Comments
Description
Transcript
調査法4日目
東京社会福祉総合学院研究科 調査法4日目 2001年6月14日 本日のテーマ 1 いまさらで恐縮ですが 2 データ収集法の諸問題 Shuichi Sakata いまさらで恐縮ですが 調査法を学ぶ理由 は? v立派な調査者になるために 学習と実習に長い時間がかかります アメリカだと、週2回の授業1年半 日本だと、週1回の授業1年+実習1年 v調査のかしこい利用者になるために 短い時間でも、勘所を学べばOK 本を一冊読むだけでもだいぶ違う Shuichi Sakata かしこい利用者とは 1 v 他人の行った調査結果を 鵜呑みにしない 1. データの質はしっかりしてい るか 2. 分析方法は正しいか このような本もあります 谷岡一郎著『社会調査のウソ』 文春新書 Shuichi Sakata 1 かしこい利用者とは 2 v他人の行った調査研究を理解し、 批評できること 調査研究の発表などをみると、難しい統計方法 を 使っていて、わかり難くいものが多くなってきた Shuichi Sakata 簡単にできる統計分析 v統計分析ソフトで、だれでも難しい分析ができる vしかし、分析法の意味がわからなければ・ ・ ・ Shuichi Sakata 世界中で使われている統計分析ソフト の定番 本日の本題 データ収集の諸問題 v 非構造化 unstructured v 半構造化 semi-structured v 構造化 structured 質問事項のみ 調 査 票 質問内容、 回答方法、 質問の順序 があらかじ め決まって いる 自由な面接や観察 質問紙 questionnaire Shuichi Sakata 2 質問紙調査 Questionnair v 自計式 英語の self-administered survey を直訳 回答者が自分で回答を記入 する調査 (自記式ともいう) v 他計式 調査員が回答を聴き取って記 入する他計式調査 (回答者からみて他人が行うと いう意味,他記式ともいう) (1) 集合調査 (2) 留置調査 (3) 郵送調査 (1) 個別面接調査 (2) 電話調査 Shuichi Sakata 測定尺度の水準 v 調査結果は、男⇒1、女⇒2のように 数字で処理さ れる。 v 数字には、数量として意味のあるものとないものが ある。 名義尺度 v 数量としての意味をも たない ⇒質的データ 順序尺度 間隔尺度 v 数量としての意味をも つ ⇒量的データ 比率尺度 Shuichi Sakata 信頼性あるデータとは v信頼性のあるデータとは、繰り返し調査して も同じ結果が得られること。 v信頼性が損なわれる原因 (1)質問の言葉遣い(wording) (2)調査員が与える印象 (3)コーディング・ミス (4)質問内容−意見を問う質問の選択肢不足 Shuichi Sakata 3 妥当性あるデータとは v 妥当性あるデータとは、捉えたいことがらを捉 えているデータのこと。 例、社会的地位を捉えるために、学歴を質 問することは妥当だろうか。 v 妥当性を検討する3つの基礎的方法 1. 2. 3. 基準妥当性 criterion validity 内容妥当性 content validity 構成概念妥当性 construct validity Shuichi Sakata 2時間目 質問紙の作成法 ワーディングの注意点 Shuichi Sakata ワーディングの注意点 v単純な言葉を使う =専門用語は避ける =少し難しいカタカナ語は避ける v文は長すぎないように =長いと混乱して意味がとれない v二つのことを一度に聞いていないか (ダブルバーレル質問) 「どの程度の頻度で両親を訪問しています か」 Shuichi Sakata 4 ワーディングの注意点 v誘導質問になってはいないか 回答者に、 「このように答えたほうがいいのではないか」 と感じさせる質問、になっていないか。 「国の財政赤字がこれ以上増えることになっ ても、○○に賛成ですか。それとも反対です か」 Shuichi Sakata ワーディングの注意点 v誘導質問になってはいないか( 続き) ・権威ある人の名前をだして、その人の 意見への賛否を問う ・限られた選択肢しか用意しない ・一方に偏った、含みのある言葉を使って いないか Shuichi Sakata ワーディングの注意点 v 否定疑問文になっていないか 「マリファナは解禁されるべきでない」という意 見に賛成ですか、反対ですか。 ・否定文への賛成は、つまり反対 とっさに聞かれてもその 判断が難しい 「マリファナ使用は違法のままにすべきである」 という意見に賛成ですか、反対ですか。 の方が答えやすい Shuichi Sakata 5 ワーディングの注意点 v 知識の有無を前提とした質問の前に、 フィルター質問は用意しているか v 「あなたは、ブッシュ大統領が京都議定書 に反 対していることについて、どのように 考えます か」 ・「京都議定書」のことを知らない人は答えられ ない 「あなたは、京都議定書 をご存知ですか」 という質問に「はい」の人にだけ意見をたずねる Shuichi Sakata ワーディングの注意点 v言葉が違う意味に理解されることはない 方言など文化圏の違いによる取り違えのな いように v威信による偏向(バイアス) はないか 調査員によく思われたい、調査員を見下した いという動機を誘う言葉はないか 「social dedrability 社会的望ましさ」 収入、学歴、友人の数⇒多めに答える 年齢、飲酒の量、偏見度⇒少なめに答える Shuichi Sakata ワーディングの注意点 v質問があやふやになっていないか。 二通りに意味が取れる質問は困る。 原因はいろいろ 文が複雑 構文がよくない あいまいな言葉が使われた Shuichi Sakata 6 ワーディングの注意点 v 直接質問と間接質問のどちらがよいか 論争的・繊細な問題で ぶっきらぼうに直接質問するのは避ける 「あなたは、お子さんを虐待していますか」 v 間接的方法のタイプ ・番号札(ポップカード) ・一般的質問 (多くの人が行っているが、あなたはどうか ) ・他人アプローチ (こういうことをしている人を知っていますか。とこ ろであなたはいかがですか丸) Shuichi Sakata 7