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2002年10月 第325号のPDFをダウンロード(1MB)
JIKEN CENTER NEWS
10
2002 OCTOBER
平成14年10月15日発行 毎月1回15日発行(通巻325号) 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
自研センターのインターネット ホームページ
アドレスは、http://jikencenter.co.jp/です。
ご利用下さい。
目次
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・・17
テクノセミナー:
「新Honda IMAシステム」について
(インテグレーテッド・モーター・アシスト)・・2
リペアリポート:トヨタ ノア(AZR60G型)
の作業上の特徴 ・・・・・・・・・7
リペアインフォメーションS:日産マーチ(AK14)のドア脱着時の
配線縁切り作業について ・・・11
リサーチング ザ スケルトンズ:トヨタ アルファード
(10・15W系) ・・・12
海外情報の紹介:RCARプロジェクトカタログ2002
(その2)・・・・・・・・・・・・18
バリア衝突実験写真集発売のお知らせ ・・・・・・20
バリア ショット一般公開のお知らせ・・・・・・・・21
自研センター2002年度研修日程(下半期)・・・・・22
カラーナンバー一覧表(2002年版)を販売します ・・・22
日本アウダテックス社「指数テーブル」
お申し込みの紹介・・・23
お客様相談室レポート:
「指数テーブル」の購入方法と
自研センター来訪者一覧 ・・・・・・・・・・・・24
新型車指数について ・・・・14
指数テーブルマニュアル作業項目の解説_33_ ・・・15
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
第15回「一般提案」結果報告 ・・・・・・・・・・・17
1 ∼□
8
別冊 新型車情報:トヨタ ヴォルツ ・・・・・・□
TECHNO
SEMINAR
「新Honda IMAシステム」について
(インテグレーテッド・モーター・アシスト)
1.
はじめに
写真1 新Honda IMAシステム カットモデル
ハイブリッド車も各メーカーからのいろいろな特徴を持
薄型DCブラシレスモータ
つ種類が増えてきています。
そのなかでハイブリッドシステ
ムがエンジン主体のHonda
【IMA Package】がさらに進化
しました。新Honda IMAシステムは、気筒休止VTEC機構
を採用した1.3R I-DSIエンジンに、高効率モータを組み
合わせ、
電力エネルギ回生(充電)
効率の大幅な向上と、モー
ターアシストシステムの小型・軽量化をあわせて実現しま
した。
シビックの4ドアセダン(2001年12月14日発売)に搭
気筒休止VTECエンジン
ホンダマルチマチック
載され、
5人乗り量産ガソリン車では世界最高レベル*1の低
燃費29.5km/R*2を達成するとともに、
優れたクリーン性能
により国土交通省「超−低排出ガス」
認定を取得した「新H
onda IMAシステム」
の概要ついて紹介します。
* 1 5人 乗 り 量 産 ガ ソ リ ン 車 の 燃 費 世 界 一 は 2002年 8月 6日
に 発 売 さ れ た 一 部 改 良 プリウスの 31.0km/Rで す 。
* 2 10・15モ ー ド 走 行 燃 料 消 費 率(国 土 交 通 省 審 査 値 )
2.
概要
(1)エンジン
エンジンはLDA型1,339cc 8バルブ直列4気筒横置水冷
式です。
新開発のリーンバーンエンジンは新構造のシリンダ
ヘッドおよびオフセットシリンダを採用するとともにフリ
クションを徹底的に低減するために各部品の材質や表面処
理を見直しています。
これらにより軽量・コンパクト、
高燃焼
効率およびIMAシステムとの組合せ最適化を実現していま
す。
また、
排出ガスに含まれる有害物質の低減、
リーンバーン
時NOx排出量の低減など低燃費と排出ガスのクリーン化の
両立を図っています。
電子制御燃料噴射方式の無鉛レギュラガソリン仕様で、バ
ルブ駆動方式はSOHCです。
また気筒休止VTEC(可変バル
ブタイミング機構)
により減速時に3気筒を休止させてフリ
クションを低減し、
IMAシステムの減速エネルギ回生量の
増加を図っています。
併せてアイドリングストップシステム
を採用しています。
1)
気筒休止VTEC機構
この気筒休止VTECは従来の燃費とパワーの両立を目的
としたVTECとは異なり、
IMAシステムの減速エネルギ回生
量の増加を目的として採用されています。
「減速時に3気筒
のバルブ作動を休止させ、
電気エネルギ回生効率を大幅に向
2
自研センターニュース 2002年10月号
上させています。」
減速時にエンジンの抵抗が大きいとタイ
ヤからの回転エネルギがエンジンブレーキとして失われる
ため、
モータで回生できるエネルギが減少してしまいます。
この新IMAシステムでは、減速時に4気筒のうち3気筒のバ
ルブ作動を* 休止させることによりエンジン抵抗を従来の
IMAシステムより約50%低減し、より高効率な電気エネル
ギの回生を可能にしました。
加速時やクルーズ時などアクセ
ルONの状態では、バルブリフト用ロッカアームと休止用ロ
ッカアームをシンクロピストンによって連結して、
バルブを
駆動します。
減速時は、
アクセルOFFによって減速回生がス
タートした直後にシンクロピストンを休止用ロッカアーム
内に格納し、バルブリフト用ロッカアームと分離すること
で吸・排気バルブを休止させます。
シリンダ内を密閉状態に
保つことでエンジン抵抗となるポンピングロス(吸・排気
に伴う抵抗)を減らし、タイヤからの回転エネルギを無駄な
くIMAモータへ伝えます。また、およそ1,000回転という低
回転まで休止状態を保つことによりさらに効率的な回生を
可能とし、燃費の向上を図っています。なお、システム異常
発生時などにおける車両移動のための最低限の動力を確保
するため、NO1シリンダのバルブ駆動は常時駆動としてい
ます。
* 気 筒 休 止 VTECは 一 定 条 件 が 成 立 し た 場 合 の み ECUに よ
り VTECが 作 動 し て 休 止 し ま す 。
写真2
作動条件
エンジン回転数
900−3200rpm
車速
25−130km/h
油温
25-110℃
水温
20-110℃
吸気温度
-10℃以上
大気圧
561−770mmHg
IMAバッテリ容量
30-55%
IMAバッテリ温度
0-45℃
12Vバッテリ電圧
10.5V
気筒休止イメージ
従来のVTECとは違い、気筒休止VTECでは低い回転数
カシャフト内の油路を2系統設けています。エンジン始動時
(低い油圧)での切替えを行うため、バルブリフトの切替え
前やアイドルストップ中で油圧が発生しない時にはシンク
を行うシンクロナイズドピストンは作動側に加えて戻り側
ロナイズドピストンは作動状態に固定します。エンジンの
も油圧により駆動しています。そのため、3方弁タイプスプ
始動時にバルブ駆動を確実に行うための弱いピストンリタ
ールバルブを用い、そこからロッカアームへと通じるロッ
ーンスプリングを設けています。
写真3
写真4
新油圧システム
排気側
リフト用
ロッカーアーム
吸気側
シンクロピストン
リフト用
ロッカーアーム
シンクロピストン
ロッカーシャフト(2穴構造)
2)i-DSI
( Dual&Sequential Ignition:2点位相差点火)シ
で火炎伝播距離を短し、従来の一本点火に比べて急速な点火
ステム・リーンバーン制御
が可能になります。
この全域急速燃焼の実現によりノッキン
コンパクト化された燃焼室に各気筒2本のスパークプラグ
グを抑制しながら圧縮比を大幅に高め、
高出力、
高トルクと
を対角に(フロント/リヤ)
配置して2箇所で点火すること
低燃費を実現しています。
写真5 リヤプラグ点火
写真7 リーンバーン化
写真6 フロントプラグ点火
自研センターニュース 2002年10月号
3
(2)IMAシステム
エンジンのクランクシャフトに直結されたIMAモ−タは
IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システ
車輪の駆動を行うモータとしての機能の他に減速時などに
ムは主動力としてのガソリンエンジンに加えて、
補助動力と
発電を行うジェネレータの機能、
エンジンを始動するスタ
して電気モータ(IMAモ−タ)
による駆動を行う高効率のパ
ータの機能を併せ持っています。
ラレル(並列)
ハイブリッドシステムです。
組み合わされる
システムはDC144VのIMAバッテリ、
交流同期式のIMA
ガソリンエンジンは1.3R直列4気筒のLDA型で、i-DSI(2
モータ、
およびそれらの制御装置と補機類で構成されてい
点位相差点火)
システムでリーンバーンを制御し、また減速
ます。
これらの構成部品を小型化し、
キャビンやトランクの
時のエンジン抵抗をへらして電気エネルギの回生量を向上
スペースを確保するとともに、
直流の高電圧回路をリヤシ
させる気筒休止VTECなどを採用することにより消費燃料
ート後部のIPU* 内に集中配置することにより電気的な安
と排出ガスの低減を図っています。
全性の向上を図っています。
* IPU:(イ ン テ リ ジ ェ ン ト パ ワ ー ユ ニ ッ ト )
構成イメージ
写真8
IPU
IMAモータ
IPU冷却ファン
パワーケーブル
作動
写真9 エンジン始動
IMAシステムでは通常の始動時やアイドルストップ状態
IPU
からの再始動時にはIMAモータによりエンジンを始動しま
す。IMAモータはクランクシャフトに直結しているため、従
来のスタータに比べ静粛性が高く滑らかな始動を実現して
エンジン
います。PGM−FI *1 ECUの制御により、IMAバッテリの
SOC*2低下時や低温時あるいはIMAシステムの故障発生時
モーター
などIMAモータの駆動力が発揮できない状況では12Vス
タータで始動します。
* 1 電子制御式燃料噴射(PGM− FI:PROGRAMMMED− FUEL−
INJECTIN)
* 2 State Of Charge :IMAバ ッ テ リ 充 電 状 態
写真10 加速時(モータアシスト+エンジン)
加速時にはIMAバッテリからIMAモータへのエネルギ供
IPU
給を行いモータが最大約49N・m(5kgf・m)のトルクを発
生してエンジン出力をアシスト(IMAメータにアシスト表
示)
します。PGM−FI ECUは、
モータECUからの情報に
エンジン
基づきIMAバッテリのSOCが一定の範囲内になるようにア
シスト量を制御します。
またIMAバッテリのSOCが一定値
モーター
4
自研センターニュース 2002年10月号
以下の場合には、
過放電防止のためアシストを停止します。
写真11 減速時(気筒休止・回生制御/I
MAバッテリに充電)
減速時には、IMAモータがジェネレータとして機能し、通
常はブレーキから発生する熱として捨てている運動エネル
IPU
ギを電気エネルギとして回生(IMAメータにチャージ表示)
して、
IMAバッテリを充電します。PGM-FIECUは、モータ
ECUからの情報に基づきIMAバッテリのSOCが一定の範囲
エンジン
内になるように回生量を制御します。またIMAバッテリの
SOCが一定値以上の場合には、過充電防止のため回生を停
モーター
止します。
写真12 クルーズ時(エンジンのみ作動)
IMAモータが休止し、エンジンにより安定した低燃費走
IPU
行を行います。
エンジン
モーター
写真13 停車時(オートアイドルストップ)
走行状態から車両が停止する際には自動的にエンジンを
IPU
停止させ、
停車時に無駄な燃料消費や排気ガスの発生を抑え
るオートアイドルストップシステムを採用しています。
PGM-FIECUは、
下記の作動条件が成立した時に燃料の噴射
q
エンジン
を停止することでエンジンを停止し、
メータ内のオートアイ
ドルストップ表示灯qが点灯します。
モーター
オートアイドルストップ作動条件
右のいずれかの条件で
Dポジションで15km/h以上の車速で走行した後、ブレーキペダルを踏んで減速したとき(作
エンジンが停止
動する速度は条件により異なる)
・オートアイドルストップ状態からの再始動後15km/h以上の車速で走行した後に、
ブレーキ
ペダルを踏んで減速したとき(最初の一回のみ)
ただし右の場合にはエ
・急制動で停止したとき
ンジンが停止しない
・エンジン水温が低いとき
・オートA/Cコントロールユニットがエンジン停止を禁止しているとき*1
・ATコントロールユニットがエンジン停止を禁止しているとき*2
・IMAバッテリのSOCが少ないとき
・IMAバッテリの温度が低いとき
・12V系の電気負荷が大きいとき
・アクセルペダルが踏まれているとき
・関連するシステムに故障があるとき*3
*1
*2
*3
A/Cが AUTOモ ー ド の と き 、ま た は 、ECONモ ー ド で 外 気 温 5℃ 以 下 の と き
ATF温 度 が 低 い と き 、
およびスタートクラッチが切り離されていないとき
PGM− FIシ ス テ ム 、
IMAシ ス テ ム 、
ATコ ン ト ロ ー ル シ ス テ ム な ど
自研センターニュース 2002年10月号
5
またPGM-FIECUは、
下記のエンジン再始動条件が成立し
噴射を再開することによりエンジンを再始動します。
たときに、
モータECUを通じてIMAモータを駆動し、
燃料の
エンジン再始動条件
右のいずれかの条件で
・ブレーキペダルを離したとき
エンジンが再始動する
・セレクトレバーをRまたはLポジションにしたとき
・アクセルペダルを踏んだとき
・車速信号の入力があったとき
・マスタパワの負圧が少なくなったとき
q自発光式メータ
写真14
イグニションキーのONと同時にLEDが点灯し表示しま
す。
自発光するスピードメータ、
タコメータに加えバッテリ
残量やモータのアシストとチャージをデジタル表示で知ら
せるIMAメータ*q で構成されています。
イルミネーション
は、
昼夜独立して明るさの調整が可能です。
また、
オートアイ
q
ドルストップ中は表示灯*w が点灯し、このときに運転席ド
アが開けられると、
表示灯が点滅、
警報ブザーが鳴り作動中
w
を運転者に知らせるようになっています。
また、IMAメータ
内にはIMAシステムの異常を知らせる警告灯が装備されて
います。
w薄型DCブラシレスモータ
はトルクを伝達する内側部分と、磁気回路に近接する外周部
世界最高レベルの出力密度と実用効率を持った従来の薄
分それぞれに要求特性に応じた素材を使用しています。異な
型DCブラシレスモータに、内部の磁気回路を中心とした改
る金属を強固に焼き固める焼結拡散接合によって一体化し
良が施されています。主な改良点は、ステータを非対称巻に
ています。それらにより始動トルクを23%、
アシストトルク
することにより容積効率を高め、モータの性能向上とユニ
を30%、
回生トルクを29%向上しています。
ットの軽量・コンパクト化を追求したことです。
また、
ロータ
写真15
薄型ブラシレスモータ
始動トルク
アシストトルク
回生トルク
+23%
+30%
+29%
インサイド比較
ステータ
焼結拡散接合ロータ
3.まとめ
二酸化炭素の排出量削減のための低燃費技術への取組が積
シビック ハイブリッドについてまとめる上で各メーカー
極的なことでした。
そのなかでハイブリッド車の普及状態に
のハイブリッド車の状況を調査して感じたのは各メーカー
目を向けてみると日本におけるハイブリッド車の保有台数
とも排気ガスのクリーン化技術および資源の消費量低減/
は1997年のトヨタプリウス発売以来、
着実に増加しています。
6
自研センターニュース 2002年10月号
1999年7月「インサイト」、2001年6月に「エスティマハイブ
れらの二社の限定販売は将来の燃料電池自動車の普及に向
リッド」、8月に「クラウンマイルドハイブリッド」、9月に日
けた規格・基準づくり、インフラ整備、そして水素燃料の社
野「ブルーリボンシティHIRMワンステップバス」、
12月に
会的受容性醸成に向けた、市場調査段階と考えます。
「シビックハイブリッド」、2002年8月に「ハリヤー・クルガ
本格的な市場導入はこうした基準・インフラの整備、水
ーマイルドハイブリッド」と次々と新たなハイブリッド車
素燃料に対する理解浸透など、社会的な基盤が整うことが
が発売され、2002年7月末で国内・海外を合せて12万台を
必要条件ですが、自動車と資源・環境問題の現状を考える
突破する勢いです。ハイブリッド車がもうすでに一般的な
と現在のハイブリッド車のように瞬く間に10万台以上の販
になっていることが良く分かります。また、トヨタ自動車
売台数になる可能性もあると思いました。
(株)
は2002年7月1日に燃料電池車のFCHV-4を2002年末
を目処に日本と米国で限定販売することを発表しました。そ
れに追いつけとばかり、ホンダも2002年7月24日に燃料電
池車のFCXを2002年末を目処に日本と米国で限定販売する
ことを発表しました。日本の二社が「世界初の燃料電池自動
車*」の栄冠をめぐってしのぎを削る格好になりました。こ
* 燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle:FCV)
参考文献:
(1)ホンダ技研工業(株)発行カタログ&解説書
(2)ホンダ技研工業(株)ホームページ
(3)
トヨタ自動車工業(株)ホームページ (4)自動車技術Vol.56,No.8,2002
(5)2002年人と車のテクノロジー展/
ホンダ技研工業(株)撮影・録画
トヨタ ノア(AZR60G型)の作業上の特徴
このレポートは、
メーカー修理書を基にして実作業を行い、
作業手順、
作業上のポイント、
特徴的な
構造、作業性などをコメントしたものです。
自研センターニュース 2002年10月号
7
1.
フロントバンパ取付け状態の紹介
バンパカバーの上下、左右をボデーに直接ボル
ト&クリップで取付けるタイプです。
材質は新トヨタスーパーオレフィンポリマー製を
採用しています。
ラジエーターグリルは、
フロントバンパに取付き
ます。
(ブラインドコーナーモニタ用カメラ付きの設
定があります)
2.フロントバンパ脱着の手順とポイント
qバンパカバーの左右と下側のスクリュを外し、
次に上側のクリップを外します。
w左右のフロントバンパサイドサポートとのはめ
込み部を外します。
eフロントグリルとバンパカバーを一体で取外し
ます。
3.
参考:フロントバンパリインホースメントの形
状紹介
一見すると、
リインホースメントが損傷している
ように見えますが、
新車時および補給部品もこのよ
うな形状をしているので損傷確認の際には注意が必
要です。
上段:バンパリインホースメント右側裏側視
下段:バンパリインホースメント右側上面視
8
自研センターニュース 2002年10月号
4.ヘッドランプ取付け状態の紹介
スクリュ3本で固定されています。
立付け調整しろはありません。
代替ブラケット
5.ヘッドランプ部品補給形態の紹介
ヘッドランプユニットとバルブ類は、
単体補給の
みでASSY補給の設定はありません。
そのため指数
B040
(ヘッドランプASSY脱着または取替)の項
目での取替指数に、
バルブ&付属品の組替え時間も
含まれます。
取付け部のみが破損した場合に、
専用の代替ブラ
ケットも設定されています。
(詳細は本誌2002年7月
号リペアリポート参照)
6.ヘッドランプ脱着作業性の紹介
ヘッドランプ組替えは、
イプサム(ACM21W)と
同様にバルブソケットがリフレクタと干渉して外れ
ないため、
エーミングスクリュを回して取外します。
(エーミングは一箇所のみ)
7.ヘッドランプライトコントロールコンピュータ
の脱着
ハーネスコネクタの縁切りを行うとき、
ツメの部
分の樹脂が薄く破損しやすいので、
注意が必要です。
自研センターニュース 2002年10月号
9
8.
フロントフェンダ取付け状態の紹介
矢印先端部付近裏側にクリップがある(取付部A)
ため、
フロントフェンダ取外し時には無理な力を加
えないよう、注意が必要です。
取付部A
9.
フロントフェンダ取外し要領
ホイールハウスアーチ側からフロントフェンダ裏
側にマイナスドライバを挿入します。
取付部Aのク
リップかん合部に同ドライバの先端を押し込み、
ひ
ねることでフロントフェンダとのかん合は容易に外
れます。
※右写真はクリップの取外し方法がわかるようにフ
ロントフェンダを取外して撮影しています。
リヤバンパ取付け状態の紹介
リヤバンパ取外し時には、
ラッゲージルームボッ
クスリッド、
バックドアスカッフプレート、
左右リヤ
ホイールオープニングエクステンションの脱着が必
要です。
材質は、
フロントバンパ同様に、
新トヨタスーパー
オレフィンポリマー製を採用しています。
脱着の手順とポイント
qラッゲージコンパートメントメイントリムボッ
クスのクリップを3個取外し、2本のセットボ
ルトからナットを取外します。
wサイド部のかん合を取外します。
eリヤバンパを取外します。
10
自研センターニュース 2002年10月号
S
リペアインフォメーション
日産 マーチ(AK14)の
ドア脱着時の配線縁切り作業について
日産マーチ(AK14)
のフロント、リヤドア脱着時の配線縁切りの方法を紹介します。
写真1
1.フロント ドア
写真2
フロント ドアの配線はダッシュ サイド フィニッシャーを
取り外さなくても、
フロント ピラー側から配線を引き抜く
ことで、
ドアの配線を簡単に縁切りすることが出来ます。
(写
真2)
ただしフロント フェンダ取り付状態では作業スペー
スが狭いため若干作業性が悪くなります。
2.リヤ ドア
写真3
リヤ ドアもフロント ドア同様にセンター ロア ガーニッ
シュを取り外さなくても、
センタ− ピラー側から配線を引
き抜くことで、
ドアの配線を縁切りすることが出来ます。
(写真3)
なお、
日産自動車の修理書には、
ドア(フロント、
リヤ共に)
フィニッシャー、
ドアガラスを取り外し、ドア内の配線及び
ハーネスクランプを外してからドアから配線を引き抜く作
業手順の指示になっていますが、
今回ご説明した作業手順で
配線縁切りは可能となります。
また自研センタ−が作成して
おります今回の作業に関連する指数も自研センターで行っ
た作業方法を前提にして数値を設定しております。
自研センターニュース 2002年10月号
11
リサーチング ザ スケルトンズ
トヨタ アルファード
(10・15W系)
この「Researching The Skeletons」
では、
外部から確認す
ています。
ることのできないフロント サイド メンバおよびリヤ フロア
また、
リヤ フロア サイド メンバ フロントでもリヤ サス
サイド メンバ フロント内部のリイン ホースメント等の位置
ペンション取り付け部の剛性確保に影響が高い部位に差厚
や板厚を分かり易く紹介していくもので、
データは実際に自
鋼板とリイン ホースメントを効果的に配置し、
操縦安定性
研センターで調査した内容を記載したものです。
の確保を図っています。
今回はトヨタ アルファード( 10・15W系)を取り上
先端部のカット位置はトヨタのボデー修理書に記載され
ているカット位置(図中:実線部)です。
げます。
この車ではフロント サイド メンバの断面内に複数のリ
イン ホースメント(図中:斜線部位)
を効果的に設定すると
ともにフロント サイド メンバおよびリイン ホースメントに
アルファードのフロント サイド メンバ はトヨタ エステ
ィマ(30・40W系)と非常に似た構造となっています。
(注 1)厚 さ の 異 な る 鋼 板 を 溶 接 し 、一 枚 の 鋼 板 と し た も の
(図 中 点 線 部 が 板 厚 変 化 部 位 )
差厚鋼板(注1)
を採用して板厚に変化を持たせることによ
り衝撃時のエネルギーを前部で効率良く吸収する構造とし
フロント サイド メンバ
左外側
左内側
カット位置
カット位置
1.6mm
1.4mm
1.0mm
2.0mm
1.4mm
2.6mm
板厚変化部位(リイン ホースメント)
板厚変化部位
2.0mm
板厚変化部位
1.6mm
(前側1.2mm・後側2.0mm)
差厚鋼鈑
板厚変化部位
右外側
右内側
カット位置
カット位置
1.6mm
1.4mm
1.4mm
板厚変化部位
板厚変化部位(リイン ホースメント)
(前側1.2mm・後側2.0mm)
差厚鋼鈑
12
自研センターニュース 2002年10月号
1.6mm
板厚変化部位
2.0mm
板厚変化部位
2.6mm
リヤ
リヤ正面(リヤ フロア クロス メンバ リヤ取付状態)
リヤ正面(リヤ フロア クロス メンバ リヤ取外状態)
リヤ フロア サイド メンバ フロント
リヤ上側(リヤ フロア パン取付状態)
リヤ フロア サイド メンバ フロント
リヤ上側(リヤ フロア パン取外し状態)
板厚変化部位
カット位置
1.4mm
1.4mm
1.0mm
1.0mm
2.6mm
リヤ下側
2.0mm
2.0mm
カット位置
板厚変化部位
1.4mm
カット位置
板厚変化部位
1.4mm
自研センターニュース 2002年10月号
13
お客様相談室 レポート
「指数テーブル」の購入方法と
新型車指数について
今回は、
毎月お問い合わせがあります「指数テーブル」
の購入方法と新型車指数の問い合わせについてご説明し
ます。
自研センターで策定した標準的な事故車復元作業に関する指数は、
日本アウダテックス株式会社からそれ
ぞれ提供・販売される以下2種類の媒体により、入手が可能です。q「指数テーブル」の本となって出版・販売さ
れるもの、
w事故車修理見積システム「アウダネオ2」用のデータとしてCD-ROM等で提供・販売されるものの、
2種類です。また、自研センター発行の「構造調査シリーズ」
でも、車種毎の指数データの入手が可能です。ではそ
れぞれについてご紹介します。
1「
.指数テーブル」
(本)
(1)販売形態
日本アウダテックス
株式会社よりセット販
自研センターで指数完成次第、
最新号の「車種別編指数テ
ーブル」に掲載され配本されます。
(4)
販売価格
「車種別編指数テーブル」
(6回配本分)+
「マニュアル」の
売され、
「車種別編指数
セット、
送料・消費税込みで18,000円(2003年度版)です。
テーブル」
と「マニュア
2.事故車修理見積
ル」
により構成されてい
システム「アウダ
ます。現在2002 年度版
ネオ2」
が作成・販売されていま
すが、
このニュースがみ
(1 )
販売形態
「アウダネオ2 」
なさんのお手元に届く
は、
ワークシート画
10月には、2003年度版の販売が開始される予定です。2003
面の部品図を選択
年度版は2002年10月号∼2003年8月号まで隔月6回発行さ
していくだけで、
誰
れ、
「車種別編指数テーブル」には50車種の掲載が予定され
でも素早く、
正確な
ています。また、古い車種分をご希望の場合、バックナンバ
見積書が作成でき
ーでの購入となります。
る、パソコン用事
(2)掲載内容
「車種別編指数テーブル」
には、車種毎に使用される「脱
故車修理見積シス
テムです。
日本アウ
着・取替指数」
と「補修塗装指数」
が、
その名の通り車種単位
ダテックス株式会社がソフトとデータ(CD-ROM)の販売
で掲載されています。
「脱着・取替指数」
では外板・内板骨格
を行っています。
「指数テーブル」はデータ化されCD-ROM
パネル・ガラス・メカニカル部品の指数が、
作業項目毎に掲載
に収録されています。
パソコン上のシステムで見積書作成時
されています。
「補修塗装指数」は速乾ウレタン・2K塗料ベー
に「指数テーブル」を参照できます。
スによる事故車補修塗装指数です。
ソリッド・メタリック・パ
ール塗装等塗膜別毎に細分化され掲載されています。
「マニュアル」
には、
「指数テーブル」
の使用方法と作業項
目ごとの指数についての代表的なQ&Aが掲載され、
車種共
通の「内板骨格修正指数」
「外板板金修正指数」
「補修塗装指
数(車種共通部分)」も掲載されています。
(3)新型車指数の掲載
14
自研センターニュース 2002年10月号
(2 )
データ収録内容
データ(CD-ROM)には自研センター作成の全指数が収
録され、
指数テーブルマニュアル、
指数についてのQ&Aも収
録されています。
(3)
新型車指数の掲載
年6回以上のデータメンテナンスにより、新型車指数や新
指数の追加、
部品価格改訂が行われます。
(4)
販売価格
(消費税込)、ただ
システム契約
(初回導入時のみ)
し輸入車(ニュー
データ提供
+
ビートル・ベンツ
(CD-ROM)
(年間)
250,000円(税別)
Cクラス等)版のみ
321,000円(税別)
一冊2,160円(消費
上記料金には「パソコン・プリンタ」などのOA機器、付
税込)です。
4.購入申込先
属品は含まれません。また、導入に伴う操作指導や保守・サ
ポートなどは別途サポート料が必要になります。
購入申込先は以
3.構造調査シリーズ
下の通りです。
価格
等詳細は直接お問
自研センター発行の「構造調査シリーズ」においても、車
い合わせください。
体構造のイラストとともに各種指数が掲載されています。
「構造調査シリーズ」
は、
新型車指数
完成に合わせ車種毎に発行・販売さ
れ、
「脱着・取替指数」
は作業項目毎に、
「補修塗装指数」は塗膜別に掲載され
「指数テーブル」
(本)
「アウダネオ2」
日本アウダテックス株式会社、営業開発部
ています。販売価格は一冊1 ,120 円
「構造調査シリーズ」
(株)自研センター、総務企画部
TEL03-3356-3011
TEL047-328-9111
指数テーブル マニュアル作業項目の解説
−33−
前回(本誌9 月号)は指数テーブルマニュアル
(2001年10月発行)のM200 ステアリングギヤハウ
図1
M220
クーラユニットAssyおよびブロワユニットAssy脱着または取替
*エンジンおよびクーラコンデンサを取外した状態から行う作業
ジングAssy脱着または取替について解説しました。
*ヒータユニットを残してクーラユニットAssyおよびブロワユニット
今回も指数テーブルマニュアル(2001年10月発行)
を基本に、メカ系の作業項目
『M220クーラユニット
AssyおよびブロアユニットAssy脱着または取替』に
Assyを脱着または取替を行う作業
●印の部品は当該作業範囲
ヒータサーボモータ
アンプリファイア
ダンパサーボ
クーラユニットAssy
ついて解説します。
(図1)
ヒータブロワ
モータ
指数に含まれる主な作業
*必要範囲の付属品の脱着または取替
主な付属品
・グラブコンパートメント
・アンダトレイ
・コンソールボックス
・室内トリム・マット
除く作業
*クーラユニットAssyおよびブロワユニットAssyの分解
*エアバックコントロールユニットの脱着または取替
*ガスチャージ
捕 足
*ブロワユニットAssy補給がない部品についてはブロワの組替を含む
自研センターニュース 2002年10月号
15
1.前提条件および基本的な作業
4.補足
『エンジンおよびクーラコンデンサ取外し状態が基本的
な前提条件になります。
車両構造によりインストルメントパ
ネル取外し状態と取付け状態の2つの条件からの作業があり
(1)クーラユニットAssy補給がない部品についてはクーラ
ユニットの組替を含む
(2)ブロアユニットAssy補給がない部品についてはブロア
ますが、
インストルメントパネル取付け状態では作業が不可
の組替を含む
能な場合、
摘要欄にインストルメントパネル取外し状態と表
備考 示しております。
基本的作業はヒータユニットを残してクー
1.最近ではヒータユニットとクーラユニットを一体化させ
ラユニットAssyおよびブロアユニットAssyを脱着または取
た構造が出てきています。
これはエアコンユニットにヒータ
替作業までを行います。』
ーコアとクーラのエバポレータを小型化させ前後配置する
2.指数に含まれる主な作業
ことにより助手席の足元スペースの確保や車室内スペース
拡大が採用目的です。
(1)必要範囲の付属品の脱着または取替 このような車両構造では、
従来のクーラユニットとブロア
●
グラブコンパートメント
●
アンダトレー
ユニットが配置されていた場所にはブロアユニットのみが
●
コンソールボックス
残った形になっています。
これにより、
指数の作業範囲もブ
●
室内トリム・マット
ロアユニットAssy脱着または取替となっています。
(図2)
3.指数では除く作業
2.前提条件にあるエンジンおよびクーラコンデンサを取り
(1)クーラユニットAssyおよびブロアユニットAssyの分解
外さずに作業をする場合、
指数は適用できません。
クーラガ
(2)エアバッグコントロールユニットの脱着または取替
スチャージ作業とクーラーパイプの縁切り作業に伴うエン
(3)ガスチャージ
ジンルーム付属品の脱着作業が必要になるためです。この
ような場合、
別途対応をお願いします。
図2
M220
ブロワAssy脱着または取替
1台
取外し状態
0.20
・インストルメントパネル
(含)作業および部品の脱着または取替
・必要範囲の付属品
▲
インストルメントパネル取付状態ではブロワAssy単体の脱着作業は不可能。
ブロワAssy
リサキュレーション
ダンパサーボ
エアフィルタサブAssy
エアリファイナ
エレメント
ブロワモータ
コントロール
ブロワモータ
作業範囲外
(ヒタユニットとクーラユニットの一体型)
16
自研センターニュース 2002年10月号
エアコンディショナ ラジエタASSY
第15回
「一般提案」結果報告
第15回の「一般提案」は115点の応募をいただき、どうも
奮ってご応募いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
有難うございました。
社内の提案委員会におきまして、
これ
なお、
過去に自研センターで紹介したものでも、
それを更に
まで以上に現場アジャスターの視点に重きを置き、
慎重に審
改善ご提案であれば審査の対象とさせていただいておりま
査致しました結果、
残念ながら一位入選はありませんでした
すので改善提案につきましてもご遠慮なくご応募いただけ
が、
下記の方々の提案が入賞ならびに佳作として選ばれまし
れば幸いです。
(なお、
各社別の提案件数につきましては下記をご参照く
た。
次年度以降も引き続き「一般提案」
の募集を致しますので
●入 選
第2位
ださい。
)
「ブチルシーラー除去ツール」
東京海上損害調査(株)
近畿第一事業所修理費対策
プロジェクトチーム 殿
第3位
「ポケットに入るトラッキングゲージ」
日本興亜損害調査(株)
第3位
「塗装時における付属品脱着作業の効率化及び部品代の低減」
東京海上損害調査(株)
●佳 作
粕川 英雄 殿
小林 克次 殿
「補給部品の形態、修理部品代の低減」
あいおい損害調査(株)
山見 正昭 殿
「トヨタソアラUZZ40系トランクヒンジの部品補給」
東京海上損害調査(株)
城南調査オフィスアジャスター一同 殿
「ドアミラー・アウタカバー取替での修理費の低減」
東京海上損害調査(株)
青木 幸雄 殿 (順不同)
各社別提案数
東京海上損害調査(株)
44
損保ジャパン調査サービス(株)
日本興亜損害調査(株)
24
あいおい損害調査(株)
日動火災損害調査(株)
17
ニッセイ同和損害保険調査(株)
三井住友海上損害調査(株)
3
9
日新火災損害調査(株)
1
5
富士火災損害調査(株)
11
1
以上115件
「構造調査シリーズ」
新刊のご案内
No.
車 名
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元
J-305
スズキ MRワゴン
修理の立場から見た車両構造、部品の補修形態、指数項目
J-306
トヨタ アルファード
J-307
マツダ アテンザワゴン
型 式
MF21S
ANH10W,15W
MNH10W,15W
とその作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構
造調査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊を
ご案内しますので、ぜひご利用ください。定価は各1,120円
です(税込み、送料別)
。
GY3W,GYEW
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL 047-328-9111
FAX 047-327-6737
自研センターニュース 2002年10月号
17
海外情報の紹介
RCARプロジェクト カタログ2002(その2)
(RCAR Project Catalogue 2002)
前号の引続き、
世界各センターの主要プロジェクトの概要をお伝えします。
<ICBC
(ブリティッシュコロンビア保険企業)>
(カナダ)
1.OME以外の交換用エアバッグの調査
交換用エアバッグの入手源にはOME交換用エアバ
ッグ、リサイクルエアバッグ、リビルトエアバッグ、中
する予定です。
(自研センター)
>(日本)
<JKC
1.フロントサイドメンバー修理法の研究
衝突性能の確保と両立する適切な修理方法を検討し
味のないエアバッグや盗難エアバッグがあります。
ます。
それらの色々な入手源およびそれらを使用する影響を
2.自動車メーカーへの車両構造の改善提案
調査し、様々な製品のテストを実施しています。
2.非電気伝導/高規準の接着剤
ウィンドシールド交換用接着剤のアフターマーケッ
ト製品を調査し、代替接着材がOMEの要求を満たす
修理時間作成の際に見つけた改善案を自動車メーカ
ーに提案します。
3.水性塗料の調査
水性塗料に関する知識を増やし、
保険会社および関
かどうかを判定します。
連業界に情報提供します。
<IIHS>(アメリカ)
4.
放電灯ヘッドランプのコントロールユニットの検
1.
低速衝突テスト計画
査法と修理法の研究
自動車メーカーに対して、
コントロールユニットの
2002年はモデルチェンジされた小型車と中型車の
テストを行います。標準の時速5マイルでの、
平面バリ
検査法と交換判断基準を修理マニュアルに記載するこ
アへの前面および後面衝突、
アングルバリアへの前面
とを要請します。
アジャスターに対して適切な検査法
衝突およびポールバリアへの後面衝突を行います。
と修理法に関する情報を伝えます。
経済的な修理方法
2.
高速オフセット衝突テスト計画
を研究します。
低速テストと同じ車種で、
時速40マイルの高速オフ
セット衝突テストを行います。
3.
ヘッドレストの評価
IHHSの逆向き加速スレッドは設置中であり、4月
後半までに稼動する予定です。
シートとヘッドレスト
に関する一連のテストをIIWPG
( International
5.修理費見積りと修理技法に関する通信教育開始
保険会社スタッフに対して修理に関する新しい研修
の機会を提供します。
<KART
(カート)
>(韓国)
1.車両のグループレーティング
監督機関と保険会社に修理性と損傷性に基づく新し
Insurance Whiplash Prevention Group)と協
いシステムの採用を働きかけます。
力して実施する予定です。
2.ヘッドレストの評価
4.
側面衝突テスト
新型乗用車の側面衝突保護性能を評価し比較するた
めの新しい側面衝突テスト法を完成させる予定です。
新しいテスト法にはSUVやピックアップのフロント
エンドを模擬して設計した衝突バリアを用います。
本
18
年後半にはこのテスト法による初の消費者評価を実施
自研センターニュース 2002年10月号
RCAR基準により評価し自動車メーカーに設計改
善の提案をします。
3.防盗システムの評価
RCAR基準により防盗システムを評価し、自動車メ
ーカーに設計改善の提案をします。
4.
リサクルバンパーあるいはリユースバンパーの使
用促進
材料テストと衝突テストでOEMバンパーとリサク
ルバンパーの性能比較を実施中です。
5.研修および教育
保険業界エンジニアと修理業者向けに修理技術と損
傷見積りの研修・教育プログラムを提供します。
6.ARRECOMシステム
(修理コスト見積りシステム)
オンラインシステムへのグレードアップを図ってい
ます。
7.
新しいバンパーシステムの修理性と損傷性の評価
自動車メーカーと大学を含む共同体によって内部に
エアバッグを用いた新しいバンパーシステムを開発し
1.
火災車両の修理
無毒な環境を保証しつつ部品交換頻度を減らす方法
と手順を重点に、火災損傷に関する研究を行います。
2.
半裁法における接着溶接
車両前部の構造パネルに関して、
半裁法における溶
接接着の適切性を評価します。
< State
Farm Insurance Companies
(ステートファーム)
> (アメリカ)
1.
ハイブリッド車の衝突修理研究
メーカーの修理ガイドラインに従って衝突損傷を受
けたハイブリッド車を修理します。
2.
修理性の詳細分析
自動車メーカーと緊密に連携して開発中の車の修理
てきました。
現在は動的なテストによる開発を行って
性を詳細分析します。
います。
<THATCHAM
(サッチャム)>
8.自動車事故の調査
技術的な側面で事故の原因を見つけて保険会社をサ
ポートします。
9.新しい施設
新しいバリア衝突テスト施設とリサーチ工場の建設
を計画中です。2002年に新施設のマスタープランを作
り、2003年から建設する予定です。
(イギリス)
1.TTS時間の派生
最新の塗装コスト計算表と共に、パネル(交換で
はなくて)修理を取り扱うことが出来る修理計算表が
新たに導入されました。
2.修理の研究
経済的な修理材料と技法を見出すために、自動車メ
<KTI>(ドイツ)
ーカーと一緒に損傷性と修理性の検討を行います。
1.車両安全に関する非純正部品適用の影響
3.車両防盗性
多数の非純正部品に関して衝突テストと錆テストを
自動車メーカーと一緒にカージャックと戦う努力を
実施します。
しています。
2.一般的な賠償保険請求の問題一覧の更新
4.衝突テスト
様々な問題と訴訟について、
テストと資料作成を行
新しい時代を考えて衝突テスト施設を大幅な改修を
います。
行っています。 しかし自動車メーカーへのサービス
3.新しい接合技法による部分修理
と年間約50台のグループレーティングのための衝突は
大型トラックのサイドパネルの部分修理を行います。
<Laensfoersaekringer>(スウェーデン)
継続します。
5.鞭打ち症防止の研究
1.フレームシャシー付きオフロード車の修理方法
多数の車のヘッドレスト配置計測および鞭打ち症発
衝突したオフロード車のフレームの修理方法と
生に関する知識を増すためのヘッドレスト動的テスト
作業手順を開発します。
を継続します。2002年9月にはヘッドレストをレーテ
2.アルミ車の修理方法
ィングした一覧表を発行するつもりです。この一覧表
損傷したアルミ構造の修理ガイドラインを開発
は良いヘッドレストを作るように自動車メーカーに対
します。
ガイドラインには、
例えば幾何学的な変数、
して圧力をかけることになるでしょう。
修理方法、
材料と冶金、
熱処理、
欠陥検出などの要素
6.3次元グラフィックス
を含める予定です。
<MPI
(マニトバ公共保険)>
(カナダ)
コンピューター見積もりシステムにサッチャムが提
供する情報の精度向上と改善のために3次元グラフィ
自研センターニュース 2002年10月号
19
ックスの導入を行っています。
7.グループレーティング
(フィンランド)
1.非純正部品を使った修理
非純正部品の品質テスト、修理時間の調査および部
8.パネルの認定
アフターマーケットパネル認定の分野に参入しよう
品コストと修理時間における付加的コストの低減を検
と思っています。 シートメタルとプラスチック部品
討します。
の認定から始めて、灯火器およびクーラー部品そして
2.新しい車体の安全構造の修理方法
その後は機構部品への拡大を図るつもりです。
<VAT保険会社自動車修理委員会>
従来車体と新しい安全車体との間の修理方法の違い
を明らかにします。
バリア衝突実験写真集発売のお知らせ
当センターでは、1988年にバリア実験設備が完成
以降現在に至るまで、
年間100件以上の衝突実験を行
い、
多くのデータを集積して参りました。
一部の実験
の模様につきましては関係業界各社を始め一般の皆
様にもご覧頂けるよう「一般公開日」
に公開して参り
ました。
本年度も既に2回の一般公開を実施し、300
名近くのご参加を頂いております。
この度、
当センターでは関係各方面からのご要望
にお応えして、
最新のデータをもとに新たに「バリア
衝突実験写真集」
を作成致しました。
本書では最新の
実験データから対象車種をRV車・1BOX車・輸入車
にまで広げるとともに、
7種類の衝突形態全25事例を
掲載しております。
様々な面で皆様の業務に有用に
ご活用頂けるものと存じます。一部3,150円(消費税
込み・送料別)
で販売致しますので、
是非ともこの機
会にご購入下さい。
なお、
お申し込みにつきましては自研センター総
務企画部までお願いします。
TEL:047-328-9111
20
FAX:047-327-6737
自研センターニュース 2002年10月号
左エプロンタワー部がカウルに押し込まれた
衝突実験装置
観 察
コントロール
データ処理
照明装置
司令室
変電室
25m
15m
テンションピット
地下ピット
100m
バリアショット一般公開のお知らせ
当センターのバリア テスト装置(衝突実験場)
は、設備的に高いレベルの
ものです。バリア衝突実験の模様を関係業界(団体)各社を始めとした一般
(業界外)の皆様方にも見学いただけるように年5回『バリア ショット一
般公開日』を計画し、毎回多くの方々が見学されています。
バリア ショット一般公開日のご案内資料等用意していますのでご希望
の方は下記まで御連絡ください。なお、定員(80名)になりしだい、締
次回公開日の予定
11月28日
(木) 午後2∼3時
衝突形態:乗用車のバリア衝突ま
たは車対車衝突を予定
(注)衝突テスト形態は都合で変
更することがあります。
め切らせて頂きます。
総務企画部 1 047-328-9111
自研センターニュース 2002年10月号
21
自研センター2002年度研修日程(下半期)
自研センター2002年度下半期の研修日程は以下のとおりです。
週
No.
月
10
Aクラス
Bクラス
Cクラス
Dクラス
A-1/A-2
B-1/B-2
C-1/C-2
D-1/D-2
/社員B
木
土
29
30
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2 級
13
14
15
16
17
18
19
21
事故解
見習後
見習前
/社員A
20
21
22
23
24
25
26
22
2 級
見習後
見習後
/見習準
27
28
29
30
31
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
実技研修(板金・塗装) 17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
1
2
3
4
5
6
7
/弁護士
8
9
10
11
12
13
14
/社員A
15
16
17
18
19
20
21
27
28
23
24
試験
25
初級A
1BOX/
事故解
RV/
2 級
/アウダB
/社員B
初級A
12
26
事故解
27
トラックB
RV/
初級A
2 級
1
28
29
/塗 装
/メカニズム
トラックB
見習前
30
/見習準
見習後
2 級
31
/事故解基礎
初級A
/社員A
見習
32
輸入車B/
指 数
33
トラックB
2 級
34
35
RV/
輸入車A/輸入車B
/全技協
初級A
見習前
/2級リフレッシュ
見習後
22
23
24
25
26
29
30
31
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23/30 24/31 25
26
27
28
29
土・日・祝祭日
カラーナンバー一覧表(2002年版)
を販売します
自研センターでは毎年第一四半期に、国内各塗料メーカーから発表されたカラーナンバー1年間分をまと
めて自研センターニュースに掲載していますが、
今回1986年から毎年発表されてきたカラーナンバー約6000
色近くを集大成し一挙(61ページ)にまとめ「2002年版 メーカー別カラーNo.一覧表」として発売します。
1冊1,200円(消費税、送料共に別)となっておりますので、お申し込みの方は(株)
自研センター 総務企画
部 電話047-328-9111
(代)
までご連絡お待ちしております。
22
金
トラックB
3級
3
水
輸入車A/輸入車A
見習
試験
火
20
初級A
11
2
月
19
3級
試験
曜日
日
自研センターニュース 2002年10月号
日本アウダテックス社
「指数テーブル」お申し込みのご紹介
株式会社自研センターで作成した指数をタイムリーにお届けします。
「2003年版(商品番号2003)
」をお申し込みになりますと、2002年10月号から2003年8月号まで隔月毎
(年6回)発行される全ての指数テーブルを自動的にお届けします。
2003年版
商品番号
内 容
価格(送料・消費税込み)
2003年版
1.車種別編指数テーブル
2003
● 隔月発行(2002年10月号∼2003年8月号)
@18,000円
● 発行予定車種数:年間50車種程度
2.マニュアル(車種共通編指数テーブルを含む)
年6回お届けします
2002年10月号
車種別
2003年
2月号
12月号
マニュアル
車種別
車種別
4月号
車種別
6月号
8月号
車種別
車種別
マニュアル・バインダー
※2003年版には、マニュアルがセットされています。
0320
0315
マニュアル
バインダー
価格(送料・消費税込み)
◆車種共通の内板骨格修正指数・外板板金修正指数・補修塗装
指数が掲載されています。
◆指数テーブルの使用方法と指数についてのQ&Aが掲載されて
います。
@800円
@2,000円
◆指数テーブルの保管に便利です。
指数テーブル「2002年10月号」発行のご案内
●2002年10月号 指数テーブル(4メーカー・5車種)
メーカー名
車 名
型 式
*「2002年10月号」のみの単独販売は行っておりません。
プロボックス NCP50・NLP50系
ご購入を希望される方は、
「2003年版指数テーブル」セ
サクシード
NCP50・NLP50系
ット(年間購読)
〈商品番号:2003 価格18,000円〉
を お
エルグランド E51系
ホンダ
ザッツ
JD1 ・2系
マツダ
アテンザ スポーツセダン
GY3W・GYEW系
トヨタ
日産
求めください。
*バックナンバーは「96年版」
「97年版」
「98年版」
「2001年
となります。
なお、
在庫がなくなり次第販
版」
「2002年版」
売を終了させていただきますのでご了承ください。
◆「指数テーブル」のご注文およびお問い合わせ◆
日本アウダテックス株式会社
TEL:03-3356-3011
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自研センターニュース 2002年10月号
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自研センターニュース 2002.10(通巻325号)平成14年10月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 定価336円(消費税込み、送料別途)
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発行人/加田康明 編集人/八束重宣 ⃝
※乱丁、落丁の場合はお取り替えいたします。
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自研センター来訪者一覧
9月 2 日(月)
5 日(木)
トヨタ ビスタ西茨城(株)
富永取締役サービス部長
新潟県自動車車体整備協同組合連合会 長岡塗装委員長 白川委員 他2名
東京海上火災保険(株)損業部
安藤次長
●編集後記●
車両盗難事件は1999年以降毎年増加傾向にあったが、最近の警察データでは減少傾向にあることが
明らかになりました。
また日本損害保険協会が2000年11月と2001年11月に実施した調査を比較・分析し
て取り纏めた結果によればイモビライザーを装着した車両の盗難数が大幅に減少したことが大きな要
因の1つとしています。
具体的には高級車あるいは人気車種において同じ車種でもイモビライザーを
標準装備した場合とそうでない場合では盗難される台数に大きな開きが出たとしています。
ある人気
車種では267件から99件に激減したそうです。イモビライザー効果が明らかだとしています。
一方ミニ
バン、
軽自動車やコンパクトカーは相変わらず増加傾向は止まらず、
盗難件数全体で占める割合を上昇
させています。
言い換えれば盗まれる車のタイプが分散傾向
(高級車の防盗対策が先行した結果他の車
が狙われた?)
にあると警告しています。
つまり盗もうとする側
(窃盗団等)
のエネルギーは衰えてはい
ない訳で、
単に盗難防止を機械に委ねるだけではなく、
オーナーとして盗難を防ぐ基本動作すなわち
「車
を離れるときは窓を閉め、
キーを抜き、
ドアをロックする」
「車にはスペアキー、
現金、
カバンなどを置か
ない」
ことを今後も徹底するよう求めています。
但しこの調査は盗難事件全てを前提としたものではな
く、車両保険が付保されているのを前提にした調査であることをお忘れなく。
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自研センターニュース 1998年4月号
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