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2003.1.28. 医療・教育・介護分野への株式会社参入問題について(メモ

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2003.1.28. 医療・教育・介護分野への株式会社参入問題について(メモ
2003.1.28.
医療・教育・介護分野への株式会社参入問題について(メモ)
八代尚宏
1.
なぜ株式会社の参入が重要か
・ 規制改革の主流は事前的な参入規制から事後的な常時規制への方向。
・ 営利法人を排除し、政府の規制と事業者の倫理で利用者を保護する論理の危うさ。
・ 経営主体にかかわらず自由な競争を担保する制度の下で利用者の選択肢が最大化
・ 政府が関与する官製市場の開放がビジネス機会と消費需要の拡大に貢献。
・ 事業者本位のシステムから消費者主権を尊重した利用者本位のシステムへ。
2. 医療における株式会社の参入問題
・ 個人が出資し、その財産権が保全されながら「非営利」と称する医療法人の欺瞞性。
・ 営利性の基準を資金調達の一手段である「配当」の有無ではなく病院の行動自体に。
・ 米国の非営利病院のような慈善医療比率・地域・救急医療等への参加義務の活用。
・ 株式会社参入による競争促進で医療法人経営の病院合理化へのインセンティブ。
・ 質の高い病院への混合診療容認等、他の規制改革との組み合わせが必要。
3.教育における株式会社の参入問題
・ 医療と教育とで規制の体系には大きな違いがあり、その改革の方向も異なること。
・ 株式会社の病院経営を妨げる規制は、実質的には医療法第54条「医療法人は、剰
余金の配当をしてはならない」のみで、これを関連の通知とともに撤廃すれば可。
・ 教育では、株式会社による教育サービス自体の提供は自由だが、学校法人でなけれ
ば民間経営で「学校」として認められず、それに伴う学位授与や公的助成が不可。
・ 学校法人では設立時点に多大の資金を凍結。校地の自己保有要件とあわせ都市部で
の学校経営が実質的に困難。最小の資本で学校設立が可能な株式会社形態が必要。
・ 「規制改革の推進に関する第2次答申(平成14年12月)」では、
「株式会社など
国・地方公共団体や学校法人以外の民間主体による教育分野への参入については、
会計制度などによる情報開示制度、第三者評価による質の担保及びセ-フティネッ
トの整備等を前提に、教育の公共性、安定性、継続性の確保に留意しつつ、特に大
学院レベルの社会人のための職業実務教育等の分野について、その在り方を検討」
・ ここで「株式会社参入」の具体的意味が学校教育法第 1 条の「学校」への参入であ
ることの明確化が必要。
・ その場合に、憲法 89 条「公の財産は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛
の事業に対して支出してはならない」が大きな制約要因。
・ 私立学校への補助金を国公立学校と合わせて全て利用者への助成(教育切符)へ。
4.
施設介護分野での株式会社参入
・ 株式会社による特別養護老人ホームの経営禁止。
・ 「特別養護老人ホームは施設だが民間有料老人ホームは住宅」の根拠は?
・ 在宅と施設介護の区別の撤廃。特別養護老人ホームは介護付き公営住宅へ。
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