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第2編後半 (PDF 493KB)

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第2編後半 (PDF 493KB)
参
考
資
料
参考1 地方公共団体アンケート調査結果の詳細
全国の都道府県・市 748 団体を対象としたアンケート調査を実施し、都市景観形成等に寄与す
るストリートファーニチャー整備に対するニーズや、その維持管理費用の広告収入による捻出と
いった広告ビジネスの活用に対する要望等を把握した。
(1)調査概要
1)調査対象
・ 全国 47 都道府県及び市(東京都は、特別区 23 区も対象に加える)
(都道府県 47+市 678+東京特別区 23 = 748)
2)調査票の配布方法
・ 郵送配布、FAX または郵送回収。
3)回収率
・ 回収率は、約 57%。(回収票数:424 票)
参考表 1-1 都道府県別送付数及び回収数
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
都道府県
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
送付数
回収数
35
9
14
11
10
14
11
23
13
12
42
34
50
20
21
10
9
8
9
18
17
21
33
14
21
7
9
7
9
6
11
10
8
9
24
26
37
9
14
8
7
5
3
10
4
12
17
5
回収率
60.0%
77.8%
64.3%
63.6%
90.0%
42.9%
100.0%
43.5%
61.5%
75.0%
57.1%
76.5%
74.0%
45.0%
66.7%
80.0%
77.8%
62.5%
33.3%
55.6%
23.5%
57.1%
51.5%
35.7%
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
184
都道府県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
総計
送付数
回収数
9
13
34
23
11
8
5
9
11
14
14
5
8
13
10
25
8
9
12
12
10
15
12
748
4
6
9
14
3
2
4
7
8
10
9
1
4
5
3
11
6
6
7
5
5
11
6
424
回収率
44.4%
46.2%
26.5%
60.9%
27.3%
25.0%
80.0%
77.8%
72.7%
71.4%
64.3%
20.0%
50.0%
38.5%
30.0%
44.0%
75.0%
66.7%
58.3%
41.7%
50.0%
73.3%
50.0%
56.7%
(2)調査結果
1)道路附属物や道路占用物件を利用した地域活性化について
貴地方公共団体において、歩道上の既設の道路附属物や道路占用物件を利用(既設物件の形
状改良や装飾物の追加等)して、地域情報(防災情報等)の提供(既設物件への情報スペー
スの追加等)などを行った事例がありますか。
(ただし、電柱の住居表示・自治会の掲示板等
は除く。)
・ 「過去に実施したことがある」地方公共団体は 36(約 9%)であった。
・ 「今後も実施する計画がある」「意向がある」地方公共団体は 41(約 10%)であった。
・ 中には、「事例も計画もないが、地域活性化となる物件ならば今後前向きに検討したい。」
(長野県)という回答もあった。
選択肢4
1.4%
選択肢5
2.8%
選択肢1
5.4%
選択肢2
3.1%
選択肢3
87.3%
1.過去に実施した事例がある。
また、今後も実施する計画がある。
2.過去に実施した事例がある。
ただし、今後は実施する計画・予定はない。
3.過去に実施した事例はない。
また、今後も実施する計画・予定はない。
4.過去に実施した事例はない。
ただし、実施する具体的な計画がある。
5.過去に実施した事例はない。
ただ、将来、実施する意向がある。
参考図 1-1
23団体
5.4%
13団体
3.1%
370団体
87.3%
6団体
1.4%
12団体
2.8%
道路附属物や道路占用物件の利用事例について
185
参考表 1-2
過去に実施・計画あり
都道府県
北海道
青森県
山形県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
地方公共団体名
札幌市
五所川原市
山形県
桐生市
秩父市
旭市
港区
品川区
世田谷区
八王子市
立川市
多摩市
神奈川県 茅ヶ崎市
新潟県
新発田市
富山県
富山市
石川県
羽咋市
静岡県
静岡県
浜松市
愛知県
江南市
滋賀県
長浜市
島根県
松江市
岡山県
総社市
大分県
大分市
参考表 1-3
都道府県
北海道
青森県
宮城県
宮城県
栃木県
千葉県
東京都
神奈川県
静岡県
大阪府
山口県
佐賀県
参考表 1-4
過去なし・計画あり
都道府県 地方公共団体名
東京都
江東区
青梅市
新潟県
新潟市
静岡県
熱海市
京都府
綾部市
和歌山県 和歌山県
参考表 1-5
過去なし・意向あり
都道府県 地方公共団体名
岩手県
江刺市
茨城県
つくば市
ひたちなか市
東京都
新宿区
墨田区
町田市
石川県
石川県
静岡県
富士宮市
三重県
松阪市
鳥羽市
山口県
長門市
高知県
中村市
過去に実施・計画なし
地方公共団体名
苫小牧市
弘前市
石巻市
白石市
栃木県
茂原市
調布市
横須賀市
静岡市
沼津市
大阪市
宇部市
伊万里市
186
【過去に実施した事例がある場合】
それはどのような道路附属物または道路占用物件でしょうか。
【実施する計画や意向がある場合】
どのような道路附属物または道路占用物件を対象とする計画・意向でしょうか。
(i)道路付属物
・ <過去>
「照明」が最も多く(11、17%)、ついで「道路標識」(8、13%)となっている。
・ <今後>
「道路標識」
「反射鏡」「照明」「植樹」は、ほぼ同数であった。
〈過去〉
〈今後〉
e
30.0%
a
12.5%
a
20.0%
b
10.0%
d
12.5%
既設の道路附属物
a.道路標識
b.反射鏡
c.照明
d.植樹
e.その他
・
b
12.5%
e
43.8%
c
18.8%
c
27.5%
d
12.5%
過去
今後
8
4
11
5
12
2
2
3
2
7
その他として挙げられたものには、
●マンホールの蓋(長浜市)
●車止め(静岡市、サッカーボールを意匠したもの)
●モニュメント(静岡市、地区の由来を記したもの、右参照)
●消火栓
●道路橋の橋脚(茅ヶ崎市、避難経路案内)
等が挙げられていた。
参考図 1-2
187
道路付属物
(ii)道路占用物件
・ <過去>
「電柱」「路上変電塔」が最も多い(各 8、約 35%)。
「電話ボックス」はなかった。
「路上変電塔・変圧塔」については、東京都港区では、地域からの要望で「装飾(絵を描
いた)ものがある」とのことであった。
・ <今後>
「電柱」が最も多く(8、約 35%)、ついで「路上変電塔・変圧塔」
(6、26%)であった。
「郵便ポスト」「電話ボックス」はなかった。
〈過去〉
〈今後〉
j
4.3%
k
13.0%
k
30.4%
f
34.8%
i
0.0%
f
34.8%
h
13.0%
j
8.7%
i
0.0%
g
34.8%
h
0.0%
既設の道路占用物件
f.電柱
g.路上変電塔・変圧塔
h.郵便ポスト
i.電話ボックス
j.広告塔
k.その他
参考図 1-3
過去
g
26.1%
今後
8
8
3
0
1
3
8
6
0
0
2
7
道路占用物件
・ その他として挙げられたものには、
●イベント開催時の看板(桐生市)
●電話ボックス(桐生市、電話ボックス自体がモニュメントかされている)
等が挙げられていた。
188
2)民間の屋外広告の事例について
貴地方公共団体では、既設の道路附属物や道路占用物件を利用(物件上への掲示スペースの
設置等)した民間の広告物の掲示を許可した事例がありますか。
(ただし、電柱広告は除く。
)
・ 「過去に実施したことがある」地方公共団体は、38 団体(9%)であった。
・ 「今後実施する計画がある」「実施する意向がある」地方公共団体は、41 団体(約 10%)
であった。
無回答
0.7%
選択肢4
0.7%
選択肢5
2.6%
選択肢1
6.4%
選択肢2
2.6%
選択肢3
87.0%
1.過去に実施した事例がある。
また、今後も実施する計画がある。
2.過去に実施した事例がある。
ただし、今後は実施する計画・予定はない。
3.過去に実施した事例はない。
また、今後も実施する計画・予定はない。
4.過去に実施した事例はない。
ただし、実施する具体的な計画がある。
5.過去に実施した事例はない。
ただ、将来、実施する意向がある。
無回答
参考図 1-4
27団体
6.4%
11団体
2.6%
368団体
87.0%
3団体
0.7%
11団体
2.6%
3団体
0.7%
民間の広告物の掲示の許可事例について
189
参考表 1-6
過去に実施・計画あり
参考表 1-7
都道府県 地方公共団体名
山形県
米沢市
群馬県
群馬県
桐生市
埼玉県
秩父市
上尾市
蓮田市
坂戸市
千葉県
野田市
流山市
東京都
東京都
墨田区
神奈川県 茅ヶ崎市
新潟県
新潟市
燕市
石川県
石川県
静岡県
静岡市
愛知県
愛知県
名古屋市
春日井市
小牧市
滋賀県
長浜市
大阪府
大阪市
兵庫県
姫路市
岡山県
総社市
福岡県
福岡県
北九州市
田川市
都道府県
山形県
栃木県
千葉県
東京都
新潟県
富山県
静岡県
徳島県
長崎県
参考表 1-8
過去に実施・計画なし
地方公共団体名
天童市
小山市
市川市
八千代市
君津市
調布市
新発田市
砺波市
熱海市
徳島県
大村市
過去なし・計画あり
都道府県 地方公共団体名
山形県
山形県
東京都
江東区
八王子市
参考表 1-9
後日別途行った電話によるインタビュ
ー調査によると、
山形県:バスシェルター広告
江東区:(具体的な計画はない)
とのことであった。
190
過去なし・意向あり
都道府県 地方公共団体名
岩手県
江刺市
茨城県
つくば市
ひたちなか市
埼玉県
行田市
千葉県
旭市
東京都
港区
新宿区
品川区
江戸川区
石川県
羽咋市
奈良県
奈良県
【過去に実施事例がある地方公共団体、または具体的な計画がある地方公共団体にお伺いい
たします。】
民間の広告物を掲示する手法は、どのようなものですか。
① 設置場所
(i)道路付属物
・ <過去>
「道路標識」
「反射鏡」「照明」「植樹」ともに、ほぼ同数であった。
・ <今後>
「照明」が 3 団体、「植樹」が 2 団体であった。
〈過去〉
〈今後〉
a
6.3%
a
10.0%
b
6.3%
e
30.0%
c
12.5%
b
10.0%
d
12.5%
e
62.5%
c
30.0%
d
20.0%
既設の道路附属物
a.道路標識
b.反射鏡
c.照明
d.植樹
e.その他
過去
今後
1
1
2
2
10
参考図 1-5
1
1
3
2
3
道路付属物
・ その他としては、
●駅の自由通路(市道)に設置された広告用スペース(総社市)
●地下歩道の側面に設けた広告スペース(静岡市)
などであった。
191
192
(ii)道路占用物件
・ <過去>
「広告塔」が 4 団体(約 13%)であった。
・ <今後>
「路上変電塔・変圧塔」
「広告塔」が 2 団体であった。
・ <過去><今後>ともに、「その他」と回答している地方公共団体が多い。
〈過去〉
〈今後〉
f g
3.2% 3.2% h
6.5%
f
11.1%
g
5.6%
i
12.9%
h
5.6%
i
11.1%
j
66.7%
j
74.2%
既設の道路占用物件
f.路上変電塔・変圧塔
g.郵便ポスト
h.電話ボックス
i.広告塔
j.その他
参考図 1-6
過去
今後
1
1
2
4
23
道路占用物件
・ その他としては、
●電話ボックスへの備え付けの看板(桐生市)
●地下歩道の壁面に付けた広告スペース(静岡市)
●消火栓の標識(野田市、愛媛県、徳島県等)
であった。
193
2
1
1
2
12
② 掲示期間
・ <過去>
「常設」が 31 団体(約 90%)であった。「仮設」期間は、「1 年」∼「5 年間」とばらつ
きがあった。
・ <今後>
「常設」が 13 団体(93%)であった。
「仮設」期間は 2∼3 ヶ月であった。
〈過去〉
選択肢2
7%
選択肢2
11%
過去
〈未来〉
選択肢1
89%
今後
1.常設
31
13
2.仮設
4
1
選択肢1
93%
参考図 1-7
掲示期間について
③ 占用主体
・ <過去>
「民間事業者」が 29 団体(78%)であった。
・ <今後>
「民間事業者」が 5 団体(62%)であった。
〈過去〉
〈未来〉
選択肢2
22%
選択肢2
38%
選択肢1
78%
194
過去
1.民間事業者
2.各種団体
今後
29
8
8
5
参考図 1-8
占用主体について
195
3)都市景観の向上に資する道路附属物や道路占用物件の整備のための屋外広告の活用に
ついて
貴地方公共団体において、先の事例と同様の手法で、バス停上屋やベンチ等の道路附属物や
道路占用物件を整備し、維持管理することについて、実施・検討したことがありますか。
・ 「過去に実施したことがある」地方公共団体は、6 団体(1.4%)であった。
・ 「今後実施する計画がある」「実施する意向がある」地方公共団体は、41 団体(約 10%)
であった。
無回答
0.9%
選択肢5
7.6%
選択肢4
1.2%
選択肢1
0.9% 選択肢2
0.5%
選択肢3
88.9%
1.過去に実施した事例がある。
また、今後も実施する計画がある。
2.過去に実施した事例がある。
ただし、今後は実施する計画・予定はない。
3.過去に実施した事例はない。
また、今後も実施する計画・予定はない。
4.過去に実施した事例はない。
ただし、実施する具体的な計画がある。
5.過去に実施した事例はない。
ただ、将来、実施する意向がある。
無回答
参考図 1-9
4 団体
0.9%
2 団体
0.5%
375 団体
88.9%
5 団体
1.2%
32 団体
7.6%
4 団体
0.9%
屋外広告を利用した道路附属物や道路占用物件事例について
・ 「将来実施する意向がある」自治体に、別途インタビュー調査を行ったところ、具体的な
アイデアは特にないとのことであった。
196
参考表 1-10
都道府県
千葉県
愛知県
滋賀県
鹿児島県
参考表 1-11
過去に実施・計画あり
参考表 1-13
地方公共団体名
我孫子市
名古屋市
長浜市
指宿市
都道府県
青森県
岩手県
宮城県
福島県
茨城県
過去に実施・計画なし
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
都道府県 地方公共団体名
秋田県
横手市
神奈川県 大和市
参考表 1-12
都道府県
埼玉県
千葉県
静岡県
和歌山県
岡山県
過去なし・計画あり
地方公共団体名
岩槻市
千葉県
静岡市
和歌山県
岡山県
新潟県
石川県
静岡県
兵庫県
奈良県
島根県
広島県
福岡県
長崎県
熊本県
大分県
197
過去なし・意向あり
地方公共団体名
青森県
江刺市
宮城県
郡山市
つくば市
ひたちなか市
栃木県
高崎市
蓮田市
旭市
東京都
港区
新宿区
墨田区
品川区
板橋区
江戸川区
武蔵野市
新潟市
石川県
羽咋市
静岡県
兵庫県
奈良県
島根県
松江市
広島市
北九州市
福岡市
長崎県
玉名市
大分市
民間事業者(広告代理店や広告主、地元商店街等)から、広告収入を活用してバス停上屋やベンチ
等の道路附属物や道路占用物件を整備し、維持管理を行いたいとの要望はありますか。
・ 「過去に実施したことがある」地方公共団体は、6 団体(1.4%)であった。
・ 「今後実施する計画がある」「実施する意向がある」地方公共団体は、41 団体(約 10%)であ
った。
・ 「現在、要望はないが、バス停上屋については申請があれば認める。」(長野県)「商工、観光、
環境部署と協議し、将来の検討課題としていきたい。」(宇治市)という回答も得ている。
「要望がある」
18件 5.1%
「要望はない」
332件 94.9%
1.要望がある。
2.要望はない。
18団体 5.1%
332団体 94.9%
参考要望がある団体一覧
都道府県
山形県
茨城県
埼玉県
千葉県
地方公共団体名
山形県
つくば市
上尾市
船橋市
旭市
東京都
港区
新宿区
神奈川県 神奈川県
石川県
金沢市
参考図 1-10
都道府県
静岡県
愛知県
滋賀県
大阪府
岡山県
地方公共団体名
静岡県
名古屋市
近江八幡市
大阪市
岡山県
広島市
福岡県
北九州市
福岡市
鹿児島県 鹿児島県
民間事業者からの要望の有無
198
■具体的な要望内容等
・ 「バスシェルターに広告を掲載したいので許可してほしい」という要望があった。(山形県)
・ 常磐新線沿線開発区域において、新駅循環バス停上屋に広告物件設置要望。
(事業主体
都市基
盤整備公団からの要望)
(つくば市)
・ バス停上屋への広告物提出の希望があった。(船橋市)
・ 消防水利標識、防犯灯柱に広告を認め、維持管理費を捻出する。(千葉県旭市)
・ からすよけのゴミネット収納箱(港区)
・ 維持管理のためではないが、路上高圧塔等に節電 PR 広告を掲出したい旨の要望があった。
(新
宿区)
・ 市民団体から、ベンチの一部に広告スペースを限定したバス停ベンチの設置及びアドプト・プロ
グラム的な維持管理について提案があった。(神奈川県)
・ 「バス停上屋に広告を表示したいので許可して欲しい」という要望があった。(金沢市)
・ 企業等が道路の美化団体へ援助を行うことを条件に、広告物の設置を認めるシステムの試行を
当室において検討している。(静岡県)
・ バスシェルターへの広告設置(名古屋市)
・ バス停上屋、ベンチ等に広告を掲載したい。(近江八幡市)
・ 「広告付きバスシェルターを整備したいので許可してほしい」という要望があり、現在、詳細
について協議中。(岡山県)
・ 「ベンチ及び上屋の道路占用の取り扱いについて」の一部改正がされたことから、バス停上屋
への広告掲示の許可を検討してほしい要望があった。(広島市)
・ バス停等に広告収入を活用してベンチを設置したいという要望がある。
(ただし、本市ではベン
チへの広告の掲示を認めていない。
)(北九州市)
・ NPO 法人より企業等からの協賛金を減資とする避難誘導標識柱(協賛企業等の広告あり)を設
置したいという相談を受けている。
(鹿児島県)
199
調査票
歩道空間の活用事例に関するアンケート調査票
Q1
道路附属物や道路占用物件を利用した地域活性化(参考例Ⅰ)について
Q1-1 貴地方公共団体において、歩道上の既設の道路附属物や道路占用物件を利用(既設物件の
形状改良や装飾物の追加等)して、地域情報(防災情報等)の提供(既設物件への情報ス
ペースの追加等)などを行った事例がありますか。(ただし、電柱の住居表示・自治会の掲
示板等は除く。)
(該当するものを 1 つ選び、巻末の回答用紙に○印をご記入ください。)
1.過去に実施した事例がある。また、今後も実施する計画がある。
2.過去に実施した事例がある。ただし、今後は実施する計画・予定はない。
3.過去に実施した事例はない。また、今後も実施する計画・予定はない。
4.過去に実施した事例はない。ただし、実施する具体的な計画がある。
5.過去に実施した事例はない。ただ、将来、実施する意向がある。
※現在実施中の事例がある場合には、「過去に実施した事例がある」として、ご回答下さい。
Q1-2 【過去に実施した事例がある場合】それはどのような道路附属物または道路占用物件でし
ょうか。
【実施する計画や意向がある場合】どのような道路附属物または道路占用物件を対象とす
る計画・意向でしょうか。
(該当するものを全て選び、巻末の回答用紙に○印をご記入ください。)
既設の道路附属物
既設の道路占用物件
a.
道路標識
d.
植樹
b.
反射鏡
e.
その他
c.
照明
f.
電柱
i.
電話ボックス
g.
路上変電塔・変圧塔
j.
広告塔
h.
郵便ポスト
k.
その他
200
参考例 I パットマウント(注)の活用
参考例 1
東京都調布市では、地元の水木しげる氏のキャラクタ
ー人形である「ゲゲゲの鬼太郎」をパットマウント上
に飾れるよう、飾り用の囲いをパットマウントとは別
に商店街組合が占用物件として、設置し、維持管理し
ている。
参考例 2
埼玉県行田市では、城下町にふさわしい町並みにする
ため、パットマウントを隠すためのモニュメントを作
成・設置している。
参考例 4
静岡県沼津市では、災害時の「ひなん経路」の掲示を
行うために、参考例 3 と同様、パットマウントの壁面
を利用している。
注)パットマウント(路上変電塔)とは、電線の地中化により歩道上に設置した配電設備を収納しているもので、
電力会社の占用物件である。
資料提供:東京電力(株)
参考例 3
東京都中央区では、周辺地図の掲示を行うために、パ
ットマウントの壁面を利用している。
201
Q2
民間の屋外広告の事例について
Q2-1 貴地方公共団体では、既設の道路附属物や道路占用物件を利用(物件上への掲示スペース
の設置等)した民間の広告物の掲示を許可した事例がありますか。
(ただし、電柱広告は除
く。)
(該当するものを 1 つ選び、巻末の回答用紙に○印をご記入ください。)
1.過去に実施した事例がある。また、今後も実施する計画がある。
2.過去に実施した事例がある。ただし、今後は実施する計画・予定はない。
3.過去に実施した事例はない。また、今後も実施する計画・予定はない。
4.過去に実施した事例はない。ただし、実施する具体的な計画がある。
5.過去に実施した事例はない。ただ、将来、実施する意向がある。
※現在実施中の事例がある場合には、「過去に実施した事例がある」として、ご回答下さい。
Q2-2 【過去に実施事例がある地方公共団体、または具体的な計画がある地方公共団体にお伺い
いたします。
】
民間の広告物を掲示する手法は、どのようなものですか。
■民間の広告物の掲示場所
民間の広告物の掲示に利用した道路附属物や道路占用物件をお選び下さい。
(該当するものを a∼j の中から4つまで選び、
巻末の回答用紙に○印をご記入ください。)
【既設の道路附属物】
a.道路標識
b.反射鏡
c.照明
d.植樹
e.その他
【道路占用物件】
f.路上変電塔・変圧塔
g.郵便ポスト
h.電話ボックス
i.広告塔
j.その他
■民間の広告物の掲示許可期間(該当するものを選び、巻末の回答用紙にご記入ください。)
1.常設
2.仮設
→掲示許可期間
年
月
日
年
月
日
■民間の広告物の占用主体(該当するものを選び、巻末の回答用紙にご記入ください。)
1.民間事業者(ex.広告事業者、広告主 etc.)
(具体的に:
)
2.各種団体(ex. NPO、商店街組合、商工会 etc.)
(具体的に:
)
202
Q3
都市景観の向上に資する道路附属物や道路占用物件の整備のための屋外広告の活用につい
て諸外国では、都市景観等を考慮したバス停上屋やベンチ等の道路附属物や道路占用物件
の整備のための屋外広告の活用が積極的に行われております。屋外広告の収入を活用して、
歩道空間のバス停上屋やベンチ等の道路附属物や道路占用物件を統一デザインにより整備
し、維持管理することは、都市としてのデザインコンセプトの醸成にも寄与し、都市内の
にぎわいの創出、都市独特の雰囲気の形成、魅力的な都市景観を形成すると同時に、財政
負担の軽減に資するものと考えられます。(参考例 II)
我が国では、平成 15 年 1 月に、国土交通省が、バス停上屋の整備促進のために、バス停
上屋への広告物の掲示の基準を一定の条件の下で見直し(平成 15 年 1 月 31 日付け国道利
第 22 号・国道利第 24 号国土交通省道路局長通達及び平成 15 年 1 月 31 日付け国道利第 26
号国土交通省道路局路政課長通達)
、それを受けて、広告事業者が広告物の掲示が可能なバ
ス停上屋を整備し、維持管理する事例も見られます。当該事例では、バス停上屋はバス会
社の占用物件ですが、実際の整備・維持管理は、広告事業者が行っております。
(参考例 III)
参考例 II 諸外国における歩道上のバス停上屋・広告塔の例
参考例 III 岡山市内のバス停上屋に設置された広告
203
Q3-1 貴地方公共団体において、先の事例と同様の手法で、バス停上屋やベンチ等の道路附属物
や道路占用物件を整備し、維持管理することについて、実施・検討したことがありますか。
(該当するものを 1 つ選び、巻末の回答用紙に○印をご記入ください。)
1.過去に実施した事例がある。また、今後も実施する計画がある。
2.過去に実施した事例がある。ただし、今後は実施する計画・予定はない。
3.過去に実施した事例はない。また、今後も実施する計画・予定はない。
4.過去に実施した事例はない。ただし、実施する具体的な計画がある。
5.過去に実施した事例はない。ただ、将来、実施する意向がある。
※現在実施中の事例がある場合には、「過去に実施した事例がある」として、ご回答下さい。
Q3-2 民間事業者(広告代理店や広告主、地元商店街等)から、広告収入を活用してバス停上屋
やベンチ等の道路附属物や道路占用物件を整備し、維持管理を行いたいとの要望はありま
すか。
(該当するものを 1 つ選び、巻末の回答用紙にご記入ください。)
1.要望がある。
→
具体的な要望をお答え下さい。
2.要望はない。
以上で、アンケートは終了です。ご協力ありがとうございました。
204
参考2 屋外広告に関わる地方公共団体インタビュー調査結果
(1)調査概要
屋外広告を活用した道路管理に対するニーズを把握するために、先進的な取り組みがなされ
ている地方公共団体を対象にインタビュー調査を実施した。
参考表 2-1
インタビュー調査対象の概要
地方公共団体名
取組みの概要
東京都
新宿駅西口地下において、地下歩行者専用道(道路空間)への広告物掲載を
認めた。
現在は、(社)東京都駐車場公社が管理運営を行っている。
神戸市
道路空間活用懇談会において、様々な道路空間の有効活用方策を検討してい
る。その中で、広告収入を活用した植栽の維持管理や事業運営費用の捻出の
ためのマンホールへの広告掲載等が検討されている。
岡山市
全国で初めてバスシェルター広告の実施の検討を行い、許可した。
横浜市
バス停上屋の設置に屋外広告ビジネスの活用を検討するため、民間活力を導
入する。3 ヶ月程度の試行を実施し、その影響を検証。検証結果をもとに本
格的な実施に移行する予定。
(2)調査結果
1)東京都
東京都は、屋外広告物の担当部局である都市計画局市街地建築部市街地企画課と道路占用の
担当部局である建設局道路管理部監察指導課に対してインタビュー調査を行った。
① 経緯(都市計画局)
・ 平成 14 年 10 月、
「東京における今後の広告物規制のあり方」について、東京都広告物審
議会に対して諮問を行っている。その中間報告として、平成 15 年 1 月に中間答申がなさ
れている。その中に、地下歩行者専用道への広告表示も挙げられていた。
・ 地下歩行者専用道であれば、交通安全上の問題が少ないということで、屋外広告の許可を
することとなった。
② 関連法制度の改正、告示(都市計画局)
(i)屋外広告物条例の改正
・ 平成 15 年 7 月 17 日:東京都屋外広告物条例第五条(禁止区域に許可を受けて表示また
は設置することができる広告物等)に追記。
「五
知事の指定する専ら歩行者の一般交通の用に供する道路の区域に表示また
は設置する広告物等」
「六
規則で定める公益上必要な施設または物件に表示する広告物等」
⇒屋外広告物条例で禁止されている区域内に屋外広告物の掲載が可能となった。
205
(ii)屋外広告物条例施行規則の改正
・ 同年 9 月 24 日:東京都屋外広告物条例施行規則の第八条の三第一項に追加。
「四
条例第五条の三第四号に掲げる広告物等」
第十条第一項に規定する規格に適合すること
⇒設置する屋外広告物の大きさを規定した。
・ 同年 9 月 24 日:東京都屋外広告物条例施行規則の第一条第四項
「別記第二号様式の二による車体利用広告に係る意匠等作成経過報告書」を
「屋外広告物等に係る意匠等作成経過報告書(別記第二号様式の二)に改める
⇒自主審査として、専門家によるデザイン審査を受け、その証明を報告書に記載する。
(iii)告示
・ 東京都知事名で、“屋外広告物条例の第五条の三第五号に規定する専ら歩行者の一般交通
の用に供する道路の区域を指定”
⇒新宿西口地下や汐留地下に広告物の掲載が可能となった。
(iv)道路占用に関する規制緩和
・ 地下歩行者専用道等における広告物掲出に関する取り扱いを定めた。
③ 現状の運用状況(建設局)
・ 新宿西口駅前地下の柱に広告物が掲載されている。(参考図2−1参照)
・ 新宿西口駅前は、財団法人東京都駐車場公社に管理委託を行っている。管理委託を行って
いる主体(道路管理者と同等の管理能力を有すると認められる者)として、広告物に関す
る占用許可が出された。
・ 屋外広告物条例は、大きさや設置場所、位置に関する規定だけで、表現内容に立ち入るこ
とはできない。基本的には自主規制。そこで、許可する際には、専門家が入った審査機関
での評価報告書を添付することにしている。
・ 道路管理者としては、占用料(24,800 円/㎡、平成 16 年 12 月現在)を徴収している。
広告収入によって得られた余剰分は、道路の維持管理費用に充てるとして協定を結んでい
る。
④ 今後の展望(都市計画局)
・ バス車体広告で、屋外広告に関してはある程度軌道に乗ってきたと考えている。今後、ど
こまでニーズがあるか把握しつつ、規制緩和の方向性を検討していきたい。
206
参考図 2-1
新宿西口駅前地下の柱に設置された広告物
2)神戸市
① 道路活用懇談会の経緯
・ 平成 14 年度まで、3 カ年かけてみちづくり懇談会が開催されていた。ここでは、道路利
用者の立場からみた道路利用や地域参加型の道路のありかたについても検討を行ってい
た。
・ 一方、神戸市行財政改善懇談会の中で、道路法を弾力的に運用し、積極的な活用を進める
という指摘があった。
・ 神戸市の道路は、道路占用料が年間 30 億円となっている。維持管理費用を十分まかなう
だけの費用になっている。
・ しかし、行財政懇談会の中では、
−さらに歳入を増やさなければならない
−そのためには道路法を弾力的に運用し、積極的な活用を進めるべき
という指摘があった。
・ そこで、市民も参画した道路活用懇談会を設置した。
② 中間とりまとめの位置づけ
・ 検討のなかで、『できるものは早く進めるべき』ということで、提言を前にあげられたも
のが、その中の
① スポンサー付きバナー
② スポンサー付き花壇
③ マンホールインフォメーションへの広告掲示
等
である。
・ この中には、条例改正が必要なものはなかった。
③ スポンサー花壇
(スポンサー花壇の担当は公園砂防部計画課)
・ 元町駅前やフラワー通りにある植栽は、年間 3 万 5 千円/㎡の維持管理費用がかかって
いる。そこで、花壇に事業者等の銘板を添付し、その費用を負担いただくことにより、緑
207
花活動への参画と協力を積極的に進める。
・ 企業から受け取る費用は、維持管理にかかる費用相当分である。
・ 10 月 1 日から募集している。公募を始め、募集したすべての花壇での応募があり、決定
した。
・ 銘板は 0.1 ㎡程度であり、掲載する銘板は、屋外広告や景観条例に触れる大きさではない。
まだ、銘板には企業名等を掲載している。
・ 今後、企業側のニーズを把握しつつ、事業を拡大していく予定である。
④ マンホールインフォメーションへの広告掲示
・ (マンホールインフォメーションの担当は下水道河川部経営管理課。
)
・ 現在、マンホール(下水道用)にインフォメーションを掲示している。
・ 最初のマンホールインフォメーションは、灘駅から動物園までの経路案内目的につけられ
たものである。その後、商店街のカラー舗装化にともない、マンホールのカラー化、商店
街名の掲示が行われるようになった。
・ しかし、あくまでも下水道事業者が公共サービスの一環として行っていただけであり、広
告物はいっさい許可していない。
・ そこに、今回の検討では、企業・商店名等の掲載を認めるというものである。
・ 中間とりまとめ及び新聞記事に関する問い合わせは多数ある。(多くは広告代理店のよう
であるが)しかし、まだ、事業化には至っていない。(募集はしていない)
・ ニーズを把握しつつ、事業化を検討する予定。
・ 道路管理者としては、下水道事業者(社会貢献)から広告物に関する占用料を徴収する。
ただし、下水道事業者のみ広告掲載を認め、他の事業者(電話、ガス等)を排除する予定
はない。
・ 競合するような場所(例えば、NTT マンホールと下水道マンホールが並んでいるような
ところ)は、道路管理者としては、歩行者の通行の妨げにならないよう、事業者が掲載広
告物等の調整することになる。
⑤ スポンサー付きバナー
・ スポンサー付きバナーについては、現在、イベント時に“国”“地方公共団体”が掲載す
るもののみ認められている。広告部分については、全体の 1/5 に限られている。
・ 都市計画総局では、実験的に、住民管理でバナー広告を掲載する試みが行われている。
・ スポンサー付きバナーの社会実験を行った。(2 月に実施済)
⑥ 今後の展望
・ 協定道路を活用していきたい。
・ 市民が有意義に利用できる環境を作っていきたい。
208
参考図 2-2
神戸市における道路活用事例
3)岡山市
① 経緯
・ 岡山市内には、現在、バス事業者が 8 社あり、各社とも経営状態が健全とはいえない状態
である。
・ バス停上屋は各社が占用の許可を得て整備している。しかし、経営状態が芳しくない現況、
バス停上屋まで費用が回っていないのが現状である。
・ このような現状のもと、岡山市のバス協会から、現在はバス停上屋に広告物掲載が認めら
れていないが、広告収入でバス停上屋の整備を行うために、規制を緩和してほしいという
申し入れがあった。
・ そこで、岡山市は、現在の国土交通省道路局に直接要望を行った。(平成 12 年頃)
② 現状
・ 現在は、錦町及び山陽新聞社前の 2 カ所に設置されている。
・ 岡山市では、バス停上屋についてはバス事業者、広告物については広告事業者(MCDecaux
社)に土木部土木管理課が道路占用の許可を行っている(占用許可は 5 年間、更新は通知
のみ、諸般の事情により許可を取り下げる場合もある)。加えて、屋外広告物の掲載につ
いては、都市整備局都市計画課が広告事業者に対して、屋外広告物掲載の許可を行ってい
209
る。
・ 要望にあたっては、趣旨や大きさ等、設置に関するガイドライン(案)を作成し送付した。
現在の通達ででている許可の多くは、このときのガイドラインに従っている。
・ ただし、バス停上屋設置後の有効幅員については、岡山市(案)では 2m であったものが、
通達では“歩行者・自転車道”については有効幅員 3m となっている。つまり、5m 以上
の歩道にしか設置できない。
・ MC Decaux 社の計画では、平成 15 年度内に 50 基設置することになっている。しかし、
岡山市内の歩道で基準を満たす箇所が少ないことから、整備が進んでいないのが現状であ
る。
③ 運用について
・ 広告物を添加したバス停上屋の整備は、都市景観向上のために実施するものである。その
ため、バス停上屋に添加される広告物は、屋外広告物審査会における承認が必要である。
・ ただし、審査会は年に 4 回程度しか開催されないため、掲載されるポスター交換は、審査
会長の専決により許可されることになっている。
④ 導入効果
・ 設置後、特に苦情はない。
・ バス停には、違法ベンチ広告やチラシ広告などが多数あったが、整備したことにより、こ
れらは無くなった。
⑤ 今後の展望
・ 岡山市も他の地方公共団体同様、財政が逼迫している。
・ 従って、バス停上屋整備については、バス事業者において今後とも設置することとし、設
置が容易に行われるよう協力を行う。
210
参考図 2-3
岡山市におけるバス停上屋の広告物掲載事例
4)横浜市
平成 16 年 2 月に横浜市が記者発表した「民間活力を導入してバス停留所待合い設備の整備」
について、横浜市交通局にインタビュー調査を実施した。
・ 横浜市交通局では、バス利用者が快適にバスを待つことを可能とするために、毎年約 30
基のバスシェルター整備を行ってきた。ただし、近年、整備費用とともに維持管理費用が
大きくなってきたため、広告ビジネスの活用の可能性を検討していた。
・ 昨年度、国土交通省及び警察庁より通達が出され、バスシェルターへの広告添加が可能と
なったことを受け、横浜市も導入を検討することとした。
・ ただし、当面(3 ヶ月間)は実験として市内数カ所に設置し、影響や問題点・課題を抽出
し、本格的な導入に向けた検討を行っていく予定である。
211
参考表 2-2
1
民間活力を導入したバス停留所待合い設備の整備について(報道発表より)
実施概要
・事業企画提案を公募し、事業者を決定します。
(2 月 20 日に募集を開始します)
・事業企画提案では、試験設置及び本格実施に関する整備計画、広告選定基準、
維持管理計画などを提案していただきます。
・選定された事業者が、市中心部などに先行整備し、3 ヶ月程度の試験期間を設
け、本市及び事業者が効果及び課題を検証します。
・検証結果を基に、改良等を加えた上で本格実施に移行します。
2
事業の効果
(1)上屋の新設・建て替えにかかる経費が削減できます。
(2)上屋付きのバス停留所が増えるとともに、清掃の行き届いた良好な管理が可
能となり、バスご利用のお客様のサービス向上になります。
(3)質の高い広告物を掲出することにより、都市景観の向上が期待できます。
(4)バス停留所の定期清掃を行いますので、新たな雇用創出の機会となります。
3
試験期間における主な検証内容
バスご利用のお客様や歩道を通る方々へのアンケート調査、専門家の評価などを
もとに、主に次の内容について検証し、改善内容などの検討を行います。
・バスご利用のお客様へのサービス向上の度合い
・歩道通行の安全性、バス運行の安全性
・景観上の評価
・広告物の質と内容
・バス停上屋のデザイン
・清掃等管理の状況
《参
考》
○事業の基本的な仕組み
・広告事業者がバス事業者と契約を結び、広告板付きの上屋を整備する。
・広告事業者は、バス停留所施設の整備・管理、広告の募集・製作・掲示を一括
して行う。
・バス停留所施設は、広告事業者の財産になり、バス事業者は契約により無償で
上屋を利用できるものとする。
・広告事業者は、事業にかかる経費のすべてを広告料収入でまかなう。
○国土交通省通達改正の主な内容(平成 15 年 1 月 31 日改正)
・バス停留所の上屋に対する広告板の添加を認める。
・広告料収入は、バス停上屋の整備促進と維持管理のための費用に充当されるこ
と。
・広告物の表示面積は、1 面につき 2m2 以内で、掲示面は全体で 2 面以内。
・歩道の有効幅員は 2.0m以上確保すること。
○バス停留所上屋の整備状況(平成 15 年度末見込み)
・市営バスの停留所は全市で約 3000 か所
・うち、上屋が整備されているのは約 660 か所
○他都市、海外での実施状況
・国内ですでに実施しているのは岡山市のみ。
・海外では、パリ、ロンドン、シカゴ、シンガポール、バンコク、ソウルなど多
くの都市で同様な事業手法が採用されている。
出所:横浜市 記者発表資料(平成 16 年 2 月 12 日)
212
参考3 無線 LAN による情報提供サービスに関わるインタビュー調査結果
(1)調査概要
情報提供者側の道路空間における情報提供サービスに対するニーズを把握するために、商店
街や地方公共団体等(参考表 3-1 参照)に対してインタビュー調査を実施した。
参考表 3-1 インタビュー調査対象の概要
調査対象機関
商店街
自由が丘商店振興組合(目黒区自由が丘)
戸越銀座商店振興組合(品川区戸越)
行政
鎌倉市
NPO 法人
KCN(鎌倉シチズンネット)
プロバイダ
『無線 LAN 倶楽部』(NTT-BP)
(2)調査結果
1)自由が丘商店振興組合
参考図 3-1 自由が丘商店組合のホームページ(http://www.jiyugaoka.or.jp)
① 自由が丘商店街振興組合の概要
・ 現在、自由が丘商店街には、1,500 店ほど立地しており、中心地といわれる駅周辺地区の
面積は約 73ha である。
・ 中心市街地活性化法によって、目黒区では自由が丘地区が中心市街地に指定されている。
213
・ 商店街振興組合に加盟している商店数は 1,080 店。振興組合として、全国で一番大きい。
・ オーナーは、概して年齢が高い。しかし、実際にお店を経営している店子は、30∼40 歳
代の若者も多い。
・ (株)ジェイ・スピリットを設立し、2003 年 3 月に TMO として目黒区によって認定さ
れた。
・ 自由が丘周辺は、細かい道が多い。しかし、案内表示等は行っていない。細街路は、自由
が丘の魅力の一つになっているからである。
② 商店街活性化に関する各種取り組み
(i)各種イベント
・ 以前より、商店街には『自由が丘女神祭り』や『熊野神社例大祭』といったイベントがあ
る。『自由が丘女神祭り』は、来訪者が 10 万人にも及ぶ大きなお祭りである。
・ これらを実施する際には、所轄警察署である碑文谷警察署に道路の使用許可の申請を行わ
なければならない。
・ 『熊野神社例大祭』のように、歴史の古いお祭りは比較的許可が得られやすいが、新たに
イベントを行おうとすると、警察の対応は非常に厳しい。
・ その他として、昭和 40 年頃から、日曜日・祝日の 15 時∼18 時には歩行者天国を実施し
ている。この時間帯は、駅前広場にバスも入ることができない。
(ii)くらしのみちゾーン
・ 国土交通省が行っている「くらしのみちゾーン」と「トランジットモール」地区に登録し
た。5 年以内にモデル事業として整備する予定。
(iii)放置自転車について
・ 自由が丘駅前は、駐輪場がないため不法駐輪が非常に多い。(別添写真)
・ 東急電鉄や目黒区と駐輪場設置について協議しているが、進展しない。
・ 特に目黒区については、歩道(区道)の一部と民地を利用して駐輪場設置について提案し
ているが、交通管理者の合意が必要ということで、取り合ってもらえていない。
(iv)その他
・ <屋外広告>
ほぼ既得権として実施しているものとして、商店街が設置した街頭に広告(バナー広告)
を設置している。ただ、今後も積極的に推進していこうという予定はない。
・ <オープンカフェ>
自主的にセットバックし、欧米のオープンカフェのような雰囲気作りを行っている商店は
ある。ただ、自由が丘の道は細いため、歩道にオープンカフェを設置することは困難。
(別
添写真)
③ 情報提供に関する過去の取り組み
・ HP で情報提供を行っている。
・ 他、
『自由が丘オフィシャルガイドブック』には、i-mode アドレスが記載されており、興
214
味のあるお店の情報を i-mode から取り出すことができる。
・ 他には、メールマガジンの発行を行っている。
・ 商店街組合のなかでは、情報化への取り組みが早かったと自負している。
④ 無線 LAN に対するニーズ
・ 様々な団体(ベンチャー企業等)が売り込みにきている。資金があれば、積極的に取り組
みたいものではある。
・ 来場者に向けた情報発信ばかりではなく、振興組合の会員内での情報交換に、無線 LAN
を用いたインフラ整備を行うのは、非常にメリットがあると考える。
・ 自由が丘振興組合は、代表幹事だけでも 60 名いる。代表幹事への連絡は、未だに FAX
あるいは手紙で行っている。
・ 無線 LAN をベースとした情報ネットワークを構築すると、発展性も高く、合意形成など
の速度も速くなると思う。
・ ただし、無線 LAN で情報提供を行うためには、情報提供側の整備に加え、情報を受信す
る側、つまり来場者にも端末(PDA 等)を持たせなければならない。現状、そういった
ものに投じる資金的余裕はない。
⑤ 今後の展望
・ 今ある道路を有効活用して、自動車と歩行者の棲み分けをしていきたい。
・ また、道路空間の活用を含め、様々な活性化のための取り組みを行っていきたい。
<自由が丘駅周辺の放置自転車>
参考図 3-2
<セットバックしてオープンカフェ実施>
商店街活性化に関する各種取り組み事例
2)戸越銀座商店振興組合
戸越銀座商店街では、3 つの商店会(戸越銀座商栄会商店街振興組合・戸越銀座商店街振興
組合・戸越銀座銀六商店街振興組合)が商店街の活性化のために、一体となった取り組みを行
っている。その概要について、戸越銀座商店組合にインタビュー調査を行った。
215
参考図 3-3 戸越銀座商店組合のホームページ(http://www.togoshiginza.net/)
① 戸越銀座商店街の概要
・ 品川区道の両側に面して、商店が建ち並んでいる。
・ 最近は、商店街の独自性を打ち出すため、「とごしぎんざブランド」として、オリジナル
の商品を販売するようにしている。
・ 商店街の中央を通る道路は、平日 15 時∼18 時、土日祝祭日 14 時∼19 時は車両通行止め
となる。来場者の多くは自転車であったり高齢者であるため、特に車両通行止めとなるこ
の時間帯は人が多い。
・ 年に春と秋の 2 回、この歩行者天国の時間帯において、イベントを行っている。
(イベン
トの開催時間は 2 時間程度)
・ 他事例同様、警察・区役所からの許可は下りにくい状態で、歩行者天国の時間帯に、『通
行障害』となるようなものが道路上に置かれていたり、それによって事故が発生したりし
た場合には、歩行者天国自体の許可が下りなくなる可能性もある。
・ 最近は、TV 番組や雑誌(散歩の達人)で取り上げられることもあり、来場者が増加して
いる。(収益に結びついているかどうかは不明。
)
② 情報提供の現状
・ 現在、戸越銀座ネット(http://www.togoshiginza.net/)で商店街の概要、個店の PR 等を
行っている。ここでは、3 つの商店会(戸越銀座商栄会商店街振興組合・戸越銀座商店街
振興組合・戸越銀座銀六商店街振興組合)が一つの HP で情報提供を行っている。
・ ホームページは、ネット委員会を設立し、管理・運営を行っている。
・ 個店は、ネット委員会からホームページの枠とコンテンツが与えられる。登録されている
個店は、約 400 件である。
216
・ 費用については、明治大学政治経済学部安藏研究室が研究のために立ち上げたサーバ・コ
ンテンツを利用しているため無料。また、コンテンツ作成も、商店のインターネット HP
作成に詳しい人がボランティアで作成しているため、費用は発生していない。
・ システム上は、個店がリアルタイムに情報を更新することも可能である。ただし、実際に
利用している会員は 400 件中 5%程度だと思われる。経営者が高齢化し、PC 利用に対す
る抵抗感があることに加え、情報をリアルタイムに提供するための発信側の労力と、それ
に見合った売上げのバランスが分からないためだと思われる。
・ また、ホームページ開設にあたり個店に費用が発生していないため、利用しようという意
識も働きにくいと考えられる。
・ 情報内容も押し着せ状態のため、アクセス数は必ずしも高くない。
③ 無線 LAN に対する情報提供について
・ PDA の普及率が低いことを考えると、無線 LAN アンテナを設置し、商店街の中で情報
提供するメリットは少ないのではないか。
・ 将来、必要不可欠なサービスになる可能性はある。しかし現状では、特に、最近の携帯電
話サービスの中には、カーナビのような経路案内サービスを行うものもあり、PDA を想
定した情報提供サービスを立ち上げ、そこに資金を投じることにメリットはないと思われ
る。
・ (情報 KIOSK や無線 LAN による情報提供は、リアルタイムな情報提供も可能になるが)
先述した通り、リアルタイム情報を提供することに対する労力と売上げのバランスが不明
な状態で、高額な費用を投じることはできない。
参考表 3-2 「とごしぎんざブランド」一覧(平成 15 年 12 月現在)
商品名
商品説明
とごしぎんざブランド 戸越銀座のお肉屋さんが、選び抜いた本物の素材だけを使用し、きっ
(すき焼きのタレ)
ちり仕上げたすき焼のたれです。合成保存料、着色料、化学調味料な
どの添加物は一切使用しておりません。煮物(肉じゃが)
、牛丼等にも
お使いいただけます。手作りの味をお愉しみください
とごしぎんざブランド 戸越銀座のお肉屋さんが、選び抜いた良質の胡麻をたっぷり使い風味
(胡麻ドレッシング)
をそのままとじ込め、添加物は一切使わずに仕あげた胡麻ドレッシン
グです。生野菜はもちろん、ゆで野菜・しゃぶしゃぶ・冷やっこなど、
いろいろな料理にお使いいただけます。手作りの味をお愉しみくださ
い。
とごしぎんざブランド 戸越銀座のお肉屋さんが、焼肉用に着色料、保存料、化学調味料を一
(薬膳焼肉のタレ)
切使わず無添加でにんにく、行者にんにく、梅肉、プルーン、生姜、
松の実、くこのみ等豊富な薬膳を使用した新鮮で健康的な焼肉のタレ
です。手作りの味をお愉しみ下さい。
217
3)鎌倉市
① 鎌倉市役所
参考図 3-4
鎌倉市のホームページ
(i)鎌倉市の観光の現況
・ 鎌倉の観光客は中高年層が多く、外国人観光客も多い。ただし近年、観光客は減少傾向に
ある。
218
(ii)現在の取り組み
・ 現在、観光客に対する情報提供は、観光案内所における地図、パンフレット等の配布、イ
ンターネット HP(http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kankou)における観光ルー
ト、名所等の案内、各所におかれた案内板等である。
・ 別途、鎌倉中心部への自動車の流入を防ぐために、パーク・アンド・ライドの促進を行っ
ている(由比ヶ浜駐車場、七里ヶ浜駐車場)。これらの駐車場を利用した人には、観光案
内地図を配布している。
・ 総務省の e-まちづくりの実証実験として、平成 16 年 1 月「3D 都市バーチャルによる観
光・商業情報の提供」を行う。これは、50inch の大画面に映し出された鎌倉市都市部を
再現した 3D 映像を用いて、観光・商業情報を提供するものである。
・ 過去に、NPO 法人 KSN(Kamakura Citizens Net)が GPS と MP3 プレイヤーを組合
せた観光情報案内の実験を行ったことがある。ただし、GPS による位置精度がよくない
ことから適材適所での情報提供ができず、改良の余地があった。
・ 11 月 22・23 日の両日、鎌倉市において若宮大路を中心とした総合的な情報提供実験を実
施。実験メニューは、画像情報の提供による観光行動変化の把握を目的として、高速道路
パーキングエリア(大黒 PA と保土ヶ谷 PA)内の特設ブース及び WEB 機能付携帯電話での
鎌倉ライブ画像情報の提供、パーク&ライド駐車場利用状況の提供、各種観光案内等。
・ 行政としてどこまで情報を提供していくか、してよいか、という問題がある。行政が一部
の事業者の宣伝をするのには、問題が生じかねない。また、行政が情報提供をする際、古
い情報を掲載したときの責任問題が発生する。そのためには、メンテナンスが必要となる。
現段階ではそこまでできない。
(iii)無線 LAN に対するニーズ
・ 産業振興として、商店街の地盤沈下をとどめるために、行政としてできることは何かとい
うことを検討している。その 1 つに、インターネットホームページ上で、希望する事業者
の情報を掲載することとなっている。年明け早々には募集する。
・ 鎌倉市には 33 商店街組合があるが、そのうち、インターネットホームページを作成・運
営しているのは 3 団体である。今のところ生活ができているということ、あえて宣伝費を
投じなくても観光客を含めた来訪者はいることから、宣伝費を使おうという先行投資意欲
は少ない。
・ したがって、鎌倉において、商店・事業者からの広告収入は期待できないだろう。
・ 例えば、無料で個店の情報を掲載してくれるようなサイトにも、情報を提供しようとしな
い。全体的な体質が古い。(若い経営者は違うかもしれないが。)
・ 位置情報(GPS)を組み合わせ、その場所の情報を提供する。その際、
『目』は観光施設
に対して向けられているので、『耳』を使ったシステムがいいのではないか。
(iv)その他
・ 岡山市がバスシェルター広告に取り組む以前に、一度、MC Decaux 社と接触したことが
ある。バスシェルターからベンチ、ゴミ箱まで統一したデザインで設置してくれるという
話であった。
・ ただ、最終的に導入するに至らなかったのは、
219
1.広告の面積が大きかったこと
2.ストリートファーニチャー自体が雰囲気を作るので、鎌倉の景観を壊しかねない
3.市民の広告物に対する意識の高さ
等の問題があった。
・ 鎌倉は、広告物条例を設置することができないが、
1.規模や設置位置
2.屋上看板は設置しない
3.色合い
等に対する行政指導を行っている。
平成14年度補正予算による「地域情報化モデル事業交付金」
(eまちづくり交付金)の交付を決定
総務省では、住民の目に見える形でITを活用した地域情報化のモデル事業を全国展開するため
に、平成14年度補正予算において新規に創設した「地域情報化モデル事業交付金」
(eまちづく
り交付金)について、100件 総額15億円の交付を決定しました。
__________________________________________________________________________________
地域情報化モデル事業交付金(eまちづくり交付金)の概要
1
事業主体
市町村または市町村の連携主体
2
要件
地域における知恵と工夫の競争を通じた個性あるまちづくりを推進する事業で、
次の要件を満たすもの。
1) IT関連技術を組み合わせた実証実験の実施、ITを活用した地域振興モデルの構築、地域の個性豊
かなコンテンツの制作 に関するもの
2) 地域の中小IT企業・NPO法人等が参画していること
3) IT人材の新規雇用を創出するもの
4) 事業を早期に執行できるよう、今年度の補正予算に計上可能であること
3
助成内容
定額交付金
事業規模、内容等に応じて1千万円、15百万円、2千万円の三段階とする。
4
助成対象経費
サーバ等の機器賃借料、コンテンツ作成費、システム開発・運営費等
出所:総務省資料
220
② 鎌倉シチズンネット
鎌倉シチズンネット(KCN)の概要
● 設立経緯と現状
創立:平成13年1月28日
NPO法人の認証:平成13年5月16日
理事長 :大西清治
会員数 :110人
● 設立の目的
鎌倉市民のための地域IT化を鎌倉市と協働で
推進する。
参考図 3-5
● 主な活動内容
受託IT講座の実施(一般市民を対象)
(鎌倉生
涯学習推進委員会、その他からの受託)
自主IT講座の実施(主婦とシニア層向けで「鎌
倉ITサロン深沢」で実施)
ホームページの制作受託・運営
ホームページの自主運営
サーバの運用
(上記HP用・メール用)
会の教習用パソコン
会員のパソコントラブルの解消
鎌倉シチズンネット
(i)e-ざ鎌倉・電子国土 Web
・ 現在、
「e-ざ鎌倉・電子国土 Web」という実験を行っている。これは、GIS を活用し、住
民から寄せられた情報を元に情報提供を行っていく web サイトである。
・ 2003 年 12 月 16 日より試験公開中。
・ Web からではなく実際に現地に赴き体験するために情報を使って欲しい。インターネッ
221
ト上ではなく実物を見て欲しいと考えている。そして、その場所で活用する IT の効用を
実感から見つけてほしいと考えている。
・ この GIS はモバイルでの活用をまだ十分支援できてはいない。その改善を進める中であ
っても、多くの市民にコンテンツ制作に参加をしていただいて、自ら地元の地域に対する
感性を高めて欲しいと願っている。
参考図 3-6
e-ざ鎌倉の画面
(ii)無線 LAN を活用した情報提供サービスについて
・ 無線LANは屋外でいつでも情報共有を可能にし、地域情報のリアルタイム性を保つ環境
として優れ、非常に魅力を感じている。しかし、今回の実験では、実験対象地区にインフ
ラを整え維持する力(技術・資金)を持ち合わせてないため導入を行っていない。
・ 利用者の端末として、GPS と PDA を使い事前に実験したことがある。
(利用者の立つ位
置情報から、その場所の歴史情報を検索自動提供)その中でコンテンツの提供の仕方とし
てわかったこととして、
①PDA に表示する文字情報はなかなか屋外では読んでもらえない。
②写真画像はどんなに綺麗に表示しても目の前の実物にはかなわない。
③音声であれば景色になじんだ形で伝えることができる。
・ これらのコンテンツはすべて PDA 内のメモリーに入れ行ったが、リアルタイム性やメン
テナンス性を考慮するとインターネットにつながった無線 LAN 等の必要性を感じる。
・ 必ずしも無線 LAN だけにこだわる必要はないのでは。他の仕組みとの連携で成されると
考えている。携帯電話の通信インフラ、RFID タグやセンサー、それらを道路に埋め込み
実現できるサービスがある。例えば、仕組みを工夫すれば、正確な位置情報と解りやすい
222
音声情報で効果的な情報提供可能になる。それらのインフラが公衆化されれば是非活用し
たい。地域事業者にとっても新たなチャレンジ意欲を促進すると考えている。
・ 歴史的に特徴を持つ「鎌倉」という地域を IT サービスによって、さらに特徴的にするこ
とは「地域を豊かにする」ひとつの解と考えている。
4)無線 LAN 倶楽部
① NTT BP 及び無線 LAN 倶楽部の概要
・ NTT BP は、平成 14 年 7 月に設立。無線 LAN 倶楽部(http://www.ntt-bp.net/pc/)を運
営するための会社。
・ 当初は、京王電鉄・京急電鉄で、無料モニタを集め、平成 14 年 7 月∼11 月まで試験運用
を実施。無線 LAN の電波エリアや料金水準等の評価を行った。
・ 平成 14 年 11 月 21 日から有料サービスを実施。
・ 現在は、京王電鉄及び京急電鉄に加え、相模鉄道、西武鉄道、横浜市営地下鉄、東急電鉄、
JR 東海、羽田空港等も加わった。近日中にさらに鉄道会社は増加する予定。
・ 他の無線 LAN 事業とは異なり、PDA の携帯性と駅に着目し、駅(鉄道)利用の特性を
考慮した独自のサービスを展開している。
①コンテンツシンクロ
②高速インターネット接続サービス
・ 本事業が、他の無線 LAN 事業と異なる点の一つは、鉄道事業者とのタイアップ。鉄道事
業者も本サービスの事業者になっていただいている点。
・ コンテンツは多種多様あり、現在約 14,000 タイトル。(うち、12,000 タイトルは米国
Handango 社のもの)
・ 最近は、定額制のサービスだけではなく time チケットを販売したり、AirH’’と提携した
サービス等も行っている。
・ 利用者は 30 歳代男性が最も多く(約 50%)、20 歳代・40 歳代の男性(それぞれ約 25%
ずつ)。
② 今後の展望
・ 現段階では、道路空間における情報提供サービスの検討は行っていない。まずは、鉄道事
業者とタイアップした駅での情報提供サービスを軌道に乗せることが重要。
・ バス事業者からの打診があり、駅でのサービス同様、バス停での情報提供サービスの事業
成立可能性を検討している。
・ 無線 LAN に対応した携帯電話端末ができれば、IP 電話として、特に駅での利用が促進さ
れるのではないか。
・ 位置情報と組み合わせて、地図や観光ガイドの情報提供には興味がある。
223
ビジネスフォーメーション
ユーザ
コア・アライアンス
サブ・アライアンス
鉄道会社
鉄道会社
シンクロ配信会社
●スポット、光ファイバ等の提供
●NTT-BTのデータセンタを
通じたコンテンツ配信
●コンテンツアグリケータによる
PDA向けシンクロ配信
沿線
線利
利用
用者
者
沿
・駅及び周辺施設の提供
・駅の無線インフラ
・光ファイバ等設備
・広告宣伝・販売促進
●アクセスサービスの
提供
●シンクロサービスの
提供
●コンテンツ・アプリ
ケーションの提供
レベニュー
シェア
有
NTT-BP
NTT-BP
テ
コン
料
テン
コン
ツ利
用
料
コンテツプロバイダ
ョン
ーシ
゚リ ケ
フ
・ア
ンツ
●コンテンツアグリケータによる
PDA向けシンクロコンテンツ
●インフラ設置・運用
●利用料金
●有料コンテンツ
利用料金
・駅周辺スポットの無線インフラ
・中継ネットワーク
・データセンタ
・顧客管理
販売チャネルの
・課金代行
連携など
・広告宣伝・販売促進
PDAメーカー
●対応機器の販売
【主なコンテンツの内訳】
無料コンテンツパック(*)
新聞・ニュース
マガジン・コミック
電子書籍
アプリ・ユーティリティ
ゲーム
趣味・生活
学び
地図・ガイド
キャラクター・壁紙
海外直輸入コンテンツ
7
17
230
1,640
120
80
20
50
30
60
12,000
(*)「無線 LAN 倶楽部」月額基本料のみで利用可能なコンテンツ
2004 年 3 月末時点
参考図 3-7
NTT-BP『無線 LAN 倶楽部』の概要
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