本産業カウンセラー協会の試験委員長)と楡
ポジウムなどを、スーパービジョン委員会は平
木満生先生(試験委員)、そして私(試験委員
木典子委員長を中心に、スーパーバイザーの養
長代行)
)は、藤縄正勝産業カウンセラー協会
成訓練と資格認定を検討し、その実現に向かっ
会長に協力しながら、
産業カウンセラー(初級)
、
ています。総務委員会は楡木満生委員長中心に
シニア産業カウンセラー(中級)、上級産業カ
規約の改正、大会主催地の選定、支部の設立な
ウンセラーの制度案を立案し、毎年のように資
どに努力し、近畿支部を設立されています。渉
格試験を実施していました。現在、産業カウン
外委員会は三川俊樹委員長が中心で総務委員会
セラー制度は確立され、毎年多数の人が「産業
と協力し、近畿支部結成をし、国内外の研究者・
カウンセラー」に認定されるようになっていま
研究団体との交流をしてます。
す。
また各地区で支部を設立し、研究や研修をさ
同学会は、私たち 3 人が産業カウンセリング
らに充実させようと計画しています。将来計画
の分野で学会を創立して、学術的にも認められ
委員会は今までは井本恵章委員長中心に学会の
るようにしようと、木村周先生(当時、筑波大
将来の研究、研修、組織のあり方、倫理委員に
学教授)や桐村晋次先生(当時神奈川大学教授、
も取り組んでいましたが私と一緒に辞任され、
現法政大学大学院教授)等に呼びかけて、賛同
桐村先生と松下由美子先生に委員長は交代しま
を得て一緒に創立されました。
した。
学会創立の目的は「産業組織におけるカウン
学会全体で大きな仕事としては、2000 年 12
セリングの実践的な研究を促進し、産業カウン
月に「産業カウンセリングハンドブック」(金
セラーの資質の向上を図り、カウンセリング活
子書房)を杉渓会長を中心に発刊しました。
動の普及・発表に寄与すること」であります。
753 頁 15,000 円の大著であり、産業カウンセリ
この目的のために、1996 年 3 月 3 日に、日
ングの歴史、
現状、
産業組織と産業カウンセラー
本女子大学に 300 人の研究者や産業人、カウン
の資質と倫理、理論と技法研究方法、心理アセ
セラーが集まって創立総会を開きました。同年
スメント、実践活動、組織と運営、家族、コ
の 11 月 16 日〜 17 日に森田一寿大会準備委員
ミュニティ、資格・養成など産業カウンセリン
長が中心に第 1 回大会を昭和女子大学で開催し
グのあらゆることが網羅された大事典とも言え
ました。以下第 12 回は五十嵐敦大会準備委員
る本で、類書がありません。そこで(財)労働
長が中心になって福島において大会を開催しま
問題リサーチセンターより沖永賞と立派なトロ
− 6 −
フィーと金一封を受理しました。これは、本学
倫理なども必要でしょう。かつては傾聴が重視
会約 130 人が執筆した学術書であり、本学会の
されたが、今でも重要ではありますが、さらに
学術水準を天下に告示したことにもなります。
多方面の知識、技法などの実践力も必要です。
私はこの出版の発案者及び編集者の一人として
産業カウンセリングの実践力(実力)を向上
尽力しました。なお、また、本年 2008 年 6 月
させ、できれば国資格化を期待したい。そのた
には、木村、桐村、楡木、平木、小澤先生と私
めにスーパービジョン制度を確立し、そして、
など本学会役員が編集の中心になって「産業カ
カウンセラーの職場開拓し、定職につき、
仕
ウンセリング辞典」
(金子書房)を発刊します。
事の喜びを持てるようにしたいと思っています。
用語辞典ですから学術書のハンドブックの姉妹
私は、微力でありましたが、5 年間会長を任
編でもあり、多数の会員が協力して、産業カウ
されてきました。学会の役員や会員の皆様に支
ンセラー必携書を発刊します。
えられ、あっという間に 5 年間経ちました。こ
産業カウンセリングの対象は、産業という言
れからは日本カウンセリング学会の理事長とし
葉からイメージされますと企業・産業組織で働
て本学会と一致協力し、学会の発展にも寄与し
く人のことだけが頭に浮かびそうですが、もっ
たいと思っています。
と広く考えて、働く人たち、中高年の働く人と
ここに本学会は木村周新会長を中心に益々発
して社会人として生きていく上での課題や悩み
展することを祈りながら心より御礼申し上げ辞
のカウンセリングといえます。また、キャリア
任いたします。
カウンセリング、能力開発、就職相談、進路相談、
障害者の職業紹介やガイダンス、
フリーター(100
万人)
、NEET(62 万人)
、引きこもり(80 万人)
など働いていない人のカウンセリングも含むと
思います。最近はストレスからうつ状態やうつ
病となり自殺者(3 万 2 千人)も多くいるので、
本学会顧問 高田勗先生
瑞宝中綬章 叙勲
こうした人のカウンセリングを重視しています。
本学会顧問の高田勗先生が平成 19 年度
国家公務員は年 150 人近く自殺しているので、
秋の叙勲で、瑞宝中綬章を受章されました。
私は総務省人事局より委嘱されて予防対策に尽
先生は、昭和 26 年から慶應義塾大学医
力しています。さらに支援は働く人の家族の問
学部に勤務された後、昭和 31 年から労働
題や子育てなども含む場合もあります。なお、
省(当時)で労働安全衛生行政に携わられ
離職者は 753(中卒が 7 割、高卒が 5 割、大卒
ました。昭和 43 年からは北里大学で衛生
が 3 割)といわれ、
急激に増えておりこうした
学部及び医学部で教育研究にご尽力される
人のカウンセリングも対象になります。
と共に、労働安全衛生分野において審議会・
時代は急激に改革し、変化もしています。カ
委員会委員等の役職を歴任される等、大学
ウンセラーになる人は、研究者と実践家とが力
退任後も一貫して日本の労働安全衛生に貢
を合わせて一緒にやる必要があります。そして
献されてこられました。同章は、このよう
学習すべき学問分野は、心理学、特に臨床心理
な先生の功労をたたえて授与されたもので
学、社会学、産業組織学、経営学、精神医学、
す。先生の受章を心からお祝い申し上げ、
障害者の心理なども必要です。
これからもますますご活躍されますようお
また、それを専門とする人との協働が大切で
祈り申し上げます。
す。なお、職業適性検査、心理アセスメント、
− 7 −
学会の進むべき方向について(問題提起)
学会副会長・将来計画特別委員会委員長 桐 村 晋 次 日本産業カウンセリング学会は今年で第 13
や高年齢雇用への支援等新しい動きも少しずつ
回大会を迎えます。1996 年 3 月 3 日に創立総
進められていますが、解決すべき課題も山積み
会が開かれて今年で 12 年。会員も全国で 1600
しています。
名を超え、大会も関西や東北で開催されるなど、
本産業カウンセリング学会は、まさに時代が
研究教育の実践と活動領域の拡大を着実に実行
要請するタイミングで設立されたのです。期待
してきました。
される役割も多分野にわたり、緊急度も高いもの
この間、学会長は杉渓一言先生、松原達哉先
ばかりです。しかし、
われわれの力は未だ小さく、
生と引き継がれ、今年度は第 3 代会長として木
そのすべてに応えることは難しい状況です。焦
村 周先生が就任されています。
点を定め、順番を決めて歩みを進めなくてはなり
一方、この 12 年は産業カウンセリングにとっ
ません。本学会の将来計画特別委員会は、現在、
ては激動の時代でした。グローバリゼーション
学会の進むべき方向について検討を進めており、
によって国と国の間で人、もの、金、情報など
10 月の学会で検討結果の報告と学会員の参加に
が垣根なしに行き来するようになり、日本国内
よるシンポジウム「地域における活性化のありか
にあった生産拠点が中国やアジアの国々に移転
た」
(仮題)を予定しています。会員の皆さんの
し、製造業で働く労働者が有業者の 2 割を割り、
ご意見を事務局にお寄せください。
代わってサービス業従事者が 3 割に達していま
以下に委員会で検討している課題を例示しま
す。1956 年に 4 割を超えていた農業従事者は
す。
10 分の1の4%に減少し、海外に食糧を依存
1.地方会員のための教育・
するようになりました。
研究機会の充実
コンピューターの発達による技術革新(IT
革命)によって、仕事の仕方、労働時間、人事
会員、とりわけ学会が開催されにくい地方に
管理システムに大きな影響が出てきました。第
いる会員のための研究会や研究発表会を開く場
1 次産業(農林業、鉱業)→ 第 2 次産業(製
合には、要請に応じて講師を派遣します。出張
造業、建設業)→ 第 3 次産業への労働人口の
旅費、宿泊費は学会負担。会場費負担と会員へ
急激な移動によって、労働の環境が多様化し仕
の連絡は各地域でお願いします。
学会事務局に、
事の学び方、能力開発の方法も変わり、企業の
日時、場所、テーマ、
(特に希望する講師があ
盛衰も予断を許しません。
れば)講師名を申し込んで下さい。学会では希
リストラ、知的再生産を妨げる過重な残業、
望講師の都合がつかない場合は、テーマによっ
過労死、成果主義による人事考課、企業の合併・
て別の講師をご相談させてください。10 − 20
提携、自己責任が前面に出てきた能力開発、非
名以上集まれば、出来るだけ対応します。
正規雇用の増加等、日本型経営、家族主義的運
2.学会員の専門性のレベルアップ
営から従業員にとっては厳しさを増す人事制度
への転換も進んできました。男女雇用機会の均
等化、育児や介護への施策、キャリア形成支援、
裁量労働制等柔軟な働き方の模索、定年の延長
− 8 −
スーパーバイザーの強化に着手しました。
労働現場で何が起きているか、人事労務部門
3.企業の経営者、管理者、人事部門、労働
は何故積極的に動かないのか等。
「事後対応」
組合へのPR、啓蒙的な講演会やシンポジウ
から「事前予防」への転換等。
ム。産業カウンセリング通信誌等の配布
6.他の関連学会等との連携。研修
会の共同開催等。
4.緊急課題についてのケース研究会
メンタル面の原因によって休職中の人の職場
7. その他
復帰の成功例、キャリア形成支援の成功例等。
研究委員会、研修委員会の課題分担の明確化が
必要。
中小企業への産業カウンセリングの導入への
支援。企業への高齢者の能力発揮へのアドバイ
5.何故、メンタルな問題が急増している
ス等。
のか等の根本的な課題に、プロジェクト
チームを設置して研究を進めること。
2008 年度 委 員 会 活 動 予 定
研究委員会活動予定 研究委員会 委員長 宮 城 まり子 研究委員会は現在 8 名で活動しています。メ
8名ほどのグループに分かれて参加者同士で活
ンバーは研究委員長の宮城まり子と他に内山喜
発な意見交換が行われました。今後は10月の
久雄、奥津眞里、根本忠一、廣川進、武藤清栄、
大会において、研究委員会によるシンポジウム
吉田博、渡部卓(敬称略)です。研究委員会は
(テーマは現在検討中です)を行なう予定です。
隔月に会合をもち年間 6 回から7回ほどの研究
また、年間の予定としては、大会の他には、小
委員会活動を行っています。1月 27 日には、
「産
規模のパネルディスカッション、事例研究会な
業カウンセラーに求められるソーシャルスキ
ども行う予定です。
研究委員会に対するご意見、
ル」をテーマに、現場のカウンセラーを招いて
ご希望がございましたら学会事務局の方へお知
パネルディスカッションを行いました。
その後、
らせください。
研修委員会活動予定 研修委員会 委員長 今 野 能 志 研修委員会としては、2008 年度のテーマを
イザーの養成に取り組むのは、日本では当学会
スーパービジョン、メンタルヘルス、アセスメ
が初めてです。
ントの三つとし、以下のように研修会を予定し
これにより、
カウンセリング・スーパービジョ
ています。
ンについての正しい知識を得ていただけること
になります。
4月:スーパーバイザー養成に関する研修会
そのため、この研修会ではスーパービジョン
スーパーバイザーの養成プログラムを立ち上
を受けるということはどういうことか、スー
げ、学会としてスーパーバイザーを認定するこ
パービジョンを受けるためには何をどのように
とになりました。カウンセリング・スーパーバ
準備すればいいのか、ということについて説明
− 9 −
されます。
討を行って作り上げたスーパーバイザー養成プ
併せて、学会のスーパーバイザー養成プログ
ログラムについて詳しく解説されます。
ラムについても説明されます。
2009 年 1 月(2 月)
:キャリア・カウンセリ
ングにおけるアセスメントの活用
7月(8月):メンタルヘルスにおけるアセ
スメントの活用
日本におけるキャリア開発の支援活動として
メンタルヘルス・カウンセリングの現場にお
のキャリア・カウンセリングを実施する上で役
けるアセスメントの活用についての研修会で
に立つキャリア・アンカーと MBTI について、
す。カウンセリングの現場で役に立つアセスメ
現場での体験から事例なども参考にしながら解
ントを紹介し、その活用方法について解説され
説されます。
ます。
なお、キャリア・コンサルタントの技能検定
化に関連して、産業カウンセラーの資格(国家
大会(10 月):スーパーバイザー養成プログ
資格化の可能性など)やキャリア・コンサルタ
ラムについての説明会
ントの技能検定についての研修会を開催してほ
第 13 回大会において、スーパーバイザー養
しいという要望がでておりますので、研究委員
成プログラムおよび認定スーパーバイザーにつ
会との協働でパネル・ディスカッション等の開
いての説明会を実施します。
催を検討中です。
スーパービジョン委員会が3年間におよぶ検
広報委員会活動予定 広報委員会 委員長 上 脇 貴 広報委員会はこれまで年 2 回会報を発行する
始します。本号でも第 13 回大会の概要をお知
ことを主眼に活動してきましたが、2008 年度
らせしましたが、
「すべての働く人たちのため
は、会報の発行に加えて、学会ホームページに
のカウンセリングの再構築」という大会テーマ
ついて、その機能をより向上させ、内容の充実
に象徴されるように産業カウンセリングそのも
を図ることに注力してまいります。
のを見直すことが必要になっており、これに
すでに、お気づきの会員の方も多いと思いま
伴って学会の活動が活発化しています。このよ
すが、学会ホームページのトップページを今年
うな意味からも、会員の皆様に学会情報をス
2 月からリニューアルしています。それ以前は、
ピーディにお届けすることが可能となる「JAIC
トップページに設定した「新着情報」と名づけ
ニュースレター」は必要なツールと思われます
た 1 個のウィンドウに学会の催事や運営にかか
ので、是非ご登録くださいますようお願いしま
わる情報を順次掲載、
お知らせしていましたが、
す。
これらを内容によって「日本産業カウンセリン
※「JAIC ニュースレター」へのご登録方法が
グ学会・ニュース」と「シンポジウム・研修会
20 ページに掲載されていますので是非ご参照
開催案内」の 2 つのウィンドウに分類して順次
願います。
掲載するようにしました。
さらに、この 5 月からは、
「JAIC ニュース
レター」にご登録いただいた学会会員の皆様に
学会ホームページが更新される都度、即時にそ
の内容をメールにてお知らせするサービスを開
− 10 −
日本産業カウンセリング学会 第13回大会のご案内
標記の大会が 2008 年 10 月 24 日(金)~ 26(日)の予定で東京の立正大学を会場に開催されます。
例年は夏に行われることの多い本学会の大会ですが、今年は秋の深まりを感じつつ 10 月下旬の開催
となりました。気候的にも良い時期ですので、一人でも多くの皆様のご参加をお待ちしております。
テーマ
「すべての働く人たちのためのカウンセリングの再構築 ―地域の活性化からスーパービジョンによる専門性の向上まで―」
会 期
2008 年 10 月 24 日(金)~ 10 月 26(日)の 3 日間
大会準備委員長 楡木満生先生 立正大学
スケジュール
スケジュールは下記の通りです。詳細は第1号通信及び第2号通信をご覧下さい。
日 程
10 月 24 日(金)
10 月 25 日(土)
10 月 26 日(日)
会 場
きゅりあん
立正大学
石橋湛山講堂
立正大学
11号館
受付開始
9:00 ~
9:00 ~
9:00 ~
研修会Ⅰ
9:30 ~ 12:30
午前コース /1 日コース
大会プログラム
昼食
12:30 ~ 13:30
研修会Ⅱ
13:30 ~ 16:30
午後コース /1 日コース
受賞者記念講演
9:30 ~ 10:30
大会記念講演
10:30 ~ 12:00
昼食 / 理事会
12:00 ~ 13:00
昼食
12:00 ~ 13:00
学会総会
13:00 ~ 14:30
ラウンドテーブル
13:00 ~ 14:30
大会企画講演 & シンポジウムⅠ
14:30 ~ 16:30
休憩(15 分)
自主シンポジウム
16:45 ~ 18:45
個人研究発表
9:30 ~ 12:00
大会企画講演 & シンポジウムⅡ
16:40 ~ 18:40
学会企画シンポジウム
14:40 ~ 16:40
《大会終了》
懇親会
19:00 ~ 20:30
主なプログラムの概要
10 月 25 日(土)
大会企画講演 & シンポジウムⅠ
「地域における活性化のあり方」
講演 桐村晋次先生 法政大学
シンポジスト 企画中
大会企画講演 & シンポジウムⅡ 「スーパービジョンの専門性の向上」
講演 平木典子先生 東京福祉大学
シンポジスト 小澤康司先生 立正大学
繁田千恵先生 帝京平成大学
三川俊樹先生 追手門大学
学会企画シンポジウム
「成功事例に学ぶ働く人たちのためのカウンセリング」
総合司会 宮城まり子先生 法政大学
シンポジスト 企画中
※上記は4月中旬現在の予定ですので、変更になることがあります。
− 11 −
写真で綴る
大会企画シンポジウム
産業カウンセリングのための地域資源の活用
企画・司会 五十嵐敦先生 シンポジスト 古山善一先生、芦立尚典先生、山屋佐智子先生
平成18年度学会賞受賞記念講演
横山哲夫先生
学会企画講演
宮城まり子先生
− 12 −
大会企画講演
倉戸ヨシヤ先生
第 12 回大会
晴れの受賞
学術賞
平川 完先生
学会賞
桐村普次先生
研 修 会
自主シンポジウム
大会企画講演
福田一彦先生
− 13 −
個人研究発表
ラウンドテーブル
− 14 −
懇 親 会
大会スタッフ
ありがとうございました
− 15 −
第 12 回大会学術賞を受賞して
(財)関西カウンセリングセンター 平 川 完 本誌に掲載頂いた論文に対して、「日本産業
定して、どういうアクションをしたらいいのか
カウンセリング学会・学術賞(杉渓賞)
」受賞
探すのはバイオ技術者の一つの姿なのです。杉
の栄誉に浴させて頂きました。化学企業のバイ
渓先生の言葉から「複雑系の科学」の世界に導
オ技術者としての現役時代を経た私にとりまし
かれ、改めて自分の専門分野であった「生命」
て実に思いがけないことでした。初めに思い浮
「生命科学」……その世界の新しい知見をメタ
かんだのは、カウンセリングを学び始めた頃か
ファーとして人間や人間世界を眺めてみる魅力
ら、何かと声をかけて頂いた(財)関西カウン
はつきることはありません。ここ数年、私の出
セリンクセンター元理事長古今堂紘先生(第 1
身会社の若い研究者の「ライフキャリア相談」
回「学会賞」を受賞された)のお姿、そして、
を担当させて頂いていますが、新しい世界に挑
本論文の展開の基点となった杉渓一言先生の
戦することの魅力と大変さを教えてもらってい
「産業カウンセラーへの期待は、あいまいさに
ます。大いに「揺らぎ」ながら、支援の「人間
耐え、来談者とともに時代の苦悩を分かち合い
軸」は何かを考えさせられるこの頃です。
つつ、その揺らぎの中から新しい秩序の響きを
大きな時代変化の中にありながら、何か閉塞
聴き取る心を、日々のカウンセリングの営みに
感がしのびよる時代のようです。先が読みにく
おいて育てていくことである。そこに、現代の
い不安感が広がるせいでしょうか。ストレスに
癒しの原点がある。
」
(産業カウンセリング入門、
さらされている疲労感もあります。気持ち ・ 思
日本文化科学社)という言葉との出会いでした。
いが通じないイラダチもあります。中高年者は
この言葉の中に私が論文の中で記述した内容の
どうでしょうか。若い人はどういう状況におか
エキスが表現されているように感じますし、
「杉
れているのでしょうか。最近の閣議で、07 年
渓賞」を頂く不思議な縁を本当に有難く感じて
版自殺対策白書が決定され、2016 年までに自
いるところです。
殺者 20%以上減少するという目標が掲げられ
本学会との関わりは、大会での個人発表と、
ました。改めて、支援者のあり方が問われてい
その内容の本誌への投稿・掲載の機会を与えて
るようです。
「世代間をつなぐ」
、
「人と人とを
頂いたことです。化学の研究に関しましては、
つなぐ」役割がキーとなりますし、心を癒し、
バイオ関連の基礎研究の結果を学術誌に何度か
人を育てる自然の多様性にふれる機会を幼少期
投稿する機会があり、学位を頂くことも出来ま
からどう配慮するかも課題になると思われま
したが、カウンセリング心理学の分野は人間が
す。そしてキャリア形成支援は上記の問題と密
からむだけに、更に複雑で奥が深く、自分なり
接に関係していることは多くの臨床家・支援者
の発信がどのように専門家の先生方或いは関係
が実感しているところだと思います。そういう
者に受け止められるか不安なところもありまし
意味で、より深い学問的探求の「専門性」「独
た。
自性」も重要であるが、激動の時代において、
評価頂いたのは何なのか……恐らく、私が長
社会的課題の解決に寄与するための、組織への
年携わってきたバイオの技術者として視点・発
働きかけと社会資源とのネットワークの重要性
想から、人と人との関わり、社会を見つめる多
を改めて感じております。厳しく問われるのは
くの専門家のメッセージを読み取り、私なりの
倫理観であり、絶えず自らの専門性を高めてい
経験を関連づけ、構造を描こういう試みにあっ
く修練の志であると、自らに言い聞かせており
たのかもしれません。どう変わっていくのか代
ます。
謝地図を描いてみて、そこに働いている力を想
− 16 −
会員投稿
採り上げて欲しい研究会やシンポジウムのテーマについて
坂 井 智 恵
去る 11 月 16 日厚生省 HP 上にて
統一化によって、キャリア・コンサルタント
「キャリア・コンサルタント制度のあり方に
制度を分かりやすいものとし、認知度の向上
関する検討会」の報告書が発表されました。
を図っていく必要があるとしています。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/11/
1)産業カウンセラーについて、キャリア・
dl/h1116-2a.pdf
コンサルタントと同様な技能検定 ( 国家
当該報告書によれば、キャリア・コンサルタ
資格化 ) の動きはあるのか
ント制度の今後のあり方について教育訓練シス
2)キャリア・コンサルタント技能検定に
ついて、今後の動向について
テム、能力評価システム、情報システムと並ん
で労働市場インフラとして機能するよう構築す
以上の2つのポイントにフォーカスした研
ることが重要であるとしています。
究会またはシンポジウムの開催を強く希望い
そのためには、専門職としてのキャリア・コ
たします。
ンサルタントとしての能力要件と評価の仕組み
を明確化し、水準の向上を図るとともに試験の
今回のご要望にお応えして、第 13 回大会のラウン
ドテーブルのテーマ(案)の 1 つとして検討中です。
第 1 号通信を参照ください。
インフォメーション
関連学会大会スケジュール
新刊書籍紹介
日本心理学会
2008年9月19日(金)〜21日(日) 北海道大学
http://www.wdc-jp.biz/jpa/conf2008/
産業カウンセリング入門
日本心理臨床学会
2008年9月4日(木)〜9月7日(日) 茨城県つくば市
原達哉・楡木満生 編 日
改訂版
日本教育心理学会
2008年10月11日(土)〜13日(月・祝) 東京学芸大学 小金井キャンパス
http://www.u-gakugei.ac.jp/%7Ejaep50/
杉溪一言・中澤次郎・松
本文化科学社 2,940 円(税
込み)
1995 年に本書が刊行さ
れてから 10 年余りの間の
日本家族心理学会
2008年8月22日(金)〜24日(日) 東北工業大学
産業・組織心理学会
2008年8月30日(土)〜31日(日) 上智大学
職場のメンタルヘルスの社会問題化、キャリ
ア・カウンセリングへの注目の高まりなどの
変化に応え、改訂された。既存の章の現代に
ふさわしい形への大幅な加筆修正、また「産
日本産業カウンセラー協会
2008年5月31日(土)〜6月1日(日) 岡山市
http://www.counselor-chugoku.com/kenkyutaikai.html
日本カウンセリング学会
2008年11月22日(土)〜24日(月・祝)
筑波大学附属高等学校
業カウンセリングの相談室」などあらたな章
の追加、さらには「産業カウンセラーの倫理」
「キャリア・ガイダンス、カウンセリング、コ
ンサルティング」などを節から章へと拡充・
独立させ、新時代にふさわしい充実した内容
になった。(改訂版前書より抜粋)
− 17 −
新入会員紹介
平成 19 年 8 月 7 日現在
入会者(10 名)
廣 瀬 文 乃
ひろせ あやの
布施木 景子
ふせぎ けいこ
板 垣 大 樹
いたがき おおき
小 林 友 子
こばやし ともこ
近 藤 順 茂
こんどう よりしげ
森 本 祐 子
もりもと ゆうこ
岡 崎 京 子
おかざき きょうこ
高見澤 仁子
たかみざわ きみこ
本 間 理 絵
ほんま りえ
鹿野 あゆみ
しかの あゆみ
退会者(0 名)
なし
平成 19 年 10 月 10 日現在
入会者(12 名)
退会者(6 名)
楠 田 徹 彦
くすだ てつひろ
瀧 澤 芳 香
たきざわ よしか
石 岡 慎 介
いしおか しんすけ
島 根 康 夫
しまね やすお
大平 このみ
おおひら このみ
平 松 裕 章
ひらまつ ひろあき
芦 立 尚 典
あしたて しょうすけ
倉 田 靖 子
くらた やすこ
西 井 義 二
にしい よしじ
細 谷 明 美
ほそや あけみ
久 留 正 子
くる まさこ
渡 辺 麿
わたなべ おさむ
片 山 雄 一
かたやま ゆういち
竹 崎 将
たけざき すすむ
高 田 幸 一
たかだ こういち
秋 山 知 美
あきやま ともみ
尼 子 洋
あまこ ひろし
宮 腰 孝 志
みやこし たかし
平成 19 年 12 月 26 日現在
前 田 幸 男
橋爪 貴美子
田 附 宏 司
西 村 英 明
内 野 達 矢
土 屋 里 香
堀之内 高久
国 富 和 代
川 島 直 生
佐 古 起 造
矢 野 道 浩
荒 堀 淳 嗣
谷 口 光 代
馬 場 総
まえだ ゆきお
はしづめ きみこ
たづけ ひろし
にしむら ひであき
うちの たつや
つちや りか
ほりのうち たかひさ
くにとみ かずよ
かわしま なおき
さこ きぞう
やの みちひろ
あらほり あつし
やぐち みつよ
ばば さとし
入会者(41 名)
前田 美智子 まえだ みちこ
前 田 玲 子 まえだ れいこ
橋 本 亮 輔 はしもと りょうすけ
今 野 由 香 こんの ゆか
長 橋 輝 明 ながはし てるあき
吉 木 茂 よしき しげる
秋月 多美子 あきづき たみこ
御 舩 節 みふね みさお
山 岸 良 一 やまぎし りょういち
岡田 美智子 おかだ みちこ
森 本 道 明 もりもと みちあき
新 井 滄 吉 あらい そうきち
水 木 寿 みずき ひさし
服 部 令 子 はっとり れいこ
西川 絵里嘉
青盛 眞知子
真 下 尚 子
埜田 伊公子
勝 間 徹
中 西 真 美
波 多 勇
木 村 正 敏
真 多 勇 夫
井 上 芳 明
関 野 伸 一
小 林 勝
西 澤 肇
にしかわ えりか
あおもり まちこ
ました しょうこ
のだ いくこ
かつま あきら
なかにし まみ
はた いさむ
きむら まさとし
また いさお
いのうえ よしあき
せきの しんいち
こばやし まさる
にしざわ はじめ
退会者(14 名)
柏 木 雅 之 かしわぎ まさゆき
山 下 法 子 やました のりこ
本 田 晃 ほんだ あきら
福 井 宏 ふくい ひろし
福 井 淳 也 ふくい じゅんや
瀬 谷 洋 子 せや ようこ
七 字 卓 男 しちじ たくお
浅 野 智 子 あさの ともこ
野 村 達 矢 のむら たつや
吉沢 久美子 よしざわ くみこ
上 田 光 江 うえだ みつえ
上 村 勘 二 うえむら かんじ
長 尾 雅 美 ながお まさみ
田 中 晶 子 たなか あきこ
平成 20 年 2 月 28 日現在
入会者(24 名)
角 木 邦 夫
稲垣 久美子
曲 尾 実
長 澤 惠
岩 渕 圭 雄
藤 田 朋 子
尾 久 裕 紀
小 林 正
沢 田 幸 男
かどき くにお
いながき くみこ
まがりお みのる
ながさわ めぐみ
いわぶち よしお
ふじた ともこ
おぎゅう ひろき
こばやし ただし
さわだ ゆきお
石 川 修
今 川 聡 子
森 俊 昭
新 城 玲 子
石村 光資郎
高城 絵里子
重 松 由 実
小 沢 勉
国 広 多 美
賛助会員入会希望社(1 社)
いしかわ おさむ
株式会社 メディカルコンパス
いまがわ さとこ
もり としあき
しんじょう れいこ
いしむら こうしろう
たかき えりこ
しげまつ ゆみ
おざわ つとむ
くにひろ たみ
退会者(9 名)
石 井 佑
辻 清次郎
和 田 英 三
西 尾 昌 恵
大 芦 治
太 田 友 子
棟 形 均
玉 城 孝 江
渋 谷 武 志
いしい ゆう
つじ せいじろう
わだ えいぞう
にしお まさえ
おおあし おさむ
おおた ともこ
むなかた ひとし
たまき たかえ
しぶたに たけし
平成 20 年 4 月 18 日現在
入会者(10 名)
退会者(19 名)
梅 澤 豊 邑
森 本 啓 介
もりもと よしゆき
福 山 直 水
ふくやま なおみ
小 薬 理 絵
こぐすり りえ
川 村 泰 作
かわむら たいさく
尾 崎 修
おざき おさむ
野 中 由 彦
のなか よしひこ
八島 江里子
やしま えりこ
木 暮 邦 彦
こぐれ くにひこ
岡本 名津子
おかもと なつこ
重 田 富 子
しげた とみこ
剣 持 秀 次
けんもつ ひでつぐ
安田 奈津海
やすだ なつみ
米 澤 正 文
よねざわ まさふみ
原 田 輝 雅
はらだ てるまさ
大 愛 理 歌
石 原 次 郎
三室戸 元光
大工原 美香
奥 野 誠 一
おおあい りか
岡 善
橋 本 和
岡 野 嘉
若 島 孔
柴 田 博
おか よしお
阿 部 紀 慶
谷 由紀子
下坂 理佳子
笹 沼 正 典
あべ のりよし
いしはら じろう
みむろど まさみつ
だいくはら みか
おくの せいいち
− 18 −
男
宏
宏
文
之
はしもと かずひろ
おかの よしひろ
わかしま こうぶん
しばた ひろゆき
うめざわ とよむら
たに ゆきこ
しもさか りかこ
ささぬま まさのり
あとがき
僅かに残った桜花がすっかり散ってしまうほど
をやっていた仲間で、一昨年の年末、またやろう
の雨風に見舞われた4月8日、モノオペラ 「 悲嘆」
という気運が自然と起こり、私の勤務する会社の
(三枝成彰作、於サントリーホール)を観てきまし
ホールに月に1、2回程度集まって稽古するよう
た。ステージの前方にはオーケストラ、それを挟
になったものです。しかし、如何せん素人の集ま
んで観客席と対峙するように一段高く作られた舞
り。再開したころは思うように声を合わせること
台に独りの女性、座卓、立てかけられた軍服、そ
ができませんでした。そんな矢先に、以前から交
して白布のかけられた遺体。このオペラは 226 事
流のあったメンバーのたっての願いに応える形で、
件の首謀者の一人として処刑された青年将校の亡
彼の指導が始まったのでした。
がらを前にして葛藤し、彼に殉じる妻の物語。歌
彼の指導は、全くのボランティアなのですが、
い手とのリレーションに注力しつつ各シーンを表
素人の私たちに対してもザックバラン、真剣かつ
情豊かに奏でるオーケストラ。過剰なまでの閉塞
誠実であり、エンパシィに満ちています。指導を
感と緊迫感が観客を圧倒する英語による独唱。こ
受けている最中、私はそうなのですが、メンバー
んなオーケストラと歌い手のコントラストが物語
もある種の心地よさを感じているように思えます。
そのものを比喩しているのだと感じさせたモノオ
これは、彼が全霊を注いで私たちを聴き、看て、
ペラ 「 悲嘆 」。このことは、耳が不自由であって
そしてわかろうとしてくれていること、そこに音
も伝わる音楽の存在を示唆しているようにさえ思
楽への深い造詣に裏付けられたテクニカルな指導
わせたのでした。
が加わって、私たちは、自身の合唱パフォーマン
つい感想を記しましたが、実のところ、このと
スはもちろん、ある意味で感情レベルの変化まで
きまで私はオペラを観たことがありません。それ
も実感できるわけですから当然といえば、当然の
なのになぜ観に行ったかというと、私も参加する
ことなのかも知れません。
合唱グループで、このモノオペラで指揮された
-5月こどもの日、カウンセリングとスーパービ
YUKI MORIMOTO さ ん か ら 指 導 を 受 け、 彼 を
ジョンを考えながら思いつくままに-上脇 貴
知ったことがきかっけでした。知り合いの出場す
参考 YUKI MORIMOTO 氏のホームページ
るスポーツ大会にその人を応援に行ったようなも
http://www.yuki-morimoto.info/
のというと分かりやすいかも知れません。彼は、
普段はウィーンを拠点として現代音楽の作曲活動
を中心に活躍している方ですが、年に数回の帰国
の都度、忙しい仕事の合間をぬって、私たちのグ
ループの指導のために時間を割いてくれています。
ところで、この合唱グループというのは、最近新
しく加わった人もいて喜ばしい限りですが、メン
バーの大方はほぼ 30 年前の学生時代に一緒に合唱
日本産業カウンセリング学会会報 No.23
発行日 2008 年5月6日
発行者 木村 周
編集長 上脇 貴
印 刷 (有)印刷工房 Tel・Fax 045-835-0421 事務局 〒 141-8602 東京都品川区大崎 4 − 2 − 16
立正大学心理学部 小澤研究室内
日本産業カウンセリング学会事務局
Tel・Fax 03-5487-3276
− 19 −
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学会会員の皆様に、学会ホームページが更新される
都度、即時にその内容をメールにてお知らせする
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