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議事録(要約)(PDF:340KB)
平 成 25 年 度 保 育 所 懇 話 会 議事録 平 成 25 年 8 月 8 日 ( 木 ) 午 後 7 時 ~ 9 時 場所:アスピア明石北館7階 1. 開会 2. コーディネーター、アドバイザー紹介 3. 出席者自己紹介 4. 開催趣旨説明 ○事務局 会議室1.2 こ の 懇 話 会 は 、 平 成 15 年 度 に 保 育 所 の 給 食 調 理 業 務 を 民 間 委 託 す る 際 、 給食懇話会として設置させていただいたのが発端です。それ以降も 給食という特定の 分野だけでなく保育全般に関するさまざまな議題について協議をさせていただいてお ります。本日もお忙しい中お集まりいただいておりますが、普段保育所でお話をして い た だ く よ う な 形 で 、自 由 に 忌 憚 の な い 御 意 見 を い た だ け れ ば と 思 っ て お り ま す の で 、 よろしくお願いいたします。 5. 議事 ○コーディネーター 最初に、各保育所に対する意見、要望を御紹介いただきたい と思います。 ○松が丘保育所 5月に保育参観とクラス間懇談会を行い、その際に御意見、御要 望を伺いました。全体で検討していただくような内容のものは出ませんでした が、保 護者の方から、アレルギーの代替食はどのようなものが使われているのか教えてほし い、家庭で参考にしたいという要望があり、幾つか具体的に説明をし ました。 ○明南保育所 5月に、0~2歳クラスは個別懇談会を、3~5歳クラスは保育参 ―1― 観と懇談会を開き意見を聞きました。要望は出されませんでしたが、4月から給食が 民営化されたことで不安を抱かれている保護者がいました。3~5歳クラスの懇談会 の 日 に 、一 口 だ け で す が 保 護 者 向 け に 試 食 会 を 行 っ た と こ ろ 関 心 の 高 さ が 伺 え た の で 、 7月から月別にクラスを決めて試食会を行っています。職員も緊張感を持ち、調理員 と細かいこともしっかり話して連携に力を入れています。 ○王子保育所 昨年度、クラス担任や保護者の意見・情報を交換する時間を多く取 り入れてほしいと要望があり、今年度はクラス懇談会に重点を置き 取り組みました。 意見や要望などはアンケートを取りましたが 園内で対応できることが多く、基本的に はすぐに返答できています。施設のことは対応しきれていないところもありますが、 育成室で対応を検討していただいているところです。5月の保育参観でも、全体で取 り上げるべき議題は出ませんでした。 ○鳥羽保育所 5 月 23 日 に 保 育 参 観 、ク ラ ス 懇 談 、全 体 懇 談 会 を 行 い ま し た 。和 や か な 雰 囲 気 で 、特 に 保 護 者 か ら の 要 望 は あ り ま せ ん で し た 。ま た 、5 月 27 日 か ら 7 月 12 日 に 保 護 者 向 け に 半 日 保 育 体 験 を 行 い ま し た 。そ の 後 、給 食 の 試 食 と 個 人 懇 談 の 場 を持ち、アンケートを取りました。参観時は見られない保育所での生活を見たり、保 育に参加したりでき、どのように過ごしているのかよくわかり楽しかった、給食がお いしかったという意見が多く書かれていました。 ○松陰保育所 松陰保育所でも5月に保育参観とクラス懇談会を行いました。クラ ス懇談では数名ずつグループに分かれ、保護者同士で育児に困っていること、例えば 食事に時間がかかることや、休日は昼寝をしないため夕方にぐずってしまうことなど について話し合い、具体的な対策などの情報交換をしていただきました。園に対して の要望等は出ていません。 ○高丘保育所 5 月 23 日 に 保 育 参 観 、そ の 後 ク ラ ス 懇 談 会 を 行 い ま し た が 、特 に 議 論する内容のものは挙がりませんでした。クラス懇談会 では、まずお子様のいいとこ ろを教えてくださいと投げかけて話し合ってもらった後、悩んでいることや解決策に ―2― ついて話し合いました。各クラスとも和やかな雰囲気でした。 ○八木保育所 5 月 21 日 に 保 育 参 観 、ク ラ ス 懇 談 会 を 行 い ま し た 。子 供 た ち の 安 定 した生活の様子を見ていただくため、子供たちを普段通り保育所に送っていただき、 そ の 足 で 西 八 木 厚 生 館 に 各 自 移 動 し て い た だ い て 、ク ラ ス 別 に 懇 談 会 を 行 い 、そ の 後 、 保育所での参観を行いました。各クラス、子育ての悩みや保護者からのアドバイス、 就学に向けての不安などが話し合われました。保育所への要望としては、保育所 の前 の道路から駐車場に入るところにくぼみがあって入りにくいので 直してほしい。駐車 場がよく混雑するので改善してほしいとの意見が出されました。 ○江井島保育所 5月に3歳児、4歳児、5歳児のみですが保育参観があり、その 後、クラス懇談を行いました。後日でしたが保護者から2点要望が出、1点は蚊に刺 されることが多く、体質もあるが赤く腫れるので対策をしてほしい こと、もう1点は 水いぼがあり、病院ではプールに入っても問題ないと診断されたが、対応はどのよう にしてもらえるかということでした。1点目は園庭に蚊取り草を植えたり除虫剤を置 いたりしているが、隣が空き地で草が非常に多いため蚊も多く、苦慮している状態で す。2点目の水いぼの件は、皮膚同士の接触により感染する ため、接触の多いプール ではラッシュガード(長袖水着)を着用し一緒に入ることにしました。 ○中尾保育所 5月に保育参観とクラス懇談会を行いました。その時には意見や要 望はありませんでした。それとは別にふれあい散歩という、保護者に子供と一緒に散 歩に行っていただいた後、給食の試食と、所長と保護者とでお話しする 行事がありま すが、その時5歳児の保護者の方から、家では字に興味を持たないので保育所で 字を 書いたり覚えたりさせてほしいと意見が出ました。 もう一点、3歳未満児が給食時使 用するスプーンの柄が細いのではないかという意見が意見箱に入っていました。それ は所長から、持つには少し細いが子供の一口量を知らせるために現在のスプーンを使 用していると回答しています。 ○土山保育所 去年同様5月の保育参観の後全体懇話会を開きましたが、特に園全 ―3― 体に対しての要望はありませんでした。 ○二見保育所 5 月 28 日 に 保 育 参 観 と 講 演 会 、ク ラ ス 懇 談 会 を 行 い 、こ の 懇 話 会 に 向けても意見や要望を募りました。この場に持ってくる程度 のものはありませんでし たが、園の蚊対策はどうなっているかと質問がありました。保育室内、ホール、テラ ス、保育室の入り口、園庭に、電気式、電池式、つり下げるもの、従来の蚊取り線香 などを多種使用しており、必要な方には虫よけシールを張っています。その後、6月 から3歳、4歳、5歳の保護者向けにふれあいデーという行事を持ち 、半日保育に参 加後、給食の試食と個人懇談を行っています。そのときのアンケートで 給食のレシピ を教えてほしいとの要望があり、調理員と協力して、少しずつおたよりでお知らせし ています。もう一件、二見保育所と二見幼稚園の幼保一体化について、事務局から保 護者に説明会がありましたが、その後、どうなっているのかと聞かれました。まだプ ロ ジ ェ ク ト は 始 ま っ て お ら ず 、現 時 点 で は 事 務 局 か ら の 説 明 の 通 り と 回 答 し て い ま す 。 ○コーディネーター ありがとうございました。多数、意見要望があったかと思い ますが、中尾保育所から意見が出ました5歳児の保育内容に学習、 特に文字を取り入 れることを前半のテーマとして取り上げて話し合おうと思います。では中尾保育所か ら、もう少し詳しく説明をお願いします。 ○中尾保育所 今のところ時間をつくって文字を指導することは行っていませんが、 環境を整えたり、遊びを通して文字に触れたりして興味を促すようにしています。既 に文字に興味を持っている子は絵本の題名を見て書いたり、作品に自分の名前を書い たりしています。また、手先を使うことも字を書くことにつながり ますので、そうい った遊びも大事にしています。保護者にもそのように話しています。 ○コーディネーター ○保護者 他の園で、何か実施していることがあれば御紹介下さい。 私の子が5歳クラスの時お手紙交換がクラスの中ではやっていて、友達 に字を教えてもらったり先生に聞いたりして みんなで字を書いていました。手紙を受 け取ると子供は嬉しいと思いますし、みんなで字を覚えていくこと、書くことを楽し ―4― いと感じていたようです。情緒の面でもよい経験だったと思います。 ○保護者 はやっていたというのは先生からの提案だったのですか、それとも子供 同士で何か書いて渡しているところから始まったのですか。 ○保護者 先生からではありません。きっかけは字を覚えた子が好きな子に手紙を 渡したことだったようで、先生がそれは良いことと受け止め、全体に広まったようで す。先生の受け止め方の違いで、子供たちの知識にも違いが出ると思います。 ○保護者 私 の 園 で も 去 年 そ の よ う な こ と が あ り ま し た が 、先 生 に 止 め ら れ ま し た 。 ○保護者 止められましたか。このような保育所同士での違いが、小学校に入ると 子どもの知識や学習レベルの違いとして表れていると思います。個性かもしれません が、保育所で文字を使って楽しく遊んでいれば国語の授業も好きになるでしょうし、 止められていると字が書けないだけでなく、そのために学習意欲を失ってしまうこと もあると思います。保育士の先生には率先して文字の学習を促していただきたい。私 立保育所では書道の先生を呼ぶところもあると思いますが、それは保育料引き上げに 繋がりかねない。先生には、子供が自然に行うことを受けとめて欲しいと思います。 ○保護者 そもそも、保育所で文字を教えるのはよくないことなのでしょうか 。 ○アドバイザー 保育所は預かるところ、幼稚園は教育するところと語られること がありますが、それは誤解で、保育所指針も幼稚園教育要領も基礎は同じです。その 中に文字に興味を持つという表現はありますが、書かせなさいとはありません。教育 の目標とは知識を植えつけるのではなく、心情、意欲、態度を身につけることで、技 術は二の次です。目標を達成する手段が違うため、保育所と幼稚園でも、保育所同士 でも違いがあるように感じられるのです。最終目標のためにはこの時期に嫌悪感を持 たせてはいけません。名前を書ける子もいればまだ興味を持ったところの子もいて、 個別の援助が必要です。止められたのは単に禁止したのではなく、何かしら目標に達 しない理由があったからで、書かせてはいけないという意味ではないと思います。 ○アドバイザー 小学校も、保育所で字を覚えてくることは求めていません。意欲 ―5― を持って学習に臨む子供にしていけば中身は後からついてきます。そのために保育所 で一番大切なのは、しっかりと子供を受けとめることだと思います。誰かに認められ 安心している子供は様々なことに興味を持ち、働きかけることができ、学びに繋げて いくことができます。お箸の持ち方や朝食をとるといった生活習慣をしっかり身につ け健康でいることも、学びの後押しになるので大切だと思います。 ○保育所 私の園でも数と文字は生活の中に取り入れていて、給食のメニューを書 いて読んだり、登園している人数に合うよう配膳するといったことを、みんなで学ん でいます。文字を書いていても鏡文字だったり、点を違うところ に打ったりと変に覚 えていることもありますが、それは違うと否定せず、もう少しよく見てみようとか、 もう一度家でも教えてもらっておいでと促しています。 お友達がしているから自分も 書きたいという子もいますが、文字はあまり教えていません。また3歳児ではスプー ンから箸へ早く移行してほしい、5歳児ではきれいな字を書くようになってほしいと 言われる保護者がいますが、きれいな字にはきれいな持ち方が必要で、その基礎は0 歳児の手遊びに始まりスプーン、箸、鉛筆と順番に移行していく こともお伝えしてい ます。 ○保育所 できないことがあっても小学校に上がればできることは自然と増えます し、5歳児くらいの子は自分の思いを出せることの方が大事だと思います。クラス担 任でなくても、例えば、用務員にでも構わないので、できなくてつらかったことを話 せる子供になってほしいと職員間で話をしています。プライドもありますので比べら れることが嫌になっていて知らないことでも知っていると言ったり、やってみると当 然できない、というように、次へのステップを自ら閉ざしてしまうことは残念に思い ます。 ○保護者 既に卒園した私の一番上の子はマイペースでゆっくり、おっとりしてい ますが、それで良いと保育所で優しく関わってもらっていたので、今は自分が小さい 子に優しく接することができます。ただ、2番目の子は勉強が苦手で、私も嫌がるの ―6― を無理にさせることはせず、だんだん興味を持ってくれたらいいと思いながら見てい たのですが、小学校に上がって発達障害だとわかりました。保育所では本当によくし てもらい、しっかり受けとめられて生活していた土台があるから今頑張れているし、 ここまで成長できたと感じていますが、保育所でも兆しはあったでしょうし、苦手な ことがあるならその原因を一緒に探して、学校の勉強が始ま る前に何かできればよか ったのではないかと思っています。 ○保護者 以前、幼稚園出身か保育所出身かで小学校入学時の学習の差が出ている と新聞記事で読みました。就学前の子供には心の発達が大事とのことですが、特色あ る 私 立 の 幼 稚 園 が 勉 強 や 運 動 に 力 を 入 れ て い る の を 見 る と 、う ら や ま し く も 思 い ま す 。 アドバイザーの方や先生方はそういったことに否定的なのか肯定的なのか、子供にと ってどういうふうに影響を与えるのかが気になっています。 また、子供の脳は3歳までに成人の脳の半分以上まで 発達するそうなので、学習よ りも脳を活性化させるような保育内容を取り入れてもらいたいです。最近はクラスの 中に2人程度は何かしらの発達障害の子がいるとも聞きますし、早いうちに様々な保 育内容を取り入れていれば早期発見、個別の対応ができます。子供を大事に保育して いただけるのはもちろんですし、保育所に頼りきりなのもどうかとは思いますが、親 は脳を活性化させることに付き合う時間がないので、幼保一体化の際にはそういった ことも保育内容に加えてほしいです。 ○アドバイザー 私は後伸びする力を重視したいと思います。競い合うことではな いですし、その子が最終的に自立することが一番大切だと思います。子供がどのよう に伸びていくのかは興味がありますが、この記事に関しては、また幼稚園と保育所が 比べられることが増えると感じた程度です。特色ある保育を否定は しませんが、自分 の園ではしないです。民間は経営者の方針や理念があり、子供さんにも向く、向かな いがあると思います。 子供の脳の発達は、0歳から3歳までが目覚ましく、かなりのことを理解していま ―7― すので、保育所の先生にも乳児だからといっていいかげんな言葉遣いをしてはいけな いと常に言っています。子供の脳は1日に午前と午睡後の2度活動の山があると言わ れていますので、午前だけでなく午睡後にもう一度外で元気に遊ぶといった活動的な 内容を設定するなど、保育所は工夫しています。長い1日の保育時間のうち、家庭的 なゆったりする時間と、みんなで楽しみながら学んでいく時間を設けています 。 最後に発達障害の件ですが、明石市では発達相談員の方が定期的に回ってこられて いますし、最近では保健師の方も来られています。私達も常々保護者さんと連携しな がら、子供たちを一人一人見ていますが、専門的な方が来られてアドバイスをいただ いたときは、その内容をお伝えしています。しかしながら、 前向きに捉えてくださる 方もいる一方で、どちらかといえば聞きたくないという方もいます。専門的な方が来 られたときには、その先生の専門的な意見と普段の様子とを合わせてお伝えできるよ うにしています。また、そういった機会に気になる児童がいれば保護者に声をかけて 相談したりということは、段々とできてきていると思っています。 ○アドバイザー 保 護 者 の 皆 さ ん に は 、 焦 ら な い で 欲 し い で す 。 最 近 40 代 、 50 代 の方の自殺が交通事故よりも多いと聞きますがこれは、乳幼児期に できるかできない かだけで評価され、子供が自発的に行動するのでなく親が与えていたために、自己肯 定感や自信を十分に味わうことなく成長したことが原因だと指摘 されています。先ほ どの調査における教育とは学校の教科程度の狭い概念です。保育所での教育とは想像 力や論理的思考力、リーダーシップ、協調性、思いやり、規範性、忍耐、運動能力な ど、総合的に見てあげて欲しいです。やはり、一つ一つの自信をつけさせてあげるこ と、認めてあげること、特に存在を認めてあげることがとても大切です。 保育所は様々な年齢の子供がいるので、5歳クラスでは走るのが遅い子でも3歳の 子には走り方を教えられる。教えることで速く走れないことを嫌にならず、安心でき るし自信をつけられます。テレビなどで天才的な能力を持った子供たちが取り上げら れていても、自分の子供と比較して焦るのではなく存在を認めてあげること です。心 ―8― 情、意欲、態度を身に付けていくことが脳の活性化に繋がり、保育所はその期間だと 思っています。 ○コーディネーター 「発達障害」と一括りにしていますが、行政的な分け方と医 学的な分け方が少し異なります。それを詳しく説明する時間は無いのですが、要する に、普通はいろいろな領域がバランス良く発達していくのですが、 発達障害の場合、 幾つかの領域のどこかだけが後からゆっくりとしか発達していきません。逆に、他の 部分は普通に発達していきます。 もう一つは、なぜ発達障害が起きるのかということですけど、はっきりとはわかっ ていませんが、脳の中でうまく働かない部分があり、それは遺伝的な部分が大きいと 言われています。遺伝は自分たちでコントロールできるものではなく、育て方が悪い とかしつけができなかったのではありません。誰も悪いわけではありません。 ただ、その子が他の子供達に遠ざけられ、いじめられると自尊心が低くなるなどの 2次障害が出てくるため、子供にも教えなければいけませんし、親も支援者もよく理 解しておかなければなりません。例えば、ADHDの場合、落ちつきがなく、一時的 に暴力的になる場合がありますが、薬で抑えることができます。薬で抑えていれば、 周囲も特別視せず、2次障害は切り抜けられると思います。 た だ 、薬 に 関 し て は 、抵 抗 の あ る 人 も い ま す 。だ か ら 、一 概 に は 言 え な い の で す が 、 発達障害だとわかったら、片方では医療に繋がっておくべきです。ただ 、医療とか訓 練だけでは不十分で、社会性が大事なので、積極的に他の人たちと一緒に行動する、 そういうのを社会モデルというのですが、「医療モデル」と「社会モデル」を両方上 手に利用しながら、遅れている部分を補ったり、ゆっくりでも良いから発達していく よう支援していくことが大切だと思っています。 ○事務局 では、次の議題に入ります。昨年8月に国会におきまして子ども・子育 て 関 連 3 法 案 が 成 立 し 、 子 ど も ・ 子 育 て 支 援 新 制 度 が 平 成 27 年 4 月 か ら 始 ま り ま す 。 これには3つの大きな柱があり、まず1つ目が、幼稚園と保育園の両方の機能を持つ ―9― 認定こども園の普及、2つ目が、地域の子ども・子育て支援の充実、3つ目が、待機 児童の解消のための保育所等の受け入れ枠の拡大です。 新制度では市町村が実施主体として位置づけられており、地域の保育事業等のニー ズ調査を行って、子ども・子育て支援事業計画を策定する義務を負うなど、今まで以 上に市町村の役割が大きくなってきます。 明石市では、新制度に関して、国の動向に遅れることなく、 昨年の12月に学識経 験者、公私保育所・幼稚園所長、小学校の校長、保育所・幼稚園それぞれの保護者 代 表で構成される就学前の教育・保育のあり方検討会を立ち上げ、就学前の施設の拠点 である保育所、幼稚園のあり方などについて議論を重ねております。 来月9月には、明石市の条例設置による「明石市子ども・子育て会議」へと形を変 えまして、事業計画の策定や保育所・幼稚園の利用定員の決定などについて審議を行 う予定です。これまであり方検討会の方で議論されてきた内容につきましても、この 会議に引き継ぐ予定にしております。 また、先月に開催されました7月の検討会では、市立幼稚園、市立保育所の今後の 方向性の案が示されました。その中で、市立幼稚園での預かり保育の実施や、隣接す る市立保育所と私立幼稚園の幼保一体化の試行的運用などについて検討していくとい うことも発表されました。 この幼保一体化につきましては、すくすくあかしっこモデル事業と題しまして、隣 接 し て い る 市 立 幼 稚 園 、保 育 所 を 一 体 的 に 使 用 す る こ と に よ り 施 設 を 有 効 的 に 活 用 し 、 3歳児への幼児教育の提供、預かり保育の実施、地域の子育て支援の拠点としての機 能の拡充、待機児童の解消などの実現を目指すという内容となっております。現在、 幼稚園の園長や保育所の所長などの職員で構成されるプロジェクトチームを立ち上げ、 来年度実施に向けて検討を重ねています。 なお、これまで合計4回、あり方検討会という会議が開催されているのですが、あ り方検討会の議事内容につきましては、明石市のホームページに掲載しておりますの ―10― で、興味のある方はご覧ください。 ○保護者 幼保一体化のデメリットと、待機児童の問題について 教えて欲しいです。 明石市は保育所の質は良いですが、幼稚園は悪いように思いますので、長時間の保育 ができるのかが心配ですし、保育所の保護者はPTAなどの地域に密着した活動や行 事の準備で生活が圧迫されるとか、校区も違う関係のない地域と関わることを 敬遠さ れるのではないでしょうか。また、幼稚園の保護者と協力できるか心配です。 昨年か ら待機児童解消のために定員割れしている幼稚園の空き教室を使 った分園を開設して いますが、教室が小さく詰め込みになり、保育の質の悪化が懸念されるのではないで しょうか。 ○事務局 他市の事例では、生活時間の違う子供たちが一つの施設の中で一緒に生 活することによる心理的な影響がデメリットとして挙げられています。午睡を取る長 時間保育の子供が午後2時で降園する短時間保育の子供を見ないようにするなど工夫 しているそうです。 それから、次のデメリットとしましては、保育内容の条件的な制約が出てきている ということです。お仕事をされている保護者とそうでない保護者は行事への参加率が 異なります。PTA活動についても、保育所の場合はPTA活動が無いですが、幼稚 園の場合はPTA活動が有りますので、PTAをどのように運営していくかというあ たりが課題でもありデメリットとなっています。 職員につきましても、例えば、保育所の場合は職員がローテーション勤務 をしてお ります。ローテーション勤務をする保育士がいる中で、 会議や研修のあり方も考えな くてはなりません。 以上が、他市の事例の中で、幼保一体化のデメリットとして挙げられている事項で す。 ○事務局 待機児童について補足します。試行運用対象の松が丘と二見は比較的待 機児童の少ない地域ですが、ゼロではなく、解消が図れないか検討しているところで ―11― す。待機児童が多い西明石や大久保地域では、昨年、幼稚園の余裕教室を民間保育所 分 園 と し て 活 用 し 、待 機 児 童 の ほ と ん ど を 占 め る 3 歳 未 満 児 の 預 か り を 実 施 し ま し た 。 他にも保育園の新設や既存の保育所の増改築により、受け入れを拡大させるなどして 待機児童の解消を図っており、幼保一体化のみで待機児童を 解消させようとは考えて いません。また、定員を超えて詰め込むといった、保育の質の低下を招くようなこと はしない形で取り組んでおります。 ○保護者 幼稚園はお弁当で保育所は給食ですが、就労している保護者がお弁当を 作るのは難しいです。だからといって、給食の民間委託や中学校給食化で言われてい るようなセンター方式は希望しません。その場で作られた温かいものが提供され、調 理師さんの顔を見ることもできる。今の良い状況を変えてほしくありません。 ○事務局 幼保一体化の試行運用は、子供、保護者、職員に負担をかけない方針の も と 、ど の よ う な こ と が で き る か プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム を 立 ち 上 げ て 検 討 し て お り ま す 。 昼食はこれまで通り保育所は給食、幼稚園はお弁当を予定しています。 保育所のお 子さんが幼稚園の余裕教室に移ってもそのまま給食の予定ですが、保育所でつくった 給食を幼稚園に搬送し配膳するのか、保育所に戻ってみんな一緒に食べるのか、どう いう方法が望ましいのか検討しております。 クラスにつきましても、認定こども園や幼保一体化施設は、混合クラスが普通で、 同じクラスに短時間の幼稚園のお子様と、長時間の保育所のお子様が同じクラスで1 日生活を共にするのですが、来年の2園の試行モデルでは別個のクラスということで 検討しております。想定しているのは3歳以上児ですけれども、お子様は一緒に生活 しますが、先ほどの話にもありましたように、保育所のお子様がいる中で、幼稚園の お子様が先に帰ってしまうのは、やはり子供に心理的な影響があるだろうということ です。 ただ、園庭を共通で使うなど、同じ施設の中で連携できるところは連携していって はどうかという方針で検討しているところです。 ―12― ○保護者 ともに生活をするというのはどれくらいの頻度で考えておられますか。 ○事務局 立地条件や施設の整備内容も含めて、松が丘、二見それぞれでどういう 形の関わり合いができるかということを、現場の職員同士が集まったプロジェクトチ ームで協議しているところです。 当初は運動会などの行事はこれまでどおり幼稚園、保育所別々に実施するなど、緩 やかな一体化というイメージでプロジェクトチームでは検討しています。ただし、消 防訓練や防災訓練などは、同じ施設で生活している職員、児童が一緒に訓練しないと 意味がないということで、訓練については幼稚園や保育所の職員同士が連携して子供 達と一緒に取り組んでいくことを考えています。 それ以外のところにつきまして、極端な話、保育所の子供が幼稚園の余裕教室で別 個に生活するというようなイメージで、緩やかに職員同士、子供同士が連携したり、 共同生活が送れるようにしていけばどうかということで検討しています。 ○保護者 保育料はどのようになりますか。保育所では家庭の収入により違い、幼 稚園は一律です。就労していなくても入れる人がいれば、不満が出てくるのではない でしょうか。また行事も別々では、一体化の必要は感じられません。それよりもまず 待機児童に空き教室に入ってもらい、現在保育所に通っている子供や保護者とは別に してもらえると助かります。その後、問題がなさそうだったら保育所に通っている子 供も一体化施設へ移るとしていただければ、子供達の状況の変化も緩やかだと思いま す。 ○事務局 保育料はそのままです。幼稚園のお子様は一律の保育料、保育所のお子 様は世帯の収入に対する所得税、市民税の税額に応じた保育料となります。 待機児童解消としては、幼稚園の施設は幼稚園児 用に作られていて、余裕教室をそ のまま保育所の待機児童解消に使うことはできないことがほとんどです。 幼稚園は給 食ではなくお弁当ですから調理室もありませんし、遊具も規格が異なります。 昨年、 3か所の市立幼稚園で新たに設置した民間保育所の分園でも保育室の整備をし、給食 ―13― は本園の調理室で作ったものを分園へ搬送し 配膳しております。 松が丘と二見につきましては、市内で幼稚園と保育所が最も隣接している ところで すので、給食も本園で作ったものを幼稚園へ搬送して提供できますし、それが子供に とって良くない場合には、昼食時に保育所へ戻り保育所で食べることも可能です。一 体化は待機児童の解消にもなるかとは思いますが、全市で一斉に行うことは無理があ り ま す の で 、他 の 地 域 は 児 童 の 受 け 入 れ 体 制 の 拡 充 を 図 っ て い き た い と 考 え て い ま す 。 ○事務局 補足します。同じ施設で行事も別々で一体化になる必要があるのかとの ことですけど、すくすくあかしっこモデル事業にも書いてありますが、大きな目標は 幼稚園や保育所の枠を超えて、子供達が一緒に遊び、学び、そして共に小学校に繋が っていけるような保育の場を提供していくことです。それが就学前の教育・保育の充 実ということなのですが、同じクラスの中で幼稚園と保育所の子供が生活することが 一体化という部分もありますけれども、今まで別々だったものが急に一体化、同じク ラスになるのは子供にとっても保護者にとっても変化が大きく本当に負担となると思 います。ですので、そういう変化を極力避け るため、緩やかに一体化を進めていこう ということで、まずは幼稚園と保育所を別々にするということです 。 クラスは別々で、運動会、生活発表会などの大きな行事についても別々に行います が、例えば、外で自由に遊ぶときは保育所と幼稚園の子供が一緒に 交じりながら経験 を広げたり、同じ施設の中にいることでお互いの空気を感じたり声を聞いたりするこ とが刺激になると思います。 プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム の 中 に は 、保 育 所 と 幼 稚 園 の 園 長 、そ れ か ら 担 当 職 員 も い ま す 。 その中の話の一つですが、松が丘では、幼稚園と保育所が離れておりますので、松が 丘保育所の子供達が幼稚園に行くためには道路を渡らなくてはいけません 。それは安 全ではないし、そこまですることは必要なのかという意見も出ました。でも、小学校 へ進級すると子供たちは一人で学校に行かなければなりません。 横断歩道も渡らなけ ればなりません。交通ルールも知らなければなりません。そういう小学校に向けての ―14― 経験の一つになっていくのではないかと現場の職員から話が出ているということを、 お知らせしておきたいと思います。 ○コーディネーター 時間が過ぎているので、申し訳ありませんが、これで平成2 5年度の懇話会は終わります。 ―15―