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MRI | 所報 | 世界経済・応用一般均衡モデルによる 政策シミュレーション

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MRI | 所報 | 世界経済・応用一般均衡モデルによる 政策シミュレーション
JOURNAL OF MITSUBISHI RESEARCH INSTITUTE
三菱総合研究所 /所報
No.
36
お問い合わせ先
三菱総合研究所 広報部
電話: :
(03)3277-0003 FAX (03)3277-0520
E-mail: [email protected]
2000
研究論文
世界経済・応用一般均衡モデルによる
政策シミュレーション
白石 浩介
要 約
本研究では、オーストラリア国立大学のワーウィック・マッキビン教授を中心として開発されたG-CUBED
モデル(Global General Equilibrium Growth Model)を用いた政策シミュレーションを行う。本研究により
得られた知見は以下のとおりである。
第1に、G-CUBEDモデルが世界経済モデルと応用一般均衡モデルを結合した新タイプのモデルであること
を明らかにし、その構造分析を行なった。世界経済モデルは、各国モデルをリンクすることにより国際経済
のフレームのなかで各国経済のうごきをとらえるものである。応用一般均衡モデルとは、家計、企業などの
ミクロ・フレームをモデル化したものである。G-CUBEDモデルは、この世界経済モデルと応用一般均衡モデ
ルの両方の性質を有する。本研究では、G-CUBEDモデルにおける個別部門のモデル構築の考え方を詳しく検
討した。
第2に、G-CUBEDモデルを用いて、政府支出の拡大、所得税の減税、法人税の減税、マネーサプライの増
加の景気刺激策をシミュレーション分析した。政府支出を拡大させた場合には、財政赤字の発生が将来の増
税を予想させ、民間消費がそれほど拡大しない。所得税の減税により、民間消費、民間投資が増加するが、
実質GDPの増大効果は輸入増、輸出減により減殺される。また、金利上昇が民間投資を抑制する。シミュレ
ーション分析では、一時的な支出拡大と恒久的な支出拡大を実施したが、恒久的な支出拡大により実質GDP
が加速度的に増加するようなことはない。
第3に、G-CUBEDモデルの評価を行なった。合理的期待の導入、金融セクターの明示的な考慮、経済主体
のミクロ行動の考慮は、モデル構築における理論的な要請に応えるという性質をもつ。他方、最近の実際経
済においては、経済主体における経済合理性の強化、国際的な資金フローの増加などがあり、G-CUBEDモデ
ルはこのような要請に応えている。なお、G-CUBEDモデルには、日本における内需拡大がアジア主要国の経
済拡大に結びつかない問題がある。このようなモデルの性質を前提とすると、財政出動の乗数効果は、従来
考えられているよりも低くなる。
目 次
1.G-CUBEDモデルの概要
1.1
世界経済モデルと応用一般均衡モデル
1.2
G-CUBEDモデルの構造
2.政策シミュレーションの実施
2.1
政策シミュレーションの実施方法
2.2
シミュレーション結果
3.G-CUBEDモデルの評価
3.1
シミュレーション結果の評価
3.2
G-CUBEDモデルの評価
4.結語
三菱総合研究所 所報第36号(2000年3月)
74
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
Research Paper
Economic Simulation of the G-Cubed Model
Kousuke Shiraishi
Summary
This study examines economic implications on the G-Cubed model (Global General Equilibrium Growth
Model, produced by Professor McKibbin in the Australian National University) with some model simulations for
the Japanese economy. The main results are as follows.
First, the G-Cubed model has two aspects - a world economic model and an applied general equilibrium
(AGE) model. The model is the first trial that equips with both of these. As the world economic model, the GCubed can analyze economic and financial impacts in the international context. As for the AGE model, the
model handles six industries in the firm sector.
Second, I conduct model simulations on the Japanese economic policies. When the additional public
expenditures are implemented, the real GDP dose not increase so much. Because the household sector
anticipates a future increase in lump-sum tax, they restrain their consumption. The reduction in the income tax
will stimulate the economy. However, the crowding-out effect works out at the private investment by the
increase in interest rate. I also simulate the corporate tax reduction and the increase in money supply.
Third, some comments for the G-Cubed model are presented. The rational expectation, the micro-economic
foundation, and the explicit consideration for the financial sector are highly appreciated. Since the actual
economy moves to a market-oriented one, the model that studies it should also embrace it. On the other hand,
however, the fiscal expansion in Japan does not promote the other Asian counties enough. The model
structured should be reconsidered.
Contents
1. The Basic Structure of the G-Cubed model
1.1
The World economic model and the Applied general equilibrium model
1.2
The model structure of the G-Cubed model
2. Simulations
2.1
Simulation method
2.2
Simulation results
3. Evaluations for the G-Cubed model
3.1
Policy implications for the Japanese economy
3.2
Strength and weakness in the G-Cubed model
4. Concluding remarks
JOURNAL OF MITSUBISHI RESEARCH INSTITUTE No.36(MAR. 2000)
75
1.G-CUBEDモデルの概要
1.1 世界経済モデルと応用一般均衡モデル
(1)世界経済モデル
本論文では、オーストラリア国立大学のワーウィック・マッキビン教授が中心となって開発したGCUBEDモデル(Global General Equilibrium Growth Model)を用いた政策シミュレーションを行う。こ
のモデルは、世界経済モデルと応用一般均衡モデルを結合した新タイプの計量経済モデルであり、三菱
総合研究所では1999年に導入している。以下、第1節においては、モデル概要を説明し、第2節では、
各種のシミュレーション分析を行い、第3節では、シミュレーション結果に基づく政策含意を検討する。
第4節は、本研究のまとめである。
G-CUBEDモデルの構造の分析に入る前に、世界経済モデルおよび応用一般均衡モデルについて簡単に
説明しておく。世界経済モデルとは、近年とみに連動性を増す各国間の経済動向を、計量経済モデル化
したものである。例えば、1980年代に米国は日本に対して、貿易収支の赤字解消のために日本の内需振
興を要望したが、日本の公共支出の拡大が各国経済にいかなる影響を及ぼすかをモデル分析に基づいて
明らかにするためには、世界経済を計量モデル化したものが必要である。1997年のアジア金融危機は、
世界全体の資金の流れの変調が引き起こしたものであるが、これなども世界各国の経済モデルを実物経
済、貨幣経済の両面からリンクしたモデルでなくては、正確なシミュレーション分析はできないといえ
る。このような要請に応える形で世界経済モデルの研究が進められてきた。尾崎(1999)によると、世
界経済モデルの構築は1960年代より開始され、当初は米国の大学などを中心としたが、その後、国際機
関、各国政府による開発事例がみられるに至っている。日本では、経済企画庁により構築されたEPA世
界経済モデルを開発事例として挙げることができる。
これらのモデルは、各国ごとにマクロ経済モデルを構築し、これを国際間でリンクするというモデル
構造においてほぼ共通している。各国モデルでは、消費、設備投資などの実物需要が、生産、労働など
により実物供給と調整される形で決定され、さらに貨幣、金利などの貨幣経済がモデル化されている。
これを実物面では貿易マトリクス、金融面では資金フローにより各国間でリンクし、これにより世界経
済モデルが完成する。最近時の特徴は、個別の経済モデルにおいて誤差修正モデル(ECM)を導入する
ことから、長期均衡を考慮しつつ短期変動をモデル化する点においてモデル技法の発展が著しい。この
長期均衡(定常状態)を推計するために、計算アルゴリズムが複雑化している。
本研究で取りあげるG-CUBEDモデルは、それ以前に開発されたマッキビン=サックス・モデルという
世界経済モデルを改良したものである。マッキビン=サックス・モデルは、1980年代後半という比較的
早い時期に、合理的期待を世界経済モデルに導入した点において特徴がある。この合理的期待理論を計
量モデル化したものが、上述の誤差修正モデルである。いわゆるルーカス批判により、過去情報や既存
の経済構造を前提とする経済分析のあり方が疑問視され、その後の経済学の展開では、合理的期待、動
的最適化を組み込んだマクロ経済理論の研究が活発化した。G-CUBEDモデルは、このような理論経済学
の発展に対応した世界経済モデルという側面を有している。
(2)応用一般均衡モデル
応用一般均衡モデルについては、すでに、白石・東(1999)において計算可能な一般均衡モデル
(CGE)の概要を説明した。規制緩和、税制改革などの分析に際しては、一国全体のマクロ変数(消費、
76
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
設備投資)の変化よりも、家計による個別消費財の購入量や企業の要素需要量の増減といった、個別の
財・サービスが被る変化の方が分析の中心となる。これは分析テーマが、ミクロ経済学に近い考え方に
基づいて設定されているためである。いわゆる多部門モデルの研究もミクロ経済学に基礎を置くという
点においては、応用一般均衡モデルに類似しているが、応用一般均衡モデル(AGE)および計算可能な
一般均衡モデル(CGE)では、経済全体の調整メカニズムをより明示的に考慮している*1。
応用一般均衡モデルにおいては、価格均衡点を決定する理論である不動点定理をどのように計算アル
ゴリズム化するかが問題となる。市岡(1991)によると、この計算アルゴリズムであるスカーフ法が考
案されたのは1960年代であり、これをもとに米国において実際のAGEモデルが開発されたのは1970年代
からとのことである。わが国においても1990年代になると、市岡(1991)
、橋本(1998)をはじめとする
大学研究者により、各種モデルが構築されるに至っている。なお、上述の白石・東(1999)は、米国に
おいて開発されたGTAPという貿易部門に特化したCGEモデルを用いた分析事例である*2。
G-CUBEDモデルは、世界経済モデルであると同時に応用一般均衡モデルであるが、これはG-CUBED
モデルが、先にみたマッキビン=サックス・モデルと応用一般均衡モデルを結合したものであるからで
ある。ジョルゲンソンとウィルコセンが開発した米国経済の動学一般均衡モデルがそれであり、これに
よりG-CUBEDモデルでは産業別の分析を可能としている。直観的には、各国の家計部門、セクター別企
業部門による消費活動、生産活動が、世界経済とリンクされながら動学的に調整されて将来経路が決定
される。一方、これがマクロ変数にも置き換えられ、各国経済の推移をマクロ経済レベルでもとらえら
れる。以上の諸点に、G-CUBEDモデルの特徴がある。
1.2
G-CUBEDモデルの構造
(1)モデルの全体構造
・G-CUBEDモデルの特徴
応用一般均衡モデルなので、家計、企業などの経済主体はミクロ経済学に基づいてモデル化されてい
る。つまり、生産関数、支出関数が最適化原理に従うように定式化される。マクロ経済モデルとしての
特徴は、経済主体の行動が民間消費、設備投資、政府支出といったマクロ変数として年次別に示される
点にあらわれている。通常の応用一般均衡モデルの政策シミュレーションに際しては、産業別生産額、
所得階層別の家計支出などが推計結果として示されるが、変化に至る中途段階の推計値や所要年数につ
いては知ることができない。G-CUBEDモデルでは、マクロ経済変数へのインパクトが明示化され、さら
に時間を追った変化分析が可能である点に特色がある。
また、異時点間にわたる合理的期待を導入している点にG-CUBEDモデルの先進性があり、各経済主体
は将来を含めた最適化行動をとるように定式化される。例えば、税率などの外生変数の変化により、家
計の長期にわたる恒常所得が変化し、これが当期の消費を増減させる。なお、外生条件の変化に応じて、
そのつど長期均衡や最適化行動が再計算されるため計算量が膨大となるが、この問題はGAUSSという外
部の計算パッケージを導入した新アルゴリズムにより解決している。近年のパソコン性能のアップも、
計算負荷の減少に寄与している。
G-CUBEDモデルは世界経済モデルなので、貿易マトリクスにより各国別モデルをリンクしている。各
国では所得効果、価格効果により輸出入の変化が引き起こされるが、これを世界全体レベルで調整する
のが貿易マトリクスである。この貿易マトリクスの考え方は、通常の世界経済モデルに同じである。
金融市場について明示的に考慮している点にもG-CUBEDモデルの特徴がある。まず、マネーサプライ
77
は外生変数であり、総生産に応じて名目短期金利が変動するように定式化される。国内の部門別のISバ
ランスの差額が、金融資産の変動要因となるが、これが金融資産と実物資産(設備投資)に配分される。
この配分は、各資産の期待収益率に基づいた裁定条件により定式化されている。また、国際間の資金移
動については、貿易収支の裏側として資本収支により定義される。為替レートの変動を加味した各国に
おける資産形態別、産業別の収益率の格差を調整されるように、資本が移動するという定式化を実現し
ている。
モデル開発者であるマッキビン教授自身が説明するG-CUBEDモデルの主な特徴点は、以下のとおりで
ある。
◆産業別に需要、供給を定式化すること
◆実物経済市場、金融市場を世界規模でリンクすること
◆実物資源、金融資産のフローとストックの形成を異時点間で定式化すること
◆経済主体(企業、家計、政府)に異時点間の予算制約を課し、無限の借金はできないように定式化す
ること
◆経済主体の短期における行動は、新古典派的な最適化行動および当期の所得制約下の行動という2行
動の加重平均として定式化されること
◆実物経済は、生産、貿易から構成されること
◆短期における経済変動は、長期的には新古典派的な成長(ソロー=スワン型)に収斂するように定式
化されること
◆モデル全体は、合理的期待により定式化されること
・G-CUBEDモデルの構造
モデルの主要な構造については、次のように説明される。まず、実物経済に関しては、企業部門は家
計から労働力を雇用し、内外の他企業から中間財を購入することにより財・サービスの生産活動を実現
し、政府、家計、他企業、海外に対して製品を販売する。企業は設備投資主体としても機能し、資本ス
トック形成を行うことから、将来の生産活動を可能にする。家計部門は、企業への労働力の提供により
所得を得て、企業からは財・サービスの購入を行い消費活動を実現する。政府部門は、企業、家計から
租税(法人税、所得税、付加価値税ほか)を徴収し、その対価として政府サービスを提供している。海
外部門は、企業にとっては財・サービスの輸出入先として、家計にとっては財・サービスの輸入先とし
て機能する。海外部門には、日本以外の各国の国内モデルが存在しており、各国間の輸出入を貿易マト
リクスにより調整する。
金融経済には、貨幣、債権、証券、外国為替の4市場が存在し、金利裁定、為替裁定により資金移動
が調整される。主として家計貯蓄により資金が調達されるが、これが政府への貸付け(国債投資)、企業
の設備投資(証券投資)、海外への投資などにまわされる。G-CUBEDモデルには、銀行部門は明示的に
存在せず、それぞれの経済主体の過不足資金が裁定条件に従いつつ調整されることから、資金の配分先
が決定される。
78
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
実物経済
金融経済
国債
政 府
設備投資
財・サービス
政府サービス
法人税
債券(公共債)
所得税
労働力
企 業
貨幣(取引需要)
証券(設備投資)
家 計
貯蓄
財・サービス
輸出
中間財
◇金利裁定
◇為替裁定
輸入
海 外 部 門
外 国 為 替
海外投資
図1.G-CUBEDモデルの主要構造
(2)国・地域区分、産業区分
G-CUBEDモデルには、いくつかのバージョンが存在するが、本研究において取りあげたAPG版(ア
ジア・太平洋版)においては、以下に示す18国・地域が存在し、また、産業区分については6区分であ
る。APG版以外には、農業版、環境版などが存在し、農業版については農業分野が詳細になる一方、
国・地域分野が粗くなる、環境版については先進国の区分とエネルギー業の区分が細かくなるといった
違いがある。
【国・地域区分】
【産業区分】
1)アメリカ 1)エネルギー業
2)日本 2)鉱業
3)オーストラリア 3)農業
4)ニュージーランド 4)耐久財製造業
5)韓国 5)非耐久財製造業
6)その他のOECD諸国 6)サービス業
7)中国
8)インド
9)タイ
10)マレーシア
11)シンガポール
12)インドネシア
13)香港
14)台湾
15)フィリピン
16)OPEC諸国
17)東欧・旧ソ連
18)その他世界
79
(3)各経済部門における定式化
・企業部門
本項ではMcKibbin(1995)などに従いつつ、G-CUBEDモデルにおける各経済部門の主要モデルの具
体的内容を説明していく。まず、企業部門には産業別に生産関数、設備投資関数、利潤関数が用意され
ている。生産関数により当期および将来の生産水準が決定され、これに対応して設備投資関数が資本ス
トックの形成レベルを決定する。ここで目的関数(制約条件)として機能しているのが利潤関数である。
売上高から投入コスト、設備投資コストを差し引いた利潤を、現在から将来まで算出し、この総和を最
大化するように中間需要計画、設備投資計画を調整する。例えば、何らかの外生ショックにより、ある
財への需要が増大すると、生産増に対応して設備投資を行うが、一方では、特定の中間財の価格上昇な
どが予想され、そのため各中間財、投入労働量の配分見直しを実施することになる。
生産関数は、各種の生産要素、中間財がCES型関数によりツリー状に構築されている。まず、生産関
数は輸入中間財と国内投入(生産要素、中間財)の2つによりCES型の生産構造として定式化される。
このうち国内投入については、さらに資本、労働、エネルギー、中間財(産業別)がCES型により結合
される。これらをつなぐのがパラメータである。
設備投資関数は、トービンのq理論により定式化されている。これは企業の資産価値を高める方向で、
設備投資が行われるという理論である。設備投資関数により、企業が設備投資に際して投入する生産要
素(資本、労働)、中間財(エネルギーほかの産業別生産高)の水準が決定される。これにより産業別企
業の資本形成がモデル化される。
利潤関数は、売上高から投入要素および中間財のコストを差し引いたものであり、将来を含めた利潤
最大化が企業行動の目的である。それぞれの生産要素、中間財は限界生産力に応じて投入され、生産要
素、中間財の価格要因はこの段階においてモデル化される。また、利潤関数には法人税、設備投資控除
などの租税関係の変数群も導入されている。
生 産 関 数
生産コスト
の決定
要素需要、
中間投入の決定
ストック形成水準の決定
利 潤 関 数
設備投資関数
所要コストの決定
生産量、販売量、投入量の決定
図2.企業部門のモデル構造
・家計部門
家計部門の所得は、企業および政府に提供する労働サービスの対価と政府からの移転支出により形成
される。家計部門は、各期において財・サービスを消費し、さらに、労働サービスや耐久消費財および
住居がもたらす資本サービスを受容する。各国には、1家計(代表的家計)のみが存在する。この家計
80
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
は、まず、各期における総消費量を決定し、自らの選好と所得制約、価格条件に応じて各財・サービス
の需要量を決めるというモデル構造となっている。
効用関数は、各期における消費量および公共財の現在価値の将来にわたる合計として定義される。
所得関数には、労働所得関数と金融所得関数の2つが存在する。このうち労働所得関数は、現在から
将来にわたる労働所得および政府からの移転所得から所得税を控除した合計金額の現在価値としてモデ
ル化される。一方、金融所得関数は、貨幣、公債、対外資産、産業別資本からの期待利潤の合計額とし
てモデル化されている。なお、ここで所得税が導入されている。
消費関数は、所得関数を制約条件として、効用関数が最大化されるべく定義される。この解は恒常所
得仮説に基づくものであり、価格変数を考慮した恒常所得の一定割合が当期の消費となる。ただし、モ
デル化に際しては当期所得を変数として導入しており、当期所得が消費水準を決定する構造を加味して
いる。上記の消費関数(効用最大化の条件)では、当期の総消費のみが決定される。これを個別消費に
配分する関数が、別途用意されている。ここではCES型の構造が多段階で構成され、家計が受容する資
本、労働、産業別生産量が決められる。
家計が需要する資本サービスの定式化は、企業における設備投資関数と同様である。家計資産より得
られるサービス水準が最大化されるように、耐久財および住居の水準が決定される。
所 得 関 数
使用可能額
の決定
(効用最大化)
ストック形成水準の決定
消 費 関 数
家計資産関数
所要コストの決定
消 費 量 の 決 定
図3.家計部門のモデル構造
・政府部門
政府部門は、財・サービスの購入および政府債務への利払いという形で政府支出を行うが、この実質
額は外生変数である。政府支出の産業分解(コンバータ)は、過去実績に基づいて決められている。政
府収入は、売上税、法人税、所得税および公債発行により調達されるが、これらの諸収入はモデルにお
いて内生的に決定される。政府部門には、その予算制約式において次のような条件が課せられる。すな
わち、一人当たりの公債金額の現在価値がゼロとなる条件であり、一人当たりの公債金額の現在価値の
成長が、利払い費用の上昇額よりも少なければ成立する。つまり、この条件は、将来的な政府債務の完
全償還を意味するのではなく、各期における政府債務の利払いが政府債務の発散的な上昇を防ぐことを
意味しているのである。
この利払い条件が満足されない場合には、G-CUBEDモデルでは一括税が上昇するという形で、条件満
足に向けて税収が自動的に増加するモデル構造になっている。政府部門は外生的に扱われるが、企業部
81
門、家計部門における長期にわたる動的最適化の条件が満足のいくものであるためには、政府部門から
無尽蔵に資金が調達される可能性を排除する必要があるからである。例えば、現在における政府支出の
増大が、政府債務の増加により資金手当てされた場合には、このモデルでは、将来の増税が暗黙のうち
に条件化される。なお、予算制約に関する条件としては、上記の利払い条件以外に、政府債務の対GDP
比率を制約条件とする方法などが用意されている。
公 債 発 行
税収不足額
の調達
(外生条件)
資金手当て
租 税 関 数
支 出 関 数
所要資金量
予算制約:必要に応じて一括税の増税
図4.政府部門のモデル構造
・労働市場
家計が供給する労働に関しては、各国間の移動は無く国内産業間でのみ移動する。ここで長期の成長
率は人口増加率により与えられるが、短期的には名目賃金、労働需要に応じて変動する。賃金率は、フ
ィリプス曲線に基づいて労働需給と期待インフレ率によりモデル化される。以上のメカニズムにより労
働市場が定義されている。
人 口 成 長
長期レベル
の決定
賃金率:労働需給および
期待インフレ率を考慮し
て徐々に調整
労 働 供 給
労 働 需 要
雇用水準・失業水準の決定
図5.労働市場のモデル構造
82
(企業:生産条件)
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
(4)モデルの解き方
・パラメータ
定義された関数型に基づき変数間を具体的に結合するのは、各種のパラメータである。代替弾力性パラ
メータ、シェア・パラメータなどが存在する。これらのパラメータは、各種の先行研究から採録された
り、あるいはモデル構築の一環として独自推計されたものが用いられるが、これに加えてカリブレーシ
ョンという操作によりパラメータが作成される。G-CUBEDモデルは、長期的な定常状態に向けて各種の
経済調整が進む(合理的期待)という考え方を採用しているので、パラメータ値もこの長期均衡に整合
的なものでなくてはならない。既存データやパラメータが理論的な整合性を保証するように調整される。
1980年から1996年までのデータおよび外生的に与えられるパラメータをもとにモデル構造が決定され
る。制作者であるマッキビン教授が筆者に説明したところでは、シミュレーションにおける計算時間の
短縮化のためにモデルを予め線型化する手法を採用している。この点において、IMFの世界経済モデル
であるMULTIMODと異なるという。
・ベースライン
年次モデルであるので、例えば、1999年における政策変更により将来の経済変数にどのような変化が
引き起こされるかを推計するが、そのためには比較対象となる将来にわたる経済変数の系列をあらかじ
め設定しておく必要がある。これがベースラインである。1996年時点の世界経済の実際データおよびモ
デルにおいて設定された各種パラメータをもとに、このベースラインが推計される。直観的な理解とし
ては、人口増大、生産性の上昇により各国経済はトレンド的に成長する。これに1996年時点の経済状況
や貿易構造が加味されて、将来のベースラインが決定されている。
・モデルの解き方
ここで、ベースラインおよび外生ショックが与えられた場合の新たな成長経路は、どのように引かれ
るのであろうか。これがモデルの解き方である。解法アルゴリズムはマッキビン教授が独自開発したも
のを用いているが、概要は次のとおりである。
モデルには内生変数、外生変数、状態変数(過去から引きつがれる変数)、共役変数(将来の期待変
数)が存在する。共役変数が、状態変数と外生変数によりどのように変化するかがわかれば、内生変数
の変化を求めることができる。マッキビンは、各期ごとの変化量を求めるという一種の線型化により、
この定式化を行っている。これより各期の変化パターン(換算行列)がわかるので、長期の定常状態か
ら逐次的に時間をさかのぼることにより各期の変数値が求められ、さらにそれらが変数間において整合
的であるように収束演算を行う。この結果、例えば2025年にいたる将来変数の系列を求めることが可能
となる。
政策シミュレーションにおけるショックとは、外生変数の変化である。外生変数の変化により、長期
の定常状態にも変化が発生し、これが各期の変数を変化させるという方法により、新たな系列値が算出
される。この新系列とベースラインとの乖離幅が政策効果である。
応用一般均衡モデル全般あるいは本研究において取りあげるG-CUBEDモデルが従来型のマクロモデル、
多部門モデルと異なるのは、このモデルの解き方においてである。従来型モデルは、各関数が最適化条
件に基づいて構築されながらも、外生ショックに応じた期待利潤、恒常所得の変化が考慮されることは
ない。一方、G-CUBEDモデルにおける将来変化は、外生ショックが引き起こした家計の恒常所得、企業
の期待利潤の増減を考慮して決定される。そのためルーカス批判の一部を免れている。また、特定時点
83
の最適化はワルラス的な模索過程の再現、すなわち、新状況に応じた均衡価格の決定というコンセプト
に基づいている。そのためより広汎な経済変数の変化を考慮したモデル分析が可能となる。
2.政策シミュレーションの実施
2.1 政策シミュレーションの実施方法
(1)シミュレーション・ケースの設定
本節では、G-CUBEDモデルを用いた政策シミュレーションを検討することにより、この世界経済モデ
ルによりいかなる数量分析が可能であるかを明らかにしていく。まず、政策シナリオを外生ショックと
する方法を示し、続いて、シミュレーション結果を検討する。
シミュレーションケースとしては、表1に示されるようなシナリオを設定する。公共事業の実施(政
府支出の拡大)、所得税の減税、法人税の減税、マネーサプライの増加がそれであり、これらは財政政策
(支出政策、租税政策)、金融政策に区分されるものである。また、シミュレーション・ケースの与え方
として、公共事業の実施および所得税の減税の2シナリオに関しては、外生ショックが1年のみとする
一時的ショックと、75年間続く恒久的ショックの2種類を設定した。
公共事業の実施シナリオについて、G-CUBEDモデルには、政府最終消費支出と公的固定資本形成の区
分が存在しないので、これは政府支出(2変数の合計)の増加という外生ショックとなる。また、GCUBEDモデルでは産業別に需要量を与える必要があり、6セクターのうち耐久財製造業、非耐久財製造
業、サービス業(建設業などを含む広義のサービス業)の3セクターに対して直接需要が発生するもの
とした。支出規模は対実質GDP比率1%であり、この1%という数値が3セクターに分解されてモデル
に与えられる。
所得税の減税に関しては、G-CUBEDモデルでは税率の引き下げポイントを入力する。モデルのデータ
ベースには、日本の所得税率として23.4%という数値が与えられており、これを5%ポイント引き下げ
るものとした。基準年である1996年のわが国の所得税は20兆円強であり、従って、GDP1%に相当する
税率は約5%ポイントと考えられる。ただしこの算出方法は、所得税の限界税率と平均税率、実質GDP
と名目GDPの違いなどを無視した、大雑把な考え方に基づいている。外生ショックが税額ではなく、税
率であるためこのように想定する必要が生じる。
法人税の減税に関しても同様であり、税率15%ポイントの引き下げを外生ショックとした。ちなみに
わが国の実効法人税率は、すでに50%程度から40%強の水準までに引き下げられている。しかし、モデ
ルの基準年である1996年には50%の税率により約13兆円の税収が得られている。これも大雑把な試算と
なるが、税率15%ポイントの引き下げは、対GDP比率1%程度に当たる。
マネーサプライの増加は、対実質GDP比率1%に当たるマネーサプライの増加が外生ショックとなる。
これは金融緩和シナリオである。
最後に、一時的なショックおよび恒久的なショックの違いについて説明しておく。まず、一時的ショ
ックとは、1997年という1年限りの所得増、税率減を外生ショックとして与えるものである。例えば、
補正予算の編成などによる経済対策の多くは、この一時的なショックとして扱われるべき政策である。
一方、恒久的ショックとは、シミュレーション初年度に当たる1997年のみならず、その後も継続する外
生ショックである。例えば、本研究では所得税の5%ポイントの引き下げが恒久的に続くというシミュ
レーションを行う。これは実際の政策現場において、恒久減税として議論されている政策である。
84
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
表1.シミュレーション・ケースの設定
政策シナリオ
シナリオ内容
1
公共事業の実施
(一時的)
・対実質GDP比率1%に相当する政府支出の一時的な増大(1年)を外生ショックとして
与える
・耐久財製造業(+0.25%)、非耐久財製造業(+0.25%)、サービス業(+0.5%)に
おいて政府からの需要が増加する
2
公共事業の実施
(恒久的)
・対実質GDP比率1%に相当する政府支出が、恒久的(75年間)に増加する
・需要増を享受する産業は、耐久財製造業(+ 0.25%)、非耐久財製造業(+ 0.25%)、
サービス業(+0.5%)
3
所得税の減税
(一時的)
・所得税の税率を5%ポイント引き下げる。引き下げ時期は1年のみ。
・税率5%ポイントは、GDPの約1%に相当する
4
所得税の減税
(恒久的)
・所得税の税率を5%ポイント引き下げる。引き下げ時期は恒久的(75年間)
。
・税率5%ポイントは、GDPの約1%に相当する
5
法人税の減税
・法人税の税率を15%ポイント引き下げる。引き下げ時期は一時的(1年間のみ)
。
・税率15%ポイントは、GDPの約1%に相当
6
マネーサプライ
の増加
・対実質GDP比率1%に相当するマネーサプライの一時的な増大(1年のみ)を外生ショ
ックとして与える
(2)政策シミュレーションの実施
G-CUBEDモデルは、計量解析ソフトであるGAUSS上にて起動するプログラムとして整備されている。
主として会話形式により、上記の外生ショックを入力し、続いてシミュレーション環境に入ると、モデ
ルは自動的に外生ショックに対応した推計値群を算出する。
推計結果は、増減率(Percent form)
、差分値(Deviation form)、実数値(Level form)の3種類とし
て出力される。各変数の具体的な推計結果が実数値であり、これとベースラインとの比較値が差分値で
ある。そしてこの差分値がベースラインにしめる割合が増減率となる。例えば、民間消費の2000年にお
けるベースラインが300兆円、実数値が330兆円の場合、差分値は30兆円、増減率は10%と計算される。
多くの場合、シミュレーション結果において評価されるのは、推計値ではなくて差分や増減率である。
2.2
シミュレーション結果
(1)公共事業の実施(一時的)
既述のとおり、このシミュレーションは、実質GDPの1%に相当する政府支出の上昇が1年限り実施
された場合のモデル推計である。
推計結果によると、日本の実質GDPは1年目+0.85%、2年目+0.41%、3年目+0.65%、4年目+
0.72%、5年目+0.73%ベースラインを上回る。つまり、支出増の直後にGDPは1%弱の増大効果を引き
起こし、その後はプラス効果を徐々に落としつつも0.7%程度のプラス効果が持続する。上記および以下
にて示す数値群は、GDP、民間消費などについては、ベースラインからの増減率であり、金利について
は差分値である。前年同期比などのような成長率ではない点に注意が必要である*3。
これを需要項目別にみていくと、民間消費にはGDPを0.1%ポイント程度上回る引き上げ効果が発生す
る。民間投資では1年目はベースラインを下回るが(▲0.52%)、2年目以降は1%弱のプラス効果とな
る。政府支出は、1年目は+7.29%増加し、その後は全体の成長に合わせてわずかなプラス効果を持続
させる。輸入は増大、輸出は減少する。
金融関連指標をみていくと、1年目に名目金利(短期)
、長期金利(短期)が2%ポイント弱上昇する
85
が、2年目以降になるとむしろマイナス化する。為替はこのような金利状況に呼応して、1年目は円高、
2年目以降は円安で推移する。産業別の生産額をみていくと、日本ではGDPが増加するため、6セクタ
ーともに生産額はプラス(ベースラインからみて上方)となる。また、各国別のGDPについては、日本
および米国ではプラス成長し、アジア主要国ではむしろGDPがマイナス化する。
以上をまとめると、次のような経済シナリオが得られる。即ち、政府支出の一時的な拡大により、実質
GDPにはプラス効果が働く。わが国の成長期待が高まるので各国から資金が流入し、為替が円高化する。
短期金利が一時的ながら上昇するが、これは成長期待から資金需要が増大するためである。円高により
輸出が低迷し、逆に輸入が増大、また、設備投資は金利の上昇により当初は抑制される。しかし、消費
増加の効果が働くことにより、当初の引き上げ効果は長期にわたり持続する。また、日本の内需拡大に
より、米国における実質GDPにはプラス効果がもたらされるが、アジア諸国における成長効果は無い。
日本:需要項目別 増減率%
日本:金融変数 乖離幅%
2.5
8.0
2.0
6.0
1.5
1.0
4.0
0.5
2.0
0.0
−0.5
0.0
−1.0
−2.0
−1.5
−2.0
−4.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
国内総生産
民間消費
民間投資
政府支出
輸入+
名目金利
実質金利10年物
輸出+
名目金利10年物
インフレ率
日本:産業別生産額 増減率%
実質金利
為替レート
世界主要国:実質GDP 増減率%
2.0
1.5
1.5
1.0
1.0
0.5
0.5
0.0
−0.5
0.0
−1.0
−0.5
−1.5
−1.0
−2.0
−1.5
−2.5
−2.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
−3.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
エネルギー
非耐久財製造
鉱業
サービス
農業
合計
耐久財製造
日本
アメリカ
インドネシア
マレーシア
台湾
韓国
図6.シミュレーション結果(公共事業の実施・一時的)
(2)公共事業の実施(恒久的)
本シミュレーションは、対GDP比率1%に相当する政府支出が長期にわたり持続した場合のモデル推
計である。推計結果によると、日本の実質GDPは1年目+0.46%、2年目+0.63%、3年目+0.68%、4
年目+0.69%、5年目+0.69%と、一時的な支出増加に比べると当初効果はやや小さいが、長期的には同
程度のプラス効果が期待される。
需要項目別には、民間消費については当初3年間は+0.3%程度のプラス効果であるが、その後はプラ
ス効果が徐々に縮小し、7年目にはベースラインに比べてマイナスに転じる。モデルは合理的期待を前
提としているので、政府支出の拡大は政府債務により資金が調達されても、最終的には債務残高が発散
86
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
しないように一括税が課せられる。そのため赤字財政による政府支出の拡大は中期的には▲0.5%前後の
消費抑制をまねくのである。民間投資は1年目にマイナスとなるが、2年目以降は僅かながらもプラス
効果が持続する。政府支出はプラス、輸入はプラス、輸出はマイナス効果が持続する。
金融関連指標については、1年目の名目金利(短期)が▲0.03%ポイントとなるほかは、長短の実質
金利、名目金利とも+0.1%∼+0.2%ポイントの上昇が続く。つまり、最終的な増税を前提としつつも、
GDP比1%の財政赤字の継続的な発生は、長期金利を上昇させるのである。為替は当初は円高で推移す
るものの、その規模が徐々に縮小する。産業別の生産額は、鉱業以外ではプラス効果が持続する。また、
主要国のGDPは米国ではプラス、アジア諸国ではマイナスである。
恒久的な政府支出の拡大にもかかわらず、GDPに与える効果は一時的な支出拡大とほぼ同じである。
これは恒久的な支出拡大が、将来の増税を予想させ家計消費の増加を抑制するためである。また、長期
金利が上昇するため民間投資に与えるプラス効果も小さくなる。このように考えると政府支出の拡大は、
需要増には役立ちつつも、民間消費、民間投資、輸出入に対してはむしろマイナス効果を与えることが
理解される。
日本:需要項目別 増減率%
日本:金融変数 乖離幅%
1.4
10.0
1.2
8.0
1.0
6.0
0.8
4.0
0.6
0.4
2.0
0.2
0.0
0.0
−2.0
−0.2
−4.0
−0.4
−0.6
−6.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
国内総生産
民間消費
民間投資
政府支出
輸入+
名目金利
実質金利10年物
輸出+
名目金利10年物
インフレ率
日本:産業別生産額 増減率%
世界主要国:実質GDP 増減率%
2.0
1.0
1.5
0.5
1.0
0.0
0.5
実質金利
為替レート
−0.5
0.0
−1.0
−0.5
−1.5
−1.0
−2.0
−1.5
−2.5
−2.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
−3.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
エネルギー
非耐久財製造
鉱業
サービス
農業
合計
耐久財製造
日本
アメリカ
インドネシア
マレーシア
台湾
韓国
図7.シミュレーション結果(公共事業の実施・恒久的)
(3)所得税の減税(一時的)
このシミュレーションは、家計に課せられる所得税率を初年度のみ5%ポイント引き下げるものであ
る。推計結果によると、日本の実質GDPは、1年目には+2.48%というプラス効果を示すが、2年目に
は逆に▲0.50%となり、その後は3年目+0.82%、4年目+1.26%、5年目+1.27%と1%台のプラス効
果が続く。
87
需要項目別には、民間消費は実質GDPと同じうごきを示し、初年度にはプラス効果(+8.24%)が伸
長し、2年目にはマイナス化(▲1.12%)する。一方、民間投資は、初年度には▲3.48%とマイナス化す
るが、それ以降はおおむね1%強のプラス効果が期待できる。輸入はプラス、輸出はマイナスで推移す
る。
金融関連指標については、初年度に短期金利(実質、名目)が+7%ポイント近く上昇するが、実質
長期金利は1年目から一貫してマイナス化する。為替は1年目のみ円高、それ以降は円安で推移する。
産業別生産額は、1年目に耐久財製造業、鉱業において生産がマイナス化する。諸外国のGDPは、米国
でプラス、アジア諸国ではマイナスである。
以上のような個別数値のうごきから、一時的な所得税の減税について次のような経済メカニズムの発
現を予想することができる。減税により初年度の消費が大きく増加し、これがGDPを伸長させる。ただ
し、2年目には反動減によりむしろマイナス効果が顕在化する。これは減税の一時的な実施により、1
年目には当期の所得が大きく上昇して消費増をもたらすものの、将来にわたる恒常所得はそれほど増加
しないため、2年目には調整が働いて消費がむしろ減るのである。これに加えて、減税効果を圧縮する
のは、輸入の増大、輸出の減少である。輸入の増大は、消費およびGDPの増加に呼応したものである。
一方、日本における成長により各国から資金が流入して円高となるため、輸出が一時的ながらも伸び悩
む。ただし、長期的にはむしろ金利安となり、輸出の回復と民間投資の伸長が期待される。つまり減税
は、民間部門に資金をまわすことから景気にはずみをつけ、これが金利安、円安を引き起こすことから、
政府支出の増大ケースにおいてみられたような民間投資の減少、外需の悪化(輸入増、輸出減)といっ
た悪影響をまねくことがないのである。
日本:需要項目別 増減率%
15.0
日本:金融変数 乖離幅%
10.0
8.0
10.0
6.0
5.0
4.0
0.0
2.0
−5.0
0.0
−10.0
−2.0
−4.0
−15.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
国内総生産
民間消費
民間投資
政府支出
輸入+
名目金利
実質金利10年物
輸出+
名目金利10年物
インフレ率
日本:産業別生産額 増減率%
6.0
実質金利
為替レート
世界主要国:実質GDP 増減率%
3.0
4.0
2.0
2.0
1.0
0.0
0.0
−2.0
−4.0
−1.0
−6.0
−2.0
−8.0
−3.0
−10.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
−4.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
エネルギー
非耐久財製造
鉱業
サービス
農業
合計
耐久財製造
図8.シミュレーション結果(所得税の減税・一時的)
88
日本
アメリカ
インドネシア
マレーシア
台湾
韓国
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
(4)所得税の減税(恒久的)
(3)におけるシミュレーションの比較実験として、ここでは同規模の所得税の減税を恒久的な外生
ショックとして与えてみた。推計結果によると、日本の実質GDPは、1年目+1.33%、2年目+0.74%、
3年目+0.46%、4年目+0.37%、5年目+0.36%と、その効果を徐々に低下させつつもプラス効果が持
続する。
需要項目別には、民間消費において毎年+5%以上のプラス効果が期待されるが、民間投資は一貫し
てマイナスとなりベースライン推計値を下回る。輸入はプラス、輸出はマイナスで推移する。
金融関連指標をみていくと、円高が持続するが徐々にその規模を縮小させる。また、金利は長短金利
ともに上昇傾向をたどる。産業別生産額、各国GDPのうごきは(3)にほぼ同じである。
一時的な所得税の減税とは異なり、民間消費が持続的に拡大する。しかし、成長期待から金利が上昇
し、これが民間投資に対しては抑圧的に働いてしまう。また、金利の上昇は円高をまねくので、輸出減
少、輸入増大をもたらし、この結果が対外バランスが悪化して、実質GDPの伸びをさらに減殺すること
になる。さらに、減税により財政赤字が拡大するので、将来的な増税を予想した家計部門では徐々に消
費水準を落とす。また、政府部門の資金需要は金利上昇をまねき、これは景気に対してはマイナスに働
く。つまり、長期的な減税が経済を刺激しつつも、財政赤字を放置すると当初効果が小さくなるのであ
る。景気拡大による税収増よりも所要の政府支出の拡大、金利高によるクラウディング・アウト効果の
方が大きいことが理解される。
日本:需要項目別 増減率%
20.0
日本:金融変数 乖離幅%
12.0
15.0
10.0
10.0
8.0
5.0
6.0
0.0
−5.0
4.0
−10.0
2.0
−15.0
0.0
−20.0
−2.0
−25.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
国内総生産
民間消費
民間投資
政府支出
輸入+
名目金利
実質金利10年物
輸出+
名目金利10年物
インフレ率
日本:産業別生産額 増減率%
4.0
実質金利
為替レート
世界主要国:実質GDP 増減率%
2.0
1.5
2.0
1.0
0.0
0.5
−2.0
0.0
−4.0
−0.5
−1.0
−6.0
−1.5
−8.0
−2.0
−10.0
−2.5
−3.0
−12.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
−3.5
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
エネルギー
非耐久財製造
鉱業
サービス
農業
合計
耐久財製造
日本
アメリカ
インドネシア
マレーシア
台湾
韓国
図9.シミュレーション結果(所得税の減税・恒久的)
89
(5)法人税の減税(一時的)
このシミュレーション分析は、企業部門に課せられる法人税を一時的に減少させるものである。▲
15%ポイントという比較的大きい外生ショックを与えた。推計結果によると、日本の実質GDPは、1年
目+7.24%、2年目▲2.25%、3年目+1.71%、4年目+2.93%、5年目+2.85%と、2年目にマイナス
化するものの初年度にえられたプラス効果が長期にわたり持続する。
これを需要項目別にみていくと、民間消費は1年目+ 21.79%と大きく増加するが、2年目には▲
5.32%と減少し、その後は3年目+0.12%、4年目+2.20%、5年目+2.58%と推移する。一方、民間投
資は1年目▲2.84%とむしろマイナス化し、2年目+2.93%、3年目+4.51%、4年目+4.30%、5年
目+3.41%とプラス効果が発現する。外需に関しては、内需が拡大するので輸入はプラスとなる。一方、
輸出はやや減少する。
金融関連指標をみていくと、為替レートは円安基調が続く。短期金利は、初年度において比較的大き
く上昇する。産業別生産額は、1年目と2年目にはプラス、マイナスの両効果が各産業において発生す
るが、それ以降にはおだやかなプラス効果となる。各国GDPについては、米国ではプラス、アジア各国
ではマイナスである。
法人税の減税は、一時的ながらも企業部門の所得を大きく増やす。それにもかかわらず1年目の民間
投資がマイナス化するのは、金利が上昇するためである。一方、企業利潤の増加は家計所得を一時的な
がらも上昇させ、これが消費の大幅拡大に貢献することになる。
日本:需要項目別 増減率%
日本:金融変数 乖離幅%
40.0
30.0
30.0
25.0
20.0
20.0
10.0
15.0
0.0
10.0
−10.0
5.0
−20.0
0.0
−30.0
−5.0
−40.0
−10.0
−50.0
−15.0
−60.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
国内総生産
民間消費
民間投資
政府支出
輸入+
名目金利
実質金利10年物
輸出+
名目金利10年物
インフレ率
日本:産業別生産額 増減率%
15.0
実質金利
為替レート
世界主要国:実質GDP 増減率%
8.0
10.0
6.0
5.0
4.0
0.0
−5.0
2.0
−10.0
0.0
−15.0
−20.0
−2.0
−25.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
−4.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
エネルギー
非耐久財製造
鉱業
サービス
農業
合計
耐久財製造
図10.シミュレーション結果(法人税の減税・一時的)
90
日本
アメリカ
インドネシア
マレーシア
台湾
韓国
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
(6)マネーサプライの増加(一時的)
ここでは実質GDPの1%に相当するマネーサプライの増加を、外生ショックとして与えた。マネーサ
プライの増加は、金融緩和シナリオであるから、金利の低下が景気を刺激するところとなる。推計結果
によると、日本の実質GDPは、1年目+0.77%、2年目+0.49%、3年目+0.66%、4年目+0.72%、5
年目+0.73%と、約+0.7%のプラス効果が中長期的に持続することになる。これを需要項目別にみてい
くと、民間消費、民間投資はともにプラスとなり、外需では輸入がプラス、輸出がマイナスとなる。
金融関連指標をみていくと、名目金利(短期)は、1年目▲0.42%、2年目▲0.15%、3年目▲0.04%、
4年目+0.02%、5年目+0.03%となり、当初の3年間は金融緩和により金利が低下することがわかる。
実質金利(短期)は、1年目のみ▲0.11%と低下するがその後はほとんど変化しない。産業別生産額に
はプラス効果がもたらされる。各国GDPについては、米国ではプラス、アジア各国ではマイナスである。
日本:需要項目別 増減率%
2.0
日本:金融変数 乖離幅%
0.2
0.0
1.5
−0.2
−0.4
1.0
−0.6
−0.8
0.5
−1.0
−1.2
0.0
−1.4
−0.5
−1.6
−1.8
−1.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
国内総生産
民間消費
民間投資
政府支出
輸入+
名目金利
実質金利10年物
輸出+
名目金利10年物
インフレ率
日本:産業別生産額 増減率%
1.0
実質金利
為替レート
世界主要国:実質GDP 増減率%
1.0
0.9
0.5
0.8
0.0
0.7
−0.5
0.6
0.5
−1.0
0.4
−1.5
0.3
−2.0
0.2
0.1
−2.5
0.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
−3.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
エネルギー
非耐久財製造
鉱業
サービス
農業
合計
耐久財製造
日本
アメリカ
インドネシア
マレーシア
台湾
韓国
図11.シミュレーション結果(マネーサプライの増加・一時的)
91
3.G-CUBEDモデルの評価
3.1 シミュレーション結果の評価
本項では、前節において得られた6シナリオの政策シミュレーションの結果を、主要変数ごとに検討
することから各政策ショックの政策含意をさぐっていく。
まず、実質GDPについては、6シナリオのすべてにおいてプラス効果の発現が期待される。政策効果
が大きいのは法人税の減税(一時的)である。これに所得税の減税(一時的、恒久的)が続く。これら
の減税政策による実質GDPの押し上げ効果は1年目に+1%をこえる。一方、公共事業の実施(政府支
出の拡大)については、減税政策よりもGDPへのプラス効果が小さい。従来、減税政策は財政出動に比
べると増加した所得の一部が貯蓄にまわされるため、乗数効果が小さいと指摘されてきたが、G-CUBED
モデルでは通説とは逆のシミュレーション結果を示している。また、シミュレーションでは公共事業と
所得税減税について、一時的ショックと恒久的ショックの2シナリオを実施したが、推計結果によると
公共事業、所得税減税とも一時的ショックの方が1年目のプラス効果が大きく、5年目のプラス効果に
ついては、公共事業の実施では一時的ショック、恒久的ショックに大差がなく、所得税減税では一時的
ショックの方が大きい。つまり、恒久的ショックでは対実質GDP比1%に相当する所得増が恒久的に与
えられるものの、そのGDPに与えるプラス効果はそれほど期待できない。これにはG-CUBEDモデルが
有する合理的期待という特性が寄与していると考えられる。一時的ショックの方が1年目の効果が高い
のは、モデル内の経済主体が将来にわたる各種の変化を見込んでそれを初年度に調整するためである。
恒久的ショックでは、将来の負担増(増税)が見込まれるため、初年度における上昇幅が小さくなり、
さらに中長期的にもそれほど民需が盛り上がらない。
民間消費に関しては、上述の実質GDPに似たうごきを示すが、これはGDP内訳のうち民間消費の構成
割合が高いからである。つまり、民間消費の動向がGDPをむしろ決定しているのである。これによると
短期的効果は減税の方が大きく、とりわけ恒久的な所得税の減税においてプラス効果が高い。所得税の
減税が家計所得を増加させるのだから、消費に与えるプラス効果が大きいのは当然であり、消費の刺激
のためには減税策が有効であることがこれより理解される。ところで一時的な外生ショックによるモデ
ル推計の場合、2年目にマイナス化するケースがあるが、これは初年度の増加の反動減があらわれたた
めである。G-CUBEDモデルでは当期の消費は、当期の所得と将来にわたる恒常所得の2つに依存する。
従って、初年度に所得増が発生すれば、合理的期待モデルといえども当期の消費が増加する。そのため
次年になると、消費平準化の調整メカニズムが働いて消費が減少するのである。
民間投資については、マネーサプライの増加以外の5シナリオでは、1年目はベースラインに比べて
マイナスとなるが、これは金利上昇による。G-CUBEDモデルでは、長期を考慮した経済主体の調整が初
年度に集中するが、本研究における政策ショックはすべて経済に対して刺激的であり、そのため資金需
要が予想され、これが金利上昇、ひいては民間投資の抑制につながる。恒久的な所得税の減税において
は、民間投資の低迷が中期的に持続するが、これも消費拡大によるISバランスのタイト化に起因すると
考えられる。このように金融セクターを経由した影響効果が明瞭にあらわれるのが、G-CUBEDモデルの
特徴である。通常のマクロモデルであると、需要拡大は設備投資の拡大に直結し、クラウディング・ア
ウト効果が働きにくい。
輸入に関しては、6シナリオとも増加となる。これは民間消費、民間投資などの国内需要の拡大に応
じて輸入需要が拡大することによる。シミュレーション結果によると、恒久的な公共事業、恒久的な所
92
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
得税の減税におけるプラス効果が比較的大きい。需要の持続的な拡大は輸入脱漏をもたらし、国内生産
の引き上げにはあまり役立たないという傾向が示唆される。
輸出に関しては、6シナリオのうち5シナリオにおいてベースライン推計に比べると減少となる。こ
れは為替が円高化するためである。他国における外生的な需要拡大が無いため、日本の輸入増が各国の
需要を増加させ、これがさらに日本に対する需要(輸入)に結びつかなくては、日本の輸出は拡大しな
い。一方、金融要因により為替が円高化して、輸出に対しては抑制的に働く。そのため輸出が伸びない
のである。
為替レートについては、初年度には円高化(上昇)するが、これは日本における需要の刺激が資金需
要を発生させ、円価値の上昇をまねくからである。恒久的な公共事業の実施、恒久的な所得税減税の場
合は、需要刺激が恒久的に続くため為替レートはその後も円高基調で推移する。一方、一時的な公共事
業、一時的な所得税の減税では2年目以降には外生的な需要刺激が無いため為替は円安化する。また、
法人税の減税については一時的な実施にもかかわらず、2年目以降も円高が続くが、これは民間投資の
増加が資金需要を発生させているためと考えられる。マネーサプライの増加シナリオでは、為替は円安
化するがこれは当然の帰結といえる。しかし、ここで強調すべき点はこのような為替レートの変動が、
金融セクターを考慮した世界経済モデルにおいて再現されている点である。為替レートが内生化されて
おり、各国間の資金移動の結果として自由に変動する点に、G-CUBEDモデルの特徴がある。推計結果が
示唆するところでは、赤字財政が持続すると円高をまねく可能性が高く、逆に、一時的な財政出動では
円高を引き起こすことがない。
短期金利、長期金利に関しては、次のようなうごきを示す。すなわち一時的な需要刺激の場合には金
利が総じて低下し、一方、恒久的な需要刺激の場合には金利が上昇する。これは恒久的な需要刺激が財
政赤字を伴うためである。そのため国内の資金需要が逼迫し長期金利が上昇する。また、それがゆえに
為替が円高化する。その程度は、0.1%∼0.5%ポイントである。一方、一時的な支出拡大の場合には、1
年目の短期金利が上昇するものの、長期金利はむしろ低下する。なお、マネーサプライの増加に対して
は、1年目の短期金利のみが下落という反応を示し、金融緩和が金利を低下させるという事実が確かめ
られる。
93
表2.シミュレーション結果の比較
実質GDP
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
+0.85
+0.41
+0.65
+0.72
+0.73
公共事業の実施(恒久的)
+0.46
+0.63
+0.68
+0.69
+0.69
所得税の減税(一時的)
+2.48
▲0.05
+0.82
+1.26
+1.27
所得税の減税(恒久的)
+1.33
+0.74
+0.46
+0.37
+0.36
法人税の減税(一時的)
+7.24
▲2.25
+1.71
+2.93
+2.85
マネーサプライの増加(一時的)
+0.77
+0.49
+0.66
+0.72
+0.73
民間消費
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
+0.92
+0.33
+0.69
+0.84
+0.88
公共事業の実施(恒久的)
+0.32
+0.37
+0.31
+0.23
+0.13
所得税の減税(一時的)
+8.24
▲1.12
+0.57
+1.23
+1.36
所得税の減税(恒久的)
+6.99
+6.11
+5.56
+5.23
+5.00
法人税の減税(一時的)
+21.8
▲5.32
+0.12
+2.20
+2.58
マネーサプライの増加(一時的)
+0.91
+0.64
+0.85
+0.93
+0.95
民間投資
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
▲0.52
+1.02
+1.10
+1.04
+0.94
公共事業の実施(恒久的)
▲0.08
+0.10
+0.25
+0.31
+0.33
所得税の減税(一時的)
▲3.48
+0.96
+1.73
+1.79
+1.56
所得税の減税(恒久的)
▲0.14
▲0.66
▲0.80
▲0.80
▲0.77
法人税の減税(一時的)
▲2.84
+2.93
+4.51
+4.30
+3.41
マネーサプライの増加(一時的)
+1.15
+0.79
+0.89
+0.88
+0.84
輸入
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
+4.21
+1.12
+1.36
+1.43
+1.42
公共事業の実施(恒久的)
+4.41
+4.15
+4.03
+3.88
+3.72
所得税の減税(一時的)
+10.7
▲0.01
+1.19
+1.61
+1.65
所得税の減税(恒久的)
+14.5
+13.6
+13.1
+12.6
+12.1
法人税の減税(一時的)
+27.3
▲3.71
+0.39
+1.80
+2.01
マネーサプライの増加(一時的)
+1.79
+1.39
+1.51
+1.52
+1.48
輸出
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
▲3.31
▲0.49
▲0.63
▲0.64
▲0.58
公共事業の実施(恒久的)
▲4.13
▲3.72
▲3.54
▲3.27
▲3.00
所得税の減税(一時的)
▲10.3
▲0.18
▲0.33
▲0.38
▲0.37
所得税の減税(恒久的)
▲20.0
▲18.6
▲17.5
▲16.3
▲15.2
法人税の減税(一時的)
▲46.6
+1.87
+1.34
+0.94
+0.70
マネーサプライの増加(一時的)
▲0.70
▲0.71
▲0.78
▲0.73
▲0.63
為替レート
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
+0.22
▲1.24
▲0.93
▲0.91
▲1.01
公共事業の実施(恒久的)
+1.05
+1.27
+1.20
+1.01
+0.78
所得税の減税(一時的)
+4.32
▲2.22
▲0.62
▲0.23
▲0.38
所得税の減税(恒久的)
+10.5
+9.44
+8.60
+7.93
+7.35
法人税の減税(一時的)
+18.3
▲4.55
+0.39
+1.68
+1.34
マネーサプライの増加(一時的)
▲1.62
▲1.03
▲0.83
▲0.86
▲0.97
短期実質金利
(乖離幅)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
+2.00
▲0.06
▲0.05
▲0.03
▲0.02
公共事業の実施(恒久的)
+0.16
+0.21
+0.16
+0.13
+0.11
所得税の減税(一時的)
+7.77
▲0.21
▲0.14
▲0.09
▲0.04
所得税の減税(恒久的)
+0.69
+0.72
+0.64
+0.59
+0.56
法人税の減税(一時的)
+27.1
▲0.91
▲0.55
▲0.33
▲0.18
マネーサプライの増加(一時的)
▲0.11
+0.02
+0.00
+0.00
+0.00
長期実質金利
(乖離幅)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
▲0.02
▲0.01
▲0.01
▲0.01
+0.00
公共事業の実施(恒久的)
+0.11
+0.10
+0.09
+0.08
+0.08
所得税の減税(一時的)
▲0.05
▲0.03
▲0.02
▲0.01
▲0.01
所得税の減税(恒久的)
+0.54
+0.51
+0.49
+0.47
+0.45
法人税の減税(一時的)
▲0.22
▲0.13
▲0.08
▲0.05
▲0.03
マネーサプライの増加(一時的)
+0.00
+0.00
+0.00
+0.00
+0.00
インフレ率
(乖離幅)
94
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
公共事業の実施(一時的)
+0.08
▲0.46
▲0.16
▲0.01
+0.04
公共事業の実施(恒久的)
▲0.43
▲0.18
▲0.09
▲0.03
+0.00
所得税の減税(一時的)
+2.75
▲2.82
▲1.11
▲0.22
+0.16
所得税の減税(恒久的)
+1.04
+0.49
+0.12
▲0.05
▲0.10
法人税の減税(一時的)
+18.3
▲4.55
+0.39
+1.68
+1.34
マネーサプライの増加(一時的)
+0.01
▲0.35
▲0.14
▲0.03
+0.02
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
3.2
G-CUBEDモデルの評価
1990年代を通して日本経済は長期不況に直面し、現在に至るまで回復の糸口をつかみきれていない。
この間に複数の経済対策(一時的な財政支出)、減税政策が実施され、また、財政再建の必要性から政府
支出の削減なども実施された。これらの政策発動に対しては、乗数効果の低下による需要刺激の有効性
の低下、恒久減税によるサプライサイドの強化の必要性、あるいは、1998年末にみられた長期金利上昇
の発生原因の探索など、多くの政策論議がかわされている。このような政策論争に際しては、単なる思
い付きではなく、時代認識や経済理論に基づいた立論が望まれる。
ところで長期不況から脱出方策の検討においては、定性的な議論のほかに、成長率見込みなどの具体
的な数字の提示が非常に役立つ。しかし、ここで注意すべきは、数字をめぐる議論はその多寡に注目す
るのではなくて、なぜ、そのような計数群が推計されたのか、その発生メカニズムを検討する点に意義
がある。本研究では、その分析例としていくつかの需要刺激策について分析検討を行った。以下では、
本研究を通して筆者が得たG-CUBEDモデルに対する評価を述べていきたい。
・合理的期待を導入している
合理的期待の計量モデルへの組み込みは、どちらかというと理論先行型のモデル構築である。しかし、
最近では政策現場においても合理的期待の存在を示唆する議論がみられる。長期にわたる生活不安から
民間消費が伸びないという論点などは、その証左であり、家計部門に合理的期待が存在するか否かをめ
ぐる議論といえる。つまり、家計がより経済合理性に従いつつ行動する、あるいはそのように説明する
ことが妥当な状況が現実経済において生じつつある。G-CUBEDモデルにおける合理的期待の導入は、理
論検討ばかりでなく、政策分析のツールとして有効であるといえる。ただし、合理的期待の導入がゆえ
に、モデル内の経済主体は、政策ショックに応じた全将来をにわかに知ることになるので、それに応じ
た調整がシミュレーション1年目に集中してしまう。
・金融セクターを明示的に考慮している
為替、金利といった金融変数が、従来の計量モデルでは外生変数として扱われている。しかし、金融
変数は世界全体の資金需要のなかで決定されるべきものであり、さらに債権需要、証券需要には企業部
門の利益額が関係しており、これらをすべてモデル内に取り込まなくては、金利、為替レートなどを内
生変数とすることはできない。過去に比べると内外経済が連動性を高めており、とりわけ金融セクター
にその傾向が著しい。逃げ足の早い投資ファンドが、世界経済の撹乱要因となっていることは周知であ
り、国際的な視点から金利、為替と実物経済の関係を押さえる必要性が従来になく高まっている。GCUBEDモデルにおけるモデル構造は、このような動向に対応したものである。
・経済主体のミクロ経済行動を考慮している
6セクター別の企業部門、恒常所得仮説に基づいて定式化される家計部門など、経済主体の行動はよ
りミクロ的に定式化されている。これもマクロ・モデルにおけるミクロ経済学的な基礎づけという理論
要請に対応したものではあるが、規制緩和、構造改革、自由化などが進展する世界経済、日本経済にお
いては、マクロ・モデルにおいても市場メカニズムを意識したモデル構築の必要性が増しているといえ
る。
95
・アジア経済の定式化に疑問がある
本研究では、日本の内需振興シナリオをシミュレーション分析したが、これにより米国経済において
はプラス効果、アジア主要国においてはマイナス効果が発現する。日本における実質GDPが拡大し、円
高により輸出条件が悪化すると、これは米国の日本への輸出を増やす。そのため米国における実質GDP
はわずかながらも上昇する。一方、アジア主要国においては、日本における需要拡大が各国における投
資資金の不足をまねいて、むしろ経済成長に対してはマイナス効果として働く。日本経済がアジア各国
との連動性を高め、とりわけアジア諸国からみて輸出先として機能している現状から判断して、上記の
メカニズムの発生には疑問が残る。G-CUBEDモデルにおける貿易マトリクスは、米国と日本の交易にか
たよるという傾向がみてとれる。
・乗数効果が1.0を下回ることの解釈
経済企画庁(1998)によるモデル分析では、対実質GDP比率1%に相当する公共事業の乗数は、1年
目+1.21、2年目+1.31、3年目+1.24である。つまり5兆円程度の政府支出の増加は、それを2割くら
い上回る需要拡大を日本経済にもたらす。ほかの乗数をめぐる研究では、これが1.4程度に達するという
計測例もあるが、いずれにせよ政府による裁量的な財政出動に一定の効果を見出すものである。一方、
本研究において取りあげたG-CUBEDモデルでは、乗数はせいぜい0.7程度である。つまり、クラウディ
ング・アウト効果の方が大きくて、乗数は1.0を上回らない。具体的には、輸入増、輸出増による外需の
落ち込みがこの結果に寄与するところが大きいが、より基本的なレベルでは政府支出の拡大が、財政赤
字により調達され、これが将来の増税を予想させ民間消費の伸びを抑制するというモデル構造に起因し
ている。このような家計行動、金融調整の実際性が乗数評価のポイントとなるが、需要の追加が総需要
全体をむしろ減少させるというのは、やや非現実的といえる。公共事業乗数が従来考えられているより
は低い可能性を示唆していること、そしてその原因が消費低迷と輸入増加にあることをモデルは示して
いる。
表3.乗数効果の比較(公共事業の実施/恒久的)
実質GDPへの影響
(乖離率%)
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
G-CUBEDモデル
+0.46
+0.63
+0.68
+0.69
+0.69
短期日本経済マクロ計量モデル
+1.21
+1.31
+1.24
注:数字は実質GDP1%に相当する公共事業の恒久的な実施にともなう乗数
96
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
4.結語
本研究では、G-CUBEDモデルという新タイプの計量経済モデルを取りあげて、各種の研究を実施して
きた。本研究により得られた知見は以下のとおりである。
第1に、G-CUBEDモデルが世界経済モデルと応用一般均衡モデルを結合した新タイプのモデルである
ことを明らかにし、その構造分析を行なった。計量経済モデルに関しては、従来からマクロ・モデルあ
るいは多部門経済モデルなどが知られてきた。これに加えて、最近では以下のような新動向がみられる。
世界経済モデルは、各国モデルをリンクすることにより国際経済のフレームのなかで各国経済のうごき
をとらえるものである。ここで貿易部門、金融部門などにおいて、いくつかの工夫が加えられている。
また、個別モデルの定式化においては、誤差修正モデル、合理的期待など、最新の経済理論の成果をふ
まえた手法が導入されている。応用一般均衡モデルとは、家計、企業などのミクロ・フレームをモデル
化したものであり、市場を清算させる均衡価格をさがすという計算アルゴリズムに特徴をみることがで
きる。G-CUBEDモデルは、この世界経済モデルと応用一般均衡モデルの両方の性質を有するものであ
る。本研究では、G-CUBEDモデルにおける個別部門のモデル構築の考え方を、やや詳しく検討した。
第2に、G-CUBEDモデルを用いて、政府支出の拡大(公共事業)、所得税の減税、法人税の減税、マ
ネーサプライの増加などの景気刺激策をシミュレーション分析した。政府支出を拡大させた場合には、
財政赤字の発生が将来の増税を予想させ、民間消費がそれほど拡大しない。所得税の減税により、民間
消費、民間投資が増加するが、実質GDPの増大効果は輸入増、輸出減により減殺される。また、国際的
な資金の再配分による金利上昇が民間投資を抑制する。法人税の減税については、それが一時的であっ
ても企業の期待利潤を増加させるので、民間投資を促進する。マネーサプライの増加は金融緩和シナリ
オであり、金利下落、需要拡大により実質GDPにプラス効果が発生する。シミュレーション分析では、
一時的な支出拡大と恒久的な支出拡大を実施したが、恒久的な支出拡大により実質GDPが加速度的に増
加するようなことはないことが判明した。
第3に、モデルの構造検討、シミュレーション結果を踏まえたG-CUBEDモデルの評価を行なった。合
理的期待の導入、金融セクターの明示的な考慮、経済主体のミクロ行動の考慮などは、もともとモデル
構築における理論的な要請に応えるという性質をもつ。しかし、最近の実際経済においては、経済主体
における経済合理性の強化、貨幣経済の重要性の高まりなどがあり、G-CUBEDモデルはこのような要請
に応えていると評価される。一方、G-CUBEDモデルには、日本における内需拡大がアジア主要国の経済
拡大に結びつく傾向が小さいという問題がある。また、G-CUBEDモデルの乗数効果は1.0を下回るが、
これは非実際的といえる。
97
注
*1 大規模な多部門モデルの場合には、家計、企業、政府などの経済主体を取り込み、かつ価格を媒介とする調整
メカニズムを導入しているので、AGEモデル、CGEモデルと変わるところがない。
*2 計算方法としては、(1)需給バランスが一致するまで収束計算を行う方法、(2)価格を0∼1の範囲におさ
めて格子点ごとに市場均衡価格をさがす方法があり、多部門モデルでは(1)が、AGEモデルでは(2)が使
用されることが多い。これ以外に、(3)各種の調整パラメータをもとに行列を構成し(一種の線型化)、市場
均衡を推計する方法があり、G-CUBED、GTAPなどのCGEモデルでは(3)が使用されることが多い。河井
(1996)、川崎(1999)
、得津(1994)などを参照のこと。
*3 シミュレーション当初の1∼3年間の数値が比較的大きく変動するが、これはモデルが合理的期待を導入して
いるからである。つまり、経済主体はシミュレーション開始年に将来の政策変化を知り対応策を講じる。その
ため1年目の調整が大きくでる。
参考文献
1)市岡 修:『応用一般均衡分析』,有斐閣(1991)
.
2)岩本康志,大竹文雄,斎藤誠,二神孝一:『経済政策とマクロ経済学』,日本経済新聞社(1999)
.
3)尾崎タイヨ:『世界経済のマクロ計量モデル分析』
,晃洋書房(1999)
.
4)河井啓希:『市場開放の一般均衡分析』「日本経済研究」31号,日本経済研究センター(1996)
.
5)川崎研一:『応用一般均衡モデルの基礎と応用』,日本評論社(1999)
.
6)経済企画庁:『短期日本経済マクロ計量モデルの構造とマクロ経済政策の効果』「経済分析」157号,経済企画庁
経済研究所(1998)
.
7)経済企画庁:『規制改革による経済効果分析のための応用一般均衡モデルの開発』,経済企画庁経済研究所
(1999)
.
8)産業研究所,三菱総合研究所:『国際的な視点からみた日本経済の分析に関する調査研究』,(財)産業研究所
(1999)
.
9)ショウバン・ウォーリー著小平訳:『応用一般均衡分析』,東洋経済新報社(1993)
.
10)白石浩介,東 暁子:『応用一般均衡モデルによる法人税引下げの評価』「三菱総合研究所」所報34号,三菱総
合研究所(1999)
.
11)鈴木 晋,萱園 理,堀 雅博:『平成不況と経済対策』
「エコノミック・リサーチ」5号,経済企画庁(1999)
.
12)得津一郎:『生産構造の計量分析』
,創文社(1994)
.
13)橋本恭之:『税制改革の応用一般均衡分析』
,関西大学出版部(1998)
.
14)マッキビン・サックス著,服部他訳:『グローバル・リンケージ』
,学文社(1996)
.
15)W. McKibbin:“The Theoretical and Empirical Structure of the G-Cubed Model”
, mimeo(1995)
.
16)W. McKibbin:“The Macroeconomic Experience of Japan Since 1990”
, mimeo(1996)
.
17)W. McKibbin:“Trade Liberalization in a Dynamic Setting”
, mimeo(1999)
.
謝辞
本論文の草稿に貴重なコメントを寄せられたレフェリーに御礼を申し上げたい。また、所報編集委員会の委員各位
と事務スタッフの皆様にも謝意を表したい。
98
民間投資
政府支出
輸出入
輸入+
輸出+
名目金利
名目金利10年物
実質金利
実質金利10年物
財政赤字
インフレ率
為替レート
Tot. Gross Investment
Tot. governt consumption
Trade Balance (NA)
Imports (NA)
Exports (NA)
Nominal interest rate
Noml 10yr interest rate
real interest rate
real 10yr interest rate
Budget deficit
inflation
Exchange rate (JU)
−1.93
−2.10
−1.34
−1.86
−1.63
−1.07
−2.16
−1.03
フィリピン
シンガポール
タイ
中国
インド
台湾
韓国
香港
(増減%)
輸入
(増減%)
輸出
(増減%)
生産額
日本
0.75
0.03
1.82
1.23
0.99
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
−2.26
−4.77
−5.31
−3.12
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
4.62
7.71
6.07
9.03
2.54
4.35
鉱業
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
2.90
−6.07
農業
エネルギー
−9.43
鉱業
−19.12
−1.56
0.67
1997
鉱業
エネルギー
−0.93
−0.16
−0.22
−0.01
−0.05
0.00
−0.08
−0.63
1.36
0.63
1.10
0.69
0.65
1999
−0.91
−0.01
−0.24
−0.01
−0.03
0.00
0.00
−0.64
1.43
0.72
1.04
0.84
0.72
2000
−1.01
0.04
−0.23
0.00
−0.02
0.00
0.03
−0.58
1.42
0.73
0.94
0.88
0.73
2001
0.14
−0.63
−2.16
−1.70
−1.36
−0.38
−1.38
−0.93
−1.95
−1.02
−1.41
−0.08
−0.04
0.18
0.41
1998
−0.01
−0.71
−2.37
−2.13
−1.38
−1.36
−1.48
−1.46
−2.12
−1.37
−1.61
−0.07
−0.05
0.12
0.65
1999
0.04
−0.75
−2.56
−2.17
−1.44
−1.57
−1.59
−1.56
−2.29
−1.67
−1.81
0.01
−0.02
0.17
0.72
2000
0.19
−0.78
−2.68
−2.03
−1.51
−1.32
−1.67
−1.74
−2.41
−1.80
−1.97
0.10
0.02
0.25
0.73
2001
1.12
0.28
2.04
2.33
2.48
2.87
0.65
−0.46
−1.28
−1.37
−0.11
−2.79
−5.96
−9.88
0.47
0.36
0.51
0.72
0.29
0.39
0.44
1998
1.37
0.43
2.69
2.34
3.02
3.03
0.91
−0.60
−1.45
−1.72
−0.20
−3.06
−6.12
−11.09
0.69
0.67
0.76
0.76
0.46
0.37
0.61
1999
1.45
0.50
2.88
2.33
3.18
3.02
1.01
−0.60
−1.45
−1.74
−0.19
−2.91
−5.79
−9.98
0.76
0.77
0.86
0.72
0.54
0.30
0.66
2000
1.44
0.51
2.83
2.31
3.14
2.96
1.03
−0.55
−1.39
−1.61
−0.15
−2.63
−5.27
−8.27
0.76
0.79
0.88
0.68
0.58
0.23
0.67
2001
ケース:日本の実質GDP1%に相当する政府支出の増大
0.51
−1.96
マレーシア
その他OECD
−1.26
0.08
インドネシア
ニュージーランド
−0.13
0.39
アメリカ
1997
0.85
オーストラリア
−1.24
−0.46
−0.16
−0.01
−0.06
0.00
−0.28
−0.49
1.12
0.39
1.02
0.33
0.41
1998
ケース:日本の実質GDP1%に相当する政府支出の増大
0.22
0.08
0.70
−0.02
2.00
−0.03
1.70
−3.31
4.21
7.29
−0.52
0.92
0.85
1997
日本
対実質GDP比率%
エネルギー
民間消費
Tot. private consumption
実質GDP
国内総生産
GDP
JAPAN 日本
表4.シミュレーション結果(公共事業の実施・一時的)
1.39
0.49
2.74
2.31
3.01
2.89
1.02
−0.48
−1.28
−1.47
−0.10
−2.33
−4.80
−7.20
0.74
0.77
0.88
0.64
0.60
0.18
0.66
2002
0.35
−0.80
−2.73
−1.96
−1.55
−1.33
−1.72
−1.87
−2.47
−1.84
−2.09
0.16
0.06
0.34
0.71
2002
−1.14
0.04
−0.23
0.00
−0.01
0.00
0.03
−0.50
1.38
0.72
0.86
0.88
0.71
2002
1.32
0.45
2.60
2.26
2.82
2.82
0.98
−0.40
−1.14
−1.31
−0.05
−2.05
−4.40
−6.42
0.72
0.75
0.87
0.62
0.62
0.16
0.65
2003
0.48
−0.80
−2.74
−1.98
−1.58
−1.40
−1.74
−1.97
−2.48
−1.82
−2.18
0.20
0.10
0.41
0.69
2003
−1.24
0.03
−0.22
0.00
−0.01
−0.01
0.01
−0.42
1.31
0.70
0.80
0.86
0.69
2003
1.22
0.38
2.39
2.16
2.59
2.73
0.93
−0.32
−0.96
−1.13
0.00
−1.78
−4.02
−5.66
0.72
0.74
0.87
0.61
0.64
0.17
0.65
2004
0.57
−0.79
−2.73
−1.99
−1.58
−1.38
−1.74
−2.03
−2.46
−1.78
−2.22
0.22
0.13
0.45
0.69
2004
−1.30
0.02
−0.22
0.00
0.00
−0.01
0.00
−0.33
1.22
0.70
0.76
0.84
0.69
2004
1.11
0.30
2.16
2.03
2.36
2.64
0.89
−0.23
−0.75
−0.94
0.04
−1.51
−3.63
−4.95
0.72
0.74
0.87
0.61
0.66
0.19
0.65
2005
0.62
−0.77
−2.70
−1.97
−1.57
−1.35
−1.72
−2.06
−2.42
−1.73
−2.24
0.23
0.16
0.48
0.69
2005
−1.34
0.00
−0.22
0.00
0.00
−0.01
0.00
−0.24
1.11
0.69
0.73
0.82
0.69
2005
1.00
0.22
1.92
1.88
2.12
2.55
0.84
−0.14
−0.54
−0.76
0.08
−1.26
−3.27
−4.35
0.73
0.75
0.88
0.62
0.68
0.23
0.66
2006
0.64
−0.75
−2.66
−1.93
−1.55
−1.35
−1.69
−2.06
−2.36
−1.67
−2.23
0.24
0.18
0.50
0.69
2006
−1.35
0.00
−0.22
0.00
0.00
−0.01
−0.01
−0.15
1.00
0.70
0.72
0.81
0.69
2006
0.88
0.14
1.68
1.71
1.89
2.46
0.79
−0.06
−0.33
−0.59
0.12
−1.03
−2.94
−3.82
0.73
0.76
0.89
0.63
0.69
0.27
0.66
2007
0.65
−0.71
−2.62
−1.89
−1.52
−1.33
−1.65
−2.04
−2.30
−1.60
−2.20
0.25
0.20
0.51
0.70
2007
−1.34
−0.01
−0.22
0.00
0.00
−0.01
−0.01
−0.07
0.89
0.70
0.70
0.80
0.70
2007
0.77
0.07
1.44
1.55
1.67
2.36
0.75
0.01
−0.13
−0.43
0.16
−0.81
−2.63
−3.35
0.75
0.77
0.91
0.64
0.71
0.32
0.67
2008
0.65
−0.68
−2.57
−1.85
−1.49
−1.32
−1.59
−2.00
−2.23
−1.54
−2.15
0.25
0.22
0.52
0.71
2008
−1.33
−0.01
−0.22
0.00
0.00
−0.01
−0.01
0.02
0.79
0.71
0.70
0.78
0.71
2008
0.66
0.00
1.21
1.39
1.46
2.27
0.70
0.09
0.06
−0.28
0.19
−0.61
−2.36
−2.94
0.76
0.78
0.92
0.65
0.73
0.36
0.68
2009
0.65
−0.64
−2.53
−1.81
−1.45
−1.30
−1.54
−1.94
−2.15
−1.47
−2.09
0.26
0.24
0.52
0.72
2009
−1.33
−0.01
−0.22
−0.01
0.00
−0.01
−0.01
0.09
0.69
0.71
0.69
0.77
0.72
2009
0.56
−0.07
1.00
1.23
1.26
2.17
0.66
0.16
0.24
−0.13
0.23
−0.42
−2.09
−2.57
0.77
0.78
0.93
0.67
0.74
0.41
0.68
2010
0.66
−0.60
−2.47
−1.77
−1.42
−1.28
−1.48
−1.86
−2.07
−1.41
−2.02
0.27
0.26
0.53
0.73
2010
−1.32
−0.01
−0.23
−0.01
0.00
−0.01
−0.01
0.17
0.60
0.72
0.69
0.76
0.73
2010
0.47
−0.13
0.79
1.09
1.08
2.07
0.62
0.23
0.40
0.00
0.26
−0.24
−1.85
−2.23
0.78
0.79
0.94
0.68
0.76
0.45
0.69
2011
0.66
−0.56
−2.42
−1.73
−1.39
−1.26
−1.41
−1.78
−2.00
−1.35
−1.94
0.28
0.27
0.53
0.74
2011
−1.31
−0.01
−0.23
−0.01
0.00
−0.01
−0.01
0.24
0.51
0.72
0.69
0.75
0.74
2011
0.39
−0.18
0.60
0.96
0.91
1.98
0.58
0.29
0.56
0.13
0.29
−0.08
−1.62
−1.93
0.79
0.80
0.95
0.70
0.77
0.49
0.69
2012
0.67
−0.52
−2.36
−1.68
−1.35
−1.24
−1.35
−1.69
−1.92
−1.28
−1.85
0.29
0.29
0.54
0.75
2012
−1.30
−0.01
−0.23
−0.01
0.00
−0.01
−0.01
0.31
0.42
0.73
0.69
0.73
0.75
2012
0.30
−0.23
0.43
0.83
0.76
1.88
0.55
0.35
0.70
0.25
0.32
0.07
−1.41
−1.65
0.79
0.81
0.95
0.71
0.78
0.53
0.70
2013
0.68
−0.48
−2.31
−1.64
−1.32
−1.22
−1.28
−1.60
−1.84
−1.22
−1.76
0.29
0.30
0.55
0.76
2013
−1.29
−0.01
−0.23
−0.01
0.00
−0.01
−0.01
0.37
0.35
0.73
0.69
0.72
0.76
2013
0.24
−0.27
0.27
0.71
0.63
1.79
0.52
0.40
0.84
0.36
0.34
0.21
−1.21
−1.40
0.80
0.81
0.96
0.72
0.79
0.57
0.70
2014
0.69
−0.44
−2.25
−1.59
−1.29
−1.20
−1.22
−1.50
−1.76
−1.17
−1.67
0.30
0.32
0.56
0.76
2014
−1.28
−0.01
−0.23
−0.01
0.00
−0.01
−0.01
0.42
0.28
0.73
0.69
0.71
0.76
2014
0.17
−0.30
0.12
0.61
0.51
1.70
0.49
0.45
0.96
0.46
0.36
0.34
−1.03
−1.17
0.81
0.82
0.97
0.73
0.80
0.61
0.70
2015
0.70
−0.40
−2.20
−1.55
−1.26
−1.18
−1.15
−1.41
−1.68
−1.11
−1.58
0.31
0.33
0.56
0.77
2015
−1.27
−0.01
−0.23
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.47
0.22
0.73
0.69
0.70
0.77
2015
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
99
100
民間投資
政府支出
輸出入
輸入+
輸出+
名目金利
名目金利10年物
実質金利
実質金利10年物
財政赤字
インフレ率
為替レート
Tot. Gross Investment
Tot. governt consumption
Trade Balance (NA)
Imports (NA)
Exports (NA)
Nominal interest rate
Noml 10yr interest rate
real interest rate
real 10yr interest rate
Budget deficit
inflation
Exchange rate (JU)
−1.94
−2.14
−1.32
−1.83
−1.55
−1.10
−2.18
−0.99
フィリピン
シンガポール
タイ
中国
インド
台湾
韓国
香港
(増減%)
輸入
(増減%)
輸出
(増減%)
生産額
日本
0.45
農業
0.60
合計
−3.04
−5.18
−6.01
−3.90
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
5.37
7.51
7.41
9.03
2.64
4.57
鉱業
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
2.94
−6.07
農業
エネルギー
−10.46
鉱業
−19.71
0.70
サービス
エネルギー
1.32
非耐久財製造
−0.01
−1.75
0.33
1997
鉱業
耐久財製造
1.20
−0.09
0.75
0.09
0.16
0.10
0.15
−3.54
4.03
7.11
0.25
0.31
0.68
1999
1.01
−0.03
0.75
0.08
0.13
0.09
0.15
−3.27
3.88
7.15
0.31
0.23
0.69
2000
0.78
0.00
0.75
0.08
0.11
0.08
0.14
−3.00
3.72
7.16
0.33
0.13
0.69
2001
0.56
0.01
0.75
0.07
0.10
0.07
0.13
−2.75
3.56
7.17
0.33
0.04
0.67
2002
0.13
−0.61
−2.20
−1.64
−1.42
−0.45
−1.33
−0.78
−1.94
−0.92
−1.42
−0.09
−0.08
0.18
0.63
1998
−0.01
−0.67
−2.40
−2.15
−1.41
−1.32
−1.45
−1.40
−2.13
−1.28
−1.62
−0.07
−0.06
0.12
0.68
1999
0.05
−0.73
−2.60
−2.18
−1.46
−1.56
−1.58
−1.48
−2.32
−1.60
−1.83
0.01
−0.02
0.16
0.69
2000
0.20
−0.77
−2.72
−2.02
−1.52
−1.34
−1.67
−1.69
−2.45
−1.76
−2.01
0.08
0.01
0.24
0.69
2001
0.35
−0.81
−2.78
−1.95
−1.57
−1.34
−1.73
−1.82
−2.51
−1.81
−2.14
0.14
0.05
0.32
0.67
2002
4.29
2.38
8.47
7.06
7.32
5.50
2.81
−3.51
−5.16
−4.56
−2.81
−5.52
−9.93
−15.60
0.79
0.89
1.51
0.21
0.57
−1.40
0.45
1998
4.16
2.23
8.36
6.97
7.14
5.65
2.71
−3.35
−4.84
−4.46
−2.66
−5.29
−9.50
−15.37
0.85
0.92
1.55
0.37
0.60
−1.17
0.46
1999
0.87
0.88
1.55
0.54
0.62
−0.88
0.44
2001
4.01
2.08
8.10
6.92
6.88
5.71
2.60
−3.10
−4.44
−4.15
−2.47
−4.82
−8.65
3.84
1.95
7.75
6.89
6.57
5.72
2.47
−2.84
−4.07
−3.77
−2.27
−4.32
−7.73
−13.42 −11.12
0.87
0.91
1.55
0.47
0.62
−1.01
0.45
2000
3.68
1.82
7.45
6.85
6.24
5.71
2.34
−2.60
−3.71
−3.43
−2.09
−3.86
−6.96
−9.62
0.86
0.84
1.53
0.59
0.62
−0.77
0.41
2002
ケース:日本の実質GDP1%に相当する政府支出の増大(恒久的)
0.52
−1.97
マレーシア
その他OECD
−1.24
0.10
インドネシア
ニュージーランド
−0.08
0.38
アメリカ
1997
0.46
オーストラリア
1.27
−0.18
0.77
0.10
0.21
0.11
0.14
−3.72
4.15
7.05
0.10
0.37
0.63
1998
ケース:日本の実質GDP1%に相当する政府支出の増大(恒久的)
1.05
−0.43
0.83
0.11
0.16
0.11
−0.03
−4.13
4.41
6.86
−0.08
0.32
0.46
1997
日本
対実質GDP比率%
エネルギー
民間消費
Tot. private consumption
実質GDP
国内総生産
GDP
JAPAN 日本
表5.シミュレーション結果(公共事業の実施・恒久的)
3.50
1.67
7.12
6.75
5.88
5.66
2.21
−2.38
−3.36
−3.11
−1.93
−3.45
−6.32
−8.52
0.85
0.81
1.52
0.65
0.62
−0.67
0.39
2003
0.47
−0.82
−2.79
−1.98
−1.59
−1.41
−1.76
−1.93
−2.53
−1.81
−2.23
0.17
0.08
0.38
0.66
2003
0.37
0.01
0.76
0.07
0.09
0.07
0.11
−2.51
3.39
7.19
0.32
−0.05
0.66
2003
3.30
1.52
6.74
6.59
5.49
5.58
2.08
−2.17
−3.01
−2.79
−1.78
−3.06
−5.74
−7.49
0.84
0.78
1.51
0.69
0.62
−0.57
0.37
2004
0.55
−0.82
−2.77
−2.01
−1.60
−1.40
−1.77
−2.00
−2.52
−1.77
−2.29
0.19
0.11
0.43
0.65
2004
0.22
0.00
0.76
0.07
0.08
0.06
0.10
−2.29
3.20
7.21
0.31
−0.14
0.65
2004
3.09
1.36
6.33
6.38
5.10
5.48
1.94
−1.96
−2.64
−2.47
−1.64
−2.69
−5.18
−6.56
0.84
0.76
1.51
0.74
0.62
−0.47
0.36
2005
0.59
−0.80
−2.75
−1.99
−1.59
−1.37
−1.76
−2.04
−2.48
−1.72
−2.31
0.20
0.13
0.46
0.64
2005
0.11
0.00
0.77
0.07
0.08
0.06
0.09
−2.07
3.00
7.24
0.30
−0.21
0.64
2005
2.88
1.20
5.92
6.13
4.71
5.36
1.81
−1.77
−2.28
−2.18
−1.51
−2.34
−4.67
−5.75
0.85
0.74
1.50
0.79
0.62
−0.36
0.35
2006
0.61
−0.78
−2.71
−1.94
−1.57
−1.36
−1.73
−2.05
−2.43
−1.66
−2.31
0.21
0.15
0.47
0.64
2006
0.01
0.00
0.77
0.06
0.08
0.06
0.08
−1.87
2.80
7.27
0.29
−0.29
0.64
2006
2.67
1.04
5.50
5.87
4.32
5.23
1.68
−1.59
−1.94
−1.90
−1.38
−2.01
−4.20
−5.05
0.85
0.73
1.51
0.83
0.62
−0.26
0.35
2007
0.62
−0.76
−2.67
−1.90
−1.54
−1.35
−1.69
−2.03
−2.36
−1.60
−2.28
0.22
0.17
0.48
0.65
2007
−0.06
−0.01
0.77
0.06
0.07
0.06
0.07
−1.67
2.60
7.31
0.28
−0.35
0.65
2007
2.46
0.89
5.09
5.59
3.94
5.09
1.56
−1.41
−1.62
−1.64
−1.26
−1.71
−3.78
−4.44
0.86
0.72
1.51
0.88
0.63
−0.15
0.34
2008
0.62
−0.72
−2.62
−1.87
−1.51
−1.33
−1.64
−2.00
−2.29
−1.54
−2.23
0.22
0.19
0.48
0.65
2008
−0.13
−0.01
0.77
0.06
0.07
0.05
0.07
−1.49
2.40
7.34
0.27
−0.42
0.65
2008
2.26
0.75
4.68
5.32
3.57
4.94
1.44
−1.24
−1.32
−1.40
−1.14
−1.43
−3.39
−3.90
0.86
0.71
1.51
0.93
0.63
−0.04
0.34
2009
0.62
−0.69
−2.57
−1.83
−1.48
−1.32
−1.58
−1.94
−2.22
−1.48
−2.17
0.23
0.21
0.49
0.65
2009
−0.19
−0.01
0.77
0.06
0.07
0.05
0.06
−1.31
2.21
7.38
0.27
−0.48
0.65
2009
2.06
0.62
4.28
5.05
3.21
4.79
1.32
−1.08
−1.03
−1.17
−1.03
−1.16
−3.03
−3.40
0.87
0.71
1.52
0.98
0.63
0.06
0.34
2010
0.63
−0.65
−2.51
−1.79
−1.44
−1.30
−1.52
−1.87
−2.14
−1.41
−2.10
0.24
0.22
0.49
0.66
2010
−0.25
−0.01
0.77
0.06
0.07
0.05
0.06
−1.14
2.02
7.43
0.26
−0.54
0.66
2010
1.87
0.49
3.89
4.77
2.87
4.64
1.21
−0.92
−0.76
−0.94
−0.92
−0.91
−2.69
−2.96
0.88
0.70
1.53
1.03
0.64
0.16
0.34
2011
0.63
−0.61
−2.46
−1.75
−1.41
−1.28
−1.46
−1.79
−2.06
−1.35
−2.01
0.25
0.24
0.50
0.67
2011
−0.31
−0.01
0.77
0.06
0.06
0.05
0.06
−0.97
1.84
7.47
0.26
−0.60
0.67
2011
1.69
0.37
3.51
4.51
2.54
4.48
1.10
−0.78
−0.50
−0.74
−0.81
−0.68
−2.38
−2.56
0.89
0.69
1.53
1.08
0.64
0.26
0.33
2012
0.64
−0.57
−2.40
−1.70
−1.37
−1.26
−1.39
−1.70
−1.97
−1.29
−1.92
0.26
0.26
0.51
0.67
2012
−0.37
−0.01
0.77
0.05
0.06
0.05
0.06
−0.82
1.67
7.51
0.25
−0.65
0.67
2012
1.51
0.26
3.15
4.25
2.23
4.32
0.99
−0.63
−0.25
−0.54
−0.70
−0.47
−2.08
−2.19
0.90
0.69
1.54
1.12
0.64
0.36
0.33
2013
0.65
−0.53
−2.34
−1.66
−1.34
−1.24
−1.32
−1.61
−1.89
−1.23
−1.83
0.26
0.27
0.51
0.68
2013
−0.42
−0.01
0.77
0.05
0.06
0.05
0.05
−0.67
1.50
7.56
0.25
−0.71
0.68
2013
1.35
0.16
2.80
3.99
1.94
4.16
0.88
−0.50
−0.02
−0.35
−0.60
−0.27
−1.81
−1.85
0.91
0.68
1.54
1.17
0.64
0.45
0.33
2014
0.66
−0.49
−2.29
−1.61
−1.31
−1.22
−1.26
−1.51
−1.81
−1.17
−1.74
0.27
0.29
0.52
0.68
2014
−0.47
−0.01
0.78
0.05
0.06
0.05
0.05
−0.53
1.34
7.60
0.25
−0.76
0.68
2014
1.19
0.07
2.46
3.74
1.66
4.00
0.78
−0.37
0.20
−0.18
−0.51
−0.09
−1.55
−1.54
0.92
0.67
1.54
1.22
0.64
0.55
0.33
2015
0.66
−0.45
−2.23
−1.57
−1.28
−1.19
−1.19
−1.42
−1.73
−1.12
−1.64
0.28
0.30
0.53
0.69
2015
−0.53
−0.01
0.78
0.05
0.06
0.04
0.05
−0.39
1.19
7.65
0.25
−0.82
0.69
2015
民間投資
政府支出
輸出入
輸入+
輸出+
名目金利
名目金利10年物
実質金利
実質金利10年物
財政赤字
インフレ率
為替レート
Tot. Gross Investment
Tot. governt consumption
Trade Balance (NA)
Imports (NA)
Exports (NA)
Nominal interest rate
Noml 10yr interest rate
real interest rate
real 10yr interest rate
Budget deficit
inflation
Exchange rate (JU)
−1.89
−1.77
−1.25
−1.98
−1.91
−0.88
−2.22
−1.03
フィリピン
シンガポール
タイ
中国
インド
台湾
韓国
香港
(増減%)
輸入
(増減%)
輸出
(増減%)
生産額
日本
2.47
農業
2.23
合計
合計
サービス
非耐久財製造
11.08
8.65
24.29
9.45
22.20
農業
耐久財製造
6.06
9.89
鉱業
エネルギー
−9.73
−15.19
サービス
合計
−12.57
非耐久財製造
−6.98
−14.37
農業
耐久財製造
−19.24
鉱業
−38.13
4.57
サービス
エネルギー
4.26
非耐久財製造
−4.08
−8.63
2.19
1997
鉱業
耐久財製造
−2.22
−2.82
0.06
−0.03
−0.21
0.04
−1.60
−0.18
−0.01
−0.58
0.96
−1.12
−0.62
−1.11
−0.32
−0.02
−0.14
0.08
−0.47
−0.33
1.19
0.73
1.73
0.57
0.82
1999
−0.23
−0.22
−0.43
−0.01
−0.09
0.07
0.05
−0.38
1.61
1.19
1.79
1.23
1.26
2000
−0.38
0.16
−0.42
−0.01
−0.04
0.05
0.23
−0.37
1.65
1.22
1.56
1.36
1.27
2001
−0.70
0.26
−0.37
−0.01
−0.02
0.03
0.23
−0.33
1.54
1.10
1.28
1.26
1.13
2002
1998
0.16
−0.61
−2.18
−1.93
−1.28
−0.21
−1.40
−1.09
−1.99
−1.10
−1.43
−0.05
0.01
0.15
−0.50
−0.03
−0.76
−2.37
−2.06
−1.37
−1.47
−1.51
−1.36
−2.15
−1.45
−1.68
−0.09
−0.05
0.12
0.82
1999
0.00
−0.81
−2.56
−2.08
−1.47
−1.61
−1.62
−1.54
−2.32
−1.71
−1.87
−0.01
−0.05
0.16
1.26
2000
0.15
−0.84
−2.68
−2.04
−1.54
−1.30
−1.70
−1.72
−2.43
−1.82
−2.02
0.08
−0.02
0.25
1.27
2001
0.31
−0.85
−2.74
−2.01
−1.59
−1.33
−1.74
−1.85
−2.48
−1.85
−2.13
0.15
0.03
0.33
1.13
2002
−0.06
−0.56
−0.45
1.97
−0.05
2.48
−0.39
−0.17
−0.57
−0.62
0.02
−1.69
−5.65
−8.01
−0.39
−0.80
−0.50
0.59
−0.27
0.50
−0.31
1998
1.19
0.19
2.09
2.73
2.53
3.56
0.76
−0.32
−0.79
−1.26
−0.02
−2.78
−5.40
−10.55
0.91
0.83
0.88
1.21
0.50
1.13
0.70
1999
1.63
0.51
3.02
2.87
3.50
3.77
1.21
−0.36
−0.94
−1.46
−0.01
−2.95
−5.15
−9.80
1.32
1.39
1.38
1.30
0.82
1.14
1.04
2000
1.67
0.58
3.14
2.74
3.62
3.60
1.29
−0.35
−1.01
−1.42
0.02
−2.72
−4.85
−8.25
1.32
1.43
1.43
1.16
0.90
0.91
1.06
2001
1.56
0.54
2.98
2.54
3.36
3.32
1.21
−0.31
−1.00
−1.31
0.04
−2.37
−4.51
−7.22
1.17
1.26
1.31
0.98
0.87
0.66
0.96
2002
ケース:日本の実質GDP1%に相当する所得税の減税(5%)一時的
0.48
−1.69
マレーシア
その他OECD
−1.38
0.02
インドネシア
ニュージーランド
−0.27
0.43
アメリカ
1997
2.48
オーストラリア
1998
−0.50
ケース:日本の実質GDP1%に相当する所得税の減税(5%)一時的
4.32
2.75
1.80
−0.05
7.77
−0.12
6.97
−10.34
10.67
3.88
−3.48
8.24
2.48
1997
日本
対実質GDP比率%
エネルギー
民間消費
Tot. private consumption
実質GDP
国内総生産
GDP
JAPAN 日本
表6.シミュレーション結果(所得税の減税・一時的)
1.38
0.45
2.67
2.31
2.96
3.04
1.09
−0.25
−0.90
−1.16
0.08
−2.01
−4.17
−6.35
1.00
1.07
1.16
0.83
0.82
0.46
0.84
2003
0.46
−0.84
−2.75
−2.00
−1.60
−1.41
−1.75
−1.95
−2.49
−1.84
−2.20
0.19
0.08
0.40
0.96
2003
−1.01
0.23
−0.31
−0.01
−0.01
0.01
0.17
−0.27
1.37
0.95
1.04
1.11
0.96
2003
1.19
0.35
2.30
2.09
2.54
2.79
0.96
−0.18
−0.75
−0.97
0.11
−1.67
−3.82
−5.49
0.87
0.92
1.04
0.73
0.77
0.34
0.74
2004
0.56
−0.82
−2.73
−1.99
−1.60
−1.38
−1.75
−2.02
−2.47
−1.79
−2.24
0.22
0.12
0.45
0.84
2004
−1.23
0.16
−0.27
−0.01
−0.01
0.00
0.10
−0.19
1.19
0.83
0.87
0.97
0.84
2004
1.02
0.24
1.96
1.87
2.17
2.60
0.85
−0.11
−0.56
−0.79
0.15
−1.37
−3.46
−4.76
0.79
0.82
0.96
0.67
0.74
0.30
0.69
2005
0.61
−0.80
−2.70
−1.97
−1.58
−1.35
−1.73
−2.05
−2.42
−1.74
−2.25
0.23
0.15
0.48
0.75
2005
−1.36
0.10
−0.24
−0.01
−0.01
−0.01
0.05
−0.11
1.02
0.75
0.77
0.87
0.75
2005
0.87
0.14
1.65
1.68
1.86
2.44
0.77
−0.03
−0.36
−0.61
0.18
−1.11
−3.12
−4.15
0.75
0.76
0.92
0.65
0.73
0.29
0.66
2006
0.64
−0.77
−2.66
−1.93
−1.55
−1.35
−1.69
−2.06
−2.37
−1.67
−2.23
0.24
0.18
0.50
0.71
2006
−1.42
0.05
−0.23
−0.01
−0.01
−0.01
0.02
−0.03
0.88
0.71
0.71
0.80
0.71
2006
0.73
0.05
1.37
1.49
1.59
2.32
0.70
0.05
−0.16
−0.45
0.22
−0.87
−2.80
−3.62
0.73
0.74
0.90
0.64
0.73
0.32
0.65
2007
0.65
−0.73
−2.62
−1.89
−1.52
−1.34
−1.65
−2.04
−2.30
−1.61
−2.20
0.25
0.20
0.51
0.70
2007
−1.44
0.01
−0.22
−0.01
−0.01
−0.01
0.00
0.05
0.76
0.69
0.68
0.76
0.70
2007
0.62
−0.02
1.13
1.32
1.36
2.21
0.65
0.12
0.03
−0.29
0.25
−0.66
−2.51
−3.16
0.74
0.74
0.90
0.66
0.74
0.36
0.65
2008
0.65
−0.69
−2.57
−1.85
−1.48
−1.32
−1.59
−2.00
−2.23
−1.54
−2.15
0.25
0.22
0.51
0.70
2008
−1.44
0.00
−0.22
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.13
0.65
0.69
0.67
0.74
0.70
2008
0.52
−0.09
0.91
1.17
1.16
2.12
0.61
0.20
0.22
−0.14
0.28
−0.46
−2.23
−2.76
0.75
0.75
0.91
0.67
0.75
0.41
0.66
2009
0.65
−0.65
−2.52
−1.81
−1.45
−1.30
−1.53
−1.94
−2.15
−1.47
−2.08
0.26
0.24
0.52
0.71
2009
−1.43
−0.01
−0.22
−0.01
−0.01
−0.01
−0.02
0.21
0.55
0.70
0.67
0.72
0.71
2009
0.42
−0.15
0.70
1.02
0.98
2.02
0.57
0.27
0.39
−0.01
0.32
−0.28
−1.98
−2.40
0.76
0.76
0.92
0.69
0.76
0.46
0.67
2010
0.65
−0.61
−2.47
−1.77
−1.42
−1.28
−1.47
−1.86
−2.07
−1.41
−2.01
0.27
0.26
0.53
0.72
2010
−1.41
−0.01
−0.23
−0.01
−0.01
−0.01
−0.02
0.28
0.46
0.70
0.67
0.71
0.72
2010
0.33
−0.21
0.51
0.88
0.81
1.93
0.54
0.33
0.55
0.13
0.35
−0.11
−1.74
−2.08
0.77
0.78
0.93
0.71
0.77
0.51
0.68
2011
0.66
−0.56
−2.42
−1.73
−1.38
−1.26
−1.41
−1.78
−1.99
−1.34
−1.92
0.28
0.27
0.53
0.73
2011
−1.40
−0.01
−0.23
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.35
0.38
0.71
0.68
0.70
0.73
2011
0.26
−0.26
0.34
0.76
0.66
1.84
0.50
0.39
0.70
0.25
0.38
0.04
−1.52
−1.78
0.78
0.79
0.94
0.72
0.78
0.55
0.68
2012
0.67
−0.52
−2.36
−1.68
−1.35
−1.24
−1.34
−1.69
−1.91
−1.28
−1.84
0.29
0.29
0.54
0.75
2012
−1.38
−0.01
−0.23
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.41
0.30
0.72
0.68
0.69
0.75
2012
0.18
−0.30
0.18
0.64
0.53
1.75
0.47
0.45
0.84
0.36
0.40
0.19
−1.31
−1.52
0.79
0.79
0.95
0.74
0.79
0.59
0.69
2013
0.68
−0.48
−2.31
−1.64
−1.32
−1.22
−1.28
−1.60
−1.83
−1.22
−1.75
0.29
0.30
0.55
0.75
2013
−1.37
−0.01
−0.23
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.47
0.23
0.72
0.68
0.68
0.75
2013
0.12
−0.34
0.03
0.52
0.40
1.66
0.44
0.50
0.97
0.47
0.43
0.32
−1.11
−1.27
0.80
0.80
0.96
0.75
0.80
0.63
0.69
2014
0.69
−0.44
−2.25
−1.59
−1.29
−1.20
−1.21
−1.50
−1.75
−1.17
−1.66
0.30
0.32
0.56
0.76
2014
−1.36
−0.01
−0.24
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.52
0.17
0.72
0.68
0.67
0.76
2014
0.05
−0.37
−0.11
0.42
0.30
1.57
0.41
0.54
1.09
0.57
0.45
0.44
−0.93
−1.05
0.81
0.81
0.97
0.76
0.80
0.67
0.70
2015
0.69
−0.40
−2.19
−1.55
−1.26
−1.18
−1.15
−1.41
−1.68
−1.11
−1.57
0.31
0.33
0.56
0.77
2015
−1.35
−0.01
−0.24
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.57
0.11
0.73
0.69
0.66
0.77
2015
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
101
102
民間投資
政府支出
輸出入
輸入+
輸出+
名目金利
名目金利10年物
実質金利
実質金利10年物
財政赤字
インフレ率
為替レート
Tot. Gross Investment
Tot. governt consumption
Trade Balance (NA)
Imports (NA)
Exports (NA)
Nominal interest rate
Noml 10yr interest rate
real interest rate
real 10yr interest rate
Budget deficit
inflation
Exchange rate (JU)
−1.93
−1.78
−1.12
−1.87
−1.62
−0.93
−2.38
−0.82
フィリピン
シンガポール
タイ
中国
インド
台湾
韓国
香港
(増減%)
輸入
(増減%)
輸出
(増減%)
生産額
日本
1.55
農業
1.09
合計
−13.83
−18.19
−23.20
−18.73
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
14.09
27.16
21.99
31.12
11.81
15.09
鉱業
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
13.18
−17.92
農業
エネルギー
−29.34
鉱業
−49.84
3.11
サービス
エネルギー
2.79
非耐久財製造
−4.47
−10.84
1.10
1997
鉱業
耐久財製造
8.60
0.12
2.45
0.49
0.64
0.48
0.70
−17.52
13.06
1.78
−0.80
5.56
0.46
1999
12.11
1.56
−0.77
5.00
0.36
2001
11.66
1.52
−0.73
4.82
0.38
2002
0.12
−0.53
−2.39
−1.77
−1.52
−0.46
−1.20
−0.40
−1.98
−0.59
−1.51
−0.10
−0.12
0.16
0.74
1998
−0.01
−0.64
−2.59
−2.25
−1.53
−1.32
−1.37
−1.06
−2.22
−1.02
−1.74
−0.11
−0.12
0.09
0.46
1999
14.17
10.87
29.13
20.77
25.55
13.36
12.21
−17.47
−21.36
−16.70
−13.19
−16.14
−27.17
−41.17
0.54
2.40
2.21
−4.73
1.25
−10.74
0.62
1998
13.57
10.20
28.11
20.11
24.52
13.04
11.55
−16.44
−19.93
−15.72
−12.60
−14.90
−24.77
−36.57
0.28
2.03
1.89
−4.73
1.08
−10.36
0.36
1999
11.19
1.48
−0.70
4.63
0.40
2003
10.67
1.44
−0.69
4.45
0.41
2004
10.13
1.39
−0.70
4.25
0.41
2005
9.57
1.33
−0.72
4.05
0.40
2006
7.93
−0.05
2.47
0.47
0.59
0.46
0.57
7.35
−0.10
2.46
0.45
0.56
0.45
0.52
6.81
−0.11
2.46
0.44
0.53
0.43
0.50
0.05
−0.74
−2.79
−2.19
−1.57
−1.62
−1.56
−1.18
−2.47
−1.42
−1.99
−0.06
−0.10
0.11
0.37
2000
0.18
−0.83
−2.93
−2.04
−1.63
−1.42
−1.71
−1.44
−2.64
−1.62
−2.20
0.00
−0.08
0.18
0.36
2001
0.31
−0.90
−3.00
−2.04
−1.67
−1.42
−1.82
−1.62
−2.75
−1.71
−2.37
0.04
−0.06
0.24
0.38
2002
0.21
1.85
1.72
−4.45
0.97
−9.30
0.21
2001
0.24
1.84
1.70
−4.28
0.96
−8.76
0.20
2002
0.26
1.82
1.69
−4.12
0.94
−8.26
0.19
2003
0.28
1.79
1.66
−3.96
0.92
−7.79
0.17
2004
0.48
−0.98
−3.01
−2.14
−1.70
−1.48
−1.93
−1.89
−2.81
−1.73
−2.56
0.08
−0.02
0.32
0.41
2004
5.81
−0.07
2.45
0.41
0.49
0.41
0.48
0.28
1.75
1.62
−3.81
0.90
−7.33
0.16
2005
0.50
−0.99
−2.98
−2.11
−1.69
−1.46
−1.95
−1.97
−2.78
−1.70
−2.60
0.09
−0.01
0.33
0.41
2005
5.35
−0.06
2.45
0.40
0.47
0.39
0.47
0.28
1.69
1.58
−3.66
0.87
−6.90
0.13
2006
0.51
−0.99
−2.94
−2.07
−1.67
−1.46
−1.93
−2.01
−2.74
−1.65
−2.60
0.09
0.01
0.34
0.40
2006
4.90
−0.05
2.46
0.39
0.45
0.38
0.46
0.28
1.63
1.53
−3.51
0.84
−6.48
0.11
2007
0.51
−0.97
−2.89
−2.04
−1.64
−1.45
−1.90
−2.03
−2.68
−1.60
−2.57
0.10
0.02
0.34
0.39
2007
4.46
−0.04
2.46
0.38
0.44
0.37
0.44
−9.72
9.00
1.27
−0.74
3.84
0.39
2007
0.27
1.57
1.48
−3.36
0.81
−6.07
0.09
2008
0.51
−0.95
−2.83
−2.01
−1.61
−1.43
−1.86
−2.01
−2.60
−1.55
−2.51
0.11
0.04
0.34
0.38
2008
4.04
−0.04
2.47
0.37
0.43
0.36
0.43
−8.96
8.42
1.22
−0.76
3.64
0.38
2008
−9.59
−9.52
−9.72
−9.05
−8.64
−8.90
−8.52
−7.81
−8.12
−8.01
−7.04
13.07
9.64
27.20
19.63
23.72
12.80
11.02
12.59
9.13
26.29
19.20
23.00
12.56
10.55
12.13
8.64
25.41
18.72
22.26
12.28
10.09
11.64
8.14
24.46
18.14
21.45
11.93
9.63
11.10
7.63
23.40
17.44
20.54
11.50
9.16
10.54
7.11
22.24
16.64
19.56
11.01
8.67
−15.35 −14.30 −13.32 −12.41 −11.54 −10.71
9.96
6.59
21.02
15.76
18.52
10.47
8.19
−9.92
9.36
6.08
19.74
14.84
17.44
9.88
7.70
−9.17
−18.45 −17.08 −15.80 −14.58 −13.41 −12.29 −11.24 −10.24
−14.59 −13.48 −12.46 −11.51 −10.59
−11.96 −11.32 −10.72 −10.14
−13.62 −12.45 −11.41 −10.44
−22.14 −19.76 −17.78 −16.07 −14.52 −13.10 −11.83 −10.68
8.75
5.58
18.44
13.88
16.33
9.27
7.21
−8.46
−9.30
−7.39
−7.50
−6.32
−9.65
−31.33 −26.67 −23.30 −20.61 −18.19 −16.06 −14.22 −12.62 −11.21
0.21
1.90
1.76
−4.62
1.00
−9.84
0.25
2000
0.41
−0.95
−3.02
−2.10
−1.70
−1.49
−1.90
−1.78
−2.80
−1.74
−2.49
0.07
−0.04
0.29
0.40
2003
6.30
−0.09
2.45
0.43
0.51
0.42
0.49
−16.34 −15.20 −14.15 −13.17 −12.24 −11.36 −10.52
12.57
1.63
−0.80
5.23
0.37
2000
ケース:日本の実質GDP1%に相当する所得税の減税(1%)恒久的
0.53
−1.61
マレーシア
その他OECD
−1.32
0.11
インドネシア
ニュージーランド
−0.10
0.39
アメリカ
1997
1.33
オーストラリア
9.44
0.49
2.37
0.51
0.72
0.50
0.99
−18.64
13.64
2.12
−0.66
6.11
0.74
1998
ケース:日本の実質GDP1%に相当する所得税の減税(1%)恒久的
10.51
1.04
2.20
0.54
0.69
0.56
1.39
−20.00
14.54
2.73
−0.14
6.99
1.33
1997
日本
対実質GDP比率%
エネルギー
民間消費
Tot. private consumption
実質GDP
国内総生産
GDP
JAPAN 日本
表7.シミュレーション結果(所得税の減税・恒久的)
8.14
5.10
17.11
12.90
15.21
8.63
6.73
−7.78
−8.42
−6.70
−7.01
−5.65
−8.70
−9.95
0.27
1.51
1.43
−3.20
0.78
−5.67
0.08
2009
0.50
−0.91
−2.77
−1.98
−1.57
−1.42
−1.80
−1.97
−2.52
−1.49
−2.44
0.11
0.06
0.34
0.37
2009
3.64
−0.04
2.48
0.36
0.42
0.34
0.41
−8.23
7.84
1.16
−0.78
3.44
0.37
2009
7.54
4.63
15.78
11.91
14.09
7.98
6.26
−7.12
−7.58
−6.04
−6.52
−5.01
−7.83
−8.82
0.26
1.45
1.39
−3.05
0.75
−5.28
0.07
2010
0.51
−0.87
−2.71
−1.94
−1.54
−1.40
−1.74
−1.92
−2.44
−1.43
−2.35
0.12
0.07
0.35
0.36
2010
3.24
−0.04
2.48
0.35
0.41
0.33
0.40
−7.53
7.26
1.11
−0.79
3.24
0.36
2010
6.93
4.17
14.45
10.91
12.98
7.31
5.79
−6.49
−6.78
−5.42
−6.04
−4.42
−7.02
−7.80
0.26
1.40
1.34
−2.88
0.72
−4.89
0.06
2011
0.51
−0.83
−2.65
−1.89
−1.50
−1.38
−1.67
−1.85
−2.35
−1.37
−2.26
0.13
0.09
0.35
0.36
2011
2.86
−0.04
2.49
0.34
0.39
0.32
0.38
−6.87
6.68
1.06
−0.80
3.05
0.36
2011
6.33
3.74
13.13
9.91
11.89
6.63
5.33
−5.89
−6.02
−4.82
−5.57
−3.86
−6.28
−6.88
0.27
1.34
1.30
−2.72
0.69
−4.52
0.05
2012
0.52
−0.78
−2.58
−1.85
−1.47
−1.36
−1.59
−1.77
−2.26
−1.32
−2.15
0.13
0.10
0.36
0.35
2012
2.49
−0.04
2.50
0.34
0.38
0.31
0.37
−6.23
6.11
1.01
−0.81
2.86
0.35
2012
5.74
3.32
11.83
8.92
10.81
5.94
4.88
−5.32
−5.29
−4.25
−5.12
−3.34
−5.59
−6.04
0.27
1.29
1.26
−2.56
0.66
−4.15
0.04
2013
0.52
−0.74
−2.51
−1.80
−1.43
−1.34
−1.52
−1.69
−2.17
−1.26
−2.04
0.14
0.12
0.37
0.35
2013
2.14
−0.04
2.50
0.33
0.38
0.31
0.36
−5.62
5.55
0.96
−0.82
2.68
0.35
2013
5.16
2.92
10.56
7.93
9.75
5.25
4.44
−4.76
−4.59
−3.71
−4.67
−2.84
−4.94
−5.27
0.27
1.24
1.21
−2.40
0.64
−3.79
0.04
2014
0.53
−0.69
−2.45
−1.76
−1.40
−1.32
−1.44
−1.60
−2.08
−1.21
−1.93
0.15
0.13
0.37
0.35
2014
1.79
−0.04
2.51
0.32
0.37
0.30
0.35
−5.04
4.99
0.92
−0.83
2.50
0.35
2014
4.58
2.53
9.32
6.95
8.72
4.55
4.00
−4.23
−3.92
−3.19
−4.23
−2.38
−4.34
−4.55
0.28
1.18
1.17
−2.23
0.61
−3.44
0.04
2015
0.53
−0.64
−2.38
−1.71
−1.36
−1.30
−1.36
−1.50
−1.99
−1.16
−1.81
0.15
0.15
0.38
0.35
2015
1.45
−0.04
2.52
0.31
0.36
0.29
0.34
−4.47
4.44
0.88
−0.83
2.32
0.35
2015
民間投資
政府支出
輸出入
輸入+
輸出+
名目金利
名目金利10年物
実質金利
実質金利10年物
財政赤字
インフレ率
為替レート
Tot. Gross Investment
Tot. governt consumption
Trade Balance (NA)
Imports (NA)
Exports (NA)
Nominal interest rate
Noml 10yr interest rate
real interest rate
real 10yr interest rate
Budget deficit
inflation
Exchange rate (JU)
−0.20
−1.76
−0.81
−1.78
−0.50
−0.87
−2.43
−2.87
−0.19
−2.46
−0.96
ニュージーランド
インドネシア
マレーシア
フィリピン
シンガポール
タイ
中国
インド
台湾
韓国
香港
(増減%)
輸入
(増減%)
輸出
(増減%)
生産額
日本
11.25
12.79
非耐久財製造
サービス
−25.66
−37.08
−46.05
−42.99
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
27.11
63.70
39.88
71.43
26.81
28.24
鉱業
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
30.78
−38.89
エネルギー
−51.61
農業
−95.86
鉱業
エネルギー
6.37
−9.16
6.41
農業
耐久財製造
−22.37
5.85
1997
鉱業
合計
−4.55
−8.62
0.43
−0.13
−0.91
0.15
−5.08
1.87
−3.71
−2.81
2.93
−5.32
0.39
−3.25
−0.72
−0.08
−0.55
0.29
−1.41
1.34
0.39
1.26
4.51
0.12
1.71
1999
1.68
−0.51
−1.04
−0.05
−0.33
0.26
0.23
0.94
1.80
2.61
4.30
2.20
2.93
2000
1.34
0.63
−0.96
−0.03
−0.18
0.19
0.76
0.70
2.01
2.64
3.41
2.58
2.85
2001
0.48
0.89
−0.77
−0.02
−0.10
0.11
0.75
0.54
1.76
2.20
2.46
2.26
2.32
2002
1998
0.25
−0.57
−2.24
−2.65
−1.00
0.42
−1.54
−1.61
−2.14
−1.31
−1.56
0.05
0.19
0.08
−2.25
−0.09
−1.00
−2.38
−1.91
−1.33
−1.88
−1.66
−1.09
−2.28
−1.76
−1.96
−0.15
−0.07
0.09
1.71
1999
−0.13
−1.04
−2.57
−1.86
−1.55
−1.77
−1.75
−1.54
−2.42
−1.90
−2.13
−0.09
−0.15
0.14
2.93
2000
0.01
−1.04
−2.71
−2.09
−1.66
−1.21
−1.80
−1.67
−2.51
−1.93
−2.23
0.02
−0.13
0.23
2.85
2001
0.20
−1.02
−2.77
−2.17
−1.70
−1.34
−1.82
−1.83
−2.54
−1.92
−2.28
0.11
−0.07
0.31
2.32
2002
−3.94
−3.29
−8.73
1.37
−8.31
3.07
−3.55
1.77
2.57
2.78
1.54
2.60
−3.95
−1.37
−2.04
−3.66
−2.61
1.98
−0.96
2.26
−1.97
1998
0.35
−0.72
−0.50
3.72
0.22
5.97
0.18
1.27
1.63
0.85
1.34
−1.10
−3.12
−8.51
1.93
1.43
1.68
3.55
1.37
3.84
1.17
1999
1.83
0.37
2.67
3.99
3.54
6.34
1.61
0.90
0.76
−0.08
1.15
−2.31
−3.38
−8.90
3.05
3.10
3.12
3.56
2.21
3.61
2.18
2000
2.06
0.66
3.38
3.43
4.21
5.62
1.87
0.66
0.18
−0.42
1.00
−2.36
−3.78
−7.85
2.94
3.12
3.18
2.96
2.30
2.74
2.17
2001
1.79
0.61
3.13
2.70
3.70
4.65
1.65
0.51
−0.11
−0.52
0.87
−1.97
−3.83
−7.02
2.40
2.55
2.70
2.26
2.07
1.83
1.79
2002
ケース:日本の実質GDP1%に相当する法人税の引下げ・一時的
0.39
−0.74
オーストラリア
0.56
アメリカ
1997
7.24
その他OECD
1998
−2.25
ケース:日本の実質GDP1%に相当する法人税の引下げ・一時的
18.27
8.38
3.58
−0.22
27.11
−0.37
23.97
−46.56
27.33
10.64
−2.84
21.79
7.24
1997
日本
対実質GDP比率%
エネルギー
民間消費
Tot. private consumption
実質GDP
国内総生産
GDP
JAPAN 日本
表8.シミュレーション結果(法人税の減税・一時的)
1.38
0.42
2.49
2.04
2.84
3.75
1.30
0.46
−0.18
−0.44
0.79
−1.47
−3.62
−5.94
1.83
1.90
2.14
1.69
1.78
1.15
1.38
2003
0.39
−0.98
−2.77
−2.08
−1.68
−1.45
−1.81
−1.93
−2.53
−1.89
−2.30
0.18
0.01
0.38
1.75
2003
−0.34
0.77
−0.57
−0.02
−0.06
0.05
0.56
0.48
1.37
1.68
1.69
1.77
1.75
2003
0.99
0.22
1.78
1.51
2.02
3.05
0.98
0.45
−0.12
−0.30
0.74
−1.02
−3.33
−4.86
1.38
1.38
1.69
1.29
1.52
0.72
1.06
2004
0.52
−0.93
−2.75
−1.99
−1.64
−1.39
−1.78
−2.00
−2.49
−1.83
−2.31
0.21
0.08
0.43
1.30
2004
−0.95
0.55
−0.43
−0.02
−0.04
0.02
0.35
0.47
0.99
1.27
1.16
1.34
1.30
2004
0.68
0.05
1.20
1.13
1.37
2.56
0.74
0.47
0.01
−0.15
0.71
−0.68
−3.04
−4.08
1.09
1.05
1.39
1.05
1.33
0.49
0.85
2005
0.60
−0.88
−2.71
−1.96
−1.59
−1.35
−1.74
−2.04
−2.44
−1.76
−2.28
0.23
0.14
0.47
1.01
2005
−1.34
0.33
−0.33
−0.02
−0.02
0.00
0.18
0.49
0.70
1.00
0.85
1.03
1.01
2005
0.45
−0.08
0.76
0.85
0.91
2.24
0.58
0.50
0.17
−0.01
0.70
−0.42
−2.75
−3.50
0.92
0.86
1.20
0.92
1.21
0.41
0.74
2006
0.64
−0.83
−2.67
−1.94
−1.55
−1.35
−1.69
−2.05
−2.37
−1.69
−2.24
0.24
0.18
0.49
0.85
2006
−1.54
0.17
−0.28
−0.02
−0.02
−0.01
0.08
0.53
0.48
0.84
0.68
0.84
0.85
2006
0.29
−0.19
0.43
0.65
0.60
2.02
0.48
0.54
0.35
0.12
0.69
−0.21
−2.46
−2.99
0.85
0.77
1.11
0.87
1.13
0.42
0.69
2007
0.65
−0.78
−2.62
−1.91
−1.51
−1.34
−1.64
−2.03
−2.30
−1.61
−2.19
0.25
0.20
0.50
0.78
2007
−1.62
0.08
−0.25
−0.01
−0.02
−0.01
0.02
0.57
0.33
0.76
0.62
0.74
0.78
2007
0.17
−0.27
0.19
0.49
0.38
1.87
0.41
0.59
0.53
0.24
0.70
−0.04
−2.17
−2.55
0.82
0.75
1.06
0.85
1.08
0.47
0.68
2008
0.65
−0.72
−2.57
−1.87
−1.47
−1.32
−1.58
−1.99
−2.22
−1.54
−2.12
0.25
0.23
0.51
0.75
2008
−1.64
0.02
−0.25
−0.01
−0.02
−0.01
−0.01
0.62
0.21
0.74
0.60
0.69
0.75
2008
0.07
−0.33
−0.01
0.36
0.22
1.76
0.37
0.64
0.70
0.36
0.71
0.12
−1.90
−2.18
0.82
0.75
1.05
0.86
1.04
0.53
0.69
2009
0.65
−0.67
−2.52
−1.82
−1.44
−1.30
−1.51
−1.93
−2.14
−1.47
−2.04
0.26
0.24
0.52
0.76
2009
−1.63
0.00
−0.25
−0.01
−0.02
−0.01
−0.02
0.67
0.12
0.73
0.61
0.67
0.76
2009
0.00
−0.38
−0.18
0.25
0.09
1.66
0.34
0.68
0.86
0.47
0.72
0.25
−1.65
−1.86
0.83
0.77
1.05
0.87
1.02
0.60
0.70
2010
0.65
−0.62
−2.47
−1.77
−1.41
−1.28
−1.45
−1.86
−2.06
−1.40
−1.96
0.27
0.26
0.53
0.77
2010
−1.61
−0.01
−0.25
−0.01
−0.02
−0.01
−0.02
0.72
0.05
0.74
0.63
0.66
0.77
2010
−0.07
−0.43
−0.32
0.15
−0.02
1.57
0.31
0.73
1.01
0.57
0.73
0.38
−1.42
−1.57
0.84
0.78
1.05
0.88
1.00
0.66
0.71
2011
0.66
−0.57
−2.41
−1.73
−1.38
−1.26
−1.38
−1.78
−1.98
−1.34
−1.87
0.28
0.27
0.54
0.78
2011
−1.59
−0.01
−0.25
−0.01
−0.01
−0.01
−0.02
0.77
−0.01
0.75
0.64
0.65
0.78
2011
−0.14
−0.47
−0.46
0.05
−0.12
1.47
0.28
0.77
1.14
0.67
0.74
0.50
−1.21
−1.32
0.85
0.80
1.05
0.89
0.99
0.72
0.72
2012
0.66
−0.52
−2.36
−1.68
−1.35
−1.24
−1.31
−1.69
−1.90
−1.28
−1.78
0.29
0.29
0.54
0.79
2012
−1.57
−0.01
−0.25
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.81
−0.07
0.75
0.65
0.64
0.79
2012
−0.19
−0.51
−0.59
−0.04
−0.21
1.38
0.25
0.81
1.27
0.76
0.75
0.61
−1.01
−1.08
0.86
0.80
1.04
0.90
0.97
0.77
0.73
2013
0.67
−0.47
−2.30
−1.64
−1.32
−1.22
−1.25
−1.60
−1.82
−1.22
−1.69
0.29
0.30
0.55
0.80
2013
−1.56
0.00
−0.25
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.85
−0.13
0.75
0.66
0.63
0.80
2013
−0.25
−0.54
−0.71
−0.13
−0.30
1.29
0.23
0.84
1.38
0.84
0.76
0.71
−0.83
−0.86
0.86
0.81
1.04
0.91
0.96
0.81
0.73
2014
0.68
−0.43
−2.24
−1.59
−1.29
−1.20
−1.18
−1.51
−1.74
−1.16
−1.60
0.30
0.32
0.56
0.80
2014
−1.54
0.00
−0.25
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.89
−0.18
0.75
0.67
0.62
0.80
2014
−0.30
−0.56
−0.81
−0.21
−0.37
1.20
0.20
0.87
1.49
0.92
0.77
0.80
−0.66
−0.66
0.86
0.81
1.04
0.91
0.95
0.84
0.73
2015
0.69
−0.39
−2.19
−1.54
−1.26
−1.18
−1.12
−1.41
−1.66
−1.10
−1.51
0.31
0.33
0.56
0.81
2015
−1.53
0.00
−0.25
−0.01
−0.01
−0.01
−0.01
0.92
−0.23
0.75
0.67
0.61
0.81
2015
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
103
104
民間投資
政府支出
輸出入
輸入+
輸出+
名目金利
名目金利10年物
実質金利
実質金利10年物
財政赤字
インフレ率
為替レート
Tot. Gross Investment
Tot. governt consumption
Trade Balance (NA)
Imports (NA)
Exports (NA)
Nominal interest rate
Noml 10yr interest rate
real interest rate
real 10yr interest rate
Budget deficit
inflation
Exchange rate (JU)
−1.94
−2.24
−1.38
−1.81
−1.52
−1.14
−2.13
−1.04
フィリピン
シンガポール
タイ
中国
インド
台湾
韓国
香港
(増減%)
輸入
(増減%)
輸出
(増減%)
生産額
日本
0.52
0.84
0.90
0.84
0.83
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
−0.16
−1.94
−1.92
−0.66
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
3.18
3.62
3.02
3.48
0.76
1.82
鉱業
農業
耐久財製造
非耐久財製造
サービス
合計
1.15
−3.56
農業
エネルギー
−5.87
鉱業
−13.74
0.48
0.75
1997
鉱業
エネルギー
−0.83
−0.14
−0.21
0.00
0.00
0.01
−0.04
−0.78
1.51
0.68
0.89
0.85
0.66
1999
−0.86
−0.03
−0.23
0.00
0.00
0.01
0.02
−0.73
1.52
0.74
0.88
0.93
0.72
2000
−0.97
0.02
−0.23
0.00
0.00
0.00
0.03
−0.63
1.48
0.75
0.84
0.95
0.73
2001
−1.10
0.02
−0.22
0.00
0.01
0.00
0.03
−0.54
1.43
0.74
0.80
0.93
0.72
2002
0.12
−0.63
−2.15
−1.63
−1.39
−0.46
−1.37
−0.88
−1.93
−1.01
−1.39
−0.09
−0.07
0.18
0.49
1998
−0.01
−0.68
−2.36
−2.15
−1.38
−1.32
−1.47
−1.49
−2.11
−1.34
−1.58
−0.07
−0.04
0.13
0.66
1999
0.06
−0.73
−2.56
−2.19
−1.43
−1.55
−1.58
−1.56
−2.28
−1.65
−1.78
0.02
−0.01
0.17
0.72
2000
0.20
−0.76
−2.68
−2.03
−1.49
−1.33
−1.66
−1.75
−2.40
−1.79
−1.95
0.10
0.03
0.25
0.73
2001
0.36
−0.78
−2.73
−1.94
−1.54
−1.33
−1.71
−1.87
−2.46
−1.83
−2.07
0.16
0.07
0.34
0.72
2002
1.41
0.52
2.73
2.29
3.10
2.73
0.90
−0.67
−1.65
−1.69
−0.26
−3.08
−6.27
−10.49
0.52
0.51
0.63
0.52
0.39
0.06
0.53
1998
1.53
0.58
3.09
2.28
3.38
2.87
1.04
−0.74
−1.71
−1.92
−0.29
−3.21
−6.38
−11.36
0.69
0.71
0.80
0.59
0.51
0.12
0.64
1999
1.54
0.59
3.14
2.28
3.40
2.90
1.09
−0.69
−1.61
−1.86
−0.25
−2.99
−5.96
−10.16
0.75
0.79
0.88
0.61
0.58
0.13
0.69
2000
1.50
0.57
3.01
2.29
3.30
2.88
1.08
−0.60
−1.49
−1.69
−0.18
−2.67
−5.36
−8.37
0.76
0.80
0.90
0.61
0.61
0.13
0.70
2001
1.44
0.53
2.88
2.30
3.13
2.85
1.05
−0.51
−1.34
−1.52
−0.12
−2.36
−4.84
−7.25
0.75
0.79
0.90
0.60
0.63
0.13
0.69
2002
ケース:日本の実質GDP1%に相当するマネーサプライの増加 一時的
0.52
−2.05
マレーシア
その他OECD
−1.22
0.10
インドネシア
ニュージーランド
−0.07
0.38
アメリカ
1997
0.77
オーストラリア
−1.03
−0.35
−0.16
0.00
0.02
0.01
−0.15
−0.71
1.39
0.51
0.79
0.64
0.49
1998
ケース:日本の実質GDP1%に相当するマネーサプライの増加 一時的
−1.62
0.01
−0.27
0.00
−0.11
−0.01
−0.42
−0.70
1.79
0.78
1.15
0.91
0.77
1997
日本
対実質GDP比率%
エネルギー
民間消費
Tot. private consumption
実質GDP
国内総生産
GDP
JAPAN 日本
表9.シミュレーション結果(マネーサプライの増加・一時的)
1.36
0.48
2.71
2.27
2.91
2.80
1.01
−0.42
−1.18
−1.34
−0.06
−2.08
−4.43
−6.47
0.74
0.78
0.89
0.60
0.65
0.14
0.68
2003
0.48
−0.79
−2.74
−1.97
−1.57
−1.39
−1.73
−1.97
−2.48
−1.82
−2.16
0.20
0.10
0.41
0.71
2003
−1.20
0.02
−0.22
0.00
0.00
0.00
0.02
−0.44
1.35
0.73
0.77
0.90
0.71
2003
1.25
0.40
2.48
2.18
2.67
2.73
0.96
−0.33
−0.99
−1.15
−0.01
−1.80
−4.04
−5.70
0.73
0.77
0.89
0.60
0.67
0.16
0.68
2004
0.57
−0.78
−2.73
−1.99
−1.58
−1.38
−1.74
−2.03
−2.46
−1.78
−2.21
0.22
0.13
0.46
0.70
2004
−1.27
0.01
−0.22
0.00
0.00
−0.01
0.01
−0.35
1.25
0.72
0.74
0.88
0.70
2004
1.14
0.32
2.23
2.05
2.42
2.64
0.90
−0.24
−0.77
−0.96
0.04
−1.53
−3.65
−4.99
0.74
0.77
0.89
0.61
0.68
0.19
0.68
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2015
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0.46
0.23
0.74
0.69
0.70
0.77
2015
世界経済・応用一般均衡モデルによる政策シミュレーション ●
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