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あなたの側に寄り添うボランティア「赤十字奉仕団」
平成23年春号 第80号 あなたの側に寄り添うボランティア「赤十字奉仕団」 2011年は、国連の提唱する「ボランティア国際年」の10周年です。これに合わせて、世界の各国赤十字社では、ボランティ アの持つ力とその価値を更に広めるため、 活動を推進しています。 神奈川県内でも多くの赤十字ボランティアが活躍しており、今号では、その中でも赤十字奉仕団に焦点を当て、地域で青 少年の育成に取り組んでいる活動、 そして今年新たに設立した赤十字奉仕団を紹介します。 赤十字奉仕団は、 身近な奉仕活動を通じて、 赤十字 赤十字奉仕団は次の3つに分類されます。 の使命とする人道的な活動を実践しようと結成され ①市区町村など一定の地域ごとに組織されている たボランティアの組織です。古くは1887年(明治20 「地域赤十字奉仕団」 年)に設立された「日本赤十字社篤志看護婦人会」が ②社会人や学生によって組織されている その始まりともいえますが、現在の赤十字奉仕団とい 「青年赤十字奉仕団」 う形は、第二次世界大戦後、アメリカ赤十字社の援助 ③災害救護、救急法等講習会普及、視覚障害援助な により、 1947年 (昭和22年) に横須賀市で創設されま ど特殊な技術を持った人たちによって組織される した。赤十字奉仕団は赤十字の基盤となる重要なボ 「特殊赤十字奉仕団」 ランティア組織であり、 赤十字事業の推進に欠かせな 全国で3,039団、約203万4千人、神奈川県内には い存在です。 91団、約2万4千人のボランティアが登録しています。 (平成23年1月現在) これら赤十字奉仕団の活動は、赤十字の全ての事 業に渡って、地域に根ざした明るく住みやすい社会作 りのお手伝いをしています。 1 第80号 平成23年春号 歌唱をとおして、 人々のしあわせを願い 奉仕団と小学生が 救急法体験 ∼神奈川県歌唱赤十字奉仕団設立∼ ∼宮前平小学校「キラ☆どきワールド」 ∼ 1月21日、県内91番目の赤十字奉仕団として、 「神 宮前区赤十字奉仕団は、青少年赤十字(JRC)に加 奈川県歌唱赤十字奉仕団」 が新たに誕生しました。 盟し、赤十字活動を行っている学校の行事に参加した 歌唱奉仕団と聞くと、歌を披露する活動と思うかも り、未加盟校への加盟促進など、地域の繋がりを活か しれませんが、 そうではなく、 高齢者施設などで、 利用 したJRCの育成に力を注いでいます。 者も一緒に歌を唄うことによって、生きている喜びを JRC加盟校の川崎市立宮前平小学校では、 毎年1月 実感できるような支援をしています。 に学校開放行事 「キラ☆どきワールド」 を開催し、 宮前 中には、点訳や録音、傾聴などの活動をしている団 区赤十字奉仕団は、2年前からこの行事に参加協力し 員もいるため、その知識や経験を生かし、語り劇や手 ています。今年は 「ぼくもわたしも青少年赤十字」 と題 品も取り入れ、 趣向を凝らした活動を行っています。 初 して、苦しんでいる人に手を差しのべる優しい心を育 めは声を出すことを躊躇している利用者も、懐かしい てることを目的に、三角巾や心肺蘇生法、高齢者疑似 曲が流れると、自然と顔がほころび、様子が明るく 体験のコーナーを実施しました。 なったり、 昔のことを思い出し、 目に涙を滲ませる場面 奉仕団の手ほどきで、子供ながらに真剣に心臓 もあります。 マッサージをする様子や、 友だち同士で三角巾の使い 池田泰俊委員長は、 「歌を唄うことで、認知症の改 方を練習する姿はとてもほほえましく、相手をいたわ 善などが図られることが分かった。自分達のできる範 る気持ちを、 自然と身につけていたようです。 囲で歌唱サポートの活動を広げていきたい」 と抱負を 家族や周囲の大人の愛情を受けてこそ、優しさや思 語っていました。 いやりの心をもった 「人」 に育つ子どもたち。赤十字奉 現在は平塚市を中心に活動をしていますが、今後 仕団の愛が、多くの人たちに伝わるよう、今後も地域 は、県内各地域に活動を広げ、赤十字奉仕団の更なる で活動を広げていきます。 活性化に繋がることを期待しています。 赤十字奉仕団以外に、災害時に活動する個人単位の赤十字防災ボランティアも多く登録しています。 joho小箱でご紹介します! 防災ボランティアについては、 2 第80号 平成23年春号 医師の奏でる音色に酔いしれたコンサート 1月22日@横浜市立みなと赤十字病院デイルーム 昨年開催し、 とても好評だった白井謙太朗医師 (元 えます。どうし 当院小児科医師、現東京医科歯科大学附属病院小児 ても単調にな 科医師)によるマンドリンコンサートを、ボランティア りがちな入院 の 「是非今年も演奏してもらいたい!」 という強い要望 生 活 で すが 、 により再度実現しました。 マンドリンの 白井医師がリハーサルを始めると、患者さんのお見 音色に浸るこ 舞いにこられたご 家族の方々も足を止め、会場は、 とで、過去に、 あっという間に100人を越える人でいっぱいになりま 遠い世界に 、 した。 小旅行を楽し 演奏が始まると、 「丘を越えて」から「酒は泪か溜息 む不思議な癒 か」 「 、誰か故郷を想わざる」 まで3曲続いた懐かしいメ しの時間とな ロディに、患者さんたちからハミングが溢れ出し、 とて りました。 もリラックスされている様子が伝わってきました。 その後も曲に合わせて様々な表情を見せるマンドリ マンドリンはイタリアの楽器ですが、その音色はど ンに、会場の皆が静かに聴き入り、最後の 「マンドリン こか懐かしく、哀愁があり、耳を傾けていると幼い頃 協奏曲第1番第1楽章より」 を弾き終えると会場は大き の思い出が蘇ったり、遠く異国にいるような感覚を覚 な拍手に包まれました。 丹沢はだの三兄弟が病院に出現!? @秦野赤十字病院 小田急線に乗って通勤していると、登山靴を履いて 秦野で親しまれている三兄弟の登場で患者さんた ザックやストックを手に丹沢登山に出かける方の姿を ちの気分が和らぎ、おかげで地域の人々に、より一層 よく見かけます。神奈川の観光スポットの一つ、丹沢 親しまれる病院となったように思います。 は、神奈川県にお住まいの方ならよくご存じかと思い (三兄弟の活躍は三兄弟の公式ホームページで ますが、丹沢ご当地キャラの丹沢すすむ君・丹沢のぼ http://www.kankou-hadano.org/tanzawahada る君・丹沢あゆむちゃんの三人兄弟、 「丹沢はだの三兄 nobrothers/index.html) 弟」 はご存じですか?全国植樹祭や、 秦野たばこ 祭りなど地域の様々なイベントで活躍していま す。 秦野赤十字病院では、 入院患者さんたちに楽 しいひと時を過ごしていただこうと、毎年12月 に職員手作りのイベント「秦和祭」を行ってお り、職員による歌や踊りを患者さんに披露して きましたが、 今年度はそのイベントにスペシャル ゲストとして三兄弟が登場しました。観客席の 患者さんたちは大喜びで手を振ったり、看護師 さんたちが演奏する曲に合わせて踊る三兄弟の 姿を携帯電話で写真に撮ったりしていました。 3 第80号 平成23年春号 ンター その5 セ ト イ ラ from 録音図書のデジタル化とは? デジタル家電や地上デジタル放 送の普及と ライトセンターでは視覚障害者を対象に、指で いった時代の波に乗り、録音図書の世界でもデジ 触って読む点字図書と、耳で聞く録音図書の製 タル化が進んでいます。最近では利用者が自宅の 作・貸出しを行っています。録音図書には、従来の パソコンから「サピエ図書館」 (ライトセンターも アナログ録音であるテープ図書(カセット)と、デ 構 築 に参 加した 全 国 の 図 書 館 ネットワー ク ジタル録音であるデイジー図書(CD)の2種類が http://www.sapie.or.jp/)にアクセスし、直接 あります。 デイジー図書のデータをダウンロードして聞くこ 「デイジー(DAISY)」とはDigital Accessible ともできるようになりました。一方、カセットテー Information Systemのことで、視覚障害者や活 プやテープレコーダーは、製造中止により入手困 字印刷物を読むことが困難な人のために作られ 難となることが予想されます。 た、世界標準規格のデジタル録音図書です。現在 ライトセンターにおける録音図書の貸出し数 は主にCD−ROMに録音されています。 は、平成19年度以降、デイジー図書がテープ図書 デイジー図書の特徴として、目次から読みたい を上回っています。現在では、デイジー図書の利 章・節や任意のページに直接とんで聞くことがで 用が8割を超えるようになりました。 きます。また、録音データを圧縮する技術(MP3 今後の課題は、より多くの利用者にデジタル化 など)で、1枚のCDに50時間以上録音すること への理解推進を図り、読書環境を整えていた ができます。しかし一般のCDプレーヤーでは聞 だくことです。障害のあるなしを越えて、時 くことができず、 「プレクストーク」という専用読 代に乗り遅れることなく、情報収集・提供 書機やパソコンなどが必要です。 をしていきたいと考 えています。 ◀ 同じ本を録音しても テープとデイジーはこんなに違う! 4 小 第80号 平成23年春号 4月1日から 献血について 知ってるっ ち? その6 年齢条件などの採血基準が一部変更になります! この度、平成23年4月1日より献血に伴う採血基準が以下のとおり変更となり、更に幅広い年齢層の方 に献血にご協力いただけることになりました。 少子高齢化により輸血用血液は今後ますます必要となり、血液不足が深刻化することが予想されてい ます。皆さまの献血へのご協力をよろしくお願いします。 [変更内容] 1 献血にご協力いただける方の年齢の拡大 (1)男性に限り、400mL全血献血の可能な方の年齢下限が 「18歳」 から 「17歳」 になります。 (2)男性に限り、血小板成分献血の可能な方の年齢上限が 「54歳」 から 「69歳」 *になります。 *65歳から69歳までの方は、60歳から64歳までに献血の経験がある方に限られます。 2 血色素量 (ヘモグロビン濃度) の最低値の引上げ (1)男性に限り、200mL全血献血が可能となる血色素量*が 「12g/dL」 から「12.5g/dL」 になります。 (2)男性に限り、 400mL全血献血が可能となる血色素量*が 「12.5g/dL」 から「13g/dL」 になります。 *血液検査 (ヘモグロビン測定)の方法については、 「血液比重測定」 を廃止し、 「血色素量」に統一します。 ◇献血方法別の採血基準(平成23年4月1日から) 小箱 1 「問診票」の質問事項についても変更になります。 平成23年4月1日より、献血にご協力いただける方に、事前にご記入いただいている健康状態な どに関する問診票の質問事項が、皆さまによりわかりやすくご回答いただけるよう、 「14項目」から 「23項目」 に変更になります。問診は、 献血いただいた方の健康を守るため、そして血液を必要として いる患者さんをウイルスなどの感染から守るために行っています。 ご理解とご協力をお願いします。 5 第80号 平成23年春号 み その3 赤十字のしく 赤十字防災ボランティアとは? 小箱 表紙では、グループで活動する「赤十字奉仕団」をご紹介しましたが、こちらでは個人で活動を行う 「赤十字防災ボランティア」 について、お伝えします。 赤十字防災ボランティアは、防災に関する知 は58人が受講し、被災者が受けるストレスはも 識を身につけ、災害時に地域で必要とされる支 ちろん、ボランティア自身が受けるストレスマ 援を行う個人ボランティアです。救急法の講習 ネージメントについても学び、災害時だけでな 会で行われる研修会を経てボランティアとして く日頃からの他者への接し方が大切だというこ 登録すると、地域ごとに分かれたブロックを拠 とを学びました。 点に、大きく分けて2つの役割を担うことにな 二つ目は、いざという時に活動を円滑に行う ります。 ため、積極的に地域のイベント等などに参画 一つは、ボランティアコーディネーターの指 し、日頃から赤十字と地域との「顔の見える関 示のもと、被災地のニーズに基づいた活動を自 係」を築き、赤十字の活動への理解を広めるこ 主的に協力して行うことです。そのために、研 とです。防災教室で災害時に役立つ技術や知 修会や勉強会をとおして知識・技術を身につ 識を伝えたり、救急法の体験ブースを開いた け、自己のスキルアップを図っています。神奈川 り、 様々な活動を行っています。 県支部でも、毎年ボランティアを対象とした救 防災ボランティアの活動に興味のある方は、 護訓練やこころのケア研修などの機会を設け 支部救護課(TEL:045-681-2123)までご連絡 ています。1月に行われたこころのケア研修で ください。 ▲ 傾聴の実践(こころのケア研修) ▲ 視覚障害者誘導訓練 6 2 第80号 平成23年春号 雪上での事故防止思想の普及「赤十字スキー安全教室」 2月10日∼13日@群馬県丸沼高原スキー場 冬の恒例行事「赤十字スキー安全教室(赤十字雪 「ボランティアパトロール」 を実施しました。 スキー場の 上安全法講習会) 」 を開催し、雪や自然環境の特質を 危険個所の点検や連絡・通報の方法など、 スキーパト 理解し、雪上での応急手当や、より高度なスキー技術 ロールの現場を実践を通じて学ぶことができました。 を習得してもらいました。 受講者・スタッフあわせて50 ● 「短期講習」 受講生 宮澤さん 名が集まった 「救助員養成」 ・ 「スキルアップ研修 (救助 楽しかったです。上達するのが難しかったところも 員資格所有者)」 ・ 「短期講習」の3コースで、参加者の ありますが、 丁寧に指導してもらえました。来年も参加 声を集めてみました。 したいです。 ● 「救助員養成講習」 受講生 渡辺さん 子どもたちにスキーの楽しさを伝える手伝いをして おり、万が一のときに自ら行動できるように受講をし ました。 それぞれ目的を持った幅広い年齢層の方々と 一緒に講習を受け、 みんなで協力しながら、 そしてアッ トホームな雰囲気な中、 受講することができました。 ア キヤの実技検定のときは、 「緊張した空気の新鮮さ」 と 「心強い励ましの声」 を感じ、 検定を終えたときの達成 ▲ アキヤ搬送をする渡辺さん 感は格別でした。 この教室は、来年度も開催する予定です。皆さんも ● 「救助員スキルアップ研修」 指導員 小川さん 参加してみませんか。 アキヤボート搬送方法等のスキルアップを図るとと 講習会の最新情報は、 支部ホームページで! もに、丸沼高原スキー場パトロールのご協力のもと、 http://www.kanagawa.jrc.or.jp/ いついかなるときも、 安全安心な病院であるために 2月21日@津久井赤十字病院 24時間365日入院患者さんが常時建物内にいる た。その後各病棟職員から患者情報が当直医師へ報 病院では、いつ起きるかわからない種々の災害が起 告され、 訓練が終わりました。 きた際に、適切な情報提供をし、必要な避難誘導や 当院では、患者様に安全で安心した療養生活を提 移動を行えるよう、日頃から職員には求められます。 供するため、職員一人ひとりが有事に対し常に危機感 今回は夜間の火災発生を想定した院内の消火・避 をもって行動できるよう、万全な体制を構築していき 難誘導・情報伝達訓練を、津久井消防署職員立会い ます。 のもと行いました。 訓練直前に徳島県の病院で痛ましい被災が起き たこともあり、現場はいつにも増して緊張が高まって いました。 訓練内容は、 「非常発報」を知らすサイレンの音とと もに、院内初期消火班が現場へ向かい、消火器およ び消火栓を使用して消火活動を行い、消火不能と判 断すると、各病棟に避難誘導の指示が出され、順次 避難が行なわれ、約15分で全員の避難が完了しまし 7 第80号 平成23年春号 赤十字フェスティバルでお待ちしています! 赤十字では、 私たちの目的や活動を広くPRする機会 今年も、より多くの方々に、赤十字に親しみを持って として、5月を 「赤十字運動月間」 としています。全国的 いただけるようなフェスティバルを企画していますの に様々なイベントを行っている中で、 神奈川県支部では で、 皆さまのお越しをお待ちしています。 恒例の 「赤十字フェスティバル」 を、 今年は2日間の拡大 版で開催します! 昨年は、 1,700人以上の方々にご来場いただき、 救急 法や点字、視覚障害者の誘導を体験したり、子ども用 の救護服やナース服で記念撮影をしたり、 映像で県内 の赤十字活動をご覧いただくなど、 大盛況でした。 ▲ AEDの使い方を体験してみよう ▲ ナース服を着て写真撮影 Ⓒジュノー制作委員会 赤十字フェスティバル 日時:平成23年5月7日 (土) ∼8日 (日) 両日とも10:30∼16:30 会場:横浜新都市プラザ (横浜駅東口そごう前) 内容:赤十字活動の紹介・体験コーナー ▲ 点字ってどうやって打つのかな? お願い 「日赤かながわ」へのご意見・ご感想をお寄せいただき、ありがとうございます。現在も募 集していますので、住所・氏名・電話番号を明記の上、下記「発行所」宛先またはメールにて お送りください。 送っていただいた方には、 抽選で赤十字グッズをプレゼント! いただいた個人情報は、日本赤十字社個人情報保護規定および日本赤十字社神奈川県支部個人情報の 安全管理マニュアルに基づき、グッズ進呈以外の目的には使用いたしません。 日赤かながわメールニュース 神奈川県支部及び県内施設の行うイベント、講習会情報などをいちはやく お届けする「日赤かながわメールニュース」に、ぜひご登録ください。 登録・解除は日本赤十字社神奈川県支部ホームページから! 発行所 日本赤十字社神奈川県支部 検索 〒231-8536 横浜市中区山下町70-7 TEL.045(681) 2123 ホームページ http://www.kanagawa.jrc.or.jp 電子メールアドレス [email protected] 8