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Vol.7 (2016年3月1日発行) - お茶の水女子大学 博士課程教育

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Vol.7 (2016年3月1日発行) - お茶の水女子大学 博士課程教育
世界で花開く女性リーダーを目指す|文部科学省博士課程教育リーディングプログラム
「みがかずば」の精神に基づきイノベーションを創出し続ける
理工系グローバルリーダーの育成
Bouquet
ニュースレター「ブーケ」
7
Vol.
2016.3
O c h an omizu Uni versi ty
特集
「みがかずば」の精神とともに
夢の実現を目指して
プログラムの特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・ 02
プログラムの活動・・・・・・・・・・・・・・・・・ 03
活動報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 04
スタディコモンズ教員紹介・・・・・・・・・・・・・ 06
Information ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 08
「みがかずば」の精神とともに
特集
夢の実現を目指して
〜イノベーションを創出し続け、即戦力として活躍するグローバルな人材へ〜
プログラムの活動
▶ PBTS(Project Based Team Study)
PBTS とは学生が主体性を持ち、異なる分野のメンバーと共同で行うプロジェク
トです。プロジェクトテーマは、学生が自主的に決め、その課題解決に取り組み
お茶の水女子大学は 1875 年(明治 8 年)に創立した、国内初めての女子高等教育機関です。140 年間、一貫して女性
の自立と社会的活躍、社会の知的基盤の充実を目指してきました。そのゴールは、学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、
真摯な夢の実現を可能とすることです。
ます。毎週、チーム毎に集まり、活動しています。
企業のプロジェクトをモデル化した活動で、実践力を養います。
2015 年度 研究テーマ
アンチエイジング
抗老化を助けるための緑茶成分研究
この伝統を受け継ぎ、お茶の水女子大学「
『みがかずば』の精神に基づきイノベーション創出し続ける理工系グローバル
教育
プログラミングを通した理論的思考力の育成
リーダーの育成」は 2015 年度、本学の校歌として歌い継がれた「みがかずば」の精神とともに、新しい学位プログラ
シンクロナイゼーション
皮膚細胞の培養時のパターン形成モデル開発
ムとして設立されました。
水処理
食品工場排水中の油分処理
環境
ダイオキシン検出の小型装置開発(2016 年度に継続)
プログラムが目指す人物像
▶グローバル研修
1.企業・公的機関・NPO 法人等を中心とした研究以外のフィールドでもトップリーダーとして活躍できる人材
PBTS の研究テーマについての見識を広げ、国際力や語学力を身につけるインター
ンシップを行っています。2015 年度は 10 名の履修生がグローバル研修 I として、
2.高い国際性・学際性をベースとし、俯瞰的な視点から社会的課題に挑戦し、解決に導ける人材
国内と海外にある企業や研究機関に派遣されました。グローバル研修 I の派遣期
3.確かな研究能力をバックグラウンドに、イノベーションを創出するプロジェクトをマネージメントできる人材
間は3か月以上 6 か月以内です。
プログラムに参加するには
2015 年度 インターンシップ先
米国
New York University
Virginia Polytechnic Institute and State University
する意思のある方)です。大学院の入学試験に合わせて 2 月と 8 月の年2回、選抜試験を行っています。選抜された方
英国
University of Oxford
は「グローバル理工学副専攻」履修生としてプログラムに参加できます。
フランス
University of Strasbourg(2 名)
オーストラリア
University of Technology Sydney
対象となる方は、お茶の水女子大学大学院前期課程の理学専攻とライフサイエンス専攻へ入学する方(後期課程に進学
国立健康・栄養研究所
日本
プログラム履修の流れ
富士通株式会社
島根大学医学部
パラグアイ
市役所・福祉施設(ピラポ市)
主専攻の各自の研究を続けながら、グローバル理工学副専攻にて共同で研究テーマに取組みます。
▶社会発信・他校のリーディングプログラム生との交流等
全国に 62 プログラムが進行していますので、同じ大学だけなく様々な他大学の学
生と情報交換、研究交流をはかっています。
主な 2015 年度の活動実績
早稲田大学・慶応義塾大学・お茶の水女子大学リーディングプログラム合同交流会実施
東京工業大学リーディングプログラム学生による PBTS への参加
全国リーディングフォーラムへの参加
全国リーディング大学院プログラム合同女子会への参加(2016 年3月予定)
経団連・産業技術委員会産学官連係推進部会で履修生が発表
第1回ビジネス構想コンペティション(東京工業大学主催)に履修生が PBTS 研究をもとに出場
(2016 年3月予定)
Origami Workshop(3 回)
グローバル研修報告会(3回)
02
03
Activity Report
03
ベトナムの研究機関を訪問しました
2015 年 10 月 30 日(金) 国立ハノイ教育大学(HANU)
ベトナム科学技術アカデミー・ゲノム機関 (VAST)
ベトナム首都ハノイ市は人々の活気がいたるところにあり、今まさに
01
めざましい発展をとげています。その街の中心部にある、ベトナムを
ベトナム技術アカデミー・ゲノム
機関にて
代表する大学と研究機関に履修生が訪問しました。ベトナムと日本の理工系分野の学生同士の交流を図るため、
「PBTS」活動レポート
Synchronization
生物学を専攻している女子学生の方々と交流し、日本で学ぶことについて関心を持っていただける機会を持ち
ました。
(シンクロナイゼーション)チーム
私たちの研究テーマは、「培養皮膚繊維芽細胞の集合
04
パターン形成におけるコラーゲンの影響」です。異な
る濃度のコラーゲンコートディッシュ上で培養した皮
膚繊維芽細胞の実験画像を解析し、シミュレーション
結果と比較することで、集合パターンに影響を与える
キャリアプランセミナーを開催しました
2015 年 12 月 16 日(水)12:30 ~ 14:00
共通講義棟 2 号館 1 階 102 室
企業で活躍中の講師をお呼びして、理系女子学生のキャリアプランや大学
因子を特定することを試みています。この集合パター
ンに影響を与える因子を見積もる手法は、新規化粧品
株式会社 IH
院進学の意義について考えるセミナーを開催しました。
I 久保田伸
成分の線維芽細胞への効果、つまり皮膚への効果を調
彦氏
講師には、株式会社 IHI 総合開発センター副所長の久保田伸彦氏と、株式
会社永谷園 研究・開発本部の石川祐希氏をお招きしました。久保田氏から
査することに利用できると考えています。
は企業が求めるのはどんな博士人材なのか、お茶大 OG の石川氏からは大
学院での学びがどんな風に仕事に役に立つのかを、それぞれお話いただき
ました。
講演後には質疑応答も活発に行われ、進路に悩む学生たちにとって有意義
祐希氏
株式会社永谷園 石川
02
「PBTS」活動レポート
Water(水)チーム
水チームでは「酵素を利用した油脂含有排水の新規
処理システムの提案」をテーマに研究を行っていま
す。酵素利用は高い処理効率を実現させる一方で、
高コストである点が課題でした。今年度は、この課
題を解決する新たなシステムを考案しました。また、
システム実現に向けて、酵素による実排水処理効率
の確認やシステム導入が必要な地域の調査等、設計
と需要の二点から取り組んできました。今後は、科
学的根拠に基づいた提案を目指し、より実践的な検
討を行う予定です。
05
なセミナーとなりました。
2015 年度 第 2 回
グローバル研修報告会を開催しました
2015 年 12 月 16 日(水)15:00 ~ 16:50
共通講義棟 2 号館 1 階 102 室
本プログラムでは、
「グローバル研修Ⅰ」
(学外での研究活動)を実施し、修
了後は報告会にて成果を英語で発表します。第 2 回報告会では、以下の研
修について発表されました。
研修先
パラグアイ/ピラポ市役所、
日本人ひまわり会
(高齢者デイケアグループ)
研修内容
・給食メニューの栄養計算と必要食材量の算出
・健康長寿者とお茶の喫飲の実態についての調査
富士通株式会社
プログラミング教育の企画立案
フランス/ストラスブール大学
ブドウ園での農薬の環境影響に関する研究
フランス/ストラスブール大学
抗老化化粧品での熱代ランの潜在性に関する研究
報告会には誰でも自由に参加できます。次回は、1 期生最後の報告会で、
3 月に開催を予定しています。
04
05
Study Commons
Tripette, Julien(トリペッテ、ジュリアン)先生
特任准教授(工学分野)(Essential Engineering & Technology for Global Leaders 担当)
専門分野:Health promotion
(スタディコモンズ)教員紹介
スタディコモンズ教員は、グローバルに活躍する人材を育成するために、世界各国から採用されました。多彩な専門性を持つ
Q. 出身地はどんな所ですか?
教員の皆さんを数回に分けてご紹介します。
生まれはフランスの首都パリで 12 歳の時にリヨンに引っ越しました。博士課程在学時代にカ
リブ海に浮かぶ西インド諸島のグアドループで過ごしました。グアドループはフランスの元植
民地でフランスと古くから関係があります。フランス本土も多民族国ですが、ここグアドルー
Kondo, Minako(近藤 未菜子)先生
特任講師
専門分野:化学・分子分光学
プではフランス人は少数派になり、逆の環境で過ごすのは初めての経験となりました。博士課
程で学んでいる時、毎日の最大のチャレンジは、いかに早く実験を終わらせて、日が沈む前にサーフィンをするかでした。そ
れでも、勉強も頑張り、3年間の博士課程の間に、ISI データベース掲載のジャーナルに 18 本論文を掲載しました。
Q. 海外留学経験についてお聞かせください。
Q. 科学に興味を持ったきっかけは?
私の出身地は愛知県ですが、交換プログラムで留学し、その後博士号を取得したイースト・ア
始めから研究者を目指していたわけではありません。修士の時、大学を一度辞めたことがあるくらいです。趣味のためにもっ
ングリア大学についてお話しします。大学は、イギリス、ノーフォーク州ノリッジにあります。
と時間を使いたかったからです。けれど、次第に学生生活を懐かしく思うようになり、もっと新しい知識を得て、色んな国の
自然に恵まれた環境にあり、勉強の合間に散歩を楽しめる池などもありました。ノリッジは、
人たちに出会いたいと思うようになりました。今、研究者として働くことに喜びを感じています。それからも中国、セネガル、
イギリス東部の主要都市の一つで、古い歴史を持ち、宗教的にも重要な街です。街のシンボル
カナダなど多くの国に行き研究をすることができました。この他にも学会への参加でもたくさんの国を訪れています。
として有名な美しい城と聖堂があり、ロンドンから到着するバスの車窓から初めて目にしたものでした。週末には、川辺や街
大学での勉強を再開後は人類生理学に興味を持つようになりました。日本に来てからは、最新の IT 技術を使って運動を促進す
の中央部を歩くのが好きでした。古い歴史と現代的な雰囲気、どちらも味わうことができます。
る研究に取り組んでいます。最初の自分の実験をサポートしてくれた会社は任天堂でした。パリでの子ども時代、ファミコン
私が今でも思い出すのは、“A church for every week of a year and a
でよく遊んだそのマリオのために、仕事をするようになるとは夢にも思いませんでした。
pub for the everyday for the year
(ノリッジでは、
毎週一つずつ教会を回っ
ても一年では回れず、毎日一軒ずつパブを回っても一年で回りきれない)”
という言葉です。当時、私が何軒のパブを訪れたのかは思い出せません。そ
こで地元産ビールやサンデーローストを心ゆくまで楽しみました。
Q. 科学に興味を持ったきっかけは?
専門分野は分子分光学になります。科学に興味を持つようになったのは、SF
が好きで、ピピッと来るもの、英語で言うところの“feel chemistry”を感
じたからです。
Ghourabi, Fadoua(ゴーラビ、ファドワ)先生
特任講師
専門分野:Theorem proving
Q. 出身地はどんな所ですか?
出身地は北アフリカのチュニジアです。チュニジア、
地図で見つけられますか?地図では小さな国ですが、
3000 年以上の歴史がある国なのです。私の日本人の
友人たちは、チュニジアに来ると、世界遺産に認定さ
れているカルタゴやローマ時代の遺跡を訪れたりしています。2011 年以来、チュニジ
アは民主化への困難な道を歩んでいます。2015 年は、特に哀しい出来事(首都チュニ
スで起きたテロ事件)がありました。けれども、困難な中にあっても、希望を持って
前に進まなければなりません。
06
履修生
Interview
❶主専攻の研究テーマ
❷プログラムでやりたいこと
❸将来像
永渕 玲緒菜
Nagafuchi Reona
所属/理学専攻 情報科学コース
出身/福岡県
趣味/カフェめぐり
Q. 科学に興味を持ったきっかけは?
❶人とコンピュータを結ぶヒューマンコンピュータインタラクション (HCI) という分野の研究を行っています。普段使っている
研究の専門分野は computational origami、計算折り紙です。コンピュータプログラ
スマートフォンやパソコンをより使いやすく、便利にしていこうと考えて日々研究しています。 ❷ PBTS では、他分野の学生と
ムで計算して、折り紙を折る学問です。折り紙の技術は、産業界や科学分野で想像以
一緒に1つのプロジェクトに取り組みます。その分野では、
当たり前と思っていることでも、
他分野にとっては聞いたことがなかっ
上に必要とされています。“折る”ことは、“包む”または“運ぶ”ために、モノのサ
たり、新しい考えだったりすることがあります。そういった自分だけでは気づかないところをチームメンバーみんなで協力しあっ
イズを縮小する洗練された自然な技術です。たとえば、子宮の中で赤ちゃんが丸くなっ
て共有したりアイデアを出していくことで、より良い研究につながったり出来るのではないかと考えています。 ❸今はまだ明確
ているように、つぼみが開いて花咲くように、自然によって導き出された最適な解法
なビジョンが浮かんでいませんが、未来の為にもしかしたら何か役に立ちそうで、今自分が出来ることがあるのならその為にやり
なのです。
遂げるということだけ思って行動したいです。今の目標でもあり、今後一生の目標だと思っています。
07
News Letter
Bouquet
Information
■ 活動報告
2015 年 10 月 31 日~
Japan Study Fair in Vietnam
11 月 1 日 (ベトナム、ハノイ、ホーチミンシティ)
BIOMOD 2015
2016.3
(アメリカ、ハーバード大学)
BIOMOD 帰国発表会
2015 年 12 月 16 日
キャリアプランセミナー&学生募集説明会
2015 年 12 月 16 日
第 2 回グローバル研修報告会
2016 年 1 月 28 日
平成 28 年度 (4 月期 )「グローバル理工学副専攻」学生募集説明会
2016 年 2 月 3 日~ 16 日
平成 28 年度 (4 月期 )「グローバル理工学副専攻」申請期間
2016 年 2 月 22 日
平成 28 年度 (4 月期 )「グローバル理工学副専攻」選抜試験
7
2015 年 11 月 20 日
2016 年 4 月開講
Essential Mathematics for Global Leaders Ⅰ(毎週月曜 3・4 限予定)
2016 年 4 月開講
Essential Chemistry for Global Leaders Ⅰ(毎週火曜 3・4 限予定)
2016 年 4 月開講
Essential Computer Science for Global Leaders Ⅰ(毎週水曜 3・4 限予定)
2016 年 4 月開講
Essential Bioinformatics for Global Leaders Ⅱ(毎週水曜 5・6 限予定)
2016 年 4 月開講
Essential Physics for Global Leaders Ⅱ(毎週木曜 3・4 限予定)
2016 年 7 月開講予定
Essential Culture & Arts for Global Leaders(前期集中)
2016 年 4 月開講
IT 活用法Ⅰ(開講日時調整中)
【後期】
2016 年 10 月開講
Essential Engineering & Technology for Global Leaders Ⅰ(毎週火曜 3・4 限予定)
2016 年 10 月開講
Essential Physics for Global Leaders Ⅰ(毎週水曜 3・4 限予定)
2016 年 10 月開講
Essential Bioinformatics for Global Leaders Ⅰ(毎週水曜 5・6 限予定)
2016 年 10 月開講
Essential Chemistry for Global Leaders Ⅱ(毎週木曜 3・4 限予定)
2016 年 10 月開講
IT 活用法Ⅱ(開講日時調整中)
2016 年後期開講予定
Essential Ethics for Global Leaders(後期集中)
■ 活動予定
自主提案プロジェクト実施
2016 年 3 月 14 日
pQE(periodic Qualifying Examination)
2016 年 3 月予定
mQE(middle Qualifying Examination)
2016 年 3 月予定
第 3 回グローバル研修報告会
編集後記
早いものでプログラムが本格的にスタートしてから、2 年
が経とうとしています。これまで、教員、スタッフ共々、
力を携えて一歩一歩前に進んできた気がします。なんといっ
ても一番の喜びは履修生たちの成長ぶりを見ることではな
いでしょうか。すっかり頼もしい先輩となった 1 期生、初
めは遠慮がちだった 2 期生も今では良いチームとなりまし
た。4 月になれば、また新しい履修生を迎えます。どんな
お茶の水女子大学
リーディング大学院推進センター
〒 112-8610 東京都文京区大塚 2-1-1
人間文化研究科棟 601 室
E-mail: [email protected]
TEL: 03-5978-5775
http://www-w.cf.ocha.ac.jp/leading/
夢を語ってくれるのでしょう。今からとても楽しみです。
http://www-w.cf.ocha.ac.jp/leading/
News Letter Bouquet Vol.7(2016 年 3 月 1 日発行)
博士課程教育リーディングプログラム「みがかずば」の精神に基づきイノベーションを創出し続ける理工系グローバルリーダーの育成
【前期】
国立大学法人 お茶の水女子大学
■ 平成 28 年度開講科目情報(予定)
2016 年 2 月~ 3 月
Vol.
2015 年 11 月 1 日~ 2 日
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