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業績概要PDF - 建築設備技術者協会
▮カーボンニュートラル賞 受賞名称 第4回カーボンニュートラル賞 北信越支部 カーボンニュートラル賞 選考支部名称 カーボンニュートラル賞選考委員会 北信越支部 業績名称 佐久総合病院 佐久医療センター 所在地 長野県佐久市中込3400番地28 応募者又は応募機関 代表応募者・機関 建築主 設計者 施工者 検証 株式会社日建設計 長野県厚生農業協同組合連合会 佐久総合病院佐久医療センター 株式会社日建設計 清水建設株式会社 高砂熱学工業株式会社 三建設備工業株式会社 野 部 達 夫 学校法人 工学院大学 教授 建物概要 延床面積 階数 49,843 ㎡ 地下1階 主用途 病院・診療所 竣工年月日 2013年12月 地上4階 塔屋-階 業績の概要 ■定性的な実績 1)省エネルギーへの取組み・工夫 ・ターボの冷却水としての井水利用(冷却塔よりシステムCOPが2.7と向上) 2)低カーボンエネルギーへの転換 ※ 特に無し 3)再生可能エネルギー利用・工夫 ・自然換気(エコシャフト) ・クールトレンチ ・自然採光 ・太陽光パネル+太陽光給湯 ・井水のカスケード利用(まずはサーバー室空調機に利用) 夏季:直接利用⇒ターボ冷凍機の冷却水 夜間や冬季:水熱源チラーの熱源水(温熱源)⇒WC洗浄水や外構散水 4)カーボンクレジット等 ※ 該当無し 5)その他 (新規性・独創性)環境緩衝空間を活用した自然換気(病院はエアバランス保持が絶対の中) ■定量的な実績 ・一次エネルギー消費量の省エネ率を算定するための参照値(ベースライン)の根拠・出典名 5,082 (MJ/年・㎡)・JABMEE建築設備士2006.12「建築設備情報年鑑2006) ・一次エネルギー消費量の業績の実績値 3,675 (MJ/年・㎡) ・CO2排出量の合計 190(kg-CO2/年・㎡) ・CO2削減率 28 % 支部選考委員⻑講評 1.寒冷・内陸地域の気候・自然条件を活用した環境設備計画 建設地の気候や自然条件を考慮して設備計画を行う事は、建築設備設計の基本であるが、それをさらに進めて、これの積極的な利活 用は、 カーボンニュートラル化を含む省エネルギー対策において重要な課題である。 本事例では、この課題に対して、長野県佐久地方という内陸地域の気候と豊かな自然環境、 すなわち、①内陸性気候による冬の厳しい寒さ、②豊かな地中エネルギー、③冬期の長い日照時間の3つを本建物の省エネ・省CO2化 の鍵として、 種々の環境配慮技術を展開することで、秀逸な回答例を提示している。 2.取り組みの実績と評価 1)本業績で採用した、一般的な環境配慮技術 ・自然換気時の排出ルートとしてのエコシャフト ・トイレ洗浄水及び外構散水用水としての井水の利用 ・地下ピットを利用した、クールヒートトレンチ ・光庭による自然採光 これらは、近年の病院建築で採用される傾向にある環境配慮技術項目であり、 本業績においても十分なカーボンニュートラル化効果が発揮されている。 2)本業績で特筆すべき環境配慮技術 ・環境緩衝空間による断熱機能 ・同空間を利用した自然換気機能 ・豊富な水資源を利用した井水のカスケード利用技術 ・冬期日照時間の長さを利用した太陽光発電、および太陽熱給湯システム ・日射遮蔽及び隣の病棟との視線干渉を防止する深い病棟庇 特に井水は、サーバー室空調機の冷水として利用の後に、ターボ冷凍機の冷却水または、水熱源チラーの熱源水として再度利用し、 最後にトイレ洗浄水や外構散水に利用するなど、多段的に利用し、佐久地方の豊かな水資源を十分に活用している。 また、その他の多様な環境配慮技術を採用し、空調・照明・換気に係る1次エネルギーを同種(寒冷地に立地する)病院に比較して28%低 減している。 3.結論 以上の点から、本業績は、佐久地方という地域の気候・豊かな自然環境を活用して、十分なカーボンニュートラル化を実現した好例 であり、カーボンニュートラル賞の受賞対象にふさわしいとして推薦するものである。 関与した建築設備士の言葉 佐久医療センターは、「農民とともに」の精神のもと、地域に根差した医療を続けてきた佐久総合病院から、高度専門医療・救急医療 を担う病院として分割されたものです。環境設備計画にあたっても、佐久地方の気候・地域に根ざしたシステムとし、信州地域のリー ディングプロジェクトとなることを目指しました。 佐久地方の特徴である“冬の厳しい寒さ”対策として、環境緩衝空間を設け、断熱性能を強化するほか、“豊かな地中エネルギー”を 利用し、地中熱利用や井水カスケード利用を行っています。“長い日照時間”であることから、太陽光発電・太陽熱給湯を設置し、再生 可能エネルギーの利用にも取組みました。 今後も、機器のチューニングや運用方法のサポート等を継続し、更なる省エネ・省CO2化に尽力したいと考えます。 一般社団法人建築設備技術者協会カーボンニュートラル賞運営員会 様式3 ■ 業績の概要とカーボンニュートラル化に係わる取り組みの要旨 1/4 1. はじめに 「農民とともに」の精神のもと、開院以来、地域に根差した医療を続けてきた佐久総合病院。高度専門医療・救急医療 を担う病院として分割されたのが、佐久医療センターである。広大な敷地を有効活用し、低層型建物で、緑豊かな環境 を作りながら、地域住民に開かれた病院を計画した。 本センターは高度専門医療・救急医療に特化した病院であり、24 時間 365 日稼働し続けるエリアが広がる。MRI 等の 電気を多く消費する医療機器が高密度に配置されたり、ヘリ格納庫等の附帯施設があったりと特殊要素も多い。また寒 冷地であることから、融雪設備や各所の凍結防止用設備等、通常の病院では設置されていない設備も多く有している。 そのような中、佐久地方の気候を考慮し、建築計画とも融合した環境設備計画とすることで、一次エネルギー消費量 が 3,675MJ/㎡・年となり、寒冷地病院の原単位に比べ、28% 削減することが出来た。 <建築概要> 建 物 名:佐久医療センター 敷地面積:129,066㎡ 延床面積: 49,843㎡ 所 在 地:長野県佐久市 構 造:RC 造、一部 S・SRC 造 建 築 主:長野県厚生農業協同組合連合会 階 数:地下 1 階、地上 4 階 建築用途:病院、病床数 450 床 工事期間:2011 年 12月~ 2013 年 12月 <空調設備概要> <衛生設備概要> 熱源方式:中央熱源+個別分散方式 給水方式:受水槽+高置水槽方式 熱源機器:水熱源チラー(熱回収型 冷温水、給湯用) 2系統給水 上水(市水)、雑用水(井水) ターボ冷凍機(冷水用)、冷温水発生機(冷温水用) 排水方式:屋内汚雑合流方式 貫流ボイラ (医療用蒸気用、加湿用等) 災害時対応緊急排水槽 温水ヒーター(給湯用、熱源水加温用) 排水処理:検査系排水処理設備、感染系排水処理設備、 空調方式:[ 一般 ] 外気処理空調機+水熱源 PAC RI 排水処理設備 [ 手術室 ] 外気処理空調機+ FFCU 通 気:ループ通気、伸長通気 配 管:冷水、温水、熱源水、蒸気、加湿給水、空調排水 ガ ス:供給会社…長野都市ガス(都市ガス 13A) ダ ク ト:低圧ダクト方式 消 火:スプリンクラー、泡消火(地下駐車場)、 換 気:第 1 種、第 2 種、第 3 種 (ヘリポート) 粉末消火(ヘリ格納庫)、泡モニタ 排 煙:機械排煙 +自然排煙 医療ガス:酸素、吸引、治療用空気、非治療用空気、 自動制御:DDC 方式 笑気、窒素 中央監視:電力監視、中央監視、エネルギー監視 そ の 他:ヘリポート給油設備 光あふれる外来ホール 病棟 自然換気窓 屋上ヘリポート (自然換気用エコシャフト) 建設伐採木をリサイクルした オブジェクトを置いた光庭 この資料は、受賞者に了解を得て、建築設備技術者協会より公開している資料です。個人で利用するに留め、無断転載等を禁止します。 様式3 ■ 業績の概要とカーボンニュートラル化に係わる取り組みの要旨 2/4 2. 気候・地域に根差した環境設備計画 信州・長野県の東部に位置する佐久市は,内陸性気候であり,冬期は外気温度が極端に低下し,東北地方の雪国よりも、 夜間の冷え込みはむしろ厳しい(図 2-1)。夏期昼間の外気温度は東京と大差ない(図 2-2)が,夜間は 20℃前後まで低下し、 湿度も低い。中間期が長いことも特徴である。 また豊富な水資源、地下エネルギーを有している。長野県内における地中熱の温度は年間を通して15℃とされ、本計画 の敷地でも試掘を行った結果、15℃前後で非常に安定していた。 さらに寒冷地ではあるが、東北地方の雪国と異なり、積雪は少なく、冬期の日照時間が長いことも特徴である (図 2-3)。 これらの特徴から,①冬の厳しい寒さ、②豊かな地中エネルギー、③長い日照時間、の3つが本地域での省エネ・省 CO2 化を進める“ 鍵 ”であると考え、この ” 鍵 ” を解く技術を主軸とした環境設備計画を行った。 30 30 20 15 10 15 5 10 0 -5 -10 11月から5℃以下の 厳しい寒さに 冬期夜間は 冷え込みが厳しい 青森 東京 佐久 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 図 2-1 平均外気温度(夜間)の比較 彫の深い庇 日射の進入を防ぐと共に 対面する病棟病室からの 視線隠しの機能も SOA PAC SOA 冬期でも 日照時間が長い 佐久 青森 200 日照時間[h/月] 20 250 夏期昼間は 外気温度が上昇 25 夏期夜間は 外気温度が低下 平均外気温度(昼間)[℃] 平均外気温度(夜間)[℃] 25 青森 5 150 100 東京 50 佐久 0 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 図 2-2 平均外気温度(昼間)の比較 図 2-3 日照時間の比較 太陽光発電& 太陽熱給湯の設置 外気導入用エコシャフト クールヒートレンチから 病棟各階へ外気を導く 光庭による 自然採光 自然換気用エコシャフト 自然換気時の排出ルート OA 断熱機能と自然換気 機能を兼ね備えた 緩衝空間の形成 OA 光庭 SOA 井水の カスケード利用 熱利用& 雑用水利用 ベッドの上下からの OA 吹出口切替 クールヒートレンチ 地下ピットを利用して形成 冷温水発生器 ターボ冷凍機 高効率熱源 の採用 病棟(耐震構造) 雑用水槽 水熱源チラー 井水槽 診療棟(免震構造) 図 2-4 佐久医療センターにおける環境設備計画 概念図 3. カーボンニュートラル化に係わる取組み ① 省エネルギーの取り組み・工夫 環境緩衝空間: 屋外と室内の間に 廊下や機械室を配置 (手術室) ◆環境緩衝空間による断熱効果 冬の厳しい寒さへの対策として、建物全体を外断熱とした上で、 ・冬は断熱性強化として機能 ・夏や中間期は自然換気, ナイトパージの風の通り道に さらに断熱機能を高めるために屋外と室内の間に「環境緩衝空間」 と呼ぶ廊下や機械室を設ける建築プランとした(図 3-1)。 竣工後に温度計測を行ったところ、環境緩衝空間の温度は、外気 温度や日射の影響を受けて変動する一方、室内温度はほとんど変化 が見られなかった(図 3-2)。環境緩衝空間を設けることで、外部 の室内への影響を最小限にし、その結果、空調用エネルギー消費量 の抑制も出来ていると推察できる。 屋外 環境緩衝空間 室内 【環境緩衝空間による断熱効果 冬期の例】 ⊿t=25℃ 室内: 22℃ 外気: -3℃ ⊿t=20℃ 室内: 22℃ 外気: -3℃ 環境緩衝空間: 17℃ 環境緩衝空間を設けることにより, 外気の影響を抑えることが可能 図 3-1 環境緩衝空間イメージ図 様式3 ■ 業績の概要とカーボンニュートラル化に係わる取り組みの要旨 3/4 ◆環境緩衝空間を利用した自然換気 通常の病院、特に診療部門では、エアバランスを保つことの重要性から自然換気を行うことは難しいとされている。 本計画では環境緩衝空間を利用し、自然換気を行うことで、省エネとエアバランス保持を両立させた。温度推移(図 3-2)をみると、夏期・中間期は自然換気窓の開放時に環境緩衝空間の室温が低下しており、自然換気が効果的に行われ ていることが分かる。 ◆地下水のカスケード利用 豊かな地中エネルギーの活用方法の一つとして、井水のカスケード利用を行っている(図 3-3,4)。夏期日中は井水熱 の直接利用(後述の③で詳細を述べる)の後に、ターボ冷凍機の冷却水として利用している。冷却水が 32℃→ 20℃程度 になることで COP が向上する。ターボ冷凍機の運転が少なくなる夜間や冬期においては、水熱源チラーの熱源水(温熱源) として使用し、給湯用のお湯を供給する。熱的価値が低くなった段階で、WC 洗浄水・外構散水として使用している。 ターボ冷凍機の冷却水として、井水を利用した場合と、冷却塔を使用した場合のシステム COP の比較を行ったところ、 井水利用時の方が冷却水温度が低く、システム COP も 2.7 と向上していた(図 3-5)。 冬期 環境緩衝空間 屋外 60 12/29 12/28 12/27 12/26 12/25 12/24 12/23 12/22 12/21 12/20 10/15 10/14 10/13 10/12 10/11 10/10 10/09 10/08 10/07 10/06 10/05 10/04 08/28 08/27 08/26 08/25 08/24 08/23 08/22 08/21 08/20 30 開放時間(min.) 中間期 窓開放時間 室内 08/19 温度(℃) 夏期 40 35 30 25 20 15 10 5 0 -5 -10 0 図 3-2 各季節における屋外・環境緩衝空間・室内の温度推移 ②ターボ冷凍機の ③WCの洗浄⽔や ③WCの洗浄⽔や ①サーバー室 ②ターボ冷凍機の ①サーバー室 冷却⽔として使用, 外構散⽔と 外構散⽔と 空調機の 冷却⽔として使用, 空調機の 冷却⽔温度が低いと して使用, して使用, 冷⽔として 冷却⽔温度が低いと 冷⽔として COPが向上 上⽔使用量削減 COPが向上 上⽔使用量削減 直接使用 直接使用 PC C C 冷⽔ 冷⽔ 20℃20℃ 15℃15℃ 下⽔ WC WC 下⽔ 15℃15℃ 30℃30℃ 図 3-3 夏期日中 熱的カスケード利用の流れ ターボ冷凍機 システムCOP「-」 6 システムCOP平均値 15℃15℃ 雑用⽔槽 雑用⽔槽 還元井⼾へ 還元井⼾へ 20 15 10 2 1 クールヒート トレンチ 0 20 25 30 下⽔ 25 エコシャフト 上部温度 測定点 冷却塔利⽤時:1.5 井⽔利⽤時:2.7 3 20℃20℃ 下⽔ WC WC 30 井⽔利⽤時 4 給湯 給湯 図 3-4 夜間・冬期 熱的カスケード利用の流れ エコシャフト 冷却塔利⽤時 5 C 揚⽔井⼾ 揚⽔井⼾ 還元井⼾へ 還元井⼾へ 揚⽔井⼾ 揚⽔井⼾ PC C 井⽔受⽔槽 井⽔受⽔槽 雑用⽔槽 雑用⽔槽 井⽔受⽔槽 井⽔受⽔槽 PC 月平均温度 [℃] PC ①サーバー室 ②’⽔熱源チラーの ②’⽔熱源チラーの ③WCの洗浄⽔や ③WCの洗浄⽔や ①サーバー室 空調機の 熱源⽔(温熱源)と 熱源⽔(温熱源)と 外構散⽔と 外構散⽔と 空調機の 冷⽔として して使用,給湯用の して使用,給湯用の して使用, して使用, 冷⽔として 直接使用 お湯を供給 上⽔使用量削減 直接使用 お湯を供給 上⽔使用量削減 エコシャフト 下部温度 測定点 35 5 通過後 エコシャフト下部 0 通過後 エコシャフト上部 -5 冷却⽔往温度 [℃] 図 3-5 ターボ冷凍機システム COP 比較 通過前 外気温度 03月 図 3-6 クールヒートトレンチ 断面図 05月 07月 09月 11月 01月 図 3-7 クールヒートトレンチ 通過前後の月別温度推移 様式3 ■ 業績の概要とカーボンニュートラル化に係わる取り組みの要旨 4/4 ◆クールヒートトレンチ 病院建築は外気導入量が多く、その処理エネルギーが多いことが課題となっている。 本建物では 365 日 24 時間使用される病室を主として、病棟の地下ピットを利用したクールヒートトレンチからの外 気導入を行っている。地熱による予冷・予熱効果により、外気の導入にかかる消費エネルギーを削減する。さらに、クー ルヒートトレンチを ” エコシャフト ” と呼ばれるガラスシャフトと繋げている(図 3-6)。冬期はこのシャフト上部から 太陽熱を集熱することにより、さらなる予熱効果をねらっている。 年間を通じて、クールヒートトレンチからの外気導入による予冷・予熱効果が確認できた。特に冬期において、トレ ンチ通過前後の温度差が大きく、またエコシャフト上部でのさらなる予熱も行われていることが確認できた(図 3-7)。 ◆病棟庇 病棟は中心のスタッフステーションから病棟全体を見渡すことが出来るように V 字型となっている(図 3-8)。個室群 は窓に角度を付けることで、隣の病棟と視線が干渉することがないように配慮した。庇が深くなることで、視線防止の他、 日射遮蔽の機能も兼ね備えている。 ◆その他の取り組み 節水型衛生器具や自動水栓の採用、光庭やトップライトからの自然採光、LED 照明、BEMS データに基づく省エネ計 画の立案、エントランスホールに設置した見える化画面(図 3-9)による環境設備技術の発信など、様々な省エネ技術・ 手法を導入した。 竣工後は長野県が行っている「信州省エネパトロール隊」によるパトロールを受け、節エネ、節電ポイントの提案を 貰うなど、更なる省エネ・省 CO2 化に向け、日々取り組んでいる。 隣の病棟と視線が 干渉しないように 角度のついた窓・ 庇を配置 スタッフ ステーション 図 3-8 病棟 病室部分拡大図 病棟 日射を防ぐ深い庇 図 3-9 見える化画面 表示画面の一例 ③ 再生可能エネルギー利用・工夫 ◆太陽光発電 するエントランスホール等の動力として利用している。 ◆太陽熱給湯 冬期でも日照時間が長いことを生かし、80kW の太陽熱給湯機を設置した。給湯集 熱は給湯負荷の大きい病棟で利用している。 ◆井水熱利用(直接利用) カスケード利用の一環として、井水熱の直接利用も行っている。15℃で採水した サーバー室空調機冷⽔熱量 [GJ/年] 年間を通じて安定した日照が得られることから、100kW の太陽光発電パネルを屋 上に設置した。発電による効果を身近に感じて貰うため、発電電力は来院者が利用 電 ガ 1,200 1,000 800 熱源からの冷水 466 600 400 井水熱 594 200 0 井水を、年間冷水系統であるサーバー室空調機の冷水として利用する。サーバー室 空調機の冷水としての井水熱は、室全体の冷水熱量に対して、50% 以上を担ってい た(図 3-10)。 図 3-10 サーバー室空調機 井水熱利用の割合