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1. Web受付番号60-1 2. 個人/団体の別 : 個人 3. 氏名/団体名 : 非公開 4. 該当分野記号 : A 5. 該当ページ : 3,4 6. ご意見の概要 : 新たなデジタル戦略は、公平・平等という民主主義の原則に則り、情報弱者を含む老若全ての国 民が便益を享受できるものでなければなりません。 7. ご意見(本文) : 署名捺印の後継となる本人認証基盤の確立に向けて すべての市民が公平に等しく情報通信社会の 便益を享受できる為には、老いも若きもすべての市民が何時でも何処でもストレスなく実行でき る電子的本人認証手段が提供されていなければなりません。これは、全国民がひとしなみに享受 できるべきサービスを受けるためには一部の人にしか使いこなせないことが判っている文字パス ワードを使うしか選択肢のない社会とはいったい民主主義社会と呼べるものなのか、という問題 意識と重なります。 民主主義社会ではなんぴとであれ当人の意思的同意のないままに何らかの権 利義務の主体にされてしまうということはあってはならないことです。この主題は「民主主義の 必須要件としての本人認証基盤」と表すことができますが、デジタル化以前、ネット化以前の社 会ではこの本人認証基盤は当人の『署名捺印』という形で提供されていました。この『署名捺 印』本人認証基盤は当人の意思的同意のないままには完結できないものであり、金持ちも貧乏人 も、記憶力に優れた人も優れていない人も、老いも若きも、全ての市民が公平に等しく使いこな せるものとして受け入れられていました。 ところが、情報通信社会は、その社会を成立せしめた デジタル技術・精密複製技術によって『署名捺印』の有効性を疑わしいものにしてしまいまし た。つまり、民主主義の必須要件である信頼できる本人認証基盤のないままに殆どの人が情報通 信社会を生きるという状況が現出し、デジタル機器やネットワークへの依存度が高まるにつれそ の矛盾はますます深刻になっています。 すべての市民が公平に等しく情報通信社会のメリットを 享受できる為には、老いも若きもすべての市民が何時でも何処でもストレスなく実行できる電子 的本人認証手段が提供されていなければなりません。そして、電子的本人認証手段は当人の意思 的行為によってしか完結できないものでなければなりませんから記憶の照合抜きに済ませること はできません。ICカードなどによる所持物照合や指紋・静脈・虹彩などによる生体照合を使用す る場合であっても、必ず記憶照合は存在していなければなりません。 ワンストップ行政サービス を提供できる電子政府実現を念頭に確立すべき電子的本人認証基盤のポイントを整理しますと、 本人認証に関する社会の要求: 本人認証は言語と並んで社会活動が成り立つための根源的要件 であり、本人認証基盤の信頼性が崩れれば社会生活の全てが崩れます。署名捺印の後継となるデ ジタル・ネット時代の電子的本人認証基盤の確立が急務です。 信頼できる本人認証なくして電子 行政サービスなし: 全ての国民が安全に使いこなせる本人認証手段を提供できなければ電子行 政サービスは全ての国民に使ってもらうべきものとしては存在し得ません。同様に行政データの 真正性を確保する(改竄を防止する)上でも確実な本人認証は必須の要件です。 意思的行為の原 則: 権利義務の主体確定プロセスである本人認証は当人の意思的行為、 即ち、本人しか知りえ ない秘密情報=記憶情報を意思的に提示するものでなければなりません。 公平と平等の原則: 多くの人には安全に使いこなすことのできない文字数字しか記憶照合の選択肢がない状況は公平 と平等の原則を満たさず情報通信社会に大きな歪みをもたらします。 モバイル環境での利用: モバイル環境で使える本人認証手段はリスクのより低い屋内環境で使えると言えますが、屋内環 境で使えるからといってモバイル環境で使えるとは言えません。モバイル環境を前提に本人認証 の信頼性を評価しなければなりません。 全ての国民が『署名捺印』のようには文字パスワードを 使いこなしていないことは周知の事実です。文字パスワードしか選択肢が存在しない状況は民主 主義の要件を満たしているとは言えません。更なる選択肢が提供されるべきだと考えます。いわ ば正当な受益者として情報通信社会の便益を享受するためには長い階段を登るしかないのが今の 状況だとすれば、階段の横にエスカレータを設け、また空いているスペースにはエレベータを設 置することを考えるべきです。エスカレータやエレベータの費用などは、階段から転落する或い は途中で立ち往生してしまう足弱の人達の救済・救援にかかるコストの節減部分で賄えてしまい ます。 文字パスワード・暗証番号(階段)に加えて写真・漢字・イラスト(エスカレータ・エレ ベータ)をも追加選択肢として提供できる拡張型パスワードによる電子的本人認証基盤の急速な 確立が望まれます。