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10,10`-パラ -トルイル酸 -9,9`

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10,10`-パラ -トルイル酸 -9,9`
JP 3989537 B2 2007.10.10
(57)【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【請求項1】
10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト が 、 そ の 10又 は 10'置 換 位
置におけるトルイル酸基を介して、抗原、抗体又はハプテンと共有結合されていることを
特 徴 と す る 、 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト 複 合 体 。
【請求項2】
化学アッセイ、イムノアッセイ、リガンド結合アッセイ又はヌクレオチドアッセイにおい
て有用な、測定可能な光を放出するための、化学発光システムであって、前記システムが
、 pHの 範 囲 が 10.0∼ 14.0で 、 酸 化 電 位 を 有 す る 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 、 及 び 該 1
0,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 酸 化 電 位 に 優 る こ と が 可 能 な 超 酸 化 カ リ ウ ム 又 は そ れ と
10
組合せて使用される四酸化オスミウム又は過酸化水素を有するシグナル溶液を含有し、前
記 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン が 、 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム
ジ ニ ト レ ー ト が 、 10又 は 10'置 換 位 置 に お け る ト ル イ ル 酸 基 を 介 し て 、 被 検 体 、 被 検 体 の
結 合 相 手 、 又 は 被 検 体 の 結 合 相 手 の リ ガ ン ド と 共 有 結 合 さ れ て い る 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル
酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト の 複 合 体 を 形 成 し て い る こ と を 特 徴 と す る 化 学 発
光システム。
【請求項3】
更に、緩衝液、キレート剤、スルホキシド、還元糖、及びアルコールを含有する、請求の
範囲第2項記載の化学発光システム。
【請求項4】
20
(2)
JP 3989537 B2 2007.10.10
前 記 緩 衝 液 が 、 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 で あ り 、 前 記 キ レ ー ト 剤 が EDTAで あ り 、 前 記 ス
ル ホ キ シ ド が DMSOで あ り 、 前 記 還 元 糖 が D( -) フ ル ク ト ー ス で あ り 、 か つ 前 記 ア ル コ ー ル
が 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル で あ る 、 酸 化 体 の 組 み 合 わ せ を 含 有 す る 、 請 求 の 範 囲 第 3 項
記載の化学発光システム。
【請求項5】
前記被検体が、核酸、抗原、抗体、ハプテン、タンパク質又はポリマーである、請求の範
囲第2項記載の化学発光システム。
【請求項6】
前記結合相手が、ヌクレオチドプローブ、抗原、抗体、ハプテン、タンパク質又はポリマ
ーである、請求の範囲第2項記載の化学発光システム。
10
【請求項7】
前記リガンドが、抗原、抗体、ハプテン、タンパク質又はポリマーである、請求の範囲第
2項記載の化学発光システム。
【請求項8】
化学アッセイ、リガンド結合アッセイ又は核酸アッセイにおいて有用な、測定可能な光を
放 出 す る た め の 、 化 学 発 光 シ ス テ ム で あ っ て 、 前 記 シ ス テ ム が 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア
ク リ ジ ン か ら な る 標 識 、 並 び に pHの 範 囲 が 10.0∼ 14.0の 範 囲 で 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 、 又 は 四
酸 化 オ ス ミ ウ ム 及 び 超 酸 化 カ リ ウ ム の 組 み 合 わ せ を 含 む シ グ ナ ル 溶 液 を 有 し 、 前 記 10,10'
-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン が 、 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ
ー ト が 、 そ の 10又 は 10'置 換 位 置 に お け る ト ル イ ル 酸 基 を 介 し て 、 被 検 体 、 被 検 体 の 結 合
20
相 手 、 又 は 被 検 体 の 結 合 相 手 の リ ガ ン ド と 共 有 結 合 し て い る 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9
'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト の 複 合 体 を 形 成 し て い る こ と を 特 徴 と す る 化 学 発 光 シ ス
テム。
【請求項9】
前記シグナル溶液が、酸化体の組み合わせを含有し、かつ更に、緩衝液、キレート剤、ス
ルホキシド、還元糖、及びアルコールを含有する、請求の範囲第8項記載の化学発光シス
テム。
【請求項10】
前 記 緩 衝 液 が 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 で あ り 、 前 記 キ レ ー ト 剤 が EDTAで あ り 、 前 記 ス ル
ホ キ シ ド が DMSOで あ り 、 前 記 還 元 糖 が D( -) フ ル ク ト ー ス で あ り 、 か つ 前 記 シ ス テ ム が 更
30
に ア ル コ ー ル と し て 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル を 含 有 す る 、 請 求 の 範 囲 第 8 項 記 載 の 化 学
発光ンステム。
【請求項11】
試料中の被検体の存在の検出又は量の測定のための、化学発光性の均一系アッセイにおけ
る 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 複 合 体 の 使 用 法 で あ っ て 、 下 記 の 工 程 、
(a)前記被検体の特異的結合相手で被覆された固相を提供する工程、
( b ) 前 記 固 相 を 、 該 試 料 と 、 あ ら か じ め 決 め ら れ た 量 の 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ
ン − 被 検 体 複 合 体 と 接 触 さ せ 、 前 記 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン − 被 検 体 複 合 体 が 、 1
0,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト と 、 そ の 10又 は 10'置 換 位 置
に お け る ト ル イ ル 酸 基 を 介 し て 、 共 有 結 合 さ れ た 被 検 体 と か ら な り 、 前 記 10,10'-置 換 -9,
40
9'-ビ ア ク リ ジ ン が 、 酸 化 電 位 を 有 し 、 前 記 固 相 は 、 結 合 し て い な い 10,10'-置 換 -9,9'-ビ
ア ク リ ジ ン -被 検 体 複 合 体 が 発 光 を 仲 介 す る の を 妨 げ る あ ら か じ め 決 め ら れ た 量 の ポ リ −
N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド、ポリ−4−ビニルピリミジニウムジクロ
メート、ポリ塩化ビニル、ポリ(ビニルアルコール)及びポリ(塩化ビニルベンジル)か
ら な る 群 か ら 選 択 さ れ る ポ リ イ オ ン と 接 触 さ れ 、 前 記 結 合 相 手 の 少 な く と も 一 部 は 、 10,1
0'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン -被 検 体 複 合 体 の 少 な く と も 一 部 と 結 合 し て い る 、 工 程 、
( c ) 工 程 ( b ) の 固 相 を 、 結 合 し た 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン -被 検 体 複 合 体 の 中
で 、 pH10.0∼ 14.0の 範 囲 で 、 該 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 酸 化 電 位 に 優 る 超 酸 化
カリウム、又は四酸化オスミウム及び超酸化カリウムの組み合わせを含むシグナル溶液と
、接触し、光を放出する工程、及び
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(3)
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(d)工程(c)において放出された光の量を測定する工程であって、前述の放出された
光の量は、該試料中に存在する被検体の量と、間接的に比例する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記シグナル溶液が更に、水性緩衝液、キレート剤、スルホキシド、還元糖及びアルコー
ル を 含 有 す る 、 請 求 の 範 囲 第 11項 記 載 の 方 法 。
【請求項13】
前記シグナル溶液が、酸化体四酸化オスミウム及び超酸化カリウムを含有し、かつ更に四
ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 、 EDTA、 DMSO、 D( -) フ ル ク ト ー ス 及 び 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー
ル を 含 有 す る 、 請 求 の 範 囲 第 11項 記 載 の 方 法 。
10
【請求項14】
液体試料中の生体活性のある被検体の存在を検出する、もしくはその未知量の濃度を測定
するリガンド結合アッセイ法であって、このような存在又は濃度が、検出可能又は測定可
能な反応生成物を生成するための、標識及びシグナル溶液を使用することによって決定さ
れ 、 か つ 該 標 識 と し て の 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト 、
及 び 該 シ グ ナ ル 溶 液 と し て 、 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 を 溶 媒 と す る 、 EDTA、 DMSO、 D( ) フ ル ク ト ー ス 、 KO 2 、 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル の 混 合 物 を 使 用 し 、 前 記 10,10'-パ ラ -ト
ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト が 、 そ の 10又 は 10'置 換 位 置 に お け る ト ル
イル酸基を介して、前記被検体と共有結合することを特徴とするアッセイ法。
【請求項15】
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シグナル溶液、及び被検体、被検体の結合相手、又は被検体の結合相手のリガンドと結合
する、発光分子で標識された化合物を使用する、化学発光サンドイッチ型アッセイにより
、試料中の被検体の存在又は量を測定する方法であって、前記発光分子で標識された化合
物 と し て 、 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト で 標 識 し た 化 合
物を使用し、未結合ビアクリジンで標識された化合物がビアクリジンの発光の仲介を阻害
するあらかじめ決められた量のポリ−N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド、ポ
リ−4−ビニルピリミジニウムジクロメート、ポリ塩化ビニル、ポリ(ビニルアルコール
)及びポリ(塩化ビニルベンジル)からなる群から選択されるポリイオンを使用し、並び
に 該 シ グ ナ ル 溶 液 と し て 、 pHが 10.0∼ 14.0の 、 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 中 に 、 EDTA、 DM
SO、 D( -) フ ル ク ト ー ス 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 、 及 び 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル を 含 有 す る 溶
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液 を 使 用 し 、 前 記 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト で 標 識 さ
れ た 化 合 物 に お い て 、 前 記 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト
が 、 そ の 10又 は 10'置 換 位 置 に お け る ト ル イ ル 酸 基 を 介 し て 、 前 記 化 合 物 と 共 有 結 合 と し
ていることを特徴とする方法。
【請求項16】
少なくとも2種の異なる種の分子によって、測定可能な光を発生する化学発光システムで
あ っ て 、 こ の シ ス テ ム が 、 試 料 中 の 1種 以 上 の 被 検 体 を 検 出 す る た め の 、 化 学 ア ッ セ イ 、
リガンド結合アッセイ、イムノアッセイ又はヌクレオチドアッセイにおいて有用であり、
か つ pHが 10.0∼ 14.0の 範 囲 で 、 第 一 被 検 体 又 は 第 一 被 検 体 の 結 合 相 手 又 は 第 一 被 検 体 の 結
合 相 手 の リ ガ ン ド に 結 合 し た ジ ュ ウ テ ロ ポ ル フ ィ リ ン IX・ 2HCl、 第 二 被 検 体 又 は 第 二 被 検
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体 の 結 合 相 手 又 は 第 二 被 検 体 の 結 合 相 手 の リ ガ ン ド に 、 10又 は 10'置 換 位 置 に お け る ト ル
イ ル 酸 基 を 介 し て 共 有 結 合 し た 、 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト
レ ー ト 複 合 体 か ら な る 発 光 標 識 、 並 び に ト ラ ン ス , ト ラ ン ス -5-( 4-ニ ト ロ フ ェ ニ ル ) -2,
4-ペ ン タ ジ エ ナ ー ル 、 ジ -2-エ チ ル ヘ キ シ ル ス ル ホ コ ハ ク 酸 ナ ト リ ウ ム 、 ル ミ ノ ー ル 、 グ
ルコース、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、クメンヒドロペルオキシド、パラ過
ヨ ウ 素 酸 三 ナ ト リ ウ ム 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 、 及 び EDTAの 混 合 物 を 含 有 す る 第 一 シ グ ナ ル 溶 液
、 並 び に 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 を 溶 媒 と す る 、 EDTA、 DMSO、 D( -) フ ル ク ト ー ス 、 超
酸 化 カ リ ウ ム 、 及 び 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル の 混 合 物 を 含 有 す る 第 二 シ グ ナ ル 溶 液 を 含
むことを特徴とする発光システム。
【請求項17】
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(4)
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更に、あらかじめ定められた量のポリカチオンを含有する、請求の範囲第16項記載の発
光システム。
【請求項18】
更に、あらかじめ定められた量のポリアニオンを含有する、請求の範囲第17項記載の発
光システム。
【発明の詳細な説明】
技術分野
本 発 明 は 、 新 規 の 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム 誘 導 体 類 の 合 成 、 こ れ ら の 新 規 分
子から光を発生するための新規の化学溶液類の調製、並びに発光性の反応及びアッセイに
お け る こ れ ら の 新 規 分 子 の 使 用 に 関 す る 。 更 に 詳 細 に 述 べ る と 、 本 発 明 は 、 10,10'-パ ラ -
10
ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド 誘 導 体 の 合 成 、 並 び に こ の
新 規 分 子 が 抗 体 の よ う な 別 の 分 子 を 共 有 結 合 ( 複 合 ( conjugate) ) す る 能 力 、 及 び こ の
結合した化学発光性標識分子から測定可能な光を発生する能力について説明している。更
に本発明は、化学アッセイ、核酸アッセイ及びイムノアッセイにおいて有用な、高率の光
子放出を生じるための、四ホウ酸ナトリウム水溶液を溶媒とし、少なくとも1種の酸化体
、スルホキシド、キレート剤、還元糖及びアルコールを含有する、発光シグナル溶液に関
する。
発明の背景
様々な媒質中の物質の存在又は濃度の追跡に関して、光エネルギーの測定が、非常に魅力
的な方法になってきている。多くの生物ルミネセンス及び化学ルミネセンスの反応系が、
20
考 案 さ れ て い る ( Schroenderら の 論 文 、 Methods in Enzymology、 17 :24-462( 1978) ; Ze
igler,M.M.及 び T.O.Baldwinの 論 文 、 Current Topics In Bioenergetics,D.Rao Sanadi編
、 ( Academic Press社 ) 、 頁 65-113( 1981) ; DeLuca,M.の 論 文 、 Non-Radiometric Assay
s, Technology and Application in Polypeptide and Steroid Hormone Detection( Alan
R.Ls社 ) 頁 47-60及 び 61-77( 1988) ; DeJong,G.J.及 び P.J.M.Kwakmanの 論 文 、 J.of Chro
matography、 492 :319-343( 1989) ; McCapra,F.ら の 論 文 、 J.Biolumin.Chemilumin.、 4: 5
1-58( 1989) ; Diamandis,E.P.の 論 文 、 Clin.Biochem.、 23 :437-443( 1990) ; Gillevet,
P.M.の 論 文 、 Nature、 348: 657-658( 1990) ; Kricka,L.J.の 論 文 、 Amer.Clin Lab.,Nov/D
ec:30-32( 1990) ) 。
発光とは、光励起又は化学反応を含む、いずれかの手段による光の発生である。化学発光
30
(ルミネセンス)とは、化学反応のみによる光の放出である。これは更に、電子的に励起
し た 化 学 反 応 生 成 物 が 基 底 状 態 へ 回 帰 す る 時 の 光 の 放 出 と 定 義 す る こ と が で き る ( Woodhe
ad,J.S.ら の 論 文 、 Complementary Immunoassays、 W.P.Collins編 、 ( John Wiley&Sons社
) 、 頁 181-191( 1988) ) 。 化 学 発 光 性 反 応 は 、 酵 素 介 在 型 反 応 及 び 非 酵 素 的 反 応 に 分 け
る こ と が で き る 。 発 光 反 応 物 で あ る ル ミ ノ ー ル が 、 中 性 か ら ア ル カ リ 性 の 条 件 ( pH7.0-10
.2) に お い て 、 酸 化 還 元 酵 素 ( ホ ー ス ラ デ ィ ッ シ ュ ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 、 キ サ ン チ ン オ キ シ
ダ ー ゼ 、 グ ル コ ー ス オ キ シ ダ ー ゼ ) 、 H2 O2 、 特 定 の 無 機 金 属 イ オ ン の 触 媒 又 は 分 子 ( 鉄 、
マンガン、銅、亜鉛)、及びキレート剤の存在下で、酸化されること、並びにこの酸化が
、 基 底 状 態 ま で 崩 壊 す る 際 に 光 を 放 出 す る よ う な 励 起 し た 中 間 体 ( 3-ア ミ ノ フ タ ー ル 酸 )
の 生 成 を も た ら す こ と は 、 か な り 長 い 間 公 知 で あ る ( Schroeder,H.R.ら の 論 文 、 Anal.Che
40
m.、 48 :1933-1937( 1976) ; Simpson,J.S.A.ら の 論 文 、 Nature、 279: 646-647( 1979) ; B
aret,A.の 特 許 、 米 国 特 許 第 4,933,276号 ) 。 発 光 を 生 じ る た め に 使 用 さ れ た 別 の 具 体 的 な
分子及び誘導体は、ルミノール以外の環式ジアシルヒドラジド(例えばイソルミノール)
、 ジ オ キ セ タ ン 誘 導 体 、 ア ク リ ジ ニ ウ ム 誘 導 体 及 び ペ ル オ キ シ オ キ シ レ ー ト で あ る ( Mess
eri,G.ら の 論 文 、 J.Biolum.Chemilum.、 4: 154-158( 1989) ; Schaap,A.P.ら の 論 文 、 Tetr
ahedron Lett.、 28 :935-938( 1987) ; Givens,R.S.ら の の 論 文 、 ACS Symposium Series 3
83; Luminescence Applications,M.C.Goldberg編 ( Amer.Chem.Soc.、 ワ シ ン ト ン ) 頁 127154( 1989) ) 。 光 を 発 生 し か つ 分 子 の 超 高 感 度 な 測 定 に 使 用 さ れ て い る 他 の 分 子 は 、 多
環式及び還元されたニトロ多環式の芳香族炭化水素、多環式芳香族アミン、フルオレスカ
ミ ン で 標 識 さ れ た カ テ コ ー ル ア ミ ン 、 並 び に ク マ リ ン 、 ニ ン ヒ ド リ ン 、 o-フ タ ル ア ル デ ヒ
50
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ド 、 7-フ ル オ ロ -4-ニ ト ロ ベ ン ズ -2,1,3-オ キ サ ジ ア ゾ ー ル 、 ナ フ タ レ ン -2,3-ジ カ ル ボ キ
シ ア ル デ ヒ ド 、 シ ア ノ ベ ン ズ [ f] イ ソ イ ン ド ー ル 、 及 び ダ ン シ ル ク ロ リ ド な ど の 他 の 蛍
光 誘 導 体 化 剤 ( derivetizingagent) で あ る ( Simons,S.S.Jr.及 び D.F.Johnsonの 論 文 、 J.
Am.Chem.Soc.、 98 :7098-7099( 1976) ; Roth,M.の 論 文 、 Anal.Chem., 43 :880-882( 1971)
; Dunges,W.の 論 文 、 同 書 、 49 :442-445( 1977) ; Hill,D.W.ら の の 論 文 、 同 書 、 51 :13381341( 1979) ; Lindroth,P.及 び K.Mopperの 論 文 、 同 書 、 51 :1667-1674( 1979) ; Sigvard
son,K.W.及 び J.W.Birksの 論 文 、 同 書 、 55 :432-435( 1983) ; Sigvardson,K.W.ら の 論 文 、
同 書 、 56 :1096-1102( 1984) ; de Montigny,P.ら の 論 文 、 同 書 、 59 :1096-l101( 1987) ;
Grayeski,M.L.及 び J.K.DeVastoの 論 文 、 同 書 、 59 :1203-1206( 1987) ; Rubinstein,M.ら
の 論 文 、 Anal.Biochem.、 95 :117-121( 1979) ; Kobayashi,S.I.ら の 論 文 、 同 書 、 112: 99-
10
104( 1981) ; Watanabe,Y.及 び K.Imaiの 論 文 、 同 書 、 116 :471-472( 1981) ; Tsuchiya,H.
の 論 文 、 J.Chromatog.、 231: 247-254( 1982) ; DeJong,C.ら の 論 文 、 同 書 、 241 :345-359
( 1982) ; Miyaguchi,K.ら の 論 文 、 同 書 、 303: 173-176( 1984) ; Sigvardson,K.W.及 び J.
W.Birksの 論 文 、 同 書 、 316: 507-518( 1984) ; Benson,J.R.及 び P.E.Hareの 論 文 、 Proc.Na
t.Acad.Sci.、 72 :619-622( 1975) ; Kawasaki,T.ら の 論 文 、 Biomed.Chromatg.、 4: 113-11
8( 1990) ) 。
現 在 4 種 の 非 酵 素 的 シ ス テ ム が 公 知 で あ り : こ れ ら は 、 ア ク リ ジ ニ ウ ム 誘 導 体 ( McCapra
ら の 特 許 、 英 国 特 許 第 1,461,877号 ; Wolf-Rogers J.ら の 論 文 、 J.Immunol.Methods、 133:
191-198( 1990) ) ; イ ソ ル ミ ノ ー ル ; 金 属 ポ ル フ ィ リ ン ( Forgioneら の 特 許 、 米 国 特 許
第 4,375,972号 ) ; 及 び 非 金 属 テ ト ラ ピ ロ ー ル ( Katsilometesの 特 許 、 PCT国 際 開 示 、 WO 9
20
3/23756号 ) で あ る 。 こ れ ら の シ ス テ ム は 、 酵 素 が 介 在 し た シ ス テ ム よ り も 反 応 速 度 が 速
く、その結果数秒以内にピークの光出力をもたらすという確かな利点を有する。金属ポル
フィリン類は、抗原との結合の際に、立体障害の問題が少ないハプテン分子である。更に
、 発 光 性 で あ る こ と が 公 知 で あ る 金 属 ポ ル フ ィ リ ン 分 子 は 、 発 光 量 が 10
-4
以上で、常磁性
金 属 イ オ ン を 含 有 す る も の で あ る ( Gouterman,M.,The Porphyrins、 第 3 巻 、 Dolphin,D.
編 、 ( Academic Press社 ) : 頁 48-50,78-87,115-117,154-155( 1978) ; Canters,G.W.及
び J.H.Van Der Waalsの 論 文 、 同 書 ,577-578) 。 更 に 、 金 属 ク ロ リ ン 、 ヘ ム 、 シ ト ク ロ ム
、クロロフィル、ランタニド及びアクチニドなどの、金属ポルフィリン、ハイポスポルフ
ィ リ ン ( hyposporphyrines) 、 プ ソ イ ド ノ ー マ ル ( psoudonormal) 金 属 ポ ル フ ィ リ ン 及 び
金属ポルフィリン様分子が、これらの分子の金属中心において生じている構造的摂動に対
30
し直接的又は従属的のいずれかの酸化/還元反応を受けること、並びにこれらの化学発光
の発生を触媒するそれらの反応力が、これらの分子の金属中心に起因することも公知であ
る ( Eastwood,D.及 び M.Goutermanの 論 文 、 J.Mo.Spectros.、 35 :359-375( 1970) ; Fleisc
her,E.B.及 び M.Krishnamurthy,の 論 文 、 Annals N.Y.Academy of Sc i.、 206 :32-47( 1973
) ; Dolphin,D.ら の 論 文 、 同 書 、 206: 177-201; Tsutsui,M.及 び T.S.Srivastavaの 論 文 、
同 書 、 206: 404-408; Kadish,K.M.及 び D.G.Davisの 論 文 、 同 書 、 206 :495-504; Felton,R.H
.ら の 論 文 、 同 書 、 206 :504-516; Whitten,D.G.ら の 論 文 、 同 書 、 206: 516-533; Wasser,P.
K.W.及 び J.H.Fuhrhopの 論 文 、 同 書 、 206: 533-549; Forgioneら の 特 許 、 米 国 特 許 第 4,375,
972号 ; Reszke,K.及 び R.C.Sealyら の 論 文 、 Photochemistry and Photobiology、 39 :293-2
99( 1984) ; Gonsalves,A.M.d'A.R.ら の 論 文 、 Tetrahedron Lett.、 32 :1355-1358( 1991
40
))。これらの反応は、その反応体の中に存在する鉄及び他の金属イオンによって変更さ
れ、かつこれらの金属イオンは、金属ポルフィリン複合体の濃度の測定を妨害し、かつ非
常 に 混 乱 さ せ る ( Ewetz,L及 び A.Thoreの 論 文 、 Anal.Biochem., 71 :564-570( 1976) .) 。
様々な金属は、これらの金属ポルフィリンの寿命及び発光特性に、強力に影響を及ぼすで
あろう。
非 金 属 ポ ル フ ィ リ ン で あ る ジ ュ ウ テ ロ ポ ル フ ィ リ ン -IX HClは 、 溶 液 中 で ル ミ ノ ー ル か ら
の 光 の 発 生 を 仲 介 す る こ と が 示 さ れ て い る ( Katsilometes,G.W.の 前 述 の 論 文 ) 。
化学発光性反応及び非同位体リガンド結合アッセイの開発における、発光性アクリジニウ
ム の エ ス テ ル 及 び ア ミ ド 誘 導 体 の 使 用 が 、 報 告 さ れ 、 か つ 検 討 さ れ て い る ( Weeks,I.ら の
論 文 、 Clin.Chem., 29/8 :1474-1479( 1983) ; Weeks,I.及 び J.S.Woodheadの 論 文 、 Trends
50
(6)
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in Anal.Chem., 7/2 :55-58( 1988) ) 。 こ の シ ス テ ム の 特 徴 は 、 H 2 O 2 及 び NaOH酸 化 剤 ( pH1
3.0) の 存 在 下 に お い て フ ラ ッ シ ュ 型 の 反 応 速 度 を 生 じ 、 光 子 放 出 が 非 常 に 短 命 ( 5 秒 未
満)であることである。
アクリドン及び各種置換されたアクリジン及びアクリドン類の調製法が、まとめられてい
る ( Acridines,Acheson,R.M.及 び L.E.Orgelの 論 文 、 ( Interscience Publishers,N.Y.社
) 、 頁 8-33,60-67,76-95,105-123,148-173,188-199,224-233( 1956) ) 。 2 個 の ア ク リ ジ
ン残基の9位の炭素原子の結合による、ビアクリジンの形成について、これまでに明らか
に さ れ か つ 検 討 さ れ て い る ( Gleu,K.及 び R.Schaarschmidtの 論 文 、 Berichte、 8: 909-915
( 1940) ) 。 こ れ ら の 努 力 は 、 10,10'-ジ メ チ ル 、 10,10'-ジ フ ェ ニ ル 及 び 10,10'-ジ エ チ
ル -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ニ ト レ ー ト 分 子 の 合 成 へ と 繋 が っ た 。 更 に 、 こ れ ら の 分 子 は 、
10
塩基性溶液中で過酸化水素に晒された場合に、光を発生するであろうということが報告さ
れ て い る ( Gleu,K.及 び W.Petschの 論 文 、 Angew.Chem.、 48 :57-59( 1935) ; Gleu,K.及 び R
.Schaarschmidtの 論 文 、 Berichte、 8: 909-915( 1940) ) 。
ル シ ゲ ニ ン ( 10,10'-ジ メ チ ル -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ニ ト レ ー ト ) に よ る 発 光 の 機 序 が
、 広 く 研 究 さ れ て い て 、 か つ こ れ は 主 要 最 終 生 成 物 で あ る N-メ チ ル ア ク リ ド ン の 酸 化 に よ
って終わる、アクリジニウム塩及びそれらの還元生成物(ピナコール)への、一連の水酸
化 物 イ オ ン の 求 核 付 加 反 応 に 起 因 し て い る ( Janzen,E.G.ら の 論 文 、 J.Organic Chem.、 35
:88-95( 1970) ; Maeda,K.ら の 論 文 、 Bul.Chem.Soc.Japan、 50 :473-481( 1977) ; Maskie
wicz,R.ら の 論 文 、 J.Am.Chem.Soc., 101/18 :5347-5354( 1979) ; Maskiewicz,R.ら の 論 文
、 同 書 、 101/18 :5355-5364( 1979) ) 。
20
10-メ チ ル ア ク リ ジ ン の 9 位 の 炭 素 原 子 に お け る 修 飾 及 び 誘 導 体 化 は 、 安 定 性 の 異 な る い
く つ か の 有 用 な 化 学 発 光 分 子 の 生 成 に 繋 が っ て い る ( Law,S.J.ら の 論 文 、 J.Biolum.Chemi
lum.、 4: 88-98( 1989) ) 。 こ れ ら の 分 子 を 、 0.1mol/lの 硝 酸 を 溶 媒 と す る 0.5重 量 % の 過
酸 化 水 素 に 晒 し 、 そ の 後 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 0.25mol/lを 含 有 す る 別 の 溶 液 に 晒 し た 場 合 に
、5秒未満持続するようなフラッシュ光を生じる。
本願明細書において定義された発光誘導体、発光を誘導された分子又は誘導された発光分
子とは、官能基、又は前駆体分子の化学反応性及び特性を変化する基と共有結合し、アッ
セイの発現において使用することが望まれるような被検体又は特定の結合相手との複合に
適 し て い る 発 光 分 子 を 形 成 す る 分 子 で あ る 。 2 個 の 10、 10'位 の 一 方 又 は 両 方 で の ビ ア ク
リ ジ ン の N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド 誘 導 体 は 、 本 発 明 の 好 ま し い 発 光 誘 導 体 で あ る 。 第
30
一の化合物又は第一の分子の構造の少なくとも一部を保持しながら、これらの第一の化合
物又は第一の分子よりも小さいか又は大きいかのいずれかであるような新規化合物又は新
規分子を形成するために、第一の化合物又は第一の分子の反応によって、誘導体化合物又
は分子が形成される(もしくは形成することができる)場合には、これらの化合物又は分
子は、第一の化合物又は第一の分子の“誘導体”である。更に本願明細書において、用語
“誘導体”は、“発光誘導体”を含んでいる。
本 発 明 以 前 に は 、 誘 導 さ れ た 発 光 性 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 合 成 は 実 現 し て い
ない。これまでに公知である発光性ビアクリジン(例えばルシゲニン)は、その分子が他
の分子と複合することができるような反応基(複数)は含まない。現在までのところ、こ
れらのビアクリジンには、学術的な関心が向けられているのみであり、光発生の機序及び
40
反応性イオン種の相互作用の研究に利用されている。
光伝導性物質(例えば光ファイバー束)の表面での発光反応の利用は、発光性センサー及
び プ ロ ー ブ の 開 発 の 基 本 で あ る ( Blum,L.J.ら の 論 文 、 Anal.Lett.,21:717-726( 1988) )
。この発光は、特定のタンパク質(抗体)との結合によって調節され、かつ該プローブの
表面の微小環境において生じることができる。その後光の出力は、均一系(分離なし)ア
ッ セ イ 形 式 の 光 子 測 定 装 置 に よ っ て 測 定 さ れ る ( Messeri,G.ら の 論 文 、 Clin.Chem.、 30 :6
53-657( 1984) ; Sutherland,R.M.ら の 論 文 、 Complementary Immunoassays,Collins,W.P.
編 ( Jhon Wiley&Sons社 ) 、 頁 241-261( 1988) ) 。
帯 電 し た 合 成 ポ リ マ ー ( ポ リ -N-エ チ ル -4-ビ ニ ル ピ リ ジ ニ ウ ム ブ ロ ミ ド 、 PEVP) は 、 静 電
的相互作用を介して、帯電した複合体分子による光発生を完全に阻害することができるこ
50
(7)
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とが明らかになっている。このことは、陰性に帯電したペルオキシダーゼ酵素によって触
媒された、増強されたルミノールの化学発光反応について、特に研究されている。低分子
量の電解質を添加することにより、この阻害が除かれ、このことにより認められた作用の
静 電 気 的 性 質 が 裏 付 け ら れ て い る ( Valsenko,S.B.ら の 論 文 、 J.Biolum.Chemilum. ,4 :164176( 1989) ) 。
発 光 キ ャ ピ ラ リ ー 電 気 泳 動 ゲ ル 、 ゲ ル 転 移 ( gel transfers) 又 は ブ ロ ッ ト ( サ ザ ン 、 ウ
ェスタン、ノーザン及びドット)法は、タンパク質及び核酸の遺伝物質の定量測定を提供
する技術の例である。これらの技術は、被検体の発現を増幅する方法、例えばプローブ、
PCR( ポ リ メ ラ ー ゼ 複 製 連 鎖 反 応 ) バ ン ド 、 RFLP( 制 限 断 片 長 多 型 ) 法 、 並 び に 遺 伝 子 発
現 及 び 他 の 被 検 体 を 増 幅 す る よ う な 他 の 方 法 と 併 用 す る こ と が で き る ( Stevenson,R.の 論
10
文 、 Biotech.Lab.、 8: 4-6( 1990) ) 。
より多い量の光子放出を生じることが可能なビアクリジン分子の合成、及び実在するシグ
ナル溶液の改善によって、化学発光反応から得られた光の出力を増強し、かつ化学発光反
応の間により強い光を提供するような新規シグナル溶液を示すことは、アッセイの感度の
改善において有益であろう。前記シグナル溶液の配合を操作することによる光出力の反応
速度を調節する能力は、様々な用途(遺伝子プローブ、センサー、ホルモンなど)にアッ
セイを適応させるために特に有益である。
発明の要約
本発明のひとつの態様は、試料中のビアクリジン発光誘導体の存在を検出する方法である
。この方法は、試料をシグナル溶液と接触し、化学発光により、測定可能な放出された光
20
を発生すること、並びにこの放出された光を光度計又は装置を用い測定することを含む。
本発明の別の態様は、被検体、又は被検体の結合相手、又は被検体の結合相手のリガンド
と 結 合 す る こ と が で き る 、 発 光 性 の 誘 導 さ れ た 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 分 子 の 合
成法である。これらの分子は、1∼8位の炭素原子のような、この分子の別の部位に、追
加の置換基を有することができる。
更に別の本発明の態様は、化学アッセイ、リガンド結合アッセイ、イムノアッセイ又はヌ
クレオチドアッセイにおいて有用な、測定可能な光を放出する、化学発光システムを示し
て い る 。 こ の シ ス テ ム は 、 pHが 約 10.0∼ 約 14.0の 範 囲 で 、 特 定 の 活 性 化 エ ネ ル ギ ー 及 び 酸
化電位を伴う、被検体又は被検体の結合相手又は被検体の結合相手のリガンドに結合した
、 10,10'-置 換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 、 並 び に こ の ビ ア ク リ ジ ン の 固 有 の 酸 化 電 位 に
30
優ることが可能な、酸化体又は酸化体の組み合わせを含む。このシステムにおいて、ビア
クリジンは、化学アッセイ、均一系、不均一系の競合型及びサンドイッチ型イムノアッセ
イ、リガンド結合アッセイ、及びヌクレオチドアッセイにおける、化学発光の発生のため
の発光標識(トリガー又はタグ)として作用する。この光は、求核性反応物及び1個又は
複数の酸化体を含有するシグナル溶液に、ビアクリジン標識を暴露することによって発生
する。
10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン は 、 こ の 標 識 が 、 公 知 の 化 学 発 光 標 識 よ り も 感 度 が 優 れ
ている(すなわちより少量の被検体を検出する)ので、特に有益であり、かつ前記シグナ
ル溶液の配合を操作することによって、光発生の反応速度を修飾することができ、これは
短 く と も 0.1秒 、 か つ 長 い と 6 秒 も の 反 応 速 度 を も た ら す 安 定 し た 光 を 生 じ る 。
40
本 発 明 の 更 な る 態 様 は 、 強 力 な 発 光 特 性 を 有 す る 、 新 規 の 10-置 換 ビ ア ク リ ジ ン 類 の 合 成
法である。この方法は、前述の置換基のエステル化、出発物質(アクリドン)のアルキル
化 、 こ の 分 子 の 二 量 体 化 、 及 び ( 必 要 で あ る な ら ば ) N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド に よ る
誘導体化を含む。
本発明の他の態様は、発光分子である化学発光性の標識と反応した場合に、化学発光を生
じ る よ う な 、 化 学 発 光 性 の シ グ ナ ル 溶 液 で あ る 。 こ の シ グ ナ ル 溶 液 は 、 pHが 約 10.0∼ 約 14
.0で 、 0.02M四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム ( ホ ウ 砂 ) 、 エ チ レ ン ジ ア ミ ン 四 酢 酸 ( EDTA) 、 ジ メ チ
ル ス ル ホ キ シ ド ( DMSO) 、 D( -) フ ル ク ト ー ス 、 超 酸 化 カ リ ウ ム ( KO 2 ) 及 び 2-メ チ ル -2プロパノールを含む。この化学発光性標識が、アクリジニウム誘導体、ルシゲニン、ルシ
ゲニン発光誘導体、ビアクリジン、ビアクリジニウム発光誘導体、環式ジアシルヒドラジ
50
(8)
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ド 又 は プ テ リ ジ ン で あ る 場 合 は 、 こ の 反 応 は 、 短 く と も 0.1秒 間 で 、 標 識 濃 度 が 1ng/mlで
の シ グ ナ ル に 対 す る ノ イ ズ 光 子 放 出 の 比 は 、 少 な く と も 20:1で あ ろ う 。 標 識 及 び シ グ ナ ル
溶 液 の 成 分 の 濃 度 変 化 に 応 じ て 、 標 識 濃 度 1ng/mlで の シ グ ナ ル 比 は 、 50:1、 100:1、 200:1
、 500:1、 並 び に 700:1及 び そ れ 以 上 で さ え で も あ る こ と が で き る 。 更 に こ の 放 出 を 、 6 秒
まで、もしくはそれ以上に、操作することができる。
更に、このシグナル溶液は、これまでに公知のシグナル溶液で得られた出力よりも、光出
力の顕著な増加及び光出力反応速度の変化を生じる、アクリジニウム誘導体、ルシゲニン
及 び 10,10'-置 換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 化 学 発 光 を 誘 発 す る こ と が で き る こ と も 明
らかにされている。
【図面の簡単な説明】
10
図1は、本発明のシグナル溶液でフラッシュした場合の、相対的化学発光を、シグナル剤
( ゼ ロ ) 、 ル シ ゲ ニ ン 、 及 び 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン に つ い て 比 較 し
た実験結果を表すヒストグラムである。
図2は、本発明の標識を、抗体に複合した場合の、走査型分光光度計での測定結果を表す
チャート図である。
図 3 は 、 本 発 明 の シ グ ナ ル 溶 液 で 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン で 標 識 さ れ た 抗 体 を
フラッシュした場合に、得られたシグナルの直線性を表している曲線である。
図4は、本発明のシグナル剤の様々な配合について得られた、光出力反応速度の変動を示
す、反応速度論的研究である。
図 5 は 、 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン ジ ニ ト レ ー ト の N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ
20
ンイミド誘導体の好ましい合成法の流れの略図である。
発明の詳細な説明
本願明細書中の単語及び用語は、その通常の定義を意味するにもかかわらず、本発明の好
ましい実施態様については、下記の定義を適用する。
本願明細書において定義されたように、シグナル溶液は、特定の発光分子又は特定の発光
を仲介する分子と結合した場合に、光の発生を引き起こすであろう試薬又は試薬群を含ん
でいる。本願明細書において定義された発光性の標識又はタグは、シグナル溶液と結合し
た場合に光を発生するか、もしくは発生される光の原因となるかのいずれかであるような
、被検体、被検体の結合相手、又は被検体の結合相手のリガンドと、直接的(例えば共有
結合)又は間接的(例えば、ビオチン−アビジン又はビオチン−ストレプトアビジン橋の
30
ような特定の結合物質(タンパク質)によって)のいずれかで結合した物質である。発光
標識は、発光分子(すなわち光を放出する物質である。)である。
本願明細書において定義されたように、発光分子とは、化学溶液の成分による電子の励起
に続く、基底状態への軌道電子の崩壊と同時に、光子(複数)を放出するような物質であ
る。
本願明細書において使用されるように、発光性反応物は、遊離の発光分子(すなわち、被
検体、被検体の結合相手、又は被検体の結合相手のリガンドと結合していない発光分子)
である。更に本願明細書において使用された単数の用語“発光分子”は、更に複数の“発
光分子類”も含んでいる。更に本願明細書において使用されたように、単数の用語“発光
を仲介する分子”は、同様に複数の意味も含む。
40
本願明細書において使用されたように、シグナル溶液は、遊離の分子(すなわち、被検体
、被検体の結合相手、又は被検体の結合相手のリガンドと結合していない)で構成される
。同じく本願明細書において使用されるように、単数の用語“発光分子”は、更に複数の
“発光分子類”も含んでいる。更に本願明細書において使用されるように、単数の用語“
発光を仲介する分子”は、同様に複数の意味も含む。
本発明は、直接又は間接のいずれかで、被検体、被検体の結合相手、被検体の結合相手の
リ ガ ン ド と 結 合 し て い る 、 発 光 性 10,10'-置 換 9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 誘 導 体 分 子 の 合 成 法 を 企
図する。
本 発 明 は 更 に 、 試 料 中 の 、 特 定 の 活 性 化 エ ネ ル ギ ー 及 び 酸 化 電 位 を 有 す る 、 10,10'-置 換 9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 発 光 誘 導 体 の 存 在 を 検 出 す る 方 法 を 企 図 し て い る 。 こ の 方 法 は 、 10,10
50
(9)
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'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 特 定 の 活 性 化 エ ネ ル ギ ー 又 は 酸 化 電 位 を 低 減 す る こ と が 可 能
な、酸化体を少なくとも1種含有するシグナル溶液と、試料を接触することを含む。この
10,10'-置 換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 及 び 酸 化 体 は 反 応 し 、 化 学 発 光 に よ り 放 出 さ れ た
光 を 生 じ る 。 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン に よ る 光 の 化 学 的 発 生 の 前 提 と な る 機 序 は
、 ビ ア ク リ ジ ン へ の 、 水 酸 化 イ オ ン の よ う な 求 核 試 薬 の 添 加 で 始 ま り 、 9,9'-炭 素 原 子 間
で の こ の 二 量 体 の 分 裂 ( schism) へ と 続 く で あ ろ う 。 こ の 分 裂 は 、 Janzenら が 論 じ た よ う
に 、 光 を 発 生 す る た め に 酸 化 さ れ る 、 2 個 の N-メ チ ル ア ク リ ド ン 分 子 を 生 成 す る ( Janzen
ら 、 Maedaら 及 び Maskiewiczら の 前 述 の 論 文 ) 。 適 当 な 発 光 分 子 か ら の 電 子 の 引 抜 に よ り
、発光分子の基底エネルギー状態への崩壊と同時に光子を放出する励起した中間体が形成
さ れ る 。 そ の 後 こ の 光 は 、 好 ま し く は 、 バ ー ト ホ ー ル ド ル マ ッ ト ( Berthold Lumat) LB 9
10
50発 光 測 定 器 の よ う な 、 分 光 光 度 計 又 は 装 置 に よ っ て 測 定 さ れ る 。 こ の 方 法 は 、 溶 液 中 の
発蛍光団を検出するために使用される通常の蛍光測定法において直面する、干渉及び自己
吸収の問題がないので、より高感度であり、かつより良い精度である。
超 酸 化 カ リ ウ ム ( potassium superoxide) は 、 前 述 の 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の
酸化電位に優っているので好ましい。しかし、四酸化オスミウム又は過酸化水素のような
他 の 酸 化 体 と 一 緒 の 超 酸 化 カ リ ウ ム も 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 固 有 の 酸 化 電
位に優ることが可能な、更に別の酸化体混合物である。
更に本発明は、化学アッセイ、イムノアッセイのようなリガンド結合アッセイ、又はヌク
レオチドアッセイにおいて有用な、測定可能な光を放出する化学発光システムを示してい
る 。 こ の シ ス テ ム は 、 pHが 約 10.0∼ 約 14.0の 範 囲 で 、 酸 化 電 位 を 有 し 、 被 検 体 又 は 被 検 体
20
の 結 合 相 手 又 は 被 検 体 の 結 合 相 手 の リ ガ ン ド に 結 合 し た 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ
ン 発 光 誘 導 体 、 並 び に こ の 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 酸 化 電 位 を 低 下 す る こ と が
可 能 で あ る よ う な 、 少 な く と も 1 種 の 酸 化 体 を 含 有 し て い る 。 本 質 的 に 、 こ の 10,10'-置
換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン は 、 標 識 ( す な わ ち タ グ 又 は ト レ ー サ ー ) と し て 作 用 し 、 か
つ化学発光反応において、光を発生する。このイムノアッセイは、均一系又は不均一系、
も し く は 競 合 型 又 は サ ン ド イ ッ チ 型 の ア ッ セ イ で あ っ て よ い 。 こ の 光 は 、 10,10'-置 換 -9,
9'-ビ ア ク リ ジ ン が 、 1 個 又 は 複 数 の 酸 化 体 に 晒 さ れ る と す ぐ に 、 化 学 発 光 に よ っ て 、 こ
の 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン か ら 発 生 す る 。
このシステムは特に、核酸、抗体、抗原、ハプテン又はハプテン複合体、巨大分子、タン
パク質又はポリマーのような被検体の検出において有用である。このシステムにおいて、
30
被検体の結合相手は、ヌクレオチドプローブ、抗体、抗原、ハプテン、ハプテン複合体、
巨大分子、タンパク質又はポリマーであってよい。
本願明細書において使用されたリガンドは、連結又は結合している分子を意味し、かつ抗
原、抗体、ハプテン、ハプテン複合体、巨大分子、タンパク質、もしくはポリ炭化水素、
ポリグリセリド、又は多糖類のような、タンパク質以外のポリマーを含む。
本願明細書において使用されたハプテン複合体は、他の分子に結合した小さい分子(すな
わ ち 、 分 子 量 6,000ダ ル ト ン 未 満 の 分 子 ) で あ る 。 特 に 適 し た ハ プ テ ン 複 合 体 は 、 ス テ ロ
イ ド 分 子 -10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 複 合 体 で あ る 。 こ の 被 検 体 は 、 そ の 結 合 相 手 と
結 合 す る こ と が で き る 、 も し く は そ の 結 合 相 手 は 、 ビ オ チ ン -ア ビ ジ ン 又 は ビ オ チ ン -ス ト
レプトアビジン橋によりそのリガンドと結合することができる。更にこのリガンドは、ビ
40
オチン、アビジン又はストレプトアビジンであることができ、かつこの被検体は、同じく
ビ オ チ ン -ア ビ ジ ン 、 ビ オ チ ン -ス ト レ プ ト ア ビ ジ ン シ ス テ ム を 介 し て 、 10,10'-置 換 -9,9'
-ビ ア ク リ ジ ン と 結 合 す る こ と が で き る 。 こ の シ ス テ ム が 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ
ン発光標識、及び酸化体として超酸化カリウムを含有している場合には、このシステムは
、 高 感 度 ( 抗 体 又 は 抗 原 の 分 子 10
-16
∼ 10
-20
を検出)を提供する。このシステムが、キレ
ー ト 剤 、 DMSO、 D( -) フ ル ク ト ー ス 、 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル 、 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水
溶液、及びその酸化電位に優ることが可能な酸化体の組み合わせを含有する場合には、更
に 高 い 感 度 ( 抗 体 又 は 抗 原 の 分 子 10
-22
までを検出)さえもが得られる。
前 述 の 化 学 発 光 シ ス テ ム は 、 pHが 約 10∼ 約 14の 範 囲 で 有 効 で あ る が 、 好 ま し い pHは 、 約 12
.5∼ 13.5で あ る 。
50
(10)
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こ の シ ス テ ム に お け る 他 の 試 薬 類 と 一 緒 の 10,10'-置 換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン タ グ の
化学発光特性は、このシステムを、多数のハプテン、並びに例えばホルモン、ビタミン、
毒、タンパク質、感染性及び伝染性物質、化学物質、医薬品、腫瘍マーカー、受容器、ビ
オ チ ン 、 ア ビ ジ ン 、 ス ト レ プ ト ア ビ ジ ン 及 び 遺 伝 物 質 の よ う な 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア
クリジンに直接又は間接に複合される巨大分子の被検体の、超高感度アッセイの開発に、
特 に 適 し て い る 。 更 に こ の 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン は 、 化 学 発 光 ア ッ セ イ の 開 発
において使用される抗体のような、特異的結合タンパク質に、直接又は間接に複合するこ
とができる。
本発明は更に、特定の酸化電位を有し、被検体、被検体の結合相手又は被検体の結合相手
の リ ガ ン ド に 結 合 し て い る 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 、 並 び に pHが 約 10.0∼ 約 14.0
10
の範囲で、前述の酸化体、超酸化カリウム、又は四酸化オスミウム及び超酸化カリウムを
含む酸化体の組み合わせを含有するシグナル溶液を含む、化学アッセイ、イムノアッセイ
、リガンド結合アッセイ又は核酸アッセイにおいて有用な、測定可能な光を放出する化学
発光システムを示す。
本発明のシグナル溶液で使用される発光分子の例は、アクリジニウム誘導体、プテリジン
、プテリジン誘導体、ルシゲニン、ルシゲニン誘導体、ルシフェリン、ルシフェリン誘導
体、環式ジアシルヒドラジド(ルミノール、又はイソルミノール)であり、ジメチルアク
リ ジ ニ ウ ム エ ス テ ル の よ う な ア ク リ ジ ニ ウ ム 誘 導 体 、 又 は N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド 誘
導体のようなルシフェリン及びルシゲニン誘導体が好ましい。
更に、この化学発光システムは、競合型及びサンドイッチ型イムノアッセイを含む均一系
20
及 び 不 均 一 系 の ア ッ セ イ に 向 い て い る 。 前 述 の よ う に 、 シ グ ナ ル 溶 液 が 、 EDTA、 DMSO、 D
( -) フ ル ク ト ー ス 、 少 な く と も 1 種 の 酸 化 体 、 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル 及 び 四 ホ ウ 酸 ナ
トリウム水溶液を含有する場合には、このシステムの感度は、極めて高い。更に、この被
検体は、核酸、抗原、抗体、ハプテン、ハプテン複合体、巨大分子、タンパク質又はポリ
マーであってよい。均一系アッセイは、ポリイオンのような標識発光の阻害剤の使用に関
連するであろう。例えば、ポリ(ビニルアルキル)のようなポリカチオンが、未結合の正
に 帯 電 し た 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム で 標 識 さ れ た 化 合 物 を 阻 害 す る 一 方 で 、
ポ リ ( 4-ビ ニ ル ピ リ ジ ニ ウ ム ジ ク ロ メ ー ト ) の よ う な ポ リ カ チ オ ン は 、 未 結 合 ジ ュ ウ テ ロ
ポ ル フ ィ リ ン IX二 塩 酸 塩 ( DPIX) で 標 識 さ れ た 化 合 物 を 阻 害 す る で あ ろ う 。 こ の 場 合 の ア
ッセイにおける未結合は、例えばその化合物が抗原で標識された複合体である場合は、こ
30
れが、抗体などと結合しないことを、もしくはその化合物が抗体で標識された複合体であ
る場合には、抗原などと結合しないことを意味する。
本発明は更に、試料中の二種の被検体の存在を検出するための化学発光性の不均一系のア
ッ セ イ に お け る 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の 使 用 法 を 示 す 。 検 出 に 適 し た 被 検 体
は、核酸、抗体、抗原、ハプテン、ハプテン複合体、巨大分子、ポリマー又はタンパク質
である。更に、この方法は、化学アッセイ、ヌクレオチドアッセイ、又はイムノアッセイ
のようなリガンド結合アッセイであることができる。この方法は、同じくこれらのアッセ
イのいずれかの組み合わせであってもよい。本発明は、第一の被検体、又はその被検体の
結 合 相 手 、 又 は そ の 被 検 体 の 結 合 相 手 の リ ガ ン ド へ の 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン
タグの複合、並びに非金属テトラピロール発光分子、又は酵素のような化学発光を仲介す
40
る分子などの、様々なタグ又は標識の、第二の被検体、又は第二の被検体の結合相手、又
は第二の被検体の結合相手のリガンドへの結合に関する。これらの被検体は、ポリヌクレ
オチド鎖、クロリンのような化学的に活性がある化合物、もしくは抗体、抗原、ハプテン
、ハプテン複合体、巨大分子、タンパク質又はポリマーのような免疫的に活性がある化合
物であってよい。
一般に、二元のサンドイッチ型イムノアッセイにおいて、第一の被検体のある部位への結
合相手は、ガラス、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリスチレンなどの固相に付
着し、かつその結果被覆された固相は、該被検体の第二の部位で、該試料及び第二の結合
相 手 と 接 触 し て い る 。 こ の 第 二 の 結 合 相 手 は 、 該 標 識 ( 例 え ば 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク
リジン誘導体)に複合されている。この標識及び結合相手が当然異なる場合を除いて、同
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じ状況が、第二の被検体についても存在する。この固相を洗浄し、かつこの結合した複合
体を、適当な1種のシグナル溶液、又は複数のシグナル溶液に晒す。一般に、競合型アッ
セイにおいては、該固相は、対象となる各被検体に特異的な少い濃度の結合相手で被覆さ
れ て い る 。 そ の 後 こ の 固 相 は 、 該 試 料 、 及 び 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン に 複 合 さ れ
た測定された量の第一被検体、及び他の発光標識に複合された測定された量の第二の被検
体と、接触させる。接触後、この固相を洗浄し、結合していない複合体を除去する。サン
ドイッチ型又は競合型アッセイのいずれでも、洗浄された固相は、最初に、標識及び溶液
が反応し光を放出し、かつこの特異的標識に関連した被検体の量が放出された光量を測定
することによって決定されるような、二個の標識の一方のみに特異的であるシグナル溶液
で、個別に処理され、その後、この固相は、標識及びシグナル溶液が反応し光を放出する
10
ような、もう一方の被検体に関連する第二標識又はタグに特異的な別の化学発光性シグナ
ル溶液と、個別に接触される。更に、第二の反応からの光の測定は、該試料中に存在する
第二被検体の量を決定するであろう。
前述の2種の異なる標識の結果生じた光は、異なる特性を示す(すなわち、各標識によっ
て発せられた光の波長が、異なる、もしくは反応の1秒当たりに生じた光の実際の量が、
2個の標識間で異なりうる。)ので、前述の洗浄した相を、両方の複合体によって同時に
光を生じ、該試料中の各被検体の量を測定するために、その光を区別し、かつ光を測定す
るような、シグナル溶液で処理することは可能である。あるものは、蛍光分析において使
用されるような、時間分解発光分析を用いることによって、2個の異なる標識の結果発生
し た 光 を 区 別 す る こ と が で き る ( Lovgren,T.及 び K.Petterssonの 論 文 、 Luminescence Imm
20
unoassay and Molecular Applications、 Van Dyke K.及 び R.Van Dyke編 、 CRS Ress,Boca
Raton,Ann Arbor,Boston,MA.頁 233-254( 1990) ) 。
波 長 の よ う な 発 光 特 性 の 差 も 、 使 用 す る こ と が で き る ( Kleinerman,M.ら の 論 文 、 Lumines
cence of Organic and Inorganic Materials,Kallmann,H.P.及 び G.M.Spruch編 、 Internat
ional Conference,ニ ュ ー ヨ ー ク 大 学 、 Washington Square、 後 援 Air Force Aeronautical
Research Laboratory,Army Research Office,Curham Office of Naval Research,N.Y.U.
、 頁 197-225( 1961) ) 。
ビアクリジニウム誘導体による二元被検体アッセイに適している好ましい発光標識は、ジ
メチルアクリジニウムエステルのような、アクリジニウム誘導体、又は非金属テトラポリ
オールであるが、これまでに論じられているいくつかの他の発光標識も、適している。好
30
ま し い 非 金 属 テ ト ラ ポ リ オ ー ル は 、 DPIXで あ る 。 DPIX標 識 に よ り 光 放 出 を 生 じ る 好 ま し い
シ グ ナ ル 溶 液 は 、 pHが 約 10.0∼ 約 14.0で 、 ト ラ ン ス 、 ト ラ ン ス -5-( 4-ニ ト ロ フ ェ ニ ル ) 2,4,-ペ ン タ ジ エ ナ ー ル 、 ジ -2-エ チ ル ヘ キ シ ス ル ホ コ ナ ク 酸 ナ ト リ ウ ム 、 発 光 反 応 物 の ル
ミノール、グルコース、ベンジルトリメチル水酸化アンモニウム、クメンヒドロペルオキ
シ ド 、 パ ラ 過 ヨ ウ 素 酸 三 ナ ト リ ウ ム 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 及 び EDTAを 含 ん で い る 。 結 合 し た 10
,10'-置 換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の フ ラ ッ シ ン グ に 最 も 適 し た シ グ ナ ル 溶 液 は 、 pHが
約 10.0∼ 約 14.0で 、 0.02Mホ ウ 砂 、 EDTA、 DMSO、 D( -) フ ル ク ト ー ス 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 、 2
-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル 及 び 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 を 含 ん で い る 。 被 検 体 の 複 合 体 の
ひとつが、酵素で標識された被検体複合体であるならば、その酵素の基質を、このシグナ
ル溶液に添加することができる。
40
更に、本発明は、試料中の二元被検体を検出するための、化学発光性の均一系アッセイを
示している。競合型アッセイにおいて、固相は、各々の異なる被検体に特異的な結合相手
で被覆される。この固相は、テトラピロールが標識の一種として使用される場合には、更
に 発 光 反 応 物 で 被 覆 す る こ と が で き る 。 従 っ て 、 そ の 後 被 覆 さ れ た 固 相 は 、 該 試 料 と 、 10
,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 標 識 に 複 合 し た 既 知 量 の 被 検 体 の 一 方 と 、 ビ ア ク リ ジ ン 以
外の発光標識に複合された既知量の他方の被検体と、並びに結合していない複合体の発光
標 識 の 酸 化 電 位 に 優 る こ と を 妨 げ る こ と に よ っ て 、 抗 -TSH-10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ
ンのような未結合ビアクリジンの発光標識の複合体を阻害することが可能である、ポリイ
オ ン ( ポ リ -N-エ チ ル -4-ビ ニ ル ピ リ ジ ニ ウ ム ブ ロ ミ ド 、 ポ リ -4-ビ ニ ル ピ リ ミ ジ ニ ウ ム ジ
クロメート、ポリ塩化ビニル、ポリ(ビニルアルコール)、又はポリ(塩化ビニルベンジ
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ル ) ) と 、 接 触 さ せ る ( Vlasenko,S.B.ら の 論 文 、 J.Biolum.Chemilum.,4:164-176( 1989
) ) 。 DPIX抗 体 複 合 体 の よ う な 、 結 合 し て い な い 発 光 標 識 抗 体 の 複 合 体 を 阻 害 す る こ と が
必要であるようなアッセイにおいて、ポリカチオンを使用することができる。接触後、こ
の固相を、一方の標識に特異的なシグナル溶液と、該固相と同時又は個別に接触する両方
の複合体による、放出光の発生、及びこの放出光の測定、及びその後の他方の複合体の標
識による放出光に特異的なシグナル溶液と固相の個別の接触のいずれかが可能なシグナル
溶液で処理する。
本 発 明 は 、 更 に pH約 10.0∼ 約 14.0の 範 囲 で 、 緩 衝 液 中 に 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 約 150mM∼ 約 450
mM、 好 ま し く は 300mMを 含 有 す る 水 溶 液 を 含 む 、 化 学 発 光 シ グ ナ ル 溶 液 を 示 し て い る 。 好
ま し い 緩 衝 液 は 、 四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム で あ る が 、 ト リ ズ マ ベ ー ス ( trizma base) 又 は ホ
10
ウ酸のような他の溶液も有効に作用する。このシグナル溶液と共に標識として使用するの
に 好 ま し い 発 光 分 子 は 、 ア ク リ ジ ニ ウ ム 及 び 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 誘 導 体 で あ
る 。 し か し 、 KO 2 シ グ ナ ル 溶 液 と 共 に 使 用 す る 場 合 に は 、 イ ソ ル ミ ノ ー ル 単 独 、 及 び 発 光
反 応 物 で あ る ル ミ ノ ー ル と の 複 合 体 で あ る ジ ュ ウ テ ロ ポ ル フ ィ リ ン IX・ 2HClも 、 標 識 と し
て 適 し て い る 。 緩 衝 化 し た シ グ ナ ル 溶 液 中 で KO 2 を 、 10,10'-置 換 さ れ た -9,9'-ビ ア ク リ ジ
ン 又 は そ れ ら の 誘 導 体 の よ う な 発 光 分 子 、 も し く は エ ス ト ラ ジ ー ル 17β -10,10'-置 換 -9,9
'-ビ ア ク リ ジ ン 又 は 抗 -TSH-10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の よ う な 発 光 標 識 複 合 体 と 反
応 す る 場 合 に は 、 標 識 濃 度 が 1ng/mlで 、 短 く と も 0.1秒 間 、 少 な く と も 20:1の シ グ ナ ル 対
ノイズ光子放出比をもたらす。このシグナル溶液及び様々なビアクリジンで標識された複
合 体 を 用 い る と 、 該 標 識 よ っ て 、 シ グ ナ ル 比 は 、 標 識 濃 度 が 1 ng/mlで 、 50:1、 100:1又 は
20
200:1及 び そ れ 以 上 で あ る こ と が で き る 。 更 に こ の 発 光 が 、 6 秒 も し く は そ れ よ り も 長 く
続くように操作することができる。
本 発 明 は 更 に 、 pH約 10.0∼ 約 14.0の 範 囲 で 、 0.02Mホ ウ 砂 水 溶 液 、 EDTA、 DMSO、 D( -) フ
ル ク ト ー ス 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 、 及 び 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル を 含 む 、 化 学 発 光 性 シ グ ナ
ル溶液を示している。このシグナル溶液は、従来の公知のシグナル溶液で得られた出力よ
り も 、 光 出 力 の 顕 著 な 増 加 及 び 光 出 力 速 度 の 変 化 を も た ら す 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク
リ ジ ン 誘 導 体 の 複 合 体 の 化 学 発 光 を 誘 起 す る こ と が で き る 。 こ の 溶 液 が 、 10,10'-置 換 -9,
9'-ビ ア ク リ ジ ン 抗 体 又 は 抗 TSH-10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の よ う な 発 光 標 識 又 は 発
光 標 識 複 合 体 と 反 応 し た 場 合 に は 、 短 く と も 0.1秒 の 間 で 、 標 識 濃 度 が 1mg/mlで の 、 シ グ
ナ ル 対 ノ イ ズ 光 子 放 出 比 は 、 500:1で あ る ( 図 3 参 照 ) 。 更 に 、 こ の シ グ ナ ル 比 は 、 該 溶
30
液 及 び 特 に 標 識 さ れ た 複 合 体 の 変 化 に 応 じ て 、 標 識 濃 度 が 1 ng/mlで 、 50:1、 100:1、 及 び
700:1か そ れ 以 上 で あ っ て も よ い 。 こ の 発 光 も 同 じ く 、 6 秒 も し く は そ れ よ り も 長 く 続 く
ように操作することができる。
更 に 本 発 明 は 、 pH約 10.0∼ 約 14.0の 範 囲 で 、 ホ ウ 砂 水 溶 液 中 に 、 EDTA、 DMSO、 D( -) フ ル
ク ト ー ス 、 超 酸 化 カ リ ウ ム 、 及 び 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル を 含 む 、 シ グ ナ ル 溶 液 を 示 し
ている。前述のシグナル溶液が使用されている、本発明の全ての態様において、成分、成
分添加の順序、及び成分の濃度に関しては、実施例2に示された方法に従って調製される
ことが好ましい。しかしこれらの成分は、変更された順序、及び他の成分濃度で添加する
ことができ、下記も適している:
− ホ ウ 砂 : 0.005∼ 0.05Mの 水 性 緩 衝 液
40
− EDTA: 0.002∼ 0.2mM
− DMSO: 前 記 ホ ウ 砂 緩 衝 液 の 0 ∼ 8 μ l/ml
− D( -) フ ル ク ト ー ス : 緩 衝 液 の 2 ∼ 10mg/ml
− 超 酸 化 カ リ ウ ム : 210∼ 365mM
− 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル : 緩 衝 液 の 0.05∼ 0.25ml/mlで あ る 。
こ の 溶 液 が 、 10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン の よ う な 発 光 標 識 と 反 応 す る 場 合 に は 、 こ
の 発 光 反 応 物 は 、 発 光 標 識 濃 度 1ng/mlで の 、 シ グ ナ ル 対 ノ イ ズ 光 子 放 出 比 は 、 少 な く と も
300:1を も た ら す 。 更 に 、 そ の 標 識 に 応 じ て 、 標 識 濃 度 1 ng/mlで 、 こ の シ グ ナ ル 比 は 、 50
:1、 100:1、 200:1な ど で あ る こ と が で き る 。 こ の 発 光 も 、 6 秒 も し く は そ れ よ り も 長 く 続
くように操作することができる。
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実施例1
10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 誘 導 体 の 合 成
こ の 誘 導 さ れ た 発 光 ビ ア ク リ ジ ン 分 子 の 合 成 法 は 、 前 述 の Acheson及 び Orgelの 論 文 に よ っ
て 明 ら か に さ れ た 、 ジ フ ェ ニ ル ア ミ ン -2-カ ル ボ ン 酸 及 び N-ベ ン ゾ イ ル ジ フ ェ ニ ル ア ミ ン 2-カ ル ボ ン 酸 の 環 化 に よ る 、 ア ク リ ド ン の 合 成 を 含 む 。 ( 化 学 物 質 及 び 溶 媒 は 全 て 、 シ グ
マ / ア ル ド リ ッ ヒ 社 ( セ ン ト ル イ ス 、 米 国 ) 、 及 び パ シ フ ィ ッ ク パ ク 社 ( ホ リ ス タ ー 、 CA
)から入手することができる。)更にアクリドンは、シグマ/アルドリッヒ社から購入す
ることができる。
ア ク リ ド ン の 調 製 に 加 え 、 ア ク リ ド ン の 10位 の 炭 素 原 子 に 、 共 有 結 合 に よ り 、 メ チ ル エ ス
テル置換分子を合成した。この実施例で使用したビアクリジン分子を誘導するための置換
10
分子は、ビアクリジンの更なる誘導体化、又は抗原、抗体などの他の分子へのこのビアク
リジンの結合をもたらすような官能基を有する分子である。通常本発明の方法で使用され
た 置 換 分 子 は 、 分 子 量 約 10,000以 下 で あ る 。 こ の 実 施 例 に お い て 、 置 換 分 子 α -ブ ロ モ -パ
ラ -ト ル イ ル 酸 の メ チ ル エ ス テ ル 化 を 行 な っ た 。 分 子 の 一 方 の 端 に 優 れ た 脱 離 基 ( 複 数 )
(ハロゲン原子(複数)など)を有し、かつこの分子のどこかに官能基(複数)が存在す
る別の分子も、置換分子として役立ち、かつ連続的にエステル化を受ける。この型の別の
置 換 分 子 の 良 い 例 は 、 ヨ ー ド 酢 酸 で あ る 。 エ ス テ ル 化 は 、 メ タ ノ ー ル を 溶 媒 と す る 10% 三
フ ッ 化 ホ ウ 素 の 中 で の 、 こ の 置 換 分 子 の 反 応 に よ っ て 達 成 さ れ た ( 置 換 分 子 1g当 た り 三 フ
ッ 化 ホ ウ 素 -メ タ ノ ー ル 25mlの 添 加 が 好 ま し い 。 ) 。 こ れ を 、 室 温 で 、 少 な く と も 10時 間
かけて反応させ、かつ得られたメチルエステルを、分液ロートを用い、塩化メチレンで抽
20
出 し た 。 こ の 抽 出 物 を 、 H 2 Oで 2 回 、 0.1M炭 酸 水 素 ナ ト リ ウ ム で 1 回 、 及 び 再 び H 2 Oで 2 回
洗 浄 し た 。 回 転 式 蒸 発 器 で あ る RE120回 転 蒸 発 装 置 を 用 い 、 60℃ で 、 そ の 体 積 を 減 少 し 、
乾燥した。別のメチルエステルの合成法は、エーテルを用い、その後ジアゾメタンを添加
し、かつ5%濃硫酸を含有するメタノールを使用するものである。
この合成の次の工程は、アクリドンのアルキル化であった。これを実現するために、アク
リ ド ン 5.4mM及 び 水 素 化 ナ ト リ ウ ム 6.5mMを 、 無 水 テ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ( THF) 100mlに 添 加
し た 。 そ の 後 こ の 混 合 物 を 、 ア ル ゴ ン ガ ス 下 で 、 攪 拌 し な が ら 、 70℃ で 、 2 時 間 還 流 し た
。 こ の 混 合 物 に 、 置 換 基 メ チ ル エ ス テ ル ( 例 え ば α -ブ ロ モ -パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ ル エ ス
テ ル ) 5.5mMを 添 加 し 、 か つ こ の 混 合 物 を 、 攪 拌 し な が ら 、 70℃ で 、 10∼ 13時 間 還 流 し た
。塩化メチレンを溶媒とする2%メタノールを用いた、シリカゲル薄層クロマトグラフィ
30
ー ( ベ ー カ ー ケ ミ カ ル ( Baker Chemical) 社 、 フ ィ リ ッ プ ス バ ー グ 、 PA) に よ り 、 加 水 分
解 さ れ た ア ク リ ド ン -10-置 換 体 の R f =0.2の ス ポ ッ ト ; 未 反 応 の ア ク リ ド ン の R f =0.4の 第 二
の ス ポ ッ ト ; 未 知 の 化 合 物 の R f =0.5の 第 三 の ス ポ ッ ト ( 非 常 に 小 さ い ) ; ア ク リ ド ン -10置 換 の メ チ ル エ ス テ ル ( ア ク リ ド ン -10-パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ ル エ ス テ ル ) の R f =0.6; 及
び 未 反 応 の 置 換 基 メ チ ル エ ス テ ル の R f =0.9の 第 五 の ス ポ ッ ト が 明 ら か に な っ た 。 こ の 反 応
混合物は、沈殿を含む、明るい淡黄褐色を呈した。この沈殿(ほとんど加水分解されたア
ク リ ド ン -10-置 換 体 ) を ろ 過 に よ り 除 去 し た 。 得 ら れ た ろ 液 を 、 分 液 ロ ー ト の 中 で 、 酢 酸
エチル及び水で抽出し、残留している塩及び加水分解された物質を除去した。不純物は、
水 相 に 残 留 し た 。 有 機 相 ( 酢 酸 エ チ ル 相 ) の 体 積 を 、 回 転 蒸 発 装 置 を 用 い 、 60℃ で 、 減 少
し、乾燥した。その後、塩化メチレンを添加し、未反応(不溶性)のアクリドン沈殿を、
40
ろ 過 に よ り 除 去 し た 。 次 に 、 こ の 塩 化 メ チ レ ン 抽 出 物 を 、 シ リ カ -60カ ラ ム で 、 塩 化 メ チ
レ ン を 溶 媒 と す る 3 % 酢 酸 エ チ ル で 溶 出 精 製 し た 。 ア ク リ ド ン -10-パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ
ルエステルを溶出し、これは最初の黄色の帯に含まれていた。この物質を、回転蒸発装置
を 用 い 、 酢 酸 エ チ ル -塩 化 メ チ レ ン 溶 出 液 を メ タ ノ ー ル に 交 換 ( 回 転 蒸 発 装 置 の 連 続 供 給
チ ュ ー ブ を 通 じ て ) し て 、 再 度 濃 縮 し た 。 こ の 精 製 さ れ た ア ク リ ド ン -10-置 換 さ れ た メ チ
ルエステルは、明るい黄色の結晶性物質として沈殿した。この沈殿をろ過し、メタノール
で 洗 浄 し た ( 収 率 約 50% ) 。 こ れ ら の 分 子 及 び こ れ ら の 酸 前 駆 体 は 、 ( 例 え ば ) 403nmで
励 起 し 、 か つ 440nmで 発 光 す る 、 ア ク リ ド ン -10-パ ラ -ト ル イ ル 酸 及 び そ の NHS誘 導 体 ; 並
び に 398nmで 励 起 し 、 か つ 438nmで 発 光 す る 、 ア ク リ ド ン -10-酢 酸 及 び そ の NHS誘 導 体 を 伴
う、活性のある発蛍光団であった。
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更 に 、 ア ク リ ド ン -10-置 換 さ れ た 中 間 体 ( 例 え ば ア ク リ ド ン -10-酢 酸 ) を 、 水 6mlを 溶 媒
と す る 、 2-ク ロ ロ 安 息 香 酸 8.45g、 N-フ ェ ニ ル グ リ シ ン 7.80g、 無 水 炭 酸 カ リ ウ ム 11.00g、
及 び Cu
++
粉 末 0.30gと 一 緒 に 、 良 く 混 合 す る こ と に よ っ て 、 直 接 合 成 し た 。 そ の 後 こ の 混
合 物 を 、 160℃ の 油 浴 で 、 一 晩 還 流 し た 。 エ タ ノ ー ル を 徐 々 に 添 加 し 、 か つ 生 成 物 を 水 に
溶 解 し 、 ろ 過 し 、 HClで 沈 殿 し た 。 全 混 合 物 を 、 再 び ろ 過 し 、 消 費 さ れ て い な い 2-ク ロ ロ
安 息 香 酸 を 除 去 し 、 ろ 液 中 に 残 っ て い る 油 分 を 晶 出 し た 。 こ の ろ 液 を 、 NaOHに 溶 解 し 、 ろ
過 し 、 酢 酸 を 添 加 し 、 か つ こ の 混 合 物 を 、 再 び ろ 過 し 、 更 に 未 反 応 の 2-ク ロ ロ 安 息 香 酸 を
除 去 し た 。 こ の 生 成 物 を 、 HClを 加 え る こ と に よ っ て 沈 殿 し ( 酸 生 成 物 ) 、 か つ 乾 燥 し た
。その後これを、過剰量のベンゼンで抽出し、かつ酢酸ナトリウム溶液に溶解することに
よ っ て 、 更 に 精 製 し 、 活 性 炭 と 共 に 煮 沸 し 、 か つ HClで 再 沈 殿 し た 。 純 生 成 物 を 再 度 ろ 過
10
し 、 か つ 希 メ タ ノ ー ル で 晶 出 し 、 白 色 沈 殿 を 生 じ た ( 融 点 は 、 165-167℃ ) 。
ア ク リ ド ン -10-置 換 さ れ た 分 子 ( 例 え ば ア ク リ ド ン -10-酢 酸 ) も 、 同 じ く 、 ア ク リ ド ン 50
0mg( 2.7mM) 、 鉱 油 を 溶 媒 と す る 80% NaH 130mg、 及 び 無 水 THF 50mlの 混 合 物 を 、 ア ル ゴ
ン ガ ス 下 で 、 2 ∼ 4 時 間 還 流 す る こ と に よ っ て 、 合 成 し た 。 次 に 、 ヨ ー ド 酢 酸 ( 540mg,2.
7mM) を 添 加 し 、 こ の 混 合 物 の 還 流 を 、 ア ル ゴ ン 下 で 、 更 に 10時 間 継 続 し た 。 得 ら れ た 沈
殿 を ろ 過 し 、 か つ ろ 液 を 逆 相 カ ラ ム を 用 い 、 20∼ 30% エ タ ノ ー ル で 溶 出 し 、 精 製 し た 。 次
に こ の 精 製 さ れ た 物 質 を 乾 燥 し 、 THFに 吸 収 し 、 か つ 4N NaOHで 10時 間 、 加 水 分 解 し た 。 水
を 添 加 し 、 こ の 混 合 物 を ろ 過 し た 。 ろ 紙 を H 2 Oで 洗 浄 し 、 か つ そ の 混 合 物 を 1N HClで pH8.0
に 調 節 し た 。 最 終 精 製 を 、 逆 相 シ リ カ ゲ ル カ ラ ム で 、 水 を 溶 媒 と す る 10∼ 30% の メ タ ノ ー
ル を 用 い て 行 っ た 。 回 転 蒸 発 装 置 ( 例 え ば RE120) を 用 い て 、 そ の 体 積 を 減 少 し 、 か つ 1N
20
HClで pH2.5に 一 晩 保 ち 、 再 沈 殿 を 行 っ た 。 そ の 生 成 物 を 、 遠 心 分 離 に よ っ て 収 集 し 、 か つ
水 で 1 回 洗 浄 し た 。 こ れ を 、 凍 結 乾 燥 機 で 乾 燥 し た ( 収 率 約 40% ) 。
ア ク リ ド ン -10-パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ ル エ ス テ ル の 、 四 級 化 し た ( quaternized) 9-ク ロ ロ
-ア ク リ ジ ニ ウ ム -10-パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ ル エ ス テ ル へ の 転 化 は 前 述 の ア ク リ ド ン -10-置
換 さ れ た メ チ ル エ ス テ ル と オ キ シ 塩 化 リ ン ( POCl 3 ) と の 反 応 に よ っ て 、 実 現 し た 。 POCl 3
1mlを 、 精 製 し た 各 メ チ ル エ ス テ ル 50mgに 加 え 、 か つ こ の 混 合 物 を 120℃ の 油 浴 で 、 1 時
間、還流した。
9-ク ロ ロ -ア ク リ ジ ニ ウ ム -10-パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ ル エ ス テ ル の 二 量 体 化 及 び 脱 エ ス テ ル
化 は 、 い ず れ か の 凍 結 条 件 下 で 、 反 応 を 起 こ す よ う に し た 9-ク ロ ロ -ア ク リ ジ ニ ウ ム -10パ ラ -ト ル イ ル 酸 メ チ ル エ ス テ ル 100mgに つ き 、 冷 金 属 亜 鉛 1g及 び 凍 結 し て い る 冷 濃 塩 酸 10
30
mlを 、 1 ∼ 10時 間 か け て 、 添 加 す る こ と に よ っ て 、 実 現 し た 。 こ の 反 応 は 激 し く 、 凍 結 条
件 下 で 、 1 ∼ 10時 間 か け て 実 施 し な け れ ば な ら な い 。 そ の 後 こ の 沈 殿 を 、 ろ 過 し 、 か つ 水
で洗浄した。
酸 性 ろ 液 の 精 製 は 、 シ リ カ ゲ ル C-18逆 相 カ ラ ム で 行 っ た 。 こ の カ ラ ム は 、 メ タ ノ ー ル で 、
次 に 0.1N硝 酸 で 、 そ の 後 0.01Mリ ン 酸 バ ッ フ ァ ー で 、 前 処 理 し た 。 こ の ろ 液 の 溶 出 は 、 ま
ず 0.01Mリ ン 酸 バ ッ フ ァ ー を 溶 媒 と す る メ タ ノ ー ル で 行 い 、 副 産 物 、 未 反 応 物 質 及 び 塩 を
除 去 し た 。 次 に こ の カ ラ ム の 頂 上 に 留 ま っ て い る 生 成 物 ( 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'ビ ア ク リ ジ ン 塩 、 二 置 換 さ れ た ビ ア ク リ ジ ン ) を 、 0.1N硝 酸 を 溶 媒 と す る 30∼ 90% の メ タ
ノ ー ル で 溶 出 し た ( 全 て の 生 成 物 を 除 去 す る た め に 、 メ タ ノ ー ル 強 度 は 、 30か ら 90% へ と
増 加 し な け れ ば な ら な い 。 ) 。 生 成 物 は 、 0.1N硝 酸 を 溶 媒 と す る お よ そ 50% の メ タ ノ ー ル
40
溶液で、黄色の帯として溶出した。次にプロトン化された精製された二量体のジニトレー
ト 塩 ( 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト ) を 、 60℃ の 回 転 蒸
発 装 置 で 濃 縮 し 、 少 量 ( 5 ml) と し 、 か つ 凍 結 乾 燥 に よ り 乾 燥 し た 。 パ ー キ ン エ ル マ ー 55
2型 分 光 光 度 計 を 用 い た 走 査 型 分 光 光 度 は 、 前 ( preliminary) 肩 が 460nmに 、 第 一 の ピ ー
ク が 435nmに 、 第 二 の 肩 が 415nmに 、 主 な ピ ー ク が 370nmに 及 び 引 き 摺 り の ( trailing) 肩
が 355nmに あ る 、 特 徴 的 な 吸 光 度 を 明 ら か に し た ( 図 2 参 照 ) 。 ブ ル ー カ ー ARX 400装 置 (
ラ イ ン ス テ ッ タ ン ( Rheinstetten) -FO、 独 国 ) に よ る NMRプ ロ ッ ト は 、 3.9ppmに ピ ー ク を
示 し 、 こ れ は 、 こ の 二 量 体 の 10位 の 窒 素 に 結 合 し た メ チ レ ン 性 炭 素 の 存 在 を 示 し 、 及 び 7
∼ 9ppmの 範 囲 の ピ ー ク は 、 芳 香 族 炭 素 の 多 重 結 合 存 在 を 示 し て い る 。
こ の 二 量 体 の 、 N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド ( NHS) に よ る 更 な る 誘 導 体 化 は 、 ジ ク ロ ロ
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ヘ キ シ ル カ ル ボ ジ イ ミ ド 211μ Mを 、 無 水 ジ メ チ ル ホ ル ム ア ミ ド ( DMF) ( 0.5ml/二 量 体 mg
) を 溶 媒 と す る 該 二 量 体 141μ Mに 添 加 す る ( 攪 拌 し な が ら ) こ と に よ っ て 実 現 し た 。 こ れ
に 、 N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド 211μ Mを 添 加 し 、 室 温 で 10時 間 反 応 さ せ た 。 こ の 反 応 時
に 形 成 さ れ た 尿 素 の 沈 殿 を 、 ろ 過 に よ り 除 去 し た 。 こ の 標 識 の NHS-エ ス テ ル は 、 褐 色 の バ
イ ア ル 中 で 、 非 常 に 安 定 で あ る ( 少 な く と も 1 年 間 ) 。 逆 相 TLCに お い て は 、 主 要 ピ ー ク
は 、 0.01Mリ ン 酸 バ ッ フ ァ ー を 溶 媒 と す る 90% メ タ ノ ー ル に よ る 溶 出 で は 、 移 動 し な か っ
た ( 長 波 長 の 紫 外 線 光 の 下 で 、 原 物 質 は 黄 色 の ス ポ ッ ト を 示 し た 。 ) が 、 0.1硝 酸 / 70%
メ タ ノ ー ル ( v/v) で 、 移 動 し 、 R f =0.2で あ っ た 。
10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト 誘 導 体 の 抗 体 へ の 複 合 は 、
pH7.4の PBSを 溶 媒 と す る 抗 体 1mgに 、 こ の 誘 導 体 の DMF溶 液 を 100μ l添 加 す る こ と に よ り 開
10
始した。この実施例においては、甲状腺刺激ホルモンのβ鎖に対するポリクローナル抗体
を複合したが、あらゆる抗体、被検体、ポリマー又は結合タンパク質を使用することがで
き る 。 こ の 混 合 物 を 、 室 温 で 、 10時 間 反 応 さ せ 、 そ の 後 こ の 抗 体 -誘 導 体 混 合 物 に 、 d-Lリ ジ ン の 1mg/m1溶 液 を 54μ l添 加 し 、 更 に 3 時 間 反 応 さ せ た 。 こ の 工 程 は 、 発 光 性 の 誘 導
体 − 抗 体 の 複 合 体 の 未 反 応 の NHS部 位 を 占 領 す る た め に 必 要 で あ る 。
前 述 の 抗 体 -10,10'-置 換 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 複 合 体 を 、 20cmの バ イ オ ジ ェ ル P-10( バ イ オ
ラ ド 社 、 ハ ー キ ュ レ ス 、 CA) を 用 い 、 10mM二 塩 基 リ ン 酸 カ リ ウ ム 及 び 0.1M NaClを 含 有 す
る 、 pH7.4の 緩 衝 液 で 溶 出 し 、 精 製 し た 。 こ の 抗 体 複 合 体 は 、 TLC及 び 分 光 光 度 計 で モ ニ タ
ー す る こ と が で き る カ ラ ム か ら の 第 一 分 画 中 に 溶 出 し た 。 こ の 抗 体 複 合 体 は 、 365nm( 該
標 識 の 小 さ い ピ ー ク ) 及 び 275nm( 抗 体 ) の 2 個 の 分 光 光 度 の ピ ー ク を 有 し 、 か つ 実 施 例
20
2に記載した本発明のシグナル溶液により、良好にフラッシュされ、非常に迅速な光放出
速度を生じた(図4参照)。
弱 酸 性 環 境 ( 0.01N HNO 3 ) は 、 該 標 識 を 安 定 化 し 、 か つ 更 に シ グ ナ ル 対 ノ イ ズ 比 を 最 大 に
す る 。 0.01N NHO 3 の PSS 1mlに つ き ツ イ ー ン 20 0.2μ lを 含 有 す る 洗 浄 液 は 、 分 離 が 必 要 な
アッセイにおいて、よく作用するであろう。フラッシュ直前のこの標識の最終洗浄液5μ
lへ の 暴 露 も 、 同 じ く シ グ ナ ル を 増 強 す る こ と が で き る 。
実施例2
シグナル溶液の調製
新規化学発光分子から光を発生するためのシグナル溶液は、下記に従って調製した:
各 0.02M四 ホ ウ 酸 ナ ト リ ウ ム 100mlに 、 下 記 を 添 加 し 、 攪 拌 し た :
30
a) エ チ レ ン ジ ア ミ ン 四 酢 酸 ( EDTA) 、 0.744mg( 0.02mM)
b) ジ メ チ ル ス ル ホ キ シ ド ( DMSO) 、 100μ l
c) D( -) フ ル ク ト ー ス 、 400mg( 0.02M)
d) 超 酸 化 カ リ ウ ム ( KO 2 ) 、 1996mg( 280mM)
e) 2-メ チ ル -2-プ ロ パ ノ ー ル 、 17ml
実施例3
10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト 及 び ビ ス -N-メ チ ル ア ク リ
ジニウムジニトレート(ルシゲニン)を比較するアッセイ
図1に示したように、この実施例では、シグナル溶液単独(棒1)、蒸留水を溶媒とする
濃 度 1.9nMの ル シ ゲ ニ ン ( 棒 2 ) 、 及 び 蒸 留 水 を 溶 媒 と す る 10,10'-パ ラ -ト ル イ ル 酸 -9,9'
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-ビ ア ク リ ジ ニ ウ ム ジ ニ ト レ ー ト ( 棒 3 ) の シ グ ナ ル を 比 較 し た 。 こ の シ グ ナ ル 溶 液 は 、
実 施 例 2 に 従 っ て 調 製 し 、 以 下 同 様 で あ る 。 こ の ア ッ セ イ 条 件 で は 、 3 本 の 12× 75nmの ポ
リ ス チ レ ン 管 ( VWRサ イ エ ン テ ィ フ ィ ッ ク 社 、 フ ィ ラ デ ル フ ィ ア 、 PA) に 、 水 5 μ lを 入 れ
、 シ グ ナ ル 溶 液 300μ lを 添 加 し 、 零 点 の シ グ ナ ル と し た 。 各 化 学 発 光 分 子 の シ グ ナ ル は 、
バ ー ト ホ ー ル ド ル マ ッ ト に お い て 、 3 組 に つ い て 、 シ グ ナ ル 溶 液 300μ lで 希 釈 し た 標 識 5
μ lを フ ラ シ ュ す る こ と に よ っ て 得 た 。
実施例4
抗 -TSH-10,10'-パ ラ -ト ル オ -9,9'-ビ ア ク リ ジ ン 複 合 体 の 希 釈 度 の 増 加 に 伴 う 、 シ グ ナ ル
の直線性を示すアッセイ
図3に示したように、この実施例は、希釈度の増加に伴うこの抗体複合体の化学発光の官
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能 性 、 及 び シ グ ナ ル の 直 線 性 を 明 ら か に し て い る 。 こ の 抗 -TSH-10,10'-パ ラ -ト ル オ -9,9'
-ビ ア ク リ ジ ン 複 合 体 を 、 10
-9
g/mlか ら 10
-18
g/mlま で 希 釈 し 、 か つ 各 希 釈 の 5 μ l 3 組 を
、 バ ー ト ホ ー ル ド ル マ ッ ト に お い て 、 シ グ ナ ル 試 薬 200μ lで フ ラ ッ シ ュ し 、 か つ シ グ ナ ル
の大きさを記録した。結果を、下記に記す:
10
-9
g/ml-12,000,000カ ウ ン ト / 秒 ; 10
カ ウ ン ト / 秒 ; 10
-14
304カ ウ ン ト / 秒 ; 10
-12
g/ml-570,000カ ウ ン ト / 秒 ; 10
g/ml-3,510カ ウ ン ト / 秒 ; 10
-17
-15
g/ml-240カ ウ ン ト / 秒 ; 10
-13
g/ml-37,119
g/ml-556カ ウ ン ト / 秒 ; 10
-18
-16
g/ml-
g/ml-229カ ウ ン ト / 秒 ; 0.0g/ml-1
02カ ウ ン ト / 秒
本願明細書に記載されたあらゆる発表及び特許出願は、各個々の発表又は特許出願が参照
として組み込まれることを、特にかつ個々に示すのと同程度に、参照として本願明細書に
組み込まれている。
本発明について詳細に説明しているが、付属のクレームの精神又は範囲を外れることのな
いように、発明の多くの変更及び修正を行うことができることは、当業者にとって明らか
であろう。
【図1】
【図2】
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【図3】
【図5】
【図4】
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
G01N 33/543
C12P 21/08
(2006.01)
(2006.01)
G01N 33/543
501B
C12P 21/08
(72)発明者 カトシロメテス ジョージ ダブリュー
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92008 カールスバド ヴィレッジ ドライヴ 366
0 ビー
審査官 新留 素子
(56)参考文献 米国特許第04478817(US,A)
特表平04−507194(JP,A)
特表平04−506403(JP,A)
Analytica Chimica Acta, 1994年, Vol.290, pp.179-185
J. Photochem. Photobiol. A: Chem., 1993年, Vol.75, pp.91-96
Bull. Chem. Soc. Jpn., 1993年, Vol.66, pp.2659-2664
Bull. Chem. Soc. Jpn., 1993年, Vol.66, pp.1834-1836
J. prakt. Chem., 1993年, Vol.335, pp.633-636
Tetrahedron Letters, 1993年, Vol.34, No.8, pp.1371-1372
Journal of Bioluminescence and Chemiluminescenece, 1989年, Vol.4,pp.164-176
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
C07D219/02
C07K 14/00
C07K 16/00
G01N 33/53
G01N 33/532
G01N 33/543
C12P 21/08
CA(STN)
CAOLD(STN)
REGISTRY(STN)
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