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事業報告書 - 一般社団法人 日本建設機械施工協会

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事業報告書 - 一般社団法人 日本建設機械施工協会
会 員
(平成28年3月31日現在)
団 体 会 員
(民法上の社員)
216名
一般社団法人
電力会社
‥‥‥‥
製造業
‥‥‥‥ 101
建設業
‥‥‥‥
53
商 社
‥‥‥‥
9
機械整備業
‥‥‥‥
4
レンタル業
‥‥‥‥
15
研究所・コンサルタント
その他
‥‥‥‥
16
団 体
‥‥‥‥
17
1
日本建設機械施工協会
支部団体会員
915名
個 人 会 員 110名
北海道支部
‥‥‥‥ 153
東北支部
‥‥‥‥ 130
北陸支部
‥‥‥‥ 125
中部支部
‥‥‥‥ 120
関西支部
‥‥‥‥ 124
中国支部
‥‥‥‥
四国支部
‥‥‥‥ 127
九州支部
‥‥‥‥
78
58
組 織
(平成27年度)
総
会
監 事
名誉会長
顧
問
参
与
会
長
副 会 長
業務執行理事
本
部
支
部
理
事
会
運営幹事会
研 究 所
○
○
○
○
○
○
○
[各種委員会等]
日本建設機械施工大賞
選考委員会
総括試験委員会
機関誌編集委員会
研究開発助成審査委員会
シンポジウム実行委員会
建設機械施工技能評価委員会
論文審査委員会
[部会関連]
[専門部会関連]
○広報部会
(「技術会議」と呼ぶ。 )
○施工部会
○新技術開発・普及会議
○環境会議
○安全技術会議
○機械部会
○標準部会
○業種別部会
・製造業部会
・建設業部会
・商社部会
・レンタル業部会
・専門工事業部会
【事 務 局・研 究 所】
[本
部]
総 務 部
経 理 部
企 画 部
業 務 部
技 術 部
標 準 部
研究調査部
試 験 部
機械経費調査部
[支
部]
北海道支部
東 北 支 部
北 陸 支 部
中 部 支 部
関 西 支 部
中 国 支 部
四 国 支 部
九 州 支 部
[施工技術総合
研究所]
総 務 部
研究第一部
研究第二部
研究第三部
研究第四部
企 画 室
目
次
平成 27 年度日本建設機械施工協会の重点項目 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
1. 総会、役員会、運営幹事会 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
2. 高度化及び標準化推進事業
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3
3. 建設機械施工技術検定試験事務事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
4. 試験・調査研究・技術開発及び災害応急対策等支援事業‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
5. 普及推進及び支援事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
6. 研修会・講習会及び表彰等事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18
7. 委託による試験・調査・研究・役務事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
8. 技術図書販売事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
9. その他事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
10. 広
報‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
11. その他‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22
主要会議回数一覧表‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22
平成 27 年度 事業報告書
平成 27 年度の事業は、以下の図に示すとおり、最近の社会的な背景をもとに4つの重点項
目を柱として個別の業務を推進した。
経済・社会の動向
地球環境問題
高まる災害リスク
資源の制約
人口減少・少子高齢化
ICT等技術革新の進展
強まる財政制約
建設に対する社会的ニーズ
く
地球温暖化対
策の推進
災害に強い次世
代インフラの構
築
建設工事の品質
確保・コスト削減
情報化施工の
推進
大気汚染・騒
音・振動の防止
建設工事現場で
の事故の低減
建設機械施工の
技術者育成・技
術向上
社会資本の老朽
化に対する適切
な維持管理
平成27年度日本建設機械施工協会の重点項目
I.環境保全
○温暖化ガス排出
削減、建設機械の
低燃費、省エネに
関わる技術開発、
制度策定支援
○オフロード法、第
4次排出ガス規制
に向けての対応
等
Ⅱ.安全・安心
○大規模災害の復旧
支援のための調査
研究等の実施
Ⅲ.品質確保・
人材育成
Ⅳ.建設生産シ
ステムの変革
○講習会・講演会の
充実
○情報化施工の研
究・技術開発・普
及・技術者育成促
進
○技術者の技術の
向上
等
○災害応急対策業務
協定に基づく関連
活動の推進
○建設機械・施工に
係る安全対策の
向上
等
○効率的かつ効果
的な維持管理・更
新に係る技術開発
等
○各部会等による技術交流・意見交換の活発化
○学術研究団体としての機能強化
○事業・活動の充実、資源の有効活用
○景気状況に拘わらず社会的ニーズに応じた着実な技術開発、調査研究等の実施
公益的活動、対外的PR及び会員サービスの充実
1
1. 総会、役員会、運営幹事会
1.1 第 4 回通常総会(社員総会)
平成 27 年 5 月 28 日(木)にホテルアジュール竹芝において開催し、次の議案について審
議した。
報告事項
(1)平成 26 年度事業報告の件
(2)平成 27 年度事業計画及び収支予算の件
(3)平成 26 年度公益目的支出計画実施報告の件
決議事項
第 1 号議案
平成 26 年度収支決算の件
第 2 号議案
理事選任の件
報告事項及び決議事項の第 1 号議案については、原案どおり決議された。第 2 号議案につ
いては、理事 4 名を選任した。
1.2 理 事 会
1) 平成 27 年 5 月 22 日(金)に機械振興会館において第 13 回理事会を開催し、
前記通常総会に
提出する議案を含む次の議案を審議し、承認された。
決議事項
第 1 号議案
平成 26 年度事業報告の件
第 2 号議案
平成 26 年度収支決算の件
第 3 号議案
平成 26 年度資金運用結果及び平成 27 年度資金運用計画の件
第 4 号議案
平成 27 年度予算の変更の件
第 5 号議案
平成 26 年度公益目的支出計画実施報告の件
報告事項
(1)退任役員及び補欠役員候補者の件
2) 平成 27 年 5 月 28 日(木)開催の通常総会の終了後に第 14 回理事会を開催し、次の決議事
項について審議した。
決議事項
第 1 号議案
業務執行理事選定の件
第 2 号議案
運営幹事選出の件
第 1 号議案については、業務執行理事に渡辺和弘氏が選定された。第 2 号議案については、
原案どおり運営幹事を選出した。
3) 平成27年10月27日(火)に機械振興会館において第15回理事会を開催し、次の報告事項、決
議事項について審議し、原案どおり承認された。
報告事項
(1)平成27年度上半期事業報告の件
(2)平成27年度上半期経理概況報告の件
2
決議事項
第1号議案
従たる事務所(東北支部)移転の件
第2号議案
総会・理事会日程の件
4) 平成28年3月25日(金)に機械振興会館において第16回理事会を開催し、次の決議事項、報
告事項について審議し、原案どおり承認された。
決議事項
第1号議案
平成28年度事業計画の件
第2号議案
平成28年度収支予算の件
第3号議案
平成27年度「事業安定準備資産」取崩の件
第4号議案
団体会員の入会申込みの件
報告事項
(1)中期事業計画(平成28年度~平成30年度)報告の件
(2)その他
1.3 運 営 幹 事 会
平成 27 年 5 月 15 日(金)、
平成 27 年 10 月 20 日(火)及び平成 28 年 3 月 18 日(金)に開催し、
理事会に提出する議案を審議、決定した。
1.4 会 計 監 査
平成 26 年度決算書類について、平成 27 年 5 月 13 日(水)に、監事により会計監査が行わ
れた。
1.5 本部・支部事務局長会議
平成 27 年 7 月 21 日(火)、22 日(水)に本部・支部事務局長会議を開催し、
「平成 27 年度学
科試験の報告について」
、
「平成 27 年度実地試験の採点の仕方および採点様式の変更につい
て」
、
「本部・支部提案について」等の議題について討議を行った。
2.高度化及び標準化推進事業
2.1
研究開発助成事業
平成 27 年 8 月 10 日~10 月 31 日に研究開発助成の募集を行い、
大学や工業高等専門学校、
民間企業から 11 件の応募があった。
平成 27 年 12 月に審査会を開催し、以下の助成対象を選定した。
・
「ポータブルIHを用いた熱処理による社会基盤鋼構造物の疲労寿命向上」
名古屋大学大学院 工学研究科
准教授
廣畑 幹人
(研究開発助成審査委員会)
3
2.2
高 度 化 推 進 事 業
1) 情報化施工の研究・技術開発・普及促進
情報化施工の一層の普及・定着による建設施工の品質確保、生産効率や労働安全性の向上
等を図るため、情報化施工を担う技術者・技能者約 100 名を対象に情報化施工研修会を 4 回
実施するとともに、国・地方公共団体等が実施する研修会に講師を派遣した(5回)
。
2.3
標 準 化 事 業
ISO 規格の国内審議団体、日本工業規格(JIS)の原案策定者として、建設機械に係る規格
標準化事業を実施している。その他に JIS を補完するものとして協会規格(JCMAS)の策定
等の標準化事業を推進している。
2.3.1 標 準 部 会
●部会組織
標準化会議、国内標準委員会、ISO/TC127 土工機械委員会〔傘下にSC 1 分科会、SC 2 分科
会、SC 3 分科会、SC 4 分科会、SC 3/WG 5 分科会、他に特設グループ〕
、ISO/TC195 建設
用機械及び装置委員会〔傘下にISO/TC 195/SC 1 分科会、TC 195/WG 8 分科会、TC 195/WG 9
分科会〕
、ISO/TC214 昇降式作業台委員会
2.3.1.1 国際標準化活動
日本工業標準調査会(JISC)の承諾の下に当協会が国内審議団体になっている国際標準化
機関(ISO)の建設機械に関する専門委員会 TC 127(土工機械専門委員会)
、TC 195(建設
用機械及び装置専門委員会)
、TC 214(昇降式作業台専門委員会)に関連し、対応する各委
員会にて国際規格についての開発、審議、検討を行った。
1) ISO/TC 127 対応活動
国際委員会の P(積極参加)メンバーとして ISO 規格作成に参画するだけでなく、傘下の
分科委員会 TC 127/SC 3(機械特性・電気及び電子系・運用及び保全)の国際議長を務め、
また、幹事国業務を実施して国際分科委員会を運営し、2015 年 9 月の ISO/TC 127 ラハイナ
総会では日本担当の SC 3 分科委員会国際会議を運営するなどして、SC 3 での円滑な規格審
議・作成・促進を図った。
さらに、ISO 15143 シリーズ(施工現場情報交換)にデータ項目の定義などを追加する拡
張のための MA(メンテナンス機関)を幹事国として運営することとなった。
これに加えて、国際作業グループ TC 127/SC 3/WG 4(ISO 15818 つり上げ及び固縛箇所)
、
TC 127/SC 2/WG 25(危険検知装置及び視覚補助 ISO 16001 改正)などについては、コンビ
ナー(主査)
・幹事を務め、規格作成を推進して活動中である。なお、ISO 10261(製品識別
番号)で規定されている製造年のコードが 2015 年限りとなっており、日本担当で準備した
追補案 DAM は、満票で承認され発行された。他にも ISO 12117-2(油圧ショベル ROPS)の追
補も近日中に発行見込みであり、長年の懸案であった前記 ISO 15818 も最終国際規格案 FDIS
投票に付され制定発行が近づいている。
これらに加えて今後の作業の候補である新業務の「衝突検知、回避システム」及び前記 ISO
10261 の土工機械以外の路外作業車両への適用範囲拡大についても、日本が担当している。
4
また、日本以外の担当案件でも、EU において建設機械との衝突による人身事故が問題とな
っており、
土工機械に関する欧州整合化規格 EN 474 の視界性に関する引用箇所が EU 機械
(安
全)指令の附属書に規定する必須の安全要求事項に不適合である旨決定された。
(平成 27 年
1 月に EU 官報公示)このため、EU 委員会への(技術的な)諮問機関から発せされた勧告事
項に絞って改正を検討し、DIS 投票に付された ISO 5006 などの重要案件にも、積極的に専
門家を派遣して、日本に不都合な方向とならないよう参画を図っている。
なお、TC 127 に関しては、平成 29 年 6 月前半に日本で TC 127 総会の開催が決定され、標
準化官民戦略に沿って日本の建設機械産業のより一層の国際標準化対応を推進する良い機
会であることから、製造業部会などと開催方法等について協議している。
2) ISO/TC 195 対応活動
委員会の P メンバーとして ISO 国際規格作成に参画するだけでなく、傘下の分科委員会 TC
195/SC 1(コンクリ-ト機械)に関して国際議長を務めるとともに幹事国業務を実施して国
際分科委員会を運営して SC 1 における円滑な規格審議・作成を図っている。10 月にチリ国
サンチャゴ市で開催の ISO/TC 195 総会の一環としての SC 1 分科委員会の開催を運営し、国
内対応委員会の体制として TC 195/SC 1、TC 195/WG 8 及び TC 195/WG 9 に対応する各国内
分科委員会を、機械部会と調整をはかりつつ開催している。また、トラックミキサの用語及
び商業仕様などに優先的に取り組み、コンビナーとして WG 運営をしている。
・ ISO/CD 19711-1.2(日本提案)モバイルミキサ-第 1 部:用語及び商業仕様:日本が WG 4
主査国として推進、第 2 次 CD 投票を実施し、中国を除く多数国の賛成を得ており、10 月
19 日のサンチアゴ国際会議の論議も踏まえ、DIS へ進めるべく準備中である。
また、TC 195/SC 1 での各国担当の案件に関しても、国際議長国・幹事国として、積極的
に案件の推進に取り組んでいる。
3) ISO/TC 214 対応活動
委員会の P メンバーとして ISO 国際規格作成に参画しているが、国際会議、業務項目がな
く、既発行の案件の定期見直しなどに対応しているだけという状況であった。しかしながら、
ISO/TC 214 国際議長、及び、傘下の国際作業グループ ISO/TC 214/WG 1(高所作業車)のコ
ンビナー(いずれも米国)が交代し、平成 28 年 6 月に米国シアトル市で TC 214 及び同 WG 1
の総会が開催される予定である。また、高所作業車の操縦装置に関する新業務提案が投票に
付されるなど、再活性化しているので、日本としても対応を図る必要がある。
4) ISO 国際会議
次の国際会議に専門家を派遣などした。
会
議
日 程
1 ISO/TC 127/SC 2/WG 24
平成27年5月
11~13日
2 ISO/TC 127/SC 1/WG 5(ISO 5006 運転員 平成27年5月
の視野)
26~27日
3 ISO/TC 127/SC 3/WG 5(ISO 15143-3施工 平成27年5月
現場情報交換-第3部:テレマティクスデ 28~29日
ータ)
5
開催場所
日本の出
席
英国
1名
フランス
3名
ドイツ
3名
4 ISO/TC 127/SC 2/WG 16(ISO13766 電磁両
立性 EMC)
5 ISO/TC 82/JWG 5(ISO 19296 坑内走行機
械)、ISO/TC 127/SC 2/WG 22(ISO 17757
自律式機械の安全)
6 ISO/TC 127/SC 2/WG 24 特設会議
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
平成27年6月
18日
平成27年6月
22~25日
平成27年8月
17~21日
ISO/TC 127 ( 土 工 機 械 ) 総 会 、 ISO/TC 平成27年9月
127/CAG 議長諮問グループ会議、ISO/TC 13~17日
127 傘下の各分科委員会(SC 1~SC 4)国
際会議、ISO/TC 127/SC 3/WG 12(ISO 6405
操作用及び表示用識別図記号規格群)
ISO/TC 127/SC 1/WG 5(ISO 5006 運転員 平成27年9月
の視野)
28~29日
ISO 路外作業車両 TC 連携会議
平成27年9月
30
ISO/TC 127/SC 2/WG 23(ISO 7096 座席振 平成27年10月
動伝達特性 改正)
1日
ISO/TC 195 総会(SC 1 及び各 WG 会議含む) 平成27年10月
19~22日
ISO/TC 127/WG 8(持続可能性(今回は ISO 平成27年11月
10987-2 リマン、-3 中古車)
)
13~14日
ISO/TC 127/SC 2/WG 24(ISO 19014 制御 平成27年12月
システムの安全)
7~9日
ISO/TC 127/WG 16(ISO/TR 19948 適合性 平成27年12月
評価及び認証手順)
9日
ISO/TC 127/SC 1/WG 5(ISO 5006 運転員 平成27年12月
の視野 長期的改正)
10~11日
ISO/TC 127/SC 2/WG 21(ISO 5010 かじ取 平成28年2月2
り装置要求事項 改正)
~3日
ISO/TC 127/SC 3/WG 13(ISO 6750 取扱説 平成28年2月3
明書 改正)
~4日
ISO/TC 127/SC 2/WG 26(ISO 10968 操縦 平成28年2月4
装置 改正)
~5日
ISO/TC 127/SC 2/WG 22(ISO 17757 自律 平成28年3月2
式機械の安全)
~4日
ドイツ
スウェーデ
ン
1名
米国
前の会議
1名、後の
会議3名
1名
米国
6名
フランス
2名
フランス
1名
ドイツ
1名
チリ
3名
中国
1名
英国
1名
英国
1名
英国
3名
スウェーデ
ン
スウェーデ
ン
スウェーデ
ン
オーストラ
リア
1名
1名
1名
3名
※ その他スウェーデン担当の案件を中心にウェブ会議が多数開催され、
これに参画した。
2.3.1.2 国内標準化活動
JIS A 8302(土工機械-運転員・整備員の乗降用、移動用設備)について、最新の ISO 2867
の改正を反映するように改正原案を作成し規格協会に提出し、規格案文の調整のうえで、大
臣への申出に進めることとなった。
なお、一般財団法人日本規格協会の支援を受けて、次の JIS 原案を作成中である。
・ JIS A 8327(改正)土工機械-機械装着前後進警笛-音響試験方法及び性能基準
・ JIS A 8335(改正)土工機械-非金属製燃料タンクの性能要求事項
6
・ JIS A 8909(改正)土工機械-保護構造の室内評価試験-たわみ限界領域の仕様
他方、建設機械の地球温暖化ガス排出低減へ向けたホイールローダに関する燃費測定のた
め、JCMAS にハイブリッド式なども適用対象に含めるよう JCMAS H 022(改正)
(土工機械-
エネルギー消費量試験方法-ホイールローダ)を改正発行した。これに加えて、ラフテレー
ンクレーンに関しても同様に適用対象に含めるよう JCMAS H xxx(ラフテレーンクレーン作
業燃料消費量試験方法)の審議検討を開始した。
また、降雪が少ない場合においても除雪機械の試験を実施できるよう、JCMAS T xxx (ロ
ータリ除雪車-集雪による除雪性能試験方法)の審議検討も開始した。
3.建設機械施工技術検定試験事務事業
1) 学科試験
平成 27 年度1・2級建設機械施工技術検定学科試験を平成 27 年 6 月 21 日に全国 10 会場
で実施した。その結果は以下のとおりである。
[1級]受検者数 3,544 名
合格者数 1,207 名
学科試験の合格率 34.1%
[2級]学科試験の受検者数、合格者数、合格率
区
第
第
第
第
第
第
合
分
1
2
3
4
5
6
受検者数
種
種
種
種
種
種
計
合格者数
347 名
3,586 名
56 名
225 名
43 名
50 名
4,307 名
945 名
6,620 名
156 名
617 名
111 名
73 名
8,522 名
合格率
36.7%
54.2%
35.9%
36.5%
38.7%
68.5%
50.5%
2)実地試験
実地試験については、学科試験合格者、学科試験免除該当者(2級技術研修修了者及び前
年度実地試験不合格者(欠席者含む)
)に対し、1級及び2級とも全国 13 会場で平成 27 年
8 月下旬から 9 月中旬にかけて実施した。その結果は以下のとおりである。
[1級]受検者数 1,282 名
合格者数 1,133 名
実地試験の合格率 88.4%
学科受験者(3,517 名:実地での欠席者は除く)と学科免除者(102 名:実地での
欠席者は除く)に対する最終合格率
7
31.3%
[2級] 実地試験の受検者数、合格者数、合格率
区
第
第
第
第
第
第
合
1
2
3
4
5
6
分
種
種
種
種
種
種
計
受検者数
392 名
3,708 名
63 名
231 名
41 名
50 名
4,485 名
合格者数
319 名
3,281 名
55 名
201 名
36 名
44 名
3,936 名
合格率
81.4%
88.5%
87.3%
87.0%
87.8%
88.0%
87.8%
学科受験者と学科免除者及び技術研修修了者に対する最終合格率(実地での欠席者は除く)
区
第
第
第
第
第
第
合
1
2
3
4
5
6
分
種
種
種
種
種
種
計
受検者数
990 名
6,742 名
163 名
623 名
109 名
73 名
8,700 名
合格者数
319 名
3,281 名
55 名
201 名
36 名
44 名
3,936 名
合格率
32.2%
48.7%
33.7%
32.3%
33.0%
60.3%
45.2%
(総括試験委員会)
4.試験・調査研究・技術開発及び災害応急対策等支援事業
4.1
試験・調査研究・技術開発
試験・調査研究・技術開発について、各部会、施工技術総合研究所、及び支部の部会・委
員会等で積極的に取り組んだ。
4.1.1
施
工
部
会
●部会組織
運営連絡会、情報化施工委員会、大深度地下空間施工技術委員会、建設副産物リサイク
ル委員会、除雪技術委員会、災害復旧技術委員会、機械損料・機械経費検討会、橋梁架
設工事委員会、大口径岩盤削孔委員会
1) 各委員会の施工技術に係る諸課題の調査等に関する活動について、部会総括の視点から適
時提言を行った。
(運営連絡会)
2) 情報化施工により東北被災 3 県の復興を支援するため、
「復興支援WG」を設置し、情報化
施工への疑問や相談に応じるサイトを協会HPに設け、復興事業に情報化施工技術を活用し
てみたい事業者を対象に工事受注後から竣工までをサポート・支援する取り組み“チャレン
ジ業者募集”を継続した。支援工事第 2 号として福島県相馬郡新地町で施工している都市公
8
園造成工事(命山の構築工事)に対し情報化施工導入の支援を行った。なお、この支援工事
第 2 号をもって復興事業における“チャレンジ業者募集”を終了した。
また、
「研修ワーキング」では人材育成のための情報化施工研修会に講師協力するとともに、
大学向け情報化施工講義用テキストを作成する「普及促進委員会」では第 1 次原稿をとりま
とめた。さらに、情報化施工現場における問題事例を整理するための「Q&Aワーキング」
では「情報化施工Q&A」をとりまとめた。
なお、情報化施工委員会は、国土交通省がさらなる ICT 技術の全面的な活用などを通じてプ
ロセス全体の最適化を目指す「i-Construction」実施の方針を掲げたことを受けて次年度に新
たに設置する「i-Construction 施工による生産性向上推進本部」に移行するとともに、WG
も再編することとした。
(情報化施工委員会)
3) 公共事業における建設副産物のリサイクルを促進するため、自走式ふるい機も含めたリサ
イクル機械の活用について調査、検討を行った。
(建設副産物リサイクル委員会)
4) 道路除雪技術の向上及び安全施工を推進するため、委員会での講習内容の検討結果を踏ま
えて 10 月 30 日(金)に講習会を開催し、講習資料とともに協会が作成した「道路除雪オペレ
ータの手引」もテキストとして配布した。
(除雪技術委員会)
5) 災害復旧支援における無人化施工の支援に関する課題整理、対応策について検討を行った。
(災害復旧技術委員会)
6) 機械経費に関する各種調査のほか、損料解説資料のとりまとめを行った。
(機械損料・機械経費検討会)
7) 橋梁(鋼橋・PC 橋) 架設・補修補強及び大口径岩盤削孔関連の積算基準等の検討を行うと
ともに、
「建設機械等損料、橋梁架設、大口径岩盤削孔工法」に関して、全国 4 箇所で実施
された講習会に講師協力を行った。
(橋梁架設工事委員会、大口径岩盤削孔委員会)
4.1.2
機 械 部 会
●部会組織
運営連絡会、幹事会、原動機技術委員会、トラクタ技術委員会、ショベル技術委員会、ダ
ンプトラック技術委員会、路盤・舗装機械技術委員会、コンクリート機械技術委員会、基礎
工事用機械技術委員会、建築生産機械技術委員会、除雪機械技術委員会、トンネル機械技術
委員会、油脂技術委員会、情報化機器技術委員会、機械整備技術委員会
1)・ ISO 規格改定に伴う C 規格改正について、標準部と協力し予備調査を実施した。
2)・ 5 委員会にてホームページのメンテンスを実施した。
(各技術委員会)
3)・ 建設機械搭載原動機の排出ガス規制関連情報について意見交換するとともに、各種技術課
題の情報を共有した。
・ 排出ガス規制について、中国、北米、欧州、韓国、ブラジル、インドネシア他の最新海外
規制動向の情報を共有し意見交換を実施した。
(原動機技術委員会)
4) ・ トピックスとして各社新商品の紹介を行い、新型機の技術動向について情報交換した。
・ 「建設車両用タイヤの選定・使用・整備・基準」の改訂に向け、掲載する引用文献のチ
9
ェックを実施した。
・ 省エネ建設機械(ハイブリッド、電動、情報化施工)導入補助事業での燃費改善効果算
出基準と計算方法、過去の経緯について再確認し、経済産業省に提言を行った。
(トラクタ技術委員会)
5)・ JCMAS H020 国際規格化推進における問題点として、海外では油圧ショベルの標準バケ
ット容量という考え方がないため、それに代わるクラス分類基準として、エンジン出力、
運転質量の両方で検討した結果、運転質量ベースで国際委員会へ提案することとした。
(ショベル技術委員会)
6)・ 人材育成の一助として、ダンプトラックの動画をホームページとリンクする活動を実施
しすることとし、動画の選定と紹介コピーを決定し、レイアウト等の原稿作成を継続中で
ある。
・ ダンプトラックの最新の車両運行管理システムについて、ホームページに紹介を掲載す
るための活動を継続する。
(ダンプトラック技術委員会)
7)・ 「社内情報化施工教育の実例」及び「情報化施工委員会復興支援 WG の活動」の報告を共
有した。
・ 道路施工分野でのドローンの活用に関して国土技術政策総合研究所と民間会社からの報告
を受け議論した。
(路盤・舗装機械技術委員会)
8)・ トラックミキサ ISO 規格について、各国のコメント対応を検討してドラフトを作成し、10
月の ISO TC195 国際会議に出席した。
・ ISO18651-1 内部振動機の定期見直しを開始した。
(コンクリート機械技術委員会)
9)・ 基礎工事用機械として分類されるアタッチメント装着機械について、その用途と種類の整
理を行い、専用機とアタッチメントの判断区分についてディスカッションを実施した。
・ 大深度(市街地での 50m以深)立坑の用途・種別・施工性について、現状の工法及び施工機
械、最近の施工事例等を紹介し、今後の施工法を議論した。
・ 大深度の立坑工事である川崎市地下調整池中間立坑本体工事現場(深度 63.6m)の見学会
を実施した。
(基礎工事用機械技術委員会)
10)・ ラフテレーンクレーンの作業燃費計測方法の JCMAS 化について、クラス分けと各クラスの
基準値案を設定した。また、地球温暖化検討分科会に向けて国土交通省と協議した。
・ 作業燃費計測方法の JCMAS 案を国内標準化委員会に提案した。
(建築生産機械技術委員会)
11)・ ロータリ除雪機械性能試験方法について、
「雪質の規定」JCMAS 原案を作成した。2 月の国
内標準化委員会で審議をされ意見受付公告が予定されている。
・ 除雪機械技術ハンドブックの除雪グレーダについて、改訂原案を作成した。
・ 土木施工 10 月号に「オフロード法に対応した除雪グレーダの開発」を掲載した。
10
・ 9 月に札幌市の(株)協和機械製作所と(株)日本除雪機製作所の工場見学を実施した。
(除雪機械技術委員会)
12)・ トンネル機械の排出ガス規制対応について、平成 26 年度に実施したアンケート結果(74
社より回答)を分析し、メーカの取組み、施工側を含めた現状における問題点と懸念事
項について整理し報告書にまとめた。また、これを基に行政との意見交換を実施する予
定である。
(トンネル機械技術委員会)
13) ・ 作動油オンファイル届出油種は 1 件増加で 10 件に、グリースオンファイル届出油種は、
2 件増加で 11 件になった。機械メーカだけでなく OEM、油脂メーカにも推進に向け社内
調整等を行ってもらった。
・ 高効率作動油の規格化をめざすことを決定した。また、現状の高効率作動油のアンケー
トを実施した。
(油脂技術委員会)
14) ・ 国土交通省の i-Construction の動向について情報共有した。
・ 除雪ICTシステムとして Eagle JCMAS 活用について、秋田市の除雪システムの事例を
中心に議論した。この結果、Eagle JCMAS のデータ通信活用は、技術的には可能であるが、
除雪作業においてはリアルタイム性が要求されるため、車載端末-サーバ間通信の通信
費増等経済的にユーザメリットを出すのは難しく、実現性は低いと判断した。
(情報化機器技術委員会)
15) ・ 排出ガス 4 次規制暫定段階(2011 年基準)対応における、DPF 再生のしくみ、フィルタ
洗浄等、各メーカの取組みについて情報を共有した。
・ エンジン故障診断機器の統一に向けて、各建機メーカ、レンタル会社、整備専門会社か
らの要望の取りまとめを実施した。
(機械整備技術委員会)
16)・ 12 月の機械部会・製造業部会合同技術連絡会において、
「廃棄物処理法における設置認
可と移動式産業廃棄物処理施設」及び「移動式破砕施設の種類と構造」ついて報告した。
・ 2 月の合同部会において、
「移動式破砕施設の種類と構造について」を報告した。
(自走式リサイクル機械分科会)
4.1.3
業 種 別 部 会
4.1.3.1 製 造 業 部 会
1) 小幹事会・幹事会及び部会等を適宜開催して、製造業部会の事業を推進するとともに、他
部会の事業において製造業に関わる事業の推進に協力した。特に、燃費基準達成建設機械認
定制度における次期燃費基準検討への提案を通した環境保全活動、情報化施工普及支援活動、
及び施工における機械安全活動を重点テーマとして活動を行った。
① 情報化施工の機能を持つ機械の普及に関しては、
「関東地方整備局との意見交換会」
(7
月)
、
「国土交通省における生産性向上の取り組みに関する説明会」
(9 月)
、
「国土交通省
11
における i-Construction 説明会」
(12 月)
、
「情報化施工技術委員会主催の情報化施工現
場見学会」
(1 月)等への参加を通して情報収集と意見交換を実施した。引き続き製造業
部会の立場から情報化施工の普及促進に協力する。
② 平成 26 年 6 月に施行された車両系木材伐出機械の労働安全衛生規則の改定に関しては、
厚生労働省からの Q&A 発行の確認を行ったが未だ発行されず、確認を継続している。
③ 平成 26 年 4 月に発出された「機械ユーザから機械メーカ等への災害情報等の提供促進」
に対応し、建設業部会にて取りまとめ中の事故情報・ヒヤリハット情報について建設業
部会との意見交換を行った。今後これを受けて製造業部会の対応を検討することとした。
また、
「設計技術者、生産技術管理者への機械安全教育」については基本カリキュラム入
手のうえ、必要に応じて部会内に展開する。
④ 建設機械の燃費基準認定制度については、先行 3 機種の次期燃費基準の運用及びホイー
ルクレーンの燃費基準創設に関し国土交通省と打合せを行い、地球温暖化対策検討分科
会に向けた提案を行った。引き続き次期(2030 年を提案)燃費基準公開に向けた詳細検
討を行う。
2) 機械部会との合同技術連絡会(6 月)や他部会との合同部会(2 月)を開催し、共通課題に
関する制度・技術動向について共通認識を図った。
4.1.3.2 建 設 業 部 会
1) 事業活動計画及び事業活動結果について審議・承認し、計画に基づき活動した。(三役会
11 回、部会 3 回開催)
2) 建設生産性向上、建設コストの縮減、品質確保の推進をテーマとして、次の活動を行った。
また、機電技術者の交流・育成に資する「場づくり」として意見交換会、現場見学会を企
画・開催した。
(機電技術者交流企画 WG)
① 平成 27 年 10 月 8、9 日、第 19 回機電技術者意見交換会を開催した。
(参加者 23 名)ま
た、交換会の模様を平成 27 年 10 月 13 日、建設3紙に掲載した。意見交換会の報告書は、
平成 28 年 3 月にホームページに掲載し、機関誌「建設機械施工」には平成 28 年 5 月号
に掲載する予定である。
② 平成 27 年 10 月 9 日に、
「ロボットスーツ HAL の開発」
「陸前高田震災復興事業」の講演
会を開催した。
③ 若手機電技術者の知識向上を目的とした見学会を開催した。
・ 平成 27 年 7 月 13 日に霞が関シールド工事(施工者:前田・大日本 JV、参加者 21 名)
機関誌「建設機械施工」9 月号に見学報告を掲載した。
・ 平成 28 年 2 月 18 日に中之島フェスティバルタワー・ウェスト新築工事(施工者:竹
中工務店、参加者 27 名)機関誌「建設機械施工」平成 28 年 4 月号に見学報告を掲載予
定である。
3) 安全の推進、災害応急復旧技術の開発等として、建設機械の事故防止に資する諸活動を展
開した。
① 建設機械(クレーン以外)の事故・災害事例の収集・整理を実施した。収集した事例につい
12
てキーワード分類、発生要因分析等を実施中である。
(建設機械安全情報 WG)
② クレーンの事故・災害事例を収集した。そのうち、タワー式クローラクレーン転倒事故情
報について、部会内への情報発信と再発防止に関するアンケート調査の準備を進めている。
(クレーン安全情報 WG)
4) 新機種の開発、IT 化、情報化施工、自動化の推進として、次の活動を行った。
① 平成 27 年 9 月 9、10 日、ICT 技術の利活用を促進するための「場」として、平取ダム建設
工事(施工者:西松・岩田地崎・岩倉 JV)
、厚幌ダム(安藤ハザマ・岩田地崎・田中 JV)の
見学会を開催した。
(参加者 14 名)見学会報告を「建設機械施工」平成 27 年 10 月号に掲
載した。
② 平成 27 年 9 月 9 日に国土交通省における生産性向上の取り組みに関する説明会に参加した。
(参加者 15 名)
③ 平成 28 年 1 月 20 日に他業種ロボット技術の調査を目的として、コマツ粟津工場の見学会
を実施した。
(参加者 17 名)見学会報告を「建設機械施工」平成 28 年 3 月号に掲載した。
4.1.3.3 レ ン タ ル 業 部 会
1) 建機レンタル業と関わっている諸問題について、部会内及び他部会との情報交換等を通じ
で問題意識の共有化を図り、他団体との情報交換も進めてきた。
2) 9 月 3 日には、㈱アイチコーポレーション新治工場を見学・意見交換し、同時に部会を開
催した。
3) 分科会活動のテーマとして、「レンタカー」に関する適正運用を目指すべく検討を進め、最終
報告をとりまとめてホームページに掲載した。主な検討項目は、①登録車庫の適正化、②法定点
検の完全実施、③転貸に関する諸問題等、の正しい運用についてである。
4) 部会、分科会の度に、部会員共通の問題・課題を抽出し、対処方法等に関して協議を進め
てきた。
4.1.3.4 専 門 部 会
建設ロボット技術に関して、国土交通省等と連携して、各地の高等専門学校が実施する
「KOSEN 発イノベーティブ・ジャパンプロジェクト」の一環で実施される「建設現場実装プ
ロジェクト」を支援した。
4.1.4 施工技術総合研究所
1)自主研究
建設技術の向上と建設事業の効率化を目的に、機械・トンネル・土工・舗装・橋梁等の各
分野の重要課題について、3 件の自主研究を実施した。
① IH塗膜除去工法に関する研究
② CIMに関する研究
③ CIMの現場適用性に関する研究
13
2)共同研究
大学及び民間との共同研究 7 件を実施した。
① シザーズ構造を用いた橋の最適補強による実用化研究
② 亜熱帯海洋環境下における防錆塗料の耐久性に関する研究
③ 低温下における道路橋部材の性能評価に関する研究
④ 「コンクリート床版用水分計の開発」に関する共同研究
⑤ 残留応力が溶接継手部の疲労強度に及ぼす影響に関する研究
⑥ トンネルの補強工法に関する研究
⑦ マシンコントロール油圧ショベルの操作支援効果に関する共同研究
4.1.5
支部の部会・委員会等
支部においても状況に応じて、各部会や委員会において各種調査を行った。
4.2
災害応急対策等支援事業
1) 災害応急対策業務
国土交通省各地方整備局等と各々の本・支部との間で締結している災害応急対策協定に基
づき、本・支部支援組織の体制表の更新・整備を行った。
2) 災害応急対策協定に関連する活動
中部支部においては、中部技術事務所との「広域災害等における災害対策用機械等の運用
支援に関する協定書」に基づき、次の業務を実施した。
① 9 月 11 日~14 日 東日本豪雨災害支援で茨城県常総市へ排水ポンプ車及び照明車を運
搬し、排水作業を実施した。
さらに、各支部においては、災害応急対策協定に基づき、次の業務等を実施した。
① 防災訓練・水防演習への協力や参加(本部・5 支部)
② 災害対策用機械の設置・操作研修会等への参加(3 支部)
4.3
海 外 調 査 事 業
1)海外視察団
平成 27 年 4 月 20 日(月)~25 日(土)にフランス・パリで開催された “intermat 2015”に
視察団(参加者 16 名)を派遣した。
また、平成 28 年 4 月 11 日(月)~17 日にドイツ・ミュンヘンで開催される “bauma2016 ”
に視察団を派遣する準備を行った。
4.4
次世代無人化施工技術研究事業
国土交通大臣の認可を受け、平成 26 年 10 月 14 日に設立した「次世代無人化施工技術研究
組合」の組合員として、
「無人化施工の新展開 ~遠隔操作による半水中作業システムの実
現~」の研究を行った。平成 27 年度開発のプロトタイプ初号機による水中走行実験を、施
工技術総合研究所にて実施した。
14
5.普及推進及び支援事業
5.1
建設施工及び建設機械に関するシンポジウム
「平成 27 年度建設施工と建設機械シンポジウム」を平成 27 年 12 月 1 日(火)、2 日(水)に
機械振興会館で開催し、論文発表、ポスターセッション、特別講演、基調講演及びパネルデ
ィスカッションを実施した。
論文・ポスターセッションは、
「災害対策、防災、復旧・復興」を初めとした 6 分野で論文
等を広く募集し、産学官から論文が 39 編、ポスターセッションは 11 編の応募があり、6 分
野に分けて論文発表と質疑応答が行われた。(1 日の参加者約 260 名)
特別講演では、国土交通省公共事業企画調整課施工安全企画室長 岩見吉輝氏に
「i-Construction について」と題して、その必要性、内容、今後の課題などについて紹介
して頂いた。
基調講演では、
(一社)全国治水砂防協会常務理事 南哲行氏に「近年の土砂災害と無人化
施工」と題して、国土利用における砂防事業の必要性、これまでの各地の砂防事業における
無人化施工の取組み、これからの無人化施工の必要性と課題などについて説明して頂いた。
引き続いてのパネルディスカッションでは、
「無人化施工の新たな歩み」と題して、パネリ
ストに(一社)全国治水砂防協会南哲行常務理事、国土交通省公共事業企画調整課新田恭士
企画専門官、
(一財)先端建設技術センター吉田貴参事、(株)熊谷組土木技術本部北原成郞
機材部長、コーディネーターとして東北大学大学院高橋弘教授により、雲仙普賢岳で開発さ
れた「第3世代」の無人化施工に対して、近年の新たな災害に対応するなどの新たな「第4
世代」の無人化施工としての新たな技術開発が進んだいることの紹介と、これからの無人化
施工技術の方向性についてディスカッションされた。
最後に、優秀論文賞 2 編、論文賞 3 編、優秀ポスター賞 3 編が表彰された。
(シンポジウム実行委員会)
○ 優秀論文賞
① 電動技術によるハイブリッドホイールローダの開発
石田一雄、日暮昌輝(日立建機(株))
② 大水深対応型水中作業ロボットの開発
小川和樹、泉信也、飯田宏 (東亜建設工業(株))
、
大村誠司、津久井慎吾(トピー工業(株)
)
、
高橋弘(東北大学大学院)
○ 論文賞
① ダムコンクリート搬送用インクライン式ベルトコンベヤの開発-五ヶ山ダム(巡航 RCD
工法)におけるコンクリート運搬打設設備-
青野隆、林健二、大林信彦(鹿島建設(株))
15
② IoT を取入れた次世代無人化施工システムの実現-ICT を活用した赤松谷川 11 号床固工
工事の無人化施工-
飛鳥馬翼、北原成郎、坂西孝仁((株)熊谷組)
③ 定張力ウインチシステムと斜面舗装機械の開発
伊藤圭祐(鹿島道路(株))
○ 優秀ポスター賞
① 放射性汚染廃棄物土のう用重機式放射能簡易計測装置 Siki~四季を感じる故郷に戻
そう~油圧ショベル双腕仕様機による災害対応
竹内豊(日立建機日本(株))
② トータルステーションと携帯情報端末による杭打設管理システム-鋼管杭等の場所打
ち杭・斜杭の位置、傾きをリアルタイムに数値管理-
山口秀樹(西尾レントオール(株)
)
③ ICT 現場管理ツール群
5.2
水谷亮、國近京輔、岩井田英昭 (鹿島建設(株)
)
日本建設機械施工大賞
第 27 回一般社団法人日本建設機械施工大賞として、大賞部門は応募 8 件の中から最優秀賞
1 件、優秀賞 2 件、選考委員会賞 1 件を、地域賞部門は応募 5 件の中から地域貢献賞 2 件を
以下のとおり決定し表彰した。
(日本建設機械施工大賞選考委員会)
○ 大賞部門
最優秀賞:66時間型枠存置が可能な新型テレスコピックセントルの開発
―覆工コンクリート品質向上への挑戦―
(鹿島建設株式会社)
優秀賞:
「全自動ブレード制御機能搭載」中小型 ICT ブルドーザの開発
(株式会社小松製作所)
優秀賞:災害廃棄物処理における「造粒再生砕石製造技術」の開発と実用化
(清水建設株式会社、恵和工業株式会社)
選考委員会賞:のり面吹付けの機械化施工「Robo-Shot(ロボショット)
」の開発
(ライト工業株式会社)
○ 地域賞部門
地域貢献賞:PC 床版架設機による PC 床版架設
(株式会社野田自動車工業所)
地域貢献賞:防潮堤法面用護岸ブロック専用吊具の開発
(玉石重機(株)
)
16
5.3
展 示 会 等
5.3.1
建設機械と施工技術展示会
次期開催について検討した。
5.3.2
除雪機械展示会
除雪機械展示会を「ゆきみらい 2016 in 盛岡」の一環として下記のとおり開催した。
・日
時:平成 28 年 2 月 9 日(火)、10 日(水)
・場
所:岩手県盛岡市 アイーナ(いわて県民情報交流センター)隣接盛岡市有地
・出展団体:15 団体
・来場者数:約 1,900 名
5.3.3
他機関事業への参画等
以下に掲げる関係機関の各種事業に参加等をした。
・ 防災推進協議会(防災フェア 2015)に参加した。
・ 「国土交通行政推進事業」
(主催:建設広報協議会)に参加した。
また、支部においても、他機関開催事業への参画・事業協賛等を行った。
5.4
技術審査証明事業
民間が自主的に開発した下記の建設機械化技術について、学識経験者等により組織する審
査委員会を設けて審査証明を実施した。
① ツイン・ブレードミキシング工法(スラリー系機械攪拌式中層混合処理工法)更新
② 長距離・高揚程材料圧送工法(ユニラップ工法)更新
5.5
税制改正要望等に関する建議
平成 28 年度税制に関する国の施策に対して、
当協会及び関係 9 団体で自由民主党に対して、
低炭素型建設機械購入に対する優遇税制の創設、中小企業投資促進税制(法人税)の拡充、及
び消費税に係る中小企業の事務負担等の軽減等の「平成 28 年度税制改正要望」を行った。
5.6
行政機関との意見交換
1) 社会資本の効果的・効率的な整備等に資するため、建設機械及び除雪機械に関して国土交
通省と意見交換・情報交換を行った。
2) 支部においても、機械設備・建設機械整備等に関して、また、建設事業推進のため各地方
整備局と意見交換会を開催した。
17
5.7
機 関 誌 の 出 版 等
1) 機関誌の発行
機関誌「建設機械施工」平成 27 年 4 月号~平成 28 年 3 月号を発行した。
(機関誌編集委員会)
2) 支部においても支部機関誌等を発行した。
5.8
論 文 投 稿
平成 26 年度に投稿された論文 1 篇、平成 27 年度に投稿された論文 2 篇を審査した。
(論文審査委員会)
5.9
建設機械・建設施工に関するデータベース
構築した協会が保有する技術論文のデータベースの拡充を図ると共に、希少文献となった
書籍等の電子データ化を進めている。
6.研修会・講習会及び表彰等事業
6.1
外国人技能実習制度評価試験
1) 外国人の「建設機械施工」の分野での実習に対し、その実習成果を評価するための試験を、
310 回 888 名に対して実施した。再試験の実施は、21 回 32 名となっている。
なお、受検者の増大に伴う経費増に対応するため、受検料の改定に取組み平成 28 年 4 月 1
日から改定することとなった。
(建設機械施工技能評価委員会)
6.2
研修、講習会等事業及び継続教育事業
1) 建設機械施工に携わる技術者・技能者の継続教育
建設機械施工技士をはじめとした建設機械施工に携わる技術者・技能者の技術力向上を図
るため、継続教育制度に関して検討を進めている。
2) 講習会等の開催
本部において、情報化施工研修会、施工法、除雪、積算等の講習会を開催した。
3) 研修会等の開催
施工技術総合研究所において、土木技術者を対象とした次の研修会等を開催した。
① 情報化施工研修会(ICT建設機械の実地研修)の公募研修を 2 回、企業研修を 2 回開
催した。
② 弾性波による防護柵等支柱根入れ長さ測定技術者講習会を 3 回開催した。
③ 吹付け監理技術者講習会を 3 回開催した。
④ 吹付ノズルマン技能試験を 1 回開催した。
18
4) 支部においては、状況に応じて次の講習会・講演会・見学会・研修会等を開催している。
① 国土交通行政に関する講演会等(8 支部)
② 除雪機械技術講習会(5 支部)
③ 情報化施工講習会(6 支部)
④ 建設機械等損料・施工技術・積算に関する講習会(4 支部)
⑤ 現場見学会(6 支部)
⑥ 新機種・新工法発表会(2 支部)
⑦ 技術映画映写会(4 支部)
⑧ 安全に関する講習会(1 支部)
6.3
優良建設機械運転員等表彰
支部においては、建設機械優良運転員・整備員等 105 名を表彰した。
7.委託による試験・調査・研究・役務事業
7.1
受 託 事 業
国の政策等に対応して必要となる業務について、官公庁等からの 55 件の業務を受託した。
その他、建設機械の性能試験及び検査・評定等、技術指導並びに材料試験等を実施した。
7.1.1 建設機械に関する調査・研究・開発
建設機械の性能向上および新機種の開発などに関する試験研究ならびに建設機械の耐久性、
安全性などの調査試験研究を下記のとおり実施した。
① 新機種の開発
6件
② 安全性に関する調査研究
1件
③ 環境対策に関する調査研究
1件
④ 防災・復旧対策に関する調査研究
1件
⑤ 技能向上に関する調査研究
1件
7.1.2 機械化施工に関する調査・試験・研究
道路、トンネル、橋梁、ダム、河川など建設工事全般にわたる機械化施工法の調査試験研
究をはじめ、大規模工事、特殊工事における使用機械の選定や積算、これに伴う施工方式な
どの諸問題について、下記のとおり調査試験研究を実施した。
① 情報化施工・新技術の活用に関する調査研究
12 件
② 積算・機械損料等に関する調査研究
11 件
③ トンネルに関する調査研究
7件
④ 道路・舗装・土工に関する調査研究
1件
19
⑤ 橋梁に関する調査研究
16 件
⑥ ダム・河川に関する調査研究
2件
7.1.3 疲労試験および構造物等強度試験等
鋼構造物およびコンクリート構造物の疲労試験を実施し、構造物の疲労特性等の検討を実
施した。
① 鋼床版および厚板鋼材等の疲労試験
14 件
② 構造物等強度試験
12 件
③ 検査技術に関する試験研究
5件
7.1.4 建設機械の性能試験及び検査・評定等
メーカの依頼により性能試験を実施した。また、建設機械に関する評定・認定等を実施し
た。
① ROPS 等の性能試験
② 除雪機械の性能試験
ROPS 12 件、TOPS 4 件、OPG 3 件
ロータリ除雪車 6 件、除雪グレーダ 2 件
③ 特定特殊自動車の使用確認の検査
52 件
④ 排出ガス対策型原動機の評定
3件
⑤ 低騒音型建設機械の計量証明
139 件
⑥ 標準操作方式建設機械の認定
64 件
⑦ ウォータージェットによるはつり処理性能試験
24 件
⑧ その他性能試験
3件
7.1.5 技術指導
建設機械、機械化施工法等に関する技術的諸問題について、20 件の技術指導を実施した。
7.1.6 材料試験
土木建築工事に必要な各種材料等について、下記の材料試験を実施した。
① 床版防水工性能評価試験
10 件
② 断面修復材性能評価試験
5件
③ 新補修材料性能確認試験
11 件
④ 凍結融解試験
1件
⑤ 橋梁伸縮装置止水性能試験
3件
⑥ コンクリート試験
21 件
20
8.技術図書販売事業
8.1
技術図書販売事業等
1) 協会の活動成果を活用し、次の図書を出版した。
・
「建設機械等損料表」
(平成 27 年度版)
・
「橋梁架設工事の積算」
(平成 27 年度版)
・日本建設機械要覧 2016 年版
2) 低騒音型等建設機械用ラベル等の販売を行った。
9.そ の 他 事 業
9.1 その他事業
1)試験研究施設について、43 件の施設貸与を行った。
2)国・地方公共団体等が実施する研修会に講師を派遣した。
10.広
10.1
報
広 報 部 会
●部会組織
日本建設機械要覧編集委員会
1) 各部会、委員会に対し広報の視点から適宜提言を行った。
2) 各部会・委員会の活動成果を機関誌・ホームページに公開し、協会の存在価値を広くアピ
ールした。
3) 会員のニーズを把握し、的確な情報をタイムリーに提供した。
4) 「第 125 回 建設施工研修会」を平成 27 年 6 月 11 日に開催した。会員各社から提供され
た 13 篇の映像記録を上映、概ね 100 名が視聴した。
21
11.そ の 他
1) 公益性の高い事業・活動を継続的かつ安定的に推進していくための基金及び特定資産を活
用し、情報化施工研修等公益事業を積極的に推進した。
2) 一般社団法人移行に当たって内閣府から認可された「公益目的支出計画」に沿って事業を
実施した。
3) 団体会員等表彰規程に基づき、永年団体会員 146 社及び永年役員 13 名を会長表彰した。
本・支部
本 部
北海道
東 北
北 陸
中 部
関 西
中 国
四 国
九 州
計
永年団体会員表彰
60 年以上
3
50 年以上
1
1
1
1
1
5
1
2
6
40 年以上
1
1
1
9
60
1
73
22
30 年以上
12
16
11
2
1
2
5
1
50
20 年以上
2
2
1
1
3
3
12
永年役員
表彰
計
7
16
17
14
2
6
14
68
2
146
2
4
3
1
2
1
13
主 要 会 議 回 数 一 覧 表
(平成 27 年 4 月 1 日~平成 28 年 3 月 31 日)
総会・理事会・運営幹事会等
名
開催
回数
称
部
会
名
称
専門部会(技術会議)等
開催
回数
名
称
開催
回数
会
1
施 工 部 会
19
総括試験委員会
3
会
4
機 械 部 会
117
日本建設機械施工
大賞選考委員会
2
運営幹事会
3
標 準 部 会
15
本部支部事務局会議
1
製造業部会
13
総
理
事
機関誌編集委員会
1
会 計 監 査
計
10
合
建設業部会
36
レンタル業部会
10
計
210
計
研究開発助成
審査委員会
2
計
47
267
23
40
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