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敦賀原子力夏の大学 - 一財)エネルギー総合工学研究所

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敦賀原子力夏の大学 - 一財)エネルギー総合工学研究所
平成19年度原子力人材育成プログラム事業成果報告
原子力研究促進チャレンジ原子力体感プログラム(経済産業省)
福井大学
大学院工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻:福井 卓雄
<提案事業概要>
原子力関連知識・技術実習の場である「敦賀原子力夏の大学」の実施。
1.背景・目的
・福井大学大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻は平成16年の設置以来、福井県内の原子力関連産業や関西地
区の原子力関連学部を有する主要大学と連携し、原子力およびエネルギーに関する教育に傾注してきた。
・当該専攻は原子力研究の核となる研究施設を学内に持たないため、他大学や原子力関連施設を利用した実習主体の教育を
重点的に進めてきている。
・本プログラムの事業として、近畿・中京・北陸地区等の学生を対象とした「平成19年度敦賀原子力夏の大学」という原子
力の総合的な教育研修の場を提供する。
・参加者の中から優秀学生を選抜し海外研修に派遣することで、将来の原子力分野を担うグローバルな眼を持った技術者の
養成に資する。
2.実施概要
2−1敦賀原子力夏の大学(講義、現場実習、施設見学、講演から構成)
・期間
:平成19年9月10日(月)∼9月14日(金)
・場所
:若狭湾エネルギー研究センター、日本原子力研究開発機構(もんじゅ)、日本原電、関西電力
・参加者 :専門コース(大学院生向け5日間)38名、 一般コース(後半の1-2日間)84名
・参加大学:福井大学、福井工業大学、大阪大学、近畿大学、京都大学、名古屋大学、東京工業大学等
・講義内容:5講座 (軽水炉、高速炉および核燃料サイクル、原子炉事故、安全対策、原子力発電所の耐震等)
・英語討論会:外国人研究者を交えて原子力エネルギーの社会的受容性と地球温暖化問題を題材に討論
・体験実習:3種 (もんじゅ運転訓練シミュレーターを使用した運転操作体験、
高速炉冷却材ナトリウム取扱体験、非破壊検査技術体験(液体浸透探傷試験))
・施設見学:4件 (高速増殖原型炉「もんじゅ」、原電敦賀3、4号機建設準備工事現場、関西電力美浜発電所、
若狭湾エネルギー研究センター)
・一般公開講座:3講演(一般学生を含む230名が聴講)逐次通訳
米国における原子力エネルギーの開発状況
講師:Jess Gehin博士 (米国)
世界における次世代型原子炉システム開発への取組み
講師:Berjon Alain氏 (仏国)等
・研修期間の前後に理解度テスト(記述式)を実施。 学生の理解度を測る。
英語討論会
1グループに学生6名+外国人研究者2名を配置
して原子力の関連するテーマで討論・プレゼン
を行った。
ナトリウム取り扱い実習
JAEAもんじゅサイト内ナトリウム実習施設での
実習風景
連絡先;〒910-8507、福井市文京 3-9-1、福井大学大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻、福井
Tel./Fax.:0776-27-5896 E-mail:[email protected]
卓雄、
2−2 原子力海外研修(講義、現場実習、施設見学から構成)
・期間
:平成20年2月2日(土)∼2月10日(日) 8日間
・場所
:INSTN(仏国CEAサクレー)、PHENIX(仏国)等
・参加者 :学生7名(上記「夏の大学」参加者から選抜された優秀学生)、引率教員3名、同行2名
・参加大学:福井大学(3名)、名古屋大学(1)、東京工業大学(2)、武蔵工業大学(1)
・講義内容:原子炉物理、PWRの制御方法等(3人の講師による英語の授業)
・実習内容:CEA内教育用原子炉による臨界近接実習、制御棒校正実習、PWRシミュレーター実習
・施設見学:CEA内原子炉施設、高速増殖炉PHENIX、AREVA社MELOXサイト(MOX燃料工場)
・原子力先進国である仏国のCEA直轄教育機関INSTNでの講義・実習・見学およびPHENIXを見学。
炉物理の講義風景
学生の疑問点には、理解できるまで様々な角度
から解説する。講義は効率的でとても興味深い
内容。
計12名
PWRシミュレーター実習
INSTNでは全ヨーロッパ向けの原子力教育に積
極的に取り組んでおり、英語による熱心な説明
が行われている。
3.成果
・原子力総合教育の場としての「平成19年度敦賀原子力夏の大学」を実施した。
・夏の大学専門コースには全国10大学から38名の参加を得て、大学での専門的な教育とリンクした実習や施設見学を通して
実践的な教育を行った。
・外国人研究者を交えた英語による討論会を実施したところ、学生からの反応も大変良く、普段の大学生活では感じられに
くい国際社会での英語によるコミュニケーションの必要性を訴えることができた。(添付資料1)
・「夏の大学」後半では、関西地区・福井地区の一般学生に対する原子力・エネルギーに関する教育を行い、原子力分野と
エネルギーに関する興味を向ける一助とした。
・「原子力海外研修」では、現在稼働・発電運転中の数少ない高速増殖炉PHENIXを見学し、高速増殖炉の稼働状況を実際に
眼にすることで、今後の我が国の高速炉運転について真剣に考える良い機会となった。(添付資料2)
・「原子力海外研修」に参加した教員においては、フランスにおける原子力教育の現場を視察し、教授陣と議論することで、
今後の国内での原子力教育のカリキュラム編成・教育内容について再考する機会となった。
・これらの合宿研修に参加した学生には、大学の枠を超えた学生間のつながりが生まれ、この連帯感が今後の彼らの活動に
有効に作用すると感じられた。
4.取組の評価と今後の展開
・「平成19年度敦賀原子力夏の大学」を実施し、原子力を学ぶ学生に対して講義・実習・施設見学からなる総合的な原子力
教育の場を提供できた。
・フランスでの原子力海外研修は、参加学生には原子力に対するグローバルな視点を形成するきっかけとなり、同時に、引
率教員にとっても原子力教育に対する新しい展開を考えさせる重要な機会となった。
・今後もこのような大学間の枠を越えた連携的原子力教育の場の形成を、内容を吟味しながら発展的・継続的に展開してい
く必要があると考える。
5.添付資料
1)「平成19年度敦賀原子力夏の大学」研修結果報告
2)「平成19年度敦賀原子力夏の大学」海外研修学生の感想
連絡先;〒910-8507、福井市文京 3-9-1、福井大学大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻、福井
Tel./Fax.:0776-27-5896 E-mail:[email protected]
卓雄、
添付資料1)「平成19年度敦賀原子力夏の大学」研修結果報告
平成 19 年度「敦賀「原子力」夏の大学」
-研修結果報告-
平成 19 年 9 月
(主催)
国立大学法人福井大学
(独)日本原子力研究開発機構
(財)若狭湾エネルギー研究センター
1. 目 的
「敦賀「原子力」夏の大学」(以下本「「夏の大学」」という)は、福井県内、関西・中京圏等の
学生を対象に原子力への理解を深め、将来を担う原子力技術者を養成するとともに、大学間
の連携促進や人材ネットワークの構築を目指している。
2. 主催
福井県が進めている「エネルギー研究開発拠点化計画」の柱の一つである“人材の育成・
交流”に係る活動の一環として、昨年度(財)若狭湾エネルギー研究センター主催の下にスタ
ートしたが、今年度は国立大学法人福井大学が経済産業省の「チャレンジ原子力体感プログ
ラム」に応募して採択された研修事業となったことを踏まえ、(独)日本原子力研究開発機構を
含めた三者共同主催にて開校した。
3. 開催期間:平成 19 年 9 月 10 日(月)~14 日(金)
4. 参加学生:計 38 名
・福井大学:11 名 ・福井工業大学:6 名
・京都大学:2 名 ・大阪大学:2 名 ・近畿大学:4 名
・名古屋大学:2 名 ・金沢大学:4 名
・東京工業大学:4 名 ・武蔵工業大学:2 名 ・防衛大学校:1 名
5. 研修内容 (別紙研修プログラム参照)
(1) 「講座」:4 講座
¾ 我が国の原子力発電の導入と改良型加圧水型軽水炉について
・講師:斉藤史郎氏 (日本原電 開発計画室一次系・主機設計グループマネージャー)
¾ 核燃料サイクル~FBR サイクル~
・講師:滑川卓志氏 (原子力機構 次世代部門グループリーダー研究主席)
¾ 日本における次世代型原子炉システム開発
・講師:森下正樹氏 (原子力機構 次世代部門ユニット長)
¾ 原子炉事故の安全対策(軽水炉)
・講師:吉田至孝 氏 (原子力安全システム(INSS) 研究所主任研究員)
¾ 原子炉事故の安全対策(高速炉)
・講師:此村 守氏 (原子力機構 次世代部門研究主席)
(2) 「トピックス講座」
¾ 2007 年新潟中越沖地震と原子力発電所の耐震安全性
・講師:安井譲 教授 (福井工業大学)
(3)「英語討論会」
— 原子力エネルギーの社会的受容性と地球温暖化問題を題材に討論
(4) 「体験実習」:3 種類
9 もんじゅ運転訓練シミュレータを使用した運転操作体験
9 高速炉冷却材ナトリウム取扱体験
-1-
9 非破壊検査技術体験(液体浸透探傷試験)
(5) 「施設見学」:4 件
— 高速増殖原型炉「もんじゅ」
— 敦賀 3、4 号機建設準備工事現場及び原電敦賀原子力館
— 関西電力美浜発電所
— 若狭湾エネルギー研究センター
(6) 「一般公開講座」:3 講座 (一般学生約 80 名を含む 230 名が聴講)
¾ 将来社会に向けた原子力エネルギーの貢献性
・講師:山本敏久准教授 (大阪大学大学院)
¾ 米国における原子力エネルギーの開発状況
・講師:Jess Gehin 博士 (米国オークリッジ国立研究所原子炉解析グループリーダー)
¾ 世界における次世代型原子炉システム開発への取組み
・講師:Berjon Alain 氏 (仏国原子力庁(CEA)カダラッシュ研究所主任エンジニア)
(7) 「交流イベント」:2 回
6. 全体総括
本「夏の大学」の参加各大学における“単位認定化”の実現を目指して、今年度は講座数
の強化や理解度テストの新規導入など更なる研修内容の充実化に務めた結果、9 割近い受
講生から“満足のゆく研修であった”との回答(「大変有意義」17 名「まあまあ有意義」16 名)を
得ることができた。
<単位(人)>
「有意義で
「ふつう」, 5
人
ない」, 0人 「全く有意義
でない」, 0人
「大変有意
義」, 17人
「まあまあ有
意義」, 16人
プログラム中「最も印象的」な企画としては、17 名が「英語討論会」を、16 名が「体験学習」
を挙げ、また、将来に向けて「最も有益」なものとしては 18 名が「英語討論会」を、また 16 名が
「体験学習」との回答を寄せた。
「施設見
学」, 2人
「一般公開
講座」, 1人
「施設見学」,
1人
「英語討論
会」, 17人
「体験実
習」, 16人
「座学」, 2人
「理解度テ
スト」, 0人
「体験実習」,
16人
「一般公開
講座」, 1人
「英語討論
会」, 18人
「座学」, 2人
「理解度テ
スト」, 0人
【最も有益な内容は?】
【最も印象的内容は?】
-2-
今回のプログラム中、学生が「最も印象的」、「最も有益」と感じたものとしては、「英語討論
会」と「体験学習」が圧倒的に多かった。これは、学校内では普段体験することのできない「英
語討論会」や「体験学習」など、本「夏の大学」の特徴的プログラムが受講生から大いに支持さ
れていることが示された結果である。
特に、「英語討論会」は昨年度チャレンジャブルな企画として試行錯誤的に実施したが、ま
ずまず好評を博したことを受け、今年度も特徴的プログラムの一つとして実施した。結果は、
昨年度を更に上回る“大変好評”の評価を得ることができたが、多くの学生が海外研究者等と
のコミュニケーションを図る道具として“英会話”の経験の大切さを改めて肌で感じ取った様子
が伺えた。
一方、「体験実習」についても高い評価が寄せられたが、これは「施設見学」とともに学校
内では普段経験することができない本「夏の大学」の企画内容が支持されていることの裏付
けであり、普段得ることのできない貴重な教育の場を本「夏の大学」を通して提供することが
できたものと分析・評価できる。
また、今年度は経済産業省の「チャレンジ原子力体感プログラム」により優秀学生を海外
原子力研修(仏国)に派遣することから、その一つの選抜材料とすべく、また研修に緊張感を
持って臨み、より知識・知見を深める環境の場を与える意味合いから「理解度テスト」を新規
に導入・実施した。
このテストは、研修前と研修後に同一問題を行い、研修を通して知識・知見がどの程度向
上したかを自己診断するもので、この趣旨に鑑みて全て記述問題とした。
設問は、6 つのカテゴリー(地球環境問題、日本における原子力エネルギー、原子力発電
の原理、原子力発電の仕組みと安全対策、増殖の原理、核燃料サイクル)に分けて実施した
が、研修前の平均点 39.8 点から研修後は 55.0 点に向上したものの、研修を通して飛躍的に
知識が向上したとは言い難い結果であった。
設問は、原子力を学ぶ学生として習得しておくべきと思われる“基本的事項”を出題してお
り、学生諸君には本研修に参加したこの機会を捉え環境問題やエネルギー問題について今
後より知識・知見を深める努力を期待したい。
最後に、今年度は 7 月に起きた新潟中越沖地震が原子力発電所に与えた影響に関して
専門家の意見を聴くという観点からトピックス講座を開講した。また、日本、米国、仏国の 3 講
師より原子力エネルギーの貢献性や米国、仏国など世界における次世代型原子炉システム
の開発への取組みを紹介する講座を一般公開の形で開講したが、一般学生約 80 名を含む
計 230 名の参加を頂き成功裏に本「夏の大学」を締めくくることができた。
なお、各研修項目の概要及びアンケート調査結果については別紙を参照のこと。また、詳
細の研修プログラム内容については本「「夏の大学」」ホームページ上から「研修プログラム
内容」にアクセスのこと。
-3-
7. 研修風景
【各講師陣】
左から、斉藤講師(原電)、滑川講師(JAEA)、
森下講師(JAEA)、吉田講師(INSS)、此村講
師(JAEA)
【各座学】
【座学-Ⅰ】
【座学-Ⅱ】
【座学-Ⅳ】
【座学-Ⅴ-1】
【座学-Ⅴ-2】
【座学-Ⅲ:安井講師(福井工大)】
【座学-Ⅲ:トピックス講座】
【英語討論会(討論会&発表会)】
【シミュレータ運転体験】
【ナトリウム取扱体験】
【各体験実習】
-4-
【非破壊検査体験】
【施設見学:高速増殖炉原型炉もんじゅ】
【施設見学:若エネ研】
【施設見学:原電敦賀 3、4 号機建設準備工事現場】
【施設見学:関電美浜発電所】
【交流イベント(左ワインパーティ、右バーベキュー)】
【各講師陣】
左から山本講師(阪大大学院)、ジェスジーン講師
(米国 DOE オークリッジ研究所)、アランベルジョン
【一般公開講座】
講師(仏国 CEA カダラッシュ研究所))
【修了式】
【全体記念写真】
-5-
別紙
-各研修項目の概要とアンケート調査結果-
1. 座 学
①座学-Ⅰ:我が国の原子力発電の導入と改良型加圧水型軽水炉について (斉藤講師(原電))
我が国の原子力エネルギーを支える軽水炉の開発の歴史と、更なる安全性と経済性を高
めた改良型軽水炉の開発、導入計画について学習。
(アンケート結果)
「全く有意義
でない」, 0
人
「有意義で
ない」, 1人
「有益でな
い」, 2人
「大変有意
義」, 9人
「ふつう」, 10
人
「全く有益で
ない」, 0人
「大変有益」,
7人
「ふつう」, 9
人
「まあまあ有
意義」, 18人
「まあまあ有
益」, 20人
【内容】
【有益性】
②座学-Ⅱ:核燃料サイクル~FBR サイクル~」 (滑川講師(JAEA))
使用済み燃料の有効活用として導入が検討されている“プルサーマル”(LWR サイクル)の
概念を始めとして半恒久的エネルギー資源の確保と環境への負荷低減を目指す“FBR サイ
クル”について学習。
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 5人
「全く有意
義でない」,
0人
「有益でな
い」, 2人
「大変有
益」, 10人
「大変有意
義」, 10人
「ふつう」, 7
人
「全く有益で
ない」, 0人
「ふつう」,
12人
「まあまあ有
益」, 14人
「まあまあ
有意義」,
16人
【内容】
【有益性】
③座学-Ⅲ(トピックス講座):2007 年新潟中越沖地震と原子力発電所の耐震安全性 (安井講
師(福井工大))
平成 19 年 7 月に発生した中越沖地震が与えた柏崎刈羽原子力発電所に対する影響につ
いて、専門家による解説・コメントを通して原子力発電所の耐震安全性について学習。
-6-
(アンケート結果)
「全く有意義
でない」, 0
人
「有意義で
ない」, 1人
「全く有益で
ない」, 0人
「有益でな
い」, 4人
「大変有意
義」, 3人
「大変有
益」, 7人
「ふつう」,
11人
「ふつう」,
11人
「まあまあ有
意義」, 23人
「まあまあ有
益」, 16人
【有益性】
【内容】
④座学-Ⅳ:日本における次世代型原子炉システム開発 (森下講師(JAEA))
我が国が取組んでいる次世代型原子炉システム開発計画の進捗状況及び次世代型原子
炉システムとして選定したナトリウム冷却型高速炉の設計構想について学習。
(アンケート結果)
「全く有意
義でない」,
0人
「有意義で
ない」, 2人
「全く有益
でない」, 0
人
「有益でな
い」, 1人
「大変有意
義」, 12人 「ふつう」, 9
人
「ふつう」, 6
人
「まあまあ
有意義」,
18人
「まあまあ
有益」, 16
人
【内容】
「大変有
益」, 12人
【有益性】
⑤座学-Ⅴ(1):原子炉事故の安全対策」(軽水炉) (吉田講師(INSS))
軽水炉において発生した代表的事故事例をカテゴリー毎(炉心、冷却系主要機器等)に分
類し、事故の原因、再発防止のための安全対策等を国際原子力事象評価尺度(INES)に照
らして学習。
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 0人
「全く有意義
でない」, 0
人
「有益でな
い」, 1人
「大変有意
義」, 7人
「ふつう」, 10
人
【内容】
「全く有益
でない」, 0
人
「大変有
益」, 10人
「ふつう」,
10人
「まあまあ有
意義」, 21人
【有益性】
-7-
「まあまあ
有益」, 17
人
⑥座学Ⅴ(2):原子炉事故の安全対策」(高速炉) (此村講師(JAEA))
高速炉における安全性の考え方や基本設計、更に高速炉において発生した代表的事故事
例について、事故の原因、再発防止のための安全対策等について学習。
(アンケート結果)
「全く有意
義でない」,
0人
「有意義で
ない」, 1人
「有益でな
い」, 1人
「ふつう」, 6
人
「大変有意
義」, 12人
「全く有益で
ない」, 0人
「ふつう」, 8
人
「大変有益」,
13人
「まあまあ有
益」, 16人
「まあまあ
有意義」,
19人
【内容】
【有益性】
2. 英語討論会
次の 2 つのテーマに分類して班毎に英語で討論し、口頭発表。(7 班構成)
①原子力エネルギーの社会的受容性について
②地球温暖化問題について
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 2人
「全く有意義
でない」, 0
人
「ふつう」, 3
人
「大変有意
義」, 7人
「全く有益
でない」, 0
人 「有益でな
い」, 0人
「大変有
益」, 16人
「ふつう」, 12
人
「まあまあ有
意義」, 17人
「まあまあ
有益」, 19
人
【内容】
【有益性】
3. 体験実習
①体験実習-1:高速炉運転体験(もんじゅ運転訓練シミュレータ)
「もんじゅ」の運転訓練シミュレータ装置を用いて、高速炉の運転操作やポンプトリップ、ナト
リウム漏洩時の異常時対応操作並びに原子炉保護動作確認など「もんじゅ」の運転操作を
体験実習。
「全く有意義
でない」, 0
人
「有意義で
ない」, 1人
(アンケート結果)
「ふつう」, 4
人
「まあまあ有
意義」, 11人
「大変有意
義」, 22人
-8-
②体験実習-2:ナトリウム取扱体験
高速炉の特有技術の一つである「ナトリウム取扱技術」を体験実習。(ナトリウム消火、ナト
リウム燃焼、ナトリウム化学反応等の項目を対象として体験実習)
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 2人
「全く有意
義でない」,
0人
「ふつう」, 4
人
「大変有意
義」, 14人
「まあまあ
有意義」,
18人
③体験実習-3:非破壊検査体験
非破壊検査技術のうち、最も簡単、且つ汎用性の高い「液体浸透探傷試験」(PT)を体験実
習。また、合わせて他の非破壊検査装置(UT,RT 及び ISI 関係試験装置)についても紹介。
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 2人
「全く有意
義でない」,
0人
「大変有意
義」, 12人
「ふつう」, 9
人
「まあまあ
有意義」,
15人
4. 施設見学
①若狭湾エネルギー研究センター
(アンケート結果)
「全く有意
義でない」,
1人
「大変有意
義」, 5人
「有意義で
ない」, 3人
「ふつう」,
12人
「まあまあ
有意義」,
17人
-9-
②高速増殖炉原型炉「もんじゅ」
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 1人
「全く有意
義でない」,
0人
「ふつう」, 2
人
「大変有意
義」, 18人
「まあまあ
有意義」,
17人
③原電敦賀 3、4 号機建設準備工事現場
(アンケート結果)
「全く有意
義でない」,
0人
「有意義で
「回答な
し」, 1人
ない」, 2人
「大変有意
義」, 14人
「ふつう」, 7
人
「まあまあ
有意義」,
14人
④関電美浜発電所
(アンケート結果)
「全く有意
義でない」,
1人
「大変有意
義」, 6人
「有意義で
ない」, 5人
「ふつう」, 9
人
「まあまあ
有意義」,
17人
-10-
5. 一般公開講座
①一般公開講座-1:将来社会に向けた原子力エネルギーの貢献性 (山本講師(阪大大学院))
世界的に増大するエネルギー消費に対応しつつ地球温暖化現象の問題に対する解決策と
して、原子力エネルギーが不可欠であることを講義。
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 0人
「ふつう」,
3人
「全く有意
義でない」,
0人
「有益でな
い」, 2人
「全く有益で
ない」, 0人
「ふつう」, 4
人
「大変有意
義」, 19人
「まあまあ
有意義」,
16人
「大変有益」,
18人
「まあまあ有
益」, 14人
【有益性】
【内容】
②一般公開講座-2:米国における原子力エネルギーの開発状況 (Jess Gehin 講師(米国))
米国が提唱して進めている世界的枠組みによる原子力エネルギー開発計画(GNEP 計画)
を中心に、米国における原子力エネルギー開発の状況について講義し、世界の動向を学
習。
(アンケート結果)
「有意義で
ない」, 1人
「全く有意
義でない」,
0人
「有益でな
い」, 2人
「全く有益で
ない」, 0人
「ふつう」, 7
人
「大変有意
義」, 15人
「まあまあ
有意義」,
15人
「大変有益」,
14人
「ふつう」, 7
人
「まあまあ有
益」, 15人
【内容】
【有益性】
-11-
③一般公開講座-3:世界における次世代型原子炉システム開発への取組み (Berjon Alain 講師
(仏国))
世界 11 カ国参加による世界的協力枠組みによって計画が進められ始めている GEN-Ⅳ計
画の概要を通して、次世代型原子炉システム開発に対する世界的動向を学ぶ。
(アンケート結果)
「全く有意
義でない」,
0人
「有意義で
ない」, 1人
「有益でな
い」, 2人
「全く有益で
ない」, 1人
「大変有益」,
11人
「ふつう」, 6
人
「ふつう」, 10
人
「大変有意
義」, 16人
「まあまあ
有意義」,
15人
「まあまあ有
益」, 14人
【内容】
【有益性】
6. 理解度テストの分析
本研修においては、環境問題、エネルギー問題を通して原子力エネルギーの必要性・貢献
性を客観的に学習してもらうことも研修の重要な柱の一つである。テストは、研修前後に同一
問題を解くことにより、研修前と研修後においてどの分野においてどの程度知識が向上したか
を自分で把握してもらうことを目的として実施した。全体結果を含めカテゴリー毎の分析結果を
以下に示す。
【全体結果】
(100 点満点)
最高点
平均点
最低点
研修前
71
39.8
10
研修後
96
55.0
16
最高点
【地球温暖化問題】
【核燃料サイクル】
100
平均点
80
最低点
【日本におけるエネル
ギー事情】
60
40
20
科目
地球環境問題
日本におけるエネ
ルギー事情
0
原子力発電の原理
【増殖の原理】
【原子力発電の原理】
原子力発電の仕組
みと安全対策
【原子力発電の仕組みと
安全対策】
【研修前テスト結果】
-12-
平均点
37.0
46.0
58.2
19.7
増殖の原理
43.7
核燃料サイクル
30.8
最高点
平均点
最低点
【地球温暖化問題】
100
80
【核燃料サイクル】
【日本におけるエネル
ギー事情】
60
40
科目
平均点
地球環境問題
50.2
日本におけるエネ
ルギー事情
20
0
原子力発電の原理
原子力発電の仕組
【増殖の原理】
【原子力発電の原理】
【原子力発電の仕組みと
安全対策】
みと安全対策
61.1
68.9
35.1
増殖の原理
63.0
核燃料サイクル
48.7
【研修後テスト結果】
以下に教科毎の平均値に対する向上率と得点値を示す。「原子力発電の仕組みと安全対
策」と「核燃料サイクル」の向上率は他に比べて高いものの、得点数値的には 50 点にも満たな
いもので座学の効果が必ずしも表れていない結果であった。
100
【総合計】
【教科毎(平均点)向上率】
90
【地球温暖化問題】
80
【日本におけるエネルギー事情】
70
【原子力エネルギー(原子力発電
の原理)】
【原子力発電の仕組みと安全対
策】
【増殖の原理】
60
(%)50
【核燃料サイクル】
40
30
科目
前
後
向上率(%)
37.0
50.2
35.5
46.0
61.1
32.8
58.2
68.9
18.6
19.7
35.1
78.0
増殖の原理
43.7
63.0
44.3
核燃料サイクル
30.8
48.7
58.1
20
地球環境問題
10
日本におけるエネル
0
研修前
研修後
90
ギー事情
原子力発電の原理
100
【教科毎(平均点)得点値】
原子力発電の仕組
みと安全対策
80
70
60
【総合計】
50
(%)
【地球温暖化問題】
40
【日本におけるエネルギー事情】
【原子力エネルギー(原子力発電
の原理)】
【原子力発電の仕組みと安全対
策】
【増殖の原理】
30
20
10
【核燃料サイクル】
0
研修前
(研修後-研修前)
向上率=
(%)
研修前
研修後
-13-
7. 寄せられた感想・意見(抜粋)
(1)講座について
①座学-Ⅰ:「我が国の原子力発電の導入と改良型加圧水型軽水炉について」
◇分かり易い概要の話しだったので興味深く聞けた。
◇比較的易い部分から説明して頂いたので私のような原子力を学び始めた者にとっては
非常に楽しめたし知識も深まったと感じた。
◇余り詳しく知らなかった APWR の概要を現行の PWR との比較をしながら説明してもらえた
ので理解し易く良かった。
◇もう少し技術的な内容にも触れて欲しかった。
②座学-2:「核燃料サイクル~FBR サイクル~」
◇基礎的な情報と JAEA での最新情報が網羅されていて非常に良かった。また、LWR と
FBR の遷移期でのサイクルの情報などがあれば教えて頂きたかった。
◇六ヶ所の技術(軽水炉サイクル)と新技術(研究開発中)とが分けて説明されていなかっ
た点が分かりにくかった。
◇FBR サイクルに関する知見が深まりました。
③座学-3:「2007 年新潟中越沖地震と原子力発電所の耐震安全性」
◇テレビ等で情報は聞いていたが、より詳細な情報を聞くことができ良かった。ただ、再起
動などの時間が 2~3 年という見方は疑問と感じた。
◇もっと長く時間を設定して欲しかった。全体を通して講義時間が短くても 90 分にすべきで
はないかと感じた。(逆に長過ぎる、講義が続いてきついというコメント 4 件)
◇地震時の安全性の話しは、日本において避けて通れない問題で大事だと感じました。
④座学-4:「日本における次世代型原子炉システム開発」
◇非常に分かり易いプレゼンだった。FBR 炉心での問題点と原因をしっかり押さえていたの
で有益な情報であった。
◇これからの日本を支えるであろう核燃料サイクルや高速増殖炉について詳しく学べてと
てもためになりました。(座学-2 含む)
⑤座学-5:「原子炉事故の安全対策(軽水炉及び高速炉)」
◇事故対策の講義はとても興味深かったです。
◇質問の時間が少ない。授業では基礎的な説明が多い。
◇安全対策はとても興味深く、今後大切なことでもあるので聞けて良かった。
◇原子炉事故に対する対策基準、特に設計基準事象について知識をえることができたこと
が有意義だった。もっと、時間をかけて教育して頂きたかった。
◇LWR、FBR のそれぞれの安全性ということで1、2日目と内容の流れが合っていて非常に
良いプログラムであったと思う。
◇日本では幸運なことにレベル 4 以上の事故は殆どありません。日本の誇らしいことだと思
います。もっとこのような一面を社会にもっとアピールしても良いような気がしました。
◇評価基準を作り、フィードバックして行く姿勢は大事だと感じた。安全設計についての概
念は興味深かった。しかし、従事者の安全という意味合いでは不完全だと思った。
-14-
(2)英語討論会について
◇英語の討論会で自分の英語力のなさを痛感しました。
◇昨年も夏の大学に参加し英語討論会にも参加したが、前回同様英語での討論は難しかっ
た。前回余り喋れなかったので今年こそは少しでも多く喋れるつもりであったが、今回も少
し心残りの結果に終わってしまった。
◇和気あいあいの雰囲気はそれなりに良かったと思う。ただ、時間が少なくいきなり原子力に
ついて話しあうなど、割と難し目の英語を使うテーマではなく、もっと軽いテーマを討論する
時間も欲しかった。また、外国の技術者の方がテーブルに一人だったのは残念だった。
◇自分のつたない英語でどこまで話せるかと非常に心配でしたが、いざ始まってみると、皆さ
ん自然に話せるような空気があって良かったです。また、このような機会があれば参加して
みたいと思うようになりました。
◇自分の英語勉強不足で伝えたいことを殆ど伝えることができなかった。ただ、今回の討論
会で英語を勉強することの必要性を感じたことは良かった。(同様コメント多数)
◇英語での討論は初めてだったので、良い経験を得られました。ただ、英語での討論は意外
と時間がかかったので、議論の時間と発表の時間がもう少し長ければ良かったと思います。
(他に発表作成資料時間が短いなど“時間が足りない”同様コメントが 6 件)
◇初めてこのような場でネイティブスピーカーと話せたことや、英語で数時間話すということが
とても新鮮で良かった。また、自分の英語力がまだまだ駄目であることも知れて勉強する
良い機会になりました。
◇今後、国際的な活動をいつかするかも知れないので、役立ったと思う。
◇これからエンジニアとして社会に出て行く上で非常にためになった。自分の英語力を見極
めることができる良い機会であった。
◇グループに M1 と B4 しかいなかったので、話しを円滑に進めるため M2 以上を最低一人は
グループに配置すべきと思います。
◇あんなに英語を喋ったのは久し振りでした。思ったより楽しくて勉強になりました。でも英語
の勉強にはなったのですが、全く討論を深めることができなくて残念でした。
◇極めて有意義に感じました。個人的にはめちゃくちゃな英語でも何とか議論に加わろうと
色々と発言するようにしました。討論の時間はもっと長くて良かったように感じました。特に
発表の時間が短く、ようやく皆が発表し易く、質問し易い雰囲気になったところで終了という
のは勿体ないと感じました。各グループ発表後、グループ毎の発表を振り返り、全体で議
論しても良いのではと感じました。
(3)体験実習について
(全体に関してのコメント)
◇普通では経験できないことができたので良かった。今後の勉強にも熱が入りそうです。
◇ナトリウム燃焼や非破壊検査、運転シミュレータなど初めてのことばかりだったので楽し
く、いい経験となった。
◇今日は一日肉体的にはかなり疲れたが、実際に身を持って学ぶことができとても興味深
く学ぶことができた。(同様コメント他 6 件、もう少し休憩が欲しい。)
◇色々と回り過ぎて疲れた。もっと一つの項目をじっくりやりたい。
-15-
◇こんな体験は普段の大学生活ではできないと思うのでとても新鮮であった。
◇班分けが分からなくなるので名札にも書いて欲しい。(英語討論会のみならず)
◇普段できない体験ができて大変ためになったが、他の人がやっているの見ているだけの
時間が多かったので、その点を考慮して欲しい。
①シミュレータ体験実習
◇シミュレータでは、初めて操作をやりとても良かった。話しの中で十年以上かけて資格を
取ると聞いてびっくりした。やっぱり、同じことでも何年もやって自分の実にしないといけ
ないと感じた。
◇単に操作するだけでなく炉内挙動の説明などをしっかりとやって頂き非常に分かり易か
った。(他、若い講師の方の説明が非常に分かり易かった。)
◇シミュレータは楽しかった。実際の運転のシミュレーション、数値シミュレーションは大変
興味深かった。
◇実際の制御棒の動きを体感できて大変良かった。(同様コメント他 3 件)
◇「もんじゅ」で事故が起きると、すごく大変なんだなと感じた。
◇一つ一つのパネルの意味の深さを教えて頂きとても参考になった。運転員の責任の重さ
と義務の多さには意味があることが理解できました。
◇原子炉運転システムを体験できたことは非常に貴重な体験だった。インターロックシステ
ムに対する理解が深まった。
◇一度「常陽」で見学する機会があったが、今回は詳しく説明してもらえてよく理解できまし
た。
②ナトリウム取扱体験実習
◇ナトリウム燃焼を消火するところが印象深かった。
◇体験しないと見ているだけではつまらない。
◇ナトリウムと水の反応が興味深かった。
◇現実に起こる現象を見ることができ良かった。
◇どれもおもしろかったが、特にナトリウム取扱体験が印象深かった。
◇消火活動を体験することで実行動における作業の困難さ等を理解できた。作業におい
て幾つかの質問をしたかったので、質問の時間を設けて欲しかった。
③非破壊検査体験実習
◇非破壊検査は簡単なことだったが、それなりに良かった。
◇もう少し詳細を知りたかったが、放射線を利用した非破壊検査しかないと思い違いをし
ていたので正すことができ良かった。
◇1 種類のみならず超音波や磁粉探傷などの他の検査も体験してみたかった。
◇ISI の見学時間をもう少し長く取って欲しい。
④供用期間中検査技術(ISI)
◇講師の方の質問に対する回答が非常に適切で良かった。
◇去年の研修に比べてレベルダウンしているのが残念だった。せめて、原子炉容器のレ
プリカは見たかった。
◇実際に装置を動かしてみたかった。
-16-
(4)施設見学について
①若狭湾エネルギー研究センター
◇少し声が聞き取りづらかったので、トランシーバー等を配布するなどの配慮が必要と思っ
た。(他、同様コメント 1 件)
◇専門外の部分が多々あったが、これから技術者として世の中へ出て行く私たちにとって
は、このような周辺情報もしっかりキャッチしなければならないため、非常に有益であっ
た。
②敦賀 3、4 号機建設準備工事現場
◇建設準備工事はもう少しく詳しく説明をして欲しかった。例えば、炉心部分の工事要領等
について。
◇現場に行くことで原発の雰囲気を肌で感じることができた。また、質問に対する回答も学
問的に答えて頂くだけでなく、経験等を交えて説明頂き、一つのことを聞くことによって周
辺情報も入ってくるので非常に有益だった。
◇建設状況を初めて見学することができて良かった。しかし、建設にはものすごい年数が
かかり、莫大な予算をかけていることに驚いた。
◇できれば 1、2 号機も見学したかった。
◇現場を見ることができたので大まかではあるが、今までよりも原子力発電所の建設に対
してはっきりしたイメージを持つことができた。
③高速増殖原型炉「もんじゅ」
◇「もんじゅ」は普段見れない所を見れて良かった。貴重な経験だった。
◇実際に中が見れたので良かったが、もう少しじっくりと見せてもらいたかった。
◇「もんじゅ」はナトリウム漏洩を起こしたが、「常陽」は 30 年間もナトリウム漏れを起こして
おらず、「常陽」の温度計の技術をしっかり受け継いでいれば事故は防げたのではない
かと感じました。
◇原子炉を今作っているという生の感じを受け圧倒されっぱなしでした。とても良い体験が
できたと思います。
◇「もんじゅ」の中に入るには色々と着替えをしたり、装置の中を通って進んで行くことが普
段経験できない体験で良かった。
◇思っていない内部の説明までして頂き非常に有益であった。
④関電美浜発電所
◇見学時間が少なかった。別の日に設定するか、さもなければ止めにするかの方が良いと
思う。(他同様コメント 3 件)
◇美浜発電所はもっとよく見たかった。
◇もう少し技術的に詳しい説明が欲しかった。
◇PR 館の見学時間がすごく短く残念だった。館内での説明の時間が長過ぎる。
(5)一般公開講座について
◇一般公開講座は疲労もたまっていて途中力尽きそうになったところもあったが、講座の内
容は興味深く内容の濃いものでした。
-17-
◇米国の原子力への取り組みについて聞けたのは初めてだったので非常に良かったです。
◇原子力だけでなく他のエネルギーについても効率という側面から学ぶことができ地球温暖
化問題に対する視野を広げることができた。
◇米国と仏国の講座の違いがよく分からなかった。ほぼ同じと感じた。むしろ、中国や韓国な
どの方にその国の現状を話してもらった方が良かった。
◇一般の方に対する原子力の教宣をどのように行っているのかを知りたかった。
(6)全体を通して
◇今回の「夏の大学」で貴重な体験や施設見学ができて良かったと思う。しかし、個人的に
は座学よりももっと体験や見学があっても良かったと思う。講義なら大学でも聞けるので施
設でしかできないことや見られないものが見たかった。
◇この 5 日間を振り返ると、初めてのことばかりで楽しかった。5 日間ともいい経験になった。
◇スケジュールがハードだった。体力が持たない。
◇学生のためになることばかりだったと思う。来年もまた「夏の大学」を実施して多くの学生に
原子力に興味を持ってもらえるように頑張ってください。
◇普段できない体験や様々な講義を受けることができた。必ず今後何かの役に立つと思う。
◇英語討論会や体験学習など、普段経験することができない勉強の場となりました。貴重な
時間を有難うございました。
◇来年また参加したいと思った。
◇施設見学にもう少し時間が欲しかった。
◇様々な専門家の人が来ているので仕方ないとは思うが、座学が物足りないと感じることが
あった。
◇英語で討論する機会はなかなかないので良い経験になった。要望として、1 日延長して午
後から市内観光の時間を作っても良いと思う。
◇包括的にエネルギー問題を考えたり、国際的な原子力開発への取り組みなどを知ること
ができ興味深かった。
◇座学は導入的な内容から GNE-Ⅳなどの最新トピックスも学ぶことができ、知識の向上に
繋げることができたと思う。
◇大学で学習していない部分が多く難しいことが多かったが、今後大いにこの経験を活かせ
るものと思います。関係者の方々どうも有難うございました。
◇「もんじゅ」の施設を再度時間をかけて見学したい。
◇全体を通して楽しい研修であった。特に英語討論会では自分の実力を知ることができたと
ともに、もう少し勉強しなければならないことを感じた。(同様コメント他に 2 件)
◇座学で学び、目で見て、更に体験できたことで本当の知識が身についたと実感しています。
本当に多くの学生が今後このような機会を得て成長して欲しいですし、私自身も再度受講
したいと思います。本当に良い経験をさせて頂き感謝致します。
以上
-18-
添付資料2)「平成19年度敦賀原子力夏の大学」海外研修学生の感想
「平成 19 年度敦賀原子力夏の大学」
海外研修参加学生の感想
平成 20 年 3 月
福井大学
フランス研究報告書
2008 年 2 月 2 日 ∼2 月 10 日
東京工業大学大学院 理工学研究科 原子核工学専攻
関本研究室 井村寛治
INSTN 研修
研修内容
1 日目 炉物理講義(反応度,遅発中性子)
2 日目 臨界近接実験,制御棒校正,実験炉見学(ISIS REACTOR)
3 日目 PWR シミュレーション
臨界状態からの出力上昇
研修内容は, 臨界近接,制御棒校正とほぼ京都大学 KUCA での実験と同様であった.
PWR シミュレーションでは,様々な運転条件が設定されており,設定条件からの出力変
動や,周辺機器の操作といった実践運転向きのものだった.
感想
INSTN での講義は非常に丁寧に教えて下さり,分かりやすかった.また,実験施設も,
実験目的に対してシンプルでよかった.実験内容は,京大炉で1週間かけて行うことを半
日でさらっと流した感じであったが,講義準備が非常によく,十分なデータも揃ってい
たため理解しやすかった.PWR シミュレーションでは,出力上昇に対して,炉心周辺の
熱交換器なども制御しなければならず,今まで炉内だけを見ていたため,新しい感覚で
あった.
INSTN での講義全体を通して,全て英語での講義であったため,言語理解という点で
苦しんだ.やはり,今後の国際社会の中では,知識と同じくらい英語力が必要だと感じ
た.国際社会へ出て,英語の理解力が乏しければ,いくら知識を持っていても,そこから
の伸びが少ないだろう.今回の講義でそれを痛感した.
1
Phenix 等施設見学
0.1 Phenix
見学施設
Phenix: 制御室,炉心上部,熱交換器,タービン室
Melox: MOX 製造ライン
0.2 感想
Phenix 自体は想像していたより小さかったが,高速炉として照射試験など最先端の研
究がされているところへ見学に行けたことは非常に有意義であった.また,展示室では,
Phenix 施設全体の模型などを見ることができ,燃料交換メカニズム,軽水炉などとの燃
料形状の違いなどが分かり勉強になった.事前講義では,スーパーフェニックスの停止理
由の政治的な理由をしり,やはり原子力分野の発展にはまだまだ,技術力以外の力が及ぶ
ことが非常に悔しく,惜しく感じた.
Melox は実際に行くことはできなかったが,MOX 製造ラインの見学ということで,日
本の燃料会社とほぼ同様であったということであった.しかし,やはり,MOX という
ことで,製造が非常にシビアになるのではないかと思う.また,Melox では,全世界の
MOX 燃料加工を受けもっている.よって,ライン数も仕様によって増えてしまうらし
い.その話を聞いてやはり,日本での再処理施設,および燃料加工施設の運転が今後早急
に必要であると感じた.
3
今回の研修を通して
今回の研修を通し,世界一の原子力大国フランスの原子力分野の教育施設,研究施設を
訪れることができ,非常に良い経験ができたと思う.私自身が感じたことは,フランスの
国家を挙げての原子力に対する教育,取り組みの熱心さである.今回講義をして頂いた
INSTN はヨーロッパ全土の原子力エンジニアを集め,育成するという目標をしっかりと
持ち,将来を見据えている.こういった国の体制からフランスは今後の原子力大国であり
続けるであろうと感じた.
一方,日本は,原子力分野において世界有数の技術大国ではあるが,決して原子力に対
して積極的ではないと私は思う.
この環境の違いをみると,将来の差は歴然であると思う.今後,必ず原子力の時代がく
る.日本にとって,原子力分野で技術力を高めることは国際社会のなかで大きな力を持つ
ためのチャンスだと思う.中でも,高速増殖技術の開発は,資源の乏しい日本にとって,
エネルギー資源確保のチャンスである.よって,日本は更なる原子力教育,研究施設の充
実を計るべきだと思う.
また,個人的な面で今回の研修を通して,自分の力を測ることができよかったと思う.
語学力,基礎知識どれをとってもまだまだであったように思う.しかし,今回の経験で自
分が今何をすべきなのかが分かった気がする.今後,今回の経験を元に,着実にレベル
アップできるように勉学に励んで来たいと思う.
5
2008 年 2 月 18 日
フランス研修レポート
武蔵工業大学
博士後期課程 1 年
羽倉尚人
平成19年の夏,「敦賀「原子力」夏の大学」という研修に参加してみないか,と誘われ
てから半年,
「海外研修学生」として渡仏する機会を得た.海外での研修などこれまでに全
く経験がなく,研修内容に対する期待とともに,「英語」への大きな不安を抱えたまま,フ
ランスに出かけることとなった.
研修の前半,INSTN での講義は,3日間という短期間に,実に多くのことを学べるカリ
キュラムであった.初日は,Safieh 先生の炉物理の講義であった.基本的にこの日の内容
は,大学院の講義で学んだことであった.しかし,それが英語で行われると,なかなか難
しかった.講義の間ほとんど先生のお話を聞くだけになってしまっており,「いつでもいい
から質問してください」という先生の言葉が胸に刺さった.日本語であれば,いくつか質
問しようと思えばできたのだが,質問しようにも英語がでてこない.休憩の間に,何とか
質問を搾り出した.先生はつたない英語を熱心に聴いてくださり,丁寧に回答してくださ
った.自らの英語力を恥じるばかりの一日となった.
2日目は,Foulon 先生による臨界近接および制御棒校正の講義と研究用原子炉 ISIS を
使っての実習であった.ここでの内容も京都大学の KUCA での院生実験の際に学んだこと
であったため,「英語で」ということを除いては,理解しやすかった.今回初めて海外の原
子炉施設に入る機会を得たが,管理区域に入る際に,靴を履き替えなくてよいことに驚い
た.日本では,炉室は管理のレベルが高い場所であり,靴を履き替えずにはいるというこ
とは考えられないと思う.実験は実にテンポよく進んでいった.ISIS 自体は古い炉という
ことであったが,制御卓は最新のものであるように思われた.非常によく教育用に整備さ
れており,あたかもシミュレータのように,本物を扱っている点が印象的であった.遅発
中性子の影響を見る実験と温度係数に関する実験が特に興味深かった.前者は,出力一定
運転時に15秒かけて制御棒をある長さ挿入し,同じく15秒かけて元の位置まで引き抜
いたときに,出力はどのように変動するかを考察するというものであった.実験の前に,
変動の様子を予想した.ほとんど皆,出力は下がり,下がったところで一定になると予測
した.実際にやってみると,制御棒を再度挿入し始めるとわずかに出力が上がった.これ
は,遅発中性子の減衰には時間遅れが生じるためであるという.遅発中性子を「感じる」
ことのできる優れた実験であると思った.後者の温度係数に関する実験は,50kW まで出力
を上昇し,制御棒だけで臨界を維持しようとすると,温度上昇による負のフィードバック
がかかるために出力が低下するというものであった.この実験はある程度出力を高くでき
る原子炉だからこそできるものである.この日は,ISIS と同じ建屋にあるオリジスという
炉も見学することができた.オリジスは ISIS よりも規模が大きく,70MW で運転されてい
た.70MW 運転時のチェレンコフ光は実に印象的であった.
サクレーでの最終日は,Grard 先生による PWR の講義とシミュレータを使った実習であ
った.シミュレータは 2 人に 1 セットずつ用意されており,自由に操作することができた.
しかし実際には,1 セットのシミュレータを見ながら,皆で講義を受けるという形態で進行
され,多くのマシンが活用されていなかった.できれば何か演習の課題を与えられ,2 人な
いし 3 人で相談しながら問題を解いていくという演習ができればよかったと思う.内容的
には,出力を変化させるに当たり,反応度変化と 2 次系ループがどのように関係するかを
よく理解することができた.
アヴィニオンへの移動と観光を挟んで,研修最終日には,高速原型炉 Phenix と AREVA
社の MOX 燃料加工工場(Melox)を見学した.日本では,高速実験炉「常陽」と高速原型
炉「もんじゅ」を見学した経験があったが,高速炉が発電する姿を目の当たりにできたこ
とは非常に印象的であった.Phenix では,炉頂部の見学ギャラリーが整備されており,見
学者を迎える体制が整っていることに驚いた.MOX 燃料加工工場は,現在の研究テーマが
MOX 燃料に関するものであることからも,非常に興味を持っていた.日本では,GNFJ や
原子燃料工業の工場を見学したことがあった.MOX 燃料はウラン燃料に比べ,放出される
ガンマ線量が高いので加工工程における遮へいが厳しいのではないかと思っていたが,意
外にもウラン燃料の場合と大きな違いはないと感じた.最終工程の集合体にくみ上げたと
ころでは,ウラン燃料の場合には見られなかった大きな生体遮へいが設置してあった.
今回の研修を通して,最も印象深かったことは,指導してくださった先生方や Phenix,
Melox を案内してくださった方々対応である.つたない英語での質問に対して,言わんと
することを汲み取ってやろう,という気持ちが強く伝わってきた.語学力が低いために上
手く質問できないことを恥ずかしいと思っていたが,それ以上に,発言してみたことが上
手く伝わらなかったことを恥ずかしいと思い,発言や質問をあきらめてしまっていたこと
の方が,より一層恥ずかしいことであると悟った.今回は「お客さん」として訪問したた
め,相手も粘り強く対応してくださったと思うが,もし今後,自分の研究で海外に行くこ
とがあったときに,同じような姿勢でいては,全く相手にされなくなるだろうと危機感を
覚えた.もちろんある程度以上の語学力は必要だと思うが,それ以上に,コミュニケーシ
ョンに対する意識も改めなければならないと感じた.
今回の研修は,短期間に実に多くのことを勉強できました.改めて,本研修の企画・運
営に関わられた皆様に感謝申し上げます.
TGV の車窓から見えた冷却塔
ピザを食べる人々
敦賀「原子力」夏の大学
海外原子力研修(仏国)を終えて
福井大学大学院
原子力・エネルギー安全工学専攻
M1 犬飼裕介
まず、今回の海外原子力研修で関わっていただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。
皆様のおかげでこの研修を非常に有意義に過ごすことが出来ました。もちろん勉強だけで
はなく、パリ、アヴィニョン観光や、同じ原子力技術者を目指す方々と知り合えたことは、
今後の良い経験になると思います。
勉強、見学、観光などで印象に残った事を簡単にですが以下にまとめました。
・INSTN サクレーセンターにおける研修
3日間の研修では、原子炉物理の基礎の講義、教育用原子炉を用いた原子炉実習、PWR
シミュレータを用いた実習を行いました。基礎の講義では、日本で学んだ内容も多く含ま
れていましたが、一つ一つのロジックがしっかりしていて、何が重要かを学生自身で理解
させるように話されたので非常に面白く多くの再発見が出来ました。これは3日間通して
言えることなのですが、どの先生方の講義も学生が理解できるまで説明して頂きとても熱
心に指導してもらえたことが印象的でした。
原子炉実習では、自分自身で原子炉の操作が出来ると期待していたのですが、実際には
INSTN の方が操作をされて学生はパラメータの推移を画面上で見ているだけだったのが少
し残念でした。しかし、原子炉実習は初めてで原子炉の即発中性子の役割、制御棒の働き、
軽水炉の自己制御性の確認などがリアルタイムに知ることが出来て、今まで教科書や講義
でしか知らなかったことを実際の目で見ることが出来てとても勉強になりました。また、
研究用原子炉も見学できたのですが、そこで初めてチェレンコフ光を見た時は感動しまし
た。
PWR シミュレーション実習では、一次系と二次系の関連性が非常に印象に残りました。
今までは原子炉の出力を上昇させる為の初動の操作は、単純に制御棒を抜けば良いと考え
ていたのですが、今回の実習で二次系の流量を増やす事が適切な操作であったのは驚きで
した。また、キセノンの発生による出力変動が考えていたよりも影響度が大きいこと、キ
セノンの影響をホウ素濃度でコントロールすることで低く抑えることが出来ることを知り
ました。実習の前に、今回の研修に同行者の畠中さんに PWR の運転方法の基礎を教えて頂
いたおかげで、シミュレーション実習の理解を深めることが出来ました。
・高速炉フェニックス、MELOX の見学
日本の高速炉「常陽」、「もんじゅ」の見学に行った事があり、フランスの高速炉「フェニッ
クス」の見学は非常に楽しみにしていました。見学をして驚いたことは、フェニックスの敷
地内に入るまでは身元確認などのチェックは厳しいのですが、建物に入ってから管理区域
内の原子炉上部まで行くのに、見学者の細かいチェックが無かったことです。原子炉上部
には見学者用のスペースもあり、閉じているのではなく開かれている雰囲気を感じました。
対してもんじゅでは、何度もチェックを受ける必要があるために多少なりとも閉じている
と感じ、日本とフランスの国民性の違いや、フランスでは原子力が広く普及していると改
めて考えることが出来ました。また、2009 年に停止予定の高速炉が運転しているのを見学
できたのは幸運でした。
MELOX では MOX 燃料の製造過程を見学したのですが、ウラン燃料とは違い MOX 燃料
はプルトニウムを含んでいるため扱いの大変さを感じ、1つの燃料集合体が完成するまで
の過程を見ることができたことは良い勉強になりました。
・フランス観光
この研修で初めてヨーロッパを訪れることができました。パリではルーブル美術館、オ
ルセー美術館などに行きまして、美術作品に多く触れました。私は美術作品に疎くあまり
詳しくないのですが、ミロのビーナス、モナリザなど世界中の多くの人が知っている作品
を間近に見ることが出来たのは感慨深かったです。特に、フランスに滞在をして感じたこ
とは、日本との食文化の違いです。フランスでは食事をする時間が長く、友人や家族など
と楽しみながら食事をすることを学びました。セーヌ川でのクルーズディナーでは美味し
い料理と楽しい時間を過ごすことができ、主催して頂いた INSTN の方々に感謝いたします。
私は将来原子力に関わる仕事に就きたいと考えています。望むような仕事に就くことが
出来ても、フェニックス見学や INSTN での原子力実習といった経験は貴重で、この研修で
非常に良い体験をすることが出来ました。この経験を今後の自分自身の成長に、そして日
本の原子力の発展に役立てるように努力していきたいと思います。
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