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第9回 ペスタロチオプシス属菌
Microbiol. Cult. Coll. 26(2) :103 ─ 108, 2010 連載「農業関連微生物」 第 9 回 ペスタロチオプシス属菌 渡辺京子 1)*,小野泰典 2) 玉川大学農学部生物資源学科 〒194-8610 東京都町田市玉川学園 6-1-1 第一三共(株)機能分子第一研究所 第五グループ 〒140-8710 東京都品川区広町 1-2-58 1) 2) Genus Pestalotiopsis Kyoko Watanabe1)* and Yasunori Ono2) College of Agriculture, Tamagawa University, Machida, Tokyo 194-8610, Japan Lead Discovery & Optimization Research Laboratories I, Daiichi Sankyo Co. Ltd. Hiromachi, Shinagawa-ku, Tokyo 140-8710, Japan 1) 2) 1.はじめに なぜ Pestalotioid fungi なのか? おそらく,Saccardo Pestalotiopsis 属は植物病理学では植物病原菌とし による概念によってまとめられていた Pestalotia 属 て広く知られる一方で,菌類生態学では内生菌,菌類 が,Steyaert (1949) の提案で分生子の形態的特徴の違 探索を行なう人にとっては分離頻度の高い土壌菌でも い を 基 準 と し て 細 分 化 さ れ Pestalotiopsis 属, ある.総合すると,何処にでもいる菌ということかも Truncatella 属,Monochaetia 属が分離独立したが, しれない.本稿では,まず本属とその近縁属と呼ばれ 大本は Pestalotia 属ということかもしれない.また, るグループの関係と本属の種の分類と同定法を概説 Pestalotiopsis という名前の由来が既に「Pestalotia に し,本菌の病原性と興味深い代謝産物を簡単に紹介す 似た」という意味であるため,こちらを採用するわけ る. にもいかないのかもしれない. ところで, 「Pestalotia 属菌」ははたして存在するの 2.近縁属との関係 か? と い う こ と が よ く 話 題 に な る. 近 年 の 論 文 に Pestalotiopsis 属 は 子 嚢 菌 Amphisphaeriacea の Pestalotia 属菌の報告はなく,この関連属菌の分子系 Pestalosphaeria 属の不完全世代(アナモルフ)で, 統解析に現在の定義にあった Pestalotia 属菌を加えら いわゆる分生子果不完全菌類である.Pestalotiopsis れているのを見たことがない.さらに,このグループ 属は 5 細胞で構成される分生子を形成し,上下を除く を Pestalotia 属関連菌群と言わず,Pestalotiopsis 属関 中央 3 細胞が着色し,頂部に約 3 本,尾部に 1 本の付 連菌群と呼んでおり,Pestalotia 属の存在感は極めて 属糸があり,特徴的な形態をしている.本菌に似た分 薄い.少なくとも我が国で Pestalotia 属と記録された 生子を特徴とする属は Monochaetia 属,Seiridium 属, 菌は,いずれも Pestalotiopsis 属か Truncatella 属へ Seimatosporium 属,や Truncatella 属などである. の転属が必要である(小林,1992). これらの属はいずれも分生子層に並んだ分生子柄上に Pestalotiopsis 属 関 連 菌 群 の 有 性 世 代 は アネロ型分生子を形成する菌で,分生子を構成する細 Amphisphaeriacea に属する Broomella, Discostroma, 胞数やその中の有色細胞数,付属糸の数や付属糸の付 Pestalosphaeria 属とされている.アナモルフで同定 着位置など,分生子の形態で分類されている(表 1) . された本菌群の 28S rDNA を指標とした分子系統解 Lee ら(2006) は, 論 文 の 中 で こ れ ら の 菌 を 析では,すべてが Amphisphaeriacea の中の一つの大 Pestalotioid fungi(Pestalotia に似た菌)と呼んでいる. クレードに入る(Jeewon et al., 2002).すなわち分子 系統的にも近縁属と言え,Pestalotiopsis 属関連菌群 * Corresponding author E-mail: [email protected] と呼ぶに相応しいグループである. しかし,一方で Jeewon ら(2003b)は,この近縁 ─ 103 ─ ペスタロチオプシス属菌 渡辺京子,小野泰典 表 1 関連属菌の分生子の形態的特徴 属 細胞数 Bartalinia Diploceras Discosia Monochaetia Pestalotiopsis Sacrostroma Seimatopsporium Seiridium Truncatella 5 34 45 45 6 4 頂部付属糸 尾部付属糸 有色部 有色細胞 細胞数 数 数 中央(淡) 中央 なし 中央 中央 中央 中央 中央 中央 3 2-3 4 2-3 3 2-3 3 1-4 2 3 11 1 (1-)3(-4) 1 -1 1 2- 基点 基点 中央 1 外生 中央 1(分枝) 外生 横 1 横 中央 1 内生 中央 1 内生 中央 1 外生 中央 1(分枝) 外生 中央 1 内生 中央 1 内生 属間の関係について,タクサを増やして 28S rDNA れは既に基準にならないことがわかっている(Jeewon を 指 標 と し て 分 子 系 統 解 析 を 行 っ た 結 果, et al., 2004).2005 年,Hawksworth は本属の種数を Pestalotiopsis 属,Seiridium 属はそれぞれ Bartalinia 50 程度に整理できると推測した.しかし,それ以降 属と Seimatosporium 属の組み合わせ単系統群になり, も新種記載はあるものの,本属の種は整理されること Truncatella 属 は 多 系 統 群 で あ っ た. ま た, はなく,既に 235 種にまで膨れ上がっている(Index Monochaetia 属については,さらに今後の研究が必要 Fungorum, http://www.speciesfungorum.org/ であるとした.2006 年の Lee らも同様な系統解析を Names/Names.asp).現在もなお,その数は増える傾 行い,Truncatella 属を,Truncatella 属のみのサブク 向にある. レードと Bartalinia 属と一緒になるサブクレードをま 本属の種の整理の難しさは,基準標本の保存状態に と め て Truncatella/ Bartalinia ク レ ー ド と し, ある.標本が古いのも原因の一つであるが,もともと Jeewon ら(2003b)の結果と一致すると結論づけた. 本属の分生子は乾燥させただけで付属糸はとれ易く, しかし,分類に関するそれ以上の言及はない.すなわ 後述する同定に重要な色の見分けも難しくなる.その ち,表 1 に示した Pestalotiopsis 属関連菌群のそれぞ ため第 25 巻第 2 号の植物炭疽病(2)のように,基準 れの属は,その指標となった形態がすべて適切(分子 標本からたとえ DNA が抽出できても,形態を確認で 系統を反映)ではなく,むしろ,近年の報告は整理の きない.よって,新たに同定基準標本を探さない限り, 必要性を示唆している.ただし,この菌群の整理を始 種の整理が進められないのである.しかし,記載文と めると,現在もまだ Steyaert(1949)に従った基準 同じ同定基準標本となる株を捜そうとすると,この同 による転属手続きが取られずに古い属名で残っている 定基準標本を指定するための種の同定が難しいという 種や Synonym が複数属にまたがる種があり,大変厄 堂々巡りの問題がある. 介 な こ と に な り そ う で あ る.1993 年 に 発 行 さ れ た では,新たな分離源から得られた株はどう同定すれ 「COELOMYCETOUS ANAMORPHS with append- ばいいのか? 現在のところ,分離源に関係なく,分 age-bearing conidia」 (Nag Raj, 1993)で各属を調べ 生子の形態がより近いものを Guba(1961) , Steyaert るとこの問題が見てとれる.一方,本記事の題材であ (1949, 1953, 1961), Sutton(1980), Nag Raj(1993)の る Pestalotiopsis 属に限ってみると,他属に比べてま モノグラフや新たな新種記載の論文から捜しだして同 とまった属といえる. 定するほかない.同定の際に形態的特徴として観察す べき点は,分生子の大きさ,有色 3 細胞の色,付属糸 3.種以下の分類と同定上の問題 の数と先端の特徴である.特に重要かつ最も悩ましい Pestalotiopsis 属は,付属糸の着生位置や数が極端 のが有色 3 細胞の色である. に違う P. distinca など以外は,比較的分子系統とし Guba(1961)のモノグラフでは有色 3 細胞の色が てまとまっているうえ,形態的特徴で属の同定までは いずれも同色であるか 3 細胞間の色に濃淡がある(異 容易にできる.しかし,種の同定となると混乱する. 色)かが検索基準として重要な鍵となっている.また, なぜなら Pestalotiopsis 属の種は,他の植物病原菌同 異色のグループでさらに色彩(茶色,オリーブ色など) 様に宿主植物が異なると形態的な基準が類似していた を分類基準として2つのサブグループを設けている. としても,新種として提案されていたからである.こ こ れ に つ い て Jeewon ら(2003a) は,ITS 領 域 と ─ 104 ─ Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2010 Vol. 26, No. 2 99 2 100 1 1 2 sp. 3 Group 1 1 100 84 96 2 sp. 1 sp. 2 1 95 89 1 2 89 98 83 1 2 1 100 Group 2 97 97 3 95 2 2 sp. 図 1 属菌の ITS1, 2 と 5.8S rDNA 領域に基づく近隣結合法による 分子系統樹.系統樹内の数字は 80% 以上のブートストラップ値(%)を記し ている. b-tubulin 遺伝子の分子系統樹から,Pestalotiopsis 属 が属する側系統群である. の有色3細胞を, 彼ら自身の観察による①同色の茶色, 同様な研究(図 1)から筆者らは,彼らの使用した ②細胞が灰黒色系で細胞間が異色,③同様に黄褐色で 菌株と同じクレードに入る P. theae の有色 3 細胞は 異色を指標にして,分子系統解析によって分けられた 同色で茶色ではあるが,P. neglecta などに比べると 3 クレードを 1)同色で色に関係なく細胞間が異色の 色が濃く,この違いが同定上重要と考えている(未発 あるグループ(P. versicolor など) ,2)茶色で同色の 表).確かに,本属の色彩については他菌で使用され グループ(P. neglecta などのグループおよび P. theae ているようなカラーチャートで色が指定されておら などのグループ)の2つのグループに分け,有色 3 細 ず,観察者の主観で論じられているに過ぎない.とこ 胞の色が原始形質であるとしながらも,Guba が分類 ろが,同定においてはこの色に拘らざるを得ない例が 基準としている色彩は分子系統を反映していないこと ある.たとえば,P. pallidotheae の分生子は,その名 を指摘した.最終的に彼らが提案した Pestalotiopsis の通り分生子の色の薄い P. theae であり(Watanabe 属菌は進化的に 1)有色 3 細胞が異色か同色か,2) et al., 2010),色で間違えると異なるクレードに属す 付属糸先端の形態,3)付属糸の長さ,4)分生子の大 る菌と誤同定することになる.既にこの有色 3 細胞の きさの順に重みづけができるとした.しかし,同色な 色 彩 が 原 因 で 誤 同 定 さ れ て い た 例 も あ り( 渡 辺, グループは P. neglecta が属するクレードと P. theae 2009) ,形態で種を同定しようとした時,ここで間違 ─ 105 ─ ペスタロチオプシス属菌 渡辺京子,小野泰典 載されている論文中の菌株が記載されているモノグラ フのセクションの周辺で分生子の大きさが同じものか ら種を検索するとよい.たとえば,Guba(1961)の P. theae の 所 属 す る セ ク シ ョ ン は 濃 い 色 と な り, Group 1 に入る傾向にある. 種の整理ができていない本属では,遺伝子情報のみ で種を同定することは現在できないため,この手順を Group 1 の菌 踏む以外に種を同定する方法はない. Group 2 の菌 図 2 図 1 の分子系統樹内の Group 1,2 に所属する菌 の分生子.図中のバーは 20 mm を示している. ① ② ③ 4.病原性 本属は,罹病植物,健全植物,海,土など様々なと ころから分離される菌である.日本植物病名目録(日 ④ 本植物病理学会 2000,NIAS の HP からは最新情報が 検索可能,http://www.gene.affrc.go.jp/databasesmicro_pl_diseases.php)によると,本属は国内の 69 600 bp 種の植物の病原菌として報告されている.ヤマノイモ (ペスタロチア病菌 P. versicolor),スターチス(ペス タロチア病菌 P. gracillis)などを除くと,ほとんど の記録が木本植物上での発生であり,樹木や果樹の重 要病害と言える.特に病原性の強い P. theae と P. longiseta によるチャ輪紋病はお茶の重要な病害であ る. 図 3 ITS1, 2 と 5.8S rDNA の増幅結果(電 気泳動像).①:マーカー,②:図 1 の Group 1 の菌株の PCR 産物,③:図 1 の Group 2 菌株の PCR 産物,④:ネ ガティブコントロール 一方,本属は内生菌としての報告も多く,内生菌, 病原菌としてのデータも含まれる USDA の提供する fungal databases (Farr & Rossman, 2010) により宿主 を検索すると,本属の宿主には海草(Sakayaroj et al., 2010), シ ダ(Norse, 1974), ワ ラ ビ(Hughes, えると付属糸先端の形態と分生子の大きさでは同定で 1953),イネ(Singh et al., 1995)と多様ではあるが, きないことになる. 明 ら か に 木 本 植 物 の 記 録 が 多 い. 逆 を 返 せ ば 色の判断は,慣れてくると,経験的に習得した印 Pestalotiopsis 属は草本植物よりは木本植物を生息場 象,分生子の 3 細胞の色が濃いか薄いか,によって 所として好むと言えるのかもしれない.本検索結果か (図 2) ,系統樹の 2 つのクレードのうちどちらのク ら記載論文を解析すると,本菌による病害は葉や果実 レードに入るかがわかる.しかし,この指標は,まさ での発生が多く,内生菌としても同様な場所に生息し に客観性の問われるところでもある.この判断は,何 ていることがわかる.また,種で病原菌と内生菌を区 種もの菌を見ていると感覚的に身に付けることができ 別することはできないこともわかる. るが,心配な場合は,PCR で確認することができる. 一般的には,本属は弱い病原性を示す菌とされてい 真菌の ITS 領域全体を増幅する際に使用するユニバー る.たとえばグアバを宿主とする Pestalotiopsis 属菌 サルプライマー ITS5 と ITS4(White et al., 1990)で のように,P. microspora, P. clavizpora, P. neglecta, ゲノム DNA をテンプレートとして PCR を行い,電 P. diseminata, Pestalotiopsis sp. と 5 種が病原菌とし 気泳動で PCR 産物の大きさを測定すると濃いと判断 て分離されるものの,いずれも有傷接種でのみで病原 されるものは約 600 bp,薄いものは約 650 bp である 性を示すもの(Keith et al., 2006)や,イチゴの果実 (図 3) .観察だけでは色の特定が心配な場合,PCR で から分離された P. longisetula が自然界では病原性が 判断した後に形態観察するとよい.もちろん,既報の 確認されていないトマト,アプリコット,モモ,グア モノグラフや記載文からは,系統樹のどちらのクレー バ,トマトなどの果実へも有傷接種によって発病が認 ドに入るのかはわからないが,本属の分子系統樹が掲 められる(Embaby, 2007).このような特徴からか, ─ 106 ─ Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2010 Vol. 26, No. 2 Parbery(1996)は様々な菌の栄養摂取性をまとめた 中で,本菌は necrotrophic であるとした.すなわち 植物体の老化とともに優位に基質から栄養を吸収する ために,植物が健全であるうちに生息場所を確保し内 生する生存戦略をもつことが予測される. Pestalotiopsis. Mycol. Res. 109: 5. Hughes, S.J. 1953. Fungi from the Gold Coast. II. Mycol. Pap. 50: 1-104. J e e w o n , R . , L i e w , E . C . Y . & H y d e , K . D . 2002. Phylogenetic relationships of Pestalotiopsis and allied genera inferred from ribosomal DNA 5.代謝産物 sequences and morphological characters. Mol. 近年の報告では,植物病原菌としての報告に負けず 劣らず,本菌の二次代謝産物に関する報告が多い. Xu et al.(2010)は,本属の応用的な可能性を想定し Phylogenet. Evol. 25: 378-392. Jeewon, R., Liew, E.C.Y., Simpson, J.A., Hodgkiss, I.J. & Hyde, K.D. 2003a. Phylogenetic significance of て多くの代謝産物を報告している.現在のところ,最 morphological characters in the taxonomy of も有名な物質は,乳癌と子宮癌への抗癌効果のある Pestalotiopsis species. Mol. Phylogenet. Evol. 27: Taxol である(Strobel et al., 1996) .この発見には, 興味深い経緯がある.初め Taxol は本菌の宿主であ るイチイ樹木の生理活性物質として発見された.しか 372-383. Jeewon, R., Liew, E.C.Y. & Hyde K.D. 2003b. Molecular systematics of the Amphisphaeriacea し,抗がん剤として癌患者に供給するためには,年間 based on cladistic analyses of partial LSU rDNA 750,000 本ものイチイ樹が必要とされ,そのうえイチ イの生育は遅いために到底供給できない量であった. そこで,イチイの内生菌による Taxol 生産をスクリー gene sequences. Mycol. Res. 107: 1392-1402. J e e w o n , R . , L i e w , E . C . Y . & H y d e , K . D . 2004. Phylogenetic evaluation of species nomenclature ニングしたところ,P. microspora が Taxol 生産菌の of Pestalotiopsis in relation to host association. 一つであることがわかったのである(菅原,1997). Fungal Divers. 17: 39-55. Keith, L.M., Velasquez, M.E. & Zee, F.T. 2006. 6.おわりに Identification and characterization of Pestalotiopsis 普遍的に分離され,分生子の形態を見ると実にわか spp. causing scab disease of guava, Psidium guaja- りやすい Pestalotiopsis 属菌は,いろいろな意味で整 va, in Hawaii. Plant Dis. 90: 16-23. 理がされていない.取り扱う側の立場でいろいろな解 小林享夫 1992.Pestalotia,小林享夫,勝本 謙,我 釈があり,その解釈が成り立つような様々な側面を 孫子和雄,阿部恭久,柿島 真(編),植物病原菌 もっている属であるとも言える.ここ 20 年で,本属 に関係する研究報告が急激に増え,その扱い(報告) 類図説,p. 567,全国農村教育協会,東京. L e e , S . , C r o u s , P . W . & W i n g f i e l d , M . J . 2006. を見ると有用菌としての側面を開拓しそれを顕在化さ Pestalotioid fungi from Restionaceae in the Cape せようとしている研究が多い一方で,病害発生の報告 Floral Kingdom. Stud. Mycol. 55: 175-187. も増えている.本属は,いままで普遍的な雑多な菌と Nag Raj, T.R. 1993. Pestalotiopsis Steyaert, In しての扱いであったが,今後は体系的な研究の対象と Coelomycetous Anamorphs with Appendage- なってきたと考えている. B e a r i n g C o n i d i a , p . 618-671, M y c o l o g u e Publications, Waterloo, Ontario. 文 献 N o r s e , D . 1974. P l a n t d i s e a s e s i n B a r b a d o s . Phytopathol. Pap. 18: 1-38. Embaby, E.M. 2007. Pestalotia fruit rot on strawberry Parbery, D.G. 1996. Trophism and the ecology of plants in Egypt. Egypt. J. Phytopathol. 35: 99-110. fungi associated with plants. Biol. Rev. 71: 473-527. Farr, D.F. & Rossman, A.Y. 2010. Fungal Databases, Systematic Mycology and Microbiology Sakayaroj, J., Preedanon, S., Supaphon, O., Jones, E. Laboratory, ARS, USDA. Retrieved September 18, B.G. & Phongpaichit, S. 2010. 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W a t a n a b e , K . , M o t h o s h i , K . & O n o , Y . 2010. Description of Pestalotiopsis pallidotheae; a new Bruxelles. 19: 285-354. species from Japan. Mycosience 51: 182-188. S t e y a e r t , R . L . 1953. N e w a n d o l d s p e c i e s o f White, T.J., Bruns, T., Lee, S. & Taylor, J. 1990. Pestalotiopsis. Trans. Brit. Mycol. Soc. 36: 81-89. Steyaert, R.L. 1961. Type specimens of Spegazzini’s Amplification and direct sequencing of fungal collections in the Pestalotiopsis and related genera ribosomal RNA genes for phylogenetics, In Innis, (Fungi Imperfecti: Melanconiales). Darwiniana M.A., Gelfand, D.H., Shinsky, J.J. & White, T.J. (Buenos Aires) 12: 157-190. (eds.), PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, p. 315-322, Academic Press, San Strobel, G., Yang. X., Sears, J., Kramer, R., Sidhu, R.S. Diego. & Hess, W.M. 1996. Taxol from Pestalotiopsis microspora, an endophytic fungus of Taxus walla- Xu, J., Ebada, S.S. & Proksch, P. 2010. 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