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インドネシア-雇用労働関係法令のPDFファイル

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インドネシア-雇用労働関係法令のPDFファイル
インドネシア(調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2009 年 8 月 15 日
1.1
雇用労働関係法令一覧
労働力に関する労働基本法として、労働に関する法律 2003 年第 13 号があり、民間企業
と国営企業に対して適用される。公務員の場合は、公務員基本法に関する法律 1974 年第 8
号がある。また、警察官についてはインドネシア共和国国家警察に関する法律 2002 年第 2
号があり、軍人については、インドネシア共和国国家警察に関する法律 2004 年第 34 号が
ある。
インドネシアにおける規則の順位は、法規制定に関する法律 2004 年第 10 号に以下のとお
り規定されている。
(1) 1945 年インドネシア共和国憲法(UUD 1945)
(2) 法律また法律に代わる政令(Undang-Undang / PERPU)
(3) 政令(Peraturan Pemerintah)
(4) 大統領令(Keputusan Presiden)
(5) 地方行政区規定(Peraturan Daerah)
基本的にインドネシアの第一の基本法は 1945 年の憲法である。低位にある法律の原理
は上位の法律に相反するものであってはならない。それに加え、法律の実施においては、
詳細説明のための大臣令があり、また職員に対する指導として大臣規定がある。
(1) 雇用労働関係法令一覧
・ 1958 年船員の身分証明書条約(第 108 条)に関する、2003 年 ILO 条約第 185 号
承認に係わる法律 2008 年第 1 号
・ 人身売買犯罪に対する法律 2007 年第 21 号
・ 国家安全保障システムに関する法律 2004 年第 40 号
・ インドネシア移民労働者の保護と斡旋に関する法律 2004 年第 39 号
・ 労使紛争解決に関する法律 2004 年第 2 号
・ 工業並びに商業における労働検査官に関する法律 2003 年第 21 号
・ 労働に関する法律 2003 年第 13 号
・ 労働組合に関する法律 2000 年第 21 号
・ 人権に関する法律 1999 年第 39 号
・ 職業と地位の差別に関する法律 1999 年第 21 号
・ 労働者の最低年齢に関する法律 1999 年第 20 号
・ 強制労働排除に関する法律 1999 年第 19 号
・ 障害者に関する法律 1997 年第 4 号
・ 年金基金に関する法律 1992 年第 11 号
・ 労働者の社会保障に関する法律 1992 年第 3 号
・ 女性の差別についての協定承認に関する法律 1984 年第 7 号
・ 職場での労働報告義務に関する法律 1981 年第 7 号
・ 労働安全に関する法律 1970 年第 1 号
・ 男女均等賃金に関する法律 1957 年第 80 号
・ CBA 交渉への権利と基本的権利の行使に関する法律 1956 年第 18 号
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インドネシア(調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2009 年 8 月 15 日
・ 労働法承認に関する法律 1951 年第 3 号
(2) 雇用労働関係政令一覧
・ 外国での個人の所得税に関する政令 2008 年第 80 号
・ 人身売買の参考人又は犠牲者に対する便宜の仕組みと手続きに関する政令 2008 年
第9号
・ 障害者福祉向上の説明に関する政令 1998 年第 43 号
・ 国家認証機関に関する政令 2004 年第 23 号
・ 三者協力機関の手続きと構成に関する政令 2005 年第 8 号の改訂、2008 年第 46 号
・ 国家、州、地方の間の行政に関する政令 2007 年第 38 号
・ 社会保障プログラム策定に関する政令 1989 年第 14 号の改訂、1998 年第 79 号
・ 労働者の社会保障に関する政令 1993 年第 14 号
・ 賃金の保護に関する政令 1981 年第 8 号
・ 特定の裁判官の採用と解雇の手続きに関する政令 2004 年第 41 号
・ 社会保障プログラム策定に関する政令 1989 年第 14 号の改訂、2007 年第 76 号
・ 公務員採用に関する政令 2000 年第 98 の改訂、2000 年第 11 号
・ 労使紛争解決に関する法律 2004 年第 2 号の検証延長に関する政令 2005 年第 1 号
・ 三者協力機関の作業手続きと構成に関する政令 2005 年第 8 号
・ 受理した労働情報と労働予測実施手続きに関する政令 2007 年第 15 号
・ 労働者の社会保障に関する政令 1993 年第 14 号の改訂、2005 年第 64 号
(3) 労働省令
・ 賃金構造と賃金基準に関する労働省令 KEP.49/MEN/2004
・ 職種情報の分類とデーターの特徴に関する労働省令 KEP.268/men/X11/2008
・ 2009 年国家安全月間推進に関する労働省令 KEP.201/MEN/IX/2008
・ 個別企業の海外人事配置に関する労働省令 KEP.201/MEN/IX/2008
・ 職業紹介認可を解除する人事任命に関する労働省令 KEP.200/MEN/IX/2008
・ 賃金上昇率は経済成長率を上回らないとする共同省令 01TAHUN2008、
KEP.24/MEN/11/2008、SKB/01/M.PAN/2/2008
1.2
労働基準関係法令
(1) ILO 条約
インドネシアは以下のとおり、17 の ILO 条約を批准した。
・ 第 19 号条約
1925 年均等待遇(災害補償)、1950 年批准
・ 第 27 号条約
1929 年重量標示(船舶運送の包装貨物)、1950 年批准
・ 第 29 号条約
1930 年強制労働、1950 年批准
・ 第 45 号条約
1935 年坑内作業(女性)、1950 年批准
・ 第 69 号条約
1946 年船舶料理士資格証明、1992 年批准
・ 第 81 号条約
1947 年労働監督、2004 年批准
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・ 第 87 号条約
1948 年結社の自由及び団結権保護、1998 年批准
・ 第 88 号条約
1948 年職業安定組織、2002 年批准
・ 第 98 号条約
1949 年団結権及び団体交渉権、1957 年批准
・ 第 100 号条約 1951 年同一報酬、1958 年批准
・ 第 105 号条約 1957 年強制労働廃止、1999 年批准
・ 第 106 号条約 1957 年週休(商業及び事務所)、1972 年批准
・ 第 111 号条約 1958 年差別待遇(雇用及び職業)、1999 年批准
・ 第 120 号条約 1964 年衛生(商業及び事務所)、1969 年批准
・ 第 138 号条約 1973 年最低年齢、1999 年批准
・ 第 144 号条約 1976 年三者間の協議(国際労働基準)、1990 年批准
・ 第 182 号条約 1999 年最悪の形態の児童労働、2000 年批准
(2) 労働基準に関する法令
・ 労働に関する法律 2003 年第 13 号
・ 労働組合及び労働者団体に関する法律 2000 年第 21 号
・ 人権に関する法律 1999 年第 39 号
・ 職業と地位の非差別に関する法律 1999 年第 21 号
・ 労働者の最低賃金に関する法律 1999 年第 20 号
・ 強制労働排除に関する法律 1999 年第 19 号
・ 女性差別排除に関する条約承認法律 1984 年第 7 号
・ 労働安全衛生に関する法律 1970 年第 1 号
・ 同一労働の男女均等賃金に関する法律 1957 年第 80 号
・ 労働者の社会保障に関する法律 1992 年第 3 号
1.2.1
労働契約
労働契約については、労働に関する法律 2003 年第 13 号第 50~66 条に定められている。
労働契約は基本的に書面で交さなければならない。しかしながら、さまざまな事情を考慮
した上であれば、口頭での契約も可能とする。労働契約には、有期契約と、無期契約があ
る。外国企業の場合、労働契約はインドネシア語と外国語の両方で記載する。インドネシ
ア語と外国語の記載により解釈上の相違が生じた場合は、インドネシア語に従う。
有期労働契約では試用期間を設けることができない。また、恒久的な性質を持つ仕事につ
いて、有期労働契約を締結することはできない。有期労働契約を延長しようとする企業は、
当該労働者に対し、契約満了の 7 日前までに書面で通知しなければならない。有期労働契
約の更新は、その期間の労働契約終了から 30 日以上の猶予期間を経過した後、更新する
ことができる。有期労働契約の更新は、2 年以内の期間に限定される。
無期労働契約は、3 カ月以内の範囲で試用期間を設けることができる。試用期間も、賃
金は定められた最低賃金額を下回ってはならない。企業主が交代する場合、譲渡契約に記
載のない限り、新しい企業主が労働者の権利を満たす責任がある。その譲渡契約は労働者
の権利を狭めるものであってはならない。無期労働契約が口頭でなされた場合、企業主は
その労働者に対して、採用通知を出す義務がある。
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有期契約に関する他の規則は以下のとおり。
・ 労働移住大臣決定 234/MEN/2003:特定地域でのエネルギーと鉱物資源業種におけ
る労働時間と休憩時間について
・ 労働移住大臣決定 KEP.233/MEN/2003:継続的に行われる労働の種類と特徴につい
て
・ 労働移住大臣決定 KEP.49/MEN/2004:賃金構造と賃金基準の規定について
・ 労働移住大臣決定 KEP.80/MEN/V/2004:シンガポールにおけるインドネシア移住
労働者の斡旋について
・ 労働移住大臣決定 KEP.100/MEN/VI/2004:有期雇用契約について
1.2.2
解雇規則
解雇の規則は労働に関する法律 2003 年第 13 号第 50~60 条に記載されている。雇用の
終了は回避すべきであり、回避できない場合は交渉を優先し、その後労働裁判所の決定を
仰ぐべきと法律に記載されている。したがって、雇用者と労働者あるいは労働組合、政府
は雇用が終了しないようあらゆる努力をしなければならない。あらゆる努力にもかかわら
ず、雇用契約の終了が避けられない場合は、雇用者と当該労働者が属する労働組合(当該
労働者が非組合員の場合は、雇用者と解雇される労働者)の間で、雇用の終了について協
議しなければならない。協議で合意が得られない場合は、労使紛争解決機関の決定を受け
てから初めて、雇用者は雇用を終了させることができる。雇用関係が終了する場合は、雇
用者は解雇する労働者に、退職金又は雇用期間に提供された役務への謝礼、そして資格、
権利に対する補償金を支払わなければならない。解雇にあたって紛争が生じた場合は、両
者の合意による解決、あるいは労使紛争解決に関する法律 2004 年第 2 号に従い、労働裁
判所で解決しなければならない。
1.2.3
賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇、時間外及び休日労働、時間外の割増
賃金
(1) 賃金
すべての労働者は人間らしい生活をする権利がある。そのために政府は労働者を保護す
る賃金政策を策定している。その政策には、最低賃金、時間外労働手当、休暇中賃金支払
い、実行しなければならない仕事以外の活動に対する賃金支払い、休暇の権利行使時の賃
金支払い、賃金の支払い方法、賃金から差し引く罰金、控除分、賃金として計算される他
の項目、比例賃金の仕組みと基準、退職金の支払い、そして所得税の計算が定められてい
る。労働者の生計に見合う収入とは、労働から得られる収入で、食料、飲料、衣服、住宅、
教育、ヘルスケア、娯楽、高齢者支援等の必要性を満たして、家族の生計を維持できる収
入を指す。
賃金に関する規則には、労働に関する法律 2003 年第 13 号第 88 条~98 条、賃金保護に
関する政令 1981 年第 8 号、時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定
KEP-102/MEN/VI/2004、最低賃金に関する労働移住大臣決定 KEP-226/MEN/VI/2000 が
ある。賃金に関するその他の規則としては、賃金構造と賃金基準に関する労働移住大臣決
定 KEP.49/MEN/IV/2004 がある。
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(2) 労働時間
すべての企業は労働時間に関する規定を遵守する義務がある。週 6 日勤務の場合、1 日
7 時間、週 40 時間労働、又は週 5 日勤務の場合、1 日 8 時間、週 40 時間労働となる。た
だし、この規定は特定のビジネスセクターあるいは特定の職種には適用されない。適用外
については、特定地域の鉱業セクターの労働時間と休憩に関する労働移住大臣決定
PER-15/MEN/V11/2005 のような省令に規定されている。
(3) 休暇
雇用者は労働者に休憩と休暇を取らせる義務がある。雇用者は連続 4 時間の労働の後労
働者に 30 分以上の休憩時間を与えなければならない。この休憩時間は労働時間に含まな
い。週当たりの休日は、週 6 日勤務の場合は 1 日、週 5 日勤務の場合は 2 日である。勤続
1 年以上で年間 12 日の休暇が取得できる。
(4) 有給休暇
同一企業に連続 6 年勤務した労働者は、2 カ月ほどの長期休暇を取る権利が与えられ、7
年目と 8 年目にそれぞれ 1 カ月間ずつ取得できる。ただし、その年の年次有給休暇の権利
はなくなる。8 年目には、年休補償金として、2 分の 1 カ月分の賃金を支給する。この規
定はそれ以降、勤続 6 年ごとに適用される。休暇の期間については、労働契約、社内規定、
労働協約で規定される。ただし、上記の長期休暇の規定は、古くから進出している特定の
企業のみに適用される。特定の企業とは労働移住省、省令で規定されている。
(5) 時間外労働
労働者は法定休日には働く義務がない。仕事が継続的に行われるものである場合、ある
いは労働者と企業の間で契約がある場合は、労働者に対し法定休日の労働を命じることが
できる。その場合企業は、当該労働者に対して時間外労働手当を支払う義務がある。仕事
の種類と性質に関しては、時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定
KEP-102/MEN/VI/2004 に規定されている。
(6) 休日労働
労働者に対して法定休日に労働を要求する企業は、時間外手当を払う義務がある。仕事
の種類と性質については、時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定
KEP-102/MEN/VI/2004 に規定されている。
(7) 時間外割増賃金
時間外手当の計算は月給が基準となる。時間当たりの賃金の算出方法は月給の 173 分の
1 である。労働者の給料が日払いの場合の月給は、週 6 日労働の場合は、日給の 25 倍、週
5 日労働の場合は日給の 21 倍の計算となる。歩合制給与の場合、月給は過去 12 カ月の平
均賃金となる。労働期間が 12 カ月未満の場合、1 カ月の給与は労働期間に受け取った賃金
の平均となるが、その場合も定められた地域別最低賃金を下回ってはならない。賃金が基
本給と定額手当から構成される場合、時間外手当の計算基準は賃金の 100%となる。賃金
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が基本給、定額手当、その他の手当からなる場合、基本給と定額手当の合計が総賃金の 75%
以下であるならば、時間外手当の計算基準は総賃金の 75%になる。時間外手当の計算方法
は次のとおりである。
a) 時間外労働が就労日になされる場合、最初の 1 時間は時間給の 1.5 倍、それ以降に
ついては、1 時間当たり時間給の 2 倍を支払わなければならない。
b) 週 6 日 40 時間労働の場合、週の休業日あるいは法定休日の時間外手当の計算は、
最初の 7 時間まで時間給の 2 倍、8 時間目は時間給の 3 倍、9 時間目、10 時間目は
4 倍の計算とする。
c) 法定休日が最短労働日と重なった場合の労働は、最初の 5 時間分の時間外労働手当
は時間給の 2 倍、6 時間目は時間給の 3 倍、7 時間目と 8 時間目は時間給の 4 倍と
なる。
d) 週 5 日 40 時間の労働時間の場合、週の休業日あるいは法定休日の時間外手当の計
算は、最初の 8 時間が時間給の 2 倍、9 時間目は 3 倍、10 時間目と 11 時間目は時
間給の 4 倍となる。
時間外労働と時間外手当に関する省令よりも、条件の良い時間外手当の計算基準を実施
している企業の場合は、その基準が有効である。時間外手当の計算に相違がある場合は、
統治する市の労働調査官が金額について決定権を持つ。もし労使のいずれかにとって、こ
の決定が受け入れられない場合は、州の労働調査官に再度決定を要請することができる。
同一の州で 1 都市以上において企業の時間外手当の計算に相違がある場合は、州の労働調
査官が金額を決定する。もし労使のいずれかにとって、この決定が受け入れられない場合
は、労働移住省の労働調査官に決定を依頼することができる。州を越えて企業の時間外手
当の計算に相違がある場合は、労働移住省の労働調査官が時間外手当の金額を決定する権
限を有する。
1.2.4
年少者、女性、民族、外国人労働者、労働安全衛生、アウトソーシング(委託業務
や派遣労働)
(1) 年少者
企業による児童の雇用は許されていない。例外として、児童の精神的、肉体的、そして
社会的な発達を妨げない範囲の軽作業においては、13~15 歳の児童の雇用が認められるこ
とがある。その場合、企業は以下の条件を満たす必要がある。
・ 雇用者は児童の両親、あるいは保護者から書面による同意を得ること
・ 雇用者は児童の両親あるいは保護者との間で労働契約書を取り交わすこと
・ 1 日当りの労働時間は 3 時間以内とすること
・ 日中の労働は学校の授業時間を妨げないこと
・ 当局が公認する学校の教育カリキュラムあるいは訓練の一環であること
・ 14 歳以上の児童に対して、どのように仕事を行うか明確な指示、指導及び監督がな
され、職務上の安全と健康への配慮がなされること
・ 自己の能力と関心を高めるために働くこと
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雇用者が児童を雇う場合、以下の条件を満たす必要がある。児童の能力と興味関心の向
上に関する条例は省令に規定されている。
・ 児童は両親あるいは保護者の直接の管理監督の下に置くこと
・ 1 日当りの労働時間は 3 時間以内とすること
・ 労働条件と労働環境が児童の肉体的、精神的、社会的な発達と学校の時間を妨げな
いこと
(2) 女性
18 歳未満の女性労働者は、夜 11 時から朝の 7 時までの労働が禁止されている。また、
妊娠中の女性については、その時間帯の労働が本人と子供の健康と安全を損なう危険性が
ある旨の医師の証明書があれば雇用が禁止される。省令により、夜 11 時から朝の 7 時ま
での間に女性労働者を雇用する雇用者には以下の義務が課せられている。
・ 栄養豊かな食事と飲み物の提供
・ 職場における良識と道徳、安全の確保
・ 夜 11 時から朝の 5 時まで勤務する女性労働者への復路、又は往復の送迎の提供
(a) 生理休暇、労働に関する法律 2003 年第 13 号第 81 条
生理の期間、苦痛を感じ、その旨を企業に伝えた女性労働者は、生理の初日と 2 日目は
出勤しなくても良い。この規定の実施について、労働契約、就業規則、又は労働協約に規
定しなければならない。
(b) 出産休暇、労働に関する法律 2003 年第 13 号第 82 条
女性労働者は産科医又は助産師の診断に基づき、出産前 1.5 カ月、出産後 1.5 カ月の休
暇を取得する権利がある。流産した女性労働者は、1.5 カ月の休暇、あるいは産科医、助
産師の診断書に基づき休暇を取得する権利がある。
(c) 労働時間中の授乳
労働に関する法律 2003 年第 13 号第 83 条
企業は女性労働者に対し、労働時間中に授乳の必要がある場合は、適切な機会を与える
義務がある。
(3) 労働安全衛生
健康と安全に関する法律 1970 年第 1 号、労働に関する法律 2003 年第 13 号第 86~87
条は、労働安全衛生に関する法律である。その 2 つの法律に加えて労働安全衛生に関して
は、以下のように多数の規則がある。
・ 鉱山業における労働安全衛生の取り決めと検査に関する政令 1973 年第 19 号
・ 石油とガスの精製と製造における健康と安全に関する政令 1979 年第 11 号
・ 運輸と木材伐採における労働安全衛生に関する労働移住省令 Per-01/MEN/1978
・ 安全検査官の条件、職務、権限、義務に関する労働移住省令 Per-03/MEN/1978
・ 建築業の健康と安全に関する労働移住省令 Per-01/MEN/1980
・ 軽消火器の設置と保守の要件に関する労働移住省令 Per-04/MEN/1980
・ 加圧型のコンテナに関する労働移住省令 Per-01/MEN/1982
・ 溶接工に関する労働移住省令 Per-02/MEN/1982
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・ 自動火災報知機の設置に関する労働移住省令 02/MEN/1983
・ 電力設備と発電に関する労働移住省令 02/MEN/1985
・ リフトと輸送機器に関する労働移住省令 Per-05/MEN/1985
・ 健康と安全の標識に関する労働移住省令 Kep-1135/MEN/1987
・ 健康と安全日に関する労働省移住大臣決定 Kep-245/MEN/1990
・ 専門的職務の労働安全衛生の手続きに関する省令 RI、Per-04/MEN/1987
・ 蒸気ボイラーオペレーターの資格免許と条件に関する労働省令 Per-01/MEN/1989
・ クレーンオペレーターの資格と要件に関する労働省令 Per-01MEN/1989
・ 雷電設置検査に関する労働省令 Per-02/MEN/1989
・ 健康安全の専門家の職務、義務、権利と権限の手順に関する労働省令
Per-02/MEN/1992
・ 石油パイプライン施工の安全に関する労働省令 300.K/38/M.PE/1997
・ 鉱山業における労働安全衛生の検査監督に関する政令 1973 年第 19 号
(4) アウトソーシング
労働に関する法律 2003 年第 13 号第 64~66 条に請負契約と労働者派遣サービスについ
て記載されている。アウトソーシングの仕事は、非中核的な業務にのみ行われる。
1.2.5
就業規則、労働協約
10 人以上の労働者を有するすべての企業は就業規則を定めなくてはならない。その規則
は大臣あるいは指名された政府職員により承認後、発効する。しかしながら、この就業規
則を定めるという義務は、労働協約のある企業には適用されない。企業主は自社の規則を
策定しまたそれについて責任を持つ。会社の就業規則は労働者代表の意見と提案を考慮し
て作成しなければならない。既に労働組合が社内にある場合は、労働者代表は労働組合の
役員がなる。労働組合が社内にない場合、労働者側の代表は両者が合意する企業団体のメ
ンバーか、労働者の利益を代弁する社内で民主的に選ばれた労働者がなる。
企業の就業規則には少なくとも次の事柄を包含する必要がある。
a) 企業の権利と義務
b) 労働者の権利と義務
c) 労働条件
d) 企業の規律と行動基準
e) 就業規則の有効期間
就業規則は現行の法律と規則に反してはならない。就業規則の有効期間は 2 年間で期限
到来時に更新される。就業規則の有効期間内に労働組合が労働協約作成の交渉を求めた場
合は、企業はそれに応じなくてはならない。もしその交渉が合意に至らない場合は、現行
の就業規則がその期限まで有効となる。就業規則と労働協約の作成、延長、変更、登録等
の必要条件と手続きに関する条項は、労働移住省大臣決定 KEP-48/MEN/IV/2004 に規定
されている。
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1.3
1.3.1
労使関係法令
労働組合
1998 年にインドネシアは結社の自由に関する ILO 条約第 87 号を批准し、労働組合に関
する法律 2000 年第 21 号、そして労働組合の登録手続きに関する、インドネシア共和国労
働移住大臣決定 KEP.16/MEN/2001 を発表した。あらゆる労働者は、労働組合を結成、加
盟する権利を有する。労働組合は最小 10 人で結成できる。労働組合は、労働組合連盟を
結成、加盟することができる。労働組合連盟は最小 5 つの労働組合で結成することができ
る。また労働組合連盟は、労働組合連合を結成、加盟することができる。労働組合連合は、
最小 3 つの連盟により結成できる。労働組合と労働組合連盟と労働組合連合の階級的な取
り決めは、組合規約か定款に規定される。労働組合、労働組合連盟、労働組合連合は、雇
用者、政府、政党等から圧力や干渉を受けることなく労働者の自由意志で結成できる。労
働組合、労働組合連盟、労働組合連合は労働者の意志に従い、産業別、また職種別、ある
いは他のカテゴリー別に設立が可能である。すべての労働組合、組合連盟、組合連合は規
約と定款を備えなければならない。規約は少なくとも次の事項を包含しなくてはならない。
a) 名称と紋章、シンボル
b) 公式の信条、組合の法定基準と目的
c) 結成日
d) 住所、所在地
e) 会員、運営陣営
f) 資金源
g) 規約と定款の変更に関する条項
ILO 条約第 87 条の批准と、職場における労働組合に関する 2000 年の政令第 21 条が発令
されて以来、92 の労働組合連盟と 3 つの労働組合連合が登録された。2008 年 5 月 15 日
の経済産業省局長の実証報告によれば、全インドネシア労働組合連合(KSPSI)には 16
の労働組合連盟が加盟、組合員数は 160 万 1,378 人である。インドネシア労働組合連合
(KSPI)には 7 つの労働組合連盟が加盟、組合員数は 45 万 8,345 人である。インドネシ
ア福祉労働組合連合(KSBSI)には 12 の労働組合連盟が加盟、組合員数は 33 万 7,670 人
である。いかなる連合にも加盟しない労働組合連盟は 26 あり、その組合員数は 91 万 318
人となっている。また、437 の組合の 9 万 7,924 人は企業内労働組合にとどまり、いかな
る労働組合連盟にも加盟してない。
1.3.2
労働争議解決システムに関する法令
(1) 労使紛争のタイプ
労使紛争解決については、労使紛争解決に関する法律 2004 年第 2 号に規定されている。
労使紛争には、権利に係わる紛争、利害に関する紛争、解雇に関する紛争、一企業内での
組合間紛争の 4 つのタイプがある。労使紛争解決に関する法律 2004 年第 2 号によると、
労使紛争は両者間の交渉で合意、解決を図らなければならない。この両者の交渉による解
決は交渉開始から 30 日以内に行われなければならない。30 日以内にどちらか一方でも話
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インドネシア(調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2009 年 8 月 15 日
し合いを拒否した場合、あるいは交渉が決裂した場合は、両者の話し合いは不調とみなさ
れる。
両者間の交渉が不調に終わった場合、その一方が、紛争解決のために両者間の交渉がな
されたという証明書を添付の上、地方の指定労働事務所に紛争内容を提出する。証明書が
添付さていれない場合は、指定労働事務所から関係書類が返却され、その後 7 日以内に完
全な形での再提出が求められる。地方の指定労働事務所は、書面での報告を受理した後、
当事者双方に対し、調停又は仲裁による解決を選択するよう提案がなされる。もし両者が
調停と仲裁による解決を 7 日以内に選ばない場合は、労働事務所はその紛争の解決を調停
者に移管する。調停による解決は、利害に関する紛争、解雇に関する紛争、あるいは労組
間の紛争解決のために行われる。仲裁による解決は、利害に関する紛争、又は一企業内で
の組合間の紛争解決のために行われる。調停あるいは斡旋による解決が合意に至らない場
合は、両者のいずれかが産業関係裁判所に提訴することができる。
(2) 二者協議による解決方法
交渉はすべて、両者が署名した議事録を証拠として残す必要がある。交渉議事録には少
なくとも、両当事者の住所と氏名、交渉の日付と場所、紛争の元となる交渉議題、あるい
は理由、両者の各々の立場、交渉結果の要約、そして交渉に関与した各当事者の署名と日
付を載せなくてはならない。交渉により解決の合意が得られた場合は、労働協約が起草さ
れ、当事者により署名される。労働協約は法的拘束力を持ち、当事者は実行しなければな
らない。
労働協約は、協約を締結した地方裁判所の産業関係裁判所へ当事者が登録しなければなら
ない。登録した労働協約には、その協約と一体となる労働協約登録証書が与えられる。労
働協約が一方の当事者により履行されない場合、損害を受けた側は、労働協約を登録した
地方裁判所にある、産業関係裁判所に提訴し、履行命令を得ることができる。もしその履
行の申立人が、労働協約を登録した地方裁判所の管轄外に居住する場合は、当該申立人の
居住地の産業関係裁判所を通じて、執行権限のある産業関係裁判所の命令を求めることが
できる。
(3) 斡旋による解決
斡旋による解決は、法律 2009 年第 2 号第 8~16 条に規定されている。斡旋人による紛
争の解決は、地方、又は市レベルの労働事務所に所属する斡旋人により行われる。労使紛
争解決の責務を受けてから 7 日以内に斡旋人は問題を調査し、斡旋公聴会を準備しなくて
はならない。斡旋により、労使紛争解決の合意に達した場合、労働協約が作成され、当事
者が署名し、斡旋人が証人となる。労働協約は、登録証書を得るため管轄内の地方裁判所
の産業関係裁判所に登録する。
斡旋により労使紛争が解決しない場合は、斡旋人は最初の調停委員会開催から 10 日以
内に書面で提案書を作成し両当事者に伝えなければならない。両当事者はその提案書を受
け入れるか否かを、受理後 10 日以内に斡旋人に書面で回答しなくてはならない。回答が
ない場合は拒否したものと考えられる。両当事者がその提案書を受け入れた場合は、合意
後 3 日以内に斡旋人は、労働協約の作成を手伝い、また登録証明を得るため管轄区内の地
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方裁判所の産業関係裁判所への登録を行わなくてはならない。
(4) 調停による解決
調停による紛争の解決は法律 2004 年第 2 号第 17~18 条に規定されている。調停によ
る紛争解決は、地方、市レベルの労働事務所に登録された調停人により行われる。利害に
関する紛争、解雇に関する紛争、あるいは一企業内における労働組合間の紛争は、労働者
の勤務場所をカバーする地域で働く調停人により行われる。インドネシアの労使紛争の慣
習では、調停人による解決という手段は、その費用を雇用者又は労働者が負担しなければ
ならないため、ほとんど利用されない。費用のかからない方法として、地方の労働事務所
の役人による斡旋がある。
(5) 仲裁による解決
仲裁による労使紛争の解決は、法律 2004 年第 2 号第 29~54 条に規定されている。労
使紛争を解決する権限を有する仲裁人は、大臣から任命されなければならない。仲裁人の
仕事の領域は、インドネシア全域である。仲裁による解決もまた、両当事者に利用されな
い。
1.4
労働保険関係法令
労働保険の基本法は、労働者の社会保障に関する法律 1992 年第 3 号で定められており、
労働者社会保障制度(JAMSOSTEK:インドネシア語で Jaminan Sosial Tenaga Kerja
から由来)と呼ばれる。
他の関連法規は以下のとおりである。
1) 労働者の社会保障に関する政令 1993 年第 14 号、及び労働プログラムのための社会
保障の実施に関する政令 1998 年第 79 号の更新
2) 労働関連の疾病に関する 1993 年大統領令第 22 号
3) 労働移住省令:加入登録、保険料、支払い給付金、労働者社会保障サービスのため
の技術的ガイドライン PER-05/MEN/1993
JAMSOSTEK のプログラムは次のとおりである。
1) 労働災害保険
2) 死亡保険
3) 老齢保険
4) 医療保険
1.4.1
労働者災害補償保険
労働者災害補償保険は労働者の社会保障に関する法律 1992 年第 3 号第 8~11 条に規定
されており、その施行に関しては、政令 2008 年第 79 号に規定されている。
(1) 労働災害保険料
労働災害保険料は全額企業が負担し、金額は職種により定められている。職種グループ
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別保険料は、月給の 0.24%、0.54%、0.89%、1.27%、1.74%の 5 段階がある。
(2) 労働災害保険の給付金
(a) 一時的な就労不能に対する給付
・ 最初の 4 カ月:月給の 100%
・ 次の 4 カ月 :月給の 75%
・ それ以降
:月給の 50%
(b) 障害補償
・ 部分的障害
:障害の程度に応じて、規定に基づき 60 カ月分の賃金を乗じた金額
・ 全体的障害
:60 カ月分の賃金の 70%を一括払い
:24 カ月間、毎月 2 万 5,000 ルピアを分割払い 1
・ 脳機能障害
:60 カ月分の賃金に重症度別の割合を乗じた金額を一括払い
(c) 死亡給付金
・ 一括払い
:60 カ月分の賃金の 60%
・ 分割払い
:24 カ月間、毎月 2 万 5,000 ルピア
・ 葬儀費用
:40 万ルピア
1.4.2
雇用保険
現在雇用保険の規定はないが、PT. JAMSOSTEK という失業保険がある。
1.4.3
健康保険
労働者の健康保険料は、既婚の場合は月給の 6%、独身の場合は 3%を全額企業が負担
する。JAMSOSTEK のプログラムよりも優れた独自の健康保険制度を持つ企業の場合は、
このプログラムを適用しなくても良い。健康管理は労働の生産性を高めるとの考えから、
健康管理も保険給付の対象となる。保険適用対象者は、3 人以内までの 21 歳以下又は未婚
の子供と妻、あるいは夫のいる労働者に与えられる。以下、保険給付の対象事項である。
1) 健康管理
・ 第一段階での健康管理
・
その後の段階の健康管理
・ 入院
・
妊娠の際のケアと出産
・ 診断のサポート
・
専門的なケア
・ クリニック
・
村落にある地域の医療センター
・ 個人のドクター
・
病院
・ 出産のための病院
・
薬局
・ 眼科
・
医療器具
・ 緊急のケア
2) 健康管理の施設
1
1,000 インドネシアルピア=9.3546 日本円(2009 年 8 月 17 日現在)
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1.4.4
年金
年金は民間企業における労働者の年金に関する法律 1992 年第 11 号に規定されてる。公
務員の年金は公務員積立保険制度(TASPEN)による年金貯蓄プログラムで運営されてい
るが、民間企業の場合は他の年金取扱業者、あるいは企業自身が開発した企業年金プログ
ラムにより運営が可能となっている。そのほか多数の年金取扱業者によるプログラムがあ
る。
1.4.5
その他、独自の保険や基金に関する法令
公務員の健康管理と年金プログラムを監督する多数の規則がある。最新の規則は国家社
会保障制度に関する法律 2004 年第 40 号である。この法律は既に公布されたが、いまだ実
施されていない。将来この法律は、社会保障と健康管理、年金、そして障害と死亡保険プ
ログラムを包括するものとなろう。おそらく Jamsostek は単に労働者のための障害保険と
なり、健康管理は ASKES(Asuransi Kesehatan)と呼ばれる公務員健康保険制度に独立
すると思われる。ただし、この制度の実施には、更なる行動計画が必要である。
1.5
1.5.1
職業能力開発法令
職業能力開発制度
職業能力開発については、労働に関する法律 2003 年第 13 号第 9~30 条、さらに国家
職業訓練制度に関する大統領決定 2006 年第 31 号がある。職業訓練の目的は生産性と福祉
の向上、また職務能力を高めることにある。実施については雇用関係の内外の領域で、労
働市場とビジネス社会のニーズが勘案される。それぞれの職務能力に適した訓練プログラ
ムを用意し、段階的に行われる。職業能力基準の作成手続きの条項は省議決に規定されて
いる。労働者は職業訓練を通じて、自己の特性、興味、素質に適した職務能力を高める権
利がある。また企業は、労働者の能力を高め、向上させる責任を有している。すべての労
働者は自己の職務に関連する職業訓練に参加する平等の機会を有している。職業訓練は政
府又は民間の職業訓練機関により実施される。職業訓練は訓練所、あるいは職場でも行わ
れる。政府の職業訓練機関が民間部門と共同で行うこともできる。
民間の職業訓練機関は、法人組織の形をとることも、個人経営の形をとることも可能で
ある。地域の労働を管轄する政府機関の認可を受け、登録する義務がある。政府機関が運
営する職業訓練機関は地方と都市において労働を管轄する政府機関にその活動を登録しな
くてはならない。第 2、3 条にある職業訓練機関による当局許可の取得と登録手続きにつ
いては、省令で規定されている。
職業訓練の提供者は次の要件を満たしているか確認する義務がある。
・ 訓練指導員を擁すること
・ 職業訓練のレベルに応じたカリキュラムがあること
・ 職業訓練のための施設と設備があること
・ 継続的に職業訓練活動を行うための資金を調達できること
許可を受けた民間の職業訓練機関、あるいは登録済みの政府の職業訓練機関は認証機関
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インドネシア(調査大項目 1:雇用労働関係法令)
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から認定を受けることができる。認証機関は独立した機関で、地域社会と政府との混成か
らなり、大臣決定により設立される。第 2 条にあるその認証機関の組織と業務手続きにつ
いては大臣決定で規定されている。
地域の労働を管轄する政府機関は、職業訓練の組織と運営に関連する活動において、実
施する職業訓練が本来の方向に向かっていない場合、又は要件を満たしていない場合に、
その訓練を一時的に停止させることができる。組織と運営活動を一時的に停止させる際は、
その理由と併せ、是正のための提案が必要であり、その停止期間は 6 カ月以内とする。そ
の職業訓練の運営の一時的な停止は、第 9 条と第 15 条にある必要条件を満たさない訓練
プログラムに限定される。6 カ月以内に第 2 条区分にある是正の行動を終了しない職業訓
練の提供者は、訓練の終了を採決する制裁を免れない。第 4 条にある終了命令に従わず訓
練プログラムを続行した場合は、職業訓練提供者としての許可が取り消され、登録も抹消
される制裁を受ける。訓練プログラムの一時停止、停止、許可の取り消し、登録の抹消の
手順については大臣決定で規定されている。
労働者は政府の職業訓練機関、民間の職業訓練所による職業訓練の参加後、あるいは職
場での職業訓練の参加後に、職務能力が認定される。認定に際しては、職業能力認定証が
発行される。認定のための独立した専門認証機関を設立することが可能である。認証機関
設立の手続きに関する条項は、大統領令で規定されている。
なお、職務経験のある労働者も、職務能力認定書を取得するために職業訓練に参加する
ことができる。また、仕事が可能な身体障害者に対する職業訓練の規定は、障害の種類と
重症度、及び本人の能力が考慮される。
人材開発における職業訓練の改善を支援するために、あらゆる分野の職業訓練の運営に
役立つ国家職業訓練制度を開発しなければならない。その国家職業訓練の形態、仕組み、
制度的な取り決めは、政令で規定される。見習制度による職業訓練も実施する。見習訓練
は、訓練生と雇用者の間で見習契約の書面を取り交わして実施する。見習契約には、少な
くとも期間、訓練生と雇用者双方の権利と義務を織り込む必要がある。書面により見習契
約がされていない場合、契約なしでの見習訓練は非合法であるため、見習訓練生の地位は
企業の労働者としてみなされる。
1.5.2
職業能力評価制度
見習訓練プログラムを終了した労働者は、企業又は証明機関に承認された職務能力と資
格を得る権利を有する。見習訓練は企業内、職業訓練所、あるいはインドネシアの国内、
国外を問わない他の企業においても実施することができる。インドネシア領域外で行われ
た見習訓練については、大臣あるいは任命を受けた政府職員から認可を得なくてはならな
い。その認可を得るためには、見習訓練の主催者は現行の法律と規則に沿う、インドネシ
アの合法的な法人でなければならない。インドネシア国外で実施される見習訓練の許可取
得については、以下の点を考慮する必要があると、省令で規定されている。
・ インドネシアの国民としての地位と尊厳
・ より高いレベルでの職務能力の習得
・ 宗教的な義務を行う権利を含む見習訓練生の保護と福祉
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インドネシア(調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2009 年 8 月 15 日
大臣あるいは指名を受けた政府職員は、上記の点に従っていないことが判明した場合、
見習訓練の終了を命令することができる。大臣は適任の企業に対して実習プログラムを作
成させることができる。要件を決定するにあたっては、大臣は企業の利益と社会、そして
国家の利益を考慮しなければならない。職業訓練及び見習訓練活動の方針、調整の提案と
検討のために、国家職業訓練調整機関が設立される。その機関の組成、メンバー、仕事の
やり方については大統領令で規定される。
職業訓練行政と生産性の妥当性、品質、有効性を直接改善することで、中央政府と地方
政府は職業訓練と見習制度を促進する。生産性向上の努力は、生産文化、労働倫理、技術、
そして国家生産性に向けた経済活動の効率化によるものでなければならない。生産性の向
上のために、国家生産性機関が設立される。その協会は公、民を越えて、横断的な地域活
動プログラムを支援する、組織化された生産性向上のためのサービスネットワークとなる。
国家生産性機関の設立、メンバー、また実施方法については、大統領令で規定される。
1.6
1.6.1
その他の雇用労働関係法令
職業紹介制度
労働に関する法律 2003 年第 13 号第 31~38 条に、労働者の派遣に関する規定がある。
すべての労働者は、国内外を問わず、職業選択、職業の取得、職業の変更、そして適切な
給料を得る平等の権利と機会を有する。職業紹介は差別なく、透明性、自由、客観性、公
明性そして平等な機会に基づいて実施されなければならない。その目的は労働者の人間と
しての権利と尊厳を守り、法的保護を与え、本人の技能と職業能力、素質、関心と能力に
合った適切な仕事と地位を紹介することにある。職業の紹介は国家と地方の開発プログラ
ムの需要により、同等の機会そして利用可能な労働者を考慮して実行しなければならない。
労働者の紹介は、国内でも海外でも実施される。
職業紹介機関は、労働を管轄する政府機関と法的地位を持つ民間の機関からなる。職業
紹介のサービスを提供するために、民間の機関は大臣あるいは他の指名を受けた政府職員
から受領した書面による許可証を所持することが義務付けられる。職業紹介機関は、紹介
した仕事に就く者から、直接、間接、一部ないし全部の紹介手数料を徴収してはならない。
第 37 条に規定された民間職業紹介機関のみが、そのサービスの利用者と彼らが紹介した
特定の地位と職業に就く労働者から紹介料を徴収することができる。その地位と職業につ
いては、省令で規定されている。
1.6.2
外国投資法により進出した企業で、海外から招聘され就労する者の労働許可条件
労働許可条件は労働に関する法律 2003 年第 13 号第 34~38 条、また外国での職業紹介
に関する労働移住省令 KEP-104A/MEN/2002 に規定されている。
外国での人材紹介に関する条項は法律で定められている。労働者を必要とする企業は自
身で募集するか、職業紹介機関を通じて募集を行う。職業紹介機関は、募集を始めてから、
紹介が終了するまで、労働者に保護を与える義務を負う。また、雇用するにあたっては、
雇用者は精神と肉体の両面で労働者に福祉、安全と健康を含む保護を与える義務がある。
職業紹介会社による労働者の紹介は、職業紹介サービスの条項に従い実施されなければな
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インドネシア(調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2009 年 8 月 15 日
らない。職業紹介サービスは、a)求職者、b)欠員、c)労働市場情報、d)仕事間のメカ
ニズム、e)職業紹介の制度的取り決めなどの要素を総合的に加味して、労働者の就職の実
現を目指す。
1.6.3
その他雇用労働に関する法令
その他の法律として、海外でのインドネシア人労働者の職業紹介と保護に関する法律
2004 年第 39 条がある。インドネシア共和国 2005 年官報第 133 号と官報第 4,445 号に記
載されている。この法律は移民労働者の保護を目的としている。
【参考文献】
1.
Ministry of Manpower and Transmigration of the Republic of Indonesia. (2009).
http://www.nakertrans.go.id
2.
Subekti dan Tjitrosudibio. (2001). Kitab undang-undang hukum perdata /
burgelijk wetboek, revised edition. Jakarta: Pt Pradnay Permita.
3.
インドネシア経済産業省局長報告(2008 年 5 月 15 日)
4.
国際労働財団(JILAF). (2009).
http://www.jilaf.or.jp/
5.
業務委託の条件に関する労働移住大臣決定 KEP.220/MEN/X/2004
6.
時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定 KEP.102/MEN/VI/2004
7.
児童の能力及び関心を高めるための労働保護に関する労働移住大臣決定
KEP.115/MEN/2004
8.
特定の企業のための長期休暇に関する労働移住大臣決定 KEP.51/MEN/IV/2004
9.
夜間労働に従事する女性労働者を雇用する企業の義務に関する労働移住大臣決定
KEP/224/MEN/2003
10. 労働移住大臣決定 KEP.48/2004
11. 労働組合に関する法律 2000 年第 21 号
12. 労働者の社会保障に関する法律 1992 年第 3 号
13. 労働者の社会保障に関する政令 1993 年第 14 号
14. 労働者の社会保障の施行に関する政令 2008 年第 79 号
15. 労使紛争解決に関する法律 2004 年第 2 号
16. 労働に関する法律 2003 年第 13 号
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