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ランナー調査研究レポート
ランナー調査研究レポート 【調査研究の結果概要】 ◇調査に回答したランナーの完走タイム(自己ベスト)は、サブ 3 が 4.2%、サブ 4 が 39.5%、サブ 5 が 39.9%、5 時間以上あるいは完走経験なしが 16.4%と広く分布している。 ◇完走タイム(自己ベスト)が速いランナーほどフルマラソンを完走した回数が多く、ランニング歴(継 続年数)も長い傾向が見られる。 ◇京都マラソン 2016 への評価では、 「スタッフ・ボランティアの対応」に対する満足度が高い。大会 全体の評価としても回答したランナーの 6 割以上が 90 点以上を付けている。また、次回大会への参 加希望者は 9 割を超えている。 ◇京都マラソンへの参加理由は、観光名所の多い「京都」で行われることに魅力を感じたという回答が 多い。なお、2割弱は 2 泊以上の宿泊をしており、マラソンに観光などを組み合わせて参加している と推測される。 ◇京都マラソンのボランティアに参加した経験がある者は 5.5%と、前回大会での調査(2.6%)に比 べて倍増している。新設した「ボランティア経験者枠」によるランナーとボランティアの相互交流の 促進がうかがえる。 平成 28年 8 月 京都マラソン実行委員会事務局 (京都市文化市民局市民スポーツ振興室) 調査研究:京都マラソン 2016 マネジメント・リサーチ・チーム 同志社大学スポーツ健康科学部二宮研究室 龍谷大学経営学部松永研究室 立命館大学スポーツ健康科学部長積研究室 1 目次 Ⅰ.調査研究の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 Ⅱ.京都マラソン 2016 の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 Ⅲ.京都マラソン 2016 の検証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 Ⅳ.調査研究の分析結果 1. 個人属性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1)性別 2)年齢(年代)3)職業 4)世帯所得 9 5)最終学歴 2. ランニング活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 1)エントリー種目 2)フルマラソン完走タイム 3)フルマラソン完走回数 4)ランニング大会出場回数 7)月間平均走行頻度 5)ランニング歴 6)月間平均走行距離 8)陸上競技協会登録の有無 3. イベント満足度・評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 1)大会全体 2)スタート 3)コース 4)フィニッシュ 5)スタート会場<(1)交通手段 (2)応援 (3)更衣エリア (4)衣類回収 (5)次回の衣類回収> 6)コース設定<(1)走り にくいコース (2)走りにくいと感じた理由> 7)河川敷について 8)フィニッシュ会場 <(1) 更衣エリア (2)おつかれさま広場 (3)帰りルート (4)待ち合わせ (5)交通手段 > 9)京都マラソン 2016 の点数 4. マラソン参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 (1)同伴者 2)同伴者人数 3)情報入手経路 4)参加理由 5)京都マラソン 2017 の参加 予定 6)京都マラソンボランティア参加経験 7)ランナー受付会場までの交通手段 8) 自宅から競技場までの所要時間 9)宿泊の有無 5.ランニング関連・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1) ランニング活動について 2)スポーツ活動満足度 52 3)人生満足度 6.京都に関する意識 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 1)京都への愛着 2)京都への思い 7.自由記述意見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 62 Ⅰ 調査研究の概要 1. 調査目的 本調査は、京都マラソン 2016 の参加ランナーを対象として、ランニング活動、イベント満足度・ 評価、マラソン参加、ランニング関連、個人属性などについて調査することにより、今後の大会運営の 改善を図るとともに、スポーツ参加者の行動様式を明らかにすることを目的としている。 2.調査内容 (1) 個人属性 性別、年齢(年代) 、職業、世帯所得、最終学歴 (2) ランニング活動 エントリー種目、フルマラソン完走タイム、フルマラソン完走回数、ランニング大会出場回数、 ランニング歴、月間平均走行距離、月間平均走行頻度、陸上競技協会登録 (3) イベント満足度・評価 大会全体、スタート、コース、フィニッシュ、スタート会場、コース設定、河川敷について、 フィニッシュ会場、京都マラソン 2016 の点数 (4) マラソン参加 同伴者、情報入手経路、参加理由、京都マラソン 2017 の参加予定、京都マラソンボランテ ィア参加経験、競技会場までの交通手段、自宅から競技場までの所要時間、宿泊の有無 (5) ランニング関連 ランニング活動について、スポーツ活動満足度、人生満足度 (6) 京都に関する意識 京都への愛着、京都への思い 3.調査対象 京都マラソン 2016 の参加ランナー 4.調査期間 平成 28 年 2 月 22 日~3 月 14 日 5.調査方法 インターネット調査:京都マラソン 2016 公式サイトや参加案内パンフレットで告知するとともに、 参加ランナーへのメール連絡において調査実施の案内を行った。承諾したランナーがリンク先の「京都 マラソン 2016 ランナー調査」ウェブサイトにて回答を行った。 3 6.回収結果 有効標本数:3,104 7.調査研究の分析枠組み 本調査研究は、ランナータイプと性別によって類型化した京都マラソン参加者の行動様式を明らかに することを目的としており、その研究成果を大会運営のための基礎資料として役立てることを目指して いる。 本調査研究の分析枠組みは、独立変数(説明変数)としてランナータイプと性別を設定した。ランナ ータイプは、自己ベストタイムが 3 時間未満のランナーを「サブ 3」 、4 時間未満のランナーを「サブ 4」 、5 時間未満のランナーを「サブ 5」 、5 時間以上のランナーと完走したことがないランナーを「5 時間以上・完走経験なし」というグループに分類した。つまり、男性と女性別に、マラソンの完走タイ ムが異なるランナーの行動様式について分析していく。従属変数(被説明変数)には、行動様式として、 ランニング活動、イベント満足度・評価、マラソン参加、京都に関する意識を取り上げた。 4 Ⅱ 京都マラソン 2016 の概要 京都マラソンは、2016 大会において節目となる第 5 回大会を迎えた。これを記念し、メインコン セプトの一つである東日本大震災復興支援の一環として、2016 年 5 月の仙台国際ハーフマラソン大 会へ 10 名の選手及び随行者を派遣した。 また、北山通の南北全 4 車線を走路化し、走路環境の改善、交通規制時間の短縮やコース横断などに よる住民の皆様への対応の改善を図った。 ランナー募集について、ボランティアへの感謝とともに、ランナーとボランティアの相互交流の深化 を図るため、過去 4 大会においてボランティアとして参加した方を対象とする「ボランティア経験者枠」 100 名を新設した。 スタート会場では、新たに設置されたフルカラーLED スコアボードを利用した多言語案内を実施し た。また、語学ボランティアの新設やフィニッシュ会場における当日完走証の交付等、新たな取り組み を実施した。 海外からは、39 の国及び地域から 2,372 人が参加した(全体の約 15%) 。 完走者は 16,000 人中 15,112 人であり、完走率は 94.5%とほぼ例年並みの高い水準にある。 2016 大会 日 時 天 気 出 走 者 競技コース 2015 大会 平成 28 年 2 月 21 日(日)※2 月第 3 日曜日 ※同左 8:55 車いす競技 スタート 9:00 マラソン・ペア駅伝 スタート (2 月 15 日(日)) 15:00 マラソン・ペア駅伝 終了 9 時(スタート会場) 晴れ、12.0℃、湿度 56% くもり、4.5℃、70% 15 時(フィニッシュ会場)くもり、11.7℃、湿度 47% くもり、11℃、54% マラソン 15,749 名 16,236 名 ペア駅伝 240 名 計 16,000 名 (15,452 名 95.2%) 車いす競技 11 名 (完走者 15,112 名、完走率 94.5%) 1 マラソン・ペア駅伝 西京極総合運動公園~平安神宮前(42.195 ㎞) (日本陸上競技連盟、国際陸上競技連盟及び国際マラソン・ ロードレース協会公認) 同左 2 車いす競技 西京極総合運動公園~嵐山(6.1 ㎞) スタッフ数 約 15,300 名 約 14,700 名 応援人数 約 502,600 名 約 500,000 名 おこしやす広場 約 26,500 名 入場者数 約 27,400 名 5 Ⅲ. 京都マラソン 2016 の総括(●は新規、○は大幅拡充) ⑴ 競技運営 ・より安心・安全かつ円滑に競技運営を行うための各種対策を充実強化した結果、大きな事故 や重い救護案件もなく大会を終えることができた。 ・ランナー評価はさらに高まり、民間調査(※)で過去最高の 93.4 点(前回 92.2 点)を獲得した。 (※) 国内最大級のランニングポータルサイト「ランネット」に寄せられたランナー評価の集計 概要・実施結果 取組 ア コース ●北山通(下鴨中通東~松ヶ崎区間)の南北全4車線を走路化 →走路環境の改善、規制時間の短縮、コース横断対応、応援人数増 に寄与 イ 走路対策 ○積雪・凍結時に備え、除雪車等を配備(結果、不使用) ウ ランナー対策 エ 医療救護対策 ○トイレ増設(1,049 基→1,107 基)、簡易水洗式化、洋式増設(18→51 基) ・給食メニューを充実(イチゴ、あんぱん、菓子等を追加) ・ランナーの防寒衣類をスタート後に回収、リユース・リサイクル (1,580 ㎏) ・京都府医師会等、医療関係者の協力の下、救護所・救護車、コース 沿道の救護サポーターなどの体制を構築(AED122 台を配備) ●緊急時の臨時救護所となる「高度救急救護車」を配備(結果、不使用) ・医師・看護師等の資格を有するランナーに、傷病者の早期発見・ 対応に当たる「メディカルランナー」を要請→94 名が登録 ・救護 373 件(前回 314 件)、救急搬送 11 件(前回 8 件) ※AED 不使用 ○大会前日、ランナー・ボランティアを対象に、心肺蘇生や AED 使 用に関する「ファーストエイド講習」を 2 回実施 →57 名参加(前回 32 名) オ 警備対策 ⑵ ○京都府警察と連携した会場等巡回、応援者手荷物検査等を強化 交通総量抑制対策等 大会当日を「ノーマイカーデー」に設定し、全庁を挙げて様々な媒体を通して市民の皆様や 事業者、観光客への広報・周知に努めるとともに、緊急自動車・公共交通機関の円滑な運行の 確保に努めた結果、大会に起因する大規模な交通渋滞は発生しなかった。 概要・実施結果 取組 ○市民しんぶん・チラシ・ポスター・啓発グッズ・歩道橋横断幕、 市バス・地下鉄広告など多様な媒体を活用した周知を実施 (新規)道路柵に横断幕 53 枚掲出、烏丸御池駅ホーム可動柵に広告 ア 交通総量抑制対策 イ 公共交通対策 20 枚掲出、啓発用カイロ 20,000 個配布等 →市民・事業者・観光客等のご協力の結果、大会に起因する大規 模な交通渋滞は発生せず ・広域迂回・直近誘導対策等を実施 ・路線バス運行を極力確保(188 系統中 179 系統が運行)、利用促進を広報 ・市バス無料乗車券の配布・周知 →14,377 枚の利用(前回 14,749 枚) ※当日、市バス+7.1%(約 1 万 8 千人)、 地下鉄+5.2%(約 2 万 8 千人)の利用者増(前回比) 6 ウ 緊急車両対策 ⑶ ・無料シャトルタクシーの運行を拡充 →32 台(前回 30 台)運行、1,322 人が利用(前回 1,212 人) ・京都府警察・消防局等と連携し、ランナーストップ体制を配備 →救急車通行のためランナーストップを2回実施(通行後速やかにレース再開) 沿道住民合意形成 コース沿道等の住民・事業者に対し、アンケートやチラシ等を各戸配布し、きめ細やかに情 報を提供するほか,聴取したご意見・ご要望を踏まえ、可能な限りコース横断対策や交通規制 の早期解除化に反映させた。 概要・実施結果 取組 ・沿道住民・事業者(11 万 8 千世帯)へ交通規制マップ等を配布 ・市民しんぶんへの挟み込みや学校・施設等でのチラシ配布によ り全世帯に周知 ○ランナーの走行を妨げずに歩行者を横断させる「固定式島方式」 を拡充(11→13 箇所、前回比約 700 人増の約 18,440 人が横断) イ 通行・コース横断 ・ランナーの切れ目での横断誘導を実施(新たに北山通でも実施) ○ランナー通過後速やかに交通規制を解除する「随時解除方式」 を原則全コースで採用 →規制時間が短縮(西大路通・北大路通 16 分、今出川通 13 分等) ウ 交通規制開始・解除 ・速やかな交通規制解除のための時間制限関門を設置(8 箇所) ・大会ホームページを通じ規制解除情報を逐次発表 ア 説明・周知 ⑷ その他 大会のメインコンセプトの具現化に努めるとともに、地域各団体・市民の皆様のご協力のも と、京都ならではの温かいおもてなしや応援等により、節目となる第5回大会を盛り上げた。 概要・実施結果 取組 ア メインコンセプトの具現化 ・水道水を利用した給水、マイボトル給水、印刷物のペーパ ーレス化等を実施 (ア)「DO YOU KYOTO? ・大会当日をノーマイカーデーに設定 マラソン」 ○ランナー防寒衣類に加え、ボランティアウェアをリユー ス・リサイクル(180 ㎏) ・ 「被災者枠」の設定(220 人が参加) ・復興支援メッセージを印字したゼッケンをランナーが着用 ・ランナー等へ義援金を募集(8,914,449 円を寄付) (イ)東日本大震災復興支援 ・おこしやす広場で震災復興写真展や物産・飲食屋台販売 等を実施 ●仙台国際ハーフマラソン大会へ選手等を派遣(10 名) →派遣者レポート(被災地復興の様子等)を大会 HP で発表 イ ランナーサービス (ア)エントリー(申込み)等 ●ボランティア経験者枠(100 名)を新設 →891 人の応募(46.5%が京都市民) ○京都市スポーツ振興サポートランナー (ふるさと納税対 象)寄付件数が前年比約3倍に増加 (143 人→422 人) 7 (イ)多言語対応 (ウ)フィニッシュ後 (エ)京都ならではの おもてなし ●「語学ボランティア」を新設 →301 名が参加 ●新設の西京極陸上競技場フルカラーLED スコアボードを 活用した多言語での案内・アナウンスを実施 ○主要な案内看板を英語に加え、繁体字・簡体字でも表記 ●完走証の当日交付 ●手荷物の返却場所を屋外から屋内・テントに改善 ●「ロームシアター京都」のロビーを女子更衣室として活用 ・フィニッシュ会場で足湯・マッサージ・みそ汁を提供 ・ 「完走者新聞」 (有料) 、「お風呂屋さんマップ」を配布 ・コース周辺の観光名所案内サインを設置 ・給食に京都名物の生八ツ橋を提供 ・フィニッシュでの舞妓さんと写真撮影(有料) ウ 応援、大会の盛り上げ (ア)市民ぐるみの盛り上げ (イ)おこしやす広場 (ウ)応援大使 ・京都マラソン沿道盛り上げ隊(16 箇所、53 団体)、市内商 店街による沿道応援(24 商店街)を実施 ●市民しんぶん(1/15 区版)で区民ランナーを紹介・応援 ●ランナー歓迎とノーマイカーデーを周知する京都タワー ライトアップ(大会前々日・前日)、京都駅南北自由通路等 での歓迎幕掲出 ・京の名店による飲食ブース、お茶席など京都ならではの おもてなしを実施 ○新たに「ランニング講座」、 「伝統産業ふれあい館」職人に よる実演・体験を実施 ○京都ゆかりの著名人 13 名を応援大使に任命 <新>伊藤舞氏(京都産業大学出身、リオ五輪女子マラソン代表) ○京都大学 iPS 細胞研究所の山中所長など過去最多の 7 名が出走 8 Ⅳ.調査研究の分析結果 1.個人属性 1-1)性別 図表 1-1)は、マラソン参加者の男女比を示している。男性が 76.9%、女性が 23.1%であり、前回 とほぼ同様の比率である(昨年度:男性 77.5%、女性 22.5%)。 1-2)年齢(年代) 図表 1-2)は、京都マラソン 2016 参加者の年齢層を示している。40 歳代の参加者が 38.7%で最 も多く、次いで 50 歳代が 28.7%、30 歳代が 18.6%であった。また、60 歳代以上の参加者は 8.3% みられた。20 歳代以下の参加者は 5.7%であった。 9 1-3)職業 図表 1-3)は、参加者の職業を示している。会社員が 64.0%と最も多く、次いで公務員、自営業・自 由業であった。 10 1-4)世帯所得 図表 1-4)は、参加者の世帯所得を示している。300 万円~800 万円の各所得層がそれぞれ 10%前 後を占めるとともに、1000 万円以上も 18.4%となっており、幅広い所得層からの参加が見られる。 11 1-5)最終学歴 図表 1-5)は、参加者の最終学歴を示している。大学・大学院卒業または在学中が 65.7%と最も高い 結果であった。 12 2.ランニング活動 2-1)京都マラソン 2016 のエントリー種目について 図表 2-1)は、京都マラソン 2016 のエントリー種目別の割合である。マラソン(42.195km)へのエ ントリーが 97.7%と大部分を占めている。 13 2-2)フルマラソン完走タイム〈自己ベスト〉 (京都マラソン 2016 の記録を含む。 ) ※「サブ」とは、下回るの意味(「サブ3」は 3 時間未満で完走すること) 図表 2-2)は、男女別の自己ベスト記録の分布状況である。男性では、サブ 4 のランナーが 44.4%、 次いでサブ 5 のランナーが 36.3%、女性では、サブ 5 のランナーが 52.0%、次いで 5 時間以上・完 走経験なしのランナー(24.1%)と、サブ 4 のランナー(23.2%)がほぼ同数となった。 14 2-3)フルマラソン完走回数 図表 2-3)は、フルマラソン完走回数の分布をランナータイプ別にまとめたものである。合計では、2 ~4 回、5~9 回、10 回以上のランナーはそれぞれ 30%前後を占めるなど、おおむね均等に分布して いる。 ただし、完走タイム別に見ると、10 回以上の完走者は、サブ 3 で 57.3%、サブ 4 で 48.1%、サ ブ 5 で 20.6%、5 時間以上・完走経験なしで 6.9%と、自己ベストが速いほど完走回数が多いという 関係が見られる。 15 2-4)1 年間(2015 年 1 月~12 月)のランニング大会(5km 以上)の出場回数 図表 2-4)は、ランニング大会年間出場回数の分布をランナータイプ別にまとめたものである。合計 では 2~4 回のランナーが 35.7%で最も多く、次いで 5~9 回のランナー(30.8%)であった。 完走タイム別では、自己ベストが速いランナーほど年間出場回数が多い傾向が見られる。 16 2-5)ランニング歴(継続年数) 図表 2-5)は、参加者のランニング歴の分布をランナータイプ別にまとめたものである。合計では 2 ~5 年未満と答えたランナーが最も多く、5~10 年未満が 29.4%であった。 完走タイム別では、サブ3のランナーはランニング歴 10 年以上が 43.5%と最も多い一方、サブ 5 や 5 時間以上・完走経験なしのランナーは、ランニング歴 2~5 年未満が約 4 割と最多となっており、 自己ベストが速いランナーほど、ランニング歴が長いという傾向がみられた。 17 2-6)月間平均走行距離(1 ヶ月あたりに走る距離) 図表 2-6)は、参加者の 1 か月あたりの走行距離の分布をランナータイプ別にまとめたものである。 合計では 51~100km と答えたランナーが最も多く、全体の 3 分の 1 を占めている。 完走タイム別では、自己ベストが速いランナーほどよく走っている傾向が見られる。特にサブ3のラ ンナーでは、151km と答えたランナーが約8割を占めている。 18 2-7)月間平均走行頻度(1 ヶ月あたりに走る日数) 図表 2-7)は、参加者の 1 か月あたりの走行日数の分布をランナータイプ別にまとめたものである。 合計で最も多く回答されたのは 6~10 日であり 34.5%という結果であった。また、自己ベストが速 いランナーほどランニングの頻度も多くなる傾向がみられた。特に、サブ 3 の 6 割以上、サブ 4 の約 4 割が 16 日以上と、2 日に 1 回以上の割合でランニングを行っている。 19 2-8)陸上競技協会登録 図表 2-8)は、参加者の陸上競技協会への登録の有無をランナータイプ別にまとめたものである。合 計では登録していないランナーが約 9 割であるが、サブ 3 のランナーは約半数、サブ 4 のランナーは 約 2 割が登録している。 20 3.イベント満足度・評価 3-1)大会全体 図表 3-1)は、大会全体に関する満足度についてまとめたものである。スタッフ・ボランティアの対 応、参加案内パンフレットの送付時期などの評価が高い。一方、大会参加料や宿泊施設などについては、 相対的に評価が低かった。 なお、「仙台国際ハーフマラソンとの連携」「グループエントリー」について、「不満足」「非常に 不満足」と回答したランナーは極めて少数であるにもかかわらず評価が低位になっている。これは、関 係するランナーが少数であり、大半は、自分に関係がないものとして「どちらでもない」という評価を 選択したことが原因と推測される。 21 22 3-2)スタート 図表3-2)は、スタートに関する満足度についてまとめたものである。スタートブロックの防寒着の着 用やスタート時刻、手荷物預かりなどの評価が高かった一方、スタート会場へのアクセス(臨時市バス)、 トイレの数、屋内更衣室などについては、相対的に評価が低かった。 23 24 3-3) コース 図表3-3)は、コースに関する満足度についてまとめたものである。沿道の応援、沿道での盛り上げイ ベントなどの評価が高かった一方、コース設定のうち折り返しや河川敷などについては、相対的に評価 が低かった。 25 26 3-4)フィニッシュ 図表3-4)は、フィニッシュに関する満足度についてまとめたものである。当日完走証やフィニッシャ ータオル、手荷物返却などの評価が高かった一方、フィニッシュ会場からのアクセスについては、相対 的に評価が低かった。 なお、おつかれさま広場の足湯やマッサージについて相対的に評価が低いが、自由記述意見にあるよ うに、サービスそのものではなく、サービスを提供する場所やスタッフを増やしてほしいという要望が 多いことが影響しているものと推測される。 27 28 3-5)スタート会場 (1)スタート会場への最終交通手段 図表 3-5)-(1)は、スタート会場への最終交通手段を示している。阪急京都線(西京極駅)の利用が 73.9%を占め、臨時市バス(京都駅発)が 10.5%という結果であった。 29 (2)スタート会場での応援者 図表 3-5)-(2)は、スタート会場での家族・友人等の応援者数を示している。79.6%のランナーが、 応援者はいなかったと回答している。 30 (3)スタート会場の更衣エリア利用 図表 3-5)-(3)は、スタート会場の更衣エリアの利用状況を示している。野球場(わかさスタジアム) 及び体育館(ハンナリーズアリーナ(男子)、市民スポーツ会館(女子) )を利用しなかったランナーは 全体の約半数弱であった。 31 (4)スタート会場の衣類回収の利用 図表 3-5)-(4)は、スタート会場の衣類回収の利用状況である。スタート会場の衣類回収を利用した ランナーは、男性は 35.3%であったに対し、女性は 44.8%であった。ランナー全体では約 4 割のラ ンナーが衣類回収を利用している。 ※スタート会場の衣類回収について 京都マラソンでは、 「DO YOU KYOTO?マラソン」をメインコンセプトの一つに位置づけ、環境に 配慮した様々な取組を実施している。スタート会場の衣類回収は、スタート号砲までの寒さ対策として、 本人が不要とするセーターやジャンパーなどの防寒衣類を着用できるようにし、回収した衣類をリユー ス・リサイクルしている。 32 (5)次回スタート会場の衣類回収の利用予定 図表 3-5)-(5)は、スタート会場における衣類回収の次回利用予定を示している。次回、スタート会 場の衣類回収を利用したいランナーは、男性は 67.7%であったのに対し、女性は 76.8%であった。 全体では、約 7 割のランナーがスタート会場において衣類回収を利用したいと回答している。 33 3-6)コース設定 (1)走りにくいコース(複数回答) 図表 3-6)-(1)は、コースの中で、走りにくいと感じた箇所があったかについて、まとめたものであ る。約 2 割のランナーが、特に走りにくいところはなかったと回答しているが、それ以外の約 8 割の ランナーは走りにくいところがあったと感じたことを意味している。特に指摘が多かったのは、スター ト直後(37.3%)と鴨川河川敷(49.8%)であった。 34 (2)走りにくいと感じた理由(複数回答) 図表 3-6)-(2))は、コースの中で走りにくいと感じた理由について、まとめたものである。約 6 割の ランナーが追い抜くことが困難であると回答しており、次いで他のランナーと接触したと回答したラン ナー及び自分のペースをキープするのが困難と回答したランナーがそれぞれ約 5 割であった。 35 3-7)河川敷について 図表 3-7)は、河川敷コースについてまとめたものである。43.4%のランナーが土で走りやすかった と回答している一方、38.7%のランナーは凹凸があって走りづらかったと回答している。 36 3-8)フィニッシュ会場 (1) フィニッシュ会場の更衣エリア利用 図表 3-8)-(1)は、フィニッシュ会場の更衣エリアの利用状況を示している。 みやこめっせの更衣室で更衣した男性ランナーは 86.3%、ロームシアター京都の更衣室で更衣した 女性は 88.5%であった。 37 (2)おつかれさま広場(みやこめっせ 3 階)の利用 図表 3-8)-(2)は、おつかれさま広場(みやこめっせ 3 階)の利用状況である。同広場を利用したラ ンナーは 49.6%であった。 38 (3)フィニッシュ会場からの帰りルート 図表 3-8)-(3)は、フィニッシュ会場からの帰りルートについてである。東側待ち合わせ広場経由(地 下鉄東山駅方面)が最も多く 55.9%を占め、西側待ち合わせ広場経由(シャトルバス方面)は 26.3%、 ランナー出口 3(シャトルバス方面)は 17.8%であった。 39 (4)フィニッシュ会場での待ち合わせ 図表 3-8)-(4)は、フィニッシュ会場での待ち合わせについてである。56.4%のランナーが待ち合わ せがなく 1 人で帰ったと回答し、待ち合わせが 1 人あったが 22.0%、2 人あったが 9.2%であった。 40 (5)フィニッシュ会場(平安神宮前)からの最初の交通手段 図表 3-8)-(5)は、フィニッシュ会場からの最初の交通手段についてである。地下鉄東西線(東山駅) が最も多く 40.3%を占め、次いでシャトルバス(烏丸御池駅行き)が 19.5%と多かった。 41 3-9)京都マラソン 2016 の点数(100 点満点) 図表 3-9)は、京都マラソン 2016 の点数評価の分布である。6 割以上のランナーが 90 点以上の評 価をし、平均点は 88.6 点となった。男女別では、若干ではあるが、女性の評価が高かった。 42 4.マラソン参加 4-1)同伴者 図表 4-1)は、同伴者の状況である。1 人で参加したランナーが 53.4%とおよそ半数を占め、次いで 家族(26.0%) 、友人・知人(18.4%)との参加が多くみられる結果となった。 43 4-2)ランナー以外の同伴者の人数 図表 4-2)は、ランナー以外の同伴者の人数について示している。同伴者を1人だけ伴って参加した ランナーが 35.7%と最も多く、続いてランナー以外の同伴者を伴わずに参加したランナーが 30.9%と いう結果となった。 44 4-3)情報入手経路 図表 4-3)は、情報入手経路の分布を示している。ウェブサイトでの情報入手が 75.2%と最も多く、 次いでランニング雑誌、SNS による情報入手が多くみられた。 45 4-4)マラソン参加理由 (複数回答可) 図表 4-4)は、京都マラソン 2016 の参加理由についての分布を示している。京都で行われる大会だ から(76.2%)、観光名所を走ることができるから(59.2%)、という回答が多くみられたことから、 寺社仏閣などの観光名所や歴史的景観が多い京都という土地に魅力を感じて参加したランナーが多か ったと考えられる。 46 4-5) 京都マラソン 2017 の参加予定 図表 4-5)は、次回京都マラソン 2016 への参加予定を示している。ぜひ参加したい、できれば参加 したいが 9 割を超えており、今大会に満足したランナーが多かったと考えられる。 47 4-6)京都マラソンボランティアの参加経験 図表 4-6)は、過去の京都マラソンにおけるボランティアの参加経験についてである。ボランティア に参加したことのあるランナーは 5.5%と少なく、ほとんどのランナーはボランティア参加の経験がな かったが、前回大会(2.6%)より倍増しており、ボランティア経験者枠によりランナーとボランティ アの相互交流の促進がうかがえる。 48 4-7)ランナー受付会場までの交通手段(複数回答) 図表 4-7)は、自宅からランナー受付会場までの交通手段について示している。約 7 割のランナーが 新幹線以外の電車を、約 3 割のランナーが新幹線を利用している。 49 4-8)自宅からのランナー受付会場までの所要時間 図表 4-8)は、自宅からランナー受付会場までの所要時間の分布である。およそ半数(47.9%)のラ ンナーが 1 時間 30 分以内に競技場に到着している一方、28.2%のランナーが 3 時間以上かけて競技 場まで到着している。 50 4-9)宿泊の有無 図表 4-9)は、京都マラソン参加に伴う宿泊の有無の分布を示している。約半数にあたる 51.5%のラ ンナーが日帰りで参加している。また、2 割弱のランナーは 2 泊以上の宿泊をしていることから、マラ ソン以外にも、観光などを組みあわせて楽しんでいると考えられる。 51 ラ ン ナ ー 5.ランニング関連 タ イ 5-1)ランニング活動について プ と ラ ン ニ ン グ へ の 取 り 組 み 52 53 54 図表 5-1)は、ランニング活動についてどのように考えているのかをまとめたものである。非動機付 けの項目(ランニングに対して否定的な考えの項目)以外の全ての質問において、自己ベストが速いラン ナーほど平均点が高くなる傾向がみられた。一方、ランニングの目的のうち「健康維持のため」「体力 向上のため」については、完走タイムの別なく、総じて高い平均点を示している。 55 5-2)スポーツ活動満足度(10 点満点) 図表 5-2)は男女別のスポーツ活動満足度をまとめたものである。9 割以上が 6 点以上をつけている。 56 5-3)人生満足度 図表 5-3)は、人生満足度について、 「全くそう思わない」から「非常にそう思う」までの 6 段階で聞 いた質問である。ランナータイプ別の人生満足度の平均に大きな差はみられなかった。 57 5-4)幸福感(10 点満点) 図表 5-4)は幸福感の平均値を表している。8 割以上の人が 6 点以上をつけており、男女共に 8 点 をつけた人が最も多く、以下 7 点・6 点・9 点が続いており、高い幸福感を抱いているランナーが多い。 58 6.京都に関する意識 6-1)京都への愛着 59 図表6-1)は、京都への愛着をランナータイプで分類した平均値である。京都への親しみや京都マラソ ンの選好に大きな差はないが、相対的に完走タイムが遅いランナーの方が高い数値を示している。 ただし、完走タイムが遅いランナーの方が日帰り参加の比率が高く(4-9)、京都やその近郊から 参加していると考えられるため、地元への愛着と京都への愛着が区分できていないことに注意が必要で ある。 60 6-2)京都への思い 図表 6-2)は、京都の特産品や観光等についての選好をランナータイプで分類した平均値である。ど のランナータイプにおいても大きな差は見られない。 61 7. 自由記述意見 回答者の 71.8%にあたる 2,229 人から自由記述意見をいただいた。その中で、特徴的な意見を以 下のとおり 19 のカテゴリーに分け列記する。併せて大会事務局からの次回大会に向けた対応策等につ いても記載している。 (1)定員・エントリー 出来れば京都マラソンを他のランナーにも味わってもらいたいので、出場定員を増やして いただければ幸いです。 落選枠設置など,平等に走れるようにもっと工夫してほしい。 持ちタイムで優先出走ができる仕組みを検討願います。 ボランティア経験者への出走優先権,とても良いと思います。私も抽選に外れたら参加し てみたい。 市民枠をもっと増やしてほしい。友人知人が市内に多いので盛り上げレベルは向上するは ず! 【次回大会に向けて大会事務局より】 いただいたご意見・ご要望をふまえ、2017 大会では、何度も落選している方の優先枠として、 「連続落選者枠※1」を新設しました。また、目標タイムの達成を目指してトレーニングを積んでい る市民ランナーを応援するため「サブ 3.5・サブ 4 応援枠※2」を新設しました。また、今回、折 返しコースの削減やコース幅の拡幅を行ったうえで、フルマラソンで 100 名、ペア駅伝で 50 組 100 名の定員増を図り、この定員増の一部を「京都市民枠」の拡充に振り分けました。 なお、前回新設した「ボランティア経験者枠」については、今回も継続しております。 ※1 過去 3 大会連続連続落選者を対象とする優先枠 ※2 日頃からトレーニングを積み、自己記録の更新を目指しているランナーの目標タイム(男子 3.5 時間、女子 4 時間)達成を応援する優先枠 (2)大会ホームページ 事前のホームページでの情報開示、前日と当日のランナーへの雰囲気の盛り上げ方などとて も良かったです。 ホームページもとても充実していましたし、日々細かい情報を facebook や twitter で上げ てくださったので、どんどん楽しみが増大していきました。 大会までに京都マラソンのホームページの松井コーチの攻略アドバイスを元に、家事や仕事 をしながら本大会を楽しみに練習をして過ごしてあっという間の一年間でした。 62 【次回大会に向けて大会事務局より】 京都マラソンでは、ホームページのほか Facebook や Twitter を通じて情報発信を行っており ます。これらのツールを通じてランナー・応援者・ボランティアの方々へ必要な情報を速やかにお 届けできるようにしたいと考えております。2017 大会に向けて、コンテンツを更に充実させると ともに、大会を楽しみにしていただけるよう、きめ細やかに情報を発信してまいります。 (3)ランナー受付 受付でゼッケン引き替えの時間がかかった。 ゼッケンを事前郵送してほしい。 当日会場で受付をして欲しい。受付会場が京都駅から遠くて不便なため、受付へ行くだけで 疲れる。 【次回大会に向けて大会事務局より】 受付会場では、ランナーをお待たせすることなく速やかに処理できるよう、運用のさらなる改善 に努めます。ゼッケン(ナンバーカード)については、安心・安全な大会運営のため、また代理出 走を防ぐ観点から、本人確認書類を確認したうえでランナー本人にお渡ししておりますが、事前郵 送ではこれらができないため、現在の受付方式で扱っております。大会当日のスタート会場での受 付についても、定員 16,000 人を超える京都マラソンでは、時間的にもスペース的にも極めて難 しく、また、スタート会場、フィニッシュ会場に加えて、別に受付会場を設けるのは、運営上厳し い状況にあります。 ご理解のほど、よろしくお願いします。 (4)オフィシャルグッズ T シャツの種類と枚数が少な過ぎるので、充実してください。 土曜日の午後に行くとオフィシャルショップの T シャツなどがほとんどない。 T シャツの種類と枚数が少な過ぎるので、充実させてください。 【次回大会に向けて大会事務局より】 新たにTシャツなどの事前事後のネット販売を行うとともに、会場のグッズについても、前回大 会より種類、数量を充実しましたが、よりご満足いただけるよう、さらなるグッズの充実に努めて まいります。 63 (5)スタート会場 混雑を緩和する方法を検討して頂きたいと思います。 ドリンクサービスはわかりにくく取れなかった。 地図に現在地がなく案内がわからない。 トイレの位置表示がわかりにくかったですので改善の余地があるのではないかと思いま す。 【次回大会に向けて大会事務局より】 会場案内図やサインボード等を各所に配置するとともに、スタッフによる案内に努めましたが、 応援の方を含む多数のご来場者の中ではっきりと視認できなかった方もいらっしゃったようで、 誠に申し訳ありませんでした。 次回は、会場のレイアウトがよりわかりやすくなるよう案内表示を工夫し、スタッフによる誘導 を充実させるなどして目的の場所へスムーズに行けるよう改善します。 (6)スタートセレモニー スタートのサブグラウンドにはセレモニーの声がまったく聞こえないので高揚感に欠けま した。 スタートセレモニー、後方は何をしているか、全くわからない。 スタート会場の放送が陸上競技場と補助競技場でタイミングがずれていて聞きづらかった。 整列してからスタートまでの待ち時間が長かった。 【次回大会に向けて大会事務局より】 京都マラソンでは、路上からのスタートではなく、西京極総合運動公園の陸上競技場兼球技場を スタート会場にしていることにより、同施設のスコアボード等を活用した案内や 10 分程度のス タートセレモニーを実施しています。ただ、収容しきれないランナーの方には、補助競技場で待 機していただいており、音響装置は設置しているものの、聴き取りにくいなどの意見をいただい ております。この点、周囲にお住まいの方々にも配慮しつつ、可能な限り、増設等の改善に努め てまいります。 64 (7)給水・給食 生八ツ橋は京都の名物でうれしかったです。銘菓の多い京都ですので、ほかにも数種類の 銘菓をメニューに加えていただけたら嬉しいです。 イチゴとトマトが完食されていて残っていなかったのが残念でした。 来年参加出来たらマイコップを持って走りたいと思います。 給食のようかんやハッピーターンなど、袋から出して並べておいて頂くと取りやすいと 思います。 給水所のあとにゴミ箱が所々にあるのがよかった。 【次回大会に向けて大会事務局より】 給食については、長時間走り続けるランナーを支える栄養補給として重要なものととらえ、必要 数の確保に努めるとともに、ランナーが楽しんでいただける京都ならではのメニューを工夫してお ります。ただ、好評のあまり、後のランナーの方々に行き渡らなかったケースもありました。今後 は配分に留意するとともに、手に取って食べやすいよう、提供の仕方にも配慮してまいります。 なお、京都マラソンでは、環境エコやまちの美化に努めており、お持ちのマイコップやマイボト ルに給水いたします。どうぞご利用ください。 (8)トイレ スタート会場のトイレだけ数をもう少し増やしていただけると助かります。 脚が疲れた時に楽に用をたせたのでコース後半の洋式トイレ比率を多くしてください。 トイレはたくさんあったのですが使用不可の箇所も少なからずありずいぶん待ちました。 【次回大会に向けて大会事務局より】 スタート会場におけるトイレのさらなる増設や利便性を考慮した配置及びわかりやすい誘導案 内を心掛けてまいります。洋式トイレについては、2015 大会から沿道の仮設トイレに一部導入 し、2016 大会では、その数を 3 倍に増設しました。ランナーの皆様のご負担や海外ランナーの 増加等も考慮し、今後もその増設に努めてまいります。 (9)時間制限関門・医療救護 個人的には完走できなかったので残念ですが、楽しく走れました。 制限時間を他の都市マラソンと同じ7時間にして欲しい。 救急救命士の資格を持っていましたので、メディカルランナーにエントリーしました が、自分に余力がなく、お手伝い出来ませんでした。次回はもう少し自分の走りを磨い て、多少の薬(冷やすスプレー)を持って走りたいなと思います。 65 【次回大会に向けて大会事務局より】 より多くのランナーに完走していただきたいのはやまやまですが、職住混在で高速道路等の立 体交差のない京都のまちでは、制限時間を今の 6 時間より延ばすことは極めて難しい状況にあり ます。ご理解のほど、よろしくお願いします。 なお、医師・救急救命士・看護師等の資格をお持ちのランナーの方のご協力のもと、今後も安 心して走行していただける環境づくりに努めてまいります。 (10)ニックネームゼッケン・仮装 ニックネームを入れたゼッケンを着けていましたので、沿道の皆さんがニックネーム を呼んで声を掛けて下さいました。本当に心強く、気持ち良く走る事が出来ました。 ゼッケンに書かれたニックネームで応援され、へとへとになって走りながらも返事を 返すのが京都マラソンの最大の楽しみです。そして、それが自分の生きる活力につな がるのが本当にこの大会の魅力です。 一部の人が仮装をして走っていました。残念です。 露骨な『仮装禁止』と言うのではなく、ある程度の制限くらいにした方が良いと思い ます。 【次回大会に向けて大会事務局より】 ランナーへ声援を送れるニックネームゼッケンは、大変ご好評をいただいており引き続き実施 してまいりたいと思います。また、仮装については、走路の一部の幅が狭いこともあり、周囲の ランナーに危険が生じる可能性があるため禁止しているところですが、今後さらに周知啓発して まいりたいと思います。 なお、沿道では仮装した応援者も含めた「沿道盛り上げ隊」が各所でランナーの皆様を励まし、 目を楽しませてくれています。 「元気」をチャージしてくださいね。 66 (11)コースについて 観光名所を走ることができるという楽しさに加えて、都大路や烏丸通りなど市内中心 部を駆け抜けることができるコースを設定すると、より魅力ある大会になるのではな いかと思います。 折り返しを少なくし、さらに京都の名所のそばを走れるコースにすると、さらに「京 都」を感じれるのではないかと思います。もちろん、交通事情など、無理を承知で言 っているのですが. . . 全体的にコース幅が狭く感じました。無理に名所を巡らず、コース幅をキープするルート 選定していただきたいです。特に河川敷ルートは検討して欲しいです。 実際にレースに出た感想は、平野神社までは本当に道幅が狭く、何度も接触しました。 少し残念です。 北山通りからの下鴨中通(京都コンサートホール前)に入ると道幅が急に狭くなり、とて も混雑して走りにくかったです。 【次回大会に向けて大会事務局より】 京都マラソンでは、これまで、2015 大会でまちなかコースや植物園コースを新設、2016 大会で北山通の全車線走路化(片側 1 車線を片側 2 車線に) 、2017 大会で宝ヶ池折り返しコー スの廃止と下鴨中通(片側 1 車線)の廃止・下鴨本通(片側 2 車線)の新設を行います。改善 すべき課題はまだ残されておりますが、大幅なコース変更は、市内全体の交通流動への影響調査 や事前の調整等に相当の準備を要するため、短期のうちに実現させることは難しい面があります。 しかし、今後もランナーの皆様の声に耳を傾け、安心安全かつ走って楽しいコース設定に努める とともに、沿道周辺にお住いの方への影響を最小限にするための交通規制の早期解除化等に取り 組んでまいります。 (12)誘導案内看板 名所案内の看板がとても良いです。走るだけじゃなく、観光も楽しめますね。 給水給食の看板が(数・配置順序)わかりやすかった。トイレの数も多く案内看板も良か った。 コースは観光名所巡りも兼ねられ、案内看板も掲示され、ほんのひと時でしたが観光でき 非常に嬉しい機会を与えてもらえて嬉しかったです。 看板が低過ぎて見えにくい。 給水所が左右どちらにあるか看板に表示して欲しい。 67 【次回大会に向けて大会事務局より】 案内誘導看板については、一目で視認できるわかりやすさと走るだけではなく観る楽しみも提 供するために工夫を重ねているところです。 なお、一部の看板で表示位置が低いものがあり、この点、次回大会では、改善を図ってまいり ます。 (13)フィニッシュ会場 手荷物返却に時間がかかったのが不満です。 女子更衣室が別棟になっていたため、味噌汁をもらいに行くのが面倒になってしまい、 いただくことができずに残念でした。 給水量がパック 1 個では少なすぎる。 フィニッシュ後の移動案内が無いし、3階への移動は、不便さを感じ行く気が失せま した。 更衣室は地下で快適でしたが、そこにたどり着く誘導と動線が悪いと感じる。 【次回大会に向けて大会事務局より】 フィニッシュ会場の運営等については、2016 大会において手荷物返却を路上から屋内や仮設 テントに変更するなど、改善に努めてまいりましたが、サービスが十分に行き届かなかった面も あったかと認識しております。これらのご意見を踏まえたうえで、改善に努めてまいります。 (14)おこしやす広場・おつかれさま広場 おこしやす広場での屋台で売り切れが続出しているのが毎回残念でなりません。 ゴール後のマッサージですが、場所と人員を増やしていただけると、待ち時間が短縮 出来て助かります。 完走後の味噌汁サービスや足湯が混みすぎで断念したので残念だった。 家族や友人※からゴール付近での待ち時間に食べる場所や休む所がなくて困ったと言われ ていました。 ※ランナーではなく、応援や出迎えの方だと思われます。(大会事務局) 【次回大会に向けて大会事務局より】 おこしやす広場及びおつかれさま広場については、ご来場された多くの方々に京都マラソンは もちろん京都らしさを実感していただけるよう毎年趣向を凝らしているところです。 いただいたご意見を踏まえ、2017 大会に向けて、引き続き改善を重ねてまいります。 68 (15)参加賞・メダル・完走証 参加賞はTシャツにしてほしい。 メダルも毎年変化していてデザインも楽しみになり、バフも 2 月開催マラソンなのでとて も重宝しています。 当日完走証を特製クリアファイルに入れてくれたのは感激しました。 完走証の順位ですが何人中の順位だったのかが分からなかった事が残念です。また、でき れば、男女別ではなく全体順位もあればなお良かったと思います。 【次回大会に向けて大会事務局より】 参加賞については、他大会との区別化を図り、寒さ対策としてネックウォーマーにも使ってい ただける BUFF(バフ)を採用しております。いただいたご意見を踏まえ、次回大会に向けても、 ランナーの皆さまの素晴らしい記念となるよう検討してまいります。 (16)宿泊 当選と同時に宿を予約したが公式サイトでもほとんどの宿が満室だったため確保する のに苦労しました。特に京都は外国人観光客が多く宿が確保しにくい状況にあると思 うが、少なくとも公式からであれば確実に確保できるようにしてもらいたいと思いま す。 スタート付近に宿泊所がない。宿泊所の金額が他の地方と比べ非常に割高である。 【次回大会に向けて大会事務局より】 京都マラソンでは、大会ホームページで京都マラソン専用の宿泊案内をしています。ランナー のために朝食時間を早めたり、リーズナブルな料金設定をしていただいているホテルもございま す。ただ、外国人観光客の増加もあり、場所や宿泊料金等の面でご希望に沿うものを十分に確保 することが年々難しくなっている状況にありますが、引き続き宿泊先の確保に努めてまいります。 (17)沿道盛り上げ隊・沿道応援 前半は音楽や太鼓と盛り上がるが市役所以降は京大とフィニッシュだけ!時間的なことも あるが後半疲れてきた時にこそ大きな応援、音楽が必要と思う。 沿道の応援が素晴らしい大会でした。観光都市で人が多い中での大会設定で苦労も多いと 思いますが今後も頑張ってください。 大きな大会に出場したのは初めてでしたが、ボランティアさんや沿道の方々の応援がとて も温かく元気をもらえたので完走できたと思っています。 69 【次回大会に向けて大会事務局より】 京都マラソンは、 「走る人、応援する人、支える人、それぞれが主役」と掲げており、 「大学の まち・京都」ならではの学生による応援などをお楽しみいただける「沿道盛り上げ隊」を実施し ております。また、これ以外にも沿道のボランティアや応援の方からランナーへ直接声援を送る ことが出来るように、ニックネームゼッケンを利用するなど、ランナーの頑張る気持ちを応援で きる環境を充実させてまいりました。沿道にお住まいの皆様には配慮しつつ、引き続き、 「応援す る人」も主役になり、また、応援がランナーの力にもなるよう、大会の盛り上げに一層努めてま いります。 (18)海外ランナー 走っていると急に立ち止まりスマホで自撮りしている人が多かったように思います。ぶつ かったり転倒してしまうなど危険です。特に外国人の人に多かったような。できたら規制 してほしいです。 京都府民・市民の参加が今後も重要だと思います。府外あるいは国外の方の参加につ いても観光の面では大事ですが、地元住民の理解あってのイベントですので、バラン スを念頭に置いて実施していただければと思います。 海外からのランナーのマナーがあまり良くなかったように思われます。世界的な観光 都市なので仕方ないと思いますが、抽選に落ちた数多くの知り合いの日本人ランナー のことももう少し考えてほしいと思います。 【次回大会に向けて大会事務局より】 国際観光都市である京都市では、海外からのランナーが増加傾向にあります。上記のようなト ラブルについては、海外ランナーに限ったことではありませんが、引き続きマナーの向上を呼び 掛けてまいります。 地元からの参加については、2017 大会ではマラソンの京都市民枠を 100 人増員するととも に、ペア駅伝の「京都市民枠」を新設したところです。 70 (19)大会運営全般 嵐山の手前の景色がとてもきれいだった。京都在住のため、土地勘があって、走りやすか った。ボランティアやスタッフのみなさんが親切に活動されていたので、とても感謝です。 ありがとうございました。 初めてのマラソンで、走るまでは不安でしたが、とても楽しく走ることができました。ま た、京都の皆様の声援がとても力になり、心が温かくなりました。 由緒ある世界遺産の街「京都」を走る楽しみはほかの大会には味わう事ができない魅 力あるコースです。 観光名所を巡りながら走るマラソンは、きつい場面でも気が紛れ、走り続けることができ ました。ボランティアの方や沿道の方の声援が途切れることなくあって、諦めずに完走す ることができたと思います。 【次回大会に向けて大会事務局より】 ランナーの皆さまからいただいたご意見を踏まえつつ、引き続き「走る人、応援する人、支え る人、みんなが主役」の大会となるよう運営の改善に努めるとともに、より多くの方に満足いた だける更に魅力ある大会へと進化するよう全力で取り組んでまいります。 今後とも、忌憚のないご意見・ご要望やご感想をお寄せくださいますようお願いします。 71 京都マラソン 2016 マネジメント・リサーチ・チーム 同志社大学スポーツ健康科学部 教授 二宮浩彰 龍谷大学経営学部 教授 松永敬子 立命館大学スポーツ健康科学部 教授 長積 仁 データ分析チーム 同志社大学スポーツ健康科学部スポーツ・マーケティング研究室 マラソン調査研究チーム 研究代表 二宮浩彰 <二宮研究室ゼミ大学院生・学部生> :胡威 浅倉和輝 山本慎也 72