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試験実施計画書 (第2版)

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試験実施計画書 (第2版)
抗菌薬の使用状況と耐性に関するグローバル時点有病率調査
(GLOBAL-PPS)
試験実施計画書 (第2版)
試験依頼者: World HAI Forum – BioMérieux
試験資金提供者: BioMérieux
試験責任者: Herman Goossens (University Hospital of Antwerp, Belgium) & Dilip Nathwani (Ninewells
Hospital and Medical School, Dundee, Scotland)
GLOBAL-PPS 開発グループ:
任務:
• GLOBAL-PPS の開発(試験実施計画書及び各種フォームの作成及び承認,本試験に参加
する国及びオピニオンリーダーの特定,発信・公表の計画立案)
• アカデミックパートナーは,ウェブフォームの検証を補助し,PPS の実施可能性調査,予
備試験及び本試験に参加する。
メンバー: Isabelle Caniaux ([email protected]),Herman Goossens
([email protected]),Marie Françoise Gross ([email protected]),Vincent
Jarlier ([email protected]),Mark Miller ([email protected]),Dilip Nathwani
([email protected]),Peter Zarb ([email protected])。
コーディネーションセンター及びテクニカルサポート: Ann Versporten, Nico Drapier and Herman
Goossens, Laboratory of Medical Microbiology, University of Antwerp, Antwerp, Belgium.
スケジュール:
-
実施可能性調査: 2014 年 4 月(グローバル PPS 運営グループの支援を得て)
-
予備調査: 2014 年 10 月(グローバル PPS 運営コーディネーショングループの支援を得て)
-
グローバル調査: 2015 年 2〜4 月(グローバル PPS 運営コーディネーショングループの支援を
得て),世界中のあらゆる国のあらゆる病院の参加を求める。
公表:
第 5 回 HAI フォーラム(2015 年 6 月)において,初回結果の予備的考察と将来計画の発表
(欧州)抗菌薬啓発デー/ウィーク(2015 年 11 月 18 日)においてグローバル発信
2
目次
背景 − 目的 ..................................................................................................................................... 4
«WEBPPSの段階的な手順 » .................................................................................................... 10
データ収集フォーム .................................................................................................................... 13

病棟用フォーム ............................................................................................................... 13

患者用フォーム ............................................................................................................... 14
データのエクスポート ................................................................................................................ 18
検証プロセス ................................................. エラー! ブックマークが定義されていません。
フィードバック ............................................................................................................................ 18
データ収集フォームと付録は本実施計画書に別途添付されている
フォーム:
 病棟用フォーム
 患者用フォーム
付録:
 付録 I : 複合抗感染症薬
 付録 II : 診断グループコード
 付録 III : 適応症の種類
各病棟につき,病棟用フォーム 1 部とすべての付録を印刷する。
抗菌薬投与患者 1 名につき,患者フォームを 1 部印刷する。抗菌薬を投与されて
いない患者については,患者フォームの記入は不要である。
3
背景−目的
背景
抗菌薬の使用状況と耐性に関するグローバル時点有病率調査(GLOBAL-PPS)は,2006 年から
2009 年にかけて欧州抗菌薬使用調査(ESAC)プロジェクトによって行われた 3 時点有病率調査
(PPS)をさらに発展させることを目的として,ビオメリュー社による資金援助の下に実施され
る野心的なプロジェクトである。ESAC PPS は,当初は欧州 20 カ国の病院 20 カ所を対象として
行われたが,最終調査では,対象施設は欧州 25 カ国の約 200 病院に拡大していた。ESAC グルー
プによる調整の下に行われた複数の研究において,このツールが欧州のさまざまな国に適用可能
であることが確認されている[1-4] 特に,このツールには次のような利点があることが確認され
ている:
1] ウェブを介したツールであるため使いやすく,データ入力や解析のためのトレーニングが
最小限で済み,またフィードバックも迅速である。
2]このツールを使用したデータ入力については高い一貫性と再現性が証明されている。
3] PPS プロトコル/ツールの使用により他の指標(その地域の抗菌薬ガイドラインのコンプラ
イアンスなど)の調査が可能となり,それにより質的改善のターゲットを特定できる。 4] 徹
底した関与とフィードバックを通じて調査への参加を促し,処方者と地域の感染症専門家集団
との間のコミュニケーションを向上させる。
まとめると,PPS の使用によって問題分野を特定し,それにより処方実施を改善することを目標
とするような方策の導入が検討可能となる。ESAC プロジェクトのロールアウト(公開,及び運
用開始)は欧州において成功している。グッドプラクティスの例も複数存在する[5,6]。さまざま
な医療環境下における本手法の有用性や,広範な適応性及び適合性が,これらの検討の経験から
確認されている。
ESAC の PPS 手法は,欧州の病院に入院した小児及び新生児患者を対象とした「欧州の小児にお
ける抗菌薬耐性及び処方に関する調査(ARPEC)」ワークパッケージ 5(WP5)サブプロジェク
トに既に応用されている[7]。この手法はさらに修正され,欧州疾病予防管理センター(ECDC)
による救急病院における医療関連感染症及び抗菌薬の使用に関する時点有病率調査(ECDC-PPS)
にも応用された。2010 年,欧州内 23 か国,66 病院において予備調査が実施された。この調査で
は,データ入力とフィードバックにオンラインツ−ルが使用された[8]。
2013 年 6 月 23 日から 25 日にかけて,フランス・アヌシーのメリュー財団において,「国境を超
えた抗菌薬耐性の制御」と題した第 4 回世界 HAI フォーラムが開催された。この会議の結論とし
て,取り組むべき 2 つの重要課題が特定された。その一つが,病院(及び地域)における抗菌薬
の使用状況に関するグローバル時点有病率調査の実施であった。ビオメリュー社は GLOBAL-PPS
に資金を提供しているが,これは,この取り組みが,グローバルな取り組みを支援し,さまざま
な資源及び地理的条件下における管理的介入を通じて抗菌薬耐性をより適切に制御するという,
ビオメリュー社及び世界 HAI フォーラムの目的に合致するためである。
4
目的
GLOBAL-PPS は,入院患者における抗菌薬の処方率を監視するために,データ収集についての標
準化された監視法をグローバルレベルで普及することを目的としている。GLOBAL-PPS により,
入院患者への抗菌剤の処方に各国でどのようなばらつきがあるのかが明らかになるだろう。
GLOBAL-PPS は次のことを実現する。
1. 品質改善を行う対象を特定する(周術期予防期間,地域の病院のガイドラインの準拠,抗菌
薬治療の適応症の文書化など)
2. 抗菌薬の慎重な使用を促すことを目的とした病院への介入方法を考案する
3. PPS を繰り返し行うことで,その介入の効果を評価する
GLOBAL-PPS は,時点有病率調査のためのグローバルネットワークを構築することを目的として
いる。全大陸のできる限り多くの国からできるだけ多くの病院の参加を得るため,資源が限られ
た地域からの参加を促すために,必要情報の一部は簡略化されている。
GLOBAL-PPS 研究論点は,下記の条件が異なることで,処方パターンや抵抗性プロフィールに差
異があることに関するものである。
1. 大陸
2. 国
3. 適応症
4. 病棟分類
5. 病院特性
本調査の目的は,病院,国,地理的地域,又はその他のカテゴリー間のベンチマーキングを行う
ことではない。
結論として,GLOBAL-PPS の主要目的は,抗菌剤処方の質向上のための改善点を特定し,慣行
を変え,かつ介入の影響を測定するためのツールを開発及び提供することにより,病院を支援
することである。
5
GLOBAL-PPS 実施計画書の詳細
1.
PPSの実施スケジュール
全ての参加病院は,データ収集の開始から連続して最長 4 週間以内に時点有病率調査(PPS)を完
了しなければならない。
データ収集には次の 2 期間が予定されている。
1. 予備調査:2014 年 10 月
2. グローバル調査:2015 年 2 月〜4 月
対象診療科
2.
参加病院のすべての病棟(又は施設/科)を対象に含めなければならない。分母(入院患者数)を
正確に計算するため,各病棟は単一の日に一回のみ調査される。しかしながら,異なる病棟の調査
は異なる日に行って良い。
各病院は,規定の期間内であれば,データ収集をどの1日(あるいは複数日)に行うかを(病院及
び組織の規模に応じて)決定することができる。
診療科は,5 種の小児科,2 種の新生児診療科,6 種の成人診療科に分類される(11 ページの「診療
科リストの準備」を参照)。
外科病棟(PSW, ASW)の調査は,過去 24 時間の予防的投与に関する情報が入手できるように,週
末や公休日の翌日(すなわち,欧州では月曜日,イスラム国では土曜日)を避けて行うこと。
集中治療室と内科病棟(外科病棟以外のすべての病棟)の調査は,週末や公休日を除き,平日であ
ればいつ行ってもよい。診療科については,さらなる細分化(精神科,整形外科など)は行わない。
選択基準
3.
調査日の午前 8 時時点で病棟に入院しているすべての患者(内視鏡検査や人工透析などのための日
帰り入院を除く)を分母に加え,調査日の午前 8 時に「抗菌薬を投与されている」すべての入院患
者を分子に加える(すなわち,これらの患者についてのみ患者フォームを記入する)。
 「抗菌薬を投与されている」患者は以下のとおり定義される。
•
抗菌薬投与中であるが(例えば,48 時間おき),調査実施日にはこの抗菌薬を投与されな
かった患者も対象に含めること=抗菌薬投与中
•
調査日の午後 1 時に処方された抗菌薬(回診中又は結果が出た場合,又は手術前の予防的投
与)は対象に含めないこと(午前 8 時時点で作用していない又は投与されていない)。
 産科病棟の健康な新生児は対象に含める。この病棟には GNMW というコードを割り当てる。
4.
除外基準
 日帰り入院患者と外来患者は除外する。これらの患者は,外来診療患者として定義する。従っ
て,「日帰り」手術例のデータと,「日帰り」検査室からのデータは,調査対象から除外する。
6
 調査日 8 時以降に入院した患者は,調査時点では病棟にいるであろうが除外する。除外基準に
該当する患者/病棟は,分子データ,分母データのいずれにも含めない。
5.
分母データ
 調査対象病等において午前 8 時時点で適格条件を満たす入院患者の総数。午前 8 時前に退院し
た患者,及び又は,午前 8 時を過ぎてから入院した患者のデータは収集しない。病棟用フォー
ムでは,分母は午前 8 時時点で適格条件を満たす入院患者の総数を指す。
 調査対象病棟において午前 8 時時点で入院患者に割り当てられた適格条件を持たすベッドの総
数。これは,調査時点における総入院患者ベッド数に相当する。
ベッド数=病棟内の総ベッド数(=使用中のベッド数+空ベッド数)
ベッド数は常に午前 8 時時点の入院患者数よりも多くなければならない。
6.
•
•
調査対象抗菌薬
全身投与用抗菌薬: J01
全身投与用抗真菌薬: J02 及び D01BA(グリセオフルビンとテルビナフィンを含む)
結核治療薬として使用される抗菌薬: J04A(結核の治療に用いられる他のすべての薬剤と同様、
•
抗結核薬は抗菌薬として扱う)
• 消化管感染症治療薬として使用される抗菌薬: A07AA
• 抗菌薬として使用される抗原虫薬,ニトロイミダゾール誘導体(P01AB)
• インフルエンザ用抗ウィルス薬–ノイラミニダーゼ阻害薬 (J05AH)
•
抗マラリア薬: P01B
局所抗菌薬は調査から除外する。
WebPPS プログラムには,すべての調査対象抗菌薬のリスト(WHO ATC 分類 1 に基づく)が提示さ
れている。このリストは,GLOBAL-PPS プログラムから Microsoft Excel®ファイルとして抽出する
ことができる。このファイルにはすべての物質とその投与経路が掲載されている。
このリストに掲載されていない薬剤があった場合は,Ann Versporten ([email protected])に
連絡すること。彼女がその薬剤名を手動でGLOBAL-PPSプログラムに入力する。
新たに薬剤を追加する場合は,以下の情報が必要となる。
•
•
•
7.
商品名及び/又は物質レベルの ATC 名(ATC レベル 5)(商品名が使用されていない場合)。
この名称は GLOBAL-PPS プログラムのすべてのプルダウンリストで使用されるため,必ず記入
すること。
物質レベルの ATC コード(7 桁)
投与経路
集学的チーム
各病院において,カルテの読解に精通し,ローカルガイドラインに関する十分な知識を持ったスタ
ッフ(感染症専門医,微生物学者,薬剤師,感染対策の専門家,看護師又は他のヘルスケア専門職
に従事する者)からなる集学的チームを編成することが求められる。ローカル管理者を指名する必
要がある。
7
ローカル管理者は以下の業務を行う。




病院のオンライン登録
患者固有データの GLOBAL-PPS プログラムへの入力
データ検証
ローカルフィードバックレポートの作成
病院管理者のデータ入力業務を補佐する追加病院ユーザーを GLOBAL-PPS プログラムに登録して
もよい。
8.
データのプライバシー
GLOBAL-PPS プログラムに登録後,各病院には連続番号が割り当てられる。病院の名称はとのよう
な報告書や出版物にも公表されることはない。
GLOBAL-PPSプログラムでは,患者は完全に匿名化される。すべての患者記録に,固有の個人識別
不能な調査番号が割り当てられる。この番号は,複数の内部コードに基づき,コンピュータープロ
グラムによって自動的に生成される。この番号は,GLOBAL-PPSデータベース上で各患者を一意的
に識別する。
9.
データの所有権
 データの所有権は各病院に帰属する。
 このデータベースに保存されたデータは,アントワープ大学(ベルギー)のコーディネーショ
ンセンター及びテクニカルサポートチームによって管理される。
 コーディネーションセンター及びテクニカルサポートチームは,データの解析と報告書の作成
を行う。これらの解析結果と報告書の所有権は,GLOBAL-PPS に帰属する。
 GLOBAL-PPS コーディネーションブループは,国別解析の実施を推奨する。
10.
倫理的な承認
GLOBAL-PPSマネジメントチームでは,倫理委員会による承認取得やプライバシー関連法案の用件
を満たすために,要望に応じて,各病院の倫理委員会宛のレターを作成する(問い合わせは[email protected]まで)。
11.
テクニカルサポート
アントワープ大学コーディネーションセンター及びテクニカルサポートチームは,ソフトウェア,
又は直面した他のあらゆる問題,及び/又はデータ収集・入力に関する質問に対応する「ヘルプデ
スクを設置する([email protected]又は電話番号: +32 32652418,月曜日〜金曜日 9 時〜17
時,中央ヨーロッパ時間)。コーディネーションセンター及びテクニカルサポートチームは,本プ
ロジェクトに関する一般的な問い合わせもいつでも受け付けている。

各フォームのウェブページのレイアウトは,紙版とほぼ同じである。
GLOBAL-PPSプログラム(http://app.globalpps.uantwerpen.be/globalpps_webpps)は以下の機能を
提供する。
8
1.
2.
3.
4.
5.


無効又は誤った数値(範囲外の値など)を回避するための内部チェック
ポップアップウィンドウによる記入方法の説明
各画面についての補足情報を提供するヘルプ機能(画面上部左側)
ペルプページ,マニュアル,「FAQ」セクション
わ か り や す い オ ン ラ イ ン ト レ ー ニ ン グ ビ デ オ に よ る , GLOBAL-PPS プ ロ グ ラ ム
(http://app.globalpps.uantwerpen.be/globalpps_webpps)を用いた効率的なデータ入力方法の
説明。
データベースの定期的なバックアップにより,データの完全性を保証
データは Microsoft Excel®様式でエクスポートされる
ソフトウェアとデータベースは,ヨーロッパ,ベルギーのアントワープ大学がホストする。
12.
公表に関する取り決め
GLOBAL-PPSコーディネーションブループは,GLOBAL-PPS開発グループとの連帯及び合意に基づ
き,データ発信のための機会を模索し,国別解析の実施を推進する。国又は地域レベルでの公表に
ついては,参加施設はGLOBAL-PPS開発グループが定めるデータ発表方針に準拠する必要がある。
この方針には,データ発表の進め方が説明されている。データ発表方針のコピーを希望する場合
は,[email protected]までEメールで問い合わせること。
9
«WEBPPSの段階的な手順»
患者データを入力する前に必ず以下の作業すべてを完了しておくこと
各病院において,いかなる患者データであっても,WebPPS に入力する前には必ず,以下の作業を
完了しておく必要がある。
1. Global-PPSウェブサイトへの病院の登録:
http://app.globalpps.uantwerpen.be/globalpps_webpps
 GLOBAL-PPS に初参加:以前の WebPPS(ESAC, ARPEC, ECDC-PPS)に病院が登録されている
場合でも,新規の病院として登録する。
 GLOBAL-PPSに 2 回目及びそれ以降の参加:病院の別スタッフがすでに参加したことがある,
又は予備GLOBAL-PPSへ参加したことがあるため,既に病院が登録されている場合は,既存の
ログイン名(ユーザー名)とパスワードを使用すること。この情報をなくした場合は,Ann
Versporten ([email protected])に連絡して,自分の連絡先の詳細情報(病院名と所在国)
を伝えること。
 初参加の病院は ,ホームページ上部のメニューから「register」タブをクリックし,病院と当該
地域のGLOBAL-PPS管理者についての情報を入力すること。*印のついた欄は必須項目である。
−
−
−
−
−
−
−
−
−
施設名*
コード* : CAPTCHA を入力する(スパムの混入を避けるための登録コード)。
病院の種類* : 一次,二次,三次,専門病院 1
教育病院*: 「はい」又は「いいえ」
代表 E メールアドレス*(管理者の E メールアドレスでもよい)
所在地
国/郡/地区*。郡および地区がない場合は,国名を記入すること
当該地域の WebPPS 管理者の氏名*及び E メールアドレス*
ログイン名とパスワード*:当該地域の WebPPS 管理者によって設定される
FINISH ボタンを押して登録を完了する。
 登録が適切に行われると,ローカル管理者は GLOBAL-PPS プログラムにログイン可能となり,
そのすべての機能を使用できるようになる。
 ローカル管理者は新たな連絡先を追加し,補助員としてデータ入力を行う権利を付与すること
2
一次レベル: しばしば地区病院(District Hospital)や一次紹介病院(First-level Referral)と呼ばれる。これらの病院では
専門科の数が少なく,主として内科,産婦人科,小児科,一般外科からなり,又は総合診療科のみの場合もある。実施可
能な検査の種類は少なく,一般的な病理検査は可能であるが,専門的な病理検査は行っていない。教育研修機能を持たな
い総合病院の多くがこれに該当する。二次レベル: しばしば州立病院(Provisional Hospital)と呼ばれる。機能的に高度に
差別化され,5~10 種の臨床専門科(血液内科,腫瘍科,腎臓専門医,ICU など)を擁し,他の(一次)病院からの紹介
も受け付ける。教育研修機能を持つ総合病院の多くがこれに該当する。三次レベル: しばしば中央病院,地域病院
(Regional Hospital),又は三次病院と呼ばれる。高度に専門化されたスタッフと技術的な装置(ICU,血液内科,移植科,
心臓胸部外科,脳神経外科,特殊画像診断ユニットなど)を擁し,臨床サービスも機能的に高度に特種化されている。各
種地域サービスを提供し,他の(一次及び二次)病院からの紹介を日常的に受け付ける。大学病院の多くがこれに該当す
る。専門病院:ある 1 つの臨床分野(又はその下位分野)に特化した病院であり,高度に専門化されたスタッフと技術的
な装置が配備されている。小児科病院,感染症病院などがこれに該当する。
10
ができる。ただし,この補助員が行うことができるのは,新たな患者データの入力と,患者デ
ータの修正のみである。診療科の追加又は変更,データのエクセルファイルへの抽出,データ
の検証およびレポートの作成を行う権利は,ローカルの管理者のみに付与される。
2. 診療科リストの作成
ログイン後,最初に,すべての病棟(施設/科)を設定する必要がある。この情報は後で患者情報
を入力する際に,ドロップダウンリストに表示される。
階層構造に従って各診療科を設定する。各診療科について以下の情報を入力する。
•
診療科の名称(NAME)。必須項目であり,ここで入力した名称はGLOBAL-PPSプログラムの
診療科ドロップダウンリストで使用される。例えば,「一般病棟 」のカテゴリーには様々な病
棟が存在する可能性があり,これらの病棟に特定の,又は適切な名称がつけられている場合は,
その名称を入力する(例:内科病棟 1~内科病棟’N’,神経内科病棟及び精神科病棟などの他病
棟)。すべて の成人,小児及び新生児入院患者を対象とした診療科を含むこと(すなわち,院
内での標本抽出は行わない)
•
•
コード及び説明=任意
診療科の種類(TYPE)。必須項目であり,GLOBAL-PPSプログラムによって提示される。以下
の主要な 13 種類から選択する。
小児科:
 PMW(Paediatric Medical Ward:小児科病棟)
 HO-PMW(Haematology-Oncology PMW:小児血液・腫瘍内科病棟)
T-PMW(Transplant (BMT/Solid) PMW:小児移植(骨髄/固形臓器)病棟)
 PSW(Paediatric Surgical Ward:小児外科病棟)
 PICU(Paediatric Intensive Care Unit:小児集中治療室)
新生児診療科:
 NMW(Neonatal Medical Ward:新生児内科病棟)
 NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)
成人診療科:
 AMW(Adult Medical Ward:成人内科病棟)
 HO-AMW(Haematology-Oncology AMW:成人血液・腫瘍内科病棟)
 T-AMW(Transplant (BMT/solid) AMW:成人移植(骨髄/固形臓器)病棟)
 P-AMW(Pneumology AMW:成人呼吸器内科病棟)
 ASW(Adult Surgical Ward:成人外科病棟)
 AICU ([Adult] Intensive Care Unit:[成人] 集中治療室)
困難なケースの例:
 PICU/NICU 合同施設については,当該施設に割り当てられた PICU と NICU のベッド数が適度に安
定している場合は,これらを分けて考慮する必要がある。すなわち,2 つの病棟(PICU と NICU)
に分けて設定する。
11
•
各診療科の業務内容(ACTIVITY)(内科,外科,集中治療)は,選択された診療科の種類に基づ
き,ソフトウェアによって自動的に割り当てられる。これは,その診療科の「主要な(MAIN)」業
務内容 を表している。この主要業務を変更又は解除することはできない。診療科の「主要」な業務
以外にも,調査当日に当該診療科を混合診療科と設定することもできる(調査当日に一部の患者が
異なる内容の診療を受けた場合)この作業は分母データを入力する際に行う(別添「各種フォーム」
の「病棟用フォーム」を参照)。
GLOBAL-PPS プログラムには複数の診療科が手動で入力される。
3. 適切な調査の選択
適切な調査をオンラインで選択する: 「Survey」へと進む
4. すべての調査対象病棟の分母を入力する
データ収集フォームを参照のこと−「病棟用フォーム」
最初の患者データを入力する「前」に,調査対象病棟の分母データ(患者数及び床数)の入力を完
了すること。
上記のすべての作業を完了して初めて患者データの入力が可能となる。
病院の登録,診療科の設定,調査のアクチべーション,そして患者データの追加を行う方
法を自己学習すること。オンライントレーニングセッション(下記アドレス)を参照のこ
と(動画は英語,スペイン語,ロシア語で提供されている)。
http://app.globalpps.uantwerpen.be/globalpps_webpps
12
データ収集フォーム
データ収集を円滑に行うために,病棟ごとに病棟フォーム 1 枚と対応する付録を印刷する。「患者
フォーム」の枚数は,各病棟における抗菌薬投与患者数に応じて決定する。これらのフォームはオ
ンラインウェブフォームに対応している。
 病棟用フォーム
 患者用フォーム
各病棟のデータ収集が終了したら,すべての患者(予防的投与を含む抗菌薬投与患者)の患者
フォームを病棟フォームに添付する。
 病棟用フォーム
調査日–診療科/病棟の調査が行われた日:DDWWYYYY.
調査者コード–調査者のコード(数字又はアルファベット)。各病院内で固有のものでなければな
らない。このコードは調査者に関連する潜在的なバイアスの有無を特定するために用いられる。
病院 – 病院名
病棟 – 診療科/病棟の名称及びコード(任意)
診療科の種類 –正式な病棟の種類(例:外科病棟において,内科病棟で収容しきれない患者を受け
入れている場合は,「外科病棟」と記録する)
特種なケース: 複数の異なる業務を行う混合診療科: ベッドと病棟を複数の科で共有
している病院では,分母を算出することが困難である。実際には,①「正式な」診療科以
外の専門分野からの患者を随時受け入れている病棟と,②常時混合病棟であり,専門分野
毎ごとのベッド数に関するデータが得られない場合,の2つに分けられる。
したがって,データ入力時及び必要に応じて,診療科を混合診療科として設定することが
可能である。その場合は,調査日に観察された様々な業務の内容を,総入院患者数及び設
定された業務内容ごとの総ベッド数と共に明記すること。必要に応じて,調査者は病棟の
調査を開始する前に,その病棟に勤務する医療従事者に対し,他の診療科からの患者の有
無を確認する。
すなわち,混合診療科は業務レベルに基づいて設定される。
混合診療科 – 混合診療科の場合は Y,そうでない場合は N をチェックする。
業務内容 –調査日に観察されたすべての業務内容(内科,外科,集中治療など)を選択する。「主
たる」業務に加えて,補助的な病棟業務を設定することができる(主たる業務は GLOBAL-PPS プ
ログラムによって診療科リスト作成時に自動的に割り当てられる;11 ページの「診療科リストの作
成」参照)。(例:外科病棟において,内科病棟で収容しきれない患者を受け入れている場合は,
「外科病棟」と記録する:主たる業務である「外科」(GLOBAL-PPS プログラムで既にチェックさ
13
れている)に加えて,「内科」のボックスにチェックを入れることにより,当該病棟を混合診療科
と設定する)
分母1. PPS 実施日の午前 8 時時点の総入院患者数を,該当する業務の欄に入力する。混合診療科の場
合は,観察された業務のそれぞれに対応する入院患者数を入力する。留意点:午前 8 時前に退
院した患者,及び/又は午前 8 時を過ぎてから入院する予定の患者は集計に加えない。
2. PPS実施日の午前 8 時時点での入院患者数に対応した「適格条件を満たす」総ベッド数。混合診療科
の場合は,観察された業務のそれぞれに対応する総ベッド数を入力する。
ベッド数=病棟内の総ベッド数(=使用中のベッド数+空きベッド数)。ベッド数は常に午前 8 時
時点の入院患者数と同等又はそれ以上でなければならない。
分母の算出が困難な場合の例:
•
外科/内科混合診療科:外科患者数と内科患者数を入力する。正式な病院リストに従って正確
に設定されていない場合は,外科及び内科の空きベッド数を,外科ベッド数及び内科ベッド数
に比例的(又は均等)に分配する。
•
定員超過の診療科: PPS実施日における「実際の状況」に関する情報(総入院患者数及び調査日
の総ベッド数など)を入力する。
•
病棟のベッド数を上回る数の患者がいる場合:総ベッド数に総入院患者数を入力する。すなわ
ち,ベッド数=PPS 実施日の午前 8 時時点での入院患者数。
最初の患者データを入力する前の調査対象病棟の完全な分母データ(=患者数及びベッド
数)
 患者用フォーム
病棟(名称/コード)– 調査対象病棟の名称を入力する。名称は Global-PPS プログラムのドロップ
ダウンリストから選択する。なお,ここで表示される名称は,診療科リスト作成時に設定されたも
のである(11 ページの「診療科リストの作成」のステップを参照)。
業務内容 – 混合診療科の場合は,患者が受ける診療内容を記入する(M:内科,S:外科,ICU:
集中治療)。
完全な患者識別番号 – 最終的に患者を特定するためのローカルな患者追跡を可能にする固有の番
号(臨床記録/カルテ番号,病院番号など)。この情報は,GLOBAL-PPS データベースに報告又は
提出されない。
調査番号 – 各患者記録に対して GLOBAL-PPS によって作成された,個人識別不能な固有の番号。
この番号は再度表示されることがないため,オンラインデータ入力担当者は,プログラムによって
この番号が作成されたら,すぐに番号を書き留めること。この番号は,GLOBAL-PPS データベー
ス上で各患者を一意的に識別する。
14
年齢 – 3 つの空欄,それぞれ年,月,日の入力用の欄がある。以下の基準に従い,1 つの欄のみ使
用するよう覚えておくことが重要である。
 生後 30 日未満の場合は,既に経過した日数を正確に入力する。
 生後 1 カ月以上 2 歳未満の場合は,月欄に数値を入力する (19 カ月など)
 2 歳以上の場合は,年欄のみに数値を入力する。
体重 – 現在の体重を小数点第二位まで kg で記載する(オプション)。
性別 – M(男性),F(女性)
薬剤名 – 一般名を入力する(例:「オーグメンチン®」ではなく「アモキシシリン+クラブラン
酸」)。皮膚,眼,耳などに投与する局所抗菌薬は調査対象に含まない。ただし,口腔内局所投与
薬(バンコマイシンなど)はPPSに含める。抗菌薬データは,WHO医薬品統計法共同研究センター
によるATC分類(http://www.whocc.no/atc_ddd_index/) を用いて自動的に記録される。
調査対象に含まれる処方抗菌薬は以下のとおりである。
1. すべての全身投与用抗菌薬: J01
2. 抗真菌薬: J02 及び D01BA(グリセオフルビンとテルビナフィンを含む)
3. 抗結核薬として使用される抗菌薬: J04A(結核の治療に用いられる他のすべての薬剤と同様、
抗結核薬は抗菌薬として扱う)
4.
5.
6.
7.
消化管感染症治療薬として使用される抗菌薬: A07AA
抗菌薬として使用される抗原虫薬,ニトロイミダゾール誘導体(P01AB)
インフルエンザ用抗ウィルス薬–ノイラミニダーゼ阻害薬(J05AH)
抗マラリア薬: P01B
単ユニット投与量及び投与単位 – 投与量は,実際に処方された投与一回あたりの単ユニット用量
を指し,単位 mg 又は IU で表される。既定の単位は mg である(例:co-amoxiclav(アモキシシリ
ン・クラブラン酸合剤)457 mg に含まれるアモキシシリン 400 mg を書き留める;次の変数欄には
一日当たりの投与回数を入力する)。注意:この場合“amoxicillin”ではなく“co-amoxiclav”と記
載すること。
・コトリモキサゾールなどの2 種類以上の有効成分を含有する配合剤については,総含量を
GLOBAL-PPSに入力する。例えば,スルファメトキサゾール 200 mg/トリメトプリム 40 mg 配合
剤の場合は,240 mgと入力する。
・主たる抗菌薬として 1 種類の有効成分を含有する配合剤(ペニシリン+酵素阻害剤など)につい
ては,有効成分の含量のみをGLOBAL-PPSに入力する。例えば,co-amoxiclav125/31(アモキシシ
リン 125 mgと,カリウム塩としてクラブラン酸 31 mgを含有)の場合は,125 mgと入力する。
その他の抗生物質と酵素阻害剤の配合剤:
J01CR01
J01CR02
J01CR03
J01CR05
アンピシリン+酵素阻害剤:アンピシリンの用量のみを入力
アモキシシリン+酵素阻害剤:アモキシシリンの用量のみを入力
チカルシリン+酵素阻害剤:チカルシリンの用量のみを入力
ピペラシリン+酵素阻害剤:ピペラシリンの用量のみを入力
その他の例は次のURLを参照のこと: http://www.whocc.no/ddd/list_of_ddds_combined_products/
投与回数/日 – 24 時間あたりの実際の処方投与回数。例えば,6 時間ごと=4 回/日,8 時間ごと
=3 回/日,12 時間ごと=2 回/日,16 時間ごと=1.5 回/日,36 時間ごと=0.67 回/日,48 時間
ごと=0.5 回/日となる。
15
経路 – 投与経路
非経口(P),経口(O),直腸(R),吸入(I)の 4 経路が含まれる。
診断 – 当該患者の治療を行う理由を入力する(診断名のリストは付録II「フォーム」参照)。1 つ
の診断名のみを入力すること。複数のカテゴリーが考えられる場合は,最も当てはまるものを入力
する。必要に応じて,医師,看護師,又は薬剤師からのより詳細な情報を要求すること。
適応症の種類 – 治療対象の適応症に関する情報は,各種記録を参照する,及び/又は病棟スタッ
フから入手する。この項目は,付録 III「フォーム」に記載されている適応症コードを用いて記入す
ること。
 外科病棟の患者については,24 時間以内における予防的な抗菌薬投与の有無を確認し,予防投
与期間のコードとして,1 回,1 日(1 日に複数回投与),又は複数日のいずれかを入力する。
投与理由の記載の有無 – 「はい」又は「いいえ」を選択する。選択は,カルテに適応症が記載さ
れているかによる。
これは,治療の対象となる診断名又は適応症が,抗菌薬投与開始時のカルテに記録されているか
どうかを確認する項目である。重要な品質の指標として,この情報が一貫した一つの方法,すな
わち,調査実施日のカルテに記載されている情報に基づいて収集されているかどうかが重要であ
る。この項目の入力にあたっては,他者に尋ねたり,調査日以外の記録を調べたりしてはならな
い。この情報は,調査を実施した時点のみを照会し,カルテの記録にのみ基づいていなければな
らない。
ガイドラインの準拠– 抗菌薬の選択が,ローカルガイドラインに準拠しているかどうかを,Y:は
い(ローカルガイドライン又は感染症専門家のアドバイスに準拠),N:いいえ,NA:評価不能
(当該適応症に対するローカルガイドラインが存在しない),NI:情報なし(適応症不明)から選
択する。したがって,ここでの適切さは抗菌薬の選択にのみ関するものであり,異論を招きやすい
ことから,投与量,投与経路又は投与期間の適切さを意味するものではない。注:感染症専門家の
指導を受けた治療は「はい,準拠している」を選択する。
停止/再検討日が記録されているか。「はい」又は「いいえ」を選択する。停止/再検討日の見込
みがない長期予防に使用する場合であっても,当フォームに含んだすべての抗生剤について入力す
ること。
治療の種類 – E 又は T を選択する。

経験的療法(E)= 経験的 – 抗生物質が,考えうる最善策として,ローカルガイドラインに
準拠して使用されている場合。経験上,有用であることが証明されている方法による治療。
 標的療法(T)= 微生物検査結果に基づいた療法。微生物検査結果には,スクリーニング用
試料ではない,適切な臨床試料(血液,喀痰など)のすべての培養及び/又は感受性試験の
結果や,尿中レジオネラ抗原など,その他のいかなる微生物学的結果を含む。
調査時点で利用可能な情報を書き留めること(例:調査翌日に血液培養結果が陽性と確認された場
合も経験的療法とみなす)。
バイオマーカーデータに基づく治療 – 「はい」又は「いいえ」を選択する。
バイオマーカーの結果に基づいて治療法が選択されたかどうかを記入する。「はい」の場合は,隣
の欄に参照したバイオマーカーを記入する。
バイオマーカーデータの使用に基づく治療 – 「CRP」又は「PCT」又は「その他」
以下の 3 つの選択肢から選択する。
• CRP = 治療が CRP(C 反応性蛋白)値に基づいて選択された場合
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•
•
PCT =治療が PCT(プロカルシトニン )値に基づいて選択された場合
Other = 経験的治療が CRP 値及び PCT 値以外のバイオマーカーの検査結果に基づいて選択さ
れた場合
微生物検査データに基づく治療の場合は以下の各欄を記入すること
注:微生物検査データとは,(スクリーニング用試料ではない)適切な臨床試料すべての培養及び
/又は感受性試験の結果や,尿中レジオネラ抗原などの他のいかなる微生物学的結果を指す。
MRSA に対する標的療法 – 「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を標的としているかどうかを記入する。
MRCoNS に対する標的療法 – 「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌を標的としているかどうかを記入
する。
VRE に対する標的療法 – 「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,バンコマイシン耐性腸球菌を標的としているかどうかを記入する。
ESBL 産生腸内細菌に対する標的療法 –「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,広域スペクトル β-ラクタマーゼ産生腸内細菌を標的としているかどうかを記入
する。
ESBL 非産生又は ESBL 産生能未確認の第 3 世代セファロスポリン耐性腸内細菌に対する標的療法
– 「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,腸内細菌を標的としているかどうか,ESBL 産生能が未確認であるか,又は他
の耐性機構が存在するかを記入する。
カルバペネム耐性腸内細菌に対する標的療法 –「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,カルバペネム耐性腸内細菌を標的としているかどうかを記入する。
ESBL 産生ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌に対する標的療法 –「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,広域スペクトル β-ラクタマーゼ産生ブドウ糖非発酵菌(Pseudomonas
aeruginosa, Acinetobacter baumannii, Burkholderia spp., Stenotrophomonas maltophilia)を標的と
しているかどうかを記入する。
カルバペネム耐性ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌に対する標的療法–「はい」又は「いいえ」を選
択する。
選択された薬剤が,カルバペネム耐性ブドウ糖非発酵菌(Pseudomonas aeruginosa, Acinetobacter
baumannii, Burkholderia spp., Stenotrophomonas maltophilia)を標的としているかどうかを記入す
る。
MDR 病原体に対する標的療法–「はい」又は「いいえ」を選択する。
選択された薬剤が,上記以外の多剤耐性病原体を標的としているかどうかを記入する。
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データのエクスポート
データは Microsoft Excel®ファイルにエクスポートすることができる。この操作は,データ入力過
程の任意の時点で行うことができる。このデータには,記録された診療科及び患者の生データが含
まれる。ユーザーはこれらのデータを使用して,自身のデータの検証(データの正確性と完全性)
を行うことができる。また病院も,これらのデータを使用して,自施設のデータを解析することが
できる。
検証プロセス
分母データとすべての患者データを GLOBAL-PPS プログラムに入力したら,「ローカル管理者」
はフィードバックプレゼンテーションを作成することができるように,検証プロセスを完了する必
要がある。
検証プロセスでは,調査上の小さな,基本的な問題,注意事項又はエラーが特定される。それらの
例として以下が挙げられる。




調査データの未入力
不完全な診療科データ(調査者コードや分母データの欠落など)
患者データが入力されていない診療科データ
抗菌薬の投与に関する記述がない,又は抗菌薬の投与に関する記述が二重に記載されている
患者データ
 極端に高い値に関する警告
GLOBAL-PPS プログラムでの検証プロセス
フィードバック
ソフトウェアにより,各参加病院に対するフィードバックが自動的に作成される。収集されたデー
タは,各病院が自施設のデータを直ちにローカルで発表することができるように,シンプルで使い
易いフィードバックとして各病院に送信される。フィードバックでは,各病院のデータが,①国
(病院数が 3 以上の場合)及び②大陸レベルでの結果と比較される。
フィードバック報告書は,データ入力/確認タイムウィンドウが閉じられ,かつ,病院データが認
証された場合にのみ作成される。国及び大陸レベルでの信用性の高い抗菌薬使用率を(調査の最終
時点で)得るために,この(報告書が作られるまでのタイミングの)遅れはどうしても必要となる。
フィードバック報告書には,抗菌薬使用と抗菌薬耐性菌の有病率に関連する様々な表(及び図)が
含まれる。
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ご質問やお困りのことがありましたら,下記担当者にお問い合わせ下さい:
Ann Versporten ([email protected])
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参考文献
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