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オランダ ロッテルダム港 開発戦略
オランダ ロッテルダム港 開発戦略 名古屋港管理組合 尾﨑 弘二 東京港埠頭㈱ 白石 誠也 1 港湾の経営状況 ロッテルダム港湾公団(Port of Rotterdam Authority)が港湾経営を行っている。 (1)経緯 1) ①2004年までは、ロッテルダム市が港湾経営を行っていた。 当時は、ロッテルダム市議会議員は45名で、内7名が港湾のコミッショナーとなってお り、予算策定や事業執行、契約、港湾料金の決定等は、市のコミッショナーの了解を得る必 要性から、政治の影響を強く受けていた。 市議会議員の4年の任期に対し、港は長期的なプランが必要であり、また、ロッテルダム 港の収入が市の他部門にまわされていたため、市から港を分離することが提案された。 ②2004年にロッテルダム港湾公団として株式会社化された。 現在の持株比率は、ロッテルダム市70.83%・オランダ政府29.17%である。 (ロッテルダム港湾公団庁舎) 撮影:2011年9月25日 (マース川を通航するバージ船) 撮影:2011年9月25日 (ロッテルダム港湾公団へのヒアリング) 撮影:2011年9月26日 撮影:2011年9月27日 094 (2)組織2) ①監視委員会(Supervisory Board) オランダの主要企業トップ4名の社外メンバー(P&O Nedlloyd(海運) ・KLM(航空)・ Tennet B.V.(配電網運営) ・Netherlands Railways(鉄道) )により構成し、株主の視点(経 営的及び公益的)からロッテルダム港の経営を監視する。 業務の適正な執行を監視する監査委員会、港湾公団役員を選定する選定・任命委員会及び 報酬を定める報酬委員会がある。 ②執行役員会(Executive Board) 社長&最高経営責任者(CEO) ・上級副社長&最高経営執行者(COO) ・副社長&最高財務 執行者(CFO)の3役員により構成し、港湾公団の戦略と方針を決定する。 役員は、監視委員会により4年の任期で任命される。 ③業務組織(General Services) 3役員のもと、業務担当が組織され、職員数は1,200名程で、半数はハーバーマスター 部門の職員である。 ④業務内容 港湾地区におけるインフラ(岸壁、土地等)整備、土地の貸付、ハーバーマスター(海上 交通コントロール) 、港湾振興等、港湾の開発・管理運営を担っており、土地の上物整備や 運営は民間が行う。 〈ハーバーマスター3)〉 我が国の「港長」業務に相当するものであり、外航船は24時間前に入港通知が必要で、 外海60㎞・内海40㎞の100㎞を把握(船長、船幅、喫水、貨物情報、接岸場所、直 前・次港寄港地、危険度レベル等)している。 大規模事故発生時は、港湾公団庁舎にロッテルダム市長・警察・消防・ハーバーマスタ ーが集合し、指示を出す(小規模な事故は年10件程) 。 なお、組織のあり方の見直しの検討が進められており、河川の管理は国が行っている。 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ 095 ⑤財政 2010年の純利益(Net income)は1億5,420万ユーロであり、運営収入(Operating income)は5億5,140万ユーロである。 運営収入の内訳は、入港料(Harbour dues)52%・土地使用料(Contract income)4 5%・その他3%である。 港湾公団の出資者である株主(ロッテルダム市・国)に、払い込み済み資本の4%を配当 している。 なお、港湾公団が所有する岸壁等の資産に係る市税は納付しているが、現時点では国税は 課されていない。 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ (3)欧州内における取組 1) 096 ①コンテナトランスファーポイント(コンテナ積替基地)整備 コンテナ貨物は、マースフラクテ2開発で今後3倍に伸びると見込んでおり、高速道路を 拡幅する計画があるが十分でなく、アクセスを更に向上させる必要があるため、コンテナト ランスファーポイントをロッテルダム市郊外のアルブラッセルダムに整備し、高速道路の渋 滞を減らす。 大型バージにより、マースフラクテまで運ぶ計画で、2012年に供用開始予定であり、 積替えによりコスト高になるが、道路渋滞のロスを考慮すれば結果的に安くなる。 年10万 TEU のハイネケン貨物があるズーテワルダ(ロッテルダムの北50㎞)におけ る計画の他、ライン川を使用し、ドイツでも設置可能と考えており、デュイスポートの株式 を購入する構想もある。 なお、港湾公団は土地を貸し出すのみで、運営は行わない。 出典:2011年9月ロッテルダム港湾公団資料 ②トラフィックカンパニー設立 港湾内の高速道路 A15の使用最適化や車両管理を図るため、国、ロッテルダム市等とと もに「トラフィックカンパニー」を設立している。 2つのトンネルに車高を警告するシステム設置等を行うとともに、事故対応の迅速化(3 時間から50分に削減)が図られている。 ③KEY RAIL 社(鉄道会社)設立 プロレール社(鉄道インフラ整備会社)50%・ロッテルダム港35%・アムステルダム 港15%の出資により、KEY RAIL 社を設立し、ロッテルダム港とドイツを結ぶベテゥベル ート貨物専用鉄道の能力管理、交通管理・コントロール、インフラのメンテナンス等を行っ ている。 (4)国際プロジェクトの取組 1) 港湾公団に国際部門があり、他港を調査している。 097 また、中東のオマーンで港湾経営を受託しており、ロッテルダム港とのリンクを目的に、急 成長国のブラジル、ロシア、インド等で港湾開発の計画がある。 国際プロジェクトは、採算の合うものとする必要があり、現状把握から詳細な計画策定のた め多くの時間を要し、政治も関係する。 また、異文化も考慮する必要があり、職員が海外で働き、経験を積んでいる。 〈オマーン ソファール港開発〉 オマーンの豊富な資金を背景に、知識のあるロッテルダム港に協力要請があったもので、 現在は、港湾公団がソファール港の管理運営を行っている。 今後、2,500haの産業エリアにフリーゾーンを作る計画である。 (5)アントワープ港との連携 1) ロッテルダム港は原材料・中間製品、アントワープ港は完成品があり、これを組み合わせる ことで、他エリアと対抗できると考えており、また、アントワープ港の産業をロッテルダム港 にも呼び込むために連携を図っている。 そのためには、パイプライン等のインフラを更に整備する必要がある。 098 2 港湾の活動状況 (1)概況4) 北海に面し、欧州の中心、ライン川とマース川の河口部に位置し、長さ40km、岸壁延長 77㎞、面積(陸域・水域)1 万 ha にわたり拡がる欧州最大のコンテナ港であり、ライン川、 マース川及びスケルト川を利用した河川輸送が盛んで、コンテナ取扱貨物量の30%以上は内 陸水運によるものである。 欧州における輸出のラストポート、アジアからの輸入のファーストポートとなっており、イ ギリス、北欧等とフィーダーサービスで結ばれている。 背後地産業向けのバルク貨物の取扱いが多く、バルク貨物の太宗品は、輸移入は原油、鉱石・ スクラップ、石油製品及び石炭であり、輸移出は石油製品である。 マース川の水深は19m、干満潮位差は1.5mで、最大級の船舶が入港可能であり、マー ス川河口部に1,000haのコンテナ開発用地(マースフラクテ2)がある。 出典:2011年9月ロッテルダム港湾公団資料 〈ロッテルダム港図〉 ● アルブラッセルダム 099 ロッテルダム港は、5つの場所に分かれている。 ・ 〈ワールハーフェン/イームハーフェン(Waalhaven/ Eemhaven) 〉 古いコンテナターミナル等 ・ 〈フルーツポート(Fruitport) 〉 フルーツ取扱基地で、徐々に拡大中 ・ 〈ボトレック(Botlek) 〉 第2次世界大戦後、最初の石油化学工業が立地した産業地帯 ・ 〈ユーロポート(Europort)〉 石油化学工業 ・ 〈マースフラクテ(Maasvlakte) 〉 コンテナターミナル 〈ロッテルダム港図〉 Maasvlakte Fruitport Europort Waalhaven/Eemhaven Botlek 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ (2)海上航路5) ①主要航路(Primary Deepsea) 東西トレードである大西洋横断の欧州~極東 ②第二の主要航路(Secondary Deepsea)南北トレードである欧州~アフリカ・南アメリカ ③近海航路(Shortsea) 出典:2011年9月ロッテルダム港湾公団資料 100 (3)陸上アクセス6) 水運のほか、高速道路・鉄道ともにアクセスがよく、トラック便は年間200万以上(12, 500便/日)が発着し、アントワープまで100km、パリ450 km、ベルリン710 km、 プラハ890 km 等で結ばれている。 港内2ヶ所の鉄道サービスセンターは欧州10か国・30都市を結ぶ欧州鉄道網にリンクし ている。 2007年には同港とドイツのルール地方を結ぶベテゥベルート貨物専用鉄道が開通し、港 湾公団は背後地の更なるアクセス強化に向け、 2008年にドイツ鉄道と提携することで合意 している。200便/週以上のシャトル便がアントワープまで4時間、ミュンヘン16時間、 ハンブルグ24時間、プラハ24時間等で結ばれている。 (4)取扱貨物量7) 2010年の総取扱貨物量は4億2,993万トンであり、欧州で第1位である。 2011年は、前年比0.8%増の4億3,300万トンである。 取扱貨物の約80%はオランダ国外のものであり、ドイツの貨物が約1億トンを占める。 また、2010年のコンテナ取扱個数は1,115万 TEU であり、欧州で第1位・世界で第 10位である。 2011年は、前年比6.0%増の1,190万 TEU(上半期は、前年同期比9.8%増の 595万 TEU)である。 2010年 寄港隻数 34,404 隻 項目 合計(トン) 積(トン) 揚(トン) 総取扱貨物量 429,926,000 124,571,000 305,355,000 リキッドバルク 209,358,000 47,451,000 161,907,000 ドライバルク 84,589,000 8,960,000 75,629,000 135,979,000 68,160,000 コンテナ積 67,819,000 コンテナ揚 一般貨物 コンテナ合計 個数 TEU 11,145,804 トン数 個数 TEU トン数 個数 TEU 112,293,000 5,455,362 57,268,000 5,690,442 2010 年世界コンテナ取扱ランキング第 10 位 トン数 55,025,000 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ、Containerisation International(2011 年3月号)より作成 出典:2011年9月ロッテルダム港湾公団資料 101 (5)コンテナターミナル8) 北海に面するマースフラクテ1(MV1)と内陸部のワールハーフェン/イームハーフェンの2 地域にコンテナ拠点があり、MV1には世界初の自動化された ECT デルタターミナル、 Maersk グループの APM Terminals が運営する APM ターミナル、CKYH が利用するユーロ マックスターミナル(自動化ターミナル)の3ターミナルが稼動し、内陸部には ECT シティ ターミナルがある。 Maasvlakte 地区 運営:Europe Container Terminals BV ECT Delta Terminal バース数 岸壁延長 水深 面積 G.クレーン リーファー 鉄道施設 1(quay) 3,400 m 16.6 m 2,720,000 ㎡ 38 基 3,250 個 有 寄港船社 APL, CMACGM, CSCL, Evergreen, Grand Alliance, HMM, Maersk, MOL, MSC, OOCL, Zim 運営:APM Terminals Rotterdam BV APM Terminals Rotterdam バース数 岸壁延長 水深 面積 G.クレーン リーファー 鉄道施設 1(quay) 利用船社 1,600 m 16 m 930,000 ㎡ 12 基 1,750 個 無 Maersk, MOL, Safmarine, UASC 運営:Europe Container Terminals BV ECT Euromax Terminal バース数 岸壁延長 1(quay) 寄港船社 1,800 m 水深 面積 G.クレーン リーファー 鉄道施設 19.65 m 1,250,000 ㎡ 14 基 2,136 個 有 CKYH Waalhaven/ Eemhaven 地区 運営:Europe Container Terminals BV ECT City Terminal バース数 岸壁延長 1(quay) 1,400 m 12.65-14.15m 寄港船社 水深 面積 593,000 ㎡ G.クレーン リーファー 9基 1,359 個 鉄道施設 有 CMACGM, Hamburg Sud, Hapag-Lloyd, MSC 他 出典:Containerisation International Yearbook(2011年) ・2011年9月ロッテ ルダム港湾公団資料・㈶国際港湾協会協力財団「国際港湾経営研修資料(㈶国際 臨海開発研究センター(一之瀬政男)」より作成 〈ECT デルタターミナル9)〉 102 香港ハチソン社98%・その他2%の持株比率であり、船会社と荷役効率に関する契約が あるとともに、外来トレーラはコンテナターミナル内の滞在時間が1時間まで(平均35分) と決まっており、インターチェンジポイントでコンテナ貨物をストラドルキャリアに積み替 え、自動スタッキングクレーンのあるヤード内に入らないレイアウトとなっている。 また、放射線検査施設が設置され、通関は、輸出貨物のみコンテナターミナル外で行われ ており、輸入貨物も今後検討する予定となっている。 (ガントリークレーンと AGV) 撮影:2011年9月28日 (鉄道施設) 撮影:2011年9月28日 (自動スタッキングクレーンと AGV) 撮影:2011年9月28日 (放射線検査施設) 撮影:2011年9月28日 (6)石油化学産業9) 欧州最大のバルクターミナルがあり、石油化学会社はシェル、エクソンモービル、Q8、BP 等が立地している。 原油はマースフラクテで陸揚げし、共同パイプラインで配送しており、アントワープまで地 下で繋がっている。 (7)電力産業9) 大手電力会社である E.ON 社は、石炭70%・バイオマス(ウッドチップ等)30%によ り1,100MW 発電しており、更に1,000MW 発電できるよう拡張予定である。 なお、オランダの法律により、バイオマスの最低15%使用が義務付けられている。 (8)自動車輸入ターミナル9) 103 多層階建ての自動車輸入ターミナルがあり、 日本、 韓国、 アメリカ等から完成車が輸入され、 カーナビ装備、タイヤ装着、欧州仕様への変更等を行っている。 (多層階建ての自動車輸入ターミナル) 撮影:2011年9月26日 (9)高速道路 10) 高速道路と幹線道路は国が整備し、無料である。 高速道路 A15は、今後5年程で2車線拡幅する計画があるが、設計から既に8年を要して おり、港湾公団から国に対し、早期整備の要請を行っている。 なお、道路工事は夜間に行い、国と工事業者の契約には、交通負担を少なくすれば支払増と なる内容が規定されている。 (高速道路 A15) 撮影:2011年9月26日 16:00頃 (10)経済波及効果 1) ロッテルダム港は、オランダの28万人の雇用と関係しており、オランダの国民総生産 (GNP:5,955億ユーロ)の3.9%(232億ユーロ)に寄与している。 これを基に、更に港の利便性の向上を図るよう国に要請している。 104 3 港湾の開発状況 (1)マースフラクテ2(MV2)開発 ①経緯11) 2008年に MV1の沖合い1,000ha を埋め立て、岸壁延長11.2km・水深20m の 大規模ターミナル建設を開始した。 投資額は29億ユーロ(堤防(Seawall)6億ユーロ、人工海浜等(Sites)7億ユーロ、 道路・鉄道・ケーブル・パイプライン(Infrastructure)16億ユーロ)であり、資金は、 国から7億ユーロ融資を受け、残りを銀行から借り受ける。 開発は4段階に分かれており、用地貸付契約後でないと埋立てできないことになっている。 開発当初段階から環境団体、従業員、住民等から意見を聞いており、多くの課題を解決し ていった。 ②開発内容12) 1,000ha は、コンテナ用地600ha・化学工業(ケミカル)用地300ha・物流 (ディストリビューシュン)用地100haとして使用予定であり、コンテナ処理能力は1, 700万 TEU(2035年にはロッテルダム港全体で3,000万 TEU 以上)である。 3か所のコンテナターミナル(APM ターミナル・RWG ターミナル・ユーロマックスター ミナル)400ha は既に貸付契約済みで、水深はスエズマックス対応(15,500TEU) で計画しており、2013年半ばまでに道路・鉄道を含めて完成予定である。 2012年に外周工事が終了し、2013年にフェーズ1が完了予定であり、外周2か所 に石油化学会社と物流会社が立地予定である。 徐々に埋立てを進め、2020~2030年に全体が完成予定であり、現在のところ更な る拡張の計画(マースフラクテ3)はない。 〈コンテナターミナル〉 ア APM ターミナル13) 岸壁延長2,800m・水深20m・面積167万㎡・コンテナ処理能力450万 TEU・ バージ埠頭500m を備え、オンドック鉄道施設も整備し、2014年に供用開始予定 である。 イ RWG ターミナル14) (Rotterdam World Gateway:DPW/MOL/APL/HMM/CMACGM の合弁) 岸壁延長1,900m・水深20m・面積156万㎡・コンテナ処理能力400万 TEU・ 外貿埠頭と岸壁延長550m の内貿・バージ埠頭を備え、ベテゥベルートに接続するオ ンドック鉄道施設も整備し、2011年10月に貸し付け、2013年に供用開始予定で ある。 ウ ユーロマックスターミナル(拡張)15) MV1 で2008年に供用開始したユーロマックスターミナルは、MV2において、2 016年までに岸壁延長2,400m・面積132万㎡・コンテナ処理能力560万(現 行290万)TEU に拡張させる予定である。 105 出典:2011年9月ロッテルダム港湾公団資料 〈土地造成工事16)〉 埋立前の水深は12~20m であり、プーマ社(世界最大の浚渫会社2社が提携)が造成 工事を請け負い、土砂は11㎞先の北海の海底から運搬している。 良質な砂質土であり、地盤改良は行っておらず、コンテナターミナルの天端高は+5m で 設計し、沈下促進のため盛土14m を施している。 排砂管は、摩擦により1年半で交換する必要があり、土砂の飛散防止のため芝生を植えて いる。 岸壁構造は、スチールパイプを以前使用していたが、早く腐食するため、アントワープ港 の経験を生かし、ユーロマックスターミナルから鉄筋コンクリート壁を使用している。 ガントリークレーンの基礎は、コンテナターミナルの契約毎に施行内容を決定している。 航路・護岸・防波堤は国が整備を行い、その他の整備を港湾公団が行っている。 開発の環境要件として、ビーチやサンクチュアリ(野鳥観察エリア)も整備している。 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ 〈FUTURE LAND(マースフラクテ2開発の紹介施設)17)〉 106 港湾公団は、一般市民への港湾の理解増進を図るとともに、将来の労働力不足を懸念し、 子供達に興味を持ってもらい、港に関係してくれることを期待してマースフラクテ内に港湾 開発の紹介施設を設置している。 建物は2階建てで、1階は、北海からの土砂採取・埋立て紹介設備、土砂採取時に発見し たマンモスの骨の展示、食事施設等であり、2階は、2008年のマースフラクテ全体のパ ネル展示から経年で2030年までの整備進捗を紹介する映像設備等がある。 年間5万人の来訪予想のところ、10万人が来訪しており、埋立地内を見学できるバスも ある。 出典:ロッテルダム港湾公団ホームページ (2)ポートビジョン203018) 長期開発計画のドラフト「ポートビジョン2030」を策定し、2030年には欧州域内・ 欧州/多国間の物流を担う世界のハブ港、欧州産業のクラスター港として発展するため、輸送 効率や環境面から持続可能な港を目指している。 2030年の取扱貨物量は、6億7,500万~7億5,000万トンと想定しており、港湾 公団でできないことは、国・欧州連合(EU) ・他港と話合いを行う。 〈主な内容〉 ①欧州産業のクラスター港に ・効率性と新技術によるオランダと北部欧州の産業とエネルギーの拠点 ②グロ-バルハブに ・国内外でのロジスティック・ハブのネットワークの構築 ③アクセスの改善 ・フランケンブルグトンネル、高速道路 A4の整備等 ④環境生活の向上 ・既存の港湾エリアへの750ha の自然レクリエーション地区の新設、環境保全を取り入 れたマースフラクテ地区開発 ・モーダルシフト ⑤改革に向けた技術革新と迅速な意思決定 ・新技術の開発、導入(荷役機器、輸送機器、交通整備等) ・スピード感をもった意思決定組織の構築(産業界との連係等) 107 参考文献等 1)ロッテルダム港湾公団(FRANS VAN KEULEN)への2011年9月のヒアリングに基づ いて、まとめたものである。 2)ロッテルダム港湾公団ホームページの他、ロッテルダム港湾公団(FRANS VAN KEULEN・ JOOP SMITS MSc)への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 3)ロッテルダム港湾公団(ハーバーマスター職員)への2011年9月のヒアリングに基づい て、まとめたものである。 4)2011年版国際輸送ハンドブック、㈶国際臨海開発研究センター「欧州港湾事情~オラン ダ国・ロッテルダム港(成川和也) 」 ・ 「ロッテルダム港の株式会社化及びその後の経営状況(坂 井 巧 )」 の 他 、 ロ ッ テ ル ダ ム 港 湾 公 団 ( FRANS VAN KEULEN ・ MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc・ハーバーマスター職員)への2011年9月のヒアリングに基づい て、まとめたものである。 5)ロッテルダム港湾公団(MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc)への2011年9月の ヒアリングに基づいて、まとめたものである。 6)2011年版国際輸送ハンドブック・海事プレス(2008年6月16日)に基づいて、ま とめたものである。 7)ロッテルダム港湾公団ホームページ、Containerisation International(2011年3月号) 、 マリタイムデーリーニュース(2011年8月19日) 、日本海事新聞(2012年1月10日) の他、ロッテルダム港湾公団(MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc)への2011年9 月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 8)2011年版国際輸送ハンドブックの他、Rotterdam Port Promotion Council(JOHAN A. HOGVLIET)への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 9)Rotterdam Port Promotion Council(JOHAN A. HOGVLIET)への2011年9月のヒア リングに基づいて、まとめたものである。 10)ロッテルダム港湾公団(JOOP SMITS MSc)への2011年9月のヒアリングに基づいて、 まとめたものである。 11)ロッテルダム港湾公団(FRANS VAN KEULEN・MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc) への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 12)ロッテルダム港湾公団(FRANS VAN KEULEN・MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc・JOOP SMITS MSc)への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものであ る。 13)2011年版国際輸送ハンドブックに基づいて、まとめたものである。 14)2011年版国際輸送ハンドブックの他、ロッテルダム港湾公団(JOOP SMITS MSc)へ の2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 15)2011年版国際輸送ハンドブックの他、ロッテルダム港湾公団(MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc)への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 16)ロッテルダム港湾公団(JOOP SMITS MSc) 、Rotterdam Port Promotion Council(JOHAN A. HOGVLIET)への2011年9月のヒアリングの他、国土交通省国土技術政策総合研究所 「超大型のコンテナターミナル整備の海外の動向に関する調査分析(小泉哲也・渡部富博・鈴 木恒平) 」に基づいて、まとめたものである。 17)ロッテルダム港湾公団(JOOP SMITS MSc) 、Rotterdam Port Promotion Council(JOHAN A. HOGVLIET)への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 18)ロッテルダム港湾公団ホームページの他、ロッテルダム港湾公団(FRANS VAN KEULEN) への2011年9月のヒアリングに基づいて、まとめたものである。 108 ヒアリング 〈ロッテルダム港湾公団〉 ・Chief External Relations Officer Representative of the Board:FRANS VAN KEULEN ・Manager Port Planning&Development:JOOP SMITS MSc ・Manager Projects Port Planning & Development:MAURITS VAN SCHUYLENBURG MSc ・ハーバーマスター職員 〈Rotterdam Port Promotion Council〉 ・JOHAN A. HOGVLIET 109