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電算新本社ビル

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電算新本社ビル
- Project Summary
第 13 回 環境・設備デザイン賞
電算新本社ビル
This plan in the new construction of headquarters for Densan corporation engaged in the information service
around Nagano. It was aimed this building to be the leading eco-friendly office by giving importance for
- Densan New Headquaters Office -
"office worker" and "global environment" by the integration of architecture and ME technology. It was
- 熱と光の放射を活用するオフィス
intended that the worker could feel comfort even if they are under the relaxed condition, by surrounding the
person on appropriate radiation plane like chilled ceiling panel and screen light etc. To control these radiative
/ 日建設計 Nikken Sekkei Ltd.
planes, it was enabled to utilize the natural potential in Nagano like under-ground water, cool-outdoor air,
daylight, etc. As a result, drastic energy saving was achived and it contributed on the global environment.
コミュニケーションを誘発する吹抜空間。自然換気・自然採光の経路としても機能する
オフィス内観。執務者の視線方向に対峙するように透けつつ光るスクリーンライトが重なり合い、明るさ感を増す
■コンセプト
■長野の気候風土に根差した建築・設備
- Concept
長野を拠点とする情報サービス企業、株式会社電算の新本社ビルの計画である。IT 系企業のため在席時間が長い特徴があるが、
- Architecture and ME Design adopted to the Climate of Nagano
旧本社では室内環境が劣悪な環境にあり、快適で働きやすいワークプレイスへの改善が求められた。新本社では「社内交流」を促
す計画にするとともに、建築計画と設備技術の融合により「人」と「地球環境」を大切にする先導的環境配慮オフィスを目指した。
■人の体感に基づくデザイン
- Architectural Design to Reduce the Building Load
建物は、高層建築物の少ない街のスケールを考慮して、約
な放射面」で包み込むことで、室内条件を緩和しても体感とし
80m×30m の 5 階建て低層オフィスとし、
中央に設けた吹抜空間(コミュ
て「人が快適に感じる」熱・光環境を目指した。
吹出口・照明器具の
配置
室内温湿度
26℃・50%
机上面照度
750Lx
手法
ニケーションボイド)を介して一体感を持つことが出来る空間構成とし
電算新本社
た。また、東西方向に長い平面形状とする ことで、日射による空調負
温冷感
明るさ感
荷の大きい東西方向には短くし、主開口部を北・南面とした。東・西側
建築と一体となった
放射面
空間全面の放射熱を調整
は壁面を主体として日射負荷を低減し、南面は庇を設けることで方位を
スへ自然光や外気を取り入れやすい平面形状とした。
自然換気給気口
(南北面)
- Controlling the thermal Radiation from Surroundings at Office
床面はカーペット全面から空調空気を染み出す「床染出し空
や、冬季には発熱によりガラス内側表
面温度を調整する「発熱ガラス」により、オフィス空間全体
を適切な放射熱で包み込み、室内温湿度を緩和しても、人の
体感としては快適な熱環境を構築した。
吹出口
窓面:22℃
(室内空気
:22℃)
照明
37℃
約 80m
天井面
22℃
吹出口
21℃
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照明
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天井放射パネル
(裏面)
床染み出し
カーペット
発熱なし
発熱あり
発熱ガラスの効果(冬季)
明るさ感を高めた光環境
旧本社(対流空調+蛍光灯)
新本社(放射冷房+鉛直面発光照明)
照明発熱部分が熱く、空調吹出口部分が冷たく、
放射冷気に包まれた様子が確認できる。照明器具の発熱部分
放射熱環境にムラが大きい
は天井裏に隠蔽しており、放射熱のムラを低減している
ンライト」を新規開発した。明るさ感を維持しながら照明出力を
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側からシースルー太陽光パネルにより、発電しながら透過し
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新本社(照明消費電力 4 ∼ 6W/ ㎡) ⁍⁀‴⁏
天井面の明るさが高く、空間に対し全体的に高い
比が大きいため天井面が暗く、明るさ感の低い部分が多い
明るさ感が確保できている
明るさ画像の比較
明るさ画像とは、順応などの人の目の機構を考慮した上で、空間の明るさをどう感じるか、明るさ知覚を表現した
画像である。明るく感じる部分は赤系、暗く感じる部分は青系で表示される
注)東京工業大学中村芳樹准教授による手法
3,200mm(1 スパン)
照明発熱(天井裏)
照明が鉛直面のため、一般的な天井照明の場合と比較して放射
井水放射パネル(裏面断熱)
2,000mm×500mm
天井断面詳細図
鉛直面発光照明
(スクリーンライト)
250mmH
自然採光
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やわらかな自然光導入 ࠿ᘙ᩿․…⃹
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長野の冷涼な外気を活かした
自然換気による冷房
地中熱により予冷・予熱した
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長野の豊富な
地下水の揚水
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and Global Environment
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地下の免震層で外気を予冷・予熱する
クールヒートトレンチ
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自然のポテンシャルの利用概念図
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様々な工夫により、空調・照明による
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導的環境配慮オフィスを実現した。
天井加振実験により十分な耐震性能を有することを確認した。
井水放射パネルとスクリーンライトの間に必要な地震時の接触
屋上緑化
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機能を持つとともに平滑ですっきりした天井面とした。
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を感じる緑に囲まれ、長野という地域に
井水放射パネルには 0.7mmΦの微細なパンチングを設け、吸音
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事業主 :株式会社電算
建設地 :長野県長野市大字鶴賀字河原 276 番 6
敷地面積 :4,939.34 ㎡
建築面積 :2,345.92 ㎡
延床面積 :9,873.06 ㎡
構造 :鉄骨造、免震構造
階数 :地上 5 階
工期 :着工 2012 年 1 月 竣工 2013 年 3 月
設計・監理:株式会社日建設計
施工 :株式会社竹中工務店
空調・衛生:高砂熱学工業株式会社
株式会社テクノ菱和
株式会社三晃空調
電気 :株式会社トーエネック
外構 :北信土建株式会社
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パネルの平面積を広く取ることができ、冷却能力を高めた。
を防ぐクリアランスを、空調レターンスリットと兼用した。
窓面からの自然光導入
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地内に配置された樹木、庭園により四季
放射パネルの裏面を断熱し、スクリーンライトの発熱部は天井
ブラインド輝度調整による
発電
■地域・地球環境への ■環境・設備デザインの評価 - Environment & ME Design Scoring
貢献 - Contribution to Regional
スの約半分と大幅に削減した。屋上や敷
従来のオフィスにはない軽やかな印象を与えている。
うよう、放射の向きを工夫した。
雨水 :屋上に降った雨水を井水とともに便所洗浄水に利用する。
井水熱交換により
熱源を使わない
井水放射冷房
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たやわらかな光により自然採光し、照明消費電力を低減する。
年間一次エネルギー消費量を標準オフィ
井水放射パネルによる平滑な天井面と透けつつ光る照明により、
裏に設けることで、冷気と光は室内側へ、発熱は天井裏へ向か
日射熱遮
トップライトからの
自然換気排気
東・西面(強い日射を防ぐ壁面)
シースルー太陽光パネルによる
自然採光・日射熱遮 ・発電の両立
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気窓を開放し、放射冷房しながらの自然換気が可能である。
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照度が高いため机上の明るさは高いが、照明器具との輝度対
レターンスリット
利用する。また、事務室内の換気窓とトップライト頂部の排
太陽光:窓面からブラインドで輝度調整された自然光を導入し、吹抜
井水放射パネルとスクリーンライトの融合 - Integration of Chilled Radiation Ceiling and Screen Light
(光の鉛直面)を組合せ、様々な複合効果を生み出している。
オフィス内の放射面を省エネルギーで形成するため、以下に記す自
‥
旧本社(照明消費電力 17W/ ㎡)
南面(太陽高度の高い日射を防ぐ庇)
- Intensive Utilization of Natural Potential
外気 :免震層を経由した外気により外気冷房を行い、床面の冷却に
じることを防止している。
天井面で井水放射パネル(熱の水平面)とスクリーンライト
自然のポテンシャルの徹底利用
外気を予冷・予熱する。
の室内側をグレーとし、窓面輝度を抑え、輝度対比により暗く感
日射を反射し室内側の輝度を抑える
ツートンカラーブラインド
オフィス基準階平面図(2・3・4 階)
地中熱:地下の免震層をクール・ヒートトレンチとして活用し、
ブラインドによる
窓面輝度調整
よるブラインド角度制御に加えて、ツートーンカラーブラインド
導光板を用いた
スクリーンライトの発光の仕組み
コミュニケーションボイド
(自然採光・自然換気排気経路)
用し、熱を使い切ったものをトイレ洗浄水に利用する。
スクリーンライト(鉛直面)
大幅に低減している。また、天空画像撮影に基づいた曇天判断に
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主開口部
(南面、庇)
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房用に利用する。その井水は井水ヒートポンプの熱源水に利
蛍光灯(水平面)
高輝度の窓面
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壁面(西面)
事務室
井水 : み上げた井水を、冷水と熱交換して天井に流す井水放射冷
光環境は、人が明るく感じることを重要視し、人の目に入る光
を導光板を用いて鉛直方向に反射させ、適度に発光する「スクリー
11m
然のポテンシャルを複合利用する建築・設備計画とした。
熱分布画像の比較(夏季)
- Indoor Light Environment with Enhancing Brightness
の量を適切に調整するよう意図した。具体的には、LED による光
奥行の浅いオフィス空間(11m)
壁面
(東面)
日射遮蔽(夏)
発熱ガラス(冬)
床染み出し空調
天井面
28℃
主開口部(北面)
事務室
井水放射冷房
窓面の日射熱(夏)
コールドドラフト(冬)
[℃]
30
窓面:18℃
(室内空気
:22℃)
北側外観
考慮した外装とした。また、オフィスの奥行を 11m と短くし、オフィ
26.5℃・55%
350Lx
熱環境は、天井面は地下水の熱を利用した「井水放射冷房」、
調」、窓面は日射遮
み上げ量の規制がなく、街中でも年間で約 15℃で一定温度の地
負荷を低減する平面・外装計画
境を再考し、建築・設備が一体となり、オフィス空間を「適切
温度・湿度
机上面照度
であり
限に活用する建築・設備計画とした。
目標として計画されてきた。本建物では、人が快適に感じる環
一般的なオフィス
長野は冷涼な気候であり、年間を通じて晴天率が高い。地下水も豊富
下水が積極的に利用されている。このような自然のポテンシャルを最大
- Design Method Based on Human Sense
オフィス空間の室内環境設計は、室内の温湿度・照度を設計
室内環境
目標
オフィス内観
南側外観
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