Comments
Description
Transcript
資料7 消費者志向の企業の先進的な取組事例
資料7 消費者志向の企業の先進的な取組事例 平成22年4月22日 経済産業省 商務流通グループ 事例①:イトーヨーカドー・ネットスーパーによる現代版「御用聞き」 ○昼間働いている女性、子育てで忙しい主婦、交通弱者、天気が悪い日の買 い物代行、重たいもの・かさ張る商品の購入など多様化する消費者のニーズ に対応 ・インターネット上での受注、決済(カード・代引) → 当日・翌日配達(最短3時間後) ・受注は24時間自動受付 ・登録会員制(無料) ・扱い商品は、生鮮含む食品、肌着、ベビー用品を実需品中心(3万アイテム) ・現在 全国で約120店舗で展開 【ネットスーパーの利用時のパターン】 ・積雪や台風時のお買物代行 ・お米やティッシュなどの重い・かさ張る商 品のお買物 ・妊娠中や産後のお買物 ・子育て中のお買物 ・車や移動手段がない方のお買物 ・老人ホームなどの施設での利用 ・学校給食での利用 ・離れて暮らしている親のお買物を「子供」 が代行 ・離れて暮らしている子供のお買物を「親」 が代行 ・交通弱者の方のお買物 ・障害者の方のお買物(音声ブラウザ対応) 2 事例②:Yahoo!のネットオークションによる買う人と売る人のマッチング ○趣味・愛好品等一般に手に入りにくい希少なモノや欲しいモノを安く買いた いという買う人の多様なニーズと、売る人の在庫処分、換金、リサイクルと いったニーズに対応。 ・「この世でもっとも合理的に財・サービスの売買が出来る場」として99年にサービスをスタート、今では 毎日約20億円の取扱高、約2,250万の出品数にまで拡大。 ・出品は、趣味・愛好品から装飾品、家電、自動車、不動産など高額な商品まで多種多様。 ・個人・事業者のみならず自治体も出品。 ・最も多い利用者は30代∼40代。 数千円のプラモデルの完成品が百万円 以上で落札することもある。 3 事例③:深夜に売れるTVショッピング(ジュピターショップチャンネル) ○主婦や働く女性達向けに、自由に過ごせる深夜の時間帯を中心に、ストー リー性とエンターテインメント性のある番組で特色あるファッション・装飾品を 販売。 ・クオリティのある限定商品を提供するなど付加価値を重視してバリュー感あるものを販売。 ・対面販売を超える販売:商品の開発・生産者やこだわりを持っているお客が番組に出演して直接に商品を語る。 ・コールセンターに寄せられる視聴者の要望に対して、生放送番組の中で柔軟に対応(例:服の後ろ側の模様を 大きく映して欲しい等)する双方性のコミュニケーションを重視。 ・TVショッピングのみならずネット通販との連動による販売を展開。 4 事例④:ネスレ 消費者との関係構築、目指すは顔の見える企業 ○「ネスレVOC※センター」が、お客様相談の機能に加え、製品・サービスを 通じて顧客と直接対話する機能、コミュニケーションのための広告表現の 開発など多用な機能を有する。また、顧客との対話による感情的な絆を強 化し顧客と友達のような関係を構築することでファンを増やす。 ※VOC:Voice Of Consumer 顧客の声 • ネスレ日本は、インスタントコーヒーの「ネスカフェ」のロイヤルユーザー専用のコンタクトセンターと、 これまで一般の問い合わせに対応してきたお客様相談センター等、複数あった顧客窓口を統合し、 ネスレ本社ビル内に「ネスレVOCセンタ 」を設置 グル プ インタビ ネスレ本社ビル内に「ネスレVOCセンター」を設置。グループ・インタビュールームも併設し、製造や ル ムも併設し 製造や マーケティング、営業など社内各部門が消費者の声を共有しやすい体制を構築、ネスレと顧客の 相互の関係づくりを目指している。 (製品の改良、改善等の取組例) - 消費者にセンターに集まってもらい、製品に関する 意見交換会を定期的に開催。 ごみ分別のしやすいパッケージの改良につなげる。 - ロイヤルユーザーへの事前告知での製品改良、 広告、POP広告などのコミュニケーション表現の改良 - 本社内にセンターを統合することで、社員が消費者の 生の声に接し、消費者のリアリティを体感する。 など ネスレVOCセンター 5 事例⑤:オーケーストア 徹底的に透明性を追求し消費者に信頼を勝ち取る ○食の安全性が問われるなか、正直なビジネスを実践し、顧客との強固な信 頼関係を構築。熱烈なファンをつくり、長期的な関係を構築 オネスト(正直)カードでは、売り手に不利な情報も提供 • オネストカード −商品の品質について、正直に消費者に 告知することを目的とした(POP)。 −同時に消費者の商品に対する過度な期 待を下げて、不満を回避することで信頼 の獲得へつなげている。 • ご意見カード −店舗等で、消費者が気づいたことについ て記入する。すべて社長の下に集められ、 社長から担当者へ配布して即時に対応を 指示するシステム。 業績の推移 売上(億円) 利益(億円) 60 2,500 50 2,000 40 1,500 30 1,000 20 500 10 0 0 2004. 3 2005. 3 2006. 3 2007. 3 2008. 3 2009. 3 (利益) 出所: 帝国データバンク (売上) 6 事例⑥:でんかのヤマグチ 地域密着の街の便利屋 ○家電量販店の安売り競争を避け、徹底したきめ細かい顧客対応で地域の 顧客の信頼を獲得 • • • 顧客密着のサービスを展開。 −電球1つから配達・交換作業に対応。 −エアコンの空気清浄フィルターや浄水器カー トリッジの取替え時期が近づいた時、前もって お知らせし、交換訪問に出向く など。 「高売り」、商圏をあえて絞り込んだ「お得意様 の絞込み」を営業戦略に据え、目標を売上高で の絞込み」を営業戦略 据え、目標を売 高で はなく粗利益高に置いた営業管理で、営業マン、 販売員への経営理念浸透を図る。 自営修理対応に重点。 −顧客との接点を強化すると共に、サービス を支える粗利重視の経営を実践 業績の推移 (利益) 売上(百万円) 利益(百万円) (売上) 30 1,400 25 1,200 1,000 20 800 15 600 10 400 5 200 0 0 2005. 2 2005. 2 2006. 2 2007. 2 2008. 2 2009. 2 出所: 帝国データバンク 7 事例⑦:花王 1回のすすぎでの洗濯を実現したアタックNeo ○少量でも洗浄力を発揮し、泡切れもすばやく1回のすすぎでの洗濯を実現。 単なる環境のみならず節水・節電に加えて時短という消費者のニーズにも 対応。 • 容器は超小型でありながら、従来の液体洗剤と同 じ回数洗えるのが特徴。汚れに集中的に働きかけ るので、少量でも洗浄力を発揮し、さらに、泡切れ もすばやく すすぎ1回を実現 もすばやく、すすぎ1回を実現。 • 単なる環境配慮面のみならず、節水・節電に加えて 時短という消費者ニーズにも対応。 • アタックNeoについては、「場所をとらないし、買物 が楽」、「黄ばみまで落ちていて、びっくり」等の喜び や感動の声が同社に多数よせられている。 8 事例⑧:資生堂 日本女性の美を賞賛し、日本の女性の髪の美しさを引き 出す「TSUBAKI」 ○古来日本において毛髪補修成分として代々受け継がれてきた椿油に改め て注目し、日本の女性の髪の美しさを最大限に引き出し、さらに美しく輝く日 本女性を応援するブランドとして開発。 • 他の商品に乗り換えやすい低価格 嗜好品のシャンプー市場で、個々 人がもつこだわりを追及し、化粧品 メーカーの強みを活かし、ブランド 強みを活 し、 ラ 創りに化粧品的価値を取り入れた。 • 日本人女性の美を応援し賞賛する ブランドのフィロソフィー、『日本の 女性は美しい』という社会的メッ セージを発信することで、多くの女 性に受け入れられ、市場でも注目 を浴びた。 9 事例⑨:キリン 社会貢献型商品としてのアルコール0.00%飲料「フリー」 ○「飲酒運転をなくしたい」という想いから、商品を通じた社会貢献の一環とし て、世界初のアルコール0.00%の「キリン フリー」を開発 • 2007年の開発当時、道交法の改正等もあり、飲 酒運転に対し、社会的な問題意識が高まっていた。 一方、当時販売されていたビールテイスト飲料に は、0.1%∼0.5%程度のアルコール分が含ま れており、消費者から「運転前に飲用しても大丈 夫か」「不安だ」という問合せが増えていた。 • 開発にあたり、商品コンセプトは「運転前にも安心 開発にあたり 商品コンセプトは「運転前にも安心 して飲用できる完全ノンアルコール」とし、ビール の愛飲家をターゲットとした。中味は、「アルコー ル0.00%でありながら、飲みごたえのある爽快 なおいしさ」を追求。 • “世界初、アルコール0.00%”という商品の革新性 を前面に打ち出し、同時に飲酒運転撲滅運動とい う社会的な貢献に積極的に貢献する商品である ことを伝えることで広汎な需要を生み出した。発 売後、運転前以外にもこれまで飲みたくても飲め なかった様々な飲用シーンに浸透し、妊娠中・授 乳期の方や、病気等でアルコールが摂取できな い方などからも高い支持を受け、新たな市場を創 造した。 10