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資料4 国内の最近の大規模災害
資料4 国内の最近の大規模災害 1 東日本大震災 東日本大震災の概要 ○発生日時:平成23年3月11日 14時46分頃 ○震源及び規模:北緯38°06.2’ 東経142°51.6’ 深さ24km M9.0(最大震度7) ○津波:岩手県、宮城県、福島県を中心とした太平洋沿岸部に大規模な津波が発生。津波の高さは、福島 県相馬市で9.3m以上と高く、遡上高は国内観測史上最大となる40.5mが観測された。 〇被害:この地震による人的被害は、死者15,854名、行方不明者3,276名にのぼり、建物被害は全壊建物 128,874戸、半壊建物245,557戸となっている。 自治体による対応の課題 広域連携体制(行政):応援部隊を送り出す市町村は、1週間程度の短期の派遣を繰り返して支援 していたため、被災自治体では、仕事を任せられる範囲が限られた。1) また、職員派遣における 被災地のニーズとのマッチングが困難であった。1) 広域連携体制(部隊):過去最大の派遣であり、計画に 基づく野営予定地が、津波被害により使用できなくなった。 2)都道府県間の広域連携を行う上で、活動を後方から 支援するための資機材や装備が、長期間支援を行うには 不十分であった。1) 避難所等、被災者の生活対策:避難所として指定されて いない場所やライフラインが途絶した場所に避難所が設 けられ、避難所の把握や支援が困難であった。1) 出典 1)「資料4 2)「資料1 (出典 「資料4 東日本大震災における災害応急対策の主な課 題」 首都直下地震対策検討ワーキンググループ(第5回) 東日本大震災における災害応急対策の主な課題」 首都直下地震対策検討ワーキンググループ(第5回) 緊急消防援助隊活動拠点施設に関する調査報告書」緊急消防援助隊広域活動拠点に関する検討会 平成24年3月消防庁 2 伊豆大島土砂災害 伊豆大島土砂災害の概要 ○発生日時:平成25年10月16日 ○災害規模:伊豆諸島へ接近する台風第26号の影響により、東京都大島町で24時間降水量が800mm以上 という記録的大雨を観測。 ○被害:東京都大島町元町地区の上流域にある大金沢を中心とした渓流にて大規模な土砂崩落による土石 流が発生。大量の流木を含んだ土石流が流域界を乗り越えて神達地区を流下した。この災害によ る人的被害は、死者36名、行方不明者3名にのぼり、建物被害は全壊建物137戸、半壊建物29戸 となっている。(出典:「平成25年伊豆大島土砂災害第三者調査委員会 報告書」平成25年伊豆大島土砂災害第三者調査委員会) 自治体による対応の課題 救助・救急活動:車両が入れない箇所を徒歩で向かって 救助活動を行い、要救助者の搬送も人手で簡易担架を用 いて行うなど、多くの苦労があった。 6) 災害情報の伝達:大島町において警報基準を超える雨量 が見込まれるという「東京都気象情報第4号」が、伝達対 象外の情報種類であったため伝達されなかった。6) (出典 「平成26年消防白書 第1章 課題」総務省消防庁) 災害の現況と 意識啓発・教育:東京都にて防災気象講習会等の職員研修を実施していたが、参加は任意で あり、大島町等の参加はなかった。 6) 出典 6)「平成25年伊豆大島土砂災害第三者調査委員会報告書」 平成25年伊豆大島土砂災害第三者調査委員会 3 広島市土砂災害 広島市土砂災害の概要 ○発生日時:平成26年8月20日 ○災害規模:広島市を中心とした県南西部では、午後になり前 線の活動が活発化し、13時~16時にかけて広島 市佐伯区から広島市安佐北区一体で強い雨を観測。 ○被害:広島県広島市で土石流等が107件、がけ崩れが59件 発生し、山裾や谷間に広がる住宅地を襲った。この災 害による人的被害は、死者74名、重傷者8名にのぼり、 建物被害は全壊建物174戸、半壊建物187戸となって いる。(出典:「平成26年8月20日の豪雨災害避難対策等に係る検証結果」 8.20豪雨災害における避難対策等検証部会) (出典 「平成26年8月豪雨による広島県で発生した土砂災害への対応状況」 国土交通省砂防部(平成26年9月10日時点)) 自治体による対応の課題 救助・救急活動:被害範囲が広範囲に及び、かつ被災した者が土石流によって大量の土砂に 埋まってしまい、人的被害の確定(捜索活動)に相当な時間を要した。 7) 災害情報の伝達:広島市が8月20日午前4時15分に最初の避難勧告を出した時点で、既に土石 流などの被害が発生していた。7) 意識啓発・教育:被災者100人に対して聞き取り調査を行った結果、災害前、自宅が土砂災害 の恐れのある地域だと認識していた人は100人中17人にとどまった。8) 出典 7)「総合的な土砂災害対策の推進について(報告)」 中央防災会議 防災対策実行会議 総合的な土砂災害対策検討ワーキンググループ 8)「資料6 昨今の突発的局地豪雨による災害の状況について」 突発的局地的豪雨による土砂災害時における防災情報の伝達のあり方に関する検討会 (第1回) 4 御嶽山噴火災害 御嶽山噴火災害の概要 ○発生日時:平成26年9月27日 11時52分頃(噴火発生) ○災害規模:御嶽山の西側の岐阜県下呂市萩原町から東側の山梨県笛吹市石和町にかけての範囲で降灰が 確認された。また、大きな噴石が火口列から約1kmの範囲に飛散した。 ○被害:当日は登山客が多く、幅広い年代の登山者が山頂付近で被災した。この災害による人的被害は、 死者57名、重傷者27名にのぼり、建物被害は全壊建物133」戸、半壊建物29戸となっている。(出 典:「御嶽山噴火を踏まえた今後の火山防災対策の推進について(報告)」 プ) 中央防災会議 防災対策実行会議 火山防災対策推進ワーキンググルー 自治体による対応の課題 救助・救急活動:標高3,000m級の山岳地帯であり、天候悪化や 火山灰堆積による足元状況悪化、使用できる資機材が限られてい たこと等から、救助・捜索活動が困難となった。 9) 災害情報の伝達:住民のみならず、火山に登山中の者に対しても 緊急の情報を伝達する必要があるが、火山の山頂や山道において は、情報を伝達するためのインフラ整備が困難であり、情報伝達 手段は必ずしも充実していない。 9) (出典 御嶽山噴火災害での緊急消防援助隊の活動 写真 総務省消防庁 http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/kyujyo_k atsudou/ontakesan.html) 意識啓発・教育:火山災害は発生頻度が低く、地方公共団体等においては火山防災専門の職 員を配置することが難しいことから、火山防災に携わる行政職員も必ずしも十分な知見を有 しているとはいえない。 9) 出典 9)「御嶽山噴火を踏まえた今後の火山防災対策の推進について(報告)」 会議 火山防災対策推進ワーキンググループ 中央防災会議 防災対策実行 5 関東・東北豪雨 関東・東北豪雨の概要 ○発生日時:平成27年9月9日~11日 ○災害規模:台風第18号は愛知県西尾市付近に上陸し、関東地方、東北地方で記録的な大雨を観測。 ○被害:関東・東北地方を中心に19河川で堤防が決壊し、67河川で氾濫等の被害が発生。特に鬼怒川では、 常総市三坂町地先において約200mにわたって堤防が決壊し、常総市の面積のおよそ3分の1が浸 水した。この災害による人的被害は、死者8名、負傷者80名にのぼり、建物被害は全壊建物80戸、 半壊建物7,022戸となっている。(出典:「水害時における避難・応急対策の今後の在り方について(報告)」 中央防災会議 防災 対策実行会議 水害時の避難・応急対策検討ワーキンググループ) 自治体による対応の課題 応援の受入れ:応援に来た職員に対し、被災市町は指示や調整をする余力がなかった。 10) 生活再建支援:水害に対応した住宅・家財の損害保険・共済に加 入していない、または十分な補償額の契約を締結していない被災 者がいた。 10) ボランティアとの協働活動:被災者の多様なニーズに対し、ボラ ンティアによる支援を十分に活用しきれなかった。 11) 出典 (出典 常総市社協 地域支えあいセンター http://i1.wp.com/joso.vc/wpcontent/uploads/2015/10/image2.jpg) 10)「水害時における避難・応急対策の今後の在り方について(報告)」 中央防災会議 防災対策実行 会議 水害時の避難・応急対策検討ワーキンググループ 11)「水害時における避難・応急対策の今後の在り方について(報告)参考資料」 中央防災会議 防災 対策実行会議 水害時の避難・応急対策検討ワーキンググループ 6 熊本地震 熊本地震の概要 ○発生日時:平成28年4月14日 21時26分頃(前震) 4月16日 1時25分(本震) ○震源及び規模: 前震 北緯32°44.5’ 東経130°48.5’ 深さ11km M6.5(最大震度7) 本震 北緯32°45.2’ 東経130°45.7’ 深さ12km M7.0(最大震度7) ○被害:この地震による人的被害は、死者55名、重傷者392名にのぼり、建物被害は全壊建物8,305戸、半 壊建物26,094戸となっている。(出典:「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震に係る被害状況等について(7月14 日 12:00)」内閣府) 自治体による対応の課題 災害対策本部の組織・運営:災害対応の全体工程が不明なため、多くの自治体で、災害対応 工程及び人員の管理の面で、状況の把握と先を見通した対応ができなかった。 3) 物資等の輸送、供給対策:政府によるプッシュ型支援※で大 量の食料が到着したが、避難所までの配送体制が整わない市 町村では支援物資が一部滞留した。 4) ※ プッシュ型支援とは、国が被災地からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への 支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送するもの 広域防災拠点の被災:本震の揺れにより熊本空港ターミナル ビルの天井が崩落し、ビル全体が閉鎖となった。 5) (出典 「資料4 平成28年度熊本地震に係る初動対応の検証レポー ト」 平成28年熊本地震に係る初動対応検証チーム(第5回) 出典 3)「資料4 平成28年度熊本地震に係る初動対応の検証レポート」 平成28年熊本地震に係る初動対応検証チーム(第5回) 4)「資料2-3 熊本地震へのこれまでの対応状況について(中間報告)」 平成28年熊本地震に係る初動対応検証チーム(第2回) 5)「熊本空港:熊本空港ターミナルビルの部分再開について」熊本空港ビルディング株式会社http://www.kmjab.co.jp/wpimg/news/file20160419143109.pdf 7