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サービス業 - 東京都産業労働局
Case Study 103 震災後のビル設備の復旧にいち早く対応 株式会社陽栄 事業概要 オフィスビルの賃貸をはじめ、戸建・ 対象事業 ビル賃貸事業(設備トラブル対応業務) マンションの建築・分譲、不動産の売買・ 対象リスク 地震 仲介や不動産コンサルティング、時間 ▶ BCPの概要 貸駐車場業務、さらに商事部門に及ぶ 総合不動産事業を展開。 取締役専務執行役員 ●発災後は各賃貸ビルの安全確認、現場調査、応急措置、入 居者への復旧工程説明等の一連の業務を優先して行う。 斎藤 茂雄 ▶ 策定を終えて ●業務遂行には管理人、ビル管理会社、復旧工事を行うゼネ 体系化されていなかったビル コンが必要。管理人出勤不可の場合は他部門の応援要員を 賃貸事業としてのBCPを整理 派遣。ビル管理会社、ゼネコンと緊急連絡先を確認し、同 できました。また、今回の取 設 立:1953年12月 時被災時の対応を協議。工事会社を直接派遣する体制の構 組により、発災時に何をすれ 資 本 金:3億円 築、無線環境導入や携帯電話の予備充電池購入等を検討。 ばいいのかを考える力を養う 既存マニュアル類を体系立て、平時の設備トラブル対応業 ことができたと思います。今 務手順を見直した。管理人の安否確認、ビル被災状況確認 後はグループ会社全体に広げ について全賃貸ビルへのシステム配備を管理会社と協議中。 て取り組みたいと思います。 会社概要 称 号:株式会社陽栄 所 在 地:東京都中央区銀座7-14-16 従業員数:95名 代 表 者:代表取締役社長 早川 貴之 URL:http://www.yoei.co.jp Case Study 104 有事にも顧客企業のPR支援を速やかに復旧 株式会社エフビーアイ・コミュニケーションズ 事業概要 IR、CSR、PR業務において企画・制作 対象事業 広告支援事業 からメディアリレーション、コンサル ▶ BCPの概要 ティングまでをカバーするPR会社。顧 客は大手企業や官公庁等。企画力、海 外展開や多言語対応が特色。 会社概要 称 号:株式会社エフビーアイ・コミュニケーションズ 所 在 地:東京都渋谷区神宮前2-26-8 対象リスク 東京湾北部地震 ●主幹業務であるアニュアル・リポート、CSRレポート等の 代表取締役社長 コンテンツ制作を重要業務と位置づけ、被災による社員出 勤率低下、協力会社同時被災、制作データの損傷等を想定。 福田 光洋 ▶ 策定を終えて ●人員についてはあらかじめスキルを特定し、通勤経路を洗 コンテンツ制作やPRはBCPを い出しておくことで有事の代替要員体制を整備。グループ 策定しにくいのではないかと リーダーとスタッフ数名によって業務復旧を行う。 危惧していたが、策定によっ 設 立:1986年8月 ●協力会社が被災した場合は地方の同業社に代替依頼する。 て目標を数値化でき、具体的 資 本 金: 1,000万円 ●損傷した制作データは、非常持出し用のバックアップやメー な対策を立てることができま ル履歴、顧客先の保管データ等により復旧させる。サーバ した。日常における業務管理 復旧やホームページ更新については手順を整備して属人性 や改善のための有効な情報も を解消した。 得ることができました。 従業員数:40名 代 表 者:代表取締役社長 福田 光洋 URL:http://www.fbicom.co.jp/ 不動産業 Case Study サービス業 105 災害時も状況に応じたデジタルマーケティングを継続 株式会社カレン 事業概要 インターネットを活用したマーケティ 対象事業 Web・SNS運用、配信 ング代行業。見込み客の開拓から営業 対象リスク 東京湾北部地震 チャネルへの誘導、リピート率を上げ ▶ BCPの概要 るためのコンサルティング、アウトソー シング等のサービスを提供。 会社概要 称 号:株式会社カレン 所 在 地:東京都新宿区新宿4-2-23 設 立:2014年1月(創業1994年) 資 本 金:2,000万円 従業員数:47名 代 表 者:代表取締役 藤崎 健一 URL:http://www.current.co.jp/ 48 平成 25 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 ●災害時は外部へ情報発信する顧客ニーズが増大すると想定 し、Web・SNS運用、配信を対象とした。 代表取締役 藤崎 健一 ▶ 策定を終えて ●発災直後、顧客・協力会社を中心に被害状況の情報収集を行 会社と社員を守ることを真剣 う。特に重要な顧客については、一定の時間、連絡が取れな に考えるいい機会となりまし い場合は直接訪問し、特別に配信する情報データをまとめる。 た。何が大切で、誰がどう動 ●情報システム機器破損については、代替機の事前準備、既 存の帳票類とモバイル端末等を活用し対応。 くのか、会社を丸裸の状態に して考えることができました。 ●個人情報の取扱いに必要となるセキュリティルームが使用 今後、策定したBCPをより機 できない場合について、ASPアクセス制限の解除等の対応 能するものにしていきたいと 手順を確認。 思います。 Case Study 106 要員を迅速に把握してインフラ復旧に貢献 株式会社協振技建 事業概要 都市ガス会社や官公庁を顧客に、都市 対象事業 設計・製図・測量事業 ガスパイプ配管、上下水道、通信、道 対象リスク 東京湾北部地震 路等の設計測量を行う。近年は一般土 ▶ BCPの概要 木設計部門、システム開発部門、公共 調査部門と取扱い分野を拡充している。 称 号:株式会社協振技建 所 在 地:東京都文京区大塚3-19-7 設 立:1963年11月 資 本 金:3,600万円 従業員数:241名 代 表 者:代表取締役社長 髙橋 健太郎 URL:http://www.kyoshin.nkkg.co.jp/ Case Study 屋の一部、車両、データ及び各種情報の破損を想定。 髙橋 健太郎 ▶ 策定を終えて ●破損を想定した機材やデータについては転倒・落下防止や 会社概要 代表取締役社長 ●被災による社員の出社不可、測量機器、OA機器、事務所建 ガスをはじめライフラインを バックアップ、複数保管等の予防・低減策を講じた。また、 守る弊社は、復旧の応援に駆け 本社被災を想定し対策本部機能を遠隔拠点に設定した。 付けると同時に、自社の事業継 ●被災時は顧客より早期に災害復旧の応援要請を受けるので、 続を行う必要があり策定が困 安否確認システムを用いて迅速に要員調整を行い、指定作 難 で し た。 今 後PDCAサ イ ク 業場所へ移動させる。他要員は本社・各事業所に参集後、 ルを回し、実効性のあるものに 被災状況を確認し、事業再開に向けた行動をとる。 していきたいと思います。 107 有事にも顧客のプロモーション展開をサポート 株式会社SANKO 事業概要 1965年、独立系広告代理店としてス 対象事業 広告事業 タート。住宅関係、アミューズメント関 ▶ BCPの概要 係を主顧客とし、企業の販促プロモー ション、イベントの企画運営を行う。海 外事業や新規事業にも取り組んでいる。 ●発災直後は、広告・販促物・イベント実施の取り止め等へ 称 号:株式会社SANKO 所 在 地:東京都千代田区外神田4-5-4 設 立:1965年4月 資 本 金:3,000万円 従業員数:27名 代 表 者:代表取締役社長 鈴木 文雄 URL:http://www.3ko.co.jp 代表取締役社長 の対応(クライアントへの確認、再企画、制作スケジュー ルの見直し、制作物の納品)を優先して業務を再開。 鈴木 文雄 ▶ 策定を終えて ●営業マネージャー等の負傷による案件情報の混乱、制作を 会社概要 Case Study 対象リスク 東京湾北部地震 今回の策定で、事前対策の重 行う外部パートナーの稼働率の低下、電力インフラダウン 要 性 に 気 づ き ま し た。 ま た、 による通信やデータアクセスの不能等を想定。 緊急時の行動基準や優先的に ●属 人化していた案件情報を各営業課員で共有し、マネー や る べ き こ と が 明 確 に な り、 ジャー以外でも対応できる体制を構築。首都圏以外の制作 有事の際は組織的対応ができ 会社等との協力関係強化により有事の制作体制を確保し、 ると実感しています。今後は クラウド上の情報や制作データにアクセスするデバイス等 災害時に大事にすべきことを への電力確保のための蓄電池・簡易充電器の整備を検討。 全社員で共有していきます。 108 ビルの早期復旧でテナントの事業継続を支援 サンブリヂビルテクノ株式会社 グループ会社保有の新橋エリアを中心 対象事業 ビルマネジメント事業 としたテナントビル17棟、テナント約 ▶ BCPの概要 70社・店舗に対する建物附属設備の保 守及び整備、建物内外の警備・清掃を 行う。 会社概要 対象リスク 地震 ●ビル管理要員の負傷による人員不足、停電による非常放送 設備の利用不可、機械警備の停止等を想定。 ●発災直後は、テナント対応(問合せ対応、巡回・館内放送、 安否確認、設備応急修理、ビル出入口の警備)を優先する。 取締役副社長 橋元 新平 ▶ 策定を終えて 今回の策定で事前に準備する ●問合せ対応及び館内放送はマニュアルを作成し、本社から ことや演習が重要だと気づき の応援体制を構築。館内放送は拡声器を使用し上階からア ました。これでお客様に自信 設 立:1996年9月 ナウンスする手順を整備。テナントには事前に安否確認シー を持ってお話しできると実感 資 本 金:5,000万円 トを配布し、巡回時に迅速に安否確認を実施。負傷者発生 しています。今後は全社への 時は救護、搬送を行う。 展開やパンデミック発生時の 称 号:サンブリヂビルテクノ株式会社 所 在 地:東京都港区西新橋2-23-1 従業員数:12名 代 表 者:代表取締役 橋元 照機 URL:http://www.sunbridge.co.jp ●ビル出入口は有人警備とし、契約している警備会社へ警備 員の派遣を依頼できる体制を構築。 対応など、より実効力の高い BCPを目指して取り組みます。 平成 25 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 49 サービス業 事業概要 Case Study 109 フリーメール活用で学会事務を速やかに復旧 株式会社春恒社 事業概要 医学系、工学系を中心とする50学会を 対象事業 学会事業 対象に、事務を代行する学会業務、学 ▶ BCPの概要 会誌の企画編集・印刷・出版、ネットワー 対象リスク 東京湾北部地震 ●発災後は、各学会の事務代行における庶務、ホームページ ク管理やシステム管理を行う。 代表取締役社長 管理等の業務を優先して復旧し、学会員への情報発信や問 合せ対応を行う。 会社概要 中山 五男 ▶ 策定を終えて ●優先業務を行うために必須である被災状況把握のための通 東日本大震災以来、避難訓練 信手段、メールサーバやサーバ内の各学会員のデータ等に や顧客データのバックアップ 設 立:1976年3月 ついて、被災による通信インフラのダウン、IT機器の破損 等 の 施 策 を 進 め て き ま し た。 資 本 金:1,000万円 等を想定。 今回の策定を通じて、従業員、 称 号:株式会社春恒社 所 在 地:東京都新宿区大久保2-4-12 従業員数:37名 代 表 者:代表取締役社長 中山 五男 URL:http://www.shunkosha.com Case Study ●社内の被害状況を確認後、メールサーバが破損した場合はフ お得意様に安心していただけ リーメールを用いて各学会の担当者と連絡を取り合う。ま る計画が作成でき、また従業 た、当社担当者が携帯電話で各学会責任者と連絡し、学会 員と共通認識を持つことがで 員に対する告知等のホームページ更新作業を社外より行う。 きたのが最大の収穫でした。 110 廃棄物回収で災害後の生活環境衛生を守る 白井エコセンター株式会社 事業概要 対象事業 廃棄物収集運搬処理事業 東京都内を中心に、事業者向けの産業 廃 棄 物、 一 般 廃 棄 物、 資 源 物 を 回 収。 対象リスク 東京湾北部地震 家電リサイクル品の受入も行っている。 ▶ BCPの概要 代表取締役 ●災害後には大量の廃棄物や生活ごみの継続回収が必要なた 会社概要 め、道路復旧後、即座に業務を再開させる対策を検討。 称 号:白井エコセンター株式会社 白井 徹 ▶ 策定を終えて ●業務再開に必要な回収車及びドライバー、配車システム、事 東日本大震災では初動対応が 設 立:1973年8月 業者が廃棄物の種類・数量等を記入したマニフェストについ 遅れ、人々の生活に不可欠なイ 資 本 金:1,000万円 て、 業務中の被災による回収車の帰社不能、 ドライバーの被災、 ンフラを担っていると改めて 配車システムの破損、マニフェストの散乱や破損等を想定。 痛感しました。今回の取組に ●別シフトのドライバーによる待機車両の活用や手作業での よって取るべき対応を単純化・ 所 在 地:東京都足立区入谷5-16-28 従業員数:80名 代 表 者:代表取締役社長 滝口 千明 URL:http://www.shirai-g.co.jp 配車、マニフェストの再発行手順等を定めた。 ●廃棄物処分場の状況確認について、緊急時対応の事前確認、 連絡手段確保等を検討していく。 Case Study 明確化でき、マニュアルを改訂 できました。業務の標準化等、 仕事にも活かせると思います。 サービス業 111 顧客先BCPとの円滑な連携で人材サービスを継続 株式会社新東京計算 事業概要 人材派遣、業務請負(BPO)により技 対象事業 人材派遣・業務請負(BPO) 術専門職支援やドキュメント制作、ウェ 対象リスク 立川断層帯地震 ブデザイン、システム開発・保守・運 ▶ BCPの概要 用を行う。顧客ニーズに細やかに応え ることで、信頼を得ている。 会社概要 称 号:株式会社新東京計算 ●売上の多くを占めている人材派遣・業務請負を対象とした。 ●発災直後、顧客先にいる社員は、顧客先の指示に従い安全 代表取締役 利根川 進 ▶ 策定を終えて 確保、避難行動を行うため、平時より定期的に社員への教育・ 自社で安全管理災害マニュア 訓練を行い、緊急時の対応力を向上させる。 ルを作成しましたが、見落と ●本社が被災し災害対策本部を設置できない場合は、一定時 していたところも多く、今回 設 立:1974年9月 間経過後、自動的に我孫子支社に対策本部を設置。顧客デー のBCP策定で発災後の行動と 資 本 金:1,000万円 タ、社員情報、契約情報等は保管書類を活用するとともに、 復旧手順の整理ができました。 我孫子支社のバックアップデータを使い復旧する。 一度決めたことは実行すると 所 在 地:東京都府中市分梅町1-30-7 従業員数:137名 代 表 者:代表取締役 利根川 進 URL:http://www.ntcom.co.jp/ 50 平成 25 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 ●出社困難な社員がいる際は、稼働可能な社員情報をもとに、 顧客のニーズ・緊急度の高い業務を優先して人員を派遣する。 いう信念で、社員への浸透を 目指します。 Case Study 112 災害時も全国での環境調査を速やかに復旧 株式会社地域環境計画 事業概要 自然環境に係る調査やコンサルティン 対象事業 自然環境調査・コンサルティング事業 グを行う会社として設立。動植物調査 対象リスク 地震 を中心に環境教育や環境修復等を展開。 ▶ BCPの概要 現在は地理情報システム技術による環 境情報解析に取り組む。 会社概要 代表取締役 ●売上比率の大きい自然環境調査・コンサルティング事業を 髙塚 敏 対象とし、有事の際は受注済み案件の業務遂行を優先して ▶ 策定を終えて 復旧。 東日本大震災の被災企業から、 ●調査業務には専門知識を持つ社内外の調査員が必要なため、 BCP策定により社員の対応力 負傷による出社不能、同時被災等を想定し、他部署・支社 が向上したと聞きました。当 設 立:1981年6月 の社員や外注先、OB等が迅速に代替できるようリストを集 社も今後は立てた計画を社員 資 本 金:1,000万円 約化。また、通信エリア外の調査員に安否確認メールが届 に浸透させていきます。BCP かない場合を想定し、安否確認報告の行動基準を定義。 の実践は負担になる面もある 称 号:株式会社地域環境計画 所 在 地:東京都世田谷区桜新町2-22-3 従業員数:90名 代 表 者:代表取締役 髙塚 敏 URL:http://www.chiikan.co.jp Case Study ●調 査資料のデータが保管されているサーバの破損に備え、 バックアップを取る体制を強化した。 が、企業力向上にも繋がる大 切なことと考えています。 113 要介護者を支える福祉車両の修理を継続する 天一モータース株式会社 事業概要 1958年の設立以来、自動車の販売修 対象事業 福祉車両修理 理、自動車リース、レンタカーの貸出 ▶ BCPの概要 事業を行う。近年では、車椅子リフト 付きの福祉車両の販売から点検・修理 を新事業として展開する。 会社概要 称 号:天一モータース株式会社 所 在 地:東京都台東区日本堤1-16-2 設 立:1958年6月 資 本 金:1,000万円 ●地震発災後でも要介護者の搬送が行えるよう福祉車両の修 代 表 者:代表取締役 濱里 健吾 URL:http://www.tenichi.info 代表取締役 理を対象とした。社長不在、技術者負傷、工場内散乱、部 品の仕入先の同時被災、停電という被害を想定。 濱里 健吾 ▶ 策定を終えて ●要員の不足に対しては、社員による代替作業で対応。その為、 BCP策定を通じて、業務の洗 各社員のスキルを洗い出し、どの業務を誰が担えるか検討。 い出しができ、全社員が克服 また、協力工場と緊急時協力体制の構築を進める。 すべき課題や担っている責任・ ●停電による電動工具の利用不可については、充電式照明器 と小型発電機を導入。 従業員数:6名 Case Study 対象リスク 東京湾北部地震 役割が明確になりました。今 後は演習等を通じて浸透させ、 ●部品の供給減に対応するために、社内在庫の見直し、代替 仕入先を検討。 この活動を取引先にもアピー ルして、自社の発展に繋げて いきたいです。 114 予備システムなどを整え、早期業務復旧を確立 株式会社ブレーンネット システム受託開発、IT・モバイル通信 対象事業 人材派遣事業 事業向け人材派遣、技術研修を行う。 ▶ BCPの概要 企業のニーズを満たす人材を迅速に派 遣し、技術者本人が持つスキルを発揮 できる職場を紹介している。 会社概要 称 号:株式会社ブレーンネット 所 在 地:東京都千代田区神田神保町3-10 設 立:1998年3月 資 本 金:3,000万円 従業員数:40名 代 表 者:代表取締役 今井 智康 URL:http://www.brainnet.co.jp/ サービス業 事業概要 対象リスク 東京湾北部地震 ●売上の70%を占め、顧客への影響が大きい派遣社員の管理 システム、業務復旧を重要課題とする。 ●固定・携帯電話の不通、従業員の出社不可、サーバ及びデー タの全損を想定。 代表取締役 今井 智康 ▶ 策定を終えて 東日本大震災を経験し、社内で ●予防・低減策として、ITシステム構築手順のドキュメント化、 プリンター・複合機の固定、サーバの外部委託を検討。 防災マニュアルは作成してい ました。今回、被災シナリオを ●発災直後、メールでスタッフの安否確認を行い、公共交通 作り、不足しているものを具体 機関の再開後、本社に出社。また、メールで客先の状況やニー 的に洗い出せて、実行力のある ズを把握した上で業務を行う。サーバについては、代替機 BCPとなりました。これをス を用意し、バックアップデータにて対応する。 タートとし、当社のBCPを育 てていきたいと思います。 平成 25 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 51 Case Study 115 業務標準化・役割明確化・情報共有で事業継続 プロファームジャパン株式会社 事業概要 対象事業 環境・社会調査コンサルティング事業 持続可能な社会や企業を創るための環 境・社会のリスク管理支援コンサルティ 対象リスク 東京湾北部地震 ングサービスを行う。海外と国内の架 ▶ BCPの概要 け橋となる政府関係事業のビジネスを ●大手企業や省庁から受託しているプロジェクトの計画立案 推進している。 から調査及び報告書作成までの業務について継続策を検討。 代表取締役社長 立川 博巳 ▶ 策定を終えて ●社長との連絡不可、社員の出社困難、サーバ等損傷による 事業復旧には目標を定め、経営 プロジェクト情報一部消失、停電によるPC利用不可等の被 資源を特定し、より精緻な業務 災を想定。代行者のアサイン、業務管理ツール整備による の標準化と責任や役割の明確化 設 立:2006年6月 情報の共有化を進めた。またプロジェクト情報はクラウド が必要ということに気づくこと 資 本 金:600万円 内で管理し、停電時には充電器を用いノートPC・WiFiによ ができ、意義の高い活動でした。 るメール送信など最低限の業務を行う。 今 後 はPDCAを 回 し、 自 社 の 会社概要 称 号:プロファームジャパン株式会社 所 在 地:東京都渋谷区宇田川町2-1 従業員数:8名 代 表 者:代表取締役社長 立川 博巳 ●オフィス内の耐震対策、緊急持出し品の決定、重要書類の URL:http://www.propharm.co.jp Case Study スキャンデータ化、緊急用アドレスの設定等も検討。 事業特性によりフィットするよ う継続的改善を進めます。 116 有事でも化学分析サービス業務を継続 株式会社分析センター 事業概要 民間受託分析機関のパイオニア、分析 対象事業 環境分析、材料分析 対象リスク 東京湾北部地震 の高度専門集団として、環境分野・材 ▶ BCPの概要 料分野・有機分野などにおける分析・ ●被災による分析依頼サンプルの一部消失、社員の負傷、機 調査サービスを、官公庁・法人に提供 器や試薬、ガス類等の破損を想定。 している。 ●予防・低減策として、サンプル保管場所の明確化、計測機 会社概要 称 号:株式会社分析センター 所 在 地:東京都千代田区三崎町3-4-9 設 立:1967年12月 資 本 金:5,000万円 従業員数:64名 代 表 者:代表取締役 佐藤 隆 佐藤 隆 ▶ 策定を終えて 器や高圧ガス類の固定・補強を検討。ガラス器具類の保管 東日本大震災発災時には大き 場所についても再検討した。また、仕入れ納入業者への連 な被害はなかったものの事業 絡マニュアルも再整備した。 継続に不安を感じました。今 ●代替策として、他研究所からの人員支援を受ける体制を整 回の支援で具体的な計画が策 備。研究所の被害が甚大な場合は、協力会社へ分析業務を 定できましたので、今後は予 委任し、顧客サービスの継続を維持する。 防策実施と訓練によって全社 員へ浸透させ、当社に合った URL:http://www.analysis.co.jp/ Case Study 代表取締役 BCPにしていきます。 サービス業 117 非常時でも顧客のオフィス環境を側方支援 株式会社三千和商工 事業概要 複写機、コンピュータシステム等のOA 対象事業 OA・IT機器販売サポート業務 機器販売からネットワーク構築、デザ 対象リスク 東京湾北部地震 イン・印刷業務などを行う。機器の販 ▶ BCPの概要 売からサポートまで充実したサービス により好評を得ている。 会社概要 称 号:株式会社三千和商工 ●OA機器やネットワーク等の保守・修理の受付を行うサポー ト業務を最重要業務とした。 ●発災直後から被害情報の収集を行う。震源地等の情報から 被害地域を特定し、優先する顧客を選定して直接訪問する。 取締役社長 家令 光国 ▶ 策定を終えて BCPを作ることが目的ではな く、非常時でも動けることが ●横浜営業部や外注・仕入先との連絡も期限を設け、状況に 最も重要であると感じていま 設 立:1958年1月 応じて直接訪問。また、外注・仕入に復旧の目処がつかな す。今回、業務の流れや経営 資 本 金:1,000万円 い場合は、代替取引先で対応する。 資源を整理することで、業務 所 在 地:東京都港区新橋6-10-7 従業員数:80名 代 表 者:取締役社長 家令 光国 URL:http://www.michiwa.co.jp/ 52 平成 25 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 ●情報システムは、バックアップデータと代替機を活用。停 電時は、既存の帳票類と携帯電話等を活用する。 の中に改善点を発見でき、災 害時でも対応できる運用に変 更することができました。 Case Study 118 災害対策本部と連携してイベント開催を支援 株式会社ワンステップワークショップ 事業概要 展示会・セミナー・コンベンション等 対象事業 ホテルインハウス事業 イベントの制作運営と音響をはじめと 対象リスク 東京湾北部地震 する技術制作、契約ホテル・ホールの ▶ BCPの概要 イベント制作管理・音響・照明・映像技 術の他、コンテンツ制作を行っている。 会社概要 所 在 地:東京都港区虎ノ門5-11-1 設 立:1988年12月 資 本 金:2,400万円 従業員数:60名 代 表 者:代表取締役 高橋 博 URL:http://www.onestepworkshop.co.jp Case Study 全確保と、キャンセルされないイベントの実施を優先する (具体的にはホテルと連携した来場者の避難誘導、宴会の実 称 号:株式会社ワンステップワークショップ 代表取締役 ●有事の際には契約ホテルでのイベントにおける来場者の安 施判断、故障機材の応急処置、設営撤去作業等)。 高橋 博 ▶ 策定を終えて 今回の策定で業務や経営資源 の見える化ができ、リスクと ●情報の混乱と負傷による人員不足、機材の故障、停電によ る通信やデータアクセスの不能等の被災状況を想定。 やるべきことが明確になりま した。社員間のコミュニケー ●本社技術部員が応援に入るとともに、本社と拠点(ホテル) ションも活発になったと実感 の災害対策本部で情報共有を図る。機材応急修理に用いる しています。今後は一層社員 部品・工具を平時より準備し、小型発電機等によるPC稼働 の安心・安全が向上するよう 等も検討。 活動していきます。 119 利用者の安全確保を行い、訪問看護を継続する 株式会社エムイーネット 事業概要 専門の看護師や理学療法士などが利用 対象事業 訪問看護・リハビリ事業 者の家庭に伺い、ケアサービスを行う ▶ BCPの概要 訪問看護ステーション(3ケ所)の運営 が主事業。また、開業支援を行う在宅 医療コンサルティング事業を展開する。 会社概要 称 号:株式会社エムイーネット 所 在 地:東京都千代田区神田錦町3-20 設 立:2000年6月 資 本 金:5,000万円 ●売上の大半を占める訪問看護・リハビリサービスの中にお 代 表 者:代表取締役 鈴鹿 勝章 URL:http://menet-jp.com 代表取締役 いて、特に独居と全盲の利用者の安全確保を検討。 ●発災後、社員の安否確認を行い、出勤できる人員で担当を 鈴鹿 勝章 ▶ 策定を終えて 再配置する。緊急訪問のためのカルテは、目立つシールを まずは策定したBCPを全社員 貼付。また、訪問に使用するスクーターは、給油ルールを に周知します。また、残り2 検討。徒歩で移動する場合にも備え地図を用意。 カ所のステーションは、今回 ●発 災後3日以内に全利用者宅を訪問し、被災状況を確認。 利用者が負傷している場合は、近隣の応急救護所・医療機 従業員数:50名 Case Study 対象リスク 地震 の経験を活かして自社で横展 開していきたいと思います。 能を持つ避難所をあらかじめ調査しておき、搬送する。そ の後、訪問支援計画を個人ごとに作り直し、それに合わせ て人員体制も再構築する。 120 自社修理体制で、製本設備の稼働を維持する 東京都緑友印刷製本協業組合 1967年に製本業8社、印刷業2社が協 対象事業 学習帳・ノート類製本 業して設立した協業組合。各種カレン 対象リスク 東京湾北部地震 ダー(社名印刷を含む)、学習帳・ノー ▶ BCPの概要 ト類、各種紙製品等の製本加工を主事 業としている。 称 号:東京都緑友印刷製本協業組合 所 在 地:東京都江戸川区下篠崎町13-5 ●製本事業の中でも納期要求が比較的厳しい学習帳をBCPの 対象とし、その経営資源への対策を検討。 理事長 飛里 恒男 ▶ 策定を終えて ●顧客から提供される原材料(印刷用紙等)が、地震により 顧客等の本事業への取組を知 損傷することを想定。緊急時連絡網を使用し、取引先と対 り参加したが、自分達だけで 応策を協議し、生産計画を立て直す。 は見えなかった部分を、専門 設 立:1967年9月 ●人員は、多能工化を進め、代替者が対応できるようにする。 家 に ア ド バ イ ス し て も ら え、 資 本 金:1,600万円 ●製本用設備が故障した場合は、予備機を使用するか、他の 現場メンバーと対応策を協議 従業員数:45名 代 表 者:理事長 飛里 恒男 URL:http://www.rokuyu.or.jp 故障機から部品を流用し製造部員が修理する。 する中でいろいろな課題を共 ●製本加工に必要な水は、水道水の受水槽または高置き水槽 有できたことは、非常に有意 義な経験となりました。 平成 25 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 団体 の水で代用する。 医療業 会社概要 サービス業 事業概要 53