Comments
Description
Transcript
Vol.17, No.2 (2013)
Vol.17, No.2 (2013) JSCR Newsletter 日本糖質学会会報 JSCR Newsletter published by The Japanese Society of Carbohydrate Research 糖質の科学を語ろう 日本糖質学会会長 伊藤 幸成 今年度より糖質学会会長を拝命致しました。会長としての巻頭言を申し上げるに当たり、責任の重さを感 じております。 さて、本学会の運営形態見直しに関しましては様々な検討が行われ、2 年前に新事務局への業務引き継ぎ が行われました。困難な時期のかじ取りに腐心された遠藤前会長、稲津前々会長のご尽力に心より感謝申し 上げます。両先生には、今年度より監事として引き続きご協力をいただいており、理事会一同心強く感じて おります。また、各担当理事のご尽力により、経費のスリム化を含め、様々な点で学会運営の改善が行われ て来ました。ホームページの刷新や学会登録システムの整備も進み、TIGG 編集への協力や男女共同参画への 取り組みも形を整えつつあります。これらに加えて、事務局のご協力を得て、会員情報の整理が着実に進ん でいます。 このように、時代に即した学会の姿を整えることは大切ですが、形式論に終始するのは本末転倒でもあり ます。会員の皆様には自由な立場で大いに糖質の科学を語っていただきたいと願っております。申し上げる までもなく、糖質科学は糖鎖のみを対象とするものではなく、幅広い分野の研究者が心地よく参画できるも のであるべきと考えます。また、多くの学問分野が学際化に向かっている今、糖質科学もそのアイデンティ ティを保ちつつ、他の分野と手をつなぐことが求められます。本学会を通して、糖質を共通の言語として持 つ研究者が自由に集い、遠慮気兼ねのない活発な議論が行われることを期待致します。それにより、学会の 発展に向けてより望ましい分野バランスが築かれるものと信じています。 ご存じのように、世の中はボーダレスな競争の時代を迎えています。学術研究においても、限られた原資 を奪い合う分野間の競争が激化し、紳士協定にもとづく棲み分けは通用しなくなっています。言うまでもな く、我が国は糖質科学において素晴らしい伝統があります。それが良い形で引き継がれ、今も他の追随を許 さぬ世界トップレベルの研究が行われていることも疑いありません。しかし、それをもって安穏としている と、急速に競争力を失うことになり、ガラパゴス化の道をたどることが危惧されます。本学会が、孤島に君 臨する陸ガメではなく、大海の王者たるシャチを目指して力強く発展することを願う次第です。 一方、現在はグローバルな人材流動の時代でもあります。そのような潮流の中、我が国は取り残されてい るように見えなくもありません。これから研究者としてのキャリアを目指す若い世代には、アカデミックポ ジションの不足を嘆くだけでなく、世界を相手に戦う力をつけ、最適な研究場所を得るためには国境を越え ることも辞さないという覚悟を求めたいと思います。折しも 2014 年の秋にはハワイで Society for Glycobiology の annual meeting が本学会と共催の形で行われます。その翌年には化学分野の一大イベント である Pacifichem 2015 が控えています。若手会員の国際性涵養および研究成果発信のため、これらにも積 極的にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。 最後になりましたが、2014 年が皆様にとりまして輝かしく実り多い年でありますよう、お祈り申し上げます。 CONTENTS ■糖質の科学を語ろう ■第 32 回年会報告 ■第 16 回ポスター賞選考結果 伊藤幸成 ◎1 深瀬浩一 ◎2 梶原康宏・西原祥子 ◎3 ■第 33 回年会予告 古川鋼一 ◎4 ■SFG-JSCR 合同会議 ◎5 ■第 17 回奨励賞募集 小川温子・隅田泰生 ◎5 ■理事会・評議員会・総会議事録 ◎6 ■理事・評議員・名誉会員・顧問・維持会員 ■吉村壽次先生追悼 橋本弘信 ■シクロデキストリンシンポジウム見聞録 池田 博 ■日本応用糖質科学会見聞記 矢部富雄 ■5th ACGG 参加見聞記 河村奈緒子 ■糖鎖科学コンソーシアム開催報告書 郷 慎司 ■多糖の未来フォーラム開催報告書 中屋 慎 ■学術集会 ◎10 ◎12 ◎14 ◎15 ◎16 ◎17 ◎18 ◎19 第 32 回年会 第32回日本糖質学会年会(大阪)を開催して 世話人代表 大阪大学 深瀬浩一 第32回日本糖質学会年会は、平成25年8月5 日—7日の3日間大阪国際交流センターで開催いた しました。真夏の大阪の開催のため大変な猛暑でし たが、多くの方にご参加いただき、企業展示を含め て総参加者数は 597 名となりました。口頭発表81 件(化学系 34 件、生物系 47 件) 、ポスター発表1 60件(化学系 53 件、生物系 107 件)のご発表を いただきました。また、暑いさなかで暑苦しかった かもしれませんが、「糖質が熱いぞ!大阪」をキャ ッチフレーズに致しました。学会を通じて、キャッ チフレーズ通り熱い討論がなされたものと存じま す。 今回は、糖質学会会員から情報発信していただき たいと考え、会員の方による提案型ワークショップ を開催いたしました。その代わり、招待講演は実施 しませんでした。各ワークショップのタイトルは 「癌細胞の発症と進展に関わる糖鎖の作用機構」 、 「糖鎖構造不均一性:改めてどう考える」 、 「O-マン ノース型糖鎖フロンティア」、 「脳•神経•筋疾患と糖 鎖」、 「糖鎖研究を加速するためのデータベース活用 術」、 「疾患をターゲットにした糖鎖化学と生物学の 融合研究−現場でのノウハウ、現状、そして今後の 改良点と可能性−」 、「糖化合物の化学合成〜選択的 に欲しいモノを作る化学、合成化合物を武器にした 展開〜」 、 「学生が語る複合糖質合成の今昔物語」で す。講師は学生から名誉会員の先生と幅広い年齢層 で、いずれのワークショップでも4−5名の講師か ら、糖鎖研究の現状と未来についていろいろな角度 からお話をいただきました。特に、アクティブな若 手研究者によって多くのワークショップが企画さ れ、将来の糖質研究、糖鎖生物学研究がどのように 進歩していくのか、その可能性に大変な興味を抱き ました。 一般講演、ポスター発表でも、新しい発見、成果 が報告され、ワークショップ、一般講演ともに大変 活発な質疑応答が展開されていたのも印象的でし た。残念ながら会場の都合でワークショップ、一般 講演が重なり、聞いていただけなかった講演があっ たことについては世話人一同申し訳なく思ってお ります。 また、本年は予算節約のため、試験的に要旨、参 加証の配布を当日会場でおこないました。混雑が予 想されましたが、皆様のご協力により速やかに進め られたこと大変感謝しております。多くの企業、財 団からは、これまでと同様ご援助をいただきました。 そして、展示、広告、ランチョンセミナーでも各社 の担当者の方々に大変お世話になりました。この場 をお借りし改めて御礼申し上げます。 皆様の研究室の本棚には熱気の余韻を残す赤色 の要旨が残っているかと思います。熱い大阪を思い 出していただければ幸甚です。 2 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 第 16 回ポスター賞 第 16 回ポスター賞(今年度の選考結果について) 授賞選考委員長 梶原 康宏 同副委員長 西原 祥子 本賞は日本糖質学会におけるポスター発表者の内、35歳以下の会員から4件程度選び、 「日本糖質学会ポ スター賞」として表彰し、副賞としてシアル酸研究会(山川民夫会長、小倉治夫事務局長)からの寄付を贈 呈するものです(詳細は、糖質学会ポスター賞規定をご覧ください http://www.jscr.gr.jp/?p=contents&id=18) 。本年度は第32回日本糖質学会年会(8月5~7日、大阪に おいて深瀬浩一代表世話人のもと開催)のポスターセッションの演題の中から、予め発表申込時点で申請の あった104題(全発表件数160題)を対象に、発表要旨、ポスターの出来栄え、発表内容および質疑応 答などの諸点を踏まえて、選考委員(化学系、生物系各6名)が厳正なる選考を行いました。理事会の議を 経て、下記5名の方々を受賞者と決定いたしました(敬称略) 。表彰は、26年度総会(平成26年8月名古 屋で開催の予定)にて行う予定です。ポスター発表のレベルが年々高まり、惜しくも選に漏れた方々の発表 もすばらしいものでした。次回年会でも会員の皆様多数の申込をお願いいたします。最後に、2日間に亘り 選考にあたって下さった12名の選考委員の方々に改めて御礼申し上げます。 [化学系] 竹内裕紀(京都大学 化学研究所) 「グルコースの位置選択的修飾による配糖体合成」 宮川 淳(名古屋工業大学大学院 物質工学専攻) 「分岐オリゴグルカンライブラリー構築による多糖加水分解酵素の切断特異性の解明」 新地浩之(鹿児島大学大学院理工学研究科) 「ガングリオシド糖鎖固定化蛍光性ナノ粒子を用いたギラン・バレー症候群簡易診断法」 [生物系] 芳賀淑美(理化学研究所糖鎖代謝学研究チーム) 「標的タンパク質の糖鎖修飾蛍光イメージングと細胞内動態解析」 澄田智美(日本学術振興会特別研究員PD、理化学研究所 SSBC、理化学研究所横山構造生物学研究室、九州大 農学研究科生命機能) 「糖脂質に作用する新規β-N-アセチルガラクトサミニダーゼの発見及び触媒機構の解析」 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 3 第 33 回年会予告 第33回日本糖質学会年会予告 このたび、第33回日本糖質学会年会を名古屋で開催 することとなりました。糖鎖研究の発展に伴い、対象と なる分野も多岐に渡るようになり、毎年年会で世話人が 計画する企画のみでは、この分野の多面性と進歩のスピ ードをカバーしきれなくなってきています。そこで、第 32回の大阪における年会の中で実施された方式を踏襲、 発展させるべく、糖質学会会員の方から重要な研究課題 を提案していただき、その会員が提案者となってワーク ショップを企画運営していただくことを計画しました。 このような企画を実施することで、参加者が主体的に本 年会に参加することができ、また多くの研究分野につい てまとまった討論ができると考えております。さらに、 若手研究者育成という趣旨から、博士課程の学生や、ポ スドクなどの若手研究者が中心となって企画するワー クショップも推奨していきたいと考えております。また、 第33回年会では、名古屋地区の特徴を生かしたシンポジ ウムの企画を予定しております。これにより、国内外の トップレベルの研究者が一堂に会し、最新の研究成果に ついて討論や発表を行い、更には、新しい研究者ネット ワークもつくることができると考えております。 会期 平成 26 年 8 月 10 日(日)~ 12 日(火) 会場 名古屋大学豊田講堂(名古屋市千種区不老町) 主催 日本糖質学会 共催 日本農芸化学会、日本薬学会、日本基礎老化学会、 日本化学会、日本植物生理学会、日本生物物理学 会、日本栄養・食糧学会、日本生物工学会、日本 食品科学工学会、日本生化学会、日本分子生物学 会、日本蛋白質学会、日本応用糖質科学会、繊維 学会(予定含む) 協賛 日本膜学会、有機合成化学協会、高分子学会(予 定含む) 後援(予定)日本癌学会 討論主題 糖質、複合糖質に関する基礎研究や応用研究 内容 ■公募型ワークショップ(6〜8件程度) ■日本糖質学会奨励賞受賞講演( 2 題) ■一般講演とポスター発表 詳細は、平成 26 年 2 月頃に学会ホームページ (http://www.jscr.gr.jp/) と年会専用ホームペー ジ(現在作成中)に掲載します。 一般講演の発表形式: これまでの日本糖質学会年会の 形式を踏襲します。 口頭発表A:(質疑応答を含め 25 分、PC による発表) 発表内容は自己の研究業績を中心とした総括的なも ので、討論の素材を十分に提供できるものであるこ と。演者は討論に十分対応できる方であること。1 研 究室当たり 1 発表とします。採否は世話人会に一任 ください。またプログラム編成の都合上、一部を発 表 B へ変更をさせて頂く場合があります。 口頭発表B:(質疑応答を含め 15 分、PC による発表) 発表内容は新規性、独創性のある結果を中心とした もので、討論の素材を十分に提供できるものである こと。演者は討論に十分対応できる方であること。 研究室当たりの発表数に制限はありませんが、採否 4 は世話人会に一任ください。またプログラム編成の 都合上、ポスター発表へ変更をさせて頂く場合があ ります。この際は、ポスター賞への応募が可能とな ります。 ポスター発表: 発表内容は新規な結果を中心としたもので、討論の 素材を十分に提供できるものであること。研究室当 たりの発表数に制限はありませんが、採否は世話人 会に一任ください。 参加・発表申し込み: 申込方法、発表方法の詳細は、平成 26 年 2 月に学 会ホームページと年会専用ホームページに掲載する 予定です。下記申込期間内に、年会専用ホームペー ジ (現在作成中) より直接申し込みください。 発表申し込み期間: 平成 26 年 4 月 1 日~ 5 月 10 日 発表採択の通知: 発表受付終了後、1ヶ月程度で演者にe-mail で通知 いたします。 参加申し込み及び登録料: 年会専用ホームページ Web 予約システムより手続 ください。 登録料(括弧内は平成 26 年 7 月以降の金額です) 日本糖質学会および共催学会の正会員: 7,000 円 ( 9,000 円) 日本糖質学会および共催学会の学生会員: 3,000 円 (4,000 円) 一般: 9,000 円 ( 11,000 円) 一般学生: 3,500 円 (4,000 円) 懇親会:(年会専用ホームページ Web 予約システムより 手続ください) 日時: 平成 26 年 8 月 11 日(月) 会場: メルパルク名古屋(会場からシャトルバスに て移動) 会費 (予定) : 8,000 円 (平成26年7月以降申込 10,000 円) その他: エクスカーションは予定しておりません。宿泊は幾 つかホテルをお願いしておりますので、参加者ご自 身で予約をお願いいたします。詳細は随時、年会専 用ホームページにてご案内いたします。 第33回日本糖質学会年会世話人会 古川 鋼一 (名古屋大学大学院医学系研究科・教授) 門松健治 (名古屋大学大学院医学系研究科・教授) 北島 健 (名古屋大学生物機能開発利用研究センター・教授) 飯島信司 (名古屋大学大学院工学研究科・教授) 佐藤ちひろ(名古屋大学生物機能開発利用研究センター・准教授) 西島謙一 (名古屋大学大学院工学研究科・准教授) 武井佳史 (名古屋大学大学院医学系研究科・准教授) 世話人事務局担当:岡島徹也 (名古屋大学大学院医学系研 究科・准教授) 世話人代表: 古川 鋼一 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 TEL:052-744-2068/FAX:052-744-2069 E-mail:[email protected] JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) SFG‐JSCR 合同会議・第 17 回奨励賞募集要 Society for Glycobiology (SFG) 2014 Annual Meeting のお知らせ 開催日程:2014 年 11 月 16 日~19 日 場所:Honolulu, Hawaii, USA Chair: Naoyuki Taniguchi (SFG), Yukishige Ito (JSCR) 今回は日本糖質学会 (JSCR) との合同開催で行われます。多数のご参加をお願い申し上げます。 なお、詳細はホームページ(http://www.glycobiology.org/calendar_display.php?id=7162)に漸次アップデートさ れる予定です。 第17回日本糖質学会奨励賞受賞候補者募集 授賞選考委員長 小川 温子 同副委員長 隅田 泰生 第17回日本糖質学会奨励賞受賞候補者の選考を開始します。 受賞候補者の資格:糖質科学の分野で優れた研究成果を挙げた満40歳以下(平成26年7月1日現在)の 研究者で,平成24年7月1日以前から継続して本会会員であること。 日本糖質学会奨励賞募集の方法:以下に示す二段階で行われます。 1.本会会員による候補者の推薦 会員は、自薦、他薦を問わず候補者1名を推薦できる。氏名、所属機関・研究室名と所在地、TEL/FAX、 メールアドレス、A4 用紙1/2程度の業績の説明文、代表的な発表論文2~3報(タイトル、氏名、雑誌 名、年)をA4 判に記し、封筒の表に「奨励賞候補者推薦 書類」と明記し本会事務局まで郵送、あるい は、同内容を[email protected] までメールでお送り下さい。 締切:平成26年 2月 7日(金) (必着) 2.授賞選考委員会による候補者の選出 理事会にて選出した委員による授賞選考委員会が、会員からの被推薦者中から約10名以内の候補者 を選び、下記の応募書類(1~4)を事務局に提出することを本人に依頼します。 応募書類(候補者本人から提出): 1)所定の様式の応募書類(本会事務局より候補者本人に送付) 。 2)研究概要の紹介本文(図表を含めてA4 用紙3枚以内厳守) 。 3)論文リストA4 用紙に著者(本人に下線)、論文題目、誌名、巻、ページ(初めと終わり) 、発行年を 記す。 4)主な論文3編以内の別刷りもしくはその写しを各1部。 選考と発表の方法:選考は授賞選考委員会にて行い、受賞者は理事会にて決定後にJSCRニュースレター誌上 に発表し、表彰は総会(平成26年8月10‐12日、名古屋で行われる第33回年会)にて行う予定です。 提出先 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-38-12 油商会館 A 棟7F 日本糖質学会事務局 福田公江 E-mail : [email protected] 電話:03-5642-3700 事務局報告 平成25年度 第1回日本糖質学会理事会議事録 日時:2013年8月4日(日) 午後5時0分~午後7時0分 場所:大阪国際交流センター(3階会議室4) 出席者: 理事(石田秀治・伊東 信・伊藤幸成・ 小川温子・梶原康宏・加藤晃一・北島 健・ 隅田泰生・西原祥子・深瀬浩一) 監事(遠藤玉夫・稲津敏行・古川鋼一) 以上13名 同席者: 事務局(三田敦巳・福田公江) 議長:遠藤玉夫 前会長、改選後伊藤幸成 新会長 始めに 本日の理事会は、新理事(10名)出席にて、 理事会は成立するとの確認があった。 議 題: 【報告事項】 8月5日の評議員会・総会資料に基づき、報告 者・内容等の以下の確認が行われた。 1) 会員数の推移について 2) 会議の開催 3) JSCR Newsletter の発行について 4) 平成24年第31回年会について 5) 第16回日本糖質学会奨励賞・ポスター賞について 梶原理事より選考結果報告を行う。遠藤会長より 総会後に賞状・副賞の授与(梶原理事介添え)を行う。 財務 伊東信、梶原康宏 広報 西原祥子 ホームページ・Newsletter 石田秀治、北島健 男女共同参画 小川温子、加藤晃一 授賞選考委員 小川温子、隅田泰生 なお、男女共同参画を正式な委員会とすることとし た。 3) 永年会員の推戴について 伊藤新会長より総会で、名簿に基づき推戴を行う。 4) 平成25年度予算(案) 深瀬理事より平成25年度予算(案)を総会で報告す る。 5) 平成25年度事業計画(案)について 伊藤新会長より総会で資料に基づき報告をする。ま た、その中で明日から開催される年会報告を深瀬代 表世話人が行う。 【その他の議案及び報告事項】 別紙資料に基づき、各理事より以下の報告や議 案提示が行われた。 1) ICS2010記念糖質科学基金Travel Grant につい て 伊藤幸成理事より2013年大連にて開催された国 際シンポジウムにおいて発表を行った、鹿児島大学 の新地浩之氏にトラベルグラントを贈呈した報告が あった。次回の国際シンポジウムの募集の簡単な案 内があった。 2) 協賛・共催・後援学術集会の報告が伊藤会長より された。 3) 平成26年度年会等について 古川前監事(代表世話人)より第33回年会は平成 26年8月10日(日)~12日(火)に名古屋大学豊田 講堂で行うこととしたと報告があった。 SFGとJSCRの合同会をハワイにて、2014年11月15 日(土)~19日(水)行われることが報告され、できるだ け多くの会員に参加していただくために、呼びかけ を行う事とした。 4) 北島IGO担当理事より、IGOを日本で開催してほ しいとの事で2023年の開催に立候補する提案がな され、承認された。 5) 日本糖質学会オフィシャルジャーナルのTIGG の発行に関し、小川前担当理事から詳細な説明がさ れた。今後、共同編集しているFCCAから執筆等の 依頼があると思われるので、協力をお願いすること とした。 【審議事項】 8月5日の評議員会・総会資料、別紙資料に基づき、 報告者・内容等の以下の審議内容の確認が行われた。 1) 平成24年度収支決算ならびに監査報告 深瀬理事より総会で報告する。決算に対しての収支 の増減の理由を簡潔に説明した。その後、監査報告 を古川監事が行った。 2) 役員改選 任期が2013年7月1日から2年間の評議員による選挙 の結果、生物系5名、化学系5名の新理事10名、及び 監事2名が選出されたことが報告された。新理事の 紹介の後、新理事10名による投票が行われ、伊藤幸 成氏(化学系)が新会長に選出された。続いて副会 長選挙が行われ、伊東信氏(生物系)が選出された。 この後、議長は新会長の伊藤幸成氏に交代した。 役員改選に伴い、担当割を検討した。その結果以下 の様に決定した。 会長 伊藤幸成 副会長 伊東信 会計 深瀬浩一 6 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 事務局報告 平成25年度日本糖質学会評議員会議事録 日時:2013年8月5日(月) 正午~午後1時00分 場所:大阪国際交流センター 出席者: 評議員 72名 委任状出席 34名合計122名中106名出席 議長:遠藤玉夫 前会長、改選後伊藤幸成 新会長 始めに 本日の評議員会は、122名中72名出席及び委 任状34名の合計106名で、評議員会は成立要件2分の1 以上あるので成立するとの確認があった。 議 題: 【報告事項】 評議員会資料に基づき、遠藤会長より報告が行 われた。 1) 会員数の推移について 2) 会議の開催 3) JSCR Newsletter の発行について 4) 平成24年第31回年会について 5) 第16回日本糖質学会奨励賞・ポスター賞について、 梶原理事より選考結果報告が行われた。 【審議事項】 評議員会資料に基づき、以下の審議・承認が行わ れた。 1) 平成24年度収支決算ならびに監査報告 深瀬理事より報告をし、古川監事より監査報告が行 われた。審議の結果、承認を受けた。 2) 役員改選 任期が2013年7月1日から2年間の評議員による選挙 の結果、生物系5名、化学系5名の新理事10名、及び 監事2名が選出されたことが報告された。8月4日理事 会において、新理事10名による投票が行われ、伊藤 幸成氏(化学系)が新会長に、伊東信氏(生物系)が 副会長に選出されたことが報告された。 この後、議長は新会長の伊藤幸成氏に交代した。 役員改選に伴い、担当割を検討した。その結果以下 の様に決定したことが報告された。 会長 伊藤幸成 副会長 伊東信 会計 深瀬浩一 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 7 財務 伊東信、梶原康宏 広報 西原祥子 ホームページ・Newsletter 石田秀治、北島健 男女共同参画 小川温子、加藤晃一 授賞選考委員 小川温子、隅田泰生 なお、男女共同参画を正式な委員会とすることとし た。 3) 永年会員の推戴について、伊藤会長より会則規定 に基づき推戴を行い、賛成多数で承認された。 4) 平成25年度予算(案) 深瀬理事より平成25年度予算(案))の説明があった。 質疑応答ののち評議員の賛成多数で承認を受けた。 5) 平成25年度事業計画(案)について 伊藤新会長より資料に基づき本年度事業計画が報告 された。また、本日から開催された年会報告を深瀬 代表世話人が行った。 【その他の議案及び報告事項】 1) ICS2010記念糖質科学基金Travel Grant について 伊藤幸成理事より2013年大連にて開催された国際シ ンポジウムにおいて発表を行った、鹿児島大学の新 地浩之氏にトラベルグラントを贈呈した報告があっ た。次回の国際シンポジウムの募集の簡単な案内が あった。 2) 協賛・共催・後援学術集会の報告が伊藤新会長よ りされた。 3) 平成26年度年会等について 古川代表世話人より第33回年会は平成26年8月10日 (日)~12日(火)に名古屋大学豊田講堂で行うこ ととしたとの報告があった。 SFGとJSCRの合同会をハワイにて、2014年11月15日 (土)~19日(水)行われることが報告され、できるだ け多くの会員に参加していただくために、呼びかけ を行う事とした。 4) 日本糖質学会オフィシャルジャーナルのTIGGの 発行に関し、小川前担当理事から、今後、共同編集 しているFCCAから執筆依頼等があると思われるので、 協力をお願いした。 5) 議事録作成にあたり、議事録署名人を伊藤会長、 伊東副会長、深瀬理事に依頼することとした。 事務局報告 平成 25 年度 日本糖質学会総会議事録 日時:2013年8月5日(月) 午後1時00分~ 会計 深瀬浩一 場所:大阪国際交流センター 1階大ホール(A会場) 財務 伊東信、梶原康宏 出席者: 出席 123名 広報 西原祥子 委任状 202名 合計892名中325名出席 ホームページ・Newsletter 石田秀治、北島健 議長:遠藤玉夫 前会長、改選後伊藤幸成 新会長 男女共同参画 小川温子、加藤晃一 始めに、本日の総会は、892名中123名出席及び委任 授賞選考委員 小川温子、隅田泰生 状202名の合計325名で、総会は成立要件5分の1以上 なお、男女共同参画を正式な委員会とすることとし あるので成立するとの確認があった。 た。 議題: 3) 永年会員の推戴について、伊藤会長より会則規定 【報告事項】 に基づき推戴を行い、賛成多数で承認された。 総会資料に基づき、遠藤会長より報告が行われた。 4) 平成25年度予算(案) 1) 会員数の推移について 深瀬理事より平成25年度予算(案)の説明があった。 2) 会議の開催 質疑応答ののち賛成多数で承認を受けた。 3) JSCR Newsletter の発行について 5) 平成25年度事業計画について 4) 平成24年第31回年会について 伊藤会長より資料に基づき本年度事業計画が報告さ 5) 第16回日本糖質学会奨励賞・ポスター賞について、 れた。また、本日から開催された年会報告を深瀬代 梶原理事より選考結果報告が行われた。 表世話人が行った。 【審議事項】 【その他の議案及び報告事項】 総会資料に基づき、以下の審議・承認が行われた。 1) ICS2010記念糖質科学基金Travel Grant について 1) 平成24年度収支決算ならびに監査報告 伊藤会長より2013年大連にて開催された国際シンポ 深瀬理事より報告をし、古川監事より監査報告が行 ジウムにおいて、発表を行った鹿児島大学の新地浩 われた。審議の結果、承認を受けた。 之氏にトラベルグラントを贈呈した報告があった。 2) 役員改選 次回の国際シンポジウムの募集の簡単な案内があっ 任期が2013年7月1日から2年間の評議員による選挙 た。 の結果、生物系5名、化学系5名の新理事10名、及び 2) 協賛・共催・後援学術集会の報告が伊藤会長より 監事2名が選出されたことが報告された。8月4日理事 あった。 会において、新理事10名による投票が行われ、伊藤 3) 平成26年度年会等について 幸成氏(化学系)が新会長に、伊東信氏(生物系)が 古川代表世話人より第33回年会は平成26年8月10日 副会長に選出されたことが報告された。 (日)~12日(火)に名古屋大学豊田講堂で行うこ この後、議長は新会長の伊藤幸成氏に交代した。 ととしたとの報告があった。 役員改選に伴い、昨日の理事会において担当割を検 SFGとJSCRの合同会をハワイにて、2014年11月15日 討し、その結果以下の様に決定したことが報告され (土)~19日(水)行われることが報告され、できるだ た。 け多くの会員に参加していただくために、呼びかけ 会長 伊藤幸成 を行った。 副会長 伊東信 平成25年度 第2回日本糖質学会理事会議事録 日時:2013年11月9日(土)午後1時0分~午後4時0分 場所:キャンパス・イノベーションセンター(東京) 出席者:理事(石田秀治・伊東 信・伊藤幸成・ 小川温子・梶原康宏・加藤晃一・北島 健 隅田泰生・西原祥子・深瀬浩一) 監事(遠藤玉夫・稲津敏行) 以上12名 同席者: 事務局(三田敦巳・福田公江) 議長:伊藤幸成 会長 始めに本日の理事会は、理事(10名)監事(2名)出 席にて、理事会は成立するとの確認があった。 議事録作成にあたり、議事録署名人を伊藤会長、伊 東副会長、深瀬理事に依頼することとした。 議 題: 【報告事項】 1) Newsletter発行について 石田理事より12月25日発行にむけて、紙面構成・ 原稿依頼状況の報告があった。 2) 学術集会の協賛など 資料に基づき確認があった。 3) 男女共同参画について 8 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 事務局報告 昨年行われた大規模アンケート結果の集計冊子、 ・費用負担としては100万円があるが、これは日本側 男女共同参画シンポジウムの要旨集の回覧を行った。 の若手参加者の旅費補助に使い、これはJSCRが取り 来年名古屋で行われる年会において男女共同参画 まとめる。 に関するものを行うことが提案された。参加者を増 ・上記以外の費用負担はない。すなわち、JSCRは利 やすために、ランチョンセミナーがどうかと提案が 益が出ても受け取らないが、赤字になっても補填し あったが費用負担等を含め、ワーキンググループで ない。 検討を行うこととした。また、本年度同様委託保育 5) 第33回年会について(名古屋) 施設の検討要請が年会担当者の北島理事にあった。 北島理事より現在の準備状況の説明、及び確認が 4) 第32回年会(大阪)について あり承認された。主な点は以下の通り。 資料に基づき代表世話人の深瀬理事より説明があ ・2014年8月10日(日)~12日(火)に、名古屋大 った。 学豊田講堂(地下鉄から徒歩1分)と、隣接する会場 5) 2015環太平洋国際化学会議について で行う。 会長より5年の1度の大会なので是非日程調整をし、 ・本年度大阪での年会でワークショップが盛況であ 参加して頂きたい。また、会員の方々にも参加を呼 ったので名古屋でも検討している。シンポジウム等 び掛けたいと提案があり全員の賛同があった。 では名古屋色も出す予定である。 6) 平成25年度7月から9月までの会計報告 ・会場費は大学施設を利用するので、冷房費(10万 深瀬会計担当理事より、資料に基づき報告があっ 円程度)のみで済む。ただし、豊田講堂はじめ会場 た。第32回年会関連で剰余金100万円が出たことと要 内での飲食ができず、特に大学施設がお休みの10日 旨集製作費が安く上がったことで、当初予算の赤字 (日)の食事場所の確保が難しく、現在検討中である。 幅が縮小し、黒字となる可能性もあることが報告さ ・懇親会の会場へは地下鉄では1回乗り換えで15分程 れた。 度かかるので、バス移動など検討中である。また、 7) 年会登録システム、ホームページの改良(要旨集 学生の懇親会費の減額は世話人会の判断で行ってよ 作成関連)について いとの確認もなされた。 梶原理事より資料が提出され、現ホームページ管 6) 第34回年会について(東京) 理会社のアプライド㈱に注文し、2014年1月に査収を 西原理事より現在の以下の準備状況の説明があっ 行い、同年3月に支払いを行うことが報告された。理 た。 事より検収は名古屋の年会で行い、問題がない場合 ・2015年7月26日~8月3日の間で調整中である。 支払うということが提案されたが、ソフトウェア業 ・東京大学安田講堂と、隣接する工学部教室で行う 界の慣例等にもより3月末での支払いが承認された。 予定である。また、ポスター会場は安田講堂内を検 【審議事項】 討中である。 1) 第16回ポスター賞選考について 7) 長期未納会員について 梶原、西原授賞担当理事から資料が提出され、慎 資料に基づき、事務局より報告があった。長期未 重な審議の結果、5名がポスター賞に選ばれた。 納者はかなり減少したが、理事各位が知己該当者の 2) 第17回奨励賞の募集について 方にそれぞれ確認を取ることとした。 授賞担当理事の引き継ぎが行われ、報告事項 1の 8) TIGG編集について Newsletterと、会員向けのメールで告知を行うこと 9) FCCA の科研費申請について とした。 西原理事よりTIGG編集委員会の報告資料が配布 3) ICS2010記念糖質科学基金TravelGrant について され、以下の承認を受けた。 伊藤会長より資料に基づき説明と、応募状況が報 ・科研費(国際情報発信強化)の共同申請の承認。 告された。ICS2014(インド)のアブストラクト採 ・JSCR担当の5月号の4件について、奨励賞受賞者の 択通知が延長されたので、本日11月9日を締切とする 2件以外の残り2件を会員に公募すること、また、受 ことが承認された。また、応募が2件を超える場合も 賞者の共同研究者等にも声を掛けることとした。 想定されるので、2件程度の助成とすることと、その 10) その他 場合理事への審査要請があった。 ①2016年度第35回年会をどこで行うかについて議論 4) 2014 年 Society for Glycobiology Meeting された。 (SFG-JSCR合同会議)について ②評議員に慶応大学戸嶋一敦氏の推挙があり、全員 覚書に基づき伊藤会長より説明があった。主な点 一致で承認された。 として、我々JSCR側の以下の意向が反映されたこと ③ICS2014(インド)の委員である伊藤会長の代理 が報告された。 として深瀬理事が出席することの報告があった。 ④次回理事会は2014年4月12日(土)13:00より行 うこととした。 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 9 役員名簿 平成 25 年度役員 笠原 浩二 東京都医学総合研究所 会 伊藤 幸成 理化学研究所基幹研究所 梶 裕之 産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センター 副会長 伊東 信 梶本 哲也 理 石田 秀治 岐阜大学応用生物科学部 長 事 九州大学大学院農学研究院 小川 温子 お茶の水女子大学大学院自然応用科 学系・糖鎖科学教育研究センター 梶原 康宏 大阪大学大学院理学研究科 梶原 康宏 大阪大学大学院理学研究科 片山 高嶺 石川県立大学生物資源工学研究所 加藤 晃一 自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンス 加藤 晃一 自然科学研究機構岡崎統合バイオサ 北島 健 監 事 立命館大学総合科学技術研究機構・創薬科学 研究センター センター イエンスセンター 加藤 啓子 京都産業大学総合生命科学部 名古屋大学生物機能開発利用研究 門松 健治 名古屋大学大学院医学系研究科 センター・大学院生命農学研究科 金森 審子 東海大学工学部生命化学科 隅田 泰生 鹿児島大学大学院理工学研究科 蟹江 治 東海大学糖鎖科学研究所 西原 祥子 創価大学工学部 亀井 加恵子 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科 深瀬 浩一 大阪大学大学院理学研究科 亀山 昭彦 産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センター 遠藤 玉夫 東京都健康長寿医療センター研究所 川崎 ナナ 国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 稲津 敏行 東海大学工学部 神奈木 玲児 愛知医科大学先端医学・医療研究拠点 北岡 本光 農業食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 評議員 (任期 2013.7.1〜2015.6.30) 北川 裕之 神戸薬科大学薬学部 相川 京子 お茶の水女子大学理学部 北島 健 名古屋大学生物機能開発利用研究センター・大 赤井 昭二 神奈川大学工学部応用化学科 秋吉 一成 京都大学大学院工学研究科 北爪しのぶ 理化学研究所基幹研究所 芦田 久 近畿大学生物理工学部 木下 聖子 天野 純子 (公財)野口研究所糖鎖生物学研究室 木下 タロウ 大阪大学微生物病研究所 安藤 弘宗 岐阜大学応用生物科学部 木村 吉伸 岡山大学大学院自然科学研究科 池田 義孝 佐賀大学医学部 顧 建国 東北薬科大学分子生体膜研究所 池中 一裕 自然科学研究機構生理学研究所 小島 直也 東海大学工学部 池原 譲 産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センター 近藤 昭宏 京都工芸繊維大学 石田 秀治 岐阜大学応用生物科学部 坂入 信夫 北海道大学大学院物質機能科学部門 石原 雅之 防衛医科大学校防衛医学研究センター 佐藤 あやの 岡山大学異分野融合先端研究コア 板野 直樹 京都産業大学総合生命科学部 佐藤 武史 一柳 剛 鳥取大学農学部 佐藤 ちひろ 名古屋大学生物機能開発利用研究センター 伊東 信 九州大学大学院農学研究院 佐藤 智典 慶應義塾大学理工学部 伊藤 孝司 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 嶋田 一夫 東京大学大学院薬学系研究科 伊藤 幸成 理化学研究所基幹研究所 島本 啓子 公益財団法人 サントリー生命科学財団 糸乗 前 滋賀大学教育学部 清水 弘樹 産業技術総合研究所北海道センター 稲津 敏行 東海大学工学部 正田 晋一郎 東北大学大学院工学研究科 学院生命農学研究科 創価大学工学部 長岡技術科学大学生物系 井ノ口 仁一 東北薬科大学分子生体膜研究所 須貝 威 慶應義塾大学薬学部 井原 義人 和歌山県立医科大学医学部 鈴木 隆 静岡県立大学薬学部 今井 康之 静岡県立大学薬学部 鈴木 匡 理化学研究所基幹研究所 今村 亨 産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門 隅田 泰生 鹿児島大学大学院理工学研究科 入村 達郎 東京大学大学院薬学系研究科 鷹野 景子 お茶の水女子大学 岩渕 和久 順天堂大学医療看護学部 竹川 薫 九州大学大学院農学研究院 浦島 匡 帯広畜産大学畜産学部 田中 克典 理化学研究所基幹研究所 遠藤 玉夫 東京都健康長寿医療センター研究所 田村 純一 鳥取大学地域学部 岡 昌吾 京都大学大学院医学研究科 千葉 靖典 産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センター 小川 温子 お茶の水女子大学大学院自然応用科学系・糖鎖 辻 崇一 東海大学糖鎖科学研究所 科学教育研究センター 辻 勉 星薬科大学薬学部 10 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 役員名簿・維持会員名簿 円谷 陽一 埼玉大学大学院理工学研究科 山ノ井 孝 (公財)野口研究所 豊島 正 (株)ペプチド研究所 山本 一夫 東京大学大学院新領域創成科学研究科 戸井田 敏彦 千葉大学大学院薬学研究院 湯浅 英哉 東京工業大学大学院生命理工学研究科 戸谷 希一郎 成蹊大学理工学部 横山 三紀 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 豊田 英尚 立命館大学薬学部 若宮 伸隆 旭川医科大学医学部 中北 愼一 香川大学研究推進機構総合生命科学研究センター 渡辺 秀人 愛知医科大学分子医科学研究所 中島 元夫 SBI ファーマ(株) 中田 博 京都産業大学工学部 中野 博文 愛知教育大学教育学部 名誉会員 中山 淳 信州大学大学院医学研究科 池中 徳治 長束 俊治 新潟大学理学部 小倉 治夫 川嵜 敏祐 木曽 真 成松 久 産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センター 木全 弘治 楠本 正一 越島 哲夫 西河 淳 東京農工大学農学府 木幡 陽 齋藤 政樹 須網 哲夫 西田 芳弘 千葉大学大学院園芸学研究科 鈴木 邦彦 鈴木 明身 鈴木 茂生 西原 祥子 創価大学工学部 石戸 良治 小川 智也 鈴木 康夫 谷口 直之 永井 克孝 西村 紳一郎 北海道大学大学院理学研究科 箱守 仙一郎 橋本 弘信 長谷 純宏 仁田 一雄 東北薬科大学分子生体膜研究所 本田 進 三崎 旭 村松 喬 野村 一也 九州大学大学院理学研究院 山形 達也 山川 民夫 山本 憲二 橋本 康弘 福島県立医科大学医学部 羽田 紀康 慶應義塾大学薬学部 畑中 研一 東京大学生産技術研究所 顧 問 東 秀好 東北薬科大学分子生体膜研究所 一島 英治 鈴木 旺 膳 昭之助 平林 淳 産業技術総合研究所幹細胞工学研究センター 深瀬 浩一 大阪大学大学院理学研究科 藤山 和仁 大阪大学生物工学国際交流センター 維持会員 古川 清 長岡技術科学大学生物系 大塚製薬(株) 古川 圭子 中部大学生命健康科学部 花王(株) 古川 鋼一 名古屋大学大学院医学研究科 杏林製薬(株) 北條 裕信 東海大学工学部 協和発酵キリン(株) 本家 孝一 高知大学医学部 月桂冠(株) 松尾 一郎 群馬大学大学院工学研究科 シグマアルドリッチジャパン(株) 松岡 浩司 埼玉大学大学院理工学研究科 (一財)杉山産業化学研究所 松野 健治 大阪大学大学院理学研究科 (株)スディックスバイオテック 松本 緑 慶応大学理工学部 生化学工業(株) 萬谷 博 東京都健康長寿医療センター研究所 大鵬薬品工業(株) DSP 五協フード&ケミカル(株) 三浦 佳子 九州大学大学院工学研究院 水野 真盛 (公財)野口研究所糖鎖有機化学研究室 東京化成工業(株) 三善 英知 大阪大学大学院医学系研究科 長良サイエンス(株) 門出 健次 北海道大学先端生命科学研究院 日本ダイオネクス(株) 矢部 富雄 岐阜大学応用生物科学部 (公財)野口研究所 山口 芳樹 理化学研究所基幹研究所 長谷川香料(株) 山崎 良平 鳥取大学農学部 松谷化学工業(株) 山田 修平 名城大学薬学部・病態生化学研究室 (株)ヤクルト 山田 英俊 関西学院大学理工学部 理研ビタミン(株) JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 11 追悼記事 吉村壽次 先生 追悼 東京工業大学名誉教授 橋本弘信 糖質化学の興隆期を支えた、日本糖質学会の名誉 会員の 1 人、吉村壽次先生が 9 月 5 日に亡くなられ ました。大正 14 年 4 月 1 日、富山の元廻船問屋の 家系にお生まれになり、享年 88 歳でした。すでに 20 年以上前になりますが、先生が大学で活躍してお られた頃は、ときに昭和ではなく、大正生まれであ ることを自慢しておられました。1941 年に改定され、 悪法の例としてあげられることの多い治安維持法 の前身である法律が、先生ご誕生の直後に制定され ました。太平洋戦争への道を突き進んだ「昭和」と は異なる時代に生まれたことを意識しておられた のか、大学の構内でサツマイモを耕作することを体 験した世代の心情とも言えるかもしれません。研究 科特別研究生(1953 年修了)を経て、東京工業大学 における産学連携の祖とも言える、ビタミン B2 の 工業的合成法を確立し、その特許による国への貢献 を評価され、天然物化学研究施設の設置をもたらし た、佐藤徹雄先生のもとで助手(現在の助教、1957 年から)を務めました。同施設は、さらにその後の 生命理工学研究科への発展のもととなりました。吉 村先生が助教授(同准教授、 1961 年)になられた 1960 年代は、ノーベル賞を受賞した、R. B. Woodward (1965 年受賞)が複雑な構造のアルカロイドの全合 成を達成して、有機合成化学で作れないものはない と多くの有機合成化学者は意気軒昂でした。先生は、 不斉炭素が多く合成化学的には扱いにくい性質を 有する糖質に注目し、当時は得体がしれないと言っ てもよかった複合糖質や薬理作用が注目されるよ うになりつつあったアミノ糖を含む抗生物質など の合成を手掛け、有機合成化学はまだまだ奥が深い ことを示されました。その後、有機合成化学におい ては、立体化学の制御が主要な研究テーマの一つに なりましたが、糖関連生理活性天然物の合成や抗生 物質の立体異性体の合成などを通じて、有機合成化 学を極めるという姿勢を貫かれました。 臨時教育審議会による「大学改革」に関する矢継 ぎ早の答申が出る前で、決して研究費が潤沢という 時代ではありませんでしたが、研究を極めることに 没頭できる時代でした。多様なアミノ糖誘導体の合 成 (1958 - 1982) に 始 ま り 、 不 斉 反 応 の 機 構 解 明 (1964-1981)、分枝糖の合成(1972-1985)、糖を用 いるキラル合成(1979-1985)などに関する多くの 論文を発表されました。糖たんぱく科学の曙と言え る 1960 年代中頃、糖とアミノ酸の結合様式に興味 12 をもたれ、糖とアミノ酸の共有結合物を精力的に合 成し、N-グリコシド型と呼ばれる結合様式の合成的 手法による解明や弟子らと二代で取り組んで完成 させた、フグ毒テトロドトキシンのグルコースから の全合成などにその心意気が感じられます。 先生は東京工業大学においてはしばしば天然物 化学研究施設の長を、また、糖質科学関連の分野で は、日本炭水化物研究会の会長(1985 年-1987 年) を務め、日本糖質学会への発展に尽力するとともに、 日本糖質学会会長(1988 年-1990 年)も務められ ました。その間、ICO(International Carbohydrate Organization)の日本代表も務められ、1990 年には 横浜で開催された、第 15 回会議の開催に東京西部・ 横浜地区の糖質化学研究者を結集するなどして、会 議の開催に多大な尽力をされました。この会議は 1976 年に京都で開催された第 8 回会議、2010 年に 幕張で開催された第 25 回会議と並んで、日本糖質 学会が主催した会議の 1 つとして多くの糖質科学者 に記憶されています。 大学に改革の嵐が吹き始めて 20 年になろうとし ています。落ち着く方向が見えているとは言えない ようですが、大学の人々も嵐に慣れてきたように見 えます。M. Trow が提唱した、教育システムの量的 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 追悼記事 規模に着目した、エリート、マス、ユニバーサルの 3 段階のとらえ方では、我が国のような先進国にお いては、実態はともあれ、すでにユニバーサルの段 階に達していると言われています。ヨーロッパ、と りわけ、ドイツの高等教育システムを理想型とした 時代に教育を受けた先生は、助教授のときに、当時 はまだエリートの段階にあったドイツに留学され ました。H. E. Fischer(1902 年ノーベル賞)は、 糖質化学のみならず、有機合成化学も含めた天然有 機化合物科学の世界における、化学研究者の巨人で す。その死後すでに 50 年近くが経とうとしており ましたが、その学術的雰囲気を求めて、先生はダル ムシュタット工業大学やミュンヘン工業大学で研 究をされました。その時の経験を通して、有機合成 化学の世界における NMR や酵素の利用にいち早く注 目されました。その後、世界の糖質化学者と広く交 流され、多くの共同研究者や弟子の留学に尽力され ましたが、それらの留学者の中にはドイツでの研究 を体験した者も多くいます。その当時からの先生の 友人の一人であったミュンヘン工業大学名誉教授 の表現を借りれば、先生は大変 sympathisch で、集 まってくる人々はいつも楽しい会話を楽しむこと ができました。東京工業大学を退官されてからも、 いわき明星大学(1987 年-1998 年)で学生の教育 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) に従事されるなど、管理職的な仕事の傍ら、未完成 な研究者との交流に時間を割くなど、若手の教育に 多大な情熱をもっておられました。先生が東京工業 大学退官の間際に書かれた、貧乏を覚悟して大学に 残った当時のことを振り返る一文の中に、「すべて の生物は世代交代によってのみ種の保存ができる のであり、それだからこそ教育が必要であるという 実感がもてるようになった。」という記述がありま す。 1 年半近く前に教え子や元共同研究者が集って先 生の米寿を祝いましたが、その少し後に先生にがん 性の気管支炎が見つかり、以来闘病生活を送ってお られました。ただ、とくに痛みを和らげるような治 療も必要なく、時には訪れた知人とともに好きな日 本酒を楽しむというようなこともあり、まだしばら くは我々を見守ってくれるものと多くの周囲の 人々が考えていた矢先、常日頃からの自らの言のよ うに、あっさりした永久の別れとなりました。先生 が 50 歳代半ばに書かれた、 「死について」という題 の文中で、「人は知り合った人の心の中にしか生き られません。私にできることは、一期一会という言 葉を大切にして、自分の仕事を一生懸命にやること のようです。」と書いておられます。ご冥福をお祈 りいたします。 13 学会見聞記 第30回シクロデキストリンシンポジウム参加見聞録 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 池田 博 今年、30回目を迎えたシクロデキストリンシン ポジウムが有馬英俊先生(熊本大院薬)のお世話で、 9月12日〜13日に熊本で開催されました。本シンポ ジウムは、シクロデキストリンという一種類の化合 物をテーマとして学際・産学的に討論を行うユニー クな集まりです。200名を超える参加者が、基礎か ら応用までの幅広いテーマの口頭発表、ポスター発 表に対して、活発な討論・意見交換を行いました。 これまで、理工学、薬学分野が中心となって研究 が進められてきましたが、最近、シクロデキストリ ンそのものを治療に用いる試みが行われてきてい ます。そこで、今年は "最先端セッション" として、 実際に治療をしている医師から治療現場での状況 また、特別講演として、上釜兼人先生 (崇城大 を聞くことができました。例えば、コレステロール DDS研)、上田晴久先生 (星薬大薬)、加納航治先生 や糖脂質の転送阻害により肝脾腫や発達退行をき たす疾患であるニーマンピック病C型に対する治 (同志社大理工)の講演が行われ、先生方のご研究の 療について講演がありました。シクロデキストリン 話をじっくり聞くことができました。 がコレステロールと包接複合体を形成しやすいこ そして、本年度の学会賞、奨励賞の授賞式ならび とに着目して、水溶性を高めた修飾体である2-ヒド に受賞講演も行われました。学会賞は武庫川女子大 ロキシプロピル-β-シクロデキストリンを脳室内 の谷本敏子先生が、奨励賞は日本食品化工(株)の和 投与することにより症状の進行を抑えられること 田幸樹氏が受賞されました。 がビデオを交えて紹介されました。この疾患に対す さらに、40歳以下の若手研究者のポスター発表 る有効な治療方法がないため、シクロデキストリン が審査され、優れた発表を行った6名の研究者にポ を利用した治療方法が注目されています。また、2- スター賞が懇親会の際に授与されました。 なお、来年の本シンポジウムは、山本達之先生 ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの抗 白血病効果、メチル化β-シクロデキストリンの受 (島根大生物資源)のお世話で9 月11日〜12日に島 精促進効果、分岐β-シクロデキストリンのアミロ 根県民会館で開催される予定です。 イドーシス治療効果などが動物実験において確認 されたことが報告されました。 14 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 学会見聞記 日本応用糖質科学会平成 25 年度大会見聞記 岐阜大学応用生物科学部 矢部富雄 日本応用糖質科学会平成25年度大会(第62回) と応用糖質科学シンポジウムは、9月25−27日の3 日間に亘って、鹿児島大学郡元キャンパスと城山観 光ホテルにおいて行われた。今年の大会は、初日に 一般講演、二日目に総会・授賞式・受賞講演とポス ター発表ならびに特別シンポジウム、三日目に応用 糖質科学シンポジウムという日程で開催された。一 般講演は、104演題におよぶ口頭発表が、4会場に 分かれて行われた。澱粉の構造・物性・利用といっ た本学会の伝統的な分野の話題に加えて、キチナー ゼ・ヘミセルラーゼ・セルラーゼ・α-グルコシダ ーゼなどの糖質関連酵素の構造や機能に関する話 の芋焼酎104銘柄、黒糖焼酎27銘柄、その他沖縄の 題や、バイオマス利用・変換に関する話題も多数報 泡盛を含め九州各地からの麦焼酎や米焼酎を合わ 告されていた。二日目の授賞式では、学会賞を北海 せて、160銘柄を目の当たりにして、焼酎での乾杯 道大学・木村淳夫氏、江崎グリコ(株) ・栗木隆氏、 で宴が始まり、大いに親睦を深めた。そして最終日 新潟大学・大坪研一氏が、奨励賞を東京大学・五十 の応用糖質科学シンポジウムでは、韓国から 嵐圭日子氏、(独)産業技術総合研究所・矢追克郎 Moo-Yeol Baik先生、スロバキアからPeter Biely先 氏がそれぞれ受賞し、賞状、賞牌、副賞が贈られた。 生を迎えて、恒例となった海外招待講演が行われた ポスター発表は、口頭発表のうち若手研究者が筆頭 他、大学院生の発表を含む若手研究者6名の講演が 者の56のポスターが掲示され、口頭発表のみでは 行われた。今年の大会は、初日に桜島の昭和火口で 伝えきれないデータを交えながら、熱心な討論が繰 今年に入って660回目となる爆発的噴火があり、観 り広げられた。特別シンポジウムは、焼酎・発酵学 測開始以来3番目という4000メートルの高さまで 教育研究センターを有する鹿児島大学にちなみ、 噴煙が上昇する中開催された印象的な大会であっ 「麹文化と糖質」と題し、4名の演者が35分ずつの た。 講演を行った。その後行われた懇親会では、鹿児島 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 15 学会見聞記 5th ACGG参加見聞録 岐阜大学応用生物科学部 タイのKhon Kaen Universityにて開催された、5th Asian Communication for Glycobiology and Glycotechnology (2013年10月14日~18日) に参加 しました。雨季のタイでは連日の豪雨で水害が心配 されましたが、学会期間中は天候に恵まれ、快適に 過ごすことができました。2009年に初回のACGGが筑 波で開催され、5回目となる今回は参加国である日本、 中国、台湾、インド、香港、シンガポール、韓国、 タイから約150名が集まりました。プログラムは産業 技術総合研究所の成松久先生のご講演に始まり、日 本からの10題を含む32題の口頭発表が行われました。 そしてコーヒーブレイクや昼食の合間には、49題の ポスター発表が行われ、リラックスした雰囲気の中 で議論が交わされました。これらの発表とは別に、 若手研究者を対象としたSpecial programが今回初 めて試みられ、参加者の関心を集めました。このプ ログラムでは、ポスター発表者から選出された13名 が研究成果を口頭発表し、活発な議論がなされまし た。学生を含めた若手研究者が口頭発表する貴重な 機会であり、今後もプログラムの一環として頂けた らと感じました。この後のWelcome dinnerでは、Khon Kaen Universityの学生が演奏する伝統音楽とダン スを楽しみながらタイ料理のご馳走を頂きました。 16 河村奈緒子 会の終わりには、音楽に合わせて参加者も輪になっ て踊るなど、賑わった雰囲気の中で研究者間の親睦 を深める貴重な時間を過ごすことができました。 余談ではありますが、最終日に空港までの移動に困 っていた際に、学会スタッフの方がご親切に送迎ま でして下さいました。このような会を準備して頂い たオーガナイザーの先生方、学会スタッフの方に心 より感謝致します。次回はインドにて6th ACGGが開 催されます。 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 開催報告書 第11回 糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム開催報告書 東北薬科大学分子生体膜研究所 郷 10月25日(金)26日(土)の両日、第11回糖鎖科 学コンソーシアムシンポジウム: “生命科学における 糖鎖の底力 ‐生活習慣病と糖鎖科学‐”が東北薬科 大学(70周年記念講堂)で開催されました。台風が 近づくあいにくな天候ではありましたが、全国から 日本糖質学会会員、大学・企業研究者および大学院 学生など約200名もの方に参加していただきました。 糖尿病、免疫、神経機能、がん等における糖鎖の 生物学的機能解析、新たな糖鎖の化学合成法や新規 分析法およびそれらの応用に関して多くの最新知見 が報告され、活発な討議がなされました。山川民夫 先生、箱守仙一郎先生をはじめ諸先生方からの叱咤 激励もいただき、糖鎖の重要性と糖鎖研究の可能性 を再認識させられる(台風にも負けない?)非常に 熱いシンポジウムとなりました。 特別講演として、東北大学医学部の片桐秀樹先生 と大隅典子先生から御講演いただきました。片桐先 生からは「メタボリックシンドロームにおける臓器 間ネットワーク」について、大隅先生からは「神経 新生および加齢性難聴と脂肪酸結合タンパク質の関 連」について最新の研究成果を講演して頂きました。 両先生の最先端の研究の御講演は、専門でない我々 にも大変分かりやすく、今後の糖鎖研究の展開に大 いなる示唆をいただけた気がいたしました。糖鎖研 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 慎司 究をさらに広げ、各分野へ糖鎖を武器に乗り込んで ゆけるよう、我々も研究に邁進し、積極的に各分野 の研究者の方がたと交流していく必要性を感じまし た。 また、古川鋼一先生の「マスタープラン学術大型 研究計画:複合糖質の統合的理解と疾患の解明を目 指す先端的・国際研究拠点の形成の概要」の御講演 でも、今後の日本の糖鎖研究体制のあり方に関して 活発な討議がなされました。今まで世界をリードし てきた日本の糖鎖研究の今後のあり方は、多くの糖 鎖科学研究者が活発に継続的に議論していく必要が あることを痛感いたしました。 本ジンポジウムが、今後の日本糖鎖研究の飛躍的 発展と、世界をリードする研究拠点形成に少しでも 貢献できれば幸いです。 17 開催報告書 第7回 多糖の未来フォーラム開催報告書 大阪府立大学 中屋 慎 平成25年11月1日、大阪府立大学 I-siteなんばに 於いて「多糖の資源活用と機能探究に向けて」と題 した第7回 多糖の未来フォーラムが開催された。多 糖の未来フォーラムは糖鎖化学研究会、日本応用糖 質科学会、セルロース学会、日本キチン・キトサン 学会、シクロデキストリン学会が主催し、 「多糖」を キーワードに幅広い交流を行い、我が国の学術と産 業の発展を図るとともに、多糖の重要性と可能性を 社会に広く訴える活動を行っている。平成18年の発 足から7回目となる今回のフォーラムには97名の参 加があり、専門分野や産学の垣根を越えた交流が行 われた。 「日本人のこころ豊かな生活を実現するために、 多糖の可能性とその限界を共に探ろうではないか。」 との名古屋大学名誉教授 小林一清先生による開会 の挨拶から始まったフォーラムでは、多彩な多糖の 研究領域について、各分野を代表する先生方による6 題の講演がなされた。大阪大学 寺尾憲先生の講演は アミロースカルバメート誘導体の剛直性に対する置 換基や溶媒の影響についてであった。寺尾先生のお 話を拝聴して以来、溶液中の多糖の分子形態を想像 する事が楽しくなった。東京大学 五十嵐圭日子先生 の講演はセルラーゼやキチナーゼの分子機構につい てであった。実際にセルロースやキチンが酵素によ って分解される様子を撮影した動画は思わず声を挙 げそうになるほど迫力があった。株式会社林原 山本 朗子先生は伝統的古糊と同等の性能を持つ古糊様多 糖の開発秘話をお話くださった。商品名は「林原・ 新古糊(はやしばら・しんふるのり) 」だそうだ。熊 本大学 入江徹美先生のニーマン・ピック病C型治療 薬の開発に関する講演では、研究の重要性もさるこ とながら、新薬を待っておられる方の切実な想いと 先生の熱意に心を動かされた。慶應義塾大学 佐藤智 典先生は「ドラッグデリバリーシステムとしてのイ オン性多糖ナノ粒子」と題してお話くださった。多 糖を用いた新たな治療法の可能性に多糖の未来を垣 間見た気がした。株式会社ダイセル 柴田徹先生の講 演はセルロースとそこに関わる産業の歴史からみる セルロースの大いなる可能性についてであった。柴 田先生のセルロースに対する情熱に感銘を覚えた。 どれも興味をそそられるお話で、筆者は専門分野の 違いを楽しみながら拝聴した。 フォーラムを締めくくる懇親会では、くつろいだ 雰囲気の中、参加された方々が「多糖」話に花を咲 かせておられた。筆者も、ある先生から若かりし頃 の大阪での思い出を楽しく聴かせて頂き、多糖研究 と大阪の歴史に思いを馳せた。来年は九州大学にて 開催予定とのことなので、是非参加しようと思う。 (公益財団法人)水谷糖質科学振興財団、積水化学 自然に学ぶものづくり研究助成プログラムから本 フォーラムの開催に際し助成金を賜りました。ここ に記して御礼申し上げます。 18 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) 学術集会 学術集会のご案内 糖鎖免疫 Glyco-Immunology 2014(本会後援) 主催団体:東京医科歯科大学難治疾患研究拠点 開催日時:2014 年 2 月 17 日〜18 日 開催場所:東京医科歯科大学 M&D タワー大学院講義室1 連絡先:東京医科歯科大学難治疾患研究所 免疫疾患分野 鍔田武志 電話:03-5803-5835 Fax: 03-5684-0717 E-mail: [email protected] (秘書高橋) 第46回日本結合組織学会学術大会・第61回マトリックス研究会大会合同学術集会(本会後援) 主催団体:日本結合組織学会、マトリックス研究会 開催日時:2014年6月5日〜7日 開催場所:ウインクあいち(名古屋市中村区名駅) 連絡先:愛知医科大学分子医科学研究所 教授・所長 渡辺秀人 電話:0561-62-3311 Fax: 0561-63-3532 E-mail: [email protected] 第31回シクロデキストリンシンポジウム(本会共催) 開催日時:2014年9月11日〜12日 開催場所:島根県民会館 連絡先:島根大学生物資源科学部 吉清恵介 電話/Fax: 0852-32-6571 E-mail: [email protected] 日本応用糖質科学会平成26年度大会(第63回)(本会後援) 開催日時: 2014年9月24日〜26日 開催場所:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 〒950-0078 新潟市中央区万代島6-1 大会実行委員長:新潟大学農学部教授 大坪研一 ※その他の関連学術集会の情報を、本会ホームページ(http://www.jscr.gr.jp/?p=contents&id=14) で随時ご案内していますので、ご参照ください。 JSCR Newsletter(日本糖質学会会報)Vol. 17, No.2 2013年12月25日 発行 編集兼発行 日本糖質学会 会長 伊藤 幸成 〒103-0014 中央区日本橋蛎殻町1-38-12 油商会館A棟7F Tel: 03-5642-3700 FAX: 03-5642-3714 JSCR Newsletter Vol.17, No.2 (2013) JSCR Newsletter編集委員会 北島 健 石田 秀治 19