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スペシャルアプリケーションノートICP-OES塩水の測定

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スペシャルアプリケーションノートICP-OES塩水の測定
SPECIAL APPLICATION NOTE
PlasmaQuant® PQ 9000 Elite
PlasmaQuant ® PQ 9000 Elite
HR ICP-OES による塩水の測定
1. はじめに
塩水は高純度の塩および防腐剤の製造のための材料や油ウェル中の水噴射剤として用いられ、電解分解によるマグネシウムおよ
び塩素の工業生産において重要な役割を果たします。そして、いくつかの場所で天然に存在する塩水や海水は、飲料水を生産す
るための魅力的な候補と考えられています。しかし、塩水の元素分析ではプラズマが消えたり、波長がドリフトしたり、長時間
のプラズマ性能を維持することが困難です。またアルカリ金属およびアルカリ土類金属から生じるイオン化干渉やメモリ効果だ
けでなく、ネブライザーの頻繁な目詰まりを回避するための洗浄、メンテナンスによる装置の停止や消耗品のコストがかかるな
ど多くの問題があります。
このような点において、優れたプラズマ性能、感度、Vシャトルトーチの優れたデザインの PlasmaQuant® PQ 9000は使いやすく、
難しいサンプルの分析を容易にします。
Optics
V Shuttle Torch
Eagle
Dual View
Eye Optics
PLUS
High Frequency
1
SPECIAL APPLICATION NOTE
PlasmaQuant® PQ 9000 Elite
HR ICP-OES による海水の測定
2. 測定
飽和塩水だけでなく、10%および24%の塩水溶液(シグマアルドリッチ社製 NaClを使用)を作成し、高塩キットを使用
したPlasmaQuant® PQ 9000 Eliteを用いて、長時間連続測定および検出限界を測定しました。塩水または海水中のアルカリ
およびアルカリ土類金属、重金属や非金属の測定条件を表1に示します。
表 1 : PlasmaQuant® PQ 9000 Elite 高塩キット使用時の測定条件
1
2
項目
設定
パワー
1400 W
プラズマガス流量
15 L/min1
補助ガス流量
2.0 L/min
ネブライザーガス流量
0.5 L/min
ネブライザー
高塩用ネブライザー、1.0 mL/min
チャンバー
ディップチューブ付きサイクロンスプレーチャンバー、50mL
室温
20°C
インジェクター
ホウケイ酸ガラス, 内径 2 mm2
アウター/インナーチューブ
サイアロン/ホウケイ酸ガラス
ポンプチューブ
PVC
サンプル流量
1.0 L/min
洗浄/遅延時間
100秒
積算時間
3 秒 (3回)、DL測定(10秒、11 回)
プラズマビュー
アキシャル, ラジアル(Ba, Li), ラジアルプラス(Sr, Li, K, Ba)
バックグラウンド補正法
オートベースラインコレクト(自動)
高いプラズマガス流量は飽和NaClの分析のための前提条件ですが、塩含有量が低い時は下げます。
インジェクターとコイルの間に間隔を置いて配置するので、特に飽和したNaCl溶液においてインジェクターの先端の塩の析出を低減します。
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PlasmaQuant® PQ 9000 Elite
HR ICP-OES による塩水の測定
3. マトリックス固有の検出限界
ICP発光分光分析の検出能力は、高濃度サンプルを導入している時のプラズマの能力によって大きく影響されます。塩水
および海水のようなマトリックスを多く含んだサンプルについてはサンプルの希釈が最小で、プラズマおよび信号強度が
安定している時、検出限界は良くなります。それ以外の場合は、微量と超微量の元素が検出不可能になります。
表2にPlasmaQuant® PQ 9000 Eliteを用いた飽和NaCl( >300g/ L)および10% NaCl溶液の検出限界を示します。このよう
な高塩濃度のための安定したプラズマ性能を維持することで、微量と超微量分析ができるようになります。つまり、ICP発
光分光分析法を用いることにより、カドミウム、銅およびクロムのような重金属(30 240 g/L)中のppbオーダーの定量
が可能となります。
表 2 : PlasmaQuant® PQ 9000 Eliteを用いた死海サンプル分析結果
および飽和NaCl、10%NaClの検出限界の結果
検出限界 [μg/kg] 1
1
2
死海サンプル
元素/波長
10 % NaCl
飽和 NaCl
[mg/L]
Al 396.152 nm
1.00 (axial)
1.05 (axial)
< DL (axial)
Ba 455.403 nm
0.12 (radial)
0.11 (radial)
5 (radial PLUS)
Ca 393.366 nm
1.70 (axial)
9.52 (axial)
-2
Cd 226.502 nm
0.25 (axial)
0.88 (axial)
< DL (axial)
Cr 267.716 nm
0.39 (axial)
1.38 (axial)
< DL (axial)
Cu 324.754 nm
0.23 (axial)
0.87 axial)
< DL (axial)
Fe 259.940 nm
0.29 (axial)
0.89 (axial)
< DL (axial)
K 769.896 nm
6.48 (axial)
42.45 (axial)
3.5 (radial PLUS)
Li 670.784 nm
1.21 (radial)
0.51 (radial)
12 (radial PLUS)
Mg 279.553 nm
0.90 (axial)
4.46 (axial)
-2
Mn 257.610 nm
0.07 (axial)
0.12 (axial)
6 (radial)
Ni 231.604 nm
1.03 (axial)
3.10 (axial)
< DL (axial)
P 177.495 nm
12.01 (axial)
29.34 (axial)
< DL (axial)
S 180.672 nm
26.76 (axial)
65.06 (axial)
75 (axial)
Sr 407.771 nm
0.01 (axial)
0.05 (axial)
100 (radial PLUS)
... ブランクからの3 SD ( 11回測定からの10秒積分)
... 高濃度で含有
また、死海(平均塩分28%)から採取した試料は、重金属、非金属、アルカリおよびアルカリ土類について分析しました。
Sはアキシャルで、Mg、Ba、K、Li、Srはラジアルまたはラジアルプラスでデュアルビュープラスにより同時に測定するこ
とができました。
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PlasmaQuant® PQ 9000 Elite
HR ICP-OES による塩水の測定
4. 長時間のプラズマ性能
ICP発光分光分析法で塩水を分析する時、高濃度サンプルのために長時間安定してプラズマを維持することと、ノイズの
低減による強度の安定を保つことは最も重要な条件となります。企業の研究所において、塩水または塩で溶解された製品
分析は、一般的に±5% 10%の誤差範囲で受け入れられています。
このような溶液のルーチン分析のためのPlasmaQuant® PQ 9000 Eliteの適用可能性を実証するために、24%のNaCl溶液を
使用して、Al 167.022 nmおよびBa 455.403 nmを含む8波長で6時間かけて行われました(図1)。その実験から、連続吸
引後3時間以内にVシャトルトーチとコーンを洗浄すると、プラズマの性能が保たれることがわかりました。また、その
ような条件下で、内標準が使われなかったときでもRSDが1%であり、すべての波長において強度のバラツキは±5%未満
でした。
図 1 : 一時的な装置の停止を含む、24%NaClの連続吸引結果
メンテナンスのための装置停止は、全ての波長の強度にほとんど影響をせず、プラズマを再起動したときに再キャリブレー
ションは必要ありませんでした。洗浄手順は、一般的には5∼10分を要します。しかし、図1からわかるように約1時間プラ
ズマをオフにした場合でも、追加のウォームアップ時間は必要ありませんでした。
PlasmaQuant® PQ9000 Eliteの40MHz RFパワーの優れたプラズマの性能は、ICP発光分光分析法で塩水を分析する際、大き
な成果を上げることができます。
試薬はSigmaAldrich® 社とMerck ® 社を使用
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December 2014 © Analytik Jena AG
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