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カプテンコート - JFEスチール株式会社
カプテンコート 耐候性鋼のさび安定化処理剤 目 次 カプテンコートの特長 ……………………… 2 カプテンコートの機能 ……………………… 3 カプテンコートの外観保持メカニズム ……… 4 カプテンコートのさび安定化の考え方 ……… 6 カプテンコートの断面観察 …………………… 7 表紙写真:長野新幹線第三千曲川橋梁(長野県) 平成6年撮影(施工後半年) カプテンコートの外観 ………………………… 8 耐候性鋼のさび安定化処理剤に 求められるものは何ですか? 耐候性鋼を使う目的は何ですか? 耐候性鋼のさび安定化処理剤に求められるものは何ですか? カプテンコートがお答えします。 カプテンコートは、緻密なさび層をじっくり熟成します。 その間、安定化を阻害する成分は通さず、必要な成分だけ通す設計に しています。緻密なさび層に置き換わるまでの間は、塗膜が耐候性鋼 の腐食を必要最小限に押さえます。 腐食で生じた鉄イオンは、無駄なく緻密なさび層形成に利用します。 塗膜から緻密なさび層へ のバトンタッチ効果で、耐候性鋼のミニマム メンテナンスを達成します。 カプテンコート は緻密なさび層にバトンタッチするまで、外観をしっ かり守ります。 外観を良好に保つための工夫が随所に施されています。 これまでの、20年の実績を見てください。 カプテンコートは自信があります。 このパンフレットでは、これまでの実績に基づきカプテンコート の優 れた特性をご紹介させていただきます。 1 カプテンコ ートの特長 カプテンコートは耐候性鋼のさび安定化処理剤として、次のような特長を持っております。 1 イオン 選 択 透 過 性 塗 膜 によ る 効 率 的 な 緻密なさび層形成性能 カプテンコートは、下塗りがプラスイオン性多孔質塗膜、上塗りがマイ ナスイオン性多孔質塗膜の2層構造です。緻密なさび層形成を阻害す る腐食性マイナスイオンの透過を防ぐ一方、腐食で生成した鉄イオン は無駄なく緻密なさび層形成に利用。効率的な緻密なさび層形成性能 を有します。 2 緻密なさび層形成過程における非常に良 好な外観保持性能 多孔質設計塗膜による途膜フクレ防止、光吸収機能と光崩壊機能のダ ブル効果による良好な塗膜風化性を付与。緻密なさび層形成過程の良 好な外観を保持します。勿論、下塗りプラスイオン性塗膜の作用で、流 れさびも完全にシャットアウトします。 3 通常の液状塗料と全く同様の塗装作業性 通常の塗料と全く同じ感覚での塗装作業で処理できます。エアレスス プレー塗装法や刷毛塗り塗装法が採用でき、特殊な廃液処理や防護手 段の必要がありません。工場塗装は勿論、現地でも処理が可能です。 2 カプテンコ ートの機能 耐候性鋼の緻密なさび層形成に至るまでの、カプテンコートの機能を模式図で示します。 イオン選択透過性塗膜による効率的な緻密なさび層形成を達成すると共に、処理直後から 塗膜風化劣化過程に至るまでの全ての期間、外観をしっかり守ります。 項 目 模 式 図 備 考 Cl−, SO42−反発, 外観保持 塗膜構成と 機能 [−]イオン性多孔質塗膜 Fe2+固定、流れさび防止 当社独自の2層塗膜設計です [+]イオン性多孔質塗膜 耐候性鋼 暴露直後∼5年 [+][−] Cl−, SO42−: [−]イオン性塗膜に反発、 透過不可 ① H2O, O2透過 塩素イオンが塗膜を透過すると さびの安定化が阻害されます。 性急にさび形成を行うと安定化 の方向に行かない恐れがあります。 Fe2+ ② 良質な緻密なさび層形成 (安定化阻害因子無し) カプテンコートはあえて腐食を 促進せず、緻密なさび層形成環 境を整えることに主眼を置きます。 Fe2+ :[+]イオン性塗膜 作用で流出防止 少ない腐食で効率よく緻密なさ び層を作るのはこの効果です。 勿論流れさび防止機能も兼ねて います。 暴露5年∼20年 ③ 塗膜表面から徐々に風化 (光吸収性官能基と、光崩 壊官能基の作用) 緻密なさび層 形成機構 これがカプテンコートの塗膜消 失過程の外観が良好な理由の一 つです。一方、一般に用いられる ビニル系塗膜は、フィルム状に剥 離し、劣化過程が見苦しいことが 有ります。 (P5もご覧ください) カプテンコート下の良好な環境 ④緻密なさび層の熟成 で熟成したさびは、塗膜が残っ ていても、既に緻密なさび層と 塗膜消失後 して機能し始めております。防 食機能が塗膜から緻密なさび層 に移行する時期です。 (P6・7もご覧ください) 塗膜から緻密なさび層へのバト ンタッチ完了です。塗膜が完全 ⑤緻密なさび層に完全に置換 に消失するまでの時間は環境に より異なりますが、防食機能には 変わりありません。 3 カプテンコ ートの外観保持メカニズム カプテンコートの塗膜フクレ防止機構 一般の塗膜は、塗膜下腐食発生時、塗膜フクレ部からさびの領域が拡大し、外観が悪化します。 カプテンコートは下記の機構で塗膜フクレを防止。 塗膜下で緻密なさび層が形成しても、塗膜フクレによる外観悪化を招きません。 平 均 フ ク レ 径 一般処理剤 カプテンコート 大 顔 料 濃 度 H2 O 塗膜 H2 O 浸透圧 鋼材 浸透圧 腐食部(電解質存在) に浸透圧で水分浸透 腐食部(電解質存在) に浸透圧で水分浸透 H2O フクレ発生 H2O 水圧とさびの圧力で 塗膜押し上げ 多孔質のため、水圧解放、 フクレ無し H2 O 塗膜が破られ、さびが 流出、外観悪化 4 H2O H2O 緻密なさび層が形成し ても外観良好 カプテンコ ートの外観保持メカニズム カプテンコートの塗膜フィルム状剥離防止機構 一般の塗膜は、紫外線による脆化、更に、フィルム状に剥離し、外観が悪化します。 カプテンコートは、下記の機構でフィルム状剥離を防止。表層から綺麗に風化します。 塗膜の劣化過程の外観悪化を防ぎ、自然に緻密なさび層に置き換わります。 カプテンコート塗膜 一般処理剤塗膜 C O UV 吸収機能 光崩壊性基 UV UV吸収効果と光崩壊効果で、塗装表面 のみが集中的に紫外線劣化 表層から順次風化、徐々に膜厚減 ビニル系樹脂(アクリル樹脂、ブチラール樹脂) UV UV深く浸透塗膜劣化が深さ方向に広がり、 塗膜の脆化を招く 塗膜全体が脆化、割れ、フィルム状剥離 5 カプテンコ ート のさび安定化の考え方 カプテンコートは酸素、水は通しますが、塩素イオンは通さないので、塗膜下で良質の 緻密なさび層が成長します。 カプテンコート自身は時間とともに風化していきますが、緻密なさび層が生成している ので、全体としては耐食性を維持することができます。 普通鋼(無塗装)板厚減少量 鋼 材 板 厚 減 少 量 耐候性鋼鋼(無塗装)板厚減少量 カプテンコート処理 耐候性鋼板厚減少量 カプテンコート膜厚 暴 露 年 数 板厚減少量とカプテンコート膜厚の経時変化(概念図) 塗膜で耐食性発揮 緻密なさび層で耐食性発揮 カプテンコートの耐食性 耐候性鋼の緻密なさび層生成には、地鉄表面の溶解(イオン化)がさび生成プロセス全体のバラン スを崩さないことが重要です。カプテンコートは地鉄の溶解を適度に抑え、欠陥が少なく保護性が 高いさび(緻密なさび層)を熟成します。 (P7の写真をご覧ください)。 Cl− Cl− Cl− Cl− Cl− 良好な環境で熟成したさび(緻密なさび層) 6 J F E カ プ テ ン コ ー ト 膜 厚 カプテンコ ートの断面観察 カプテンコート処理耐候性鋼材を田園地帯(川崎市中原区武蔵新城)に13年暴露した 試料の断面写真を以下に示します。 ●カプテンコートの断面光学顕微鏡観察 包理樹脂 カプテンコートは健全な外観を維持して おりますが、カプテンコート-地鉄界面(写 カプテンコート 真中の明部)には、緻密なさびがしっかり 形成されています。 さび層 50μm 暗視野顕微鏡撮影 ●カプテンコート暴露材に生成したさび カプテンコート-地鉄界面には10∼20 偏光部 μm厚さ程度の典型的な偏光・消光二層 緻密なさび層(偏光顕微鏡撮影に図示) 消光部 偏光(直交ニコル)顕微鏡撮影 が生成します。 カプテンコート 鉄さび層 地鉄 通常の光学顕微鏡撮影 ●カプテンコート傷部に形成した緻密なさび層 50μm ●試験体外観 塗膜の傷 カプテンコート 地鉄 さび 通常の光学顕微鏡撮影 カプテンコート 50μm 塗膜の傷 地鉄 偏光(直交ニコル)顕微鏡撮影 さび 50μm カプテンコートは傷部があっても、緻密なさ び層が生成し塗膜の防錆性能を補います。 7 カプテンコ ートの外観 以下にカプテンコート処理を行った実構造物の外観写真を示します。 第三千曲川橋梁 長野新幹線 (長野県) 平成6年施工 平成6年撮影 (施工後半年) 天王州アイル駅 東京モノレール 東京都品川区 (運河から120m) 平成2年施工 平成7年撮影 (5年経過) 天王州アイル駅 東京モノレール 東京都品川区 (運河から120m) 平成2年施工 平成7年撮影 (5年経過) 8 カプテンコ ートの外観 下沖橋 三重県津市 (海岸から8km) 昭和60年施工 平成8年撮影 (11年経過) 鶴見駅バスターミナル 横浜市鶴見区 (海岸から3km) 昭和58年施工 平成9年撮影 (14年経過) 霧島神宮大鳥居 鹿児島県 昭和62年施工 平成8年撮影 (9年経過) 開 発:JFEスチール株式会社 本社 〒1 0 0 -0 0 1 1 東 京 都 千 代 田 区 内 幸 町 2 丁目 2 番 3 号 ( 日比 谷 国 際ビル ) 厚板セクター部 TEL: (03)3597-3371 FAX: (03)3597-3533 http://www.jfe-steel.co.jp/ 製造・販売:関西ペイント販売(株) (資料請求元) 本社 〒144-0045 東京都大田区南六郷3丁目12-1 建 設 塗 料 本 部 TEL: (03)5711-8901 FAX: (03)5711-8931 9 Cat.No.C1J-008-00 本 社 〒100 - 0011 東京都千代田区内幸町 2 丁目 2 番 3 号(日比谷国際ビル)TEL 03(3597)3111 FAX 03(3597)4860 大 阪 支 社 〒530 - 8353 大阪市北区堂島 1 丁目 6 番 20 号(堂島アバンザ 10 F) TEL 06(6342)0707 FAX 06(6342)0706 名古屋支社 〒450 - 0002 名古屋市中村区名駅 3 丁目 28 番 12 号(大名古屋ビル 9 F) TEL 052(561)8612 FAX 052(561)3374 北海道支社 〒060 - 0005 札幌市中央区北五条西 2 丁目 5 番(JRタワー 17 F) TEL 011(251)2551 FAX 011(251)7130 東 北 支 社 〒980 - 0803 仙台市青葉区国分町 3 丁目 4番 33号(仙台定禅寺ビル5F) TEL 022(221)1691 FAX 022(221)1695 千 葉 支 社 〒260 - 0025 千葉市中央区問屋町 1 番 35 号(千葉ポートサイドタワー 20 F) TEL 043(238)8001 FAX 043(238)8008 神奈川支社 〒220 - 8144 横浜市西区みなとみらい 2 丁目 2 番 1 号(横浜ランドマークタワー 44 F) TEL 045(212)9860 FAX 045(212)9873 新 潟 支 社 〒950 - 0087 新潟市東大通 1 丁目 3 番 1 号(新潟帝石ビル 4 F) TEL 025(241)9111 FAX 025(241)7443 静 岡 支 社 〒422 - 8061 静岡市森下町 1 番 35 号(静岡MYタワー 13 F) TEL 054(288)9910 FAX 054(288)9877 北 陸 支 社 〒930 - 0004 富山市桜橋通り 3 番 1 号(富山電気ビル 3 F) TEL 076(441)2056 FAX 076(441)2058 岡 山 支 社 〒700 - 0821 岡山市中山下 1 丁目 8 番 45 号(NTTクレド岡山ビル 19 F) TEL 086(224)1281 FAX 086(224)1285 中 国 支 社 〒730 - 0036 広島市中区袋町 4 番 21 号(広島富国生命ビル 7 F) TEL 082(245)9700 FAX 082(245)9611 四 国 支 社 〒760 - 0017 高松市番町 1 丁目 1 番 5 号(日本生命高松ビル 9 F) TEL 087(822)5100 FAX 087(822)5105 九 州 支 社 〒812 - 0044 福岡市博多区千代 1 丁目 17 番 1 号(パピヨン 24、5 F) TEL 092(632)3651 FAX 092(632)3669 神戸営業所 〒651 - 0075 神戸市中央区北本町通 1 丁目 1 番 28 号 TEL 078(232)5200 FAX 078(232)5204 青森営業所 〒030 - 0822 青森市中央 1 丁目 23 番 5 号(明治生命青森中央ビル) TEL 017(777)7121 FAX 017(777)7104 長崎営業所 〒850 - 0033 長崎市万才町 3 番 5 号(朝日生命長崎ビル) TEL 095(822)9090 FAX 095(823)8164 沖縄営業所 〒900 - 0015 那覇市久茂地 3 丁目 21 番 1 号(國場ビル) TEL 098(868)9295 FAX 098(868)5458 海外事務所 ニューヨーク、ヒューストン、バンクーバー、シドニー、ブラジル、ロンドン、シンガポール、マレーシア、バンコック、 ジャ力ルタ、マニラ、ソウル、北京、上海、広州、香港 お客様へのご注意とお願い 本力タログに記載された特性値等の技術情報は、規格値を除き何ら保証を意味するものではありません。 本力タログ記載の製品は、 使用目的・使用条件等によっては記載した内容と異なる性能・性質を示すことがあります。 本力タログ記載の技術情報を誤って使用したこと等により発生した損害につきましては、責任を負いかねますのでご了承ください。 このカタログは再生紙を使用しています。