...

ヨーロッパハウス - 一般社団法人 日本建設業連合会

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

ヨーロッパハウス - 一般社団法人 日本建設業連合会
No.12-023-2012作成
ヨーロッパハウス
新築
事務所/住宅
Europa House
カテゴリー
発注者
ヨーロッパハウス合同会社
設計・監理
大成建設株式会社一級建築士事務所
ADPI
施工
大成建設株式会社
■様々な環境装置
敷地のもつ特性を生かした東西に平行な建物配置とし、住宅棟とオフィス棟の間は屋上緑化を施した。オフィス棟は全幅に渡り屋
上庭園に面し、中間期にはそこを通り抜ける風を効率よく執務空間に取り込むことも可能であり、自然光を利用した照明エネル
ギーの低減も図られた。
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
またその小さな峡谷の中央に配した
中庭(セントラルガーデン)には壁
Sun Light
Rain
太陽光発電システム
面緑化と落葉高木(カツラ)をしつ
住戸
Rain
廊下
らえ、季節感を演出している。住宅
限られた敷地に様々な環境装置を組み込んだサスティナブル建築
の屋上には東京の名所を望める緑豊
住宅棟
オフィス棟
住戸
トップライトによる自然採光
ロッジア
かな屋上庭園をしつらえた。これら
■職・住の「近接」と「分離」を同居させた配置計画
部に当たる施設の計画である。敷地は付近に有栖川記念公
園や各国大使館の広大な緑地などもあり、東京有数の緑に
機械室
住戸
は、地下の雨水貯留槽に蓄えられ一部
中央監視システム
(BEMS)
ろ過装置を介して、敷地内の潅水装置
輻射冷暖房システム
玄関
廊下
セントラル
ガーデン
廊下
窓開閉による空調自動停止制御
オフィス
1.35mモデュールの執務空間
オフィス
人感・照度センサーによる照明制御
オフィス
エントランスホール
ホール2
車路
駐車場
雨水利用システム
その他右記のような環境技術を組み
敷地の南側に、日当たりを最大限に享受できるよう住宅棟
クールピットによる
空調外気予冷・予熱
免震ピット
込んだ。
を配置し、安定した光を得られる北側にオフィスを配置し
ボアホールによる
地中熱利用システム
■フレキシブル・オフィス
た。機能の異なる2つの棟は、その間にしつらえた屋上庭
園により分離される。
2棟間の屋上庭園
西側外観
環境技術断面図
当施設の執務室は、欧州スタイルの個
人オフィスという執務形態のため、駐
オフィス棟
在外交官の異動や組織変更による間仕
住居棟
れた緑は、双方の
天井内遮音バリア@1350
切り配置の変更が頻繁であり、変更に
中庭
際しては、必要最小限の改修工事で留
ビルに安らぎを与
める工夫が必要であった。我々は最小
え、光を与え、ま
た時にプライバ
廊下
やトイレ洗浄水に利用されている。
囲まれた国際色豊かな閑静なエリアである。
そこにしつらえら
廊下
オフィス
の庭園空間や屋根に降り注いだ雨
欧州27カ国からなる「欧州連合(EU)」の日本における代表
この小さな峡谷と
玄関
システム天井用
照明器具
全体を1.35mピッチでモデュール化し、
シーを守るスク
リーンとなる。
スチール
パーティション
居住空間の幅を2.7mとし、オフィス棟
パブリックスペース
照明グループ①
照明グループ②
空調制御システム連動横軸回転
排煙窓
照明グループ③
想定される間仕切り位置の全てに遮音
アクソメ図
バリアと呼ばれる垂れ壁を設置し、ど
TEL
LAN
1Fエントランスホール(輻射冷暖房システム)
■銅板というサスティナブル・マテリアルの採用
こに間仕切りが来ても均一な遮音性能
外装には建物の長寿命化を図るとともにメンテナンスの軽
が得られるように設計した。また、最
1.
低2モデュールを使用することから、
27
減によるLCCの削減を目指し、日本ではあまり用いられな
い0.7mm厚のドイツ製の銅板が採用された。銅板は他の金
セントラルガーデン見下げ
属板に比べて加工がしやすく、しかも塗装仕上が不要なた
TEL
LAN
TV
TEL
LAN
TEL
LAN
00
TEL
LAN
m1
.
35
TEL
LAN
m
話・LANのアウトレットは2モデュー
ルごとに設定し、空調および照明のス
敷地北側に横たわるオフィス棟には、緑青銅板を採用し、
イッチの設定を変更するだけで、大掛
外交の中枢を担う重要な機能を柔らかな曲面の外皮でしっ
かりな改修を行うことなく間仕切り変
かりと包みこんでいる。外装は整然とした横連窓を基調に
更に対応出来るようにした。
コンセント・電話・LANの
ユーティリティを
1.35mごとに配置
27
設置した床置型空調機および電源・電
である。
00
現状レイアウト
ガラスパーティション
ペリカウンター式床置型空調機
2モデュールごとに設置
(最大3モデュールに対応可)
照明グループの組換えは
照明制御システムにて可能
照明グループ①
航空写真(太陽光発電・屋上庭園)
デザインし、切り口をカーテンウォールで覆った中央部分
照明グループ②
設計担当者
には、渦巻き状の水流をデザインモチーフとした中庭を配
TEL
LAN
TV
TEL
LAN
デザインコンセプト・建築基本計画:ドミニク・シャヴァ
TEL
LAN
ンヌ、マベル・ミランダ(ADPI)
をもたらす。
住居棟は、大使公邸を含む20の職員住宅と共用施設からな
り、長きにわたり表情の変化を楽しめるブロンズ銅板で
構造:篠崎洋三、早部安弘、水谷太朗、吉川裕亮
TEL
LAN
27
00
将来レイアウト
TV
40
50
設備:熊谷智夫、梶山隆史、山中康弘(以上大成建設)
覆った。職員の家族構成に合わせて選択の自由度を増すた
ランドスケープ:ドミニク・シャヴァンヌ、マベル・ミラ
住宅棟外観
めに、全ての住宅は異なるプランとした。
省エネルギー性能
東京都港区
2011 年
3,626㎡
10,561㎡
RC造一部S造
地下1階、地上6階
TV
TEL
LAN
建築:大原信成、杉江大典、服部光宏、間田央、伊原慶、
大和久葉子
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
TEL
LAN
設計:大成建設㈱一級建築士事務所/ ADPI
することにより、1階のエントランスホールに十分な自然光
建物データ
TV
廊下
27
00
排煙窓を兼ねた横軸回転窓や、窓際に
め、100%リサイクルが可能な非常に環境にやさしい材料
TV
35
PAL削減
ERR(CASBEE準拠)
LCCO2削減
CASBEE評価
27 %
27 %
13 %
Sランク
BEE=3.1
2010年度版
第三者認証
3.0
100
S
1.5
A
3.1
75
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
24
50
L
100
ンダ(ADPI)蕪木伸一、小池亘、加瀬泰郎(大成建設)
フレキシブル・オフィス
フレキシブル・オフィス アクソメ図
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 2.
Q2. 3.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR2.1.
耐用性・信頼性(基礎免震構造、免震モニタリングシステム、非常電源供給)
対応性・更新性(統一モジュール採用によるプランの高い可変性、事務所耐荷重4000N)
建物の熱負荷抑制(PAL性能向上、アルゴン入りLow-Eガラスの採用、窓開閉による空調自動停止制御)
自然エネルギー利用(太陽光発電、自然採光、ボアホール式地中熱利用システム、クールピット)
設備システムの高効率化(輻射冷暖房、中央監視システム、明るさセンサー・人感センセンサーによる照明制御)
水資源保護(雨水利用)
サステナブル建築事例集/社団法人日本建設業連合会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
Fly UP