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企業年金における年金・一時金の選択について

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企業年金における年金・一時金の選択について
日本保険学会 第221回関東部会
企業年金における年金・一時金の選択について
~逆選択および終身年金パズルの視点から~
2016年12月16日
谷内 陽一
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問題提起
わが国の企業年金の大きな特色
終身年金よりも確定年金が広く普及
年金受取だけでなく一時金受取も選択可能
私的年金において年金受取(または終身年金)の普及が進まない理由
年金受取と一時金受取の税制上の差異
終身年金パズル(逆選択、遺産動機など)、保証期間の設定に係る規制 etc
企業年金の給付実態を踏まえつつ、公私の
年金で長寿リスクに対応するための方策とは?
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1
1. 企業年金の特性(1)
~制度によって異なる性格・役割
公的年金: 社会保障制度の一環
強制加入、所得再分配、実質価値の維持(スライド)、終身給付
企業年金: 報酬(給与・退職金)
企業にとっては人事労務管理、従業員にとっては労働条件
個人年金: 自助努力
選定および加入(購入)は個人の任意
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2
1. 企業年金の特性(2)
~公的年金・個人年金との違い
退職金制度としての性格
給付建て(確定給付型:DB)制度: 退職金の分割払い、給与の後払い
掛金建て(確定拠出型:DC)制度: 退職金の前払い(給与そのもの)
退職金原資の「外部積立」
資産保全機能、倒産隔離機能
費用負担の「平準化」
適正な年金数理に基づく平準的な積立(過大損金算入防止の側面も)
一時金の「年金化」
年金支給による老後所得の安定 ⇒ しかし多くの制度で一時金が選択可能
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3
2. 企業年金の給付設計(1)
~確定給付企業年金における給付の種類・要件
年金給付および一時金の額は、合理的な基礎に基づいて算定されるものでなければならない。
給付額は、加入年数や給与等に照らし、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。
老齢給付金
年 金
一時金
(選択一時金)
脱退一時金
加入者または受給待期者が、規約で定める以下の要件を満たしたときに支給 【法定給付】
60歳以上65歳以下の規約で定める年齢に達したとき
50歳以上支給開始年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したとき
20年を超える加入者期間を給付要件として定めてはならない
支給期間 : 終身年金または5年以上の有期年金
支払時期 : 毎年1回以上、一定の時期に支給
保証期間 : 20年以内
給付設計 : 定額、給与比例、ポイント制、キャッシュバランスプラン など
規約で定める以下の要件を満たすことにより、全部または一部を一時金で支給可能
老齢給付金に保証期間が定められていること
受給権者本人の選択により支給するものであること
選択時期は、裁定請求時または支給開始5年経過後(特別の事情がある場合を除く)
老齢給付金の支給要件を満たさない加入者が資格喪失したときに支給 【法定給付】
3年を超える加入者期間を給付要件として定めてはならない
障害給付金
規約で定める程度の障害に該当するに至った場合に支給 【任意給付】
遺族給付金
加入者または受給権者等が死亡したときに、その遺族に支給 【任意給付】
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4
2. 企業年金の給付設計(2)
~保証期間とは
保証期間とは、生命年金において、受給者の生死に関係なく年金が支払われる期間をいう。
保証期間中に受給者が死亡した場合は、保証期間の残存期間相当分の年金原資を受給者の遺族に対して支払う。
(貯蓄機能のみ)
受給者数
確定年金(annuity certain)
受給者本人の生死に関係なく
一定期間支払う年金
※保証期間=受給期間
受給開始
生命年金
(temporary life annuity)
受給者数
有期年金
受給者本人の生存を条件に
一定期間支払う年金
保証期間
※保証期間部分は受給者本人の
生死にかかわらず支給
(life annuity)
終了
受給開始
終了
受給者本人の生存を条件に、死ぬまで支払う年金
※保証期間部分は受給者本人の生死にかかわらず支給
終身年金
(whole life annuity)
受給者数
貯蓄機能
+
保険機能
保証期間
受給開始
終了
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5
2. 企業年金の給付設計(3)
~選択一時金とは
わが国では、退職時にまとまった一時金を支給する退職一時金制度が先行して普及・慣行化した経緯があり、退職
時に多額の一時金を必要とするニーズが依然として多いことから、受給者本人の選択により、年金に代えてその全
部または一部を一時金として支給することが認められている。
年金に代えて支給される一時金のことを「選択一時金」という。
厚生年金基金
確定給付企業年金
(加算部分)
確定拠出年金
金 額
(上限額)
保証期間部分の年金現価
選択時期
加算適用加入員でなくなった後 請求時あるいは年金支給開始 請求時あるいは年金支給開始
から保証期間終了時までの任 から5年経過日以後
から5年経過日以後
意の時期
なし
支給事由
一部選択
保証期間部分の年金現価
個人別管理資産額
なし
なし
(年金支給開始から5年未満に選択
する場合は、災害、債務の弁済、重
度の心身障害、長期間入院など)
一部選択の選択肢を必ず設け 任意で可能
なければならない
任意で可能
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6
2. 企業年金の給付設計(4)
~年金規約における選択一時金の規定例(抜粋)
(一時金として支給する老齢給付金)
第●条 老齢給付金の受給権者は、受給権の裁定を請求するとき、又は年金として支給する老齢給付金の支給を開
始してから5年を経過した日以後、老齢給付金を一時金として支給することを請求することができる。ただし、次
に掲げる事由に該当した場合にあっては、年金として支給する老齢給付金の支給を開始してから5年を経過する
日までの間においても、当該請求をすることができる。
一 受給権者又はその属する世帯の生計を主として維持する者が、震災、風水害、火災その他これらに類する
災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこと。
二 受給権者がその債務を弁済することが困難であること。
三 受給権者が心身に重大な障害を受け、又は長期間入院したこと。
四 その他前3号に準ずる事情
2 老齢給付金の受給権者が、前項ただし書の規定に基づき、年金として支給する老齢給付金の支給を開始してから
5年を経過する前に老齢給付金を一時金として支給することを請求する場合にあっては、前項各号の特別な事情
があることを明らかにすることができる書類を事業主に提出しなければならない。
3 老齢給付金の受給権者が、第1項の請求をする場合には、老齢給付金のうち一時金として支給を請求する部分の
割合として、次のいずれかの割合(同項の請求をする前に第2号以降の割合を選択した者にあっては、第1号の割
合に限る。)を選択することができる。
一 100パーセント
二 75パーセント
三 50パーセント
四 25パーセント
(以下略)
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3-1. 退職給付制度の実施状況(1)
退職一時金制度のみ
~時系列
両制度の併用
退職年金制度のみ
退職給付制度なし
退職給付制度あり
1966
(86.5)
71
82.8
90.8
(71.3)
75
81
89
93
92.0
(47.0)
97
88.9
(47.5)
2003
86.7
(46.5)
08
83.9
(55.3)
13
(65.8)
0%
20%
75.5
40%
(11.3)
(34.5)
11.1
8.0
(18.6)
(32.2)
11.1
(20.3)
(33.9)
13.3
(19.6)
(31.9)
60%
7.9
11.0
(14.3)
(39.3)
(22.6)
7.8
(18.5)
(33.8)
88.9
(49.3)
9.2
(1.5)
9.3
(16.4)
(26.2)
89.0
(51.9)
17.2
(13.2)
(21.5)
92.1
(55.4)
85
(19.7)
92.2
(62.1)
(0.1)
(27.2)
90.7
(67.1)
78
(13.4)
16.1
(12.8)
24.5
(11.6)
80%
100%
(注1)調査期日は、1997年以前は12月末現在、2003年以降は1月1日現在。
(注2)( )内は、退職給付制度がある企業を100とした割合。
(注3)本社の常用労働者が30人以上の民営企業を調査対象としている。
(出所)厚生労働省「就労条件総合調査」各年版
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3-1. 退職給付制度の実施状況(2)
退職一時金制度のみ
両制度の併用
退職給付制度なし
75.5
24.5
(56.0)
100~299人
30~99人
(74.1)
0%
(11.6)
20%
82.0
72.0
40%
6.4
(28.9)
89.4
(41.3)
(31.5)
300~999人
(22.6)
93.6
(48.1)
(23.0)
1,000人以上
退職年金制度のみ
退職給付制度あり
(65.8)
企業規模計
~企業規模別
10.6
(27.2)
(30.0)
(14.0)
28.0
(17.3) (8.6)
60%
18.0
80%
100%
(注1)2013年1月1日現在。
(注2)( )内は、退職給付制度がある企業を100とした割合。
(注3)常用労働者が30人以上の民営企業を調査対象としている。
(出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版
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3-2. 企業年金の給付設計の状況(1)
終身年金
有期年金
不明
79.8%
厚生年金基金
確定給付企業年金
(基金型)
確定給付企業年金
(規約型)
~終身年金・有期年金の実施状況
7.2%
43.5%
53.9%
9.1%
確定拠出年金
(企業型)
2.6%
82.1%
25.6%
0%
8.8%
58.1%
20%
13.0%
40%
60%
16.2%
80%
100%
(注)各制度を実施している企業数を100とした割合。
(出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。
厚生年金基金以外は有期年金が主体
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3-2. 企業年金の給付設計の状況(2)
保証期間15年
~終身年金の支給期間の状況
保証期間20年
53.8%
厚生年金基金
確定給付企業年金
(基金型)
31.6%
25.0%
確定給付企業年金
(規約型)
14.5%
54.7%
27.1%
20.3%
53.4%
確定拠出年金
5.9%
(企業型)
0%
その他
19.6%
77.9%
20%
40%
16.2%
60%
80%
100%
(注)終身年金を実施している企業数を100とした割合。
(出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。
DB・DCは20年(法令上の上限)が主流
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3-2. 企業年金の給付設計の状況(3)
支給期間10年
厚生年金基金
7.3%
確定給付企業年金
(基金型)
~有期年金の支給期間の状況
支給期間20年
56.7%
19.1%
36.0%
42.8%
確定給付企業年金
(規約型)
38.1%
76.7%
確定拠出年金
(企業型)
28.1%
0%
20%
その他
5.4%
56.6%
40%
60%
18.0%
15.3%
80%
100%
(注)有期年金を実施している企業数を100とした割合。
(出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。
規約型DBでは10年が主流
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3-3. 年金・一時金の選択状況(1)
全額選択のみ
24.6%
厚生年金基金
確定給付企業年金
(基金型)
~選択一時金の導入・実施状況
一部選択も可
制度なし
31.4%
28.8%
42.2%
確定給付企業年金
(規約型)
20%
5.0% 1.7%
2.4% 5.0%
39.5%
26.8%
0%
15.3%
51.1%
53.1%
確定拠出年金
(企業型)
不明
6.9%
49.8%
40%
60%
16.6%
80%
100%
(注)企業年金制度を実施している企業数を100とした割合。
(出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。
大半の制度で一時金選択制を実施
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3-3. 年金・一時金の選択状況(2)
全額一時金受給
2003年
一時金と年金の併用
56.9%
2008年
20%
31.4%
12.0%
68.7%
0%
全額年金受給
11.6%
59.6%
2013年
~年金受給資格者の選択状況(時系列)
40%
28.4%
11.8%
60%
80%
19.5%
100%
(注)年金受給資格を有する退職者がいる企業における、当該退職者数を100とした割合。
(出所)厚生労働省「就労条件総合調査」各年版。
受給資格者の7~8割が一時金を選択
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3-3. 年金・一時金の選択状況(3)
全額一時金受給
~年金受給資格者の選択状況(企業規模別)
一時金と年金の併用
68.7%
企業規模計
1,000人以上
11.8%
62.9%
78.3%
100~299人
76.8%
20%
40%
21.5%
5.9%
4.1%
72.9%
0%
19.5%
15.6%
300~999人
30~99人
全額年金受給
14.0%
60%
15.8%
19.2%
13.1%
80%
100%
(注)年金受給資格を有する退職者がいる企業における、当該退職者数を100とした割合。
(出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版。
受給資格者の7~8割が一時金を選択
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3-3. 年金・一時金の選択状況(4)
~年金現価に占める一時金額の割合①
企業年金のみ実施している企業の場合
2,500
2,000
(万円)
89.5%
78.6%
87.5%
81.5%
1,500
1,000
100%
①年金現価
80%
②うち一時金選択額
60%
一時金選択割合(右軸)
(=②/①)
40%
1,923
1,512
500
1,611
1,313
1,131 1,012
1,024 896
0
20%
0%
大卒(事務)
高卒(事務)
高卒(現業)
中卒(現業)
(注)2012年の1年間における勤続20年以上かつ年齢45歳以上の定年退職者における平均額。
(出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版。
金額ベースでも7~8割を一時金で受給
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3-3. 年金・一時金の選択状況(5)
~年金現価に占める一時金額の割合②
企業年金と退職一時金を併用している企業の場合
2,500
(万円)
100%
75.2%
2,000
1,500
52.9%
82.9%
54.5%
1,000
500
①年金現価
80%
②うち一時金選択額
60%
一時金選択割合(右軸)
(=②/①)
40%
1,264
1,192
669
650
811
610
796
660
0
20%
0%
大卒(事務)
高卒(事務)
高卒(現業)
中卒(現業)
(注)2012年の1年間における勤続20年以上かつ年齢45歳以上の定年退職者における平均額。
(出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版。
他に一時金制度があるため選択割合は減少
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3-3. 年金・一時金の選択状況(6)
70%
~厚生年金基金(加算部分)の状況
69.8%
67.0%
65.8%
63.2%
59.2%
57.1% 58.7%
58.0%
60%
56.0%
56.1%
53.8%
51.5%
49.2%
47.6%
43.7%
48.1%
50%
50.8%
53.7%
43.8%
44.0%
43.6%
47.6%
43.2%
42.7%
42.2%
39.6%
40.0%
43.0%
43.7%
41.0%
40.1%
39.8% 39.0%
38.9%
40%
30%
1976
78
80
82
64.6%
84
86
88
90
92
94
96
(年度末)
98
2000
02
52.8%
50.2%
51.2%
48.0%
04
06
08
10
12
14
(注)加算型基金の新規裁定者数における、全額一時金選択者数の割合。
(出所)企業年金連合会「企業年金に関する基礎資料」各年版を基に、りそな年金研究所作成。
選択割合は40~70%の間で推移
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3-3. 年金・一時金の選択状況(7)
~確定給付企業年金・確定拠出年金の状況
一時金で受給
年金・一時金の併用
年金で受給
確定給付企業年金
72%
10%
18%
確定拠出年金
94%
───
6%
(注1)確定給付企業年金は、厚生労働省「平成25年就労条件総合調査」より、退職者の年金現価に占める一時金選択額の割合を特別集計。
(注2)確定拠出年金は、記録関連運営管理機関による調査(平成24年度)に基づき、年金受給者と一時金受給者の割合を集計。
(出所)第9回社会保障審議会企業年金部会「資料2-1 一般企業向けの取組」p.68
DB・DCでは一時金での受給が主流
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4. なぜ一時金が選好されるのか(1)
~選択一時金の選択理由
一時金選択の理由
回答割合(複数回答)
住宅ローン返済のため
60.2%
住宅・土地の取得のため
42.4%
子女の結婚・教育のため
33.0%
一括受取の方が税制上有利なため
19.4%
災害・疾病のため
14.1%
年金支給額が少額なため
5.8%
物価スライド不備のため
4.7%
開業資金のため
1.6%
その他
9.4%
(注)選択一時金を実施している企業191社による回答割合である。
(出所)中央労働委員会「退職金、定年制および年金事情調査』1989年。
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4. なぜ一時金が選好されるのか(2)
制 度 名
公的年金
厚生年金基金
企
業
年
拠
出
時
【事業主拠出】
全額損金(必要経費)算入
【加入者拠出】
全額社会保険料控除
【事業主拠出】
全額損金(必要経費)算入
【加入者拠出】
全額社会保険料控除
【事業主拠出】
確定給付
全額損金(必要経費)算入
企業年金 【加入者拠出】
生命保険料控除
金
確定拠出年金
個人年金
運
~わが国の年金税制の概要
用
給 付 時 (退職・老齢給付の場合)
年 金
一時金
時
────
雑所得として課税
公的年金等控除の対象
────
【運用収益】 非課税
【積立金】 代行部分の3.23倍 雑所得として課税
退職所得として課税
を超える部分に対し特別法人 公的年金等控除の対象 退職所得控除の対象
税課税※3
【運用収益】 非課税
加入者拠出相当分を除 加入者拠出相当分を除
【積立金】 加入者拠出分を除
き雑所得として課税
き退職所得として課税
いた部分に対し特別法人税
公的年金等控除の対象
退職所得控除の対象
課税※3
【事業主拠出(拠出限度あり)】
全額損金(必要経費)算入
【運用収益】 非課税
雑所得として課税
退職所得として課税
※3
【加入者拠出(拠出限度あり)】
【積立金】 特別法人税課税 公的年金等控除の対象 退職所得控除の対象
全額小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除 または
保険型
個人年金保険料控除
【運用収益】 非課税
【積立金】 非課税
必要経費見合い分を除
必要経費見合い分を除
き雑所得または一時所
き雑所得として課税
得として課税※4
貯蓄型 課税
【運用収益】 源泉分離課税
【積立金】 非課税
非課税
非課税
※1 遺族給付は、公的年金および厚生年金基金では非課税、それ以外の制度は相続税課税。
※2 障害給付は、上記すべての制度において非課税。
※3 特別法人税は、2017(平成29)年3月末まで課税が停止(凍結)されている。
※4 保証期間付き終身年金の保証部分の一括受取は雑所得課税、確定年金および有期年金の一括受取は一時所得課税。
(出所)りそな企業年金研究所編(2011)『そこが知りたい 企業年金の税制』p.11を加筆修正
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21
4. なぜ一時金が選好されるのか(3)
~年金給付への課税
通常の雑所得 = その年中の総収入金額 - 必要経費
公的年金等に係る雑所得 = その年中の公的年金等の収入金額 - 公的年金等控除
所得税法の根拠
公的年金等控除の対象となる年金給付
第35条第3項
第1号
国民年金、厚生年金保険、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済、
農業者年金、廃止前の農林年金、旧船員保険、厚生年金基金、国民年金基金、石炭鉱業年金基金など
第35条第3項
第2号
恩給(一時恩給を除く)、廃止前の国会議員互助年金、
過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金(自社年金)
第35条第3項
第3号
確定給付企業年金、適格退職年金(閉鎖型)、小規模企業共済、確定拠出年金、特定退職金共済、
中小企業退職金共済、外国年金(外国の法令に基づく保険・共済に基づいて支給される年金)
受給者の年齢
65歳以上
65歳未満
公的年金等の年間収入額(a)
330万円以下
330万円超 410万円以下
410万円超 770万円以下
770万円超
130万円以下
130万円超 410万円以下
410万円超 770万円以下
770万円超
※受給者の年齢の判定は、その年の12月31日での年齢による。
公的年金等控除額
120万円
(a)× 25%+ 37.5万円
(a)× 15%+ 78.5万円
(a)× 5%+155.5万円
70万円
(a)× 25%+ 37.5万円
(a)× 15%+ 78.5万円
(a)× 5%+155.5万円
300
(万円)
公的年金等控除(65歳以降)
250
公的年金等控除(60歳代前半)
200
150
100
50
0
0
200
400
600
800
1,000
1,200
収入(万円)
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22
4. なぜ一時金が選好されるのか(4)
~一時金給付への課税
退職所得 = (退職金収入 - 退職所得控除) × 1/2
所得税法の根拠
退職所得控除の対象となる一時金給付
第31条第1項
第1号
国民年金、厚生年金保険、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済、
農業者年金、廃止前の農林年金、旧船員保険
第31条第1項
第2号
厚生年金基金、石炭鉱業年金基金
第31条第1項
第3号
確定給付企業年金、小規模企業共済、確定拠出年金(老齢給付金)、特定退職金共済、中小企業退職金
共済、社会福祉施設職員等退職手当共済、外国の法令に基づく保険・共済に基づいて支給される一時金
※ 第2号および第3号に掲げる制度については、退職に基因して支払われることが要件となる(確定拠出年金(老齢給付金)を除く)。
非課税額(万円)
勤続年数
2年以下
退職所得控除額
一律80万円
2,500
2,000
1,500
3年以上 20年以下
40万円 × 勤続年数
1,000
20年超
70万円 ×(勤続年数-20年)+800万円
※1 1年未満の勤続年数は、1年に切り上げて計算する。
※2 障害を基因とする退職の場合は、上記に100万円を加算する。
500
0
5年
10年
15年
20年
25年
30年
35年
40年
(勤続年数)
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23
4. なぜ一時金が選好されるのか(5)
~税制上の効果の試算①
<パターン1>企業年金部分のみの比較
退職一時金額(年金原資): 2,000万円
前提条件
勤続年数: 43年 (22歳加入~65歳退職)
年金受取の条件: 給付利率2.0%、期初払い10年確定年金(年金現価率:9.162)
◆一時金受取
(単位:万円)
①選択一時金
2,000
⑤企業年金年額 (=④÷確定年金現価率)
218.3
②退職所得控除額 ※勤続43年
2,410
⑥公的年金等控除額 ※65歳以上
120.0
③課税所得 (=①-②)※マイナスの場合は0
0
◆年金受取(企業年金のみ)
⑦課税所得 (=⑤-⑥)※マイナスの場合は0
(単位:万円)
98.3
④手取り一時金額 (=①-③)
2,000
⑧所得税額 (=⑦× 5%)
4.9
企業年金 【一時金受取】 (=④)
2,000
⑨住民税額 (=⑦×10%)
9.8
⑩手取り年金年額 (=⑤-⑧-⑨)
企業年金 【年金受取】 (=⑩×10年)
203.5
2,035.4
企業年金部分のみの比較では、年金受取が有利
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24
4. なぜ一時金が選好されるのか(6)
~税制上の効果の試算②
(単位:万円)
◆企業年金の受取
1年目
60歳
2年目
61歳
3年目
62歳
4年目
63歳
5年目
64歳
6年目
65歳
7年目
66歳
8年目
67歳
9年目
68歳
10年目
69歳
合計
①企業年金収入
218.3
218.3
218.3
218.3
218.3
218.3
218.3
218.3
218.3
218.3
2,182.9
②公的年金等控除額
120.0
120.0
120.0
120.0
120.0
120.0
120.0
120.0
120.0
120.0
1,200.0
③課税所得(=①-②)
98.3
98.3
98.3
98.3
98.3
98.3
98.3
98.3
98.3
98.3
982.9
④所得税率(③に基づき決定)
5%
5%
5%
5%
5%
5%
5%
5%
5%
5%
─
⑤所得税額(③④に基づき算定)
4.9
4.9
4.9
4.9
4.9
4.9
4.9
4.9
4.9
4.9
49.1
⑥住民税額(=③×10%)
9.8
9.8
9.8
9.8
9.8
9.8
9.8
9.8
9.8
9.8
98.3
⑦実収入(=①-⑤-⑥)
203.5
203.5
203.5
203.5
203.5
203.5
203.5
203.5
203.5
203.5
2,035.4
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25
4. なぜ一時金が選好されるのか(7)
~税制上の効果の試算③
<パターン2>公的年金の給付を考慮した比較
公的年金モデル月額: 21.8万円
前提条件
企業年金年額: 218.3万円(<パターン1>の⑤で算出)
その他の条件は、パターン1と同じ。
◆公的年金+企業年金(一時金受取)
(単位:万円)
◆年金受取(公的年金+企業年金)
(単位:万円)
①公的年金年額 ※モデル年金月額×12
261.6
⑦公的年金・企業年金年額(=①+218.3万円)
479.9
②公的年金等控除額 ※65歳以上
120.0
⑧公的年金等控除額 ※65歳以上
150.5
③課税所得 (=①-②)※マイナスの場合は0
141.6
⑨課税所得 (=⑦-⑧)※マイナスの場合は0
329.4
④所得税額 (=③× 5%)
⑤住民税額 (=③×10%)
7.1
14.2
⑥手取り年金年額 (=①-④-⑤)
240.4
公的年金+企業年金 【一時金受取】
(=⑥×10年+2,000万円)
4,403.6
⑩所得税額 (=⑨×10%-9.75)
23.2
⑪住民税額 (=⑨×10%)
32.9
⑫手取り年金年額 (=⑦-⑩-⑪)
公的年金+企業年金 【年金受取】
(=⑫×10年)
423.8
4,237.6
公的年金を考慮すると、一時金受取が有利?
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4. なぜ一時金が選好されるのか(8)
~税制上の効果の試算④
(単位:万円)
◆公的年金のみ受取
①公的年金収入
②企業年金収入
③年金収入計(=①+②)
④公的年金等控除額
⑤課税所得(=③-④)
⑥所得税率(⑤に基づき決定)
⑦所得税額(⑤⑥に基づき算定)
⑧住民税額(=③×10%)
⑨実収入(=③-⑦-⑧)
1年目
60歳
2年目
61歳
3年目
62歳
4年目
63歳
5年目
64歳
6年目
65歳
7年目
66歳
8年目
67歳
9年目
68歳
10年目
69歳
合計
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
2,616.0
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
261.6
120.0
141.6
5%
─
2,616.0
1,200.0
1,416.0
─
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
7.1
14.2
240.4
70.8
141.6
2,403.6
(単位:万円)
◆公的年金+企業年金の受取
1年目
60歳
2年目
61歳
3年目
62歳
4年目
63歳
5年目
64歳
6年目
65歳
7年目
66歳
8年目
67歳
9年目
68歳
10年目
69歳
合計
①公的年金収入
②企業年金収入
③年金収入計(=①+②)
④公的年金等控除額
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
261.6
218.3
2,616.0
2,182.9
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
479.9
150.5
4,798.9
1,504.8
⑤課税所得(=③-④)
⑥所得税率(⑤に基づき決定)
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
329.4
10%
3,294.0
─
23.2
23.2
23.2
23.2
23.2
23.2
23.2
23.2
23.2
23.2
231.9
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
32.9
423.8
329.4
4,237.6
⑦所得税額(⑤⑥に基づき算定)
⑧住民税額(=③×10%)
⑨実収入(=③-⑦-⑧)
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4. なぜ一時金が選好されるのか(9)
~税制上の効果の試算⑤
<パターン3>公的年金の給付を考慮した比較 【前提条件を変更】
ケース1 (給付利率の引き上げ)
前提条件
ケース2 (受取期間の延長)
給付利率を2.0%から3.0%に引き上げ
年金受取期間を10年から20年に延長
その他の条件は、<パターン2>と同じ。
その他の条件は、<パターン2>と同じ。
◆ケース1
(単位:万円)
◆ケース2
(単位:万円)
公的年金+企業年金 【一時金受取】
4,403.6
公的年金+企業年金 【一時金受取】
6,807.2
公的年金+企業年金 【年金受取】
4,307.8
公的年金+企業年金 【年金受取】
6,830.8
・ 給付利率の差異による影響は軽微
・ 受取期間の差異による影響の方が大きい
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4. なぜ一時金が選好されるのか(10)
~税制上の効果の試算⑥
(単位:万円)
◆公的年金+企業年金の受取
(ケース1: 給付利率3.0%)
①公的年金収入
②企業年金収入
③年金収入計(=①+②)
④公的年金等控除額
⑤課税所得(=③-④)
⑥所得税率(⑤に基づき決定)
⑦所得税額(⑤⑥に基づき算定)
⑧住民税額(=③×10%)
⑨実収入(=③-⑦-⑧)
1年目
60歳
2年目
61歳
3年目
62歳
4年目
63歳
5年目
64歳
6年目
65歳
7年目
66歳
8年目
67歳
9年目
68歳
10年目
69歳
合計
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
261.6
2,616.0
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
227.6
489.2
151.9
337.3
20%
2,276.3
4,892.3
1,518.8
3,373.5
─
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
24.7
33.7
430.8
247.2
337.3
4,307.8
(単位:万円)
◆公的年金+企業年金の受取
1年目
60歳
2年目
61歳
3年目
62歳
4年目
63歳
5年目
64歳
6年目
65歳
7年目
66歳
①公的年金収入
②企業年金収入
③年金収入計(=①+②)
④公的年金等控除額
261.6
119.9
261.6
119.9
261.6
119.9
261.6
119.9
261.6
119.9
261.6
119.9
381.5
132.9
381.5
132.9
381.5
132.9
381.5
132.9
381.5
132.9
⑤課税所得(=③-④)
⑥所得税率(⑤に基づき決定)
248.6
10%
248.6
10%
248.6
10%
248.6
10%
15.1
15.1
15.1
24.9
341.5
24.9
341.5
24.9
341.5
(ケース2: 受取期間20年)
⑦所得税額(⑤⑥に基づき算定)
⑧住民税額(=③×10%)
⑨実収入(=③-⑦-⑧)
19年目
78歳
20年目
79歳
合計
261.6
119.9
261.6
119.9
261.6
119.9
5,232.0
2,398.3
381.5
132.9
381.5
132.9
381.5
132.9
381.5
132.9
7,630.3
2,657.6
248.6
10%
248.6
10%
248.6
10%
248.6
10%
248.6
10%
4,972.7
─
15.1
15.1
15.1
15.1
15.1
15.1
302.3
24.9
341.5
24.9
341.5
24.9
341.5
24.9
341.5
24.9
341.5
24.9
341.5
497.3
6,830.8
~
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29
5. なぜ年金は選好されないのか(1)
2.0%未満
2008年度
2.5%
2009年度
2.2%
2010年度
3.6%
2011年度 4.7%
2.0~2.9%
25.5%
31.5%
4.0~5.4%
34.7%
40.0%
20%
14.3%
37.3%
37.8%
31.4%
40%
18.3%
15.8%
37.1%
35.5%
5.5%以上
17.8%
35.9%
33.0%
7.3%
0%
3.0~3.9%
36.0%
2012年度 5.0%
2013年度
~給付利率の低下
60%
14.5%
12.0%
10.6%
11.9%
10.7%
11.7%
10.2%
80%
11.0%
100%
(出所)企業年金連合会調べ。
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30
5. なぜ年金は選好されないのか(2)
概
~終身年金パズル
要
今後の影響
長生きする自身のある者ばかりが加入すること
による掛金水準の高騰
企業年金では
年金選択に与える影響は軽微
子孫に遺産を遺したいという動機
単身(独居)高齢者の増加に伴い
影響は弱くなる
受給開始前の死亡による「払い損」の回避
長寿化により払い損の可能性が
小さくなるため、影響は弱くなる
不測の事態に備えた手元資金(流動性)の確保
医療・介護費用の増加により
影響は強くなる
家庭内における
長寿リスクヘッジ
老後は子孫に面倒を見てもらう
単身(独居)高齢者の増加により
影響は弱くなる
公的年金の存在
公的年金が一定程度もらえる
マクロ経済スライドによる給付水準
低下により、影響は弱くなる
逆選択
遺産動機
早期死亡による
損失回避
予備的貯蓄
(出所)田中・臼杵(2007)および北村(2012)を基に筆者作成
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31
5. なぜ年金は選好されないのか(3)
~逆選択(adverse selection)
(生存数)
100,000
80,000
60,000
40,000
個人年金
企業年金
20,000
第21回完全生命表
0
0
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100 105 110 115 120
(年齢)
(注)企業年金は厚生労働省告示による確定給付企業年金の基準死亡率、個人年金は日本アクチュアリー会「生保標準生命表2007(年金開始後用)」を
それぞれ用いている。
(出所)注記の生命表および基準死亡率を基に筆者作成
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5. なぜ年金は選好されないのか(4)
~企業年金における保証期間の規制
わが国の企業年金における選択一時金は、「保証期間部分の年金現価相当額」が上限となっている。
わが国の企業年金では、退職一時金額と保証期間部分の年金現価相当額を等しくする設計が一般的。この条件下
で保証期間付き終身年金を導入すると、終身部分の年金現価は企業の持ち出しとなる(企業が終身コストを負担)。
【例】 1,000万円を原資とする「保証期間付き終身年金」を購入するコスト
<企業年金>
保証期間部分
1,000万円
<個人年金>
終身部分
+α
総給付現価
1,000万円
総給付現価の範囲内で終身年金の提供を認めれば
企業年金における終身年金の導入ハードルが低くなる
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6. 結論(1)
~年金・一時金の選択のポイント
年 金 受 取
ライフプラン
税 制
計画的な取り崩しによる受取
多額の資金ニーズに対応
(住宅ローン等の返済etc)
公的年金等控除の対象
退職所得控除の対象
他の所得と合算して課税
他の所得とは分離して課税
収益性
企業年金の給付利率
安全性
受給開始後に給付減額されるリスク
信用リスク
一 時 金 受 取
企業年金または母体企業の破綻リスク
預金の金利
金融商品等の期待運用利回り
受取後に費消するリスク
受取後に盗難されるリスク
受取後に購入する金融機関の破綻リスク
税制以外にも考慮すべきポイントは多い
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6. 結論(2)
~年金における公私の役割分担のあり方
<従 来>
私的年金(企業年金・個人年金)
就 労
公的年金
60歳
<今 後>
(繰り下げ増額分)
就 労
私的年金
60歳
公的年金の支給開始までは
自助努力でカバー
(就労・私的年金)
65歳
雇用延長
公的年金
70歳
受給繰下げ
長生きリスクは
公的年金でカバー
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ご清聴ありがとうございました。
Thank you.
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