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Hot Roll Forging Ring Rolling

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Hot Roll Forging Ring Rolling
熱間回転鍛造 リングローリング
野 見 山 智 広 三菱長崎機工 ㈱
熱間鍛造は古くから使用されてきた塑性加工法のひとつである。その中
でも様々な環状部品の代表的な加工法である熱間回転鍛造「リングロー
リング」について概要を解説し、現状の課題やその取組みの一部につい
て紹介する。
1.はじめに
近年、熱間鍛造加工においてもますます高精度化、
られている。リングローリング鍛造についても他の
自動化、省エネ化が求められているが、実際の鍛
鍛造加工と同様に様々な要求に対応するよう開発が
造作業については今だに経験と勘にたよることが多
進められている。ここではリングローリング鍛造の
い。しかし最近の塑性変形の解析技術や鍛造設備の
概要と現状での課題と開発の動向などについて紹介
制御技術の進歩によって高精度化などの様々な要求
する。
に対応できるフレキシブルな鍛造設備の開発が進め
2.リングローリング鍛造
14
2.1 リングローリングの特徴
な圧下力で成形が行え、鍛造プレス設備と比較する
リングローリングは環状部品の代表的な加工法で
と騒音や振動が少なく作業環境が良好であると言え
あり、矩形断面から異形断面まで各種フランジやギ
る。また、連続的な材料流れが得られ高い圧下率に
ヤ、ベアリングレースなどの成形に使用されている。
より良好で微細な結晶組織及び滑らかな表面状況と
リング材の加工方法としては、鍛造プレス・ハンマ
良好な寸法精度も得ることができる。さらにリング
による自由鍛造やフラッシュバット、矯正などの方
ローリングは比較的工具設備が単純であるので多品
法がありリングローリングと製法上競合する。この
種少量・大量生産のいずれにも対応でき、特に異形
リングローリングとは鍛造プレスなどにより予備成
断面の成形ができ機械加工代についても少なくする
形されたドーナツ状の材料を回転するロール間で半
ことができるので歩留りの良いリング成形が可能で
径方向の厚みを圧下することによりその断面を減少
ある。
させながらリング外径を拡径させる加工法である。
リングローリング鍛造の始まりは 100 年以上前に
また、それらの加工法を行うための機械をリング
ヨーロッパで考案され、当初は主に鉄道用タイヤの
ローリングミルという。
製造に用いられていた。日本国内でも 1900 年初め頃
リングローリングはリング成形が回転によって行
に導入され鉄道の発達と共に鉄道用タイヤが量産さ
われ、部分接触による連続的な圧下であるのでプレ
れるようになった。さらにベアリングや自動車の需
スなどによる鍛造法でのリング成形と比較して小さ
要が増大するとともにベアリングレースやギヤ素材
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特集 回転成形技術の動向
表 1 製品用途
用途
部品名
機械部品(産業・建設・土木)
溝付きタイヤ、歯車、ボールレース、ベアリングレース、ドラムタイヤピストン
リング
輸送機器(鉄道・船舶・自動車) 車輪、タイヤ、歯車、フランジ、電気機関車用駆動歯車、舶用歯車
プラント(配管・石油化学)
反応塔用フランジ、熱交換用フランジ、カップリング、ベアリングカバー
航空機エンジン
ケースタービン、ケースコンプレッサー、エアシーリング、ノズルベアリング、
フランジ、ファンケース、ベアリングサポート
ガスタービン
シールレールリング、ノズル、コニカルシーリング、フランジ
原子力プラント
フランジ、ガイドリング、カップリング
風力発電プラント
ギヤ、タワーフランジ
用といった小型のリング部品にも使用されるように
ングの初期から使用されている。図 2 のようなフィッ
なった。また、タイヤ用を除く大型のリング部品に
シュテールを防止することができない。
ついても建設機械や産業機械設備用の大型リングな
らびにフランジの需要の増大により使用されている。
リングローリングにおいて表 1 に示すように変形
抵抗の低い炭素鋼は言うに及ばず、変形抵抗の高い
スーパーアロイなどを材料とする航空・宇宙産業、
ガスタービン、原子力プラントなどの部品類にも適
用されるなどあらゆる産業分野のリング材がリング
ローリングにより成形されている。リングローリン
グされる金属材料は、炭素鋼やニッケル・コバルト
図 2 フィッシュテール
系合金、チタン系合金などだけでなく銅、アルミウ
ムなど広範囲の金属材料の圧延が可能である。
近 年 で は リ ン グ ロ ー リ ン グ の 大 型 化、 難 加 工
材へのさらなる適用によって最大リング外径が
(2)横型(ラジアル−アキシャル型)リングローリ
ングミル
φ9000mm、圧延力が 1000 ton を超える設備も導入
図 3 に示すようにラジアル型の欠点であるフィッ
されている。
シュテールの発生を防止するためにリング断面の高
さ方向を圧下する機構を追加したリングローリング
2.2 リングローリングミルの特徴
ミルである。
次にリングローリングミルの構造について説明
その他構造上ではリング材を水平方向に置くか、
する。
垂直方向に置くかによって、横型式と縦型式がある
(1)横型(ラジアル型)リングローリングミル
が、製品重量や搬入出の点から横型式が主に採用さ
図 1 に示すように半径方向の厚みをロール圧延す
ることによって外径を拡径する構造でリングローリ
図 1 ラジアル型
図 3 ラジアル−アキシャル型
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れている。縦型式には図 4 a、b の示すようにラジア
この型式の機械は、以下の各種ロールから構成さ
ル型のロール構造で圧延方向を単純に地面に対して
れる。
斜めや垂直に傾けたものや一般的に斉藤式と呼ばれ
①メインロール:地下ピットないしフレーム下部に
る日本独自のリングローリングミルがある(図 5)。
設置された電動機、減速機を介して回転駆動される。
この斉藤式リングローリングミルは軸が一定の角度
②マンドレル:基本的に回転駆動はなく圧延時はリ
で傾斜して駆動する 2 ケのメインロールと従動する
ング材を介してメインロールの回転により従動回
マンドレルとで肉厚方向と高さ方向が圧下され、さ
転する。リング半径方向の圧延を行う。その圧延
らに数個配置されたガイドロールでリングを拘束し
はマンドレルをドーナツ状の荒地の穴に挿入しメ
圧延を行う。
インロールへ押し付けて行う。
③アキシャルロール:リング高さ方向の圧延を行う。
メインロールの反対側に配置され、円錐形をして
上下一対をなしている。上下ロール共駆動される
場合と上ロールのみ駆動される場合があり、DC
モータやインバータが使用される。
④センターリングロール:メインロールの両側にそ
れぞれ 1 ヶずつ配置され、圧延中のリングをガイ
ドし、リングの滑らかな回転と真円を保つ役割を
持つ。
(a)
⑤メジャーリングロール:上下アキシャルロール間
に配置され圧延中、常に接触しリングの外径を計
測する役割を持つ。
各ロール移動用のアクチュエータは油圧を駆動源
としている。また、小型リング成形では油圧駆動
に変わりサーボモータを駆動源としたメカ式リング
ローリングミルが使用されている場合もある。この
メカ式リングローリングミルは油圧式と比較して油
管理が不要、運転時の騒音の減少、高精度などの利
点があるが能力的な制約があり、油圧式ほど一般的
(b)
図 4 縦型リングローリングミル
でない。
2.3 リングローリング成形
2.3.1 リングローリングの工程
リングローリングでのリング素材は回転炉やバッ
チ炉、インダクションヒータなどで加熱された後、油
圧プレスやメカ式プレス、ハンマなどを使用して自
由鍛造または金型で閉塞鍛造され、その後リングロー
リングミルで所定の形状、寸法まで成形される。荒
地成形の工程は一般的に据込み、ポンチング(穿孔・
成形)、ピアシング(穴明け)の 3 工程で行われる。
また、リングローリングの後工程として所定の熱処
理を行い、機械加工、試験・検査を経て最終製品と
なる。これらリングローリングを使用したリング成形
図 5 斉藤式リングローリングミル
の一連の工程を図 6 に示す。一般的な鋼材で矩形断
面や単純異形断面のリングローリングでは荒地鍛造
後の再加熱やプリローリングを行わず、荒地鍛造−
16
ここでは今日主流として使用されている横型(ラ
最終成形リングローリングを連続的に行う場合も多
ジアル−アキシャル型)リングローリングミルにつ
い。通常は荒地鍛造やそのハンドリング、リングロー
いて詳しく構造を説明する。
リングミルとそのリング搬入出などの各工程に作業
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特集 回転成形技術の動向
図 6 リング製造工程
員を複数人配置してリング圧延作業を実施するが、市
ようマンドレルの圧下速度が制御される。最終外径
販のハンドリングロボットなどのマテハン装置を使
到達付近では拡径速度を遅くし、リング仕上がり精
用し各工程を連動化して最小人員の配置でリング圧
度の向上が図られる。
延が可能なラインの自動化も進められている(図 7)。
(2)高さ方向圧延
円錐形をした上下 2 つのアキシャルロールで高さ方
向の圧延が行われる。リング形状に適した圧下制御に
より仕上がり高さに移動するよう位置制御される。
(3)アキシャルフレーム後退位置制御とアキシャル
ロール回転数制御
アキシャルロールとリングの接触部分で周速が異
なりスリップが起きるとリングが振られ、精度の良
いリング圧延を行うことができない。そこでアキ
シャルロールの仮想頂点とリング中心位置を一致さ
せそれぞれの周速が同じになるようにリングの拡が
りに応じてアキシャルフレームを後退させる。つま
りリング外径成長量の 1/2 でフレームが後退すれば
常にこの状態を保持することができ、刻々と変化す
るリングとアキシャルロール接触部分の周速を一致
図 7 自動圧延ライン
2.3.2 リングローリングの制御
リングローリングは材質、荒地重量、断面形状、鍛
造温度など様々なファクターにより圧下速度や圧延
させるよう DC モータやインバータを採用して回転
数を可変制御させる(図 8)。
Ni
周速:V
V
di ・π
n5
メインロール
n4
n3
n2
n1
力に微妙なコントロールが必要で、この操作は熟練の
アキシャルロール回転数
最終リング
作業者による手動圧延で行われ、加工精度や生産性は
作業者に左右された。しかし近年は油圧技術及び制御
技術の進歩とともに自動化が完成されている。
一般的な自動圧延のプロセスは以下のように制御
される。
(1)半径方向圧延
一定速度で回転するメインロールとマンドレル
d1
マンドレル
d2
d3
d4
d5
アキシャルロール
図 8 アキシャルロール回転数
の 2 つのロール間で圧延され、マンドレルを主ロー
しかし、この方式で例えば外径 φ4500mm のリン
ル側に移動させ荒地の肉厚を減少させ、リングを拡
グを圧延するとすれば長さ 2250mm のアキシャル
径させる。適切に設定されたリング拡径速度となる
ロールが必要となるが、実際にはそのような長さは
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構造上困難であり、大径用リングローリングミルで
2.3.3 リングローリングの形状と寸法
もアキシャルロール長さは 1000mm 程度である。ア
リングローリングで成形されるリング断面形状
キシャルロール長さ× 2 倍を超える外径を圧延する
は、単純矩形のものと異形断面のものに大別できる。
場合、スリップを享受しながら圧延するパターンが
矩形断面リングの成形は、リングローリングの基本
一般であるが、このスリップにより、
であり圧延方法は図 3 によるが、異形断面のリング
−アキシャルロールの摩耗を早める
成形を行うためにはリングローリングの各工程での
−リングの振れや浮上がりなどを発生させる
寸法や形状、金型設計のみならず荒地材の寸法、形
といった影響がある。このスリップを防止するため
状なども重要な要因であり、経験を含めて高度な工
にアキシャルロールの回転制御の補正が行われる。
程設計、造形方案、金型方案などが必要となる。
(4)センターリングロール制御
センターリングロールの制御方式には圧力制御と
位置制御がある。圧力制御とはリングにある力で常
にセンターリングロールを押し付けながらリング
拡径に伴い、そのリングからの反力によりセンター
リングロールが押し拡げられる方式である。しかし
押付け力が不適切であるとリングを押し潰すことも
あり得る。これに対して位置制御とは刻々と変化す
るリング外径に応じて幾何学的に求まる位置へセン
ターリングロールを強制的に移動させる方式であ
る。圧力制御、位置制御ともに圧延最終段階ではそ
の位置を保持し真円を向上させる。
小型リング図 9 リング断面形状大型リング
荒地
ローリング
荒地
1
9
2
10
3
11
4
12
5
13
ローリング
6
7
14
8
15
図 10 荒地−ローリング寸法
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特集 回転成形技術の動向
表 2 加熱温度及び加工温度
図 9 及び図 10 にリング断面形状例及び荒地−ロー
リング後の寸法例を示す。
合金系
リングローリングは外径に対して内径の小さいリ
ング、例えばディスク上のリングや外径に対して高
さが高い円筒状のリングの圧延はリング上下面や側
鉄
面のヒケが発生するので注意が必要である。また、
異形断面のリングにおいては上下対称で上下の重量
が等しいものは比較的容易に圧延できるが、上下非
対称で上下の重量が等しくないものについては上下
の圧延率が異なってくるので欠肉が生じるなどの不
銅
アルミニウム
結晶粒度、メタルフロー、常温、高温引張りなどの
材料特性を得るためにきわめて重要な要素である。
表 2 に各材質に対する温度範囲を示す。特に航空部
1200 ∼ 800
合金鋼
1200 ∼ 850
工具鋼
1150 ∼ 900
銅
800 ∼ 700
黄銅
アルミニウム青銅
750 ∼ 500
850 ∼ 650
550 ∼ 400
ニクロム
1100 ∼ 800
モネル
1100 ∼ 800
ハステロイ C-276
1100 ∼ 850
インコネル 600
1100 ∼ 800
コバルト
ヘインズアロイ No.25
1150 ∼ 850
Fe-Ni
インコロイ 800H
1100 ∼ 800
チタン
Ti-6Al-4V
ニッケル
リングローリングにおいて各材質に対する加熱温
度の設定は、成形されるリングに対して要求される
温度(℃)
炭素鋼
ジュラルミン
具合が発生しやすい。
2.3.4 リングローリングの温度条件・管理
合金名
950 ∼ 750
品用など使用条件が厳しいリング材料では加熱炉の
炉内温度分布が設定温度に対して±15℃以内と熱処
厳しい管理が必要である。
理炉なみに厳しい温度管理の中で加熱することが求
また、材料の適正な温度管理がなされていない場
められる。従って航空部品用リング材の成形につい
合、材料特性への影響のみならず、圧延中リングの
ては単純な矩形断面のリングであっても適正な品質
浮上がりやうねり、欠肉といった現象を生じ、リン
特性を得るために再加熱を繰り返しながら圧延を行
グ外・内径の真円度不良、寸法のばらつき、リング
うため、温度条件とともに圧延工程の高度な設計と
の傾き(ラッパ形状)といった影響を及ぼす。
3.リングローリングの課題と取組み
近年、ますます需要が高まる熱間リング圧延市場
マンドレルなどの各種ロールやテーブルの高さ微調
において省エネ志向、コスト競争力の向上要求を受
整機構などが補助機能として従来のリングローリン
け、圧延リングの高精度ニアネットシェイプ化が求
グミルに追加されている。また、メインロールをカ
められている。リングローリングの制御の自動化な
セット化しロール交換作業の時間短縮に対応してい
どによって生産性の向上は図られてきているが、高
る場合もある。
精度ニアネットシェイプ化については多くの課題が
複雑な異形断面リングの外径測定においても課題
ある。それらの課題を克服するためリングローリン
があった。リング外径を測定するメジャーリング
グミルの機械的要素や圧延ノウハウの構築に関する
ロールはこれまで接触式タイプであったために複雑
取組みが必要であり、その一部を紹介する。
な異形断面リングでは必要な外径位置での寸法測定
ができない場合があった。しかしレーザによる非接
3.1 リングローリングミルの機械要素の向上
触外径計測装置により、複雑な異形断面リングにつ
現状の異形断面リング製造工程においては複数個
いても安定したリング外径測定が可能になってい
のロールを用いる多工程プロセスとなり、複数回の
る。以上のように高性能の圧延を実現させるために
ロール交換作業とリング素材の再加熱工程が必要と
さまざまな機構や装置が考案されている。
なる。さらに異形断面リングの圧延は金型へリング素
材が入り込む型鍛造に近い形の圧延となるので各種
ロールや圧延テーブルの位置関係が矩形断面リング
3.2 変形解析シミュレーションを使用した圧延
ノウハウの構築
ローリングの場合と比較して厳しく管理されなけれ
リングローリングにおいて荒地形状と圧延条件設
ばならない。これらに対応するためにメインロール、
定の最適化を行うことが圧延リングのニアネット
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シェイプ化を進める上で非常に重要となる。現状の
延力、高さ方向圧延力の圧延実績とシミュレーショ
リング製造工程においては新規品番の生産立ち上げ
ン結果を参考例として示す。圧延力、外径変化とも
ごとに各工程で荒地形状や圧延設定条件の最適化を
にほぼ一致している。
見出すための試圧延を複数回繰り返し行っている。
70
70
に試圧延によらない新たな圧延ノウハウの構築が求
められているが、近年になってリングローリングに
おける変形解析シミュレーション技術を利用した取
組みが始まっている。この試圧延によらない圧延ノ
ウハウが構築できれば新規品番ごとに必要であった
試圧延の削減が可能となり、コスト縮小が期待でき
る。さらにこの圧延ノウハウがさらに高度化できれ
半径方向圧延力 [% ]
半径方向圧延力 [%]
この作業には多くの手間とコストが必要となるため
ば高精度ニアネットシェイプ化がますます進むと考
50
50
40
40
30
30
20
20
10
10
00
えられる。図 11 a、b、c に外径 φ4000mm の矩形
4000
4000
80
80
シミュレーション
― シミュレーション
実測結果
― 実測結果
2500
2500
2000
2000
1500
1500
1000
1000
高さ方向圧延力 [% ]
高さ方向圧延力 [%]
90
90
3000
3000
70
70
シミュレーション
― シミュレーション
実測結果
― 実測結果
60
60
50
50
40
40
30
30
20
20
10
10
500
500
00
00
‑10
-10
100
150
200
250
300
350
0
50
0 50 100 150 200 250 300 350
圧延時間 [sec]
圧延時間 [sec ]
100
150
200
250
300
350
0
50
0 50 100 150 200 250 300 350
圧延時間 [sec]
圧延時間 [sec ]
(b)半径方向圧延力
4500
4500
リング外径変化 [mm]
リング外径変化 [ m m]
断面大型圧延リングにおける外径変化、半径方向圧
3500
3500
シミュレーション
― シミュレーション
実測結果
― 実測結果
60
60
0
50
100
150
200
250
300
350
0 50 100 150 200 250 300 350
圧延時間 [sec]
圧延時間 [sec ]
(a)外径変化
(c)高さ方向圧延力
図 11 矩形断面大型圧延リングにおける実測とシミュレーションの結果
4.おわりに
以上、熱間回転鍛造リングローリングについての
参考文献
概要と現状の動向について紹介した。今後の課題と
1 )中小企業総合事業団:熱間自由鍛造,鍛造荒地加工及
しては先に述べたように高度なリング圧延ノウハウ
の構築を含めたさらなるニアネットシェイプ化が挙
げられる。また、日本国内では航空産業用部品を中
心とした難加工材のリングローリングの需要が増加
すると思われるのでリングローリング設備の高出力
びローリング鍛造マニュアル(2000 年)P37- 43.
2 )葉山益次郎:新回転加工 理論と応用(1992年)P295-335.
3 )日本塑性加工学会:回転加工 −転造とスピニング−
(1990 年)P106 -127.
4 )守谷巌樹:鍛造技報 第 34 号(1988 年)P43 - 52.
化とその設備の安定した稼働が求められる。
リングローリング製造メーカー及びリングローリ
ングを使用する鍛造メーカーともに今後もさまざま
な取組みを行い、付加価値の高い新しい生産システ
ムの構築ができることを期待したい。
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三菱長崎機工 株式会社 設計部
〒 851-0301 長崎県長崎市深堀町 1-2-1
TEL. 095-871-2932 FAX. 095-871-3288
http://www.mnm.co.jp/
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