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28P-am109
28P-am109 薬物封入リポソームの in vitro 薬物放出試験に関する基礎的検討 1 1 ◯柴田 寛子 1 , 齋藤 はる奈 1 , 四方田 千佳子 1 , 川西 徹( 国立衛研) 【目的】リポソーム製剤の品質確保に関する試験方法や評価基準等の設定が望 まれている。リポソーム製剤の評価すべき重要な製剤特性のうち、特に in vitro 薬物放出性の評価に関しては、どのような評価方法が適切か十分に議論 されていないのが現状である。そこで本研究では、異なる薬物を封入した2種 類のリポソームに関して、各試験液中での薬物放出特性を比較し、基礎情報の 集積を図った。 【方法】ドキソルビシン(DXR)封入リポソーム(レシチン/コレス テロール/PEG 脂質= 57/38/5(molar ratio))及びビンクリスチン(VCR)封入リポ ソーム(スフィンゴミエリン/コレステロール= 6/4)はエタノール注入法とリモ ートローディング法により調製した。試験液は、12 種類の塩・糖・バッファー 溶液、3種類の細胞培養液を用い、温度条件を 37、45、52℃と変化させ、薬物 放出率を経時的に測定した。 【結果・考察】12 種類の塩・糖・バッファー溶液 のうち、トリス塩基を含む溶液では 37℃においても速やかな薬物放出が観察さ れた。52℃まで加温した場合、DXR 封入リポソームでは2種類の糖、NaCl、KCl、 VCR 封入リポソームでは CaCl2 や MgSO4 も薬物放出性への影響が認められた。細 胞培養液を使った場合、VCR 封入リポソームでは 37℃においても明確な薬物放 出が観察された。今後は、今回明確な薬物放出の認められた条件において、複 数ロットの薬物放出性を比較し、適切な試験条件を検討する予定である。