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長期収載品と後発医薬品の薬価等に関する資料

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長期収載品と後発医薬品の薬価等に関する資料
中医協
薬-3
2 4 . 1 0 . 3 1
長期収載品と後発医薬品の薬価等に関する資料
○後発医薬品と先発医薬品の薬価
○長期収載品・後発品のカテゴリーとシェアの海外比較
○欧米における後発医薬品浸透状況と最近のトレンド
中央社会保険医療協議会 薬価専門部会
2012年10月31日
参考人 坂巻 弘之
本資料においては、海外の制度においても日本の制度に合わせて
「長期収載品」、「薬価」等の用語を使用した。
1
後発医薬品と長期収載品の薬価
長期収載品と後発医薬品の薬価(概観)
• 多くのOECD加盟国では、後発品初発売時に後発品は先発品に対して割引された価格設定
がなされる(価格リンケージ・・先発品と後発品との価格差に関係がある制度)。
• 価格リンケージが採用されていない国では、参照価格制を用いている(デンマーク、ド
イツ、オランダなど)。
• 参照価格を導入している国でも、後発品の価格は、一般に先発品より安く設定される
(ドイツは自由設定、フランスは価格リンケージ)。
• 参照価格も価格リンケージも用いていない国では、価格を企業が自由に設定しているが、
後発品は一般に先発品より安く設定する(英、米、スウェーデン*)。
*スウェーデンは先発品は公定価格だが、後発品は自由価格。
• 自由価格であっても、市場メカニズムにより後発品が長期収載品より安くなる仕組みも
導入されている(英国のカテゴリーM)。
*カテゴリーMでは、価格は企業が自由に設定されるが、薬局への償還価格は卸売業者および小売薬局に対する
実際の取引価格の加重平均値をもとに設定され、定期的な後発品価格低下につながる。
まとめ:OECD加盟国では、産業政策と医療費政策の面から、長期収載品と後発品との価格差
が存在することが一般的である。適切な価格差の存在と後発品使用促進策の組み合
わせが薬剤費削減につながると考えられている。
出所:小林大高、坂巻弘之訳:OECD医療政策白書.-費用対効果を考慮した質の高い医療をめざして.
明石書店,2011年(OECD Health Policy Studies:Value for Money in Health Spending)
2
後発医薬品と長期収載品の薬価
長期収載品と後発医薬品の価格設定の違いの比較
長期収載品と後発品の薬価に
価格差がある場合
長期収載品と後発品の薬価に
価格差がない場合
•
後発品シェアが増えれば継続的に薬
剤費が節減される。
•
長期収載品の価格を下げることにより
一時的に薬剤費は節減されるが、さら
に強制的にかつ継続的に価格を下げ
ない限り、薬剤費削減にはつながらな
い。
•
後発品使用により自己負担が少なくな
る。後発品が廉価であることは国民に
浸透してきているがこの意識と整合性
がある。
•
後発品使用によっても自己負担に差
がないため、後発品使用は減退し、後
発品の参入がなくなってしまう。結果と
して市場競争原理が働かなくなる。
•
後発品への数量置き換えであり、現行
の薬価制度の踏襲で可能。
•
市場実勢によらない長期収載品の価格
引き下げを制度的に新しく組みいれる
必要がある。
3
長期収載品・後発品のカテゴリーとシェアの海外比較
長期収載品・後発品のカテゴリー
○ 各国比較においては、同一分類基準によるデータを用いる必要がある。
○ データソースに一定の統一性があるデータ、例えば、IMS Healthのデー
タで一定の比較が可能と思われる。
4
長期収載品・後発品のカテゴリーとシェアの海外比較
IMS Healthによる先発、後発医薬品カテゴリーの対比
IMS Health: 1954年ドイツで設立された医薬品、医療市場統計や研究、コンサルタントを行う
グローバル企業。市場データは、世界100か国以上をカバーしている。
•
Protected brands: 保護ありの先発品(現在パテントなどにより守られている製品)。
•
No longer protected brands: 過去はパテントなどにより守られていたが、現在は守られていな
い製品。 保護切れ先発品と ブランドジェネリック 。
•
Generics:後発医薬品。
•
Other: パテントのはっきりしないもの、概念にそぐわないもの(ビタミン、ミネラルなど) など。
薬価基準収載品目の分類別の品目数及び市場シェアとの対応
(品目数は平成24年4月時点、数量シェア及び金額シェアは平成23年9月調査時の数量、薬価による。)
(厚生労働省調べ)
品目数
数量シェア
金額シェア
後発品なし
1,978
19.1%
47.9%
Protected brands
後発品あり
1,518
34.3%
35.2%
No longer protected brands
後発医薬品
7,562
22.8%
8.8%
Generics
その他の品目(局方品、生薬等)
3,844
23.9%
8.1%
Others
先発医薬品
5
長期収載品・後発品のカテゴリーとシェアの海外比較
特許切れ市場における長期収載品・後発医薬品シェア
(数量ベース、2010年)
■ Original Bland:後発品がある
先発品(長期収載品)。
■ Generics:後発品。
• 分母:医家向け市場(病院・開
業医・薬局含む)工場出荷量。
• 分子:各カテゴリの工場出荷量
の小計
「No longer Protected Brands」には、後発品がない特許切れ先発品も含まれるが、
「Original Brands」には、後発品がない特許切れ先発品は含まれない。
Copyright 2012 IMS Health. All rights reserved. 無断複製禁止
後発品置き換え可能な市場(特許切れ市場)における後発品の割合は、米国は大きく、日本は比較的
小さい。
欧州市場は、日米の中間であるが、国による違いがあり、フランス、スペインが6割程度。
6
長期収載品・後発品のカテゴリーとシェアの海外比較
薬価基準収載品目の分類別の数量シェア
平成17年
9月調査
平成19年
9月調査
平成21年
9月調査
平成23年
9月調査
後発品なし
21.4%
21.6%
18.9%
19.1%
後発品あり(A)
34.9%
34.9%
36.3%
34.3%
後発医薬品(B)
16.8%
18.7%
20.2%
22.8%
その他の品目(局方品、生薬等)
27.0%
24.8%
24.6%
23.9%
(A)+(B)※1
51.7%
53.6%
56.5%
57.1%
(B)/(A)+(B)※2
32.5%
34.9%
35.8%
39.9%
先発医薬品
※1
※2
後発品置き換え可能な市場のシェア
後発品置き換え可能な市場における後発品のシェア。
全体に占める後発医薬品の割合だけでは、置き換え不能な部分を含んでしまうた
め最大値が100%にならない。
欧米との比較の観点からも、後発品置き換え可能な市場における後発品の割合を
もとに後発医薬品への置き換え状況を評価する方が合理的。
7
欧米における後発医薬品浸透状況と最近のトレンド
欧米における後発医薬品浸透状況
Copyright 2012 IMS Health. All rights reserved. 無断複製禁止
• 2004年中および2007年中にそれぞれ特許が切れた長期収載品のシェアを25か月間調査。
• 分母:特許切れ前の1ヶ月の長期収載品売上高
• 分子:特許切れnヶ月後の長期収載品売上高
後発品上市後の長期収載品シェア低下のスピードは、近年早まっているが、
わが国のそれは、欧米諸国に比べるといまだ遅い。
8
長期収載品の価格設定における留意点
○ 長期収載品と後発品とのコスト構造が異なる。
○ 先発品については、特許期間終了後も開発リスクを補うため、ある程度、
長期収載品からのある程度利益確保も必要である。
○ OECD加盟国においても、産業政策と医療費政策の面から、長期収載品
と後発品との価格差が存在することが一般的である。適切な価格差の存
在と後発品使用促進策の組み合わせが薬剤費削減につながると考えら
れている。
○ 近年、日本においても、特許切れ後の後発品シェア拡大のスピードは速
まっている。
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