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ヨーグルトの消費行動における諸要因-ヨーグルトの消費
平成 16 年度卒業研究論文 ヨーグルトの消費行動における諸要因 −ヨーグルトの消費頻度との関係から− 筑波大学第三学群社会工学類 社会経済専攻 200101016 戸田 昌宏 指導教員 石井 健一 目次 第1章 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1−1.研究目的 1−1−1.タイプ別ヨーグルトの定義について 1−2.仮説の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 第2章 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2−1.ラダリング法による質的調査 2−1−1.ラダリングの方法 2−1−2.ラダリング法による調査結果の概要 2−2.質問票による量的調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 2−3.今回の量的調査での問題点 第3章 結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 3−1.結果の概要 3−2.ヨーグルト消費者の実態について 3−2−1.ヨーグルトの消費頻度について 3−2−2.住居形態とヨーグルト消費頻度の関係 3−2−3.ヨーグルト消費時間帯とヨーグルト消費頻度の関係 3−2−4.性別とヨーグルト消費頻度の関係 3−2−5.健康効用測定指数とヨーグルト消費頻度の関係に関する考察 3−3.仮説検証結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 3−3−1.健康意識とヨーグルト消費頻度の関係 3−3−2.デザート消費頻度とヨーグルト消費頻度の関係 3−3−3.スポーツの頻度とヨーグルト消費頻度の関係 3−3−4.外食頻度とヨーグルト消費頻度の関係 3−3−5.幼少時代の習慣ヨーグルトと現在の習慣ヨーグルトとの関係 3−3−6.忙しさの指標とヨーグルト消費頻度の関係 3−3−7.サプリメント消費頻度とヨーグルト消費頻度の関係 第4章 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 33 (質問票、単純集計結果) 謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 第1章 はじめに 1−1.研究目的 近年、需要が伸び悩む傾向が目立つ食品業界において、注目に値する成長を遂げている 市場がある。それは、ヨーグルト市場である。工業的なヨーグルト製造がスタートした 1950 年から約半世紀。いろいろなタイプのヨーグルトが市場に出回ってきた。今日、スーパー マーケットやコンビニエンスストアーではヨーグルトの専用コーナーができるぐらいのヨ ーグルトブームである。このようなヨーグルト市場において、具体的に市場規模の推移を 見てみると、図1のようになる。 図1 <ヨーグルト市場規模推移> ヨーグルト市場規模推移 (億円) 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 (年度) 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 (脚注、参考資料の(1),(2),(3)による市場規模のデータを用いて、図1を作成) 図1から分かるとおり、1995 年から 2003 年にかけて、市場が2倍に伸びていることが 分かる。ここ2年間では特に高度成長になっている。では、このヨーグルト市場において、 「現在、消費者はどのようなヨーグルト消費行動をしているのか」、また、「どのような要 因がヨーグルト消費行動と関係があるのか」について非常に興味を持った。そこで、ヨー グルトの消費行動の特色やヨーグルトと関連性がある諸要因に関して、あらゆる視点から 調査、分析することで、さらなる拡大傾向があるヨーグルト市場についての実態を把握し、 関連性のある要因から今後の展望を導き出していくことを本研究の最大の目的とした。 参考資料; (1)森永乳業 2003 年 3 月期中間決算説明会 (2)京都府中小企業総合センター (3)読売新聞 Yomiuri On-Line 2002 年 11 月 27 日 「M&T きょうと」ヨーグルトの一般知識と新製品開発の方向性 ブームも過熱 ヨーグルト -1- 2004 年 3 月 8 日 2003 年 11 月 ここで、近年のヨーグルトにはいろいろなタイプのヨーグルト(プレーンヨーグルト、 ソフトヨーグルト、ハードヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルト)が 市場に出回っており、それぞれのヨーグルトにおいて機能性や栄養性には違いがある。そ こで、ヨーグルトをタイプ別に分けて分析することが今後のヨーグルト市場にとって重要 な役割を果たすと考え、本研究ではヨーグルトをタイプ別に分けた研究を進めることにす る。 1−1−1.タイプ別ヨーグルトの定義について ヨーグルトのタイプ分けにはいろいろな方法があるが、牛乳・乳製品の実際知識(2001 年 鷹尾)によると、「わが国では、ハード、ソフト、プレーン、ドリンクおよびフローズ ンの5つのタイプにヨーグルトを区分することが多い」となっている。よって、本研究に おけるヨーグルトの区分は、上記の区分方法を用いる。また、それぞれのタイプに関する 定義の説明に関しては、株式会社富士経済発行「デザート市場の現状と展望∼市場を牽引 する「専門」 「本格」「値頃」商品の動向∼ 1998 年」に書かれている説明書きを参考にし た。以下がそれぞれのヨーグルトに関する定義の説明である。 ◇ プレーンヨーグルト 無添加タイプを対象とする。大半は無糖タイプであるが、砂糖を加えたものも同品目に 含まれる。尚、砂糖以外の甘味料を始めとした添加物が加えられている商品は含まれない ものとする。 ◇ ソフトヨーグルト(フルーツヨーグルト) ヨーグルト類のうち、別名フルーツヨーグルトと呼称されるように、フルーツやフルー ツ入りソースが加えられたもの、またこれらが加えられて食すよう添付されているものを 対象とする。 ◇ ハードヨーグルト ヨーグルト類にうち、ゼラチン、寒天などでプリン状に固めたものや、凝固剤を使用し なくとも甘味料を始めとした添加物を使用しているものを対象とする。 ◇ ドリンクヨーグルト いわゆる「発酵乳」で、製造過程において、冷却、均質化して微細化し、液状にしたも のを対象とする。 ◇ フローズンヨーグルト 発酵乳のうち、フローズンタイプのもので、ヨーグルトを凍らせたもの。 -2- 以上のようにヨーグルトを5つのタイプにわけたのだが、「フローズンヨーグルト」に関 しては、家庭では作られてはいるものの、商品として市場に出回っているものはほとんど 見かけないことから、消費者のイメージが湧かないのではないかと考え、曖昧な回答での 調査を避けるために今回の研究では省くことにした。 1−2.仮説の設定 仮説の設定にあたり、事前調査としてラダリング法を実施した。ラダリング法により得 られた仮説、また、私自身がこのラダリング法を通して実証してみたいと考えた仮説は以 下のとおりである。なお、ラダリングの手法と調査結果の概要については、第2章で述べ ることにする。 仮説1:「健康を意識している人は、健康を意識していない人に比べてプレーンヨーグルト を食べる頻度が高い」 仮説2:「デザートが好きな人は、デザートが好きではない人に比べてソフトヨーグルトを 食べる頻度が高い」 仮説3:「スポーツをしている人は、スポーツをしていない人に比べてヨーグルトを食べる 頻度が低い」 仮説4:「外食の多い人は、外食の少ない人に比べてヨーグルトを食べる頻度が高い」 仮説5:「子供の頃に食べていたヨーグルトは、食べていない人に比べて今でも食べること が多い」 仮説6:「忙しい人は、忙しくない人に比べてヨーグルトを食べる頻度が高い」 仮説7:「サプリメントを摂取する人は、サプリメントを摂取しない人に比べてヨーグルト を食べる頻度が低い」 仮説1は、健康意識度合いについての仮説である。テレビなどのメディアを通して、ヨ ーグルトの効用や機能性について紹介されていること、また、事前調査のラダリング法に より得られた、被験者4名全員の、 「タイプ別に分けたヨーグルトの中で最も健康要素を含 んでいるのは、プレーンヨーグルトだと感じている」という回答をもとに、この仮説を立 てた。 -3- 仮説2は、デザートの嗜好性についての仮説である。最近ではフルーツ自体における効 用や栄養性について雑誌やメディアを通して紹介されていることや味に関してもヨーグル トの種類の中では嗜好性があること、また、事前調査のラダリング法により得られた、被 験者の男女各1名の、 「果物の入っているソフトヨーグルトは食後のデザートとして食べる ことが多い」という回答をもとに、この仮説を立てた。 仮説3は、スポーツについての仮説である。スポーツをすることで健康な身体を作るこ とができるため、健康要素が含まれているヨーグルトには頼らないのではないかと考えた こと、また、事前調査のラダリング法により得られた、被験者の男1名の「スポーツをし て健康を維持しているので、あまりヨーグルトは食べない」という回答をもとに、この仮 説を立てた。 仮説4は、外食についての仮説である。外食をすることで、栄養バランスの悪い食生活 や偏った食生活になることで健康への不安が懸念されること、また、事前調査のラダリン グ法により得られた、被験者の男女各1名の、 「外食する機会が多いので、健康への不安か らヨーグルトを食べている」という回答をもとに、この仮説を立てた。 仮説5は、ヨーグルトの習慣についての仮説である。事前調査のラダリング法により得 られた、被験者の男女各1名の、「以前食べていたヨーグルトは、「習慣」や「懐かしさ」 から今でも食べることが多い」という回答をもとに、この仮説を立てた。 仮説6は、忙しさについての仮説である。事前調査のラダリング法により得られた、被 験者の男女各1人の、「起床してから家を出るまでにあまり時間がないので、健康要素が含 まれていて手軽に食べることができるヨーグルトを朝食として食べることが多い」という 回答をもとに、この仮説を立てた。 仮説7は、サプリメントについての仮説である。事前調査のラダリング法により得られ た、被験者女1名の、「以前はヨーグルトを頻繁に食べていたのですが、最近はサプリメン トの方が食べる機会が多い」という回答と、特定保健用食品市場が 10 年前にくらべて2倍 の 7000 億円市場(4)となっていることから、代替効果としてヨーグルトの消費がこの市場 に奪われているのではないかと考え、この仮説を立てた。 参考資料; (4)東京商工リサーチ ―拡大する特定保健用食品市場― -4- 2001 年 7 月 第2章 方法 2−1.ラダリング法による質的調査 仮説を設定するにあたっての事前調査として、ラダリング法による質的調査を実施した。 その方法と結果については以下のとおりである。 2−1−1.ラダリングの方法 マーケティングリサーチの論理と技法(上田 1999 年)によると、 「ラダリングとは、製 品(財およびサービスの属性・特性)と人(人の価値観)との間に梯子(ladder)を懸け、 両者を連結して、製品属性(product attributes)、製品がもたらすベネフィット(benefits; 便益)、消費者の価値(consumer values)の間の論理的な結びつきを発見し、製品が消費 者にとってどういう意味をもつかを明らかにするものである」。本研究での被験者は、19 歳 から 21 歳の男女 4 名で、所要時間は1対1の個別インタビュー形式を取り、1人につき約 1 時間程度で行った。具体的な質問方法は、以下のとおりである。 ① 「プレーンヨーグルト」、「ソフトヨーグルト」、「ハードヨーグルト」、「ドリンクヨ ーグルト」とそれぞれ書かれた4枚のカードを被験者に渡し、選好順位を決定し てもらう。 ② 1位から4位までが決定したら、1位と2位の差異が生じる理由を尋ねる。 ③ 次に2位と3位の差異が生じる理由を尋ねる。 ④ 同様に1位と3位の差異が生じる理由を尋ねる。 ⑤ 1位と2位の差異が生じる理由が被験者にとってなぜ重要であるかを尋ねる。 ⑥ 同様に、2位と3位、1位と3位の差異が生じる理由がなぜ重要であるかを尋ねる。 ⑦ 質問を繰り返し、被験者の答えが価値意識に分類されるものにまで到達したら終了 する。 この調査により得た結果を、仮説を立てるための資料として用いた。 2−1−2.ラダリング法による調査結果の概要 被験者4名を対象に実施したラダリングによる調査から、ヨーグルト消費に関する様々 な傾向が見られた。被験者は4名でその内訳は、22 歳男が 1 人、21 歳男女が 1 人ずつ、19 歳女が 1 人である。まず最も印象的だったのが、全ての人に共通して「ソフトヨーグルト」 が第 1 位であったことであった。健康には少なからず意識はしているが、やはり重視する 点は味であり、甘味料を含むこと、被験者自身の好きなフルーツが入っていることがヨー グルトを購買する条件であることが分かり、また、デザートとしての認識も強いことがこ の調査で伺うことができた。次に、プレーンヨーグルトに関しては全員一致で「健康要素 がたくさん含まれているのではないか」という認識があったのですが、「どのような効果が あるのか」という質問に対しては「カルシウムやビタミン、整腸効果」といった昔から知 -5- られているような健康要素以外はほとんど知らないという結果が得られた。その他、忙し さとヨーグルト消費との関係については、今回の被験者4人中2人が、「起床してから家を 出るまでにあまり時間がないので、朝食としてヨーグルトを食べることが多い」と答えた。 やはり、ヨーグルトには少なからず手軽さとしての利点もヨーグルト購買には影響がある ことが伺えた。 また、習慣としてのヨーグルト消費は、以前プレーンヨーグルトを食べていた人は、現 在では「ソフトヨーグルトを食べることが多い」と答え、以前食べていたヨーグルトがハ ードヨーグルト、ドリンクヨーグルトの人は、 「今でも食べることが多い」という結果にな った。これらの結果から、ヨーグルトの消費行動には、家庭環境や生活環境に関わるもの が大きく影響を与えているのではないかと考え、第1章で述べた7個の仮説を設定した。 2−2.質問票による量的調査 仮説を検証するために、質問票による量的調査を実施した(付録 質問票)。 日時 2004 年 11 月 10 日(水)、11 月 11 日(木) 場所 筑波大学人間学類開設の授業および社会学類開設の授業 回収数と回収率 人間学類開設の授業 アンケート配布数 110 枚 アンケート回収数 109 枚 アンケート回収率 99.10% 社会学類開設の授業 アンケート配布数 49 枚 アンケート合計回収数 アンケート回収数 49 枚 アンケート回収率 100.00% 158 枚 内、男性が 56 枚、女性が 102 枚であった。 2−3.今回の量的調査での問題点 今回の質問票による量的調査は筑波大学内で行ったため、対象者の9割以上が 18 歳から 24 歳までの大学生ということとなった。ヨーグルトの消費行動における諸要因を調べるに あたって、年齢や職業といったことはあまり影響がないものであると考え、今回の筑波大 学での調査を実施したわけだが、要因の種類によっては年齢や職業が関係してくるのでは ないかと考えられる。調査するにあたっての事前計画の時間が足りなかったのが要因であ る。 -6- 第3章 結果と考察 3−1.結果の概要 質問票による調査から、ヨーグルトの消費行動に関する様々な特徴を見ることができた。 以下、3−2.では、ヨーグルト消費者の実態について述べ、3−3.では、アンケート 調査前に設定した7つの仮説を検証する。 ここで、本研究における仮説検証には、ヨーグルトの消費頻度との関係が頻繁に登場す る。よって、はじめにこの変数の扱い方について述べ、それらを以下では、「ヨーグルト消 費頻度」として使用する。これは、タイプ別(プレーンヨーグルト、ソフトヨーグルト、 ハードヨーグルト、ドリンクヨーグルト)における消費頻度に関しても同様に扱う。 「どのくらいの頻度でヨーグルトを食べますか」という質問に対して、 「1. 週に 5 回以上、 2. 週に 3∼4 回、3. 週に 1∼2 回、4. 月に 2∼3 回、5. 月に 1 回程度、6. ほとんど食べな い」をそれぞれ週のヨーグルト消費頻度として数値化すると、 「1. が 6.0、2. が 3.5、3. が 1.5、4. が 0.75、5. が 0.25、6. が 0.0」となる。これをヨーグルト消費頻度の度合いとし て、以下「ヨーグルト消費頻度」として扱う。 また、アンケート用紙において、「どのくらいの頻度でヨーグルトを食べますか」という 質問に対して「6.ほとんど食べない」に○をつけている人に関しては、タイプ別のヨー グルト消費頻度の質問を飛ばす指示を出していたので、○がつけられていない。よって、 この回答者はどのタイプについても食べていないに○をつけているのと同等であると考え られるので、タイプ別のヨーグルト消費頻度の質問に対する回答を「6.ほとんど食べな い」に○をつけたものとして扱うことにする。 3−2.ヨーグルト消費者の実態について ここでは、ヨーグルト消費者の実態として、ヨーグルトの消費頻度をはじめ、ヨーグル ト消費時間帯とヨーグルト消費頻度の関係、住居形態とヨーグルト消費頻度の関係、性別 とヨーグルト消費頻度の関係、健康効果測定指数とヨーグルト消費頻度の関係に関する考 察を述べる。 3−2−1.<ヨーグルトの消費頻度について> 「あなたはどのくらいの頻度でヨーグルトを食べますか」という質問では、「週に5回以 上」、「週に3∼4回」、「週に1∼2回」と答えた人を合わせると、全体の 44.9%となり、 約半数の人がヨーグルトを頻繁に食べているという結果を得ることができた(表3−2− 1)。また、タイプ別にヨーグルトの消費頻度を見ると、週に1回以上消費する人は、「プ レーンヨーグルト」が 29.1%、 「ソフトヨーグルト」が 20.3%、 「ハードヨーグルト」が 5.7%、 「ドリンクヨーグルト」が 6.3%という結果となり、 「プレーンヨーグルト」が一番口にされ ているヨーグルトであることが伺えた(図3−2−1)。 -7- 表3−2−1 <ヨーグルトの消費頻度> 度数 割合 週に5回以上 20 人 12.7% 週に3∼4回 18 人 11.4% 週に1∼2回 33 人 20.9% 月に2∼3回 45 人 28.5% 月に1回程度 21 人 13.3% ほとんど食べない 21 人 13.3% 合計 158 人 100.0% 図3−2−1 <タイプ別ヨーグルト消費回数(週に 1 回以上)> タイプ別ヨーグルト消費回数(週に1回以上) 35.0% 30.0% 29.1% 25.0% 20.3% 20.0% 15.0% 10.0% 5.7% 6.3% ハード ドリンク 5.0% 0.0% プレーン 3−2−2. ソフト <住居形態とヨーグルト消費頻度の関係> 次に、住居形態とヨーグルト消費頻度の関係については、 「あなたの住居形態について教 えてください」という質問で、「家族と同居している」と答えた人と、「一人暮らし、家族 以外の人と同居」と答えた人で2つのグループに分けてヨーグルト全体の消費頻度とタイ プ別ヨーグルトの消費頻度とで住居形態との関連性を見た。また、ヨーグルトの消費頻度 に関しては、3−1.で定義した「ヨーグルト消費頻度」を用いる。これらの2つの変数 を使って、t 検定を用いて分析した(表3−2−2)。 -8- 表3−2−2 <住居形態とヨーグルト消費頻度との関連性> ヨーグルト消費 タイプ 住居形態 プレーン 家族と同居(N=15) 0.67 ヨーグルト その他(N=142) 1.14 ソフト 家族と同居(N=15) 0.85 ヨーグルト その他(N=142) 0.74 ハード 家族と同居(N=15) 0.20 ヨーグルト その他(N=142) 0.24 ドリンク 家族と同居(N=15) 0.25 ヨーグルト その他(N=142) 0.25 家族と同居(N=15) 1.38 その他(N=142) 1.72 ヨーグルト全体 頻度の平均値 t値 有意確率 -2.11 0.042 0.35 0.728 -0.30 0.763 0.00 1.000 -0.66 0.509 表3−2−2のように、「家族と同居」の人に比べて、「一人暮らし、家族以外の人と同 居」の人はプレーンヨーグルトを食べる頻度が高いことが結果として得られた。しかし、 今回の分析の場合、 「家族と同居」と答えてくれた回答数がN=15 であったため、統計的に 回答数が少ないために一般性には欠けると考えられる。今回、この分析をする前は、「家族 と同居している人」の方が、家族の健康を考えた上でプレーンヨーグルトを消費する頻度 が高いのではないかと考えていたが、全く逆の結果となってしまった。この住居形態とヨ ーグルト消費頻度との関係については、もっと標本数を得たうえで再度分析をする必要が あると考えられる。 3−2−3.<ヨーグルトの消費時間帯とヨーグルト消費頻度の関係> 「あなたがヨーグルトを食べるのは、いつが多いですか」という質問に対して、「1. 朝食、 2. 昼食、3. 夕食、4. 夜食、5. その他の間食、6. 決まっていない」の選択肢から一つ選ん でもらった。ここで、ヨーグルトの消費頻度に関する質問で「ほとんど食べない」と回答 してくれた人のデータは除き、また無回答の人は、システム欠損値として扱う。以上をも とに、以下にヨーグルトの消費時間帯の分布図を作成した(図3−2−2)。 -9- 図3−2−2 <ヨーグルトの消費時間帯> ヨーグルトの消費時間帯 40.0% 37.2% 35.0% 28.5% 30.0% 25.0% 20.0% 13.1% 15.0% 8.8% 10.0% 5.0% 7.3% 2.2% 0.0% 朝食 昼食 夕食 夜食 その他の間食 決ま っていない 図3−2−2から分かるように、ヨーグルトを月に 1 回以上食べている人の中で、「朝食 にヨーグルトを食べることが多い」と回答した人が全体の 37.2%であった。また、事前調 査のラダリング法により得られた「起床してから家を出るまでにあまり時間がないので、 朝食としてヨーグルトを食べることが多い」という回答結果から、朝食を食べている人は、 手軽に食べることができる点や栄養を摂取することができる点から、朝食にヨーグルトを 食べているのではないかと考え、「朝食にヨーグルトを食べることが多い人」と、「その他 の時間帯にヨーグルトを食べることが多い人」で、2つのグループに分けて、ヨーグルト 全体の消費頻度とタイプ別ヨーグルトの消費頻度とでヨーグルトの消費時間帯との関連性 を見た。また、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定義した「ヨーグルト消費 頻度」を用いる。これらの2つの変数を使って、t 検定を用いて分析した(表3−2−3)。 表3−2−3 <ヨーグルトの消費時間帯とヨーグルト消費頻度との関連性> ヨーグルト消費頻度 タイプ 時間帯 プレーン 朝食(N=51) 1.76 ヨーグルト 朝食以外(N=82) 0.95 ソフト 朝食(N=51) 1.06 ヨーグルト 朝食以外(N=82) 0.68 ハード 朝食(N=51) 0.37 ヨーグルト 朝食以外(N=82) 0.20 ドリンク 朝食(N=51) 0.30 ヨーグルト 朝食以外(N=82) 0.27 朝食(N=51) 2.64 朝食以外(N=82) 1.47 ヨーグルト全体 の平均値 - 10 - t値 有意確率 2.56 0.012 1.67 0.100 1.55 0.127 0.46 0.643 3.34 0.001 表3−2−3のように、朝食にヨーグルトを食べている人は、それ以外の人に比べて、 プレーンヨーグルトの消費頻度、ヨーグルト全体の消費頻度が高いことが結果として得ら れた。 この結果より、栄養面が豊富であるプレーンヨーグルトに有意な結果が得られたので、 朝食にヨーグルトを食べることが多い人にとって、ヨーグルトの消費時間帯と健康意識で どの程度関係があるのかを調べる必要があると考え、このヨーグルトの消費時間帯と健康 意識との関連性について t 検定を用いて分析してみた(表3−2−4)。健康意識について は、「あなたはどのくらい健康に注意していますか」という質問で、「1. 非常に注意してい る、2. やや注意している、3. どちらとも言えない、4. あまり注意していない、5. 全く注 意していない」に一つだけ○をつけてもらったのだが、これを健康に注意している度合い で点数化するために「1. 全く注意していない、2. あまり注意していない、3. どちらとも 言えない、4. やや注意している、5. 非常に注意している」と置き換えてこの健康注意度合 いを等間隔とみなすことで健康意識度合いを測定した(以下、これを「健康意識指数」と する)。 表3−2−4 <ヨーグルトの消費時間帯と健康意識との関連性> 時間帯 健康意識指数の 平均値 朝食(N=51) 3.80 朝食以外(N=82) 3.41 t値 有意確率 2.43 0.017 表3−2−4のように、朝食にヨーグルトを食べる人のほうが朝食以外にヨーグルトを 食べている人に比べて、健康意識が高いことが結果として得られた。 よってこれらの結果から前述した通り、朝食にヨーグルトを食べる人は、健康意識の表 われから、栄養面を考えた上でヨーグルトを食べていると考えられる結果が得られた。ま た、朝食にヨーグルトを食べている人は、朝食以外にヨーグルトを食べている人に比べて、 健康意識の表われから栄養面が豊富であるプレーンヨーグルトを食べていることが今回の 分析で伺うことができた。やはり、ラダリング法による事前調査での内容どおり、ヨーグ ルト消費、また、プレーンヨーグルト消費には、「健康食品」という考え方が、消費者の間 に浸透してきていると考えられる結果を得ることができた。 3−2−4.<性別とヨーグルト消費頻度の関係> 次に、性別とヨーグルト消費頻度の間に関連性があるかどうかを調べるために、性別を 「男性」と「女性」に分類し、また、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定義 した「ヨーグルト消費頻度」を使用して、ヨーグルト全体の消費頻度とタイプ別ヨーグル トの消費頻度とで性別との関係を、t 検定を用いて分析した(表3−2−5)。 - 11 - 表3−2−5 <性別とヨーグルト消費頻度との関連性> ヨーグルト消費頻 タイプ 性別 プレーン 男性(N=56) 0.74 ヨーグルト 女性(N=102) 1.28 ソフト 男性(N=56) 0.51 ヨーグルト 女性(N=102) 0.93 ハード 男性(N=56) 0.19 ヨーグルト 女性(N=102) 0.26 ドリンク 男性(N=56) 0.26 ヨーグルト 女性(N=102) 0.24 男性(N=56) 1.23 女性(N=102) 1.99 ヨーグルト全体 t値 有意確率 -2.20 0.030 -2.27 0.025 -0.89 0.375 0.24 0.812 -2.55 0.012 度の平均値 表3−2−5のように、男性と女性の間にはプレーンヨーグルトの消費頻度とソフトヨ ーグルトの消費頻度、ヨーグルト全体の消費頻度の間に差が見られた。平均値の差から、 男性に比べて女性のほうがプレーンヨーグルト、ソフトヨーグルト、ヨーグルト全体と有 意な結果が得られた3つすべてにおいて消費頻度が高いことが結果として得られた。 また、「あなたはヨーグルトと一緒に何を食べることが多いですか」(複数回答可)とい う質問に対して、「果物類」と答えた人と性別との関係についてクロス表の作成とχ2 乗検 定を行った(表3−2−6)。 表3−2−6 <性別とヨーグルト消費時における果物類同時消費のクロス表> 果物類と一緒に食べる 果物類と一緒に食べない 合計 男性 女性 合計 40 人 52 人 92 人 (58.8%) (76.5%) (67.65%) 28 人 16 人 44 人 (41.2%) (23.5%) (32.35%) 68 人 68 人 136 人 (100.0%) (100.0%) (100.00%) 検定結果は、漸近有意確率(両側)が 0.028 となり、男女間においてヨーグルト消費時 における果物類同時消費有無の間に 5%水準で有意な結果が得られ、女性のほうが男性に比 べてヨーグルトと一緒に果物類を食べていることが伺えた。また、この質問の選択肢は他 に、「和食」 、 「洋食」、「中華」、「イタリアン」、 「牛乳」、「ヨーグルト以外何も食べない」と いう選択肢を作ったが、χ2 乗検定によるそれぞれの性別との関係については、和食との関 - 12 - 係は 0.917、洋食との関係は、0.141、中華との関係は 0.971、イタリアンとの関係は 0.748、 牛乳との関係は 0.647、ヨーグルト以外何も食べないとの関係は 0.512 であり、「果物類」 以外は有意な結果は得られなかった。このような結果になった一つの理由として、質問の 意図と回答者の認識の違いがあったのかもしれない。この質問の回答欄その他に載ってい たものの中に「パン」、「シリアル」、「ナタデココ」など口の中や料理として混ざっても一 緒に食べることができる要素が書かれていた。よって、質問票を作った当初は、 「どのよう な料理と一緒にヨーグルトを食べることが多いのか」を調査するために行った質問であっ たが、結果としては、「ヨーグルトと一緒に食べることができる料理は何ですか」と問い掛 けている質問となってしまった。この結果、「果物類」、「牛乳」という回答欄以外はしっく りとくるものがなく、誤った認識の上での調査となっていた。よって、今回は関連性が見 られなかったが、今後、後者の質問方法をすることにより、料理分野とヨーグルト消費行 動の関係を探ることができるであろう。 次に、この他の関連性分析として、3−2−3.で定義した「健康意識指数」を使って、 この変数と性別との関連性について t 検定を用いて分析した(表3−2−7)。 表3−2−7 性別 <性別と健康意識との関連性> 健康意識指数の 平均値 男性(N=56) 3.25 女性(N=102) 3.57 t値 有意確率 -2.00 0.048 表3−2−7のように、男女間で健康意識に差が見られた。平均値の差から、女性のほ うが男性に比べて健康意識が高いことが結果として得られた。 よって今回の調査結果から、ヨーグルトを消費する人は男性に比べて女性のほうが多い ことが分かった。また、男性に比べて女性のほうがプレーンヨーグルトに関しては、ヨー グルトとしての健康性を持ち合わせていることがヨーグルト消費頻度に影響を与えている のではないかという結果が得られた。そしてソフトヨーグルトに関しては、健康性に加え、 フルーツの嗜好性という2つの請求ポイントを持ち合わせていることが、女性とヨーグル ト消費頻度に強い関連性を持たせているのではないかと考えられる結果となった。 それで、この結果を踏まえて、 「なぜ女性はヨーグルトを好むのか」ということについて、 健康効果との関係からヨーグルトの嗜好性について考える必要があると考えた。よってこ れに関しては、以下の3−2−5.<健康効果測定指数との関係に関する考察>で明らか にする。 - 13 - 3−2−5.<健康効果測定指数とヨーグルト消費頻度の関係に関する考察> まず、私が設定した「健康効果測定指数」の定義について述べる。これは、ヨーグルト が人間へもたらすと考えられている健康効果について認知度や重要度を調べ、さらにこれ らを数値化することで消費者の健康に対する傾向を探りだすことを目的とした指数である。 具体的には、マイナスの要因として「脂質」、「糖質」をあげ、またプラスの要因として 「カルシウム」、「ビタミン」、「整腸効果」、「美肌効果」、「花粉症予防」、「がん予防」、「ダ イエット効果」、「便秘克服効果」、「血糖値低下の効果」、「コレステロール低下の効果」を あげた。この「健康効果測定指数」を用いて、まず性別との関係を見てみることで、3− 2−4.で考える必要があった問題について解決していく。 では、先程述べた性別と重要度による健康効果測定指数との関係についてそれぞれt検 定を用いて分析した(表3−2−8) 。ここで、重要度による健康効果測定指数に関しては、 「あなたは以下の点についてどのくらい気にしていますか」という質問で、 「脂質」 、 「糖質」、 「カルシウム」、「ビタミン」、「整腸効果」、「美肌効果」、「花粉症予防」、「がん予防」、「ダ イエット効果」、「便秘克服効果」、「血糖値低下の効果」、「コレステロール低下の効果」の 項目に対してそれぞれ回答してもらった。評価に関しては、等間隔の5段階評価として、 得点の高いほうが気にしている度合いが高いように設定した。 - 14 - 表3−2−8 健康効果測定指数 <性別と重要度による健康効果測定指数との関連性> 性別 健康効果 健康効果測 測定指数 定指数の平 の平均値 均値の差 男性(N=56) 2.98 女性(N=100) 3.79 男性(N=55) 3.09 女性(N=100) 3.66 男性(N=56) 3.13 女性(N=100) 3.48 男性(N=56) 3.32 女性(N=100) 3.78 男性(N=55) 2.85 女性(N=100) 3.49 男性(N=55) 1.98 女性(N=100) 3.58 男性(N=55) 1.82 女性(N=100) 1.99 男性(N=56) 2.04 女性(N=100) 2.03 男性(N=56) 2.27 女性(N=100) 3.59 男性(N=55) 2.38 女性(N=100) 3.25 男性(N=55) 1.85 女性(N=100) 2.10 コレステロール 男性(N=55) 1.95 低下の効果 女性(N=100) 2.23 脂質 糖質 カルシウム ビタミン 整腸効果 美肌効果 花粉症予防 がん予防 ダイエット効果 便秘克服効果 血糖値低下の効果 t値 有意確率 -0.81 -4.05 0.000 -0.57 -3.07 0.003 -0.35 -1.78 0.079 -0.46 -2.25 0.027 -0.64 -3.15 0.002 -1.60 -8.65 0.000 -0.17 -0.86 0.392 0.01 0.03 0.976 -1.32 -6.15 0.000 -0.87 -3.83 0.000 -0.25 -1.35 0.179 -0.28 -1.47 0.145 表3−2−8から分かるとおり、性別と健康効用測定指数との関係において、 「脂質」、 「糖 質」、「ビタミン」、「整腸効果」、「美肌効果」、「ダイエット効果」、「便秘克服効果」におい て、男性と女性の平均値に差が見られた。特に、「美肌効果」、「ダイエット効果」について は、男性と女性の平均値の差に 1.0 以上の差が見られ、女性にとっては、「美肌効果」、「ダ イエット効果」というものは、ヨーグルトを消費する上で重要な役割を果たしているもの であると考えられる結果となった。また、その他の「脂質」、「糖質」、「ビタミン」、「整腸 - 15 - 効果」、「便秘克服効果」の要因に対しても、「脂質」、「糖質」、「ビタミン」に関しては、女 性が男性よりも気にしなければならない要素であり、また、「整腸効果」、「便秘克服効果」 に関しては、男性よりも女性のほうが便秘について悩んでいる人が多いことからも、男女 間でヨーグルトの消費頻度に差があることの裏づけができたと考えられる。 この他に、「カルシウム」 、「花粉症予防」、「がん予防」、「血糖値低下の効果」、「コレステ ロール低下の効果」があったが、「カルシウム」に関しては、男女間で有意な結果は得られ なかったものの、有意確率が 0.079 となり、女性の方が男性よりも気にしている傾向があ ることが伺えた。この理由としては、健康ブームやダイエットブームの影響で体内からの 健康美を目指す女性が増えてきたことが影響しているのだろう。しかし、 「花粉症予防」、 「が ん予防」、「血糖値低下の効果」、「コレステロール低下の効果」に関しては、他の健康効果 測定指数と違い、平均値から見ても分かるとおり、すべてが 3.0 以下で気にしていない傾向 があることが分かった。また、男女間でもあまり差が見られないという結果になった。こ の理由には、一般的にこの4つのどの健康効果を見ても男女に差があるような要素が含ま れていないことが直接影響したものと考えられると同時に、これらの効果は、加齢に伴い 影響が出てきる要素であると考えることができるため、主にアンケート回答者が 19 歳から 21 歳であった今回の調査では影響がなかったのではないかと推測される。 次に、ヨーグルト消費頻度と健康効果測定指数の重要度を対応させることで、どのよう な健康要素がそれぞれのヨーグルト消費頻度に影響を与えているかを、相関分析を用いて 求めた(表3−2−9、表3−2−10、表3−2−11、表3−2−12、表3−2− 13)。 - 16 - 表3−2−9 表3−2−10 <ヨーグルト全体の消費頻度と重要度 <プレーンヨーグルトの消費頻度と重要度 による健康効果測定指数との関連性> による健康効果測定指数との関連性> 健康効果測定指数 相関係数 有意水準 健康効果測定指数 相関係数 有意水準 脂質 0.113 0.160 脂質 0.036 0.659 糖質 0.010 0.902 糖質 -0.016 0.846 カルシウム 0.041 0.613 カルシウム 0.023 0.777 ビタミン 0.085 0.289 ビタミン 0.116 0.149 整腸効果 0.225 0.005 整腸効果 0.218 0.006 美肌効果 0.187 0.020 美肌効果 0.107 0.185 花粉症予防 -0.035 0.670 花粉症予防 -0.010 0.904 がん予防 0.014 0.858 がん予防 -0.004 0.957 ダイエット効果 0.279 0.000 ダイエット効果 0.233 0.003 便秘克服効果 0.265 0.001 便秘克服効果 0.178 0.026 血糖値低下の効果 -0.057 0.480 血糖値低下の効果 -0.105 0.194 0.026 0.745 -0.017 0.834 コレステロール 低下の効果 コレステロール低 下の効果 表3−2−11 表3−2−12 <ソフトヨーグルトの消費頻度と重要度 <ハードヨーグルトの消費頻度と重要度 による健康効果測定指数との関連性> による健康効果測定指数との関連性> 健康効果測定指数 相関係数 有意水準 健康効果測定指数 相関係数 有意水準 脂質 0.133 0.098 脂質 0.026 0.750 糖質 -0.002 0.976 糖質 0.058 0.471 カルシウム -0.006 0.941 カルシウム 0.133 0.099 ビタミン 0.018 0.825 ビタミン 0.161 0.045 整腸効果 0.143 0.076 整腸効果 0.074 0.362 美肌効果 0.226 0.005 美肌効果 0.094 0.243 花粉症予防 0.003 0.966 花粉症予防 -0.026 0.750 がん予防 0.001 0.988 がん予防 0.082 0.306 ダイエット効果 0.203 0.011 ダイエット効果 0.066 0.414 便秘克服効果 0.207 0.010 便秘克服効果 0.123 0.126 血糖値低下の効果 0.097 0.231 血糖値低下の効果 0.076 0.350 0.100 0.215 0.093 0.248 コレステロール低 下の効果 コレステロール低 下の効果 - 17 - 表3−2−13 <ドリンクヨーグルトの消費頻度と重要 度による健康効果測定指数との関連性> 健康効果測定指数 相関係数 有意水準 脂質 -0.048 0.555 糖質 0.061 0.452 カルシウム 0.157 0.050 ビタミン 0.096 0.234 整腸効果 0.081 0.319 美肌効果 0.006 0.941 花粉症予防 0.006 0.937 がん予防 -0.007 0.930 ダイエット効果 -0.003 0.970 便秘克服効果 0.132 0.103 血糖値低下の効果 0.124 0.125 0.147 0.068 コレステロール低 下の効果 これらの結果から、ヨーグルト全体に関しては、「整腸効果」、「美肌効果」、「ダイエット 効果」、「便秘克服効果」が有意な結果となった(表3−2−9)。このような結果になった 背景には、以前からのヨーグルトとしての機能自体が影響していること、また、最近の健 康ブームやテレビなどのメディアの機能性に関する取り上げなどが影響を与えているので はないかと考えることができる結果となった。 次に、タイプ別のヨーグルトについて、「どのような効果を期待している人が、それぞれ のタイプ別のヨーグルトを食べているのか」を、結果を見ながら考察する。 一つ目に、プレーンヨーグルトに関しては、「整腸効果」、 「ダイエット効果」、「便秘克服 効果」が有意な結果となった(表3−2−10)。「整腸効果」と「便秘克服効果」は、以 前からヨーグルトの効用として認識されていることがプレーンヨーグルトにも影響し、今 回の調査でも関連性のある結果となったのであろう。また、プレーンヨーグルトは、ヨー グルトの中では一番カロリーが少ないので、「ダイエット効果」との関連性が強いのも理解 できるであろう。 二つ目に、ソフトヨーグルトに関しては、「美肌効果」、「ダイエット効果」、「便秘克服効 果」が有意な結果となった(表3−2−11)。「美肌効果」については、ヨーグルト自体 の効果と、ヨーグルトに入っている果物の成分ビタミンCが美肌効果をもたらすことが、 今回の結果の影響を与えたと考えられる。また、ヨーグルト自体が、 「ダイエット効果」の 認識が高いことから、 「ダイエット効果」を重視する点が含まれていても納得できるだろう。 - 18 - 三つ目に、ハードヨーグルトに関しては、「ビタミン」が有意な結果となった(表3−2 −12)。ハードヨーグルト自体が、タイプ別ヨーグルトの中で多く含むわけでもないが、 「ビタミン」に気をつけている人は、ハードヨーグルト消費頻度が高い結果となった。し かし事実として、ハードヨーグルトには寒天が含まれており、どのタイプ別ヨーグルトよ りも「便秘克服効果」がある(5)。しかし、今回の調査ではそれが確認できず、ハードヨー グルトがもたらす効果に対する認識度が低いことが伺えた。 そして最後四つ目に、ドリンクヨーグルトに関しては、「カルシウム」が有意な結果とな った(表3−2−13) 。ドリンクヨーグルト自体が、タイプ別ヨーグルトの中で多く含む わけでもないが、「カルシウム」に気をつけている人は、ドリンクヨーグルトの消費頻度が 高い結果となった。しかし、ドリンクヨーグルトは、どのタイプのヨーグルトよりも「コ レステロール低下の効果」がある(5)。しかし、今回の調査ではそれを確認することはでき ず、ドリンクヨーグルトがもたらす効果について認知度が低い、または、アンケート回答 者が 19 歳から 21 歳に偏っていたことが、コレステロールを気にする年代ではないことか ら「コレステロール低下の効果」に関して有意な結果が出なかったものと考えられる。 これらの結果をまとめると、ヨーグルトの機能性については、マスコミで取り上げられ ているにもかかわらず、まだまだ機能性の認知度はヨーグルト消費行動に影響をあたえて いないことが分かった。もちろん、味や食べやすさなどのヨーグルト購買条件は調査して いないので今回の分析結果は一概には言えない。もし、今回の調査で購買条件に関する質 問をしていれば、もっと機能性の認知度からくるヨーグルト消費行動が確認できる結果が 期待できたのではないかと考えられる。 参考資料; (5)関西テレビ 発掘!あるある大辞典 第 119 回『ヨーグルト』 1999 年 2 月 21 日放送分 - 19 - 3−3. 仮説検証結果 ここでは、アンケート調査前に設定した7つの仮説について検証する。 3−3−1.<仮説1の検証> 「健康を意識している人は、健康を意識していない人に比べてプレーンヨーグルトを食 べる頻度が高い」 <健康意識とヨーグルト消費頻度の関係について> 健康意識とヨーグルト消費頻度の関係は、3−2−3.で定義した「健康意識指数」を 使って健康意識度合いを測り、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定義した「ヨ ーグルト消費頻度」を用いる。この 2 つの変数を使ってヨーグルト全体の消費頻度とタイ プ別ヨーグルトの消費頻度とで健康意識との相関係数を見てみた結果、表3−3−1のよ うになった。 表3−3−1 <健康意識とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト 0.217 0.006 ソフトヨーグルト 0.079 0.322 ハードヨーグルト 0.062 0.439 ドリンクヨーグルト 0.022 0.785 ヨーグルト全体 0.219 0.006 表3−3−1から分かるように、健康意識とプレーンヨーグルトとの間に、相関係数は 1%水準で有意な結果となった。また、ヨーグルト全体の頻度に関しても、健康意識との間 に、相関係数は 1%水準で有意な結果となった。ここで、3−2−4.の性別とヨーグルト 消費頻度の関係から、男女間で健康意識に差があったので、性別との擬似相関を配慮した 回帰分析を行った。この回帰分析において性別は、男性=1、女性=2として定義したた め、回帰係数が正であることは女性のほうがヨーグルトを多く食べる傾向があることを表 し、また、回帰係数が負であることは男性のほうがヨーグルトを多く食べる傾向があると いうことを表す。結果、プレーンヨーグルトの場合、決定係数は 0.063、有意確率が 0.006 であったため、F 検定は 1%水準で有意であった。また、個々の変数の説明力の強さについ ては、表3−3−2のような結果となった。 - 20 - 表3−3−2 <従属変数をプレーンヨーグルト消費頻度、独立変数を性別・健康意識と した重回帰分析(強制投入)> プレーンヨーグルト消費 非標準化係数 標準化係数 頻度に影響を及ぼす要因 (B) (β) 性別 0.438 健康意識 0.329 定数項 -0.771 t値 有意確率 0.130 1.645 0.102 0.196 2.495 0.014 -1.298 0.196 表3−3−2のように、男女間において性別の非標準化係数が正の値を表したため、女 性のほうがプレーンヨーグルトを食べている傾向があることが分かった。またt検定によ り、5%水準で健康意識がプレーンヨーグルト消費頻度を統計的に有意に説明することが できた。これらの結果から、プレーンヨーグルト消費と健康意識の間には、性別による擬 似相関の影響を除いても、なお統計的に有意な関係が見られた。 次に、ヨーグルト全体でも同様の分析をした結果、決定係数は、0.072、有意確率が 0.003 であったため、F 検定は 1%水準で有意であった。また、個々の変数の説明力の強さについ ては、表3−3−3のような結果となった。 表3−3−3 <従属変数をヨーグルト消費頻度、独立変数を性別・健康意識とした重回 帰分析(強制投入)> ヨーグルト消費頻度 非標準化係数 標準化係数 に影響を及ぼす要因 (B) (β) 性別 0.631 健康意識 0.384 定数項 -0.646 t値 有意確率 0.158 2.019 0.045 0.194 2.480 0.014 -0.928 0.355 表3−3−3のように、男女間において性別の非標準化係数が正の値を表したため、女 性のほうがヨーグルトを食べている傾向があることが分かった。またt検定により、5% 水準で性別、健康意識ともにヨーグルト消費頻度を統計的に有意に説明する結果となった。 これらの結果から、ヨーグルト消費と健康意識の間には、性別による擬似相関の影響を除 いても、なお統計的に有意な関係が見られた。 よってこれらの結果から、「健康を意識している人は、健康を意識していない人よりもプ レーンヨーグルトを食べる頻度が高い」という仮説1が成り立ち、さらに健康について意 識している人はヨーグルトを食べる頻度も高いことが分かった。これは、ヨーグルト自体 に健康をもたらしてくれるであろうという消費者の考え方があると同時に、プレーンヨー グルトに関しては特に健康という要素がテレビなどのメディアによるヨーグルトの機能性 に関する取り上げや健康ブームを背景として、強く影響しているものだと考えられる。 - 21 - 3−3−2.<仮説 2 の検証> 「デザートの好きな人は、デザートが好きではない人に比べてソフトヨーグルトを食べ る頻度が高い」 <デザート消費頻度とヨーグルト消費頻度の関係について> 「あなたはどのくらいの頻度でデザートを食べますか」という質問において、 「1. 週に 5 回以上、2. 週に 3∼4 回、3. 週に 1∼2 回、4. 月に 2∼3 回、5. 月に 1 回程度、6. ほとん ど食べない」をそれぞれ週のデザートの消費頻度として数値化すると、「1. が 6.0、2. が 3.5、3. が 1.5、4. が 0.75、5. が 0.25、6. が 0.0」となり、これをデザート消費頻度の度 合いとして今回の分析に用いた。また、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定 義した「ヨーグルト消費頻度」を用いる。この 2 つの変数を用いてヨーグルト全体の消費 頻度とタイプ別ヨーグルトの消費頻度とでデザート消費頻度との相関係数を見てみた結果、 表3−3−4のようになった。 表3−3−4 <デザート消費頻度とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト 0.127 0.114 ソフトヨーグルト 0.322 0.000 ハードヨーグルト -0.020 0.808 ドリンクヨーグルト 0.111 0.165 ヨーグルト全体 0.323 0.000 表3−3−4のように、デザート消費頻度とソフトヨーグルト消費頻度の間に、相関係 数は 0.1%水準で有意な結果が得られた。また、デザートの消費頻度とヨーグルトの消費頻 度との間にも、相関係数は、0.1%水準で有意な結果が得られた。ここで、デザートは女性 のほう男性より好む傾向があるのではないかと考え、この場合も仮説1と同様、性別との 擬似相関を配慮した回帰分析を行った。この回帰分析においても仮説1と同様、性別は、 男性=1、女性=2として定義したため、回帰係数が正であることは女性のほうがヨーグ ルトを多く食べる傾向があることを表し、また、回帰係数が負であることは男性のほうが ヨーグルトを多く食べる傾向があるということを表す。結果、ソフトヨーグルトの場合、 決定係数は 0.119、有意確率が 0.000 であったため、F 検定は 0.1%水準で有意であった。 また、個々の変数の説明力の強さについては、表3−3−5のような結果となった。 - 22 - 表3−3−5 <従属変数をソフトヨーグルト消費頻度、独立変数を性別・デザート消費 頻度とした重回帰分析(強制投入)> ソフトヨーグルト消費頻 非標準化係数 標準化係数 度に影響を及ぼす要因 (B) (β) 性別 0.317 デザート消費頻度 0.211 定数項 -0.199 t値 有意確率 0.123 1.615 0.108 0.306 4.018 0.000 -0.582 0.562 表3−3−5のように、男女間において性別の非標準化係数が正の値を表したため、女 性のほうがソフトヨーグルトを食べている傾向があることが分かった。またt検定により、 0.1%水準でデザート消費頻度がソフトヨーグルト消費頻度を統計的に有意に説明すること ができた。これらの結果から、ソフトヨーグルト消費とデザート消費の間には、性別によ る擬似相関の影響を除いても、なお統計的に有意な関係が見られた。 次に、ヨーグルト全体でも同様の分析をした結果、決定係数は、0.127、有意確率が 0.000 であったため、F 検定は 0.1%水準で有意であった。また、個々の変数の説明力の強さにつ いては、表3−3−6のような結果となった。 表3−3−6 <従属変数をヨーグルト消費頻度、独立変数を性別・デザート消費頻度と した重回帰分析(強制投入)> ヨーグルト消費頻度 非標準化係数 標準化係数 に影響を及ぼす要因 (B) (β) 性別 0.608 デザート消費頻度 0.324 定数項 0.018 t値 有意確率 0.152 2.007 0.047 0.304 4.001 0.000 0.035 0.972 表3−3−6のように、男女間において性別の非標準化係数が正の値を表したため、女 性のほうがヨーグルトを食べている傾向があることが分かった。またt検定により、0.1% 水準で性別、デザート消費頻度ともにヨーグルト消費頻度を統計的に有意に説明する結果 となった。これらの結果から、ヨーグルト消費とデザート消費の間には、性別による擬似 相関の影響を除いても、なお統計的に有意な関係が見られた。 よってこれらの結果から、「デザートの好きな人は、デザートが好きでない人よりもソフ トヨーグルトを食べる頻度が高い」という仮説2が成り立ち、さらにデザートが好きな人 はヨーグルトを食べる頻度も高いことが分かった。これは、ラダリング調査における、「果 物の入っているソフトヨーグルトは食後のデザートとして食べることが多い」という回答 からも分かるとおり、デザートを食べる人にとっては、ソフトヨーグルトも一つのデザー トという認識で食べられているのではないかと考えられる。また、ソフトヨーグルトだけ - 23 - ではなく、ヨーグルト自体がデザート好きな人に好まれるということは、ヨーグルト自体 に対する味や食感が、デザートとして認識されていると考えられる結果となった。 3−3−3.<仮説 3 の検証> 「スポーツをしている人は、スポーツをしていない人に比べてヨーグルトを食べる頻度 が低い」 <スポーツの頻度とヨーグルト消費頻度の関係について> 「あなたは週に何時間ぐらいスポーツをしていますか」という質問において、「1. 週に 20 時間以上、2. 週に 15 時間以上 20 時間未満、3. 週に 10 時間以上 15 時間未満、4. 週に 5 時間以上 10 時間未満、5. 週に 5 時間未満、6. スポーツはほとんどしない」をそれぞれ 週のスポーツの頻度として数値化すると、「1. が 20、2. が 17.5、3. が 12.5、4. が 7.5、 5. が 2.5、6. が 0.0」となり、これをスポーツの消費頻度の度合いとして今回の分析に用い た。また、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定義した「ヨーグルト消費頻度」 を用いる。 この 2 つの変数を用いてヨーグルト全体の消費頻度とタイプ別ヨーグルトの消費頻度と で健康意識との相関係数を見てみた結果、表3−3−7のようになった。 表3−3−7 <スポーツの頻度とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト -0.038 0.641 ソフトヨーグルト 0.091 0.256 ハードヨーグルト 0.053 0.513 ドリンクヨーグルト -0.051 0.522 ヨーグルト全体 0.019 0.818 表3−3−7より、スポーツの頻度とそれぞれのヨーグルト消費頻度との間には関連性 が見られなかった。 よってこれらの結果から、「スポーツをしている人は、スポーツをしていない人に比べて ヨーグルトを食べる頻度が低い」という仮説3は成り立たなかった。これは、スポーツを することでヨーグルトが与える栄養面や健康面を意識しなくてもいいと考えている人もい れば、スポーツを継続するために健康管理や栄養を考えたものを摂取するためにヨーグル トを消費しようと考えている人もいるということだと考えられる。また、今回はスポーツ の頻度を「あなたは週に何時間ぐらいスポーツをしていますか」という聞き方をしたが、 個人個人でスポーツをしたことに対する満足感や達成感、充実感には違いがある。よって、 - 24 - これは個人的な主観からのスポーツに対する充実度を聞いたほうが、もっと有意な結果が 得られ、仮説3が高い確率で有意性を持ったのではないかと考えられる。 3−3−4.<仮説 4 の検証> 「外食の多い人は、外食の少ない人に比べてヨーグルトを食べる頻度が高い」 <外食頻度とヨーグルト消費頻度の関係について> 「あなたはどのくらいの頻度で夕食時に外食をしますか」という質問において、 「1. 週に 5 回以上、2. 週に 3∼4 回、3. 週に 1∼2 回、4. 月に 2∼3 回、5. 月に 1 回程度、6. ほと んど食べない」をそれぞれ週の外食頻度として数値化すると、 「1. が 6.0、2. が 3.5、3. が 1.5、4. が 0.75、5. が 0.25、6. が 0.0」となり、これを外食頻度の度合いとして今回の分 析に用いた。また、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定義した「ヨーグルト 消費頻度」を用いる。 この 2 つの変数を用いてヨーグルト全体の消費頻度とタイプ別ヨーグルトの消費頻度と で外食頻度との相関係数を見てみた結果、表3−3−8のようになった。 表3−3−8 <外食頻度とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト -0.156 0.051 ソフトヨーグルト 0.092 0.253 ハードヨーグルト -0.124 0.124 ドリンクヨーグルト 0.068 0.400 ヨーグルト全体 -0.048 0.548 表3−3−8のように、外食頻度とそれぞれのヨーグルト消費頻度との間には関連性が 見られなかった。 よってこれらの結果から、「外食の多い人は、外食の少ない人に比べてヨーグルトを食べ る頻度が高い」という仮説4は成り立たなかった。今回この仮説を設定する前は、外食を する頻度が高い人は健康への不安からヨーグルトを食べる頻度が高いのではないかと予想 していたが、今回のプレーンヨーグルトの分析結果に関しては「相関係数 -0.156 率 有意確 0.051」と有意な結果は得られなかったものの、傾向として、予想とは全く逆の「外食 の多い人は、外食の少ない人に比べてプレーンヨーグルトを食べる頻度が低い」という結 果となった。さらに、他のタイプのヨーグルトを見てみると、正と負の関係がタイプによ ってばらばらである。したがって、外食頻度とヨーグルト消費頻度の間には、関連しあう 要因が存在していないのではないかと考えられる結果となった。 - 25 - 3−3−5. <仮説 5 の検証> 「子供の頃に食べていたヨーグルトは、食べていない人に比べて今でも食べることが多い」 <幼少時代の習慣ヨーグルトと現在の習慣ヨーグルトとの関係について> 「あなたが子供の頃に食べていたヨーグルトは何ですか」という質問において、 「1. プレ ーンヨーグルト、2. ソフトヨーグルト、3. ハードヨーグルト、4. ドリンクヨーグルト、 5. どれも食べていない」のうち、一つだけに○を付けてもらい、また、グループを4つ「(1 と2,3,4)(2と1,3,4)(3と1,2,4)(4と1,2,3)」作り、それをそ れぞれのタイプ別ヨーグルト消費頻度(この分析はヨーグルトを現在も食べている人に限 って分析している)と対応させ、これを、t 検定を用いて分析にかけることでこの仮説5を 検証する。その結果、表3−3−9のようになった。 表3−3−9 <幼少時代の習慣ヨーグルトと現在の習慣ヨーグルトとの関係> 子供の頃に最も食べて ヨーグルト消費 いたヨーグルト 頻度の平均値 プレーン プレーン(N=40) 1.3188 ヨーグルト プレーン以外(N=95) 1.2500 ソフト ソフト(N=43) 0.9419 ヨーグルト ソフト以外(N=92) 0.8234 ハード ハード(N=48) 0.4479 ヨーグルト ハード以外(N=87) 0.1839 ドリンク ドリンク(N=4) 0.7500 ヨーグルト ドリンク以外(N=131) 0.2748 タイプ 有意確率 0.830 0.599 0.027 0.029 表3−3−9のように、ハードヨーグルトとドリンクヨーグルトにおいて、相関係数は、 5%水準で有意な結果となった。 よってこれらの結果から、「子供の頃に食べていたヨーグルトは、食べていない人に比べ て今でも食べることが多い」という仮説はハードヨーグルトとドリンクヨーグルトの場合 にのみ成り立つ結果となった。ここで、ハードヨーグルトに関しては、子供の健康維持の ために主婦層を中心に拡大してきた市場だけに、子供の頃に食べていたということが今回 の分析で有意に結果がはたらいた裏付けになったと考えられる。よって、今回のハードヨ ーグルトに関しては、今でも習慣になっていることがこの結果から推測できる。ドリンク ヨーグルトに関しても、牛乳が苦手な子供にとってはおいしくてカルシウムのある代替飲 料であったイメージがある。よって、今でも習慣になっていることは想像することができ る。しかし、今回のアンケート結果によると、ドリンクヨーグルトに関するデータがN=4 であったために一般性には欠けると考えられる。ドリンクヨーグルトに関しては、もっと - 26 - 標本数を得た上で再度分析をかけることが必要であろう。 3−3−6.<仮説 6 の検証> 「忙しい人は、忙しくない人に比べてヨーグルトを食べる頻度が高い」 <忙しさの指標とヨーグルト消費頻度との関係について> 忙しさに対する変数は、 「あなたの平均睡眠時間は何時間ですか」という睡眠時間での指 標と「あなたの一日の平均自由時間は何時間ですか」という自由時間での指標で表すこと にする。 「睡眠時間」の指標に関しては、 「1. 時間以上 8 時間未満、4. 9 時間以上、2. 6 時間以上 7 時間未満、5. 8 時間以上 9 時間未満、3. 5 時間以上 6 時間未満、6. 7 5 時間 未満」を、数値化するために「1. が 9.0、2. が 8.5、3. が 7.5、4. が 6.5、5. が 5.5、6. が 5.0」として今回の分析に用いた。また、 「自由時間」の指標に関しては、 「1. 2. 4 時間以上 5 時間未満、3. 時間以上 2 時間未満、6. 3 時間以上 4 時間未満、4. 5 時間以上、 2 時間以上 3 時間未満、5. 1 1 時間未満」を、数値化するために「1. が 5.0、2. が 4.5、3. が 3.5、4. が 2.5、5. が 1.5、6. が 1.0」として今回の分析に用いた。 そして、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3−1.で定義した「ヨーグルト消費頻度」 を用いる。 この 3 つの変数を用いてヨーグルト全体の消費頻度とタイプ別ヨーグルトの消費頻度と で「睡眠時間」と「自由時間」との相関係数をそれぞれ見てみた結果、睡眠時間とヨーグ ルト消費頻度との関係については、表3−3−10のようになった。 表3−3−10 <睡眠時間とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト -0.045 0.578 ソフトヨーグルト 0.061 0.452 ハードヨーグルト -0.094 0.242 ドリンクヨーグルト 0.153 0.057 ヨーグルト全体 -0.015 0.857 表3−3−10から分かる通り、睡眠時間とそれぞれのヨーグルト消費頻度との間には 関連性が見られなかった。 次に、自由時間とヨーグルト消費頻度との関係については、表3−3−11のようにな った。 - 27 - 表3−3−11 <自由時間とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト -0.004 0.964 ソフトヨーグルト -0.070 0.384 ハードヨーグルト -0.104 0.196 ドリンクヨーグルト 0.116 0.150 ヨーグルト全体 -0.077 0.338 表3−3−11のように、自由時間とそれぞれのヨーグルト消費頻度との間には関連性 が見られなかった。 よってこれらの結果から、「忙しい人は、忙しくない人に比べてヨーグルトを食べる頻度 が高い」という仮説は成り立たなかった。これは、忙しい人の指標として適切なものを選 んだつもりではいたのだが、厳密には忙しい人とはどのようなものなのかは個人的価値観 が強く、数値化することは難しい。少なくとも今回の分析で使った忙しさに関する指標と は関連性がなかっただけなのかもしれない。もっと、アンケート対象者の主観的な意見に よる忙しさを知ることで、もっと有意な結果が得られたと考えさせられる結果となった。 3−3−7. <仮説 7 の検証> 「サプリメントを摂取する人は、サプリメントを摂取しない人に比べてヨーグルトを食 べる頻度が低い」 <サプリメント消費頻度とヨーグルト消費頻度の関係について> 「あなたはどれくらいの頻度でサプリメントを摂取しますか」という質問において、「1. 週に 5 回以上、2. 週に 3∼4 回、3. 週に 1∼2 回、4. 月に 2∼3 回、5. 月に 1 回程度、6. ほ とんど摂取しない」をそれぞれ週のサプリメント消費頻度として数値化すると、 「1. が 6.0、 2. が 3.5、3. が 1.5、4. が 0.75、5. が 0.25、6. が 0.0」となり、これをサプリメント消費 頻度の度合いとして今回の分析に用いた。また、ヨーグルトの消費頻度に関しては、3− 1.で定義した「ヨーグルト消費頻度」を用いる。 この 2 つの変数を用いてヨーグルト全体の消費頻度とタイプ別ヨーグルトの消費頻度と で、サプリメント消費頻度との相関を見てみた結果、表3−3−12のようになった。 - 28 - 表3−3−12 <サプリメント消費頻度とヨーグルト消費頻度との関連性> タイプ 相関係数 有意確率 プレーンヨーグルト 0.106 0.188 ソフトヨーグルト 0.078 0.335 ハードヨーグルト 0.086 0.287 ドリンクヨーグルト 0.093 0.251 ヨーグルト全体 0.163 0.042 表3−3−12のように、サプリメント消費頻度とヨーグルト消費頻度との間に、相関 係数は 5%水準で有意な結果となった。ここで、3−2−4.の性別とヨーグルト消費頻度 の関係から、男女間で健康意識に差があったので、サプリメントも同様に男女間で差があ るのではないかと考え、性別との擬似相関を配慮した回帰分析を行った。この回帰分析に おいて性別は、男性=1、女性=2として定義したため、回帰係数が正であることは女性 のほうがヨーグルトを多く食べる傾向があることを表し、また、回帰係数が負であること は男性のほうがヨーグルトを多く食べる傾向があるということを表す。結果、ヨーグルト 全体での分析結果は、決定係数が、0.067、有意確率が 0.005 であったため、F 検定は 1% 水準で有意であった。また、個々の変数の説明力の強さについては、表3−3−13のよ うな結果となった。 表3−3−13 <従属変数をヨーグルト消費頻度、独立変数を性別・サプリメント消費 頻度とした重回帰分析(強制投入)> ヨーグルト消費頻度に 非標準化係数 標準化係数 影響を及ぼす要因 (B) (β) 性別 0.809 サプリメント消費頻度 0.161 定数項 0.205 t値 有意確率 0.201 2.564 0.011 0.177 2.253 0.026 0.370 0.712 表3−3−13のように、男女間において性別の非標準化係数が正の値を表したため、 女性のほうがヨーグルトを食べている傾向があることが分かった。またt検定により、5% 水準で性別、サプリメント消費頻度ともにヨーグルト消費頻度を統計的に有意に説明する 結果となった。これらの結果から、ヨーグルト消費とサプリメント消費の間には、性別に よる擬似相関の影響を除いても、なお統計的に有意な関係が見られた。 よってこれらの結果から、「サプリメントをよく摂取する人は、サプリメントをあまり摂 取しない人よりヨーグルトを食べる頻度が低い」という仮説が成りたたず、むしろ仮説と は全く逆の結果となった。これは、仮説を設定した段階では、ヨーグルトの代替としてサ プリメントを食べていると予想していたが、得られた結果は、「サプリメントをよく食べる - 29 - 人は、サプリメントをあまり摂取しない人よりヨーグルトを食べる頻度が高い」であった。 よって、この分析結果から、健康に興味のある人はいろいろな健康食に手を出しており、 その一例としてサプリメントの消費頻度とヨーグルトの消費頻度の関係に関連性をもたせ たのではないかと考えられる結果となった。 - 30 - 第4章 結論 本研究は、ヨーグルトの消費行動の特色やヨーグルトと関連性がある要因に関して、あ らゆる視点から考察することで、さらなる拡大傾向があるヨーグルト市場についての実態 を把握し、関連性のある要因から今後の展望を導き出していくことを目的としていた。こ の見地から、本研究の仮説検証結果を見ていくことにする。 まず1つ目に、「健康」という概念では、仮説1である「健康を意識している人は、健康 を意識していない人に比べてヨーグルトを食べる頻度が高い」がプレーンヨーグルトと有 意な結果となり、健康意識が高い人は、プレーンヨーグルトを食べる頻度が高いというこ とが伺えた。また、健康に関連している仮説7である「サプリメントをよく摂取する人は、 サプリメントをあまり摂取しない人に比べてヨーグルトを食べる頻度が低い」が負の相関 を持ち、サプリメントをよく摂取する人は、ヨーグルトを食べる頻度も高いという結果に なった。 2つ目に、「デザート」という概念では、仮説2である「デザートの好きな人は、デザー トが好きではない人に比べてソフトヨーグルトを食べる頻度が高い」がソフトヨーグルト と有意な結果となり、デザートが好きな人はソフトヨーグルトを食べる頻度が高いという ことが伺えた。また、ラダリング調査で得られた「ソフトヨーグルトをデザートとして食 べていることが多い」という回答結果からも、 「デザートとしての認識でソフトヨーグルト を食べていることが多い」と考えられる結果となった。 3つ目に、「スポーツ」、 「外食」、「忙しさ」という概念では、スポーツ頻度に関する仮説 3、外食頻度に関する仮説4、忙しさの変数である「睡眠時間」、「自由時間」に関する仮 説6は全て棄却され、今回の調査では関連性を見ることはできなかった。 4つ目に、 「習慣」という概念では、仮説5である「子供の頃に食べていたヨーグルトは、 食べていない人に比べて今でも多く食べる」がハードヨーグルトとドリンクヨーグルトで 有意な結果となり、ハードヨーグルトとドリンクヨーグルトに関しては、幼少時代からの 習慣が今でも続いているという結果となった。 これらの上述した仮説検証結果をまとめると、ヨーグルトはタイプ別にそれぞれの要因 が強く関わっていることを伺うことができる。具体的には、プレーンヨーグルトは健康意 識との関連性が強いこと、ソフトヨーグルトはデザートとの関連性が強いこと、そして、 ハードヨーグルトとドリンクヨーグルトは習慣性としての消費者への依存度が強いことで ある。よってこれらの結果は、ヨーグルト市場といってもいろいろな市場との関連があり、 それはタイプ別によって違うということを物語っているのである。したがって、今後ヨー グルト市場は、「ヨーグルト市場としてどのように市場を拡大させていくのか」を考えるよ りも、タイプ別に分けたヨーグルトをプレーンヨーグルトの場合は健康食品市場、ソフト ヨーグルトの場合はデザート市場というように、それぞれの対応する市場でその市場の流 れにあわせた商品展開や販売戦略を行っていかなければならないだろう。そして、ハード - 31 - ヨーグルトとドリンクヨーグルトに関しては、依存性のある食品の特徴に関する研究を進 めていかなくては、現代の競争市場では残っていけないだろう。逆に言えば、プレーンヨ ーグルトとソフトヨーグルトに関しては、それぞれの市場をしっかりと見極めること、ま た、ハードヨーグルトとドリンクヨーグルトに関しては、依存性のある食品の特徴につい て研究を重ねていくことが今後のヨーグルト市場のさらなる発展に必要なことではないだ ろうか。 - 32 - 参考文献 上田拓治(1999) マーケティングリサーチの論理と技法 日本評論社 鷹尾 牛乳・乳製品の実際知識 東洋経済新報社 亨(2001) 読売新聞ホームページ (Yomiuri On-Line ブームも過熱 ヨーグルト) http://www.yomiuri.co.jp/wine/kaisyoku/20040308ui11.htm 富士経済グループホームページ (デザート市場の現状と展望∼市場を牽引する「専門」「本格」「値頃」商品の動向∼) http://www.group.fuji-keizai.co.jp/pdf/p0557.pdf 日本酪農乳業協会ホームページ (今後のヨーグルト市場の拡大に期待) http://www.j-milk.jp/expertise/colum/media/rjjvqh000000in2d.html 京都府中小企業総合センターホームページ (情報誌「M&T きょうと」2003.11 センターの事業(1)から ヨーグルトの一般知識と 新製品開発の方向性) http://www.mtc.pref.kyoto.jp/ce_press/no991/center_event1.htm 明治乳業ホームページ (乳酸菌研究) http://www.meinyu.co.jp/company/brand/001/index_01.html 森永乳業ホームページ (2003 年 3 月期中間決算説明会) http://www.morinagamilk.co.jp/company/intro/ir/image/pdf/fi1504.pdf 関西テレビホームページ (発掘!あるある大辞典 第 119 回『ヨーグルト』 1999 年 2 月 21 日放送分 ったヨーグルトとは?) http://www.ktv.co.jp/ARUARU/search/aruyogurt/yogurt3.htm - 33 - あなたに合 東京商工リサーチホームページ (−拡大する特定保健用食品市場―) http://www.tsr-net.co.jp/pro_ser/chosa/Sanple-Report2.pdf 日本ミルクコミュニティホームページ http://www.megmilk.com/ グリコ乳業ホームページ http://www.glico-dairy.co.jp/ - 34 - 付録 単純集計結果 <回答者の男女比> 度数 <回答者の家族構成> 割合 度数 割合 男性 56 人 35.4% 一人暮らし 137 人 87.3% 女性 102 人 64.6% 家族と同居 15 人 9.6% 合計 158 人 100.0% 家族以外の人と同居 5人 3.2% 157 人 100.0% 合計 <プレーンヨーグルト消費頻度について> 度数 <ソフトヨーグルト消費頻度について> 割合 度数 割合 週に 5 回以上 10 人 6.3% 週に 5 回以上 5人 3.2% 週に 3∼4 回 14 人 8.9% 週に 3∼4 回 7人 4.4% 週に 1∼2 回 22 人 13.9% 週に 1∼2 回 20 人 12.7% 月に 2∼3 回 31 人 19.6% 月に 2∼3 回 41 人 25.9% 月に 1 回程度 26 人 16.5% 月に 1 回程度 34 人 21.5% ほとんど食べない 55 人 34.8% ほとんど食べない 51 人 32.3% 合計 158 人 100.0% 合計 158 人 100.0% <ハードヨーグルト消費頻度について> 度数 <ドリンクヨーグルト消費頻度について> 割合 度数 割合 週に 5 回以上 0人 0.0% 週に 5 回以上 0人 0.0% 週に 3∼4 回 2人 1.3% 週に 3∼4 回 0人 0.0% 週に 1∼2 回 7人 4.4% 週に 1∼2 回 10 人 6.3% 月に 2∼3 回 17 人 10.8% 月に 2∼3 回 20 人 12.7% 月に 1 回程度 29 人 18.4% 月に 1 回程度 37 人 23.4% ほとんど食べない 103 人 65.2% ほとんど食べない 91 人 57.6% 合計 158 人 100.0% 合計 158 人 100.0% - 35 - <デザートの消費頻度について> 度数 割合 週に 5 回以上 20 人 12.7% 週に 3∼4 回 30 人 週に 1∼2 回 <サプリメント消費頻度について> 度数 割合 週に 5 回以上 22 人 14.2% 19.1% 週に 3∼4 回 7人 4.5% 69 人 43.9% 週に 1∼2 回 16 人 10.3% 月に 2∼3 回 17 人 10.8% 月に 2∼3 回 10 人 6.5% 月に 1 回程度 6人 3.8% 月に 1 回程度 4人 2.6% ほとんど食べない 15 人 9.6% ほとんど食べない 96 人 61.9% 合計 157 人 100.0% 合計 155 人 100.0% <スポーツの頻度について> 度数 割合 週に 20 時間以上 2人 1.3% 週に 15 時間以上 20 時間未満 9人 5.7% 週に 10 時間以上 15 時間未満 20 人 12.7% 週に 5 時間以上 10 時間未満 27 人 17.2% 週に 5 時間未満 65 人 41.4% ほとんどしない 34 人 21.7% 合計 157 人 100.0% <健康意識について> 度数 割合 非常に気にしている 13 人 8.2% やや気にしている 83 人 52.5% どちらとも言えない 29 人 18.4% あまり注意していない 29 人 18.4% 全く注意していない 4人 2.5% 158 人 100.0% 合計 - 36 - <プレーンヨーグルトに対する消費者の認識> 非常に やや どちらとも あまり 全く ある ある 言えない ない ない 脂質 3人 50 人 21 人 55 人 6人 糖質 0人 22 人 17 人 79 人 16 人 カルシウム 50 人 66 人 14 人 2人 3人 ビタミン 8人 44 人 43 人 36 人 4人 整腸効果 80 人 49 人 4人 1人 1人 美肌効果 39 人 58 人 31 人 5人 1人 花粉症予防 9人 30 人 45 人 33 人 19 人 がん予防 8人 29 人 44 人 35 人 19 人 ダイエット効果 8人 46 人 40 人 23 人 18 人 便秘克服効果 39 人 74 人 18 人 3人 2人 血糖値低下の効果 3人 31 人 62 人 29 人 11 人 4人 35 人 62 人 23 人 11 人 コレステロール 低下の効果 <ソフトヨーグルトに対する消費者の認識> 非常に やや どちらとも あまり 全く ある ある 言えない ない ない 脂質 12 人 99 人 14 人 9人 2人 糖質 63 人 69 人 3人 0人 0人 カルシウム 25 人 74 人 23 人 11 人 3人 ビタミン 14 人 70 人 35 人 15 人 2人 整腸効果 44 人 75 人 11 人 3人 2人 美肌効果 35 人 56 人 33 人 10 人 1人 花粉症予防 9人 23 人 57 人 31 人 16 人 がん予防 1人 25 人 56 人 34 人 19 人 ダイエット効果 3人 23 人 36 人 55 人 19 人 便秘克服効果 20 人 91 人 19 人 3人 2人 血糖値低下の効果 1人 15 人 65 人 42 人 12 人 0人 16 人 68 人 41 人 10 人 コレステロール 低下の効果 - 37 - <ハードヨーグルトに対する消費者の認識> 非常に やや どちらとも あまり 全く ある ある 言えない ない ない 脂質 8人 90 人 20 人 15 人 2人 糖質 30 人 83 人 13 人 8人 0人 カルシウム 25 人 79 人 21 人 8人 2人 ビタミン 6人 47 人 49 人 26 人 7人 整腸効果 37 人 71 人 19 人 6人 1人 美肌効果 28 人 51 人 39 人 15 人 1人 花粉症予防 6人 28 人 55 人 28 人 18 人 がん予防 1人 23 人 56 人 35 人 19 人 ダイエット効果 4人 33 人 48 人 36 人 14 人 便秘克服効果 17 人 76 人 28 人 11 人 2人 血糖値低下の効果 3人 22 人 59 人 39 人 11 人 0人 19 人 66 人 37 人 12 人 コレステロール 低下の効果 <ドリンクヨーグルトに対する消費者の認識> 非常に やや どちらとも あまり 全く ある ある 言えない ない ない 脂質 14 人 81 人 21 人 18 人 2人 糖質 54 人 71 人 11 人 0人 0人 カルシウム 38 人 75 人 15 人 6人 1人 ビタミン 9人 50 人 52 人 20 人 5人 整腸効果 48 人 70 人 9人 6人 2人 美肌効果 24 人 56 人 37 人 16 人 2人 花粉症予防 4人 27 人 57 人 31 人 17 人 がん予防 1人 24 人 51 人 38 人 21 人 ダイエット効果 6人 25 人 36 人 53 人 16 人 便秘克服効果 28 人 70 人 24 人 9人 3人 血糖値低下の効果 1人 20 人 64 人 39 人 11 人 1人 16 人 68 人 37 人 13 人 コレステロール 低下の効果 - 38 - <消費者の各項目に対する重視度> 非常に気に やや気に どちらとも あまり気に 全く気にし している している 言えない していない ていない 脂質 27 人 75 人 16 人 25 人 13 人 糖質 22 人 75 人 20 人 28 人 10 人 カルシウム 20 人 71 人 20 人 34 人 11 人 ビタミン 32 人 75 人 17 人 21 人 11 人 整腸効果 20 人 62 人 25 人 35 人 13 人 美肌効果 21 人 47 人 29 人 29 人 29 人 花粉症予防 7人 13 人 23 人 31 人 81 人 がん予防 6人 13 人 26 人 46 人 65 人 ダイエット効果 34 人 37 人 28 人 27 人 30 人 便秘克服効果 20 人 52 人 19 人 27 人 37 人 血糖値低下の効果 6人 10 人 26 人 51 人 62 人 6人 18 人 25 人 47 人 59 人 コレステロール 低下の効果 <ヨーグルトが売切れだった場合の代替品について(複数回答可)> 度数 ケーキ 3人 ゼリー 42 人 プリン 79 人 アイスクリーム 32 人 他のデザート類 15 人 豆乳 21 人 牛乳 44 人 果物 30 人 サラダ 6人 チーズ 21 人 他の乳製品 12 人 サプリメント(栄養補助食品) 3人 その他 3人 - 39 - 謝辞 本論文を作成するにあたり、多くの方々に大変お世話になりました。 まず、ご指導を引き受けて下さり、ゼミ等においても常に適切かつ有益なご助言をして 下さった社会工学類の石井健一先生には心より感謝申し上げます。拙い論文であるにも関 わらず、目を通していただき、適切なご指導ありがとうございました。 社会学類の小西知世先生、人間学類の石隈利紀先生には、質問票における量的調査に快 くご協力いただきました。ここに深く御礼申し上げます。 また、私のアルバイト先の方々には、事前調査のラダリング法による質的調査に快く協 力いただきました。この場を借りて感謝の意を表します。 最後に、大学4年間という長きにわたる学生生活を支えてくれた家族に心より感謝しま す。 2005 年 1 月 26 日 - 40 -