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黒毛和種子牛への効率的な混合型代用乳の給与方法の検討

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黒毛和種子牛への効率的な混合型代用乳の給与方法の検討
黒毛和種子牛への効率的な混合型代用乳の給与方法の検討
黒毛和種子牛への効率的な混合型代用乳の給与方法の検討
(「ホエー代用乳を用いた近畿産ブランド和牛のほ乳期発育改善」第三報)
西野 治・安川 幸子・高田 節子・赤池 勝
要 約
従来の製品よりもホエーの使用割合を高めた、「ホエー代用乳」の給与試験を実施しており、今回はホエ
ー代用乳の給与量を通常よりも増量するプログラムで給与試験を実施した。慣行区最大 1,100g/日、増量
区最大 1,320g/日として、両区とも代用乳の給与期間は3から63日齢、カーフスターターの給与は7日齢か
ら飽食、乾草は細切したチモシーを21日齢前後から少量、以上の条件で発育・糞便性状および血液成分
を比較した。
生時体重、8週齢時体重および1日あたり増体重はそれぞれ慣行区 33.6kg、74.7kg、0.73kg/日、増量区
34.3kg、79.4kg、0.81kg/日で増量区の発育がやや上回った。カーフスターターの摂取量は代用乳の最大
給与時期に増量区の増加が抑制され、8週齢前後には最大で 300g 程度増量区が低くなった。糞便性状に
関しては、両区ともスコア1の通常便が全体の約75%、水様性下痢が約1%と下痢の発生が極端に少ない
結果であった。また、スコアの推移については両区とも3~5週齢頃にやや高くなる傾向を示した。糞便成分
および血液成分は、あわせて15項目の成分を測定したが、試験区間での明らかな差はなかった。
この結果により、代用乳の増量給与は下痢等を引き起こすことなくほ乳期子牛の発育を向上させる可能性
があることが示唆された。しかし、同時にカーフスターター摂取量が減少するという問題点も明らかとなったこ
とから、本プログラムを普及に移す際にはこの点に留意する必要がある。
目 的
和牛子牛の人工哺育技術は、受精卵移植の普及による乳用種からの黒毛和種子牛の生産増加、母牛の繁
1)2章。しかし、現
殖機能の回復促進と子牛の発育の斉一化および損耗防止の目的から一般に定着しつつある
在も母子分離から人工哺乳の段階での下痢による子牛の損耗は多く、様々な対策がとられているものの十分
1)2・7章。また、現在市販されている和牛子牛用代用乳は、脱脂粉乳をその主なタンパク源
な状況とはいえない
として使用しているが、近年の
る。
産
廃棄
中
そこで、現状はその多くが
の高
が代用乳
価格 影響 経営 圧迫
にも
し、
の生産工程の
として
の
なア
と
できる
な
機能性食品な
を
開
外 業
に使用される以
2)3)ことから、子牛の代用乳
待
減されることで発育の向上が期
さ
とした代用乳は従来の脱脂粉乳主体の代用乳と同等の発育で
な糞便を
される結果であるが、
ど
している
を高め、下痢による損耗が
併
未利 資
至
4)、また、ホエーと脱脂粉乳の
すること
化を低減することが可能であったことを
用が期
になってい
は産
れる。われわれはこれまでに、ホエーを主
エーの
因
で大量に発生するホエーは、一
とすることで人工哺乳期の
による糞便性状の
する一
発を実
されているが、
あったが、下痢のようにも
を
されているホエーに着目し、ホエーを主なタンパク源にした代用乳の
部
廃棄物
良質 ミノ酸 豊富 免疫物質 含有
原材料
腸管免疫
軽
原料
判断 独特
排泄
変
報告
有効活 待
当初
施した。チー
ズ
廃棄
畜 物価格 騰
5)。これらのことは
用
源とされるホ
目的であるほ乳期の発育を高めるまでには
っていないこ
とも示している。
-1-
した
用によりホエー
県
飼養頭数
飼養 形態
だけ早
材料 ト
また、本
は繁殖和牛の
哺乳で
する
酪農家 け
基 考 方 ひ
価
げ
原
県 部 酪農家
が少なく、和牛子牛の生産は主に
となっている。一般的に、人工哺乳を行う際の
乳を少なくしてできる
くカーフスターターを摂取させることがあ
型
コス が低いことに加え、近年和牛子牛の大
ん
化が進
にお
本的な
る受精卵移植産子を人工
え
の
とつに、高
な代用
1)5章。しかし、ホエー代用乳は
られる
でいることや、本
の一
の
では発育を高
める目的で代用乳の給与量を増やして人工哺乳を行っていることから、今回、ほ乳期の発育を促進するために
代用乳の
ピ
ーク給与量を一般的な
ぼ 影響 調べ
育に及
す
を
マニュ ル
ア
と比較して増やすプログラムを
設
定し、代用乳多給が子牛の発
た。
材料および方法
)供
設
平
月 9月
疫 ブリ 含有初 剤(ヘッド
1
試牛の条件および試験区の
成21年6
グロ
~
定
授 由
供
ト:バイ ル社) 袋 強
開始
生まれの黒毛和種人工
ン
乳製
スター
精
来子牛を
エ
1
を
取させた。生後3日目に母子分離して代用乳の給与を
下痢がない子牛を試験に
混
第二報
5)の「
代用乳は
供
約 1.14
表1
元 設
ぐ
免
初 自由
健康 態 異 特
生後す
に市販の
制給与するとともに、母牛の
し、生後7日目の時点で
状
乳を
に
(
区7
5
に
方
定した。一
常、
、
に示すとおりで、慣行区は従来製品 今回使用した代用乳と
する給与量を
摂
に
各 頭(雄 頭 雌 頭)
CP TDN
倍 総
合区」の代用乳を使用した。試験は増量区と慣行区、
) 奨
倍 設
に
出
試牛は
した。
実施した。給与プログラムは
等の製品 の推
供
試した。
、増量区は 21 日齢から慣行区の 1.2
2
で
・
が同
量、
給与量で
定した。
表1 代用乳粉末の1日あたり給与量
日齢
~6
7~10
11~15
16~20
21~49
50~56
57~
合計
慣行区
600
700
900
1,100
1,100
550
275
52,275
増量区
600
700
900
1,100
1,320
660
330
59,810
※ 粉末の6倍量の温湯に溶解し、乳首付き哺乳バケツで給与
)供
2
飼養管理
朝
試牛の
代用乳は
バケツ
夕方
9 時 30 分、
で給与した。
TDN 5
カーフスターターは
降
応じ
cm
摂食量に
乾草は 10
妨げ
食を
限
クチン
首付
ム製乳
項目
以下の項目について
中 率
水分
・
記録
きの哺乳
始
20%以上のものを使用した。7 日齢に 100g から給与を
はしなかった。
め、以
じ
採
、スターターの
0g 以下 とした。
ラ
・
)調査
摂取量、糞
分を
( むね 5
)
トルト ズリル 剤( バイ ッ :バイ ル社) 投
(IBR BVD PI RS Adeno:(株)微 物 学研究所) 接
日齢に1回
合生
半 ゴ
、それぞれ1日量の
程度に細切したチモシーを21日齢前後から給与した。量は全期間を通
5
混 ワ
3
CP
7 %以上、
ない程度の少量 おお
また、3~
5種
け
16 時 30 分の2回に分
て増量し、制
(単位:g)
製
3・
および
牛用
・
コ
クス
生
化
サ ル 採
析
質率
清 値
およびタンパク
ンプ
の
取および分
、血液・血
-2-
成分
エ
を
を
与し、28 日齢前後には牛
種した。
統計処理
t検 (Welch 方法)
を実施した。
については
は体重・体高、
定
の
飼料
を、糞便ス
(
数) 疾病 投薬
有 準 検
コア 下痢発生回
て、
①
意水
、
5%で
や
出 直
生
はカ
ィッ ャ 正確 検
定またはフ
シ
ーの
性
定を用い
定した。
体重および体高
体重は
数 イ二乗検
等の発生回
5
刻 調査 午
後と 1・2・3・4・ ・6・7・8 週齢、体高は 1・4・8 週齢に測定した。測定時
は
日の
後1
時 30 分~2 時とした。
② 飼料
摂取量
代用乳およびカーフスターターは、
朝夕
・
の給与時に給与重量と
残
重量を測定し、その差し引きを摂取
統計処理
③ 検査
形 朝夕
判
= 軟 =
=
中
中粗
質率
午
採 直腸
公 法 基づ
ち
採 直ち 熱 法 粗
質率
℃
風 処理 ケルダ ル法
④ 検査
計 頸静脈 真空採 管( レイ
ヘ リ 入) 採
調査
球 採 直 自動 球計算装置(KX- : メッ
社) 清 凝固処理( ℃ 5 ) 5℃ rpm
遠心 清
民
検査 依頼 検査
球
赤 球数(RBC) 白 球数(WBC) ヘマト リット値(HCT)
清
総
(TP) 総 レ テ ル(T-CHO) 糖(Glu) 遊 肪酸(NEFA) 尿素窒素(BUN)
中 肪(TG) ル ミ 酸オキサ 酢酸ト
ミナ ゼ(GOT) γ ル ミルト ペ
ゼ
(γ-GTP) ル ウ (Ca) リ (P)
量とした。
は1週間あたりの摂取量に対して行った。
糞便
糞便
状は
・
通常便
糞
の代用乳給与時間に以下の 3 段階の糞便スコアで
1、
便
水分・糞
便を用いて
は 60
2、水様下痢便
タンパク
定
に
・24 時間の
3
は、2日齢および 2・4・6・8 週齢の
いて測定した。すなわ
乾
後、
定した。
、水分は
後 1 時 30 分~2 時に
取後
に加
減量
で、
取した
タンパク
6)
で測定した 。
ー
血液
2日齢と 2・4・6・8 週齢の
5回、
より
血
は以下の 13 項目について行った。血
で、血
の
成分は
機関に
血
37
して
、
、
性脂
、グ
他
呼吸器症
、カ
その
シ
ど
状な
・3,000
り で
取した。
血
21 シス
で 10 分間
して血
クス
分離した後、
間
を実施した。
血
、
ク
コ
ス
ロー
タ ン
ム
、血
ロ
外 異
の
子牛の体重は、生時体重が
)
)
増量区 34.3kg 26~41kg 、
慣行区 33.6kg 28~42kg で
あった。体重の増加は 28 日
齢までは両試験区に差はな
5
ー
、
、
グ
タ
、
ランス
プチター
日齢には増量
記録
場
常が発生した
合、その発生日・状況等を
図1
90
かったが、3
離脂
、 ン
の下痢以
(
(
、
ランスア
結 果
①
後に
パ ン
成分 10 項目
タンパク
⑤
分間 後
血
ンおよび
成分 3 項目
血
血
・1
成分は
プ
した。
図2
試験区別平均体重
試験区別平均体高
95
増量区
慣行区
80
70
)gk 60
(重
体50
90
)m
(c高
体
85
80
40
増量区
慣行区
75
30
20
生時
1
2
-3-
3
4
週齢
5
6
7
8
70
1
4
週齢
8
区 62.4kg、慣行区
5
8.9kg とやや差が
5
( 図1 )
ご
(daily ain;DG) 4
(図3)
DG
cm
cm
有
広 始
がり
図3
め、
6 日齢では増量区 79.4kg、慣行区 74.7kg となった
。
また、一週間
g
当
)y 1
ad
/g
(k 0.8
重
体0.6
増
り
た0.4
あ
日
1
たり増体量
でも ~7週齢の間、増量区が慣行
区を上回った
での
との一日
。 なお、試験
開始 終了
から
ま
は増量区 0.81、慣行区 0.73 であった。体
高は生時が増量区 78.1
で、 6
、慣行区 89.9
と増量区
がやや高くなったが、
意差はなかった
。
図4
慣行区
0
1週
日齢には増量区 91.3
10
増量区
0.2
cm 5
cm
(図2)
、慣行区 77.7
2週
図5
代用乳摂取量
)g 8
k
末7
粉
( 6
量
取5
摂
り4
た
あ3
頭
12
3週
4週
期間
5週
6週
7週
8週
スターター摂取量
12000
慣行区
増量区
9
週齢ごとの平均1日増体重
1.2
慣行区
増量区
10000
)g 8000
(
量
取
摂 6000
り
た
あ
頭
1 4000
2000
1
0
0
1
②
2
3
4
5
6
週齢
代用乳の摂取量は、1.2
降
飲み残 数
た3週齢以
7
8
倍
開始
(図4)
量給与を
、増量区が高くなった
し回
9
(
および量 代用乳粉
末
5
降
が
意に増加した
換算)
4
回・11,300g
有
慣行区が
③
意に高かった
9
が高く、
%
(表2)
ご
平均
変
ぼ
変
(図7)
中
質 率
切った
化はほ
糞便
。1週間
同様の
化を示した
の水分およびタンパク
。
量
は
表2 糞便・スコア別発生回数
スコア1
スコア2
スコア3
慣行区 423 (75.4%) 131 (23.4%) 7 (1.2%)
増量区 394 (73.4%) 139 (25.9%) 4 (0.7%)
~9
9
8
7
飲み残し日数
数
日
生
発
し
残
み
飲
6
5
4
3
2
1
週齢の区間では
0
0
図7
試験区
平均糞スコア
1.5
慣行区
との期間に区
スコアでも、両試験区の
~8
代用乳の飲み残し状況
対照区
の割合が慣行区 7 .4%、増量区 73.4
~7
500
糞便スコアは全体的に低く、スコア1
であった
~6
飲み残し量
。
5
~5
週齢
図6
)g
末2000
粉(
量し1500
残
み1000
飲
。スターター摂取量は
方
(図5)
~4
2500
は、慣
週齢までは両試験区とも同等の量であったが、それ以
は増量区よりも慣行区の
~3
3000
。 代用乳の
量に
(図6)
数 有
~2
し
行区の11回・1,420g に対し、増量区で5
で、回
~1
1.4
増量区
アコ1.3
ス均
平1.2
1.1
1.0
1
-4-
2
3
4
5
週齢
6
7
8
9
表3 糞便成分分析結果
慣行区
水分
(現物中%) 増量区
粗タンパク質含量 慣行区
(乾物中%) 増量区
2日齢
69.2 ±
63.4 ±
54.8 ±
56.3 ±
2週齢
78.5 ±
78.9 ±
42.4 ±
49.4 ±
3.9
2.3
5.6
4.8
表3
率
に示す通りで、8週齢時の水分量
検査
外
HCT
③
血液
以
意差が
見
6週齢
77.7 ±
77.0 ±
32.1 ±
33.6 ±
0.6
0.9
2.9
4.0
0.3
1.0
3.3
3.3
有
が増量区で
Glu
週齢の
有
で慣行区が増量区よりも
BUN
(P< )
られなかったが、2日齢の
意に高かった。これ
で増量区が慣行区に比
べ
で慣行区が増量区に比
8週齢
76.1 ± 1.0
81.4 ± 1.7
22.9 ± 1.8
23.1 ± 1.8
mean±SEM、N.S.
意に高かった。
4
に示す通りであった。
の項目には
と6週齢の
表4
表4
有
GOT
結果は
4週齢
79.5 ±
79.5 ±
36.2 ±
44.2 ±
0.8
0.9
4.6
3.7
て高い傾向
べ
て、2日齢の
0.1 であった。
血液検査結果
2日齢
2週齢
4週齢
6週齢
8週齢
総タンパク
慣行区
6.07
±
0.2
5.50
±
0.2
5.53
±
0.1
5.57
±
0.1
6.03
±
0.1
(g/dl)
増量区
6.29
±
0.2
5.81
±
0.2
5.49
±
0.1
5.63
±
0.1
6.13
±
0.1
総コレステロール
慣行区
65.7
±
2.8
90.7
±
6.1
110.1
±
5.0
120.7
±
7.4
130.6
±
9.9
(mg/dl)
増量区
65.9
±
2.5
89.9
±
2.9
111.1
±
9.0
124.7
±
9.7
130.9
±
9.7
血糖
慣行区
115.3
±
3.8
123.4
±
6.1
134.1
a
±
1.7
117.1
±
3.8
106.4
±
2.4
(mg/dl)
増量区
117.1
±
6.5
114.3
±
3.5
116.7
b
±
2.1
116.1
±
4.1
107.6
±
4.3
遊離脂肪酸
慣行区
310
±
26
234
±
26
236
±
30
216
±
14
287
±
33
(μEq/l)
増量区
294
±
21
254
±
45
239
±
22
204
±
12
333
±
27
尿素窒素
慣行区
7.1
*
±
0.4
11.1
±
0.3
11.7
±
0.6
10.5
±
0.5
10.6
±
0.6
*
0.4
(mg/dl)
増量区
9.1
±
1.5
12.4
±
0.7
12.4
±
0.5
10.9
±
0.4
11.5
±
中性脂肪
慣行区
45.0
±
4.0
15.4
±
4.2
14.4
±
1.9
9.6
±
1.2
12.4
±
3.0
(mg/dl)
増量区
46.7
±
8.7
11.0
±
1.5
16.0
±
3.6
11.1
±
1.3
15.4
±
3.2
7.0
GOT
慣行区
55.9
±
5.2
32.0
±
0.8
45.0
±
2.3
54.0
*
±
3.8
65.4
±
(IU/L)
増量区
49.0
±
5.7
31.1
±
1.1
41.7
±
2.5
46.1
*
±
3.7
56.6
±
5.2
γ-GTP
慣行区
786
±
190
153
±
54
36.9
±
3.3
24.4
±
3.0
25.9
±
4.1
(IU/L)
増量区
803
±
112
140
±
23
40.4
±
4.5
24.1
±
2.2
25.3
±
3.5
カルシウム
慣行区
12.3
±
0.2
12.9
±
0.2
11.9
±
0.2
11.3
±
0.1
10.9
±
0.2
(mg/dl)
増量区
12.1
±
0.2
12.5
±
0.3
11.9
±
0.2
11.3
±
0.1
10.9
±
0.1
リン
慣行区
7.9
±
0.3
7.5
±
0.2
9.1
±
0.3
9.4
±
0.2
9.1
±
0.3
(mg/dl)
増量区
8.0
±
0.5
7.3
±
0.3
9.0
±
0.3
9.3
±
0.2
8.9
±
0.3
赤血球数
慣行区
765
±
48
809
±
24
954
±
29
1045
±
22
1160
±
41
増量区
687
±
42
782
±
33
940
±
23
1022
±
12
1138
±
25
慣行区
74.0
±
3.2
83.1
±
7.0
74.6
±
5.1
68.3
±
5.9
79.1
±
6.4
増量区
72.3
±
9.9
85.4
±
8.7
69.9
±
6.8
73.6
±
4.5
77.0
±
5.2
慣行区
33.2
*
±
2.3
36.3
±
1.0
42.5
±
1.5
45.7
±
1.4
40.5
±
2.2
増量区
28.2
*
±
2.3
35.3
±
1.4
41.7
±
1.0
44.9
±
0.4
49.5
±
1.1
4
(×10
/μl)
白血球数
2
(×10
/μl)
ヘマトクリット値(%)
mean±SEM、a-b:P<0.05、*:P<0.1
⑤供
4頭 べ
試した1
す
中 欲 退 熱 ど 症
てで、哺乳期間
に食
の減
や発
な
考 察
の
方
代用乳の摂取量は給与量を多くしたため増量区が多くなった。一
末
換算)
乳粉
量に
区の
が多くなった。その
方
該
内訳
個
小 個
さな
特
(ピ
飲み残 数
飲み残
し回
つ、
供
が 0.82kg/日と
け
に
る増量の
試牛全体の
平均
-5-
しの発生状況も増量
頭
ペ
(
および量 代用
量が全体の約 0.4%であったのに対し、増
5
半) 飲み残 集中
ーク給与量前
体では、今回のプログラムにお
の
ず 総
から少量
に生時体重 26kg と 38kg の2
体では 21~30 日齢
中 DG
牛は哺乳期間
4頭
は、慣行区は
から約 2.7%と多く、
いた。生時 26kg の
ない比較的
、代用乳の
は、慣行区の11回・1,420g に対し、増量区で5 回・11,300g と、
頭
量区では5
4
状の発生はなかった。
占
で全体の 9 %以上を
しが
して
し、生時体重が 30kg に
ースについてい
け
て
考
なかったと
べ 良好
0.77kg/日と比
突出
満
めており
えられる。
た
当
で、今回のプログラムでも
考
考
ピ
順調
問題ないと
可能性も
考
検証
えられ、さらなる
日齢から
量が
えられるが、1日の給与回
ーク給与が
終
数
を増やすな
思
が必要であると
飲み残
わる 49 日齢まで
ど 異
の
われる。生時 38kg の
でも生時体重が大きく、
残
ピ
しが多かった
考
なかったと
初
期の発育も
ーク給与時でも
DG
個
力
良好 早
は体重に
で
固形飼料 吸収
確保
の
5
が 0.7 kg/日で全体と同等の増体を
5
たことから、慣行区が
始
始
④
手
に
らし、その後哺乳と同
の給与を
用
要
で
食できる
小
区の摂取量低下を比較的
乳すると、離乳後の
栄養
摂取が
不
当所 既報
単飼 群飼
の差はなく、
から
言
降 容易
成分の
された、血
の
177g/日
化、すなわ
ち
前回までの
報告
表面 光沢
の低下と
に
ー
ン
ませるように留意し
分摂取できない状
態
の子牛を離
試した子牛の離乳前の最大スター
ず
若干 停滞 み
察
したと推
軟 (
の
昇)
み
を上回
られたが、試験区間
とホエーの摂取増加による糞便お
へ 変
ー状の糞
基準
される。
化 スコア上
ゼリ
は
れもこの
の
とした代用乳を給与した
化が発生することが
5
予想
場
合に
確
された。しか
度について両試験区ともにスコア3の発生が全体の約1%、スコア2が約 2 %で両試験区の比
清
清 T-CHO
)
TG ど 変
ゼイ (
動物
-lacto lobulin ット
腸管内 胆汁酸
レ テ ル吸収阻害
清 T-CHO
作
肝臓
レ テ ル 再
成分についても血
および
な
に
はラ
に摂取させると、
ロー
3)
用がある 。また、
で
により血
でのコ
ス
ロー
化は発生しない結果となった。また、
質
β
レ テ ル ミセル 溶
中へ 中 テ イド排泄
清レ テ ル
報告
性タンパク
と結合してコ
の低下と糞
の
変
化はなかった。
ン 脱脂粉乳の主要成分 とホエーはともに
ス
ト:デ リィマ 社)
充
でタンパク源をホエーの
のある
食い
で、い
ど トレ 影響
スが
限 込
供
(mean±SEM)
7)と同様、離乳前後に両試験区ともに増体に
のス
ンスター
となるため、離乳時にはスターターをおよ
較の点で代用乳の摂取増による下痢やホエーの多給による糞便性状の
g
⑤
にスターター摂取量が増加し、増量
1)5章。今回
±
では、代用乳の多給による糞便の
頻
し、下痢発生
、
われている
171g/日、慣行区 1,779
に移行することな
検査
清 変
認
清 T-CHO
糞便および血液
ー
不良 原因
十分となり子牛の発育
±
ター摂取量は増量区 1,404
の
容器(バ デ
さく抑えることができた。一般に、スターターを
そ 1 日 1kg 以上摂取していることが必要であると
っていた。なお、
③
し、カーフスターターを子牛に最大
た。これにより増量区の子牛も離乳2週間前からの代用乳減量以
れによるコ
等の問題が起こら
写真1-1(左) 哺育房。子牛が入る前に石灰を塗って消毒するとともに、敷料を週一回交換し、清潔に保っている。
写真1-2(右) 哺育房の前面。①哺乳バケツの取り付け場所 ②バーデンスタート ③カーフスターター ④カットチモシー ⑤ウォーターカップ
カーフスターターを少しでも多く摂取させるために、哺乳バケツの隣にバーデンスタートを設置している。
写真は朝の哺乳の4時間後の状態だが、ボトル内はほぼ空になっている。
から与える
で
カ
飲み
週齢
後に カーフスタ
での給与と
血
の
不良
し、発育
め
方法 固形飼料 馴
じ 領 採
飼槽へ
併 (写真1-2
写真1-2)
よび血
頭 中
試した 14
②
多く推移した。しかし今
ーターを人の
等の
牛は
①
週齢頃から、
めた 7 週齢頃から増え
直
しが増えたと
が可能になっていたために、
増量区が代用乳を減らし
回、哺乳
飲み残
当該 供
1)5章が、
するとされている
えられる。
は慣行区が
降
い発育となる
うようにスターターの摂取
で摂食していたため代用乳の
カーフスターターの摂取量
以
の
補
好ん
依存
い日齢から
5
効率 良
体では代用乳の増給段階である 12
しが発生していた。しかし、これを
に増加したことから、代用乳よりもスターターを
えられる。カーフスターターの摂取能
なるプログラムによりさらに
生が減少し、血
-6-
コ
であるが、ホエーの主要成分である
ス
ロー
の
の
性ス
ロ
ス
ロー
可
化を抑制し、こ
増加を引きおこす
が低下するとの
8)もあり、
質 ゼイ 含む他 動物
ど 物
質 類似 効
:4
混
典型
これらの性
パクな
はカ
の植
ンを
の
性タンパク
とホエーをおよそ3
に
した
の割合で
っていないが、
性タンパク
質異
考
と
なる。すなわ
果をもたらすと
清 値 変
成分
に
変
合の
ゼイ
化がカ
豆
( ゼイ )
詳
の点で、ホエーは大
の状
については
打ち消
ンの同時摂取により
考
化がなかったと
代
腸管内 態
場
えられ、また、ホエーの摂取量が増える増量区においても摂取するカ
便および血
脂
タン
えられる。今回はタンパク源に脱脂粉乳 カ
合した代用乳を使用した。この
的なホエー摂取によっておこる
ち 質 謝
ゼイ
ン
しくは分か
考
された可能性が
ンとホエーの比
率 じ
が同
なので、糞
えられる。
以上の結果より、代用乳の増量プログラムは黒毛和種子牛のほ乳期の発育を高める可能性があることが示唆
だ
された。た
し、最
終
的なプログラムを
設
定する際には、生後1週齢までにカーフスターター
措置
カーフスターター摂取量の低下を抑制する
へ 馴致
の
を行う等、
が必要である。
謝 辞
農林 省 研究費
確立
不良
阪府 じ 京都府 滋賀県 奈良県 兵庫県 京都 学 中部飼料株式会社 共
研究 部 ( 新 農林 政
開 事業 (旧 先
活 農林
研究 事業 )課 番号 :
)
ご指導 ご協力 賜
係者 皆
本試験は
水産
の
のため、大
をは
め、
た
の一
産
高度化
に
いたします。
深謝
です。 「
により、和牛子牛の人工ほ乳技術の
たな
」
)小原潤 久米新
子・
、
水産
題
参考文献
1
、
、
と
大
策を推進する実用技術
1933 2007~2009
・
、
」
実施にあたり、
・
・
「
・
著
本大策ら
・損耗防止等
が
発
橋政義 中丸輝彦 福島護之 松
一・高
や下痢による発育
端技術を
を
同で実施し
用した
りました関
水
の
様
、久米新一・高木光博監修; 和牛子
マニュ ル- ;(社)畜 協会 ( )
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containin whey protein concentrate to rats and healthy men on serum lipids and blood pressure J Dairy
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異物
レ テ ル 謝 御
研究
栄養
糧学
会誌 Vol :
- ( )
4)西野 治 安川幸
赤池 勝 ;
原料
疾病予
改善
効
β
テ 添 効 検討(
畿 ブ
ド
改
善 第 報) ;奈良県畜
セ
研究報告 第 5 号 - ( )
)西野 治 西朋 安川幸 赤池 勝 ;
へ
原料
(
畿 ブ
ド
改善 第二報) ;奈良県畜
セ
研究報告 第 5 号 - 5 ( )
)(社) 科学飼料協会 飼料 析研究会編著 ; 飼料 析法 解説 - - )清 悟 小財千 ;
(第 報) ;奈良県畜 場研究報告 第 号 牛を上手に育てるために-和牛子牛の損耗防止
2
. ,
. ,
. ,
ア
. ,
産技術
2007
.
k
g
.
.
83 2
3
.
263 2000
食品成分および生体
によるコ
ス
ロー
代
制
に関する
日本
・食
.49 303 313 1996
、
果および
」
子、
カロ
一
5
ホエーを主
ン
加
産技術
、大
子、
3
7
9 1
日本
水
明
ンター
3
黒毛和種子牛
産
ラン
産
ラン
防と発育
和牛のほ乳期発育
1 8 2010
のホエーを主
和牛のほ乳期発育
」
分
・
とした代用乳の給与試験
産技術
ンター
2010
発行
、
「ホエー代用乳を用いた近
子、
「ホエー代用乳を用いた近
6
果の
とした代用乳の給与による子牛の
分
和牛子牛哺乳育成試験
一
2004
3.3 3.13
産試験
20
18 24
(1993)
)Sautier C Dien K Flament C Doucet C Suquet J P Lemonnier D ; Effects of whey protein casein
soya-bean and sunflower proteins on the serum tissue and faecal steroids in rats Br J Nutr
:
- ( )
8
. ,
g
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. ,
. ,
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313 319 1983
-7-
.
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9)(社) 国肉 振興基金協会 ;
飼養管理マニュ ル 第4編
)Na ao a S Kanamaru Y Kuzuy Y Kojima T Kuwata T ; Comparative studies on the serum cholesterol
lowerin action of whey protein and soybean protein in rats Biosci Biotech Biochem 5 ( ): - 5
全
10
g
用牛
k
.
黒毛和種
.
.
ア
.
黒毛和種子牛の哺育・育成
.
g
.
(1992)
-8-
.
.
.
6 9 1484 148
Fly UP