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資料-2.工芸関係ヒアリング調査結果

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資料-2.工芸関係ヒアリング調査結果
資料編
資料-2.工芸関係ヒアリング調査結果
諸室の構成・規模検討においては、工房および試験研究室、各分野の工程内容について現・工芸
振興センターへのヒアリングを行った。次頁の表を参照のこと。
■日時:平成 25 年 8 月 19 日(火)13:30~17:15
■場所:工芸振興センター
■対象者:志村正人所長ほか職員、各分野研修講師
‐資 32‐
資料編
表 工芸関係者へのヒアリングから得られる視点の整理
必要な作業スペース
紅型
染織
金細工
※斜体は H24 年度調査のヒアリング結果より
プログラム可能性/管理運営
商品化・ブランド化の展望
課題/その他
連携できる作業は以下。
必要な設備・備品は以下。
●図案作り(作業台)
・現状では約6名分のスペースしかない(研修生4~6名 ●メイン作業場(干場兼用)●作業台
であれば作業場や共用部分は現状の大きさでよい)。
●型置き(窯場)
●トレース台
●糊置き作業台
・トレース台は暗室に近い方がよい。
●蒸し器(貸出可)
●洗い場(お湯も必要) ●蒸し(蒸し器)
・紗張りの際にラッカー等を使用するが、臭いが凄いの
●水元(洗い場)
●紗張り室
●冷蔵庫
で、木工の塗装室のような換気が十分な専用の部屋が ・1人1人に机があるのが理想(現状は折りたたみの長
●乾燥(干場)
必要。
机)。
・現在、洗い場は織物と共用
・火にかけて糊を作る作業もあるのでガスが必要。
して使用している。
・業務用冷蔵庫(700×1500mm)
・地染めする部屋と色挿しする部屋は別々がよい。(土
・窯場と洗い場は織物と共用
・型板をのせられる水場(型板約30×40cm)
間)
可能。
・洗い場水槽(12000×920mm)
・天井が高ければ、段掛けができるのでスペースが増え
・洗い場は浅めで長いシンクが必要。その土台は傾斜さ
る。
せる。
・干竿が上下に移動できるとよい。
・干場は長いスペースが必要。
・台風の影響があるので、洗い場も屋内にあるのが理想。
・糊が割れないように伸ばし、吊った状態で作業するた
・完全室内になるのなら室内に干場も必要。借りに来る一 め、大きなスペースが必要。
般の方のスペースもあればよい
・個人の道具を収納できる棚が必要。現状の2倍は必
・布自体は軽いので、作業場は2階でもよい。ただし、洗 要。
い場は1階がよい。
・研修資料を保管できるロッカー等も必要。
・白場汚染を避けるためにはスペースが必要。
・顔料や染料を使うと冷蔵保存が必要になる(防腐剤もあ
・洗い場も需要は高く、現状は干す場所が足りない。
るが沖縄は暑いので)。
・インキュベートについては、需要はあると思う。
・蒸し器については、県内で製造しているところがなく、京
都等へ発注しているため、かなり高額である。また、専門
業者の組立、試運転が必要。
・蒸し器の大きさを要検討。
・蒸し器や洗い場だけを利用しにくる人もいる。蒸し器は週
に2~3回は借りに来るので、回転率はよい。
設備・備品の導入
工程の連携・共同の可能性
・糸の強度、染料・顔料の定着の依頼試験を実施している。
・毎年大勢の研修生がくるが、大半がほかの仕事との掛け持ち
で、紅型一本という人はいないと思う。女の人が多いため、結婚・
子育てでやめてしまうことも多い。生活の保証がない。
・ある程度広い場所が必要なので、工房を構えている人でない
と、本格的なプログラムは難しい。公民館を借りて教えている人
もいるようだが、楽しいお茶会で終わってしまう。
・技術支援として顔料を定着するための蒸し器の貸与事業も実施
している。
・基本的には経験者向けの特別研修のみ実施している。
・以前は一般研修(初心者向け)もあったが、現在は各産地組合
で後継者育成事業を受けた人が、センターで特別研修を受講
することになっている。
・技術研修は、企業派遣で日数が限られている場合も多いため、
もっと細かなところを短期間で指導する。
・特別研修は1ヶ月~11ヶ月開講する。経験者が対象で、工房を
出て独立する人と、もう一度詳しく勉強したいという人が多い。ま
た、県立芸大生、首里高の染色科の卒業生などもいる。
・大きなサイズを染めたことがない人も多く、最終的には一反(着
物13㍍、帯5㍍)の染めを仕上げるのがほとんどである。
・紅型の研修生は毎年4~5名くらい。マンツーマンに近い形で指
導。月曜から金曜まで9~5時で研修。
・各自の作業内容によってかかる期間が違うので話し合って決め
ている。
・観光客の出入しやすいようなところに施設があれ
ば直販もできるだろう。お客さんが何を求めている
かということを、直接聞くのは研修生にとってはい
いと思う。ただし研修生のものはレベルがバラバラ
である。
・これくらいのレベルのもの売るという技術管理が必
要。ここまで技術的に仕上げないと仕事はできな
いと認識させることが重要。
・県内でも、紅型やタペストリーなど高額のもの(本
物)を出産祝い等に買ってくれる人はいる。
・小物3,000円なら、材料費と縫製時間を差し引く
と、買取価格500円以下は厳しい。
・Tシャツなら月200枚位染めないと生活はできな
い。
・作った分の買取ではなく売れた分だけなので、「来
月まで待って」とか言われると収入にならない。
・ネットだけで直販というのも聞いたことがない。消費
者にはアナログな人が多く、ネットの管理が面倒で
やらない人が多い。一方、若者の中には、ブログで
内地の顧客をつかんでいる人が増えてきているよ
うだ。
・技術があっても販売のルートがなくて困窮してい
る。売れるまでに時間がかかり、辞めてしまう、趣
味のレベルで終わってしまうことが多い。
・材料の入手自体は問題ないが、本土から購
入しているため、価格が高い。
・昔は細かいところは気にしないでいたが、技
術的に進歩していくと材料も本格的なものが
必要になる。そうした場合、京都・東京で出
回っている道具が必要になるが、価格が高
い。
・インキュベートについては、「ずっと居続けてし
まうのが怖い」という課題がある。
・研修生はまちまちで現状は3名(前回は9名)。年間を通 必要な設備・備品は以下。
じて随時受け付けているので増減がある。
●圃場
●窯場(煮染場)
・糸の強度、染料・顔料の定着の依頼試験を実施している。
・二次加工にも力を入れたいと考えている。具体的 ・芭蕉布と上布は地元産なので入手に困らな
・技術支援として顔料を定着するための蒸し器の貸与事業も実施 な商品として、ミニクッションカバーを考えている。 いが、絹や麻は本土から買っている。
小ぶりで、値段も手ごろなため、一人2点程度は ・糸も染料も県内では入手できず、今は全部
している。
買ってくれるだろう。沖縄の織物に触れるきっかけ 本土から取り寄せている。
・基本的には経験者向けの特別研修のみ実施している。
として多くの人に買ってもらいたいと思う。
・一番コストダウンしたいのは材料費である。
・以前は一般研修(初心者向け)もあったが、現在は各産地組合
・職員が、研修生や外部の業者と一緒に、共用部
で後継者育成事業を受けた人が、センターで特別研修を受講
・共同購入や大量購入しなければ、コストがか
分で染めの研究開発を行っているようだ。
することになっている。
かりすぎる。組合ではそれらが可能だろう。
・織りは習得に時間がかかる。共同作業でないと厳しい面もある。 ・織り機を使って試作品を作る場合もある。
・託児スペースがあるとよい。保育士等受入
れ体制が整備できないか。
・研修生の中には宮古島から来る人もいる。期間も1ヶ月で終わ
る人から、最長11ヶ月間研修を受ける人もおり、まちまちである。
・シャワー室の必要性は低い。
中には本土から移住して来る人もいる。
・使っていない道具もある(10反を一気に織る
・センターでやるべきは、研修生と仕事の場の橋渡しを行うことで
道具等)。
あり、それを目的とした人材育成が最も求められていると思う。
・沖縄の代表的な染料で琉球藍というのがあ
・研修生は毎年4~5名。
連携できる作業は以下。
●材料を煮る、染色(窯場)
・織り上がった布を干すスペースが必要(1反13m程)。
●洗い(洗い場)
●機織室
●テーブル
・現状のスペースでは7名まで受け入れ可能(現在は5 ●洗い場
●乾燥(干場)
●脱水機
名)。ただし、壊れている織り機がある。
・現在、洗い場は紅型と共用
●保管棚
・干場は長いスペースが必要。現状だと部屋の出入りに ・洗い場は浅めにして、紅型とは別に作ってほしい。ボー して使用している。
影響が出る。
ルが丸ごと置けるようにする。長さはそんなに必要ない。 ・窯場と洗い場は紅型と共用
・屋外には染めて糸を干す場所がある。天候に影響され ・多くの小道具が、出しっぱなしになっているので収納ス 可能。
るので、屋内にも干す場所が必要。
ペースがほしい。個人の道具置き場もあればよい。
・巻き取り専用のスペースではなく、他の作業をやってい ・薬品庫は貸工房と共用となるとスペースが足りなくなる。
るときはできないため、専用のスペースがあるとよい。現
・薬品庫の換気をよくし、管理ができるようにしてほしい。
状より長ければなおよい(40m程巻きにくる方もいる)。
・紅型よりも織物の方が薬品を使用する。
・糸を張るための部屋が必要。現状では使いにくい。
・音は自宅でも可能な程度の小さなもの。ただし、時間等 ・化学染料を処理するシステムが必要。現状は乾かして
燃えるゴミに出している。
には気を使っている。
・道具は老朽化して困っている。
・10キロ近い荷物がくる場合もあるので、1階がよい。
・インキュベートについては、研修を終えても技術的に未 ・火力のある釜が必要。現状よりも大きい釜も使用する。
熟で収入もないので、自立支援として相談しやすい環境 ・染板や糸を巻くものを借りに来る。貸出料金が発生す
が必要。また、道具を買えないためにセンターに来る人 る。
・織り機の貸し出しはしたことがない。
もいる。
・現状は5~6名だが、道具やスペースが増えれば、人数
を10人程度に増やすことは可能。
・鍛金は畳の上で作業している。現状は1畳ほどだが狭
い。コンクリートの上では手に良くない
・乾燥や保管は、現在机上(450×1800mm)に載せて行
っている状況である。
・側で作業するのは危険なので、鋳造、彫金、乾燥保管
のスペースは別がよい。
・彫金は板の間ではできない。椅子に座って作業する。
・鋳造は汚れるし、水も使うので、コンクリートがよい。
・湿気を避けたいので、2階建てであれば2階がよい。
・研修生はこれからも増加すると考えられるので、もう少し
スペースがほしい。規模を大きくすればまだまだ集まる。
・インキュベートについては、3年間など期間を決めて使
わせる、時間制にする、などが考えられる。県外にも貸
工房は少なく、実現すれば画期的である。ただし、研修
●干場
●薬品庫
●糸巻き機
必要な設備・備品は以下。
●メイン作業場(一部畳間)
●作業机
●真空鋳造機
●電気炉
●遠心鋳造機
●バフ
・ キ ャ ス ト 用 机 ( 600×1150×H900mm 、
500×750×H900mm(4台))
・遠心鋳造機、電気炉、バキューム(真空鋳造機)、バー
ナー、グラインダー(研削盤)、バフ等(750×800mm、
750×1000mm、650×1500mm(3箇所)、その他)
・埋没材等は湿気を含むと使えなくなるため、乾燥や保
管のスペースが必要。
・全て鉄なので錆びてしまう。顕微鏡等も乾燥剤を入れて
密封保存している。完成品もそれを作る機械等も湿気
は大敵である。
・壁面の収納棚が必要。
・以前、子どもを預けられないという理由で研
修を辞退した人が何名かいた。
・現在の調整池の水をろ過して利用するのは
難しい。水質によっては、作品に影響が出る
可能性がある。利用するとしても、道具や型
紙を洗う程度で、生地を洗うのは無理であ
る。
・完成については、帯(4ヶ月)、着物(8ヶ月)ほど。
・観光客の見学はよいが、指導までは対応できない。やったとして
・研修期間は1年と短いので、糊については、京都
も小さいものしかできない。時間的に帯等は無理。
の友禅や江戸小紋で使うものを購入している。そ
・観光受入れは研修を終えた人がサイドビジネスで対応するのが のほうが失敗が少ない。
よい。
・研究開発はしていない。
・現在の開閉時間より延長できるほどの職員体制ではない。
・研修プログラム中、織り機の織り作業は、8時間/日×平日5日
×2か月。これを3回で半年コース。
・見学はあったほうが自分たちの将来的にもよい。その流れでギャ
ラリーや売店があれば買っていく可能性もある。
・研修の手を止めて観光客に教えるのは難しい。
るが、水道水よりは、天水や井戸水のほうが
よいと言われている(建設地の池の活用につ
いての意見)。
・藍の壺の後継者がいないので、県が技術を
保持していく必要がある。
・糸の原材料を取るため、畑はあったほうがよ
い。染めの芋等も植えたいので、現状より広
いほうがよい。
・ビジネスにつながるように指導はしている。
・プロになるためのメニューの他、プロ向けの技術向上のメニュー
もある。
・観光客向けに指輪作りなどの体験(2時間程度)は可能。
・見学は励みになる。
・研究開発は現在していない。
・研修生対象の託児スペースは、今は必要性
を感じない。
‐資 33‐
資料編
必要な作業スペース
生とは別のスペースにする。
工芸縫製 ・現状では8名が限度。
・音は相当出る。2階で叩くと下に音が響く。
漆工
・定員は6名。
プログラム可能性/管理運営
商品化・ブランド化の展望
課題/その他
・大型革漉き機やクリッカー等は危険なので、
使い方がわかる人の配置が必要。研修生が
使用の際には側についている。
・シャワー室は特に必要ない。
・革漉き機を使用の際に熱が発生し火花は散
るが、引火はしない。ただし、革漉き機の中に
ゴミが溜まると危険。
・接着剤にトルエンが使用されているので、トル
エンを飛ばしてから接着させている。喉が弱
い人には厳しい。
連携できる作業は以下。
・研究開発はしていない。
必要な設備・備品は以下。
●図案作り(机)
・センターの講習を受ければ工房を構えるレベルにはなる。
●メイン作業場
●机
●作業台
・革漉き機等の外部利用は ・観光客向け体験メニューは可能だが、必要性は感じない。ここで
●クリッカー
●革漉き機(小型・大型)
可。新品で400万円するた 研修を終えた人の工房で実施するほうがよいと考える。島ぞうり
●ミシン
●倉庫
・真ん中に基本作業をするテーブル(1800×2700mm) め個人ではなかなか持てな など沖縄独自のものであればよいと思う。
いためである。
があり、工程の途中に使う機械が周囲にあるのがよい。
・クリッカー(800×900mm※油圧プレスで革を抜く機械)
・大型革漉き機(1100×1400mm)
・大きな革(1×2.5~3m)を広げてカットするスペースが
あるとよい。現状のテーブル(1800×2700mm)では足
りない。生地を切っている人がいると革は広げられない。
・足や厚さがしっかりしているテーブルが必要。
・革はカビが生えやすいので除湿が必要。
・日焼けしないよう日が当たらない場所がよい。暑さは避
けたい。
・布など巻の状態で差し込んで保管できるような頑丈な
棚が3~4段あるとよい。現状は日が当たらないように別
室の机上やソファー上で重ねて保管されている。
連携できる作業は以下。
●木地調整(水場)
●研磨(ブロアー)
・現在、ブロワーを木工と共
用して使用している。
・水場は木工と共用可能。
・木工とは仕切れられていれ
ばよい。
・漆塗は一間でできるが、ベ
ースになる木工作業は個人
では難しい。共同で使える
木工の場所や大型の機械、
回転室(むろ)があると、数
を作る人は助かる。
・回転室を借りに来る人は結
構いる。半日程度かかる。
・強度、乾燥度合いなどの依頼試験を実施している。
・漆器は一目見て気に入って買うような性格のもの ・中国漆がほとんどで、国産漆はない。木地は
ではない。商品開発は難しい。アクセサリー、小物 本土から買う人もいる。
・6ヶ月の一般研修の後、特別研修へ移行して研修を終える。
・一般研修では初心者も受け入れており、半年間かけて一から教 程度であれば1,000円単位で売られているが、箱 ・昔から琉球漆器の材として使われている材
料は、なかなか入手が厳しい。
えている。木地から下地、塗りまでの工程を学んでもらっている。 物は通常1万円単位である。お土産というより、ギ
フトとしての性格が強い。
・デイゴはバルサの次に軽いため、木地として
・特別研修では、特別な塗り方や螺鈿などの装飾についても学
採用すればいいと思う。ただし、デイゴは普通
び、半年で自分がやりたい図柄・自分のやりたい技法で技術を磨 ・リペア(修理)ができるのもポイントで、リペアビジネ
スもありうる。修理をしたいときに持っていける窓口 に流通しておらず、台風で倒れたデイゴの木
いている。
があればよい。
がある場合に取りに行けるくらいである。材質
・琉球漆器は木地以外、分業せずに一から十まで自分で作る。下
としては優れていると思うので、なんとかして
地から塗りまで全部一人でできるように研修を行う。大量生産す ・沖縄の漆器も有名になって売れすぎた結果、質
る体制ではなく、せいぜい十個が限度である。一日一工程をこな の悪い漆器が出回ったこともあった。差別化するこ 確保したい。
とで作家が自分をアピールすることができればよ
していく。センターの研修でも、技法を身につけるというよりまず、
漆の特性を知る、漆に慣れることから始めている。基本的な工程 い。それを買い手が選択できるような仕組みにで
きればよいと思う。
だけでも半年はかかる。センターの研修を終えたからといって、
独り立ちできるわけではない。1年では短いと感じている。
・作品を展示するためのギャラリーがあればいい。たくさんの琉球
漆器の種類をみせることで、様々な技法を持った作家がいること
をアピールできればいい。ショップよりもギャラリーのほうがよいと
思う。
連携できる作業は以下。
●木材乾燥(水場)
●加工(ブロアー)
・搬入用の道路の整備が必要。上がりが平行になるように ●ブロワー
●塗装試験室(塗料保管室・塗 ・現在、ブロワーを漆工と共
する。
装室)
用して使用している。
・4tトラックが出入りする屋根付きの半屋外。
●3Dプリンター
・水場は漆工と共用可能。
・材料の搬入があるので、半屋外のスペースがあるとよ
・手押しカンナ、自動カンナは業者用と研修生用が別々 ・大型機械は共用してもらうし
い。
かない。
がよい。
・倉庫にはユニック車が入ってこられる高さが必要。ホイ ・利用頻度が高い設備を増やす。修了生の設備使用頻
ストがあるとよい。
度は高い。無垢のテーブル、ベンチを作るのが多いの
・乾燥させる施設とストックしておく場所はセットで必要。
で、手押しカンナを30cmと50cm、自動カンナは60cm
・木材を保管する場所は虫とカビを避ける。直射日光は
が足りない。
・強度、乾燥度合いなどの依頼試験を実施している。
・手作業で行っており、手間がかかることから、販売 ・リュウキュウマツは、県内では小ぶりなものし
かとれないが、県外からも調達できる。
・技術支援の一環として、木工の機械の貸与事業も実施してい 価格も自然と高くなる。椅子は10万円、テーブル
20~30万円となると、手を出せる客層は自然と限 ・沖縄では工芸用の木材が流通していないの
る。
られる。
で、作り手で確保する必要がある。
・6ヶ月の一般研修の後、特別研修へ移行して研修を終える。
・個人では新築住宅への販売が多い。フラッシュ
・以前は40cmぐらい割れる製材機があった
・一般研修は決められたカリキュラムをこなすことが中心で、椅
(ベニヤ)もやっている。工芸という名前がつくが、
が、作ることに専念させるため、国頭森林組
子、テーブル、箱物、キャビネットなどを一とおり作成する。
工芸の枠にとらわれないようにしたい。ムクだけで
・特別研修では、研究生自身が作りたいものを提案してもらい、デ はなく、フラッシュにも対応できるようにしようとして 合で製材してもらっている(ユニック4t車で運
ぶ)。
ザインから図面作成までサポートを受けながら作品を作り上げて いる。消費者に好まれる作風は何かという観点
・布は巻いて置いているがかさばる。
いく。
で、指導している。
・誰にもオープンな展示室で、センターで何をしているか紹介する ・樹木と板のイメージが結びつかないので、ぜひ木 ・ゴミの管理が難しい。
ような展示があればいい。今もあるが、規模が中途半端である。 の展示もしたい。葉っぱの感じや樹形がわかり、見 ・生育に無理のない県産材を植えてほしい。貴
・塗り部屋には1~2名入って作業する。
・休憩室、更衣室、ロッカーがある。
・研ぎの機械など大型の機械が廊下に出ている状態なの
で、中に設置できるようにしたい。ろくろのある部屋と同じ
でもよい。
・塗りの部屋を使うのは中塗り、上塗り以降になるので、そ
れ以前は共同のスペースで作業をしている。一人当たり
のスペースは小さい。机と横に物を置くスペース程度。
・室(むろ)との動線の改良が必要。離れているので、物を
落とす可能性がある。
・隣が陶芸だと土埃が気になる。
・クリーンルームは仕切られていればよい。
・埃の問題から2階がよいと言われているが、今の建物(1
階)では問題を感じていない。
・材料の搬入も軽くて問題ないので、階数は支障がない。
・インキュベートについては、需要はある。部屋を個別に
するのではなく、仕切りで仕切る程度にし、水場は共同
で使うほうがよい。
木工
設備・備品の導入
工程の連携・共同の可能性
・薬品等危険物の施錠管理(パウダー状の硫酸等)。
・バフも有毒なものが出るため、集塵機が必要。グライン
ダーも粉塵が出るので、集塵機が必要。金等の回収に
集塵機があれば無駄がなくてよい。
・熱が発生するので、空調設備が必要。
・ロウを流すためにフラックスという薬品を使用している
が、それを吸い込むと喉に痛みを感じる。また、ロウを削
る際に粉塵がでるので、マスクを使用している。自動的
に吸引してくれるとよい。
・排水の際のろ過装置があるとよい。
・音が結構出るので、防音ドア等も必要。
・西日を避けたい。室内灯で作業したい。
・大量の汗をかくため、シャワー室があるとよい。
必要な設備・備品は以下。
●下塗り室
●作業机
●木箱
●ガスコンロ
●水場
●研ぎ機(大型)
●ブロワー
●クリーンルーム
●塗り部屋
●室(むろ)
・漆を加湿や除湿させる室(むろ)が必要。大型は2台。
・回転室(むろ)は現在2台ある。
・据付の室(むろ)もあるとよい。
・机は今の倍の大きさがよい。(現状450×800mm)
・塗り部屋の前室に水場が必要。お湯もあればよい。ガス
もできれば必要。
・机が低いのは、作っているものを落として傷を付けるリス
クを避けるためである。
・漆は副素材が必要なので、それを整理する棚が多く必
要。
・現状のシンクは間に合わせで設置したもので小さ過ぎ
る。作業用のシンクが必要。6人に対し流しの口は3個。
・溶剤も使うので、部屋ごとにエアコンや換気扇が必要。
・床は板張りがよい。靴は脱いで上がる。
・ドアは引き戸がよい。
・共同作業場にある木箱は回転しない。塗ったものを板に
載せて保管する。
・堀ごたつはよい。
・研修生は毎年6~8名。そのうち1~2名が一般研修を 必要な設備・備品は以下。
終了した後に就職し、それ以外の研修生は後半の特別 ●木材保管庫
●乾燥機
研修に進む。
●恒温恒湿室
●木工機械室
●水場
・木材の乾燥試験を行っている。
‐資 34‐
学者や研修生に説明する際にも、自分が木を使
重な木は(現在の圃場から)何本か持ってい
資料編
必要な作業スペース
材料が割れたりするので、避けたい。
・研修生が6名いるが、別室で6名分の1年間の材料をス
トックしている。乾燥が足りなかったものは家庭用除湿機
(湿度設定約60%)を使用している。例年に比べて2倍
ぐらいのスペースが必要になっている。
・木が乾燥の際に水分を出すので、材料を機械室に置く
と機械が錆びてしまう。
・合板をプレスする機械は椅子等の組立てにも使用して
いるが、本来は屋内に設置するのが望ましい。
・普通の木工所の製品加工室は、同じ機械を置いてここ
の2倍ぐらいのスペースがある。他の作業者と干渉しな
いように、作りかけのものを他の機械に持って行きやすい
動線となっているのが作業する上では理想的。
・刃物作りのスペースは現状ぐらいでよいが、大きなハン
マーを使うので音や振動があり、1階のほうがよい。ま
た、火を使うので、夏の暑さは辛い。
・挽物の機械を設置・作業する部屋があればよい。現在
は廊下に設置されている。
・研修生の作業スペースを広く取るのが優先。また、研修
生用の保管スペースが足りない。現在フローリングされ
ているが、そうでなくてもよい。
・研修生6名がそれぞれ自分の道具を使って作業できる
ような、もう少し大きめな台があるとよい。
・作業は歩き回ることが多いので、足に負担の少ない床に
してほしい。土間はきつい。
・漆器のバカスの成形装置(サトウキビの細かい粒を接着
剤で固める装置)の部屋がある。業界ではあまり使われ
なくなった機械で、以前は漆器業者が借りに来ることもあ
ったが、ここ4~5年は需要がない。
・インキュベートについては、木工は初期投資に費用がか
かるので、軌道にのるまでの間はここを利用してもらって
いる。組立てや仕上げの部屋は個室が理想だが、大空
間をスペース分けしてもよい。
・インキュベートについては、スペース的に上限を決める
必要がある。
パソコン
(染織デザイ
ン)
設備・備品の導入
・製材、バンドソー(帯のこ)プレス機(フラッシュ、接着)大
型、木工旋盤、ほぞとり(ほぞ加工をするための機械)、
テーブルソー、ルーターマシン、万能機(手押し、バンド、
テーブル)がセットになっているのが多い。
・機械は鋳物なので結露を防げば湿気は気にならない。
・木材乾燥機が必要。基本は温風で4mクラスのものだ
が、2.4mでもよい。電気式のボイラーでよい。乾燥させ
る際にも水が必要になる。
・製品加工室に床下集塵もあればよい。
・塗装室は吸気と排気があり、吸気の所にフィルターをし
てゴミを入らないようにし、吹付けを行う。塗料はできる
だけフィルターに吸着させて、溶媒だけ上から飛ばすよ
うな形にしている。
・吸気排気を行うためクーラーはあまり効かない。スポット
があれば助かる。
・シャッターもあるとよい。
・家庭用除湿機は水が溜まると捨てる必要があるので、
ホース等取り付けて排水機能を付けたほうがよい。しか
し、家庭用は長時間の除湿には向いていない。
・シンナーを使用するので火気厳禁。電源は防爆仕様が
よい。
・ペーパー掛けを行うと埃が出て換気が必要になるため、
ロスナイ(熱交換器)が必要。
・現状は製品開発のために導入した機械が多く大型であ
る。将来的に活用の見通しのない機械もある。
・NCルーターは内装業では需要が高いので、業界への
指導には有効だが、現状のものは壊れているので処分
の予定である。
・集塵したものを焼却炉に送っていたが、焼却炉の基準
が厳しくなり使えなくなったので、現在は産廃用のコンテ
ナ(約10ルーベ)に送っているが、月1回の搬出で間に
合っている。
・塗装が終わったものを傷付かないように棚等に保管して
おく(研修1年間分)。
・塗装室は吸気と排気があり、吸気の所にフィルターをし
てゴミを入らないようにし、吹付けを行う。塗料はできる
だけフィルターに吸着させて、溶媒だけ上から飛ばすよ
うな形にしている。
・フィルターは上と中を入れ替えながら、5~6年に1回交
換する。水洗式もあるが、ここにあるのは簡易型である。
・汗をかくので、シャワー室はあるとよい。
・定員は3名(PCの台数)、持込ならプラス2名の計5名ま 必要な設備・備品は以下。
で対応できる。
●イラストレーターとフォトショップがインストールされたPC
工程の連携・共同の可能性
プログラム可能性/管理運営
・強度計器で学童用の椅子や机等が、規格をクリアしているか調
べている。また、安全性を確認する試験もできるので、自分が作
ったものの精度が確認できる。
・ろくろを使って漆器の木地作りの研修や、それに使う刃物作りの
研修も行っている。
・研修生とのペースの違いや外部利用者の癖で、機械の調子が
狂うこともあるので、住み分けが必要。
・体験をしていないときはスペースが無駄になるので、体験スペー
スとインキュベートスペースは一緒にし、インキュベート利用者が
体験の講師も担い、そこで仕事としての経験ができればよい。
商品化・ブランド化の展望
っているということがリアルにイメージできる。
・講師自らが生徒の募集はしない。センターが思っていたよりも人 ・問屋とのやりとりが便利になったという声が多い。
の入替わりが早くなった。
・色がすぐわかるようになったという意見もある。
・織と染の図案作成、着物に仕上がった際のイメージ、小物に加
工した際のイメージを、作り手側がわかるようにイラストレーターと
フォトショップの使い方を教えている。これまで図案を手で書いて
いた手間を、パソコンを使うことで減らせる。
・研修期間は最長6ヶ月で、慣れている人は、1~2ヶ月で終了す
る。織とか染をやっている技術がある人がついでに受講するとい
った形である。
・最初は一とおりパソコンが使える人を対象にしていたが、実際は
そこまでできていない人がほとんどだった。使いこなすまでに時
間がかかる。
‐資 35‐
課題/その他
きたいと思っている。
・年配の人は機械に苦手意識がある人が多
い。
‐資 36‐
沖縄工芸産業振興拠点施設(仮称)基本計画
報告書
発
行:沖縄県商工労働部ものづくり振興課
〒900-5870 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
TEL 098-866-2337
発行年月:平成27年3月
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