Comments
Description
Transcript
岐阜県児童生徒地図作品展
拡がれ!地図を作ろう ように歩いてみたい、などそれぞれのテーマにそって、よく観 岐阜県児童生徒地図作品展 察したり、インタビューをしたりして、情報を集めています。 ②創意あふれる地図表現 ― 地図に親しみ、自己表現のできる子をめざして ― 岐阜県図書館 世界分布図センター 河合 自分の調べたことを、いかにわかりやすく人に伝えるか。こ 香 れは、どんな表現活動でも苦労することです。平面地図に紙粘 土の立体を入れたり、昔らしさを表すために色づかいを考えた 1.児童生徒地図作品展の目的 地図は、私たちにとって身近なものです。そして、目的をも り、感想を俳句のリズムで表現したり、4枚の地図を回転させ ってさまざまな情報を提供しています。本やインターネットと て示したり、それぞれの個性があふれる独創的な作品がたくさ 同じように疑問を解決する情報源です。児童生徒地図作品展で んあります。 は、作品づくりを通じて、地図に興味や関心をもち、生活の中 で使いこなす力を高めることを願ってはじまり、今年で9回目 を迎えました。毎年県内の小・中・高等学校から300点以上の 応募があります。 2.子どもたちの地図作品の魅力 ①充実した地域探検 自分の町のことをもっと知りたい、身近な自然・環境が荒れ ているというのは、本当だろうか、大好きな路面電車が廃線に ならないように、そのよさを地図にしたい、中山道を昔の人の 第九回 日本地図センター理事長賞「ぼくが歩いた中山道」 三年 近藤幹大 ③深まる地域への愛着、願い 夏休みにじっくりと、地域を探検し、自分のテーマと向き合 い、地図づくりを行っていくうちに、地域への思いがふくらん でいきます。「私の町には、素敵なところがたくさんあったん だなあ。ますます好きになった」「昔の人たちの力強さにはか なわないなあ。もっとがんばらなくては」「この素晴らしい自 然を壊したくない。みんなと力を合わせ、たいせつにしたい。 第九回 県知事賞「レトロな時代へタイムスリップ」 五年 内海大成 そのための対策を自分なりに考えてみた」など。地図づくりを 通して、地域を見る目が変わっていきます。そして、子どもた ―9 ― ちの生活の中に、存在感のある地域が根づき、そこに主体的に 学年の発達段階を考慮しながら、精一杯の調査・表現をしてい 関わっていこうという意志が育っていくのです。その過程が、 る作品のよさをみつけながら審査が行われます。 二次審査は、当センターの特別顧問、日本地図センター理事 子どもたちの作品から感じられます。これらが、児童生徒地図 長、国土地理院中部地測部長、小・中・高等学校の地図に関わ 作品展の作品の魅力です。 る研究会の部長など、地図の専門家の方々に、一次審査と同様 に作品のよさをみつけながら、県知事賞をはじめとする入賞作 品15点を選んでいただいています。 審査の観点 蘆意 欲 粘り強く取り組み、本人の努力の跡がみられ るか。 蘆着 眼 力 動機がはっきりとしていて、調べようとする 内容が精選・工夫されているか。 蘆情報収集 実際の調査、取材、資料の分析などを通して、 ・思考力 その子の学びが感じられるか。 蘆表 現 力 主題が作品に表現され、色づかい、素材の選択 などその子らしい表現の工夫が感じられるか。 蘆構 成 力 作品にまとまりがみられるか。 審査員の方々からいただいたそれぞれの作品のよさは、講評 として作品に添え、作品展で紹介します。展示を見にきた方々 が講評を読み、なるほどとうなずいたり、「次はこんなことを 工夫するといいね」と話し合ったりする姿がみられます。よい 作品を見ることで地図づくりへの意欲がふくらみ、講評を読む ことで地図づくりのコツを得ていくようです。 きっと来年度も、見る人の心に作者の主張が伝わるような、 素晴らしい地図が多数応募されることでしょう。また、当セン 第九回 県教育長賞 「守られている金華山 守っていこう金華山」 四年 村瀬和正 ターとしても、地図教室や資料提供などを通して、地図づくり の応援をしていきたいと思っています。 3.審査を通してレベルアップする児童生徒地図作品展 毎年300点を超える地図作品の審査は、2度にわたって行わ 今年度の岐阜県児童生徒地図作品展の入賞作品をホーム れています。 一次審査は、地図を活用しながら授業を行う小・中・高等学 校の先生方に入選作品を選んでいただいています。それぞれの ― 10 ― ページでご覧いただけます。 http://www.library.pref.gifu.jp/map/index.html