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(平成25年度に係る業務実績報告書) 【PDF】
平成 25 年度に係る業務実績報告書 平成 26 年 6 月 独立行政法人 農業環境技術研究所 国民の皆さんへ 農業をめぐる環境問題が世界的に重要になり、食や環境の安全性に関する国民の関心が 高まる中、独立行政法人農業環境技術研究所は、自然と社会と人間との調和をめざした高 い水準の研究活動によって世界の食料及び環境問題の克服に貢献することを基本理念とし ています。そして、農業生産の対象となる生物の生育環境に関する技術上の基礎的な調査 及び研究等を行うことにより、その生育環境の保全及び改善に関する技術の向上に寄与す ることを目的としています。 この目的を遂行するため、本研究所は、第3期中期目標期間(平成23~27年度の5年間) においては、次の4つの重点項目を掲げて、これまでに蓄積した知見や構築した国内外のネ ットワークを十分に活用し、かつ分野横断的に研究勢力を結集することにより、明確な使 命感のもと研究開発を推進しています。 1)地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究 2)農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究 3)農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究 4)農業環境インベントリーの高度化 平成25年度の取組と成果をいくつかご紹介します。 まず、研究関係では、平成 23 年度に開発したカドミウム(Cd)をほとんど吸収しないイネ の早期実用化に向け、品種登録出願を行うとともに、他品種への Cd 低吸収遺伝子の付与の ため作成した DNA マーカーを用いて 6 県の公設農試等との共同研究を実施しました。また、 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染対策として、従来から実施している 農業環境中の放射性物質の長期モニタリングに加え、放射性セシウム(Cs)の農作物中の汚染 リスク予測や低減技術、環境動態予測技術の開発等に取り組むとともに、農林水産省等か らの要請を受け、多数の放射性物質濃度分析を行ったほか、農作物から高濃度の放射性 Cs が検出された要因の解析等に協力を行いました。さらに、平成 25 年度は中期目標期間の中 間年に当たることから、中期目標・中期計画に対応した各研究課題の進捗状況等について 中間点検を実施し、研究課題の重点化等を行いました。 一方、業務運営関係では、本研究所が設立 30 周年を迎えたことを契機として多数のシン ポジウム、セミナー等を開催するとともに、新たに小・中学生を対象とした「のうかんけ ん夏休み公開」の開催、高校生の見学者数の大幅な増加を図るなど、広報活動の充実強化 に努めました。また、中期計画の達成を阻害するリスクへの対応等として、研究本館の耐 震工事等を行うとともに、老朽化した実験機器などの更新を進めるなど、老朽化対策、安 全管理の強化を図りました。さらに、情報セキュリティ対策全般の強化を行うとともに、 平成 26 年 2 月に判明した植物防疫法の輸入許可条件違反事案を受けて、再発防止に向けた 研究管理体制の強化に取り組みました。 本報告書では、以上のような平成 25 年度の業務実績について、それに対する自己評価を 添えて記載しています。この報告書が皆様に有用な情報を提供し役立つことを願うととも に、皆様からの忌憚のないご意見によって本研究所の業務の改善を図る所存です。 最後に、私たちは、次の標語を心に、世界の農業環境技術研究を先導する研究所として、 絶えざる挑戦と革進を続けていきたいと考えています。 風にきく 土にふれる そして はるかな時をおもい 環境をまもる 目 次 (頁) 第1章 独立行政法人農業環境技術研究所の概要 1 第1 基本情報 1 第2 経営方針 4 平成 25 年度に係る業務の実績 第2章 第1 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 1.経費の削減 5 5 5 2.評価・点検の実施と反映 12 3.研究資源の効率的利用及び充実・高度化 19 4.研究支援部門の効率化及び充実・高度化 31 5.産学官連携、協力の促進・強化 35 6.海外機関及び国際機関等との連携の促進・強化 39 第2 43 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を 達成するためとるべき措置 1.試験及び研究並びに調査 43 (1)研究の重点的推進 44 1 .地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究 44 (1) 農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価 45 (2) 地球規模環境変動に関する作物応答メカニズムの解明及び影響予測 46 2 農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究 52 (1) 農業生態系における生物多様性の変動メカニズムの解明と適正管理技術の開発 53 (2) 環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明 56 3 農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究 60 (1) 有機化学物質による農作物汚染リスクの低減技術の高度化 60 (2) 化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発 62 4 農業環境資源インベントリの高度化 65 (1) 農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・予測 65 (2) 農業環境情報の整備と統合データベースの構築 68 (2)行政ニーズへの機動的対応 71 2.行政部局との連携の強化 72 3.研究成果の公表、普及の促進 77 4.専門分野を活かしたその他の社会貢献 88 第3 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画 93 第4 短期借入金の限度額 第5 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に 関する事項 107 107 第6 重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画 107 第7 剰余金の使途 107 第8 108 その他農林水産省令で定める業務運営に関する事項等 1.施設及び設備に関する計画 108 2.人事に関する計画 111 3.法令遵守など内部統制の充実・強化 115 4.環境対策・安全管理の推進 122 5.積立金の処分に関する事項 125 参 考 資 料 目 次 頁 【資料1】自己評価関係資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参- 1 【資料2】平成 24 年度実績評価に係る指摘事項とそれへの対応・・・・・・・・・・・ 参-11 【資料3】研究資源の投入と成果(H25)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参-14 ・「主要成果」一覧(H25)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参-15 ・プレスリリース一覧(H25)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参-16 ・査読論文一覧(H25)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参-17 【資料4】研究成果の普及・利用状況(平成 25 年度追跡調査)・・・・・・・・・・ 参-24 【資料5】(独)農業環境技術研究所の数値指標の推移・・・・・・・・・・・・・・ 参-29 第1章 第1 独立行政法人農業環境技術研究所の概要 基本情報 1 法人の概要 (1)目的 農業生産の対象となる生物の生育環境に関する技術上の基礎的な調査及び研究等を行うこ とにより、その生育環境の保全及び改善に関する技術の向上に寄与する。 (独立行政法人農業環境技術研究所法第 3 条) (2)業務内容 本研究所は、独立行政法人農業環境技術研究所法第 3 条の目的を達成するため以下の業務 を行う。 ①農業生産の対象となる生物の生育環境に関する技術上の基礎的な調査及び研究並び にこれに関連する分析、鑑定及び講習を行うこと。 ②前号の業務に附帯する業務を行うこと。 (独立行政法人農業環境技術研究所法第 11 条) 2 事業所(研究所)の所在地 研究所 〒305-8604 茨城県つくば市観音台三丁目1番地3 電話 029-838-8148(代表) Fax 029-838-8199 Web サイト 3 http://www.niaes.affrc.go.jp 資本金の状況 本研究所の資本金は平成 25 年度末で 34,353 百万円となっている(表Ⅰ-1)。 表Ⅰ-1 資本金の内訳 区 分 期首残高 当期増加額 当期減少額 (単位:百万円) 期末残高 備 考 根拠法令 政府出資金 34,353 - - 34,353 独立行政法人農業環境技術研究所法 (平成 11 年法律第 194 号) 1 4 役員の状況 役 職 理事長 氏 名 宮下 淸貴 理 事 長谷部 亮 監 事 水谷 順一 監 事 堀 雅文 (非常勤) 任 期 自 平成 25 年 4 月 1 日 至 平成 29 年 3 月 31 日 (就任年月日: 平成 23 年 4 月 1 日) 自 平成 25 年 4 月 1 日 至 平成 27 年 3 月 31 日 (就任年月日: 平成 25 年 4 月 1 日) 自 平成 25 年 4 月 1 日 至 平成 27 年 3 月 31 日 (就任年月日: 平成 21 年 4 月 1 日) 経 昭和 54 年 4 月 平成 18 年4月 平成 20 年 4 月 平成 23 年 4 月 昭和 55 年 4 月 平成 20 年 4 月 平成 25 年 4 月 歴 農林水産省採用 (独)農業環境技術研究所研究統括主幹 (独)農業環境技術研究所理事 (独)農業環境技術研究所理事長 農林水産省採用 (独)農業環境技術研究所研究統括主幹 (独)農業環境技術研究所理事 平成 10 年 4 月 平成 20 年 4 月 (株)ニチレイ生産技術部長 (株)ニチレイプロサーヴ経営監査サポ ート部設備監査グループリーダー (独)農業環境技術研究所監事 平成 21 年 4 月 自 平成 25 年 4 月 1 日 平成 9 年 10 月 至 平成 27 年 3 月 31 日 (就任年月日: 平成 17 年 4 月 平成 17 年 4 月 1 日) 平成 17 年 8 月 平成 21 年 4 月 (株)三菱総合研究所科学技術研究本部 部長 (独)農業環境技術研究所監事(非常勤) 東京大学特任教授産学連携本部 (株)三菱総合研究所参与 (参考)定数:4人(理事長1、理事1、監事2) 「研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。研究所に、役員として、 理事一人を置くことができる。」(独立行政法人農業環境技術研究所法 第6条) 5 常勤職員の状況 常勤職員は平成 26 年 1 月 1 日現在において 165 人(前期比(前期末 172 人)7 人減少、 4.1% 減)であり、平均年齢は 46.1 歳(前期末 44.9 歳)となっている。このうち、国等(国、他 法人及び地方公共団体)からの出向者は 56 人(内訳は国 21 人、他法人 35 人)、民間から の出向者は 0 人である。 (注)前期比とは平成 23 年1月1日(前中期目標期間最終年度)との比較である。また、独立行政法人化 (平成 13 年4月1日)以後、平成 26 年1月1日までの転入者を出向者としている。 6 設立根拠法 独立行政法人農業環境技術研究所法(平成 11 年法律 194 号) 7 主務大臣 農林水産大臣 8 沿革 明治 26 年 農商務省農事試験場として発足 昭和 25 年 改組により農業技術研究所となる。 昭和 58 年 改組により農業環境技術研究所となる。 平成 13 年 4 月 独立行政法人農業環境技術研究所(特定独立行政法人)となる。 平成 18 年 4 月 非特定独立行政法人となる。 2 9 組織図 理事長 研究統括主幹 理事 企画戦略室 監事 連携推進室 広報情報室 研究情報システム管理室 安全管理室 研究技術支援室 業務統括主幹 総務管理室 リサーチプロジェクト (RP) 財務管理室 温暖化緩和策RP 研究コーディネータ 作物応答影響予測RP 大気環境研究領域 食料生産変動予測RP 物質循環研究領域 生物多様性評価RP 土壌環境研究領域 遺伝子組換え生物・外来生物影響評価RP 有機化学物質研究領域 情報化学物質・生態機能RP 生物多様性研究領域 有害化学物質リスク管理RP 生物生態機能研究領域 化学物質環境動態・影響評価RP 生態系計測研究領域 農業空間情報・ガスフラックスモニタリングRP 農業環境インベントリーセンター 農業環境情報・資源分類RP 監査室 3 第2 経営方針(指標 3-1-ア) 本研究所は、自然と社会と人間との調和をめざした高い水準の研究活動によって世界の食料及 び環境問題の克服に貢献することを基本理念として定めている。また、基本理念に加え、行動憲 章、環境憲章を定め、職員が高い倫理観と社会的責任を自覚して行動し、環境の保全、改善に取 り組むことを目指している。 第3期の研究計画として次の 4 つの項目を掲げて、明確な使命感のもと、高い水準の研究を行 うとともに、これらに関する研究成果の、行政や国際機関における政策立案や施策実施での活用、 また、大学、他独法、検査機関、農業現場等での活用を目指す。 1)地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究 2)農業生態系における生物多様性の変動機構及び生物機能の解明に関する研究 3)農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究 4)農業環境資源インベントリの高度化 また、次のような取組を行い、業務を効率的に実施する。 ① 外部専門家等を活用した的確な自己評価を実施し、その結果を、独立行政法人評価委員 会の評価結果等と併せて、業務運営に反映させる。 ② 運営費交付金の重点配分、競争的研究資金等外部資金の獲得等研究資源の効率的利用及 び充実・高度化に努める。 ③ 総務部門など研究支援部門の効率化及び充実・高度化、産学官連携及び協力の促進・強 化、海外機関等との連携強化を図る。 ④ 広報活動、社会貢献のための活動を推進する。また、関係法令、社会的規範を遵守して 健全で安全な職場環境を確保し、社会の構成員として倫理、良識に従って事業活動に取り組 む。 上記の方針を踏まえつつ、平成 25 年度は、以下の取組を重点的に実施した。 ① 本研究所が設立 30 周年を迎えたことを契機として、多数のシンポジウム、公開セミナー、 研究会等を開催し、本研究所の全研究領域において研究成果の広報に努めた。また、新たに、 小・中学生を対象とした「のうかんけん夏休み公開」を実施するとともに、見学者対応の工 夫により高校生の見学者数を大きく増やすなど、広報活動の大幅な強化を図った。 ② 第 3 期中期目標期間の中間年に当たることから、中期目標・中期計画に対応した リサーチプロジェクト(RP)課題ごとの進捗状況等について中間点検を実施し、①中期目 標・計画の確実な達成に必要、②情勢変化への対応に必要、③顕著な成果が期待できる等の 場合について、研究課題の重点化等を行った。 ③ 平成 23 年 3 月の東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、従来から実施している環 境中の放射性物質の長期モニタリングに加え、放射性セシウム(Cs)の農作物中の汚染リス ク予測や低減技術、環境動態予測技術の開発、農地土壌汚染マップの更新に取り組むととも に、農林水産省等からの要請を受け、多数の農作物・土壌等の放射性物質濃度分析を行った ほか、農作物から高濃度の放射性 Cs が検出された要因の解析等に協力を行った。 ④ 平成 24 年度補正予算により研究本館の耐震工事及びエネルギー供給施設改修工事を実 施し、防災・減災及び省エネルギー対策の強化を図った。その際、工事実施に先立って全職 員を対象とした説明会を開催するとともに、工事の進捗や今後の予定等をグループウェアで 迅速に情報提供し、研究業務等への影響を最小限に抑えるよう努めた。 ⑤ 昨年度、本研究所管理の Web サイトへの不正アクセス事案が生じたことを踏まえ、新た に設置した「情報セキュリティ委員会」において理事長を委員長とし、情報セキュリティ 確保のための規程・手続き等を順次整備するとともに、WindowsXP サポート終了への対応、 USB メモリ等の管理・利用規制対策等への対応を行った。また、全職員を対象とした「情 報セキュリティ講習会」の開催、研究成果等を発信する全公開サイトについての脆弱性診断 の実施等、ネットワーク管理の強化、充実に努めた。 4 第2章 第1 平成 25 年度に係る業務の実績 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 中期目標の期間 本研究所の中期目標の期間は、平成 23 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日までの 5 年間とす る。 1.経費の削減 中期目標 (1)一般管理費等の削減 運営費交付金を充当して行う事業については、業務の見直し及び効率化を進め、一般管理費 (人件費を除く。)については毎年度平均で少なくとも対前年度比3%の抑制、業務経費につ いては毎年度平均で少なくとも対前年度比1%の抑制をすることを目標に、削減する。なお、 一般管理費については、経費節減の余地がないか改めて検証し、適切な見直しを行う。 給与水準については、国家公務員の給与水準を十分考慮し、手当を含め役職員給与の在り方 について厳しく検証した上で、目標水準・目標期限を設定し、その適正化に取り組むとともに、 検証結果や取組状況を公表するものとする。 総人件費についても、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」 (平成 18 年法律第 47 号)に基づく平成 18 年度から5年間で5%以上を基本とする削減等の人 件費に係る取組を、平成 23 年度も引き続き着実に実施するとともに、「公務員の給与改定に関 する取扱いについて」(平成 22 年 11 月 1 日閣議決定)に基づき、政府における総人件費削減 の取組を踏まえるとともに、今後進められる独立行政法人制度の抜本見直しの一環として、厳 しく見直すこととする。 なお、以下の常勤の職員に係る人件費は、削減対象から除くこととする。 ① 競争的資金、受託研究資金又は共同研究のための民間からの外部資金により雇用される任 期付職員 ② 任期付研究者のうち、国からの委託費及び補助金により雇用される者及び運営費交付金に より雇用される国策上重要な研究課題(第三期科学技術基本計画(平成 18 年3月 28 日閣議決 定)において指定されている戦略重点科学技術をいう。)に従事する者並びに若手研究者(平 成 17 年度末において 37 歳以下の研究者をいう。) (2)契約の見直し 「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成 21 年 11 月 17 日閣議決定)等を 踏まえ、契約の適正化を進めるとともに、経費削減の観点から、契約方法の見直し等を行う。 また、密接な関係にあると考えられる法人との契約については、一層の透明性を確保する観点 から、情報提供の在り方を検討する。 5 中期計画 (1)一般管理費等の削減 ① 運営費交付金を充当して行う事業については、業務の見直し及び効率化を進め、一般管理 費(人件費を除く。)については毎年度平均で少なくとも対前年度比3%の抑制、業務経費に ついては毎年度平均で少なくとも対前年度比1%の抑制をすることを目標に、削減する。なお、 一般管理費については、経費節減の余地がないかあらためて検証し、適切な見直しを行う。 ② 給与水準については、国家公務員の給与水準を十分考慮し、手当を含め役職員給与の在り 方について厳しく検証した上で、引き続き、国家公務員に準拠した給与規定に基づき支給する こととし、検証結果や取組状況を公表する。 総人件費についても、 「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」 (平成 18 年法律第 47 号)に基づく平成 18 年度から5年間で5%以上を基本とする削減等の 人件費に係る取組を、平成 23 年度も引き続き着実に実施し、平成 23 年度において、平成 17 年度と比較して、研究所全体の人件費(退職金及び福利厚生費(法定福利費及び法定外福利費) を除く。また、人事院勧告を踏まえた給与改定部分を除く。)について6%以上の削減を行う とともに、「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(平成 22 年 11 月1日閣議決定)に 基づき、政府における総人件費削減の取組を踏まえるとともに、今後進められる独立行政法人 制度の抜本見直しの一環として、厳しく見直しを行う。 なお、以下の常勤の職員に係る人件費は、削減対象から除くこととする。 (ア)競争的資金、受託研究資金又は共同研究のための民間からの外部資金により雇用される 任期付職員 (イ)任期付研究者のうち、国からの委託費及び補助金により雇用される者及び運営費交付金 により雇用される国策上重要な研究課題(第三期科学技術基本計画(平成 18 年3月 28 日閣議 決定)において指定されている戦略重点科学技術をいう。)に従事する者並びに若手研究者(平 成 17 年度末において 37 歳以下の研究者をいう。) (2)契約の見直し ① 「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成 21 年 11 月 17 日閣議決定) 等を踏まえた随意契約等見直し計画に基づき、競争性のない随意契約を徹底して見直すととも に、一般競争入札等においては、一者応札・応募の改善等に取り組む。 ② 経費削減の観点から、他の独立行政法人の事例等をも参考にしつつ、複数年契約の活用な ど契約方法の見直し等を行う。 ③ 密接な関係にあると考えられる法人との契約については、一層の透明性を確保する観点か ら、情報提供の在り方を検討する。 指標*) 1-1-ア 法人における業務経費、一般管理費の削減に向けた取組が行われているか。数値目標は達成されたか。 1-1-イ 法人の給与水準は適切か。国の水準を上回っている場合、その理由及び講ずる措置が明確にされている か。また、検証結果を公表しているか。 1-1-ウ 人件費削減目標の達成に向けた具体的な取り組みが行われているか。また、数値目標は達成されたか。 1-1-エ 契約方式等、契約に係る規定類は適切に整備・運用されているか。契約事務手続きに係る執行体制や審 査体制の整備・執行等が適切に行われているか。 6 1-1-オ 競争性のない随意契約の見直しや一般競争入札における一者応札・応募の改善にむけた取組が行われて いるか。 1-1-カ 契約の競争性、透明性に係る検証・評価は適切に行われているか。 1-1-キ 複数年契約の活用等による経費削減の取り組みを行っているか。 1-1-ク 特定関連会社、関連公益法人等に対する個々の委託の妥当性、出資の必要性が明確にされているか。 *) 独立行政法人農業環境技術研究所の各事業年度に係る業務の実績に関する評価基準(農林水産省独立行政法 人評価委員会農業技術分科会)で定められている評価のための指標。以下の「指標」についても同様。 中項目実績 ●法人における業務経費、一般管理費の削減に向けた取組(指標 1-1-ア) 運営費交付金を充当して行う事業については、業務の見直し及び効率化を進め、前年度予算額 に対し、目標値である一般管理費 3%以上、業務経費 1%以上の削減を行った。 経費削減の目標達成に向け、業務効率化推進委員会による「第Ⅲ期業務効率化推進基本計画」 及び「平成 25 年度業務効率化実施計画」に基づき全所的な取組を実施した。 表 1-1-ア 運営費交付金(業務経費及び一般管理費)予算額の推移 (単位:千円) 平成 24 年度 金額 平成 25 年度 金額 対前年度 前年度比 一般管理費 258,382 245,358 ▲13,024 5.0%減 業務経費 829,479 814,353 ▲15,126 1.8%減 (注)平成 24 年度は、補正予算を除いている。 ●法人の給与水準(指標 1-1-イ) 給与は、国家公務員の職員給与を規定している「一般職の職員の給与に関する法律」に準拠し て策定した独立行政法人農業環境技術研究所職員給与規程に基づき支給しており、以下のとおり 国家公務員とほぼ同水準となっている。 対国家公務員指数(平成25年度) 事務・技術職員 研究職員 98.2 100.3 (注)対国家公務員指数(ラスパイレス指数)とは、法人の職員の給与を国家公務員の給与と 比較し、法人の年齢階層別人員構成をウエイトとして用いて人事院にて算出された指数。 なお、給与水準については本研究所 Web サイトで公表している。 (掲載 URL)http://www.niaes.affrc.go.jp/lawopen/140630/kyuyosuijun.pdf ●人件費の削減(指標 1-1-ウ) 「国家公務員の給与減額支給措置について」(平成 23 年 6 月 3 日閣議決定)及び「公務員の給与 改定に関する取扱いについて」(平成 23 年 10 月 28 日閣議決定)に基づき、平成 24 年度に引き 続き、職員の俸給月額を職務の級に応じて 9.77%、7.77%又は 4.77%減額、俸給の特別調整額を 7 10%減額、地域手当を減額(俸給月額及び俸給の特別調整額の支給減額率に連動)、期末手当及び 勤勉手当を 9.77%減額するなどし、適正に対応した。また、国家公務員の昇給、昇格制度に準ず るため、平成 26 年 1 月に職員給与規程等を改正して、55 歳(技術専門職員にあたっては 57 歳) を超える職員に係る昇給号俸を、標準の勤務成績では昇給しないこと、勤務成績が特に良好、極 めて良好の場合の昇給号俸数を現行より抑制すること、50 歳台における昇格時号俸対応表を、給 与水準の上昇を抑制するため、最高号俸を含む高位の号俸から昇格した場合の俸給月額の増加額 を縮減することとし、適正に対応した。 ●随意契約の見直し、一者応札・応募の改善に向けた取組(指標 1-1-エ、オ、カ) 平成 25 年度においても、引き続き随意契約見直し計画に基づく一般競争入札に取り組み、一般 競争入札件数は 63 件となった(平成 24 年度 79 件)。一方、随意契約の総件数は 31 件(国等の 委託元による審査済み 16 件、企画競争・公募 3 件、不落随意契約 3 件、その他 9 件)、金額ベー スの随意契約の割合は 20.4%となった(平成 24 年度は各々38 件、11.5%)。 なお、随意契約を行ったもののうち国等の委託元による審査済みのもの(競争的研究資金等の再 委託契約分)を除くと、企画競争・公募を行ったものが 3 件、不落随意契約が 3 件となっており、 これらを除いた 9 件は、水道供給事業者あるいは電子ジャーナルの購読契約等の供給者が限定さ れており、他に供給可能となる者が存在せず、真にやむを得ない随意契約と考えられる。 一般競争入札については、平成 21 年 6 月に「「1者応札・1者応募に係る改善策」について」 (平成 21 年 6 月策定、平成 22 年 6 月改訂)に基づき入札参加者を増やすため、平成 25 年度に おいては昨年度に引き続き入札説明書受領者へのアンケート調査の徹底及び分析や仕様書の見直 しを実施するとともに、入札公告とあわせて仕様書もホームページに掲載し情報発信に努めた。 なお、平成 25 年度の競争入札における 1 者応札の件数は 31 件であった(平成 24 年度 33 件)。 また、契約の競争性、透明性に係る検証として「「独立行政法人の契約状況の点検・見直しにつ いて(平成 21 年 11 月 17 日閣議決定)」を受け、平成 22 年 2 月に契約監視委員会を設置し、競争性 のない随意契約の見直しや一般競争入札等についても真に競争性が確保されているか(1 者応札・ 応募の状況を含む。)等の審議を行い、その審議結果についてはホームページに掲載し公表した。 契約監視委員会の審議結果及び平成 19 年 12 月に策定した「随意契約見直し計画」とその後の フォローアップ、「1者応札・1者応募に係る改善方策」、その他の契約に係る情報と併せて以 下の本研究所 Web サイトで公表している。 (掲載 URL)http://www.niaes.affrc.go.jp/dadmini/choutatsu/choutatsu.html ア 平成 25 年度に締結した契約の状況 一般競争契約 63 件 随意契約 31 件(国等の委託元による審査済み 16 件、企画競争・公募 3 件、 不落随意契約 3 件、その他 9 件) (掲載 URL) http://www.niaes.affrc.go.jp/dadmini/choutatsu/choutatsu.html 8 表 1-1-エ、オ、カ 年 度 18 19 20 21 22 23 24 25 18 19 20 21 22 23 24 25 総件数 総金額(千円) 件 数 193 (283) (279) (295) (259) (130) (117) 94 1,002,575 (1,675,074) 金 (1,653,169) 額 (1,679,557) (1,938,420) (898,712) (1,363,889) 3,193,481 契約方式(競争入札、随意契約)別の件数及び金額の推移 競 争 入 札 計 9 (39) (49) (56) (72) (89) (79) 63 215,260 (390,373) (466,744) (473,901) (1,151,289) (698,148) (1,207,460) 2,541,946 一般競争 (4.7%) 9 (13.8%) (39) (17.6%) (49) (19.0%) (56) (27.8%) (72) (68.5%) (89) (67.5%) (79) (67.0%) 63 (21.5%) 215,260 (23.3%) (390,373) (28.2%) (466,744) (28.2%) (473,901) (59.4%) (1,151,289) (77.7%) (698,148) (88.5%) (1,207,460) (4.7%) (13.8%) (17.6%) (19.0%) (27.8%) (68.5%) (67.5%) (67.0%) (21.5%) (23.3%) (28.2%) (28.2%) (59.4%) (77.7%) (88.5%) 0 (0) (0) (0) (0) (0) (0) 0 0 (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (79.6%) (79.6%) 0 (0.0%) 2,541,946 応 札 者 数 指名競争 1者 0 (23) (30) (22) (35) (31) (33) 31 0 (880,373) (130,653) (78,639) (161,146) (203,212) (479,726) 1,207,445 2者以上 (0.0%) (59.0%) (61.2%) (39.3%) (48.6%) (34.8%) (41.8%) (49.2%) (0.0%) (74.8%) (28.0%) (16.6%) (14.0%) (29.1%) (39.7%) 9 (100.0%) (16) (41.0%) (19) (38.8%) (34) (60.7%) (37) (51.4%) (58) (65.2%) (46) (58.2%) 32 (50.8%) 215,260 (100.0%) (295,920) (25.2%) (336,091) (72.0%) (395,262) (83.4%) (990,143) (86.0%) (494,936) (70.9%) (727,734) (60.3%) (47.5%) 1,334,501 (52.5%) 随 意 契 約 年 度 そ の 他 計 18 184 19 (244) 20 (230) 21 (239) 22 (187) 23 (41) 24 (38) 25 31 18 787,315 19 (1,284,701) 20 (1,186,424) 21 (1,205,656) 22 (787,131) 23 (200,564) 24 (156,429) 25 651,535 企画競争・公募 (95.3%) (86.2%) (82.4%) (81.0%) (72.2%) (31.5%) (32.5%) (33.0%) (95.3%) (76.7%) (71.8%) (71.8%) (40.6%) (22.3%) (11.5%) (20.4%) 0 (1) (1) (2) (3) (3) (3) 3 0 (7,770) (1,178) (3,775) (3,856) (6,545) (6,433) 106,885 不落随意契約 (0.0%) (0.4%) (0.4%) (0.7%) (1.2%) (2.3%) (2.6%) (3.2%) (0.0%) (0.5%) (0.1%) (0.2%) (0.2%) (0.7%) (0.5%) (3.4%) 国等の委託元による 審査済み 0 (0.0%) 100 (1) (0.4%) (171) (6) (2.2%) (212) (7) (2.4%) (220) (6) (2.3%) (167) (5) (3.8%) (25) (2) (1.7%) (24) 3 (3.2%) 16 0 (0.0%) 393,253 (47,355) (2.8%) (869,713) (34,268) (2.1%) (1,048,186) (78,236) (4.7%) (1,039,229) (20,709) (1.1%) (684,865) (32,484) (3.6%) (93,898) (10,404) (0.8%) (70,186) 408,613 (12.8%) 74,122 (51.8%) (60.4%) (76.0%) (74.6%) (64.5%) (19.2%) (20.5%) (17.0%) (39.2%) (51.9%) (63.4%) (61.9%) (35.3%) (10.4%) (5.1%) (2.3%) その他 84 (71) (11) (10) (11) (8) (9) 9 394,062 (359,863) (102,792) (84,416) (77,701) (67,637) (69,406) 61,914 (43.5%) (25.1%) (3.9%) (3.4%) (4.2%) (6.2%) (7.7%) (9.6%) (39.3%) (21.5%) (6.2%) (5.0%) (4.0%) (7.5%) (5.1%) (1.9%) (注1)「国等の委託元による審査済み」とは、委託元の企画競争や競争的研究資金の公募に際し、共同 研究グループの中核機関として応募し、採択された後、当該研究グループに所属する共同研究機関 に対し、再委託を実施したもの、即ち随意契約であるが、透明性は確保されている。 (注2)対象とする契約及び契約金額は、予定価格が工事・製造(250 万円以上)、財産の買い入れ(160 万 円以上)、物件の借り入れ(予定年額賃借料又は総額が 80 万円以上)、役務契約(100 万円以上)。 (注3) ( %)内の数字は、総件数・総金額に占める割合(ただし、応札者数欄については、競争入札計に 占める割合。小数点第 2 位を四捨五入。) (注4) 「随意契約見直し計画」の策定時、フォローアップ時では調査対象の定義が一部異なっているが、本 表では継続性を鑑み件数及び金額を整理したことから、フォローアップとは数値が一致しない部分 がある。 イ 随意契約から競争入札に移行した事務 平成 25 年度は該当なし 9 ウ 随意契約によることとした理由 事 随意契約によることとした理由 契約の性質又は目的が競争を許 さないもの 一般競争入札に付した結果、落札 者がないため不落により随意契 約 公募による随意契約 企画競争により決定した会計監 査人候補者名簿を主務大臣に提 出し、主務大臣が選任(独立行政 法人通則法第40条) 国等の委託元による審査済み 件数 役務等の名称 外国雑誌オンライン購読(サイエンス 9 ・ダイレクト)契約 1式 3 2 1 16 例 契約金額(千円) 見積合せ等 参加業者数 15,829 1 266,593 3 101,754 1 平成25事業年度監査業務 契約 1式 3,566 5 地球観測技術等調査研究 委託事業(流域圏にダウン スケールした気候変動シ ナリオと高知県の適応策) 1式 2,700 - 農業環境技術研究所構内 で使用する電気 農業環境技術研究所構内 で使用するガス ●複数年契約の活用等による経費節減の取組(指標 1-1-キ) 施設等の保守管理業務に係る契約のうち、これまでエレベーター保守業務、自動扉保守業務、 清掃業務、警備業務、実験廃水処理施設運転保守管理業務の 5 業務について複数年契約を実施し てきたところであり、平成 25 年度から新たに複数年での契約が可能な案件はなかったが、引き続 き検討することとしている。 また、公共サービス改革基本方針(平成 25 年 6 月 14 日閣議決定)については、本研究所、(独) 農業・食品産業技術総合研究機構、(独)農業生物資源研究所、(独)国際農林水産業研究センター(以 下「4 法人」という。)の研究本館等清掃業務、警備業務及びエレベーター等保守点検業務の各 業務について 4 法人で包括的な契約を検討していくこととされていた。その後、「独立行政法人 改革等に関する基本的な方針」(平成 25 年 12 月 24 日閣議決定)で、(独)国際農林水産業研究セ ンターを除く上記 3 法人と(独)種苗管理センターで統合するとされたことから、統合する法人に (独)国際農林水産業研究センターを加えた 5 法人で清掃業務、警備業務及びエレベーター等保守 点検業務について、引き続き包括的な契約及び複数年契約を検討することとしている。 なお、つくば地区における健康診断業務については、平成 25 年度から 4 法人で包括的な契約を 実施した。 ●特定関連会社、関連公益法人等に対する委託(指標 1-1-ク) 平成 25 年度においては該当する委託はなかった。 また、平成 23 年 7 月から当法人と密接な関係にあると考えられる法人と契約する場合には、一 層の透明性を確保する観点から、当該法人への再就職の状況等の情報をホームページで公開する こととしている。(平成 25 年度は該当なし。) さらに、独立行政法人が公益法人等に支出する会費の適正化・透明性を強化する観点から、 「独 立行政法人が支出する会費の見直し」(平成 24 年 3 月 23 日行政改革実行本部決定)が決定され たことに基づき、平成 24 年度から公益法人等に支出する会費の見直・点検及び会費支出について 10 ホームページで公表を行っている。また、「公益法人に対する支出の公表・点検の方針について」 (平成 24 年 6 月 1 日行政改革実行本部決定)に基づき、公益法人に一定の支出を行った契約及 び契約以外の支出について、その結果等についてもホームページで公表を行っている。 評価ランク コメント 運営費交付金については、目標値である一般管理費について前 年度比 3%、業務経費について前年度比 1%以上の削減が行われて 自己評価 中項目 いる。また、法人の給与水準については、国の水準と同等であり A 1-1 適切である。人件費については、国家公務員の給与改定等の動向 を踏まえつつ必要な措置を講じている。さらに、随意契約につい ては、随意契約見直し計画に基づき、着実に取組が行われている。 複数年契約による経費削減についても、引き続き取組が行われ ている。 評価ランク コメント 運営費交付金は、一般管理費について前年度比3%、業務経費 については前年度比1%の削減目標を達成している。 24年度の 職員給与水準については、対国家公務員指数で事務・技術職員 97.4、研究職員100.1と国家公務員とほぼ同水準であるとともに、 前年度の独 給与水準はホームページで公表している。 法評価委員 ては、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、必要な給与規程 会評価 A 人件費の削減につい 等を一部改正するなど、適正に対応している。契約の改善につい 中項目 ては、契約監視委員会を設置し、審議結果に基づく改善に取り組 1-1 んだほか、引き続き、入札公告と共に仕様書もホームページに掲 載するなどの取組を実施している。複数年契約の活用等について は、24年度から新たに実験排水処理施設運転保守管理業務を複数 年契約とするなど、経費削減に取り組んでいる。公益法人等に対 する会費などの支出については点検等を行うと共に、ホームペー ジで公表している。 11 2.評価・点検の実施と反映 中期目標 運営状況及び研究内容について、自ら適切に評価・点検を行うとともに、その結果については、 独立行政法人評価委員会の評価結果と併せて、的確に業務運営に反映させ、業務の重点化及び透 明性を確保する。 研究内容については、研究資源の投入と得られた成果の分析を行うとともに、農業その他の関 連産業及び国民生活への社会的貢献を図る観点並びに評価を国際的に高い水準で実施する観点か ら、できるだけ具体的な指標を設定して評価・点検を行い、必要性、進捗状況等を踏まえて機動 的に見直しを行う。また、主要な研究成果の利活用状況を把握・解析し、業務運営の改善に活用 する。 さらに、職員の業績評価を行い、その結果を適切に処遇等に反映する。 中期計画 ① 業務の重点化及び透明性を確保するため、毎年度の独立行政法人評価委員会の評価に先立ち、 業務の運営状況、研究内容について、外部の専門家、有識者等で構成する評価委員会での検討を 踏まえ、自ら適切に評価・点検を実施するとともに、その結果については、独立行政法人評価委 員会の評価結果と併せて、反映方針、具体的方法等を明確化して、研究資源の配分等の業務運営 に的確に反映させる。特に、研究内容については、必要性、進捗状況等を踏まえて機動的に見直 しを行う。また、評価結果及びその反映状況等については、ホームページで公表する。 ② その際、研究内容の評価に当たっては、研究に先立って、年次目標を記載した中期目標期間 の工程表を作成する。また、農業その他の関連産業、国民生活への社会的貢献を図る観点から、 できるだけ具体的な指標を設定するとともに、研究水準を海外の研究機関と比較するため、中期 目標期間中に国際的ベンチマーク等を導入する。さらに、投入した研究資源と得られた成果の分 析を行い、研究内容の評価に活用する。 ③ 主な研究成果の普及・利用状況を把握・解析し、業務運営の改善に活用する。 ④ 職員の業績評価を行い、その結果を適切に処遇等に反映させる。 指標 1-2-ア 効率的な自己評価・点検の体制整備が行われ、客観性、信頼性の高い評価・点検が実施されているか。 1-2-イ 評価・点検結果の反映方針が明確にされ、研究内容を見直すなど実際に反映されているか。評価結果及び その反映状況は公表されているか。 1-2-ウ 工程表に基づく研究業務の計画的な進行管理が行われているか。 1-2-エ 国際的な水準から見た研究評価にむけた取組が行われているか。 1-2-オ 研究資源の投入と成果の分析が実施され、評価に活用されているか。 1-2-カ 研究成果の普及・利用状況の把握、解析が行われ、業務改善に活用されているか。 1-2-キ 職員の業績評価が適切に行われているか。また、処遇等への反映に向けた取り組みが行われているか。 中項目実績 ● 自己評価・点検(指標 1-2-ア、ウ) 12 [平成 25 年度実績評価] 第 3 期中期目標期間における業務実績に係る自己評価・点検については、効率性、客観性・信頼 向上の観点から、平成 23 年度に体制の見直しを実施した。すなわち、第 2 期において実施してき た研究課題におけるリサーチプロジェクト(以下「RP」という。詳細は P24 指標 1-3-エ参照。) ごとの中間検討会について、開催の必要性を RP リーダーの判断に委ねることで自己評価・点検 に係る RP の負担を軽減した。また、評価委員会のメンバーについて、他の独立行政法人の委員 に代えて、新たに、消費者代表の委員を追加したほか、研究成果や行政との連携状況について行 政部局参画を得て点検する研究行政連絡会議(P72 指標 2-2-ア参照)を新設することで、客観性・ 信頼性の向上を図った。 平成 25 年度においても、平成 23 年度に見直した上記体制のもと、本研究所の評価指針、課題 評価要領等に基づき、自己評価・点検を実施した。 すなわち、研究課題については、RP ごとに、4 月に RP 課題設計検討会を開催して平成 25 年 度の課題設計を検討し、その後、12 月に RP 成績検討会を開催して工程表に基づく進捗管理と成 果の確認、問題点の摘出を行った。平成 26 年 2 月には課題評価会議を開催し、RP リーダーから の成果報告と質疑を踏まえ、外部評価委員 5 人と本研究所の研究管理職が各 RP 課題の評価を実 施した(P 参考-1 資料1参照)。また、同 3 月には、研究行政連絡会議を開催し、関係行政部局 の参画を得て研究課題の推進状況及び主要研究成果の検討等を行った。 研究以外の業務については、年度計画に基づき、各室で業務を推進した。毎月、室長会議を開 催し、各室の業務進捗の確認と各室の連携を図った。また、11 月に企画戦略室が年度計画の進捗 状況及び平成 24 年度の業務実績評価における独立行政法人評価委員会及び農業環境技術研究所 評議会の指摘事項に関する対応状況を確認し、役員会に報告した。研究以外の業務の自己評価の ため、平成 26 年 2 月に業務運営検討会議を開催し、所内メンバーによる業務実績の詳細な確認を 実施した。 研究とその他の業務をあわせた業務全体の評価のため、平成 26 年 3 月に評価委員会を開催して 外部委員 7 人による評価を実施した。 表 1-2-ア-1 評価委員会委員及び課題評価会議外部委員一覧(平成 25 年度) (評価委員会委員) 氏 名 大沼あゆみ ◎古在 豊樹 三枝 正彦 金子 文宜 森田 満樹 佐々木みさ子 大木 美智子 役 職 慶應義塾大学経済学部教授 NPO 植物工場研究会理事長、千葉大学名誉教授 豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター特任教授 千葉県農林総合研究センター センター長 ライター・消費生活コンサルタント 農業者(宮城県生活研究グループ連絡協議会会長、JA みどりの理事) (財)消費科学センター 代表理事 (注)◎印:評価委員会委員長 (課題評価会議の外部評価委員) 氏 三枝 田辺 矢原 渡邉 名 正彦 信介 徹一 紹裕 役 職 豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター特任教授 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター教授 九州大学大学院 理学研究院教授(生態科学研究室) 京都大学大学院 地球環境学堂教授 13 (業務運営全般) (研究課題の推進) 各種業務の実施 研究課題の設計・進捗管理 (行政部局との連携) ①RP 設計検討会(4 月中下旬) 業務運営の中間点検 (11 月) 行政部局との連絡 会 (6~12 月) ②RP 成績検討会 (12 月) 各種業務の実施 業務運営検討会議 (2 月 25 日) ③課題評価会議 (2 月 5~6 日) 研究行政連絡会議 (3 月 3 日) 評価委員会 (3 月 14 日) 自己評価の決定 ・次年度計画への反映 ・業務実績報告書(自己評価含む)の提出 図 1-2-ア 業務運営と評価・点検の流れ図 表 1-2-ア-2 業務実績評価の実施経緯(平成 25 年度) 対象 研究 業務 運営 評価関係作業 ①RP 課題設計検 討会 ②RP 成績検討会 実施時期 4 月中下旬 12 月中下旬 工程表を踏まえつつ平成 25 年度の成果と問題点の把握を実 施。成績検討会議の後に各 RP リーダーが RP 課題報告書を作 成。同報告書に自己評価欄を設け、問題点の摘出を図った。 ③課題評価会議 平成 26 年 2 月 5 日~6 日 研究行政連絡会議 平成 26 年 3 月3日 11 月 RP 課題毎に平成 25 年度における進捗状況と成果について、 外部評価委員4人と本研究所の内部評価委員(研究管理職)が、 「進捗状況」、 「研究のレベル」、 「波及効果」等の観点から 5 段 階で評価(ピアレビュー)。 関係行政部局の参画を得て、研究課題の推進状況及び主要研 究成果について検討するとともに、行政との連携状況を点検。 業務運営(研究部分除く)の進捗状況を企画戦略室が確認し 役員会に報告。進捗に問題がある場合には担当部署に注意喚起 等を実施。 役員、研究管理職、総務・財務部門の室長等をメンバーとし て、業務運営について、中項目等を単位として、実績の確認及 び自己評価を実施。 業務運営の中間点 検 業務運営検討会議 平成 26 年 2 月 25 日 内 容 RP ごとに平成 25 年度の課題設計を検討。 14 全体 評価委員会 平成 26 年 3 月 14 日 自己評価の決定 平成 26 年 5 月(予定) 写真 1-2-ア-1 外部委員7人をメンバーとし、課題評価会議、業務運営検討 会議及び研究行政連絡会議の検討を踏まえて作成した業務実 績報告書(自己評価案を含む)を基に評価を実施。 評価委員会の評価結果について所内で検討の上、役員会で審 議し、本研究所の自己評価結果とした。 課題評価会議(左)及び評価委員会(右) [中期計画課題の中間点検] 平成 25 年度は、第 3 期中期目標期間の中間年に当たることから、中期計画に対応した RP 課題 ごとの進捗状況等について、理事長をトップとする研究課題中間点検委員会及びその下に設置し た研究分野(「地球温暖化研究」、 「生物多様性・生物機能研究」、 「化学物質動態・リスク低減研究、 放射性物質研究」、「基盤研究、総合的環境影響評価研究」の 4 分野)ごとのワーキンググループ (WG)で中間点検を実施した。 表 1-2-ア-3 研究課題中間点検の経緯 平成 25 年 7 月~9 月までの間に 3 回の重点化検討委員会及び WG ごとに 3 回の WG 会合 を開催し、10 月の第 4 回中間点検検討委員会において WG ごとの検討結果の報告が行われた。 その後、さらに 3 回の中間点検委員会及び所議等での審議を行って案をとりまとめた後、課 題評価会議、研究行政連絡会議及び評価委員会において、外部専門家、行政、有識者等の意 見聴取を経て点検結果をとりまとめた。 点検に当たっては、①実施課題の進捗状況と計画達成可能性、②実施課題を取り巻く情勢の変 化と課題実施の必要性、③実施課題の他独法、大学、都道府県、民間との連携状況の 3 つの視点 から実施するとともに、研究成果の社会・経済への貢献に資する観点から、想定される研究成果 のユーザーと使途についても検討を行った。 その結果、RP の新設や再編が必要なほどの情勢変化等は認められなかったが、①中期目標・計 画の確実な達成に必要、②情勢変化への対応に必要、③顕著な成果が期待できる等の場合につい て、研究課題の重点化を行うとともに、それを踏まえて工程表の改訂を行うこととした。具体的 な今後の重点化方向等のポイントは次表のとおりである。 表 1-2-ア-4 研究課題中間点検を踏まえた重点化方向等 RP 課題 温暖化緩和策RP 今後の重点化方向等 農地管理オプションの策定についてシナリオの具体化を急ぐとともに、土壌由来の 3 つ 15 作物応答影響予測RP 食料生産変動予測RP 生物多様性評価RP 遺伝子組換え生物・外来生物 影響評価RP 情報化学物質・生態機能RP 有害化学物質リスク管理RP 化学物質環境動態・影響評価 RP 農業空間情報・ガスフラック スモニタリングRP 農業環境情報・資源分類RP の温暖化ガスに化石燃料消費の CO2 排出も加えた LCA に重点化。 各課題とも順調に進捗しており、今後も、計画通り推進する。 日本のコメ以外の作物については、ムギに重点化。世界についてはニーズの高い近未 来予測に重点化 生態系攪乱のパターンの変化が生物多様性に及ぼす影響についての鳥類や昆虫類 も含む総合的解析、農法と生物多様性の関係に関する鳥類とその餌種、植物、昆虫類 を含む多様性評価に重点化。 輸入 GM 大豆のこぼれ落ち個体群の近縁種であるツルマメの個体群動態への影響評 価、外来緑化植物の侵略性に係る情報の行政部局への提供に重点化。 顕著な成果が期待できる生分解性プラスチック分解酵素の実用化に重点化。 国際基準策定の動きがあるヒ素低減技術の開発、農薬の後作物残留リスク研究に重点 化。放射性物質研究について工程表に追加。 流域スケールの化学物質動態予測モデル開発のため包括的システムの構築に重点 化。放射性物質研究について工程表に追加。 ガスフラックスの時間・空間変動特性のスケールアップに向けたモデル化とデー タ同化手法の構築に重点化。 放射性物質研究に加え、包括土壌分類に基づく全国土壌図、エコバランス研究等 に重点化。 ●評価・点検結果の反映(指標 1-2-イ) 研究課題推進のためのインセンティブ付与のため、毎年度の課題評価会議における RP 課題の 評価結果を翌年度の RP への研究費配分額に反映させることとしている。具体的には、各年度の RP への一般研究費は、基準配分額に前年度の評価ランクに基づく係数(S:0.3、A:0.2、B:0.1、 C 又は D:0)を乗じた額を上乗せして配分している。 また、平成 24 年度に係る独立行政法人評価委員会の評価結果については、自己評価結果と併せ て反映方針を策定し、業務運営に反映させるとともに、評価結果及びその反映状況等について取 りまとめの上(P 参考-11 資料 2 参照)、ホームページで公表している。 さらに、平成 25 年度の評価プロセスにおける評価・点検結果については、指摘事項への対応方 策の検討を年度内から開始し、平成 25 年度から新たに実施した若手研究職員を対象とした農家研 修(P26 指標 1-3-キ参照)の継続など可能なものについては平成 26 年度計画に反映した。対策 の検討に時間を要するものについては、業務運営の実施場面で適宜反映することとしている。 ●国際水準から見た研究評価に向けた取組(指標 1-2-エ) 平成 20 年 10 月に改定された「国の研究開発評価に関する大綱的指針」 (内閣総理大臣決定) (以 下、「大綱的指針」という。)では、研究開発評価を国際水準で行うため、評価における国際的ベ ンチマークの導入、海外の研究者の活用の促進等について記述されている。これを踏まえ、平成 25 年度は、昨年度の欧米各国機関の情報収集からオランダ国ワーヘニンゲン大学・リサーチセン ター(ワーヘニンゲン UR)とその内部研究機関である環境研究所(Alterra)に対象機関を絞り 込み、現地に国際担当の研究コーディネータを派遣して組織体制、専門領域・研究課題、職員数、 予算、機関評価や研究職員の業績評価方法などについて情報収集を行い、分析を進めた。 ●研究資源の投入と成果の分析(指標 1-2-オ) RP 課題ごとに平成 25 年度の投入資源及び成果を算出し、その結果を課題評価会議での参考資 料とした(P 参考-14 資料 3 参照) 。また、課題評価会議や RP 成績検討会において、投入資源に 比較して成果が少ない研究課題については、成果を出す努力を促し、外部資金が少ない課題につ いては、応募への努力を促した。 16 ●研究成果の普及・利用状況の把握(指標 1-2-カ) 研究成果の普及・活用状況の把握のため、平成 19~22 年度に公表した「普及に移しうる成果」 (行政部局、検査機関、民間、他の試験研究機関、農業現場等で活用されることが期待され、積 極的に広報活動及び普及活動を行うべき重要な成果)並びに平成 23 年度に公表した「主要研究成 果」(行政施策推進上の活用が期待される成果)及び「主要成果」(年度の研究成果のうち、特に 広くアピールする意義があると認められる成果)について利活用状況の追跡調査を実施した。全 体傾向としては、成果公表後 5 年程度の間に 2/3 以上の成果が活用されていることが確認され、 活用可能性がある成果を含めると 96%となった(P 参考-24 資料 4 参照)。 表 1-2-カ 追跡調査結果の概要(平成 25 年度) A(経済活動等で活用されている) :18 件(69%) B(近い将来、経済活動等で活用される可能性がある) : 7 件(27%) C(現時点での経済活動等で活用されていない(B を除く) : 1 件( 4%) ●職員の業績評価と処遇等への反映(指標 1-2-キ) 研究職員の業績評価の処遇への反映に関しては、平成 24 年度業績評価作業を5月に完了し、 その評価結果を平成 25 年度の処遇(勤勉手当:6 月期、12 月期)に反映させた。 研究管理職員についても平成 24 年度の業績評価作業を 5 月に完了し、その結果を平成 25 年 度の処遇(勤勉手当)に反映した。 一般職員及び技術専門職員の評価の処遇への反映については、平成 24 年 10 月以降の職務遂 行能力評価結果及び業績評価結果を平成 25 年度の勤勉手当や昇給等に反映した。 17 評価ランク コメント 研究業務の進行管理・自己評価については、平成 23 年度に見直 した効率的な自己評価・点検体制のもとで、第 3 期中期計画期間中 の工程表や研究資源の投入と成果の分析を踏まえながら、成績検討 会議・課題評価会議・評価委員会において外部委員も含めた点検・ 自己評価 中項目 1-2 自己評価が行われるとともに、行政部局による点検も受けるなど、 A 客観性、信頼性の高い評価・点検が行われている。加えて、中期目 標期間の中間年に当たって研究課題の中間点検を実施し、進捗状況 や情勢変化を踏まえた重点化方向の明確化を図っている。また、オ ランダ国の研究機関を対象に国際的ベンチマーク等の導入に向け た調査・分析を行っている。さらに、職員の業績評価についても、 適切に実施され処遇に反映している。 評価ランク コメント 自己評価・点検については、23年度に見直した体制のもとで効率 的に実施するとともに、評価結果、反映方針が示され、研究成果の 活用状況等の追跡調査も引き続き実施されている。 また、研究の 前年度の独 評価にあたっては、進捗管理に工程表を活用したほか、研究資源の 法評価委員 会評価 中項目 1-2 A 投入状況と得られた成果に関する資料も活用し点検を実施してい る。国際的な評価への取組については、評価の際の基準となるベン チマーク対象機関の絞り込みを進めている。業績の処遇への反映に ついては、研究職員、研究管理職員の23年度の業績評価結果を24 年度の勤勉手当に反映させた。一般職員、技術専門職員についても 職務遂行能力評価及び業績評価を実施し、評価結果を24年度の勤勉 手当や昇給に反映している。 18 3.研究資源の効率的利用及び充実・高度化 中期目標 (1)研究資金 中期目標を着実に達成するため、運営費交付金を効果的に活用して研究を推進する。また、 研究開発の一層の推進を図るため、委託プロジェクト研究費、競争的研究資金等の外部資金 の獲得に積極的に取り組み、研究資金の効率的活用に努める。 (2)研究施設・設備 研究施設・設備については、老朽化した現状や研究の重点化方向を踏まえ、真に必要なも のを計画的に整備するとともに、有効活用に努める。 (3)組織 中期目標の達成に向けて、研究成果を効率的に創出するため、研究資金、人材、施設等の 研究資源を有効に活用し得るよう、他の農業関係研究開発独立行政法人との連携による相乗 効果を発現させる観点から、組織の在り方を見直す。 (4)職員の資質向上と人材育成 研究者、研究管理者及び研究支援者の資質向上を図り、業務を的確に推進できる人材を計 画的に育成する。そのため、人材育成プログラムを踏まえ、競争的・協調的な研究環境の醸 成、多様な雇用制度を活用した研究者のキャリアパスの開拓、行政部局等との多様な形での 人的交流の促進、研究支援の高度化を図る研修等により、職員の資質向上に資する条件を整 備する。 中期計画 (1)研究資金 ①運営費交付金を活用し、中期目標に定められた研究を効率的・効果的に推進するため、研 究所内を対象とした公募・採択による研究資金の配分、研究内容の評価・点検結果に基づく 研究資金の重点的な配分を行う。 ② 研究開発の一層の推進を図るため、農政上及び科学技術政策上の重要課題として国が公 募するプロジェクト研究や中期目標の達成に有効な競争的資金に積極的に応募し、研究資金 の充実を図る。 (2)研究施設・設備 研究施設・設備については、①整備しなければ研究推進が困難なもの、②老朽化が著しく、 改修しなければ研究に支障を来すもの、③法令等により改修が義務付けられているものなど、 業務遂行に真に必要なものを計画的に整備するとともに、集約化や共同利用を推進し、高額 機器の利用率を高める、隔離ほ場について研究所での利用予定がない期間に外部へ貸与する など有効活用を図る。 (3)組織 業務の運営状況、研究内容の評価・点検結果を踏まえ、研究をより効率的・効果的に推進す る観点から、機動的かつ柔軟に組織を見直すとともに、他の農業関係研究開発独立行政法人 との共同研究等を円滑に推進するための体制を整備する。 (4)職員の資質向上と人材の育成 ①「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推 19 進等に関する法律」(平成 20 年法律第 63 号)の制定や研究開発を取り巻く情勢変化等を踏 まえて、人材育成プログラムを改定し、これに基づき計画的な人材育成を図る。 ②研究者を対象とした競争的環境の整備、表彰制度等を活用したインセンティブの付与、博 士号の取得奨励、在外研究の促進、行政部局等との多様な形での人的交流の促進等により、 高い能力を持つ研究者の育成に努めるとともに、多様な雇用制度を活用し、研究者のキャリ アパスを開拓する。 ③各種研修制度等を活用し、研究所のミッション遂行に必要な研究マネジメントに優れた研 究管理者の育成を図る。 ④一般職員及び技術専門職員が高度な専門技術・知識を要する業務を行うために必要な資格 や能力を獲得するための研修等に参加させる。 指標 1-3-ア 評価・点検の結果が運営費交付金の配分に反映されているか。 1-3-イ 国の委託プロジェクト研究の重点実施や競争的研究資金等の外部資金の獲得により、研究資金の充実を図 っているか。 1-3-ウ 研究施設・機械は有効に活用されているか。共同利用の促進、集約化等による施設運営経費の抑制の取組 が適切に行われているか。 1-3-エ 他の農業関係研究開発独立行政法人との連携強化など、効率的な研究推進のための組織整備の取組が行わ れているか。 1-3-オ 人材育成プログラムに基づく人材育成の取組が適切に行われているか。 1-3-カ 研究職員にインセンティブを付与するための取組が行われているか。 1-3-キ 研究管理者の育成や研究支援部門における業務の高度化への対応のための各種研修の実施、資格取得の支 援が行われているか。 中項目実績 ●評価・点検結果の運営費交付金配分への反映(指標 1-3-ア) 運営費交付金の一般研究費(平成 25 年度予算額:約 174 百万円)については、その約 4 割を RP に配分し、残りを研究領域・センターに配分している。RP への配分に関しては、平成 24 年 度課題評価会議における評価結果を反映した(研究職員エフォートに基づく基準配分額に、評価 ランクに基づく係数(S:0.3、A:0.2、B:0.1、C 又は D:0)を乗じた額を上乗せして配分)。 また、中期目標に定められた研究をより効率的・効果的に推進するため、運営費交付金を活用 して所内競争的資金と位置づけられる研究推進費(平成 25 年度予算額:約 137 百万円)を設け、 所内で募集を行い、予算管理・運営委員会で審議の上、配分すること等により、重要な研究や国 際会議等への重点配分を図った。 表 1-3-ア 区分 (平成 25 年度予算額) RP 課題強化経費 ( 68 百万円 、うち PD 経費 44 百万円) 直 接 RP 課題間連携強化 研 費( 4.5 百万円 ) 究 研究推進費等による重点配分事例(平成 25 年度) 資 金 の 趣 旨 RP 課題の推進に特に必要な経費及びポスドクの 雇用に配分(RP リーダーが申請)。配分に当たって は、中期計画推進上の必要性・有効性を重要な基準 とする。 RP 課題間の連携の強化に特に必要な支出に配 分。配分に当たっては、中期計画推進上の必要性・ 有効性を重要な基準とする。 20 配 分 状 況 RP 課題の推進のための経 費 8 件、ポスドク雇用 11 件を採択 3 件を採択 費 女性研究者支援強 化費( 8 百万円 ) 若手研究者支援経 費(1.5 百万円) 法人プロジェクト 経費( 11 百万円 ) スタートアップ資 金( 5 百万円 ) 機械整備費 ( 38 百万円 ) 研 究 運 営 費 国際対応経費 ( 19 百万円 ) 女性研究者のキャリア形成・研究力向上を支援す るため、支援研究員の雇用、英語論文作成支援費及 び海外出張支援費に配分。 若手研究者に対し、英語論文の作成支援を行う。 支援研究員雇用 2 件、論文 支援 4 件、海外出張支援 2 件を採択 7 件を採択 国際的な視点で見た新規性及び革新性があるシ ーズ研究、成果をさらに発展させるフォローアップ 研究、東京電力福島第一原子力発電所事故に対応し た放射能研究等に配分。 任期付研究員として新規採用された者が、仕事の 開始に当たり必要となる経費に支給。 高額機器、大型機器のうち、戦略的に整備すべき もの、コストに見合った成果が期待できるもの等へ の支出に配分。 国際会議の開催、MARCO の下での研究者招へ い、国際共同研究等に配分。 12 課題を採択(うち、放射 能研究 3 課題) 理事長裁量経費 (9 百万円) 理事長の裁量により機動的に配分。 2 件を採択 2 件を採択 国際会議開催 5 件を採択 平成 25 年度から開始した 農家研修、国際的枠組みへ の自主派遣 (注)上記の資金は、特に記述がない場合、研究者からの申請を予算管理・運営委員会が審査・採択。 ●国の委託プロジェクト研究の重点実施や外部資金獲得による研究資金の充実(指標 1-3-イ) 国の委託プロジェクト研究については、農林水産省、環境省、文部科学省の研究制度に積極的 に応募し、地球温暖化緩和・適応、生物多様性の保全、有害化学物質のリスク低減、放射性物質の モニタリングなど本研究所のミッションと関係する研究を実施した。これらのプロジェクト研究 では、本研究所の研究員がプロジェクト推進リーダー、グループリーダー等として研究のコーデ ィネートを行い、多数の研究機関と連携し、国の政策に活用できる成果や全国で活用できる技術 の創出を目指している。 表 1-3-イ-1 国の委託プロジェクト研究、その他の受託研究等の事例(平成 25 年度) 委託元 研 究 課 題 農林水 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発(農業分野にお 産省等 ける温暖化緩和技術の開発) 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発(土壌病害虫診 研究期間 H 22~26 H 22~26 断技術等の開発) 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発(低投入型農業 H 23~25 のための生物農薬等新資材及びその利用技術の開発) 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発(気候変動及び H25~29 極端現象の影響評価-農林業に係る気候変動の影響評価) 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発(温暖化の進行 H25~29 に適応する生産安定技術の開発-生物多様性を活用した安定的農業生産技術の 開発) 「ゲノム情報を活用した農畜産物の次世代生産基盤技術の開発」(新たな遺伝子 H25~29 組換え生物にも対応できる生物多様性影響評価・管理技術の開発) 食品の安全性と動物衛生の向上のためのプロジェクト①フードチェーンのリス ク低減に向けた基盤技術の開発ア.水稲におけるヒ素のリスクを低減する栽培 管理技術の開発 21 H25~29 環境省 農地・森林等の放射性物質の除去・低減技術の開発 H 24~26 適切なリスク管理対策の選択を可能にする農薬の定量的リスク評価法の開発 H25~27 アジア陸域生態系におけるフラックス観測のセンサーネットワーク化と解析の H24~27 自動化に関する研究 文部科 放射性核種の農作物への吸収移行及び農林生産環境における動態解明 H 25 学省等 重要政策課題への機動的対応の推進及び総合科学技術会議における政策立案の H 25 ための調査(科学技術戦略推進費) H 24~25 福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の長期的影響把握手法の確立 (放射性物質測定調査委託事業) 中期目標の達成に有効な外部資金について、前年度に引き続き積極的に応募した(計 121 件)。 平成 25 年度の獲得額は約 741 百万円(分担機関への配分額を除いた農環研の執行額、前年度か らの継続実施も含む)であり、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関連した放射性物質関連 研究費のうち、農地土壌の放射性物質濃度分布推定図関連が減額したものの、競争的研究資金の 獲得額増により、ほぼ前年度並みを確保した。農林水産省、環境省、文部科学省等の競争的研究 資金についてみると、課題件数は 65 件、獲得額として約 335 百万円であり、前年度と比較する と課題件数、獲得額ともに大きく増加している。 表 1-3-イ-2 競争的研 究資金 公募型 その他 外部資金獲得状況の推移(金額は分担機関への配分額を除いた額) 配分 機関 件数(件) H21 H22 H23 H24 H25 H21 H22 H23 H24 H25 全機関 57 58 60 56 65 225 295 399 251 335 農水省 17 20 18 20 21 350 345 285 243 242 環境省 7 6 8 8 4 26 28 51 52 19 文科省 5 7 9 8 9 65 77 308 188 114 民間・財団・ 他独法等 資金提供型 共同研究 4 4 3 4 9 12 14 4 12 18 6 6 12 14 7 10 13 13 101 104 108 122 770 1,058 755 741 90 合計 獲得予算(百万円) 677 表 1-3-イ-3 競争的研究資金獲得状況の推移(金額は分担機関への配分額を除いた額) 配分機関 事業名 件数(件) 獲得予算額(百万円) H21 H22 H23 H24 H25 H21 H22 H23 H24 H25 3 4 6 4 6 17 15 19 7 49 4 4 4 2 1 88 93 92 10 15 文部科学 科学研究費補助金 43 40 35 37 47 64 86 85 82 103 省等 科学技術振興調整費 1 2 2 0 1 7 21 27 0 0 その他 2 2 6 7 4 11 14 85 87 83 農林水産 農林水産業・食品産業科 省等 学技術研究推進事業等 イノベーション創出基礎 的研究推進事業等 22 環境省 地球環境研究総合推進費 合計 4 6 7 6 6 38 68 92 65 85 57 58 60 56 65 225 295 399 251 335 これら外部資金獲得に向けた取組として、競争的研究資金の年間応募スケジュールの作成と所 内への周知の徹底、外部資金応募に関する所内説明会の開催、研究管理職による研究提案書のブ ラッシュアップを実施した。また、平成 21 年度から、競争的研究資金獲得のインセンティブを与 えるため、獲得した研究者に対し、獲得した研究資金に係る一般管理費及び間接経費の一部に相 当する金額を配分している。こうした取組の結果、当該年度及び次年度の資金獲得に向けた課題 提案について、代表提案は 123 件、参画提案は 83 件であり、前年度とほぼ同数であった。 表 1-3-イ-4 公募型研究資金への応募・採択状況(平成 24 年度、25 年度) 応 募 年 度 H24 H25 代表提案 配分 資金分類 H25 年度 H26 年度 代表提案 参画 提案 採択 採択 提案 採択 採択 提案 採択 採択 提案 採択 採択 数 数 率 数 数 率 数 数 率 数 数 率 競争的資金 8 2 25% 10 7 70% - - - - - - その他資金 19 10 50% 13 10 77% - - - - - - 競争的資金 62 21 34% 37 9 24% 4 0 0% 2 0 0% その他資金 39 18 46% 18 8 44% 21 15 71% 9 7 78% 競争的資金 - - - - - - 60 0 0% 51 1 2% その他資金 - - - - - - 38 13 34% 21 6 29% 128 51 40% 78 34 44% 123 19 15% 83 8 10% 年度 H24 年度 参画 合計 注:25 年度の採択件数及び採択率は、3 月 31 日時点での暫定値である。 ●施設・設備の有効活用、共同利用等による運営経費抑制の取組(指標 1-3-ウ) 研究本館を始めとする各施設が建設から 30 年近くを経過し、各施設や設備の老朽化が進んでい ることから、第 3 期の整備計画を策定し研究環境の維持や整備を計画的に実施している。 平成 25 年度は、施設整備費補助金により第 4、5 機械棟受変電設備改修工事を実施し高効率型 の変圧器に更新するとともに、平成 24 年度補正予算により研究本館耐震改修工事及びエネルギー 供給施設改修工事を実施し、防災・減災対策及び省エネルギー化による運営経費抑制に努めてい る。(詳細は P108 指標 8-1 に記述) また、研究用別棟については、研究用別棟管理規程に基づき毎年度末に別棟利用者に利用報告 を、次年度利用希望者に利用申請書を提出させ、予算管理・運営委員会で別棟利用の集約化や共 同利用を含めて審議し使用を承認することで有効活用に努めている。平成 25 年度は、大気汚染資 材判定実験棟の有効活用のための整備に着手した。 研究用機器については、高額機器の利用率向上のため、引き続き 500 万円以上の高額機器につ いてイントラネットを通じて職員に周知を行った。特に、4,000 万円以上の高額機器 7 件につい ては Web サイトによる情報提供も実施している。また、独法間で実施する協定研究に基づき、他 法人の研究者による機器の利用を認めている。 23 さらに、利用計画のない期間における外部貸付けが可能な施設・設備等については、所内及び 関係独法での利用計画を把握した上で、隔離ほ場の外部利用について Web サイトに公開し利用希 望を募っており、平成 25 年度は 3 実験の外部利用(いずれも(独)農業生物資源研究所)を承認し た。 なお、本研究所のRI実験棟については、前年度に引き続き、(独)農業・食品産業技術総合研究 機構中央農業研究センター、同機構作物研究所、(独)農業生物資源研究所及び(独)国際農林水産業 研究センターの職員の使用を認め、有効利用を図っている。 ●効率的な研究推進のための組織整備(指標 1-3-エ) 本研究所の研究組織は、前中期目標期間から、各専門分野の研究者が集まる研究領域・センタ ーと、課題推進のために領域・センターから分野横断的に研究者が集まった RP とが縦横に交わ るマトリックス構造としている。研究領域による研究職員の管理・人材育成と、RP による研究課 題の推進というそれぞれの役割が定着し、円滑に機能するようになった。 平成 23 年度からは、新たな中期計画を効率的・効果的に推進するため、RP の構成について前 期の 14 から 10 に再編し、研究を推進している。また、東京電力福島第一原子力発電所事故によ る放射能汚染調査等への対応のため、平成 25 年度においては 3 人の研究コーディネータのうち 1 人を放射能汚染対策研究専属として、機動的に研究を推進した。 表 1-3-エ RP 構成及び研究課題名 RP 名 担当研究課題名 温暖化緩和策 RP 農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価 作物応答影響予測 RP 気候変動に対する作物応答メカニズムの解明と影響予測 食料生産変動予測 RP 地球規模環境変動下における食料生産量変動の広域評価手法の開発と将 来見通し 生物多様性評価 RP 農業活動の変化が生物多様性に及ぼす影響の解明とその評価手法の開発 遺伝子組換え生物・外来生物影響評 遺伝子組換え作物及び外来生物の生物多様性影響評価手法及び適正管理 価 RP 手法の開発 情報化学物質・生態機能 RP 環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明 有害化学物質リスク管理 RP 有害化学物質による農作物汚染リスクの低減技術の高度化 化学物質環境動態・影響評価 RP 化学物質の環境動態予測技術と環境影響評価手法の開発 農業空間情報・ガスフラックスモニ 農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・予測 タリング RP 農業環境情報・資源分類 RP 農業環境情報の整備と統合データベースの構築 なお、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成 25 年 12 月 24 日閣議決定)におい て、(独)農業・食品産業技術総合研究機構、(独)農業生物資源研究所、(独)種苗管理センターと統 合し研究開発型の法人となることとなったことを踏まえ、統合相手の法人と連携を密にしつつ、 新たな研究開発型法人の組織設計や運営の在り方について検討を進めるため、 「4 法人統合準備委 員会」を合同で立ち上げ、検討に着手したところである。 ●人材育成プログラムに基づく人材育成の取組(指標 1-3-オ) 平成 23 年 9 月に改定した本人材育成プログラムに基づき、各研究職員が「中長期的な研究及び 24 自己研鑽の計画」及び「年間の目標」 (キャリアデザインシート)の作成、その達成度の確認、研 究管理者との面談等を行い、自らのキャリアビジョンの描出と自発的キャリアアップの遂行を図 った。また、研究者の国際的な活動を促進し、国際経験の蓄積を図るため、国際機関や国際研究 集会等への派遣を積極的に行い、(独)日本学術振興会や経済協力開発機構(OECD)等の研究者交 流制度(在外研究)への応募を奨励した。(P40 指標 1-6-イ参照)。 また、若手研究職員に対して学位の取得を奨励しており、平成 25 年度の研究職員中の博士号取 得者の割合は 83.7%となっている。その他、行政、他独法との人事交流を実施した。若手研究職 員に対しては、平成 25 年度から新たに英語論文作成支援も行っている。 表 1-3-オ 行政、他独法、大学との人事交流等の状況(平成 25 年度) 転 農林水産省 (独)農業・食料産業技術総合研究機構 入 (人) 研究職員 一般職員 2 1 1 1 (独)国際農林水産業研究センター 転 研究職員 (人) 一般職員 2 1 1 1 静岡大学 新規採用(参考) (テニュア) (任期付) 出 6 (4) (2) さらに、平成 21~23 年度に実施した女性研究者支援モデル育成事業での女性研究者支援メニ ューの多くを平成 25 年度も運営費交付金を財源として継続し、講演会、メンター制度、海外出張 支援、英語論文作成支援等により、女性研究者やポスドクの育成を推進した(P112 指標 8-2-ウ 参照)。 以上のような、これまでの人材育成の取組の成果もあって、平成 25 年度には、本研究所の研究 職員が文部科学省科学技術・学術政策研究所「ナイスステップな研究者」に選定された。 ●研究職員へのインセンティブ付与(指標 1-3-カ) 研究職員のインセンティブを高めるため、前期に創設した若手研究者を対象とした所内表彰(農 環研若手研究者奨励賞)について、平成 25 年度についても開催し、4 人(研究職員 2 人、ポスド ク 2 人)を表彰した。 また、所内競争的研究資金と位置づけられる研究推進費の活用、RP 課題の評価結果を RP の予 算配分に反映させる仕組み等により、競争的環境の醸成を図っている(P20 指標 1-3-ア参照)。 さらに、競争的研究資金獲得(P21 指標 1-3-イ参照)、資金提供型共同研究推進(P35 指標 1-5ア参照)のためのインセンティブ付与の仕組みを整備している。 25 1-3-カ 写真 平成 25 年度農環研若手研究者奨励賞授賞式 ●各種研修の実施、資格取得の支援(指標 1-3-キ) 本研究所のコンプライアンスの向上を図る観点から安全衛生に関する研修会、ハラスメント研 修会、放射線障害防止、遺伝子組換え実験に関する教育訓練やセキュリティの向上のためネット ワーク等の利用者講習会を実施した。さらに、外部機関が実施する階層別研修、特別管理産業廃 棄物管理責任者に関する講習会などの専門性の高いセミナーなどにも積極的に参加させた。 研究職員については、資質向上及び資格取得を図るため、科学英語研修を所内研修として実施 するとともに、外部機関が実施する研修にも参加させた。また、専門員を講師とした「農環研統 計 GIS セミナー」を実施し、統計と GIS の基礎から専門レベルまで、研究水準の向上を図った。 さらに、平成 25 年度から新たに、若手研究職員を対象に実際の農業現場から日本農業と農業環境 研究、さらには自らの農業環境研究者としてのキャリアを考える機会を提供することを目的とし て、意欲的な経営を行っている農家に宿泊しながら農作業に携わり、語らい、農業体験を積む農 家研修を開始した。平成 25 年度は、NPO 法人田舎のヒロインわくわくネットワークの 5 農家(酪 農家、果樹農家、水稲農家、養鶏農家及び野菜農家)において、計 10 人が研修を行った。 一般職員については、衛生管理者受験準備講習会に 2 人の者を参加させ、第一種衛生管理者試 験に1人が合格した。また、特別管理産業廃棄物管理責任者に 2 人の者が合格した。 技術専門職員については、安全衛生教育(丸のこ取扱従事者)に1人の者を参加させ、安全衛 生の水準の向上を図った。 表 1-3-キ 種 別 所 内 研 修 主な研修・講習等の開催状況 研修講習会の名称 実施機関 実施日 参加 人数 農環研 H25.4.23、4.25、 5.29、6.12、7.10、 10.11 、 10.16 、 10.22 、 1.30 、 2.5 (全 10 回) H25.5.24 66 農環研統計GISセミナー(第1回) 農環研 H25.5.30 8 ハラスメント研修会(管理者向け) 農環研 H25.6.18、7.17 28 安全衛生に関する研修会(有機溶剤の取扱 い) 農環研 H25.6.27 50 新規ネットワーク利用者講習会 農環研 放射線障害防止のための教育訓練 26 22 外 部 研 修 農家研修 農環研 情報セキュリティ講習会(第1回) 農環研 公開 Web サイト・サーバ管理者等講習会 農環研 ハラスメント研修会 農環研 農環研統計GISセミナー(第2回) 農環研 平成 25 年度新規採用者研修(10.1 付け) 農環研 外部資金応募に関する説明会 H25.7.29~8.2 H25.8.5~8.9 H25.8.17~8.22 H25.9.15~9.19 H25.10.4~10.10 H25.10.15~10.19 H25.10.21~10.25 H25.10.21~10.26 H25.11.11~11.16 H25.7.11、7.12、 7.18、10.21(全4 回) H25.7.23、7.31、 10.21(全3回) H25.7.25、7.30(全 2回) H25.9.19 10 387 39 165 6 農環研 H25.10.1~10.3、 10.7 H25.10.2 33 平成 25 年度科学英語研修 農環研 H25.10.8 37 安全管理講習会 農環研 H25.10.22 110 健康教室「認知症について」 農環研 H25.10.23 57 微生物実験の安全管理に関する説明会 農環研 H25.10.23 57 遺伝子組換え実験に関する教育訓練 農環研 H25.10.23 45 メンタルヘルス研修会(管理者向け) 農環研 H25.10.29、11.26 28 簿記研修 農環研 4 情報セキュリティ講習会(第2回) 農環研 救命講習会(AED 操作方法・心肺蘇生法・ 止血法等) 農環研統計GISセミナー(第 3 回) 農環研 H25.11.1 ~ H26.5.30 ( 全 28 回) H25.11.11、11.15、 11.21 、 12.11 ( 全 4回) H25.11.21 農環研 H26.1.30 11 情報セキュリティ研修会(管理者向け) 農環研 H26.2.25 28 農環研統計GISセミナー(第 4 回) 農環研 H26.3.13 13 知的財産に関する講習会 農環研 H26.3.18 16 図書資料関係研修(第 3 回新図書資料管理シ ステム担当者向け講習会) 平成 25 年度環境放射能分析研修 ① ゲルマニウム半導体検出器による測定 法 ② 放射性ストロンチウム分析法 平成 25 年度第 36 回英語研修 農林水産省農林水産技術 会議事務局筑波事務所 (財)日本分析センター H25.4.23 1 ①H25.4.24~4.26 ②H25.7.1~7.11 1 文部科学省 研究交流センター 総務省関東管区行政評価 局 (株)労働開発研究会 H25.5 月~3 月(全 50 回) H25.5.10 6 1 H25.5.14 1 (独)農業生物資源研究所 H25.5.20 4 国家公務員共済組合連合 会 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 H25.5.27 1 H25.5.27 1 情報公開・個人情報保護制度の運用に関する 研修会 メンタルヘルス問題とその対応策 Q&A 農業環境技術研究所隔離ほ場使用に関する 教育訓練 平成 25 年度資格・標準報酬管理事務研修会 人事評価評価者訓練 27 2 317 19 平成 25 年度農林水産関係研究リーダー研修 平成 25 年度算定基礎届事務講習会 平成 25 年度チーム長等研修 特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講 習会 安全運転管理者講習 平成 25 年度第一種衛生管理者免許試験受験 準備講習会 平成 25 年度第2回知的財産権研修(初級) 平成 25 年度主査等Ⅱ研修 平成 25 年度農林水産関係中堅研究者研修 安全衛生教育(丸のこ取扱従事者) 平成 25 年度主査等Ⅰ研修 担当者がおさえておきたい 高齢社会雇用 を取り巻く社会保険・年金知識と実務、賃 金・処遇制度の基礎知識 平成 25 年度衛生管理者免許試験 人事が知っておきたい「税務の基礎知識と実 務対応」 平成 25 年度労働法研修 BYOD(Bring Your Own Device)をめぐる 諸問題 メンタルヘルスセミナー 農林水産省農林水産技術 会議事務局 土浦年金事務所 H25.5.30~5.31 2 H25.6.11 1 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 (公財)日本産業廃棄物処 理振興センター 茨城県公安委員会 H25.6.12~6.14 1 H25.6.13、H26.2.5 2 H25.6.21 1 (一社)茨城労働基準協会 連合会 (独)工業所有権情報・研 修館 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 H25.6.24~6.26 2 H25.6.24~6.27 1 H25.6.26~6.28 2 農林水産省農林水産技術 会議事務局 (株)日立建機教習センタ ー茨城教習所 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 H25.7.10~7.12 2 H25.7.16 1 H25.7.17~7.19 1 (株)労働開発研究会 H25.9.5 1 関東安全衛生技術センタ ー (株)労働開発研究会 H25.9.8 2 H25.9.19 1 H25.9.18~9.20 2 H25.10.11 1 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 (株)労働開発研究会 農林水産省農林水産技術 会議事務局筑波事務所 農林水産共済組合筑波支 部 平成 25 年度産学官・広報・知財研修 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 平成 25 年度若手育成研修(ビジネスマナー) (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 農林水産本省発注者綱紀保持研修 農林水産大臣官房経理課 H25.10.16 3 H25.10.16~10.18 1 H25.10.25 2 H25.10.28 2 平成 25 年度長期給付実務研修会 H25.10.31~11.1 1 平成 25 年度公文書管理研修Ⅰ(第2回) 国家公務員共済組合連合 会 (独)国立公文書館 H25.11.6 1 平成 25 年度科学コミュニケーション研修 (独)農業生物資源研究所 H25.11.6 5 平成 25 年度関東地区行政管理・評価セミナ ー 平成 25 年度ライフプラン研修 総務省関東管区行政評価 局 (独)国際農林水産業研究 センター 全国間税会総連合会 H25.11.8 1 H25.11.13 1 H25.11.20 2 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 H25.11.22 1 第 24 回「消費税中央セミナー」 平成 25 年度コミュニケーション研修 28 平成 25 年度農林水産関係若手研究者研修 平成 25 年度労働災害防止に向けた講演会 安全運転講習会 独立行政法人等情報公開・個人情報保護担当 者連絡会議 公文書管理に関する独立行政法人等連絡会 議 防災センター要員講習・自衛消防業務講習 平成 25 年度英語研修 Winter English Class 第5回関東地区セクシュアル・ハラスメント 防止研修指導者養成コース プレスリリースに関するスキルアップセミ ナー 第4回関東地区パーソネル・マネジメント・ セミナー 広報担当者研修 エネルギー管理講習「資質向上講習」 農学情報講座 「労働契約法の特例」~大学等における研究 開発力強化法改正の影響をさぐる~ 農林水産省農林水産技術 会議事務局 (独)農業・食品産業技術 総合研究機構 H25.11.27~11.29 2 H25.12.2、12.9(全 2回) 延べ 18 農林水産省農林水産技術 会議事務局筑波事務所 総務省行政管理局 H25.12.12 22 H26.1.20 1 内閣府大臣官房公文書管 理課 H26.1.21 1 (一社)東京防災設備保守 協会 文部科学省 研究交流センター 人事院関東事務局 H26.2.3~2.4 1 H26.2.4~3.11(全 10 回) H26.2.7 1 1 農林水産省農林水産技術 会議事務局筑波事務所 人事院関東事務局 H26.2.17 4 H26.2.18~2.19 1 (財)茨城県科学技術振興 財団 つくばサイエンス ツアーオフィス (一財)省エネルギーセン ター H26.2.26 2 H26.3.5 1 農林水産省農林水産技術 会議事務局筑波事務所 (株)フォーブレーン H26.3.6 1 H26.3.12 1 29 評価ランク コメント 運営費交付金については、評価結果の反映が図られるとともに、所内競 争的資金を設けて重点配分を行うなど、効率的活用が図られている。外部 研究資金の獲得に関しては、競争的研究資金の獲得金額が大幅に増加し た。研究施設の老朽化対策、防災・減災対策は、第 4、第 5 機械棟の変電 自己評価 中項目 1-3 設備の改修、研究本館耐震補強工事等を行うなど着実に進んでいる。施設・ A 設備の効率的利用についても、隔離ほ場・RI 実験棟の外部利用が図られ るなど着実に進んでいる。また、人材育成プログラムに沿って、研究職員 への競争的環境の醸成、職員を新たに開始した農家研修など所内・所外の 研修に積極的に参加させるなどにより、人材育成に努めている。特に、若 手研究職員を対象に新たに開始した農家研修は、今後の研究の方向性や出 口を見据えることにつながる取組であり、継続的な実施が期待される。 評価ランク コメント 運営費交付金の一般研究費の配分については、課題評価会議における評 価結果を反映したほか、運営費交付金を活用した所内競争的資金による重 点配分も引き続き実施されている。外部研究資金の獲得については、積極 前年度の独 的な取組も伺えるが、獲得金額が減少していることから、獲得に向けた継 法評価委員 続的な取組が期待される。施設・設備の有効利用については、Webサイト 会評価 A での情報提供を行い、高額機器、隔離ほ場の外部機関による利用が行われ 中項目 ているほか、引き続き他の農業関係研究開発独法へRI(放射性同位元素)実 1-3 験棟を開放し、利用を認めている。また、独立行政法人の制度等の見直し に関する情勢なども踏まえた効率的な研究推進体制の検討も実施してい る。競争的研究資金獲得者への研究予算のインセンティブ配分を実施して いるほか、人材育成については、人材育成プログラム等に基づき研修や資 格取得支援の取組が行われている。 30 4.研究支援部門の効率化及び充実・高度化 中期目標 研究支援業務のうち、他の農業関係研究開発独立行政法人と共通性の高い業務を一体的に実施するこ となどにより、研究支援部門の合理化を図る。 総務部門の業務については、業務内容の見直しを行い、効率化を図る。 現業業務部門の業務については、調査及び研究業務の高度化に対応した高度な専門技術・知識を要す る分野への重点化を進め、効率化及び充実・強化を図る。 また、研究支援業務全体を見直し、引き続きアウトソーシングを推進することなどにより、研究支援 部門の要員の合理化に努める。 中期計画 ① 研究支援業務については、研修等の共同実施、マニュアル等の共同作成など他の農業関係研究開発 独立行政法人と共通性の高い業務を一体的に実施することにより合理化を図る。 ② 総務部門において、業務内容の見直しを行うとともに、情報システムの運用により情報共有の促進 や業務の電子化により事務処理の効率化を図る。 ③ 技術専門職の業務については、調査及び研究業務の高度化に対応した高度な専門技術・知識を要す る分野に重点化するとともに業務の効率化、充実・強化を図る。 ④ 引き続き施設・設備、機械等の保守管理等の外部委託、人材派遣、契約職員の活用等により、研究 支援部門の要員の合理化に努める。 ⑤ 農林水産省研究ネットワーク等を活用して、研究情報の収集・提供業務の効率化、充実・強化を図 る。 指標 1-4-ア 他の農業関係研究開発独立行政法人と共通性の高い業務の洗い出しを行っているか。共通性の高い業務の一体的 実施に取り組んでいるか。 1-4-イ 総務部門において、効率化に向けた業務見直しを適切に行っているか。 1-4-ウ 現業業務部門において高度な専門技術・知識を要する分野を充実・強化するため、業務の重点化などの見直しを 行っているか。 1-4-エ 研究支援部門の効率化を図るためのアウトソーシングに取り組んでいるか。 1-4-オ 研究情報の収集・提供業務を充実・強化を図っているか。また、情報共有システムによる研究所全体での情報共有 を進めているか。 中項目実績 ●他の農業関係研究開発法人と共通性の高い業務の一体的実施に向けた取組(指標 1-4-ア) 契約関係では、健康診断業務に関して、平成 25 年度から、本研究所、(独)農業・食品産業技術総合研 究機構、(独)農業生物資源研究所及び(独)国際農林水産業研究センターの 4 法人で一括契約を実施した。 このほか、平成 24 年度から 2 件の物品調達について 4 法人共同契約を行っている。 また、研修・セミナー関係では、14 件の研修等について 4 法人による共同実施の取組を行った。 表 1-4-ア 農業関係研究開発 4 法人で共同開催した主な研修・講習等の開催状況 研修講習会の名称 平成 25 年度科学英語研修 開催場所 農環研 31 実施日 H25.10.8 平成 25 年度管理者研修 平成 25 年度人事評価評価者訓練 平成 25 年度チーム長等研修 平成 25 年度主査等Ⅱ研修 平成 25 年度主査等Ⅰ研修 平成 25 年度労働法研修 平成 25 年度産学官・広報・知財研修 平成 25 年度若手育成研修(ビジネスマナ ー) 平成 25 年度科学コミュニケーション研修 平成 25 年度数理統計短期集合研修 平成 25 年度ライフプラン研修 平成 25 年度コミュニケーション研修 平成 25 年度労働災害防止に向けた講演会 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 ( 独 ) 農業生物資源 研究所 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 ( 独 ) 国際農林水産 業研究センター (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 (独)農業・食品産業 技術総合研究機構 H25.5.15~5.17 H25.5.27 H25.6.12~6.14 H25.6.26~6.28 H25.7.17~7.19 H25.9.18~9.20 H25.10.16~10.18 H25.10.25 H25.11.6 【基礎編】 H25.11.11~11.15 【応用編】 H25.11.18~11.22 H25.11.13 H25.11.22 H25.12.2、H25.12.9 ●総務部門における効率化に向けた取組(指標 1-4-イ) 支払業務に関して、平成 25 年 7 月から源泉所得税をインターネットバンキングにより納付ができる 国税電子申告・納税システム(e-Tax)を導入し、毎月の源泉所得税納付のために金融機関に出向く必 要をなくし、業務の効率化を図った。 平成 25 年度は半年に及ぶ本館の耐震化工事や機械棟の改修工事が行われたが、工事実施に先立って 全職員を対象とした説明会を開催するとともに、工事の進捗や今後の予定等をグループウェアに随時掲 載し、職員への丁寧かつ迅速な情報提供に努めた。また、夏季には、同様にして日々の使用電力を掲載 し、職員の節電意識の向上を図った。 ●技術専門職の業務の重点化(指標 1-4-ウ) 技術専門職については、高度な専門技術、知識を要する分野に重点化しつつ業務を実施するために、 第 2 期からグループ制に再編した。グループごとに対応する研究領域・センターを固定し、より専門的 で一貫した対応を行いながらも、グループ間で相互に補助を行うなど、機動的・効率的な対応を行う体 制を構築した。平成 25 年度は、つくば市真瀬の一般水田におけるガスフラックスモニタリング、つく ばみらい市に設置した開放系大気 CO2 増加(FACE)実験ほ場での各種試験、福島県における放射性物 質に汚染された農地土壌の現地洗浄実験、カドミウムやヒ素等の有害化学物質の吸収特性を改変したイ ネの所内及び現地試験ほ場での栽培試験など専門的な技術を要する支援を重点的に実施した。 また、植生管理の知識を活用したビオトープ管理、研究に用いる土壌、水、植物、ミミズ、クモ類、 昆虫、オタマジャクシ等の環境資源試料採取の支援を実施した。一方、専門技術を必要としない業務に 32 ついては契約職員(補助員)2 名に加えて、繁忙期に 1 名を雇用して対応を進めるとともに、再雇用者 である専門員の有する高度の知識を活用して多様な業務に対応した。 ●研究支援部門におけるアウトソーシングの取組(指標 1-4-エ) 各部門で年間作業スケジュールを作成し、常勤職員、契約職員の業務の確認を行うとともに、専門知 識を持つ契約職員を活用し、人件費を抑制しつつ、新たな業務に対応している。 広報情報室広報グループでは、科学コミュニケーション業務の経験者を契約職員として引き続き雇用 し、見学者への対応、広報イベントの企画・運営、「農環研ニュース」の企画・編集などにおいて、わ かりやすい情報提供に努めた。また、情報グループでは、図書館司書資格を持つ契約職員を雇用し、図 書資料の整理、文献の入手、リファレンスなど、図書館サービスの向上に務めた。 連携推進室では MARCO シンポジウム・ワークショップ開催運営、研究者の派遣・受入支援などの海 外との研究協力強化のための業務が、安全管理関係では薬品管理のオンラインシステムの運用の業務が 増加しており、これら業務の的確な遂行を図るため、それぞれの分野で専門知識を持つ人材を契約職員 として雇用し配置した。 ●研究情報の収集・提供業務の充実・強化、情報共有の取組(指標 1-4-オ) 研究情報を効率的に収集するため、電子ジャーナルの購読について、平成 25 年度は、利用アンケー ト、閲覧頻度や引用実績などの調査を行い、費用対効果が低いと判断されたジャーナルの購読を中止す るなど大幅な見直しを行った。購読していないジャーナルの論文については、ネットワークシステムを 活用した図書館間の文献複写・相互貸借又は個別論文の購入によって入手・提供している。 また、所内の情報共有では、平成 17 年度に導入したグループウェアを平成 25 年度も引き続き役員・ 管理職員等の在席状況・スケジュール表、会議室・自動車の予約状況、役員会・所議ほかの議事録・資 料、提出書類の様式、新聞記事情報、女性研究者支援関連情報など所内への日常的な連絡・情報共有に 利用しているほか、出張伺い作成と職員の予定登録を連動させるなど業務効率化にも活用している。 さらに、研究の企画、進行管理、評価等を効率的に実施するため、平成 19 年度に作成した本研究所 のデータベース(研究管理データベース)について、平成 25 年度も引き続き運用ノウハウの蓄積とプ ログラムの改良に取り組み、業務実績報告書、課題評価会議、各研究職員の業績報告書の作成、各種調 査への対応等に係る情報収集の効率化と情報共有を図っている。 加えて、研究所保有の知財情報、外国出張者、受入研究員など、連携推進室が保有している情報を効 率的に利用するため、平成 24 年度に作成したデータベース(連携推進データベース)については、平 成 25 年度は知財情報を中心にデータの整合性を確認し、必要な修正を講じたことにより、各種調査に 対する情報の収集が容易になり、作業の効率化が進んだ。 33 評価ランク コメント 他の農業関係研究開発独立行政法人と共通性の高い業務の一体的実施に 向けた検討を進め、健康診断や物品調達、研修等について共同実施の取組 を拡大している。総務部門では、平成 25 年度から e-Tax を導入するなど、 業務の効率化をすすめている。現業業務部門においては、放射能汚染地で 自己評価 中項目 1-4 の農地土壌の洗浄実験、カドミウムやヒ素等の有害化学物質の吸収特性を A 改変したイネの栽培試験など専門技術・知識を要する分野への重点化をさ らに進めている。また、研究支援業務全般において外部委託や契約職員を 活用したアウトソーシングの取組が進められている。研究情報の収集・提 供業務では、電子ジャーナルの購読について、費用対効果に基づき大幅な 見直しが行われている。さらに、情報共有システムの定着と利用拡大の取 組が継続して進められている。 評価ランク コメント 農業関係研究開発4法人共同で実施可能な研修等について共同で実施し たほか、2件の物品購入の一括契約など、共通性の高い業務の一体的実施に 取り組んでいる。総務部門の効率化として、情報システムの有効利用や電 前年度の独 子申請の活用など業務の効率化に取り組んでいる。現業部門の効率化とし 法評価委員 て、専門技術を必要としない業務の契約職員での対応を引き続き進める一 会評価 A 方、技術専門職員については、カドミウム極低吸収イネの栽培試験など高 中項目 度な知識を必要とする業務への重点化に取り組んでいる。また、情報や安 1-4 全管理部門では、図書館司書資格やオンラインシステムに関する専門知識 を有する者を契約職員として雇用するなど、アウトソーシングと効率化に 取り組んでいる。研究情報の収集等については、土壌・農作物の放射能汚 染に関する情報の充実が図られているほか、情報共有システムの定着と利 用拡大への取組が行われている。 34 5.産学官連携、協力の促進・強化 中期目標 農業環境に関する基礎的・基盤的研究水準を向上させ、優れた研究成果や知的財産を創出するため、 国、他の独立行政法人、公立試験研究機関、大学、民間等との連携・協力及び研究者の交流を積極的に 行う。その際、他の独立行政法人との役割分担に留意しながら、円滑な交流システムの構築を図る。 中期計画 ①研究推進と研究成果の円滑な移転のため、国、公立試験研究機関、民間企業、大学等との共同研究及 び人的交流を、積極的に行い、国、他の独立行政法人、公立試験研究機関、大学、民間等の参加を求 めて、研究推進と研究成果の円滑な移転のための会議を毎年度開催し、相互の連携・協力の推進を図 る。 ②他の農業関係研究開発独立行政法人とは、その役割分担に留意しつつ、人事交流を含めた連携、協力 を積極的に行う。特に、独立行政法人国際農林水産業研究センターが実施する国際共同研究に必要に 応じて協力する。 ③研究を効率的に実施するため、環境研究を行う他の独立行政法人等との連絡会の開催等により情報交 換を行う。また、現場ニーズの把握や研究成果の普及のため、都道府県と連携して地域セミナー等を 開催する。 ④連携大学院、連携講座及び教育研究協力に関する協定など、包括的協力協定(MOU:Memorandum of Understanding)の締結等により、大学との研究・教育に関する連携を強化する。 指標 1-5-ア 1-5-イ 1-5-ウ 1-5-エ 地方自治体、関係団体、関係機関、大学及び民間企業等との共同研究及び人的交流が行われているか。 他の農業関係研究開発法人との人事交流を含めた連携、協力が行われているか。 国際農林水産業研究センターの国際共同研究への協力は適切に行われているか。 産学官連携による現場ニーズの把握や研究成果の普及にむけて、都道府県等と連携して、地域セミナー等の開催 に取り組んでいるか。 1-5-オ 大学等との包括的協力協定締結等により、一層の連携強化を図っているか。 中項目実績 ●国公立機関、民間企業、大学等との共同研究、人的交流(指標 1-5-ア、エ、オ) 研究成果の実用化を推進する観点から、独法化後は、民間企業等との共同研究を推進している。平成 25 年度は全体で 88 件の共同研究を実施した。研究成果の実用化を強力に推進することを目的に、平成 20 年度に創設した資金提供型共同研究制度(民間等からの資金提供により共同研究を行う制度)は、平 成 22 年度にインセンティブを付与する制度(担当研究者に共同研究支援費を配分)を整備したことで 実施が促進され、平成 25 年度には、新たに 8 件開始され、継続分を含めると合計 14 件実施された。な お、平成 25 年度は 5 件の特許出願を行ったが、うち 2 件は民間企業等との共同研究の成果である。 東京大学、筑波大学、東京農業大学、豊橋技術科学大学との間で締結している包括的協力協定(連携 講座、連携大学院、MOU 等)に基づき、多数の客員教員の派遣、教育研究研修生等の受け入れを行っ た。包括的連携協定を結んでいる茨城大学農学部には、10 月に開催した MARCO-FFTC ワークショッ プ「アジアにおける遺伝子組換え食用作物のベネフィットとリスク」及び 3 月に開催した農業環境技術 研究所公開セミナー「核酸から見えてきた農業に関わる微生物の生態と機能」に後援いただくとともに、 35 それぞれ講演者を派遣いただいた。 また、都道府県の公設試験研究機関とは、低カドミウムイネの実用化に向けた共同研究等を進めてい る。 さらに、放射能研究に係る研究成果の円滑な提供を図るため、昨年度に引き続き、福島県農業総合セ ンターと放射能研究に関する包括的な共同研究契約を締結した(5 月)。 このほか、依頼研究員、技術講習生、インターンシップ等の制度により、外部から多数の研究員や学 生を受け入れた。 表 1-5-ア-1 他機関との共同研究・人材交流(国内等)(平成 25 年度) 共同研究 研究員等 受入 教員派遣 等 項目 共同研究契約 件数・人数 88 件 備考 共同研究機関数は、民間 27、大学 30、独法・国研等 21、公設試 15(い ずれも延べ数)。 農業関係研究開発法人との研究協力に関する協約書に基づいて実施する 研究。 協定研究 18 件 JSPS 特別研 究員 依頼研究員 4人 9人 大学 4 人、都道府県 5 人 技術講習生 35 人 大学(学生含む)34 人、都道府県 1 人 教育研究研修 生 インターンシ ップ制度 2人 連携大学院方式による協力協定(筑波大学、東京農業大学)による受入。 実務訓練生 7人 その他 包括的協力協 定、MOU 等 大学との兼業 7人 26 人 1人 学生に研究業務を体験させることにより、職業適性の見極めを支援し、高 い就業意識を育成するとともに、農業と環境に関係する研究に理解を深め てもらうことを目的に実施。 実務訓練生は豊橋技術科学大学の制度に基づく受入。 特任研究員 2 人、共同研究等による受入 5 人 連携講座(東京大学)、連携大学院方式による協力協定(筑波大学、東京 農業大学)等による教授、准教授、客員研究員等の派遣。 5人 (注1)国内を主な対象とする共同研究、人材交流等(海外を主な対象とするものは P41 表 1-6 –ア、イ) 本研究所の職員等が作製・収集した標本や菌株等の研究試料の取り扱いを定めた「研究試料取扱規程」 に基づき、平成 25 年度には本規程よる契約を締結して、外部に対して 26 件の試料の貸与を行った。な お、民間企業への貸与に際しては、所要の対価を徴収している(P106 指標 3-4-ア参照)。 表 1-5-ア-2 「研究試料取扱規程」に基づく貸与資料一覧(平成 25 年度) 貸与した試料 提供先(区分) 使用目的 さく葉標本 昆虫標本、写真等 植物 DNA 彩色関東実測図データ イネ変異体等の種子 メコンデルタのデジタル土 地利用図 大学 1 件、国関係1件 民間企業 3 件 民間企業 1 件 公設機関 1 件 公設試 17 件 海外大学 2 件 同定識別研修 展示会等で使用 種の判別 博物館での展示 特性評価、交配母本 データ解析 以上の他、他の研究機関と連携して多数のプロジェクト研究を実施した。また、他独法、大学との人 事交流を推進した(P25 表 1-3-オ 参照)。 36 研究推進と研究成果の円滑な移転を目的に、公設試験研究機関や民間、農業関係研究開発法人等の参 加を得て、農業環境技術研究所連携推進会議を平成 26 年 2 月に本研究所で開催した。 他研究機関との連携では、農林水産業にかかる環境研究の三所連絡会(第 13 回)を開催し意見交換 を行った。また、環境研究を行なう 12 研究機関と筑波大学で構成している環境研究機関連絡会及び同 連絡会の主催による第 11 回環境研究シンポジウムを東京で開催し、環境問題に関心のある研究者や行 政関係者、市民、報道関係者に広く情報を発信した。さらに、平成 25 年度は、東京電力福島第一原子 力発電所事故による放射性物質汚染対策に関し、(独)日本原子力研究開発機構と情報交換会を開催した。 農業生産現場との連携強化のため、新潟県の後援、新潟県農業総合研究所の協力により現地セミナー (農業環境技術公開セミナー)を開催し、県と連携して積極的な成果公表、普及に努めた。都道府県と の連携による現地セミナーは、平成 25 年度で 6 回目であるが、成果の普及のみならず、県の若手研究 者の発表技術の向上や、農業関係者、一般の方等の生の声を聞き研究に反映させる重要な機会となって いる。 第 11 回環境研究シンポジウム 写真 表 1-5-ア 会 議 1-4-イ 農業環境技術公開セミナーin 新潟 他の機関との連携推進のための会議 連携推進のための会議等の開催状況(平成 25 年度) 名 農業環境技術研究所連 携推進会議 内 容 公設試験研究機関や民間、大学等の参加の下、民間及び都道府県等と 開催日(場所) H26.2.21 の連携の事例とその成果を踏まえつつ、連携推進の今後の取組の方向性 農林水産省農林水産 について意見交換を実施。 技術会議事務局つく ば事務所 環境研究機関連絡会及 環境省、国土交通省、文部科学省、経済産業省等の環境関係の研究機 び第 11 回環境研究シン 関 12 機関で平成 13 年度に結成。平成 23 年度から筑波大学大学院生命 H25.11.13 ポジウム 環境科学研究科が加入し、構成機関は 13 機関となる。平成 25 年度は「水 一橋大学一橋講堂 圏・海洋を巡る環境研究の最前線」をテーマに開催し、農環研からは「農 (東京都千代田区) シ ン ポ ジ ウ ム 地から水圏へ-窒素負荷流出研究の現状と題した講演と、8 件のポスタ ー発表を実施。シンポジウム参加人数 277 人。 農林水産業にかかる環 (独)森林総合研究所、 (独)水産総合研究センター及び農環研から、 H25.12.3 境研究の三所連絡会 平成 24 年度の取組のトピックについて報告があり、水産総合研究セン (独)森林総合研究 (第 13 回) ターから提案のあった三所が中心となって取り組むべき省庁間連携研 所九州支所(熊本県 究課題等について検討を行った。 熊本市) 37 農業環境技術公開セミ ナーin 新潟 「地球環境負荷軽減、「農」からのアプローチ」をテーマとして、水 H25.11.18 田における環境負荷軽減研究や生物多様性研究に関する最新の成果を、 長岡リリックホー 広く一般市民、農業関係者に紹介することによって、参加者相互の理解 ル・シアター(新潟 と連携・協力の推進を図った。新潟県の後援、新潟県農業総合研究所の 県長岡市) 協力により、長岡市で開催。参加者は 263 人。 (独)日本原子力研究開 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質汚染対策に関 する情報交換会を実施。参加者は 15 人 発機構 H25.8.2 農業環境技術研究所 ●他の農業関係研究開発法人との連携、協力(指標 1-5-イ、ウ) 他の農業関係研究開発法人との連携・協力では、転入 3 名、転出 1 名の人事交流を行うとともに(P25 表 1-3-オ参照)、農業関係研究開発法人間の研究協力に関する協約書に基づき、(独)農業・食品産業技術 総合研究機構、(独)農業生物資源研究所、(独)国際農林水産業研究センター、(独)森林総合研究所と計 18 件の協定研究を実施した。また、共同研究契約に基づき、(独)農業・食品産業技術総合研究機構と 5 件、 (独)農業生物資源研究所と 1 件の共同研究を実施した。 また、(独)国際農林水産業研究センターが実施する国際共同研究等に協力し、「河北省における環境 影響リスク評価」の課題で延べ 2 人の研究員を中国に派遣した。 評価ランク コメント 研究成果の実用化に向けた民間等との共同研究が前年度の 60 件から 88 件に大幅に増加し、その成果として民間企業との特許の共同出願が 2 件な されている。外部との人材交流・人事交流は着実に実施されている。また、 自己評価 中項目 1-5 新潟県の後援のもと開催した現地セミナーは、例年を大きく上回る 263 人 A の参加があり、技術普及に貢献した。このほか、都道府県、民間等の参加 を得て連携推進会議を開催するなど、現場ニーズの把握や研究成果の普及 にむけた取組を実施している。さらに、新たに(独)日本原子力研究開発機構 と放射性物質汚染対策に関する情報交換会を開催したほか、他の試験研究 独法との連携協力についても着実に実施している。 評価ランク コメント 産学官連携については、民間企業、大学などとの共同研究の実施件数が、 23年度の34件から60件に増加しており、また、2件の特許出願など共同研 究の成果も認められる。放射能研究の成果を円滑に提供するため福島県農 前年度の独 業総合センターと包括的共同研究契約を締結したほか、静岡県農林技術研 法評価委員 会評価 中項目 1-5 A 究所と共催で現地セミナーを開催するなど都道府県との連携にも取り組ん でいる。さらに、連携大学院等による研究職員の派遣や外部からの研究員・ 学生の受入れなど人的交流も行っている。他の農業関係研究開発独立行政 法人とは、研究協力に関する協約書等に基づく15件の協定研究などを実施 したほか、JIRCASが実施する国際共同研究に協力し、中国に延べ2人、フ ィリピンに1人、国際ワークショップへ1人の研究職員を派遣するなど、連 携、協力が図られている。 38 6.海外機関及び国際機関等との連携の促進・強化 中期目標 環境問題の地球規模の拡大に対応し、それらの効率的な解決に資するため、国際的な研究への取組を 強化する。特に、農業に関する環境科学分野での国際的イニシアチブを確保するとともに、海外研究機 関及び国際研究機関との連携を積極的に推進する。 中期計画 ①アジア地域における農業環境研究に関するイニシアチブを確保するため、前中期目標期間に設立した ア ジ ア 地 域 に お け る 農 業 環 境 研 究 に 関 す る コ ン ソ ー シ ア ム で あ る MARCO ( Monsoon Asia Agro-Environmental Research Consortium)を活用することにより、関係各国の研究機関・研究者と の連携を強化し、人材の交流、共同研究や研究協力、国際農業環境研究に必要な人材育成等の取組を 推進する。 ②農業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンスにおける水田管理研究の コーディネート機関として、政府と連携して国際的な研究協力を推進する。 ③研究成果の国際的な利活用を図るため、MARCO の枠組みも活用し、国際シンポジウム、国際ワークシ ョップ等を開催する。 ④海外研究機関との MOU を締結し、共同研究、研究員の交流を行う。 指標 1-6-ア MARCO や GRA など国際的な農業環境研究に関する研究ネットワークの強化に取り組んでいるか。 1-6-イ 国際学会・国際会議等への参加や成果発表、海外諸国や国際研究機関との MOU 締結等の実績はどうか。 本研究所では、第 3 期中期目標期間の開始に当たり、平成 23 年 7 月に、国際連携推進のために講ず べき方策、取組についてとりまとめた「農業環境技術研究所国際連携の推進について」を策定し、これ に沿って、国際連携の推進に努めている。 中項目実績 ●MARCO や GRA など国際的な農業環境研究に関するネットワークの強化(指標 1-6-ア) 本研究所は、食料・水・気候変動等の農業環境に関わる問題の解決に向けて、共通点の大きいモンス ーンアジア地域の研究者が連携して研究を進めることを目的に、平成 18 年度に設立したモンスーンア ジア農業環境研究コンソーシアム(MARCO)の枠組みを活用して、国際ワークショップ、国際セミナ ー等を多数開催し、研究者の交流を行っている。現在 MARCO の参画機関は、9 カ国、17 機関となっ ている。 平成 24 年度開催された MARCO シンポジウムにおいて、遺伝子組換え作物の生物多様性影響(バイ オセーフティー)研究協力のためのプラットフォーム構築が合意された。それを受けて平成 25 年度は、 MARCO-FFTC ワークショップ「アジアにおける遺伝子組換え食用作物のベネフィットとリスク」を開 催し、モンスーンアジア地域に特化した遺伝子組換え作物のリスクとベネフィット、生産者や消費者と のコミュニケーションの重要性等について議論するとともに、情報交換や技術協力のためのプラットフ ォームの構築を推進した。また、MARCO ワークショップとして「持続的農業生態系管理のための環境 負荷の評価と削減」、MARCO-AgMIP ワークショップとして「イネの生育・収量モデルの不確実性評 価と予測精度の向上」を開催し、それぞれ国際共同研究、モデル相互比較実験を推進した。 さらに、MARCO ワークショップの講演要旨のウェブ公開に向けた作業を行うなど、情報提供を強化 した。 39 写真 1-6-ア MARCO ワークショップ (左:「アジアにおける遺伝子組換え食用作物のベネフィットとリスク」、右:「持続的農業生態系管理 のための環境負荷の評価と削減」) 農業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)は、農業生産に おける温室効果ガス排出の削減や土壌炭素貯留の可能性に寄与することを目的とした国際研究ネット ワークで、現在、世界の 40 か国が加盟している。わが国は、設立時から水田からのメタン排出抑制技 術等で貢献しており、本研究所は GRA の水田研究グループの共同議長機関として位置付けられている。 平成 25 年度には、6 月の GRA 水田研究グループワークショップ(ウルグアイ)、10 月の GRA 水田研 究グループ会合(インドネシア)、11 月の GRA 農地グループ会合(USA)、3 月の農業分野温室効果ガ スの国際ワークショップ(フランス)に職員を延べ 8 人派遣した。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に対し、本研究所は、その設立初期から活動に参加してい る。平成 25 年度には、 「湿地補足ガイドライン」主執筆者会合、「京都議定書補足ガイドライン」主執 筆者会合、第 37 回 IPCC 総会に職員を延べ 3 人派遣するとともに、生物多様性及び生態系サービスに 関する政府間プラットフォーム(IPBES)第 2 回総会に日本政府代表団の一員として 2 人派遣するなど、 国際的リーダーシップや環境政策での国際的な基準作りに貢献している。 地球土壌パートナーシップ(GSP)は、地球上の土壌資源を持続的に管理するための国際的な交流促 進を目的として 2011 年 9 月に設立された国際ネットワークで、国連食糧農業機関(FAO)に事務局を 置き、アジア土壌パートナーシップなど、世界の各地域に地域パートナーシップ(RSPs)を組織して 活動している。平成 25 年 6 月にローマの FAO 本部で開催された GSP 第 1 回総会に職員を派遣するな ど、GSP の活動に貢献した。また、GSP 第 1 回総会で設立された土壌に関する政府間技術パネル(ITPS) に職員が選出され、7 月に FAO 本部で開催された ITPS 会合に派遣した。さらに、GSP の 5 つの活動 の柱(ピラー)のひとつである土壌情報の標準化に関するワーキンググループと、2015 年に出版が計 画されている「世界土壌資源白書」の編集委員に職員が選出され、これらの作業に参加している。 ●海外研究機関との MOU に基づく共同研究、人材交流の推進等(指標 1-6-イ) 平成 25 年度では MOU を締結している機関は 7 件である。これに基づいて、これらの機関と共同研 究や研究協力を実施している。また、平成 25 年度には、新たに、アフリカ稲センター、フィリピン稲 研究所、台湾大学、スリランカ作物開発研究所とそれぞれ共同研究契約を締結し、様々な気候帯におけ 40 るイネ群落の微気象と高温障害発生の実態解明のためのモニタリングに関する共同研究を開始した。 JSPS 等による招へい制度、MARCO シンポジウムの開催、国際共同研究の実施等により、平成 25 年度には、海外機関から 48 人の研究者の受入を行った。また、国際的な人材を育成するために、職員 を中・長期間、海外に派遣する所内派遣制度(所内自己派遣)あるいは OECD 等による第三者機関派 遣制度に基づいて、3 人の研究者を海外研究機関へ派遣した。 また、平成 25 年度には、国際学会等へ延べ 80 人の研究員が参加して成果発表等を行うとともに、国 際機関等への協力として延べ 20 人の研究員の派遣等を実施した。 表 1-6-ア、イ 項 目 国際セミナー・ワーク 海外機関との共同研究・人材交流等(海外等)(平成 25 年度) 備 件数 3件 考 ○MARCO-FFTC ワークショップ「アジアにおける遺伝子組換え食用作物のベネフィ ットとリスク」(H25.10.8~10.10):つくば国際会議場、参加人数 83 人、海外 12 ショップ か国) 内容:基調講演:開発途上国における食料保障と GM 作物、Session-1:GM 作物開 発・生産の概観(ISAAA(フィリピン) 、日本)、Session-2:GM 作物の新技術(植 物保護) (フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、オーストラリア、 日本)、Session-3:GM 作物の新技術(環境・健康) (中国、韓国、台湾、タイ、パ キスタン、日本)、Session-4:GM 作物の環境影響評価(オランダ、日本)、Panel Discussion & Closing Session ○MARCO ワークショップ「持続的農業生態系管理のための環境負荷の評価と削減」 (H25.10.16~10.19:つくば国際会議場、参加人数 68 人、海外 6 か国) 内容:「日本と中国の農業生態系流域における窒素循環及びその水質に及ぼす影響に 関する比較研究」に関する一般講演、「日本と中国の農業生態系流域における窒素 循環及びその水質に及ぼす影響に関する比較研究」及び「水田から発生する温室効 果ガスの削減技術の開発とその削減ポテンシャルの評価」に関する一般講演 ○MARCO-AgMIP ワークショップ「イネの生育・収量モデルの不確実性評価と予測 精度の向上」(H25.12.3~12.5:つくば国際会議場、参加人数 22 人、海外 5 か国) 内容:環境操作実験(FACE)のデータを用いたモデル相互比較実験の進捗状況、結 果のとりまとめと論文化に向けた打ち合わせ(グループディスカッションと全体討 議)、今後の研究の活動方針についての討議 MOU 7件 【平成 25 年度の取組例】 ・農村振興庁国立農業科学院、水原、韓国 「農業部門の温室効果ガス発生軽減技術」に関する研究協力。 ・中国科学院南京土壌研究所、南京、中国 国際共同研究「日本と中国の農業生態系流域における窒素循環及びその水質に 及ぼす影響に関する比較研究」の実施。 共同研究契約 6件 ・農村振興庁国立農業科学院(韓国) 「吸着資材による農業環境及び農作物中の残留農薬の軽減に関する研究」 ・長江大学(中国)、スリランカ作物開発研究所(FCRDI)、国立台湾大学(NTU)、 フィリピンイネ研究所、アフリカ稲センター 「様々な気候帯におけるイネ群落の微気象と高温障害の実態解明のためのモニタ リングネットワーク」 研 研究者招聘(当 究 所制度に基づく 員 受入) 25 人 MARCO ワークショップに招聘 41 3人 JSPS サマープログラム 2 人、他 1 人 その他 18 人 技術講習、研究打合わせ等のための受入 研 国際学会への派 80 人 究 遣 員 国際機関等への 派 派遣 遣 中期・長期在外 受 フェローシップ 入 (各種制度に基 づく受入) 20 人 (注) 内訳は P91 表 2-4-ウ参照 3人 所内自己派遣制度による派遣 2 人、OECD 国際共同プログラムによる派遣 1 人 48 人 上記以外の研究打合せ、技術指導、現地調査、観測設備の保守点検等を目的とする海 研究 海外短期研究・ 調査 外への研究者の派遣 (注)海外を主な対象とする共同研究、人材交流等。 評価ランク コメント モンスーンアジア農業環境研究コンソーシアム(MARCO)については、 ワークショップの開催などにより研究者の交流、情報の交換、共同研究推 進など研究ネットワークの強化が着実に進んでいる。農業分野からの温室 効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)については、 自己評価 中項目 1-6 水田研究グループの共同議長としてグループ会合を開催するなど引き続き A 貢献するとともに、理事会や農地研究グループ会合等に職員を派遣するな ど、積極的に貢献している。また、IPCC の活動に参加するとともに、IPBES 総会に研究者を派遣するなど、国際的リーダーシップや国際的な基準作り に貢献している。さらに、海外機関との MOU に基づく共同研究、人材交 流等についても、気候帯を異にする複数の地域でのイネの高温障害モニタ リングネットワークの共同研究を開始するなど、積極的に取り組んでいる。 評価ランク コメント 海外機関等との連携については、24年度には、モンスーンアジア農業環 前年度の独 境研究コンソーシアム(MARCO)の第3回シンポジウムを開催したほか、農 法評価委員 業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス 会評価 A (GRA)の水田研究グループの共同議長機関として第4回グループ会合を開 中項目 催するなど、研究ネットワークの強化に取り組んでいる。また、研究覚書 1-6 (MOU;Memorandum of Understanding)に基づく研究協力等を実施した ほか、新たな共同研究協約の締結、海外機関からの研究者の受入れ、国際 機関等への派遣を行い、国際研究交流が行われている。 42 第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき 措置 1.試験及び研究並びに調査 中期目標 (1)重点研究領域 「食料・農業・農村基本計画」に対応し、今後 10 年程度を見通した研究開発の重点目標等を示 した「農林水産研究基本計画」に即し、地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究、農 業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究、農業生態系における化 学物質の動態とリスク低減に関する研究及び農業環境インベントリの高度化に関する研究を重点 的に実施する。 地球規模の環境問題に対応する研究については、環境問題をめぐる国際的動向等を踏まえ、関連 する研究機関や国際機関との連携・協力の下、効率的に推進する。 また、他の農業関係研究開発独立行政法人との連携を一層強化し、各法人の有する研究資源を活 用した共同研究等を効率的に推進する。 これらのことを実現するため、「別添」に示した研究を進める。 なお、独立行政法人農業生物資源研究所がセンターバンクとして実施する農業生物資源ジーンバ ンク事業のサブバンクとして、センターバンクとの緊密な連携の下、遺伝資源の収集、保存、特性 評価等を効率的に実施する。 (2)行政ニーズへの機動的対応 期間中に生じる行政ニーズに機動的に対応し、必要な研究開発を着実に実施する。 中期計画 (1)研究の重点的推進 「別添」に示した研究を重点的に推進する。 なお、これらの研究の推進に当たっては、 ① 環境問題をめぐる国際的動向等を踏まえ、関連する研究機関や国際機関との連携・協力の下、 効率的に推進する。 ② 他の農業関係研究開発独立行政法人との連携を一層強化し、各法人の有する研究資源を活用し た共同研究等を効率的に推進する。 ③ 独立行政法人農業生物資源研究所がセンターバンクとして実施する農業生物資源ジーンバン ク事業のサブバンクとして、センターバンクとの緊密な連携の下、遺伝資源の収集、保存、特性 評価等を効率的に実施する。 (2)行政ニーズへの機動的対応 中期目標期間中に生じる行政ニーズに機動的に対応し、必要な研究開発を着実に実施する。 43 (1)研究の重点的推進 1 地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究 中期目標 地球温暖化対策として温室効果ガス排出の大幅削減に取り組んでいく中で、農業分野においては、温 室効果ガスの排出削減・吸収機能の保全・強化に資する技術や環境変動予測技術、温暖化への適応技術 の開発等、地球温暖化に対応する研究開発を総合的に推進していくことが必要である。 このため、農業における温暖化緩和策の定量的評価や、温暖化等の環境変動に対する作物応答メカニ ズムの解明に係る基礎的研究及び影響予測を推進する。 (1)農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価 総合的な温暖化緩和技術の開発の基礎とするため、農耕地における土壌炭素貯留・温室効果ガス発生 機構の解明及び作物生産過程全体における温室効果ガスに関するLCAを実施し、温暖化緩和策の精緻な 定量評価を行う。 (2)地球規模環境変動に対する作物応答メカニズムの解明及び影響予測 温暖化がより進行した将来の環境が作物生産に及ぼす影響を精緻に予測するため、環境中の二酸化炭 素の増加や気温上昇に対する作物の応答メカニズムの解明、作期や生産適地の移動等の将来的な適応策 を評価する数理モデルの開発や、 我が国及びアジア地域における気候変動に対する脆弱性評価手法の 開発及び食料生産量の変動予測を行う。 中期計画 (1)農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価 2013年以降における気候変動対策に関する国際的枠組みの下で、農耕地における温暖化緩和策を効果 的・効率的に実施するため、総合的な温暖化緩和策を定量評価する。 すなわち、圃場試験や室内実験から、農耕地における土壌炭素貯留と温室効果ガス発生に関与するプ ロセスを解明するとともに、新たに得られた観測データを活用し、それらを予測するモデルを改良する。 これらのモデルに加え、肥培管理・土地利用情報等の活動量データを整備・活用し、我が国農耕地に おけるメタン及び一酸化二窒素の排出量と土壌炭素貯留変動量の予測を精緻化する。 さらに、それらのトレードオフ関係、有機物資源利用可能量、作物生産過程全体のLCA等を考慮した 将来の農地管理オプションを策定するとともに、それに基づいた総合的な温暖化緩和策による温室効果 ガス排出削減可能量を定量評価する。 加えて、モンスーンアジア地域における温室効果ガス排出等に関わる情報データベースとモニタリン グネットワークを活用し、温暖化緩和策をこの地域に適用する場合の緩和ポテンシャルを評価する。 (2)地球規模環境変動に対する作物応答メカニズムの解明及び影響予測 将来予想される高CO2 濃度・高温環境に適したイネ品種や栽培管理技術の開発に資するため、イネの 高CO2 濃度応答特性及び高温耐性メカニズムを解明するとともに、影響予測モデルを開発する。また、 我が国及びアジア地域において、主要作物を対象に、気候変動に対する脆弱性を評価する手法の開発及 び食料生産量の変動予測を行う。 すなわち、イネのCO2 濃度増加に対する応答が遺伝子型や栽培環境によってどのように異なるかを、 開放系大気CO2 増加(FACE)実験やチャンバー実験等を利用して、個体、群落レベルで明らかにする とともに、将来頻発することが懸念される高温ストレスに対する、イネの耐性メカニズムを実験的に解 明する。 また、これらのことから、地球規模環境変動に適応する技術の有効性を評価するため、気候シナリオ 44 で予測される将来環境での作物の生育、収量、品質を予測するモデルを開発する。 加えて、気候モデル計算結果のダウンスケーリング技術と圃場スケールでの作物の環境応答メカニズ ム研究や地域スケールでの収量変動予測に関する成果に基づいて、気候変動とその適応技術に対応する 日本全国及びモンスーンアジアスケールでの食料生産量予測モデルを開発する。 さらに、IPCC 等による気候シナリオの下で起こりうる極端現象の多発や水資源の変動、及び土地利 用変化も視野に入れて、気候変動に対する中長期での食料生産力の脆弱性を地域ごとに評価する手法を 開発する。 大課題実績 (1) 農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価 [研究の背景] 近年、急速な人間活動の増大により、大気中の二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、一酸化二窒素(N2O: 亜酸化窒素)などの温室効果ガスの濃度が増加し、それが原因となって地球温暖化が進行している。農 耕地と農業活動は温室効果ガスの発生源となっており、特にメタンと一酸化二窒素については、水田、 反すう動物の消化活動、家畜排せつ物、窒素肥料の施用などが主要な発生源と考えられている。そのよ うな中で、地球温暖化対策が重要性を増しており、温室効果ガスの発生量の評価と排出削減への寄与が 求められている。また、堆肥などの有機資材の投入等による農耕地土壌への炭素蓄積は、地球温暖化対 策の手法として期待されている。 本課題では、農地における炭素蓄積や温室効果ガス発生メカニズムの解明、発生抑制技術の開発、発 生量の評価や予測などの研究を実施している。 [主な成果] ① 土壌炭素量変化及びメタン・一酸化二窒素排出量の広域・総合評価 土壌炭素動態モデル RothC を用いた農地の土壌炭素量変化の全国計算において、土壌への有機物 投入量に起因する不確実性を評価した。その結果、土壌炭素量への影響は大きくないが、その差し引 きで求める土壌炭素変化量、さらにはそれをさらに差し引きする京都議定書のネットネット吸収量へ の影響は大きく、この部分の推定の精緻化が重要であることが明らかになった。 メタン排出量の不確実性評価について、茨城県南部の灰色低地土水田を対象に、土壌理化学性(SOC、 pH、被還元性 Fe、仮比重、粘土含有率、圃場容水量)に土壌環境基礎調査における平均値と標準偏 差をもつ正規分布を仮定し、無作為に 4,000 個のデータセットを作成した。それらを水田からのメタ ン発生量を予測する DNDC-Rice に入力してメタン排出量を計算し、土壌理化学性の不均一性に起因 する不確実性を評価した。その結果、メタン排出量の頻度分布は圃場容水量に対する強い依存性のた めにガンマ分布に近い分布を示した。 ② 土壌有機物動態及び温室効果ガス発生のメカニズム解明によるモデル化及び温暖化緩和技術の開 発 圃場における観測データを活用して、土壌炭素動態モデル RothC により計算される有機物分解量 と土壌の CN 比、化学肥料窒素の施用量から一酸化二窒素(N2O)発生を予測する統計モデルを検証 した結果、化学肥料区と牛ふん堆肥区では N2O 年間排出量の推定は概ね実測と一致した。 これによ り、N2O についても発生メカニズムを取り込んだモデルによる広域評価に目処がつき、土壌炭素、メ タンと合わせて、共通のシナリオを基に全国評価を行う準備がほぼ整った。 45 また、黒ボク土表層の団粒を異なる強度で分散させた後、土壌粒子を粒径サイズで分画して特徴を評 価することで、黒ボク土壌にも団粒の階層構造が存在することを世界で初めて明らかにした(図1-1)。 黒ボク土の高い炭素貯留機能は、今回解明された黒ボク土に特有の団粒構造と密接に関係している と考えられる。 微細粒子 ミクロ・マクロ団粒 (超音波耐性の有機無機集合体) 接着材 (a) <2μm画分 (b) (c) 2‐53μm画分 0.5 um 図1-1 5 um 53‐4000 μm画分 (超音波なし) 150 um 黒ボク土の団粒構造の概要 超音波処理でも壊れない強固な微細粒子(左及び中央)がその他の土壌成分(植物残渣や砂 粒)を結合する接着剤として機能することで、ミクロ・マクロ団粒(右)が形成されています。 左から、 (a)直径 2μm 以下、 (b)2~53μm の微細粒子(有機無機集合体)、 (c)超音波処理前 の団粒、の走査型電子顕微鏡写真。(a)の粒子はバクテリア1個体(約1μm)よりも小さく、 (c)の団粒はバクテリアの 100 倍以上の構造物であることが分かります。 ③ モンスーンアジア地域の温暖化緩和ポテンシャルの評価 モンスーンアジアにおける緩和策の評価では、中国・四川省のプラスチックフィルムマルチを用い た節水栽培水田における実験データを用いて、DNDC-Rice モデルの水稲成長量、マルチによる地温 上昇及び酸素遮蔽効果のパラメータを校正した結果、プラスチックフィルムマルチを施した水田から のメタン排出量の実測値と計算値が概ね一致した。また、タイの天水田におけるプロジェクトを継続 するとともに、東南アジア 4 か国の灌漑水田において節水栽培の効果を明らかにする新たなプロジェ クトを開始した。 (2) ア 地球規模環境変動に対する作物応答メカニズムの解明及び影響予測 気候変動に対する作物応答メカニズムの解明と影響予測 [研究の背景] 大気中の CO2 濃度は、産業革命頃の 280 ppm から今日までに 100 ppm 以上上昇した。今後、CO2 排 出削減に向けた取り組みがなされたとしても、 大気 CO2 濃度は上昇を続け、今世紀半ばに 470~570ppm、 今世紀の終わりには 540~970 ppm にも到達すると予測されている。CO2 濃度の上昇は、温暖化や水 資源循環の変化といった地球規模での環境変動の原因になると同時に、それ自体が作物の光合成、水利 用に影響する。また、今後予想される温度上昇や降水量・パターンの変化が作物に及ぼす影響も高 CO2 濃度(以下、高 CO2)環境下で現れる。さらに、作物を含む植物の高 CO2 応答は、生態系の炭素循環 にも大きく影響する。こうした気候変動の影響を予測し、温暖化に適応するための技術や、温暖化を緩 46 和する技術を開発するためには、作物や農地の物質循環が気候変動に対してどのように応答するかを把 握するとともに、その影響が品種や栽培管理によってどの程度異なるかを明らかにする必要がある。 本課題では、主にイネを対象として、将来予想される高 CO2・高温環境に適した品種や栽培管理技術 の開発に役立てるため、CO2 濃度上昇や温度上昇に対する応答が品種や栽培環境によってどのように異 なるかを、開放系大気 CO2 増加(FACE)実験施設やチャンバーを用いた環境操作実験で明らかにする とともに、環境変動に適応する技術の有効性を評価するための作物の生育、収量、品質を予測するモデ ルを開発する。 [主な成果] ① 高 CO2・温暖化条件における生産機能強化のための有望形質の探索 つくばみらい FACE 実験施設で高 CO2 濃度条件でも多収を示す多収性インディカ品種「タカナ リ」と標準的なジャポニカ品種「コシヒカリ」の葉身の光合成とその関連形質を異なる生育ステー ジに調査した。その結果、高 CO2 濃度は両品種の光合成を促進したが、いずれのステージにおいて もタカナリの光合成はコシヒカリのそれを大きく上回ることがわかった(図1-2)。その原因を明ら かにするため、気孔コンダクタンス(気孔開度を示す指標)と葉身の窒素及び Rubisco(光合成に おける CO2 固定反応を触媒する酵素)を調べたところ、いずれもタカナリで高く保たれており、葉 緑体への CO2 取り込みの大きさと葉緑体内での CO2 固定能力の高さがタカナリの多収の要因と考 えられた(図1-3)。この成果は、将来の高 CO2 濃度条件下での多収性品種を開発する上で有用な 知見である。 図1-2 FACE 実験で生育したタカナリとコ シヒカリの最上位展開葉の光合成速度の高 CO2 応答の推移 FACE 区の CO2 濃度=対照区+200ppm。 ***は、0.1%水準で品種間に有意な違いがあ ることを示します。 ② 図1-3 タカナリの高い気孔コンダクタンス と葉身窒素含量が光合成を高める経路 タカナリは、いずれの CO2 濃度条件でも気 孔の開度が大きく、さらに、登熟期に窒素栄 養状態が良好に保たれるため、カルビン回路 の主要な過程の反応が早く、高い光合成速度 を示したものと考えられます。 気候変動による環境ストレスのメカニズム解明と予測技術の開発 イネの高温不稔予測では、開花時刻の分布を考慮した高温遭遇予測モデルを開発し、高温回避特 性の効果を評価した。本モデルは、不稔発生予測だけではなく、高温回避を目指した品種特性の評 47 価にも有効と期待される。たとえば、近年高温になる時間帯をさけるための、早朝開花特性が注目 されているが、この形質を導入した場合の効果は十分に評価されていない。そこで、開花時の穎花 温度が早朝開花性の導入でどの程度変化するかを、気象環境が大きく異なるインド(パンジャブ) と中国(南京)を対象に解析した。その結果、通常品種の場合、開花時の穎花温度は両地点で大差 ないが、早朝開花性を導入した場合の穎花温度分布は、インドで明らかに低くなるなど、品種改良 の効果が地域によって大きく異なることが定量的に示された。 ③ 気候変動が水田における炭素・窒素動態に及ぼす影響 約 50 年後に想定される高 CO2(現在+200ppm)条件で水温を 2℃上昇させた実験から、温暖化 条件では、イネの窒素吸収は盛んになるが、生育後半になると葉身窒素が低下し、高 CO2 濃度によ る光合成の促進程度が低下することを明らかにした(図1-4)。この成果は、将来の気候変化に対す るイネの生育・収量応答を予測する上で有用な知見である。 図 1 -4 登熟中期の葉身の光合成速度 (a)、Rubisco 含有量(b)、作物の窒素吸収 量(c)及び葉身への分配 小 型 チ ャ ン バ ー の CO2 濃 度 を 同 一 (580ppm)にして光合成速度を比較した ・加温条件で生育し 場合、高 CO2(FACE) たイネは、対照(現在の)CO2・無加温で 生育したイネよりも平均で 23%低い値を 示しました(a)。これには、光合成に最も 重要な酵素 Rubisco が登熟中期に FACE 加 温区で低下することが関連していました (b)。加温は、登熟中期までの窒素吸収量 を増加させましたが(c)、FACE 加温区で は葉身への分配割合が低く(d)、このこと が葉身窒素や Rubisco の低下を引き起こし たものと考えられます。各区の値は2か年 の平均値で、**、*、†は、1%, 5%, 10%水 準で有意であることを示します。 ④ 気候変動影響の実態解明と影響予測手法の開発 気候変動の影響評価においては、不確実性を示すことが求められるが、これまでの不確実性は、 主に気候予測値の幅に由来するもので、作物モデルに由来する不確実性評価は限られていた。そこ で、農業モデル相互比較と改良に関する国際プロジェクト(AgMIP)において、世界イネ 13 モデル の比較を行い、2050 年頃の予測において、作物モデルの違いに由来する収量予測の幅は、気候モ デルの違いに由来する幅よりも大きいこと、予測の不確実性は主に、CO2 と温度の相互作用の作物 モデル間差に起因することがわかった。 48 イ 地球規模環境変動下における食料生産活動の広域評価手法の開発と将来見通し [研究の背景] 将来の気候変化とそれに伴って発生する異常気象や気象災害(干ばつや洪水など)により、食料生産 供給の世界的な不安定化が懸念されている。気候変化と農業生産との関連はこれまで、主に平均的な変 化に対する応答に注目して研究が進められてきた。しかし、気象環境は年々変動しており、とりわけ気 候変化に伴い気象環境の変動も大きくなる可能性が指摘されている。気象変化が農業へ及ぼす影響を考 える際には、突発的な変化ならびに、年々の変動に着目する必要がある。また、オーストラリアのコム ギ不作の影響のように、わが国は多くの食料を輸入しているため、世界の貿易用食料生産の動向は価格 変動を通してわれわれの生活に密接に関連している。特にトウモロコシ、ダイズは、中国、アメリカ、 ブラジルが世界総生産量の 80%以上を生産しており、地域が偏在化しているため、異常気象がこれらの 主要生産地域に同期して発生すれば、食料供給の世界的な不安定化が起きる危険性も否定できない。本 課題では、わが国及び世界の主要作物生産地域を対象として、気候変化に対する脆弱性を評価する手法 の開発及び食料生産量の変動予測を行っている。 [主な成果] ① 日本における食料生産変動評価 日本を対象としたコメ生育収量予測モデルを用い、主要 15 品種について、高温による品質低下 リスク回避のために移植日を現行±70 日の範囲で 7 日間毎に移動させる条件で、18 の気候シナリ オを用いて収量・品質への影響・適応策評価を行った。この結果、移植期の移動のみでは高温リス クを完全には回避できず、品種変換等の導入の必要性が示された。この成果は、IPCC 第二作業部 会報告書に併せて公表される予定であり、今後、政府全体の適応計画への反映が期待される。また、 日本のコメ生産性変動に対する害虫と台風の影響に関するモデル化・指標化を行った。 24 年度に作成したムギ・ダイズの生産性モデルにおける過去の再現実験から、気温や降水量変動 と収量との関係は明らかとなったが、さらに、ムギに関しては各生育段階、すなわち出穂日・成熟 日の前後における影響要因の変化が重要であることが明らかとなり、新たに発育段階推定モデルを 導入する必要性が示された。 ② 気候変化シナリオのダウンスケール 日本と世界で地上気象要素等の再現性から影響評価に有効な気候モデルを検討した結果、日本域 では、日本の気候モデル(MIROC-5 と MRI-CGCM3)のほか米国(GFDL)、豪州(CSIRO-Mk3)、ノ ルウェー(bcc-csm)及び英国(HadGEM)の 6 モデルが、世界域では、現在のところ日本の 2 つと 米国(GFDL)、及び仏国(IPCL)の4モデルが選択された。選択された気候モデルを用いて、既存 のウェザージェネレータ法により日本域を 10km メッシュで、累積密度関数法により世界域を 1.125 度グリッドで、それぞれダウンスケーリングとバイアス補正を行い、日本及び世界における食料生 産変動評価に当たっての入力気候データとして整備した。 ③ 世界における食料生産変動評価 世界を対象とする作物生産性モデルに利用する全球データセットを栽培歴について拡充したほ か、水資源が作物生産性の主要な制約要因となっている中国東北部において、気候シナリオと灌漑 面積を用いた複合的な影響評価を行い、灌漑面積の増加が約 2 倍であれば、水需要を満たした上で 生産量を増加できる可能性を示した。また、世界生産性モデルを用い、過去 30 年間の気温上昇は 49 米国中西部や中国南部を除く世界各地のトウモロコシとコメの収量を低下させていたことを明ら かにした。 コムギとコメについて、観測された生育後期 3 か月間の気象条件 (気温・土壌水分量) の前年 差から、当該年の収量の前年に対する比を推定できる重回帰式を構築した。これにより、従来はオ ーストラリアなど限られた地域で行われていた気象条件のみに基づく豊凶推定が世界規模で可能 となり、世界の栽培面積の 30%(コムギ)、33%(コメ)で精度良く推定できることを明らかにし た(図1-5)。また、(独)海洋研究開発機構が収穫の 3 か月前に予測した生育後期の気温と土壌 水分量をこの重回帰式に入力したところ、栽培中のコムギとコメの豊凶 (前年よりも 5%以上収量 が低下するかどうか) を、世界の栽培面積の約 2 割 (コムギ 18%、コメ 19%)で予測できるこ とを明らかにした(図1-6)。本研究成果は、英国科学誌 「 Nature Climate Change 」に掲載 されるとともに、2013 年農林水産研究 10 大トピックスに選定された。 図1-5 観測された気象条件から穀物の豊凶を精度良く推定できた地域 円グラフはコメ又はコムギの栽培面積の合計を表しています。収穫日までの 3 ヶ月間に観 測された気温と土壌水分量から、収量変動を精度良く推定できた地域をオレンジ色、推定で きなかった地域を白色で示しています。薄灰色は栽培歴データがないため、また、濃灰色は メッシュ内の栽培面積がわずかなため解析から除外した地域です。 図1-6 予測された気温と土壌水分量から豊凶を予測できた地域 円グラフはコメ又はコムギの栽培面積の合計を表しています。収穫 3 か月前に JAMSTEC のモデルで予測された収穫日までの気温と土壌水分量を、得られた重回帰式に入力した結 果、観測された不作を再現できた地域をオレンジ色、再現できなかった地域を白色で示して います。収穫 3 か月前の気候予測値から不作を再現できた地域は、世界の栽培面積の 18% (コムギ)と 19%(コメ)に相当しました。青色は予測値では不作を再現できなかったが、 観測値からは精度良く推定できていた地域です。薄灰色は栽培暦データと気候予測値がない ため、また、濃灰色はメッシュ内の栽培面積がわずかなため解析から除外した地域です。 注)図1-5 と図1-6 では色の定義が異なります。 50 評価ランク コメント 農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価では、圃場スケール の検証により、農地土壌由来の 3 つの温室効果ガスについて、共通のシ ナリオを基に全国計算できる準備を整えた。モンスーンアジアについて は、平成 25 年度も新たにひとつプロジェクトが開始され、さらには、 GRA や IPCC を通じた国際貢献も継続している。 気候変動に対する作物応答メカニズムの解明と影響予測では、開放系 環境操作実験から、イネの光合成の環境応答、炭素・窒素動態とその品 種間差異に関して、重要な新知見が得られた。また、圃場内の開花時期 自己評価 大課題 1 A (1(1):A ) (1(2):A ) 分布を考慮した高温遭遇予測モデルを用いた早朝開花性の評価は、イネ の高温障害低減に向けた育種分野との連携に有用である。収量予測の不 確実性評価では、国際プロジェクトを主導するなど、中期計画の推進を 国際的かつ効率的に推進している。 地球規模環境変動下における食料生産活動の広域評価手法の開発と将 来見通しでは、日本のコメ生産における適応策の有効性について、多数 の気候シナリオを用いて示した結果が IPCC 第二作業部会報告書に併 せて公表される予定であり、今後、政府全体の適応計画への反映が期待 される。また、最新の気候変化シナリオと灌漑面積を増加させる適応策 シナリオを用いて中国東北部のダイズ生産量変動と灌漑水需給のリス ク評価を行うとともに、季節予測を用いた豊凶予測手法を開発し 2013 年農林水産研究 10 大トピックスに選定されるなど順調に進捗している。 評価ランク コメント 農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価では、土壌炭素貯留 の全国推計、温室効果ガス発生のモデル化と広域評価などが順調に進捗 した。 前年度の独 法評価委員 会評価 大課題 1 気候変動に対する作物応答メカニズムの解明と影響予測では、高CO2 A 濃度条件下におけるイネの増収効果特性を解明するなど重要な知見が得 られた。 地球規模環境変動下における食料生産活動の広域評価手法の開発と将 来見通しでは、日本のコムギとダイズの広域生産性推計モデルの作成や 世界の主要3ヶ国の気候・土地利用変化によるトウモロコシとダイズ生 産量の変動評価を行うなど順調に進捗した。 51 2 農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究 中期目標 環境保全型農業の推進等生物多様性に配慮した施策に貢献するため、農業活動により形成された生態 系において、農業技術が生物多様性に与える影響を科学的に評価し、生産性と生物多様性が両立し得る 農業生産体系が求められている。 このため、農業生態系における生物多様性の変動メカニズムを解明し、農業に有用な生物多様性を保 全する技術を開発するとともに、環境負荷の少ない環境調和型・持続的農業技術等に利用するための生 物・生態機能の解明を行う。 (1)農業生態系における生物多様性の変動メカニズムの解明と適正管理技術の開発 生産性と生物多様性が両立した持続的な農業の発展を図るため、農業活動の変化による生態系の構造 や生物種群間の相互関係等に与える影響のメカニズムの解明及び農業に有用な生物多様性の評価・管理 手法の開発並びに遺伝子組換え作物等の生態系影響評価・管理手法の開発を実施する。 (2)環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明 環境負荷の少ない持続的農業技術に資する基礎技術を開発するため、他の植物の生育等に影響を与え る植物生理活性物質や昆虫フェロモン等に関する化学物質、農業資材等を分解する微生物や土壌微生物 の機能等、農業生態系における生物・生態機能を解明する。 中期計画 (1)農業生態系における生物多様性の変動メカニズムの解明と適正管理技術の開発 農業生態系における生物多様性の保全と農業生産との両立を図るため、農業活動が変化した時の生態 系の構造及び代表的な生物群集の応答反応を解明し、生物多様性変化の予測手法を開発する。 すなわち、耕作放棄地の拡大等による生態系撹乱のパターンの変化が植物-昆虫類-鳥類の相互関係 等に及ぼす影響を解明するとともに、環境保全型農業等の取り組みの効果を評価できる生物多様性指標 とそれを利用した評価・管理手法を開発する。さらに、これらと生物多様性保全のための景観・植生調 査情報システム(RuLIS)等を用いた広域での生物多様性の評価・予測手法を開発する。 また、不良環境耐性作物等の遺伝子組換え作物や外来生物が生物多様性に及ぼす影響の評価手法を開 発するとともに、遺伝子組換え作物と非組換え作物の共存のための管理手法を開発する。 (2)環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明 環境調和型・持続的農業技術の開発に資するため、農業生態系に生息する生物の有用機能を利活用す るための基礎技術を開発する。 すなわち、雑草管理等への応用が期待できるマメ科植物等が生産するアレロケミカルの作用機構や生 態系における機能を明らかにすることにより、農薬のリード化合物等の新規農業資材の開発につながる 化合物を選抜する。 また、昆虫-昆虫間や、昆虫-植物間、昆虫-植物-天敵三者間の生物間相互作用に関わる情報化学 物質を同定し、生態機能を解明するとともに、それらの利用法を開発する。 さらに、メタゲノム解析等を用い、物質循環等に関与する土壌微生物代謝の解明や土壌生物性評価技 術の開発を行う。加えて、生分解性プラスチック等を分解する微生物や酵素及びその遺伝子の機能と発 現機構を解明し、生分解性プラスチック製農業資材の分解制御技術等を開発する。 52 大課題実績 (1) ア 農業生態系における生物多様性の変動メカニズムの解明と適正管理技術の開発 農業活動の変化が生物多様性に及ぼす影響の解明とその評価手法の開発 [研究の背景] 農業は、自然界における生物を介在する物質の循環(光合成、有機物の分解、水資源のかん養と供給 など)に依存して食料その他の有用生物を生産する人間活動である。そのため農業は、生物の多様性や 生態系によってもたらされる恩恵(生態系サービス)を直接的に享受している。また逆に、農業は生物 多様性にさまざまな影響を与えている。毎年同じ農作業がくり返される場所では、水田に広がる浅い水 辺のように特有の生態系が形成・維持され、多くの野生生物に貴重な生息・生育環境を提供している。 しかしその一方で、不適切な農薬・肥料の使用、経済性や効率性を優先した農地・水路の整備などによ り、農業が生物多様性に負の影響を及ぼしてきたことも否定できない。このように、農業と生物多様性 は相互に密接な関係を持っている。このため、生物多様性や生態系の保全と調和した持続的な農作物の 生産又は農村環境の管理を確立することが必要となっている。本課題では、農業生態系における生物多 様性の保全と農業生産との両立を図るため、農業活動が変化した時の生態系の構造や代表的な生物群集 の応答反応を解明し、生物多様性の変化を予測する手法の開発を行っている。 [主な成果] ① 耕作放棄地の植生と土地利用との関係解明 耕作放棄に対する生物群集の応答反応を景観スケールで解明するため、愛媛県由良半島(山地景 観)の放棄段畑とその周辺に成立する森林植生を調査した。多変量解析により種組成と環境要因と の関係を解析した結果、放棄以前の土地利用が放棄後の種組成に強く影響することが示された。ま た、耕作放棄に伴う遷移の進行と土地利用との関係を解明するため、2012 年に実施した利根川流 域 RuLIS モニタリング調査地区の現地調査を行い、過去のモニタリングデータに対応した土地利 用図と比較可能な 2012 年版土地利用図を作成し、農業生態系の景観タイプ別に各群落タイプの面 積割合と土地利用との関係を解析した結果、利根川流域(水田景観)では、台地上の宅地化が進ん だ地域で耕作放棄が長期化した場合に特徴的な植生が多いことが示された。耕作放棄に伴う遷移の 進行と土地利用との関係性が明らかになったことで、これに基づく評価・予測研究の発展が期待で きる。 ② 環境保全型農法と景観構造の影響解明 鳥類を代表種とする新規の環境保全型農法評価手法を開発するため、鳥類とその餌種、昆虫類、 植物を対象とする調査方法を検討した。暫定的な方法で関東の環境保全型農法と慣行農法の圃場を 調査したところ、鳥類から節足動物、植物までの複数の分類群で環境保全型農法の生物多様性保全 効果を検出することができた。また、農法が指標生物群に及ぼす影響を景観スケールで解明するた め、栃木県塩谷町における谷津から平地にかけて景観構造の異なる地区で特別栽培と慣行栽培それ ぞれ 10 圃場の水田において、環境保全型農業の効果を表す指標生物群(クモ類、カエル類、トン ボ類)の調査を行った。各生物群の個体数に及ぼす農法と景観構造の影響を一般化線形モデルのモ デル選択により解析した結果、各生物群の個体数は、農法や景観の影響を受け、影響を受ける要因 は生物群によって異なった(図2-1)。また、昨年度のクモ類調査データを使用して景観構造の影 53 響をパス解析によって再解析した結果、アシナガグモ属では周囲の森林がクモ類の餌資源量を増加 させることを介して間接的にクモ類の個体数に正の影響を及ぼすことが明らかになった。 殺虫剤不使用 殺虫剤不使用 殺虫剤不使用 図2-1 殺虫剤不使用 殺虫剤不使用 殺虫剤不使用 農法と景観構造が指標生物群(クモ類、カエル類、トンボ類)の個体数に及ぼす影響 +の説明変数は個体数に対して正の影響、-の説明変数は負の影響を及ぼすことを示します。 灰色で網掛けした要因は、説明変数として選択されなかった要因です。 指標生物群や生物種によって、影響する要因や影響の仕方(プラスに働くかマイナスに働くか) が異なりました。 なお、平成 21 年度に明らかにした茶草場の伝統的管理が生物多様性維持に貢献しているという 知見を活用して、静岡の茶草場農法が平成 25 年 5 月に世界農業遺産に認定されたほか、地元 5 市 町が協力して設置した「静岡の茶草場農法」推進協議会が『茶草場農法実践者認定制度』を設け販 売力の強化に活かしている。 ③ RuLIS(生物多様性保全のための景観・植生調査情報システム)を用いた生息地環境の評価 RuLIS を用いた広域評価として、圃場整備に伴う生息地としての適性の変化を広域的に評価する ため、利根川流域 RuLIS モニタリングデータ及び全国規模で整備されている圃場整備実施状況の GIS データを用いて在来植物の生息地環境の評価を試みた。この時、圃場整備データから圃場の形 状が不整形又は圃場面積が 0.2ha 未満のエリアを「未整備水田」と仮定し、その他を「整備済水田」 とした。2007 年のデータを解析した結果、休耕田(水湿性植物群落)の在来植物種数は未整備水 田より整備済水田において有意に低く、休耕田では圃場整備の有無によって在来植物の生息地とし ての適性が変化することが示された。一方、現行水田(ウキクサ-コナギ群落)、乾性放棄水田(セ イタカアワダチソウ群落)、湿性放棄水田(ヨシ-ガマ群落)では有意な違いが見られなかった。 54 休耕田は種多様性が高いだけでなく、希少な水湿性植物が出現することが知られていることから、 圃場整備の有無が水田生態系における植物の生息地としての適性を示すハビタット指標になり得 る可能性が示された。 イ 遺伝子組換え作物や外来生物の生物多様性影響を評価する手法と遺伝子組換え作物の交雑や混入 を管理する手法の開発 [研究の背景] 遺伝子組換え生物の使用に関しては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保 に関する法律(カルタヘナ法)」により生物多様性への影響を防止することとされている。世界的に遺 伝子組換え作物が栽培される中、現在は栽培されていない我が国においても、商業栽培に向けた科学的 知見の集積が求められている。また、海外との貿易や交流により外来生物の侵入が急増しており、その 蔓延による生態系の攪乱と、農林水産業への悪影響が懸念されている。「特定外来生物被害防止法」に よる対策が講じられる中、対策を効果的に推進するための科学的知見が求められている。このようなこ とから、本課題では、遺伝子組換え作物や外来生物が生物多様性に及ぼす影響の評価手法を開発すると ともに、遺伝子組換え作物と非組換え作物の共存のための管理手法の開発を行っている。 [主な成果] ① 遺伝子組換え作物や外来植物の生物多様性影響を評価する手法の開発 遺伝子組換え作物の近縁種で我が国に自生するカラシナ、アブラナ、ツルマメ等の生態的特性(生 育環境、休眠性や発芽温度等)をまとめた資料集の作成を進めるとともに、また、ツルマメを摂食 する昆虫相の調査を行い、コウチュウ目 6 種、カメムシ目 2 種、チョウ目ではヤガ類、ハモグリガ 類、ハマキガ類、メイガ類、シャクガ類等、ハエ目のハモグリバエ類、バッタ目のオンブバッタな どを確認した。さらに、国土数値情報などを用いてツルマメの生育環境を評価した結果、i)湿性草 本群落や水田雑草群落などの植生が優占する 3 次メッシュや、水田(約 40%)と樹林地(約 25%) の土地利用が多い 3 次メッシュに多く出現すること、ii)北海道や本州中部の高山帯にはほとんど 生育せず、土地改変の激しい地域にも生育しないことなどが示された。これらは、遺伝子組換え作 物の生物多様性影響評価を行う際に必要な知見となる、 蔓延リスクが高い外来植物について、それらが生育する土壌環境と、各々の種の植物栄養学的特 性を分析した。その結果、リン酸に関する養分要求性の違いが、セイタカアワダチソウやオニウシ ノケグサのような蔓延リスクの高い外来植物と在来植物であるミツバツチグリが生育する土壌環 境の違いに反映されているものと考えられた。 ② 外来生物の侵入・定着の実態把握と分布拡大を評価・予測する手法の開発 茨城県の霞ヶ浦から取水し、受益が那珂川水系に達する利水施設網においてカワヒバリガイのモ ニタリング調査を行い、生息状況の確認を行った。利水施設網におけるカワヒバリガイの生息適地 予測モデルを構築するために、一般化線形混合モデルを用いたモデル選択を行った結果、pH や電 気伝導度、供給地からの距離、トラップの位置などがパラメータとして採用された。また、平成 18 年と 24 年における霞ヶ浦護岸全域でのカワヒバリガイの生息長状況調査の結果から、霞ヶ浦では 6 55 年間に約 10km 離れた地点まで分布が拡大していることを明らかにした(図2-2)。この拡大距離 をもとに計算すると、2012 年の調査での「未生息地」に 2018 年には 99%以上の確率で新たに定 着することが示された(図2-3)。これらの結果についてはプレスリリースを行い、多数のマスコミ に取り上げられた(P85 表 2-3-カ-3 参照)。 99%以上 図2-2 霞ヶ浦湖岸における 図2-3 霞ヶ浦湖岸におけるカワヒバリガイの分布 カワヒバリガイの分布 の変化(左:2006 年・2012 年)と分布拡大の 赤い円の大きさは、1 人の調 将来予測 (右:2018 年) 査員が 10 分間に採集した個体 2018 年の予測図では、定着確率の推定値が 99%以 数を表します。2006 年には湖岸 上の地点を「生息地」として図示しました。2018 年 の 45.6%、2012 年には湖岸の には全ての湖岸にカワヒバリガイが定着すると予想 83.2%でカワヒバリガイの生息 されました。(図中の%表示は、カワヒバリガイの生 が確認されました。 息する湖岸の割合。) 生物的特性情報やその分布解題の記録が蓄積されている侵入害虫について、農業害虫として顕 在化する昆虫の特性解明や、将来の分布拡大予測手法を開発するため、アジア地域の情報が乏し い世界の重要農業害虫データベース(CPCJ)にアジア-太平洋外来生物データベース(APASD) を統合し、日本未侵入害虫評価・分布予測データベース(NAPASD)を構築した。 ③ 遺伝子組換え作物による交雑や混入を管理する手法の開発 GM 作物の適正管理技術として、水稲の開花重複による交雑を評価・予測するモデルに用いるパ ラメータを得るために、早生と晩生の各 2 品種の組合せについて移植栽培を行い、栽培期間中の気 象条件及び開花穂数、花粉放出量の推移、交雑率等を調査し、開花重複度を算出した。また、花粉 飛散量と DNA 分析から推定した交雑率を用いて、開花重複度と交雑率の関係を評価した。その結 果、一部の外れ値を除いて開花重複度と交雑率の間には緩やかな正の関係が確認された。 56 (2) 環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明 [研究の背景] 多くの生物は、自然界で同じ種の中や、別の種との間で、化学物質という信号を使って対話している。 生物が放出する様々な化学物質は、繁殖パートナーを見つけたり、競争相手を排除したり、食物を探し たりと、いろいろなことに利用されている。このような働きがある物質は、「情報化学物質」と呼ばれ ている。この情報化学物質を明らかにし、その機能を解明することは、農業生態系の適切な管理及び生 態系の機能を活用した持続的生産技術を確立する上で重要である。本課題では、環境調和型・持続的農 業技術の開発に資するため、農業生態系に生息する生物の情報化学物質の有用機能を利活用するための 基礎技術の開発を行っている。 [主な成果] ① アレロケミカルの除草剤への利用 ヒマラヤシーダー落葉の抽出液より、植物生長阻害物質として単離した成分をアブシシン酸と同定し た。3 種類の土壌(火山灰土壌、石灰質土壌、沖積土壌)存在下でアブシシン酸の活性を評価すると、 これまでに測定してきたアレロケミカル(L-DOPA など)と大きく異なり、土壌存在下でも活性が低下 しないことが明らかとなった。これは、除草資材として有望な候補となる。 ② 昆虫の行動を制御する情報化学物質の活用 コマツナ花の香気成分の複雑な組成を解明し、主な成分の放出動態を明らかにした。昼間に放出 量の高まる複数の花香成分が単独で空腹のコナガ寄生蜂コナガサムライコマユバチを誘引するこ とを室内行動試験で証明し、これらの成分を特許出願した。この成果は、害虫管理において天敵の 行動を制御する新たな基礎技術となる。 ③ 土壌微生物機能の解明と土壌物質循環機能の評価 農業環境において温室効果ガスの発生や地下水の汚染に関わる窒素循環の重要なプロセスであ る硝化は、これまでアンモニア酸化細菌(AOB)が担うと考えられてきたが、近年アンモニア酸化 古細菌(AOA)の関与の可能性が示唆されている。このため、環境 DNA を用いる古細菌群集解析 手法を土壌型と施肥の種類の異なる畑作試験圃場土壌に適用し、土壌の硝化能(硝化活性ポテンシ ャル)と硝化の初発反応であるアンモニア酸化を担う遺伝子(amoA)を持つアンモニア酸化古細 菌 AOA amoA 密度の変化を追跡した。その結果、施肥後硝化能が増大するのにともない、これま で唯一アンモニア酸化を担うと考えられていたアンモニア酸化細菌(AOB)amoA 密度が増大した が、同様に AOA amoA 密度も増大する傾向を示した。AOA amoA 密度は AOB より高く、特に淡 色黒ボク土と灰色低地土で、硝化能と正の相関を示し、土壌における硝化への一定の寄与が示唆さ れた。このことより、畑土壌における窒素循環、特に硝化過程を評価するためには、土壌微生物の 中で古細菌群も解析対象にする必要性が示された。 ④ 生分解性プラスチック製農業資材の分解制御技術等の開発 酵母 Pseudozyma antarctica は、液体培地中に油が少量あると生分解性プラスチック(生プラ)分 解酵素(PaE)を生産し、細胞増殖の後期に PaE の活性を阻害する糖脂質(MEL)を分泌した。こ 57 の結果をもとに、ジャー培養装置で糖を含む基本培地を連続投与しつつ、間欠で油を与えることで、 PaE を安定に大量生産する新規培養法を構築した。一方で、遺伝子組換え技術を用いて PaE をさら に効率よく生産する手法を国際出願した。 生プラ(固体)表面に酵素が吸着し分解する様子をリアルタイムで解析するために、表面プラズ モン共鳴装置の利用を発案し、PaE やカビの酵素の特性結果を得た。また、実用化を目指し、市販 生プラマルチ 21 種の組成と、酵素による分解性の関係を明らかにした。さらに、民間企業の工場 で、生プラ分解酵素製造のためのジャー培養基礎データを複数回取得した。 オオムギの葉のオオムギの葉の表面から取れたカビ(糸状菌)の一種が作るクチナーゼ様の生プ ラ分解酵素が、多くの種類の生プラを分解できることを明らかにした(図2-4)。本酵素の広範な生 プラに対する分解活性は、生プラ資材の分解促進技術開発に有用な特徴である。 図2-4 B47-9 株の生プラ分解酵素の各種生プラフィルム分解活性 この酵素は試験した生プラフィルムの内 PBS,PBSA,PBAT,PCL, PDLLA に対して分解活性を示しました。これら分解を受ける生プラは市 販の生プラ製マルチフィルム等にブレンドされている代表的なものです。 注)PBS:ポリブチレンサクシネート,PBSA:ポリ(ブチレンサクシネート /アジペート),PBAT:ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート),PCL: ポリカプロラクトン,PLLA:ポリ L 乳酸,PDLLA:ポリ DL 乳酸,PHB: ポリヒドロキシブチレート 58 評価ランク コメント 農業活動の変化が生物多様性に及ぼす影響の解明とその評価手法の開 発では、耕作放棄に伴う遷移の進行と土地利用との関係性や生物多様性 指標生物の景観構造への依存性について明らかにするとともに、RuLIS へ集積した利根川流域の植生データを解析して、圃場整備に伴う在来植 物の生息地としての適性の変化を示すなど、順調に進捗している。また、 生物多様性維持における茶草場の重要性に関する知見が、茶草場農法の 世界農業遺産認定や実践者認知制度の取組に貢献した。 自己評価 大課題 2 A (2(1):A ) (2(2):S ) 遺伝子組換え作物や外来生物の生物多様性影響・遺伝子組換え作物の管 理手法の開発では、GM ダイズの近縁種であるツルマメへの影響を評価す るため、ツルマメ自生地における生活史や食害昆虫の継続的観察等に取り 組むとともに、霞ヶ浦におけるカワビバリガイの分布状況を調査しその拡 大を評価した。これらは、今後、行政での活用が期待される成果である。 環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明では、アレロ ケミカルの環境中での機能の評価、昆虫の行動を制御する新たな情報化 学物質の解明など学術的にレベルの高い研究成果が得られている。ま た、生プラ分解制御技術等の実用化に向け、民間企業との共同研究に精 力的に取り組み大量生産法の開発等を行うとともに、多数の特許出願を 行うなど、実用化に向けた研究を着実に推進している。 評価ランク コメント 農業活動の変化が生物多様性に及ぼす影響の解明とその評価手法の開 発では、耕作放棄畑におけるセイタカアワダチソウの個体群動態のモデル 化や不作付け水田における植物群落の遷移実態を解明するなど順調に進 捗した。 遺伝子組換え作物や外来生物の生物多様性影響を評価する手法の開発 前年度の独 法評価委員 会評価 大課題2 では、未侵入害虫の潜在的分布好適度を評価するWebアプリケーションの A 開発や緊急防除における根絶手順と根絶確認手順の理論化を行うなど順 調に進捗した。遺伝子組換え作物の交雑や混入を管理する手法の開発で は、遺伝子組換えダイズと交雑可能なツルマメを対象に近縁種間の交雑の 可能性を定量的に精度よく推定する手法を開発するなどの成果を得た。 環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明では、害虫が農 薬分解菌の共生により農薬耐性を獲得する仕組みを解明するとともに、黒 ボク土壌からRNAを抽出する方法を開発するなど学術的価値の高い成果 も認められる。 59 3 農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究 中期目標 農産物の安全性を向上させるため、水田土壌におけるカドミウムを低減させる技術等が開発された が、依然として、水田におけるカドミウム以外の重金属や畑作における重金属、残留性有機汚染物質 (POPs)等危害要因について、適切なリスク管理が課題となっている。また、環境負荷の少ない持続 的かつ安定的な農業生産を行うため、農業生態系における物質循環機能を解明するとともに、肥料や農 薬等の農業生産活動に由来する化学物質が生態系に与える影響を解明することも求められている。 このため、有害化学物質による農作物汚染リスク低減技術の高度化及び環境中における農業生産由来 の化学物質の動態予測技術・影響評価手法の開発を行う。 (1)有害化学物質による農作物汚染リスクの低減化技術の開発 農業環境におけるカドミウム、ヒ素、残留性有機汚染物質(POPs)等の有害化学物質による農作物 汚染リスクを低減するため、土壌-作物系におけるそれらの動態を解明し、汚染リスク予測技術及び植 物を利用した手法や物理・化学的手法によるリスク低減技術の高度化を図る。 (2)化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発 農業環境における硝酸性窒素やリン酸等の栄養塩類、農薬等の有機化学物質の動態について、数理モ デルによる環境負荷の予測技術を開発し、農業生産由来の化学物質の生態系影響評価手法を開発する。 中期計画 (1)有害化学物質による農作物汚染リスクの低減化技術の高度化 農業環境におけるカドミウム、ヒ素、残留性有機汚染物質(POPs)等の有害化学物質による農作物 汚染リスクを低減するため、これら有害化学物質の土壌-作物系における動態及び植物による吸収機構 を解明し、汚染リスク予測技術及び植物を利用した手法や物理・化学的手法等によるリスク低減技術 の高度化を図る。 すなわち、野菜ではPOPs、主要な畑作物についてはカドミウムを対象に土壌の汚染程度から作物の 汚染リスクを予測する技術を開発する。 また、畑作物中のカドミウムや水稲中のヒ素、野菜中のPOPsの濃度を低減するため、植物の機能や 物理・化学的手法を用いた土壌浄化技術、吸収抑制栽培技術を開発する。 (2)化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発 農業環境中での農薬等の有機化学物質、硝酸性窒素、リン等の栄養塩類の動態を数理モデル化し、流 域レベルの環境負荷を予測する技術を開発するとともに、それらの環境負荷が生物に及ぼす影響を評価 する手法を開発する。 すなわち、水田を有する流域レベルにおける農薬、栄養塩類等の動態を包括的かつ定量的に記述する 数理モデルを開発するとともに、面源汚染について、負荷量及びその対策技術の評価法を開発する。 また、水生動物、植物等の生物群集に農薬等が及ぼす影響を評価する手法を開発し、確率論を導入し た農薬等の生態系影響評価法を開発する。 大課題実績 (1) 有害化学物質による農作物汚染リスクの低減化技術の高度化 [研究の背景] 60 農業環境中では、鉱山や製錬所などが原因となって生じたカドミウムやヒ素の水系から農地への混入、 残留性有機汚染物質(POPs)の農業用資材への混入や大気降下物としての農地への混入などにより、 農地土壌がさまざまな有害化学物質に汚染される。さらに汚染された土壌から作物に吸収されることに よって農産物中の有害化学物質濃度が食品安全上の基準値を超えることがある。本課題では、有害化学 物質から食の安全を確保するために、作物による有害化学物質の吸収程度を予測する「リスク評価」や 吸収を減らす「リスク低減」の研究を行っている。 [主な成果] ① 作物の汚染リスク予測技術の開発 農薬の後作物残留リスク予測法の開発に向け、農薬及び土壌の理化学性が各種農薬の土壌吸着に 及ぼす影響を解析した結果、芳香環を有し、かつ平板構造をとる農薬で土壌吸着平衡係数(Koc) が特異的に高く、土壌の芳香族炭素が農薬吸着に影響するとの知見を得た。特性の異なる各種水田 土壌を用いて水稲のヒ素吸収に影響を及ぼす主要因を解析し、多変量解析などを用いて、土壌ヒ素 含量等をパラメータとした玄米ヒ素吸収予測式のプロトタイプを作成した。以上の成果は、行政に よる対策の立案に貢献するものである。 また、コメ中のヒ素濃度の基準値について、現在、国際機関で検討が進められており、今後、分 析需要が増大することが見込まれることから、ヒ酸、亜ヒ酸及び有機ヒ素について、1 検体当たり の分析時間が短く、かつ連日長時間分析しても分析装置に負担のかからない、単純で揮発性の移動 相のみを用いた各ヒ素化合物の液体クロマトグラフィー分離条件を見いだし、安定した分析法とし て確立した。本分離法を用いた分析により、装置メンテナンス頻度も減少し、増大する分析需要に 対応することができる。 (表3-1、図3-2) 図3-1 ヒ素化合物の液体クロマトグラフィ ー分離 図3-2 コメ検液のクロマトグラム コメ検液においても各ヒ素化合物のピ ヒ酸、亜ヒ酸、モノメチルアルソン酸、ジメ ークは完全分離しており、問題無く定量で チルアルシン酸を 4 分以内に分離できます。ア きました(日本のコメにはモノメチルアル ルセノベタインやトリメチルアルシンオキシ ソン酸はほとんど含まれていません)。 ドといった魚介類に見られるヒ素化合物も分 離でき、コメ以外への適用も期待できます。 ② 汚染土壌浄修復技術の開発 カドミウムの植物浄化用イネの育成では、難脱粒性を付与したカドミウム高集積イネの生産力検 61 定を進めて、最終系統に絞り込み、年度内に品種登録出願を行う予定である。また、高機能植物浄 化用イネの DNA マーカー育種を行い、高収量、高土壌カドミウム収奪、有色米、高耐倒伏性など の特長をもつ 2 群、計 11 系統を選抜した。これら選抜系統は、特に倒伏性と草姿に優れ、耐倒伏 性+高バイオマスの新規高機能イネ系統として期待される。 石灰窒素の施用によってメラミンに汚染された土壌において、メラミン分解菌浸漬炭を用いた分 解試験を実施し、メラミン実汚染土壌での分解効果を確認した。この成果は、土壌残留メラミンの 早期分解に道を開くものである。 ③ 吸収抑制栽培技術の開発 低カドミウムイネの品種登録出願(出願名「コシヒカリ環 1 号」)及びそのプレスリリースを行 うとともに、様々な品種の低カドミウム化に役立つ DNA マーカーを改良した。また、奨励品種育 成に向け 6 県と共同研究を実施している。さらに、水管理をカドミウム吸収対策に用いられる湛水 から間断灌漑さらには節水管理にすることで、玄米のヒ素吸収量は大幅に低減できることを明らか にした。低カドミウムイネを用いることで、水管理においてヒ素とトレードオフの関係にある玄米 のカドミウム吸収量はほぼ検出限界以下となるため、水管理による玄米のヒ素吸収低減効果が期待 される。 ヒ素溶出抑制効果を検定済みの各種鉄資材を圃場試験(常時湛水)に供試し、水稲のヒ素吸収抑制 効果を判定した。無施用区に比べて、一般鉄資材≦酸化鉄<ゼロ価鉄の順で常時湛水における玄米 ヒ素の低減効果が認められ、玄米のヒ素低減効果が圃場レベルで明らかとなった。また、安定同位 体鉄をトレーサーとした鉄資材の溶解性評価手法を開発した。 ④ 放射性セシウム(Cs)汚染水田におけるリスク低減技術の開発 土質の粗粒な水田を対象として、水と分散剤(水酸化ナトリウム)を水田に加え、放射性 Cs を高濃度 に含む微細土壌粒子を分散させて、土壌粒子と共に放射性 Cs を排水除去する実用的浄化技術の開発を引 き続き進めた。土壌中の 137Cs 濃度は除染前の 50%に低下し、玄米の 137Cs 濃度は無処理区の 49%に低 減した。また、昨年度土壌浄化を実施した水田の浄化効果の持続性を確認した。本浄化法は、福島市によ る実証事業が開始される予定である。 また、重イオンビームを照射した突然変異体コシヒカリから予備選抜した 3 系統(C-8-6-22,C-8-7-4, A5-4-17)を農環研内及び福島の現地圃場で栽培し、玄米中の 133Cs(環研)又は 137Cs(福島)を測定し た。3 系統ともに玄米 Cs 濃度が低減し、特に A5-4-17 の低減率は 50%以上に達した。有望な系統が得ら れたことから、今後、現地適応性の検証に取り組むこととしている。 (2) 化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発 [研究の背景] 農業では、農薬や肥料など、さまざまな化学物質が使用されている。それは、作物生産を高い水準で 維持するために必要なものであるが、一方で、化学物質の一部は農地系外へ流出し、地下水・表面水の 水質や、河川生態系などに影響を及ぼす。生産現場では、減肥や減農薬をめざした取り組みが進められ ているが、実際にどのようにすれば、現在の作物生産の水準を落とすことなく、より環境保全型の農業 を実践できるのか。化学肥料や堆肥をどのように利用すれば、集水域内の地下水・表面水の水質をどれ だけ改善することができるのか。同じような効き目を持つ農薬がいくつもあるとき、どれを選べば、河 62 川生態系への影響をどれだけ抑えることができるのか。これらに対する答えを科学的手法に基づいて提 示するためには、農地へ投入された化学物質が、農地系外の水質や生態系に及ぼす影響を定量的に評価 できるような手法の開発が必要となる。本課題では、農業活動に由来する化学物質(農薬や栄養塩類) が農地系外の水質や生態系に及ぼす影響の定量的評価手法、栄養塩類の面源負荷軽減対策技術の評価方 法を開発している。 [主な成果] ① 農薬等の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発 農薬環境動態予測モデルである GIS 結合型 PADDY-Large を用いて、250 m 毎に分割した河川セグ メントにおける河川水中除草剤濃度を計算し、各セグメントでの最高濃度に対する濃度超過確率曲 線を作成した。これと種の感受性分布とを重ね合わせることにより、農薬の生態リスクを定量的に 評価することが可能となった。 日本の河川生態系を代表できる付着藻類 5 種(緑藻 1、藍藻 1、珪藻 3)の同時毒性試験を行うた めの蛍光マイクロプレートアッセイ法の試験条件を確立し(図3-3)、この試験法の詳細をマニュア ル(図3-4)にまとめて公開するとともに、この毒性試験法を除草剤 15 種に適用し、付着藻類の感 受性が標準緑藻より低いことを明らかにした。さらに除草剤 5 種混合の複合毒性試験を行い、作用 機作の違いを考慮して既存モデルを選べば、試験結果が予測可能なことを示した。本試験法により、 わが国の河川一次生産者に対する毒性データを効率的に整備することが可能となり、農薬の生態リ スク評価の進展に大きく貢献する。 図3-3 三角フラスコを用いた試験法を、マイクロプレートを用いた試験法に改変 藻類がフラスコ壁面に付着するため、付着藻類への適用が困難だったのに対して、新試 験法では、マイクロプレート底面に付着させた状態で生物量の測定を行います。 図3-4 マニュアル表紙 農業環境技術研究所 WEB サイトから、マニュ アルの PDF ファイルがダウンロードできます。 63 ② 栄養塩類の環境動態予測技術と負荷軽減対策技術評価手法の開発 圃場レベルの水・炭素・窒素動態予測モデル LEACHM の異なる農地土壌へのモデル適用を進め るとともに、土壌・肥培管理条件の異なる計 12 圃場における水移動・窒素溶脱等に対する LEACHM の予測精度(IA 値:0.5~1.0 の範囲で良好)を整理し、対象とした項目・圃場のほぼ全てで IA>0.5 となり、広域評価に用いる上で十分な予測精度が示された。また、水田流域用に改良中の流域レベ ルの水・物質動態モデル SWAT と従来の SWAT を、水田及び非水田流域にそれぞれ適用し、河川水 流量、懸濁物質濃度等の実測値と予測値を比較し、妥当な予測精度を確認した。 ③ 放射性セシウム(Cs)動態予測手法の開発 福島県内の異なる農地及び流域を対象として、大気降下物、用・排水、河川水等に含まれる溶存 態及び懸濁態の放射性 Cs 濃度(孔径 0.025 µm 濾過で区分)を、代掻き等のイベント時及び毎月の 平水時に測定した。その結果より放射性 Cs の固液分配係数 Kd を求めたところ、Kd は 103~106 L/kg のオーダーで大きく変動すること、多くの水試料中の Kd は電気伝導度とともに低下すること、大 気降下物の Kd は溶存有機態炭素濃度とともに低下すること等が示された。 評価ランク コメント 有害化学物質による農作物汚染リスクの低減化技術の高度化では、農薬 の吸着特性の解明、玄米ヒ素の吸収予測式の作成、多検体分析に適したヒ 素分析法の開発、難脱粒性 Cd 高集積イネの最終選抜及び新規高機能稲 2 群 11 系統の選抜、低 Cd イネの実用化に向けた品種登録出願や多数の県と の共同研究の実施、低 Cd イネ及び鉄資材を用いたヒ素吸収抑抑制の実証 自己評価 大課題3 を行うなど、順調に進捗している。また、放射性 Cs 汚染水田のリスク低 A 減技術の開発を進めており、イネの放射性 Cs 低吸収系統を選抜したこと (3(1):A ) は今後の展開が期待できる。 (3(2):A ) 化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発では、除草剤 5 種混合の複合毒性試験結果の予測、日本の河川生態系を代表できる付着 藻類 5 種の選定とその同時毒性試験法の確立・マニュアルの公表を行うと ともに、圃場レベルの数理モデル LEACHM による窒素溶脱の広域評価や 流域レベルの数理モデル SWAT 改良版による懸濁物質流出が妥当な精度で 予測可能となるなど、順調に進捗している。また、放射性 Cs の動態予測 手法の開発を進めている。 評価ランク 有害化学物質による農作物汚染リスクの低減化技術の高度化では、カド 前年度の独 法評価委員 会評価 大課題3 コメント ミウム汚染土壌の植物浄化に用いるイネの系統選抜やカドミウム極低吸収 A イネの原因遺伝子を解析するなど順調に進捗した。 化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発では、急流河 川に生息する水生昆虫を対象とした殺虫剤の感受性の解明や水・物質動態 予測モデルの改良など順調に進捗した。 64 4 農業環境インベントリの高度化 中期目標 農業分野の地球温暖化への対応、生物多様性の保全や、農産物の安全性確保に向けた研究を推進する 観点から、農業環境分野の研究基盤の強化を図るため農業環境インベントリ(農業環境に関するデータ、 研究成果等の情報や試料を体系的に保存・活用・提供する仕組み)の高度化を推進する。 このため、農業環境の高度なモニタリングシステムの構築や新たなリモートセンシング技術の開発、 各種農業環境情報の整備・拡充等を行う。また、それらの個別情報を一元的に提供できる統合データベ ースを構築する。さらに、主要な環境保全上の観点と、農業生産性の観点も考慮した総合的環境影響評 価手法を開発する。 中期計画 (1)農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・予測 農業環境資源の情報化と広域的評価に資するため、ハイパースペクトルやこれまで未利用の波長域を 利用したリモートセンシングデータの解析技術を開発するとともに、作物生産性、土地利用、植被、土 壌特性等環境動態の高精度・広域評価手法を開発する。 これらの広域評価手法と、地上観測によるガスフラックスの経時的変動や、植物・土壌のガス交換の 動的特性に関する成果を結合し、温室効果ガスフラックス、水・炭素動態、作物生産等を広域的に監視・ 予測するシステムを開発する。 (2)農業環境情報の整備と統合データベースの構築 農業環境資源及びこれらに係る情報の活用を促進するため、土壌、昆虫、気象等の個別のデータベー スの整備・拡充を行い、データ活用手法を開発する。また、農業環境中の放射性物質については、モニ タリングにより経時的推移を把握する。 また、全国的な土壌、気象、生物、土地利用、衛星画像、農業統計などの農業環境情報を一元的に提 供できる農業環境情報統合データベースを構築する。 さらに、高い農業生産性と環境保全の両立に向けた農業生態系管理シナリオの策定に資するため、多 様な空間情報、モデル、LCA 手法、統計手法等を活用し、温室効果ガスの排出、土壌炭素の貯留、生物 多様性、地下水への硝酸性窒素の溶脱、窒素の広域フロー等並びに生産性を考慮した総合的環境影響評 価(エコバランス評価)手法を開発する。 大課題実績 (1) 農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・予測 [研究の背景] 近年、気候変動にともなう食料生産への影響、農業生態系や農業生産活動が水や大気に与える負荷の 影響が懸念されており、実際に土地利用や作物成長がどう変動しているか、また農業生態系からの水・ 炭酸ガスなどがどう変動しているかを正確に把握し情報化することがますます重要になっている。本課 題では、農業と環境のこうした変化をリアルタイムで正確かつ広域的にとらえるため、宇宙から地上を 観測する地球観測衛星などを用いるリモートセンシング(遠隔計測)と、生態系スケールで炭酸ガスな どの微量ガスの流れを連続的に定量するフラックス観測のネットワークによって観測し、解析し、情報 65 化するための先進的な手法や監視・予測システムの開発を行っている。 [主な成果] ① リモートセンシングによる作物・農業管理・土地利用情報評価法開発 ハイパースペクトル計測手法については、群落クロロフィル量を主な標的変量として、多様なデ ータセット(4 カ国 6 植生)を用いて反射率・微分値等を用いる指数法や PLS 等多変量解析手法等 の相互バリデーションを行い各手法の優位性・制約を明らかにするとともに、高精度で汎用性の高 い新たな評価モデル(CCCsp)を開発した。本予測モデルは、今後、作物生産性の予測や自然植生 の劣化などを広域的に把握する上で、幅広く活用されることが期待される。 時系列光学衛星データを用いた収量の広域把握手法については、アメリカコーンベルトのトウモ ロコシを対象に新たなアルゴリズム及び補正手法の有効性を検証するとともに、干ばつ影響の地域 性を分布情報として把握できることを検証した。単収の早期予測手法として、作況予察に使える実 用レベルにあることを確認した。(図4-1、4-2) トウモロコシ単位収量(t/ha) トウモロコシ単位収量(t/ha) 雹嵐被害 かんがい圃場 天水圃場 2010 年収穫直前に 起きた雹嵐被害 MODIS 推定値 統計データ 年 植生指数(WDRVI) 図4-1 図4-2 絹糸抽出期 10 日前の MODIS 植生指 MODIS から推定されたトウモロコシ 単位収量とアメリカ農務省発表の統計データと 数(WDRVI)とトウモロコシ単位収量との関係 の年次比較 本結果は、MODIS により観測された栄養生 本手法による推定値は、アメリカ農務省発表の州 長末期までの同化器官(葉)の生長量から、最終 統計値とよく一致しており、記録的な干ばつ被害を 的なトウモロコシ単位収量を予測可能である 受けた 2002 年と 2012 年の不作を定量的に評価す ことを示しています。 ることができました。 66 -10 新規 SAR(合成開口レーダ)衛星センサ CSK2009 0 X バンドの後方散乱係数 σ0 (dB) σ (dB) の利用法については、X バンドと C バンド の衛星 SAR センサによって観測される信号 (後方散乱係数 σ0)を作物・農地情報の広 域・適時計測に効果的に利用するため、観 測される信号と作物形質等の基礎的な関係 及び評価手法を検討し、水稲の生育・収量 形質の評価に有効な新たな手法を開発した (図4-3)。また、高解像度衛星 SAR センサ TSX2011 TSX2012 -14 -16 -18 -20 0 により移植期等主要な管理情報を圃場スケ ールで広域計測するための信号特性を明ら かにした。本研究で得られた知見と手法は、 集に活用する上で重要な役割を果たす。 ② 200 400 600 800 1000 1200 1400 群落の穂の総重量 Panicle DW (g(gmm-2-2)) 図4-3 衛星搭載の X バンド SAR センサから得ら れた後方散乱係数と登熟期の穂の重量との関係 今後も多くの打ち上げ計画がある多様な衛 星 SAR を精密農業や収量予察、統計情報収 r = 0.73*** (n = 128) CSK2010 -12 登熟期水稲群落では、X バンドの後方散乱係数 σ0 が穂の重量に対して最も明瞭な感度を持つこと が見出されました。 ガスフラックス動態の体系的観測と定量評価法の高度化 茨城県つくば市真瀬を中心に国内外のサイトのガスフラックスの連続観測を継続した。また、水 田からのメタン発生量を異なる測定方式の渦相関法を用いて同時に測定し、観測データの互換性・ 一貫性を確保するための系統的な補正手法を明らかにした。また、そのフラックス観測のネットワ ーク化を進め、指標生態系等におけるデータを集積した。 新たな高時間解像度・連続測定法による生態系ガス交換の基礎過程の解明とモデル化に関して、 CO2 同位体測定装置に複数のチャンバーと光合成・蒸散測定システムを接合した植物葉 CO2 拡散抵 抗の高速・多チャンネル・連続測定システムを構築した。これにより、光合成における CO2 の拡散 抵抗の品種間差や環境応答等に関する解析が可能となった。 ③ 衛星-地上連携生態系観測ネットワークシステムの構築による生態系動態広域評価 前年度までに構築した生態系観測データの準リアルタイムでの自動収集・データベース構築シス テム(SGEMS-D)をコアとして、演算システムやプロダクト、データを統合的に管理・提供す るための「衛星-地上連携生態系観測ネットワークシステム SGEMS」の基本型を構築し、運用を 開始した。観測サイト及び項目の拡充、超精密土地利用・土地被覆情報図の作成等を進めた。 また、フラックス等の点計測データを衛星データと統合して広域評価に展開するため、高解像度 衛星の高精度データを用いて MODIS 画像(低解像度・高頻度観測データ)の特性解析を進め、フ ラックスや衛星等の異種データを統合的に利用して GPP(Gross Primary Production:総一次生 産)を広域で評価する体系的なスケールアップ手法を策定した。さらに、MODIS 画像を活用した グローバルな農業環境変化の Web 閲覧システム(GAEN-View)及び農地・気候・生物季節等のア ジアスケールの空間データを搭載した汎用の生態系空間情報プラットフォーム(GSPAC)を完成 し、SGEMS に統合した。 67 (2) 農業環境情報の整備と統合データベースの構築 [研究の背景] 本研究所が実施する、地球規模の環境変動と農業活動との相互作用に関する研究や、農業生態系にお ける化学物質の動態とリスク低減に関する研究などを進める上で、これらの研究を支える基盤的な研究 の高度化が必要となっている。本課題では、農業環境を構成する重要な要素である土壌、昆虫、微生物、 気象などを対象として、個別のデータベースの整備・拡充とデータの活用手法の開発、農業環境中の放 射性物質の長期モニタリング、農業環境情報を一元的に提供できる農業環境情報統合データベースの構 築などを行っている。 [主な成果] ① 土壌、昆虫、微生物等の個別データベースの整備・拡充 土壌分野では、包括土壌分類第一次試案を用い、中部・北陸、近畿、四国、九州地域について現地調査を 実施し、各県別に 1/20 万スケールの土壌図を試作した。また、フィールドで土壌図などの土壌情報を簡単 に検索でき、写真やメモなどのデータを土壌図と関連づけて編集・共有することができる iOS/Android 用 アプリ“e-土壌図”を開発した(図4-4) 。 微生物分野では、罹病さく葉標本 457 点をデータベース化するとともに、新たに収集した微生物と微生 物標本館所蔵の微生物の情報をデータベース化し、 「microForce」に追加した。 昆虫分野では、アブラムシ類約 4,300 点、ゾウムシ類 2,500 点(画像 400 点を含む)等をデータベース 化するとともに、昆虫インベントリーシステムに、用途に応じたポータルを作成し、ユーザーの利便性を高 められる様にサブシステム機能を追加した。 図4-4 “e-土壌図”とクラウド(Google Drive)との連携 クラウド上に位置情報付のメモや写真などのデータを編集・保存することができ、簡単にユー ザー独自の土壌図を構築することができます。 なお、PC で土壌図の表示やピンを編集するためには、Google Earth(米国 Google 社が無料で 配布している衛星画像などの地図ソフト)を別途インストールする必要があります。Google Earth で表示させるための土壌図は「土壌情報閲覧システム(http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/soil_db/)」 から無償でダウンロードできます。 68 ② 放射性物質のモニタリング 昭和 32 年(1957 年)より継続している全国の白米、小麦及び作付け土壌(水田及び畑)の放射 性セシウム(137Cs)等のモニタリング調査として、全国水田 14 ヶ所、畑 7 ヶ所の定点観測圃場から平 成 24 年度に集めた米、麦及び土壌の 137Cs, 134Cs, 90Sr の分析を完了させた。農業環境中の湛水試料を対象 Sr 選択吸着樹脂による前処理法を確立した。 とした 90Sr の簡易分析前処理法の作業工程の効率化において、 また、平成 23 年度に作成した農地土壌の放射性セシウム濃度分布図を更新するため、規制区域内 29 地 点の土壌の放射性セシウム濃度と空間線量率を測定し、空間線量率から放射性 Cs 濃度を求める換算式を改 訂した。次年度はこの結果に基づいて分布図を作成する。 ③ 農業環境情報統合データベースの構築 これまで開発してきたインターネット通信を利用して所内と所外のデータベースを横断利用する技術を 用い、 本研究所のデータベースと首都大学東京牧野標本館のデータベースを結合した植物標本情報データベ ースの閲覧システムを開発、公表した。また、効率的かつユーザーの利用性を高める観点からデータベース の利用・公開ポリシーについて関連情報を収集し、データをオープンデータとして扱い、ライセンスは Creative Commons を採用することなどを検討した。 ④ 総合的環境影響評価(エコバランス評価)手法の開発 農作業にともなう環境負荷量を算出するために、農家の栽培暦を整理し、LCA ソフトを用い、各種作業 における燃料消費量を算出した。この量に基づき、CO2、CH4、N2O、NOx、SOx、NH3 の排出量を算出 した。用いた栽培暦では、収穫後のわら処理に関する情報が欠如していたので、ケーススタディとして「わ らすき込み」 、 「わら持ち出し」 、 「わら持ち出し+堆肥 10t/ha」 、 「わら持ち出し+堆肥 20t/ha」の 4 つのシ ナリオによる環境負荷量を算出し、比較した。同時に、RothC モデルを用いた 20 年間の土壌炭素変化 量を計算して、1年あたりの土壌炭素変化量を算出した。これらの各項目を用いて以下のように「地 球温暖化」、 「酸性化」、 「富栄養化」に係る特性値を求めた。「地球温暖化」特性に関しては水稲栽 「酸性 培における CO2、CH4、N2O の排出と土壌炭素蓄積を CO2 当量に換算した GHG 排出量を、 化」特性に関しては NOx、SOx、NH3 の排出量を SO2 当量値に換算した酸性物質排出量を、「富栄 養化」特性に関しては窒素、リンの溶脱+表面流去量(それぞれ、インプット量の 11%、8.3%) を求め、PO4 当量値に換算した富栄養化物質排出量を特性値とした。その結果、「地球温暖化」特性 は堆肥施用量が高くなるにつれて小さくなるが、 「酸性化」特性と「富栄養化」特性は堆肥施用量が高くな るにつれて大きくなり、特性によって差が認められた。 69 評価ランク コメント 農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・ 予測では、新規 SAR 衛星画像等による植物生産等の広域評価に向けた リモートセンシングに関する先導的なアルゴリズムの開発、新規性の高 い手法を含むガスフラックスの高時間解像度・連続観測データの収集・ 自己評価 大課題4 A (4(1):A ) (4(2):A ) 解析、広域評価に向けたモデル化、これらを連携・統合する衛星-地上 連携型生態系動態観測システムの基本型の完成など順調に進捗してい る。 農業環境情報の整備と統合データベースの構築では、包括土壌分類第 一次試案に基づく土壌図の作成、土壌情報の取得を容易に行えるスマー トフォン用アプリの開発、その他の個別データベースの構築、放射性物 質のモニタリング、統合データベースの構築、エコバランス研究等につ いて概ね順調に進捗している。 評価ランク コメント 農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・ 予測では、ハイパースペクトルリモートセンシングにより水稲の玄米タ 前年度の独 法評価委員 会評価 大課題4 ンパク含有率などを広域評価する手法の開発や水田のガスフラックス高 A 時間解像度・連続観測データの収集・解析などが順調に進捗した。 農業環境情報の整備と統合データベースの構築では、包括土壌分類第 一次試案を用いた土壌図の試作などに取り組んだほか、東京電力福島第 一原子力発電所事故による農地土壌の放射性セシウム濃度マップの更新 を行うなど、社会的ニーズに対応した成果も認められる。 70 (2)行政ニーズへの機動的対応 地球温暖化関係では、農林水産省生産局からの要請を受け、土壌炭素動態モデル RothC を中心とし た土壌炭素貯留量の算定システムについて、国連気候変動枠組条約に基づく温室効果ガスインベントリ 報告に耐えうるよう、算定精度と頑健性確保のための改良を行った。 レギュラトリーサイエンス関係では、農林水産省消費・安全局から要請を受け、コーデックス委員会 汚染物質部会で使用される「コメのヒ素汚染の防止及び低減に関する実施規範の作成に関する討議文 書」へのデータ提供、コメ中ヒ素低減に関する文献の提供を行った。このほか、低 Cd イネの国内での普 及推進、マイナー作物の農薬登録問題等について行政からの要請を踏まえ対応を行った。 放射性物質関係では、空間線量率と土壌中の放射性セシウム濃度の関係の解明を行い、その結果が環境 省「除染関係ガイドライン(第2版)」の「農地土壌の放射性セシウム濃度の簡易算定方法」及び厚生労働省「 除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン(改正版)」の「農地土壌の放射 能濃度の簡易測定手順」に反映された。また、水による土壌攪拌・除去技術の開発を行い、その結果が環境省 「除染関係ガイドライン(第2版)」の「農用地の除染」に反映された。さらに、コメ、大豆及びそばの放射性セシウ ム高濃度の要因解析等を行い、その結果が農林水産省のHPに公開された「放射性セシウム濃度が高い米が 発生する要因とその対策について(第2版)」、「放射性セシウム濃度が高い大豆が発生する要因とそ の対策について(第2版)」及び「放射性セシウム濃度が高い大豆が発生する要因とその対策について (第2版)」に反映された。 以上のように、平成 25 年度においても、行政ニーズに機動的に対応し、必要な調査・研究を着実に実施し た。 71 2.行政部局との連携の強化 中期目標 研究の設計から成果の利活用に至るまでの各段階において、農林水産省の行政部局と密接に連携 し、行政部局の意見を研究内容や利活用方策等に的確に反映させるとともに、行政部局との連携状況 を毎年度点検する。 また、他の独立行政法人との役割分担に留意しつつ、食品安全基本法(平成 15 年法律第 48 号)に 基づく農産物・食品の安全性・信頼性の確保に向けた緊急時対応を含めた技術支援等、行政部局、各 種委員会等への技術情報の提供及び専門家の派遣を行うとともに、行政部局との協働によるシンポジ ウム等を開催する。 中期計画 ① 研究の設計から成果の普及・実用化に至るまでの各段階において、農林水産省の行政部局の意見を 研究内容や普及方策等に的確に反映させるため、関係行政部局と情報交換を密に行うことなどにより 問題意識等の共有を図り、研究設計に反映するとともに、毎年度の研究成果を検討する会議等に関係 行政部局の参加を求める。また、行政部局との連携状況については、毎年度行政部局の参画を得て点 検し、その結果を踏まえ一層の強化を図る。 食品安全基本法(平成 15 年法律第 48 号)に基づく農業環境汚染等への緊急対応を含めて、行政 ① からの要請に基づき、技術情報の提供、行政が主催する委員会等への専門家の派遣を行う。また、 研究プロジェクトの推進に係るシンポジウム等を農林水産省との協働により開催する。 指標 2-2-ア 研究成果や研究計画を検討する会議に関係行政部局の参加を求め、行政部局の意見を研究内容等に反映させてい るか。また、行政部局との連携状況について、行政部局の参画を得て点検しているか。 2-2-イ 行政等の要請に応じて、各種委員会等への専門家の派遣、適切な技術情報の提供、シンポジウム等の共同開催な どの協力を行っているか。 中項目実績 ●研究成果や計画を検討する会議への行政部局の参加、行政部局との連携状況の点検(指標 2-2-ア) 研究の設計から成果の利活用に至るまでの各段階において、農林水産省の関係部局と密接に連携し、 行政部局の意見を研究内容や利活用方策等に的確に反映させるため、農林水産省大臣官房環境政策課、 消費・安全局農産安全管理課、生産局農業環境対策課及び農村振興局農村環境課と、それぞれ連絡会を 開催した(表 2-2-ア参照)。 また、行政部局との連携の一層の強化を図るため、農林水産技術会議事務局及び関係行政部局の参画 を得て、毎年度の研究の進捗状況及び主要研究成果の検討、行政部局との連携状況の点検等を行う研究 行政連絡会議を開催した。行政部局からは、放射性物質、土壌炭素蓄積、農地土壌からのメタン発生、 生物多様性評価指標、農薬の河川水中濃度予測等に関する研究について、政策との整合性を高める観点 から、行政部局との連携を一層深めていくこと等の要望があった。なお、平成 23 年度の研究行政連絡 会議で行政部局から提案のあった低カドミウムイネの早期実用化に向けた連携については、農林水産省 消費・安全局、生産局、農林水産技術会議事務局等との連携の下、品種登録申請や知的財産の確保に当 たるとともに、都道府県、JA、消費者団体等との意見交換を通して実用化を進めている。行政部局との 連携状況については、地球温暖化緩和、生物多様性、放射性物質等有害化学物質のリスク低減など幅広 72 い分野で密接な連携が行われていると評価された。 表 2-2-ア 行政部局との連携強化のための会議の開催状況(平成 25 年度) 農 農村振興局農村環 農村環境課からは、基礎技術調査、環境保全調査等の実施状況について、農 H25.7.1 林 境課との連絡会 環研からは、外来植物の蔓延実態とリスク評価、降雨時に流出する環境負荷 農水省・本省 水 物質等の観測事例、集落環境整備による獣害抑制効果と定量評価の試みにつ 産 いて話題提供があり、外来雑草リスク評価モデル(AWRA)の利用場面や外来 省 植物の蔓延後の対策、降雨による土壌浸食防止に対する植生の効果などにつ 関 いて活発な意見交換が行われた。参加人数約 23 人 係 部 消費・安全局農産 農産安全管理課からは、カドミウム及びヒ素低減対策、組換え農作物の審査 H25.11.15 局 安全管理課との連 及び管理、農薬の後作物残留調査について、農環研からは、ヒ素・カドミウ 農水省・本省 と 絡会 ム研究の最近のトピックス、組換え農作物との時間的隔離のための開花重複 の 度管理、土壌の RIP、農薬の後作物残留に関する研究成果等について話題提 定 供があり、意見交換が行われた。農環研に対しては、ヒ素低減のための効果 例 的な水管理や資材施用及びほ場のリスク評価手法の確立、GM 作物のリスク の 評価に必要な知見の充実、後作物残留リスクの高い農薬の絞り込みに向けた 連 連携等について要望があった。参加人数約 30 人。 絡 生産局農業環境対 農業環境対策課からは、日本型直接支払いの検討状況、地球温暖化影響調査レ H25.11.25 会 策課との連絡会 ポート、土壌分析の計量法上の扱い、福島県における営農再開への支援、低 農水省・本省 カドミウムイネの現地適応試験について、農環研からは、農地土壌表面での 養分収支と土壌肥沃土の変遷、営農活動により維持される生物多様性、土地 利用型作物における気候変動の影響と適応策について話題提供があり、活発 な意見交換が行われた。参加人数約 25 人。 大臣官房環境政策 環境政策課からは、農林水産省における環境政策をめぐる現状について、農 H25.12.6 課との連絡会 環研からは、温暖化緩和策研究の活用方法及び地球環境研究の国際連携につ 農水省・本省 いて、外来生物研究の最近の動向について話題提供があり、気候変動枠組条 約 COP19・CMP8 における農業分野で議論の状況、J クレジット制度の普及 方策、外来生物研究等を行政施策へ活かす上での社会・経済評価などについ て活発な意見交換が行われた。参加人数約 25 人 上 耕作放棄地の生物 農環研から農村振興局農村計画課耕作放棄地活用推進室及び農業環境対策課 H25.4.22 記 多様性に関する研 の課長及び担当者に対し、耕作放棄地における管理が植生遷移や生物多様性 農水省・本省 以 究紹介 に及ぼす影響に関する研究成果を紹介した。先方からは、耕作放棄地におけ 外 る生物多様性の経済的評価や温暖化影響に関する質問があり、活発な意見交 の 換が行われた。参加人数約 15 人 会 IPBES へ の 対 応 大臣官房環境政策課から、IPBES 第 2 回総会の概要報告と今後の作業予定等 H26.1.21 議 に関する打合せ の説明、IPBES 対応における問題点等の提示があり、農環研から、IPBES 農環研 の 関連情報の提供と生物多様性関連研究の現状等について説明が行われた後、 例 今後の対応についての活発な意見交換が行われた。参加人数 13 人。 農林水産省関係部局と 農林水産省の大臣官房環境政策課、消費・安全局農産安全管理課、生産局農 の研究行政連絡会議 業環境対策課、農村振興局農村環境課及び農林水産技術会議事務局参画の下、 航 空 会 館 ( 東 中期計画課題の進捗状況の検討、主要研究成果の選定、行政部局との連携状 況の点検等を実施した。参加人数約 30 人。 73 H26.3.3 京都港区) 以上のような、連絡会、研究行政連絡会議、その他行政部局から出された意見・要望に対しては、 必要な調査・研究の実施、技術情報の提供等に努めている。(表 2-2-イ-2 参照) ●行政等が行う委員会への専門家の派遣、技術情報の提供、シンポジウムの共同開催等(指標 2-2-イ) 国(農林水産省、環境省等)、地方公共団体、他の独立行政法人、各種団体等から委嘱を受け委員会 等に専門家を派遣し、専門的見地からの助言、技術情報の提供等を行った。委員会等への参加件数(委 員会数)は 138 件であった。これらの中には、農耕地における地球温暖化対策、生物多様性保全、農薬 や有害化学物質のリスク管理、リモートセンシング技術、放射能汚染問題など、本研究所の研究成果を 政策や事業につなげる上で重要なものが多く含まれている。 表 2-2-イ-1 行政等の委員会等への専門家派遣の代表事例(平成 25 年度) 委 員 会 等 名 称 依 頼 元 食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会(専門委員) 農林水産省 農地基盤整備における有機質資材利活用に関する検討会委員 農林水産省 水稲の作柄に関する委員会員 農林水産省 中央環境審議会(気候変動影響評価等小委員会)専門委員 環境省 温室効果ガス排出量算定方法検討会農業分科会委員 環境省 Jクレジット制度認証委員会委員 環境省 生物多様性影響評価検討会委員 農林水産省 環境保全型農業直接支援対策に係る事業効果の検証検討会委員 農林水産省 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー 農林水産省 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 施行規則第 10 条の規定に基づく農林水産大臣及び環境大臣が意見を聴く学 農林水産省 識経験者 輸入栽培用種子中の未承認遺伝子組換え体検査対策事業委員 農林水産省 中央環境審議会野生生物部会外来生物対策小委員会専門委員 環境省 愛知目標達成のための侵略的外来種リスト作成会議委員 環境省 食品安全委員会専門委員 内閣府 農薬の後作物残留調査事業検討委員 農林水産省 農薬に登録における作物のグループ化検討委員会委員 農林水産省 水産動植物登録保留基準設定検討会委員 環境省 新規 POPs 等研究会委員 環境省 神栖市有機ヒ素汚染対策に係る検討委員 茨城県 衛星画像を活用した損害評価方法の確立事業検討会委員 農林水産省 食料安全保障分野の地球観測衛星利用研究会委員 他独法 中間貯蔵施設安全性評価作業部会予備除去土壌等物性検討作業会への技術協 力 環境省 福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の長期的影響把握手法の確立に 文部科学省((独)日本原子 向けた検討会委員 力研究開発機構) 74 また、行政部局からの要請に基づき、必要な調査・研究に取り組むとともに、様々な技術情報の提供 を行っている。 表 2-2-イ-2 農林水産省からの要請等に対する対応状況(平成 25 年度の事例) 行政部局からの要請等の内容 要請部課 対応状況 IPBES(生物多様性及び生態系サー 大臣官房環境政 2013年12月にトルコ、アンタルヤで開催された第2回 ビスに関する政府間プラットフォー 策課 IPBES総会に幹部職員及び研究員の2名が参加した。 ム)総会への参加要請 CCAC(短寿命気候汚染物質削減のた 大臣官房環境政 農環研での関連研究成果を情報提供するなど、提案書の作 めの気候と大気浄化の国際パートナ 策課 成に協力するとともに、1 月に開催された当該課題スター ーシップ)において、我が国が中心 トアップ会合において共同議長を務めた。 に新たに立ち上げる水田課題につい ての提案書作成への協力要請 2014 年 G8 議長国農業大臣会合にお 大臣官房国際部 農水省内で行われた勉強会において、農環研を中心とした いて計画されている「土壌」を基本 我が国の土壌研究の現状や地球土壌パートナーシップ とした G8 等としての行動について (GSP)への対応について情報提供を行うとともに、2 月 議論のための情報提供と我が国での にモスクワで開催された食料安全保障専門家会合に出席 した。 準備についての協力要請 「農作物への移行要因調査」におけ 消費・安全局農 土壌試料の送付を受け、農環研で土壌放射性セシウム濃度 る土壌放射性セシウム濃度の検証 産安全管理課 の分析を行い、消費・安全局のデータと比較検討した。 コメ中ヒ素に係る Codex 討議文書へ 消費・安全局農 指定の様式にデータをまとめて提供するとともに、収集し のデータ提供、関連文献の収集 産安全管理課 た文献を提供した。 グリホサート耐性 GM 小麦に関連し 消費・安全局農 所内専門家からの意見徴収や研究成果の収集によって関 た近縁野生種との交雑性 産安全管理課 連情報を取りまとめて報告した。 地域特産作物(マイナー作物)の農 消費・安全局植 行政が進める対策に助言するとともに、分析法などに関す 薬登録問題 物防疫課 る情報提供や研修に協力した。 微生物農薬の現状に関する調査協力 消費・安全局植 開発されている生物農薬及びフェロモン剤の適用病害虫 の依頼 物防疫課 米、大豆及びそばの放射性セシウム 生産局総務課( 土壌要因について解析を行い、結果については農林水産省 高濃度の要因解析 原発事故対応調 のHPに公開された「大豆とそばの要因と対策改訂版」に 整チーム) のリストを作成し提供した。 反映された。 国連気候変動枠組条約に基づく温室 生産局農業環境 これまで農環研が行ってきた土壌炭素動態モデルRothCを中 効果ガスインベントリ報告に、新た 対策課 心とした土壌炭素貯留量の算定システムについて、適切に に「農地管理」及び「放牧地管理」 報告を行うための具体的な方法を提案するとともに、継続的 を吸収源対策として位置づけること ・安定的に報告業務を遂行していくに当たっての必要な準備 に対し、土壌炭素貯留量の算定シス を整え、インベントリ報告に使用可能な算定システムとして テムの国連報告に耐え得る算定精度 改良した。 と頑健性確保のための改良の要請 環境情報管理システムに関する協力 農村振興局農村 開発環境管理システムの構築ならびに農村振興局が有す 依頼 環境課 る生物データの整備に対して協力中である。 GM 作物の土壌微生物への影響評価 農林水産技術会 専門家からの意見徴収や文献収集によって関連情報をと 法 議事務局技術政 りまとめて回答し、GM 作物の生物多様性影響評価検討会 策課 における検討に反映させた。 OECD 環 境 情 報 作 業 部 会 (WPEI)ペ 農林水産技術会 OECD 環境情報作業部会 (WPEI)ペーパーにおける 窒素 ーパーへの意見集約 議事務局研究開 指標の算定方法等に対する技術的問題点や要望を取りま 発官(環境)室 とめ提出した。 気候変動への適応計画策定に向けた 農林水産技術会 稲作関係の影響について、当所の成果及び内外の成果をレ 農業分野への影響評価研究のとりま 議事務局研究開 ビューし、文書及びPPTファイルにまとめて提供した。 とめの依頼 発官(環境)室 75 評価ランク コメント 関係部局との個別の連絡会や、一堂に会した研究行政連絡会議を開催す るとともに、行政からの要請等に対応して、必要な調査・研究、技術情報 自己評価 中項目 2-2 の提供等に積極的に取り組んでいる。また、行政部局との連携状況につい A ての点検についても、行政部局の参画を得て行っている。 また、行政等の要請に応じて、東京電力福島第一原子力発電所事故の発 生を受けて設置され委員会等へ職員を派遣するなど、行政の委員会等へ専 門家を積極的に派遣し、政策提言などで重要な責務を担っている。 評価ランク コメント 行政部局との連携については、行政部局の意見を研究内容や成果の利活 前年度の独 用方策等に的確に反映させるため、農林水産省関係部局との連絡会議を引 法評価委員 き続き実施し、行政部局の意見を踏まえ、カドミウム極低吸収イネの早期 会評価 A 実用化や総合的なカーボンフットプリントの算出システムの作成に取り 中項目 組むこととするなど、研究内容に具体的に反映したほか、研究成果の行政 2-2 施策へのフィードバックも行われている。また、農耕地における地球温暖 化対策や放射能汚染対策など、行政等の要請に応じて専門家を派遣し、技 術情報の提供等を行っている。 76 3.研究成果の公表、普及の促進 中期目標 (1)国民との双方向コミュニケーションの確保 国民に対する説明責任を果たすため、多様な情報媒体を効果的に活用して、農業環境に関する研 究開発について分かりやすい情報を発信するとともに、研究所及び研究者自らが国民との継続的な 双方向コミュニケーションを確保するための取組を強化する。 特に、農業における地球温暖化の影響や有害化学物質による農作物汚染等について、科学的かつ 客観的な情報を継続的に提供するとともに、研究の計画段階から国民の理解を得るための取組を推 進する。 (2)成果の利活用の促進 新たな知見・技術の PR や普及に向けた活動、行政施策への反映を重要な研究活動と位置付け、 研究者及び関連部門によるこれらの活動が促進されるように努める。 このため、今中期目標期間中に得られる研究成果に、前中期目標期間までに得られたものを加え て、研究成果のデータベース化、研究成果を活用するためのマニュアルの作成等により積極的に利 活用を促進する。 (3)成果の公表と広報 研究成果は、積極的に学術雑誌等への論文掲載、学会での発表等により公表するとともに、主要 な成果については各種手段を活用し、積極的に広報を行う。査読論文の数及びそのインパクトファ クターについては、数値目標を設定して成果の公表に取り組む。 (4)知的財産権等の取得と利活用の促進 研究開発の推進に際しては、研究成果の実用化及び利活用を促進する観点から、研究成果の権利 化や許諾等の取扱いに関する知財マネジメントを研究開発の企画段階から一体的に実施する。 その際、我が国の農業の振興に配慮しつつ、実施許諾の可能性等を踏まえた権利化、研究成果の 保全に向けた権利化など海外への出願や許諾を含めて戦略的に権利化等を進めるほか、保有特許の 必要性を随時見直す。また、特許権等に係る情報の外部への提供を積極的に進めるとともに、技術 移転に必要な取組を強化する。 また、農林水産研究知的財産戦略(平成 19 年 3 月 22 日農林水産技術会議決定)等を踏まえ、必 要に応じて知的財産方針を見直す。 なお、特許の出願及び実施許諾については、数値目標を設定して取り組む。 中期計画 (1)国民との双方向コミュニケーションの確保 ①研究所及び研究者が自らの説明責任を明確にし、国民の視点に立った情報を提供するため、第3 期の広報戦略を策定し、情報の受け手を考慮した情報提供と多様な媒体を活用した広報を実施す る。 ②研究活動の内容や成果を国民に分かりやすく説明する双方向コミュニケーション活動(国民との 科学・技術対話)を推進するため、研究者等の支援体制を整備する。特に、農業における地球温 暖化への対応や有害化学物質による農作物汚染など国民の関心が高い分野を中心に、研究所一般 77 公開、出前授業、各種の広報イベント等を活用し、国民との科学・技術対話の取組を進める。 (2)成果の利活用の促進 ①行政部局を含む第三者の意見を踏まえ、施策推進上の活用が期待される成果を「主要研究成果」 として、中期目標の期間中において 10 件以上選定する。 ②「主要研究成果」を含む主な研究成果を研究成果情報として取りまとめ、ホームページで公開す るとともに、積極的に広報と普及に努める。 ③過去の研究成果を含めて、様々なデータベース、マニュアル等として取りまとめ提供する。 ④他法人や民間等の高い応用開発能力を活用した共同研究等により、研究成果の利活用を図る。 (3)成果の公表と広報 ①研究成果は、国内外の学会、シンポジウム等で積極的に発表するとともに、中期目標の期間内に 810 報以上の査読論文を発表する。また、論文の量と併せて質の向上を図り、国際的に注目度の高 い学術雑誌等に積極的に発表することとし、中期目標の期間内における全発表論文のインパクト ファクター総合計値 900 以上とする。 ②研究成果の普及・利活用を推進するため、成果を分かりやすく取りまとめホームページに掲載す るとともに、各種のシンポジウム、講演会、イベントを開催する。 ③ 記者発表による最新情報の発信をはじめとするマスメディアを通じた広報、広報誌等の印刷物、 インターネット、農業環境インベントリ展示館や各種イベント出展等の様々な広報手段を活用し、 効率的かつ効果的な広報活動を推進する。研究成果について、中期目標期間中に 30 件以上のプレ スリリースを行う。 ④国際シンポジウムの開催及び国際的なメディアを通じた情報提供等、国内外に対する研究所の情 報発信機能の強化を図る。 (4)知的財産権等の取得と利活用の促進 ①研究開発の推進に際しては、研究成果の実用化及び利活用を促進する観点から、研究成果の権利 化や許諾等の取扱いに関するマネジメントを研究開発の企画段階から一体的に実施する。 ②我が国の農業の振興に配慮しつつ、実施許諾の可能性等を踏まえた権利化、研究成果の保全に向 けた権利化など海外への出願や許諾を含めて戦略的に権利化等を進め、中期目標の期間内に 25 件以上の国内特許出願を行う。また、保有特許については、実施許諾の状況等を踏まえ、保有の 必要性を随時見直す。 ③特許権等に係る情報の外部への積極的な提供等により技術移転を進め、中期目標の期間内におけ る毎年度の特許の実施許諾数は6件以上とするとともに、技術移転に必要な取組を強化する。 ④農林水産研究知的財産戦略(平成 19 年3月農林水産技術会議決定)等を踏まえ、必要に応じて 知的財産方針を見直す。 78 指標 2-3-ア 広く国民や関係機関に分かりやすい研究情報を発信しているか。特に、地球温暖化への対応や有害化学物質によ る農作物汚染など国民の関心が高い分野において、科学的かつ客観的な情報発信に努めているか。 2-3-イ 講演会やイベント開催等、研究者と一般消費者や生産者が交流する場を通じて、研究に関する相互理解の増進に 取り組んでいるか。 2-3-ウ「主要研究成果」に関する数値目標達成に向けた進捗はどうか。 2-3-エ ユーザーのニーズを踏まえた研究成果のデータベース化やマニュアル化等による成果の利活用促進の取組は十分 行われているか。 2-3-オ 論文の公表やIFに関する数値目標達成に向けた進捗はどうか。 2-3-カ 研究成果に関する情報提供と公開は適切に行われたか。プレスリリースに関する数値目標達成に向けた進捗はど うか。 2-3-キ 研究成果の知財化のため、研究職員への啓発や知財マネジメントに適切に取り組んでいるか。 2-3-ク 国内特許に関する数値目標達成に向けた進捗はどうか。 2-3-ケ 海外での利用の可能性、我が国の農業等への影響、費用対効果等を考慮しつつ、外国出願・実施許諾は適切に行 われているか。 2-3-コ また、保有特許について、維持する必要性の見直しを随時行っているか。 2-3-サ 保有する特許等について、民間等における利活用促進のための取り組みは適切に行われているか。国内特許の実 施許諾に関する数値目標達成に向けた進捗はどうか。 中項目実績 ●国民との双方向コミュニケーションの確保(指標 2-3-ア、イ) 本研究所の活動や成果が広く国民に理解されるよう、平成 23 年 9 月に策定した「広報戦略」に基づ いて各種の広報イベントの開催、外部の広報イベントへの参加等を行った。これらの広報イベントでは、 対象者を明確に意識したわかりやすい情報提供に努めた。青少年・一般向けのイベントでは、ミニ講演 会、実演・体験コーナー、サイエンスカフェなど体験型・対話型の科学コミュニケーションを実施し、 技術展示イベントでは、わかりやすい解説パネルの作成・活用、実物の展示、説明のための研究者の配 置等を行った。 夏休み中の小中学生を対象として、工作や実験・観察などを体験できる「のうかんけん夏休み公開」 を初めて実施し、4 月の研究所一般公開の来場者(約 700 人)を大きく上回る約 1,800 人が来場した。 表 2-3-ア 種類 名称 広報関連イベントの概要(平成 25 年度) 内容 開催日 (開催場所) 一 般 市 研 究 所一 般 科学技術週間のイベントとして研究所内で開催。 「未来につなげよう 安 H25.4.19 民 向 け 公開 全な農業と環境」をテーマに、多数の実演・体験コーナー、成果展示、 農環研 イ ベ ン ミニ講演、ポスターによる研究成果紹介・クイズなど実施。来場者数 736 ト 名。 サイエンス 第5回農環研サイエンスカフェ「歌でわかる農業と外来生物」をつくば H26.3.2 カフェ 市内で開催。ウェブサイトのほか近隣の学校や地域交流センター(旧公 イーアスつくば内 民館)などにポスターやチラシを配布した。参加者数 30 名。 ウィズガーデンつ くば(つくば市) 青 少 年 つくばちび つくば市が夏休み時期に小・中学生を対象として実施するイベント「つ H25.7.23、7.24 向 け イ っ 子 博 士 くばちびっ子博士」に協力し、農環研において昆虫採集教室を実施。参 農環研 ベント 2013 加者 40 人。 79 のうかんけ 主な対象を夏休み中の小・中学生として夏期の研究所公開イベントを初 H25.7.27 ん夏休み公 めて実施。缶バッジ作成、樹脂封入標本作成、活性炭での水浄化実験、 農環研 開 顕微鏡観察、身近な虫にふれよう、 「ミニ農村」オリエンテーリングなど 多数の体験企画を開催した。来場者数 1,763 名。 つくば市などが主催する青少年対象の科学体験イベント「つくば科学フ H25.11.9-10 フェスティ ェスティバル」に出展。「つくばの農業環境 むかしといま」というテー つくばカピオ(つく バル 2013 マで、歴史的農業環境閲覧システム(HABS)や昔の写真で、今と 130 ば市) 出前授業 次世代育成のための出前授業を行い、農業や環境について、研究のおも H25.5.15 並木中等 しろさなどについて話をした。 教育校(つくば市)、 つくば科学 年前の農業環境の変化を解説した。会場入場者 16,539 人(主催者発表) H25.7.10 坂上小他 2校(栃木県上三川 町)、H25.10.17 豊 小(つくばみらい 市)、H26.1.24 春日 中(つくば市) (サマー・サイエンスキャンプを表 2-4-イに記載) 技 術 展 ア グ リビ ジ 農林水産省等が主催する技術交流展示会「アグリビジネス創出フェア 示 イ ベ ネ ス 創出 フ 2013」に参加し、開発成果のブース展示を実施。会場全体の入場者約 ント ェア 2013 35,000 人。 H25.10.23~25 東京ビッグサイト (東京都) H25.1.22 SAT テクノ つくばサイエンス・アカデミー主催の「SAT テクノロジー・ショーケ ロジー・シ ース in つくば 2014」に共催機関として参加し、世界トップポスター発 つくば国際会議場 ョーケース 表では「食の安全を守る、低カドミウム米の開発」、一般ポスター発表で (つくば市) in つ く ば は「葉面酵母の酵素を利用して生分解性プラスチックを分解する」 、「ス 2014 スキの系統地理学的研究」の発表を実施。 見学 見学者 1,175 人(イベント来場者を除く)は前年度 1,033 人を上回った。 通年(農環研) とくに高校生の見学者数は 804 人で、前年度の 340 人から大きく増加し た。 [見学の事例] 茨城県立真壁高校農業科の 1 年生ら 43 人が新規授業科目 「農業と環境」に関連した研究活動について知見を深める目的で来訪。 「農村が育む生物多様性」をテーマに研究者の講義と見学を行った。 中高生、大学生、農業者、市民団体、海外機関などの本研究所見学では、事前に見学の目的や関心分 野などを十分に聞き取り、温室効果ガス発生制御実験施設、FACE 実験水田、ミニ農村、遺伝子組換え 作物隔離ほ場、放射能測定機器、インベントリ展示館などの見学・説明、様々な環境問題とその対策技 術の解説などを行った。また、複数の研究者、広報担当者が対応を分担するなど同時に多くの見学者を 受け入れられる工夫をしたことで、とくに高校生の見学者数は 2 倍以上になった。 以上の結果、イベント参加者を含む研究所への見学者数は約 3,800 人で前年度(約 2,500 人)を大き く上回った。 また、平成 23 年度に終了した女性研究者支援モデル育成事業で成果を上げた出前授業と、一般市民 を対象とする「農環研サイエンスカフェ」を継承して実施し、研究者と国民との双方向コミュニケーシ ョンを図った。 80 写真 2-3-イ のうかんけん夏休み公開(左)、アグリビジネス創出フェア 2013(右) 本研究所公式 Web サイトについては、スマートフォン、音声ブラウザなど、さまざまな閲覧環境に 配慮する Web ページの作成に努めた。また、各部門の研究紹介、研究トピックス、研究者情報の内容 を最新のものに更新をするとともに、新規データベースの運用を開始(指標 2-3-エ参照)するなど、情 報提供を強化した。 地球温暖化への対応や有害化学物質による農作物汚染など国民の関心が高い分野の研究成果につい て、Web サイト、刊行物(P83 表 2-3-カ-1 参照)、シンポジウム・研究会(P84 表 2-3-カ-2 参照)、プ レスリリース(P85 2-3-カ-3)などを通じて、科学的かつ客観的な情報発信に努めた。 Web マガジン「情報:農業と環境」を毎月公開し、研究会・シンポジウムやイベント等の開催案内と 概要報告、環境問題の解説、国際会議の報告、論文の紹介など、適時の情報提供に努め、1 か月当たり 1 万人前後の訪問者数を維持している。平成 26 年 2 月からは、農環研のこれまでの研究・技術開発の 経過や成果を、環境問題など社会的な背景とともに総合的に紹介する「農業環境技術研究所の 30 年: 研究の系譜」 (全 10 回を予定)の連載を開始している。 ネット上の情報サービスの一つであるツイッター(Twitter)の公式アカウントを利用し、研究成果 や各種イベントの情報を多数発信した。平成 25 年度のツイート(発信)数は 1,522 件(24 年度 1,337 件)、平成 25 年度末のフォロワー(受信者)数は1年間に 684 人増加し 3,049 人となった。 表 2-3-ア 名 称 農環研機関公式 ウェブサイト 歴史的農業環境 閲覧システム (HABS) 土壌情報閲覧シ ステム(1) 、農業 統計情報メッシ ュデータ閲覧シ ステム(2) 農業環境と放射 能汚染 公開している主な Web サイトの概要(平成 25 年度) 内 容 研究所の公式サイトとして 1996 年から運用。研究所の活動や研 究成果を様々なページで提供している。 明治初期の2万分の1地図(関東地方、迅速測図)と現在の地図 や土地利用図を重ね合わせて比較し、120 年の間に農業環境がど のように変わったかを知ることができる。 (1) 全国のデジタル農耕地土壌図とともに、各土壌の解説、土壌 断面の写真や調査地点の分析データなどを提供。平成 25 年度に はスマートフォン用アプリも公開。(2) 約 1km 四方の全国メッ シュごとに農地面積、作物別栽培面積、家畜頭数などを表示し、 地域分布や経年変化を得られる。 土、水、農作物など農業環境の放射能汚染に関連する調査・研究 成果や関連情報を提供。様々な情報を集約・整理して、分かりや すく伝えることをめざしている。 81 公開時期 1996 年 のべ閲覧者数 (平成 25 年度) 1, 435,000 2008 年 4 月 460,000 (1) 2010 年 4 月、(2) 2010 年2月 234,000 2012 年 11 月 66,000 世界各地の生態系で研究者が実際に計測した気象やガスの動き に関するデータを集積・提供。温暖化研究・教育などに活用でき る。 国内の農業気象、土壌、農地利用、温室効果ガスに関するデータ を基準地域メッシュ(1km メッシュ)や測定地点を指定してダ ウンロードできるデータセンター。 日本全国の農業生態系区分データを提供するとともに、各地で得 られた生物分布情報を収集・蓄積・提供する。農業生態系におけ る多様な生物生息地の変動を解析・評価するために利用可能。 フラックス・微 気象観測データ ベース(Eco-DB) 農業環境情報デ ータセンター (gamsDB) 農業景観調査情 報 シ ス テ ム (RuLIS WEB) 1999 年 10 月 37,000 2011 年 6 月 28,000 2011 年 8 月 29,000 ● 「主要研究成果」に関する数値目標達成に向けた進捗状況(指標 2-3-ウ) 行政部局を含む第三者の意見を踏まえ、施策推進上の活用が期待される成果を「主要研究成果」とし て 2 件(「農地土壌における炭素貯留量算定システムの開発」、「茶草場の伝統的管理は生物多様性維持 に貢献」)を選定した。また、この他、平成 25 年度の研究成果のうち、特に広くアピールする意義があ ると認められる成果を「主要成果」として 36 件選定した(P 参考-15 参照)。これら選定された研究成 果は、平成 26 年度初めに「研究成果情報(第 30 集)」として刊行するとともに Web サイトにも掲載 する。 ● 研究成果のデータベース化やマニュアル化等による成果の利活用促進(指標 2-3-エ) 本研究所では、他の研究機関、行政部局、農業関係者等が活用できる農業環境情報をデータベースや マニュアルとして本研究所 Web サイトで公開するとともに、各種のイベント等で PR を図っている。 平成 25 年度には、モデル結合型作物気象データベース改訂版(11 月)、“世界の農業環境” 閲覧シ ステム(1 月)の公開、アジア・太平洋外来生物データベース(APASD)の更新・再公開(2 月) 、農業 環境中に存在する放射性核種の一般公開システムの更新と提供情報の追加(3 月)などを行った。 また、プロジェクト研究の成果の一部をまとめた「河川付着藻類を用いた農薬の毒性試験マニュアル」 を公開した(2 月)。 表 2-3-エ 名 新たに公開・拡充したマニュアルとデータベース(平成 25 年度) 称 モデル結合型作物気象データベース(改訂 版) 土壌の CO2 吸収「見える化」サイト 内 容 全国アメダス地点と地上気象観測所の気象データ(日射量や蒸散要求 量の推定値を含む)を提供。改訂版ではイネの稔実や登熟に影響を与 える微気象環境(水田水温や穂の温度)をほぼリアルタイムで算定す る機能などを追加し、イネへの気候変動影響の解析や、生育診断・高 温対策への利用を可能にした。(改訂版 11 月公開) 地図上で農地を選び、作目や有機物管理法を入力すると土壌炭素の増 減を土壌の CO2 吸収量として計算できるサイト。(10 月公開) “世界の農業環境” 閲覧システム NASA の衛星画像データ (MODIS) を可視化・加工して公開。世界 各地の農業環境の変化を簡単に比較できる。(1 月公開) 河川付着藻類を用いた農薬の毒性試験マニ ュアル 河川生態系中の一次生産者として重要な付着藻類を対象として、農耕 地から流出した除草剤のリスク評価のための毒性試験の方法をまと めた。(2 月刊行・公開) 農業環境中に存在する放射性核種の一般公 開システム(情報更新・再公開) 「主要穀類及び農耕地土壌の 90Sr と 137Cs 分析データ一般公開シス テム」などのデータを更新した。(3 月再公開) 82 写真 2-3-ア 土壌の CO2「見える化サイト」(左)、“世界の農業環境”閲覧システム(右) 論文の公表・インパクトファクター(IF) (指標 2-3-オ) ● 平成 25 年度の査読付き論文の公表件数は 174 件であり、中期目標期間の目標値の 1/5(162 件)を上 回った。研究成果の質を重視するため第 2 期から目標として導入したインパクトファクター(IF)の合 計値については 358(IF 付き論文数 117 件、うち IF3.0 以上 45 件)となり、中期計画の目標値の 1/5 (180)を達成した。(P 参考-17 参照) ● 成果の広報(指標 2-3-カ) 農環研ニュース、環境報告書等を刊行し、Web サイトでも公開した。農環研ニュースについては配布 先の拡大を目指して全国の公共図書館へのサンプル配布を行ったほか、イベント等でも積極的に配布し た。 表 2-3-カ-1 主要な刊行物(平成 25 年度) 誌名 農環研ニュース 環境報告書 研究成果情報 農のぐるり 巻号等 発行年月 発行部数 No.99~102 H25.7~26.3 2012 H24.10 200 第 29 集 H25.6 1,300 ― H25.11(増刷) 1,000 各 2,000~ 2,300 研究成果情報 第 29 集 本研究所の研究成果等を、研究成果の利用者や農業環境に興味を持つ一般の人々にアピールするため、 シンポジウム、研究会等を積極的に実施している。特に、平成 25 年度に本研究所が国立研究機関とし て設立してから 30 周年を迎えたことを契機として、例年を上回る 16 件のシンポジウム、公開セミナー、 研究会等を開催し、本研究所の全研究領域において研究成果の広報に努めた。これらの取組については、 開催案内だけでなく、講演要旨や議論の概要を Web サイトで紹介するなど、研究成果の情報を広く提 供することに努めた。 83 写真 2-3-カ 農業環境技術研究所 30 周年記念シンポジウム(左)、リモートセンシングの食糧イン テリジェンスへの戦略的利用に向けて(右) 表 2-3-カ-2 シンポジウム、公開セミナー、研究会等の開催状況(平成 25 年度) 種類 名称 参加者 委託プロジェク ト関係シンポジ ウム 国際シンポジウム「農業及び森林生態系における炭素循環の モデル化」 *共催:(独)農環研、(独)森林総研 シンポジウム、公 開セミナー等 福島の農業再生を支える放射性物質対策研究シンポジウム *主催:(独)農研機構、共催:(独)農環研 51 人 286 人 開催日 (開催場所) H25.11.12 農 環 研 大 会議室(つくば市) H25.5.15 コラッセふ くしま多目的ホール (福島県福島市) MARCO-FFTC ワークショップ「アジアにおける遺伝子組 換え食用作物のベネフィットとリスク」 83 人 MARCO ワークショップ「持続的農業生態系管理のための 環境負荷の評価と削減」 68 人 H25.10.16 ~ 10.19 つくば国際会議場(つ くば市) 「産地作物インテリジェンスへの空間情報技術の戦略的利 用に向けて」(NIAES30 周年記念ワークショップ) 94 人 H25.10.31 秋葉原コン ベンションホール(東 京都) 農業環境技術研究所公開セミナー「生き物でにぎわう豊かな 自然」(NIAES30 周年記念セミナー) 111 人 農業環境技術公開セミナーin 新潟「地球環境負荷源、「農」 からのアプローチ」 263 人 MARCO-AgMIP ワークショップ「イネの生育・収量モデル の不確実性評価と予測精度の向上」 22 人 農業環境技術研究所 30 周年記念シンポジウム「21 世紀の農 業と環境」 205 人 H25.10.8~10.10 くば国際会議場 つ H25.11.5 秋葉原コン ベンションホール(東 京都) H26.11.18 長岡リリッ クホール・シアター(新 潟県長岡市) H25.12.3 ~ 12.5 つ くば国際会議場(つく ば市) H25.12.13 新宿明治安 田生命ホール(東京都) (農業環境技術公開セミナーin 新潟について、P37 表 1-5-ア に記載) 「リモートセンシングの食糧インテリジェンスへの戦略的 H26.2.14 丸ビル・カン 利用に向けて」(NIAES30 周年記念ワークショップ) 105 人 ファレンススクウェア (東京都) 84 農業環境技術研究所公開セミナー「核酸から見えてきた農業 に関わる微生物の生態と機能」(NIAES30 周年記念ワーク ショップ) 第 13 回有機化学物質研究会「野菜における POPs 農薬残 留リスク低減技術の開発」(NIAES30 周年記念ワークショ ップ) 第 27 回気象環境研究会「農業気象分野の国際研究ネットワ ーク・プロジェクトとその連携」(NIAES30 周年記念ワー クショップ) 第 31 回土・水研究会「農作物によるカドミウム・ヒ素の吸 収とそのリスク管理」 (NIAES30 周年記念ワークショップ) 研究会 第 4 回農業環境インベントリ研究会「農薬等化学物質のリス ク評価を効率的に行うためのインベントリの構築」 (NIAES30 周年記念ワークショップ) 164 人 105 人 45 人 118 人 89 人 H26.3.7 秋葉原コンベ ンションホール(東京 都) H25.10.30 つくば国際 会 議 場 中 ホ ー ル 200 (つくば市) H25.12.2 つくば国際 会議場(つくば市) H26.2.26 つくば国際 会 議 場 中 ホ ー ル 200 (つくば市) H26.2.27 つくば国際 会 議 場 中 ホ ー ル 200 (つくば市) 平成 25 年度には、研究成果について 9 件のプレスリリースを実施した(P 参考-16 参照)。これは、 中期計画の目標値の 1/5(6 件)を大きく上回っている。このうち 1 件について記者レクチャーを実施 し、報道機関への丁寧な情報提供に努めた。また、農林水産省主催の「プレスリリースに関するスキル アップセミナー」 (2 月)に職員4人を派遣してプレスリリース技術の向上を図るなど、マスコミを通じ た情報発信の強化に努めた。 表 2-3-カ-3 研究成果等に関する主な報道(平成 25 年度) 記事見出し、記者発表タイトル等 報道時期及び主な報道 水田のメタン発生中干し延長で抑制/農環研が検証(6 月記者発 6~8 月(日本農業新聞、化学工業日報、日刊工業新聞、 表) 全国農業新聞) コメ・コムギ 3 ヶ月先の豊凶予測/農環研・海洋機構 技術手法を開 7~10 月(毎日新聞、化学工業日報、日本農業新聞、日 発(7 月記者発表) 刊工業新聞、全国農業新聞) 土壌有機物温暖化で分解加速/農環研が構造解明(8 月記者発 表) CO2 吸収量サイトを公開/農地土壌で増減予測 農環研が”見える 化”(10 月記者発表) 農環研 作物気象 DB を大幅拡充(11 月記者発表) 8 月(日刊工業新聞、日本農業新聞、化学工業日報) 10 月(日本農業新聞) 11~12 月(商経アドバイス、日本農業新聞) 土壌の情報、無料で閲覧/農環研がスマホ用ソフト(1 月記者発表) 世界の農業環境変化衛星画像で閲覧可能/農環研がシステム構築 夫(1 月記者発表) 外来生物のカワヒバリガイ/18 年に霞ヶ浦全域に/農業環境技 1 月(日本農業新聞、日経産業新聞、化学工業日報、科 学新聞) 1 月(化学工業日報、日本農業新聞) 2 月(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、 日経産業新聞、農業協同組合新聞、東京新聞、茨城新 術研予測 (1 月記者発表) 聞、常陽新聞、科学新聞) 水稲新品種/カドミウム吸収せず/農環研など登録出願「コシ 1,2 月(日本農業新聞、化学工業日報、農業共済新聞、 ヒカリ環1号」(1 月記者発表) 科学新聞) さらに、都道府県の普及指導員向けのメールマガジン「e-普及だより」を利用して、「CO2 の見える 化サイト」、「e-土壌図」について情報発信を行うなど、農業者に向けた情報発信に取り組んだ。 85 ● 知的財産化に関する研究職員への啓発や知財マネジメントの取組(指標 2-3-キ) 本研究所では、研究成果を国民に普及させる手段として、民間等との共同研究と研究成果の知的財産 化が重要な役割を果たしている。平成 25 年度には、知的財産化に関する研究職員への啓発のために、 知的財産の取り扱いに関するマニュアルを改訂し、その内容を周知するために講習会を開催した。 ● 特許出願に関する数値目標(指標 2-3-ク) 平成 25 年度の国内特許出願数は 5 件、国際出願件数は 1 件であり、中期計画の目標値の 1/5(5 件) を達成した。また、国内特許登録件数は 5 件であった。 ● 外国出願・実施許諾の取組(指標 2-3-ケ) PCT 国際出願中の特許に関して、中国で 1 件の特許査定を受け登録を行った。これにより、研究所保 有の外国特許は 4 件となった。 ● 保有特許の見直し(指標 2-3-ケ) 本研究所で保有する特許については、職務発明審査会において、費用及び実施許諾の可能性等の項目 を総合的に判断し、その特許維持についての見直しを随時行っている。平成 25 年度については、2 件 の特許について放棄を決定するとともに、現時点で実施の可能性が低いと考えられた 2 件の出願案件に つき、審査請求せず、みなし取下げとした。 ● 実施許諾に関する数値目標(指標 2-3-サ) 本研究所で保有する特許については、本研究所の Web サイトの「知的財産・技術移転に関する情報」 のページで情報提供を行うとともに、茨城県中小企業振興公社知的所有権センターが実施する技術移転 推進事業に参画し、特許情報をセンターの Web サイトで広報している。 また、 「アグリビジネス創出フェア 2013」などの技術展示イベントに積極的に参加し、特許に関する 情報提供を行った。ここでは、所内研究者だけでなく所外の共同研究者の協力も得て、装置や技術の実 演・説明を行った。この結果、複数の企業から本研究所保有特許の利用に関係する共同研究の打診があ るなど、成果の普及に向け前進があった。 平成 25 年度の実施許諾件数は 11 件であり、中期計画の目標値(毎年度 6 件以上)を上回った。実施 料収入は合計 470 千円であった。 86 評価ランク コメント 研究所の設立 30 周年を契機として、地球温暖化、生物多様性、有害化学 物質、放射性物質への対応、リモートセンシング技術の活用など、国民の 関心が高い分野について、例年を大幅に上回る公開セミナー、研究会等を 開催するとともに、会終了後、Web、誌面等で内容を分かりやすく紹介す るなど情報発信に努めている。また、優れた研究成果が農業者や一般国民 に一層認知されるよう、引き続き普及指導員向けメルマガを通じた情報発 信、公共図書館への農環研ニュースの配布拡大に取り組んでいる。さらに、 自己評価 中項目 2-3 主として小・中学生を対象とした「のうかんけん夏休み公開」を新たに実 S 施して多数の来場者を得るとともに、見学者対応の工夫により高校生の見 学者数を大きく増やすなど、次世代への科学の重要性のアピールにも力を 入れており、広報活動の大幅な強化が図られている。 主要研究成果、査読論文数、インパクトファクター、プレスリリース数 については、いずれも平成 25 年度の数値目標を達成している。また、研究 成果のマニュアル化やデータベース化にも引き続き取り組んでいる。 特許に関しては、国内特許出願件数について平成 25 年度の目標値 5 件を 達成するとともに、研究成果の知財化に関する研究職員啓発のための講習 会を開催しており、また、保有特許等の見直しや実施許諾に向けた取組を 着実に実施し、実施許諾数も 11 件と目標の 6 件を大きく上回っている。 評価ランク コメント 国民などへの研究情報発信については、各種イベントや研究所見学にお いて、双方向コミュニケーションに取り組んだほか、Webサイト「農業環 境と放射能汚染」の開設やWebマガジン「情報;農業と環境」を毎月公開 するなど、国民の関心が高い分野の情報発信を行っている。また、24年度 前年度の独 には、新たに「水田メタン発生抑制のための新たな水管理技術マニュアル」 法評価委員 などをWebサイトで公開したほか、普及指導員向けのメールマガジンでの 会評価 A 情報提供にも取り組んでいる。研究成果の発表に関しては、7件のプレスリ 中項目 リースを実施するとともに、施策推進上の活用が期待される「主要研究成 2-3 果」を行政部局等の意見も踏まえ2件選定できたほか、査読付論文数(166 報)、インパクトファクター合計値(287)、いずれも年度目標を上回ってい る。国内特許については5件の出願を行うとともに、Webサイトやイベント での情報提供にも取り組み、11件の実施許諾を行い、いずれも目標を上回 っている。また、保有特許の見直しを行い、1件の特許放棄を行ったほか、 4件の出願案件を見なし取り下げとしている。 87 4.専門研究分野を活かしたその他の社会貢献 中期目標 (1)分析、鑑定の実施 行政、民間、各種団体、大学等の依頼に応じ、研究所の高い専門知識が必要とされる分析及び鑑 定を実施する。 (2)講習、研修等の開催 講習会の開催、国公立機関、民間、大学、海外機関等外部機関からの研修生の受入れ等を行う。 (3)国際機関、学会等への協力 国際機関、学会等への専門家の派遣、技術情報の提供等を行う。 中期計画 (1)分析、鑑定の実施 行政、各種団体、大学等の依頼に応じ、研究所の高い専門知識が必要とされ、他の機関では実施 が困難な化学物質の分析、昆虫や微生物等の鑑定を実施するとともに、農業環境に係る様々な技術 相談に対応する。 (2)講習、研修等の開催 ① 農業環境に関する講習会や講演会等を開催するとともに、国及び団体等が主催する講習会や 研修会等に積極的に協力する。その際、各講習等について受講者へのアンケート調査等により 有効性等を検証し、講習内容等の改善に努める。 ② 研究成果の普及による農業環境技術の向上に貢献するため、技術講習等の制度により、国内 外の機関からの研修生を積極的に受け入れる。 (3)国際機関、学会等への協力 我が国を代表する農業環境に関する研究機関として、国際機関や国内外の学会に役員や委員とし て職員を派遣して、その運営に協力するとともに、情報の発信と収集を図る。特に、IPCC 等が開 催する国際会議には積極的に職員を派遣する。 指標 2-4-ア 2-4-イ 2-4-ウ 行政等の依頼に応じ、専門知識を必要とする分析・鑑定が適切に行われたか。 講習、研修等の開催、国等の講習への協力、研修生の受け入れ等が積極的に行われたか。 国際機関等の要請に応じた専門家の派遣、学会等への委員の派遣が適切に行われているか。 中項目実績 ●分析・鑑定・技術相談(指標 2-4-ア) 昨年度に引き続き、平成 23 年 3 月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射能汚 染調査について、農林水産省あるいは県から分析要請を受け、ゲルマニウム半導体検出器等を用いて多 数の農作物や土壌等の放射性物質濃度の分析を行い、食品安全の確保等に大きく貢献した。また、行政、 公設農業試験場等からの依頼に応じて、本研究所が有する高度な専門的知識が必要とされ他の機関では 実施が困難な昆虫の鑑定など 5 件の分析・鑑定を実施するとともに、農業環境に関わる様々な技術相談 に対応した。 分析鑑定については、本研究所の「依頼を受けて行う分析及び鑑定実施要領」 (H19.3.27 決定)によ 88 り、平成 19 年度から、国、地方公共団体、他独法、大学等の公的機関からの依頼を除き、原則として、 分析・鑑定に要した実費相当額を対価として徴収しているが、平成 25 年度の徴収額はなかった。また、 技術相談については、地球温暖化緩和、外来生物の防除、農薬の生態リスク評価、生分解性マルチの分 解制御等多数の相談があり、それぞれ担当の研究者等が対応した。 表 2-4-ア 区 分 分析・鑑定 技術相談 分析・鑑定及び技術相談の事例(平成 25 年度) 内 容 依頼者 リンゴの新梢及び幼果を加害した害虫の分析・鑑定等 公設農業試験場 アラゲキクラゲ菌床を食害する害虫の分析・鑑定等 公設農業試験場 イネ科牧草・サトウキビで多発しているヨトウムシ類の分析・鑑 公設農業試験場・ 定等 地方公共団体 温暖化緩和策の LCA 評価について 大学 モデル結合型作物気象 DB の活用法と加工データの提供について 大学 収穫 3 ヶ月前豊凶予測について 独立行政法人、マスコミ 生物多様性調査・評価マニュアルを活用した調査結果について 地方公共団体 特定外来生物オオハンゴンソウの管理計画について 地方公共団体 霞ヶ浦におけるカワヒバリガイについて 地方公共団体、土地改良区 PCR-DGGE 解析手法について 企業 生分解ブラスチックの分解酵素について 企業 水稲のヒ素吸収特性について 公設農試 ネオニコチノイド系農薬の物理化学生物学的性質について 大学 農薬の生態リスク評価について 企業 河川水中農薬のモニタリングについて 公設農試 炭素窒素動態モデル開発について 公設農試 地球観測衛星の農業利用について 独立行政法人、企業 土壌情報閲覧システムについて 地方公共団体、大学、企業等 ●講習、研修等の開催、講師派遣、研修生の受入等(指標 2-4-イ) 所外向けに 6 件の講習、研修等を実施し、延べ約 240 人の参加を得た。 本研究所では、以前から「土壌調査法現地研修会」を開催し、都道府県の土壌調査担当者のレベルア ップに重要な役割を果たしてきたが、近年では、農耕地土壌の炭素含量を測定するための調査・サン プリング手法の普及を行っており、我が国の地球温暖化対策へ土壌炭素蓄積手法を導入する政策の推 進にも貢献している。平成 25 年度は、「土壌炭素調査法現地検討会」と称して(独)農研機構と共催で開 催した。このほか、平成 25 年度には、国及び都道府県の農業関係研究機関の研究者に研究に必要な数 理統計手法の講義を行う「数理統計研修」、農林水産省プロジェクト研究『土壌微生物相の解析による 土壌生物性の解析技術の開発』で策定した PCR-DGGE 解析法標準マニュアル及び農耕地 eDNA データ ベース (eDDASs)を広く普及させることを目的とした農林交流センターワークショップ「PCR-DGGE による土壌微生物相解析」などを開催した。 89 表 2-4-イ 本研究所が実施した所外向け講習会・研修会等(平成 25 年度) 講習会・研修会等 講習会・研修会の内容等 開催日・場所 名称 受講者 (人) 土壌炭素調査法現 地検討会 農業関係研究開発法人及び公設農試の土壌肥料研究者等の資 H25.11.14~15 質向上を目指して、特に、IPCC ガイドラインで定められた深さ 〈独〉農研機構畜 30cm までの土壌層の炭素含量の調査・サンプリング手法の習得 草研那須研究拠点 91 人 を主な目的とし、農研機構畜草研那須研究拠点の黒ボク土及び低 地土を対象に現地研修を実施。農環研から 4 人の研究者が講師等 として参加。 数理統計短期集合 研修 *主催:農環研、農研機構 農林水産研究における数理統計手法の基礎、応用に関する講 義・演習を実施。農研機構主催、農環研等共催で実施。 基礎編 H25.11.11 80 人 ~15(つくば市) 応用編 H25.11.18 ~22(つくば市) 第 171 回農林交流 気象を専門としない農業研究者を対象として、作物の圃場試験 H25.6.12~14 センターワークシ において気温を正しく観測して利用するために必要な一連の知 筑波農林交流セン ョップ「圃場試験 識と技法を総合的に習得できるよう、気象観測技法の実習、観測 ター における気温の観 データの解析法の講義等を実施。農林水産技術会議事務局筑波事 測技法と利用」 務所が農業関係研究開発法人等と共催で実施。 第 174 回農林交流 平成 22 年度に終了した農林水産省プロジェクト研究「土壌微 H25.8.29~30 センターワークシ 生物相の解析による土壌生物性の解析技術の開発」で策定した 筑波農林交流セン ョップ PCR-DGGE 解析法標準マニュアルに則って微生物相解析ができ ター 「PCR-DGGE に るよう、土壌細菌 DNA 抽出及び DGGE の各手順の実習等を実 よる土壌微生物相 施。農林水産技術会議事務局筑波事務所が農業関係研究開発法人 解析」 等と共催で実施。 第 176 回農林交流 受講者が自力で系統樹を推定するために必要な技法を習得で H25.11.6~11.8 15 人 18 人 30 人 センターワークシ きるよう、分子系統樹の的確に推定に必要な基礎的理論の講義、 筑波農林交流セン ョップ「分子系統 PC を用いたデータ解析・プログラミングのコンピュータ実習等 学の理論と実習」 を実施。農林水産技術会議事務局筑波事務所が農業関係研究開発 サマー・サイエン 高校生等のための科学技術体験合宿プログラムで、科学技術振興 H25.8.7~9 10 人 機構主催、農環研等共催で実施。平成 25 年度、本研究所では 「土 (農環研) (高校 ター 法人等と共催で実施。 スキャンプ 壌中で生活している線虫などの土壌動物を観察してみよう」をテ ーマとして実施。 写真 2-4-イ 土壌炭素調査法現地検討会(土壌モノリス採取の実演) 90 生) 依頼研究員制度及び技術講習制度により、他の試験研究機関、大学、民間等から、講習生や研究員を 受け入れた。また、インターンシップ制度による就業体験のために、大学から学生を受け入れた(P36 表 1-5-ア-1 参照)。なお、依頼研究員及び技術講習生の受入に当たっては、本研究所の「依頼研究員及び 技術講習等受入に関する経費の取扱要領」(平成 18 年 3 月 31 日決定)により、平成 18 年度から、国、 地方公共団体、他独法、大学等の公的機関からの依頼を除き、原則として、実費相当額を対価として徴 収しており、平成 25 年度は、企業から 2 日間受け入れた 1 件において、実費相当額として 7 千円徴収 した。 また、各種フェローシップに基づいて、海外からの研究員・学生の受入を実施した(P41 表 1-6-ア、 イ参照)。 ●国際機関、学会等への協力(指標 2-4-ウ) 国際機関等への協力として、農業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライア ンス(GRA)、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、世界土壌パートナーシップ(GSP)及び GSP に対して科学技術的な助言を行う土壌に関する政府間技術パネル(ITPS)等に延べ 20 人の研究職員の 派遣等を実施した。 GRA に関しては水田研究グループの共同議長として引き続き貢献しているほか、IPCC の排出係数編 集委員会委員、湿地補足ガイドライン著者、京都議定書補足ガイドライン査読編集者、ITPS 委員、GSP のワーキンググループと「世界土壌資源白書」編集委員に農環研研究者が選出され、環境政策での国際 的な基準作りに貢献している。また、IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策 プラットフォーム)、国際ネットワークである AgMIP(農業モデルの相互比較と改良プロジェクト)等の会合に 研究者を派遣した。 表 2-4-ウ 国際機関等への協力(平成 25 年度) 内 容 参加人数 GRA に関する会議(グループ会合等) 8 IPCC 京都議定書補足ガイドライン主執筆者会合 1 第 37 回 IPCC 総会 1 IPCC 湿地補足ガイドライン主執筆者会合 1 WMO 農業気象委員会マネージメントグループ会合 1 生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)第 2 回総会 2 世界土壌パートナーシップ(GSP)第 1 回総会 1 土壌に関する政府間技術パネル(ITPS)会合 1 GSP「世界土壌資源白書」編集委員会 1 農業モデルの相互比較と改良プロジェクト(AgMIP)東アジア地域キックオフワークショップ 1 G8 農業大臣会合に向けた食料安全保障専門家会合 1 OECD 専門家会合「産業横断的窒素バランスと指標」 1 学会関係では、本研究所の職員延べ 158 人が学会等の役員や委員としてその運営に協力した。 91 評価ランク コメント 前年度に引き続き、東京電力福島第一原子力発電所事故にともない農林 水産省等から要請のあった多数の農作物や土壌等の放射性物質濃度を測 自己評価 中項目 2-4 定・報告したほか、害虫の同定を行うなど、専門知識を必要とする分析・ A 鑑定が適切に行われている。 また、講習、研修会の開催や技術講習生・依頼研究員の受入等が積極的 に行われており、国内外の研究者・技術者の人材育成に貢献している。 さらに、IPCC などの国際機関に対してのべ 20 人の職員を派遣するなど 積極的な協力・貢献を行っている。 評価ランク コメント 専門分野を活かした社会貢献については、引き続き、東京電力福島第一 原子力発電所事故に伴う放射能汚染に対応して、農林水産省等の要請に基 前年度の独 づき農作物や土壌など、昨年度を上回る5,000点以上の試料の放射性物質濃 法評価委員 度の分析を実施している。また、都道府県の土壌調査担当者向けの農耕地 会評価 A 土壌の炭素含量を測定するための調査・サンプリング手法等に関する研修 中項目 を実施したほか、専門的知識を必要とする昆虫などの鑑定や依頼研究員等 2-4 の受け入れを実施している。また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC) の排出係数編集委員会や学会への委員派遣も実施している。なお、分析・ 鑑定の実施及び依頼研究員等の受入れに際しては、規程に基づき実費相当 額の対価を徴収することとしている。 92 第3 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画 中期目標 1.収支の均衡 適切な業務運営を行うことにより、収支の均衡を図る。 2.業務の効率化を反映した予算計画の策定と遵守 「第2 業務運営の効率化に関する事項」及び上記1.に定める事項を踏まえた中期計画の予算 を作成し、当該予算による運営を行う。 3.自己収入の確保 受益者負担の適正化、特許使用料の拡大等により自己収入の確保に努める。 4.保有資産の処分 施設・設備のうち不要と判断されるものを処分する。また、その他の保有資産についても、利用 率の改善が見込まれないなど、不要と判断されるものを処分する。 中期計画 1.予算 平成 23 年度~平成 27 年度予算 [人件費の見積り] 期間中総額 6,997 百万円を支出する。 ただし、上記の額は、総人件費改革の削減対象から除くこととする任期付研究者等に係る人件費を 除いた額である。 なお、上記の削減対象とされた人件費と総人件費改革の削減対象から除くこととする任期付研究者 等に係る人件費を合わせた総額は、7,395 百万円である。(競争的資金、受託研究資金又は共同研究 のための民間からの外部資金並びに国からの委託費、補助金の獲得状況等により増減があり得る。) また、上記の額は、役員報酬並びに職員基本給、職員諸手当、超過勤務手当、休職者給与及び国際 機関派遣職員給与に相当する範囲の費用であり、今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分は含んでい ない。 2.収支計画 平成 23 年度~平成 27 年度収支計画 3.資金計画 平成 23 年度~平成 27 年度資金計画 4.自己収入の確保 特許実施許諾を促進するとともに、依頼分析・依頼鑑定、依頼研究員受入についてコストに見合う 費用を徴収することなどにより自己収入の確保に努める。なお、受益者負担については、適宜見直し を行い適正な水準に設定する。 5.保有資産の処分 既存の施設・設備等保有資産のうち、利用率の改善が見込まれないなど不要と判断されるものを処 分する。 93 指標 3-1-ア 業務運営の効率化に関する事項及び法人経営に係る具体的方針に基づき、法人予算全体の人件費(業績評価を 勘案した役員報酬を含む) 、業務経費、一般管理費等法人における予算配分について、明確な配分方針及び実績 が示されているか。 3-1-イ 研究業務の一部を外部委託した場合、外部委託の考え方と外部委託費の内訳が明記されているか。 3-1-ウ 運営費交付金の未執行率が高い場合、その要因を明確にしているか。 3-1-エ 利益剰余金について、その財源ごとに発生要因を明確にし、適切に処理されているか。目的積立金の申請状況 と申請していない場合は、その理由が明確にされているか。 3-1-オ 会計検査院、政独委等からの指摘に適切に対応しているか。(他の評価指標の内容を除く) 3-4-ア 法人における知的財産権等の実施料収入等、自己収入増加に向けた取り組みが行われ、その効果が現れている か。 3-5-ア 保有の必要性等の観点から、保有資産の見直しを行っているか。また、処分することとされた保有資産につい て、その処分は進捗しているか。 3-5-イ 施設・設備のうち不要と判断されたものについて、処分損失等にかかる経理処理が適切になされているか。 1.予算配分方針(指標 3-1-ア) 業務運営における運営費交付金については、業務の見直し及び効率化を進め、事業費は前年度比で一 般管理費 3%、業務経費 1%の抑制、人件費については平成 17 年度と比較して全体の人件費について 6% 以上の削減を行うことを基本とし、これらの効率化等を実施しつつ、平成 25 年度計画の効果的・効率 的な達成を図った。 予算配分については本研究所の予算管理・運営委員会で検討を行い所議で決定している。平成 25 年 度については、前年度比 2.6%削減に対応する「平成 25 年度運営費交付金予算配分方針」を定め、課題 評価結果を反映させた重点配分を行うとともに、必要やむを得ない費目や重点配分経費(P20 指標 1-3ア参照)を除きすべての費目について抜本的な見直しを行い予算の圧縮を図った。 2.予算、収支計画及び資金計画 (1)予算 中期計画 平成 23 年度~平成 27 年度予算 (単位:百万円) 区 収 分 金 入 14,498 運営費交付金 544 施設整備費補助金 3,556 受託収入 7 諸収入 18,605 計 支 額 出 3,824 業務経費 544 施設整備費 受託経費 3,556 一般管理費 1,560 94 9,122 人件費 18,605 計 [人件費の見積り] 期間中総額 6,997 百万円を支出する。 ただし、上記の額は、総人件費改革の削除対象から除くこととする任期付研究者等に係る人件費を 除いた額である。 なお、上記の削減対象とされた人件費と総人件費改革の削除対象から除くこととする任期付研究者 等に係る人件費を合わせた総額は、7,395 百万円である。 (競争的資金、受託研究資金又は共同研究の ための民間からの外部資金並びに国からの委託費、補助金の獲得状況等により増減があり得る。) また、上記の額は、役員報酬並びに職員基本給、職員諸手当、超過勤務手当、休職者給与及び国際 機関派遣職員給与に相当する範囲の費用であり、今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分は含んでい ない。 [運営費交付金算定のルール] 1.平成 23 年度は、次の算定ルールを用いる。 運営費交付金=(前年度一般管理費×α×δ} +{(前年度業務経費-B)×β×δ} +人件費 -諸収入 人件費={前年度人件費(退職手当、福利厚生費を除く。 )×人件費抑制係数(0.99) ×給与改定率(0.985)}+退職手当+福利厚生費 B=勧告の方向性を踏まえて効率化する額 諸収入=運営費交付金を財源として実施する事務・事業から生じるであろう自己収入の見積額 α:一般管理費の効率化係数(0.97) β:業務経費の効率化係数(0.99) δ:消費者物価指数(平成 21 年度全国平均)(0.983) 2.平成 24 年度以降については、次の算定ルールを用いる。 運営費交付金(y)={A(y-1)×α×δ}+{B(y-1)×β×δ} +{人件費(退職手当、福利厚生費を除く。)×γ +退職手当+福利厚生費}±ε - 諸収入 A(y-1) :直前の年度における一般管理費相当分 B(y-1) :直前の年度における業務経費相当分 α:一般管理費の効率化係数 β:業務経費の効率化係数 γ:人件費抑制係数 δ:消費者物価指数 ε:各年度の業務の状況に応じて増減する経費 諸収入:運営費交付金を財源として実施する事務・事業から生じるであろう自己収入の見積額 人件費=基本給等+休職者給与・国際機関派遣職員給与 95 基本給等=前年度の(基本給+諸手当+超過勤務手当)×(1+給与改定率) 諸収入=直前の年度における諸収入×ω ω:収入政策係数(過去の実績を勘案し、各事業年度の予算編成過程において、当該事業 年度における具体的な係数値を決定。) (注) 消費者物価指数及び給与改定率については、運営状況等を勘案した伸び率とする。ただし、 運営状況等によっては、措置を行わないことも排除されない。 [注記]前提条件 1.期間中の効率化係数を一般管理費については年 97%、業務経費については年 99%と推定。な お、24 年度以降の人件費抑制係数については、100%と推定。 2.給与改定率及び消費者物価指数についての伸び率をともに 0%と推定。 3.収入政策係数についての伸び率を 0%と推定。 4.勧告の方向性を踏まえて効率化する額は、54,074 千円とする。 5.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 平成 25 年度予算及び決算 区 分 収入 前年度よりの繰越金 運営費交付金 施設整備費補助金 受託収入 諸収入 計 (単位:百万円) 予算額 支出 業務経費 施設整備費 受託経費 試験研究費 管理諸費 一般管理費 人件費 計 決算額 49 2,730 2,735 711 1 6,227 49 2,730 2,082 672 1 5,534 757 2,735 711 640 71 304 1,719 6,227 817 2,082 635 564 72 285 1,698 5,518 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 (注 1)「前年度よりの繰越金」の予算額は、平成 25 年度に繰越となった人件費を計上した。 (注 2)施設整備費補助金の予算額は、平成 25 年度に繰越となった平成 24 年度補正予算による施設整備費補助金予 算及び平成 25 年度施設整備費補助金予算を計上した。 (注 3)受託収入決算額の内訳は、次のとおりである。 636 百万円 (平成 24 年度 639 百万円) ①政府受託研究収入 530 百万円 (平成 24 年度 519 百万円) ②その他の受託研究収入 106 百万円 (平成 24 年度 120 百万円) 2 百万円 (平成 24 年度 2 百万円) 34 百万円 (平成 24 年度 34 百万円) (1)受託研究収入 (2)政府外受託出張収入 (3)その他受託収入 (注 4)受託収入及び受託経費が予算額を下回っているのは、受託契約額が減少したためである。 96 (2)収支計画 中期計画 平成 23 年度~平成 27 年度収支計画 (単位:百万円) 区 分 金 18,628 費用の部 18,628 経常費用 人件費 9,122 業務経費 3,518 受託経費 3,443 一般管理費 1,559 減価償却費 986 財務費用 0 臨時損失 0 18,600 収益の部 14,192 運営費交付金収益 7 諸収入 3,556 受託収入 845 資産見返負債戻入 0 臨時利益 純 額 利 益 △28 前中期目標期間繰越積立金取崩額 86 総 58 利 益 [注記] 1.収支計画は、予算ベースで作成した。 2.当法人における退職手当については、役員退職手当支給規程及び職員退職手当支給規程に基づ いて支給することとなるが、その全額について運営費交付金を財源とするものと想定してい る。 3.「受託収入」は、農林水産省及び他府省の委託プロジェクト費等を計上した。 4.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 97 平成 25 年度収支計画及び決算 区 分 費用の部 経常費用 人件費 業務経費 受託経費 一般管理費 減価償却費 財務費用 雑損 臨時損失 収益の部 運営費交付金収益 施設費収益 諸収入 受託収入 資産見返負債戻入 財務収益 臨時利益 純利益 前中期目標期間繰越積立金取崩額 総利益 計画額 3,672 3,672 1,719 730 689 304 230 0 - 0 3,662 2,751 - 1 711 198 - 0 △10 19 8 (単位:百万円) 決算額 3,582 3,582 1,698 831 618 248 183 - 3 0 3,604 2,642 135 1 672 154 0 0 22 18 40 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 ※前中期目標期間繰越積立金取崩額は、前中期目標期間において自己財源で取得した固定資産の減価償却費が費用計 上されることに伴う前中期目標期間繰越積立金の取崩額。 (注)受託収入及び受託経費が計画額を下回っているのは、受託契約額が減少したためである。 (3)資金計画 中期計画 平成 23 年度~平成 27 年度資金計画 (単位:百万円) 区 分 金 額 資金支出 業務活動による支出 投資活動による支出 財務活動による支出 次期中期目標の期間への繰越金 18,605 17,642 963 0 0 資金収入 業務活動による収入 運営費交付金による収入 受託収入 その他の収入 投資活動による収入 施設整備費補助金による収入 その他の収入 財務活動による収入 その他の収入 18,605 18,061 14,498 3,556 7 544 544 0 0 0 98 [注記] 1.資金計画は、予算ベースで作成した。 2.「受託収入」は、農林水産省及び他府省の委託プロジェクト費等を計上した。 3.「業務活動による収入」の「その他の収入」は、諸収入額を記載した。 4.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 平成 25 年度資金計画及び決算 区 分 資金支出 業務活動による支出 投資活動による支出 (単位:百万円) 計画額 決算額 6,227 4,897 3,441 3,438 2,785 958 1 0 6,227 3,443 2,730 711 1 2,735 2,735 0 0 0 49 財務活動による支出 次年度への繰越金 資金収入 業務活動による収入 運営費交付金による収入 受託収入 その他の収入 投資活動による収入 施設整備費補助金による収入 その他の収入 財務活動による収入 その他の収入 前年度よりの繰越金 3 498 4,897 3,615 2,730 884 1 940 940 - - - 342 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 (注)施設整備費補助金による収入及び投資活動による支出が計画額を下回っているのは、契約額が減少したためである。 4)予算・決算の概況 平成 25 年度以前 5 年間の推移 区 分 (単位:百万円) 平成 21 年度 予算 決算 平成 22 年度 予算 決算 116 116 3,155 3,066 3,066 平成 23 年度 予算 決算 平成 24 年度 予算 決算 予算 平成 25 年度 決算 差額理由 49 49 3,097 2,845 2,730 2,730 収入 前年度よりの繰越金 運営費交付金 3,155 3,097 2,705 うち補正予算による追加 - - - - 80 80 - - - - 施設整備費補助金 80 79 127 126 132 138 430 406 2,735 2,082 農業生産地球温暖化総合対策 - 163 - - - - - - - - 科学技術総合推進費補助金 - 11 - 24 - - - - - - 生産環境総合対策事業推進費 - - - - - 21 - 14 - - 科学技術戦略推進費補助金 - - - - - 5 - - - - 科学技術人材育成費補助金 - - - - - 19 - - - - 受託収入 931 1,504 931 1,361 711 969 711 676 711 672 諸収入 臨時収入 計 支出 3 4 3 3 1 4 1 0 1 1 工事簡素化・効率 化に伴う減 事業補助金 補助金 受託研究契約額の 減 - - - - - - - - - - 4,169 4,915 4,243 4,696 3,942 4,252 3,988 3,801 6,227 5,534 99 業務経費 うち農産物等放射性物質 調査・分析体制強化事業 施設整備費 864 958 856 906 860 891 769 863 757 817 - - - - 80 80 - - - - 80 79 127 126 132 138 430 406 2,735 2,082 工事簡素化・効率 化に伴う減 農業生産地球温暖化総合対策 事業 - 161 - - - - - - - - 科学技術総合推進費 - 8 - 18 - - - - - - 生産環境総合対策事業推進費 - - - - - 21 - 14 - - 科学技術戦略推進費 - - - - - 5 - - - - 科学技術人材育成費 - - - - - 19 - - - - 受託経費 931 1,488 931 1,335 711 933 711 639 711 635 一般管理費 人件費 358 270 347 277 331 213 320 276 304 285 1,934 1,722 1,982 1,783 1,908 1,859 1,757 1,579 1,719 1,698 4,169 4,686 4,243 4.447 3,942 4,079 3,988 3,777 6,227 5,518 受託研究契約額の 減 計 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。 (5)研究業務の外部委託(指標 3-1-イ) 運営費交付金で実施するプロジェクト研究においては、研究業務の外部委託は行っていない。 農林水産省委託プロジェクト研究等の受託研究においては、本研究所が代表機関となり応募・採択さ れた研究プロジェクトについて参画研究機関への外部委託を行った。なお、参画研究機関がコンソーシ アム(民法上の任意組合)を設立し共同して受託することが可能となった農林水産省委託プロジェクト 研究等においては、平成 23 年度から外部委託は行っていない。 3.簡潔に要約された財務諸表 ①貸借対照表(財務諸表 P.1 を参照) 資産の部 流動資産 現金及び預金 未収金 その他 固定資産 有形固定資産 無形固定資産 特許権 その他 資産合計 (単位:百万円) 金額 1,834 498 1,331 4 32,926 負債の部 流動負債 運営費交付金債務 未払金 その他 固定負債 32,903 23 リース負債 資産見返負債 4 708 10 13 資産除去債務 負債合計 純資産の部 資本金 政府出資金 資本剰余金 利益剰余金 純資産合計 25 2,570 金額 34,353 34,353 -2,268 104 32,189 34,759 負債純資産合計 100 金額 1,833 159 1,354 320 738 34,759 ②損益計算書(財務諸表 P.2 を参照) (単位:百万円) 金額 経常費用(A) 3,582 研究業務費 3,212 人件費 1,780 減価償却費 182 その他 1,250 一般管理費 366 人件費 265 減価償却費 4 その他 97 雑損 3 経常収益(B) 3,604 運営費交付金収益 2,642 施設費収益 135 自己収入等 673 その他 154 臨時損益(C) - その他調整額(D) 18 当期総利益(B-A+C+D) 40 ③キャッシュ・フロー計算書(財務諸表 P.3 を参照) (単位:百万円) 金額 Ⅰ業務活動によるキャッシュ・フロー(A) 178 人件費支出 -1,956 運営費交付金収入 2,730 自己収入等 885 その他支出 -1,482 Ⅱ投資活動によるキャッシュ・フロー(B) -18 Ⅲ財務活動によるキャッシュ・フロー(C) -3 Ⅳ資金増加額(D=A+B+C) 156 Ⅴ資金期首残高(E) 342 Ⅵ資金期末残高(F) 498 ④行政サービス実施コスト計算書(財務諸表 P.4 を参照) (単位:百万円) 金額 Ⅰ業務費用 2,929 損益計算書上の費用 3,582 (控除)自己収入等 -653 (その他の行政サービス実施コスト) 486 Ⅱ損益外減価償却相当額 277 Ⅲ損益外利息費用相当額 0 Ⅳ損益外除売却差額相当額 104 Ⅴ引当外賞与見積額 12 Ⅵ引当外退職給付増加見積額 -107 101 200 3,415 Ⅶ機会費用 Ⅷ行政サービス実施コスト ■ 財務諸表の科目(主なもの) ① 貸借対照表 現 金 及 び 預 金 :現金、小口現金、預金など た な 卸 資 産 :未成受託研究支出金 未 収 金 :施設費に関連する債権 有 形 固 定 資 産 :土地、建物、構築物、工具器具備品など当法人が長期にわたって使用又 は利用する有形の固定資産 無 形 固 定 資 産 :特許権、ソフトウェア、電話加入権、工業所有権仮勘定など具体的な形 態を持たない無形固定資産等 運営費交付金債務:独立行政法人の業務を実施するために国から交付された運営費交付金 のうち、未実施の部分に該当する債務残高 未 払 金 :施設工事で発生した債務残高 資 産 見 返 負 債 :中期計画の想定の範囲内で、運営費交付金により独立行政法人があらか じめ特定し、当該資産の償却に対応して取り崩される債務残高 資 産 除 去 債 務:有形固定資産の取得時に生じ、当該有形固定資産の除去に関して契約で 要求される法律上の義務 政 府 出 資 金 :国からの出資金であり、独立行政法人の財産的基礎を構成 資 本 剰 余 金 :国から交付された施設費や寄付金などを財源として取得した資産で独 立行政法人の財産的基礎を構成するもの 利 益 剰 余 金 :独立行政法人の業務に関連して発生した剰余金の累計額 ② 損益計算書 研 究 業 務 費 :独立行政法人の研究業務に要した費用 人 件 費 :給与、賞与、法定福利費等、独立行政法人の職員等に要する経費 減 価 償 却 費 :業務に要する固定資産の取得原価をその耐用年数にわたって費用とし て配分する経費 運営費交付金収益:国から交付された運営費交付金のうち、当期の収益として認識した収益 施 設 費 収 益 :国から交付された施設費補助金のうち、固定資産の取得原価を構成しな い経費に対応した収益 自 己 収 入 等 :事業収益、受託収入などの収益 臨 時 損 益 :固定資産の除売却損益等 そ の 他 調 整 額 :前中期目標期間繰越積立金の取崩額 ③ キャッシュ・フロー計算書 業務活動によるキャッシュ・フロー:独立行政法人の通常の業務の実施に係る資金の状態を 表し、サービスの提供等による収入、原材料、商品又はサービスの購入 による支出、人件費支出等 投資活動によるキャッシュ・フロー:将来に向けた運営基盤の確立のために行われる投資活 動に係る資金の状態を表し、施設費による収入、固定資産の取得による 支出 財政活動によるキャッシュ・フロー:ファイナンス・リースの返済による支出 ④ 行政サービス実施コスト計算書 業 務 費 用 :独立行政法人が実施する行政サービスコストのうち、独立行政法人の損 益計算書に計上される費用 その他の行政サービス実施コスト:独立行政法人の損益計算書に計上されないが、行政サー ビスの実施に費やされたと認められるコスト 損益外減価償却相当額:償却資産のうち、その減価に対応すべき収益の獲得が予定されない ものとして特定された資産の減価償却費相当額(損益計算書には計上し ていないが、累計額は貸借対照表に記載されている) 損益外利息費用相当額:時の経過による資産除去債務の調整額(損益計算書には計上してい ないが、累計額は貸借対照表に記載されている) 損益外除売却差額相当額:固定資産のうち、その減価に対応すべき収益の獲得が予定されな いものとして特定された資産の除売却差額相当額(損益計算書には計上 102 していないが、累計額は貸借対照表に記載されている) 引当外賞与見積額:財源措置が運営費交付金により行われることが明らかな場合の賞与引当 金見積額(損益計算書には計上していないが、仮に引き当てた場合に計 上したであろう賞与引当金見積額を貸借対照表に注記している) 引当外退職給付増加見積額:財源措置が運営費交付金により行われることが明らかな場合の 退職給付引当金増加見積額(損益計算書には計上していないが、仮に引 き当てた場合に計上したであろう退職給付引当金見積額を貸借対照表に 注記している) 機 会 費 用 :国又は地方公共団体の財産を無償又は減額された使用料により賃貸した 場合の本来負担すべき金額など 4.財務情報 (1)財務諸表の概況 ① 経常費用、経常収益、当期総損益、資産、負債、剰余金及びキャッシュ・フローなどの主要な財 務データの経年比較・分析(内容・増減理由) (経常費用) 平成 25 年度の経常費用は 3,582 百万円と、前年度比 103 百万円増(3.0%増)となっている。 これは、退職者数の増により人件費総額が前年度比 82 百万円増(4.2%増)したことが主な原 因である。なお、図書印刷費は 12 百万円減(13.1%減)となっている。 (経常収益) 平成 25 年度の経常収益は 3,604 百万円と、前年度比 128 百万円増(3.7%増)となってい る。これは、施設改修に伴う施設費収益が 135 百万円増となっていることが主な要因である。 なお、受託収入が前年度比 4 百万円減(0.6%減)となっている。 (当期総損益) 上記経常損益の状況及び臨時損失として固定資産除却損 0.3 百万円、臨時利益として資産 見返負債戻入 0.3 百万円の計上を行った。また、前中期目標期間繰越積立金を 18 百万円取 崩し、最終的な当期総利益は 40 百万円、前年度比 15 百万円増(63.0%増)となっている。 (資産) 平成 25 年度末現在の資産合計は 34,759 百万円と、前年度末比 2,803 百万円増(8.8%増) となっている。これは、建物及び構築物について、施設改修工事に伴い資産が増加したため である。 (負債) 平成 25 年度末現在の負債合計は 2,570 百万円と、前年度末比 1,215 百万円増(89.7%増) となっている。これは、施設改修工事の完成に伴い、施工業者への未払金による債務残が主 な要因である。 (業務活動によるキャッシュ・フロー) 平成 25 年度の業務活動によるキャッシュ・フローは 178 百万円と、前年度比 161 百万円 増(998.0%増)となっている。これは、運営費交付金収入・受託収入の収入総額が対前年 度比 140 百万円増(4.2%増)によるものと人件費支出の支出総額が前年度比 108 百万円減 となっている。また、原材料、商品又はサービスの購入による支出が 69 百万円増(5.8%増) になったことが主な要因である。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 平成 25 年度の投資活動によるキャッシュ・フローは△18 百万円と、前年度比 146 百万円 増となっている。これは、固定資産の取得による支出が前年度比 513 百万円増(115.5%増) によるものと施設費による収入が前年度比 659 百万円増(234.9%増)となったことが主な 要因である。 (財政活動によるキャッシュ・フロー) 平成 25 年度の財政活動によるキャッシュ・フローは△3 百万円と、前年度比 2 百万円減と なっている。これは、当年度新規リース契約に伴いリース債務の返済による支出が増加した 103 ためである。 表 主要な財務データの経年比較 (単位:百万円) 区 経常費用 経常収益 当期総利益 利益剰余金 資産 負債 分 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 4,615 4,612 10 135 33,699 1,642 438 -232 - 687 4,382 4,957 592 713 33,536 1,494 472 -209 -2 947 4,023 4,006 22 85 32,310 1,430 -305 -152 - 491 3,479 3,476 24 82 31,956 1,355 16 -164 -1 342 3,582 3,604 40 104 34,759 2,570 178 -18 -3 498 業務活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー 資金期末残高 (注1)平成 25 年度の「資産」の増は、施設整備費補助金による研究本館耐震改修工事等によるものである。 (注2)平成 24 年度の「経常費用」「経常収益」の減は、給与減額措置等に伴う人件費支出の減によるものである。 (注3)平成 23 年度の「業務活動によるキャッシュ・フロー」の減は、第 2 期中期目標期間終了に伴う運営費交付金 の国庫納付によるものである。 (注4)平成 22 年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」の増は、不要財産の国庫納付によるものである。 ② セグメント事業損益の経年比較・分析 当法人は、単一セグメントとしており、該当ありません。 ③ セグメント総資産の経年比較・分析 当法人は、単一セグメントとしており、該当ありません。 ④ 目的積立金の申請・承認の内容、取崩内容等 当期総利益の主な発生要因は、当年度受託収入を財源として取得した資産の額 51 百万円から、当 中期目標期間までに受託収入を財源として取得した固定資産に係る減価償却費 31 百万円を控除した 額 21 百万円である。平成 25 年度における諸収入の決算額は、その収入の性質から目的積立金とし て申請していない。また、前中期目標期間繰越積立金取崩額 18 百万円は、前中期目標期間に取得し た資産相当額であり、当中期目標期間において収益計上されることに伴い、減価償却費相当額との 損益均衡を図るため、取り崩すべき積立金として平成 23 年 6 月 30 日付けにて農林水産大臣から承 認を受けた 129 百万円から取り崩したものである。 ⑤ 行政サービス実施コスト計算書の経年比較・分析(内容・増減理由) 平成 25 年度の行政サービス実施コストは 3,415 百万円と、前年度比 346 百万円減(9.2%減) となっている。これは、耐用年数の到来した固定資産の増加等により損益外減価償却相当額が 前年度比 405 百万円減(59.4%減)となったことが主な要因である。 104 表 行政サービス実施コストの経年比較 (単位:百万円) 区 分 業務費用 うち損益計算書上の費用 うち自己収入等 損益外減価償却等相当額 損益外減価償却相当額 損益外減損損失相当額 損益外利息費用相当額 損益外除売却差額相当額 引当外賞与見積額 引当外退職給付増加見積額 機会費用 平成 21 年度 行政サービス実施コスト 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 3,126 4,639 -1,513 701 - 58 - - -9 92 450 3,038 4,389 -1,352 717 - - 0 - -1 8 397 3,083 4,029 -946 - 675 - 0 18 -18 -82 306 2,828 3,484 -656 - 681 - 0 7 1 73 172 2,929 3,582 -653 - 277 - 0 104 12 -107 200 4,419 4,158 3,982 3,761 3,415 (注1)平成 25 年度計上の「損益外除売却差額相当額」は、出資財産の一部除却によるものである。 (注2)平成 24 年度計上の「機会費用」は、算出における利率(10 年もの国債利回り)が前年度比 0.425 ポイン ト減少したことによるものである。 (注3)平成 23 年度から「損益外減価償却等相当額」を、 「損益外減価償却相当額」と「損益外除売却差額相当額」 に区分している。 (注4)平成 22 年度から計上の「損益外利息費用相当額」は、時の経過による資産除去債務の調整額の増加額であ る。 (注5)平成 21 年度計上の「損益外減損損失相当額」は、建物 5 件について使用しない決定を行った部分について、 減損を認識したものである。 5.事業の説明 (1)事業の目的 農業生産の対象となる生物の生育環境に関する技術上の基礎的な調査及び研究等を行うことにより、 その生育環境の保全及び改善に関する技術の向上に寄与する。 (2)事業の財源(予算構成)財務データとの関連 事業の収入については、運営費交付金(前年度より繰越金 49 百万円、平成 25 年度 2,730 百万円)、 施設整備費補助金(2,082 百万円)、受託収入(672 百万円)、諸収入(1 百万円)、となっている。 事業の支出については、施設整備費として 2,082 百万円、人件費として 1,698 百万円(運営費交付金)、 業務経費として 1,452 百万円(運営費交付金 817 百万円、受託経費 635 百万円)、一般管理費として 285 百万円(運営費交付金 179 百万円、受託収入 72 百万円、科研費等間接経費から充当分 34 百万円、 諸収入 0 百万円)を執行している。 (3)業務実績との関連 上記の業務経費 1,452 百万円のうち、77 百万円は他の独立行政法人、大学、公立試験研究機関、民間 企業等に再委託されている。これらを除いた残り 1,376 百万円の研究事業費を投入し、本研究所は、農 業環境研究に関する査読論文 174 報、国内特許出願 5 件、主要研究成果 2 件等の実績をあげることがで きた。なお、研究課題に直接関連づけられる経費とその成果の関係を RP 課題単位で分析した結果につ いては P 参考-14 資料 3 を参照されたい。 105 ●運営費交付金の未執行率(指標 3-1-ウ) 該当なし ●利益剰余金の処理、目的積立金の申請(指標 3-1-エ) 平成 25 年度利益剰余金の額は 104 百万円でその内訳は、前中期目標期間繰越積立金 18 百万円、積 立金 46 百万円、当期総利益 40 百万円となっている。前中期目標期間繰越積立金は、前中期目標期間 までに自己財源で取得した固定資産の簿価であり、当期に生じる減価償却費に伴い、取り崩す積立金 残額である。また、当期総利益の主な発生要因は、当年度受託収入を財源として取得した資産の額か ら、当中期目標期間までに受託収入を財源として取得した固定資産に係る減価償却費を控除した額で ある。平成 25 年度における諸収入の決算額は、その収入の性質から目的積立金として申請していな い。 ●会計検査院、政独委等からの指摘への対応(指標 3-1-オ) 該当なし。 6.自己収入の確保(指標 3-4-ア) 平成25年度の特許実施料収入は計470千円となった(P86 指標2-3-サ参照)。また、第2期以降、それ までサービスとして行っていた依頼研究員等受入や分析・鑑定などの業務に関して、所要の対価の徴収 を行うこと等により新たな自己収入を得ており、これらによる平成25年度の収入は、研究試料の提供が 286千円、依頼研究員等受入が7千円となった。 7.保有資産の処分(指標 3-5-ア、イ) 既存の施設等については、毎年度末に利用者(希望者)から研究用別棟やほ場の利用報告を提出させる とともに、新年度の利用計画を提出させ、予算管理・運営委員会等で別棟利用の集約化・共同化を含め て審議し使用を承認しており、また、利用計画のない施設等については、用途変更等の可能性を検討し ている。平成 25 年度においては、不要と判断されたものはなかった。 評価ランク コメント 予算配分については、予算・管理運営委員会において「平成 25 年度運営 自己評価 大項目 3 費交付金予算配分方針」を定め、これに基づき全体の圧縮を図りながら重点 A 配分が行われている。自己収入に関しては、特許実施料収入のほか、研究資 料の提供などサービス提供に対する対価徴収の取組が行われている。保有資 産に関しては、研究用別棟について毎年度末に新年度の利用計画を提出させ、 利用計画のない施設等について用途変更等の可能性が検討されている。 前年度の 評価ランク 独法評価 委員会評 価 大項目 3 コメント 予算配分については、予算削減に対応し、研究の重点化や経費削減に努め A るなど、業務運営の効率化を反映した配分方針が示されている。自己収入の 確保については、特許実施料収入が増加している。施設・設備等の見直しに ついては、施設の必要性の観点から、用途変更等の可能性を含めた検討を行 っている。 106 第4 短期借入金の限度額 中期計画 中期目標の期間中の各年度の短期借入金は、4億円を限度とする。 想定される理由: 年度当初における国からの運営費交付金の受入れ等が遅延した場合における職 員への人件費の遅配及び事業費等の支払遅延を回避するため。 指標 4 短期借入を行った場合、その理由、金額、返済計画等は適切か。 該当なし 第5 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画 中期計画 なし 指標 5 中期計画に定めのある不要財産の処分について、その取組が計画通り進捗しているか。 該当なし 第6 重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画 中期計画 なし 該当なし 第7 剰余金の使途 中期計画 研究成果の普及に係る発表会等の追加実施や研究業務の充実・加速に必要な研究機器等の更新・購 入等に使用する。 指標 7 剰余金は適正な使途に活用されているか。 該当なし 107 第8 その他農林水産省令で定める業務運営に関する事項 1.施設及び設備に関する計画 中期計画 業務の適切かつ効率的な実施の確保のため、業務実施上の必要性、既存の施設・設備の老朽化の現 状及び研究の重点化方向等を踏まえ、真に必要な施設及び設備の整備改修等を計画的に行う。 平成 23 年度~平成 27 年度施設、設備に関する計画 (単位:百万円) 施設・設備の内容 予定額 研究施設の整備 財 源 施設整備費補助金 研究援助施設の整備 機関維持運営施設の整備 その他業務実施上必要な施設・設 備の整備等 合 計 544±χ (注)χ:各年度増減する施設、設備の整備等に要する経費 指標 8-1 ミッションの達成に向けた施設・設備の計画的整備が行われているか。 (1)施設・設備の計画的整備(指標 8-1) ①当事業年度中に完成した主要施設及び継続中の施設等 平成 25 年度は、施設整備費補助金により設置後 30 年以上経過し老朽化が著しく抜本的な改修が必要 であった第 4 及び第 5 機械棟の受変電設備改修工事を実施した。本改修工事では、老朽化対策を図ると ともに、特に高効率型の変圧器に更新したことにより省エネルギー化を図った。また、平成 24 年度補 正予算(繰越)により研究本館耐震改修工事及びエネルギー供給施設改修工事を実施し、防災・減災対策 を施すとともに省エネルギー化が図れると期待される。 運営費交付金による修繕等工事としては、第 1 及び第 3 機械棟の低圧配電盤改修工事として絶縁監視 装置を新たに設置して電気事故防止等の安全対策を実施した。 108 写真 8-1-1 左:研究本館耐震改修工事、右:エネルギー供給施設改修工事 表 8-1-1 施設整備費補助金による主な工事の概要(平成 25 年度) 施設・設備の内容 金額(千円) 第 4 及び第 5 機械棟受変電設備改修工事 研究本館耐震改修工事 112,875 備考 (設計・監理料を含む) 1,075,200 ( 同上 ) 893,655 ( 同上 ) エネルギー供給施設改修工事 表 8-1-2 運営費交付金による主な工事等の概要(平成 25 年度) 施設・設備の内容 金額(千円) 第 1 及び第 3 機械棟低圧配電盤改修工事 ② 29,925 備考 (設計料を含む) 事業年度中に処分した主要施設等 平成 25 年度は解体撤去処分した施設等はない。 (2)その他 平成 21 年度から対策を講じている受変電等電気設備や消防設備等の経年劣化対策の推進について、 平成 25 年度で新たに生じた不具合箇所も含めて修繕を行った。なお、抜本的な改善を要する施設及び 設備については施設整備費補助金予算を確保し改修する方針とした。 また、組換え植物隔離ほ場において、経年劣化対策として、水田枠ほ場の補修、灌水装置の改修等を 行った。 109 評価ランク 安全性に加えて省エネ性も考慮しつつ、老朽化した第 4、第 5 機械棟の受 自己評価 中項目 8-1 コメント A 変電設備の改修工事、研究本館耐震改修工事及びエネルギー供給施設改修 工事に取り組むなど、ミッション達成に向けた施設・設備の整備が着実に 進んでいる。 評価ランク コメント 前年度の独 施設整備については、受変電設備の改修工事を実施したほか、23年度三 法評価委員 次補正予算によりRI実験棟ほかの改修工事を実施している。また、漏水に 会評価 A よる電気事故防止のため、研究本館南棟の屋上防水工事を実施するなど、 中項目 ミッションの達成に向けた施設整備が行われている。なお、防災・減災対 8-1 策のための施設整備(24年度補正)については、年度内の竣工が困難なた め、25年度に繰り越し、施工することとなった。 110 2.人事に関する計画 中期目標 (1)人員計画 期間中の人事に関する計画(人員及び人件費の効率化に関する目標を含む。)を定め、業務に 支障を来すことなく、その実現を図る。 (2)人材の確保 研究職員の採用に当たっては、任期制の一層の活用等、雇用形態の多様化及び女性研究者の積極 的な採用を図りつつ、中期目標達成に必要な人材を確保する。研究担当幹部職員については公募 方式等を積極的に活用する。 中期計画 (1)人員計画 ①方針 効率的・効果的な業務の推進が図られるように、適切な職員の配置を行う。また、研究分野の 重点化や研究課題を着実に推進するために、職員を重点的に配置する。 ②人員に係る指標 期末の常勤職員数は、期初職員相当数を上回らないものとする。 (参考:期初の常勤職員相当数 183 人) (2)人材の確保 ①若手研究職員の採用に当たっては、原則として任期付雇用とテニュアトラック制を活用し、研 究所の研究推進に必要な優れた人材を確保する。 ②研究職員における全採用者に占める女性の割合については、前期実績を上回るよう、女性研究 者を採用するとともに、積極的に活用を図る。 ③次世代育成支援行動計画に基づき、仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備に努める。 ④研究リーダーについては、広く研究所内外から優れた人材を確保するため、公募方式を積極的 に活用する。 指標 8-2-ア 8-2-イ 8-2-ウ 8-2-エ 期末の常勤職員数が、期初職員相当数を上回っていないか。 任期付雇用、研究リーダーの公募等を活用するなど、雇用形態の多様化を図り、人材の確保に努めているか。 女性研究者の積極的な採用と活用に向けた取組が行われているか。また、その実績はどうか。 仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備に向けた取組が行われているか。 中項目実績 (1)人員計画 ●方針(1-3「研究資源の効率的利用及び充実・強化」で評価) 第 3 期中期計画における研究分野の重点化や研究課題を着実に推進するため、平成 23 年度に RP の 組織体制を見直し、効果的・効率的な業務の推進が図られるように、職員の重点的配置を行った。 ●期末の常勤職員数(指標 8-2-ア) 111 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律等に基づき、平成 18 年度以降 5 年間で 5%以上の削減を行うことを基本とする考え方を平成 23 年度以降においても継続し、平成 26 年 3 月 31 日現在の常勤職員数は 164 人であり、期初の相当数(183 人)を下回っている。 (2)人材の確保 ●任期付雇用、公募等の活用等人材確保の取組(指標 8-2-イ) 研究職員の採用は博士号取得者を対象とした公募によることとし、若手研究員については原則として 任期制を適用している。平成 25 度は任期付研究員 2 人を採用した。 ●女性研究者の採用と活用に向けた取組(指標 8-2-ウ) 本研究所の Web サイトに、引き続き、女性応募者向けのページ「研究者を志望する女性の方へ」を 設け、研究職員の採用について説明している。 また、前年度に引き続き、女性ポスドクの研究実践力と女性研究者の指導力の向上、女性研究者の出 産・育児・介護と研究の両立支援、女子学生への働きかけによる女性研究者の裾野拡大等を行うことに より、次世代や若手の女性研究者を育成するとともに、それに関わる女性研究者の指導力を向上させる ことを目的に女性研究者支援の取組を行った。このうち、女性研究者の裾野拡大については、大学でキ ャリアガイダンスセミナーを開催するとともに、平成 24 年度より公開した Web サイト「(独)農環研 女性研究者活動支援について」を利用し、女子学生が理系研究者を目指す上で有益な情報の提供や、本 研究所の女性研究者のキャリアアップのために援助した海外出張についての報告を行った。また、内閣 府男女共同参画局が実施している「平成 25 年度チャレンジ・キャンペーン」に協力団体として参画し た。さらに、産総研が主催する DSO(ダイバーシティサポートオフィス)や筑波大学が中心となり進めて いる「つくば女性研究者支援協議会」の設立準備に関する会議に積極的に参加し、つくば市内の研究機 関や地域と連携した取組を推進している。 これらの取組の結果、平成 25 年度の研究員の新規採用(任期付き)において、15 人の応募者のうち 2 人が女性(応募に占める女性の割合 13.3%)であったが、女性は採用されなかった。一方、女性研究 者の活用については、平成 25 年 4 月に 1 人を研究領域長に登用した。なお、当法人の研究職員(パー マネント及び任期付の計)のうち女性数は 17 人、女性比率は 13.8%(平成 26 年 1 月 1 日)であり、う ち 1 人が領域長、1 人が RP リーダーに就いている。 表 8-2-ウ、エ 項 (独)農環研 目 女性研究者支援の概要 内 容 1. 女 性 研 究 者 の キ ャ リ ア 形 成 ・ 研 究 力 向 上 の た め の 支 援 女性・若手研究者のためのメンター制度を継続実施(平成 25 年度はメンター交流会を実 ①メンター制度 施した他、メンター制度改善のため、市内研究機関間の相談窓口担当者によるネットワー キングに参加し情報交換のできる体制を整備)。 ②海外出張支援及び英語 女性研究者のキャリア向上に資するため、海外出張費や英文校閲費の支援を継続実施(平 論文作成支援(補助対象外 事業) 成 25 年度は海外出張費で 2 件、英語論文作成費で 4 件の支援を実施)。 112 2.女性研究者の出産・育児・介護との両立支援 出産・育児等により研究に時間を割けない女性研究者が、雇用した支援研究員を活用して ①支援研究員制度 研究を継続する制度の運用を継続(平成 25 年度内に 2 人の育児中の女性研究者を支援)。 出産・育児・介護との両立支援のための情報窓口として専門員の配置を継続。また、所内 グループウェアの男女共同参画のコーナーで、女性研究者支援関係の情報等の収集・発信 ②情報窓口 を継続実施。女性支援事業関連のイベントや他機関の情報を発信するニュースレターの発 行を継続。関連印刷物や配布冊子を閲覧できる図書室内コーナーの維持管理を実施。 女性研究者及び女性ポスドクのためのキャリアアップや健康問題に関する相談に対応す ③相談窓口 るために、外部専門家による定期的な相談窓口を継続。 3.次世代育成支援(女性研究者の裾野拡大) H24 年に公開した Web サイト「(独)農環研女性研究者活動支援について」において、 本研究所の女性研究者のキャリアアップのために援助した海外出張についての報告等を ①Web サイト 掲載した。 http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/joseiken/index.html ②キャリアガイダンスセ 新潟薬科大学及び宇都宮大学において、本研究所の女性研究職員がキャリアガイダンスに ミナー 関するセミナーを開催した。 4.その他 女性研究者研究活動支援事業 合同シンポジウム(11 月 11 日)、つくば男女共同参画会議 ①シンポジウム等でのア 「つくば男・女のつどい 2013」(12 月 7 日)等に参加。DSO(ダイバーシティサポートオ ピール・情報収集 フィス)会合や「つくば女性研究者支援協議会」キックオフシンポジウム(2 月 19 日) 等へ参加し、活動報告と情報収集を行った。 写真 8-2-ウ メンター交流会における意見交換の模様(2013 年 11 月 6 日) ●仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備(指標 8-2-エ) 仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備のため、平成 20 年度に開始した「民間託児所又はベビ ーシッターによる支援制度」を継続して実施し、所内グループウェアを活用し、周知を行った。平成 25 113 年度の利用者は延べ 37 人であり、仕事と子育ての両立しやすい支援制度が浸透している。 また、「双方向キャリア形成プログラム農環研モデル」を引き継いだ自己資金による女性研究者支援 メニューのうち、両立支援では、女性研究者の家庭と研究との両立を図るため、出産・育児等により研 究活動の中断もしくは縮小を余儀なくされる場合に、その影響を軽減する目的で支援研究員 2 人を雇用 した。 平成 22 年 4 月に策定した「次世代育成支援行動計画」(計画期間:平成 22 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日)に基づき、年次有給休暇の取得実績を検証し、所議等を通じゴールデンウィーク期間や 夏季期間において、年次有給休暇や特別(夏季)休暇の活用促進を図るとともに、男女共同参画委員会 において実施状況の点検を行った。また、妊娠中や育児休業中の職員に対しては、産前産後休暇や育児 休業及び短時間勤務制度等について理解しやすい資料やパンフレット等により周知を図り、仕事と子育 てを両立しやすい雇用環境の整備に努めている。 評価ランク コメント 効率的・効果的な業務推進を図りつつ、人員の効率化を進めており、期 末の常勤職員数は期初相当数を下回っている。若手研究員について、原則 自己評価 中項目 8-2 としてテニュアトラック制による任期制を適用し、幅広い人材の確保に努 A めている。また、現状、女性研究者の比率が低いものの、大学でのキャリ アガイダンスセミナーの開催や独自に設けた「民間託児所又はベビーシッ ターによる支援制度」、「支援研究員制度」等各種の女性研究者支援策に引 き続き取り組むなど、女性研究者の採用と一層の活用に向けた環境整備が 進められている。 評価ランク コメント 人材の確保については、公募による任期付研究員の採用など、優秀な人 材の確保に取り組んでいる。女性研究者の採用と活用に向けた取組につい ては、引き続きWebサイトに女性応募者向けのページを開設している。24 前年度の独 年度の新規採用研究員(任期付)については、約4割の女性の応募者があっ 法評価委員 会評価 中項目 8-2 A たが、採用には至らなかったため、今後も優秀な女性研究者の応募・採用 に繋がるよう継続的な取組が期待される。なお、女性研究職員1名がリサー チプロジェクトリーダーを勤めるなど、女性研究職員の登用も行われてい る。次世代育成支援については、民間託児所、ベビーシッターによる保育 支援事業を引き続き実施しており、制度も浸透している。また、自主財源 による女性研究者支援メニューを実施するなど、女性研究者の活用に向け た環境整備が進められている。 114 3.法令遵守など内部統制の充実・強化 中期目標 研究所に対する国民の信頼を確保する観点から、法令遵守を徹底する。特に、規制物質の管理等につ いて一層の徹底を図るとともに、法令遵守や倫理保持に対する役職員の意識向上を図る。また、研究所 のミッションを有効かつ効率的に果たすため、内部統制の更なる充実・強化を図る。 さらに、法人運営の透明性を確保するため、情報公開を積極的に進めるとともに、「第2次情報セキ ュリティ基本計画」(平成 21 年2月3日情報セキュリティ政策会議決定)等の政府の方針を踏まえ、 個人情報保護など適切な情報セキュリティ対策を推進する。 中期計画 ① 研究所に対する国民の信頼を確保するため、業務に関わる法令や研究及び研究員の不正防止に関す るガイドライン等について研修・教育を実施する等により、法令遵守や倫理保持を徹底する。 ② 規制物質をはじめとする化学物質の管理については、化学薬品等管理規程の遵守、薬品管理システ ムの適確な運用等により管理の徹底を図る。職員への教育の徹底等により、放射性同位元素、遺伝子 組換え生物等の法令に基づく適正な管理を行う。 ③ 研究所のミッションを有効かつ効率的に果たすため、理事長のトップマネージメントが的確に発揮 できるよう内部統制の更なる充実・強化を図る。 ④ 研究所の諸活動の社会への説明責任を的確に果たすため、保有情報の提供業務を充実させるととも に、情報開示請求があった場合には適正に対応する。また、研究所における個人情報の適正な取扱い を一層推進する。 ⑤ 研究所の情報資産を保護するため、情報セキュリティポリシーの遵守を徹底する。情報セキュリテ ィポリシーについては、「第2次情報セキュリティ基本計画」(平成 21 年2月3日情報セキュリテ ィ政策会議決定)等の政府の方針を踏まえ、必要に応じて見直しを行い、情報セキュリティ対策の向 上を図る。 指標 8-3-ア 内部統制のための法人の長のマネジメント(リーダーシップを発揮できる環境整備、法人のミッションの役職 員への周知徹底、組織全体で取り組むべき重要な課題(リスク)の把握・対応、内部統制の現状把握・課題対応 計画の作成)は適切に行われているか。 8-3-イ 内部統制のための監事の活動(法人の長のマネジメントに留意した監事監査の実施、監事監査で把握した改善 点等の法人の長等への報告)が適切に行われているか。 8-3-ウ 倫理保持や法令遵守についての意識向上を図るための研修、法令違反や研究上の不正に関する適切な対応など、 法人におけるコンプライアンス確保のための取組が行われているか。 8-3-エ 規制物質の管理が適正に行われているか。化学物質の一元管理の導入等、措置するとされた改善策の徹底が図 られているか。 8-3-オ 法人運営についての情報公開の充実に向けた取り組みや情報開示請求への適切な対応が行われているか。また、 情報セキュリティ対策や個人情報保護は適切になされているか。 中項目実績 ●内部統制のための法人の長のマネジメント(指標 8-3-ア) ①リーダーシップ発揮のための環境整備と法人のミッションの役職員への周知徹底 本研究所の運営に関する重要事項については、理事長を中心に役員会や所議で審議の上決定している。 115 また、各室で担当できない横断的事項、専門的事項の検討のため各種の委員会を設置しているが、特に 重要な委員会である業務効率化推進委員会、コンプライアンス推進委員会、採用・給与等審査委員会、 男女共同参画推進委員会、情報セキュリティ委員会等は、理事長が委員長となり推進している。法人の ミッションの周知については、本研究所の基本理念、行動憲章、環境憲章を定め、本研究所 Web サイ トで公表するとともに、本研究所本館正面玄関への掲示、各種印刷物への記載等により職員への徹底を 図っている。また、役員会や所議、朝会(毎朝の理事長、理事、両主幹打ち合わせ)等の本研究所の幹 部が集まる会議、理事長の年頭訓示、職員を対象とした研修や会議など多数の職員が集まる会議におい て、理事長が直接、幹部や職員に自らの考えを語り、法人の使命、基本理念、理事長の考え方の浸透を 図ったところである。 ②内部統制の現状や中期目標の達成を阻害するリスクの把握と対応 理事長は、組織にとって重要な情報等を適時・的確に把握するため、年度計画における「予算、収支 計画及び資金計画」、運営費交付金予算配分書、施設整備補助金要求案、研究推進費(本研究所内の競 争的研究資金)の配分書、予算の執行状況報告書、次年度予算概算決定額、四半期毎電力等使用実績等 の報告を通じて研究所の財務情報を把握している。また、理事長、理事、研究統括主幹、業務統括主幹 で構成される朝会(毎日)を通じて現場での情報を把握するとともに、隔週で開催される所議(役員及 び管理職員等で構成)を通じて審議・報告・連絡事項に関する関係職員の対応を把握している。 また、監事監査に際し実施され監事により報告されたコンプライアンスリスクの自己評価(指標 8-3イ参照)の結果も踏まえ、平成 25 年度は、所内の機密情報の漏洩、火災・爆発等保安に関する管理違 反、労働災害の発生、パワーハラスメント等を組織全体として取り組むべき重要なリスクとしてとらえ、 情報セキュリティ対策の強化(指標 8-3-オ参照)、化学物質の管理の適正化(指標 8-3-エ参照)、職場巡 視や職員の教育・訓練の実施(P123 指標 8-4-イ参照)、パワーハラスメントに関するアンケート調査、 管理者研修(指標 8-3-ウ参照)等、各リスクの未然防止のための対策の徹底を図った。 さらに、農林水産技術会議事務局の依頼を受けて実施した研究管理等の点検結果を踏まえ、人・施設・ 放射性物質・化学薬品・遺伝子組換え生物等を対象とした緊急時対応チェックシートを 9 月に策定し、 所議を通じて緊急時対応の周知徹底を図った。 ●内部統制のための監事の活動(指標 8-3-イ) ①法人の長のマネジメントに留意した監事監査の実施 監事監査は、業務及び会計経理について、理事長や幹部からの職務執行状況聴取、各部門に対する書 面及び対面での調査、役員会や所議等重要会議への出席、重要な決裁書類の閲覧等により実施されてい る。法人の長や幹部のマネジメントに留意して行われており、例えば、監事の定期監査では、今後のコ ンプライアンスリスクマネジメントの推進を図るため、理事長はじめ全管理職を対象にコンプライアン スリスクの自己評価を実施して、農環研の役職員が抱いている過去 5 年間のリスク項目の挙動状況の把 握等を行い、優先的に取り組むべきリスク項目等の報告がなされている。なお、平成 24 事業年度監事 監査所見では、リスク項目の推移等としては、前年まで 1 位の「火災・爆発等保安に関する管理違反」 は、防災・避難訓練実施等、これまでの安全対策の取組もあって 2 位に下がり、代わって「所内の機密 情報の漏洩」が昨年 1 月に発生した「不正アクセス」の影響もありリスク項目 1 位になったが、再発防 止に向けた迅速かつ的確な取組を継続しているとの報告がなされている。 116 ②監事監査で把握した改善点等の法人の長等への報告 各年度の監事監査報告は理事長及び役員会に報告される他、所議報告、イントラネットへの掲示等に より所内に周知される。定期監査以外の監事からの改善点等の報告は理事長になされ、必要に応じ幹部 や職員への周知が行われる。例えば、平成 25 年度における日常の監事監査に関しては、監事から理事 長に対し、又は役員会において、研究本館耐震改修、エネルギー供給施設改修及び受変電設備改修の大 型で施工時期が集中する中で、騒音等の抑制等、研究業務等の配慮や安全管理対策がなされた工事の実 施、また、老朽化と容量不足によるコンセント類の焼損防止等の安全管理の強化等の提言がなされ、こ れらに対して役員会や担当部署では対処方針を検討し、関係機関との調整を行い、研究本館耐震改修等 の大型工事は計画のとおり施工している。また、コンセント類に関しては詳細な調査が行われ、使用状 況に応じた安全対策が図られてきている。なお、農林水産省独立行政法人評価委員会の求めに応じ、毎 年度、監事が同分科会の作業部会に出席し、監事の所見を直接評価委員に伝えている。 ●倫理保持や法令遵守の徹底を図るための研修等コンプライアンス徹底の取組(指標 8-3-ウ) 職場内のハラスメント意識啓発を促し、被害を未然に防止するため、ハラスメントに関するアンケー ト調査を実施するとともに、管理者及び職員を対象としたハラスメント研修(DVD 上映)をそれぞれ 実施した。 また、公用車の安全運転、事故の未然防止のため、道路交通法の改正や注意喚起を所内グループウェ アに掲示するとともに、所議において「自動車等運転にあたっての注意喚起」により、安全運転の励行 及び事故・違反時の報告について徹底を図った。さらに、「交通事故対処マニュアル」を所内グループ ウェアに掲示し、安全運転意識の啓発及び内部統制の強化を図った。 さらに、利益相反マネージメントについて、利益相反マネージメント委員会において仕組みと考え方 の確認を行うとともに、平成 25 年度の事例や取組状況を検討し、それらの結果について所議を通じて 職員に周知した。 ●化学物質等規制物質の管理の適正化の取組(指標 8-3-エ) 所内の全ての化学薬品の薬品種、貯蔵量、貯蔵場所については薬品管理システムで一元的に管理され ている。 毒物・劇物については、「毒物・劇物取扱要領」に従い、全ての毒物・劇物の保管状況を薬品管理シ ステムに入力されているデータと照合して、所在不明の毒物・劇物や使途不明量が無いこと及び毒物・ 劇物保管庫の性状・標示等の管理方法が「毒物及び劇物取締法」に準拠していることを点検した。この 点検結果は「平成25年度毒劇物点検結果報告書」として化学薬品等安全管理委員会に提出し、了承され た。また、化学薬品貯蔵量の削減を進めるために、不用な薬品の廃棄を徹底するように職員に周知して いる。平成25年度は長期貯蔵されている毒劇物及び消防法の危険物について削減目標を設定して廃棄の 促進を徹底した。 「消防法」の危険物に該当する化学薬品については、各防火区域における貯蔵量が「消防法」で規制 される数量を超過しないように、薬品管理システムによる監視を常時行い、貯蔵量が超過する危険性 が発生した区域には、各危険物の所有者に対して廃棄又は貯蔵場所を移動するように指示している。 また、地震への対応策として、化学薬品の貯蔵には、薬品保管庫の固定や試薬瓶への緩衝材の使用に 117 より、地震による薬品の破損・漏洩を防止するように指導している。高圧ガス貯蔵容器については、 容器を保持するスタンドの固定や高圧容器を上下2箇所で鎖を用いて固定することを徹底している。 写真 8-3-エ-1 薬品管理システムによる管理(左)、安全管理講習会(右) 職員の安全意識の向上を図り、法令遵守を徹底するために、新規採用研究者には安全管理に関する 講習会を開催して、薬品管理システムの使用方法と「毒物及び劇物取締法」及び「高圧ガス保安法」に 基づく毒物・劇物や高圧ガスの取り扱い方を習得させた。また、全職員を対象に、試薬の安全な取り 扱いに関する安全管理講習会を開催した。この講習の終了後には、受講者に講習内容の理解度と安全 意識の習得度を確認するためのアンケート調査を実施して、講習の効果を検証した。 また、職員への教育の徹底等により、放射性同位元素、遺伝子組換え生物等の法令に基づく適正な管 理を行うため、業務実施者を対象に、5月24日に「放射線障害防止のための教育・訓練」を、10月23日 に「微生物実験の安全管理に関する説明会」及び「遺伝子組換え実験に関する教育訓練」を実施した。 このような中、平成26年2月19日に、本研究所の研究職員が、平成21年に農林水産大臣の許可を得て 輸入した中国産いねもみを、平成22年及び23年に許可を得ていない野外のほ場で栽培していたことが判 明した。また、当該研究職員は、農林水産大臣へ提出が義務づけられている毎年の管理状況の報告書に おいて、平成22~24年の3年間にわたり、当該いねもみを使用していない旨の虚偽の内容を報告してい たこと、受け入れ外国人研究者が、必要な植物検疫を受けずに同じ中国産玄米を国内に持ち込み、平成 21年に研究所内の人工気象室で栽培していたことも判明した。本件は、平成25年11月21日付け農林水産 省農林水産技術会議事務局総務課長通知「海外から種子・種苗を郵便で輸入する際の植物検疫について」 を受けて、12月27日より開始した研究所の内部調査の過程で、当該研究職員の申し出により判明したも のである。本研究所は速やかに農林水産省横浜植物防疫所に報告を行い、同所の指示により、判明直後 に、関係研究試料の使用を凍結し、試料を密封の上、移動禁止とした。また、当該いねもみ全残量を同 所に提出する等、同所による調査等に協力を行った。 上記事案の発生を受け、本研究所では、コンプライアンス委員会において事実関係の調査を進めると ともに、再発防止策の検討を開始し、平成26年3月31日にそれまでの調査結果を中間報告として取りま とめて理事長に報告した。また、調査で判明した内容は、随時、横浜植物防疫所及び関係機関に報告し、 植物防疫法第7条第3項違反(許可条件違反)1件及び同法第8条第1項違反(未検疫輸入)1件が確認され た。なお、横浜植物防疫所による当該いねもみの検査結果からは国内未発生の病害虫は確認されず、ま た、研究所内外の栽培ほ場では、栽培した年(平成22年、23年)からこれまで、これらの栽培による国 118 内未発生の病害虫の発生は確認されていない。 本件は、当該研究職員が、植物防疫法の内容は理解していたものの、外国人研究者の受け入れ期間中 (2年間)に研究成果を得るために、輸入許可条件に違反して栽培したもので、法令遵守等のコンプラ イアンスに対する意識が希薄だったといえる。また、適正に輸入された後の利用・管理状況について、 大臣への年次報告作成時を含め、研究所内におけるチェック体制が不十分であったため、本人の申し出 まで発見することができなかった。 上記の調査により明らかとなった本件発生の経緯及び原因を踏まえ、本研究所では、植物防疫法にお ける輸入禁止品を含め、研究試料を研究所に導入して実施する研究全般を対象に、その管理体制の問題 点を明らかにし、再発防止に向けた研究管理体制の強化に取り組んだ。具体的には、平成26年4月22日 の役員会において従前の「輸入禁止品等取扱要領」を「輸入禁止品等管理規程」に改正し、新たに設置 した「輸入禁止品等利用研究管理委員会」において、植物防疫法及び家畜伝染病予防法に係る研究試料 の取扱を、研究の企画立案段階から使用・保管に至るまで一貫してに管理する体制を整え、即日施行し た。また、5月8日の役員会では、共同研究の実施、外部研究者の受入、外部研究資金への応募、外国出 張等に伴う研究試料の持込及び持出についても総合的な管理を強化するための必要な規程の改正と研 究所内手続きの整備を行った。さらに、輸入禁止品等管理規程に基づき新たに実施することとした教育 訓練を、6月18日に横浜植物防疫所の協力を得て実施した。これらの再発防止策については、平成26年4 月28日の横浜植物防疫所による口答指示、6月20日付け消費・安全局長通知及び農林水産技術会議事務 局通知により再発防止策の策定と速やかな報告、職員に対する周知徹底を求められたことから、6月26 日に消費・安全局長及び農林水産技術会議事務局長に報告した。また、6月25日には、独立行政法人農 業環境技術研究所職員就業規則及び独立行政法人農業環境技術研究所における職員の懲戒等に関する 規程に基づき、当該研究職員及び管理監督責任者等について処分を実施した。さらに、本件の概要及び 研究所の対応を6月27日に公表するとともに、6月30日に全所説明会を開催し、理事長から全職員に対し、 事案の説明を行うとともに再発防止について訓示を行った。 ●情報提供の充実への取組・開示請求への対応、個人情報の保護、情報セキュリティ対策(指標 8-3-オ) 法定公開情報等については、本研究所 Web サイト等で公開している。平成 25 年度は、法人文書開示 請求書による請求が 1 件あったため、法人文書開示決定等審査委員会で当該文書の特定等の審査を経て 開示決定を行い開示した。なお、開示にあたっては、開示請求者と連絡を取り開示文書の特定に努め、 適正かつ迅速に対応した。また、情報公開や個人情報保護に関する最近の動向を把握し、総務省等が主 催する研修や連絡会議に担当者を参加させている。契約については、透明性、公平性、経済性を確保す るため、一般競争入札公告・落札公示、企画競争に関する情報に加え、契約に関する情報(入札結果、 随意契約情報)等を Web サイトで公表している。研究情報については、 「研究成果情報」、 「環境報告書」 などの刊行・配布、本研究所 Web サイトの改善、Web マガジンの公開等を実施した(P79~83 指標 2-3-ア~カ参照)。 情報セキュリティ対策については、昨年度、農林水産省委託プロジェクト研究 「気候変動に対応し た循環型食料生産等の確立のための技術開発」の研究成果や関連する情報を発信することを目的とした Web サイト「地球温暖化と農林水産業」が外部からの不正アクセスされたことを受け、従来の情報セキ ュリティ対策を根本的に見直し、情報セキュリティポリシー 、情報セキュリティ管理規程をあらため て策定した。平成 25 年度は、新規管理規程に基づき新たに設置した理事長を委員長とする情報セキュ 119 リティ委員会において、情報セキュリティ対策基準をはじめとする、法人における情報セキュリティを 確保するための規程・手続き等を順次整備するとともに、WindowsXP のサポート終了への対応や USB メモリ等の管理・利用規制対策等、情報セキュリティに関する諸課題への対応を行った。 職員への教育として、新規規程等の周知徹底と情報セキュリティに対する意識の向上を図るために、 関係する全職員を対象とした「情報セキュリティ講習会」を 7 月と 11 月に異なる内容で実施した。講 習会は各月とも同内容で4回行い、受講の徹底を図った。また、自己点検を実施し問題点の抽出を行っ た。さらに、非常勤職員等の新規採用者に対しては「新規ネットワーク利用者講習会」を年間を通じて 実施した。一方、研究成果等の情報発信のため本研究所の職員が運用している全ての公開サイトについ て情報セキュリティ監査企業による脆弱性診断を実施し、安全性の確認をするとともに、問題のあるサ イトについては改修等の対策を実施したほか、サイト管理者に対しては、 「公開 Web サイト・サーバ管 理者等講習会」を実施するなど、ネットワーク管理の強化、充実に努めた。 評価ランク コメント 内部統制の現状把握と課題対応計画の作成は着実に実施されている。法 人の内部統制については、理事長が直接、幹部や所員と対話する機会を作 り、法人のミッションを浸透させるとともに、自らが業務効率化委員会、 コンプライアンス委員会等の委員長となるなど、リーダーシップを発揮し ている。また、内部統制の現状や重要な課題の把握については、各種会議 や監事からの報告等を通じて把握しており、それらをもとに安全対策やコ ンプライアンス対策の強化が図られている。 監事監査については、法人の長のマネジメントに留意して行われるとと もに、定期監査及び日常の監査で把握した改善点等の理事長への報告が適 切に行われている。 自己評価 中項目 8-3 化学物質等規制物質の管理の適正化については、引き続き薬品管理シス B テムによる監視が行われるとともに、長期保存されている薬品について削 減目標を設定して廃棄の促進を徹底したほか、職員に対する規制物質に関 する各種講習会を開催している。しかしながら、本研究所の職員による植 物防疫法違反事案が発生したこと、またそれを研究所として発見できなか ったことは、農業環境を対象とする研究所として誠に遺憾である。事件発 覚後、速やかに発生原因の分析とそれを踏まえた再発防止策の策定が行わ れ、それらの内容が公表されたところであるが、今後、このような事態が 生じないよう、再発防止策の徹底を図るとともに、研究活動全般にわたる 法令遵守の徹底、研究倫理の向上に向け、強力に取り組む必要がある。法 人運営についての情報公開の充実等は適切に行われている。情報セキュリ ティ対策については、理事長を委員長とする情報セキュリティ委員会の設 置、規程・手続き等の整備、職員に対する教育訓練、公開サイトの脆弱性 診断に取り組むなど、ネットワーク管理の強化、充実に努めている。 120 評価ランク コメント 内部統制については、コンプライアンス推進委員会などにおいて理事長 自らが委員長となり、推進しているほか、組織全体で取り組むべき重要な リスクについて、監事監査に際し実施された、全管理職員を対象にした内 部統制(統制環境)の評価、管理業務の実態評価についての自己診断アンケー ト結果などを踏まえ、火災・爆発等の管理、労働災害などを重要課題とし て認識し、化学物質の管理の適正化、職場巡視などを実施し、未然防止の 対応を行っている。規制物質等の適切な管理については、全職員を対象に 安全管理に関する講習会を開催し、講習後には、効果の確認も行われてい る。そのほか、従事者に対し放射線障害防止や遺伝子組換え実験などに関 前年度の独 する教育訓練も実施されている。また、全ての化学薬品が、薬品管理シス 法評価委員 会評価 中項目 8-3 A テムで一元的に管理されているほか、全ての毒物・劇物の照合調査を行い、 点検も実施している。RI(放射性同位元素)実験棟の入退館管理システムを 磁気カードからICカードシステムに更新しセキュリティ管理機能の向上も 図られている。規制物質等の適切な管理については、引き続き、徹底した 取組が期待される。監事の活動については、定期監査以外にも必要な改善 点などの報告が理事長等になされ、老朽設備の撤去等、安全管理などに関 する具体的な対応も実施されている。情報セキュリティ対策については、 平成25年1月に、プロジェクト研究の研究成果等の発信を目的としたWeb サイトが、外部からの不正アクセスにより改ざんされる事案が発生した。 発生後、情報漏洩等の調査を行い、二次被害が発生していないことを確認 したほか、全てのWebサイトの緊急調査を行い、セキュリティ向上のため の必要な措置も講じているが、セキュリティ管理徹底のための継続した取 組が期待される。 121 4.環境対策・安全管理の推進 中期目標 研究活動に伴う環境への影響に十分な配慮を行うとともに、エネルギーの有効利用やリサイクルの促 進に積極的に取り組む。また、事故及び災害を未然に防止する安全確保体制の整備を進める。 中期計画 ① エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和 54 年法律第 49 号)に基づき、エネルギー使用の合 理化をより一層推進するため、研究所独自の環境マスタープランを策定し、施設の整備や維持管理に取 り組むとともに、資源・エネルギー利用の節約、廃棄物の減量化とリユース、リサイクルの徹底、化学 物質の管理の強化等を推進する。また、これらの措置状況については環境報告書により公表する。 ② 事故及び災害を未然に防止するため、研究所に設置する環境・安全委員会等による点検、管理及び 施設整備等の取り組みを一層推進するとともに、安全衛生に関する役職員の意識向上に向けた教育・訓 練を実施する。 指標 8-4-ア 資源・エネルギー利用の節約、リサイクルの徹底など環境負荷軽減の取り組みを積極的に行っているか。また、 その取組を公表しているか。 8-4-イ 職場環境の点検・巡視等の安全対策及び安全衛生に関する職員の教育・訓練が適切に行われているか。 中項目実績 ●環境負荷軽減の取組(指標 8-4-ア) 平成 23 年度に策定した研究所独自の環境マスタープラン(2011~2015 年度)に基づいて、CO2 排出量 の削減等に取り組んだ。 光熱水料費に占める割合が最も大きい電力使用量の削減と安全管理の向上を目的として、これまでに 取り組んできた空調設備や電気器具の省電力対策をさらに進めるため、平成 22 年度から、取得後おお むね 15 年以上を経過した電気使用機器の更新を実施している。さらに施設の改善策として、第 4 及び 第 5 機械棟の受変電設備改修(高効率型変圧器への更新等)や研究本館 2 階廊下の照明器具を人感セン サへの更新等を実施し省エネ・節電対策を図った。 継続的な取組としては、コピー用紙等紙資源の削減対策、エネルギー使用量の把握や解析を行い職員 に周知することによる啓発活動の実施等により、光熱水量の削減に取り組んでいる。このような取組に より、契約電力低減によるコスト削減が進展したほか、つくば地区のみの年間電力使用量は 15,023 千 kwh と、前年度比 1.7%減となった。 (平成 24 年度 15,289 千 kwh) また、都市ガスや石油燃料、高温水等を含むエネルギー総使用量として CO2 換算での排出量は 10,319t-CO2 と、前年度比 9.7%増となった。(平成 24 年度 9,410t-CO2) 一方、廃棄物の抑制と物品等のリユース及びリサイクルについても、従前の所内のリサイクル情報の 提供による物品の有効活用を図るとともに、一般廃棄物置場の分別の徹底による環境負荷低減にも取り 組んだ。 122 なお、本研究所は、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進 に関する法律(環境配慮促進法)」に基づく「環境報告書」の作成義務はない規模であるが、環境に関 わる研究所であることから、平成 17 年度以降、毎年、同法に基づく環境報告書を作成し公表している。 表 項 8-4-ア 環境負荷軽減の取組の概要(平成 25 年度) 目 内 容 受変電設備改修工事(第 4 及び第 5 機械棟) 第 4 及び第 5 機械棟の変圧器を高効率型の変圧器に更新した。 研究本館 2 階廊下照明器具センサ化工事 研究本館 2 階廊下の照明器具に人感センサを取り付けた。 老朽化した実験機器の更新 取得後おおむね 15 年以上経過した実験機器の更新を行った。 ●職場環境の点検・巡視等の安全対策及び職員の教育・訓練(指標 8-4-イ) 継続的な取組として、毎月、職場環境等の点検のため、安全衛生委員会の委員及び産業医が職場巡視 を行い、問題点について領域長等を通じ改善措置を指示するとともに、その後、安全衛生委員会事務局 によるフォローアップを行い改善措置の徹底を図っている。職場巡視及びフォローアップの結果につい ては、所議で報告し職員に周知している。 職員の健康管理意識の向上に寄与するため、産業医による「健康相談」や女性研究者支援事業を活用 した「助産師による健康相談」を定期的に行い、さらに、健康教室として産業医による講演会「認知症 について」を開催した。また、メンタルヘルス対策として、管理者及び職員を対象とした講習会(DVD 上映)をそれぞれ実施した。 研究所内で有害業務に従事する職員及び他法人職員等に対して有機溶剤の取扱いの研修会を開催す るとともに、当日参加できなかった者に対しては、DVD の貸し出しを行い、安全衛生の意識向上を図 った。さらに、実験室で取り扱う有機溶剤、毒物・劇物の再確認を行い、標識等の表示・掲示の徹底を 図った。 本研究所には多数の職員が勤務しているとともに、多数の来所者があることから、緊急事態による生 命に関わる状況への対処とともに災害等緊急の場合に対処できるようにするため、前年度に引き続きつ くば市南消防署署員を講師に招き、救命講習会(AED 操作方法・心肺蘇生法及び救護訓練(止血法・ 搬送法))を開催した。この講習会には、他法人の職員も参加した。(P26 表 1-3-キ参照)また、AED の耐用年数満了による更新(1 台)を行ったほか、新規に1台を購入し別棟に設置した。 危機管理マニュアル・危機管理フロー図及び共用施設・機器等の利用、安全衛生、各種事務手続マニ ュアルについて、節目節目で点検・見直しを行い、変更の必要がある場合は修正している。 公用車の安全運転、事故の未然防止のため、道路交通法の改正や注意喚起を所内グループウェアに掲 示するとともに、車内にも張り出すなど取組を促進している。 また、大規模災害を想定した総合防災訓練(通報、避難・誘導、救護、消火訓練)を構内に勤務する 他法人の職員を含めて実施した(参加者 359 名)。 さらに、他法人も含む研究本館の各居室・実験室等の電気機器使用状況調査を行い、焼損事故防止等 のための適正な電気配線・電気機器の安全な取扱い等について、職員等へ注意喚起を行うとともにコン セントプラグ安全カバーの配布を行った。 123 写真 8-4-イ 評価ランク 防災訓練風景(左:救護訓練、右:消防署の講評) コメント 環境負荷の低減については、独自の環境マスタープランに基づき、老朽 化した電気使用機器の更新、高効率型の変圧器への更新、照明器具への人 感センサの取付け等の省エネ・節電対策に積極的に取り組むとともに、そ 自己評価 中項目 8-4 れらの取組を環境報告書にまとめて公表している。 A 職場環境の点検・巡視等の安全対策及び職員の教育・訓練については、 引き続き安全衛生委員及び産業医による職場巡視と指摘した問題点の改善 のフォローアップ、教育・訓練の実施に取り組むとともに、AED の更新・ 新設やコンセントプラグ安全カバーの配布を行うなど、充実した取組が実 施されている。 評価ランク コメント 環境負荷低減の取組としては、23年に策定した独自の環境マスタープ 前年度の独 ランに基づいてCO2排出量の削減等に取り組むとともに、老朽化施設・ 法評価委員 設備の更新による省エネルギー、節電対策等を進めており、一定の効果 会評価 A が認められる。また、これらの取組は、環境報告書を作成し公表してい 中項目 る。職場環境の安全対策等については、引き続き安全衛生委員及び産業 8-4 医による職場巡視を行い、問題点の改善を指示するとともに、フォロー アップを実施し、改善措置の徹底を図っている。また、安全対策等に関 する教育・訓練も実施されている。 124 5.積立金の処分に関する事項 中期計画 前期中期目標期間繰越積立金は、前期中期目標期間中に自己収入財源で取得し、当期中期目標期間へ繰 り越した有形固定資産の減価償却に要する費用等及び東日本大震災の影響により前期中期目標期間に おいて費用化できず当期中期目標期間に繰り越さざるを得ない契約費用に充当する。 指標 8-5 前中期目標期間繰越積立金は適正な使途に活用されているか。 中項目実績 ●積立金の処分に関する事項(指標 8-5) 前中期目標期間中に自己財源で取得し、当期中期目標期間へ繰り越した有形固定資産の減価償却に要 する費用として承認された当該繰越金から平成 25 年度の減価償却費相当額 17,557 千円の取り崩しを行 った。 自己評価 中項目 8-5 前年度の独 評価ランク A 評価ランク 前中期目標期間繰越積立金は、適正な使途に活用されている。 コメント 前中期目標期間繰越積立金は、前中期目標期間までに購入した有形固定 法評価委員 会評価 コメント A 資産の減価償却費等に適切に充当されている。 中項目 8-5 125 参 考 資 料 【資料1】 自 己 評 価 関 係 資 料 平成25年度業務実績に関する自己評価の決定に至る主な経緯は以下のとおり。 1.課題評価会議 (1)評価の実施 研究課題評価実施要領(別添3)に基づき、RP課題ごとに平成25年度の進捗状況と成 果について、外部評価委員4名と研究所の内部評価委員(研究管理職)がピアレビューを 実施した。その概要は以下のとおり。 ①研究課題評価会議の開催 ・日時:平成26年2月5日(水)13:00~17:15、6日(木)8:45~12:00 ・場所:農環研大会議室 ・評価委員 (外部評価委員:4名、敬称略) 三枝 正彦 豊橋技術科学大学先端農業・バイオリサーチセンター特任教授 田辺 信介 愛媛大学沿岸環境科学研究センター教授 矢原 徹一 九州大学大学院理学研究院教授 渡邉 紹裕 総合地球環境学研究所副所長・研究部教授 (内部評価委員:12名) 研究統括主幹、研究コーディネータ、研究領域長、インベントリーセンター長 ・検討手順 RP課題の評価については、RPリーダーがRP課題報告書に沿って平成25年度 の成果等について報告(20分)し、質疑応答(20分)を行った。 ②RP課題の評価結果の集約 研究課題評価会議後、各委員が評価(ランク及びコメントの記入)を行い、その 結果を企画戦略室が集約した。 (2)評価結果 RP課題ごとの評価ランクは別添1のとおりとなった。主要な評価コメントは以下のとお りである。 課題評価会議における評価コメント(例) 項 目 ランク 評 価 コ メ ン ト (参考) 1(1) 温暖化緩和策RP A 炭素、N2O、CH4発生の全国評価を計算するための準備が 整い、計画通り順調に進捗している。モンスーンアジア地 域での共同研究など国際貢献、プレス、CO2見え化サイト の運営など社会貢献を行っている。生産局事業の対応など、 行政施策への貢献も行っている。 1(2)a 作物応答影響予測 A 対象や条件が限定的Closedな性格が強く、成果が出やすい RP テーマとはいえ、実験のチャンスは時間的に制約がある。 それをモデル・シミュレーションと組み合わせて現象理解 と予測を進めていることが評価される。 1(2)b 食料生産変動予測 A 担当者人数が少ないにもかかわらず、研究成果がIFの高い RP 論文誌に掲載されるとともに、担当者の一人が「ナイスス テップな研究者」に選ばれるなど高いレベルの研究が行わ れている。 2(1)a 生物多様性評価RP A 生物多様性指標の三重県での活用や茶草場の研究が静岡の 茶草場農法の世界農業遺産登録につながるなど、研究成果 の大きな波及効果が認められる。 参考-1 2(1)a 遺伝子組換え生物 ・外来生物影響評価RP A 2(2) 情報化学物質・生態 機能RP S 3(1) 有害化学物質リス ク管理RP A 3(2) 化学物質環境動態 ・影響評価RP A 4(1) 農業空間情報・ガ スフラックスモニタリン グRP A 4(2) 農業環境情報・資 源分類RP A 外来生物が適応しやすい国内環境と侵入・蔓延のしやすさ、 農耕地と自然生態系との関連性等、更なる整理が必要。ま た、外来生物とGM生物には多くの共通点が存在する可能 性があり、そのあたりも念頭に置きつつ、データベースの 充実や解析の深化を図ってほしい。 学術的・社会的に魅力のある研究成果を継続的に産生して いることは高く評価される。また実用化を意図した特許出 願や民間企業との共同研究の推進も特筆に値する成果とし て評価できる。 CdとAsのトレードオフに対応できる実用技術の開発に大い に期待できる。農薬の土壌吸着性の解析に新しい要因を取 り込んだ点や、Csの吸収抑制や土壌浄化に関する取組も高 く評価できる。それぞれの技術の汎用性を明らかにするこ とで、実用化や効果の向上を目指してほしい。 日本の河川環境に適した付着藻類の毒性試験法を開発する とともにマニュアルが公表され、普及が期待できる。また、 放射性Csの流域における動態研究に取り組み成果をあげて おり、行政等への貢献もは大きい。 M1、M2とも個別の研究として高い水準の成果を出してい るので、今後はM3への貢献も含めて中期計画期間という区 切りを意識した研究の取りまとめを期待する。FLUXNET 等を通して、GEOSS等にも間接的に貢献していることを強 調してもいいのではないか。 包括的土壌図の作成。米・麦・土壌・農作物等の放射性物 質の測定、統合データベースの構築、エコバランス評価手 法の開発等多様な課題で相応な成果をあげている。専門家 だけでなく土壌図利用の一般化・大衆化を推進されたい。 (3)研究課題評価会議での評価結果の取扱い 研究課題評価会議でのRP課題ごとの評価ランクは平成26年度の交付金配分に反映させ た。また、RP課題ごとの評価ランクや主要な評価コメントをもとに、企画戦略室におい てRP課題や大課題ごとの評価結果案を作成し、業務運営検討会議に諮った。 2.業務運営検討会議 研究所の役員、研究管理職、総務・財務部門の室長等をメンバーとし、業務運営につい ては中項目等、研究部分については中課題及び大課題を単位として、業務実績の確認及び 自己評価を実施した。その概要は以下のとおり。 ○業務運営検討会議の開催 ・日時:平成26年2月25日(火)14:30~17:15 ・場所:農環研会議室 ・会議での検討手順 平成25年度業務実績及び自己評価案について企画戦略室より評価単位ごとに説 明を行い、質疑応答等を実施。評価委員会に諮る評価単位ごとの評価ランクを決定 するとともに、業務実績、評価コメントの記述内容に必要な修正を加えた上で所内 の自己評価とし、農環研評価委員会に諮ることとした。 3.評価委員会 (1)評価の実施 評価委員会の評価指針(別添4)に基づき、平成25年度の業務実績報告書(案)を資料 として評価を実施した。詳細は以下のとおり。 ①評価委員会の開催 ・日時:平成26年3月14日(金)13:00~17:15 ・場所:農環研大会議室 参考-2 ・場所:農環研大会議室 ・評価委員(敬称略) 大沼 あゆみ 慶應義塾大学経済学部教授 古在 豊樹 千葉大学 環境健康フィールド科学センター名誉教授 三枝 正彦 豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター特任教授 金子 文宜 千葉県農林総合研究センター次長兼育種研究所長事務取扱 森田 満樹 ライター・消費生活コンサルタント 佐々木みさ子 農業者(宮城県生活研究グループ連絡協議会会長、JAみどりの理事) 大木 美智子 (財)消費科学センター代表理事 ※佐々木委員と大木委員は都合により欠席。書面評価は実施。 ・検討手順 平成25年度に係る業務実績報告書(案)をもとに、研究統括主幹及び業務統括 主幹より、実績及び所内で行った自己評価について説明を行った後、質疑を実施。 ②書面評価の実施 評価委員会での検討を踏まえ、各評価委員が書面評価を行った。 (2)評価結果 各評価委員の評価ランクは別添2のとおりとなった。 また、各評価委員の評価コメントを踏まえ、自己評価コメントを修正した。 評価委員の評価結果を踏まえた評価コメントの主な修正点 項 目 ランク 評 価 コ メ ン ト の 修 正 (参考) 中項目1-3「研究資源の効率 A 若手研究職員を対象に新たに開始した農家研修は、今後 的利用及び充実・高度化」 の研究の方向性や出口を見据えることにつながる取組で あり、継続的な実施が期待される旨追記。 中項目1-5「産学官連携、協 A 民間等との共同研究が大幅に増加している旨追記。 力の促進・強化」 大課題3「農業生態系におけ A 低Cdイネの実用化に向け多数の県と共同研究を実施して る化学物質の動態とリスク いる旨、また、イネの放射性Cs低吸収系統を選抜したこ 低減に関する研究」 とは今後の展開が期待できる旨追記。 大課題4「農業環境インベン A 土壌情報の取得を容易に行えるスマートフォン用アプリを トリーの高度化」 開発した旨追記。 中項目2-3「研究成果の広報 A 小・中学生を対象とした「のうかんけん夏休み公開」を ・普及の促進」 新たに実施するとともに、高校生の見学者数を大きく増 やすなど、次世代への科学の重要性のアピールにも力を 入れている旨追記。 なお、最終的な自己評価結ランクについては、平成26年2月19日に判明し6月27日に公 表した植防法違反事案(P117 指標8-3-エ参照)を踏まえ、中項目8-3のランクについて、 AからBに変更したのを除き、評価委員の評価ランクの平均値に該当するランクとした。 (3)評価結果の取扱い 評価委員からの評価コメントのうち、可能なものについては平成26年度計画に反映さ せるとともに、対応の検討に時間を要するものについては業務運営の実施場面で適宜反映 することとしている。 参考-3 (別添1) 平成25年度課題評価会議 評価結果一覧 内部・外部別、項目別評価点 RP課題 番号 1(1) RP名 総合ラ 総合評 ンク 価点 A 3.95 A 4.45 1(2)b RP A 4.00 2(1)a 生物多様性評価RP A 3.85 A 3.85 温暖化緩和策RP 作物応答影響予測 1(2)a RP 食料生産変動予測 遺伝子組換え生物・ 2(1)b 外来生物影響評価 RP 2(2) 情報化学物質・生態 機能RP S 4.60 3(1) 有害化学物質リスク 管理RP A 4.35 3(2) 化学物質環境動態・ 影響評価RP A 4.10 4(1) 農業空間情報・ガス フラックスモニタリン グRP A 4.00 4(2) 農業環境情報・資源 分類RP A 4.30 3.波及効 1.研究課 4.研究課 2.研究の 果の可能 題の進捗 題全般 レベル 性 状況 委員 総合点 内部 4.00 3.92 3.92 4.17 4.00 外部 3.90 4.00 4.00 3.75 4.00 内部 4.30 4.08 4.58 4.00 4.33 外部 4.60 4.50 4.75 4.25 4.75 内部 4.00 3.83 4.08 4.00 4.17 外部 4.00 4.00 4.00 4.00 4.00 内部 3.90 3.83 3.67 4.25 3.92 外部 3.80 4.00 3.75 3.75 3.75 内部 3.80 3.83 3.67 3.92 3.83 外部 3.90 4.00 3.75 3.75 4.00 内部 4.30 4.33 4.25 4.33 4.42 外部 4.90 4.75 5.00 5.00 5.00 内部 4.40 4.25 4.08 4.83 4.58 外部 4.30 4.00 4.25 4.50 4.25 内部 4.10 4.17 3.92 4.08 4.42 外部 4.10 4.25 4.00 4.00 4.00 内部 3.90 3.83 4.25 3.75 3.83 外部 4.10 4.00 4.25 4.00 4.00 内部 4.30 4.08 4.00 4.42 4.50 外部 4.30 4.25 4.25 4.25 4.25 参考-4 (別添2) 評価委員会評価結果(評価ランク整理表) 評価委員ランク分布 評 価 項 目 A B C D E F G 平均 評価 ランク 第1 業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置 1-1 経費の削減 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 1-2 評価・点検の実施と反映 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 1-3 研究資源の効率的利用及び充実・高度化 3 3 3 4 4 3 3 3.29 A 1-4 研究支援部門の効率化及び充実・高度化 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 1-5 産学官連携、協力の促進・強化 3 3 4 3 3 3 3 3.14 A 1-6 海外機関及び国際機関等との連携の促進・強化 3 3 3 4 3 3 3 3.14 A 第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置 2-1 試験及び研究並びに調査 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A (1)農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評 価 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A (2)地球規模環境変動に対する作物応答メカニズム の解明及び影響予測 3 3 3 4 3 3 3 3.14 A 2.農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機 能の解明に関する研究 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A (1)農業生態系における生物多様性の変動メカニズ ムの解明と適正管理技術の開発 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A (2)環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機 能の解明 4 4 3 4 3 3 4 3.57 S 3 3 3 4 4 3 3 3.29 A (1)有害化学物質における農作物汚染リスクの低減 技術の高度化 4 3 3 4 4 3 3 3.43 A (2)化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評 価手法の開発 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 4 3 3 4 3 3 3 3.29 A 3 3 3 4 3 3 3 3.14 A (2)農業環境情報の整備と統合データベースの 構築 4 3 3 3 3 3 3 3.14 A 2-2 行政部局との連携の強化 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 2-3 研究成果の公表、普及の促進 4 4 4 4 3 3 4 3.71 S 2-4 専門研究分野を活かしたその他の社会貢献 3 3 3 4 3 3 3 3.14 A 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 8-1 施設及び設備に関する計画 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 8-2 人事に関する計画 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 8-3 法令遵守など内部統制の充実・強化 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 8-4 慣行対策・安全管理の推進 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 8-5 積立金の処分に関する事項 3 3 3 3 3 3 3 3.00 A 1.地球規模環境変動と農業環境の相互作用に関する研究 3.農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関す る研究 4.農業環境インベントリーの高度化 (1)農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる 環境動態の監視・予測 第3 予算(人件費の見積もりを含む。)、収支計画及び資金計 画 第8 その他農林水産省令で定める業務運営に関する事項等 (注)評価点の平均値と評価ランクの関係は、3.5以上:S 、 2.5以上3.5未満:A 、 1.5以上2.5未満:B 、 0.5以上1.5未満:C 、 0.5未満:D 参考-5 (別添3) 独立行政法人農業環境技術研究所研究課題評価実施要領 17農環研第900号 平成18年3月31日 最終改正 23農環研第083003号 平成23年8月30日 (目的) 第1条 独立行政法人農業環境技術研究所の中期目標・中期計画推進において適正かつ効 率的な運営を確保するために、この要領の定めるところにより研究課題評価を実施する ことを目的とする。 (課題評価会議) 第2条 中期計画における調査及び研究の評価はリサーチプロジェクト(以下「RP」と い う 。) 課 題 を 基 本 単 位 と し 、 課 題 評 価 会 議 に お い て 次 の と お り 行 う 。 一 開催時期は、原則として毎年1月とする。 二 開催責任者は、理事長とする。 三 参集範囲は、外部評価委員、役員、研究統括主幹、業務統括主幹、研究コーディネ ータ、領域長、センター長及びRPリーダーとする。 四 課題評価会議においては、外部評価委員及び内部評価委員(研究統括主幹、研究コ ーディネータ、領域長及びセンター長)のピアレビューによる研究課題の評価及び次 年度計画の検討を行うものとする。 五 評価の基準は、別紙のとおりとする。 六 中期目標期間の最終年度には、当該年度の実績の評価とあわせ、中期目標期間の実 績の評価を行うものとする。また、第4号及び次条に定める次年度計画の検討を行う 必要はないものとする。 (RP成績検討会議) 第3条 RPリーダーは、課題評価会議に先立ち、RPメンバーの出席を得て、当該事業 年度の成果及び次年度計画を検討するための会議を開催することとする。 2 前項に定める会議には、RPメンバー以外の者が参加することができるものとする。 (事務局) 第4条 課題評価会議の事務局を企画戦略室に置く。 附 則 この要領は、平成18年4月1日から実施する。 附 則(平成19年2月5日18農環研第762号) 参考-6 この要領は、平成19年2月5日から実施する。 附 則(平成19年12月4日19農環研第120406号) この要領は、平成19年12月4日から実施する。 附 則(平成22年10月25日22農環研第102507号) この要領は、平成22年11月1日から実施する。 附 則(平成23年8月30日23農環研第083003号) この要領は、平成23年8月30日から実施する。 参考-7 (別紙) 評価の基準 課題評価会議における評価は、以下により行うものとする。 1 2 評価単位は、RP課題とする。 外部評価委員(3名以上)及び内部評価委員(研究統括主幹、研究コーディネータ、領域長及び センター長)を評価者とする。 3 評価項目は、「(1)進捗状況」、「(2)研究のレベル」、「(3)波及効果の可能性」及び「(4) 研究課題全般」とし、それぞれ下記の5段階で評価する。 (評価項目) (1)研究課題の進捗状況(中期計画に対する当該年度の進捗状況(中期目標期間の実績の評価の 場合には中期目標期間を通じた進捗状況)) s:目標を大幅に上回る業績が上がっている。 a:計画に対して業務が順調に進捗している。 b:計画に対して業務の進捗がやや遅れている。 c:計画に対して業務の進捗が遅れている。 d:計画に対して業務の進捗が大幅に遅れている。 (2)研究のレベル(質、難易度及び先進性等) s:かなり高いレベルにある。 a:妥当なレベルにある。 b:やや低いレベルにある。 c:低いレベルにある。 d:かなり低いレベルにある。 (3)波及効果の可能性(生産者、消費者、地域住民及び行政部局等への社会的貢献を図る観点か らの波及効果の可能性) s:可能性が極めて高い。 a:可能性が高い。 b:可能性がやや低い。 c:可能性が低い。 d:可能性は極めて低い。 (4)研究課題全般(RP課題としてのフレームワーク、内外との連携、副次的成果等及び任意の 評価軸による評価) s:極めて優れている。 a:概ね良好である。 b:努力を要する。 c:不十分である。 d:極めて不十分である。 4 s:5点、a:4点、b:3点、c:2点、d:1点とし、課題ごとに評価点の合計を「評価者 数×4」で除し、小数点以下2桁目を四捨五入した数値を総合評価点とする。評価点は、外部評価 委員と内部評価委員ごとに算出し、両者の評価点の合計に2分の1掛けで得た数値を総合的な評価 点とする。 総合評価点 4.5 点以上:S 3.5 点以上:A 2.5 点以上:B 1.5 点以上:C 1.5 点未満:D 5 評価者は、評価に関するコメントを付す。 参考-8 (別添4) 各事業年度に係る業務の実績に関する評価指針 平成24年3月12日 農業環境技術研究所評価委員会 第1 趣旨 国の研究開発評価に関する大綱的指針(平成 20 年 10 月 31 日内閣総理大臣決定)、農林水産省独 立行政法人評価委員会農業技術分科会における独立行政法人の評価基準の考え方について(平成 24 年 2 月 24 日農林水産省独立行政法人評価委員会農業技術分科会(以下「農業技術分科会」という。) 決定)等の趣旨を踏まえた適切な各事業年度の業務実績評価を実施し、独立行政法人農業環境技術 研究所(以下「研究所」という。)の中期目標・中期計画の適正かつ効率的な運営を確保するため、 独立行政法人農業環境技術研究所評価委員会規定第6条に基づき評価指針を定める。 第2 評価単位、評価指標及び評価ランク (1)評価単位 評価単位は原則として、中期計画の中項目とする。 ただし、「第3 の限度額」、「第5 予算(人件費の見積りを含む)、収支計画及び資金計画」、「第4 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財 産の処分に関する計画」、「第6 計画」及び「第7 1 短期借入金 重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その 剰余金の使途」については、大項目を評価単位とする。また、中項目「第2- 試験及び研究並びに調査」(以下「試験研究部分」という。)については、大課題(中期目標 に定める4課題)及び中課題を評価単位とする。 なお、第4、第5、第6及び第7については、実績があった場合に評価を行う。 上記に基づき設定した評価単位を付表1に示す。 (2)評価指標 評価指標は農業技術分科会の定める評価指標(付表2)とする。 ただし、試験研究部分については、業務の性格上、指標を定めず、業務の進捗状況を評価の判定 基準とすることを原則としつつ、目指すべき研究成果による社会・経済に対する貢献、学術進展へ のインパクトや新たな発展の可能性からみた特筆すべき業績、行政ニーズへの機動的対応など試験 研究に対する社会的要請についても勘案し、中期計画に掲げられた内容に照らして評価を行うもの とする。 (3)評価ランク 以下の5段階評価を基本とする。 S:中期計画を大幅に上回って業務が進捗している。 A:中期計画に対して業務が順調に進捗している。 B:中期計画に対して業務の進捗がやや遅れている。 C:中期計画に対して業務の進捗が遅れている。 D:中期計画に対して業務の進捗が大幅に遅れている。 参考-9 なお、評価ランクの定量的な目安及び定量的な評価指標等が設定されている場合の達成度合いの 基準は以下のとおりとする。 S:達成度合い120%以上 A:達成度合い90%以上120%未満 B:達成度合い60%以上90%未満 C:達成度合い30%以上60%未満 D:達成度合い30%未満 第3 評価手順 評価手順は次のとおりとする。なお、必要に応じ、以下の手順の一部を書面での調整により行う ことができるものとする。 (1)各評価委員による評価 各評価委員は、業務実績を確認し、評価単位ごとの評価を行う。この際、試験研究部分につ いては、別途、独立行政法人農業環境技術研究所研究課題評価実施要領に基づく外部評価が行 われているため、その評価結果を十分活用して行う。それ以外の部分については研究所内で行 われた自己評価を参考にして行う。 (2)評価委員の評価結果の集約 事務局は、各評価委員の評価結果を集約し、評価結果(案)を作成する。その際、各評価単 位の評価ランクは以下のとおり算出する。 ア 各評価委員の総合評価ランクを以下により点数化する。 S:4点 イ A:3点 B:2点 C:1点 D:0点 アにより算出した評価委員の評価点の平均値を以下によりランク分けする。 3.5以上:S 2.5以上3.5未満:A 0.5以上1.5未満:C 1.5以上2.5未満:B 0.5未満:D (3)評価委員会の評価結果の決定 委員長は事務局が作成した評価結果(案)に必要な修正を加えた後、各評価委員に諮り、評 価委員会の評価結果をとりまとめる。 最終的に、評価結果は、評価委員の過半数で決し、可否同数の場合は、委員長の決するとこ ろによるものとする。 第4 評価に関する留意事項 (1)評価の根拠の明示について 評価者は評価を下した理由を明確にするよう留意する。特に、各評価単位でA以外の評価ラン クとする場合には、その理由を評価コメントとして記述する。 (2)評価ランクの決定について 評価ランクについては、第3の(2)において算出されたものを参考とするが、各評価委員の コメントを十分考慮し、必要な議論を行った上で決定する。 参考-10 【資料2】 平成 24 年度実績評価に係る指摘事項とそれへの対応 (◎独法評価委員会、○自己評価) 指摘事項 指摘事項に対する対応状況・方針 - - - - 研究資源の ◎外部研究資金の獲得については、積極的 ◎外部研究資金の獲得に向け、引き続き、外部資金の公募 効率的利用及び充 な取組も伺えるが、獲得金額が減少してい 状況を所内に通知するとともに、所内説明会の開催、研究 実・高度化 ることから、獲得に向けた継続的な取組が 管理職による提案書のブラッシュアップを行っている。ま 期待される。 た、平成 25 年度には、新たに、所内に在籍する日本学術振 総合評価 第1 業務運営の効率化 に関する目標を達成する ためにとるべき措置 1-1 経費の削減 1-2 評価・点検の 実施と反映 1-3 興会特別研究員にも科研費への応募資格を付与した。これ らの結果、競争的研究資金獲得額が 33%増加し、外部資金 獲得総額としても前年並みを確保した。 1-4 研究支援部 門の効率化及び充 - - - - - - (別紙) (別紙) - - ○今後の技術情報の発信に当たっては、デ ○プレスリリース、研究成果情報、広報誌、Web マガジン メリットやトレードオフも明示して総体的 などでの成果の公開にあたっては、成果とともに社会的背 にはどうなのかが把握できるよう、Web サ 景やトレードオフなどの課題についても解説するなど、総 イトでの見せ方も含め、一層工夫すること 合的な情報提供に努めている。また、平成 26 年 2 月から を期待する。 Web マガジンに「農業環境研究所の 30 年」(全 10 回)を 実・高度化 1-5 産学官連携、 協力の促進・強化 1-6 海外機関及 び国際機関との連携、 協力の促進・強化 第2 国民に対して提供 するサービスその他の業務 の質の向上に関する目標 を達成するためとるべき 措置 2-1 試験及び研 究並びに調査 2-2 行政部局と の連携の強化 2-3 研究成果の 公表、普及の促進 連載し、各分野におけるさまざまな研究・技術開発の経過 や成果を、環境問題など社会的な背景とともに総合的に紹 介している。 1 参考-11 2-4 指摘事項 指摘事項に対する対応状況・方針 - - - - - - - - - - - - - - ◎女性研究者の採用と活用に向けた取組に ◎○女性研究者の採用については、一般向けアウトリーチ、 ついては、引き続きWebサイトに女性応募 キャリアガイダンスセミナー、インターンシップの受け入 者向けのページを開設している。24年度の れ等を行い、次世代女性研究者を増やすための啓発活動を 新規採用研究員(任期付)については、約 行っている。また、農業環境技術研究所次世代育成支援行 4割の女性の応募者があったが、採用には 動計画に基づき、仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の 至らなかったため、今後も優秀な女性研究 整備にも引き続き積極的に取り組んでいる。今後とも、以 者の応募・採用に繋がるよう継続的な取組 上のような支援の取組を継続するとともに、H24 年度末に が期待される。 リニューアルした女性研究者支援活動のホームページを活 ○現状、女性研究者の比率が低いものの、 用して取組のアピールに努めるなどにより、優秀な女性研 独自に「民間託児所又はベビーシッターに 究者の積極的な確保に努めたい。一方、女性研究者の活用 よる支援制度」を設けるとともに、文科省 については、平成 25 年 4 月に 1 人を研究領域長に登用した。 事業終了後も自主財源により「支援研究員 なお、平成 26 年 1 月 1 日現在、当法人の研究職員(パーマ 制度」等各種の女性研究者支援策を継続す ネント及び任期付の計)のうち女性数は 17 人、女性比率は るなど、女性研究者の採用と一層の活用に 13.8%であり、うち 1 人が研究領域長、1 人が RP リーダ 向けた環境整備が進められており、今後に ーに就いている。 専門分野を 活かしたその他の社 会貢献 第3 予算(人件費の見 積りを含む。)、収支計画 及び資金計画 第4 短期借入金の限度 額 第5 不要財産又は不要 財産となることが見込ま れる財産がある場合に は、当該財産の処分に関 する計画 第6 重要な財産を譲渡 し、又は担保に供しよう とするときは、その計画 第7 剰余金の使途 第8 その他農林水産省 令で定める業務運営に関 する事項等 8-1 施設及び設 備に関する計画 8-2 人事に関す る計画 期待したい。 8-3 法令遵守な ◎規制物質等の適切な管理については、全 ◎規制物質等に関する職員の安全意識の向上と法令遵守の ど内部統制の充実・強 職員を対象に安全管理に関する講習会を開 徹底を図るため、引き続き、安全管理講習会や各種教育訓 化 催し、講習後には、効果の確認も行われて 練等を開催している。また、化学薬品については、薬品管 いる。そのほか、従事者に対し放射線障害 理システムによる薬品の一元的管理を行い、不用薬品の廃 防止や遺伝子組換え実験などに関する教育 棄の促進に努めるとともに、消防法危険物の貯蔵量が規制 訓練も実施されている。また、全ての化学 値を超えないように管理している。さらに、毒物・劇物に 2 参考-12 指摘事項 指摘事項に対する対応状況・方針 薬品が、薬品管理システムで一元的に管理 ついては定期的に照合・点検を行い、その結果を化学薬品 されているほか、全ての毒物・劇物の照合 等安全管理委員会に報告するなど、引き続き徹底した管理 調査を行い、点検も実施している。RI(放射 と点検の実施に努めている。 性同位元素)実験棟の入退館管理システム を磁気カードからICカードシステムに更新 しセキュリティ管理機能の向上も図られて いる。規制物質等の適切な管理については、 引き続き、徹底した取組が期待される。 ◎情報セキュリティ対策については、平成 ◎平成 25 年 3 月、従来の「独立行政法人農業環境技術研究 25年1月に、プロジェクト研究の研究成果 所ネットワークにおける情報セキュリティ対策基準」を廃 等の発信を目的としたWebサイトが、外部 し、新たに「独立行政法人農業環境技術研究所情報セキュ からの不正アクセスにより改ざんされる事 リティポリシー」「情報セキュリティ管理規程」を整備し、 案が発生した。発生後、情報漏洩等の調査 理事長を最高情報セキュリティ責任者として情報セキュリ を行い、二次被害が発生していないことを ティの向上に取り組むこととした。さらに今年度には、新 確認したほか、全てのWebサイトの緊急調 たに設置した理事長を委員長とする「情報セキュリティ委 査を行い、セキュリティ向上のための必要 員会」において、情報セキュリティを確保するための規 な措置も講じているが、セキュリティ管理 程・手続き等を順次整備するとともに、WindowsXP サポ 徹底のための継続した取組が期待される。 ート終了への対応、USB メモリ等の管理・利用規制対策等 への対応を行った。また、全職員を対象として「情報セキ ュリティ講習会」を開催するとともに、研究成果等の発信 のために運用している全公開サイトについて情報セキュリ ティ監査企業による脆弱性診断を実施したほか、サイト管 理者に対しては「公開 Web サイト・サーバ管理者等講習会」 を実施するなど、ネットワーク管理の強化、充実に努めた。 8-4 環境対策・安 全管理の推進 8-5 積立金の処 分に関する事項 - - - - 3 参考-13 参考-14 8.3 1.8 2.9 1.0 11.8 7.8 3.5 7.3 1(1) 温暖化緩和策RP 1(2)a 作物応答影響予測RP 1(2)b 食料生産変動予測RP 2(1)a 生物多様性評価RP 合 計(幹部等は除く) 4(2) 農業環境情報・資源分類RP 3(2) 3.0 1.0 2.5 25.7 9.0 14.0 106.0 1.8 13.7 3(1) 有害化学物質リスク管理RP 11.3 2.4 10.5 2(2) 情報化学物質・生態機能RP 化学物質環境動態・ 影響評価RP 農業空間情報・ガスフラックス 4(1) モニタリングRP 1.0 9.1 遺伝子組換え生物・ 外来生物影響評価RP 2(1)b ポス ドク数 (人) R P 担当者 数(人) RP課題 番号 研究資源の投入と成果 (H25) 232 29 23 26 29 25 19 15 12 18 29 運営費 交付金 623 113 30 68 130 42 25 29 24 40 119 受託 プロ等 845 142 53 94 159 67 44 44 36 58 148 総額 74 80 57 72 82 63 57 66 67 69 80 受託/ 総額(%) 予 算 (百万円) 投 入 資 源 - 10.1 5.9 8.3 11.6 6.4 4.8 6.0 10.4 7.4 12.5 1人 当たり 金額 36 8 6 2 3 4 2 1 3 5 2 主要 成果 数 9 1 1 0 1 0 1 0 1 1 3 プレス リリース 5 0 0 0 2 3 0 0 0 0 0 特許 出願数 (国内) 成 果 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 特許 出願数 (海外) 174 25 25 16 23 20 13 13 6 16 15 査読 論文数 備考 【資料3】 主 要 成 果 一 覧 (H25) RP課題 番号 番号 成 果 タ イ ト ル 研究担当者 1 1(1) 水田のデータベースと数理モデルによるメタン排出量の広域評価 麓 多門ら 2 1(1) 黒ボク土の団粒構造の階層性を解明 浅野 眞希ら 3 1(2)a 高CO2濃度によるイネ葉身の光合成増加は高水温条件で抑制される ―開放系大気CO2増加と水地温上昇処理の実験からー 長谷川 利拡ら 4 1(2)a 水田の窒素動態の予測精度の向上には大気と地表のガス交換の再現性が鍵となる 5 1(2)a 作物気象データベース『MeteoCrop DB』改訂版 ―最新データの提供でイネの生育診断や高温対策への利用が可能に― 桑形 恒男ら 6 1(2)a 水稲の光合成速度と気孔開度の比例関係は野外群落条件でも成立する ―水田の水利用や収量の予測に貢献― 小野 圭介ら 7 1(2)a 多収性イネ品種「タカナリ」の高い光合成能力は高CO2濃度条件でも発揮される 8 1(2)b 世界の主要生産地域における過去25年間の主要作物の推定収量データベース (全球作物収量データベース) 飯泉 仁之直ら 9 1(2)b 世界の食料生産予測に利用できる過去50年間の全球日別気象データベース(GRASP) 飯泉 仁之直ら 10 1(2)b 世界のコムギとコメの不作を収穫3か月前に予測する手法の開発 飯泉 仁之直ら 11 2(1)a ビオトープにおける水生昆虫の多様性は水底への泥の堆積によって低下する 田中 幸一ら 12 2(1)b ススキの日本自生集団と中国産緑化種子集団との遺伝的差異 早川 宗志ら 13 2(1)b 霞ヶ浦におけるカワヒバリガイの分布拡大を予測 -2018年には湖岸全域に定着- 伊藤 健二ら 14 2(2) 畑土壌における古細菌群の動態と硝化への寄与の可能性 星野 裕子ら 15 2(2) 高いアレロパシー活性を有する植物種のスクリーニング 加茂 綱嗣ら 16 2(2) キシロースを用いた生分解性プラスチック(生プラ)分解酵素の大量生産 北本 宏子ら 17 2(2) 多くの種類の生分解性プラスチックを分解できる酵素 -植物葉面に生息するカビの一種が生産 - 鈴木 健ら 18 3(1) 多検体分析に適したコメ中ヒ素化合物の分析法の開発 馬場 浩司ら 19 3(1) 水抽出法を用いた水溶性農薬の作物残留分析で溶媒使用量を削減 渡邉 栄喜ら 20 3(1) 水稲根を覆う鉄プラークによるヒ素の不溶化 山口 紀子ら 21 3(2) LEACHMの改良による黒ボク土畑からの窒素溶脱予測 朝田 景ら 22 3(2) 河川付着藻類を用いた農薬の毒性試験マニュアル 永井 孝志 23 4(1) 衛星搭載合成開口レーダによる水稲生育・収量特性の広域評価手法 井上 吉雄ら 24 4(1) リモートセンシングによる植物群落クロロフィル量の高精度汎用評価モデル 井上 吉雄ら 25 4(1) ガスフラックスの長期観測により、国内採草地の温室効果ガス収支をはじめて評価し、 一酸化二窒素の排出係数を算定 宮田 明ら 26 4(1) 異なる2方式の渦相関法によるメタン発生量測定値の互換性を確保するデータ処理手法の開発 小野 圭介ら 27 4(1) 衛星画像による“世界の農業環境”閲覧システム 坂本 利弘 28 4(1) 衛星リモートセンシング技術を用いて米国トウモロコシ単位収量を広域把握する 坂本 利弘 29 4(2) 穀粒を汚染するかび毒を分解する菌の分解酵素遺伝子の解明 伊藤 通浩ら 30 4(2) コムギ穂からのかび毒デオキシニバレノール分解菌の分離 佐藤 育男ら 31 4(2) 栽培管理・土壌理化学性情報と土壌DNA情報を蓄積した「農耕地eDNAデータベース (eDDASs)」 對馬 誠也ら 32 4(2) 次世代型土壌病害管理(ヘソディム)のためのマニュアル 吉田 重信ら 33 4(2) 植物の土壌病害への抵抗性を強くする細菌株の選抜 吉田 重信ら 34 4(2) 耕作放棄地のメッシュ地図化及び活用 大澤 剛士ら 35 4(2) 2時期の標本情報を活用した安定ハビタットの抽出 大澤 剛士ら 36 4(2) フィールドで土壌情報を簡単利用 -スマートフォン用アプリ“e-土壌図”の開発- 高田 裕介ら 参考-15 林 健太郎ら 酒井 英光ら プ レ ス リ リ ー ス 一 覧 (H25) RP課題 番号 番号 年月日 タイトル 担当研究者 1 1(1) 2013年6月26日 中干し期間の延長で水田から発生するメタンを削減 ―水管理による温暖化対策― 須藤重人 2 1(1) 2013年8月26日 温暖化により土壌有機物の分解がどのくらい加速されるか その要因を解明 ―地 球温暖化予測の精度向上に役立ちます― 和穎朗太 3 1(1) 2013年10月2日 土壌のCO2吸収量「見える化」サイトを公開-農地の土壌炭素量の増減を予測- 白戸康人, 大澤剛士, 高田裕介 4 1(2)a 2013年11月13日 作物気象データベース 『MeteoCrop DB』 改訂版を公開 ―最新データの提供でイ 桑形恒男, 吉本真由美, 長谷川利拡, ネの生育診断や高温対策への利用が可能に― 石郷岡康史, 西森基貴 5 1(2)b 2013年7月19日 世界のコムギとコメの不作を収穫3か月前に予測する手法の開発 ―季節予測によ 飯泉仁之直, る穀物の世界的豊凶予測― (独)海洋研究開発機構(佐久間弘文) 6 2(1)b 2014年1月16日 霞ヶ浦におけるカワヒバリガイの分布拡大を予測 -2018年には湖岸全域に定着 伊藤健二, 東邦大学(瀧本岳) - 7 3(1) 2014年1月30日 カドミウムをほとんど含まない水稲品種 「コシヒカリ環1号」 8 4(1) 2013年1月9日 世界中の農業環境の変化を衛星画像で見よう! ―高頻度観測衛星データによる 坂本利弘 「”世界の農業環境” 閲覧システム」 の公開― 9 4(2) 2014年1月8日 農地の土壌の種類がわかるスマートフォン用無料アプリ ”e-土壌図” を公開 参考-16 石川覚 高田裕介 査読付論文一覧(H25) 番号 RP課題 番号 1 1(1) Kenji Ono, Syuntaro Hiradate, Sayaka Fate of organic carbon during decomposition of different Morita, Keizo Hirai litter types in Japan 2 1(1) Akinori Yamamoto, Hiroko Akiyama, Takuji Naokawa, Yasuhiro Miyazaki, Yusuke Honda, Yukimasa Sano, Yasuhiro Nakajima, Kazuyuki Yagi 著者 成果タイトル ページ ページ 終 始 巻 号 BIOCHEMISTRY 112 1-3 7 21 2013 SPRINGER 3.4 BIOLOGY AND FERTILITY OF SOILS 50 1 53 62 2014 SPRINGER 2.5 3 Kazunori Minamikawa, Tamon Fumoto, Potential of prolonged midseason drainage for reducing BIOLOGY AND FERTILITY methane emission from rice paddies in Japan: a long-term OF SOILS 1(1) Masayuki Itoh, Michiko Hayano, simulation using the DNDC-Rice model Shigeto Sudo, Kazuyuki Yagi - - doi:10.1 007/s00 3740140909-8 2014 SPRINGER 2.5 4 1(1) Thilo Rennert, Karin Eusterhues, Characterisation of Andosols from Laacher See tephra by Syuntaro Hiradate, Hergen Breitzke, wet-chemical and spectroscopic techniques (FTIR, 27Al-, CHEMICAL GEOLOGY Gerd Buntkowsky, Kai U. Totsche, Tim 29Si-NMR) Mansfeldt 363 - 13 21 2014 ELSEVIER 3.2 5 1(1) Y. SHIRATO, M. JOMURA, R.WAGAI, M. KONDO, K. TANABE, M. UCHIDA Deviations between observed and RothC-simulated Δ14C EUROPEAN JOURNAL OF SOIL SCIENCE values despite improved IOM initialization 64 5 576 6 1(1) Maki Asano, Rota Wagai Evidence of aggregate hierarchy at micro- to submicron scales in an allophanic Andisol GEODERMA 216 - 62 7 Tamon FUMOTO, Toshihiro HASEGAWA, Weiguo CHENG, M.M. HOQUE, Yasuhiro YAMAKAWA, 1(1) Hiroyuki SHIMONO, Kazuhiro KOBAYASHI, Masumi OKADA, Changsheng LI Application of a process-based biogeochemistry model, DNDC-Rice, to a rice field under free-air CO2 enrichment (FACE) JOURNAL OF AGRICULTURAL METEOROLOGY (農業気 象) 69 3 173 8 Kentaro Hayashi, Elisabeth J. Cooper, Potential of Svalbard reindeer winter droppings for Maarten J.J.E. Loonen, Ayaka W. emission/absorption of methane and nitrous oxide during 1(1) Kishimoto-Mo, Takeshi Motohka, summer Masaki Uchida , Takayuki Nakatsubo - - http://d x.doi.org /10.101 6/j.polar .2013.11 .002 9 1(1) SOIL SCIENCE 117 12 695 700 2012 WILKINS 1.1 10 Akinori YAMAMOTO, Hiroko 1(1) AKIYAMA, Takuji NAOKAWA, Kazuyuki YAGI Lime-nitrogen application reduces N2O emission from a vegetable field with imperfectly-drained sandy clay-loam soil SOIL SCIENCE AND PLANT NUTRITION 59 3 442 449 2013 TAYLOR & FRANCIS 0.9 11 1(1) Yoshitaka UCHIDA, Hiroko AKIYAMA Mitigation of postharvest nitrous oxide emissions from soybean ecosystems: a review SOIL SCIENCE AND PLANT NUTRITION 59 4 477 487 2013 TAYLOR & FRANCIS 0.9 12 1(1) Michiko HAYANO, Tamon FUMOTO, Kazuyuki YAGI, Yasuhito SHIRATO National-scale estimation of methane emission from paddy SOIL SCIENCE AND fields in Japan: Database construction and upscaling using PLANT NUTRITION a process-based biogeochemistry model 59 5 812 823 2013 Taylor & Francis 0.9 13 1(1) 松田和秀, 佐瀨裕之, 村尾直人, 野口 泉, 深澤達矢, 林健太郎, 高橋章, 高木 東アジアの森林におけるエアロゾルの乾性沈着 健太郎, 山口高志, Pojanie KHUMMONGKOL 29 S1 160 167 2014 日本エアロゾル研究学会 - 14 1(1) 蓮川博之, 高橋有紀, 鳥塚智, 須藤重 水稲非灌漑期の異なる土壌管理法が年間の温室効果ガス 日本土壌肥料学雑誌 人, 仁科一哉 発生量に及ぼす影響 84 6 462 472 2013 (一社)日本土壌肥料学会 - 15 1(1) 上薗一郎, 仁科一哉, 大浦典子, 古江 豚ぷん堆肥,鶏ふん堆肥の酸性デタージェント可溶窒素量 日本土壌肥料学雑誌 広治 による一酸化二窒素発生量の評価 84 2 104 107 2013 日本土壌肥料学会 - 16 Genki Katata, Kentaro Hayashi, 1(2)a Kensuke Ono, Haruyasu Nagai, Akira Miyata, Masami Mano Coupling atmospheric ammonia exchange process over a rice paddy field with a multi-layer atmosphere–soil– vegetation model AGRICULTURAL AND FOREST METEOROLOGY 180 - 1 17 Zhihua Bao, Aya Watanabe, Kazuhiro Sasaki, Takashi Okubo, Takeshi Tokida, Dongyan Liu, Seishi Ikeda, 1(2)a Haruko Imaizumi-Anraku, Susumu Asakawa, Tadashi Sato, Hisayuki Mitsui, Kiwamu Minamisawa A rice gene for microbial symbiosis, OsCCaMK, reduces CH4 flux 2 in a paddy field with low nitrogen input APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY - - doi:10.1 128/AE M.03646 -13 18 Kentaro Hayashi, Kazuhide Matsuda, 1(2)a Keisuke Ono, Takeshi Tokida, Toshihiro Hasegawa Amelioration of the reactive nitrogen flux calculation by a day/night separation in weekly mean air concentration measurements ATMOSPHERIC ENVIRONMENT 79 - 462 19 KEISUKE ONO, ATSUSHI MARUYAMA, TSUNEO KUWAGATA, MASAYOSHI MANO, TAKAHIRO 1(2)a TAKIMOTO, KENTARO HAYASHI, TOSHIHIRO HASEGAWA, AKIRA MIYATA Canopy-scale relationships between stomatal conductance and photosynthesis in irrigated rice GLOBAL CHANGE BIOLOGY 19 7 2209 2220 2013 PUBLISHING, INC 20 HIROYUKI SHIMONO, HIROFUMI 1(2)a NAKAMURA, TOSHIHIRO HASEGAWA, MASUMI OKADA Lower responsiveness of canopy evapotranspiration rate than of leaf stomatal conductance to open-air CO2 elevation in rice GLOBAL CHANGE BIOLOGY 19 8 2444 2453 2013 PUBLISHING, INC 21 Masumi OKADA, Hirofumi 1(2)a NAKAMURA, Han-Yong KIM, Mayumi YOSHIMOTO Design and performance of a laser-gauging microlysimeter AGRICULTURAL METEOROLOGY (農業気 for measuring the water balance of paddy rice 69 3 209 214 2013 Meteorology of Japan 69 4 229 241 2013 Meteorology of Japan 64 11 3179 3188 2013 OXFORD UNIV PRESS 95 2 255 掲載誌名 Lime-nitrogen application affects nitrification, denitrification, and N2O emission in an acidic tea soil Syusaku Nishimura, Nobuhide Fujitake, Physicochemical and spectroscopic characteristics of Syuntaro Hiradate, Haruo Shindo charred plant fragments in Japanese volcanic ash soils POLAR SCIENCE エアロゾル研究 - 年 出版社 IF British Society of Soil 2.7 585 2013 Science 2.3 74 2014 ELSEVIER The Society of Agricultural 190 2013 Meteorology of Japan - - - 2013 ELSEVIER LIPPINCOTT WILLIAMS & 3.4 21 2013 ELSEVIER - AMER SOC 3.7 2014 MICROBIOLOGY 3.1 471 2013 ELSEVIER WILEY-BLACKWELL 6.9 WILEY-BLACKWELL 6.9 JOURNAL OF The Society of Agricultural - The Society of Agricultural - 象) JOURNAL OF AGRICULTURAL METEOROLOGY (農業気 象) 22 Kentaro HAYASHI, Masayoshi MANO, Four-year monitoring of atmospheric ammonia using 1(2)a Keisuke ONO, Takahiro TAKIMOTO, passive samplers at a single-crop rice paddy field in central Japan Akira MIYATA 23 Guoyou Zhang, Hidemitsu Sakai, Takeshi Tokida, Yasuhiro Usui, The effects of free-air CO2 enrichment (FACE) on carbon Chunwu Zhu, Hirofumi Nakamura, JOURNAL OF and nitrogen accumulation in grains of rice (Oryza sativa EXPERIMENTAL BOTANY 1(2)a Mayumi Yoshimoto, Minehiko Fukuoka, L.) Kazuhiko Kobayashi, Toshihiro Hasegawa 24 Nobuko Katayanagi, Keisuke Ono, 1(2)a Tamon Fumoto, Masayoshi Mano, Akira Miyata, Kentaro Hayashi Validation of the DNDC-Rice model to discover problems in evaluating the nitrogen balance at a paddy-field scale for single-cropping of rice NUTRIENT CYCLING IN AGROECOSYSTEMS 参考-17 268 2013 SPRINGER 5.2 1.4 番号 RP課題 番号 25 1(2)a Kentaro Hayashi, Takeshi Tokida, Miwa Yashima Matsushima, Keisuke Ono, Hirofumi Nakamura, Toshihiro Hasegawa Free-air CO2 enrichment (FACE) net nitrogen fixation experiment at a paddy soil surface under submerged conditions 26 1(2)a Charles P. Chen, Hidemitsu Sakai, Takeshi Tokida, Yasuhiro Usui, Hirofumi Nakamura, Toshihiro Hasegawa Do the rich always become richer? Characterizing the leaf PLANT AND CELL physiological response of the high-yielding rice cultivar PHYSIOLOGY Takanari to free-air CO2 enrichment 27 Minako Adachi, Toshihiro Hasegawa, Soil and water warming accelerates phenology and downHiroshi Fukuyama, Takeshi Tokida, 1(2)a Hidemitsu Sakai, Toshinori Matsunami, regulation of leaf photosynthesis of the rice plants grown Hirofumi Nakamura, Ryoji Sameshima, under free-air CO2 enrichment (FACE) Masumi Okada 28 1(2)a Estela Magbujos Pasuquin, Toshihiro Hasegawa, Philip Eberbach, Russell Reinke, Leonard J. Wade, Tanguy Lafarge 29 1(2)a Midori Yano, Sakae Toyoda, Takeshi Tokida, Kentaro Hayashi, Toshihiro Hasegawa, Akiko Makabe, Keisuke Koba, Naohiro Yoshida 30 1(2)a 31 著者 成果タイトル ページ ページ 終 始 巻 号 98 1 57 - - doi: 10.1093 /pcp/pc u009 PLANT AND CELL PHYSIOLOGY 55 2 Responses of eighteen rice (Oryza sativa L.) cultivars to temperature tested using two types of growth chambers PLANT PRODUCTION SCIENCE 16 Isotopomer analysis of production, consumption and soilto-atmosphere emission processes of N2O at the beginning of paddy field irrigation SOIL BIOLOGY AND BIOCHEMISTRY Tsuneo Kuwagata, Yasushi Ishigooka, Temperature difference between meteorological station Minehiko Fukuoka, Mayumi Yoshimoto, and nearby farmland –Case study for Kumagaya city in Toshihiro Hasegawa, Yasuhiro Usui, Japan– Takashi Sekiguchi 1(2)a 32 1(2)b 33 掲載誌名 NUTRIENT CYCLING IN AGROECOSYSTEMS 年 出版社 IF 1.4 69 2013 SPRINGER 2014 OXFORD UNIV PRESS 4.1 370 380 2014 OXFORD UNIV PRESS 4.1 3 217 225 2013 JAPAN 70 - 66 78 2014 ELSEVIER SOLA 10 - 45 49 2014 Japan 臼井靖浩, 常田岳志, 酒井英光, 林健 FACE実験による水田生態系の気候変動応答研究 太郎, 長谷川利拡 化学と生物 51 9 628 Ryuhei Yoshida, Toshichika Iizumi, Motoki Nishimori CLIMATE RESEARCH 59 1 77 Toshichika Iizumi, Masayuki Yokozawa, Gen Sakurai, Maria Isabel Travasso, Historical changes in global yields: major cereal and legume GLOBAL ECOLOGY AND 1(2)b Vladimir Romanernkov, Pascal Oettli, BIOGEOGRAPHY crops from 1982 to 2006 Terry Newby, Yasushi Ishigooka, Jun Furuya 23 3 346 34 Akiko Satake, Tetsuhiro Kawagoe, 1(2)b Yukari Saburi, Yukako Chiba, Gen Sakurai, Hiroshi Kudoh Forecasting flowering phenology under climate warming by NATURE modelling the regulatory dynamics of flowering-time genes COMMUNICATONS - - doi:10.1 038/nco mmns33 03 35 1(2)b Prediction of seasonal climate-induced variations in global Nature Climate Change food production 3 - 904 36 Akihiko Kotera, Khang Duy Nguyen, 1(2)b Toshihiro Sakamoto, Toshichika Iizumi, Masayuki Yokozawa A modeling approach for assessing rice cropping cycle affected by flooding, salinity intrusion, and monsoon rains in the Mekong Delta, Vietnam PADDY AND WATER ENVIRONMENT - - doi:10.10 07/s1033 3-0130386-y - 2013 SPRINGER 1.0 37 1(2)b Is long-term climate change beneficial or harmful for rice total factor productivity in Japan: evidence from a panel data analysis PADDY AND WATER ENVIRONMENT - - doi: 10.1007/ s103330130368-0 - 2013 SPRINGER 1.0 38 2(1)a Yuki G. Baba A new species of the genus Marpissa (Araneae: Salticidae) ACTA ARCHNOLOGICA from Japan 62 1 51 53 2013 Japan 39 2(1)a Yuki G. Baba Two new species of jumping spider (Araneae: Salticidae) from Japan 62 2 103 107 2013 Japan 40 2(1)a 72 - 7 13 2013 ELSEVIER 2.1 41 Indirect positive effects of agricultural modernization on Naoki Katayama, Tetsuo Goto, 2(1)a Fumihiro Narushima, Tatsuya Amano, the abundance of Japanese tree frog tadpoles in rice fields AQUATIC ECOLOGY through the release from predators Hiromi Kobori, Tadashi Miyashita 47 2 225 234 2013 SPRINGER 1.4 42 2(1)a 14 5 387 395 2013 ELSEVIER 2.7 43 2(1)a 金田哲, 南谷幸雄 92 - 25 31 2013 日本土壌動物学会 44 Petr Heděnec, Petra Radochová, Grazing preference and utilization of soil fungi by Folsomia EUROPEAN JOURNAL OF 2(1)a Alena Nováková, Satoshi Kaneda, Jan SOIL BIOLOGY candida (Isotomidae:Collembola) Frouz 55 - 66 70 2014 ELSEVIER 45 2(1)a Hiroshi Hayakawa, Kyohei Ohga, Phylogenetic background of a glabrous individual of Haruki Miyata, Ryo Arakawa, Katsura Journal of Phytogeography Spiranthes sinensis var. amoena (Orchidaceae) collected in and Taxonomy Ito, Shin-ichi Tebayashi, Hiroaki Ikeda, Kochi Prefecture, Japan Tatsuya Fukuda 61 1 45 50 2013 of Phytogeography and Toshichika Iizumi, Hirofumi Sakuma, Masayuki Yokozawa, Jin-jia Luo, Andrew J. Challinor, Molly E. Brown, Gen Sakurai, Toshio Yamagata Yoji Kunimitsu, Toshichika Iizumi, Masayuki Yokozawa S. Kaneda, J. Frouz, P. Baldrian, T. Cajthaml, V. Krištůfek Yuya Fukano, Koichi Tanaka, Tetsukazu Yahara Impact functions for land‑use-induced surface warming, and their applications in uncertainty analysis ACTA ARCHNOLOGICA Does the addition of leaf litter affect soil respiration in the same way as addition of macrofauna excrements (of Bibio APPLIED SOIL ECOLOGY marci Diptera larvae) produced from the same litter? Directional selection for early flowering is imposed by a re-associated herbivore - but no evidence of directional evolution BASIC AND APPLIED ECOLOGY 日本の農地環境におけるからし溶液を用いたミミズ採取法 EDAPHOLOGIA の適用可能性 46 Naoki Katayama, Tatsuya Amano, Shoji Naoe, Takehisa Yamakita, Isamu Landscape heterogeneity–biodiversity relationship: effect 2(1)a Komatsu, Shin-ichi Takagawa, Naoto of range size Sato, Mutsuyuki Ueta, Tadashi Miyashita 47 2(1)a Hiroaki Okada, Hidemitsu Sakai, Takeshi Tokida, Yasuhiro Usui, Hirofumi Nakamura, Toshihiro Hasegawa 48 2(1)a Naoki Katayama, Tatsuya Amano, Go Fujita, Hiroyoshi Higuchi 49 2(1)a 田中幸一, 濱﨑健児, 松本公吉, 鎌田 造成されたビオトープにおける水生昆虫の種数の変化 輝志 50 2(1)a 長谷川浩, 赤羽幾子 51 MASATAKA YOSHIDA, HIROSHI 2(1)b HAYAKAWA, TATSUYA FUKUDA, JUN YOKOYAMA - CROP SCIENCE SOC 633 2013 日本農芸化学会 1.3 - 2.7 87 2014 INTER-RESEARCH 7.2 357 2014 WILEY - 10.0 2013 NATURE PUBLISHING 908 2013 GROUP 14.5 Arachnological Society of - Arachnological Society of - 1.8 The Society for the Study - Taxonomy - PUBLIC LIBRARY 3 e93359 Elevated temperature has stronger effects on the soil food SOIL BIOLOGY AND BIOCHEMISTRY web of a flooded paddy than does CO2 70 - 166 175 2014 ELSEVIER Spatial overlap between the intermediate egret egretta intermedia and its aquatic prey at two spatiotemporal scales in a rice paddy landscape ZOOLOGICAL STUDIES 51 7 1105 1112 2013 ZOOLOGY 昆蟲(ニューシリーズ) 16 4 189 農家および試験場内で育てた有機栽培水稲苗質の比較 有機農業研究 5 1 4 Incongruence between morphological and molecular traits in populations of Viola violacea (Violaceae) in Yamagata prefecture, northern honshu, Japan ACTA PHYTOTAXONOMICA ET GEOBOTANICA 63 3 121 参考-18 3.7 Meteorological Society of 9 PLoS ONE 0.8 3.7 2014 SCIENCE 3.7 ACAD SINICA INST 199 2013 日本昆虫学会 11 2013 日本有機農業学会 Japanese Society for 134 2013 Plant Systematics 1.3 - 番号 RP課題 番号 著者 号 52 Phylogeography based on intraspecific sequence variation BOTANY in chloroplast DNA of Miscanthus sinensis (Poaceae), a native pioneer grass in Japan 91 7 449 456 2013 NRC Research Press 1.2 53 Yoshiko Shimono, Hiroshi Hayakawa, 2(1)b Shunji Kurokawa, Tomoko Nishida, Hiroaki Ikeda, Norihiko Futagami Phylogeography of Mugwort (Artemisia indica), a native pioneer herb in Japan JOURNAL OF HEREDITY 104 6 830 841 2013 OXFORD UNIV PRESS 2.0 54 2(1)b Rapid discrimination of two cryptic species within JOURNAL OF PESTICIDE Brontispa longissima (Gestro) (Coleoptera: Chrysomelidae) SCIENCE by PCR–RFLP 86 2 151 155 2013 SPRINGER 0.7 55 A new method for evaluating flowering synchrony to Kentaro Ohigashi, Aki Mizuguti, 2(1)b Yasuyuki yoshimura, Kazuhito Matsuo, support the temporal isolation of genetically modified crops from their wild relatives Tetsuhisa Miwa JOURNAL OF PLANT RESEARCH 127 1 109 117 2014 SPRINGER 2.1 56 Satoshi Iwakami, Akira Uchino, Yukiko Cytochrome P450 genes induced by bispyribac-sodium treatment in amultiple-herbicide-resistant biotype of 2(1)b Kataoka, Hiroyuki Shibaike, Hiroaki Echinochloa phyllopogon Watanabe, Tatsuya Inamura PEST MANAGEMENT SCIENCE 70 4 549 558 2013 WILEY 2.6 57 Takashi Ikka, Tsuyoshi Ogawa, 2(1)b Donghua Li, Syuntaro Hiradate, Akio Morita Effect of aluminum on metabolism of organic acids and chemical forms of aluminum in root tips of Eucalyptus camaldulensis Dehnh PHYTOCHEMISTRY 94 - 142 147 2013 ELSEVIER 3.1 58 Chika Mitsuyuki , Akihiko Hoya, 2(1)b Hiroyuki Shibaike, Mikio Watanabe, Tetsukazu Yahara Formation of a hybrid triploid agamosperm on a sexual diploid plant: evidence from progeny tests in Taraxacum platycarpum Dahlst PLANT SYSTEMATICS AND EVOLUTION 300 5 863 870 2013 SPRINGER 1.3 59 2(1)b POPULATION ECOLOGY 55 3 451 459 2013 SPRINGER 1.9 60 2(1)b 吉村泰幸 遺伝子組換え作物と生物多様性,そして私たちの生活 雑草研究 58 2 90 96 2013 日本雑草学会 - 61 2(1)b 西田智子, 山本勝利, 細木大輔 自然植生保全地域における緑化植物の生態系影響と管理 雑草研究 58 2 85 89 2013 日本雑草学会 - 62 2(1)b 伊藤健二, 瀧本岳 メタ個体群モデルを用いた霞ヶ浦におけるカワヒバリガイの 日本ベントス学会誌 分布拡大予測 68 - 42 48 2013 日本ベントス学会 - 63 2(1)b 59 2 89 97 2013 日本草地学会 - Shun-ichiro Takano, Atsushi Mochizuki, Keiji Takasu, Kazuhiro Konishi, Jelfina C. Alouw, Donata S. Pandin, Satoshi Nakamura 成果タイトル ページ ページ 終 始 巻 Yoshiko Shimono, Shunji Kurokawa, 2(1)b Tomoko Nishida, Hiroaki Ikeda, Norihiko Futagami 掲載誌名 Keizi Kiritani, Hanae Yamashima, Kohji Beak marks on butterfly wings with special reference to Yamamura Japanese black swallowtail 北川美弥, 平野清, 池田堅太郎, 中野 センチピートグラス(Eremochloa ophiuroides (Munro) Hack.) 日本草地学会誌 美和, 西田智子, 山本嘉人 を導入した放牧草地における植生と種多様性の変化 A convenient route for synthesis of 2-isopropyliden-5methyl-4-hexen-1-yl butyrate, the sex pheromone of Planococcus kraunhiae (Hemiptera: Pseudococcidae), by use of β,γ to α,β double-bond migration in an unsaturated aldehyde APPLIED ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY 48 2 229 Leaf beetle larvae, Plagiodera versicolora (Coleoptera: Kinuyo Yoneya, Soichi Kugimiya, Junji Chrysomelidae), show decreased performance on uninfested host plants exposed to airborne factors from Takabayashi plants infested by conspecific larvae APPLIED ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY - - Purification, characterization, and cloning of the gene for a APPLIED MICROBIOLOGY biodegradable plastic-degrading enzyme from Paraphoma- AND BIOTECHNOLOGY related fungal strain B47-9 - 67 Yukiko Shinozaki, Yoshihiko Kikkawa, Shun Sato, Tokuma Fukuoka, Takashi Enzymatic degradation of polyester films by a cutinaseAPPLIED MICROBIOLOGY like enzyme from Pseudozyma antarctica: surface plasmon AND BIOTECHNOLOGY 2(2) Watanabe, Shigenobu Yoshida, Toshiaki Nakajima-Kambe, Hiroko K. resonance and atomic force microscopy study Kitamoto 68 Kei Kawazu, Atsushi Mochizuki, 2(2) Wataru Sugeno, Shigemi Seo, Ichiro Mitsuhara 69 Tomoko Takemura, Emi Sakuno, 2(2) Tsunashi Kamo, Syuntaro Hiradate, Yoshiharu Fujii 70 2(2) 64 2(2) Jun Tabata 65 2(2) 66 Ken Suzuki, Masako Tsujimoto Noguchi, Yukiko Shinozaki, Motoo 2(2) Koitabashi, Yuka SameshimaYamashita, Shigenobu Yoshida, Takeshi Fujii, Hiroko K. Kitamoto Takashi WATANABE, Haruyuki IEFUNE, Hiroko K. KITAMOTO 年 出版社 232 2013 SPRINGER 0.8 doi:10.1 007/s13 3550130243-x - 2014 SPRINGER 0.8 - doi:10.1 007/s00 2530135454-0 - 2014 SPRINGER 3.7 97 19 8591 8598 2013 SPRINGER 3.7 Differences in the susceptibility of five herbivore species ARTHROPOD-PLANT and developmental stages to tomato resistance induced by INTERACTIONS methyl jasmonate treatment 7 4 415 422 2013 SPRINGER 1.6 Screening of the growth-inhibitory effects of 168 plant species against lettuce seedlings 4 - 1095 Genome-wide screening to study breeding methods to BIOSCIENCE improve the nitrogen accumulation ability of yeast without BIOTECHNOLOGY AND BIOCHEMISTRY gene recombinant techniques 77 5 917 Evaluation of Brix and sugar content in stem juice from sorghum varieties GRASSLAND SCIENCE 59 1 11 JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING 117 3 325 329 2013 ELSEVIER American Journal of Plant Sciences 1104 2013 Scientific Research 72 Takashi Watanabe, Yukiko Shinozaki, Shigenobu Yoshida, Motoo Koitabashi, Xylose induces the phyllosphere yeast Pseudozyma 2(2) Yuka Sameshima-Yamashita, Takeshi antarctica to produce a cutinase-like enzyme which efficiently degrades biodegradable plastics Fujii, Tokuma Fukuoka, Hiroko Kuze Kitamoto 73 2(2) T Takemura, T Kamo, E Sakuno, S Hiradate, Y Fujii Discovery of coumarin as the predominant allelochemical in Gliricidia sepium JOURNAL OF TROPICAL FOREST SCIENCE 25 2 268 272 2013 Malaysia 74 2(2) Yoriko Sakai, Naoto Ogawa, Yumi Shimomura, Takeshi Fujii A 2,4-dichlorophenoxyacetic acid degradation plasmid pM7012 discloses distribution of an unclassified megaplasmid group across bacterial species MICROBIOLOGY-SGM 160 - 525 536 2014 MICROBIOLOGY 75 2(2) Kumiko Oka, Yuka Amano, Shinpei Tobacco MAP kinase phosphatase (NtMKP1) negatively Katou, Shigemi Seo, Kei Kawazu, regulates wound response and induced resistance against Atsushi Mochizuki, Kazuyuki Kuchitsu, necrotrophic pathogens and lepidopteran herbivores Ichiro Mitsuhara MOLECULAR PLANTMICROBE INTERACTIONS 26 6 668 675 2013 PHYTOPATHOLOGICAL PHYTOCHEMISTRY 96 参考-19 1.3 and Agrochemistry Hiroyuki Kawahigashi, Shigemitsu 2(2) Kasuga, Hisahito Okuizumi, Syuntaro Hiradate, Jun-ichi Yonemaru Keisuke Nishikawa, Hiroshi Fukuda, Masato Abe, Kazunari Nakanishi, Tomoya Taniguchi, Takashi Nomura, Substituent effects of cis-cinnamic acid analogues as 2(2) Chihiro Yamaguchi, Syuntaro Hiradate, plant growh inhibitors Yoshiharu Fujii, Katsuhiro Okuda, Mitsuru Shindo - Japanese Society of 922 2013 Bioscience, Biotechnology 71 76 IF 19 2013 WILEY 0.5 1.7 Forest Research Institute 0.5 SOC GENERAL 2.9 AMER 4.3 SOC - 132 147 2013 ELSEVIER 3.1 番号 RP課題 番号 著者 成果タイトル ページ ページ 終 始 巻 号 96 - 223 234 2013 ELSEVIER 163 3 1242 1253 2013 BIOLOGISTS 8 9 e75512 10 3967 67 2 76 108 11 823 829 2013 (公財)日本醸造協会 - 55 8 605 612 2013 産業用水調査会 - APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY 79 15 463.5 4642 2013 Journals ASM. org. 3.7 APPLIED MICROBIOLOGY AND BIOTECHNOLOGY 97 9 3801 3809 2013 SPRINGER 3.7 ATMOSPHERIC ENVIRONMENT 80 - 275 280 2013 ELSEVIER 3.1 BREEDING SCIENCE 63 3 284 291 2013 Breeding 1.0 0.3 掲載誌名 年 出版社 IF 77 Keisuke Nishikawa, Hiroshi Fukuda , Masato Abe, Kazunari Nakanishi, Yuta Design and synthesis of conformationally constrained 2(2) Tazawa, Chihiro Yamaguchi, Syuntaro analogues of cis-cinnamic acid and evaluation of their plant growth inhibitory activity Hiradate, Yoshiharu Fujii, Katsuhiro Okuda, Mitsuru Shindo 78 Hiroshi Abe, Ken Tateishi, Shigemi Seo, Soichi Kugimiya, Masami Yokota Disarming the Jasmonate-dependent plant defense makes PLANT PHYSIOLOGY 2(2) Hirai, Yuji Sawada, Yoshiyuki Murata, nonhost arabidopsis plants accessible to the American serpentine leafminer1 Kaori Yara, Takeshi Shimoda, Masatomo Kobayashi 79 2(2) Megumi Shigematsu, Tetsuhiro Ogawa, Wataru Tanaka, Kazutoshi Takahashi, Evidence for dna cleavage caused directly by a transfer rna-targeting toxin Hiroko K. Kitamoto, Makoto Hidaka, Haruhiko Masaki PLoS ONE 80 2(2) Jean-Marc Lassance, Marjorie A. Lié nard, Binu Antony, Shuguang Qian, Takeshi Fujii, Jun Tabata, Yukio Ishikawa, Christer Löfstedt PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF 110 SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA 81 2(2) 横田仁子, 大森誉紀, 奈尾雅浩, 渡部 愛媛県内のアスパラガス改植後の障害発生における疫病 土と微生物 貴志, 北本宏子 の関与 82 2(2) 渡部貴志, 家藤治幸, 北本宏子 83 渡部貴志, 藤井力, 家藤治幸, 北本宏 酵母による焼酎蒸留粕排水の処理および資源化に関する 用水と廃水 2(2) 子 検討 84 3(1) 85 Noriaki Momma, Yuso Kobara, Seiji 3(1) Uematsu, Nobuhiro Kita, Akinori Shinmura 86 3(1) 87 Tadashi Abe, Yasunori Nonoue, Nozomi Ono, Motoyasu Omoteno, 3(1) Masato Kuramata, Shuichi Fukuoka, Toshio Yamamoto, Masahiro Yano, Satoru Ishikawa Detection of QTLs to reduce cadmium content in rice grains using LAC23/Koshihikari chromosome segment substitution lines 88 3(1) 石田悦基, 中村建治, 有山薫, 川﨑晃 微量元素濃度及び重元素同位体比を利用する小麦の産地 BUNSEKI KAGAKU (分析化 学) 判別 63 3 255 - 89 Nguyen Minh Tue, Shin Takahashi, Go Suzuki, Tomohiko Isobe, Pham Hung 3(1) Viet, Yuso Kobara, Nobuyasu Seike, Gan Zhang, Agus Sudaryanto, Shinsuke Tanabe Contamination of indoor dust and air by polychlorinated biphenyls and brominated flame retardants and relevance of non-dietary exposure in Vietnamese informal e-waste recycling sites ENVIRONMENT INTERNATIONAL 51 - 160 167 2013 ELSEVIER 90 3(1) ENVIRONMENTAL SCIENCE AND TECHNOLOGY 47 - 6263 6271 2013 AMER CHEMICAL SOC 5.3 91 Noriko Yamaguchi, Toshiaki Ohkura, 3(1) Yoshio Takahashi, Yuji Maejima, Tomohito Arao Arsenic distribution and speciation near rice roots ENVIRONMENTAL influenced by iron plaques and redox conditions of the soil SCIENCE AND TECHNOLOGY matrix 48 3 1549 1556 2014 AMER CHEMICAL SOC 5.3 92 3(1) Eiki Watanabe, Shiro Miyake Quantitative determination of neonicotinoid insecticide thiamethoxam in agricultural samples: a comparative verification between high-performance liquid chromatography and monoclonal antibody-based immunoassay 6 2 658 666 2013 SPRINGER 93 3(1) Characterization of biogenic iron oxides collected by the S. KIKUCHI, H. MAKITA, K. TAKAI, N. newly designed liquid culture method using diffusion YAMAGUCHI, Y. TAKAHASHI chambers 122 2 133 145 2014 PUBLISHING, INC 94 3(1) Ikuko AKAHANE, Tomoyuki MAKINO, Remediation of cadmium-contaminated paddy soils by JARQ-JAPAN Yuji MAEJIMA, Takashi KAMIYA, washing with ferric chloride (FeCl3): Effect of soil washing AGRICULTURAL Hiroyuki TAKANO, Toshiyuki IBARAKI, on the cadmium concentration in soil solution and spinach RESEARCH QUARTERLY Makoto INAHARA 47 3 273 281 2013 Research Centre for 95 96 Functional consequences of sequence variation in the pheromone biosynthetic gene pgFAR for Ostrinia moths 排水処理酵母の窒素除去能強化方法についての検討 Keitaro Kudo, Noriko Yamaguchi, Release of Arsenic from Soil by a Novel Dissimilatory Tomoyuki Makino, Toshihiro Ohtsuka, Arsenate- Reducing Bacterium, Anaeromyxobacter sp. Kenta Kimura, Dian Tao Dong, Seigo Strain PSR-1 Amachi Development of biological soil disinfestations in Japan Jonathan N. Hogarh, Nobuyasu Seike, Seasonal variation of atmospheric polychlorinated Yuso Kobara, Shigeki Masunaga biphenyls and polychlorinated naphthalenes in Japan Toshihiro Ohtsuka, Noriko Yamaguchi, Arsenic dissolution from Japanese paddy soil by a Tomoyuki Makino, Kazuhiro Sakurai, dissimilatory arsenate-reducing bacterium geobacter sp. Kenta Kimura, Keitaro Kudo, Eri OR-1 Homma, Dian Tao Dong, Seigo Amachi Reduction of hazardous organic solvent in sample preparation for hydrophilic pesticide residues in agricultural products with conventional liquid chromatography Review of enzyme-linked immunosorbent assays (ELISAs) Eiki Watababe, Shiro Miyake, Yasuhiro for analyses of neonicotinoid insecticides in agro3(1) Yogo environments 3(1) Eiki Watanabe, Yuso Kobara, Koji Baba, Heesoo Eun PHYTOCHEMISTRY 日本醸造協会誌 Food Analytical Methods GEOBIOLOGY - 3.1 AMER SOC PLANT 6.6 PUBLIC LIBRARY 3.7 2013 SCIENCE 9.7 3972 2013 NATL ACAD SCIENCES 81 2013 日本土壌微生物学会 Japanese Society of 2014 (社)日本分析化学会 WILEY-BLACKWELL - 6.2 2.0 3.0 Japan International 0.5 Agricultural sciences JOURNAL OF AGRICULTURAL AND FOOD CHEMISTRY 61 20 JOURNAL OF AGRICULTURAL AND FOOD CHEMISTRY 61 51 JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE 4798 2013 AMER CHEMICAL SOC 2.9 12459 12472 2013 AMER CHEMICAL SOC 2.9 4792 97 3(1) Masato Tanaka, Yoko S. Togo, Noriko An EXAFS study on the adsorption structure of phenylYamguchi, Yoshio Takahashi substituted organoarsenic compounds on ferrihydrite 415 - 13 17 2014 ELSEVIER 3.2 98 3(1) Nanthi Bolan , Anitha Kunhikrishnan , Ramya Thangarajan, Jurate Kumpiene, Remediation of heavy metal(loid)s contaminated soils – To JOURNAL OF HAZARDOUS 266 MATERIALS Jinhee Park, Tomoyuki Makino, Mary mobilize or to immobilize? Beth Kirkham , Kirk Scheckel - 141 166 2014 ELSEVIER 3.9 99 3(1) Eiki Watanabe, Yuso Kobara, Shiro Miyake Rapid and simple immunochemical screening combined with hand-shaking extraction for thiamethoxam residue in agricultural products JOURNAL OF THE SCIENCE OF FOOD AND AGRICULTURE 93 8 1839 1844 2013 WILEY 100 3(1) Hideyuki Inui, Mami Sawabe, Junya Goto, Kiyoshi Yamazaki, Noriko Kodama, Hiroyuki Tsuruta, Heesoo Eun A major latex-like protein is a key factor in crop contamination by persistent organic pollutants1[w][oa] PLANT PHYSIOLOGY 161 4 2128 2135 2013 BIOLOGISTS 6.6 101 3(1) Masato Kuramata, Tadashi Abe, Akira Genetic diversity of arsenic accumulation in rice and QTL Kawasaki, Kaoru Ebana, Taeko RICE analysis of methylated arsenic in rice grains Shibaya, Masahiro Yano, Satoru Ishikawa 6 3 doi:10.1 186/193 9-84336-3 - 2.4 参考-20 AMER SOC PLANT 2013 SPRINGER 1.8 番号 RP課題 番号 著者 成果タイトル 号 SCIENTIA HORTICULTURAE 161 - 35 SOIL SCIENCE AND PLANT NUTRITION 59 4 669 679 2013 TAYLOR & FRANCIS 0.9 77 4 1189 1198 2013 SOIL SCI SOC AMER 1.8 15 2 17 24 2013 日本育種学会 - 89 2013 日本環境化学会 - 102 Keita Sugiyama, Daisuke Kami, Takato Identification and inheritance of a winter squash cultivar (Cucurbita maxima) with low heptachlor epoxide uptake 3(1) Muro, Tohru Ueno, Nobuyasu Seike, ability Takashi Otani 103 3(1) 104 3(1) Yohei Hashimoto, Noriko Yamaguchi 105 安部匡, 倉俣正人, 岩崎行玄, 本間利 ガンマ線照射による突然変異育種法を用いた難脱粒性カド 育種学研究 3(1) 光, 茨木俊行, 山本敏央, 矢野昌裕, 村 ミウムファイトレメディエーション用イネ系統「MJ3」および 「MA22」の育成 上政治, 石川覚 106 3(1) 清家伸康, 小原裕三, 大谷卓 107 3(2) 108 Sayuri NAMIKI, Takashi OTANI, Nobuyasu SEIKE Fate and plant uptake of persistent organic pollutants in soil ページ ページ 終 始 巻 掲載誌名 Chemical speciation of cadmium and sulfur K-edge XANES SOIL SCIENCE SOCIETY spectroscopy in flooded paddy soils amended with OF AMERICA JOURNAL zerovalent Iron 年 出版社 IF 1.4 42 2013 ELSEVIER 逐次抽出による農耕地土壌における有機塩素系農薬の エージング過程評価の試み 環境化学 23 2 83 A. Sakaguchi, S. Eguchi, T. Kato, M. Kasuya, K. Ono, A. Miyata, N. Tase Development and evaluation of a paddy module for improving hydrological simulation in SWAT AGRICULTURAL WATER MANAGEMENT 137 - 116 122 2014 ELSEVIER 3(2) Shoko Ishikawa, Shotaro Ando, Seiko Yoshikawa Effects of planting sugarcane and napier grass on N leaching from lysimeters under high application of cattle manure American Journal of Experimental Agriculture 4 5 497 514 2014 SCIENCEDOMAIN 109 3(2) Takashi Nagai, Kiyoshi Taya, Hirochica Application of a fluorometric microplate algal toxicity assay ECOTOXICOLOGY AND ENVIRONMENTAL SAFETY Annoh, Satoru Ishihara for riverine periphytic algal species 94 - 37 110 3(2) Takashi Nagai Algal population growth model integrated with toxicokinetics for ecological risk assessment under timevarying pesticide exposure HUMAN AND ECOLOGICAL RISK ASSESSMENT 20 3 641 657 2014 TAYLOR & FRANCIS 1.3 111 Kei Asada, Sadao Eguchi, Rieko Urakawa, Sunao Itahashi, Tsuneo 3(2) Matsumaru, Tomoko Nagasawa, Kazuhiro Aoki, Ken Nakamura, Hidetaka Katou Modifying the LEACHM model for process-based prediction of nitrate leaching from cropped Andosols PLANT AND SOIL 373 - 609 625 2013 SPRINGER 2.6 112 Shin-Ichiro MISHIMA, Sonoko 3(2) Dorothea KIMURA, Sadao EGUCHI, Yasuhito SHIRATO Changes in soil available-nutrient stores and relationships SOIL SCIENCE AND PLANT NUTRITION with nutrient balance and crop productivity in Japan 59 3 371 379 2013 TAYLOR & FRANCIS 0.9 113 3(2) Fujio NAGUMO, Ken NAKAMURA Nitrogen balance under non-tillage maize (Zea mays L.) cultivation after hairy vetch (Vicia villosa Roth.) cropping at sloping fields 59 2 249 261 2013 (社)日本土壌肥料学会 0.9 114 3(2) 大津和久, 稲生圭哉, 大谷卓 ニホンアマガエル(Hyla japonica)幼生(オタマジャクシ)の水 環境毒性学会誌 稲用農薬数種に対する感受性 16 2 69 115 3(2) 望月秀俊, 髙橋英博, 吉川省子 土地利用面積比率に基づく流域水質予測モデルの開発 39 3 2 116 3(2) 永井孝志 リスク評価とリスク管理の位置づけを再構成する解決志向 日本リスク研究学会誌 リスク評価 23 3 145 152 2013 日本リスク研究学会 - 117 3(2) 石川哲也, 箭田佐衣子, 阿部薫 関東地方の二毛作体系における発酵粗飼料用大麦生産 の予備的検討 82 3 270 274 2013 日本作物学会 - 118 3(2) 早坂大亮, 永井孝志, 五箇公一 農薬による生物多様性影響評価の重要性:個体評価から 日本生態学会誌 群集評価へ -生物多様性に配慮した農薬管理の在り方- 63 - 193 206 2013 日本生態学会 - 119 3(2) 槽谷真宏, 坂西研二, 板橋直, 阿部薫, 傾斜畑からの亜鉛の流出に及ぼす家畜ふん堆肥施用の影 日本土壌肥料学雑誌 鈴木良地 響 84 2 71 79 2013 (社)日本土壌肥料学会 - 120 3(2) 板橋直, 駒田充生, 竹内誠 霞ヶ浦周辺地域における面源窒素負荷の河川水質への影 日本土壌肥料学雑誌 響に対する水辺域と地形の意義 84 3 153 165 2013 (一社)日本土壌肥料学会 - 121 3(2) 坂口敦, 加藤英孝, 家田浩之, 中野恵 土壌特性・土層構成に基づく利根川流域内農耕地における 日本土壌肥料学雑誌 子 硝酸イオンの地下水到達時間の面的推定 84 2 90 99 2013 (一社)日本土壌肥料学会 - 122 3(2) 加藤亮, 渡邊裕純, Julien Boulange , 江口定夫, 坂口敦, 宗村広昭 81 12 983 AGRICULTURAL AND FOREST METEOROLOGY 177 15 57 68 2013 ELSEVIER 3.4 AGRICULTURAL AND FOREST METEOROLOGY 180 15 97 101 2013 ELSEVIER 3.4 Timing and duration of phenological sequences of alpine plants along an elevation gradient on the Tibetan plateau AGRICULTURAL AND FOREST METEOROLOGY - - 220 228 2014 ELSEVIER 3.4 Activity and social factors affect cohesion among individuals in female Japanese macaques: A simultaneous focal-follow study AMERICAN JOURNAL OF PRIMATOLOGY - - doi: 10.1002 /ajp.222 63 - 2.5 SOIL SCIENCE AND PLANT NUTRITION 人間と環境 日本作物学会紀事 2.2 - 2.2 44 2013 ELSEVIER 78 2013 日本環境毒性学会 8 2013 日本環境学会 - 農業農村工学会誌(水土の SWATモデルの水田を含む流域への適用の問題点と改善 知・Journal of the Japanese Society of Irrigation, に向けて Drainage and Rural 987 2013 (社)農業農村工学会 - Engineering) 123 Ryuichi Hirata, Akira Miyata, Masayoshi Mano, Mariko Shimizu, Takatoshi Arita, Shoji Matsuura, 4(1) Yasuyuki Kouda, Mitsuhiro Niimi, Toshiya Saigusa, Akinori Mori, Masayuki Hojito, Osamu Kawamura, Ryusuke Hatano 124 4(1) 125 Shiping Wang, Changshun Wang, Jichuang Duan, Xiaoxue Zhu , 4(1) Guangping Xu, Caiyun Luo, Zhenhua Zhang , Fandong Meng , Yingnian Li, Mingyuan Du 126 4(1) 127 Akira Otuka, Toshihiro Sakamoto, Ho 4(1) Van Chien, Masaya Matsumura, Sachiyo Sanada-Morimura Occurrence and short-distance migration of Nilaparvata lugens (Hemiptera: Delphacidae) in the Vietnamese Mekong Delta APPLIED ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY 49 1 97 128 Zhongwang WEI, Atsushi OKAZAKI, Hidetoshi MAEDA, Yusuke SATOH, 4(1) Masashi KIGUCHI, Keigo NODA, Masahiro KOIKE, Wonsik KIM, Zhongfang LIU, Kei YOSHIMURA Investigating vegetation-atmosphere water exchange by using high frequency spectroscopy vapor isotope observations Annual Journal of Hydraulic Engineering 58 - 181 129 Soil respiration, N2O, and CH4 emissions from an Andisol Seiichiro Yonemura, Isamu Nouchi, 4(1) Seiichi Nishimura, Gen Sakurai, Kazuki under conventional-tillage and no-tillage cultivation for 4 years Togami, Kazuyuki Yagi BIOLOGY AND FERTILITY OF SOILS 50 1 63 Carbon dioxide exchange at four intensively managed grassland sites across different climate zones of Japan and the influence of manure application on ecosystem carbon and greenhouse gas budgets Jaeil Cho, Wonsik Kim, Shin Miyazaki, Difference in the Priestley–Taylor coefficients at two Daisuke Komori, Hyungjun Kim, different heights of a tall micrometeorological tower Kyung-Soo Han, Shinjiro Kanae, Taikan Oki Mari Nishikawa, Mariko Suzuki, David Sprague 参考-21 2014 WILEY 0.8 107 2013 SPRINGER The Japan Society of Civil 186 2014 Engineers (JSCE) 74 2014 SPRINGER - 2.5 番号 RP課題 番号 著者 成果タイトル 掲載誌名 巻 号 ページ ページ 終 始 年 出版社 IF 130 Akihiro Moriyama, Seiichiro Yonemura, Environmental indicators for estimating the potential soil 4(1) Shigeto Kawashima, Mingyuan Du, respiration rate in alpine zone Yanhong Tang ECOLOGICAL INDICATORS 32 - 245 252 2013 ELSEVIER 2.9 131 Xianglan Li, Shunlin Liang, Guirui Yu, Wenping Yuan, Xiao Cheng, Jiangzhou Xia, Tianbao Zhao, Jinming Feng, Zhuguo Ma, Mingguo Ma, Shaomin Liu, Estimation of gross primary production over the terrestrial Jiquan Chen, Changliang Shao, ECOLOGICAL MODELLING 4(1) Shenggong Li, Xudong Zhang, Zhiqiang ecosystems in China Zhang, Shiping Chen, Takeshi Ohta, Andrej Varlagin, Akira Miyata, Kentaro Takagi, Nobuko Saiqusa, Tomomichi Kato - - 80 92 2013 ELSEVIER 2.1 132 4(1) 146 - 51 65 2013 ELSEVIER 2.5 133 Yongfu Chen, Zhigang Wu, Katsuo 4(1) Okamoto, Xinru Han, Guoying Ma, Hsiaoping Chien, Jing Zhao 104 - 61 74 2013 ELSEVIRE 3.2 134 4(1) 1 45 50 2014 Hydrology and Water 135 4(1) Ma. Carmelita R. Alberto, Roland J. Buresh, Takashi Hirano, Akira Miyata, Carbon uptake and water productivity for dry-seeded rice FIELD CROPS RESEARCH and hybrid maize grown with overhead sprinkler irrigation Reiner Wassmann, James R. Quilty, Teodoro Q. Correa Jr, Joseph Sandro The impacts of climate change on crops in China: A Ricardian analysis GLOBAL AND PLANETARY CHANGE Long-term analysis of evapotranspiration over a diverse land use area in northern Thailand HYDROLOGICAL RESEARCH LETTERS 8 MASASHI KIGUCHI, SHIN MIYAZAKI, The heat flux from the land surface during the preWONSIK KIM, SHINJIRO KANAE, monsoon season in the inland region of Thailand TAIKAN OKI, JUN MATSUMOTO, TAKEHIKO SATOMURA IAHS Publ. (IAHS Red Books) 359 Wonsik Kim, Daisuke Komori, Jaeil Cho, Shinjiro Kanae, Taikan Oki Japanese Society of - Resources IAHS Press (International - 239 245 2013 Association of - Hydrological Sciences ) 136 4(1) DAVID S. SPRAGUE, NOBUSUKE IWASAKI Historical GIS studies in Japan: Scholarship and internet dissemination of the rapid survey maps JANGIS: Journal of Asian Network for GIS-based Historical Studies 1 1 17 137 4(1) Seiichiro YONEMURA, Seiichi NISHIMURA, Shigeto KAWASHIMA Systematic formulation of equations for trace-gas uptake by soil JOURNAL OF AGRICULTURAL METEOROLOGY (農業気 象) 69 4 277 138 LI Jie, JIANG Sha , WANG Bin, JIANG Evapotranspiration and its energy exchange in alpine 4(1) Wei-wei, TANG Yan-hong, DU Mingmeadow ecosystem on the Qinghai-Tibetan Plateau yuan, GU Song Journal of Integrative Agriculture 12 8 1396 139 K. ONO, M. MANO, G. H. HAN, H. Environmental controls on fallow carbon dioxide flux in a 4(1) NAGAI, T. YAMADA, Y. KOBAYASHI, single-crop rice paddy, Japan A. MIYATA, Y. INOUE, R. LAL LAND DEGRADATION AND DEVELOPMENT - - doi: 10.1002 /ldr.221 1 - 2013 WILEY 2.0 140 4(1) YONGTAO HE, CHRISTOPH KUEFFER, PEILI SHI, XIANZHOU ZHANG, MIGYOUAN DU, WEI YAN, WEI SUN Variation of biomass and morphology of the cushion plant Androsace tapete along an elevational gradient in the Tibetan Plateau PLANT SPECIES BIOLOGY - - doi: 10.1111 /14421984.12 031 - 2013 WILEY 1.3 141 4(1) Yoshio Inoue, Eiji Sakaiya, Cuizhen Wang Capability of C-band backscattering coefficients from high-resolution satellite SAR sensors to assess biophysical variables in paddy rice REMOTE SENSING OF ENVIRONMENT 140 - 257 266 2014 ELSEVIER 5.1 142 4(1) Toshihiro Sakamoto, Anatoly A. Gitelson, Timothy J. Arkebauer MODIS-based corn grain yield estimation model incorporating crop phenology information REMOTE SENSING OF ENVIRONMENT 131 - 215 231 2013 ELSEVIER 5.1 143 4(1) 岡本勝男 時系列 Landsat データを用いた遠州灘海岸の変化評価 システム農学 29 2 81 86 2013 システム農学会 - 144 4(1) 石塚直樹, 牧野司 ALOS/PALSARデータを用いた飼料用トウモロコシ作付圃 システム農学 場把握の試み 29 2 75 80 2013 システム農学会 - 145 HE Yongtao, SHI Peili, ZHANG 4(1) Xianzhou, DU Mingyuan, YAN Wei, SUN Wei Elevational distribution of cushion plant Androsace tapete 山地学報(JOURNAL OF MOUNTAIN SCIENCE)(中国 in the southern slope of Nyainqentanglha Mountains, 語) Tibetan Plateau 31 6 641 146 4(1) 石原光則, 井上吉雄, 小野圭介, 秋津 異種光学衛星センサによる水田観測データの一貫性に関 日本リモートセンシング学会 誌 朋子, 奈佐原顕郎 する比較分析 34 1 22 147 4(1) 境谷栄二, 井上吉雄 米の適期収穫への航空機および衛星リモートセンシングの 日本リモートセンシング学会 誌 (J REMOTE SENSING 実践的利用 SOCIETY OF JAPAN) 33 3 185 199 2014 ング学会 148 Charles S. Henry, Stephen J. Brooks, Obligatory duetting behaviour in the Chrysoperla carnea4(2) Peter Duelli, James B. Johnson, Marta group of cryptic species (Neuroptera: Chrysopidae): its role in shaping evolutionary history M. Wells, Atsushi Mochizuki BIOLOGICAL REVIEWS 88 4 787 808 2013 PUBLISHING, INC 149 Zhihua Bao, Yuko Matsushita, Sho Morimoto, Yuko Takada Hoshino, Chika Suzuki, Kazunari Nagaoka, Makoto Takenaka, Hiroharu Murakami, Decrease in fungal biodiversity along an available 4(2) phosphorous gradient in arable Andosol soils in Japan Yukiko Kuroyanagi, Yasufumi Urashima, Hiroyuki Sekiguchi, Atsuhiko Kushida, Koki Toyota, Masanori Saito, Seiya Tsushima CANADIAN JOURNAL OF MICROBIOLOGY 59 6 150 4(2) Takeshi Osawa ECOLOGICAL RESEARCH 28 4 151 New approach for evaluating habitat stability using scarce Takeshi OSAWA, Kyohei WATANABE, ENTOMOLOGICAL records for both historical and contemporary specimens: A SCIENCE 4(2) Hiroaki IKEDA, Shori YAMAMOTO case study using Carabidae specimen records - - 152 Ai LEON, Kazunori KOHYAMA, 4(2) Toshiaki OHKURA, Yusuke TAKATA, Hiroshi OBARA Long-term change in the application rate of on-farm organic amendments in Japanese upland fields JARQ-JAPAN AGRICULTURAL RESEARCH QUARTERLY 47 4 153 Takamitsu WAKI, Mitsuo HORITA, 4(2) Daisuke KUROSE, Karden MULYA, Kenichi TSUCHIYA Genetic diversity of Zingiberaceae plant isolates of Ralstonia solanacearum in the Asia-Pacific region JARQ-JAPAN AGRICULTURAL RESEARCH QUARTERLY 47 3 283 294 2013 JIRCAS 0.5 154 4(2) Phenotypic characterization of colony morphological Taro Kato, Tomohiro Morohoshi, Seiya mutants of Burkholderia glumae that emerged during Tsushima, Tsukasa Ikeda subculture JOURNAL OF GENERAL PLANT PATHOLOGY 79 4 249 259 2013 SPRINGER 0.9 155 4(2) Daisuke Kurose, Long H. Hoang, Pathogenicity of Stemphylium lycopersici isolated from Naruto Furuya , Minoru Takeshita , Toyozo Sato, Seiya Tsushima, Kenichi rotted tobacco seeds on seedlings and leaves Tsuchiya JOURNAL OF GENERAL PLANT PATHOLOGY 80 2 147 152 2014 SPRINGER 0.9 Monitoring records of plant species in the Hakone region of Fuji-Hakone-Izu National Park, Japan, 2001–2010 参考-22 ANGIS: アジア歴史地理情 - The Society of Agricultural - 21 2013 報学会 287 2013 Meteorology of Japan 1401 2013 ELSEVIER - 中国科学院水利部成都山 - 日本リモートセンシング学 - (一社)日本リモートセンシ - WILEY-BLACKWELL 10.3 268 373 2013 NRC Research Press 1.2 541 - 2013 SPRINGER 1.6 - 2014 PUBLISHING, INC doi: 10.1111 /ens.12 075 646 2013 地災害環境研究所 32 2014 会 WILEY-BLACKWELL 1.0 Japan International 377 387 2013 Research Center for 0.5 Agricultural Sciences 番号 RP課題 番号 著者 成果タイトル ページ ページ 終 始 巻 号 Herbivore pressure by weevils associated with flower color JOURNAL OF PLANT RESEARCH polymorphism in Geranium thunbergii (Geraniaceae) 127 2 265 273 2014 SPRINGER Distinguishing the externally similar imagines of Tiracola plagiata and T. aureata whose forewing lengths were shown to overlap (Lepidoptera, Noctuidae) Lepidoptera Science 64 3 123 127 2013 Society of Japan PLANT CELL REPORTS 33 1 99 PLoS ONE 8 11 e79978 - 2013 SCIENCE 3.7 RICE 6 13 doi:10.1 186/193 9-84336-13 - 2013 SPRINGER 2.4 掲載誌名 156 Takashi Tsuchimatsu, Hiraku 4(2) Yoshitake, Motomi Ito 157 4(2) 158 Hideki Takahashi, Kazuhiro Nakaho, Transcriptional profile of tomato roots exhibiting Bacillus Takeaki Ishihara, Sugihiro Ando, thuringiensis-induced resistance to Ralstonia 4(2) Takumi Wada, Yoshinori Kanayama, Shinichiro Asano, Shigenobu Yoshida, solanacearum Seiya Tsushima, Mitsuro Hyakumachi 159 4(2) Takeshi Osawa, Kazunori Kohyama, Hiromune Mitsuhashi 160 4(2) Ritsuko Mizobuchi, Hiroyuki Sato, Shuichi Fukuoka, Takanari Tanabata, Mapping a quantitative trait locus for resistance to Seiya Tsushima, Tokio Imbe, Masahiro bacterial grain rot in rice Yano 161 4(2) William A. Nelson, Ottar N. Bjørnstad, Recurrent insect outbreaks caused by temperature-driven SCIENCE Takehiko Yamanaka changes in system stability 341 6147 796 162 4(2) R. Mizobuchi, H. Sato, S. Fukuoka, S. Tsushima, T. Imbe, M. Yano 163 4(2) Hiraku YOSHITAKE, Atsuo YOSHIDA 164 New Pilophorus species associated with myrmecophilous Y. Nakatani, T. Komatsu, T. Itino, U. 4(2) Shimizu-kaya, T. Itioka, R. Hashim, S. Macaranga trees from the Malay Peninsula and Borneo (Heteroptera: Miridae: Phylinae) Ueda 165 JUNHAO HUANG, HIRAKU 4(2) YOSHITAKE, RUNZHI ZHANG, MOTOMI ITO 166 4(2) 前島勇治, 浅野眞希 167 岩本豊, 松浦克成, 佐藤育男, 吉田重 Paenibacillus 属細菌のトマト根腐萎凋病に対するほ場にお 関西病虫害研究会報 4(2) 信, 對馬誠也, 相野公孝 ける防除効果 168 4(2) 黒瀬大介, 古屋成人, Djeddour, D.H., Evans, H.C., 對馬誠也, 土屋健一 イタドリ群落に発生する糸状菌病の分布調査 169 4(2) 黒瀬大介, 古屋成人, Evans, H.C., 對 馬誠也, 土屋健一 170 Daisuke WATABIKI, Shin-ichi YOSHIMATSU Areas of increasing agricultural abandonment overlap the distribution of previously common, currently threatened plant species 年 出版社 The Lepidopterological IF 2.1 - 2.5 110 2014 SPRINGER PUBLIC LIBRARY 799 2013 AAAS 31.0 Identification of qRBS1, a QTL involved in resistance to bacterial seedling rot in rice THEORETICAL AND APPLIED GENETICS 126 9 2417 A biological note on Bagous bipunctatus (Kono) (Coleoptera, Curculionidae, Bagoinae) The Japanese Journal of Systematic Entomology 19 2 217 220 2013 Systematic Entomology Tijdschrift voor Entomologie 156 - 113 126 2013 Entomologische Vereniging Taxonomic review of the genus Rhinoncomimus (Coleoptera: Curculionidae: Ceutorhynchinae) with description of a new species from Yunnan, China ZOOTAXA 3750 2 143 166 2013 MAGNOLIA PRESS 「第21回ペドロジスト・トレーニングコース in 喜界島」 ペドロジスト 57 1 45 52 2013 日本ペドロジー学会 - 55 - 67 69 2013 関西病虫害研究会 - 九州病害虫研究会報 59 - 31 37 2013 九州病害虫研究会 - 大分県玖珠郡のイタドリ群落に発生するさび病と内生糸状 九州病害虫研究会報 菌との関係 59 - 38 43 2013 九州病害虫研究会 - 4(2) 大澤剛士, 神保宇嗣 ビッグデータ時代の環境科学-生物多様性分野における データベース統合,横断利用の現状と課題- 統計数理 61 2 217 231 2014 統計数理研究所 - 171 4(2) 大澤剛士, 山中武彦, 中谷至伸 携帯電話を利用した市民参加型生物調査の手法確立 保全生態学研究 18 2 157 165 2013 日本生態学会 - 172 4(2) 長谷川耕太, 阿部篤智, 荒城雅昭 山形県における植物寄生性線虫の発生状況 北日本病害虫研究会報 64 - 167 170 2013 北日本病害虫研究会 - Chemical control of plant diseases JOURNAL OF GENERAL PLANT PATHOLOGY 79 6 390 401 2013 SPRINGER 九州病害虫研究会報 59 - 13 173 - Takashi Hirooka, Hideo Ishii 174 - 吉田克志, 荻野暁子, 山田憲吾, 園田 茶園における冬期のマシン油乳剤散布によるチャ赤焼病 亮一 の発病助長とその防除技術の開発 Japanese Society of - Nederlandse - 21 2013 九種病害虫研究会 I F 合 計 参考-23 3.7 2425 2013 SPRINGER 1.0 0.9 358.3 【資料4】 研究成果の普及・利用状況(平成25年度追跡調査) 年度番号 成果名 利用 H24ラ H25ラ 分野 ンク ンク 備考 19-7 水稲の温暖化影響評価の 研究 ための「モデル結合型作物 気象データベース」 A A ○H21.3~H25.11.7のデータダウンロード&モデル利用件数(合計)が約 1.87万件(前回1.45万件)と順調に増加している。主として大学や自治体の 研究者に利用されており、論文引用もあり。H25.11より、日単位のデータ更 新機能を持った新バージョン(ver.2)を公開。 21-3 低コストで高精度の気温測 研究 定を可能にする強制通風 (現場 を含 筒 む) A (現 場 B) A (現 場 B) ○自己利用以外の延べ利用台数が36台(前回12台)あり、公設試や他独 法で、水稲の栽培試験や園芸作物の栽培試験、圃場の基礎的気象データ 収集等に活用されるとともに、神奈川県や群馬県の農家で計6台が導入さ れ、園芸作物用温室環境の把握等に活用されている。 21-4 時別日射量の高精度推定 法の開発と日本全域にお けるデータセットの作成 研究 B B ○H25.11にモデル結合型作物気象データベース(ver.2)の中で新規公開。 これらのデータはデータベース内で穂温の推定にも利用されている。 22-3 イネ群落内の微気象を捉 える自立型気象観測パッ ケージ「MINCER」 研究 A A ○自己利用32台以外に、以下のとおり93台が導入され活用されている。 ・MINCERnetの基幹となる観測装置として国外7ヵ国に72台導入、水稲の高 温障害の発生条件の把握に活用 ・高知県農技セに10台導入、水稲の高温障害の発生条件の把握に活用 ・オーストラリアCSIROに7台導入、コムギの高温耐性品種育成における群 落微気象の把握に活用 ・インドIARIに4台導入 22-4 気象、土壌、農地利用、温 室効果ガスに関する情報 をまとめて取得できるweb システム(gamsDB) 研究 A A ○8月~9月はシステム入れ替え等により半分近く停止していたが、それ以 外の月はおおむね3万hits/月を超えている。最も多かったのは1月の 41,333hitsであった。ユニークvisits(何人が訪問したか)にすると、約1/10 の27,225となった。これがおおよその利用者人数と考えられる。 登熟期間の平均日最低気 温と積算日射量で九州の 新 県別一等米比率の変動を 説明するモデル 23-9 九州では過去29年間でコ メ外観品質に影響する水 新 稲登熟期間の日射環境が 顕著に悪化した 23-10 広域水稲生育・収量変動 予測モデルの自動較正お 新 よびシミュレーションプログ ラム 研究/ 行政 - A ○査読付き論文に引用されている(2件)。また、IPCC第5次報告書のWG2 (Second Order Draft)でも引用されている。 研究 - B ○査読付き論文に引用されている(1件)。 研究 - B ○筑波大学の修士課程の学生の修論に使用された。 23-11 日本における気候変化の 研究 農業影響と適応・緩和策を 評価するための地点・日別 新 気候変化シナリオデータ セット(ELPIS-JP) 23-12 気温や降水量がダイズや 研究/ トウモロコシの収量に与え 行政 新 る影響のマップ化 - A ○数十名の独法(農水系以外も含む)や大学の研究者から利用申し込み があり、農水省気候変動対策プロなどをはじめ、気候変化影響評価に使用 されている。 - A ○Hawkins et al. (2013) Global Change Biolog 19(3):937-947で引用されて いる。またIPCC第5次レポートのWGIIの公開ドラフトでも引用されている。 23-8 19-8 温室効果ガス3成分自動 同時分析計の開発 行政 A A ○ 農林水産省生産局事業(水田土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実 証事業)において温室効果ガス分析機として活用され、20,000件(全10県 の調査視点のうち3県分)の分析が本機でなされた。 20-5 温室効果ガスの可搬型自 行政 動サンプリング装置の開発 A A ○本装置は民間企業において実用化されて市販されている。温室効果ガ スの効率的なサンプリングが可能になることから、試験研究機関への本装 置の導入が進みつつある。これまでの販売台数30台(前回は29台)。 21-5 世界の水田からのメタン発 研究 生量とその削減可能量の 推定 A A ○本成果を元に、GRA水田研究グループの活動計画の中に水管理による メタン発生削減技術の多地点検証試験が盛り込まれるとともに、農水省委 託プロがH25年度より開始された。また、本成果の原著論文が、IPCC第5 次評価報告書第1作業部会報告書に、農業分野からの温室効果ガス削減 ポテンシャルを示す研究例として引用された。 23-6 行政 中干し期間の延長による 水田からのメタン発生の削 減 - A ○本成果が滋賀県において環境保全型農業直接支払制度知事特認取組 として採用されている。また、J-クレジット制度において、有効な温室効果 ガス削減策の方法論として承認申請中である。 新 参考-24 年度番号 成果名 利用 H24ラ H25ラ 分野 ンク ンク 23-7 栽培中のイネの光合成産 研究 物は水田から発生するメタ ンの主要な基質の一つで ある - A ○論文への引用8件のほか、農水省委託プロジェクト研究の中で、本成果 の知見をもとに、メタン発生量の少ないイネ品種の探索・育成に向けた研 究を実施中。 19-4 スズメノナスビを台木として 農業 ナス果実中カドミウム濃度 を低減 B B ○ナスを含む果菜類のカドミウム含有量には国際基準値があるが、現在 は国内基準値が設定されていない。数年後には設定される可能性があり、 その場合、汚染リスクの高い地域で普及する可能性が高い。 21-2 カドミウム高吸収イネ品種 行政/ によるカドミウム汚染水田 研究 の浄化技術(ファイトレメ ディエーション) 主要穀類および農耕地土 行政/ 研究 壌の人工放射性核種 (90Sr、137Cs)分析データ のインターネット上への公 開 A A ○農水省等の施策(消費・安全対策交付:9県)で本成果の実証事業が行 われている。 A A ○土壌中の放射性セシウムの米への移行係数の算定に活用されたほか、 大学、民間等において多数の利用があると見られる。 22-1 塩化鉄によるカドミウム汚 行政/ 染水田の実用的土壌洗浄 研究 技術 A A ○消費安全局の施策として実証事業が実施されている(消費・安全対策交 付金で実証事業を秋田県で実施)。 ・現在、特許出願8件、特許取得数4件。 ・2010年農林水産研究成果10大トピックスの第9位。 22-5 イムノクロマトキットを用い 農業 た農産物のカドミウム濃度 の簡易測定法 B B ○共同研究をした開発企業より農作物用の新製品が試験販売され、県試 験場等で利用されている。キットは共同研究企業であった住化分析セン ターが販売。試験販売価格は2,200円/キット。一昨年度、国際的なガイド ラインに従った室間共同試験で、ダイズ・コムギについても定量法として妥 当な精度と判断している。機器分析と比較して精度は若干落ちるが、特別 な施設・機械が不用で簡易で、多くの作目に利用できる。ただし、畑作物の 国内基準値がないため、今のところは試験的な利用に限られている。 研究 - A 19-1 コガタシマトビケラ1齢幼虫 研究 を用いた農薬の急性毒性 試験法マニュアル B B ○論文への引用6件のほか、ファイレメ系統の育成や低Cdイネの開発に利 用されている。また、ポジトロンイメージング技術は他の元素(亜鉛やマン ガン等)の動態解析にも利用されている。 ○水産動植物登録保留基準設定検討会において、新たな試験生物候補と してコガタシマトビケラが紹介された。本成果は、農薬登録保留基準値設 して ガタシ トビケラが紹介された。本成果は、農薬登録保留基準値設 定においても活用が期待されるが、そのためには行政部局との調整が必 要(農薬取締法の一部改正が必要)。 19-2 農業 環境への負荷がより小さ い低濃度エタノールを用い た低コストの新規土壌消毒 法の開発 ゼロエミッションを目指した 企業 もみ殻ガス化残渣の有効 利用 A A ○25年度は、28都道府県において、現地適応試験、実証展示試験、農業 現場で実用的に実施された。200戸以上(昨年度100戸以上)の農家で利用 されている。 B C ○もみ殻成形炭の大量製造の目途がたたないため、先行特許を破棄し た。 新 21-6 新 23-17 イネ品種間でカドミウムの 動きの違いを観察する 19-3 ※ ※ 備考 20-1 キュウリのディルドリン残 留濃度を予測できる土壌 抽出法 行政 B B ○特許公開中(特開2010-038613)。シンポジウムや講演会において成果 を公表。土壌診断法としては、費用および分析時間の縮減が必要なため、 平成26年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業に課題提案予 定。 20-2 カボチャのヘプタクロル類 汚染対策技術 農業 A A ○低吸収性品種「TC2A(ほっとけ栗たん)」が北海道において170ha(前年 度は150ha)作付けされた。 21-1 水浄化を目的とした微粉末 企業 活性炭タブレットの開発 A A ○共同研究先である東京シンコール株式会社によって商品化され市販さ れている。中国では特許化され今後の展開が期待される。汚染水の浄化 及び土壌改良剤としての問合せが増加している。 21-7 水中の有害な有機性化学 物質を対象とした分析マ ニュアル 行政 A A ○把握可能な活用機関は共同研究を実施した5機関だが、web上で累計 1,141件のアクセス(ダウンロード含む(~H25.11)があることから、他にもこ の分析マニュアルの活用している機関があると考えられる。 20-4 性フェロモンを利用したナ シマダラメイガの発生予察 用誘引剤 農業 B B ○長野県、徳島県等の農試において試験的に利用されている。特許取得 段階。商品化に向け、信越化学工業株式会社が性能試験を行っている段 階であり、数年後に市販化が見込まれる。 22-2 生物多様性に関する情報 研究/ を収集、蓄積、提供するた 行政 めのWEB版農業景観調査 情報システム(RuLIS WEB) B A ○H23.8~H25.11までのアクセス数は59,070。また、農村振興局農村環境 課の依頼により作成したスタンドアロン版が本省、地方農政局、土地改良 事務所等に配布され(配布数98)、調査事業により得られたデータ整理に活 用されている。 参考-25 年度番号 成果名 利用 H24ラ H25ラ 分野 ンク ンク 備考 23-13 水田における環境保全型 農業が生物多様性の指標 生物に及ぼす効果は自然 新 環境の影響を受け地域に よって異なる 研究 - A ○Natureのレターで紹介されたほか、技会事務局のプロジェクト立案に活 用された。また、成果を活用した研究数は、6件(自1件、他5件)。 23-15 ツルマメ種子がはじけて飛 散する距離を調べて遺伝 新 子組換えダイズとの交雑を 防止する 23-16 コナカイガラムシ類の寄生 蜂を強力に誘引する物質 新 を発見 行政 - B 研究 (現場 を含 む) - B ○本研究は、周辺に自生する近縁種ツルマメと交雑が起きないように、遺 伝子組換えダイズを栽培する際の基準として利用できる成果であり、遺伝 子組換えダイズの商業栽培や試験栽培を円滑に行う際の科学的な裏付け として、行政的に有用な知見となる。 ○福岡県農業総合試験場において、本成果を利用したコナカイガラムシ防 除試験を実施している。また、信越化学工業株式会社が工業グレードの合 成を検討している。 23-20 48年間の茶害虫データが 研究 示す明確な世代分割-長 新 期害虫データを使って生態 学上の命題に挑む- - B ○2件のトップジャーナルに引用された(うち一件はScience誌)。さらに多く の地点、害虫のデータを収集して応用面で重要な研究を目指している。 ○本マニュアルはH21年1月からweb公開されており、農水プロジェクト研究 (eDNAプロ)に参画する独法、県試験場、大学の共通マニュアルとして14 機関で活用されている。H23年4月、このマニュアルに基づいて得られた データのデータベースが公開されるとともに、本実験法が土壌微生物学実 験法第3版にも掲載されたほか、マニュアルに基づく実験手法のワーク ショップもH21年から年1回開催しており、その活用事例は今後も増えること が予想される。 ○論文引用7件、民間との共同研究6件(うち3件が資金提供型共同研 究)。関連する特許取得2件、出願中5件。環境省及び農水プロ予算を獲 得し、現場適用のための改良研究を実施中。 ○論文引用7件、民間との共同研究6件(うち3件が資金提供型共同研 究)。関連する特許取得2件、出願中5件。環境省及び農水プロ予算を獲 得し、現場適用のための改良研究実施中。 19-5 土壌DNAによる土壌生物 相分析マニュアル 研究 A A 19-6 葉の表面に棲む生分解性 プラスチック分解酵母 研究 A A 20-3 植物の葉から採れたカビ が生分解性プラスチックを 強力に分解 研究 A A 19-9 広域的な栽培歴情報を集 積し、共用するためのWeb データベース 研究 B C ○データベースを利用して論文などが執筆されたという情報が得られてい ない。また、プロジェクトの終了と主担当者の転出により、2006年以前の データしかなく、更新されていない上、セキュリティ上必要なシステムのアッ プデート作業を行えず、サービスを休止している。 明治時代初期の関東地方 の土地利用をインターネッ トで閲覧できるシステムを 開発 23-14 遺伝子組換え水稲と非組 換え水稲の広域での交雑 新 率を簡便に推定する指標 を開発 研究 A A 研究 - B ○アクセス数(直近1ヶ月のGoogleAnalyticsでの統計データの訪問者数) は約2,500(前年同時期は約3,000)。訪問者数としてはやや減少している が、野田市郷土史博物館や東海道かわさき宿交流館での展示など、一般 にも広く利用されている。 ○GM水稲は国内では栽培されていないために利用の実績がないが、花 粉症緩和米等GM水稲が実用化されれば活用が期待されるほか、イネの 飼料 用品種と主食用品種の交雑防止などにも活用が期待される。 研究 23-18 高頻度観測衛星データ (MODIS)を用いて作物生育 の時空間変化を評価する - B ○本研究成果を利用して、アメリカコーンベルトを対象としたトウモロコシ単 収の準リアルタイム予測手法を開発中。現在、成果の取りまとめ段階であ り、H26年度に実利用レベルの成果として発表予定。 ○成果は直ちに植物防疫情報として生産者、農業関係者に周知され、対 策が行われた。その後も行政の要請に基づき調査・指導等の対応を実施 した。成果発表後、この新害虫の発生が日本国内において認められなかっ たため、今年度は論文引用などの科学的知見としての活用事例がなかっ たが、今後、国内において発生する事例が生じれば有効な知見として引用 などされると考えられる。 ○H25年2~9月まで、システム更新のためサイトの運用を休止したため、 アクセス数が前年度の約39万件から約7万件に減少した。なお、システム 再開後のアクセス数は、10月で3万8千件(昨年同月比68%)、11月で3万9 千件(昨年同月比で97%)と、着実にシステム休止前の水準まで戻してい る。 ※ 20-6 新 20-7 北海道内の広域で発生し た新害虫はヘリキスジノメ イガだった 農業 A A 21-8 農耕地土壌に関する情報 農業/ をWEB上で閲覧するシス 行政/ 企業/ テムの公開 研究 A A 22-6 南西諸島で多発生した害 農業 虫は日本初発生のアフリカ シロナヨトウである A A ○成果は直ちに植物防疫情報として生産者、農業関係者に周知され、対 策が行われた。また、発生年にはマスコミ(新聞)からも大きく取り上げられ た。その後、日本において発生が確認されたなかったため、今年度は論文 引用などの科学的知見としての活用事例がなかったが、今後、国内におい て発生する事例が生じれば有効な知見として引用されると考えられる。 参考-26 年度番号 成果名 備考 22-7 昆虫データベース統合イン 研究 ベントリーシステム B B ○目的に応じて絞り込んだデータセットを表示できる「サブシステム」機能を 追加し、システム全体がほぼ完成したことで、今後は英語版の作成に移行 する。英語版により、海外からの利用が増加すると考える。 22-8 全国土を詳細に区分でき る包括的土壌分類第1次 試案 農業/ 行政/ 企業/ 研究 B B ○2011年3月に「包括的土壌分類 第1次試案」を発表し、その後国内学 会、国際土壌分類会議などで発表して普及に努めている段階にある。ま た、本成果を利用した試験研究がH23年度から開始され、今後関連成果が 出始めるものと考えられる。論文引用数2件。 23-1 農地土壌の放射性物質濃 度分布の把握 行政 - A ○国や地方自治体の農地除染計画の策定に広く用いられた。また、2012 年度の農地汚染状況図や作物のCs吸収リスク評価の際にも本件に関わる 研究成果が使用された。 23-4 リン酸吸収係数を用いた 研究/ 汎用的な黒ボク土用改良 行政 RothC(RothC-26.3_vPAC) - B ○農環研が2013年10月に公開した「土壌のCO2吸収量見える化サイト」に おいて、本モデルが採用されている。今後、行政分野や生産現場でも広く 本モデルの存在を周知したい。 23-5 研究/ 行政 - B ○この論文を引用した論文を執筆中。また、土壌炭素の全国計算の中で 水田と畑の間の土地利用変化を含む計算の妥当性を担保する論文として 行政対応にも有用である。 農業/ 行政/ 企業/ 研究 - A ○「土壌情報閲覧システム」の中で、土壌分類解説ページ、土壌図閲覧 ページに次ぐ人気コンテンツであり、これまでに大学、民間企業、NPO法人 など5件にデータ提供を行っている。 - B ○農林有害動物・昆虫名鑑に掲載されている種名が今年度公開予定の Web版において本種に修正されることから、周知が徹底されると考える。 新 新 田畑輪換への土壌炭素動 態モデルRothCの適用:水 田用改良モデルと畑用モ 新 デルの併用で土壌炭素を 精度良く予測 23-19 全国土壌温度図の作成と 公開-詳細な土壌温度図 新 が「土壌情報閲覧システ ム」で閲覧できます 新 利用 H24ラ H25ラ 分野 ンク ンク 23-21 畑ワサビの害虫ゾウムシ を新種として発表 農業 (注)※印:昨年度調査から普及・活用状況のランクに変化があるもの。 新:今回が初めての調査のもの。 参考-27 ランク比率(H25追跡調査) 実数 比率 利用分野 A B C 計 A B C 計 行政・農業・企業 18 7 1 26 69.2% 26.9% 3.8% 100.0% 研究 13 11 1 25 52.0% 44.0% 4.0% 100.0% 計 31 18 2 51 60.8% 35.3% 3.9% 100.0% 参考:ランク比率(H24追跡調査) 実数 比率 利用分野 A B C 計 A B C 計 行政・農業・企業 15 7 0 22 68.2% 31.8% 0.0% 100.0% 研究 10 5 0 15 66.7% 33.3% 0.0% 100.0% 計 25 12 0 37 67.6% 32.4% 0.0% 100.0% 参考-28 財 務 収入 予 算 支出 財 務 参考-29 支出 収入 ) ( 決 算 - 10,779 24,081 0 16,893 2,601 - 24,575 4,221 1,445 4,569 960 960 4,569 11 960 ) 生産環境総合対策事業推進費補助金 科学技術総合推進費補助金 農業生産地球温暖化総 合対策事業補助金 施設整備費補助金 高精度機器保守費 うち農産物等放射性物質調 査・分析体制強化事業 1-1-ア 百 万 円 - 4関連 受託収入 諸収入 臨時収入 支出計 業務経費 - - 科学技術人材育成費補助金 27 0 - 161 - 272 453 - 23,207 4,607 0 85 1,440 - 23,510 4,303 7,197 13 11 - - 科学技術戦略推進費補助金 4,353 436 - 34 0 - 163 0 0 0 9,881 23,935 116 15,948 453 1,845 21,251 4,353 515 4,657 0 - 0 4,657 14 0 15,949 515 生産環境総合対策事業推進費補助金 科学技術総合推進費補助金 農業生産地球温暖化総 4関連 合対策事業補助金 無利子借入金 16,893 485 第2期 21,251 116 期別合計 第1期 23,878 960 960 前年度比1% 前年度平均 3% 前年度比1% 目標 施設整備費貸付償還時補助金 百 万 円 百 万 円 百 万 円 単位 480 4関連 4関連 指標 施設整備費補助金 うち補正予算による追加 人件費 収入計 前年度よりの繰越金 運営費交付金 一般管理費 無利子借入金 受託収入 諸収入 臨時収入 支出計 業務経費 施設整備費補助金 受託経費 借入償還金 施設整備費貸付償還時補助金 運営費交付金 施設整備費補助金 収入計 前年度よりの繰越金 項目 (独)農業環境技術研究所の数値指標の推移 ( - - * 35 - 4,175 474 772 429 - - - - - - - 2,173 4,807 3,571 35 942 924 2 4,532 458 35 924 - - - 3,571 35 H13 4,532 - - - * 1,119 - 5,289 1,010 732 3 - - - - - - 960 2,099 5,339 3,485 159 422 960 765 2 5,371 966 1,119 765 - - 3,485 159 H14 5,371 - - - * 62 - 4,308 936 878 2 - - - - - - - 2,295 4,410 3,467 62 419 916 3 4,638 946 62 916 - - 3,467 62 H15 4,448 - - - - - - - - - * 106 - 5,331 933 921 1 - 960 2,230 5,252 3,264 106 412 908 2 5,547 931 106 908 960 960 3,264 106 H16 5,240 - - - 85 119 - 4,408 950 1,048 1 - - - - - - - 1,982 4,274 3,106 119 406 1,056 2 4,487 920 123 1,056 - - 3,106 123 H17 4,287 - - - 69 101 - 4,312 913 1,060 2 11 - - - - - - 2,005 4,455 3,280 101 392 931 3 4,367 886 153 931 - - 3,280 153 - - 49 97 - 4,883 930 1,601 1 - - - - - - - 1,889 4,842 3,142 97 379 931 3 4,176 877 100 931 - - 3,142 100 H19 4,176 - - - 50 48 - 4,879 900 1,671 3 - - - - - - - 2,071 5,028 3,306 48 368 931 3 4,296 870 55 931 - - 3,306 55 H20 4,296 - 各 年 度 実 績 H18 4,367 - - - - 8 161 - 52 79 - 4,686 958 1,504 4 - 11 163 - 1,935 4,915 3,155 79 358 931 3 4,169 864 80 931 - - 3,155 80 H21 4,169 - - - - 18 - - 51 126 - 4,447 906 1,361 3 - 24 - - 1,982 4,696 116 3,066 126 347 931 3 4,243 856 127 931 - - 3,066 127 H22 4,243 116 21 - 45 138 80 4,079 891 969 4 - 19 5 21 - - - 1,908 4,252 3,097 80 138 331 711 1 3,942 860 132 711 - - 3,097 132 H23 3,942 - - - - 42 406 - 3,777 863 676 0 - 14 - - - - 1,757 3,801 2,705 406 320 711 1 3,988 769 430 711 - - 2,845 430 H24 3,988 - - - 39 2,082 - 5,518 817 672 1 - - - - - - - 1,719 5,534 49 2,730 2,082 304 711 1 6,227 757 2,735 711 - - 2,730 2,735 H25 6,227 49 備考 【資料5】 うち光熱水料 うち管理事務費 人件費 一般管理費 借入償還金 受託経費 科学技術人材育成費補助金 科学技術戦略推進費補助金 項目 他 協定研究 機 関 と 研究員 JSPS特別研究員 の 等受入 依頼研究員 連 技術講習生 携 教育研究研修生等 国 インターシップ制度 内 実務訓練生 うち資金提供型 共同研究 法人の給 事務・技術職員 与水準 (対国家 公務員指 研究職員 数) 学位 学位の取得 博士号取得者の割合 共同研 共同研究契約 究 ( 参考-30 海 外 ( うちその他 うち研究交流法等 他 その他 機 関 研究員 外国出張計 と 派遣 うち交付金 の うち委託研究等 連 うち要請出張 携 MOU 研究員 研究者招聘 受入 フェローシップ 共同研 究等 国際共同研究契約 大学との兼業 1-6-イ 人 人 人 人 1-6-イ 1-6-イ 1-6-イ 人 人 人 人 人 1-6-イ 1-6-イ 1-6-イ 件 1-6-イ 1-6-イ 件 件 1-6-イ 1-6-イ 1-5-ア 5 59 246 143 73 697 244 136 31 19 0 9 107 件 224 19 40 件 件 件 1-5-ア 1-5-ア 1-5-ア 1 46 6 - 件 件 件 件 1-5-ア 1-5-ア 1-5-ア 1-5-ア 件 1-5-イ、 ウ 件 件 1-5-ア 1-5-ア 11 65.4 名 % 1-3-オ 1-3-オ 90 103.8 121 47 9,972 2,493 960 4,342 - 3 26 326 173 14 800 272 239 22 31 4 39 229 19 232 36 21 21 27 56 140 15 77.7 101.2 97.04 719 141 9,381 1,457 0 7,122 第2期 期別合計 第1期 1-1-イ 指数 前年度平均 3% 目標 93.8 円 単位 1-1-イ 指数 1-1-ウ 指標 その他 教員派 教員派遣件数(包括的 1-5-ア 遣等 協力協定、MOU等) ) ) 1 18 33 25 47 112 35 - 2 - 1 * 0 32 - 10 - - 9 1 62.0 - - * * 2,091 804 - 770 H13 2 9 31 31 5 128 55 34 8 3 - 2 * 11 33 - 1 12 - - 17 2 63.3 - - * * 1,992 439 - 730 H14 2 10 70 32 3 155 41 42 11 4 - 2 22 1 67 5 - 8 1 - 17 2 65.0 102.8 91.4 * * 1,985 448 - 876 H15 0 11 55 30 10 153 57 22 10 5 - 3 41 18 39 5 - 6 2 - 20 2 65.5 104.8 95.5 * * 2,008 405 960 919 H16 0 11 57 25 8 149 56 38 2 5 - 1 44 10 53 9 - 10 3 - 27 4 71.0 103.9 94.6 121 47 1,895 397 - 1,047 H17 0 5 53 39 2 147 50 48 4 5 - 10 32 0 56 9 - 3 6 5 - 21 4 72.4 102.3 94.8 160 31 1,931 309 - 1,058 0 5 81 25 5 176 65 21 9 5 2 5 32 7 36 10 - 5 9 10 - 26 4 75.2 101.3 96.1 152 34 1,991 280 - 1,585 H19 0 10 68 24 2 159 57 17 1 5 1 7 49 1 46 7 7 5 3 12 0 27 3 77.1 100.5 96.2 185 23 1,955 321 - 1,655 H20 各 年 度 実 績 H18 3 2 71 48 0 185 61 75 7 7 1 7 46 6 44 6 9 4 5 15 0 26 3 81.0 100.9 98.2 125 27 1,722 270 - 1,488 H21 0 4 53 37 5 133 39 78 1 9 0 10 70 5 50 4 5 4 4 14 6 40 1 82.8 101.2 99.9 97 26 1,783 277 - 1,335 H22 0 2 61 47 19 142 32 25 2 9 2 8 34 6 11 56 5 5 5 2 13 6 34 2 83.9 101.1 97.5 71 26 1,859 213 - 5 19 933 H23 0 3 41 45 16 125 36 49 5 9 2 7 26 7 6 36 4 0 4 8 15 13 60 0 84.3 100.1 97.4 125 19 1,579 276 - 639 H24 14 ・総務省の数値公 備考 ・農水独法間の協 ・H19からは研究 1 1 集会参加取扱規程 61 29 18 131 39 25 3 7 ・MOUの締結件数 6 基づくもの ・共同研究契約に 5 ・兼業承認件数 数 26 嘱を受けている件 ・大学の役職の委 7 豊橋技科大 7 35 2 東京農大,豊橋技科大 1 ・H19制度創設 4 9 18 定に基づくもの 14 88 基づくもの ・共同研究契約に 0 ・新規取得者数 83.7 100.3 98.2 表はH15年度から 129 28 1,698 285 - 635 H25 参考-31 1-6-イ 1-6-イ 国際学会への派遣 中期・長期在外研究 2-3-ケ 2-3-サ 2-3-サ 外国特許所有件数 国内実施許諾件数 うち新規許諾 件 人 所の講習会等(受講者 2-4-イ 数) 件 件 件 6件以上 件 件 件 件 25件以上 所の講習会等(件数) 2-4-イ 2-4-ア 2-3-ク 2-3-ケ 国内特許所有件数 外国特許出願件数 分析・鑑定の件数 2-3-ク 国内特許出願件数 件 30件以上 千円 千円 3-4 3-4 3-4 依頼研究員等受入の対価 分析・鑑定の対価 千円 千円 3-4 自己収入 隔離ほ場貸出の対価 増加 特許実施料収入 専門分野 を活かし た社会貢 献 特許 件 プレスリリース(研究 2-3-カ 成果) IF合計900 インパクトファクター 2-3-オ (IF) プレスリリース(全) 2-3-カ 報 810報以上 2-3-オ 査読付論文 件 件 10件以上 2-3-ウ 2-3-ウ 件 人 目標 主要成果 研究成果 主要研究成果 の公表 行政との 委員会等への参加件数 2-2-イ 連携 人 1-6-イ 2-4-エ 国際機関への派遣 人 単位 指標 項目 5,411 0 0 0 * 7 207 31 27 5 161 0 26 2 10 * 813 101 - 476 11 * 35 228 1,601 973 1,418 868 18 114 24 39 6 133 4 40 28 53 1,050 855 119 - 690 15 179 39 第2期 期別合計 第1期 13 - 63 1 * 8 - - 2,088 - * 1 10 4 6 - 35 - 1 - - * 143 H13 1 * 9 - - 1,190 - * - 6 10 5 - 35 - 5 1 3 * 150 21 - 102 H14 4 * 7 - - 1,123 - * 3 56 9 5 - 33 - 7 - 2 * 161 23 - 115 H15 24 - 94 2 * 4 - - 486 - * 3 56 4 5 - 29 - 7 - 2 * 172 H16 3 * 7 - - 524 - * - 79 4 6 5 29 - 6 1 3 * 187 20 - 102 H17 13 - 302 - 116 3 55 5 7 1 26 - 10 4 9 186 192 19 - 131 1 * 8 0 * 8 49 268 286 - 127 3 20 5 7 - 26 1 4 8 11 174 166 26 - 134 H19 4 * 7 52 630 39 1,418 158 3 25* 5 7 - 23 1 12 9 12 221 169 16 - 121 H20 各 年 度 実 績 H18 3 94 8 17 415 234 - 227 4 16 6 10 1 27 2 10 4 12 259 168 22 - 137 H21 7 85 8 96 289 113 - 240 5 23 3 8 4 31 0 4 3 9 210 160 36 - 167 H22 3 76 13 30 27 126 - 227 5 12 1 11 4 36 0 14 11 12 308 196 18 3 118 H23 0 82 15 0 0 257 - 230 5 8 3 12 1 45 1 5 7 12 287 166 22 2 136 H24 ・外国出張のうち 備考 3 ・H20の12件のう ち1件は国際出願 行。 ・消費税、地方消 0 7 技術講習生受入分 ・依頼研究員及び 470 費税を含む徴収額 - 244 6 ・H19以降は分 析・鑑定実施要領 に基くもの。それ 以前は技術相談的 なもののうち内容 5 的に該当するも の。H13~14は昆 虫・微生物の同定 等が技術相談に 入っている。 4 11 1 48 1 5 (PCT)の国内移 9 13 358 目標化。 ・第2期より数値 174 (対象を限定)。 ・H19に所の査読 論文リスト決定 果」とした。 36 術」を「主要成 ・H17以前は「学 2 目標化。 ・第3期より数値 80 学会案件 ・外国出張のうち 20 国際機関案件 138 H25 参考-32 8-2-ア - 女性/採用者 4/25 16.0% 55/279 19.7% 37.5% 830 923 144 16.2% 78 12.1% 66 887 47 20 176 64 0/3 0.0 2/17 11.8 32.5% 126 125 28 14.6% 15 10.9% 13 193 1 3 40 15 193 192 137 H13 0/5 0.0 1/28 3.6 38.5% 121 130 29 15.0% 14 10.1% 15 192 3 3 39 15 194 193 139 H14 1/4 25.0 2/9 22.2 34.2% 115 133 28 14.6% 15 10.8% 13 192 3 3 38 15 192 192 139 H15 0/4 0.0 3/20 15.0 39.5% 133 144 28 14.7% 13 9.4% 15 191 6 3 38 14 189 191 139 H16 1/5 20.0 7/33 21.2 42.1% 134 160 29 15.3% 13 9.5% 16 190 8 4 38 14 188 189 137 H17 1/7 14.3 12/56 21.4 39.5% 145 178 31 16.7% 16 11.9% 15 186 7 4 38 14 187 186 134 0/5 0.0 7/49 14.3 36.1% 170 177 28 15.7% 15 11.7% 13 179 5 4 36 14 179 178 128 H19 1/5 20.0 18/86 20.9 40.0% 151 170 30 16.7% 16 12.2% 14 180 10 4 35 14 176 180 131 H20 各 年 度 実 績 H18 0/2 0.0 1/16 6.3 38.2% 170 189 29 17.0% 16 12.7% 13 170 10 4 34 11 174 171 126 H21 2/6 33.3 17/72 23.6 33.3% 194 209 26 15.1% 15 11.7% 11 172 15 4 33 11 168 172 128 H22 0/3 0.0 12/53 22.6 31.3% 192 203 26 15.6% 16 12.9% 10 166 15 4 32 11 H23 11 167 167 124 0/2 0.0 9/23 39.1 33.3% 191 200 27 16.5% 16 13.2% 11 164 16 4 33 10 H24 11 164 164 121 2/15 13.3 34.4% 176 192 28 17.0% 17 13.8% 11 164 0/2 0.0 65,915 t 509,399 931,271 56,377 952 319,761 13,458 265 232 12,782 247 14,222 13,422 209 90,679 130,321 100,412 110,766 12,031 222 77,221 11,988 212 75,578 11,498 175 66,102 11,410 192 55,845 10,722 195 62,172 10,759 178 60,064 9,811 172 69,740 9,410 159 83,776 733,771 217,043 208,545 168,414 171,884 165,385 168,610 171,826 136,557 133,635 123,143 115,993 108,342 備考 10,319 155 65,784 65,674 ・各年度の採用 (4.1~3.31付 け)にかかる応募 と採用の数値 ・H23期初相当数 172人 13 1.1(H21年度であ 4 ればH22.1.1) 32 10 H25 286 164 165 123 105,207,492 99,598,233 21,767,144 21,365,259 20,497,020 20,833,705 20,744,364 21,036,349 20,507,864 19,921,066 19,169,392 18,963,562 15,098,089 15,341,612 15,074,662 2/21 9.5% 1,175 前期実績を 上回る 15/107 万枚 ㎥ kWh 人 % 人 14.0% 37.3% % % 629 692 142 14.8% 70 10.1% 72 958 期末の常勤 者数は、期 人 初職員相当 数を上回ら ない。 人 人 人 % 人 % 人 21 16 193 73 0 956 957 691 第2期 0 884 887 647 期別合計 第1期 人 人 人 人 目標 (注) * 印は、過去の実績報告書での記載がない等の理由で十分把握されていないもの。 8-4-ァ 8-2-ウ 研究職 8-2-ウ 員採用 女性/応募者 にかか る女性 採用者に占める女性の 8-2-ウ 比率 割合 応募者に占める女性の 8-2-ウ 割合 研究職 女性数(1月1日現) 8-2-ウ 員 女性比率(1月1日現) 8-2-ウ 一般職 女性数(1月1日現) 員 女性比率(1月1日現) - 非常勤職員数(4月1日現) 非常勤職員数(1月1日現) 常勤職 女性数(1月1日現) 員 女性比率(1月1日現) 常勤職員数(3月31日現) 購入電力量 環 境 水資源 上水 負 使用料 井水 荷 低 コピー用紙購入枚数 減 CО2 排出量 男 女 共 同 参 画 職 員 数 うち外国人 うち一般職 うち技術専門職 単位 千円 人 基本情報 人 人 3-4 指標 うち任期付き研究員 8-2-イ 研究試料の提供 常勤職員数(4月1日現) 常勤職員数(1月1日現) うち研究職 項目