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北浦凡子個展 「花のこと」

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北浦凡子個展 「花のこと」
Press Release
北浦凡子個展
「花のこと」
Series - Domestic Stills 'Stitched', 420 x 308 mm, lambda print, 2004
展覧会タイトル
北浦凡子個展
「花のこと」
会期
2011 年 2 月 26 日(土)- 3 月 19 日(土)
会場
東京画廊+BTAP|東京
〒104-0061
東京都中央区銀座 8-10-5 第4秀和ビル7階
TEL: 03-3571-1808 / FAX: 03-3571-7689
開廊時間
(火—金) 11:00-19:00 (土)11:00-17:00
閉廊日
日、月、祝
アーティスト トーク
2011 年 2 月 26 日(土)|13:00オープニング・レセプション
2011 年 2 月 26 日(土)|15:00-17:00
東京画廊+BTAPにて
お問い合わせ
佐々木博之([email protected])
この度、東京画廊+BTAP では 2011 年 2 月 26 日より北浦凡子個展『花のこと』を開催いたします。
北浦凡子は 1977 年東京生まれ。イタリアの FABRICA(ベネトン出資のアーティストレジデンス)を経て、フ
リーランスの写真家として日本、イタリア、イギリス、フランスを拠点に活動を続けています。作家として初の
個展となる本展では、近年撮影された花の静物写真、Domestic stills を発表いたします。
被写体の花には手が加えられ、その痕跡が残されています。花弁に糸を通して吊るしたもの、油で揚げた
もの、洗剤に浸したもの、原型が崩れるまで洗い続けたものなど、その状態はさまざまです。表面の微細な
皺さえも写し出す距離から、張力で引きちぎられるような危うさや、変質した花の姿を北浦は捉えます。被
写体は肉体的な感覚を伴い、画面全体に不穏な空気が漂います。
美しさ、可憐さ、官能の象徴である花は、日常的に多くの人に撮られています。人々は美しさを永遠化す
るために、映像を印画紙に焼き付けるのです。しかし北浦の場合、写すのは花そのものではありません。
その眼差しは花の上に起る「出来事」へと向けられます。象徴性の高い被写体の上で、出来事の意味が
鑑賞者の想像力によって多重に掻き立てられるのです。
世界が変転を続け、さまざまな出来事が現れては消えて行く中で、北浦の写真は花という「もの」を通してう
つろう「こと」を強く喚起する展示となるでしょう。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
Series - Domestic Stills 'Fried', 420 x 308 mm, lambda
print, 2007
Series - Domestic Stills 'Needle work', 420 x 337.5 mm,
lambda print, 2006
静物を用いた写真表現による、女性的感情の探求
この作品が探ろうとしているのは、目には見えない感情を視覚化するために必要な、ある種の比喩
的且つ精緻な方法である。これらのイメージは、はかないものの美や安楽、力強さ、そして生におけ
る曖昧さと心地よい憂鬱を経験する機会を鑑賞者に与える。愛や憎しみ、落胆や幸福、強迫観念や
情熱、そして悲嘆といった感情は、肉体的な水準では知覚することができず、ほとんど不可視なもの
である。しかし、感情は我々の現実に作用し、我々の肉体をコントロールしている。それはコミュニケ
ーションの基礎を作る要素なのである。これらのイメージはまたそういった感情と女性性との関係を
探り当てようとする。男性が支配する構造の中で、女であることが何を意味するのかを探るのである。
この過程を通じて、転覆と抑圧、順致の女性的経験を取り巻く複雑な感情に、声が与えられるので
ある。
(北浦凡子)
Series - Domestic Stills 'Washed', 280 x 420 mm, lambda print, 2009
北浦凡子(きたうら・なみこ)
1977 年東京生まれ。1996 年に絵画を学ぶため渡英し、その後渡伊。1997 年写真に転向し作品制作を
スタート、写真家として活動を続ける傍らミラノで視覚芸術・デザイン・美術史を、ロンドンでモダンアート
を学ぶ。2003 年から 2005 年までベネトンが出資するアーティスト・レジデンス「FABRICA」にて、日本人
の写真家として初めてスポンサーを受ける。
【展覧会】
2008 “Out of Body” Open Eye Gallery、リバプール、イギリス
2006 “Tokyo Photo View” (後援:ポラロイド)六本木ヒルズ、東京
2005 “Untitled” via Ventura ex-Faema, ミラノ、イタリア
2004 個展“Recuperation” ロンドン
【受賞】
2005 Photo España 2005 Descubrimientos 最優秀ポートフォリオ受賞
2004 国際コンペティション名古屋デザイン DO!銀賞受賞
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