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1 - Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

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1 - Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.1
Page
1 of
生物薬剤学及び関連する分析法の目次
2.7.1.1
背景及び概観 ..................................................... 2
2.7.1.1.1
製剤開発 ................................................... 2
2.7.1.1.2
分析法の概観 ............................................... 3
2.7.1.2
個々の試験結果の要約 ............................................. 3
2.7.1.3
全試験を通しての結果の比較と解析 ................................. 3
2.7.1.4
付録 ............................................................. 4
参考文献
................................................................ 5
5
2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.1
2.7.1.1
Page
2 of
5
生物薬剤学及び関連する分析法の概要
背景及び概観
SH L562BB(1.0mmol/mL のガドブトロールを有効成分とする製剤、以下、本剤とする)は静注
用製剤であるため、ヒトにおけるバイオアベイラビリティに関する臨床試験は実施していない。
生物薬剤学及び関連する分析法の項では、ガドブトロール製剤開発及びヒト血漿/血清及び尿中
ガドリニウム(Gd)濃度の分析法について記述する。
2.7.1.1.1
製剤開発
年以前の開発のごく初期に使用された 0.5mmol/mL 及び 1.0mmol/mL のガドブトロールを
有効成分とする製剤(それぞれ SH L562A 及び SH L562B)の製造方法では、
ため、別の製剤原料として
を用い、
製剤の製造において
を生成させていた。その後、開発初期から後期
にかけて使用された 0.5mmol/mL 及び 1.0mmol/mL のガドブトロールを有効成分とする製剤(それ
ぞれ SH L562AA 及び SH L562BB)の製造方法では、
を合成するこ
とが可能となったことより、
に代えて、
工程に
を使用するように製造工程を変更した。その結果、現行の製剤処方からは
が除かれることになった(2.3.P.2.2.1.1)。
なお、本申請において評価資料とした 11 臨床試験(2.5.1.6、表 2.5.1.6-1)では、いずれも
申請製剤である SH L562BB を使用した。各製剤の組成を表 2.7.1.1.1-1に示す。静脈内注射用製
剤であるガドブトロールの薬物動態は、製剤の違いによる影響を受けないと考えられる。
表 2.7.1.1.1-1 ガドブトロール臨床製剤一覧
Formulation
Contents
Gadobutrol (active ingredient)
Calcobutrol sodium (excess ligand)
Trometamol (buffer)
Water for injection (solvent)
, q.s.: Quantum sufficit
a: Currently submitted formulation,
1.0 mmol/mL formulation
SH L562BBa
SH L562B
604.720 mg
0.513 mg
1.211 mg
q.s.
q.s.
0.5 mmol/mL formulation
SH L562AA
SH L562A
q.s.
q.s.
2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.1.1.2
Page
3 of
5
分析法の概観
参照項目:5.3.1.4.1
5.3.1.4.2
5.3.1.4.3
5.3.1.4.4
5.3.1.4.5
A44452
A44453
A18122
A750
A45622
ガドブトロールは 1 分子中 1 Gd 原子を含み、生体内で代謝を受けないため(2.7.2.3.2)、い
ずれの臨床試験においても生体試料中の Gd 濃度を測定することにより、ガドブトロールの薬物
動態を検討した。ヒト血漿、尿及び糞中 Gd 濃度を定量するために、2 種類の定量法を用いた。
国内第Ⅰ相試験(試験 310865)、国外第Ⅰ相試験(試験 307362 及び 91798)及び国外第Ⅰ/Ⅲ
相試験(試験 310788)では、誘導結合プラズマ質量分析計(Inductively-coupled plasma mass
spectrometry:ICP-MS)にて測定した。開発初期の国内外第Ⅰ相試験(試験 93016、92001、
97113)及び国外第Ⅲ相試験(試験 95062)では、誘導結合プラズマ発光分析計(Inductivelycoupled plasma atomic emission spectrometry:ICP-AES)にて測定した。用いた定量法の概要
を表 2.7.1.4-1に示す。
2.7.1.2
個々の試験結果の要約
該当なし。
2.7.1.3
該当なし。
全試験を通しての結果の比較と解析
2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.1.4
Page
4 of
付録
表 2.7.1.4-1 ヒト血漿、尿及び糞便中ガドリニウム濃度定量法の概要
Validation Report No.
(Study No.)
A45622 (revision
Assay method
LLOQ
plasma
ICP-MS
0.064μmol/L
urine
ICP-MS
0.064μmol/L
plasma
ICP-MS
6.36μmol/L
urine
ICP-MS
6.36μmol/L
plasma
ICP-MS
0.064μmol/L
plasma
ICP-AES
0.10μmol/L
1)a
A44452
(RX026)
A44453
(RX027)
A18122
(KIST20030180)
A750
(KM93276)
Matrix
urine
ICP-AES
0.10μmol/L
feces
ICP-AES
0.10μmol/Lb
Accuracy
Precision
97.5 – 104.6%
(0.064 - 63.6μmol/L)
95 - 113%
(0.064 - 63.6μmol/L)
98.6 - 101.5%
(6.36 - 2544μmol/L)
100.6 - 104.7%
(6.36 - 2544μmol/L)
97 - 108%
(0.064 - 48μmol/L)
1.3 - 12.9%
(0.064 - 63.6μmol/L)
4.2 - 9.5%
(0.064 - 63.6μmol/L)
1.4 - 4.9%
(6.36 - 2544μmol/L)
3.0 - 5.8%
(6.36 - 2544μmol/L)
0.8 - 10.3%
(0.064 - 48μmol/L)
1.80 - 3.27%
(0.143 - 476.2μmol/L)
26.33%
(0.095μmol/L)
0.49 - 4.62%
(0.095 - 476.2μmol/L)
0.60 - 10.55%
(0.10 - 10.0μmol/Lb)
96.4 - 102.4%
(0.095 - 476.2μmol/L)
93.9 - 99.5%
(0.095 - 476.2μmol/L)
75.4 - 89.8%
(0.10 - 10.0μmol/Lb)
Clinical Study Report No.
(Study No.)
Location of
report
A40982 (91798)
A40794 (310788)
5.3.1.4.5
A39759
(310865)
A39759
(310865)
A21381
(307362)
9746 (92001)
B000 (97113)
B245 (95062)
LLOQ : Lower limit of quantification.
a: Bioanalytical report of the clinical study 91798; validation data tabulated in Chapter 10 of method description MB5007V03 (plasma) or MB5008V04 (urine)
b: Gadolinium concentration in supernatant obtained from the mixture of feces 10g and 5% nitric acid 100mL.
5.3.1.4.1
5.3.1.4.2
5.3.1.4.3
5.3.1.4.4
5
2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法
Bayer Yakuhin, Ltd.
参考文献
該当なし。
Page
5 of
5
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2
Page
1 of
臨床薬理試験の目次
2.7.2.1
背景及び概観 ..................................................... 3
2.7.2.2
個々の試験結果の要約 ............................................. 5
2.7.2.2.1
2.7.2.2.1.1
2.7.2.2.2
ヒト生体試料を用いた試験 ................................... 5
血漿たん白結合試験 ....................................... 5
第Ⅰ相試験におけるガドブトロールの薬物動態 ................. 5
2.7.2.2.2.1
日本人健康成人男性を対象とした本剤の単回投与及び 2
回投与試験 (試験 310865:報告書 A39759) ................. 5
2.7.2.2.2.2
外国人健康成人男性を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 97113:報告書 B000) ............................... 7
2.7.2.2.2.3
外国人健康成人を対象とした本剤の QT/QTc 評価試験
(試験 307362:報告書 A21381) ............................ 9
2.7.2.2.2.4
日本人健康成人男性を対象とした SH L562A の単回投与
試験 (試験 93016:報告書 AS29) ......................... 11
2.7.2.2.2.5
外国人健康成人男性を対象とした SH L562A の単回投与
試験 (試験 92001:報告書 9746) ......................... 13
2.7.2.2.3
特別な集団におけるガドブトロールの薬物動態 ................ 15
2.7.2.2.3.1
外国人腎機能障害患者を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 95062:報告書 B245) .............................. 15
2.7.2.2.3.2
外国人高齢及び非高齢健康男性及び女性を対象とした本
剤の単回投与試験 (試験 91798/308183:報告書
A40982) ................................................ 17
2.7.2.2.3.3
外国人小児/若年被験者を対象とした本剤の単回投与試
験 (試験 310788:報告書 A40794) ........................ 19
2.7.2.2.3.4
外国人乳幼児被験者を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 91741:報告書 PH-37277) .......................... 23
2.7.2.3
全試験を通しての結果の比較と解析 ................................ 27
2.7.2.3.1
本剤の薬物動態 ............................................ 27
2.7.2.3.2
日本人と白人との薬物動態の類似性 .......................... 27
2.7.2.3.2.1
Standard Two Stage 法による解析.......................... 27
2.7.2.3.2.2
母集団薬物動態解析(試験 13226:報告書 A44213) .......... 30
2.7.2.3.3
小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者における薬
物動態 .................................................... 35
2.7.2.3.4
腎機能障害を有する患者における薬物動態 .................... 43
2.7.2.3.5
日本人と外国人との薬力学の類似性 .......................... 43
2.7.2.4
特別な試験 ...................................................... 44
57
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2.4.1
2.7.2.5
2 of
QT 延長リスクの検討 ....................................... 44
付録 ............................................................ 46
2.7.2.5.1
参考文献
Page
薬物動態試験の要約 ........................................ 46
............................................................... 57
57
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2
Page
3 of
57
臨床薬理の概要
2.7.2.1
背景及び概観
表 2.7.2.1-1に臨床薬理学的検討を行った試験の一覧を示す。これらの試験において、SH
L562BB(1.0mmol/mL のガドブトロールを有効成分とする製剤、以下、本剤とする)の健康成人、
腎機能障害患者、高齢者、小児/若年被験者及び乳幼児被験者を対象とした安全性及び薬物動態、
並びに SH L562A(0.5mmol/mL 製剤)の健康成人を対象とした安全性、薬物動態及び代謝に関し
て検討した。また、in vitro において血漿たん白結合を検討した。臨床薬理試験の項に記載し
た臨床薬理試験より得られたすべての安全性データについては、2.7.4 に含まれている。
表 2.7.2.1-1 臨床薬理に関連する試験一覧
報告書番号
(試験番号)
試験
ヒト生体試料を用いた試験
9139/II
(KM 174,
In vitro 血漿たん白結合試験
KM 017,
KM 075)
第 I 相試験における薬物動態
A39759
(310865)
日本人健康成人男性を対象とした国内単回投与及び
2 回投与試験
B000
(97113)
外国人健康成人男性を対象とした国外単回投与試験
A21381
(307362)
外国人健康成人を対象とした国外 QT/QTc 評価試験
AS29
(93016)
日本人健康成人男性を対象とした国内単回投与試験
9746
(92001)
外国人健康成人男性を対象とした国外単回投与試験
特別な集団における薬物動態
外国人腎機能障害患者を対象とした国外単回投与
B245
(95062)
試験
A40982
高齢及び非高齢の外国人健康男性及び女性を対象と
(91798 /
した国外単回投与試験
308183)
外国人小児/若年被験者を対象とした国外単回投与
A40794
(310788)
試験
外国人乳幼児被験者(2 歳未満)を対象とした国外
PH-37277
(91741)
単回投与試験
SH L562BB:1.0mmol/mL のガドブトロールを有効成分とする製剤(2.7.1.1.1)
SH L562A:0.5mmol/mL のガドブトロールを有効成分とする製剤(2.7.1.1.1)
製剤及び投与量
報告書
添付場所
(資料区分)
SH L562A
4.2.2.3.4
(評価資料)
SH L562BB
0.1, 0.2, 0.3,
0.1+0.1mmol/kg
SH L562BB
0.3, 0.5, 0.75,
1.0, 1.25, 1.5
mmol/kg
SH L562BB
0.1, 0.3, 0.5
mmol/kg
SH L562A
0.05, 0.1, 0.2,
0.4mmol/kg
SH L562A
0.04, 0.1, 0.2,
0.3, 0.4 mmol/kg
5.3.3.1.1
(評価資料)
5.3.3.1.2
(参考資料)
5.3.3.1.3
(評価資料)
5.3.3.1.4
(参考資料)
5.3.3.1.5
(参考資料)
SH L562BB
0.1, 0.3mmol/kg
5.3.3.3.1
(評価資料)
SH L562BB
0.1mmol/kg
5.3.3.3.2
(参考資料)
SH L562BB
0.1mmol/kg
5.3.3.3.3
(評価資料)
5.3.3.3.4
(参考資料)
SH L562BB
0.1mmol/kg
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
4 of
57
また、磁気共鳴(Magnetic resonance:MR)信号強度に基づく薬力学-用量関係を、国内転移
性脳腫瘍第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)及び国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験
94054、報告書 AI68)において検討した。
投与量は体重あたりのガドブトロール量(mmol/kg)で表示した。血漿/血清及び尿中ガドリ
ニウム(Gd)濃度の測定には、誘導結合プラズマ発光分光分析計(Inductively-coupled plasma
atomic emission spectrometry:ICP-AES)又は誘導結合プラズマ質量分析計(Inductivelycoupled plasma mass spectrometry:ICP-MS)を用いた。血漿中及び尿中代謝物の検討には、高
速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography:HPLC)又は ICP-AES と
組み合わせた HPLC を用いた。血漿/血清中及び尿中薬物濃度は Gd 濃度で示した。ガドブトロー
ルは 1 分子中 1 Gd 原子を含み、かつ代謝を受けないため、血漿/血清中及び尿中 Gd 濃度は、そ
のままガドブトロール濃度に相当する。
国内において、健康成人男性を対象とした本剤 0.1~0.3mmol/kg の単回静脈内投与(各投与群
8 例)及び 0.2mmol/kg を 30 分間隔で 2 分割静脈内投与(8 例)による第Ⅰ相試験(試験
310865)を実施し、本剤の安全性及び薬物動態を検討した。また、SH L562A を用いて、健康成
人男性を対象とした 0.05~0.4mmol/kg(各投与群 5~6 例)の第Ⅰ相用量漸増試験(試験
93016)によりガドブトロールの安全性及び薬物動態を検討した。
国外(欧米)では、健康成人男性を対象とした本剤 0.3~1.5mmol/kg(各投与群 6 例)の第Ⅰ
相用量漸増試験(試験 97113)並びに健康成人男女(64 例)を対象とした本剤 0.1、0.3 及び
0.5mmol/kg の第Ⅰ相 QT/QTc 評価試験(試験 307362)を実施し、本剤の安全性及び薬物動態を検
討した。また、SH L562A を用いて、健康成人男性を対象とした 0.04~0.4mmol/kg(各投与群 8
例)の用量漸増試験(試験 92001)によりガドブトロールの安全性及び薬物動態を検討した。
更に、特別な集団における本剤の安全性及び薬物動態を検討するため、腎機能障害を有する患
者(32 例)を対象とした本剤 0.1 及び 0.3mmol/kg の第Ⅲ相試験(試験 95062)、高齢(65 歳以
上)及び非高齢(18~45 歳)の健康男性(各 8 例)並びに高齢及び非高齢の健康女性(それぞ
れ 7 例及び 8 例)を対象とした本剤 0.1mmol/kg の第Ⅰ相試験(試験 91798)、小児/若年被験
者(2~17 歳、138 例)を対象とした本剤 0.1mmol/kg の第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験 310788)並びに
乳幼児被験者(2 歳未満、44 例)を対象とした本剤 0.1mmol/kg の第Ⅰ相試験(試験 91741)を
国外において実施した。
ガドブトロールの薬物動態に及ぼす被験者背景(年齢、体重及び人種)の検討は、健康成人を
対象とした国内外第Ⅰ相試験の成績を併合し、母集団解析の手法を用いて行った(試験 13226、
報告書 A44213)。
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2.2
2.7.2.2.1
2.7.2.2.1.1
Page
5 of
57
個々の試験結果の要約
ヒト生体試料を用いた試験
血漿たん白結合試験
ヒト血漿にガドブトロールを 1mmol/L の濃度で添加し、平衡透析法及び限外ろ過法を用いてた
ん白結合率を測定したところ、血漿たん白との結合率は極めて小さかった。非結合率は 94.6%
~97.3%であった(2.6.4.4.3)。
2.7.2.2.2
2.7.2.2.2.1
第Ⅰ相試験におけるガドブトロールの薬物動態
日本人健康成人男性を対象とした本剤の単回投与及び 2 回投与試験
(試験 310865:報告書 A39759)
参照項目:5.3.3.1.1 A39759
日本人健康成人男性を対象に本剤 0.1、0.2 及び 0.3mmol/kg を単回静脈内投与(各投与群 8
例)又は 0.2mmol/kg を 30 分間隔で 2 分割静脈内投与(8 例)した。3 用量を単回投与すること
により、本剤の薬物動態特性を評価した。更に、0.2mmol/kg を 30 分間隔で 2 分割投与する群を
設けた。投与速度は 2.0mL/秒とした。血液及び尿を投与前並びに投与それぞれ 48 時間及び 72
時間後まで採取し、ガドブトロールの薬物動態を検討した。血漿及び尿中 Gd 濃度の測定には、
バリデートした ICP-MS を用いた。本測定法の血漿及び尿における定量下限は、共に 6.36μmol/L
であった。
本剤 0.1、0.2 及び 0.3mmol/kg の単回静脈内投与並びに 0.2mmol/kg(0.1+0.1mmol/kg、30 分
間隔)を静脈内投与した際の血漿中 Gd 濃度推移、並びに血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)及
び最高血漿中濃度(Cmax)と投与量の関係(単回投与)を図 2.7.2.2.2.1-1及び図 2.7.2.2.2.1-2
に、ノンコンパートメントモデル解析により算出した薬物動態学的パラメータ(幾何平均値)を
表 2.7.2.2.2.1-1に示す。また、累積尿中 Gd 排泄率(幾何平均値)を表 2.7.2.2.2.1-2に示す。
静脈内投与後の血漿中 Gd 濃度は、2 相性で消失した。血漿中 Gd 濃度は 0.1~0.3mmol/kg の投
与量において、投与量に比例して増加した。投与量で除した AUC(AUC/D)及び Cmax(Cmax/D)は
9.35~10.2kg·h/L(各投与群の平均値、以下同様)及び 11.9~12.5kg/L であり、いずれも検討
した投与量範囲で一定した値を示した。また、終末相半減期(t1/2)、定常状態における分布容
積(Vss)、総クリアランス(CL)、尿中排泄率(AE,ur)、腎クリアランス(CLR)及び急速静脈内
投与後の平均滞留時間(MRTiv)においても投与量にかかわらず一定の値を示し、ガドブトロール
の薬物動態は検討した投与量範囲で線形性を示した。t1/2 は 1.77~1.82 時間(算術平均で 1.78
~1.83 時間)、Vss は 0.202~0.215L/kg(同 0.203~0.217L/kg)であった。CL は 1.63~
1.78mL/min/kg ( 同 1.64 ~ 1.79mL/min/kg ) で 、 CLR の 1.49 ~ 1.79mL/min/kg ( 同 1.51 ~
1.80mL/min/kg)と類似していた。
0.2mmol/kg を 2 分割静脈内投与(0.1+0.1mmol/kg 投与群)したときの AUC は 0.2mmol/kg 単
回静脈内投与時の値と類似したが、Cmax は 0.2mmol/kg 単回静脈内投与時の約 70%であった。
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
6 of
57
2 コンパートメントモデル解析による薬物動態学的パラメータ(AUC、t1/2 、CL、Vss 及び
MRTiv)は、上記のノンコンパートメントモデル解析の結果とよく一致した。
静脈内投与後の尿中 Gd 排泄率は、投与 12 時間後で投与量の 90.4%~99.3%であり、ガドブ
トロールは速やかに尿中排泄される(国外試験と同様に投与 12 時間後でほぼ完了)ことが確認
された。
Values represent geometric means ± SD.
0.1+0.1mmol/kg: Two divided administrations of each 0.1mmol/kg with a 30-minute interval.
(Source: Text Figures 2 and 3 in page 52 of the study report A39759, 5.3.3.1.1)
図 2.7.2.2.2.1-1 本剤 0.1、0.2 及び 0.3mmol/kg を単回静脈内投与並びに 0.2mmol/kg(0.1+
0.1mmol/kg、30 分間隔)を静脈内投与した際の血漿中 Gd 濃度推移
Values represent geometric means ± SD.
(Source: Text Figure 4 in page 54 of the study report A39759, 5.3.3.1.1)
図 2.7.2.2.2.1-2 本剤 0.1、0.2 及び 0.3mmol/kg を単回静脈内投与した際の Cmax 及び AUC と
投与量の関係
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
7 of
57
表 2.7.2.2.2.1-1 本剤 0.1、0.2 及び 0.3mmol/kg 単回静脈内投与並びに 0.2mmol/kg(0.1+
0.1mmol/kg、30 分間隔)を静脈内投与した際のガドブトロールの
薬物動態学的パラメータ
PK parameters
AUC (µmol·h/L)
AUC/D (kg·h/L)
Cmax (µmol/L)
Cmax/D (kg/L)
t1/2 (h)
Vss (L/kg)
(L)
CL (mL/min/kg)
(mL/min)
CLR (mL/min/kg)
(mL/min)
MRTiv (h)
AE,ur (%)
0.1mmol/kg
(n=8)
1026 (13.0%)
10.2 (13.0%)
1218 (48.0%)
12.2 (48.1%)
1.82 (12.0%)
0.212 (13.7%)
13.7 (21.8%)
1.63 (13.0%)
106 (15.5%)
1.49 (15.1%)
97.0 (21.5%)
2.17 (14.5%)
91.8 (14.7%)
0.2mmol/kg
(n=8)
2008 (12.5%)
10.0 (12.6%)
2508 (36.2%)
12.5 (36.5%)
1.77 (11.8%)
0.202 (13.9%)
11.8 (10.9%)
1.66 (12.6%)
97.6 (10.0%)
1.65 (11.8%)
96.9 (7.71%)
2.02 (11.5%)
99.2 (5.75%)
0.3mmol/kg
(n=8)
2812 (10.6%)
9.35 (10.8%)
3586 (36.7%)
11.9 (36.6%)
1.82 (10.2%)
0.215 (13.2%)
12.6 (18.1%)
1.78 (10.8%)
104 (11.0%)
1.79 (8.29%)
105 (12.6%)
2.01 (9.06%)
101 (9.04%)
0.1+0.1mmol/kga
(n=7)
2070 (14.3%)
10.3 (14.3%)
1792 (15.9%)
8.95 (15.9%)
1.78 (17.2%)
0.195 (12.5%)
13.3 (15.3%)
1.61 (14.3%)
110 (15.6%)
1.53 (16.6%)
104 (17.8%)
2.02 (17.5%)
94.8 (3.74%)
Values represent geometric means with geometric coefficients of variation (%) in parentheses.
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a compartment model independent method.
AE,ur: Amount of gadolinium excreted in urine from zero to 72 hours, expressed as % of dose.
a: Two divided administrations of each 0.1mmol/kg with a 30-minute interval.
(Source: Text Tables 15 and 16 in page 53 of the study report A39759, 5.3.3.1.1)
表 2.7.2.2.2.1-2 本剤 0.1、0.2 及び 0.3mmol/kg 単回静脈内投与並びに 0.2mmol/kg(0.1+
0.1mmol/kg、30 分間隔)を静脈内投与した際の Gd の累積尿中排泄率
Sampling
time period (h)
0-2
0-4
0-6
0 - 12
0 - 24
0 - 48
0 - 72
0.1mmol/kg
(n=8)
57.8 (12.4%)
76.8 (12.7%)
84.9 (12.9%)
90.4 (14.3%)
91.6 (14.6%)
91.8 (14.7%)
91.8 (14.7%)
Cumulative urinary excretion (% of dose)
0.2mmol/kg
0.3mmol/kg
(n=8)
(n=8)
64.8 (8.31%)
66.6 (11.7%)
84.4 (6.78%)
86.2 (10.7%)
92.0 (6.50%)
93.8 (10.3%)
97.7 (5.84%)
99.3 (9.01%)
98.8 (5.75%)
100 (9.02%)
99.1 (5.75%)
101 (9.03%)
99.2 (5.75%)
101 (9.04%)
0.1+0.1mmol/kga)
(n=7)
60.6 (10.7%)
79.8 (7.59%)
86.6 (7.12%)
93.4 (4.19%)
94.4 (3.80%)
94.7 (3.76%)
94.8 (3.74%)
Values represent geometric means with geometric coefficients of variation (%) in parentheses.
a: Two divided administrations of each 0.1mmol/kg with a 30-minute interval.
(Source: Text Table 17 in page 55 of the study report A39759, 5.3.3.1.1)
2.7.2.2.2.2
外国人健康成人男性を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 97113:報告書 B000)
参照項目:5.3.3.1.2 B000
外国人健康成人男性を対象に本剤 0.3、0.5、0.75、1.0、1.25 及び 1.5mmol/kg(各投与群 6
例)を単回静脈内投与した用量漸増試験で、0.3mmol/kg 投与群においてガドブトロールの薬物
動態を検討した。0.3mmol/kg 投与群の投与速度は 5.0mL/秒とした。血液及び尿を投与前並びに
2.7.2 臨床薬理試験
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57
投与それぞれ 48 時間及び 72 時間後まで採取し、血清及び尿中 Gd 濃度を ICP-AES を用いて測定
した。本測定法の血清及び尿における定量下限は、それぞれ 0.5 及び 0.1μmol/L であった。
本剤 0.3mmol/kg を単回静脈内投与した際のノンコンパートメントモデル解析及び 2 コンパー
トメントモデル解析により算出したガドブトロールの薬物動態学的パラメータを表
2.7.2.2.2.2-1に、Gd の累積尿中排泄率を表 2.7.2.2.2.2-2に示す。
血清中 Gd 濃度は 2 相性の消失を示し、投与 1.5 時間後までに速やかに減少し、投与 1.5 時間
後の血清中 Gd 濃度は、投与直後の最高血清中濃度のほぼ 30%(範囲 18%~40%)であった。そ
の後、血清中 Gd 濃度は、投与 4~12 時間後まで 1 相性の消失を示した。t1/2、Vss、CL 及び MRTiv
はそれぞれ 2.01 時間、0.194L/kg、1.39mL/min/kg 及び 2.35 時間であった。これらのノンコン
パートメントモデル解析で得られた薬物動態学的パラメータは、2 コンパートメントモデル解析
でのパラメータ(t1/2 を除く)と類似していた。
ガドブトロールは静脈内投与 4 時間、6 時間及び 12 時間後までに、それぞれ投与量の 82.6%、
90.9%及び 97.6%が尿中に排泄された。CLR は 1.39mL/min/kg(約 103mL/min)であり、健康成
人男性における糸球体ろ過量に類似していることから、ガドブトロールの腎排泄は主に糸球体ろ
過によるものであることが示唆された。
表 2.7.2.2.2.2-1 本剤 0.3mmol/kg 単回静脈内投与した際のガドブトロールの
薬物動態学的パラメータ
PK parameters
AUC(0-12) (µmol·h/L)
AUC (µmol·h/L)
Cmax (µmol/L)
t1/2α (h)
t1/2 (h)
Vc (L/kg)
Vss (L/kg)
CL (mL/min/kg)
CLR (mL/min/kg)
MRTiv (h)
Non-compartment model analysis
3597.5±405.8
3644.7±422.7
2562.9±832.4
2.01±0.23
0.194±0.017
1.39±0.14
1.39±0.16
2.35±0.21
Two compartment model analysis
3554.5±402.6
0.278±0.190
1.76±0.20
0.115±0.040
0.191±0.019
1.42±0.14
2.25±0.19
Values represent Mean±SD of n=6.
(Source: Tables 15 and 16 in page 136 of the study report B000, 5.3.3.1.2)
表 2.7.2.2.2.2-2 本剤 0.3mmol/kg 単回静脈内投与した際の Gd の累積尿中排泄率
Sampling time period (h)
0-2
0-4
0-6
0 - 12
0 - 24
0 - 48
0 - 72
Values represent Mean±SD of n=6.
(Source: Table 11_b in page 132 of the study report B000, 5.3.3.1.2)
Cumulative urinary excretion (% of dose)
62.7±1.8
82.6±2.8
90.9±2.4
97.6±2.5
98.8±2.5
99.0±2.5
99.2±2.5
2.7.2 臨床薬理試験
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2.7.2.2.2.3
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外国人健康成人を対象とした本剤の QT/QTc 評価試験
(試験 307362:報告書 A21381)
参照項目:5.3.3.1.3 A21381
QT/QTc 評価試験の副次評価項目として、64 例の外国人健康成人男女を対象に本剤 0.1、0.3 及
び 0.5mmol/kg をクロスオーバー法を用いて静脈内投与し、ガドブトロールの薬物動態を検討し
た。投与速度は 2.0mL/秒とした。投与前及び投与 24 時間後までの血液を採取し、血漿中 Gd 濃
度をバリデートした ICP-MS を用いて測定した。本測定法の定量下限は、0.064μmol/L であった。
心電図の結果については、2.7.4.4.2.3 に記載した。
本剤 0.1、0.3 及び 0.5mmol/kg を単回静脈内投与した際の血漿中 Gd 濃度推移及び曝露量(AUC
及び Cmax)と投与量の関係を図 2.7.2.2.2.3-1及び図 2.7.2.2.2.3-2に、ノンコンパートメントモ
デル解析により算出した薬物動態学的パラメータを表 2.7.2.2.2.3-1に示す。
血漿中 Gd 濃度は、0.1~0.5mmol/kg の静脈内投与で投与量の増加に伴って増加した。静脈内
投与後の血漿中 Gd 濃度は、急激な減少を示す分布相とその後の比較的緩やかな消失相の 2 相性
の消失を示した。0.1、0.3 及び 0.5mmol/kg 投与群での C max はそれぞれ 936、2491 及び
4437μmol/L(曝露量比 1.0:2.7:4.7)、AUC は 1244、3755 及び 6357μmol·h/L(曝露量比
1.0:3.0:5.1)で、曝露量比はいずれも投与量比 1:3:5 と類似し、Cmax 及び AUC は投与量に比
例して増加した。t1/2 は 1.81~1.84 時間であり、投与量の増加による影響はみられなかった。平
均 CL、Vss 及び平均滞留時間(MRT)も投与量にかかわらず一定した値を示した。Vss は 0.194~
0.201L/kg で、体重の約 20%に相当した。これらノンコンパートメントモデル解析で得られた
AUC、t1/2、CL、Vss 及び MRT の各薬物動態学的パラメータは 2 コンパートメントモデル解析の結
果とよく一致した。0.3mmol/kg 投与で得られた薬物動態学的パラメータは、同投与量で実施さ
れた試験結果(試験 97113、2.7.2.2.2.2)とよく一致していた。
2.7.2 臨床薬理試験
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10 of
Values represent means ± SD of n=52 - 58.
(Source: Figure A in page 14 of the study report A21381, 5.3.3.1.3, Appendix 5 Pharmacokinetics report)
図 2.7.2.2.2.3-1 本剤 0.1、0.3 及び 0.5mmol/kg を単回静脈内投与した際の
血漿中 Gd 濃度推移
Values represent geometric means ± SD of n=55 - 58.
(Source: Figure B in page 17 and Figure C in page 18 of the study report A21381, 5.3.3.1.3, Appendix 5 Pharmacokinetics
report)
図 2.7.2.2.2.3-2 本剤 0.1、0.3 及び 0.5mmol/kg を単回静脈内投与した際の Cmax 及び AUC と
投与量の関係
57
2.7.2 臨床薬理試験
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11 of
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表 2.7.2.2.2.3-1 本剤 0.1、0.3 及び 0.5mmol/kg を単回静脈内投与した際のガドブトロールの
薬物動態学的パラメータ
PK parameters
AUC(0-8) (µmol·h/L)
AUC (µmol·h/L)
Cmax (µmol/L)
t1/2 (h)
CL (mL/min/kg)
(mL/min)
Vss (L/kg)
(L)
MRT (h)
0.1mmol/kg
(n=55)
1185±298a
1244±315
936±556a
1.84±0.38
1.43±0.34
113±29
0.201±0.055
15.9±4.8
2.36±0.47
0.3mmol/kg
(n=57)
3587±891b
3755±962
2491±849b
1.81±0.35
1.41±0.34
110±26
0.194±0.048
15.3±4.1
2.33±0.44
0.5mmol/kg
(n=58)
6063±1479
6357±1554
4437±1458
1.83±0.36
1.40±0.33
109±25
0.194±0.050
15.2±4.1
2.34±0.42
a: n=56; b: n=58.
Values represent Mean±SD analyzed by a compartment model independent method.
(Source: Table A in page 15 of the study report A21381, 5.3.3.1.3, Appendix 5 Pharmacokinetics report)
2.7.2.2.2.4
日本人健康成人男性を対象とした SH L562A の単回投与試験
(試験 93016:報告書 AS29)
参照項目:5.3.3.1.4 AS29
日本人健康成人男性を対象に SH L562A 0.05、0.1、0.2 及び 0.4mmol/kg(各投与群 5~6 例)
を単回静脈内投与し、ガドブトロールの薬物動態を検討した(用量漸増試験)。投与速度は
1.0mL/秒とした。血液及び尿を投与前並びに投与それぞれ 24 時間及び 48 時間後まで採取し、血
漿及び尿中 Gd 濃度測定を行った。また、0.4mmol/kg 投与群の 6 時間蓄積尿を用いて尿中代謝物
の有無についても検討した。血漿及び尿中 Gd 濃度の測定には ICP-AES を、尿中代謝物の分析に
は HPLC を用いた。ICP-AES の血漿及び尿における定量下限は、それぞれ 2.5 及び 20μmol/L で
あった。
SH L562A 0.05、0.1、0.2 及び 0.4mmol/kg を単回静脈内投与した際の血漿中 Gd 濃度推移を
図 2.7.2.2.2.4-1に、2 コンパートメントモデル解析により算出した薬物動態学的パラメータを
表 2.7.2.2.2.4-1に示す。
静脈内投与後の血漿中 Gd 濃度は 2 相性で消失し、投与 24 時間後の血漿中にはいずれの投与群
においても Gd は検出されなかった。AUC は、0.05、0.1、0.2 及び 0.4mmol/kg 投与でそれぞれ
391.4、861.4、1690.2 及び 3648.0μmol·h/L であり、ほぼ投与量に比例して増加し、用量線形
性が示唆された。各投与群の終末相の半減期(t1/2β)、中央コンパートメントの分布容積(Vc)、
CL 及び MRT は、それぞれ 1.19~2.30 時間、78.3~148.8mL/kg、111.7~129.7mL/h/kg 及び 1.59
~2.17 時間で、投与量により若干の変動を示したが、これらのパラメータに用量依存的な変動
はみられなかった。
静脈内投与後の Gd の累積尿中排泄率は、投与 6 時間後でいずれの投与群においても投与量の
90%以上に達した。投与 48 時間後までの累積尿中排泄率(AE,ur )は、0.05、0.1、0.2 及び
0.4mmol/kg 投与群でそれぞれ 99.6%、97.4%、107.2%及び 103.1%であった。
2.7.2 臨床薬理試験
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SH L562A 0.4mmol/kg 投与群の 6 時間蓄積尿を用いて実施した尿中代謝物の HPLC 分析では、
クロマトグラム上にガドブトロール以外のピークはみられず、ガドブトロールは尿中に未変化体
として排泄され、代謝を受けないことが示された。
Values represent means ± SD of n=5 - 6.
Graph shows the plasma gadolinium concentration-time profiles of the 0.4, 0.2, 0.1 and 0.05mmol/kg dose groups from the
top.
(Source: Figure 3.1 of the study report AS29, 5.3.3.1.4)
図 2.7.2.2.2.4-1 SH L562A 0.05、0.1、0.2 及び 0.4mmol/kg を単回静脈内投与した際の
血漿中 Gd 濃度推移
表 2.7.2.2.2.4-1 SH L562A 0.05、0.1、0.2 及び 0.4mmol/kg を単回静脈内投与した際の
ガドブトロールの薬物動態学的パラメータ
PK parameters
AUC (µmol·h/L)
t1/2α (min)
t1/2β (h)
Vc (mL/kg)
CL (mL/h/kg)
MRT (h)
AE,ur (%)
0.05mmol/kg
(n=6)
391.4±51.1
8.62±10.45
1.59±0.58
116.0±58.7
129.7±17.5
2.02±0.67
99.6±12.1b
0.1mmol/kg
(n=5)
861.4±88.9
17.99±21.78
2.30±2.10a
148.8±53.4
114.3±12.4a
2.17±0.86
97.4±5.0c
0.2mmol/kg
(n=6)
1690.2±205.1
9.54±8.01
1.32±0.39
112.0±48.2
119.8±14.6
1.71±0.49
107.2±9.3
Values represent Mean±SD.
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a 2-compartment model.
AE,ur: Amount of gadolinium excreted into urine from zero to 48 hours, expressed as % of dose.
a: n=6; b: n=4; c: n=3; d: n=5.
(Source: Tables 5.4 and 5.7 of the study report AS29, 5.3.3.1.4)
0.4mmol/kg
(n=6)
3648.0±544.8
3.79±0.84
1.19±0.14
78.3±18.3
111.7±14.8
1.59±0.20
103.1±1.4d
2.7.2 臨床薬理試験
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2.7.2.2.2.5
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13 of
57
外国人健康成人男性を対象とした SH L562A の単回投与試験
(試験 92001:報告書 9746)
参照項目:5.3.3.1.5 9746
白人健康成人男性を対象に SH L562A 0.04、0.1、0.2、0.3 及び 0.4mmol/kg(各投与群 8 例)
を単回静脈内投与した用量漸増試験で、0.04、0.1 及び 0.4mmol/kg 投与群においてガドブト
ロールの薬物動態を検討した。投与速度は 2.0mL/秒とした。血液及び尿を投与前並びに投与そ
れぞれ 48 時間及び 72 時間後まで採取し、血漿及び尿中 Gd 濃度測定を行った。また、糞中排泄
量測定のため投与後 3 日間の糞便を採取した。更に、0.1 及び 0.4mmol/kg 投与群の投与 1 時間
後の血漿並びに投与 2~4 時間後及び 6~12 時間後の尿を用いて血漿及び尿中代謝物について
ICP-AES/HPLC 分析法により検討した。試料中の Gd 濃度は、ICP-AES を用いて測定した。本測定
法の血漿及び尿における定量下限は、共に 0.1μmol/L であった。
SH L562A 0.04、0.1 及び 0.4mmol/kg を単回静脈内投与した際の血漿中 Gd 濃度推移を
図 2.7.2.2.2.5-1に、ノンコンパートメントモデル解析により算出した薬物動態学的パラメータ
を表 2.7.2.2.2.5-1に示す。
血漿中 Gd 濃度は投与 12 時間後まで、また尿中 Gd 濃度は投与 72 時間後採取尿まですべての投
与群で測定可能であった。投与 24 時間後の血漿中 Gd 濃度は最高投与量の 0.4mmol/kg 投与群で
8 例中 6 例においてのみ測定可能であった。
投与 72 時間後までの Gd の累積尿中排泄率は、0.04、0.1 及び 0.4mmol/kg 投与群でそれぞれ
投与量の 94.4%、100.3%及び 99.5%であり、ガドブトロールの排泄は投与 72 時間後には完了
していた。一方、Gd の累積糞便中排泄率はそれぞれ 0.03%、0.04%及び 0.06%と極めて少なく、
ガドブトロールの主排泄経路は尿中排泄であった。累積尿中排泄率は投与 12 時間後でそれぞれ
投与量の 92.5%、98.0%及び 96.6%であり、ガドブトロールは投与後 12 時間以内に投与量のほ
とんどが排泄されると考えられた。
静脈内投与後の t1/2 は、0.04、0.1 及び 0.4mmol/kg 投与群でそれぞれ 1.87、1.88 及び 1.69 時
間、CL は 1.56、1.50 及び 1.37mL/min/kg であった。Vss は 0.21、0.21 及び 0.17L/kg であった。
CLR は 1.52、1.50 及び 1.34mL/min/kg でクレアチニンクリアランス(CLcr)と類似していること
から、ガドブトロールの腎排泄の機序は、主に糸球体ろ過によるものと考えられた。
薬物動態学的パラメータの用量比例性を AUC、CLR、t1/2、尿中排泄半減期(t1/2,u)及び AE,ur に
ついて解析した。Kruskal-Wallis 検定の結果、投与量で補正した AUC(ノンコンパートメントモ
デル解析)及び AE,ur を除き、他のパラメータには有意差はみられなかった。投与量比 1:2.5:
10 に対して、AUC 比が 1:2.6:11.5 であり、線形性を示すものと考えられた。
SH L562A 0.1 及び 0.4mmol/kg 投与群の 14 例の被験者から得られた血漿及び尿の HPLC 分析で
は、ガドブトロールのピーク(回収率は 94%~107%)以外にクロマトグラム上でのピークは認
められず、ガドブトロールは代謝を受けないことが確認された。
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
14 of
Values represent means ± SD.
(Source: Figure 1 in page 5 of the study report 9746, 5.3.3.1.5)
図 2.7.2.2.2.5-1 SH L562A 0.04、0.1 及び 0.4mmol/kg を単回静脈内投与した際の
血漿中 Gd 濃度推移
表 2.7.2.2.2.5-1 SH L562A 0.04、0.1 及び 0.4mmol/kg を単回静脈内投与した際の
ガドブトロールの薬物動態学的パラメータ
PK parameters
AUC (µmol·h/L)
AUMC
t1/2 (h)
t1/2,u (h)
Vss (L/kg)
CL (mL/min/kg)
CLR (mL/min/kg)
AE,ur(0-72) (%)
AE,ur(0-12) (%)
AE,f(0-72) (%)
Total Recovery (0-72) (%)
0.04mmol/kg
(n=8)
429±37.4
969±94.8
1.87±0.12
1.86±0.27a
0.21±0.04
1.56±0.13
1.52±0.08a
94.4±3.40a
92.5±3.04a
0.03±0.02
94.5±3.41a
0.1mmol/kg
(n=8)
1117±93.7
2624±504
1.88±0.19
2.13±0.38
0.21±0.02
1.50±0.13
1.50±0.17b
100.3±2.60
98.0±3.33
0.04±0.02
100.3±2.60
0.4mmol/kg
(n=8)
4954±627
10510±2260
1.69±0.20
2.04±0.23
0.17±0.02
1.37±0.17
1.34±0.17
99.5±4.62
96.6±5.61
0.06±0.04
99.6±4.62
a: n=5; b: n=7.
Values represent Mean±SD.
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a non-compartment model.
AUMC: Area under the first moment curve.
t1/2,u: Half-life associated with the logarithmically transformed terminal urinary excretion rates against the midtimes of the
collection intervals.
AE,ur(0-72): Amount of gadolinium excreted in urine from zero to 72 hours, expressed as % of dose.
AE,f(0-72): Amount of gadolinium excreted in feces from zero to 72 hours, expressed as % of dose.
(Source: Table 1 in page 4 of the study report 9746, 5.3.3.1.5)
57
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2.2.3
Page
15 of
57
特別な集団におけるガドブトロールの薬物動態
臨床薬理試験の項では、国外で実施された腎機能障害を有する患者を対象とした第Ⅲ相試験、
高齢(65 歳以上)及び非高齢(18~45 歳)の健康男性及び女性を対象とした第Ⅰ相試験及び小
児(2~17 歳)を対象とした第Ⅰ/Ⅲ相試験から得られた薬物動態について記載した。
2.7.2.2.3.1
外国人腎機能障害患者を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 95062:報告書 B245)
参照項目:5.3.3.3.1 B245
磁気共鳴コンピューター断層撮影(magnetic resonance imaging:MRI)を行う外国人腎機能
障害患者を対象に本剤 0.1 及び 0.3mmol/kg を単回静脈内投与した。被験者を腎障害の程度に
よって、Ⅰ群(80>CLcr>30mL/min/1.73m2、透析不要、12 例)、Ⅱ群(CLcr<30mL/min/1.73m2、
透析不要、9 例)及びⅢ群(透析患者、11 例)の 3 群に分類し、Ⅰ群及びⅡ群ではガドブトロー
ルの薬物動態を、Ⅲ群では透析によるクリアランスについて検討した。Ⅰ群では血液及び尿を投
与前及び投与 72 時間後まで、Ⅱ群では投与前及び投与 120 時間後まで採取し、血清及び尿中 Gd
濃度を測定した。Ⅲ群では、MRI 実施後に透析(初回)を開始し、透析開始前、透析開始 30 分
及び 90 分後並びに透析終了 3 時間後に血清中 Gd 濃度を測定した。また、投与 48 時間及び 96 時
間後の透析(2 回目及び 3 回目)前後にも測定した。試料中 Gd 濃度はバリデートした ICP-AES
を用いて測定した。本測定法の血清及び尿における定量下限は、共に 0.1μmol/L であった。
腎機能障害患者に本剤 0.1 及び 0.3mmol/kg を単回静脈内投与した際の 2 コンパートメントモ
デル解析により算出したガドブトロールの薬物動態学的パラメータを表 2.7.2.2.3.1-1に、透析
患者における透析時の血清中ガドブトロール除去率を表 2.7.2.2.3.1-2に示す。
軽度から中等度の腎機能障害であるⅠ群の Vss (0.1 及び 0.3mmol/kg 投与群で 0.20 及び
0.22L/kg)及び重度腎機能障害であるⅡ群の Vss(0.22 及び 0.24L/kg)は外国人健康成人におけ
る値(0.194~0.201L/kg、表 2.7.2.3.2.1-2)と同様であり、Vss に腎機能障害による変動はみら
れなかった。
腎機能障害患者におけるガドブトロールの CL は、外国人健康成人の 1.39~1.43mL/min/kg
(表 2.7.2.3.2.1-2)と比較して、Ⅰ群の 0.1 及び 0.3mmol/kg 投与でそれぞれ 0.49 及び
0.51mL/min/kg に低下し、Ⅱ群では更に 0.16 及び 0.15mL/min/kg に低下した。
静 脈 内 投 与 後 の t1/2 β は CL の 低 下 と 共 に 、 外 国 人 健 康 成 人 で の 1.81 ~ 2.01 時 間 ( 表
2.7.2.3.2.1-2)に対して、Ⅰ群では 5.8 時間(0.1mmol/kg)及び 5.3 時間(0.3mmol/kg)に延
長した。Ⅱ群では更に 17.6 時間(0.1mmol/kg)及び 24.8 時間(0.3mmol/kg)に延長した。尿中
排泄は、0.1 及び 0.3mmol/kg 投与後において、Ⅰ群では投与後 72 時間以内に完了したが、Ⅱ群
においては、t1/2βが大きく延長していることから、尿中排泄は投与 120 時間後でも完了しなかっ
た。
透析患者(Ⅲ群)において、投与 96 時間後に実施した 3 回目透析後にガドブトロールはほぼ
完全に血清中より除去され、以下の計算式により算出した除去率は、0.1mmol/kg 投与群で
98.1%~99.6%、0.3mmol/kg 投与群で 94.3%~99.8%であった。
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
血清中ガドブトロール除去率(%)=
Page
16 of
透析前血清中 Gd 濃度-透析後血清中 Gd 濃度
透析前血清中 Gd 濃度
57
×100
表 2.7.2.2.3.1-1 腎機能障害患者に本剤 0.1 及び 0.3mmol/kg を単回静脈内投与した際の
ガドブトロールの薬物動態学的パラメータ
Dose
0.1mmol/kg
0.3mmol/kg
PK parameters
AUC (µmol·h/L)
t1/2α (h)
t1/2β (h)
Vss (L/kg)
CL (mL/min/kg)
CLR (mL/min/kg)
AE,ur (%)
AUC (µmol·h/L)
t1/2α (h)
t1/2β (h)
Vss (L/kg)
CL (mL/min/kg)
CLR (mL/min/kg)
AE,ur (%)
Group 1 (n=6)
4015±1818 (2153-6420)
0.21±0.47 (0.014-1.16)
5.81±2.41 (3.03-8.98)
0.20±0.042 (0.13-0.26)
0.49±0.21 (0.26-0.77)
0.51±0.22 (0.27-0.84)
104.7±13.7 (86.4-126.1)
10339±2466 (6664-13780)
0.13±0.15 (0.014-0.39)
5.32±1.43 (3.74-7.58)
0.22±0.046 (0.18-0.29)
0.51±0.14 (0.36-0.75)
0.48±0.12 (0.31-0.66)
92.8±9.1 (84.3-110.1)
Group 2 (n=5)
11531±4255 (6819-17800)
0.079±0.078 (0.014-0.21)
17.60±6.16 (8.79-23.32)
0.22±0.042 (0.18-0.29)
0.16±0.058 (0.094-0.24)
0.12±0.043 (0.075-0.19)
77.3±7.4 (64.5-83.6)
45677±34576 (20860-85170) a
0.29±0.42 (0.027-0.77)a
24.79±17.40 (11.33-44.44)a
0.24±0.017 (0.23-0.26)a
0.15±0.091 (0.059-0.24)a
0.13±0.099 (0.028-0.23)a
76.5±25.6 (47.2-94.2)a
a: n=3.
Values represent Mean±SD (range)
Serum pharmacokinetic parameters were analyzed by a 2-compartment model.
AE,ur: Amount of gadolinium excreted in urine from zero to 72 hours (Group 1) or 120 hours (Group 2), expressed as % of
dose.
Group 1: Patients with a CLcr < 80mL/min/1.73m2 but > 30mL/min/1.73m2 not requiring dialysis.
Group 2: Patients with a CLcr< 30mL/min/1.73m2 not requiring dialysis.
(Source: Text Tables 15 - 21 in pages 72 - 74 of the study report B245, 5.3.3.3.1)
表 2.7.2.2.3.1-2 透析患者(Ⅲ群)における透析時の血清中ガドブトロール除去率
Dose
(mmol/kg)
0.1
0.3
Time of dialysis
n
Day of injection pre-dialysis
48 hours post injection post 2nd dialysis
96 hours post injection post 3rd dialysis
Day of injection pre-dialysis
48 hours post injection post 2nd dialysis
96 hours post injection post 3rd dialysis
168 hours post injection
5
4a
5
6
6
6b
1
Serum gadobutrol elimination ratio (%)
Mean±SD
Minimum Median Maximum
71.98±12.91
50.40
76.00
82.80
97.13±2.22
94.70
97.25
99.30
98.80±0.63
98.10
98.60
99.60
65.07±13.96
48.50
66.25
78.70
91.45±4.42
85.50
92.55
96.00
97.37±2.27
94.30
98.10
99.80
99.60
99.60
99.60
99.60
a: For one patient, value after dialysis at 48 hours post injection was missing.
b: In one patient, the third dialysis session was at 120 hours post injection because of a serious adverse event.
(Source: Text Table 11 in page 54 of the study report B245, 5.3.3.3.1)
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2.2.3.2
Page
17 of
57
外国人高齢及び非高齢健康男性及び女性を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 91798/308183:報告書 A40982)
参照項目:5.3.3.3.2 A40982
健康な白人非高齢男性及び女性被験者(18~45 歳)及び健康な白人高齢男性及び女性被験者
(65 歳以上)を対象に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与し、本剤の薬物動態及び安全性につい
て検討した。本試験は単施設、非盲検、単回投与、単剤投与、並行群間、非無作為化試験であり、
非高齢男性被験者群、非高齢女性被験者群、高齢男性被験者群及び高齢女性被験者群の 4 群に各
群 8 例ずつ組入れた(計 32 例)。試験に組入れられた 32 例のうち高齢女性被験者 1 例は、除外
基準に該当したため、投与が中止された。本剤が投与された計 31 例には、重大なプロトコール
逸脱はなく、全例を解析対象とした。
本剤 0.1mmol/kg を被験者 31 例に単回静脈内投与し、ガドブトロールの薬物動態を評価した。
投与速度は 2mL/秒とした。血液及び尿を投与前及び投与 48 時間後まで採取し、血漿及び尿中 Gd
濃度を測定した。試料中 Gd 濃度はバリデートした ICP-MS を用いて測定した。本測定法の血漿及
び尿における定量下限は、共に 0.0636μmol/L であった。
高齢及び非高齢の男性及び女性被験者に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与した際のガドブト
ロールの主要な薬物動態学的パラメータを表 2.7.2.2.3.2-1に、副次的な薬物動態学的パラメー
タを表 2.7.2.2.3.2-2に示す。
高齢及び非高齢被験者に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与後、細胞外液への急速な分布とそ
の後の腎排泄のために、血漿中 Gd 濃度は速やかに減少した。ガドブトロールの尿中排泄は投与
12 時間後までにほぼ完了した。すべての被験者において投与した Gd 量が完全に尿中回収され、
群間に明らかな差はみられなかった。
表 2.7.2.2.3.2-1 高齢及び非高齢の男性及び女性被験者に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投
与した際のガドブトロールの主要な薬物動態学的パラメータ
Parameter
unit
AUC
CL
mol·h/L
t1/2
L/h
L/h/kg
h
Parameter
unit
AUC
CL
mol·h/L
t1/2
L/h
L/h/kg
h
Non-elderly men (N=8)
Geo. mean (%CV)
Range
891 (20.8%)
703 – 1249
8.88 (22.0%)
6.36 – 12.9
0.112 (20.8%)
0.0801 – 0.142
2.12 (14.1%)
1.75 – 2.82
Elderly men (N=8)
Geo. mean (%CV)
Range
1183 (12.4%)
894 – 1294
6.68 (7.25%)
6.14 – 7.47
0.0845 (12.4%)
0.0773 – 0.112
2.81 (8.55%)
2.34 – 2.98
Non–elderly women (N=8)
Geo. mean (%CV)
Range
849 (12.7%)
667 – 974
7.76 (14.4%)
6.56 – 9.51
0.118 (12.7%)
0.103 – 0.150
1.81 (8.26%)
1.68 – 2.14
Elderly women (N=7)
Geo. mean (%CV)
Range
1306 (20.1%)
986 – 1589
4.85 (14.2%)
4.34 – 6.05
0.0766 (20.1%)
0.0629 – 0.101
2.86 (14.8%)
2.33 – 3.72
Pharmacokinetic parameters were calculated by compartment model independent method
(Source: Text Table 15 on page 75 of the study report A40982, 5.3.3.3.2)
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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18 of
57
表 2.7.2.2.3.2-2 高齢及び非高齢の男性及び女性被験者に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投
与した際のガドブトロールの副次的な薬物動態学的パラメータ
Parameter
unit
Cmax
AUC(0–tlast)
MRT
Vss
mol/L
mol·h/L
AE,ur
h
L
L/kg
L
L/kg
L/h
L/h/kg
L/h
L/h/kg
(%ID)
Parameter
unit
Cmax
AUC(0–tlast)
MRT
Vss
mol/L
mol·h/L
Vz
CLR
CLNR
Vz
CLR
CLNR
AE,ur
h
L
L/kg
L
L/kg
L/h
L/h/kg
L/h
L/h/kg
(%ID)
Non-elderly men (N=8)
Geo. mean (%CV)
Range
478 (27.9%)
288 – 681
891 (20.8%)
703 – 1249
2.79 (13.6%)
2.40 – 3.71
24.8 (20.0%)
18.8 – 38.0
0.313 (18.8%)
0.214 – 0.419
27.1 (15.9%)
22.1 – 38.2
0.343 (15.5%)
0.252 – 0.421
9.35 (26.5%)
6.18 – 12.8
0.118 (26.3%)
0.0777 – 0.168
0a
0 – 0.539
0a
0 – 0.00694
106 ± 13.5 (12.7%)
93.6 – 137
Elderly men (N=8)
Geo. mean (%CV)
Range
502 (22.3%)
383 – 672
1183 (12.5%)
893 –1294
3.50 (9.59%)
2.97 – 3.82
23.4 (11.0%)
20.3 – 28.2
0.296 (8.08%)
0.258 – 0.333
27.1 (8.89%)
23.3 – 31.4
0.343 (7.70%)
0.297 – 0.378
6.78 (8.89%)
5.95 – 7.70
0.0857 (11.9%)
0.0775 – 0.114
0a
0 – 0.553
0a
0 – 0.00767
102 ± 4.69 (4.62%)
91.5 – 105
Non-elderly women (N=8)
Geo. mean (%CV)
Range
488 (24.4%)
316 – 677
849 (12.7%)
667 – 974
2.38 (10.2%)
2.15 – 2.82
18.5 (13.4%)
15.0 – 22.0
0.280 (15.4%)
0.223 – 0.367
20.3 (10.6%)
16.9 –23.0
0.308 (11.9%)
0.257 – 0.363
7.81 (14.0%)
6.21 – 9.34
0.118 (12.7%)
0.0994 – 0.147
0.00962a
0 – 0.517
0.000136a
0 – 0.00635
101 ± 5.15 (5.11%)
94.5 – 109
Elderly women (N=7)
Geo. mean (%CV)
Range
481 (27.4%)
325 – 695
1306 (20.1%)
986 – 1589
3.81 (26.2%)
2.64 – 6.20
18.5 (20.9%)
14.9 – 27.1
0.291 (17.9%)
0.233 – 0.390
20.0 (12.7%)
17.2 – 23.4
0.316 (13.2%)
0.251 – 0.381
4.73 (17.0%)
3.94 – 6.34
0.0747 (21.0%)
0.0607 – 0.106
0.0761a
0 – 0.604
0.00110a
0 – 0.0108
97.8 ±6.41 (6.56%)
89.3 – 105
Pharmacokinetic parameters were calculated by compartment model independent method
AE,ur was expressed as arithmetic mean with the arithmetic standard deviation and the arithmetic coefficient of variation (%)
in parentheses in addition to range.
a: the median is given
(Source: Text Table 16 on page 76 of the study report A40982, 5.3.3.3.2)
薬物動態学的パラメータ AUC 及び CL に対する年齢層、性別の効果及び年齢層-性別の交互作用
の効果を分散分析(ANOVA)により解析した。AUC 及び CL に対して有意な年齢層の効果が認めら
れた(両パラメータ共に p<0.0001、有意水準:α=0.05)。非高齢男性及び女性に比べて高齢
男性及び女性における血漿クリアランスはそれぞれ約 25%(0.112 vs 0.0845L/h/kg)及び 35%
低下(0.118 vs 0.0766L/h/kg)、AUC はそれぞれ 33%(891 vs 1183μmol·h/L)及び 54%増加
(849 vs 1306μmol·h/L)、t1/2 はそれぞれ約 33%(2.12 vs 2.81 時間)及び 58%(1.81 vs
2.86 時間)延長した。
性別については、CL に対してのみ有意な効果が認められ(p=0.0003)、AUC に対しては有意な
効果はみられなかった(p=0.6806)。また、両パラメータに対しても年齢層-性別の交互作用の
効果はみられなかった(AUC:p=0.2319、CL:p=0.1014)。CL に対する性別の影響について更に
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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19 of
57
調べるため、体重補正した CL に対する年齢層、性別の効果及び年齢層-性別の交互作用の効果を
ANOVA により解析した。有意な効果(有意水準:α=0.05)は年齢層にのみ認められ、性別及び
年齢層-性別の交互作用には認められなかった。
以上の結果から、体重補正しない CL に対して認められた性別の効果は、男女間の体重差に起
因するものであり、体重補正した CL は性別に依存しないと考えられる。
2.7.2.2.3.3
外国人小児/若年被験者を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 310788:報告書 A40794)
参照項目:5.3.3.3.3 A40794
外国人小児/若年被験者(2~17 歳)を対象に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与し、本剤の
国外における標準用量(0.1mmol/kg)を投与したときの血漿中薬物動態、安全性及び忍容性につ
いて検討した。なお、Gd の腎排泄についても併せて検討した。また、脳、脊髄、肝又は腎の MRI、
あるいは MRA の検査と共に、本剤 0.1mmol/kg を小児/若年被験者に投与した際の定性的画像評
価も実施した。本試験は多施設、非盲検試験であり、ルーチン Gd 造影 MRI 検査を受ける予定の
2~17 歳の小児/若年被験者を組入れ、3 つの年齢層群(2~6 歳群、7~11 歳群及び 12~17 歳
群)に振り分けた。試験に組入れられた 140 例のうち 2 例は、治験薬が投与されなかったため、
試験脱落とした。他の 3 例には重大なプロトコール逸脱があったため、治験実施計画書に適合し
た解析対象集団(PPS)から除外した。更に、5 例は、血漿中 Gd 濃度の測定結果(異常な血漿中
Gd 濃度推移:投与前に高 Gd 濃度を示した)に基づき、最終薬物動態解析対象例から除外した。
本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与した被験者 130 例について、ガドブトロールの薬物動態を
評価した。投与速度は 0.8~3.0mL/秒であった。血液を投与前及び投与 8 時間後まで採取し、血
漿及び尿中 Gd 濃度を測定した。蓄尿が可能な被験者において、投与 6 時間後まで蓄尿した。試
料中 Gd 濃度はバリデートした ICP-MS を用いて測定した。本測定法の血漿及び尿における定量下
限は、共に 0.0636μmol/L であった。
母 集 団 薬 物 動 態 解 析 に 含 ま れ た 全 小 児 / 若 年 被 験 者 の 個 別 血 漿 中 Gd 濃 度 推 移 を 図
2.7.2.2.3.3-1に示す。
小児/若年被験者におけるガドブトロールの薬物動態は、中央コンパートメントからの消失を
伴う 2 コンパートメントモデルにより適切に表すことができた。アロメトリックモデルと同様に
体重が、全身クリアランス(CL)及び中央コンパートメントの分布容積(V1)に関連する主要な
共変数であった。構築した最終モデルにおける母集団薬物動態学的パラメータ及び共変量を表
2.7.2.2.3.3-1に示す。CL 及び V1 の個体間変動はそれぞれ 18.5%及び 28.6%であった。小児/
若年被験者集団における個々の posthoc 推定値から算出した年齢カテゴリーごとの薬物動態学的
パラメータを表 2.7.2.2.3.3-2に示す。
体表面積補正した CL に比べて、体重補正した CL の方がより高い相関を示した。体重に加え、
体表面積 1.73m2 により補正した糸球体ろ過量の推定値を指標とした腎機能の個体差が、ガドブ
トロールの CL の個体間変動に寄与した。
年齢及び性別は、小児/若年被験者におけるガドブトロールの薬物動態に影響を及ぼす独立し
たパラメータではなかった。体重とガドブトロールの CL の間には非線形な関連が認められたた
め、本剤 0.1mmol/kg が投与された場合には、2~6 歳群では 12~17 歳群に比べてやや低い AUC
2.7.2 臨床薬理試験
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の中央値(それぞれ 815 及び 1167μmol·h/L)を示す傾向がみられたが、各群の AUC の分布は、
大部分が同様な範囲内であった。
最終母集団薬物動態モデルに基づいて、体重が異なる被験者の投与 30 分後の血漿中 Gd 濃度を
をシミュレーションにより予測を行ったところ、被験者間における投与 30 分後の血漿中 Gd 濃度
の中央値の差はわずかなものであった。このことから、2~17 歳の小児/若年被験者に体重補正
した用量(0.1mmol/kg)のガドブトロールを投与した場合、MRI 撮像が行われる投与後の初期相
では、被験者の体重にかかわらず同程度の Gd 濃度が得られると予測された。
すべての小児/若年被験者において、投与後約 6 時間以内に投与量の 94%以上(算術平均)
が尿中に排泄され、成人被験者と同様に、ガドブトロールは糸球体ろ過により体内から速やかに
排泄されることが確認された。
4
3
2
Gd plasma concentration (µmol/L)
1,000
8
6
5
4
3
2
100
8
6
5
4
3
2
10
8
6
5
4
3
2
1
0
2
4
6
8
10
12
Time (h)
(Source: TF1 on page 90 of the study report A40794, 5.3.3.3.3)
図 2.7.2.2.3.3-1 小児/若年被験者 130 例に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与した際の被験
者ごとの血漿中 Gd 濃度推移
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.2.3.3-1 最終モデルにおける小児/若年被験者集団における母集団薬物動態学的
パラメータ
Parameter
Estimate
RSE [%]a
LLCIb
ULCIc
Description
0.239
2.6
0.226
0.252
Systemic clearance normalized to body
Fixed Effects
CL/WGHT0.75
0.75
[L/h/kg
]
V1/WGHT
weight to a power of 0.75
0.141
8.4
0.117
0.165
[L/kg]
Central volume of distribution
normalized to body weight
Q [L/h]
1.32
14.8
0.930
1.71
Inter-compartmental clearance
V2 [L]
1.59
11.4
1.23
1.95
Peripheral volume of distribution
CCRM_CL
0.487
13.1
0.359
0.615
Percent increase/decrease in CL per 1%
[%]
change in estimated GFR at baseline
relative to median (132 ml/min/1.73 m²)
Random Effects (Interindividual variability)
IIV_CLd
18.5
28.9
12.0
23.2
28.6
36.3
15.0
37.6
IIV_Q
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
IIV_V2
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
28.8
17.2
23.4
33.4
[%CV]
IIV_V1
[%CV]
Residual error
SIGMA [%]
Proportional residual error
a: Relative standard error, expressed as percentage of the estimate
b: Lower limit of 95% confidence interval
c: Upper limit of 95% confidence interval
d: Coefficient of variation, calculated as the square root of the variance, which is approximately equivalent to CV%
WGHT: Body weight, CCRM: Calculated creatinine clearance, synonymously used for estimated GFR,
IIV: Interindividual variability
n.a. = not applicable
(Source: Table 12-5 in page 36 of Appendix 16.1.1.e in the study report A40794, 5.3.3.3.3)
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表 2.7.2.2.3.3-2 小児/若年被験者集団における個々の posthoc 推定値から算出した薬物動
態学的パラメータ
(Source: TT25 on page 92 of the study report A40794, 5.3.3.3.3)
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2.7.2 臨床薬理試験
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2.7.2.2.3.4
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外国人乳幼児被験者を対象とした本剤の単回投与試験
(試験 91741:報告書 PH-37277)
参照項目:5.3.3.3.4 PH-37277
5.3.3.5.2 PH-37807
2 歳未満の外国人乳幼児被験者(正期産新生児から 23 ヵ月までの乳幼児)を対象に本剤
0.1mmol/kg を単回静脈内投与し、本剤の薬物動態について検討した。また、副次的評価として、
2 歳未満の小児被験者における本剤の標準用量(0.1mmol/kg)を投与したときの安全性及び忍容
性の検討、並びに本剤の造影画像の定性的評価を実施した。更に、Schwartz 式による本剤投与
前の糸球体ろ過量(eGFR)を評価した。
本試験は、ルーチンの Gd 造影 MRI 検査を受ける予定の 2 歳未満の乳幼児被験者を対象とした
多施設、非盲検試験であった。試験に組入れられた 47 例のうち 3 例は適格基準に該当しなかっ
たためスクリーニング不適格例となった。この 3 例は治験薬が投与されなかったため、試験脱落
とした。47 例中 44 例が治験薬投与を受け、試験手順を完了した。この 44 例を最大の解析対象
集団(FAS)及び安全性解析対象集団(SAF)とした。薬物動態解析対象集団は治験実施計画書に
適合した被験者集団(PPS、43 例)とした。
本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与した被験者 43 例について、血漿中ガドブトロールの薬物動
態を評価した。血漿中 Gd 濃度を測定するための血液検体は、少数点採血法によって採取した。
本剤投与後 8 時間までに、各被験者からガドブトロールの薬物動態評価のための血液検体を 3 回
採取した。血漿中濃度の測定は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS 法)を用いて行った。
全被験者の血漿中 Gd 濃度推移を図 2.7.2.2.3.4-1に示す。43 例全例の血漿中濃度は時間経過と
共に一様に低下した。
(Source: Figure 9-1 on page 64 of the study report PH-37277, 5.3.3.3.4)
図 2.7.2.2.3.4-1 2 歳未満の乳幼児被験者 43 例に本剤 0.1mmol/kg を単回静脈内投与したとき
の全被験者の血漿中 Gd 濃度推移
2.7.2 臨床薬理試験
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本試験の母集団薬物動態解析では、先に構築された 2~17 歳の小児/若年被験者の母集団薬物
動態モデル(5.3.3.3.3 A40794、Appendix 16.1.1.e)を本試験の被験者集団における血漿中濃
度データにあてはめた。特に 2 ヵ月未満の乳幼児被験者では血漿中濃度が実測よりもわずかに低
くなることを予測し、モデルを改良した。詳細は母集団薬物動態解析報告書(5.3.3.5.2 PH37807)に示す。
年齢 0~2 歳未満の乳幼児被験者におけるガドブトロールの薬物動態は、中央コンパートメン
トからの消失過程を持つ線形 2 コンパートメントモデルにより適切に表すことができた。小児被
験者(2~17 歳)で構築した母集団薬物動態モデルと同様、体重が CL 及び V1 に関する共変量で
あった。構築した最終モデルにおける母集団薬物動態学的パラメータ及び共変量を表
2.7.2.2.3.4-1に示す。生後数週は生後成熟による腎機能に差があることが知られているため1,2)、
予想される CL の違いは、体重に加えて年齢により層別(0~2 ヵ月未満及び 2 ヵ月以上)するこ
とにより評価した。その結果、ガドブトロールの CL 値の被験者間変動を大幅に小さくすること
が可能となった。2 ヵ月未満の新生児被験者で認められた曝露量のわずかな上昇は、2 ヵ月以上
の小児被験者と比べて CL(体重で補正)を 42%小さくすることで適切に表すことができた。こ
の共変量を CL に加えることによって、真度と精度の観点から CL の変動をより良好に記述でき、
かつ正確で精度の高い被験者固有の CL の推定値を得ることができた。
表 2.7.2.2.3.4-1 最終モデルにおける 2 歳未満の乳幼児被験者集団における母集団薬物動態学
的パラメータ
Estimate
RSE [%]a
LLCIb
ULCIc
Description
0.129
5.60
0.115
0.143
Systemic clearance normalized to body weight to a
power of 0.75 for age group 0 - < 2 months
V1/WGHT [L/kg]
0.193
8.81
0.160
0.226
Central volume of distribution normalized to body
weight to a power of 1
Q [L/h]
1.32 FIX
-
-
-
Inter-compartmental clearance
V2 [L]
0.604
13.8
0.441
0.767
Peripheral volume of distribution
CL/WGHT0.75_AGEG_2
0.224
3.92
0.207
0.241
Systemic clearance normalized to body weight to a
power of 0.75 for age group ≥ 2 months
Parameter
Fixed Effects
CL/WGHT0.75_AGEG_1
[L/h/kg0.75]
[L/h/kg0.75]
Random Effects (Interindividual variabilityd)
IIV_CL [%CV]
16.2
24.6
11.7
19.8
Inter-individual variability of CL
19.8
29.4
12.9
24.8
Proportional residual error of plasma Gd
concentrations
Residual error
SIGMA [%CV]
a: Relative standard error, expressed as percentage of the estimate
b: Lower limit of 95% confidence interval (estimation - 1.96x standard deviation)
c: Upper limit of 95% confidence interval (estimation + 1.96x standard deviation)
d: The coefficient of variation (CV) is calculated here by an approximation (first-order Taylor expansion) which is the square
root of the variance
WGHT: Body weight, CCRM: Calculated creatinine clearance, synonymously used for estimated GFR,
IIV: Interindividual variability
(Source: Table 11-1 in page 28 of in the population PK report PH-37807, 5.3.3.5.2)
主な薬物動態学的パラメータ(CL/kg、Vss/kg、AUC、t1/2 及び MRT)の中央値、最小値及び最大
値を表 2.7.2.2.3.4-2に示す。
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.2.3.4-2 2 歳未満の乳幼児被験者集団における個々の posthoc 推定値から算出した
薬物動態学的パラメータ
(Source: Table 9-2 on page 66 of the study report PH-37277, 5.3.3.3.4)
各被験者の AUC の推定値と年齢の関係を図 2.7.2.2.3.4-2に示す。本被験者集団全体の曝露量
の推定値はほぼ同程度であった。年齢の低下と共に AUC はわずかに高くなる傾向を示した。AUC
が高くなる傾向は、特に 2 ヵ月までの新生児被験者で大きかった。この傾向は、モデルに共変量
として年齢を加えることにより観測値がよく説明できることと一致するものであった。
(Source: Figure 9-2 on page 66 of the study report PH-37277, 5.3.3.3.4)
図 2.7.2.2.3.4-2 最終母集団薬物動態モデルから算出された個々の AUC と年齢の関係
血漿中 Gd 濃度のシミュレーション
MRI においては、投与初期の血漿中濃度が重要であるので、均一な年齢分布を示す乳幼児仮想
患者 2400 例を発生させ、本剤投与 20 分及び 30 分後での血漿中 Gd 濃度(C20、C30)を、最終母
集団薬物動態モデルの残差及び CL の個体間変動を考慮して、シミュレートした。シミュレー
ションの結果を表 2.7.2.2.3.4-3に示す。
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.2.3.4-3 2 歳未満の乳幼児仮想患者における最終母集団薬物動態モデルに基づいてシ
ミュレートされたガドブトロール 0.1mmol/kg 投与 20 分及び 30 分後の血漿
中 Gd 濃度(μmol/L)
a: Gd plasma concentration at time=20 min and time=30 min after drug application
(Source: Table 9-3 on page 67 of the study report PH-37277, 5.3.3.3.4)
シミュレーションにより得られた全被験者のガドブトロール 0.1mmol/kg 投与 20 分及び 30 分
後の血漿中 Gd 濃度の中央値(5 及び 95 パーセンタイル値)は、それぞれ 339(230、456)μ
mol/L、及び 292(194、394)μmol/L であった。
2.7.2 臨床薬理試験
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2.7.2.3
2.7.2.3.1
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全試験を通しての結果の比較と解析
本剤の薬物動態
2.7.2.2.2.1 で 示 し た と お り 、 日 本 人 健 康 成 人 男 性 を 対 象 と し て 本 剤 0.1 、 0.2 及 び
0.3mmol/kg を単回投与後、血漿中 Gd 濃度は 2 相性の消失を示した。本剤静脈内投与後の Cmax 及
び AUC は投与量に比例した増加を示し、t1/2、CL 及び Vss などの他の薬物動態学的パラメータにお
いても一定の値が得られており、検討した投与量範囲においてガドブトロールの薬物動態は線形
性を示すと考えられた。Vss は体重の約 20%であり、細胞外液量が体重の約 22%と見積もられる
3)
ことからガドブトロールは主に細胞外液中に分布するものと考えられた。本剤静脈内投与後の
尿中への排泄は速やかで、投与 12 時間後にはほぼ完了することが示された。また、Gd の尿中排
泄率は高く、CL、CLR 及び CLcr が同程度であったことから、ガドブトロールの主排泄経路は尿中
排泄であり、主に糸球体ろ過により未変化体として尿中に排泄されるものと考えられた(試験
310865)。
2.7.2.3.2
2.7.2.3.2.1
日本人と白人との薬物動態の類似性
Standard Two Stage 法による解析
本剤(試験 310865、97113 及び 307362)及び SH L562A(試験 93016 及び 92001)を用いた薬
物動態試験における被験者背景及び各製剤の薬物動態学的パラメータの日本人(国内試験)と外
国 人 ( 国 外 試 験 ) と の 比 較 を 、 そ れ ぞ れ 表 2.7.2.3.2.1-1 、 表 2.7.2.3.2.1-2 及 び 表
2.7.2.3.2.1-3に示す。
薬物動態試験に参加した日本人及び外国人の被験者背景を比較した場合、日本人に比較して外
国人の平均体重は約 20%~30%大きく、平均年齢も高かった。また、各被験者の血清クレアチ
ニン、体重及び年齢を用いて計算した CLcr(mL/min)は、日本人及び外国人共に同程度であった。
本剤静脈内投与後の薬物動態学的パラメータの比較では、投与量 0.1mmol/kg で補正した AUC
及び Cmax は日本人及び外国人共に投与量にかかわらず一定であったが、投与量補正後 AUC は日本
人では 0.1~0.3mmol/kg の投与量において 942~1034μmol·h/L(試験 310865)、外国人では
0.1~0.5mmol/kg の投与量において 1215~1271μmol·h/L(試験 97113 及び 307362)であり、静
脈内投与後の全身曝露(AUC)は外国人に比較して日本人で小さいことが示唆された。一方、投
与量補正後 Cmax は日本人で 1258~1319μmol/L(試験 310865)、外国人で 830~936μmol/L(試
験 97113 及び 307362)であったが、日本人及び外国人共に被験者間でのばらつきが大きく(CV
値 31.5%~59.4%)、その範囲を比較すると重複する部分も多かった。また、t1/2、Vss 及び CL
の比較では、t1/2 及び Vss(L/kg)に日本人と外国人との差はみられなかったが、CL は全身曝露が
日本人においてやや小さいことを反映し、外国人(1.39~1.43mL/min/kg)に比較して日本人
(1.64~1.79mL/min/kg)でいくぶん高かった。
なお、SH L562A 静脈内投与後の薬物動態学的パラメータの比較では、投与量 0.1mmol/kg で補
正した AUC は日本人及び外国人共に投与量にかかわらず一定であったが、日本人では 0.05~
0.4mmol/kg の投与量において 783~912μmol·h/L(試験 93016)、外国人では 0.04~0.4mmol/kg
の投与量において 1073~1239μmol·h/L(試験 92001)であり、本剤投与時と同様に平均 AUC は
2.7.2 臨床薬理試験
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外国人に比較して日本人で小さいことが示唆された。t1/2 については、日本人での値の変動が大
きかったが、外国人での値が本剤投与時と類似していることから差はないと考えられた。一方、
上述の本剤における結果と同様に、CL(mL/min/kg)は外国人に比較して日本人で高値を示した。
ガドブトロール静脈内投与後の主排泄経路は尿中であり、尿中排泄率に日本人と外国人との差は
なかった。また、日本人及び外国人共に尿検体中に代謝物は認められなかった。
以上のように、本剤と SH L562A 共に同様な結果が得られたことから、両製剤間に薬物動態の
違いはないと考えられた。ガドブトロール静脈内投与後の薬物動態比較において、t1/2 及び Vss に
差はなかった。日本人と外国人においてガドブトロールは代謝を受けないことが確認され、未変
化体として投与 12 時間後までにほぼ完全に尿中に排泄された。外国人に比較して日本人の AUC
はやや低く、CL はやや大きかった。国外試験に参加した被験者の体重及び年齢は、国内試験に
参加した被験者に比べて高く、これら被験者背景因子がガドブトロールの AUC や CL に影響を及
ぼす可能性が示唆された。
表 2.7.2.3.2.1-1 ガドブトロールの薬物動態試験の被験者背景の比較
Study #
Report #
Product
# of subjects a
Race
93016
AS29
SH L562A
23
23 Japanese
92001
9746
SH L562A
24
24 Caucasian
62.6±7.0
73.3±8.5
61.9±7.0
(47.9-77.0)
(64.0-86.0)
(46.5-81.5)
Age (year)
24.1±3.0
28.8±4.3
22.7±3.3
(20-32)
(23-35)
(20-34)
CLcr (mL/min) b
139±16
123±15
125±16
(100-172)
(107-147)
(95-151)
Values represent Mean±SD with range in parentheses.
AA: African American
a: Number of subjects whose pharmacokinetics was evaluated.
b: Creatinine clearance values calculated according to the following Cockcroft-Gault equation;
for male : CLcr = (140 − age) × (body weight) / [72 × (serum creatinine)]
for female : CLcr = 0.85 × CLcr (male)
81.7±9.6
(66.0-101.4)
30.5±5.3
(21-39)
131±22
(99-179)
Body weight (kg)
310865
A39759
SH L562BB
32
32 Japanese
97113
B000
SH L562BB
6
5 Caucasian
1 other
307362
A21381
SH L562BB
61
22 Caucasian
33 AA
4 Asian
1 Hispanic
1 other
79.7±15.8
(49.5-115.0)
34.4±9.4
(19-60)
129±33
(83-244)
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.2.3.2.1-2 本剤単回静脈内投与後の日本人と外国人とのガドブトロールの
薬物動態学的パラメータの比較
Race
(Study #)
Japanese
(310865)
Dose
(mmol/kg)
0.1
AUC
Cmax
t1/2
Vss
(µmol·h/L)
(µmol/L)
(h)
(L/kg)
1033.9±137.7
1318.8±520.2
1.83±0.23
0.21±0.03
(1034)a [13.3]b
(1319)a [39.5]b
0.2
2020.5±233.7
2636.3±830.8
1.78±0.21
0.20±0.03
(1010)a [11.6]b
(1318)a [31.5]b
0.3
2826.4±318.2
3775.0±1230.4
1.83±0.18
0.22±0.03
(942)a [11.3]b
(1258)a [32.6]b
non-Japanese
0.3
3644.7±422.7
2562.9±832.4
2.01±0.23
0.194±0.017
(97113)
(1215)a [11.6]b
(854)a [32.5]b
non-Japanese
0.1
1244±315
936±556
1.84±0.38
0.201±0.055
(307362)
(1244)a [25.3]b
(936)a [59.4]b
0.3
3755±962
2491±849
1.81±0.35
0.194±0.048
(1252)a [25.6]b
(830)a [34.1]b
0.5
6357±1554
4437±1458
1.83±0.36
0.194±0.050
(1271)a [24.4]b
(887)a [32.9]b
Values represent Mean±SD analyzed by a non-compartment model.
Pharmacokinetic parameters in Japanese were quoted from Table 11 of the study report A39759, 5.3.3.1.1.
a: Values in parentheses ( ) represent mean values adjusted to a dose 0.1mmol/kg.
b: Values in parentheses [ ] represent coefficients of valiation (%).
CL
(mL/min/kg)
1.64±0.21
1.68±0.23
1.79±0.18
1.39±0.14
1.43±0.34
1.41±0.34
1.40±0.33
表 2.7.2.3.2.1-3 SH L562A 単回静脈内投与後の日本人と外国人とのガドブトロールの
薬物動態学的パラメータの比較
Race
(Study #)
Japanese
(93016)
Dose
(mmol/kg)
0.05
0.1
0.2
0.4
non-Japanese
(92001)
0.04
0.1
0.4
AUC
(µmol·h/L)
391.4±51.1
(783)
861.4±88.9
(861)
1690.2±205.1
(845)
3648.0±544.8
(912)
429±37.4
(1073)
1117±93.7
(1117)
4954±627
(1239)
t1/2
(h)
1.59±0.58
CL
(mL/min/kg)
2.16b
AE,ur
(%)a
99.6±12.1
2.30±2.10
1.91b
97.4±5.0
1.32±0.39
2.00b
107.2±9.3
1.19±0.14
1.86b
103.1±1.4
1.87±0.12
1.56±0.13
94.4±3.40
1.88±0.19
1.50±0.13
100.3±2.60
1.69±0.20
1.37±0.17
99.5±4.62
Values represent Mean±SD.
Values in parentheses represent mean values adjusted to a dose 0.1mmol/kg.
Plasma pharmacokinetic parameters in Japanese were analyzed by a 2-compartment model.
Plasma pharmacokinetic parameters in non-Japanease were analyzed by a non-compartment model.
a: Amount of gadolinium excreted into urine from zero to 48 hours (Japanese) or 72 hours (non-Japanese), expressed as % of
dose.
b: The mean value just represents with the unit converted from mL/h/kg in the report to mL/min/kg.
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.2.3.2.2
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57
母集団薬物動態解析(試験 13226:報告書 A44213)
参照項目:5.3.3.5.1 A44213
表 2.7.2.1-1に示した国内外の第Ⅰ相試験 5 試験(試験 310865、93016、97113、307362、
92001)から得られた薬物動態データセットを用い、ガドブトロールの薬物動態に対する主要な
被験者背景(年齢、体重及び人種)の共変量効果を検討するため、母集団薬物動態解析を実施し
た。全試験より得られた全薬物動態データに基づいて薬物動態の人種間比較を行うため、統合的
評価が可能な本解析方法を選択した。被験者のほとんどは白人又は日本人であったが、その他の
人種(黒人、ヒスパニック系及び日本人以外のアジア人)も含まれていた。人種の共変量効果を
検討するためには、全被験者をアジア人群(日本人及び日本人以外のアジア人)とその他の人種
からなる非アジア人群の 2 群に分類した。この解析では 146 例から得られた血漿/血清及び尿中
Gd 濃度、それぞれ 3639 及び 522 点のデータを用いた。
解析には混合効果モデルを使用した。基本モデルとして、2 コンパートメント及び 3 コンパー
トメントモデルを使用し、濃度推移の適合性を検討した結果、3 コンパートメントモデルが最も
適切に血漿及び尿中濃度推移を反映することが明らかになり、3 コンパートメントモデルを使用
した最終モデルが、共変量効果を解析するのに適していると判断した。なお、血漿中濃度には比
例誤差モデルを、また、尿中濃度には混合誤差モデルを用いた。
最終モデルでは体重を CLR 及び中央コンパートメントにおける分布容積(V1)並びに末梢コン
パートメントにおける分布容積(V2、V3)に、年齢を CLR に、またアジア人を V1 及び V2 に影響を
及ぼす共変量とした。構築した最終モデルにおける母集団薬物動態学的パラメータ及び共変
量を表 2.7.2.3.2.2-1に示す。
データセットに含まれる被験者の人口統計学的分布の上端/下端と平均値を比較することによ
り、これら各パラメータの影響の程度を推定した。使用したデータセットでは、体重が 46.5~
115kg、年齢が 19~60 歳であった。CLR は、平均値 6.4L/h と比較して、最低体重で 20.7%減少
し、最大体重で 27.4%増加した。また、最低年齢で 8.2%増加し、最高年齢で 18.5%減少した。
体重や年齢以外に、人種差のクリアランスに対する影響はみられなかった。分布容積(V1、V2、
V3)は体重幅を考慮した場合、V1、V2 及び V3 のそれぞれの平均値 9.19、5.38 及び 1.76L と比較
して、V1 で-19.7%~26.0%(アジア人において最大 35.1%までの減少)、V2 で-37.5%~49.5%
(アジア人で最大 33%までの増加)及び V3 で-17.9%~23.6%の変動を示した。
2.7.2 臨床薬理試験
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57
表 2.7.2.3.2.2-1 最終モデルにおける母集団薬物動態学的パラメータ
Parameter
Mean population value / equation
Standard
error
95% confidence
interval limits
Lower
Upper
PK parameters
CLR (L/h)
WGHT on CLR
AGE on CLR
CLNR (L/h)
V1 (L)
WGHT on V1
RACE=3 on V1
V2 (L)
WGHT on V2
RACE=3 on V2
V3 (L)
WGHT on V3
Q2 (L/h)
Q3 (L/h)
6.400
CLR*[1+0.00702*(WGHT-76.02)]
CLR*[1-0.00651*(AGE-31.54)]
0.195
9.190
V1*[1+0.00667*(WGHT-76.02)]
V1*0.649
5.38
V2*[1+0.0127*(WGHT-76.02)]
V2*1.33
1.76
V3*[1+0.00606*(WGHT-76.02)]
20.8
0.398
0.075
0.000825
0.00134
0.020
0.282
0.00206
0.0421
0.228
0.00216
0.0983
0.077
0.00098
1.23
0.029
6.250
0.005
-0.009
0.154
8.626
0.003
0.565
4.924
0.008
1.133
1.605
0.004
18.340
0.339
6.550
0.009
-0.004
0.236
9.754
0.011
0.733
5.836
0.017
1.527
1.915
0.008
23.260
0.457
0.0377 (19.4%)
0.124 (35.2%)
0.0344 (18.5%)
0.110 (33.2%)
0.0308 (17.5%)
0.135 (36.7%)
0.00418
0.0197
0.00557
0.0218
0.00613
0.129
17.129%
29.086%
15.251%
25.768%
13.616%
-
21.462%
40.423%
21.340%
39.192%
20.751%
-
0.0266 (16.3%)
0.0373 (19.3%)
79.400
0.00287
0.00758
12.500
14.443%
14.880%
54.400
17.983%
22.904%
104.400
Inter-individual variability
CLR
V1
OMEGA BLOCK CLR-V1
V2
V3
Q2
Residual error
Plasma/CV error model
Urine/CV error model
Urine/Additional error model
Q2: Intercompartment clearance between compartments of V1 and V2.
Q3: Intercompartment clearance between compartments of V1 and V3.
WGHT: Body weight; AGE: Age; RACE=3: Asian.
(Source: Table 12-4 in page 28 of the study report A44213, 5.3.3.5.1)
最終モデルより得られた体重の共変量効果を補正したモデルデータでは、V1 及び V2 において日
本人、日本人以外のアジア人と非アジア人の間にわずかな差が検出された(図 2.7.2.3.2.2-1)。
V1 の中央値は他の人種と比較して、アジア人(日本人及び非日本人)で小さかった。試験間の V1
の中央値の差異に対して、試験内における変動ははるかに大きかった。日本人(試験 93016 及び
310865)で V2 が大きい傾向が認められたが、日本人以外のアジア人(試験 307362)ではその傾
向はみられなかった。ガドブトロールの初期分布相に関連が大きいパラメータである V1 及び V2
について更に検討するため、投与 5 分及び 10 分後の血漿中 Gd 濃度の実測データを試験間比較し
た(図 2.7.2.3.2.2-2)。日本人以外のアジア人を含む国外試験(試験 307362)では、この時点
での採血・測定を実施しなかったため、本評価には含めなかった。これら濃度データの中央値及
び分布は国内試験と国外試験の間で同程度であり、日本人と外国人との類似性が確認され、初期
分布相において人種間で曝露に差はないことが示唆された。
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In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “·” mean
5%- and 95%-points.
(Source: Figure 12-4 in page 30 and Figure 12-5 in page 31 of the study report A44213, 5.3.3.5.1)
図 2.7.2.3.2.2-1 アジア人及び非アジア人における体重の共変量効果を補正した
推定 V1 及び V2 値
In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “·” mean
5%- and 95%-points.
(Source: Figure 12-6 in page 32 and Figure 12-7 in page 33 of the study report A44213, 5.3.3.5.1)
図 2.7.2.3.2.2-2 アジア人及び非アジア人における投与量 0.1mmol/kg で補正した
投与 5 分後(左)及び 10 分後(右)の血漿中 Gd 濃度
また、ガドブトロールの薬物動態特性を更に検討する目的で、最終モデルに基づき日本人及び
白人における曝露(AUC)並びに投与 20 分及び 30 分後の平均血漿中 Gd 濃度を予測するシミュ
レーションを行った。日本人と白人での体重及び年齢差を考慮した場合、推定された投与 20 分
及び 30 分後の血漿中 Gd 濃度に日本人と白人との差は認められなかった(図 2.7.2.3.2.2-3)。
試験 307362 で、日本人以外のアジア人被験者 4 例に 3 用量のガドブトロール(0.1、0.3 及び
0.5mmol/kg)が投与され、初期相では投与 2、4、6、15 及び 30 分後に採血・測定を実施した。
平均体重及び年齢は、61.5kg(日本人被験者の体重と同様)及び 31.3 歳〔日本人被験者の平均
年齢 24.1 歳(試験 310865)より高く、白人被験者の年齢と同様〕であった。血漿中 Gd 濃度を
0.1mmol/kg BW で補正したとき、投与 30 分後の血漿中 Gd 濃度(中央値)は 444μmol/L(範囲:
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297~560μmol/L、n=11)で、日本人被験者集団よりやや高かったが、濃度データの分布範囲は
ほぼ同様であった(試験 310865 における日本人被験者の中央値は 359μmol/L 及び範囲は 324~
447μmol/L)。日本人と日本人以外のアジア人被験者の年齢差を考慮した場合、日本人と日本人
以外のアジア人の投与 30 分後の血漿中 Gd 濃度に大きな差はないと考えられた。
更に、推定された曝露(AUC)については、体重及び年齢ガテゴリー別に部分集団解析を行っ
た結果、各部分集団の AUC に日本人と白人との差は認められなかった(図 2.7.2.3.2.2-4)。な
お、日本人被験者集団の平均体重 62.3kg から白人被験者集団の平均体重 78.2kg への増加により、
また日本人被験者集団の平均年齢 23.5 歳から白人被験者集団の平均年齢 32.6 歳への増加により、
AUC はそれぞれ約 12%及び約 6%増加すると推定された。このことから、日本人と外国人との間
で認められた AUC の差異は、試験対象とした日本人と外国人の被験者集団の体重及び年齢差に起
因する所見であると考えられた。
以上のように、ガドブトロールの血漿中薬物動態には、本質的な人種差はないと判断された。
また、ガドブトロールは日本人及び外国人共に代謝を受けず、糸球体ろ過により速やかに腎を介
して排泄されることが示された。
C20min: Simulated plasma concentration at 20 minutes after dosing.
C30min: Simulated plasma concentration at 30 minutes after dosing.
In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “·” mean
5%- and 95%-points.
(Source: Figure 13-2 in page 75 of the study report A44213, 5.3.3.5.1)
図 2.7.2.3.2.2-3 日本人及び白人における 0.1mmol/kg 静脈内投与時の投与 20 分後及び 30 分後
の血漿中 Gd 濃度
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In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “·” mean
5%- and 95%-points.
(Source: Figure 13-3 and Figure 13-4 in page 77 of the study report A44213, 5.3.3.5.1)
図 2.7.2.3.2.2-4 日本人及び白人における 0.1mmol/kg 静脈内投与時の体重及び年齢カテゴリー
別の曝露量シミュレーション
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2.7.2.3.3
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小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者における薬物動態
本剤の標準用量 0.1mmol/kg を静脈内投与したときの薬物動態、安全性及び忍容性を検討する
ために、2~17 歳の小児/若年被験者を対象とした臨床試験(2.7.2.2.3.3、試験 310788)及び
2 歳未満の乳幼児被験者(正期産新生児から 23 ヵ月までの乳幼児)を対象とした臨床試験
(2.7.2.2.3.4、試験 91741)を実施した。
両試験の薬物動態は、本剤投与後 8 時間までの 3 時点(時間範囲を設定)の血液検体を採取す
る少数時点採血法によって得られたデータに基づいて母集団薬物動態解析法を用いて評価した。
成人被験者集団において構築された母集団薬物動態モデル(2.7.2.3.2.2)をもとに、小児/
若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者集団における母集団薬物動態モデル(2.7.2.2.3.3、
2.7.2.2.3.4)を構築した。小児/若年被験者(2~17 歳)及び 2 歳未満の乳幼児被験者におけ
る本剤の薬物動態は、中央コンパートメントからの消失を伴う 2 コンパートメントモデルにより
適切に表すことができた。一方、成人被験者では、中央コンパートメントからの消失を伴う 3 コ
ンパートメントモデルが最も適切に血漿中 Gd 濃度推移を反映するモデルであった。成人被験者
と小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者で異なる薬物動態モデルが用いられた理由は、
成人被験者を対象とした薬物動態試験から得られたデータ構造が小児/若年被験者及び 2 歳未満
の乳幼児被験者を対象とした試験から得られたデータ構造とは異なっていたことに関係している。
成人被験者を対象とした薬物動態試験では、MRI の撮像が行われなかったため、投与直後の採血
及び頻回採血が可能であったことから、初期分布相(投与後 15 分以内)における血漿中 Gd 濃度
データを評価するために 3 コンパートメントモデルでの記述が最適となった。一方、小児/若年
及び 2 歳未満の乳幼児被験者の場合は、投与後 15 分以内の血漿中 Gd 濃度データがないため、2
コンパートメントモデルによる記述が最適と判断された。検討された様々な年齢群の主な薬物動
態学的パラメータ並びにシミュレーションによって得られた本剤 0.1mmol/kg 静脈内投与 20 分及
び 30 分後の血漿中 Gd 濃度の推定値の比較を以下に述べる(表 2.7.2.3.3-1及び表 2.7.2.3.32)。
試験 310788 では、検討した全体の年齢群における被験者の年齢分布を相対的に均一にするた
め、3 つの年齢群に細分化して小児/若年被験者の組入れを行った(2~6 歳:46 例、7~11 歳:
44 例、12~17 歳:48 例)。試験 91741 では、2 歳未満の乳幼児被験者(43 例)を対象とした。
本試験では年齢群の細分化は行わなかったが、全体の年齢範囲における新生児及び乳幼児の年齢
分布を均一にするため、2 ヵ月未満の被験者を 5 例以上組入れることとし、9 例が組入れられた。
両試験の結果は、被験者全体及び年齢群ごとに示された。
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.3.3-1 2 歳未満の乳幼児被験者集団(2 ヵ月未満:9 例、2~23 ヵ月:34 例)及び 2~
17 歳の小児/若年被験者集団(2~6 歳:45 例、7~11 歳:39 例、12~17 歳:
46 例)の薬物動態学的パラメータの比較
a
Median (Minimum, Maximum)
b
Age groups are continuous, i.e. ≥2 to <7 years, ≥7 to <12, ≥12.0 to <18.0 years
Source: Table 11-4 on page 36 of the M&S report PH-37807, 5.3.3.5.2
表 2.7.2.3.3-2 2 歳未満の乳幼児被験者集団(2 ヵ月未満:9 例、2~23 ヵ月:34 例)及び 2~
17 歳の小児/若年被験者集団(2~6 歳:45 例、7~11 歳:39 例、12~17 歳:
46 例)における本剤 0.1mmol/kg 静脈内投与 20 分後(C20)及び 30 分後(C30)
の血漿中 Gd 濃度シミュレーション推定値の比較
a
Median (5th, 95th percentile)
b
Statistics of 2400 simulations based on different median weights and different typical CL values scaled to body weight
corresponding to age group 0 - < 2 months (median body weight: 4.4 kg) and age group ≥ 2 months (median body weight: 8.2
kg) with 200 and 2200 virtual subjects, respectively.
c
Statistics of 799 simulations based on 4 different median body weights corresponding to 4 different age groups within the
pediatric population aged 2-17 years (13 kg (2 years), 26 kg (7 years), 47 kg (12 years), 65 kg (17 years)), with 200 virtual
subjects per group. Simulations based on final population PK model developed for the subjects in study 310788. One
simulated concentration was rejected as it was below the lower limit of quantification.
Source: Table 11-5 on page 37 of the M&S report PH-37807, 5.3.3.5.2
小児/若年被験者及び乳幼児被験者の全身曝露量(AUC、安全性に関連する指標)に関しては、
他の年齢群と比較して 2~23 ヵ月の年齢群の全身曝露量の中央値が最も低かった。2~6 歳及び 7
~11 歳の年齢群の AUC の中央値は、ほぼ成人被験者の AUC 付近まで増加した。2 ヵ月以上から
17 歳までの被験者では年齢の増加に伴い全体的に AUC が増加した(約 55%増加)。2 ヵ月以上
から 17 歳までの被験者の体重で補正した CL は、年齢の増加に伴い約 32%低下し、AUC の結果と
の一貫性が認められた。最低年齢(2 ヵ月未満)群の AUC 及び CL 値は、成人被験者のレベルに
到達しつつある最高年齢(12~17 歳)群の値(表 2.7.2.3.3-1)に近かった。2 ヵ月未満の被験
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者で AUC がわずかに高くなる傾向が認められたが、全身曝露量は年齢の高い小児や成人と同程度
であることから、安全性に特に問題がないことが明確に示されている(試験 91741)。0~17 歳
の被験者集団全体における AUC は、全体としてみれば重なりが大きく、すべての年齢層の被験者
において類似していた(図 2.7.2.3.3-1)。
体重で補正した Vss は、0~17 歳の被験者集団全体において年齢の増加と共に約 45%低下した。
t1/2 の中央値は、他の被験者群と比べて最低年齢(2 ヵ月未満)群では約 1.5 倍であった。
シミュレーションにより得られた投与 20 分及び 30 分後の血漿中 Gd 濃度推定値(有効性に関
連する指標)は、0~17 歳の被験者集団全体において年齢の増加と共にそれぞれ約 65%及び
71%増加した。しかし、低年齢 2 群の 5~95 パーセンタイル値は、2~17 歳の高年齢群の 5~95
パーセンタイル値の範囲の中に含まれていた(図 2.7.2.3.3-2)。
In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “•” mean
5%- and 95%-points. For the youngest age group (0 - < 2 months) the estimated individual AUC values are shown instead of
a box plot because of the small number of subjects (N=9).
Source: Figure 11-7 on page 38 of the M&S report PH-37807, 5.3.3.5.2
図 2.7.2.3.3-1 2 歳未満の乳幼児被験者集団(2 ヵ月未満:9 例、2~23 ヵ月:34 例)及び 2~
17 歳の小児/若年被験者集団(2~6 歳:45 例、7~11 歳:39 例、12~17 歳:
46 例)に本剤 0.1mmol/kg を静脈内投与したときの AUC の分布
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In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “•” mean
5%- and 95%-points.
Source: Figure 11-8 and Figure 11-9 on page 39 and 40 of the M&S report PH-37807, 5.3.3.5.2
図 2.7.2.3.3-2 2 歳未満の乳幼児被験者集団(2 ヵ月未満:200 例、2~23 ヵ月:2200 例)及び
2~17 歳の小児/若年被験者集団(2 歳:199 例、7 歳:200 例、12 歳:200 例、
17 歳:200 例)における本剤 0.1mmol/kg 静脈内投与 20 分後(上図)及び 30 分
後(下図)の血漿中 Gd 濃度シミュレーション推定値
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各種の第Ⅱ~Ⅳ相臨床試験において、成人被験者の様々な適応における本剤の有効性が確認さ
れている(2.7.3)。その作用機序は関心領域における造影剤の緩和度と濃度に依存する。この
作用機序は、主に薬剤の物理化学的及び薬物動態特性によって決定され、疾患や身体領域によっ
て影響されない。本剤による様々な身体部位での造影効果は、血管から細胞外液への速やかな分
布に基づくため、様々な身体部位において診断情報を得ることができる。
本剤の薬物動態プロファイルは、血管外の細胞外液への速やかな分布(分布容積で評価)と糸
球体ろ過による血液中及び体内からの速やかな消失である。全身曝露量(AUC)は投与量と糸球
体ろ過量に依存するため、腎機能が低下した場合、AUC は増加する。これらの薬物動態特性は、
すべての細胞外液性 Gd 含有造影剤に共通する。
成人被験者及び年齢の異なる小児/若年被験者(2~17 歳)及び乳幼児被験者(2 歳未満)に
おける薬物動態学的パラメータ及び投与後初期(投与 20 分及び 30 分後)の血漿中 Gd 濃度は、
成人から小児/若年及び乳幼児への有効性を外挿するための基本となる。表 2.7.2.3.3-3及び表
2.7.2.3.3-4に成人被験者及び小児/若年及び乳幼児被験者の薬物動態学的パラメータ及び投与
20 分及び 30 分後の血漿中 Gd 濃度の推定値を示す。
表 2.7.2.3.3-3 成人被験者、2~17 歳の小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者におけ
る本剤 0.1mmol/kg 静脈内投与後の薬物動態学的パラメータ
a: Adult PK parameters are median, min and max of respective individual paramters reported in studies 92001, 97113, 93016,
310865, 307362 and 91798/308183 (5.3.3.1.5 Report 9746, 5.3.3.1.2 Report B000, 5.3.3.1.4 Report AS29, 5.3.3.1.1
Report A39759, 5.3.3.1.3 Report A21381, 5.3.3.3.2 Report A40982) following standard dose of 0.1 mmol/kg to healthy
volunteers.
b: Source: 5.3.3.3.3
Appenix 16.1.1.e Report A40794
c: Source: 5.3.3.5.2
M&S Report PH-37807
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57
表 2.7.2.3.3-4 成人被験者、2~17 歳の小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者におけ
る本剤 0.1mmol/kg 静脈内投与 20 分後(C20)及び 30 分後(C30)の血漿中 Gd 濃
度シミュレーション推定値
Parameter
adults a
2 - 17 years b
0 - <2 years c
Median
(5th,95th percentile)
Median
(5th,95th percentile)
Median
(5th,95th percentile)
C20 [μmol/L]
446 (277, 670)
490 (226, 876)
339 (230, 456)
C30 [μmol/L]
385 (236, 563)
404 (182, 704)
292 (194, 394)
a Statistics of 1000 simulations based on 49 Caucasian adults (5.3.3.5.1
A44213)
b Statistics of 799 simulations based on 4 different median body weights corresponding to 4 different age groups within the
pediatric population aged 2-17 years (13 kg (2 years), 26 kg (7 years), 47 kg (12 years), 65 kg (17 years)), with 200 virtual
subjects per group. Simulations based on final population PK model described in A43735 (5.3.3.3.3 Appenix 16.1.1.e
Report A40794). One simulated concentration was rejected as it was below the lower limit of quantification.
c Simulations based on different median weights and different typical CL values scaled to body weight corresponding to age
group 0 - < 2 months (median body weight: 4.4 kg) and age group ≥ 2 months (median body weight: 8.2 kg) with 200 and
2200 virtual subjects, respectively (5.3.3.5.2 M&S Report PH-37807)
安全性に関わる指標として、全年齢群における標準用量(0.1mmol/kg)投与後の全身曝露量
(AUC)を比較した(表 2.7.2.3.3-3及び図 2.7.2.3.3-3)。
Box: 25th to 75th percentile; Horizontal line: median; Cross: geometric mean; Whiskers (error bars): 10th to 90th percentile;
Black dot: 5th to 95th percentile.
Source: Adults: based on respective individual paramters reported in studies 92001, 97113, 93016, 310865, 307362 and
91798/308183 (5.3.3.1.5 Report 9746, 5.3.3.1.2 Report B000, 5.3.3.1.4 Report AS29, 5.3.3.1.1 Report A39759,
5.3.3.1.3 Report A21381, 5.3.3.3.2 Report A40982) following standard dose of 0.1 mmol/kg to healthy volunteers; 2-17
years: based on the final population PK model presented in A43735 (5.3.3.3.3 Appenix 16.1.1.e Report A40794); 0 – < 2
years: based on the final population PK model presented in PH-37807 (5.3.3.5.2 M&S Report PH-37807)
図 2.7.2.3.3-3 成人被験者、2~17 歳の小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者に本剤
0.1mmol/kg を静脈内投与したときの AUC
2.7.2 臨床薬理試験
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年齢の低下に伴い AUC の中央値はわずかに低下した。成人被験者と比較して、2~17 歳の小児
/若年被験者の AUC は約 10%低くなり、2 歳未満の乳幼児被験者の AUC は約 30%低くなった
(表 2.7.2.3.3-3及び図 2.7.2.3.3-3)。しかしながら、2 歳未満の乳幼児及び小児/若年被験
者 の AUC の ば ら つ き の 範 囲 は 成 人 被 験 者 の ば ら つ き 範 囲 と お お む ね 重 な っ て い た ( 表
2.7.2.3.3-3及び図 2.7.2.3.3-3)。
血漿中 Gd 濃度の測定値及びシミュレーション推定値を全体的に評価すると、小児/若年被験
者で曝露量の上昇は認められず、2 歳未満の乳幼児では、小児/若年被験者及び成人被験者に比
べて曝露量がわずかに低値を示した。2 ヵ月未満の 9 例を含めたすべての小児/若年及び乳幼児
被験者集団において AUC の最大値は同程度であったが、最低年齢(2 ヵ月未満)の集団の AUC の
最大値(1470μmol·h/L)は、成人被験者集団の AUC の最大値(1992μmol·h/L)よりも明らかに
低かった。
造影 MRI の有効性は、投与後初期の時点の関心領域における濃度によって決定され、この関心
領域の濃度については、投与 20 分及び 30 分後の血漿中 Gd 濃度が指標となる。これらの血漿中
濃度には投与量(mmol/kg)及び分布容積(L/kg)が関係する。このため、一定用量を投与した
場合、分布容積が投与後初期の血漿中濃度を決定する主な要因となる。体重で補正した分布容積
は基本的には年齢の影響を受けないが、小児から成人への体組成の正常な変化によって、分布容
積にわずかな差が認められる。新生児では、細胞外液量が成人の 20%に比べて約 37%である4)。
このため、2 歳未満の乳幼児被験者では分布容積の平均値が高くなる傾向があり、これに伴い血
漿中及び細胞外液中での濃度が低くなる傾向があると考えられている。しかし、乳幼児の関心領
域では組織中細胞外液量の比率は高くなることを考慮すると、本剤の有効性(造影効果)に対す
る血漿中濃度の低下の影響はわずかであると推察され、臨床的な意味はないと考えられる。ガド
ブトロールの分布容積は腎機能による影響を受けないため、MRI 撮像時点での血漿中濃度及び関
心領域での濃度は主に投与量と関係している。
成人被験者、2~17 歳の小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者に標準用量の本剤を投
与したときの、投与 20 分及び 30 分後の血漿中 Gd 濃度シミュレーション推定値を比較した(表
2.7.2.3.3-4及び図 2.7.2.3.3-4)。
2 歳未満の乳幼児被験者では、成人及び 2~17 歳の小児/若年被験者に比べて血漿中濃度の中
央値がわずかに低くなることが示された。しかし、この差はわずかであり、2 歳未満の乳幼児被
験者のパーセンタイル範囲は、小児/若年被験者及び成人被験者のパーセンタイル範囲の下端の
範囲内にあった。
2.7.2 臨床薬理試験
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In the box plot, 10%-point, 25%-point, median, 75%-point and 90%-point are shown from the top, and the marks of “•” mean
5%- and 95%-points.(black: adults; dark gray: pediatric subjects 2 – 17; light gray: pediatric subjects 0 – < 2)
a Adults: Box plots for statistics of 1000 simulations based on 49 Caucasian adults (5.3.3.5.1
A44213)
b Pediatric subjects 2 – 17 years: Box plots for statistics of 799 simulations based on 4 different median body weights
corresponding to 4 different age groups within this age group (13 kg (2 years), 26 kg (7 years), 47 kg (12 years), 65 kg (17
years)), with 200 virtual subjects per group. Simulations based on final population PK model described in A43735 (5.3.3.3.3
Appenix 16.1.1.e Report A40794). One simulated concentration was rejected as it was below the lower limit of quantification.
c Pediatric subjects 0 - < 2 years: Box plots for simulations based on different median weights and different typical CL values
scaled to body weight corresponding to age group 0 - < 2 months (median body weight: 4.4 kg) and age group ≥ 2 months
(median body weight: 8.2 kg) with 200 and 2200 virtual subjects, respectively (5.3.3.5.2 M&S Report PH-37807)
図 2.7.2.3.3-4 成人被験者、2~17 歳の小児/若年被験者及び 2 歳未満の乳幼児被験者におけ
る本剤 0.1mmol/kg 静脈内投与 20 分後(C20)及び 30 分後(C30)の血漿中 Gd 濃
度のシミュレーションにより得られた推定値
結論として、小児/若年被験者及び乳幼児被験者における薬物動態の結果から、本剤について
以下のことが示された。

体重で補正した CL は、主に糸球体ろ過により排泄される他の物質(クレアチニン、イヌ
リンなど)と同程度であった。

体重で補正した分布容積は、すべての年齢群でおおむね同程度であった。

標準用量(0.1mmol/kg)投与後の全身曝露量(AUC)は、すべての年齢群でおおむね同程
度である。2 歳未満の乳幼児被験者の全身曝露量の平均値は、小児/若年及び成人と比較
してわずかに低くなることが示された。

小児/若年及び乳幼児被験者における投与後初期の血漿中濃度のシミュレーション値は、
年齢の低下と共に低下する傾向がある。しかし、すべての年齢(0~17 歳)の被験者及び
成人被験者におけるパーセンタイル範囲はおおむね重なっているので、これらの被験者間
での高い類似性が示された。
以上より、成人の標準用量である 0.1mmol/kg は、2~17 歳の小児/若年者及び正期産新生児
を含む 2 歳未満の乳幼児においても用量調整の必要はなく、適切な用量であると考えられた。
2.7.2 臨床薬理試験
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2.7.2.3.4
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腎機能障害を有する患者における薬物動態
MRI を行う腎機能障害患者を腎障害の程度によって、Ⅰ群(80>CLcr>30mL/min/1.73m2、透析
不要)、Ⅱ群(CLcr<30mL/min/1.73m2、透析不要)及びⅢ群(透析患者)の 3 群に分類した。Ⅰ
群及びⅡ群では本剤 0.1 及び 0.3mmol/kg 静脈内投与時のガドブトロールの薬物動態を、Ⅲ群で
はガドブトロールの透析によるクリアランスについて検討した(2.7.2.2.3.1)。
腎機能障害患者における 0.1 及び 0.3mmol/kg 投与での Vss はⅠ群及びⅡ群共に外国人健康成人
における値(0.194~0.201L/kg、表 2.7.2.3.2.1-2)に類似し、Vss に腎機能障害による変動はみ
られなかったが、CL は外国人健康成人の 1.39~1.43mL/min/kg(表 2.7.2.3.2.1-2)と比較して、
Ⅰ群の 0.1 及び 0.3mmol/kg 投与でそれぞれ 0.49 及び 0.51mL/min/kg に低下し、Ⅱ群では更に
0.16 及び 0.15mL/min/kg に低下した。CL と CLcr との間には良好な相関があり、ガドブトロール
が各被験者の糸球体ろ過量に依存して腎排泄されることが示唆された。また、t1/2 は CL の低下と
共に、外国人健康成人での 1.81~2.01 時間(表 2.7.2.3.2.1-2)に対して、Ⅰ群では最大で 9.0
時間まで延長した。Ⅱ群では更に最大で 44.4 時間まで延長した。尿中排泄は、Ⅰ群では投与後
72 時間以内にほぼ完了したが、Ⅱ群においては、t1/2 が大きく延長していたことから、投与 120
時間後でも完了しなかった。
透析患者において、投与 96 時間後に実施した 3 回目透析後にガドブトロールはほぼ完全に血
清中より除去された。
2.7.2.3.5
日本人と外国人との薬力学の類似性
参照項目: 5.3.5.1.4 A41119
5.3.5.2.1 AI68
5.3.5.4.29 A50867
本剤の薬力学の指標として、Gd 造影画像上で造影効果が視認され、病変として検出された部
分のコントラストノイズ比(Contrast noise ratio:CNR)を検討した。CNR は病変部位及び正
常組織の MR 信号強度の比から得られる値である。転移性脳腫瘍を有する日本人患者に本剤
0.1mmol/kg 及び投与後 15 分以内に 0.1mmol/kg を追加(総投与量 0.2mmol/kg)で静脈内投与し
た〔国内転移性脳腫瘍第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864)〕。また、脳・脊髄病変(転移性脳腫瘍
を含む)を有する外国人患者に本剤 0.1mmol/kg 及び投与 10 分後に 0.2mmol/kg を追加(総投与
量 0.3mmol/kg)で静脈内投与した〔国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 94054)〕。本剤投与後の転
移性脳腫瘍を有する日本人患者(151 症例、306 病変)、転移性脳腫瘍を有する外国人患者(40
~41 症例/病変)及び脳・脊髄病変を有する外国人患者(204~207 症例/病変)における CNR
を図 2.7.2.3.5-1に示す(追加解析報告書 A50867)。いずれの患者集団においても病変間又は患
者間の CNR のばらつきは大きいものの、本剤 0.1mmol/kg 投与時ではほぼ同程度の CNR を示し、
緩やかな薬力学-用量関係を示した。同用量投与時における異なる患者群間にみられた平均 CNR
値の差は、CNR の本質的な差ではなく、信号強度測定自体のばらつきを反映しているものと考え
られる。以上のことから、本剤は薬力学的な観点においても人種差による影響を受けにくいと考
えられた。
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CNR=(signal intensity of lesion – signal intensity of mormal tissue)/SD of background noise
(Source: Text Table 22 in page 70 of the study report A41119, 5.3.5.1.4 and Table 1 in page 3 of the additional analysis
report A50867, 5.3.5.4.29)
図 2.7.2.3.5-1 日本人及び外国人患者に本剤を静脈内投与後の CNR と用量の関係
2.7.2.4
2.7.2.4.1
特別な試験
QT 延長リスクの検討
本剤の QT 延長リスクは、米国において ICH E14 に基づいて実施された QT/QTc 評価試験(試験
307362、5.3.3.1.3 A21381)において詳細に検討されている。本 QT/QTc 評価試験は、健康被験
者 64 例(男性 35 例、女性 29 例)を対象として、本剤の予定臨床用量である 0.1mmol/kg 及び臨
床用量よりも高い曝露量が得られる 0.3 及び 0.5mmol/kg の計 3 用量並びにモキシフロキサシン
400 ㎎(陽性対照群)及びプラセボ(生理食塩液)対照群を設定した、5 群 5 期クロスオーバー
法により実施された。心電図は、投与前、投与 2、4、10、30、60 分後に測定され、主要評価項
目として設定した投与後 15 分間 QTcF の投与前値からの平均変化における、本剤とプラセボの差
は、本剤のいずれの用量(0.1、0.3、0.5mmol/kg)でも 5msec よりも小さく、その両側 95%信
頼区間の上限値はいずれも 10msec よりも小さかったこと及び陽性対照群として設定したモキシ
フロキサシン 400 ㎎投与群においては 10msec を超える QTcF の延長が認められ本試験の QT 延長
に関する測定感度が十分に担保されていたことから ICH E14 の判断基準に基づき心再分極に対す
る影響はないと考えられた。なお、本試験の結果、プラセボ及び投与前値で補正した QTc 間隔で、
本剤 0.3 及び 0.5mmol/kg 投与後に QTc 間隔の軽度の延長がみられた。この影響は投与 1~4 分後
までの間に心拍数の増加に伴って認められたが、2.7.4.4.2.3 で考察したように QT/RR ヒステリ
シスによるものであると考えられ、本剤の QT 延長作用を示唆するものではないと考えられた。
国内第Ⅰ相試験において測定した心電図検査の成績を表 2.7.2.4.1-1に要約する。本試験にお
ける心電図評価は ICH E14 を参考に、デジタル心電計の使用、Manual Lead、各測定時点におけ
る 3 回測定の平均値を評価に用いるなど綿密な方法により行っている。その結果、本剤 0.2 及び
0.3mmol/kg 投与 2 分後に QTcF の延長が確認されたが、いずれも心拍数の増加を伴った一過性の
2.7.2 臨床薬理試験
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ものであったことから(投与 10 分後には短縮傾向が認められている)、QT/QTc 評価試験でみら
れたのと同様に QT/RR ヒステリシスによる変動であることが考えられ、本剤の QT 延長作用を示
唆する成績は得られなかった。
更に、本剤単回投与後の QTcF を用いてカテゴリー分析した結果、450msec を超える QTcF を示
した被験者が本剤 0.2mmol/kg 投与群の 1 例(投与 2、60 分後:いずれも 454msec)及び 0.1+
0.1mmol/kg 投与群の 1 例(初回投与 2 分後:453msec)に認められたが、いずれも 450msec をわ
ずかに上回る程度であり、0.3mmol/kg 投与群では認められなかった。また、投与前値からの変
動が 30msec を超えた被験者が本剤 0.2mmol/kg 投与群に 2 例及び 0.1+0.1mmol/kg 投与群に 1 例
認められたが、いずれも 60msec を超えるような変動ではなく、0.3mmol/kg 投与群では 30msec
を超える変動は認められなかった。この他、PR、QRS、QT 間隔及び心電図所見に臨床的に問題と
なるような変動、所見は認められなかった。以上の成績から、QT/QTc 評価試験と同様に日本人
被験者においても本剤の QT 延長作用を示唆する成績は得られなかった。
表 2.7.2.4.1-1 日本人健康成人男子に本剤を単回静脈内投与した際の QTcF(msec)及び心拍
数(拍/分)の投与前値からの変動
Dose
Time after administration (min)
(mmol/kg)
Parameter
2
10
30
32
40
60
Placebo
ΔQTcF
-0.9±4.3
-1.5±6.5
2.4±5.1
3.0±4.2
-3.0±2.8
0.1±6.0
ΔHR
-1.25±1.67
0.13±2.42
1.50±3.70
4.00±1.41
1.00±1.41
-1.25±3.45
ΔQTcF
2.3±3.2
2.3±7.3
1.0±4.1
ND
ND
-0.8±6.3
ΔHR
0.25±2.49
1.00±2.33
0.13±1.13
ND
ND
-0.75±2.49
ΔQTcF
17.4±18.5
6.1±9.2
3.3±8.3
ND
ND
4.6±19.4
ΔHR
7.75±11.84
4.88±8.15
2.63±6.80
ND
ND
3.75±12.40
ΔQTcF
13.6±5.1
9.9±2.9
4.6±4.2
ND
ND
2.3±6.8
ΔHR
7.38±7.37
6.00±1.77
4.00±3.02
ND
ND
2.50±3.59
ΔQTcF
10.1±11.6
0.4±7.11
0.9±7.8
3.0±7.7
0.8±8.2
-2.3±7.0
ΔHR
5.88±11.91
1.25±4.30
1.38±4.37
2.13±4.73
1.75±4.33
0.71±3.77
0.1
0.2
0.3
0.1+0.1
Values represent mean±SD (n=8), ND: no data
(Source: Table 27 in pages 249-255 of the study report A39759, 5.3.3.1.1)
外国人を対象にした QT/QTc 評価試験(試験 307362)で認められた本剤の全身曝露量及び国内
第Ⅰ相試験(試験 310865)で認められた本剤の全身曝露量を比較した場合(表 2.7.2.3.2.1-2)、
外国人被験者と比較して、日本人被験者の Cmax はやや高く、AUC はやや低いという結果であった
が、2.7.2.3.2で Standard two stage 法及び母集団薬物動態解析を用いて考察したように本剤の
血漿中薬物動態には本質的な人種差はないと考えられた。更に QT/QTc 評価試験において最高用
量投与時に認められた曝露量は、日本人被験者に予定臨床用量を投与した際の曝露量を十分に上
回るものであったことから、QT/QTc 評価試験における曝露量は、日本人被験者で予想される曝
露量を十分にカバーするものと考えられる。
2.7.2 臨床薬理試験
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なお、腎機能障害を有する患者に本剤 0.1mmol/kg を投与した際の AUC は、Ⅰ群(80>CLcr>
30mL/min/1.73m2、透析不要)で 4015±1818μmol·h/L、Ⅱ群(CLcr<30mL/min/1.73m2、透析不
要)で 11531±4255μmol·h/L であった。Ⅰ群の曝露量は QT/QTc 評価試験においてカバーされて
おり、Ⅱ群に該当する重篤な腎障害のある患者では腎性全身性線維症の発現リスク上昇を考慮し
て、本剤の投与を避け、他の検査法で代替するよう注意されている。
上述のように、米国で ICH E14 ガイダンスに従って実施された QT/QTc 評価試験は、十分な分
析感度を有し、本剤 0.1、0.3 及び 0.5mmol/kg を単回投与した際、いずれの用量とも QT/QTc 間
隔延長は認められず、その結果は陰性と結論された。国内第 I 相試験では、ICH E14 ガイダンス
を参考に、デジタル心電計を用いて各測定時点において 3 回測定するなど QT/QTc 間隔測定を意
識して心電図成績を評価をしたが、明らかな QT/QTc 間隔延長リスクは認められず、米国 QT/QTc
評価試験と符合する成績が得られた。当該 QT/QTc 評価試験は、日本人被験者において想定され
る曝露量を上回る曝露量を得ることができる用量にて実施されていることが確認されたことから、
本試験成績をもって日本人における QT 延長リスクを評価することは妥当と考えられた。
本剤の QT/QTc への影響は非臨床試験においても検討されており、in vitro において、高濃度
の本剤(100mmol/L)を灌流した際に hERG カリウム電流を 45%抑制したが、他の細胞外液性 MRI
造影剤を超えるものではなかった。in vivo においてテレメトリー法による覚醒イヌの心電図検
査では 2.5mmol/kg の用量まで QTc 間隔への影響は認められなかった(2.6.2.4.2)。また、国外
第Ⅱ~Ⅳ相試験成績を併合解析した結果、本剤投与による有害な心血管に対する作用を示唆する
所見は認められていない(2.7.4.4.2.4)。
以上、QT/QTc 評価試験において QT/QTc 評価の結果は陰性であり、更に非臨床試験及びこれま
でに実施した臨床試験成績においても、本剤の QT 間隔延長のリスクを示唆するような成績は得
られていないことから、日本人患者に本剤を投与した際の QT 延長のリスクは低いと考えられる。
2.7.2.5
2.7.2.5.1
付録
薬物動態試験の要約
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.5.1-1 日本人健康成人を対象とした本剤の単回投与及び 2 回投与試験(試験 310865:報告書 A39759)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
A39759
Japan
From Jun. 2007 to Oct.
2007
Single-center,
randomized,
single-blind, placebo
controlled, dose
escalation study to
assess the safety and
PK in healthy
volunteers
PK sample
collection time
after intravenous
administration
Plasma
Before, 2, 3, 5, 10,
15, 20, 30, (32, 33,
35, 40)a, 45, (50)a
minutes and 1,
(1.25)a, 1.5, 2, 3, 4,
5, 6, 8, 12, 24 and
48 hours
Urine
Before, 0-2, 2-4, 46, 6-12, 12-24, 2448 and 48-72 hours
Treatment
SH L562BB
0.1mmol/kg
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
AUC
(µmol·h/L)
PK Parameters
Geometric Mean (%CV)
Cmax
t1/2
(µmol/L)
(h)
Report Module #
AE,ur(0-72)
(% of dose)
5.3.3.1.1
8 (M)
24 (21-32)
65.3kg (53.5-74.8)
8 (M)
25 (21-31)
58.9kg (53.0-70.0)
1026 (13.0%)
1218 (48.0%)
1.82 (12.0%)
91.8 (14.7%)
2008 (12.5%)
2508 (36.2%)
1.77 (11.8%)
99.2 (5.75%)
0.3mmol/kg
8 (M)
24 (20-29)
58.9kg (47.9-67.2)
2812 (10.6%)
3586 (36.7%)
1.82 (10.2%)
101 (9.04%)
0.1+0.1mmol/kg b
8 (M)
24 (20-26)
67.2kg (60.1-77.0)
2070 (14.3%)
1792 (15.9%)
1.78 (17.2%)
94.8 (3.74%)
0.2mmol/kg
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a non-compartment model.
a: Only the 0.1+0.1mmol/kg dose group was carried out.
b: Two divided administrations of 0.2mmol/kg with a 30-minute interval.
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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48 of
57
表 2.7.2.5.1-2 外国人健康成人を対象とした本剤の単回投与試験(試験 97113:報告書 B000)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
B000
Germany
From Oct. 1998 to Feb.
1999
PK sample collection
time after intravenous
administration
Treatment
Serum
-15, 2, 5, 10, 15, 20,
30, 45 minutes and 1,
1.5, 2, 3, 4, 5, 6, 8,
12, 24 and 48 hours
SH L562BB
0.3mmol/kg
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
PK Parameters
Mean±SD
Report Module #
AUC
(µmol·h/L)
Cmax
(µmol/L)
t1/2
(h)
AE,ur(0-72)
(% of dose)
3644.7±422.7
2562.9±832.4
2.01±0.23
99.2±2.5
5.3.3.1.2
6 (M)
28.8 (23-35)
73.3kg (64.0-86.0)
Urine
Before, 0-2, 2-4, 4-6,
Double-blind,
6-12, 12-24, 24-48
randomized, placebo
controlled, independent and 48-72 hours
group comparison
study to assess the
safety, tolerability and
PK in healthy
volunteers
Serum pharmacokinetic parameters were analyzed by a non-compartment model.
2.7.2 臨床薬理試験
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57
表 2.7.2.5.1-3 外国人健康成人を対象とした本剤の QT/QTc 評価試験(試験 307362:報告書 A21381)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
A21381
USA
From Mar. 2004 to Jun.
2004
PK sample collection
time after intravenous
administration
Treatment
Plasma
Before, 2, 4, 6, 15,
30, 45 minutes and 1,
2, 3, 4, 6, 8 and 24
hours
SH L562BB
0.1mmol/kg
0.3mmol/kg
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
AUC
(µmol·h/L)
PK Parameters
Mean±SD
Cmax
(µmol/L)
Report Module #
t1/2
(h)
55 (M/F)a
1244±315
936±556b
1.84±0.38
57 (M/F)a
3755±962
2491±849c
1.81±0.35
5.3.3.1.3
Single-center
randomized, five
0.5mmol/kg
58 (M/F)a
6357±1554
4437±1458
1.83±0.36
period cross-over,
placebo controlled
dose-comparison study
to assess the
cardiovascular safety
and PK in healthy
volunteers
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a non-compartment model.
a: The mean age and mean body weight of each dose group are unknown. The total number of subjects was 64 (M/35, F/29). The mean age was 34.2 years (range: 19-60 years), and mean
body weight was 79.1kg (range: 49.5-115.0kg).
b: n=56; c: n=58.
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.5.1-4 日本人健康成人を対象とした SH L562A の単回投与試験(試験 93016:報告書 AS29)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
AS29
Japan
From Oct. 1992 to
Nov. 1992
Double-blind,
randomized, placebo
controlled, independent
escalating 4-treatment
group comparison
study to assess the
safety, tolerability and
PK in healthy
volunteers
PK sample collection
time after intravenous
administration
Treatment
Plasma
Before, 3, 5, 10, 20,
30, 45 minutes and 1,
2, 4, 6 and 24 hours
SH L562A
0.05mmol/kg
Urine
Before, 0-1, 1-2, 2-4,
4-6, 6-24 and 24-48
hours
0.1mmol/kg
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
AUC
(µmol·h/L)
PK Parameters
Mean±SD
t1/2β
(h)
Report Module #
AE,ur(0-48)
(% of dose)
391.4±51.1
1.59±0.58
99.6±12.1c
861.4±88.9
2.30±2.10b
97.4±5.0d
5.3.3.1.4
6 (M)
24.5 (21-34)a
59.3kg (53.5-63.5)a
5 (M)
22.3 (20-24)a)
68.8kg (56.0-81.5)a
0.2mmol/kg
6 (M)
22.6 (20-26)a
59.8kg (46.5-67.5)a
1690.2±205.1
1.32±0.39
107.2±9.3
0.4mmol/kg
6 (M)
23.1 (20-31)a
62.7kg (58.0-70.5)a
3648.0±544.8
1.19±0.14
103.1±1.4e
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a 2-compartment model.
a: n=8, two subjects who received placebo (saline) are included.
b: n=6; c: n=4; d: n=3; e: n=5.
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.5.1-5 外国人健康成人を対象とした SH L562A の単回投与試験(試験 92001:報告書 9746)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
9746
Germany
From Mar. 1992 to
Dec. 1992
PK sample collection
time after intravenous
administration
Treatment
Plasma
-15, 2, 5, 10, 15, 20,
30, 45 minutes and 1,
1.5, 2, 3, 4, 5, 6, 8,
12, 24 and 48 hours
SH L562A
0.04mmol/kg
0.1mmol/kg
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
AUC
(µmol·h/L)
PK Parameters
Mean±SD
t1/2
AE,ur(0-72)
(h)
(% of dose)
Report Module #
AE,f(0-72)
(% of dose)
5.3.3.1.5
8 (M)
30.5 (21-37)
75.5kg (66.0-88.6)
8 (M)
30.0 (21-39)
85.8kg (71.0-101.4)
Urine
Before, 0-2, 2-4, 4-6,
Double-blind,
6-12, 12-24, 24-48
randomized, placebo
0.4mmol/kg
8 (M)
controlled, independent and 48-72 hours
31.0 (25-38)
escalating 5-treatment
83.9kg (72.4-97.0)
Feces
group comparison
0-24, 24-48 and 48-72
study to assess the
hours
safety, tolerability and
PK in healthy
volunteers
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a non-compartment model.
a: n=5.
429±37.4
1.87±0.12
94.4±3.40a
0.03±0.02
1117±93.7
1.88±0.19
100.3±2.60
0.04±0.02
4954±627
1.69±0.20
99.5±4.62
0.06±0.04
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.2.5.1-6 外国人腎機能障害患者を対象とした本剤の単回投与試験(試験 95062:報告書 B245)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
B245
Germany
From Oct. 1996 to Feb.
1998
Single-center,
randomized, openlabel, single dose P-III
clinical study in
patients with impaired
renal function or on
dialysis
PK sample
collection time
after intravenous
administration
Group 1a and
Group 2b
Serum
Before, 1, 5, 30
minutes and 1, 1.5,
3, 6, 24, 48, 72,
(96 and 120)c
hours
Treatment
# in Study (M/F)/
Mean Age
AUC
(µmol·h/L)
SH L562BB
0.1mmol/kg
0.3mmol/kg
PK Parameters
Mean±SD
t1/2β
CLR
(h)
(mL/min/kg)
Report Module #
AE,urd
(% of dose)
5.3.3.3.1
Group 1
6 (M4/F2)
M: 68.8, F: 44.0
Group 2
5 (M3/F2)
M: 44.7, F: 57.5
Group 1
6 (M6/F0)
M: 60.0
Group 2
4 (M3/F1)
M: 71.0, F: 66.0
4015±1818
5.81±2.41
0.51±0.22
104.7±13.7
11531±4255
17.60±6.16
0.12±0.043
77.3±7.4
10339±2466
5.32±1.43
0.48±0.12
92.8±9.1
0.13±0.099e
76.5±25.6e
24.79±17.40e
45677±34576e
Urine
0-6, 6-24, 24-48,
48-72, (72-96 and
96-120)c hours
Serum pharmacokinetic parameters were analyzed by a 2-compartment model.
a: Patients with a CLcr < 80mL/min/1.73m2 but > 30mL/min/1.73m2 not requiring dialysis.
b: Patients with a CLcr< 30mL/min/1.73m2 not requiring dialysis.
c: Only the group 2 patients group was carried out.
d: Amount of gadolinium excreted into urine from zero to 72 hours (Group 1) or 120 hours (Group 2), expressed as % of dose.
e: n=3
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.5.1-6 外国人腎機能障害患者を対象とした本剤の単回投与試験(試験 95062:報告書 B245)(続き)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
B245
PK sample collection
time after intravenous
administration
Treatment/
# in Study (M/F)/
Mean Age
Group 3a
Germany
Serum
During the first post–
MRI dialysis
procedure;
immediately before
dialysis, during
dialysis (30 and 90
minutes), after
dialysis (3 hours)
SH L562BB
0.1mmol/kg
Group 3
5 (M2/F3)
M: 61.5, F: 50.0
From Oct. 1996 to Feb.
1998
Single-center,
randomized, openlabel, single dose P-III
clinical study in
patients with impaired
renal function or on
dialysis
Before and after the
second and third
dialysis procedures
SH L562BB
0.3mmol/kg
Group 3
6 (M5/F1)
M: 41.2, F: 34.0
Time of dialysis
Serum gadobutrol content recovered (%)
Report Module #
Mean±SD
Minimum
Median
Maximum
day of MRI
71.98±12.91
50.40
76.00
82.80
48 h post dosing
97.13±2.22b
94.70
97.25
99.30
96 h post dosing
98.80±0.63
98.10
98.60
99.60
day of MRI
65.07±13.96
48.50
66.25
78.70
48 h post dosing
91.45±4.42
85.50
92.55
96.00
96 h post dosing
97.37±2.27c
94.30
98.10
99.80
168 h post dosing
99.60d
99.60
99.60
99.60
a: Patients on dialysis.
b: n=4. For one patient, value after dialysis at 48 hours post injection was missing.
c: In one patient, the third dialysis session was at 120 hours post injection because of a serious adverse event.
d: n=1.
5.3.3.3.1
2.7.2 臨床薬理試験
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表 2.7.2.5.1-7 外国人高齢及び非高齢の男性及び女性を対象とした本剤の単回投与試験(試験 91798/308183:報告書 A40982)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
A40982
Germany
From Aug. 2008 to
Jan. 2009
Single-center, openlabel, single-dose,
single-treatment,
parallel-group, nonrandomized study in
healthy elderly and
non-elderly men and
women
PK sample
collection time
after intravenous
administration
Plasma
Before, 4, 6, 15, 30,
45 minutes p.i. and
1, 2, 3, 4, 6, 9, 12,
24 and 48 hours p.i.
Urine
Before, 0-2, 2-4, 46, 6-12, 12-24, and
24-48 hours
Treatment
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
SH L562BB
0.1 mmol/kg
8 (M), Non-elderly
34 (23-42)
79.4 kg (71.0-90.8)
0.1 mmol/kg
8 (M), Elderly
67 (65-71)
79.4 kg (66.8-90.0)
0.1 mmol/kg
0.1 mmol/kg
8 (F), Non-elderly
38 (27-45)
66.4 kg (54.6-81.4)
7 (F), Elderly
69 (65-72)
63.6 kg (56.0-70.7)
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a non-compartment model.
AUC
(mol·h/L)
PK Parameters
Geometric Mean (%CV)
CL
t1/2
(L/h)
(h)
Report Module #
AE,ur
(% ID)
5.3.3.3.2
891 (20.8%)
8.88 (22.0%)
2.12 (14.1%)
106 (12.7%)
1183 (12.4%)
6.68 (7.25%)
2.81 (8.55%)
102 (4.62%)
849 (12.7%)
7.76 (14.4%)
1.81 (8.26%)
101 (5.11%)
1306 (20.1%)
4.85 (14.2%)
2.86 (14.8%)
97.8 (6.56%)
2.7.2 臨床薬理試験
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55 of
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表 2.7.2.5.1-8 外国人小児/若年被験者を対象とした本剤の単回投与試験(試験 310788:報告書 A40794)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
A40794
Multinational: Austria,
Canada, Germany,
Sweden
From May 2007 to
Apr. 2008
PK sample
collection time
after intravenous
administration
Plasma
Before, 15-60
minutes p.i., 2-4
and 6-8 hours p.i.
Urine
0-6 hours p.i.
Treatment
SH L562BB
0.1 mmol/kg
0.1 mmol/kg
Age group
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
2 to 6 years
29 (M), 17 (F)
3.7 (2-6)
17.5 kg (10.7-31.3)
7 to 11 years
31 (M), 13 (F)
9.0 (7-11)
33.8 kg (20.5-62.0)
12 to 17 years
25 (M), 23 (F)
14.7 (12-17)
57.2 kg (32.9-96.9)
0.1 mmol/kg
Multi-center, multinational, open label
study to assess the
safety, tolerability and
PK in patients aged 217 years
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a 2-compartment model.
PK Parameters
AUC
(mol·h/L)
CL
(L/h)
Report Module #
t1/2
(h)
Vss
(L)
5.3.3.3.3
815
2.07
1.75
3.83
969
3.28
1.61
5.98
1167
4.90
1.65
10.02
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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56 of
57
表 2.7.2.5.1-9 外国人乳幼児被験者を対象とした本剤の単回投与試験(試験 91741:報告書 PH-37277)
Report #/
Country/
Study Period/
Study Design
PH-37277
Multinational: Canada,
Germany, USA
PK sample
collection time
after intravenous
administration
Plasma
15-60 minutes p.i.,
2-4 and 6-8 hours
p.i.
Treatment
SH L562BB
0.1 mmol/kg
Age group
# in Study (M/F)/
Mean Age (Range)/
Mean BW (Range)
<2 years
26 (M), 18 (F)
8.8 (0.2-23) months
7.7 kg (2.8-14.2)
From May 2012 to
Nov. 2013
Multi-center, multinational, open label
study to assess the PK,
safety and tolerability
in patients aged <2
years
Plasma pharmacokinetic parameters were analyzed by a 2-compartment model.
PK Parameters
Report Module #
AUC
(mol·h/L)
CL
(L/h)
t1/2
(h)
776
0.981
1.62
5.3.3.3.4
5.3.3.5.2
2.7.2 臨床薬理試験
Bayer Yakuhin, Ltd.
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57 of
57
参考文献
1) Rhodin MM et al., Pediatr Nephrol 2009:24(1):67-76
2) Hayton WL, AAPS PharmSci 2000:2(1):E3
3) Rowland M et al., Clinical Pharmacokinetics-Concepts and Applications 3rd Edition,
Lippincott Williams & Wilkins 1995:137-152
4) Friis-Hansen B, Pediatrics 1971:47(1):264-274
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
1 of
2.7.3 臨床的有効性の目次
2.7.3.1
背景及び概観 ..................................................... 4
2.7.3.1.1
背景 ....................................................... 4
2.7.3.1.2
本剤の薬理学的特徴 ......................................... 5
2.7.3.1.3
有効性評価に含めた臨床試験の概観 ........................... 5
2.7.3.1.3.1
脳・脊髄造影に関連した試験 ............................... 6
2.7.3.1.3.2
躯幹部・四肢造影に関連した試験 ........................... 8
2.7.3.1.4
脳・脊髄における評価資料とした 4 試験及び参考資料とし
た 1 試験の試験方法 ........................................ 10
2.7.3.1.4.1
被験者集団と試験方法 .................................... 10
2.7.3.1.4.2
有効性評価と盲検読影の手順 .............................. 11
2.7.3.1.4.2.1
有効性評価項目 ........................................ 11
2.7.3.1.4.2.2
盲検読影 .............................................. 14
2.7.3.1.4.3
解析方法 ................................................ 15
2.7.3.1.4.3.1
脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 16260、試験 310124、試験
310123 ................................................ 15
2.7.3.1.4.3.2
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験:試験
310864 ................................................ 16
2.7.3.1.4.3.3
国外脳・脊髄第Ⅱ相試験:試験 308200.................... 17
2.7.3.1.4.3.4
有効性の併合解析 ...................................... 18
2.7.3.1.5
2.7.3.1.5.1
躯幹部・四肢における評価資料とした 4 試験の試験方法 ........ 19
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験:試験 13297 ....... 19
2.7.3.1.5.1.1
被験者集団と試験方法 .................................. 19
2.7.3.1.5.1.2
有効性評価と盲検読影の手順 ............................ 19
2.7.3.1.5.2
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験:試験 304561.................. 21
2.7.3.1.5.2.1
被験者集団と試験方法 .................................. 21
2.7.3.1.5.2.2
有効性評価と盲検読影の手順 ............................ 22
2.7.3.1.5.3
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 97099................. 24
2.7.3.1.5.3.1
被験者集団と試験方法 .................................. 24
2.7.3.1.5.3.2
有効性評価と盲検読影の手順 ............................ 24
2.7.3.1.5.4
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 91759..................... 26
2.7.3.1.5.4.1
被験者集団と試験方法 .................................. 26
2.7.3.1.5.4.2
有効性評価と盲検読影の手順 ............................ 27
2.7.3.2
個々の試験結果の要約 ............................................ 29
2.7.3.2.1
脳・脊髄試験 .............................................. 29
95
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.2.1.1
Page
2 of
評価資料とした試験 ...................................... 29
2.7.3.2.1.1.1
国内脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 16260..................... 29
2.7.3.2.1.1.2
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 310124.................... 30
2.7.3.2.1.1.3
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験:試験
310864 ................................................ 31
2.7.3.2.1.1.4
国外脳・脊髄第Ⅱ相試験:試験 308200.................... 35
2.7.3.2.1.1.5
国外小児第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験 310788) .................. 38
2.7.3.2.1.2
参考資料とした試験 ...................................... 39
2.7.3.2.1.2.1
国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験:試験 310123 ........ 39
2.7.3.2.1.2.2
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 94054)................... 42
2.7.3.2.2
2.7.3.2.2.1
躯幹部・四肢における試験 .................................. 43
評価資料とした試験 ...................................... 43
2.7.3.2.2.1.1
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験:試験
13297 ................................................. 43
2.7.3.2.2.1.2
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験:試験 304561 ................ 45
2.7.3.2.2.1.3
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 97099 ............... 47
2.7.3.2.2.1.4
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 91759................... 51
2.7.3.2.2.2
参考資料とした試験 ...................................... 52
2.7.3.2.2.2.1
国外躯幹部・四肢第Ⅲ相試験:試験 94055/99012 .......... 52
2.7.3.2.2.2.2
国外乳腺第Ⅲ相試験:試験 91743......................... 53
2.7.3.2.2.2.3
国外乳腺第Ⅲ相試験:試験 91782......................... 56
2.7.3.3
全試験を通しての結果の比較と解析 ................................ 59
2.7.3.3.1
試験対象集団 .............................................. 59
2.7.3.3.1.1
脳・脊髄試験 ............................................ 59
2.7.3.3.1.2
躯幹部・四肢における試験 ................................ 61
2.7.3.3.2
2.7.3.3.2.1
有効性試験の結果の比較検討 ................................ 61
脳・脊髄:個々の試験の結果の比較 ........................ 61
2.7.3.3.2.1.1
有効性の主要評価項目 .................................. 62
2.7.3.3.2.1.2
副次評価項目 .......................................... 72
2.7.3.3.2.2
躯幹部・四肢:個々の試験の結果の比較 .................... 78
2.7.3.3.2.2.1
MRI における悪性病変検出の診断能(sensitivity 及
び specificity)....................................... 78
2.7.3.3.2.2.2
MRI における診断の一致度............................... 82
2.7.3.3.2.2.3
MRI 診断の確信度....................................... 83
2.7.3.3.2.2.4
MRA における有意狭窄の検出の sensitivity 及び
specificity ........................................... 84
2.7.3.3.2.2.5
MRA 診断の確信度....................................... 86
95
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.3
2.7.3.3.3
2.7.3.3.3.1
Page
3 of
海外データの外挿可能性についての考察 .................... 87
部分集団における結果の比較 ................................ 89
脳・脊髄試験の部分集団解析 .............................. 89
2.7.3.3.3.1.1
性 .................................................... 90
2.7.3.3.3.1.2
年齢 .................................................. 90
2.7.3.3.3.1.3
人種 .................................................. 90
2.7.3.3.3.1.4
悪性病変と非悪性病変 .................................. 91
2.7.3.3.3.1.5
病変の有無 ............................................ 91
2.7.3.3.3.2
躯幹部・四肢試験の部分集団解析 .......................... 92
2.7.3.3.3.2.1
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験における部
分集団解析 ............................................ 92
2.7.3.3.3.2.2
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験における部分集団解析 ........ 92
2.7.3.4
推奨用法・用量に関する臨床情報の解析 ............................ 93
2.7.3.5
効果の持続、耐薬性 .............................................. 94
参考文献
............................................................... 95
95
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3
2.7.3.1
2.7.3.1.1
Page
4 of
95
臨床的有効性
背景及び概観
背景
磁気共鳴コンピューター断層撮影(magnetic resonance imaging:MRI)は 1980 年代に導入さ
れて以来、神経疾患、血管異常、実質臓器疾患、乳腺疾患、筋骨格疾患、及び心血管・心臓疾患
などを有する患者において信頼性の高い診断情報をもたらしてきた。
ガドリニウム(Gd)含有細胞外液性 MRI 造影剤は、以下の機序により、MRI において血管を描
出〔造影磁気共鳴血管撮影(magnetic resonance angiography:MRA)〕、あるいは病変のコン
トラストを増強することで、病変の検出、拡がり診断を向上させ、また、病変の内部構造の評価
を改善させることが可能である。
1. 正常血管や、病変における異常な血管分布の描出(造影剤の初回通過時の撮像:造影剤が
血管内にのみ存在する投与後 10~30 秒以内)
2. 中枢神経系では、破綻した血液脳関門からの漏出
3. 躯幹部・四肢では、細胞外液腔への分布
罹患部位に関わらず、限局性病変の検出及び拡がり診断、及び良・悪性の鑑別診断は、患者の
画像診断検査で最も重要な事項の一つであり、Gd 含有細胞外液性造影剤による造影 MRI はこれ
らの診断を向上させ、個々の患者の適切な治療管理に必要な情報を提供している。
SH L562BB ( 以 下 、 本 剤 ) は 、 マ ク ロ 環 構 造 の Gd キ レ ー ト で あ る ガ ド ブ ト ロ ー ル を
1.0mmol/mL の濃度で含有する MRI 用造影剤である。本剤は、既存の Gd 含有細胞外液性造影剤と
同様の薬理学的作用機序及び薬物動態を有することから、これらと同様に、限局性病変の検出、
拡がり診断及び良悪性の鑑別診断を向上させ、治療管理に必要な情報を提供することが期待され
た。
本剤は 1998 年に「脳・脊髄の MRI における造影」の適応でスイスで最初に承認され、翌 1999
年に上市された。本剤は、2014 年 2 月時点で、ヨーロッパ連合(European Union:EU)、米国、
カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、メキシコ、トルコ、さらに東ヨーロ
ッパと中国や韓国等のアジア数ヵ国を含む 100 ヵ国以上において承認されている〔1.6.1 外国
での認可(申請)・使用状況 参照〕。「MRA における造影」の適応が 2002 年以降、「良悪性
の鑑別診断を必要とする限局性病変を有する又は強く疑う患者における肝又は腎の造影 MRI」の
適応が 2006 年以降に EU、韓国等で承認されている。2012 年には EU で「全身における病変の造
影 MRI」に適応が拡大され、その後トルコ、ロシア、ウクライナ、韓国、フィリピン等でも承認
されている。これまでの国外の臨床試験の成績により、本剤は脳・脊髄病変の検出と視覚化を目
的とする定常状態での造影 MRI 撮像に有効かつ安全であることが示されている。また、躯幹部・
四肢で、病変及び異常構造の検出、及び病変と正常組織の鑑別に有効かつ安全であることが示さ
れている。
本剤は、錯体安定性が高く、腎機能障害患者で使用する場合腎性全身性線維症発症のリスクが
低く、他の Gd 含有細胞外液性造影剤と少なくとも同等の有効性を有することが期待され、国内
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
5 of
95
においても標準的な MRI 造影剤に位置づけられる可能性があることから、国内での臨床開発を開
始した。
本申請は、本剤の、磁気共鳴コンピューター断層撮影における「脳・脊髄造影」及び「躯幹
部・四肢造影」の効能・効果取得を目的とする。
2.7.3.1.2
本剤の薬理学的特徴
本剤は Gd 含有細胞外液性 MRI 造影剤である。有効成分はガドブトロールで、低浸透圧、低粘
度のマクロ環構造を有する常磁性 Gd キレート錯体で、高い T1 緩和度を示す。ガドペンテト酸メ
グルミンや他の MRI 造影剤と同様に、本剤は T1 及び T2 緩和時間を短縮する希土類元素 Gd3+を含
有している。本剤が分布した組織では、T1 強調画像上で信号強度が有意に増強される。
本剤特有の物理化学的性質から、Gd を高濃度に含有する製剤の開発に成功した。本剤の Gd 濃
度は 1.0mmol/mL で、他のいずれの Gd 含有細胞外液性 MRI 造影剤と比較しても 2 倍の濃度である。
高濃度の Gd を含有していることから、単位量(mL)あたりの T1 短縮作用が他の Gd 含有造影剤
より高いことが本剤の特徴である。
本剤は他の Gd 含有細胞外液性 MRI 造影剤と同様の薬物動態プロファイル及び薬理作用機序を
有し、他の Gd 含有造影剤と同様に全身の細胞外液腔に広く分布するため、いずれの部位でも
MRI 撮像時に造影効果を示す。脳・脊髄の撮像では、腫瘍や炎症性病変などの造影効果は、本剤
が破綻した血液脳関門を通過した後に認められる。躯幹部・四肢の撮像では、多血性あるいは細
胞外液腔が拡大した腫瘍、炎症等の病変の造影効果が認められ、また、投与直後には血管内腔が
造影される。
2.7.3.1.3
有効性評価に含めた臨床試験の概観
日本人患者における脳・脊髄及び躯幹部・四肢の MRI における本剤の申請効能・効果を検証す
るために、以下の目的を設定した。
1)
脳・脊髄での本剤による造影 MRI の非造影 MRI に対する優越性を視覚パラメータ(造影効
果、辺縁明瞭度、内部構造)において示し、非劣性を検出病変個数において示す(試験
16260、試験 310123)
2)
転移性脳腫瘍の検出病変個数において、本剤 2 用量(0.1mmol/kg 及び 0.2mmol/kg)による
造影 MRI のガドテリドール(プロハンス、0.2mmol/kg)に対する非劣性を示す(試験
310864)
3)
躯幹部・四肢での本剤による造影 MRI のガドペンテト酸メグルミン(マグネビスト)に対
する非劣性を視覚パラメータ(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)の総スコアにおいて示
す(試験 13297)
ICH-E5 ガイドラインに示された考察に基づいて、本剤の薬物動態、薬力学、有効性及び安全
性に影響する可能性のある内因性及び外因性民族的要因について評価した。外因性要因として、
国内外の日常臨床における MRI 検査の位置づけを比較した。その結果、


本剤の薬物動態に人種差は認められない。
本剤の薬力学に人種差は認められない。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95

Gd 含有細胞外液性造影剤を用いた造影 MRI の臨床的位置づけや診断基準にも国内外で差はみ
られない。
 国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260)、及び同様の試験方法で実施された国外脳・脊髄第
Ⅲ相試験(試験 310124)で類似した結果が得られた。国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相
試験(試験 13297)で日本人と日本人以外のアジア人で同様の成績が得られた。
 日本人被験者集団でみられた安全性は、全被験者集団でみられた安全性の成績と同様であっ
た。
以上より、外国人で得られた有効性データの日本人への外挿が可能と考えられ(2.7.3.3.2.3
参照)、日本を含む東アジアで実施した国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297)
の全体成績、及び、3 つの国外躯幹部・四肢第Ⅲ相試験〔国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験
304561)、国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 97099)、国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験
91759)〕並びに国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124)を評価資料とした。また、主要な用量
設定試験である国外脳・脊髄第Ⅱ相試験(試験 308200)及び国外小児第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験
310788)も評価資料とした。
2.7.3.1.3.1
脳・脊髄造影に関連した試験
脳・脊髄の申請適応に関する有効性評価は、表 2.7.3.1.3.1- 1 に示す臨床試験の成績に基づ
いて行った。今回の申請に含めた全試験は 5.2 全臨床試験の一覧表に示す。
2.7.3 臨床的有効性
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7 of
95
表 2.7.3.1.3.1- 1 脳・脊髄撮像における本剤の有効性の評価に用いた臨床試験
試験番号/
報告書番号
試験方法
対象集団など
16260/
PH-37299
310124/
A47570
国内、非盲検
脳・脊髄の造影
MRI 適応患者
脳・脊髄の造影
MRI 適応患者
310864/
A41119
国内、単盲検、ガド
テリドール対照、ク
ロスオーバー
転移性脳腫瘍を
有する又は疑わ
れる患者
308200/
A40524
国外、二重盲検、
gadoversetamide 対
照、並行群間用量比
較
国際共同、二重盲
検、ガドテリドール
対照、クロスオーバ
ー
国外、非盲検、被験
者内用量比較
国外、非盲検
310123/
A47567
94054/
AI68
310788/
A40794
国外、非盲検
用量
(mmol/
kg)
0.1
解析対象
集団
資料
区分
参照項目
FAS:222 例
PPS:218 例
FAS:321 例
PPS:314 例
評価
5.3.5.1.1
2.7.6.9
5.3.5.1.2
2.7.6.10
0.1+0.1
(15 分
間隔)
FAS:160 例
PPS:151 例
評価
5.3.5.1.4
2.7.6.12
脳・脊髄に病変
を有する患者
0.03、
0.1、0.3
FAS:206 例
PPS:173 例
評価
5.3.5.1.3
2.7.6.11
脳・脊髄の造影
MRI 適応患者
0.1
FAS:336 例
PPS:316 例
参考
5.3.5.1.5
2.7.6.13
脳・脊髄病変が
疑われる患者
0.1+0.2
(10 分
間隔)
参考
5.3.5.2.1
2.7.6.21
脳、脊髄、肝
臓、腎臓の MRI
又は MRA(1 撮
像領域)を受け
る予定である小
児/若年患者
(2~17 歳)
0.1
1 回目投与
解析対象:
291 例
2 回目投与
解析対象:
285 例
FAS:138 例
PPS:135 例
最終 PK 解析
対象集団:
130 例
評価
5.3.3.3.3
2.7.6.8
0.1
評価
評価資料とした試験
主要な有効性評価は、脳・脊髄適応における本剤 0.1mmol/kg の有効性を検証するために計画
した国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260、報告書 PH-37299)、及びほぼ同様の試験方法で実施
した国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124、報告書 A47570)の試験成績に基づき行った。本剤
の脳・脊髄適応に対する安全かつ有効な用量を検討するために実施した国外脳・脊髄第Ⅱ相試験
(試験 308200、報告書 A40524)の試験成績についても評価した。また、転移性脳腫瘍を有する
又は疑われる患者において本剤 0.1mmol/kg の有効性を国内で検討した国内転移性脳腫瘍実薬対
照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)の試験成績も本剤の日本人における結果とし
て含めた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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8 of
95
試験 16260 で使用した用量の妥当性の根拠は、試験 308200 及び試験 310864 の試験成績に基づ
いている。
試験 310124 の治験実施計画書は、試験方法が類似した試験である国際共同脳・脊髄実薬対照
第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 310123 、 報 告 書 A47567 ) に 対 す る 米 国 食 品 医 薬 品 局 ( Food and Drug
Administration:FDA)のコメントを考慮して最終化された。また、国内で実施した試験 16260
及び試験 310864 の治験実施計画書案は、医薬品医療機器総合機構による治験相談を受け、そこ
での助言を考慮して最終化した。
脳・脊髄第Ⅲ相試験の 2 試験(試験 16260、試験 310124)及び対象集団、試験方法、及び評価
方法が類似している試験 310123 の有効性データを併合して併合解析及び部分集団解析(人口統
計学的特性、悪性病変の有無、病変の有無)を実施し、併合解析報告書(5.3.5.3.2 参照)に
示した。
また、脳・脊髄造影の適応を取得するために計画された試験ではないが、主として脳・脊髄の
MRI で有効性が評価された小児/若年被験者における国外小児第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験 310788、報
告書 A40794)の成績も含めた(2.7.3.2.1.1.5 参照)。
参考資料とした試験
これまでに実施した、本剤が投与された脳・脊髄を対象とする臨床試験のうち、試験 310123、
及び、本剤 0.1mmol/kg 及び 0.3mmol/kg の有効性を検討した国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験
94054、報告書 AI68)を参考資料とし、これらの試験成績を 2.7.3.2.1.1.5 に要約した。
試験 310123 は、1)試験 16260 及び試験 310124 と同様の試験方法であること、2)日本人が含
まれる試験であること、3)脳・脊髄の造影における対照薬とのクロスオーバー投与による比較
試験であることから、2.7.3.3 にも結果を示す。
2.7.3.1.3.2
躯幹部・四肢造影に関連した試験
躯幹部・四肢の申請適応に関する有効性評価は、表 2.7.3.1.3.2- 1 に示す臨床試験の成績に
基づいて行った。今回の申請に含めた全試験は 5.2 全臨床試験の一覧表に示す。
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.1.3.2- 1 躯幹部・四肢撮像における本剤の有効性の評価に用いた臨床試験
試験番号/
報告書番号
試験方法
対象集団など
用量
(mmol
/kg)
0.1
13297/
A51205
国際共同、単盲検、
ガドペンテト酸メグ
ルミン対照、並行群
間比較
躯幹部・四肢
の造影 MRI 適
応患者
304561/
A18088
国外、単盲検、ガド
ペンテト酸メグルミ
ン対照、並行群間比
較
腎病変を有す
る患者
0.1
97099/
A04519
国外、非盲検
躯幹部動脈疾
患を有する患
者
0.1~
0.15
91759/
PH-37227
国外、非盲検
腎動脈疾患を
有する又は疑
われる患者
0.1
91743/
A58872
国外、非盲検
乳癌と診断さ
れ、手術前に
造影 MRI 適応
となった患者
91782/
PH-37278
国外、非盲検
94055、
99012/
A02140
国外、非盲検
解析対象
集団
資料
区分
参照項目
本剤:
FAS;176 例
PPS;168 例
ガドペンテト酸
メグルミン:
FAS;183 例
PPS;178 例
本剤:
FAS;233 例
PPS;200 例
ガドペンテト酸
メグルミン:
FAS;233 例
PPS;206 例
PPS:176 例
盲検読影解析対
象集団:176 例
評価
5.3.5.1.6
2.7.6.14
評価
5.3.5.1.7
2.7.6.15
評価
5.3.5.1.8
2.7.6.16
FAS:292 例
PPS:265 例
評価
5.3.5.1.9
2.7.6.17
0.1
FAS:390 例
PPS:335 例
参考
5.3.5.1.10
2.7.6.18
乳癌と診断さ
れ、手術前に
造影 MRI 適応
となった患者
0.1
FAS:397 例
PPS:351 例
参考
5.3.5.1.11
2.7.6.19
躯幹部に病変
を有する患者
0.1
PPS:179 例
盲検読影評価可
能集団:145~
153 例
参考
5.3.5.1.12
2.7.6.20
2.7.3 臨床的有効性
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評価資料とした試験
日本、中国及び韓国で実施した国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297、報告
書 A51205)を主要な有効性の検証試験と位置付けた。試験 13297 での評価領域の一つである腎
臓で、ダイナミック撮像時の脂肪抑制併用やスライス厚等が現在の撮像法に近い撮像法で実施さ
れた国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561、報告書 A18088)も有効性評価に含めた。また、
日本では細胞外液性 MRI 造影剤の効能・効果である「躯幹部・四肢造影」に造影 MRA も含まれて
いることから、国外で実施した MRA の 2 試験、すなわち国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験
97099、報告書 A04519)及び国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759、報告書 PH-37227)を有効
性評価に含めた。試験 97099 及び試験 91759 では、1 撮像領域(field of view:FOV)による造
影 MRA で有効性が評価された。
参考資料とした試験
試験 13297 と同じように躯幹部・四肢の 5 身体領域を対象とした国外躯幹部・四肢第Ⅲ相試験
(試験 94055/99012、報告書 A02140 及びその事後解析報告書)、及び試験 13297 の評価領域の
一つである乳腺で実施された 2 つの国外乳腺第Ⅲ相試験〔試験 91782(報告書 PH-37278)、試験
91743(報告書 A58872)〕を参考資料とした。
2.7.3.1.4
脳・脊髄における評価資料とした 4 試験及び参考資料とした 1 試験の試験方
法
参照項目:2.7.6.9.1、2.7.6.10.1、2.7.6.11.1、2.7.6.12.1、2.7.6.13.1
2.7.3.1.4.1
被験者集団と試験方法
評価資料とした 4 試験のうち脳・脊髄病変を対象とした 3 試験〔国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試
験 16260)、国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124)及び国外脳・脊髄第Ⅱ相試験(試験
308200)〕、並びに参考資料とした国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験 310123)は、
被験者集団及び試験方法(本剤の投与方法、MRI 撮像、読影評価)の点で類似していたため、以
下にまとめて記載した。また、評価資料とした国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験
310864)についてもあわせて記載した。
試験集団
現在の臨床症状あるいは以前の画像診断に基づいて脳・脊髄の造影 MRI 検査適応となった 18
歳以上の男女被験者を組み入れた。試験 310864 では転移性脳腫瘍を有する又は疑われる 20 歳以
上の男女被験者を組み入れた。
本剤の投与方法
本剤 0.1mmol/kg を 1~2mL/秒(灌流画像も撮像した試験 308200 では 5mL/秒)の注入速度で単
回ボーラス投与後、同じ速度で生理食塩液 10~20mL でフラッシュした(試験 308200 は、本剤
0.03 及び 0.3mmol/kg も含む 3 用量の並行群間試験)。試験 310864 では、本剤 0.1mmol/kg の 1
回目投与開始から 13~15 分後に本剤 0.1mmol/kg の 2 回目投与を行った。
2.7.3 臨床的有効性
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MRI 撮像

非造影画像(本剤投与前に撮像した MR 画像):T1 強調、T2 強調、及び FLAIR(fluidattenuated inversion recovery)(頭部)/STIR(short inversion-time inversion
Recovery)(脊髄)画像

造影画像(本剤投与後に撮像した MR 画像):定常状態の T1 強調画像
試験 310864 では、本剤をまず 0.1mmol/kg 投与し、定常状態の時間帯に 1 回目のスキャンを行
い、続いて 0.1mmol/kg を追加投与した後に 2 回目の撮像を行った。それにより、2 回目の撮像
では、本剤の総投与量 0.2mmol/kg の造影画像を得た。一方、交叉投与した対照薬のガドテリド
ールも同様の投与方法で投与したが、2 回目の投与後のみ撮像を行った。
盲検読影
「非造影画像」及び「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」を 3 名の独立した盲検読
影医が評価した。試験 310864 では「造影画像」のみを評価した。
2.7.3.1.4.2
2.7.3.1.4.2.1
有効性評価と盲検読影の手順
有効性評価項目
脳・脊髄を対象とした 4 試験では、以下の 4 つの視覚パラメータを主要評価項目とした。

造影効果(1=no、2=moderate、3=good、4=excellent)

辺縁明瞭度(1=none、2=moderate、3=good、4=excellent)

内部構造(1=poor、2=moderate、3=good)

検出病変個数(計測上限は、試験 16260 及び試験 308200 では 30 個、他の 2 試験では 100
個)
試験 308200 では、これに加えて、灌流画像における白質と灰白質のコントラストノイズ比
(contrast noise ratio:CNR)を主要評価項目とした。
試験 310864 では、転移性脳腫瘍の検出病変個数のみを主要評価項目とし、造影効果と辺縁明
瞭度は副次評価項目として評価した。転移性脳腫瘍に限定した対象集団では鑑別診断の必要がな
いことから、病変の内部構造は評価しなかった。
重要な副次評価項目は以下のとおりである。

診断の一致度(試験 16260、試験 310124、試験 310123 及び試験 308200)

悪性病変検出の診断能(sensitivity 及び specificity、並びに accuracy)(試験 16260、
試験 310124 及び試験 310123)

治療計画に対する確信度、及び定位放射線治療(stereotactic radiosurgery:SRS)治
療計画に関するパフォーマンス(試験 310864)
2.7.3 臨床的有効性
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診断の一致度及び悪性病変検出の診断能の評価にあたって、個々の被験者における最終臨床診
断結果(standard of truth:SOT)が必要であった。試験 308200 では、試験の MRI 後 30 日以内
に得られた本剤による造影 MRI 以外のあらゆる情報に基づく治験担当医師による診断を最終臨床
診断とした。試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 では、地域又は国ごとに、2 名の専門家
から成る独立した truth committee が、3 ヵ月の追跡期間中に得られた所見(本試験で規定した
非造影及び造影 MR 画像は除く)を評価し、合議で診断した結果を最終臨床診断とした。転移性
脳腫瘍のみを対象とした試験 310864 では、SOT は設定しなかった。
試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 では、盲検読影医、治験責任医師又は治験分担医師
(以下、治験担当医師)、及び SOT とした最終臨床診断を判定する truth committee は、各被験
者について、表 2.7.3.1.4.2.1- 1 に示す診断名のリストから診断を行い、その結果に基づき診
断の一致度を評価した。また、下記のリストの中で、事前に悪性病変に該当するものを定義し、
この定義に基づいて、悪性病変検出の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)を評
価した。
表 2.7.3.1.4.2.1- 1 診断名リスト
髄膜腫
未分化/悪性髄膜腫
神経膠腫, 低グレード (Ⅰ/Ⅱ)
神経膠腫, 高グレード (Ⅲ/Ⅳ)
神経膠腫, 腫瘍グレードは判定不能
転移
多発性硬化症
髄膜疾患
下垂体腺腫
頭蓋咽頭腫
脈絡叢腫瘍
松果体腫瘍
髄膜癌腫症
乏突起膠腫 グレードⅡ
乏突起膠腫 グレードⅢ
脊索腫
原発性リンパ腫
類皮腫/類表皮腫
感染性疾患
静脈性血管腫
視神経炎
髄膜腫の髄膜播種
小脳橋角部腫瘍
フォンヒッペル・リンダウ症候群
高血圧性白質脳症
亜急性/慢性虚血
脳炎
病変なし
判定不能
その他
試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 の有効性評価項目の概観を表 2.7.3.1.4.2.1- 2 に、
試験 310864 の有効性評価項目の概観を表 2.7.3.1.4.2.1- 3 に示す。有効性評価項目は治験担当
医師及び 3 名の盲検読影医が評価した。試験 310123 では、本剤とガドテリドールのそれぞれに
ついて同一評価項目を評価した。
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.1.4.2.1- 2 脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260、試験 310124、試験 310123)における有
効性評価項目
Unenhanced
Investigator
Degree of contrast Lesions
enhancement a
Normal structures b
Lesions
Assessment of
border delineation Normal structures b
Lesions
Internal
morphology
Normal structures b
Total number of lesions detected
Exact match (MR diagnoses vs. final
diagnosis)
Normal/abnormal brain tissue
Malignant brain/spine lesions (derived)
Confidence in diagnosis
Number of contrast-enhanced lesions d
Image quality d
Signal intensity measurement d
●
●
●
●
●
●
Blinded
reader
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●c
●
●
Combined
(unenhanced and
contrast-enhanced)
Investigator Blinded
reader
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
T1w-contrastenhanced
Blinded
reader
●
●
●
●
●
●
●
●e
Primary variables are set in bold.
“Contrast” refers to gadobutrol for Study 16260 (Report PH-37299) and Study 310124 (Report A47570), and to gadobutrol
and gadoteridol for Study 310123 (Report A47567).
a: In subjects with images that included the entire brain, the investigator/blinded reader recorded the degree of contrast
enhancement for normal brain structures (pineal gland, pituitary gland, choroid plexus, and sagittal venous sinus). If any
lesion was located in any of the defined normal structures, then a score for that normal structure was not given. The
investigator did not score the contrast enhancement for the lesions and normal structures in the unenhanced image set.
b: Normal structures were scored only if whole brain was scanned
c: Unenhanced T1w only
d: Study 310123 (Report A47567) only
e: For unenhanced and contrast-enhanced MRI separately. Note: The signal intensity for the unenhanced MRI was
measured only once in either of gadobutrol combined or gadoteridol combined set according to the evaluation of the other
variables.
MR = magnetic resonance
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.1.4.2.1- 3 転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864)における有効性評
価項目
T1w-Contrast- enhanced a Combined unenhanced and Combined T2w and
contrast-enhanced b
T1w-contrastenhanced c
Investigator
Investigator Treatment
Independent
Blinded
planning
radiologist
reader
experts
●
●
Total number of lesions detected
Degree of contrast enhancement
●
●
Assessment of border delineation
●
●
Treatment planning confidence
●
●
Performance in SRS planning
●
●
Size measurement
●
Signal intensity measurement
●
Primary variables are set in bold.
a: Each of image set either in gadobutrol at a dose of 0.1 or total dose of 0.2 mmol/kg BW or gadoteridol was evaluated
independently
b: Direct comparison between gadobutrol at a dose of 0.1 mmol/kg BW and gadoteridol or between gadobutrol at total dose
of 0.2 mmol/kg BW and gadoteridol, referring to unenhanced images (T1, T2, FLAIR)
c: Corresponding lesion(s) was evaluated over multiple image sets, e.g. gadobutrol at a dose of 0.1 and total dose of
0.2 mmol/kg BW and gadoteridol
SRS = stereotactic radiosurgery, FLAIR = fluid-attenuated inversion recovery
3 名の盲検読影医の個々の結果をまとめて 1 データとした。以下のとおり、順序変数について
は average reader の結果(3 名の読影医の結果の算術平均)を、2 値変数については majority
reader の結果(読影医 3 名中 2 名以上が一致した結果)を用いて行った。
Average reader
(順序変数)
- 造影効果
- 辺縁明瞭度
- 内部構造
- 検出病変個数
Majority reader
(2 値変数)
- 悪性病変検出の診断能(sensitivity、specificity 及び
accuracy)
- 診断の一致度
試験 310864 の治療計画評価エキスパート 2 名は、治療計画に対する確信度及び SRS 治療計画
に関するパフォーマンスを合議評価した。
2.7.3.1.4.2.2
盲検読影
評価資料とした 4 試験(試験 16260、試験 310124、試験 308200、試験 310864)及び参考資料
の試験 310123 について、事前に計画した盲検下での画像評価方法に基づいて有効性の中央評価
を実施した。中央評価は、臨床試験に関わっていない独立した放射線科医(盲検読影医)により
実施された。被験者の背景、病歴などのデータ、施設名、撮像パラメータなどの情報、造影剤使
用の有無、治験実施計画書の内容などは盲検読影医には開示されなかった。評価を標準化し、読
2.7.3 臨床的有効性
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影医間のばらつきを最小限にするために、盲検読影医は盲検読影開始前に有効性評価のルールに
ついてトレーニングを受けた。
2.7.3.1.4.3
2.7.3.1.4.3.1
解析方法
脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 16260、試験 310124、試験 310123
試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 の主要評価項目のうち、造影効果、辺縁明瞭度、内
部構造については、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する優越性、検
出病変個数については、非劣性を検証することとした。主解析は、評価項目ごとに 3 名の盲検読
影医の評価の算術平均(average reader)を用いて行った。また、3 名の盲検読影医の個々の結
果及び治験担当医師の結果についても副次的に解析した。
造影効果、辺縁明瞭度、内部構造については、各被験者で複数の正常な脳組織(松果体、下垂
体、脈絡叢、矢状静脈洞;これらの組織内に病変がある場合は評価しない)及び病変(正常組織
内にある病変、次いで大きさ順に計最大 5 個)が評価されたことから、まず、正常組織及び病変
それぞれについて平均値を算出し、さらにその平均値を平均して全体平均とした。正常組織のみ、
あるいは病変のみが評価された場合は、その平均を全体平均とした。3 名の盲検読影医の全体平
均を平均したものを average reader とした。
なお、病変の評価スコアの平均値は、良好に描出されない病変も含めて多くの病変が検出され
た場合よりも、良好に描出される病変が少数検出された場合の方が高い評価になることを避ける
ため、0-filled average とした。すなわち、「非造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組
み合せ」で検出された病変個数が異なる場合、それぞれで同じ個数が評価されたものとするため、
検出病変個数が少ない画像の結果に、検出病変個数が多い画像との差の数だけ評価スコアとして
0 を追加して平均値を算出した。
信頼区間はすべて両側 95%信頼区間を算出した。優越性の検定は両側検定を用い、有意水準
は 0.05 とした。
試験 310123 では、対照薬のガドテリドールについても全有効性評価項目を評価し、主要評価
項目について、本剤のガドテリドールに対する非劣性を副次目的として検討した。
有効性の解析は、最大の解析対象集団(Full analysis set:FAS)を対象とした。試験 16260
では、安全性解析対象集団(試験に組み入れられ、治験薬が投与された被験者)のうち、非造影
T1 強調画像及び造影 T1 強調画像に加え、非造影 T2 強調画像又は FLAIR/STIR のいずれかの撮像が
少なくとも実施され、かつ非造影及び造影画像が共に得られた被験者を FAS とした。試験
310124 及び試験 310123 では、「非造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」a)が得
られた全被験者のうち、サンプル画像を提供した被験者(各施設で組み入れられた最初の被験者)
を除いた集団を FAS とした。いずれの試験でも、FAS に含まれる被験者のうち、治験実施計画書
の主要な規定すべてを満たした被験者を PPS(Per protocol set)とし、主要な有効性解析は
PPS についても実施した。また、以下の基準等に該当した被験者は PPS から除外した。
-
投与用量が投与予定用量の 90%未満、又は 110%を超える
a)試験 310123 では、「非造影画像」及び「本剤及びガドテリドールによる造影画像」の両方が得られた被験者
集団を FAS とした。
2.7.3 臨床的有効性
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Page
-
MRI 撮像の手順の明らかな誤り
-
主要な画像の破損もしくは紛失
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造影効果、辺縁明瞭度、内部構造の 3 変数は、対応のある t 検定を用いて、「非造影画像と造
影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する優越性について検定した。帰無仮説(H0)と対立
仮説(H1 )は以下のとおりとした。なお、以下に示す「平均値」は、被験者ごとに算出した
average reader の結果をさらに平均したものである。
H0:「非造影画像と造影画像の組み合せ」の平均値=「非造影画像」の平均値
H1:「非造影画像と造影画像の組み合せ」の平均値≠「非造影画像」の平均値
検出病変個数における非劣性の解析は、t 分布に基づいた信頼区間を使用し、非劣性マージン
は 0.35 とした。非劣性は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」のスコア平
均の差の両側 95%信頼区間の下限が-0.35 を上回った場合に検証できることとした。これは有
意水準 0.025 の片側検定と統計学的に同等な方法である。非劣性の帰無仮説と対立仮説は次のと
おりとした。
H0:「非造影画像と造影画像の組み合せ」の平均値-「非造影画像」の平均値≦-0.35
H1:「非造影画像と造影画像の組み合せ」の平均値-「非造影画像」の平均値>-0.35
ここで、「平均値」は、被験者ごとに算出した average reader の結果をさらに平均したもの
である。
あらかじめ設定した非劣性マージン 0.35 は、脳・脊髄の画像診断において臨床的に許容され
る最大の差を 0.5 個と考え、不確実性も考慮して設定した。設定した非劣性マージンの妥当性は、
国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験 310123)の治験実施計画書の SPA(special
protocol assessment)の過程で検討され、FDA により受け入れられた。
なお、これらの試験では、本剤の有効性を示すためには、4 つの主要評価項目すべてについて
規準を満たさなくてはならないとしたことから、検定の多重性を考慮した第 1 種の過誤の調整は
行わなかった。
悪性病変検出の sensitivity、specificity 及び accuracy の評価は、以下の方法に従って算出
した。
Sensitivity=正しく悪性病変と診断された被験者(TP:true positive)/Truth committee
により悪性病変と診断された全被験者
Specificity = 正 し く 非 悪 性 病 変 と 診 断 さ れ た 被 験 者 ( TN : true negative ) / Truth
committee により非悪性病変と診断された全被験者
Accuracy=正しく悪性又は非悪性病変と診断された被験者(TP+TN)/Truth committee によ
り診断された全被験者
2.7.3.1.4.3.2
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験:試験 310864
「本剤による造影画像」が「ガドテリドールによる造影画像」に対し非劣性であることを、転
移性脳腫瘍の検出病変個数を指標として検証することとした。本剤 0.1mmol/kg 及び 0.2mmol/kg
2.7.3 臨床的有効性
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(0.1mmol/kg の 2 回投与)の有効性をガドテリドール 0.2mmol/kg と比較した。有効性の主要評
価項目である検出病変個数の主解析には、3 名の盲検読影医の評価結果の算術平均(average
reader)を用いた。主要評価項目の副次解析及び副次評価項目の解析として、個々の盲検読影医、
治療計画評価エキスパートの合議評価、独立した放射線科医、及び治験担当医師から得られたデ
ータを使用した(表 2.7.3.1.4.2.1- 3)。辺縁明瞭度及び造影効果について、各被験者から複
数のデータが得られ、これらの評価の平均値(算術平均)を解析に用いた。
本剤又はガドテリドールによる造影 MRI 検査が実施された被験者のうち、病変のなかった被験
者を除いた集団を FAS とした。そのうち治験実施計画書の主要な逸脱がなかった被験者を PPS と
し、主解析は当該対象集団について行った。
以下のいずれかに該当した被験者を PPS から除外した。
-
投与用量が投与予定用量の 90%未満、又は 110%を超える
-
併用禁止薬の使用
-
本剤又はガドテリドールのいずれかの造影 MRI 検査が実施されなかった
検出病変個数での非劣性の解析には t 分布に基づく信頼区間を用い、非劣性マージンは、過去
の試験成績での非造影画像とガドブトロール 0.1mmol/kg 投与後の画像の検出病変数の差の平均
値 3.01 の 1/3 に相当する 1 とした。非劣性は、本剤による造影及びガドテリドールによる造影
におけるそれぞれの平均検出病変個数の差の両側 95%信頼区間の下限が-1 を上回った場合に検
証できることとした。これは有意水準 0.025 の片側検定と統計学的に同等の手法である。非劣性
に関する帰無仮説と対立仮説は以下のとおりとした。
H0:「本剤による造影画像」の平均値-「ガドテリドールによる造影画像」の平均値≦-1
H1:「本剤による造影画像」の平均値-「ガドテリドールによる造影画像」の平均値>-1
ここで、「平均値」は、average reader の結果をさらに平均したものである。
Dunnett の両側同時 95%信頼区間を主要な有効性の検証に使用した。
2.7.3.1.4.3.3
国外脳・脊髄第Ⅱ相試験:試験 308200
主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造、検出病変個数)を要約した複合スコアであ
る視覚カテゴリースコア(Categorical Visualization Score:CVS)を主解析に用いた。4 つの
主要評価項目について、3 名の盲検読影医の個々の結果及び治験担当医師の結果も副次的に解析
した。5 番目の主要評価項目である「灌流画像における CNR」の解析は、1 名の独立した放射線
科医が測定したデータで行った。有効性に関するすべての順序変数は、average reader の結果
を採用し、個々のデータを解析したときと同じ方法で解析した。統計学的検定はすべて両側、有
意水準 0.05 で行った。信頼区間はすべて両側 95%信頼区間とした。
「非造影画像」並びに「本剤及び gadoversetamide による造影画像」が得られ、これらの画像
に関する症例報告書データが得られた被験者のうち、サンプル画像を提供した被験者(各施設で
組み入れられた最初の被験者)を除いた集団を FAS とした。そのうち投与予定用量の±10%以内
が投与され、治験実施計画書の主要な逸脱がなかった被験者を PPS とし、主解析は PPS について
行った。
4 つの主要評価項目それぞれをひとつのカテゴリーとして取り扱い、それぞれについて「非造
影画像」と「非造影と造影画像の組み合せ」を比較し、「非造影と造影画像の組み合せ」のスコ
2.7.3 臨床的有効性
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アが「非造影画像」のスコアより向上した場合を+1、低下した場合を-1 とした上で、それら
の合計を CVS とした。CVS の評価にあたり、「非造影画像」の造影効果は「1=no(Lesion is
not enhanced)」と設定した。
4 つのカテゴリーのうち、造影効果は造影後にスコアが造影前より減少することはなく、不変
又は増加しかありえないため、各被験者について個々の読影医による CVS について考えられる結
果は、-3 から+4 の範囲であった。被験者ごとに 3 名の盲検読影医の CVS の平均(average
reader)を求めた。本剤の異なる用量を 2 用量のペアごとに比較するため、2 用量の平均 CVS の
差を 95%信頼区間(t 分布を使用)と共に算出し、この差の統計学的有意性を評価した。
灌流画像の評価では、白質と灰白質の CNR について記述統計量を用量群別に算出した。CNR 平
均値の 2 群の差の 95%信頼区間を算出し、示した。
2.7.3.1.4.3.4
有効性の併合解析
2.7.3.1.4.1 に示したとおり、試験方法と被験者集団が類似していることから、脳・脊髄適応
の評価資料の第Ⅲ相試験 2 試験(試験 16260 及び試験 310124)及び参考資料の試験 310123 を併
合した有効性データの補足的事後解析を実施した(表 2.7.3.1.4.3.4- 1)。主要評価項目及び
重要な副次評価項目について、併合データ全体における解析を実施し、その結果を
2.7.3.3.2.1.1 及び 2.7.3.3.2.1.2 にそれぞれ示した。また、主要評価項目(計測上限数が試験
で異なった検出病変個数を除く)について、人口統計学特性等による部分集団解析も行い、結果
を 2.7.3.3.3.1 に示した。さらに、試験 16260 及び試験 310123 の国内被験者の併合解析を行い、
主要評価項目(検出病変個数を除く)及び重要な副次評価項目の結果について、
2.7.3.3.2.1.1.5 及び 2.7.3.3.2.1.2.4 にそれぞれ示した。すべての併合解析の詳細な結果は
5.3.5.3.2 に示す。
表 2.7.3.1.4.3.4- 1 有効性併合データの概観
Efficacy variables
Degree of contrast enhancement
Assessment of border delineation
Internal morphology
Sensitivity for detection of malignancy
Specificity for detection of malignancy
Exact match of the MR diagnoses with the
final clinical diagnosis
Sensitivity for detection of T1w
normal/abnormal brain tissue
Specificity for detection of T1w
normal/abnormal brain tissue
16260 (Report 310124 (Report 310123 (Report
PH-37299)
A47570)
A47567)
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
No. of
subjects
848
848
848
223
551
617
●
●
●
593
●
●
●
131
Highest number of subjects included in the efficacy analysis for the gadobutrol dose of 0.1 mmol/kg body weight (full
analysis set: FAS)
Pooling was done on average reader data for the primary visualization variables (which are ordinal), and on the majority
reader values for the diagnostic variables.
MR = magnetic resonance
2.7.3 臨床的有効性
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2.7.3.1.5
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躯幹部・四肢における評価資料とした 4 試験の試験方法
躯幹部・四肢における評価資料とした 4 試験〔国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試
験 13297)、国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561)、国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試
験 97099)、国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759)〕は、試験ごとに試験方法が異なるため、
以下に試験別に試験方法を記載した。
2.7.3.1.5.1
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験:試験 13297
参照項目:2.7.6.14.1
2.7.3.1.5.1.1
被験者集団と試験方法
試験集団
現在の臨床症状あるいは以前の画像診断に基づいて躯幹部・四肢(対象領域:乳腺、心臓、腹
部、腎、骨盤、四肢)の造影 MRI 検査適応となった 20 歳以上の男女被験者を組み入れた。
治験薬の投与方法
本剤 0.1mmol/kg を 1.5~2mL/秒の注入速度で単回静脈内投与後、同じ速度で生理食塩液 10mL
のフラッシュを行った。ガドペンテト酸メグルミンは承認用量の 0.1mmol/kg を 2~3mL/秒の注
入速度で単回静脈内投与し、同じ速度で生理食塩液 10mL のフラッシュを行った。
MRI 撮像

非造影画像(本剤又はガドペンテト酸メグルミン投与前に撮像した MR 画像):T1 強調、T2 強
調(T1 強調のみの心臓を除く)画像

造影画像(本剤又はガドペンテト酸メグルミン投与後に撮像した MR 画像):定常状態の T1
強調画像に加え、心臓以外については、ダイナミック撮像(T1 強調画像)も行った。

心臓では、非造影画像として T1 強調画像を撮像し、造影画像は造影剤投与後約 10 分から適
切な Inversion Time を設定した Inversion Recovery T1 強調画像を撮像した。
盲検読影
「非造影画像」、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」及び「非造影画像とガドペ
ンテト酸メグルミンによる造影画像の組み合せ」を 3 名の独立した盲検読影医が評価した。心臓
では、3 名の盲検読影医にそれぞれ心臓エキスパート 1 名が加わった 3 つの盲検読影グループが
合議による評価を実施した。
2.7.3.1.5.1.2
2.7.3.1.5.1.2.1
有効性評価と盲検読影の手順
有効性評価項目
以下の 3 つの視覚パラメータを主要評価項目とした。

造影効果(1=no、2=moderate、3=good、4=excellent)

辺縁明瞭度(1=none、2=moderate、3=good、4=excellent)
2.7.3 臨床的有効性
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
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内部構造(1=poor、2=moderate、3=good)
重要な副次評価項目は以下のとおりである。

検出病変個数

診断の一致度

悪性病変検出の診断能(sensitivity 及び specificity)
各被験者について、治験実施施設の造影 MRI 検査を依頼した主治医が SOR(standard of
reference)としての最終臨床診断を決定した。SOR が確実で信頼できるものとなるように、MRI
検査依頼から試験の MRI 検査 3 ヵ月後までに得られたすべての被験者関連情報を収集した。MR
診断との一致度を評価する目的から、主治医は病変に関しての診断を、治験担当医及び盲検読影
医が診断に使用したのと同じ診断名リストから記録した。
治験担当医師及び盲検読影医は、事前に定義した診断名のリストから MRI による診断結果を記
録した。SOR との一致度の評価には、この診断結果を用いた。また、事前に悪性病変を定義し、
悪性病変検出の診断能(sensitivity、specificity)を評価した(心臓は除く)。
2.7.3.1.5.1.2.2
盲検読影
事前に計画した盲検下での画像評価方法に基づいて有効性の中央評価を実施した。中央評価は、
臨床試験に関わっていない独立した放射線科医(盲検読影医)により実施された。被験者の背景、
病歴などのデータ、施設名、撮像パラメータなどの情報、造影剤使用の有無、治験実施計画書の
内容などは盲検読影医には開示されなかった。対象領域が腹部及び骨盤の場合、治験担当医師が
規定した評価臓器の情報は開示された。評価を標準化し、読影医間のばらつきを最小限にするた
めに、盲検読影医は盲検読影開始前に有効性評価のルールについてトレーニングを受けた。
2.7.3.1.5.1.2.3
解析方法
主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)について、「非造影画像と本剤による造影
画像の組み合せ」が「非造影画像とガドペンテト酸メグルミンによる造影画像の組み合せ」に対
して非劣性であることを検証することとした。
被験者ごとに最大 5 個の病変〔優先順位:1.大きさにかかわらず主要病変、2.悪性病変(最大
病変より順に選択)、3.その他の全病変(最大病変より順に選択)〕を評価し、各主要評価項目
(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)及び各盲検読影医について全病変の平均スコアを求め、次
に、その平均スコアについて 3 名の盲検読影医の結果の算術平均(average reader)を求めた。
Average reader での 3 つの主要評価項目の総スコアを、主解析に用いた。治験担当医師及び各
盲検読影医による 3 つの主要評価項目の総スコアを、主要評価項目の副次解析に用いた。
有効性の主解析は PPS を対象とし、副次解析として FAS についても実施した。FAS は、安全性
解析対象集団(試験に組み入れられ、治験薬が投与された被験者)のうち、「非造影画像と本剤
による造影画像の組み合せ」又は「非造影画像とガドペンテト酸メグルミンによる造影画像の組
み合せ」が得られていない被験者、あるいは画像診断が可能かどうかを評価した画像の事前選定
において、独立した放射線科医により MR 画像が「Not assessable」と判定された被験者を除い
た。PPS は FAS に含まれる被験者のうち、治験実施計画書の主要な規定のすべてを満たした被験
者とした。以下の基準等に該当した被験者は PPS から除外した。
2.7.3 臨床的有効性
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Page
-
選択基準を満たさない被験者
-
除外基準に抵触する被験者
-
投与用量が投与予定用量の 90%未満、又は 110%を超える
-
併用禁止薬の使用
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95
3 つの主要評価項目の総スコアでの非劣性の解析には t 分布に基づく信頼区間を用いることと
した。国外脳・脊髄第Ⅱ相試験(試験 308200)の成績から、臨床的に十分な画像は総スコアが 8
以上となると考えられ、その 15%に相当する 1.2 は、試験 308200 で「非造影画像」と「非造影
画像と本剤による造影画像の組み合せ」(0.1 及び 0.3mmol/kg)の総スコアの差の平均値であっ
た約 3 の 1/2 以下であることから、非劣性マージンとして 1.2 を設定した。すなわち、非劣性は、
本剤による造影及びガドペンテト酸メグルミンによる造影におけるそれぞれの average reader
の総スコアの平均値の差の両側 95%信頼区間の下限が-1.2 を上回った場合に検証できることと
した。これは有意水準 0.025 の片側検定と統計学的に同等の手法である。非劣性に関する帰無仮
説と対立仮説は以下のとおりとした。
H0:「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」の平均値-
「非造影画像とガドペンテト酸メグルミンによる造影画像の組み合せ」の平均値≦-1.2
H1:「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」の平均値-
「非造影画像とガドペンテト酸メグルミンによる造影画像の組み合せ」の平均値>-1.2
ここで、「平均値」は、被験者ごとに算出した average reader の結果をさらに平均したもの
である。
2.7.3.1.5.2
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験:試験 304561
参照項目:2.7.6.15.1
2.7.3.1.5.2.1
被験者集団と試験方法
試験集団
腎病変が既知あるいは疑われ、さらなる精密検査のためコンピューター断層撮影(computed
tomography:CT)を施行又は予定している 18 歳以上の男女被験者を組み入れた。MRI 検査前ま
たは検査後 4 週間以内に実施された CT を、基本的な SOT 検査法とした。
治験薬の投与方法
本剤 0.1mmol/kg を 1.0mL/秒の注入速度で静脈内に単回ボーラス投与後、2.0mL/秒の注入速度
で生理食塩液 20mL でフラッシュした。ガドペンテト酸メグルミンは承認標準用量の 0.1mmol/kg
を 2.0mL/秒の注入速度で単回ボーラス投与し、同じ速度で生理食塩液 20mL でフラッシュした。
MRI 撮像

非造影画像(本剤又はガドペンテト酸メグルミン投与前に撮像した MR 画像):T1 強調、
T2 強調画像
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.

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造影画像(本剤又はガドペンテト酸メグルミン投与後に撮像した MR 画像):定常状態の
T1 強調画像に加え、ダイナミック撮像(T1 強調画像)も行った。
盲検読影
「非造影画像」、「造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」を 3 名の独立した盲
検読影医が評価した。
2.7.3.1.5.2.2
2.7.3.1.5.2.2.1
有効性評価と盲検読影の手順
有効性評価項目
主要評価項目は、盲検読影医による、「非造影画像と本剤及びガドペンテト酸メグルミンによ
る造影画像の組み合せ」での病変ごとの良悪性分類の診断能、すなわち accuracy、sensitivity
及び specificity とした。
盲 検 読 影 医 は MR 画 像 を 基 に 全 病 変 を 評 価 し 、 病 変 が あ る 場 合 に は 病 変 ご と に 表
2.7.3.1.5.2.2- 1 に示す 3 つに分類し、可能な限り下位分類の診断も実施した。
表 2.7.3.1.5.2.2- 1 病変の下位分類
分類
悪性病変
良性病変
評価不能
下位分類
腎細胞癌、上部尿路の移行上皮癌、腎の原発性リンパ腫、二次性悪性腫瘍(腎の続発
性リンパ腫を含む)、悪性間葉腫瘍(肉腫など)
良性間葉腫瘍(平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、カプスローマなど)、血管筋脂肪腫、
腎細胞腺腫(好酸性顆粒細胞腫など)、複雑性良性嚢胞、単純性良性嚢胞、膿瘍、
黄色肉芽腫性腎盂腎炎
該当なし
Source: 5.3.5.1.7 A18088 Section 9.5.3.1
重要な副次評価項目として以下を評価した。

画像セット(「非造影画像」、「造影画像」、「非造影画像と造影画像の組み合せ」)
別の病変の良悪性分類の診断能(accuracy、sensitivity 及び specificity)

下位分類が一致した病変の割合

病変の最大径

腎内外への病変の拡がり

描出能
CT 画像は別の独立した放射線科医 1 名が被験者の臨床情報(性別、年齢、検査の目的、泌尿
生殖器の病歴)開示下で評価し CT 診断を行い、その結果を SOT とした。別の放射線科医 1 名が、
各病変について SOT の診断結果(腎マップ)と盲検読影医及び治験担当医師による MRI 診断結果
(腎マップ)を照合し、位置が一致する病変を同定した。CT 以外の診断方法(組織病理検査等)
により SOT が得られた場合には、治験実施計画書で病変タイプにより定めた手順に従い最良 SOT
を選定した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.1.5.2.2.2
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盲検読影
事前に計画した盲検下での画像評価方法に基づいて有効性の中央評価を実施した。中央評価は、
臨床試験に関わっていない独立した放射線科医(盲検読影医)により実施された。被験者の背景、
病歴などのデータ、施設名、撮像パラメータなどの情報、造影剤使用の有無、治験実施計画書の
内容などは盲検読影医には開示されなかった。評価を標準化し、読影医間のばらつきを最小限に
するために、盲検読影医は盲検読影開始前に有効性評価のルールについてトレーニングを受けた。
2.7.3.1.5.2.2.3
解析方法
主要評価項目である病変の良悪性分類に関する診断能について、「非造影画像と本剤による造
影画像の組み合せ」が「非造影画像とガドペンテト酸メグルミンによる造影画像の組み合せ」に
対し非劣性であることを検証することとした。非劣性は、主要評価項目のうち、sensitivity 及
び specificity から得られる全体的な正診率である accuracy に基づいて検証した。
盲検読影医による病変の良悪性分類と、SOT による分類を、病変の局在部位が一致する病変ご
とに比較評価した。SOT で良悪性が分類されなかった病変は解析から除外した。
SOT と MR 画像による病変の良悪性分類の対比表を表 2.7.3.1.5.2.2- 2 に示す。Average
reader の診断能の 95%信頼区間は、読影医間の相関を考慮した Obuchowski(1998)1)の方法に
従って算出した。
Accuracy=正しく良悪性分類された全病変(TP+TN)/SOT により診断された全病変
Sensitivity=正しく悪性と診断された病変(TP)/SOT により悪性と診断された全病変
Specificity=正しく良性と診断された病変(TN)/SOT により良性と診断された全病変
表 2.7.3.1.5.2.2- 2 病変分類の対比表
Lesion classification by best
SOT:
Benign
Malignant
Benign
TN
FN
Lesion classification by MRI:
Malignant
Not assessable
FP
FP
TP
FN
No lesion
TN
FN
Source: 5.3.5.1.7 A18088 Text Table 19
MRI = magnetic resonance imaging; SOT = standard of truth; TP = true positive; FP = false positive; TN = true negative;
FN = false negative.
主要評価項目の検証的解析は、3 名の盲検読影医の平均値(average reader)を基に行った。
FAS は、安全性解析対象集団(試験に組み入れられ、治験薬が投与された被験者)と同一とし
たが、SOT と比較する解析では SOT が得られた病変がまったくなかった被験者を除いた。PPS は
FAS に含まれる被験者のうち、治験実施計画書の主要な規定すべてを満たした被験者とした。
Accuracy についての非劣性の解析には平均値の信頼区間を用い、非劣性マージンは 10%とし
た。すなわち、非劣性は、本剤による造影及びガドペンテト酸メグルミンによる造影におけるそ
れぞれの average reader の accuracy の差の 95%信頼区間の下限が-10%を上回った場合に検
証できることとした。これは有意水準 0.025 の片側検定と統計学的に同等の手法である。非劣性
に関する帰無仮説と対立仮説は以下のとおりとした。
2.7.3 臨床的有効性
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H0:「本剤による造影の accuracy」-「ガドペンテト酸メグルミンによる造影の accuracy」
≦-10%
H1:「本剤による造影の accuracy」-「ガドペンテト酸メグルミンによる造影の accuracy」
>-10%
2.7.3.1.5.3
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 97099
参照項目:2.7.6.16.1
2.7.3.1.5.3.1
被験者集団と試験方法
試験集団
躯幹部動脈〔大動脈弁上動脈、胸部大動脈、並びに腹部大動脈及び腹部動脈(骨盤動脈を含め
た大動脈の 2 次分枝まで)〕の疾患が既知あるいは疑われ、経動脈性デジタル・サブトラクショ
ン血管撮影(intra-arterial digital subtraction angiography:i.a. DSA)(又はカットフィ
ルム血管撮影)が試験期間の前後 2 週間以内に実施された/実施予定の 18 歳以上の男女被験者
を組み入れた。
I.a. DSA は本試験の対照検査法であった。
本剤の投与方法
体重 75kg 未満の被験者に対し本剤 7.5mL を、75kg 以上の被験者に対し本剤 10mL を単回静脈
内投与した。撮像の開始時点の計算にテスト注入が必要である場合(自動トリガー機能がある場
合 は 不 要 ) 、 本 剤 1mL ( 平 均 0.01mmol/kg ) の テ ス ト 注 入 後 に 経 時 的 な 2 次 元 ( two
dimensional:2D)撮像を行い、その際測定した造影剤の到達時間を用いて造影 MRA を撮像開始
した。テスト注入及び造影剤投与後に、生理食塩液 25~30mL でフラッシュした。造影 MRA の注
入速度は、容量と撮像に要する時間を考慮し 0.5~2.0mL/秒の間で設定した。テスト注入並びに
生理食塩液によるフラッシュの注入速度は、本剤投与時と同じ速度とした。
MRA 撮像
3D GRE(three dimensional gradient echo)法を用いて造影画像(本剤投与後に撮像した
MRA 画像)を撮像した。
盲検読影
「本剤による造影 MRA 画像」のセット(最大値投影画像、多断面再構成像等の日常臨床で使用
される画像を含む)を 3 名の独立した盲検読影医が評価した。
2.7.3.1.5.3.2
2.7.3.1.5.3.2.1
有効性評価と盲検読影の手順
有効性評価項目
主要評価項目は、被験者ごとに特定した 1 血管区域についての、造影 MRA による診断と i.a.
DSA による診断の一致度とした。診断結果を以下の 4 つに分類し、被験者ごとの診断分類の一致
度を算出した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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
正常、動脈硬化、50%以下の狭窄(プラーク)又は拡張

有意狭窄(50%を超える)

閉塞

動脈瘤
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副次評価項目として、適応ごとに定めた 5 血管区域について、造影 MRA と i.a. DSA における
以下を評価した。

血管区域単位の診断の一致度

有意狭窄(狭窄率>50%)、閉塞及び動脈瘤の検出に関する accuracy、sensitivity、
specificity、陽性的中率(positive predictive value:PPV)及び陰性的中率
(negative predictive value:NPV)

血管区域の造影能及び描出能
診断の確信度は、各被験者について 0(=none)から 100(=complete)までのスケールを用
いて評価し、以下の 4 段階で評価を分類した。

0~25=none(検査が全く役に立たない)

26~50=low(治療計画を確立するために追加の画像検査が必要である)

51~75=moderate(追加情報により治療計画を確認することが望ましい)

76~100=high(治療計画を確立するために追加の検査による確認は不要である)
I.a. DSA の評価(診断を含む)は治験担当医師が実施した。また、i.a. DSA 以外の検査を実
施した被験者に対し、治験担当医師が血管区域ごとの最終診断を、本試験の造影 MRA を除くすべ
ての画像検査(介入的手技、術中血管撮影等)及び臨床情報に基づいて実施した。
2.7.3.1.5.3.2.2
盲検読影
事前に計画した盲検下での画像評価方法に基づいて有効性の中央評価を実施した。中央評価は、
臨床試験に関わっていない独立した放射線科医(盲検読影医)により実施された。被験者の背景、
病歴などのデータ、施設名、撮像パラメータなどの情報、造影剤使用の有無、治験実施計画書の
内容などは盲検読影医には開示されなかった。評価を標準化し、読影医間のばらつきを最小限に
するために、盲検読影医は盲検読影前に有効性評価のルールについてトレーニングを受けた。
2.7.3.1.5.3.2.3
解析方法
有効性評価を行う 5 血管区域を造影 MRA の適応(脳虚血、骨盤動脈疾患、腹部大動脈瘤など)
ごとにあらかじめ規定し、被験者の検査目的及び紹介時診断に基づき、組み入れ時に治験担当医
師が適応を選択した。また、有効性の主解析に用いる特定の血管区域を適応ごとに 2 つ規定し、
被験者の症例番号が偶数か奇数かにより、いずれかの血管区域を選択した。
5 血管区域のうち選択された 1 血管区域について、造影 MRA による診断と i.a. DSA による診
断の一致度を評価した。各血管区域の診断は、本剤による造影 MRA と i.a. DSA(カットフィル
2.7.3 臨床的有効性
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ム血管撮影を含む)に基づき行われた。診断結果を 4 つ〔正常/動脈硬化/50%以下の狭窄(プ
ラーク)又は拡張、有意狭窄(50%を超える)、閉塞、動脈瘤〕に分類し、被験者ごとの診断の
一致度をこの分類別に算出した。主解析は治験担当医師及び独立した 3 名の盲検読影医について
実施することとした。
有効性の解析は、PPS を対象とし、主解析は FAS〔当時は ITT(intent to treat)とした〕に
ついても実施することとした。FAS は、安全性解析対象集団(試験に組み入れられ、治験薬が投
与された被験者)のうち造影 MRA が得られなかった被験者を除いた集団とした。PPS は FAS に含
まれる被験者のうち、治験実施計画書に適合しない被験者を除くこととした。
造影 MRA による診断分類と i.a. DSA による診断分類の一致度が 80%を上回った場合、造影
MRA と i.a. DSA の有効性が同程度と考えることとし、造影 MRA による診断と i.a. DSA による診
断分類の一致度の両側 95%信頼区間の下限が 0.80 を上回ったとき、造影 MRA の有効性が検証で
きることとした。帰無仮説と対立仮説は以下のとおりとした。
H0:p≦0.80
H1:p>0.80
p は診断分類が一致した被験者の割合
2.7.3.1.5.4
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 91759
参照項目:2.7.6.17.1
2.7.3.1.5.4.1
被験者集団と試験方法
試験集団
腎動脈疾患が既知あるいは疑われ、コンピューター断層血管撮影(computed tomography
angiography:CTA)を実施又は実施予定の 18 歳以上の男女被験者を組み入れた。なお、CTA は
64 列以上の multidetector CT で実施することとし、その診断結果を SOR とした。
本剤の投与方法
本剤 0.1mmol/kg を 1.5mL/秒の注入速度で単回静脈内投与後、同じ速度で生理食塩液 30mL で
フラッシュした。
MRA 撮像

非造影 MRA(本剤投与前に撮像した MRA 画像):2D-ToF(time of flight)画像

造影 MRA(本剤投与後に撮像した MRA 画像):3D-T1 強調画像
盲検読影
「非造影 MRA」及び「造影 MRA」を無作為化して 3 名の独立した盲検読影医が評価した。CTA
は、別の 3 名の盲検読影医が評価した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.1.5.4.2
2.7.3.1.5.4.2.1
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有効性評価と盲検読影の手順
有効性評価項目
主 要 評 価 項 目 は 、 「 造 影 MRA 」 及 び 2D-ToF MRA で の 「 非 造 影 MRA 」 に つ い て の 、
assessability(評価可能な血管区域の割合)、sensitivity 及び sepcificity とした。
腎動脈の 6 つの血管区域(左右の腎動脈をそれぞれ同じ長さに 3 分割して評価)ごとに、
assessability(全長が描出され狭窄が正確に測定できるか、否か)を評価し、評価可能でかつ
目視で 10%を超える狭窄があると判断された場合、最大の狭窄部位と正常部位で血管径を測定
した。血管径の測定結果から最大狭窄率を算出し、SOR とした CTA での最大狭窄率に基づき、有
意狭窄(狭窄率 50~99%と定義した)の検出における sensitivity 及び specifity を算出した。
重要な副次評価項目は以下のとおりである。

左右腎動脈の長さ

血管区域の最小径
2.7.3.1.5.4.2.2
盲検読影
事前に計画した盲検下での画像評価方法に基づいて有効性の中央評価を実施した。中央評価は、
臨床試験に関わっていない独立した放射線科医(盲検読影医)により実施された。被験者の背景、
病歴などのデータ、施設名、撮像パラメータなどの情報、造影剤使用の有無、治験実施計画書の
内容などは盲検読影医には開示されなかった。評価を標準化し、読影医間のばらつきを最小限に
するために、盲検読影医は盲検読影開始前に有効性評価のルールについてトレーニングを受けた
2.7.3.1.5.4.2.3
解析方法
主要評価項目(assessability、sensitivity、specificity)について、majority reader の
結果(読影医 3 名中 2 名以上が一致した結果)を用い、以下の 5 つのエンドポイントを検証する
こととした。

被験者あたり 6 つの血管区域で評価した assessability についての「造影 MRA」の「非造
影 MRA」に対する優越性

血管区域ごとの有意狭窄検出の sensitivity における「造影 MRA」の「非造影 MRA」に対
する非劣性

血管区域ごとの有意狭窄検出の specificity における「造影 MRA」の「非造影 MRA」に対
する非劣性

本剤の診断能の以下の最低基準
- 「造影 MRA」の有意狭窄検出の sensitivity が 50%を超える
- 「造影 MRA」の有意狭窄検出の specificity が 50%を超える
2.7.3 臨床的有効性
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95
CTA は、3 名の盲検読影医のうち、2 名以上が assessable と評価した血管区域で、かつ血管径
測定に基づいた有意狭窄の有無について一致した結果(majority reader)を SOR とした。それ
以外の血管区域は解析から除外した。
有効性の解析は、FAS を対象とした。FAS は、本剤による造影 MRA 画像と非造影 MRA 画像のセ
ット及びこれら画像に関する症例報告書データ、並びに SOR 診断が得られた全被験者のうち、盲
検読影のトレーニング用サンプル画像を提供した 3 例の被験者を除いた集団とした。FAS に含ま
れる被験者のうち、治験実施計画書の主要な規定すべてを満たした被験者を PPS とした。主要評
価項目については PPS についても副次的に実施した。以下の基準等に該当した被験者は PPS から
除外した。
-
投与用量が投与予定用量の 90%未満、又は 110%を超える
-
注入速度が所定の 80%未満、又は 120%を超える
-
MRA 撮像の手順の明らかな誤り。盲検読影マニュアルで規定した主要な逸脱
主解析は、血管区域の assessability、有意狭窄検出における sensitivity 及び specificity
の造影 MRA と非造影 MRA 間の比較、及び本剤の診断能(sensitivity と specificity)の最低基
準とした。
「造影 MRA」と「非造影 MRA」における assessability、sensitivity 及び specificity の差の
信頼区間を用いて、assessability の優越性と、sensitivity 及び specificity の非劣性を評価
した。非劣性の解析では、「非造影 MRA」及び「造影 MRA」で not assessable と評価された血管
区域に、SOR と一致、不一致の結果を半数ずつ無作為に挿入した。非劣性マージンは 7.5%とし、
「造影 MRA」と「非造影 MRA」の sensitivity 及び specificity の差の片側 95%信頼区間の下限
が-7.5%を上回った場合に非劣性が検証できることとした。なお、補足解析により、「造影
MRA」と「非造影 MRA」の sensitivity 及び specificity の差の両側 95%信頼区間の下限も算出
した。
本剤の診断能の最低基準は、「造影 MRA」の sensitivity 及び specificity の片側 95%信頼区
間の下限が 50%を超えることにより評価した。この解析は、not assessable と評価された血管
区域は除外して実施した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.2
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95
個々の試験結果の要約
2.7.3.2.1
脳・脊髄試験
2.7.3.2.1.1
2.7.3.2.1.1.1
評価資料とした試験
国内脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 16260
参照項目:2.7.6.9.2
223 例に本剤を投与し、試験を完了した。有効性解析を FAS(222 例)及び PPS(218 例)で行
った。
主要評価項目について、盲検読影医の評価結果(average reader)を表 2.7.3.2.1.1.1- 1 に
示す。造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造については、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の
「非造影画像」に対する優越性が示された(各々、p<0.0001)。また、検出病変個数について
は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の 95%信頼区間の下限があら
かじめ設定した非劣性マージンである-0.35 を上回り、「非造影画像と造影画像の組み合せ」
の「非造影画像」に対する非劣性が示された。副次解析として実施した治験担当医師の成績は盲
検読影医の成績と一致していた。
表 2.7.3.2.1.1.1- 1 Average reader における主要評価項目の結果(FAS):試験 16260
Image set
Na
Mean
SD
Contrast enhancement
Unenhanced
Combined
Difference
221
221
221
0.95
2.87
1.91
0.09
0.46
0.50
Border delineation
Unenhanced
Combined
Difference
221
221
221
2.14
3.20
1.06
0.26
0.32
0.40
Internal morphology
Unenhanced
Combined
Difference
221
221
221
1.15
2.28
1.13
0.17
0.29
0.30
Number of lesions
Unenhanced
Combined
Difference
221
221
221
10.79
11.09
0.30
10.18
10.07
2.75
95% CI of
Difference
(1.847, 1.979)
p<.0001
(1.007, 1.115)
p<.0001
(1.088, 1.168)
p<.0001
(-0.067, 0.661)
Non-inferior
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/1, Table 14.2/3, Table 14.2/5, Table 14.2/7
Blinded readers’ average results – Full Analysis Set
CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced; SD = standard deviation.
a: For 1 subject (200040013), images presented were not the same among the 3 readers in blinded reading part I due to the
system error and excluded from the analysis.
副 次 評 価 項 目 と し て 、 診 断 の 一 致 度 、 T1 強 調 画 像 の 脳 の 正 常 / 異 常 組 織 の 診 断 能
( sensitivity 、 specificity 及 び accuracy ) 、 悪 性 病 変 検 出 の 診 断 能 ( sensitivity 、
specificity 及び accuracy)及び診断の確信度を評価した。
2.7.3 臨床的有効性
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95
盲検読影医が「非造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」について画像診断を行
った際の診断名を、SOT と比較して診断の一致度を評価した。その結果、majority reader の
「非造影画像と造影画像の組み合せ」の診断の一致度では、「非造影画像」との差の 95%信頼
区間の下限が 0 を上回り、向上が認められた。
盲検読影医は非造影及び造影 T1 強調画像上で脳の異常所見の有無を診断し、SOT と比較して脳
の正常/異常組織の診断能を評価した。Majority reader の「造影画像」における sensitivity
と accuracy は、「非造影画像」との差の 95%信頼区間の下限が 0 を上回り、向上が認められた。
Specificity には、差はみられなかった。
悪性病変が存在したか否かは、盲検読影医と治験担当医師が行った診断(診断名)に基づき分
類し、悪性病変検出の診断能を評価した。Majority reader の「非造影画像と造影画像の組み合
せ」の sensitivity 及び accuracy では、「非造影画像」との差の 95%信頼区間の下限が 0 を上
回り、向上が認められた。Specificity には、差は認められなかった。
Average reader では、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の診断の確信度は「非造影画像」
と比較し 4 段階スケールで 0.86 の向上が得られた。95%信頼区間(0.780、0.934)は 0 を含ま
ず、診断の確信度に向上が認められた。
「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の比較に基づき、本剤の有効性が、視
覚パラメータである主要有効性評価項目のみならず、診断能に関連した副次評価項目でも示され
た。
2.7.3.2.1.1.2
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 310124
参照項目:2.7.6.10.2
343 例に本剤を投与し、そのうち 336 例が試験を完了した。有効性解析を FAS(321 例)及び
PPS(314 例)で行った。
主要評価項目について、盲検読影医の評価結果(average reader)を表 2.7.3.2.1.1.2- 1 に
示す。造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造については、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の
「非造影画像」に対する優越性が示された。また、検出病変個数については、「非造影画像と造
影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の 95%信頼区間の下限があらかじめ設定した非劣性
マージンである-0.35 を上回り、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対
する非劣性が示された。副次解析として実施した治験担当医師の成績は盲検読影医の成績と一致
していた。
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.2.1.1.2- 1 Average reader における主要評価項目の結果(FAS):試験 310124
Image set
N
Mean
SD
Contrast enhancement
Unenhanced
Combined
Difference
311
0.93
2.86
1.94
0.23
0.73
0.77
Border delineation
Unenhanced
Combined
Difference
311
1.92
2.94
1.02
0.43
0.68
0.71
Internal morphology
Unenhanced
Combined
Difference
311
1.57
2.35
0.78
0.35
0.49
0.53
Number of lesions
Unenhanced
Combined
Difference
321
2.65
2.97
0.32
6.30
6.95
3.53
95% CI of
Difference
(1.850, 2.023)
p<.0001
(0.942, 1.100)
p<.0001
(0.720, 0.838)
p<.0001
(-0.070, 0.704)
Non-inferior
Source: 5.3.5.1.2 A47570 Table 17, Table 19, Table 21, Table 23
Blinded readers’ average results - Full Analysis Set
CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced; SD = standard deviation.
診断の一致度は「非造影画像と造影画像の組み合せ」で「非造影画像」と比較して向上が認め
られた(majority reader:p=0.0002)。
脳の正常/異常組織の診断能では、「造影画像」における sensitivity と accuracy は、「非
造影画像」と比較し向上が認められた(majority reader:それぞれ p=0.0004、p=0.0285)。
Specificity は「造影画像」で「非造影画像」と比較して 12.5%低下した。
悪性病変検出の診断能では、sensitivity 及び accuracy は、「非造影画像」と比べて「非造
影画像と造影画像の組み合せ」で向上を示した(majority reader:それぞれ p=0.0003、p=
0.0093)。Specificity は変わらず、低下はみられなかった。
盲検読影医で診断の確信度に向上が認められた(average reader:p<0.0001)。
「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の比較に基づき、本剤の有効性が、視
覚パラメータである主要有効性評価項目のみならず、診断能に関連した副次評価項目でも示され
た。
2.7.3.2.1.1.3
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験:試験 310864
参照項目:2.7.6.12.2
164 例に本剤又はガドテリドールを投与し、そのうち 159 例が試験を完了した。有効性解析を
FAS(160 例)及び PPS(151 例)で行った。
主要評価項目である盲検読影医による検出病変個数について、本剤とガドテリドールの平均値
を表 2.7.3.2.1.1.3- 1、本剤とガドテリドールの差を表 2.7.3.2.1.1.3- 2、本剤 2 用量の差を
表 2.7.3.2.1.1.3- 3 に示す。
2.7.3 臨床的有効性
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95
Average reader における被験者あたりの検出病変個数は、本剤 0.1mmol/kg で 6.28、本剤
0.2mmol/kg で 6.92、ガドテリドール 0.2mmol/kg で 6.87 であった。本剤 0.1mmol/kg とガドテリ
ドール 0.2mmol/kg の検出病変個数の差の 95%信頼区間の下限は-0.87 で、あらかじめ設定した
非劣性マージン-1 を上回り、非劣性が示された。
検出病変個数について、事後解析で本剤 0.1mmol/kg と 0.2mmol/kg の直接比較を行った。本剤
0.1mmol/kg と本剤 0.2mmol/kg の検出病変個数の差(0.1mmol/kg-0.2mmol/kg)の 95%信頼区間
の下限は-0.90 で、あらかじめ設定した非劣性マージン-1 を上回り、非劣性が示された。
表 2.7.3.2.1.1.3- 1 検出病変個数(PPS):試験 310864
Blinded readers’ average
Blinded reader 1
Blinded reader 2
Blinded reader 3
Gadobutrol
0.1 mmol/kg bw
6.28 ± 8.31
2.30 (0.0, 30.0)
5.97 ± 8.28
2 (0, 30)
6.83 ± 8.64
3 (0, 30)
6.04 ± 8.28
2 (0, 30)
Gadobutrol
0.2 mmol/kg bw
6.92 ± 8.69
2.70 (0.0, 30.0)
6.67 ± 8.67
2 (0, 30)
7.61 ± 9.15
4 (0, 30)
6.50 ± 8.58
2 (0, 30)
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
6.87 ± 8.65
2.70 (0.0, 30.0)
6.46 ± 8.49
2 (0, 30)
7.74 ± 9.35
4 (0, 30)
6.40 ± 8.47
2 (0, 30)
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 24
Analysis set: Per protocol set (n=151)
Values represent mean ± standard deviation in upper line and median (minimum, maximum) in lower line.
More than 30 lesions per patient were regarded as 30 lesions.
表 2.7.3.2.1.1.3- 2 Average reader における本剤とガドテリドールの検出病変個数の差
(PPS):試験 310864
Point estimates
[95% CIs: Lower, Upper]
Gadobutrol 0.1 mmol/kg bw
– Gadoteridol 0.2 mmol/kg bw
-0.58
[-0.87*, -0.29]
Gadobutrol 0.2 mmol/kg bw
– Gadoteridol 0.2 mmol/kg bw
0.06
[-0.23*, 0.36]
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 20
Analysis set: Per protocol set (n=151)
Numbers of detected lesions by 3 blinded readers were averaged per patient.
*: Non-inferiority of gadobutrol to gadoteridol is significant.
CI = confidence interval
表 2.7.3.2.1.1.3- 3 Average reader における本剤 2 用量における検出病変個数の差(PPS):
試験 310864
Point estimates
[95% CIs: Lower, Upper]
Gadobutrol 0.1 mmol/kg bw – Gadobutrol 0.2 mmol/kg bw
-0.64
[-0.90*, -0.38]
Source: 5.3.5.4.28 A50760 Table 1
Analysis set: Per protocol set (n=151)
Numbers of detected lesions by 3 blinded readers were averaged per patient.
No type I error adjustment for multiple comparisons was performed in this exploratory analysis.
*: Non-inferiority of gadobutrol 0.1mmol/kg to 0.2mmol/kg is significant.
CI = confidence interval
2.7.3 臨床的有効性
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副次解析として、盲検読影医ごとに検出病変個数の解析を行った。各盲検読影医の検出病変個
数の結果について、本剤とガドテリドールの差を表 2.7.3.2.1.1.3- 4 に示す。1 名の盲検読影
医(読影医 2)の本剤 0.1mmol/kg における結果を除くすべての結果で、95%信頼区間の下限値
はあらかじめ設定した非劣性マージンの-1 を上回り、本剤 0.1mmol/kg 及び 0.2mmol/kg のガド
テリドール 0.2mmol/kg に対する非劣性が示された。
表 2.7.3.2.1.1.3- 4 各盲検読影医における本剤とガドテリドールの検出病変個数の差
(PPS):試験 310864
Blinded reader 1
Blinded reader 2
Blinded reader 3
Gadobutrol 0.1 mmol/kg bw
– Gadoteridol 0.2 mmol/kg bw
-0.48 [-0.80*, -0.17]
-0.90 [-1.38 , -0.42]
-0.36 [-0.79*, 0.08]
Gadobutrol 0.2 mmol/kg bw
– Gadoteridol 0.2 mmol/kg bw
0.22 [-0.10*, 0.54]
-0.12 [-0.61*, 0.36]
0.10 [-0.33*, 0.54]
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 21
Analysis set: Per protocol set (n=151)
Values show point estimates [upper, lower limit] of 95% confidence intervals.
*: Non-inferiority of gadobutrol to gadoteridol is significant.
造影効果及び辺縁明瞭度
盲検読影医 3 名及び治験担当医師が、検出した全病変(最大 30 個)について、造影効果を 1
(no enhancement)から 4(excellent enhancement)までの 4 段階で評価した。同様に各病変
の辺縁明瞭度を、1(no or unclear delineation)から 4(excellent delineation)までの 4
段階で評価した。Average reader における被験者ごとの病変スコアを算出し、その平均値を算
出した(表 2.7.3.2.1.1.3- 5)。造影効果について average reader のスコア平均値は、本剤
0.1mmol/kg で 3.44、0.2mmol/kg で 3.54、ガドテリドール 0.2mmol/kg で 3.51 であった。辺縁明
瞭度について、average reader のスコアの平均値は、本剤 0.1mmol/kg で 3.30、0.2mmol/kg で
3.45、ガドテリドール 0.2mmol/kg で 3.36 であった。
表 2.7.3.2.1.1.3- 5 Average reader における造影効果及び辺縁明瞭度(PPS):試験 310864
Contrast enhancement
Border delineation
Gadobutrol
0.1 mmol/kg bw
3.44 ± 0.42
3.30 ± 0.46
Gadobutrol
0.2 mmol/kg bw
3.54 ± 0.44
3.45 ± 0.48
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
3.51 ± 0.49
3.36 ± 0.56
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 34, Table 35
Blinded readers’ average results - Per Protocol Set (n=151)
Scores of lesion were averaged per patient.
Values represent mean ± standard deviation.
治療計画に対する確信度及び SRS 治療計画に関するパフォーマンス
治療計画評価エキスパート(治験実施施設に属さない放射線診断医及び放射線治療医の合議に
よる評価)及び治験担当医師が、各造影 MR 画像を観察し、治療計画を検討する上で診断の確信
性をはかるために診断の確信度を評価した。評価には非造影画像も参照した。SRS が適応される
患者に関して一般的な定義はないが、治療計画評価エキスパート 2 名の所属する医療機関の基準
に従い、被験者を特定した。当該医療機関では病変個数が 3 病変以下、病変径が 3.5cm 以下であ
ることを目安としていた。本剤(いずれの用量も)及びガドテリドールのいずれの投与でもほと
んど(98%以上)の被験者で治療計画にあたって「confident」と判定された。「confident」と
2.7.3 臨床的有効性
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95
評価され SRS が適応と判断された被験者の本剤及びガドテリドールによる造影画像を比較し、
SRS 治療計画を立てるにあたっての画像の優劣を評価した。治療計画評価エキスパートの評価結
果を表 2.7.3.2.1.1.3- 6、評価の理由を表 2.7.3.2.1.1.3- 7 に示す。
解析対象例数は、本剤 0.1mmol/kg で 65 例、0.2mmol/kg で 62 例(それぞれ PPS の約 40%)で
あった。「本剤とガドテリドールは同等」と判定された被験者の割合は、本剤 0.1mmol/kg 及び
0.2mmol/kg でそれぞれ 36.9%及び 48.4%であった。いずれの用量においても、「本剤はガドテ
リドールよりよい」と判定された割合が、「ガドテリドールは本剤よりよい」と判定された割合
に比べて高かった。「本剤はガドテリドールよりよい」と判定された理由は、「照射領域がはっ
きりした」が最も多かった。
表 2.7.3.2.1.1.3- 6 SRS 治療計画に関するパフォーマンス(PPS):試験 310864
Assessment
(by treatment planning experts)
Total number of patients
Gadobutrol was better than Gadoteridol
Gadoteridol was better than Gadobutrol
Both image sets were comparable
Gadobutrol 0.1 mmol/kg bw
vs.
Gadoteridol 0.2 mmol/kg bw
65 (100.0%)
26 (40.0%)
15 (23.1%)
24 (36.9%)
Gadobutrol 0.2 mmol/kg bw
vs.
Gadoteridol 0.2 mmol/kg bw
62 (100.0%)
22 (35.5%)
10 (16.1%)
30 (48.4%)
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 39, Table 40
Analysis set: Per protocol set
PPS patients whose images were assessed as “confident in treatment planning” both with gadobutrol (0.1 mmol/kg bw or
0.2 mmol/kg bw) and gadoteridol and who were applicable for SRS were included.
SRS = stereotactic radiosurgery
表 2.7.3.2.1.1.3- 7 SRS 治療計画に関するパフォーマンスの評価理由(PPS):試験 310864
Assessment
(by treatment
planning experts)
Total
Gadobutrol is better
Gadoteridol is better
Reason
Total number of patients
Newly detected lesions
Lesion size exceeds the limit
Newly detected treatable lesions
Extended radiation area
Clarified radiation area
Total number of patients
Newly detected lesions
Lesion size exceeds the limit
Newly detected treatable lesions
Extended radiation area
Clarified radiation area
Gadobutrol
0.1 mmol/kg bw
vs.
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
65
(100.0%)
26
(40.0%)
2
(3.1%)
1
(1.5%)
5
(7.7%)
8
(12.3%)
15
(23.1%)
15
(23.1%)
4
(6.2%)
1
(1.5%)
4
(6.2%)
3
(4.6%)
8
(12.3%)
Gadobutrol
0.2 mmol/kg bw
vs.
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
62
(100.0%)
22
(35.5%)
5
(8.1%)
0
3
(4.8%)
5
(8.1%)
11
(17.7%)
10
(16.1%)
1
(1.6%)
0
2
(3.2%)
5
(8.1%)
3
(4.8%)
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 39, Table 40
Analysis set: Per protocol set
PPS patients whose images were assessed as “confident in treatment planning” both with gadobutrol (0.1 mmol/kg bw or
0.2 mmol/kg bw) and gadoteridol and who were applicable for SRS were included.
SRS = stereotactic radiosurgery
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95
病変径
3 種の造影画像を用い、被験者ごとに全画像で一致する病変(10 個を超える場合は病変径が大
き い も の か ら 10 個 ま で ) に つ い て 、 独 立 し た 放 射 線 科 医 が 病 変 径 を 測 定 し た ( 表
2.7.3.2.1.1.3- 8)。測定された 603 病変の平均径は、本剤 0.1mmol/kg で 8.79mm、本剤
0.2mmol/kg で 9.07mm、ガドテリドール 0.2mmol/kg で 8.83mm であった。各造影画像間で病変径
は同様であった。
表 2.7.3.2.1.1.3- 8 病変径(PPS):試験 310864
Lesion size (mm)
Number of
lesions
603
Gadobutrol
0.1 mmol/kg bw
8.79 ± 8.06
6.00 (0.00, 69.50)
Gadobutrol
0.2 mmol/kg bw
9.07 ± 8.19
6.40 (0.00, 68.20)
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
8.83 ± 8.02
6.30 (0.00, 67.30)
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 42
Analysis set: Per protocol set (n=151)
Values represent mean ± standard deviation in upper line and median (minimum, maximum) in lower line for all lesions
evaluated (10 largest lesions were evaluated for each patient).
病変の CNR
3 種の造影画像を用い、各被験者において全画像で一致する病変(3 個を超える病変が検出さ
れた場合は、病変径が大きい順に 3 個まで)について、独立した放射線科医が信号強度を測定し、
その値から CNR を算出した(表 2.7.3.2.1.1.3- 9)。評価された全病変(306 個)の CNR の平均
値は、本剤 0.1mmol/kg で 36.7、本剤 0.2mmol/kg で 60.1、ガドテリドール 0.2mmol/kg で 53.0
であった。本剤及びガドテリドール 0.2mmol/kg の CNR は、本剤 0.1mmol/kg の CNR より高かった。
薬理作用のメカニズムにより説明される用量依存性が確認された。
表 2.7.3.2.1.1.3- 9 病変の CNR(PPS):試験 310864
CNR
Number of
lesions
306
Gadobutrol
0.1 mmol/kg bw
36.74 ± 47.82
24.50 (-48.0, 362.2)
Gadobutrol
0.2 mmol/kg bw
60.09 ± 67.40
41.95 (-16.8, 467.5)
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
53.01 ± 56.20
36.70 (-54.6, 336.7)
Source: 5.3.5.1.4 A41119 Table 41
Analysis set: Per protocol set (n=151)
Values represent mean ± standard deviation in upper line and median (minimum, maximum) in lower line for all lesions
evaluated (3 largest lesions were evaluated for each patient).
CNR = (SI of lesion – SI of normal white matter) / SD of background noise
CNR = contrast noise ratio, SI = signal intensity, SD = standard deviation
転移性脳腫瘍病変の検出において、本剤 0.1mmol/kg 及び 0.2mmol/kg のガドテリドール
0.2mmol/kg に対する非劣性が示された。本剤 0.1mmol/kg は、転移性脳腫瘍病変の検出において
も臨床的に十分な用量であり、臨床推奨用量である。
2.7.3.2.1.1.4
国外脳・脊髄第Ⅱ相試験:試験 308200
参照項目:2.7.6.11.2
229 例に本剤を投与し、そのうち 217 例が試験を完了した。有効性解析を FAS(206 例)及び
PPS(173 例)で行った。
2.7.3 臨床的有効性
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4 つの主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造、検出病変個数)を要約した CVS を表
2.7.3.2.1.1.4- 1 に示す。CVS が高いほど、各投与がより有効であると考えられる。主解析とし
た average reader では、0.03mmol/kg で CVS が最も低く(1.43)、0.1mmol/kg で CVS が最も高
かった(2.02)。これらの 2 用量間の CVS の差は、統計学的に有意(p=0.003)であり、
0.1mmol/kg が優れていた。CVS は 0.1mmol/kg でプラトーに達していると考えられた。すなわち、
0.3mmol/kg の CVS(1.98)は 0.1mmol/kg より高くはなく、0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間で CVS
に統計学的に有意な差はみられなかった(p=0.844)。
表 2.7.3.2.1.1.4- 1 Average reader における CVS の要約(PPS):試験 308200
Dose (mmol/kg)
CVS
0.3 (N=56)
1.98
CVS
SD
1.20
0.1 (N=55)
2.02
1.04
0.03 (N=61)
1.43
1.07
T-test
P-value
0.844
0.003
Source: 5.3.5.1.3 A40524 Table 14
PPS = per protocol set; CVS = Categorical Visualization Score; N = number of subjects in dose group; SD = standard
deviation
4 つの主要評価項目についての average reader の結果を表 2.7.3.2.1.1.4- 2 に示す。4 つの
主要評価項目のいずれについても、本剤 0.3mmol/kg は 0.1mmol/kg と比較して、「非造影画像」
と比べた「非造影画像と造影画像の組み合せ」の向上に差はみられなかった。
2.7.3 臨床的有効性
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95
表 2.7.3.2.1.1.4- 2 Average reader における主要評価項目の結果(PPS):試験 308200
Parameter
Dose
No. subjects
Contrast
0.3 mmol/kg
enhancement a n = 53
0.1 mmol/kg
n = 55
0.03 mmol/kg
n = 58
Border
delineation a
0.3 mmol/kg
n = 53
0.1 mmol/kg
n = 55
0.03 mmol/kg
n = 58
Internal
0.3 mmol/kg
morphology b n = 53
0.1 mmol/kg
n = 55
0.03 mmol/kg
n = 58
Number of
lesions
0.3 mmol/kg
n = 56
0.1 mmol/kg
n = 55
0.03 mmol/kg
n = 61
Dose difference
Total no.
(Lower, Upper 95% CI
Image set
lesions Mean Median SD Min, Max
limits)
Unenhanced
1.00 1.00 0.00
1, 1
Combined
2.79 3.20 1.15
1, 4
Difference
1.79 2.20 1.15
0, 3
-0.011 (-0.436, 0.414) c
Unenhanced
1.00 1.00 0.03
1, 1
Combined
2.78 3.11 1.08
1, 4
Difference
1.78 2.11 1.07
0, 3
-0.797 (-1.171, -0.424) c
Unenhanced
1.00 1.00 0.00
1, 1
Combined
1.98 1.86 0.93
1, 4
Difference
0.98 0.86 0.93
0, 3
Unenhanced
2.42 2.33 0.45
2, 4
Combined
3.12 3.33 0.72
2, 4
Difference
0.70 0.67 0.60
0, 2
-0.016 (-0.247, 0.2148) c
Unenhanced
2.41 2.33 0.52
2, 4
Combined
3.09 3.17 0.63
2, 4
Difference
0.68 0.67 0.61
-1, 2
-0.395 (-0.619, -0.17) c
Unenhanced
2.50 2.33 0.49
2, 4
Combined
2.79 2.67 0.71
2, 4
Difference
0.28 0.17 0.60
-1, 2
Unenhanced
1.62 1.62 0.40
1, 2
Combined
2.42 2.67 0.65
1, 3
Difference
0.80 1.00 0.51
0, 2
0.1012 (-0.104, 0.3066) c
Unenhanced
1.60 1.50 0.45
1, 2
Combined
2.50 2.83 0.65
1, 3
Difference
0.90 1.00 0.57
0, 2
-0.381 (-0.581, -0.181) c
Unenhanced
1.73 1.94 0.47
1, 2
Combined
2.25 2.50 0.71
1, 3
Difference
0.52 0.50 0.50
-1, 2
Unenhanced 264
4.71 1
7.68
0, 30
Combined
269
4.80 1
7.83
0, 30
Difference
5
0.09 0
2.22 -9, 9
-0.053 (-0.9, 0.7942) d
Unenhanced 271
4.93 1
8.41
1, 30
Combined
273
4.96 1
8.56
1, 30
Difference
2
0.04 0
2.28 -13, 5
-0.069 (-0.825, 0.6866) d
Unenhanced 349
5.72 1
9.91
0, 30
Combined
347
5.69 1
10.0
0, 30
Difference
-2 -0.03 0
1.82 -10, 5
Source: 5.3.5.1.3 A40524 Table 15, Table 17, Table 19, Table 21
Summary of average reader (per protocol set).
a Scale: 1 = None; 2 = Moderate; 3 = Good; 4 = Excellent
b Scale: 1 = Poor; 2 = Moderate; 3 = Good
c Confidence intervals (CIs) are asymptotic CIs adjusted for clustering.
d CIs are asymptotic CIs based on t-distribution.
SD = standard deviation, Min = minimum, Max = maximum
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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38 of
95
灌流画像における白質と灰白質の平均 CNR 値は、0.03mmol/kg(9.42)に比べ 0.1mmol/kg
( 27.0 ) 及 び 0.3mmol/kg ( 22.2 ) で 高 か っ た が 、 0.03mmol/kg と 0.1mmol/kg 間 、 及 び
0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間の差の 95%信頼区間はいずれも 0 を含み、いずれの用量間でも差は
みられなかった。CNR の中央値は、0.03、0.1 及び 0.3mmol/kg で、それぞれ 7、14 及び 17 であ
った。
「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」で検出されたすべての病変のうち、対照の
「非造影画像と gadoversetamide による造影画像の組み合せ」で検出された病変と一致した割合
を、0.03mmol/kg と 0.1mmol/kg 間及び 0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間で比較した。その結果、盲
検読影医 1 名で 0.03mmol/kg と 0.1mmol/kg 間(p=0.03)及び 0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間(p
=0.02)に差がみられ、0.1mmol/kg で一致度が最も高かった。他の盲検読影医 2 名については
0.03mmol/kg と 0.1mmol/kg 間及び 0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間のいずれにおいても大きな差は
みられなかった。
「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」で造影効果が認められた病変のうち、対照の
「非造影画像と gadoversetamide による造影画像の組み合せ」で認められた病変と一致した割合
(造影病変の一致度)を、同様に用量間で比較した。盲検読影医 2 名で、0.03mmol/kg と
0.1mmol/kg 間(2 名とも p=0.02)及び 0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間(p=0.02 及び p=0.04)
で差が認められ、0.1mmol/kg で一致度が最も高かった。0.03mmol/kg と 0.1mmol/kg 間の比較、
及び 0.1mmol/kg と 0.3mmol/kg 間の比較で、それぞれ 1 名の盲検読影医では 2 群間において大き
な差は認められなかった。
Average reader による「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」に基づく診断と治験
担当医師による最終臨床診断との一致度(%)は、0.3mmol/kg で 54.2%、0.1mmol/kg で 57.1%、
0.03mmol/kg で 62.3%であり、「非造影画像」に基づく診断と最終臨床診断との一致度はそれぞ
れ 53.6%、45.8%、51.9%であった。最終臨床診断との一致度における「非造影画像」と比較
した「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」の改善は、0.3mmol/kg ではわずかで
(0.6%)、0.1mmol/kg で最も大きかった(11.3%)。盲検読影医による診断の確信度は、
average reader では、すべての用量で同様(2.95~3.04)であった。各盲検読影医の結果は
average reader の結果と一致した。
視覚パラメータの複合スコアである CVS の結果に基づいて、本剤 0.1mmol/kg は脳・脊髄造影
の臨床用量と結論された。
2.7.3.2.1.1.5
国外小児第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験 310788)
参照項目:2.7.6.8
脳、脊髄、肝臓、腎臓の MRI 又は MRA 撮像が適応となる 2~17 歳の小児/若年患者を対象に、
本剤 0.1mmol/kg 投与後の血漿中薬物動態を評価する多施設共同、非盲検試験を 2007 年 5 月~
2008 年 4 月に実施した。
各被験者に本剤 0.1mmol/kg を 0.8~3mL/秒の注入速度で投与し、その後同じ注入速度で 10mL
以上の生理食塩液でフラッシュした。
薬物動態の結果の要約は 2.7.2.2.3.3 に示した。MR 画像の造影能、診断時に必要な画像パラ
メータ(病変の有無、辺縁明瞭度及び造影効果)、患者管理に対する影響について治験担当医師
により評価された。
2.7.3 臨床的有効性
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95
計 138 例(第Ⅰ群 2~6 歳:46 例、第Ⅱ群 7~11 歳:44 例、第Ⅲ群 12~17 歳:48 例)を FAS
として有効性が検討された。撮像部位は頭部 83.3%、脊椎 10.1%と脳・脊髄が大半を占めた。
造影能については治験担当医師が 5 段階スケール(none、poor、moderate、good、excellent)
で評価した。本剤投与後の全般的な造影能は、97.9%の被験者で good 又は excellent と評価さ
れた。Good と excellent の評価が第Ⅰ群と第Ⅱ群の被験者では 100%、第Ⅲ群では 93.8%を占
め、被験者の年齢による差は認められなかった。
「非造影画像」で病変が認められたのは 138 例中 74 例(53.6%)で、「造影画像」では 138
例中 77 例(55.8%)であった。総検出病変個数は「非造影画像」で 119、「造影画像」で 122
であり、ほとんどの病変は非造影及び造影画像の両方で認められた。一部の病変が「造影画像」
のみで認められ、さらに「非造影画像」で病変とされたものが「造影画像」で病変が否定された
場合もあった。
造影効果については治験担当医師が 4 段階スケール(none、moderate、good、excellent)で
評価した。本剤による造影効果は、総検出病変 122 中 61 病変(50.0%)で認められ、55 病変
(45.1%)で good 又は excellent、6 病変(4.9%)で moderate と判定された。45.9%の病変で
は病変の性質から造影効果がみられず、4.1%の病変は評価できなかった。造影剤投与後の造影
効果が期待できない疾患が含まれていることを考慮すると、得られた結果から本剤の有効性は十
分示されたと考えられた。
診断の確信度について、治験担当医師が 4 段階スケール( minimal、moderate 、good、
excellent)で評価した。被験者の 91.3%で診断の確信度の向上が認められた。診断の確信度が
向上した被験者のうち 64.3%が good 又は excellent の向上で、評価が moderate 又は minimal
となったのは各々33.3%、2.4%であった。被験者の年齢による診断の確信度の差は認められな
かった。
ほぼ全例(98.6%)の被験者で MR 画像による診断と最終診断の結果が一致していた。MRI 検
査前の診断が MRI 検査結果により確認される、より詳細な情報が MRI 検査により得られる、疑わ
れた病変が除外診断できるなど、造影 MRI 検査によって患者の管理に改善がみられた。13.0%の
被験者では MRI 診断により患者の管理が変更となった(例:治療法の変更、経過観察計画の見直
し)。86.2%の被験者では患者の管理を変更する必要はなかった。
定性的な有効性評価の結果、小児の年齢群間には差がみられなかった。本剤 0.1mmol/kg によ
り、対象とした 2 歳以上の小児において良好な MR 画像が得られた。
2.7.3.2.1.2
2.7.3.2.1.2.1
参考資料とした試験
国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験:試験 310123
参照項目:2.7.6.13.2
計 402 例の被験者に治験薬を投与した。最初に本剤を、次にガドテリドールを投与した被験者
は 228 例(サンプル画像を提供した各施設の最初の被験者 54 例を含む)、最初にガドテリドー
ルを、次に本剤を投与した被験者は 174 例であった。402 例中、本剤を投与したのは 399 例、ガ
ドテリドールを投与したのは 393 例、両方の薬剤を投与したのは 390 例であった。380 例(本剤
2.7.3 臨床的有効性
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95
が最初の被験者 211 例、ガドテリドールが最初の被験者 169 例)が治験を完了した。FAS(336
例)及び PPS(316 例)について、有効性解析を行った。
国内では 109 例の被験者が治験薬の投与を受け、最初に本剤を、次にガドテリドールを投与し
た被験者は 64 例、最初にガドテリドールを、次に本剤を投与した被験者は 45 例であった。4 例
では治験が早期に中止された。FAS(94 例)について、有効性解析を行った。
盲検読影医の評価結果(average reader)で、主要評価項目のうち造影効果、辺縁明瞭度及び
内部構造に関して、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する
優越性が示された。さらに「非造影画像とガドテリドールによる造影画像の組み合せ」の「非造
影画像」に対する優越性も示された(表 2.7.3.2.1.2.1- 1)。しかし、検出病変個数について
は、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の標準偏差は治験実
施計画書で予想したものよりも大きかった。平均で 0.17 病変の増加が認められ、95%信頼区間
は(-0.439、0.780)であり、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する
非劣性は本剤において示されず、また、ガドテリドールにおいても示されなかった。治験担当医
師では、辺縁明瞭度及び内部構造の結果は盲検読影医による結果と一致しており、検出病変個数
では平均で 0.29 病変の増加が認められ、95%信頼区間の下限は-0.35 を上回った。
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造に関して、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」
の「非造影画像とガドテリドールによる造影画像の組み合せ」に対する非劣性が示された。つま
り、パラメトリック解析であらかじめ設定した非劣性マージン-0.35 を上回り、非劣性が示さ
れた(表 2.7.3.2.1.2.1- 2)。しかしながら、検出病変個数については非劣性マージン-0.35
を下回った。そこで、検出病変個数についてノンパラメトリック解析を補足的に実施し、あらか
じめカテゴリー副次評価項目に対して設定した非劣性マージン-10%を用いたところ、非劣性が
示された(表 2.7.3.2.1.2.1- 3)。
表 2.7.3.2.1.2.1- 1 Average reader における主要評価項目の結果(「非造影画像と造影画像
の組み合せ」と「非造影画像」の比較)(FAS):試験 310123
Image set
N
Mean
Contrast
enhancement
Unenhanced 316
Combined
Difference
0.97
2.26
1.29
Border
delineation
Unenhanced 316
Combined
Difference
1.98
2.58
0.60
Internal
morphology
Unenhanced 316
Combined
Difference
1.32
1.93
0.61
Number of lesions Unenhanced 336
Combined
Difference
8.08
8.25
0.17
Gadobutrol
SD
95% CI of
Difference
0.15
0.52
0.56 (1.228, 1.351)
p<.0001
0.30
0.43
0.53 (0.537, 0.654)
p<.0001
0.24
0.36
0.42 (0.562, 0.655)
p<.0001
12.39
11.40
5.68 (-0.439, 0.780)
Non-inferior
not proven
N
Mean
315
0.98
2.22
1.24
315
1.99
2.55
0.56
315
1.32
1.90
0.58
336
8.08
8.24
0.16
Gadoteridol
SD
95% CI of
Difference
0.14
0.50
0.53 (1.186, 1.303)
p<.0001
0.28
0.41
0.48 (0.502, 0.609)
p<.0001
0.22
0.35
0.41 (0.536, 0.626)
p<.0001
12.39
11.79
6.44 (-0.532, 0.851)
Non-inferior
not proven
Source: 5.3.5.1.5 A47567 Table 16, Table 18, Table 20, Table 22 (Gadobutrol), Table 35, Table 37, Table 39, Table 41
(Gadoteridol)
Blinded readers’ average results - Full Analysis Set
2.7.3 臨床的有効性
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95
CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced; SD = standard deviation
表 2.7.3.2.1.2.1- 2 Average reader における主要評価項目の結果(「非造影画像と本剤によ
る造影画像の組み合せ」と「非造影画像とガドテリドールによる造影画
像の組み合せ」の比較)(FAS):試験 310123
Contrast enhancement
Border delineation
Internal morphology
Image set
Mean
N=315
SD
Gadobutrol
Gadoteridol
Difference
Gadobutrol
Gadoteridol
Difference
Gadobutrol
Gadoteridol
Difference
2.28
2.24
0.04
2.60
2.56
0.04
1.94
1.91
0.03
0.51
0.49
0.33
0.39
0.39
0.41
0.34
0.34
0.29
95% CI of
Difference
(0.004, 0.078)
(-0.009, 0.082)
(-0.006, 0.059)
Source: 5.3.5.1.5 A47567 Table 49, Table 51, Table 53
Blinded readers’ average results for combined images - Full Analysis Set
Scale: 1 = none, 2 = moderate, 3 = good, 4 = excellent (1 = poor, 2 = moderate, 3 = good for internal morphology).
CI = confidence interval; SD = standard deviation
Based on parametric analysis. Non-inferiority demonstrated (Non-inferiority margin - 0.35).
表 2.7.3.2.1.2.1- 3 Average reader における検出病変個数(「非造影画像と本剤による造影
画像の組み合せ」と「非造影画像とガドテリドールによる造影画像の組
み合せ」の比較)(FAS):試験 310123
No. of
subjects
336
Categorization
a Equal number of lesions
b More lesions with gadobutrol
c More lesions with gadoteridol
Difference b-c
Percentage of
subjects
25.0%
41.7%
33.3%
8.3%
95% CI limits
(Lower,
Upper)
(-0.9%,
17.6%)
Source: 5.3.5.1.5 A47567 Table 56
Blinded readers’ average results for combined images - Full Analysis Set
CI = confidence interval
Based on non-parametric testing.
「非造影画像」と比べ、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」で SOT との診断の一
致度が高まることが majority reader の結果で示された(p=0.0082)。また、診断の一致度に
関しては、本剤のガドテリドールに対する非劣性が majority reader で認められた。
T1 強調画像での脳の正常/異常組織の診断能では、majority reader における sensitivity と
accuracy は本剤による造影画像では非造影画像よりも向上した(sensitivity:p<0.0001、
accuracy:p=0.0002)。サンプル数が少なかった(61 例)specificity については、変化なし
であった。本剤による造影画像のガドテリドールによる造影画像に対する非劣性は、accuracy
と sensitivity について majority reader で示された。Specificity では、投与群間の差の 95%
信頼区間の下限は majority reader で非劣性マージン-10%をわずかに下回った。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95
悪性病変検出の診断能では、majority reader における sensitivity と accuracy は、「非造
影画像」と比べて「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」で向上した(sensitivity:p
=0.0004、accuracy:p=0.0006)。Specificity は、majority reader で「非造影画像」と「非
造影画像と造影画像の組み合せ」でほとんど変わらなかった。ガドテリドールに対する本剤の非
劣性は、sensitivity、specificity 及び accuracy のいずれについても majority reader で示さ
れた。
診断の確信度に関しては、average reader の「非造影画像」と比べた「非造影画像と本剤に
よる造影画像の組み合せ」の向上は点推定値が 0.57 で、向上が示された(p<0.0001)。診断の
確信度は、本剤とガドテリドールで同様の結果が得られた(average reader の差の点推定値 0)。
本剤による造影 T1 強調画像とガドテリドールによる造影 T1 強調画像を相対的に評価した。造
影画像の質の相対的評価では、本剤がガドテリドールよりも優れる結果が盲検読影医 3 名で得ら
れた。造影病変個数は、本剤とガドテリドールによる造影画像の両方で平均 1.73 であった。
病変造影率は、造影画像と非造影画像における病変の信号強度の差を非造影画像の病変の信号
強度で除し、100 を乗じた値とした。MR 信号強度の評価では、病変と正常組織間の CNR 及び病変
造影率のいずれでも、本剤とガドテリドールで大きな違いはなかった。
「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」の「非造影画像」及び「非造影画像とガドテ
リドールによる造影画像の組み合せ」との比較に基づいて、本剤の有効性が、3 つの視覚パラメ
ータ(造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造)で示されたのみならず、診断能に関連した副次評価
項目でも示された。
2.7.3.2.1.2.2
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 94054)
参照項目:2.7.6.21
脳・脊髄病変を有する又は疑う患者を対象に、本剤の静脈内投与により 2 用量の安全性及び有
効性を評価する試験を 1994 年~1995 年に実施した。各被験者に 0.1mmol/kg を初回投与し、10
分後に 0.2mmol/kg を追加投与(計 0.3mmol/kg)した。
主要評価項目は、治験担当医師による診断の確信度の程度(none、low、moderate、high)の
評価であった。副次評価項目として、定性的評価、定量的評価、概括評価(1 回目と 2 回目の投
与後の画像診断上の追加情報)及び診断の変化を評価した。
診断の確信度は、「非造影画像」の確信度の評価に関わらず、95%の被験者で「非造影画像」
と比べ「非造影画像と 1 回目投与後造影画像の組み合せ」で向上した。2 回目投与後に診断の確
信度はさらに向上し、特に転移性脳腫瘍の被験者の 70%及び多発性硬化症の被験者の 65%で向
上が認められた。信号強度比、全般的視覚評価、概括評価、検出病変個数等の副次評価項目の結
果は、主要評価項目における有効性成績と一致していた。
本剤 0.1mmol/kg は、ほとんどの患者で診断上の疑問を十分解決できることから推奨標準用量
であると結論された。しかしながら、追加情報やより正確な情報、あるいはいかなる異常も除外
診断することが治療や管理に影響を及ぼすと予想される患者では、最適な治療を行うために造影
剤の追加用量を投与することは十分有益であると思われる。この試験が実施された 1990 年代の
臨床現場では、描出が不十分な病変が認められた場合、追加投与がしばしば行われていた。しか
2.7.3 臨床的有効性
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95
し、MRI の撮像技術が進歩した現在では、脳・脊髄の撮像において 0.1mmol/kg を超える用量が
臨床現場で使用されることは稀になっている。
2.7.3.2.2
2.7.3.2.2.1
躯幹部・四肢における試験
評価資料とした試験
2.7.3.2.2.1.1
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験:試験 13297
参照項目:2.7.6.14.2
計 363 例(本剤 178 例、ガドペンテト酸メグルミン 185 例)がいずれかの治験薬の投与を受け
試験を完了した。有効性解析は FAS(359 例:本剤群 176 例及びガドペンテト酸メグルミン群
183 例)及び PPS(346 例:本剤群 168 例及びガドペンテト酸メグルミン群 178 例)で行った。
3 つの視覚パラメータ(造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造)を主要評価項目とした。主解析
は PPS における「非造影画像と造影画像の組み合せ」の average reader による 3 つの視覚パラ
メータの総スコアに基づいて行い、本剤とガドペンテト酸メグルミン間の差を評価した。本剤群
と ガ ド ペ ン テ ト 酸 メ グ ル ミ ン 群 の 差 の 95 % 信 頼 区 間 は - 0.195 ~ 0.298 で あ っ た ( 表
2.7.3.2.2.1.1- 1)。すなわち、差の 95%信頼区間の下限が非劣性マージンの-1.2 を上回り、
本剤のガドペンテト酸メグルミンに対する非劣性が証明された。
表 2.7.3.2.2.1.1- 1
3 つの視覚パラメータの総スコアの結果(PPS):試験 13297
Gadobutrol
Average blinded reader
9.39 ± 1.06 (164)
Gadopentetate
dimeglumine
9.34 ± 1.23 (174)
Differencea
[Lower limit, Upper limit of 95% CI]
0.05 ± 1.15 [-0.195, 0.298]
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/1
Values are the mean ± standard deviation (number of subjects).
PPS population (n=168 in gadobutrol group and n=178 in gadopentetate dimeglumine group) were used for image evaluation
but subjects with no lesion (for all blinded readers) were excluded from the analysis.
Scores of degree of contrast enhancement, border delineation and internal morphology were summed for each subject.
a: gadobutrol minus gadopentetate dimeglumine
PPS = per protocol set, CI = confidence interval
PPS において、各盲検読影医及び治験担当医師でも本剤のガドペンテト酸メグルミンに対する
差の 95%信頼区間の下限が-1.2 を上回った。
主要評価項目の FAS を対象にした解析の結果、average reader、各盲検読影医、及び治験担当
医師において PPS と同様の結果が得られ、両群間の差の 95%信頼区間の下限はいずれも-1.2 を
上回った。
3 つの視覚パラメータの総スコアについて、「非造影画像」と「非造影画像と造影画像の組み
合せ」の差を比較したところ、average reader での総スコアの平均値(被験者数)は、本剤群
では「非造影画像」の 6.59(146)から「非造影画像と造影画像の組み合せ」の 9.39(164)に
2.77(146)増加し、ガドペンテト酸メグルミン群では 6.46(155)から 9.34(174)に 2.91
(154)増加した。総スコアの増加は、本剤とガドペンテト酸メグルミンで同様であった。3 名
の盲検読影医における増加は、本剤群で 2.26~2.95(130~136)、ガドペンテト酸メグルミン
群 で 2.27 ~ 3.21 ( 138 ~ 143 ) で あ り 、 読 影 医 間 で 顕 著 な 差 は み ら れ な か っ た ( 表
2.7.6.14.2.5.1-5)。
2.7.3 臨床的有効性
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95
主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造)及び副次評価項目の検出病変個数につい
て、average reader の結果を表 2.7.3.2.2.1.1- 2 に示す。造影効果スコアの平均値(average
reader)は、本剤群では「非造影画像」の 1.00 から「非造影画像と造影画像の組み合せ」の
2.94 に 1.85 増加し、ガドペンテト酸メグルミン群では 1.01 から 3.07 に 2.02 増加した。
辺縁明瞭度スコアの平均値(average reader)は、本剤群では「非造影画像」の 3.35 から
「非造影画像と造影画像の組み合せ」の 3.61 に 0.28 増加し、ガドペンテト酸メグルミン群では
3.28 から 3.46 に 0.23 増加した。
内部構造スコアの平均値(average reader)は、本剤群では「非造影画像」の 2.23 から「非
造影画像と造影画像の組み合せ」の 2.85 に 0.64 増加し、ガドペンテト酸メグルミン群では
2.18 から 2.81 に 0.67 増加した。
副次評価項目の検出病変個数の平均値(average reader)は、本剤群では「非造影画像」の
2.57 から「非造影画像と造影画像の組み合せ」の 3.26 に 0.68 増加し、ガドペンテト酸メグル
ミン群では 2.37 から 3.05 に 0.69 増加した。
いずれの評価項目でも、本剤群とガドペンテト酸メグルミン群での各盲検読影医の造影後の増
加の平均値は同程度であった。
表 2.7.3.2.2.1.1- 2 Average reader における主要評価項目及び検出病変個数の結果(PPS):
試験 13297
Parameter
Contrast
enhancement
Border
delineation
Internal
morphology
Number of
lesions
Unenhanced
1.00 ± 0.06
(146)
3.35 ± 0.62
(146)
2.23 ± 0.41
(146)
2.57 ± 4.73
(168)
Gadobutrol
Combined
2.94 ± 0.99
(164)
3.61 ± 0.45
(164)
2.85 ± 0.24
(164)
3.26 ± 4.90
(168)
Difference
1.85 ± 1.01
(146)
0.28 ± 0.54
(146)
0.64 ± 0.45
(146)
0.68 ± 3.61
(168)
Gadopentetate dimeglumine
Unenhanced
Combined
Difference
1.01 ± 0.08
3.07 ± 0.89
2.02 ± 0.89
(155)
(174)
(154)
3.28 ± 0.63
3.46 ± 0.61
0.23 ± 0.56
(155)
(174)
(154)
2.18 ± 0.34
2.81 ± 0.28
0.67 ± 0.39
(155)
(174)
(154)
2.37 ± 3.96
3.05 ± 4.24
0.69 ± 2.73
(178)
(178)
(178)
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/50, Table 14.2/71, Table 14.2/57, Table 14.2/78, Table 14.2/64, Table 14.2/85, Table
14.2/204, Table 14.2/211
Values are the mean ± standard deviation (number of subjects).
PPS population (n=168 in gadobutrol group and n=178 in gadopentetate dimeglumine group) were used for image
evaluation but subjects with no lesion were excluded from the analysis for contrast enhancement, border delineation and
internal morphology.
PPS = per protocol set
Average reader の造影病変個数(被験者数)は、本剤群で 1.89(168)、ガドペンテト酸メグ
ルミン群で 2.04(178)であった。3 名の盲検読影医では、造影病変個数は、本剤群で 1.74~
2.00(168)、ガドペンテト酸メグルミン群で 1.81~2.43(178)であり、盲検読影医間で同様
の結果であった(表 2.7.6.14.2.5.2-2)。
副次評価項目のうち MR 診断の SOR との診断の一致度、悪性病変検出の診断能(sensitivity
及び specificity)及び診断の確信度の結果は、2.7.3.3.2.2 に示した。Average reader の結果
では、いずれの評価項目も「非造影画像」と比較して「非造影画像と造影画像の組み合せ」で向
上が認められ、本剤とガドペンテト酸メグルミンの向上の程度は同様であった。
2.7.3 臨床的有効性
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3 つの主要評価項目に基づき、本剤のガドペンテト酸メグルミンに対する非劣性が検証された。
診断能に関連した副次評価項目においても、本剤はガドペンテト酸メグルミンと同様の有効性を
示し、本剤は躯幹部・四肢の造影 MRI において有効な造影剤であると結論される。
2.7.3.2.2.1.2
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験:試験 304561
参照項目:2.7.6.15.2
計 466 例(本剤群 233 例、ガドペンテト酸メグルミン群 233 例)がいずれかの治験薬を投与さ
れ、465 例(本剤群 232 例、ガドペンテト酸メグルミン群 233 例)が試験を完了した。有効性解
析は FAS(466 例:本剤群 233 例及びガドペンテト酸メグルミン群 233 例)及び PPS(406 例:本
剤群 200 例及びガドペンテト酸メグルミン群 206 例)で行った。
主要評価項目である盲検読影医による病変の良悪性分類の診断能(accuracy、sensitivity 及
び specificity)の結果を表 2.7.3.2.2.1.2- 1 に示す。
Accuracy(検証的解析)
PPS では、SOT と位置が一致した本剤群の 308 病変(SOT により悪性 155、良性 153)、ガドペ
ンテト酸メグルミン群の 318 病変(悪性 148、良性 170)を解析対象とした。PPS における
average reader の accuracy は、本剤群で 0.8366、ガドペンテト酸メグルミン群で 0.8732 であ
った。両群間の accuracy の差の 95%信頼区間の下限は-0.0941 であり、-10%を上回ったこと
から、本剤のガドペンテト酸メグルミンに対する非劣性が検証された。
なお FAS においても、average reader で 95%信頼区間の下限が-0.0654 であり、本剤のガド
ペンテト酸メグルミンに対する非劣性が示された。
Sensitivity
PPS における average reader の sensitivity は、本剤群で 0.8516、ガドペンテト酸メグルミ
ン群で 0.8874 であった。両群間の差の 95%信頼区間の下限は-0.1053 であった。
FAS において、average reader の 95%信頼区間の下限は-0.0799 であった。
Specificity
PPS における average reader の specificity は、本剤群で 0.8214、ガドペンテト酸メグルミ
ン群 0.8608 であった。両群間の差の 95%信頼区間の下限は-0.1303 であった。
FAS において、average reader の 95%信頼区間の下限は-0.0944 であった。
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.2.2.1.2- 1 主要評価項目(accuracy、sensitivity、specificity)の結果(PPS)
:試験 304561
Gadobutrol
Average reader
Accuracy
Sensitivity
Specificity
Reader 1
Accuracy
Sensitivity
Specificity
Reader 2
Accuracy
Sensitivity
Specificity
Reader 3
Accuracy
Sensitivity
Specificity
Estimate
Gadopentetate
dimeglumine
Estimate
0.8366
0.8516
0.8214
Gadobutrol minus Gadopentetate dimeglumine
Estimate
Lower CL
Upper CL
0.8732
0.8874
0.8608
-0.0366
-0.0358
-0.0394
-0.0941
-0.1053
-0.1303
0.0209
0.0338
0.0515
0.8214
0.8065
0.8366
0.8459
0.8514
0.8412
-0.0245
-0.0449
-0.0046
-0.0932
-0.1409
-0.1020
0.0442
0.0511
0.0928
0.8442
0.9032
0.7843
0.8836
0.9122
0.8588
-0.0395
-0.0089
-0.0745
-0.1014
-0.0756
-0.1818
0.0224
0.0577
0.0328
0.8442
0.8452
0.8431
0.8899
0.8986
0.8824
-0.0458
-0.0535
-0.0392
-0.1076
-0.1341
-0.1302
0.0160
0.0271
0.0518
Source: 5.3.5.1.7 A18088 Table 68
PPS = per protocol set, lower CL = lower bound of 95% confidence interval, upper CL = upper bound of 95% confidence
interval.
non-inferiority threshold for accuracy rate Δ = 10%.
画像セット(「非造影画像」、「造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」)別の
病変の良悪性分類の診断能については、average reader で「非造影画像」と比べた「非造影画
像と造影画像の組み合せ」の accuracy の増加が、本剤群で 0.0803、ガドペンテト酸メグルミン
群で 0.0751 であり、投与群間で類似していた。また、「非造影画像」と比べた「非造影画像と
造影画像の組み合せ」の sensitivity の増加は、本剤群で 0.1849、ガドペンテト酸メグルミン
群で 0.1641 であり、投与群間で類似していた。Specificity はいずれの投与群でも画像セット
間で類似していた。
被験者ごとの良悪性分類の診断能について、病変数を被験者数に置き換えて解析した。SOT の
「1 個以上の悪性病変あり」(本剤群 138 例、ガドペンテト酸メグルミン群 140 例)及び「悪性
病変なし」(本剤群 48 例、ガドペンテト酸メグルミン群 47 例)の診断との一致に基づき、
accuracy、sensitivity 及び specificity を算出した。その結果、average reader による「非造
影画像と造影画像の組み合せ」における被験者ごとの accuracy は、投与群間で類似していた
(本剤群 0.8106、ガドペンテト酸メグルミン群 0.8378)。両群の差の 95%信頼区間の下限は
-0.0722 であった。Sensitivity も投与群間で類似していた(本剤群 0.9100、ガドペンテト酸
メグルミン群 0.9254)。Specificity は、ガドペンテト酸メグルミン群(0.6078)が本剤群
(0.5145)よりやや高かった。これは、「悪性病変なし」の被験者数が限られたことが影響して
いると考えられた。
2.7.3 臨床的有効性
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SOT により下位分類の診断がなされた 2 群での計 645 病変b)中、頻度の高い病変タイプは腎癌
(45.7%)、良性嚢胞(32.9%)、複雑性良性嚢胞(6.5%)及び血管筋脂肪腫(4.2%)であっ
た。これら 4 つの高頻度の病変タイプについて、「非造影画像と造影画像の組み合せ」により正
確に下位分類された病変(SOT と同位置にあり、かつ同じ下位分類に診断された病変)の割合に
投与群間で大きな差は認められなかった。
3 名の盲検読影医による「非造影画像と造影画像の組み合せ」における病変の最大径と SOT に
おける病変の最大径を比較した結果、病変の最大径が SOT と同じに分類された病変の割合に読影
医間、投与群間で実質的な差は認められなかった。
「非造影画像と造影画像の組み合せ」と SOT における腎内の腎盂腎杯系、腎門及び腎外(腎周
囲脂肪/腎洞脂肪浸潤)への病変の拡がりの比較では、投与群間で大きな差はなかった。「非造
影画像」及び「造影画像」においても同様であった。
病変ごとの描出能を 4 段階の尺度で評価した。その結果、「非造影画像と造影画像の組み合せ」
において「good」又は「excellent」と評価された病変の割合(2 つの割合の合計)は、盲検読
影医 1 及び 3 では本剤群で高く(それぞれ 5.6%及び 3.3%高い)、盲検読影医 2 ではガドペン
テト酸メグルミン群で高かった(1.2%高い)。描出能が「good」又は「excellent」と評価され
た病変の割合は、両群で、盲検読影医 1 及び 2 では「非造影画像」と比べて「非造影画像と造影
画像の組み合せ」で増加したが、盲検読影医 3 では不変であった。描出能が「good」又は
「excellent」と評価された病変の造影後の増加は、両群で類似していた。
本剤の腎臓の造影 MRI における病変の良悪性の鑑別診断能がガドペンテト酸メグルミンに対し
非劣性であることが、accuracy に基づき検証された。
2.7.3.2.2.1.3
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 97099
参照項目:2.7.6.16.2
計 179 例に本剤が投与された。このうち 148 例が、本剤投与に先立ち、1~2mL(0.01~
0.04mmol/kg)のテスト注入を受けた。全 179 例が 0.08~0.18mmol/kg(中央値:0.12mmol/kg)
を投与された。体重 75kg 未満であった 62 例は 7.5~10mL、75kg 以上であった 117 例は全例
10mL の治験薬を投与された。
本剤が投与された 179 例のうち 176 例が試験を完了した。造影 MRA 画像が得られなかった 3 例
を除いた 176 例を FAS とし、PPS も 176 例とした。
主要評価項目の解析では、特定の血管区域についてのグループ化した診断(正常/動脈硬化/
50%以下の狭窄又は拡張、有意狭窄、閉塞、動脈瘤の 4 つに分類、以下、診断分類とする)に関
する一致度が 80%以上であった場合、造影 MRA と i.a. DSA の有効性が同程度と考えることとし
た。診断分類の一致度及び 95%信頼区間を算出し、表 2.7.3.2.2.1.3- 1 に示す。
b)SOT で下位分類された 645 病変のうち、MRI では集合病変と評価された病変、該当部位の MR 画像が欠損の病
変、及び MR 画像が評価不能と判定された病変が解析から除外され、主解析の解析対象は 626 病変となった。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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PPS において、各盲検読影医で 95%信頼区間の下限が 80%を上回っており、試験の主要目的
について統計学的に有意であることが示された。
表 2.7.3.2.2.1.3- 1 主要評価項目(診断分類の一致度)の結果(PPS):試験 97099
Diagnostic Procedure
CE-MRA (clinical part)
Blinded Reader 1
Blinded Reader 2
Blinded Reader 3
N
176
173
171
174
%
96.6
90.2
86.6
87.9
Lower 95% CI Limit
92.7
84.7
80.5
82.1
Upper 95% CI Limit
98.7
94.2
91.3
92.4
Source: 5.3.5.1.8 A04519 Text Table 5
PPS = per protocol set, CE-MRA = contrast enhanced magnetic resonance angiography, CI = confidence interval
副次評価項目のうち、造影 MRA と i.a. DSA の診断分類の一致度は、30 例以上の被験者のデー
タが得られた血管区域(左右内頸動脈、左右椎骨動脈、大動脈弓、腎動脈下腹部大動脈、左右総
腸骨動脈及び左右外腸骨動脈)について算出し、表 2.7.3.2.2.1.3- 2 に示す。
全体として、診断分類の一致度は個々の詳細診断の一致度(5.3.5.1.8 11.4.1.2 参照)より
高く、また治験担当医師評価が盲検読影評価よりも高かった。個々の血管区域では、大動脈弓、
腎動脈下腹部大動脈又は総腸骨動脈のような大血管で診断分類の一致度が高かったが、小動脈で
の診断分類の一致度は良好で、許容できるものであった。治験担当医師評価では、診断分類の一
致度がやや低かった左椎骨動脈を除き、各血管区域の診断の一致度は非常に類似していた。盲検
読影医評価では治験担当医師評価に比べ、診断分類の一致度が 3~15%低くなる傾向がみられた。
また個々の詳細診断では診断分類に比べ、治験担当医師評価では 10~15%、盲検読影評価では
約 20~30%一致度が低かった。
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.2.2.1.3- 2 造影 MRA と i.a. DSA の診断分類の一致度(PPS):試験 97099
Region of Interest
Side
a. carotis interna
left
right
a. vertebralis
left
right
arcus aortae
aorta infrarenalis
a. iliaca communis
left
right
a. iliaca externa
left
right
Diagnostic
Procedure
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
CE-MRA clinical
Reader 1
Reader 2
Reader 3
N*
%
60
59
58
59
60
59
58
60
62
59
47
62
62
58
44
62
61
38
60
54
108
107
103
104
80
80
78
79
80
79
78
79
80
79
77
80
79
77
76
79
96.67
89.83
81.03
88.14
93.33
83.05
86.21
91.67
83.87
79.66
82.98
79.03
90.32
82.76
90.91
79.03
100.00
97.37
100.00
98.15
98.15
92.52
94.17
85.58
97.50
90.00
80.77
88.61
95.00
84.81
87.18
87.34
93.75
84.81
85.71
87.50
97.47
90.91
90.79
89.87
Lower 95%
CI Limit
88.47
79.17
68.59
77.07
83.80
71.03
74.62
81.61
72.33
67.17
69.19
66.82
80.12
70.57
78.33
66.82
94.13
86.19
94.04
90.11
93.47
85.80
87.75
77.33
91.26
81.24
70.27
79.47
87.69
74.97
77.68
77.95
86.01
74.97
75.87
78.21
91.15
82.16
81.94
81.02
Upper 95%
CI Limit
99.59
96.18
90.13
95.09
98.15
91.56
93.85
97.24
91.98
89.02
92.35
88.34
96.37
91.41
97.47
88.34
100.00
99.93
100.00
99.95
99.77
96.72
97.83
91.70
99.70
95.58
88.82
94.66
98.62
91.90
93.68
93.76
97.94
91.90
92.65
93.84
99.69
96.27
96.22
95.53
Source: 5.3.5.1.8 A04519 Text Table 6
PPS: per protocol set, N = 176, Blinded Reader Analysis Set, N = 176
Vessels, for Which at Least 30 Patients Contribute Data
CI = confidence interval, CE-MRA = contrast enhanced magnetic resonance angiography,
i.a. DSA = intra-arterial digital subtraction angiography
* N=Patient
有意狭窄(>50%)、閉塞、動脈瘤の検出の診断能は、50 例以上で評価された血管区域につ
いて、i.a. DSA の診断と比較して sensitivity、specificity、accuracy、NPV 及び PPV を算出
し、評価した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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50 of
95
有意狭窄(>50%)の検出に関する sensitivity と specificity の結果は、2.7.3.3.2.2.4 に
示した。Sensitivity の点推定値は、評価血管区域数が 7~28 と少なく、おおむね 80%以上であ
ったが、盲検読影医により約 75%程度の値も認められた。Specificity は、評価血管区域数が
30 以上であり、点推定値は 85%を超えた。
閉塞の検出(大動脈及び腸骨動脈区域で 16 病変)では、治験担当医師評価でいずれの診断能
でも 98%を超える明らかに高い値(左外腸骨動脈の PPV 75.0%を除く)が認められた。閉塞の
診断能は、盲検読影の大部分でも 88%を超える値であった(3 名の読影医の左外腸骨動脈の PPV、
及び読影医 2 の右外腸骨動脈の PPV を除く)。有意狭窄又は閉塞がほとんどなかった血管区域で
は PPV の母数が小さくなるため、1 件の診断の不一致が大きな PPV の低下につながった。
動脈瘤の検出(大動脈及び腸骨動脈区域で 14 病変)では、sensitivity、specificity、
accuracy、NPV 及び PPV に関して非常に良好な結果であり、腎動脈下腹部大動脈の sensitivity
(盲検読影医)及び PPV(盲検読影医及び治験担当医師)を除き、治験担当医師及びほとんどの
盲検読影評価で、評価された血管区域の大部分で 90~100%であった。
血管区域の造影能及び血管描出能は、5 段階スケール( none、 poor、 moderate、 good、
excellent)で評価した。評価が得られた被験者 176 例中、「none」又は「poor」と評価された
被験者の割合は、治験担当医師では 5.7%、盲検読影医 1、2 及び 3 ではそれぞれ 12.5%、9.1%
及び 6.8%であった。「none」又は「poor」の理由の多くは、造影 MRA 撮像中のトラブル又は逸
脱によるもので、主として技術的問題(例:タイミングの問題、被験者の動き、又は静脈の重な
り)であった。「good」又は「excellent」と評価された被験者の割合は、治験担当医師では
85.2%、読影医 3 では 75.0%、読影医 2 では 74.4%、読影医 1 では 54.0%であった。本評価項
目は、客観的評価(血管区域の診断)と必ずしも相関しておらず、描出能が「good」又は
「excellent」と評価されなかった場合でもしばしば診断は一致し、またその逆もみられた。こ
れは、盲検読影医の評価において顕著であり、特に臨床情報がない場合の本評価の主観性及び診
断の確信度との相互依存性を示唆するものである。
診断の確信度の結果は、2.7.3.3.2.2.5 に示した。診断の確信度が「high」と評価された被験
者の割合は、治験担当医師評価では造影 MRA が i.a DSA よりやや低かった。造影 MRA の盲検読影
医評価では、治験担当医師評価と比べて「high」と評価された被験者の割合は、1 名の盲検読影
医で同じように高頻度であったが、他の 2 名の盲検読影医ではやや低かった。
最終診断は、PPS の 176 例中 76 例(43.2%)で得られた。全体として、造影 MRA と最終診断
の一致度、及び造影 MRA と i.a. DSA の一致度の間に差はみられなかった。差は多くの場合 2%
未満であったが、これは、最終診断には常に i.a. DSA が含まれることから予測されることであ
った。診断分類及び詳細診断の一致度に関して、i.a. DSA と最終診断の結果はほぼ同一であっ
た。
本剤による躯幹部動脈の造影 MRA において、血管撮影のゴールドスタンダードであった i.a.
DSA に匹敵する有効性が示された。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.2.2.1.4
Page
51 of
95
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 91759
参照項目:2.7.6.17.2
315 例が治験薬を投与され、このうち 312 例が試験を完了した。有効性解析は FAS(292 例)
及び PPS(265 例)で行った。
有効性の主要な評価は、5 つの主要なエンドポイント(assessability、sensitivity 及び
specificity の非劣性解析、sensitivity 及び specificity の最低基準)に基づいて評価した。
主要な副次評価項目として、血管構造の描出能の評価である左右腎動脈の長さ、及び血管区域
の最小径を評価した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.2.2.2
Page
52 of
95
参考資料とした試験
2.7.3.2.2.2.1
国外躯幹部・四肢第Ⅲ相試験:試験 94055/99012
参照項目:2.7.6.20
本試験では、治験実施計画書とは別に盲検読影に関する実施計画書を臨床試験の結果が出る前
に作成した。
本試験では、胸部疾患、又は肝臓、骨軟部、乳腺、骨盤に病変を有する患者を対象に、本剤
0.1mmol/kg を 2~5mL/秒の投与速度で静脈内投与した際の安全性及び有効性を評価した。
本剤が投与された 182 例全例が試験を完了した。有効性解析を FAS(182 例)及び PPS(179 例)
で行った。盲検読影では、規定の「非造影画像」及び「造影画像」が得られた 162 例中、各読影
医により評価可能とされた 145~153 例を解析対象とした(盲検読影評価可能集団)。
主要評価項目は、治験担当医師及び盲検読影の評価のいずれにおいても診断の確信度とし、治
験担当医師の結果を表 2.7.3.2.2.2.1- 1 に示す。診断の確信度の変化は、「造影画像」を「非
造影画像」と比較し「improved」、「unchanged」又は「worsened」の 3 段階で評価した。
「improved」の場合は、向上を 4 段階評価(minimal、moderate、good、excellent)した。治験
担当医師による評価で、造影前と比較した造影後の診断の確信度の変化が「improved」と評価さ
れた被験者の割合は、全体で 74.9%であり、身体領域別では 63.9(骨軟部)~92.9%(乳腺)
であった。診断の確信度の変化が「improved」と評価され、さらに向上の程度が「good」又は
「 excellent 」 と 評 価 さ れ た 被 験 者 の 割 合 は 、 骨 盤 ( 87.5 % ) で 最 も 高 く 、 次 い で 乳 腺
(57.1%)、肺(50%)、肝臓(48.6%)及び骨軟部(37.5%)であった。
表 2.7.3.2.2.2.1- 1 治験担当医師による診断の確信度の変化(PPS):試験 94055/99012
Change in
diagnostic
confidence
Worsened
Unchanged
Improved
Degree of
improvement
Minimal
Moderate
Good
Excellent
Total
Bone /
soft tissue
total n = 72
N
%
26
11
8
11
16
46
36.1
15.3
11.1
15.3
22.2
63.9
Liver
Pelvis
Breast
total n = 35
N
%
total n = 40
N
%
total n = 14
N
%
9
2
7
12
5
26
25.7
5.7
20.0
34.3
14.3
74.3
4
1
7
28
36
10.0
2.5
17.5
70.0
90.0
1
2
3
7
1
13
7.1
14.3
21.4
50.0
7.1
92.9
Lung
All regions
total n = 18 total n = 179
N
%
N
%
3
16.7
3
1.7
2
11.1
42
23.5
15
8.4
4
22.2
23
12.8
9
50.0
46
25.7
50
27.9
13
72.9 134 74.9
Source: 5.3.5.1.12 A02140 Text Table 9.
Investigator’s assessment of the change in diagnostic confidence of the post-contrast MRI compared to the pre-contrast scan
and the degree of improvement in the post-contrast scan.
Figures denote number and percentage of patients. Per protocol set (n = 179)
盲検読影評価可能集団における盲検読影では、「非造影画像」と「非造影画像と造影画像の組
み合せ」の診断の確信度を 4 段階(none、low、moderate、high)で評価し、投与前・後の診断
の確信度の変化を「improved」、「unchanged」、「worsened」に分類した。診断の確信度は、
すべての身体領域において、造影後に 3 名の盲検読影医で一貫して数多くの被験者で 1 段階以上
向上した。診断の確信度の変化で「improved」に分類された被験者の割合は、盲検読影医 1、2、
及び 3 でそれぞれ 57.0%(95%信頼区間:48.7〜65.0%)、26.2%(95%信頼区間:19.3〜
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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53 of
95
34.2%)及び 40.5%(95%信頼区間:32.7〜48.7%)であった。特に骨盤、肝臓、及び乳腺に
おいて「improved」に分類された被験者の割合が高かった。
副次評価項目の解析結果について、PPS における治験担当医師による評価では、検出病変個数
が 15 例で増加した。15 例のほとんど(13 例)で、この増加は特に臨床的に意味のある増加であ
った。13 例中 6 例では、「非造影画像」で病変が検出されなかったが、「造影画像」では 1 病
変が検出された。その他の 7 例では、「非造影画像」で 1 又は 2 個であった検出病変個数が、
「造影画像」で 2~3 個に増加した。
盲検読影評価可能集団における盲検読影では、「非造影画像」と比較して「非造影画像と造影
画像の組み合せ」で検出病変個数が増加した被験者の割合は、盲検読影医 1、2 及び 3 でそれぞ
れ 11.9%、15.9%及び 13.1%であった。盲検読影でも治験担当医師の結果と同様に、特に肝臓
の病変において、本剤を用いた造影 MRI により、臨床的に意味のある検出病変個数の増加が認め
られた。
最終診断は各身体領域により異なる検査を用いて得られたが、いずれの部位でも主に手術及び
生検に基づいて治験担当医師により実施された。盲検読影評価可能集団のうち 1 病変のみ有する
被験者(読影医により 85~110 例)において、病変の良悪性分類が最終診断と一致した被験者の
割合は、「非造影画像」と比較して「造影画像」で盲検読影医 1、2 及び 3 でそれぞれ 9.1%、
14.1%及び 8.8%増加した。この結果により、本剤を用いた造影 MRI では非造影 MRI と比較して、
良悪性分類の診断能が向上する可能性が示された。
診断分類(悪性原発性、転移性、良性原発性、その他良性、評価不能に分類)が最終診断と一
致した被験者の割合は、「非造影画像」と比較し、「非造影画像と造影画像の組み合せ」で 8~
10%(盲検読影医 1:56.3~64.9%、盲検読影医 2:47.6~57.9%、盲検読影医 3:58.2~
66.0%)増加した。さらに詳細な診断(病変タイプの診断)では、最終診断と一致した被験者の
割合は、「非造影画像」と比較し「非造影画像と造影画像の組み合せ」」で増加した(盲検読影
医 1:37.7~45.7%、盲検読影医 2:32.4~39.3%、盲検読影医 3:39.9~44.4%)。これらの
増加の程度は、病変の病理組織学的診断が得られている部分集団(読影医により 79~81 例)の
結果と全被験者の結果とでほぼ同様であった。このことから、本剤を用いた造影 MRI は非造影
MRI と比較して、病変診断(病変タイプの診断)を向上させる可能性が示された。
治験担当医師による評価では、MRI での診断が最終診断と正確に一致した被験者の割合は、
「非造影画像」で 66.5%、「造影画像」で 77.7%であり、11.2%増加した。
盲検読影による「非造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」の被験者ごとの悪性
病変検出の sensitivity 及び specificity、及び診断の一致度について、average reader の結果
を事後解析で算出し、それぞれ 2.7.3.3.2.2.1 及び 2.7.3.3.2.2.2 に示した。
2.7.3.2.2.2.2
国外乳腺第Ⅲ相試験:試験 91743
参照項目:2.7.6.18
本試験では、両乳房の X 線マンモグラフィー(X-ray mammography:XRM)後に組織学的に乳癌
と診断され、外科手術前に磁気共鳴マンモグラフィー(magnetic resonance mammography:MRM)
を実施予定である患者を対象に、本剤 0.1mmol/kg を 2.0mL/秒の注入速度で静脈内投与した際の
有効性を評価した。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95
盲検読影医は主要評価項目として乳房における乳癌の拡がりを評価した。「非造影画像
(unenhanced breast magnetic resonance imaging:UMRM)」及び「非造影画像と造影画像の組
み合せ(combined unenhanced and enhanced breast magnetic resonance imaging:CMRM)」そ
れぞれについて、左右の乳房のそれぞれ 5 部位(四分区及び乳頭を含む中心部)ごとに乳癌の有
無を評価し、有の場合には単発性乳癌又は多発性乳癌(計 3 カテゴリー)に分類した。また、
UMRM あるいは CMRM の評価終了後に、それぞれ XRM を加えた UMRM+XRM あるいは CMRM+XRM につ
いても同様に評価した。
乳癌の専門家 2 名からなる truth committee が、組織検査、追加実施された超音波検査及び
手術/病理検査の報告書に基づいて、乳房の各部位の SOT(乳癌なし、単発性乳癌又は多発性乳
癌)を決定した。
本剤が投与された 426 例のうち、同意撤回した 2 例を除く 424 例が試験を完了した。有効性解
析を FAS(390 例、サンプル画像を提供した各施設の最初の被験者 28 例、及びいずれかの画像が
得られなかった 8 例を除外)及び PPS(335 例)で行った。
治験実施計画書で規定した主解析である、部位ごとの乳癌の有無についての 3 つのカテゴリー
分類における SOT との一致度の結果(majority reader)は、CMRM、CMRM+XRM が UMRM、UMRM+
XRM に比べ統計学的に有意に劣る結果であった。UMRM は sensitivity が低く多くの部位で病変な
しと判定された一方、specificity が非常に高くなっていた。CMRM では、UMRM と比べ低い
specificity が sensitivity の向上を上回っていた。このため、解析計画書補遺により、試験
91782 で規定した主解析及び副次解析(2.7.3.2.2.2.3 参照)を行うことした。治験実施計画
書で規定した解析、及び解析計画書補遺で規定した解析の結果を以下に示す。
治験実施計画書で規定した解析
治験実施計画書における主解析は、CMRM と UMRM、あるいは CMRM+XRM と UMRM+XRM の比較に
おける乳癌の有無に関する 3 つのカテゴリー分類の一致度の差に基づき実施した。一致度は、
SOT と各検査法の間で乳癌の拡がりに関する 3 つのカテゴリー分類が一致した割合として定義さ
れた。解析は、乳房ごとに 5 つの乳房部位に基づき行われた。主解析の majority reader の一致
度では、UMRM(87.9%)と比較した CMRM(86.7%)、及び、UMRM+XRM(89.5%)と比較した
CMRM+XRM(86.4%)の優越性がみられなかった。
治験実施計画書で規定した副次解析は、悪性乳房の検出における乳房部位レベルの
sensitivity 及び specificity に基づき実施した。Sensitivity は、majority reader(643 部位)
では、CMRM(82.4%)又は CMRM+XRM(82.7%)と他の検査法(UMRM 47.9%、XRM 65.3%、
UMRM+XRM 70.5%)を比較した差の 95%信頼区間の下限が 0 を超え、また臨床的にも意味のあ
る 向 上 が 認 め ら れ た 。 Specificity は 、 CMRM ( 90.7 % ) 、 CMRM + XRM ( 90.5 % ) で は 、 XRM
(94.7%)、UMRM(97.2%)及び UMRM+XRM(95.4%)と比較して点推定値がやや低かったが、
差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった。非悪性乳房部位(3,240)が全体(3,883)の約 83%を
占めていたため、specificity がカテゴリー分類の一致度の結果に大きく影響したと考えられた。
解析計画書補遺による解析
乳房における乳癌の拡がりについて、以下の 2 つを検討する主解析を規定した。

被験者ごとに算出した sensitivity(被験者内の sensitivity)について、CMRM の UMRM に対
する優越性
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.

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55 of
95
CMRM の非悪性乳房における乳房レベルの specificity が閾値である 80%を超える
被験者ごとに算出した sensitivity(被験者内の sensitivity)を表 2.7.3.2.2.2.2- 1 に示す。
FAS における CMRM と UMRM の被験者内 sensitivity の差は、各盲検読影医で 23.3~46.6%であっ
た。いずれの盲検読影医でも、差の 95%信頼区間の下限が 0 を上回り、CMRM の UMRM に対する
sensitivity の優越性が示された。
表 2.7.3.2.2.2.2- 1 被験者ごとに算出した sensitivity(被験者内の sensitivity)
(FAS):試験 91743
Co-primary analysis
Reader
UMRM
CMRM
Difference
1
36.6
83.2
46.6
Lower bound of 95% CI
for the difference
CMRM - UMRM
41.9
2
49.1
79.9
30.8
25.7
3
63.4
86.7
23.3
19.2
Within-patient
sensitivity for detection
of malignant disease
(point estimate, %)
(N = 388 patients)
Source: 5.3.5.1.10 A58872 Table 14.2.1/1
FAS = full analysis set, 95% CI = 95% confidence interval, CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic
resonance imaging, UMRM = unenhanced breast magnetic resonance imaging
Note: Evaluable regions for sensitivity = regions with malignant disease verified by standard of truth with available CMRM
and UMRM assessment.
CMRM の非悪性乳房における乳房レベルでの specificity の 95%信頼区間の下限は、読影医 1
が 82.0%、読影医 2 が 92.8%、読影医 3 が 85.3%であり、3 名の盲検読影医のいずれも閾値と
した 80%を上回った(表 2.7.3.2.2.2.2- 2)。
表 2.7.3.2.2.2.2- 2 非悪性乳房における乳房レベルでの specificity(FAS):試験 91743
Co-primary analysis
Breast level specificity for nonmalignant breasts
(point estimate, %)
(N = 372 patients)
Reader
Point estimate CMRM (%)
1
85.6
Lower bound of
95% CI
82.0
2
95.0
92.8
3
88.6
85.3
Source: 5.3.5.1.10 A58872 Table 14.2.1/6
FAS = full analysis set, 95% CI = 95% confidence interval, CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic
resonance imaging
Note: A false positive is defined as at least one breast region identified as malignant. Specificity is calculated by breast
within subject, then summarized over all subjects.
副次評価項目とした「非造影画像と造影画像の組み合せ」の悪性乳房における乳房レベルの
specificity の 95%信頼区間の下限は、読影医 1 が 56.3%、読影医 2 が 54.5%、読影医 3 が
53.6%であり、3 名の盲検読影医のいずれも閾値とした 50%を上回った(表 2.7.3.2.2.2.23)。
2.7.3 臨床的有効性
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表 2.7.3.2.2.2.2- 3 悪性乳房における乳房レベルの specificity(FAS):試験 91743
Secondary analysis
Breast level specificity for
malignant breasts
(point estimate, %)
(N = 388 patients)
Reader
Point estimate CMRM (%)
1
61.1
Lower bound of
95% CI
56.3
2
59.4
54.5
3
58.5
53.6
Source: 5.3.5.1.10 A58872 Table 14.2.1/11
FAS = full analysis set, 95% CI = 95% confidence interval, CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic
resonance imaging
Note: A false positive is defined as identifying more malignant regions than the standard of truth. Specificity is calculated by
breast within subject, then summarized over all subjects.
本試験の組み入れ時に認められた乳癌を index cancer とした。各盲検読影医で index cancer
が検出された被験者の割合は、CMRM で 81.2~86.9%であった。CMRM での index cancer の割合
は UMRM と比較して 21.5~47.9%高かった(差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった)。XRM で
index cancer が検出された被験者の割合は、68.1~72.5%であった。CMRM と XRM の比較におい
ても、差の 95%信頼区間に 0 は含まれず、CMRM の有用性が示された。CMRM に XRM を追加しても、
診断能にほとんど影響を及ぼさなかった。
本試験の組み入れ時に認められず、SOT により確認された乳癌を additional cancer とした。
FAS の 87 例に addtional cancer がみられた。各盲検読影医により CMRM で additional cancer
が検出された被験者数は、読影医 1 が 55 例(63.2%)、読影医 2 が 49 例(56.3%)、読影医 3
が 57 例(65.5%)であった。CMRM での additional cancer が検出された割合は、UMRM と比較し
て 25.3~42.5%高かった(差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった)。CMRM と比較して CMRM+
XRM での被験者数は、読影医 2 及び読影医 3 で変化がなかったが、読影医 1 ではわずかに増加し
た。XRM での被験者数は、読影医 1 が 23 例(26.4%)、読影医 2 が 23 例(26.4%)、読影医 3
が 30 例(34.5%)であり、additional cancer が検出された被験者の割合は、CMRM では XRM と
比較して 29.9~36.8%高かった(差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった)。
事後解析の結果、3 名の盲検読影医で、乳癌検出において被験者内 sensitivity の意味のある
向上が認められ、また、非悪性乳房における specificity の 95%信頼区間の下限が 80%を超え
た。試験 91782 の結果(2.7.3.2.2.2.3 参照)と一貫性のある結果が得られた。
2.7.3.2.2.2.3
国外乳腺第Ⅲ相試験:試験 91782
参照項目:2.7.6.19
試験 91743 の成績が判明した後、本試験の主要目的及び主な副次目的は、データベース固定前
及び盲検読影の開鍵前に改訂した統計解析計画書で再規定された。盲検読影も含め試験のデータ
収集は終了していたため、統計解析計画書の改訂に基づく治験実施計画書の変更は行わなかった。
本試験では、両乳房の XRM 後に組織学的に乳癌と診断され、外科手術前に MRM を実施予定であ
る患者を対象に、本剤 0.1mmol/kg を 2.0mL/秒の注入速度で静脈内投与した際の有効性及び安全
性を評価した。本試験は、試験 91743(2.7.3.2.2.2.2 参照)と同一の治験実施計画書に基づ
き実施された。
2.7.3 臨床的有効性
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本剤が投与された 439 例のうち、本剤の正確な投与量が不明であった 2 例を除く 437 例が試験
を完了した。有効性解析を FAS(397 例、サンプル画像を提供した各施設の最初の被験者 39 例、
及びいずれかの画像が得られなかった 3 例を除外)及び PPS(351 例)で行った。
主要目的及び副次目的は、3 名の盲検読影医の評価に基づき解析された。主要目的は、被験者
ごとに算出した sensitivity(被験者内の sensitivity)について、CMRM の UMRM に対する優越
性を示すこと、及び、CMRM の非悪性乳房における乳房レベルの specificity が閾値である 80%
を超えることを示すこととした。いずれの項目も達成された盲検読影医が 2 名以上いた場合、試
験の成功基準が満たされるとした。
FAS に お け る 被 験 者 ご と に 算 出 し た sensitivity ( 被 験 者 内 の sensitivity ) を 表
2.7.3.2.2.2.3- 1 に示す。CMRM と UMRM の被験者内の sensitivity の差は、各盲検読影医で
15.2~31.9%であった。いずれの盲検読影医でも、差の 95%信頼区間の下限が 0 を上回り、
CMRM の UMRM に対する sensitivity の優越性が示された。
表 2.7.3.2.2.2.3- 1 被験者ごとに算出した sensitivity(被験者内の sensitivity)
(FAS):試験 91782
Co-primary analysis
Reader
UMRM
CMRM
Difference
1
73.3
88.6
15.2
Lower bound of 95% CI
for the difference
CMRM - UMRM
11.8
2
57.0
89.0
31.9
27.3
3
55.1
85.5
30.4
25.8
Within-patient sensitivity
for detection of malignant
disease (point estimate, %)
(N = 390 patients)
Source: 5.3.5.1.11 PH-37278 Table 14.2/13
FAS = full analysis set, 95% CI = 95% confidence interval, CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic
resonance imaging, UMRM = unenhanced breast magnetic resonance imaging
Note: Evaluable regions for sensitivity = regions with malignant disease verified by standard of truth with available CMRM
and UMRM assessment.
Superiority was indicated when the lower bound of the 95% CIs was above zero.
CMRM の非悪性乳房における乳房レベルでの specificity の 95%信頼区間の下限は、読影医 1
が 89.1%、読影医 2 が 80.2%であり、3 名のうち 2 名の盲検読影医で 95%信頼区間の下限が閾
値である 80%を超えた。読影医 3 の specificity の 95%信頼区間の下限は 79.0%で、わずかに
閾値を下回った(表 2.7.3.2.2.2.3- 2)。
表 2.7.3.2.2.2.3- 2 非悪性乳房における乳房レベルでの specificity(FAS):試験 91782
Co-primary analysis
Breast level specificity for nonmalignant breasts
(point estimate, %)
(N = 367 patients)
Reader
Point estimate CMRM (%)
1
91.8
Lower bound of
95% CI
89.1
2
83.9
80.2
3
82.8
79.0
Source: 5.3.5.1.11 PH-37278 Table 14.2/18
FAS = full analysis set, 95% CI = 95% confidence interval, CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic
resonance imaging
Note: A false positive is defined as at least one breast region identified as malignant. Specificity is calculated by breast
within subject, then summarized over all subjects.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
58 of
95
2 名の盲検読影医がいずれの項目も達成したことより、改訂統計解析計画書で規定した試験の
成功基準が満たされた。
被験者内 sensitivity の副次解析では、CMRM の sensitivity は XRM と比較して各盲検読影医
で 12.3~19.0%高かった。CMRM に XRM を追加しても、sensitivity の向上はわずかであった
(CMRM+XRM で、読影医 1 が 89.6%、読影医 2 が 90.3%、読影医 3 が 88.0%)。
副次評価項目の解析結果のうち、CMRM の悪性乳房における乳房レベルでの specificity の
95%信頼区間の下限は、読影医 3 が 50.6%であり、閾値である 50%を上回った。読影医 1 及び
読影医 2 の specificity の 95%信頼区間の下限は、それぞれ 49.9%及び 42.2%であった(表
2.7.3.2.2.2.3- 3)。
表 2.7.3.2.2.2.3- 3 悪性乳房における乳房レベルでの specificity(FAS):試験 91782
Secondary analysis
Breast level specificity for
malignant breasts
(point estimate, %)
(N = 390 patients)
Reader
Point estimate CMRM (%)
1
54.9
Lower bound of
95% CI
49.9
2
47.2
42.2
3
55.5
50.6
Source: 5.3.5.1.11 PH-37278 Table 14.2/23
FAS = full analysis set, 95% CI = 95% confidence interval, CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic
resonance imaging
Note: A false positive is defined as identifying more malignant regions than the standard of truth. Specificity is calculated by
breast within subject, then summarized over all subjects.
本試験の組み入れ時に認められた乳癌を index cancer とした。各盲検読影医で index cancer
が検出された被験者の割合は、CMRM で 85.6~89.2%であった。CMRM での index cancer の割合
は UMRM と比較して 15.5~30.9%高かった(差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった)。各盲検読
影医で index cancer が検出された被験者の割合は、XRM で 69.3~75.0%であり、CMRM と XRM の
比較においても、差の 95%信頼区間に 0 は含まれず、CMRM の有用性が示された。CMRM に XRM を
追加しても、増加はわずかであった。
本試験の組み入れ時に認められず、SOT により確認された乳癌を additional cancer とした。
FAS の 84 例に addtional cancer がみられた。各盲検読影医により CMRM で additional cancer
がみられた被験者数は、読影医 1 が 58 例(69.0%)、読影医 2 が 66 例(78.6%)、読影医 3 が
57 例(67.9%)であった。CMRM での additional cancer が検出された割合は、UMRM と比較して
23.8~44.0%高かった(差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった)。CMRM と比較して CMRM+XRM
での被験者数は、読影医 1 及び読影医 2 で変化がなかったが、読影医 3 で 2 例増加した。XRM で
の被験者数は、読影医 1 が 22 例(26.2%)、読影医 2 が 25 例(29.8%)、読影医 3 が 35 例
(41.7%)であり、additional cancer が検出された被験者の割合は、CMRM では XRM と比較して
26.2~48.8%高かった(差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった)。
3 名の盲検読影医で、乳癌検出において被験者内 sensitivity の意味のある向上が認められ、
また、2 名の盲検読影医で、非悪性乳房における specificity の 95%信頼区間の下限が 80%を
超えたことから、試験の成功基準が満たされた。試験成績は、乳癌の拡がり診断における本剤に
よる造影 MRI の臨床的有用性を支持するものである。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3
2.7.3.3.1
2.7.3.3.1.1
Page
59 of
95
全試験を通しての結果の比較と解析
試験対象集団
脳・脊髄試験
評価資料のうちの 2 試験〔国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260)、国外脳・脊髄第Ⅲ相試験
(試験 310124)〕及び参考資料の国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験 310123)につい
て、主要な人口統計学的特性を FAS について表 2.7.3.3.1.1- 1 に示す。また、国内脳・脊髄第
Ⅲ相試験(試験 16260)及び国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験 310123)の国内で組み
入 れ ら れ た 被 験 者 ( 国 内 実 施 症 例 ) の 部 分 集 団 の 人 口 統 計 学 的 特 性 を 、 FAS に つ い て 表
2.7.3.3.1.1- 2 に示す。
全 3 試験を通して、女性(全体で 55.7%)が男性(全体で 44.3%)よりもわずかに多かった。
全体の 72.8%が年齢 18 歳から 65 歳未満の間で、残りの 27.2%は年齢 65 歳以上であった。試験
16260 では年齢 65 歳以上が 53.2%であったが、他の 2 試験では 25%未満であった。併合した被
験者集団で白人とアジア人の比率が最も高かった(それぞれ 28.8%と 53.6%)。試験 16260 を
除く 2 試験では人種の構成に差がみられ、試験 310123 では白人が 57.1%、試験 310124 ではア
ジア人が 47.4%と最も多かった。体重には個々の試験間で臨床上意味のある差は認められなか
った。前述の民族分布と同様に、治験実施地域でも試験間で差がみられた。試験 16260 では、全
被験者が日本で組み入れられた。試験 310124 では、ほぼ半数(46.7%)の被験者がアジアで組
み入れられた。ヨーロッパで組み入れを行ったのは試験 310123 のみで、この試験ではほぼ 1/3
の被験者がヨーロッパで組み入れられた。以上のとおり、被験者の民族及び地域分布にいくらか
試験間で差が認められたものの、3 試験で被験者の人口統計学的背景に大きな差はないことが確
認された(5.3.5.3.2 参照)。
2 試験の国内実施症例の人口統計学的特性は、女性(全体で 53.5%、以下同じ)が男性
(46.5%)よりも多く、約半数(51.9%)が 65 歳以上の被験者であった。体重は 60kg 未満の被
験者が半数以上(58.9%)を占めた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
60 of
95
表 2.7.3.3.1.1- 1 人口統計学的特性(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
Total number of patients
Sex
Male
Female
Age
18 to < 45 years
45 to < 65 years
65 to < 80 years
 80 years
Race
Caucasian
Black
Hispanic
Asian
Other
Weight
< 60 kg
60 kg to < 90 kg
 90 kg
Region
Europe
USA/Canada
South/Central
America
Asia
Australia
Study 16260
Study 310124
Study 310123
(Report PH-37299) (Report A47570) (Report A47567)
222 (100.0%)
321 (100.0%)
336 (100.0%)
110 ( 49.5%)
135 (42.1%)
144 (42.9%)
112 ( 50.5%)
186 (57.9%)
192 (57.1%)
25 ( 11.3%)
139 (43.3%)
122 (36.3%)
79 ( 35.6%)
136 (42.4%)
139 (41.4%)
102 ( 45.9%)
44 (13.7%)
70 (20.8%)
16 ( 7.2%)
2 (0.6%)
5 (1.5%)
0
61 (19.0%)
192 (57.1%)
0
8 (2.5%)
21 (6.3%)
0
82 (25.5%)
25 (7.4%)
222 (100.0%)
152 (47.4%)
97 (28.9%)
0
18 (5.6%)
1 (0.3%)
118 ( 53.2%)
99 (30.8%)
106 (31.5%)
103 ( 46.4%)
192 (59.8%)
163 (48.5%)
1 ( 0.5%)
30 (9.3%)
67 (19.9%)
0
0
101 (30.1%)
0
52 (16.2%)
107 (31.8%)
0
119 (37.1%)
27 (8.0%)
222 (100.0%)
0
150 (46.7%)
0
94 (28.0%)
7 (2.1%)
Total
879
389
490
286
354
216
23
253
29
107
471
19
323
458
98
101
159
146
(100.0%)
( 44.3%)
( 55.7%)
( 32.5%)
( 40.3%)
( 24.6%)
( 2.6%)
( 28.8%)
( 3.3%)
( 12.2%)
( 53.6%)
( 2.2%)
( 36.7%)
( 52.1%)
( 11.1%)
( 11.5%)
( 18.1%)
( 16.6%)
466 ( 53.0%)
7 ( 0.8%)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.1/1
Figures denote number (percentage) of subjects - Full analysis set
表 2.7.3.3.1.1- 2 国内実施症例の人口統計学的特性(FAS):試験 16260、試験 310123
Total number of patients
Sex
Male
Female
Age
18 to < 45 years
45 to < 65 years
65 to < 80 years
 80 years
Race
Caucasian
Black
Hispanic
Asian
Other
Weight
< 60 kg
60 kg to < 90 kg
 90 kg
Study 16260
(Report PH-37299)
222 (100.0%)
110 ( 49.5%)
112 ( 50.5%)
25 ( 11.3%)
79 ( 35.6%)
102 ( 45.9%)
16 ( 7.2%)
0
0
0
222 (100.0%)
0
118 ( 53.2%)
103 ( 46.4%)
1 ( 0.5%)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.2.1/1
Figures denote number (percentage) of subjects - Full analysis set
Study 310123
(Report A47567)
94 (100.0%)
37 (39.4%)
57 (60.6%)
14 (14.9%)
34 (36.2%)
42 (44.7%)
4
(4.3%)
1
(1.1%)
0
0
93 (98.9%)
0
68 (72.3%)
25 (26.6%)
1
(1.1%)
Total
316 (100.0%)
147 ( 46.5%)
169 ( 53.5%)
39 ( 12.3%)
113 ( 35.8%)
144 ( 45.6%)
20 ( 6.3%)
1 ( 0.3%)
0
0
315 ( 99.7%)
0
186 ( 58.9%)
128 ( 40.5%)
2 ( 0.6%)
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.1.2
Page
61 of
95
躯幹部・四肢における試験
評価資料とした 4 試験〔国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297)、国外腎臓
実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561)、国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 97099)、国外腎動
脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759)〕の安全性解析対象集団(Safety analysis set:SAF)(試験
13297、試験 97099、試験 91759)又は FAS(safety)(試験 304561)における主要な人口統計学
的特性を表 2.7.3.3.1.2- 1 に示す。
男性の割合は、試験 13297、試験 304561、試験 97099 及び試験 91759(以下同順)で、それぞ
れ 47.7%、66.7%、74.3%、54.0%であった。年齢(平均値±標準偏差)はそれぞれ 55.6±
14.8 歳、62.1±12.4 歳、63.2±11.4 歳、54.9±16.9 歳、体重はそれぞれ 62.4±12.2kg、78.7
±14.4kg、79.0±14.3kg、77.5±16.9kg であった。人種は、試験 13297 ではすべての被験者が
アジア人、試験 304561 では 1 例を除きすべて白人、試験 97099 ではすべて白人、試験 91759 で
は主に白人(68.3%)及びアジア人(21.9%)であった。
表 2.7.3.3.1.2- 1 人口統計学的特性:試験 13297、試験 304561、試験 97099、及び試験 91759
Parameter
Total number of patients
Sex, n (%)
Race, n (%)
Age (years)
Height (cm)
Weight (kg)
Female
Male
Asian
Caucasian
Black
White, Black
Not reported
Mean ± SD
Median
(Min - Max)
Mean ± SD
Median
(Min - Max)
Mean ± SD
Median
(Min - Max)
Study 13297
(Report A51205)
363 (SAF)
190
173
363
(52.3%)
(47.7%)
(100.0%)
Study 304561
(Report A18088)
466
[FAS (safety)]
155 (33.3%)
311 (66.7%)
465
1
55.6 ± 14.8
56.0
(20 - 88)
162.7 ± 8.5
162.0
(141.2 -185.0)
62.4 ± 12.2
61.1
(34.0 - 100.0)
(99.8%)
(0.2%)
62.1 ± 12.4
64.0
(18 - 90)
171.6 ± 8.9
172.0
(144 - 195)
78.7 ± 14.4
79.5
(44 – 135)
Study 97099
(Report A04519)
179 (SAF)
46
133
(25.7%)
(74.3%)
179
(100.0%)
63.2± 11.4
65
(20 - 90)
171.5 ± 8.2
172
(146 - 190)
79.0 ± 14.3
79
(44 - 130)
Study 91759
(Report PH-37227)
315 (SAF)
145
(46.0%)
170
(54.0%)
69
(21.9%)
215
(68.3%)
22
(7.0%)
1
(0.3%)
8
(2.5%)
54.9 ± 16.9
59.0
(18 - 88)
77.5 ± 16.9
75.0
(37 -145)
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.1/29; 5.3.5.1.7 A18088 Table 12, Table 14, Table 18; 5.3.5.1.8 A04519 Table 14.11,
Table 14.13, Table 14.14, Table 14.15, Table 14.16; 5.3.5.1.9 PH-37227 Table 14.1.3/1
Min = minimum; Max = maximum; SD = standard deviation; SAF:safety analysis set.
2.7.3.3.2
2.7.3.3.2.1
有効性試験の結果の比較検討
脳・脊髄:個々の試験の結果の比較
本項には、評価資料のうちの 2 試験〔国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260)及び国外脳・脊
髄第Ⅲ相試験(試験 310124)〕及び参考資料の国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験
310123)の主要な有効性の結果を記載する。国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験
310864)では非造影画像のみの評価を実施しておらず、主要評価項目が他の試験と同一ではない
ため、試験成績は別途記載した(2.7.3.2.1.1.3 参照)。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.1.1
Page
62 of
95
有効性の主要評価項目
本剤 0.1mmol/kg の脳・脊髄での有効性を検討するために計画された 3 試験(試験 16260、試
験 310124、試験 310123)では、併合データベースから作成された図 2.7.3.3.2.1.1- 1 に示され
るように、3 つの主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)のいずれにおいても、以下
に示す一貫性のある成績が得られた。
Average reader の造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造では、「非造影画像と造影画像の組み
合せ」と「非造影画像」の差の点推定値の結果に 3 試験を通じていくらかばらつきがみられた。
しかし、いずれの試験においても、「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差
の 95%信頼区間は、下限が 0 より大きく、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画
像」に対する優越性が示された。
Study number
Mean
[95%CI]
Contrast enhancement
Border delineation
Internal morphology
favors unenhanced
Difference
favors combined unenhanced/enhanced
図 2.7.3.3.2.1.1- 1 主要評価項目の結果のプロット
(「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Figure 1.1.3/1, Figure 1.1.3/2, Figure 1.1.3/3
Plots depict the estimates (squares) and the corresponding 95% confidence intervals (CI; whisker) for the differences
“combined (unenhanced plus gadobutrol-enhanced) minus unenhanced MR scans”. Square size is proportional to the sample
size.
Average blinded readers - Full analysis set
検出病変個数では、いずれの試験においても average reader の結果における「非造影画像と
造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の点推定値は 0 より大きかったが、95%信頼区間は
0 を含んでいた。脳・脊髄第Ⅲ相試験 2 試験(試験 16260、試験 310124)では、検出病変個数
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
63 of
95
(average reader)において「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の
95%信頼区間の下限が-0.35 を上回り、「非造影画像と造影画像の組み合せ」における有効性
は「非造影画像」に対して非劣性であることが統計学的に検証されたが、国際共同脳・脊髄実薬
対照第Ⅲ相試験(試験 310123)では、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」
に対する非劣性(非劣性マージン-0.35)は、示されなかった。
2.7.3.3.2.1.1.1
造影効果
造影効果について、3 試験でほぼ一致した結果が得られた(表 2.7.3.3.2.1.1- 1)。各試験の
average reader において、「非造影画像と造影画像の組み合せ」が、「非造影画像」と比較し
て明らかに優れていた。この差について事前に計画した統計学的検定を行った結果、いずれの試
験においても有意差が認められた(p<0.0001)。各盲検読影医の成績でも、average reader の
成績と一致して、有意差が認められた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
64 of
95
表 2.7.3.3.2.1.1- 1 造影効果の結果(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
Study no.
Primary analysis set
Report PH-37299
(Study 16260)
Full analysis set
Image set
Mean Median
SD
Min
Max
95% CI limits
Lower
Upper
P-value
paired t-test
Reader 1 Unenhanced 0.96
1.0
0.10
0.5
1.0
n = 220 Combined
2.80
2.7
0.47
1.0
4.0
Difference
1.84
1.7
0.50
0.0
3.4
1.769
1.903
<.0001
Reader 2 Unenhanced 0.96
1.0
0.12
0.3
1.3
n = 221 Combined
3.00
2.8
0.60
1.0
4.0
Difference
2.04
1.8
0.63
0.0
3.5
1.957
2.124
<.0001
Reader 3 Unenhanced 0.94
1.0
0.15
0.5
1.5
n = 220 Combined
2.79
2.6
0.56
1.0
4.0
Difference
1.85
1.7
0.60
0.0
3.4
1.772
1.932
<.0001
Average Unenhanced 0.95
1.0
0.09
0.3
1.1
n = 221 Combined
2.87
2.8
0.46
1.0
3.9
Difference
1.91
1.8
0.50
0.0
3.4
1.847
1.979
<.0001
Report A50752
Reader 1 Unenhanced 0.95
1.0
0.13
0.5
1.3
(Study 310123)
n = 94
Combined
2.33
2.3
0.53
1.4
3.6
Full analysis set
Difference
1.39
1.3
0.58
0.4
2.6
1.270
1.508
<.0001
Subgroup for Japan Reader 2 Unenhanced 1.02
1.0
0.27
0.5
2.3
n = 94
Combined
2.70
2.6
0.65
1.5
4.0
Difference
1.68
1.6
0.73
0.3
3.3
1.532
1.831
<.0001
Reader 3 Unenhanced 0.97
1.0
0.13
0.5
1.4
n = 94
Combined
2.11
2.1
0.41
1.4
3.3
Difference
1.14
1.1
0.45
0.4
2.3
1.051
1.233
<.0001
Average Unenhanced 0.98
1.0
0.13
0.6
1.5
n = 94
Combined
2.38
2.3
0.45
1.7
3.3
Difference
1.40
1.3
0.49
0.5
2.5
1.304
1.504
<.0001
Report A47570
Reader 1 Unenhanced 0.94
1.0
0.25
0.0
4.0
(Study 310124)
n = 301 Combined
2.96
3.1
0.80
0.0
4.0
Full analysis set
Difference
2.03
2.3
0.86 -3.0
3.3
1.928
2.124
<.0001
Reader 2 Unenhanced 0.93
1.0
0.27
0.0
4.0
n = 309 Combined
2.87
3.0
0.77
0.0
4.0
Difference
1.94
2.0
0.80 -1.0
3.4
1.855
2.033
<.0001
Reader 3 Unenhanced 0.93
1.0
0.25
0.0
4.0
n = 309 Combined
2.86
3.0
0.77
0.0
4.0
Difference
1.93
2.1
0.82 -2.0
3.3
1.839
2.023
<.0001
Average Unenhanced 0.93
1.0
0.23
0.0
4.0
n = 311 Combined
2.86
3.0
0.73
0.0
4.0
Difference
1.94
2.1
0.77 -1.7
3.3
1.850
2.023
<.0001
Report A47567
Reader 1 Unenhanced 0.94
1.0
0.14
0.5
1.3
(Study 310123)
n = 314 Combined
2.21
2.1
0.57
0.0
3.6
Full analysis set
Difference
1.26
1.1
0.61 -1.0
2.9
1.197
1.332
<.0001
Reader 2 Unenhanced 1.01
1.0
0.28
0.0
2.5
n = 314 Combined
2.60
2.5
0.70
0.0
4.0
Difference
1.59
1.4
0.77 -1.0
3.4
1.503
1.673
<.0001
Reader 3 Unenhanced 0.96
1.0
0.16
0.5
1.5
n = 312 Combined
2.02
1.9
0.46
1.0
3.3
Difference
1.06
1.0
0.51 -0.4
2.8
1.002
1.117
<.0001
Average Unenhanced 0.97
1.0
0.15
0.0
1.5
n = 316 Combined
2.26
2.2
0.52
0.0
3.5
Difference
1.29
1.2
0.56 -1.0
2.8
1.228
1.351
<.0001
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/1; 5.3.5.1.2 A47570 Table 19; 5.3.5.1.5 A47567 Table 16; 5.3.5.4.27 A50752 Table
16 (Subgroup for Japan)
Sample sizes differ between blinded readers because a subject was not counted if the blinded reader did not see any lesions in
subjects for whom the spine was imaged.
Scale: 1 = no, 2 = moderate, 3 = good, 4 = excellent
Zero scores are due to the zero-filled averaging used when different numbers of lesions were detected by different modalities
in order for the averages to be based on the same number of scores.
FAS = full analysis set; CI = confidence interval; Combined = combined unenhanced and enhanced; Max = maximum;
Min = minimum; SD = standard deviation.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.1.1.2
Page
65 of
95
辺縁明瞭度
辺縁明瞭度について、3 試験でほぼ一致した結果が得られた(表 2.7.3.3.2.1.1- 2)。各試験
の average reader において、「非造影画像と造影画像の組み合せ」が「非造影画像」と比較し
て明らかに優れていた。この差について事前に計画した統計学的検定を行った結果、いずれの試
験においても有意差が認められた(p<0.0001)。各盲検読影医の成績でも、average reader の
成績と一致して、有意差が認められた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
66 of
95
表 2.7.3.3.2.1.1- 2 辺縁明瞭度の結果(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
Study no.
Primary analysis set
Report PH-37299
(Study 16260)
Full analysis set
Image set
Reader 1
n = 220
Mean Median
SD
Min
Max
95% CI limits
Lower
Upper
P-value
paired t-test
Unenhanced 2.11
2.1
0.30
1.0
2.8
Combined
3.19
3.2
0.38
1.9
4.0
Difference
1.08
1.0
0.51 -0.9
3.0
1.010
1.146
<.0001
Reader 2 Unenhanced 2.11
2.1
0.33
0.3
2.9
n = 221
Combined
3.24
3.2
0.51
1.0
4.0
Difference
1.13
1.0
0.58 -1.0
2.9
1.049
1.203
<.0001
Reader 3 Unenhanced 2.20
2.3
0.39
1.0
3.3
n = 220
Combined
3.17
3.2
0.39
1.8
4.0
Difference
0.97
0.8
0.56 -0.8
2.9
0.893
1.041
<.0001
Average Unenhanced 2.14
2.2
0.26
0.3
2.8
n = 221
Combined
3.20
3.2
0.32
1.7
4.0
Difference
1.06
1.0
0.40 -0.3
2.5
1.007
1.115
<.0001
Report A50752
Reader 1 Unenhanced 2.01
2.1
0.33
1.0
2.5
(Study 310123)
n = 94
Combined
2.79
2.7
0.46
1.8
3.9
Full analysis set
Difference
0.78
0.6
0.62 -0.4
2.5
0.658
0.910
<.0001
Subgroup for Japan
Reader 2 Unenhanced 2.12
2.2
0.43
0.9
2.9
n = 94
Combined
2.92
3.0
0.58
1.5
3.9
Difference
0.80
0.8
0.78 -1.4
2.7
0.640
0.958
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.77
1.9
0.27
0.9
2.4
n = 94
Combined
2.19
2.2
0.27
1.5
2.9
Difference
0.42
0.4
0.41 -0.4
1.6
0.333
0.501
<.0001
Average Unenhanced 1.97
2.0
0.27
1.1
2.4
n = 94
Combined
2.63
2.6
0.32
0.8
3.3
Difference
0.67
0.6
0.42 -0.3
1.9
0.580
0.753
<.0001
Report A47570
Reader 1 Unenhanced 2.17
2.2
0.57
0.0
3.8
(Study 310124)
n = 301
Combined
3.01
3.0
0.75
0.0
4.0
Full analysis set
Difference
0.85
0.9
0.74 -2.0
2.7
0.763
0.932
<.0001
Reader 2 Unenhanced 1.98
2.0
0.56
0.0
4.0
n = 309
Combined
3.15
3.3
0.73
0.0
4.0
Difference
1.17
1.3
0.94 -4.0
4.0
1.066
1.276
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.64
1.6
0.45
0.0
3.1
n = 309
Combined
2.76
2.9
0.76
0.0
4.0
Difference
1.12
1.1
0.74 -1.0
3.0
1.034
1.200
<.0001
Average Unenhanced 1.92
1.9
0.43
0.0
4.0
n = 311
Combined
2.94
3.0
0.68
0.0
4.0
Difference
1.02
1.1
0.71 -4.0
2.8
0.942
1.100
<.0001
Report A47567
Reader 1 Unenhanced 2.03
2.1
0.37
0.9
3.3
(Study 310123)
n = 314
Combined
2.70
2.7
0.53
0.0
3.9
Full analysis set
Difference
0.67
0.6
0.66 -2.0
2.6
0.599
0.745
<.0001
Reader 2 Unenhanced 2.19
2.3
0.49
0.0
3.2
n = 314
Combined
2.91
3.0
0.60
0.0
4.0
Difference
0.72
0.7
0.78 -2.0
3.0
0.632
0.805
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.73
1.8
0.32
0.6
2.6
n = 312
Combined
2.16
2.2
0.35
1.0
3.3
Difference
0.43
0.4
0.50 -1.0
2.3
0.373
0.485
<.0001
Average Unenhanced 1.98
2.0
0.30
0.0
2.5
n = 316
Combined
2.58
2.6
0.43
0.0
3.5
Difference
0.60
0.6
0.53 -2.0
3.0
0.537
0.654
<.0001
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/3; 5.3.5.1.2 A47570 Table 21; 5.3.5.1.5 A47567 Table 18; 5.3.5.4.27 A50752 Table
18 (Subgroup for Japan)
Sample sizes differ between blinded readers because a subject was not counted if the blinded reader did not see any lesions in
subjects for whom the spine was imaged.
Scale: 1 = none, 2 = moderate, 3 = good, 4 = excellent.
Zero scores are due to the zero-filled averaging used when different numbers of lesions were detected by different modalities
in order for the averages to be based on the same number of scores.
FAS = full analysis set; CI = confidence interval; Combined = combined unenhanced and enhanced; Max = maximum;
Min = minimum; SD = standard deviation.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.1.1.3
Page
67 of
95
内部構造
内部構造について、3 試験でほぼ一致した結果が得られた(表 2.7.3.3.2.1.1- 3)。各試験の
average reader において、「非造影画像と造影画像の組み合せ」が、「非造影画像」と比較し
て明らかに優れていた。この差について事前に計画した統計学的検定を行った結果、いずれの試
験においても有意差が認められた(p<0.0001)。各盲検読影医の成績でも、average reader の
成績と一致して、有意差が認められた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
68 of
95
表 2.7.3.3.2.1.1- 3 内部構造の結果(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
Study no.
Primary analysis set
Report PH-37299
(Study 16260)
Full analysis set
Image set
Reader 1
n = 220
Mean Median
SD
Min
Max
95% CI limits
Lower
Upper
P-value
paired t-test
Unenhanced 1.10
1.0
0.20
0.5
2.0
Combined
2.35
2.3
0.33
1.5
3.0
Difference
1.25
1.2
0.38
0.0
2.5
1.197
1.299
<.0001
Reader 2 Unenhanced 1.35
1.3
0.29
0.3
2.4
n = 221
Combined
2.21
2.1
0.42
1.0
2.9
Difference
0.86
0.8
0.43 -0.4
2.1
0.807
0.920
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.00
1.0
0.21
0.5
2.0
n = 220
Combined
2.27
2.2
0.39
1.4
3.0
Difference
1.27
1.2
0.43
0.4
2.5
1.211
1.325
<.0001
Average Unenhanced 1.15
1.2
0.17
0.3
1.8
n = 221
Combined
2.28
2.2
0.29
1.5
3.0
Difference
1.13
1.1
0.30
0.4
2.3
1.088
1.168
<.0001
Report A50752
Reader 1 Unenhanced 1.15
1.1
0.23
0.6
1.9
(Study 310123)
n = 94
Combined
1.89
1.8
0.41
1.1
2.9
Full analysis set
Difference
0.74
0.7
0.49 -0.6
1.9
0.639
0.839
<.0001
Subgroup for Japan
Reader 2 Unenhanced 1.42
1.5
0.34
0.5
2.3
n = 94
Combined
2.29
2.4
0.42
1.1
3.0
Difference
0.87
0.8
0.58 -0.3
2.3
0.752
0.990
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.36
1.3
0.31
0.8
2.4
n = 94
Combined
1.81
1.9
0.33
1.3
2.5
Difference
0.45
0.5
0.47 -0.8
1.7
0.351
0.543
<.0001
Average Unenhanced 1.31
1.3
0.21
0.8
1.8
n = 94
Combined
1.99
2.0
0.29
1.3
2.6
Difference
0.69
0.7
0.37 -0.1
1.5
0.610
0.762
<.0001
Report A47570
Reader 1 Unenhanced 1.87
1.9
0.51
0.0
3.0
(Study 310124)
n = 301
Combined
2.40
2.5
0.54
0.0
3.0
Full analysis set
Difference
0.53
0.5
0.54 -1.1
2.0
0.472
0.594
<.0001
Reader 2 Unenhanced 1.38
1.4
0.43
0.0
3.0
n = 309
Combined
2.46
2.6
0.54
0.0
3.0
Difference
1.08
1.1
0.74 -3.0
3.0
1.000
1.166
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.49
1.4
0.39
0.0
3.0
n = 309
Combined
2.25
2.4
0.56
0.0
3.0
Difference
0.77
0.8
0.57 -1.0
2.1
0.704
0.830
<.0001
Average Unenhanced 1.57
1.6
0.35
0.0
3.0
n = 311
Combined
2.35
2.4
0.49
0.0
3.0
Difference
0.78
0.8
0.53 -3.0
2.1
0.720
0.838
<.0001
Report A47567
Reader 1 Unenhanced 1.16
1.1
0.26
0.5
2.2
(Study 310123)
n = 314
Combined
1.78
1.8
0.44
0.0
2.9
Full analysis set
Difference
0.62
0.6
0.47 -1.0
1.9
0.571
0.676
<.0001
Reader 2 Unenhanced 1.46
1.5
0.37
0.0
2.5
n = 314
Combined
2.28
2.4
0.47
0.0
3.0
Difference
0.82
0.8
0.61 -2.0
2.4
0.755
0.892
<.0001
Reader 3 Unenhanced 1.34
1.3
0.32
0.6
2.4
n = 312
Combined
1.76
1.8
0.39
0.8
2.6
0.41
0.4
0.52 -0.9
2.0
0.355
0.471
<.0001
Difference
Average Unenhanced 1.32
1.3
0.24
0.0
2.2
n = 316
Combined
1.93
1.9
0.36
0.0
2.6
Difference
0.61
0.6
0.42 -2.0
1.9
0.562
0.655
<.0001
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/5; 5.3.5.1.2 A47570 Table 23; 5.3.5.1.5 A47567 Table 20; 5.3.5.4.27 A50752 Table
20 (Subgroup for Japan)
Sample sizes differ between blinded readers because a subject was not counted if the blinded reader did not see any lesions
in subjects for whom the spine was imaged.
Scale: 1 = poor, 2 = moderate, 3 = good. Zero scores are due to the zero-filled averaging used when different numbers of
lesions were detected by different modalities in order for the averages to be based on the same number of scores.
FAS = full analysis set; CI = confidence interval; Combined = combined unenhanced and enhanced; Max = maximum;
Min = minimum; SD = standard deviation.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.1.1.4
Page
69 of
95
検出病変個数
検出病変個数について、各試験の統計解析計画書であらかじめ設定した非劣性マージン-0.35
(パラメトリック法)を用いて検討した結果、2 試験(試験 16260 及び試験 310124)の average
reader では「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する非劣性が検証され
た(表 2.7.3.3.2.1.1- 4)。
個々の盲検読影医の結果では、「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の
95%信頼区間の下限は、試験 16260 では 1 名の盲検読影医で、試験 310124 及び試験 310123 では
それぞれ 2 名の盲検読影医で、非劣性マージンを上回った。
盲検読影医間で「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の点推定値を比較
したところ、試験 16260 では点推定値が 0 を下回る盲検読影医はいなかったが、試験 310124 及
び試験 310123 ではそれぞれ 1 名の盲検読影医で点推定値が 0 を下回っていた。しかしながら、
average reader における「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影画像」の差の標準偏
差を比較すると、試験 16260 の 2.75 及び試験 310124 の 3.53 と比べ、試験 310123 では 5.68 と
大きかった。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
70 of
95
表 2.7.3.3.2.1.1- 4 検出病変個数の結果(FAS、パラメトリック):試験 16260、試験 310124、
試験 310123
Study no.
Primary
analysis set
Report
PH-37299
(Study
16260)
Full analysis
set
Image set
Reader 1
n = 221
Total no. Mean Median
lesions
SD
Min
Max
95% CI limits
Lower
Upper
Noninferiority
achieveda
Unenhanced
2858 12.93
10
11.11
0
30
Combined
2893 13.09
10
11.10
0
30
35
0.16
0
4.06
-12
15
-0.380
0.696
No
Difference
Reader 2 Unenhanced
2086
9.44
5
10.05
0
30
n = 221
Combined
2127
9.62
5
10.19
0
30
Difference
41
0.19
0
4.67
-18
26
-0.433
0.804
No
Reader 3 Unenhanced
2209 10.00
5
10.64
0
30
n = 221
Combined
2330 10.54
6
10.50
0
30
121
0.55
0
3.51
-12
13
0.082
1.013
Yes
Difference
Average Unenhanced 2384 10.79
7
10.18
0
30
n = 221 Combined
2450 11.09
8
10.07
0
30
66
0.30
0
2.75
-8
11
-0.067
0.661
Yes
Difference
Report
Reader 1 Unenhanced
794
8.45
5
12.05
0
67
A50752
n = 94
Combined
884
9.40
5
11.13
0
47
6.54
-21
28
-0.381
2.296
No
(Study
Difference
90
0.96
0
310123)
Reader 2 Unenhanced
1146 12.19
6
16.30
0 100
Full analysis n = 94
Combined
1228 13.06
8
16.82
0 100
set
Difference
82
0.87
0
15.20
-70
77
-2.241
3.986
No
Subgroup
Reader 3 Unenhanced
836
8.89
6
9.24
0
45
for Japan
n = 94
Combined
966 10.28
8
9.57
0
45
Difference
130
1.38
1
4.66
-10
17
0.428
2.338
Yes
Average Unenhanced
925
9.84
6
12.04
0
69
n = 94
Combined
1026 10.91
7
11.42
0
54
Difference
101
1.07
0
7.05
-29
36
-0.372
2.514
No
Report
Reader 1 Unenhanced
726
2.26
1
7.61
0 100
A47570
n = 321
Combined
939
2.93
1
8.68
0 100
(Study
Difference
213
0.66
0
5.31
-25
60
0.081
1.246
Yes
310124)
Reader 2 Unenhanced
1210
3.77
1
11.79
0
99
Full analysis n = 321
Combined
1157
3.60
1
10.40
0
95
set
Difference
-53
-0.17
0
8.77
-64
43
-1.128
0.798
No
Reader 3 Unenhanced
615
1.92
1
7.19
0 100
n = 321
Combined
760
2.37
1
7.26
0 100
Difference
145
0.45
0
4.20
-33
46
-0.009
0.913
Yes
850
2.65
1
6.30
0
46
Average Unenhanced
n = 321 Combined
952
2.97
1
6.95
0
59
Difference
102
0.32
0
3.53
-21
21
-0.070
0.704
Yes
Report
Reader 1 Unenhanced
2490
7.41
2
13.05
0
74
A47567
n = 336
Combined
2622
7.80
2
12.92
0
64
(Study
Difference
132
0.39
0
5.51
-28
28
-0.199
0.984
Yes
310123)
Reader 2 Unenhanced
3383 10.07
4
16.60
0 100
Full analysis n = 336
Combined
3234
9.63
3
15.04
0 100
set
Difference
-149
-0.44
0
12.38
-71
85
-1.772
0.885
No
Reader 3 Unenhanced
2267
6.75
3
8.97
0
45
n = 336
Combined
2456
7.31
3
9.13
0
45
Difference
189
0.56
0
4.07
-15
24
0.125
1.000
Yes
Average Unenhanced 2713
8.08
3
12.39
0
69
n = 336 Combined
2771
8.25
3
11.40
0
60
Difference
57
0.17
0
5.68
-30
36
-0.439
0.780
No
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/7; 5.3.5.1.2 A47570 Table 17; 5.3.5.1.5 A47567 Table 22; 5.3.5.4.27 A50752 Table
22 (Subgroup for Japan)
FAS = full analysis set, CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced; Max = maximum;
Min = minimum; SD = standard deviation.
a In accordance with the statistical analysis plan, non-inferiority was assessed using Parametric methods with a noninferiority margin of -0.35.
Numer of lesions were counted up to 30 in Study 16260 and 100 in Stduies 310123 and 310124.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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71 of
95
試験 310123 の検出病変個数の副次解析である本剤とガドテリドールの比較では、観察データ
がパラメトリック解析に不適な場合、ノンパラメトリック解析を行うこととしていた。副次解析
にならい、補足的解析として、得られたデータに基づいて以下のカテゴリーを用いて、検出病変
個数をカテゴリカル変数に置き換えたノンパラメトリック解析を行った。
a)「非造影画像」より「非造影画像と造影画像の組み合せ」の方が検出病変個数が多い
b)「非造影画像と造影画像の組み合せ」より「非造影画像」の方が検出病変個数が多い
c)両者の検出病変個数は同数
その結果、average reader 及び 3 名の読影医のいずれの評価結果においても、カテゴリーa に
分類された被験者の割合(%)とカテゴリーb に分類された被験者の割合(%)の差(a-b)の
95%信頼区間の下限は、副次評価項目のカテゴリカル変数についてあらかじめ設定した非劣性マ
ージン-10%を用いると、「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する非劣
性が示された(表 2.7.3.3.2.1.1- 5)。
表 2.7.3.3.2.1.1- 5 検出病変個数の結果(FAS、ノンパラメトリック):試験 310123
Study 310123
Full analysis set
N=336
Study 310123
Full analysis set
Subgroup for Japan
N=94
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Average
Equal
number
of lesions
38.7%
30.1%
35.4%
20.8%
19.1%
12.8%
23.4%
7.4%
More
lesions with
Gadobutrol Unenhanced
34.8%
26.5%
34.5%
35.4%
40.2%
24.4%
44.0%
35.1%
44.7%
36.2%
48.9%
38.3%
50.0%
26.6%
59.6%
33.0%
Estimate
8.3%
-0.9%
15.8%
8.9%
8.5%
10.6%
23.4%
26.6%
Difference
95% CI limits
Lower
Upper
0.0%
16.7%
-9.8%
8.0%
7.3%
24.2%
-0.5% 18.4%
-9.6%
26.6%
-8.1%
29.4%
6.4%
40.5%
7.9% 45.3%
Source: 5.3.5.1.5 A47567 Table1.3; 5.3.5.4.27 A50752 Table 23 (Subgroup for Japan)
FAS = full analysis set, CI = confidence interval, Difference = Gadobutrol minus unenhanced
2.7.3.3.2.1.1.5
国内実施症例における 3 つの視覚パラメータの併合解析
試験 16260 と試験 310123 の国内実施症例について、average reader の造影効果、辺縁明瞭度
及び内部構造の併合解析を行った(表 2.7.3.3.2.1.1- 6)。
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造の「非造影画像」と比べた「非造影画像と造影画像の組み
合せ」の向上は、それぞれ 1.76、0.95 及び 1.03 であった。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
72 of
95
表 2.7.3.3.2.1.1- 6 造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造の国内実施症例併合解析
-average reader(FAS): 試験 16260 及び試験 310123
Image set
Unenhanced
Combined
Difference
Unenhanced
Combined
Difference
Unenhanced
Combined
Difference
Contrast enhancement
Border delineation
Internal morphology
N
315
315
315
Mean
0.96
2.72
1.76
2.09
3.03
0.95
1.18
2.19
1.03
SD
0.01
0.03
0.03
0.01
0.02
0.02
0.01
0.02
0.02
95% CI of Difference
(1.704, 1.813)
(0.905, 0.995)
(0.996, 1.067)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.2.1/2, Table 1.2.1/3, Table 1.2.1/4
FAS = full analysis set; CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced,
SD = standard deviation.
The pooled estimates for unenhanced, combined and the difference were computed by applying the inverse variance method.
2.7.3.3.2.1.2
副次評価項目
2.7.3.3.2.1.2.1
悪性病変検出の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)
治験実施計画書の悪性病変の定義に基づいて、盲検読影医、治験担当医師、SOT の全診断(診
断名)を、「悪性」、「非悪性」あるいは「判定不能」(診断が「診断不能」又は「その他」の
場合)に分類した。これらの病変の分類結果から、sensitivity、specificity 及び accuracy を
算出した。SOT で診断が「判定不能」であった被験者は、解析から除外した。
試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 で一貫した結果が得られたことから、3 試験の
majority reader の 結 果 の 併 合 解 析 を 行 い 、 そ の 結 果 を 表 2.7.3.3.2.1.2- 1 に 示 す 。
Sensitivity では「非造影画像」と比べ「非造影画像と造影画像の組み合せ」で 17.9%の向上が
認められ、accuracy でも 5.7%の向上が認められた(差の 95%信頼区間の下限:それぞれ
12.1%及び 3.5%)。Specificity の低下は認められなかった。
表 2.7.3.3.2.1.2- 1 悪性病変の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)の併合解
析-majority reader(FAS):試験 16260、試験 310124 及び試験 310123
Na
Unenhanced
Combined
Variable
Detection of
malignancy
Estimate
Sensitivity
Specificity
Accuracy
223
551
774
54.3%
94.6%
82.9%
72.2%
95.3%
88.6%
17.9%
0.7%
5.7%
Difference
95% CI limit
Lower
Upper
12.1%
23.8%
-0.9%
2.4%
3.5%
7.8%
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.2/2
FAS = full analysis set; CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced
a If the standard-of-truth diagnosis was “not assessable” or “other”, the subject was excluded from analysis
脳 ・ 脊 髄 第 Ⅲ 相 試 験 3 試 験 ( 試 験 16260 、 試験 310124 及 び 試験 310123 ) の 結 果 を表
2.7.3.3.2.1.2- 2 に示す。3 試験で矛盾しない結果が示された。
Sensitivity では、「非造影画像と造影画像の組み合せ」が「非造影画像」と比較して、3 試
験の盲検読影医計 9 名及び majority reader の結果で高かった。Specificity はいずれの画像で
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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73 of
95
も値が高く、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画像」との間に差がほとんど認
められず、低下は認められなかった。Sensitivity に向上がみられ specificity は変化がなかっ
たことから、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画像」と比較して accuracy が
いずれの試験でも向上した(majority reader)。
表 2.7.3.3.2.1.2- 2 悪性病変検出の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)
(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
Na
Combined
Difference
(unenhanced
Estimate
95% CI limit
+ enhanced)
Lower Upper
Sensitivity Report PH-37299 Reader 1 67
62.7%
68.7%
6.0%
-5.6% 17.6%
(Study 16260)
Reader 2 67
59.7%
71.6%
11.9%
1.4% 22.5%
Reader 3 67
56.7%
71.6%
14.9%
3.8% 26.1%
Majority 67
61.2%
74.6%
13.4%
3.4% 23.5%
Report A47570 Reader 1 63
57.1%
73.0%
15.9%
5.8% 25.9%
(Study 310124) Reader 2 63
65.1%
81.0%
15.9%
3.3% 28.5%
Reader 3 63
65.1%
81.0%
15.9%
6.8% 24.9%
Majority 63
57.1%
77.8%
20.6%
10.6% 30.6%
Report A47567 Reader 1 93
51.6%
63.4%
11.8%
1.1% 22.5%
(Study 310123) Reader 2 93
50.5%
67.7%
17.2%
7.0% 27.4%
Reader 3 93
48.4%
65.6%
17.2%
7.5% 26.9%
Majority 93
47.3%
66.7%
19.4%
9.4% 29.4%
Specificity Report PH-37299 Reader 1 154
89.6%
94.8%
5.2%
-0.1% 10.5%
(Study 16260)
Reader 2 154
90.9%
96.8%
5.8%
1.3% 10.3%
Reader 3 154
97.4%
96.8%
-0.6%
-3.5%
2.2%
Majority 154
96.8%
98.7%
1.9%
-0.9%
4.8%
Report A47570 Reader 1 198
92.9%
91.9%
-1.0%
-4.7%
2.7%
(Study 310124) Reader 2 198
86.9%
86.4%
-0.5%
-5.0%
4.0%
Reader 3 198
89.9%
88.9%
-1.0%
-5.0%
2.9%
Majority 198
90.4%
90.4%
0.0%
-3.4%
3.4%
Report A47567 Reader 1 199
97.5%
98.0%
0.5%
-1.7%
2.7%
(Study 310123) Reader 2 199
91.0%
94.5%
3.5%
-1.0%
8.0%
Reader 3 199
96.5%
96.5%
0.0%
-2.0%
2.0%
Majority 199
97.0%
97.5%
0.5%
-1.7%
2.7%
Accuracy Report PH-37299 Reader 1 221
81.4%
86.9%
5.4%
0.3% 10.6%
(Study 16260)
Reader 2 221
81.4%
89.1%
7.7%
3.2% 12.2%
Reader 3 221
85.1%
89.1%
4.1%
0.0%
8.1%
5.4%
1.7%
9.1%
Majority 221
86.0%
91.4%
Report A47570 Reader 1 261
84.3%
87.4%
3.1%
-0.7%
6.9%
(Study 310124) Reader 2 261
81.6%
85.1%
3.4%
-1.2%
8.1%
Reader 3 261
83.9%
87.0%
3.1%
-0.7%
6.9%
Majority 261
82.4%
87.4%
5.0%
1.3%
8.7%
Report A47567 Reader 1 292
82.9%
87.0%
4.1%
0.3%
7.9%
(Study 310123) Reader 2 292
78.1%
86.0%
7.9%
3.4% 12.4%
Reader 3 292
81.2%
86.6%
5.5%
2.0%
9.0%
Majority 292
81.2%
87.7%
6.5%
2.8% 10.2%
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/64; 5.3.5.1.2 A47570 Table 53; 5.3.5.1.5 A47567 Table 108
Blinded reading - Full analysis set
CI = confidence interval
a If the standard-of-truth diagnosis was “not assessable” or “other”, the subject was excluded from analysis.
2.7.3.3.2.1.2.2
Unenhanced
P-value
0.0039
0.0184
0.0016
0.0003
0.0343
0.0017
0.0011
0.0004
0.5930
0.8273
0.6171
1.0000
0.6547
0.1266
1.0000
0.6547
0.1167
0.1495
0.1167
0.0093
0.0339
0.0008
0.0025
0.0006
診断の一致度
「非造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」における診断(診断名)について、
その一致度を SOT と比較して評価した。SOT で「診断不能」又は「その他」と評価された計 106
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
74 of
95
例(3 試験の合計)を解析から除外した。さらに、majority reader の結果では、診断が 3 名の
盲検読影医で異なった計 155 例(3 試験の合計)を解析から除外した。
試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 で一貫した結果が得られたことから、3 試験の
majority reader の結果の併合解析を行い、その結果を表 2.7.3.3.2.1.2- 3 に示す。診断の一
致度は「非造影画像」と比べ「非造影画像と造影画像の組み合せ」で 8.4%向上した(差の 95%
信頼区間の下限:5.5%)。
表 2.7.3.3.2.1.2- 3 診断の一致度の併合解析-majority reader(FAS):試験 16260、試験
310124 及び試験 310123
Na
Unenhanced
Combined
Variable
Exact match of
diagnosis
Estimate
Proportion of the
exact match
617 55.1%
63.5%
8.4%
Difference
95% CI limit
Lower Upper
5.5%
11.4%
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.2/4
FAS = full analysis set; CI = confidence interval; Combined = Combined unenhanced and enhanced
a If the standard-of-truth diagnosis was “not assessable” or “other”, the subject was excluded from analysis.
個々の試験でも「非造影画像と造影画像の組み合せ」における診断の一致度は「非造影画像」
と 比 較 し て 向 上 し た ( 3 試 験 の majority reader 、 及 び 読 影 医 1 名 を 除 く 全 読 影 医 、 表
2.7.3.3.2.1.2- 4)。得られた結果は 3 試験で一貫していた。
表 2.7.3.3.2.1.2- 4 診断の一致度(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
Na Unenhanced Combined
Difference
95% CI limit
Lower Upper
12.8%
5.9% 19.6%
6.8%
0.7% 13.0%
10.0%
4.4% 15.7%
10.1%
3.8% 16.4%
5.7%
0.5% 11.0%
8.0%
2.6% 13.5%
6.9%
1.8% 12.0%
9.4%
4.7% 14.1%
4.5%
-0.5%
9.4%
5.5%
0.2% 10.7%
8.6%
3.8% 13.3%
6.2%
1.7% 10.8%
Estimate
Report PH-37299
(Study 16260)
Report A47570
(Study 310124)
Report A47567
(Study 310123)
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Majority
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Majority
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Majority
219
219
219
168
261
261
261
224
292
292
292
225
46.1%
43.8%
47.0%
55.4%
48.3%
44.1%
47.1%
51.8%
51.7%
43.5%
45.9%
58.2%
58.9%
50.7%
57.1%
65.5%
54.0%
52.1%
54.0%
61.2%
56.2%
49.0%
54.5%
64.4%
P-value
0.0321
0.0046
0.0094
0.0002
0.0796
0.0422
0.0006
0.0082
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/58; 5.3.5.1.2 A47570, Table 49; 5.3.5.1.5 A47567, Table 99
Blinded reading - Full analysis set
CI = confidence interval
a If the standard-of-truth diagnosis was “not assessable” or “other”, the subject was excluded from analysis
2.7.3.3.2.1.2.3
脳の正常/異常組織の診断能(sensitivity、specificity 及び
accuracy)
盲検読影医は、被験者ごとに脳組織に異常が認められるか否かについて、非造影 T1 強調画像
及び造影 T1 強調画像について正常又は異常の判定を実施した。盲検読影医の判定を、SOT 結果
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
75 of
95
(「病変なし」を正常、その他の診断を異常とした)と比較して、sensitivity、specificity
及び accuracy を評価した。
試験 16260、試験 310124 及び試験 310123 で一貫した結果が得られたことから、3 試験の
majority reader の 結 果 の 併 合 解 析 を 行 い 、 そ の 結 果 を 表 2.7.3.3.2.1.2- 5 に 示 す 。
Sensitivity 及び accuracy で「非造影画像」と比べ「造影画像」でそれぞれ 11.6%及び 8.8%
の向上が認められた(差の 95%信頼区間の下限:8.4%及び 5.9%)。Specificity の低下は認
められなかった(差の点推定値:-3.8%、差の 95%信頼区間は 0 を含んだ)。
表 2.7.3.3.2.1.2- 5 正常/異常脳組織における診断能の併合解析-majority reader
(FAS):試験 16260、試験 310124 及び試験 310123
Na
Variable
Sensitivity
Specificity
Accuracy
593
131
724
Unenhanced
T1w
Enhanced
T1w
Estimate
70.0%
73.3%
70.6%
81.6%
69.5%
79.4%
11.6%
-3.8%
8.8%
Difference
95% CI limit
Lower
Upper
8.4%
-10.6%
5.9%
14.9%
3.0%
11.8%
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.2/3
FAS = full analysis set, CI = confidence interval
a If the standard-of-truth diagnosis was “not assessable”, the subject was excluded from analysis.
個々の試験 の結果を 表 2.7.3.3.2.1.2- 6 に示す。造影画像における sensitivity 及び
accuracy では、非造影画像と比較して向上がいずれの試験でも認められた(majority reader)。
各盲検読影医の結果でも同様であった。Specificity は、majority reader について、試験
16260 及び試験 310123 では変化がなく、試験 310124 では低下した。各盲検読影医の造影画像の
specificity の点推定値は、試験 16260 及び試験 310123 では読影医 1 名で低下し、試験 310124
では読影医 3 名で低下した。Specificity の結果は、以下の点が影響しているものと考えられる。

SOT で脳組織が正常(診断「病変なし」)と評価された被験者のみが解析対象となること
から、いずれの試験でも評価対象例数が限られた(試験 16260 で 30 例、試験 310124 で
40 例、試験 310123 で 61 例)。

SOT が一部の症例で不完全であった可能性がある。例えば、症状を伴わない疾患、臨床検
査や病理組織検査データによる裏付けが得られていない疾患は、MR 画像で脳・脊髄病変
が認められていても、truth committee により「正常」と評価された可能性がある。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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76 of
95
表 2.7.3.3.2.1.2- 6 脳の正常/異常組織における診断能(sensitivity、specificity 及び
accuracy)(FAS):試験 16260、試験 310124、試験 310123
N
Difference
95% CI limit
Lower
Upper
Sensitivity Report PH-37299 Reader 1 188
77.1%
85.1%
8.0%
1.9%
14.0%
(Study 16260)
Reader 2 188
70.7%
81.9%
11.2%
4.7%
17.7%
Reader 3 188
67.6%
80.9%
13.3%
6.7%
19.9%
Majority 188
72.3%
85.1%
12.8%
6.8% 18.7%
Report A47570 Reader 1 199
74.9%
83.9%
9.0%
4.2%
13.9%
(Study 310124) Reader 2 199
74.9%
84.4%
9.5%
4.8%
14.3%
Reader 3 199
76.9%
80.4%
3.5%
-1.0%
8.0%
Majority 199
75.4%
83.9%
8.5%
4.0% 13.1%
Report A47567 Reader 1 206
61.7%
73.8%
12.1%
5.5%
18.7%
(Study 310123) Reader 2 206
61.7%
75.7%
14.1%
7.7%
20.5%
Reader 3 206
65.5%
80.6%
15.0%
8.2%
21.9%
Majority 206
62.6%
76.2%
13.6%
7.4% 19.8%
Specificity Report PH-37299 Reader 1 30
46.7%
46.7%
0.0%
-13.1%
13.1%
(Study 16260)
Reader 2 30
70.0%
76.7%
6.7%
-11.7%
25.0%
6.2%
Reader 3 30
66.7%
60.0%
-6.7%
-19.5%
Majority 30
60.0%
60.0%
0.0%
-9.2%
9.2%
Report A47570 Reader 1 40
72.5%
60.0%
-12.5%
-24.9%
-0.1%
(Study 310124) Reader 2 40
65.0%
57.5%
-7.5%
-23.6%
8.6%
Reader 3 40
70.0%
62.5%
-7.5%
-18.2%
3.2%
Majority 40
72.5%
60.0%
-12.5%
-24.9%
-0.1%
Report A47567 Reader 1 61
78.7%
83.6%
4.9%
-7.5%
17.3%
(Study 310123) Reader 2 61
75.4%
78.7%
3.3%
-8.7%
15.3%
Reader 3 61
80.3%
70.5%
-9.8%
-20.7%
1.0%
Majority 61
80.3%
80.3%
0.0%
-11.1%
11.1%
Accuracy Report PH-37299 Reader 1 218
72.9%
79.8%
6.9%
1.3%
12.4%
(Study 16260)
Reader 2 218
70.6%
81.2%
10.6%
4.4%
16.7%
Reader 3 218
67.4%
78.0%
10.6%
4.5%
16.6%
Majority 218
70.6%
81.7%
11.0%
5.7% 16.4%
Report A47570 Reader 1 239
74.5%
79.9%
5.4%
0.8%
10.1%
(Study 310124) Reader 2 239
73.2%
79.9%
6.7%
1.8%
11.5%
Reader 3 239
75.7%
77.4%
1.7%
-2.5%
5.8%
Majority 239
74.9%
79.9%
5.0%
0.6%
9.5%
Report A47567 Reader 1 267
65.5%
76.0%
10.5%
4.7%
16.3%
(Study 310123) Reader 2 267
64.8%
76.4%
11.6%
6.0%
17.3%
Reader 3 267
68.9%
78.3%
9.4%
3.4%
15.4%
Majority 267
66.7%
77.2%
10.5%
5.0% 15.9%
Source: 5.3.5.1.1 PH-37299 Table 14.2/62; 5.3.5.1.2 A47570 Table 52; 5.3.5.1.5 A47567 Table 105
Blinded reading - Full analysis set
CI = confidence interval
2.7.3.3.2.1.2.4
Unenhanced
T1w
Enhanced
T1w
Estimate
P-value
0.0004
0.0001
0.1266
0.0004
0.0005
<0.0001
<0.0001
<0.0001
0.0588
0.3657
0.1797
0.0588
0.4386
0.5930
0.0833
1.0000
0.0236
0.0077
0.4328
0.0285
0.0006
0.0001
0.0026
0.0002
国内実施症例における副次評価項目の併合解析
より多くの国内被験者で診断能を検討する目的で、試験 16260 及び試験 310123 の国内実施症
例をプールした併合解析を実施した。Majority reader の悪性病変検出の診断能(sensitivity、
specificity 及び accuracy)、診断の一致度、及び脳の正常/異常組織の診断能(sensitivity、
specificity 及び accuracy)を評価した。
併合解析による悪性病変検出の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)を表
2.7.3.3.2.1.2- 7 に示す。Sensitivity では「非造影画像と造影画像の組み合せ」が「非造影画
像」と比較して 16.5%高かった。Specificity は「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造
影画像」のいずれも値が高く、変化はほとんど認められなかった。Sensitivity に向上がみられ
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
77 of
95
specificity は変化がなかったことから、accuracy は「非造影画像と造影画像の組み合せ」で
「非造影画像」と比較して 7.6%向上した。
表 2.7.3.3.2.1.2- 7 悪性病変の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)の国内実
施症例併合解析-majority reader(FAS):試験 16260 及び試験 310123
Estimate
Sensitivity
Specificity
Accuracy
Total
121
194
315
Unenhanced
56.2%
94.8%
80.0%
Combined
72.7%
96.9%
87.6%
16.5%
2.1%
7.6%
Diffirence
95% CI
Lower Limit Upper Limit
8.5%
24.6%
-0.8%
4.9%
4.0%
11.3%
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.2.2/2
Blinded reading - Full analysis set
CI = confidence interval
併合解析による診断の一致度を表 2.7.3.3.2.1.2- 8 に示す。診断の一致度は「非造影画像と
造影画像の組み合せ」で「非造影画像」と比較して 10.8%向上した。
表 2.7.3.3.2.1.2- 8
診断の一致度の国内実施症例併合解析-majority reader(FAS):試験
16260 及び試験 310123
Estimate
Exact match of
diagnosis
Total
232
Unenhanced
55.6%
Combined
66.4%
10.8%
Difference
95% CI
Lower Limit Upper Limit
5.5%
16.0%
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.2.2/4
Blinded reading - Full analysis set
CI = confidence interval
併合解析による脳の正常/異常組織の診断能(sensitivity、specificity 及び accuracy)を
表 2.7.3.3.2.1.2- 9 に示す。Sensitivity 及び accuracy では、「造影画像」が「非造影画像」
と比較してそれぞれ 16.5%及び 14.7%と大きく向上したが、specificity では変化がみられな
かった。Specificity 評価対象例数は、試験 16260 で 30 例、試験 310123 で 4 例であった。
表 2.7.3.3.2.1.2- 9 脳の正常/異常組織の診断能の国内実施症例併合解析-majority reader
(FAS):試験 16260 及び試験 310123
Sensitivity
Specificity
Accuracy
Total
278
34
312
Unenhanced
T1w
Enhanced
T1w
Estimate
69.8%
61.8%
68.9%
86.3%
61.8%
83.7%
16.5%
0.0%
14.7%
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.2.2/3
Blinded reading - Full analysis set
CI = confidence interval
Difference
95% CI
Lower Limit Upper Limit
11.4%
21.6%
-11.5%
11.5%
10.0%
19.5%
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.2
Page
78 of
95
躯幹部・四肢:個々の試験の結果の比較
躯幹部・四肢 MRI における 5 試験〔国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297)、
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561)、国外躯幹部・四肢第Ⅲ相試験(試験 94055/
99012)及び国外乳腺第Ⅲ相試験(試験 91743、試験 91782)〕、及び躯幹部 MRA の 2 試験〔国外
躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 97099)及び国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759)〕で共
通して評価された造影 MRI あるいは造影 MRA の診断能に関連する結果を比較した。
試験 94055/99012 では、悪性病変検出の sensitivity 及び specificity、並びに診断の一致
度の評価のため、事後解析を行った。SOT で「評価不能」、「不明」及び「入手できず」と評価
された被験者を除き、1 名以上の読影医により非造影画像及び本剤による造影画像の両方が評価
可能であった被験者を含む FAS を解析対象集団とした。各評価項目における「非造影画像」と
「非造影画像と造影画像の組み合せ」の差について、試験全体集団(5 つの身体領域の合計)及
び身体領域別に評価した(5.3.5.4.32 参照)。
2.7.3.3.2.2.1
2.7.3.3.2.2.1.1
MRI における悪性病変検出の診断能(sensitivity 及び specificity)
悪性病変の診断能(sensitivity 及び specificity)(被験者レベル)
被験者ごとの主要な病変の診断(名)結果を、悪性病変の定義に基づいて悪性・非悪性に分類
し、その結果と最終臨床診断の比較に基づく解析を行った。
試験全体集団の結果
試験 13297 及び試験 94055/ 99012 における悪性病変検出の診断能( sensitivity 及 び
specificity)の結果をそれぞれ表 2.7.3.3.2.2.1- 1 及び表 2.7.3.3.2.2.1- 2 に示す。
Sensitivity は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」が「非造影画像」と比較して高くなり、
2 試験の盲検読影医計 6 名及び average reader の結果で向上が一貫して認められた。
表 2.7.3.3.2.2.1- 1 悪性病変検出の診断能(sensitivity)-試験全体集団:試験 13297、試
験 94055/99012
Study
(Region)
13297
(5 body
regions)
94055/
99012
(5 body
regions)
Reader
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Gadobutrol
N Unenhanced Combined Difference
91
72.2%
81.7%
9.5%
91
75.8%
86.8%
11.0%
91
68.1%
82.4%
14.3%
91
72.5%
75.8%
3.3%
74
72.5%
80.6%
8.1%
78
75.6%
83.3%
7.7%
76
65.8%
82.9%
17.1%
78
74.4%
76.9%
2.6%
Gadopentetate dimeglumine
N Unenhanced Combined Difference
101
76.2%
82.2%
5.9%
101
83.2%
88.1%
5.0%
101
78.2%
78.2%
0.0%
101
67.3%
80.2%
12.9%
-
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/148, Table 14.2/155; 5.3.5.4.32 Post-hoc_94055/99012 Table 7
N: number of subjects
PPS for study 13297 and FAS of blinded reading population for study 94055/99012.
Malignancy was not evaluated for the heart in Study 13297.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
79 of
95
Specificity は、1990 年代に実施された試験 94055/99012 では、「非造影画像と本剤による
造影画像の組み合せ」で「非造影画像」と比較して向上が認められたが、2010~2011 年に実施
された試験 13297 では、「非造影画像」と「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」との
間に差がほとんど認められなかった。なお、「非造影画像とガドペンテト酸メグルミンによる造
影画像の組み合せ」では「非造影画像」に比べて specificity の低下がみられた。
表 2.7.3.3.2.2.1- 2 悪性病変検出の診断能(specificity)-試験全体集団:試験 13297、
試験 94055/99012
Study
(Region)
13297
(5 body
regions)
94055/
99012
(5 body
regions)
Reader
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Gadobutrol
N Unenhanced Combined Difference
55
81.2%
81.8%
0.6%
55
80.0%
81.8%
1.8%
55
85.5%
85.5%
0.0%
55
78.2%
78.2%
0.0%
63
52.9%
60.9%
7.9%
67
55.2%
71.6%
16.4%
65
44.6%
49.2%
4.6%
66
57.6%
66.7%
9.1%
Gadopentetate dimeglumine
N Unenhanced Combined Difference
51
85.6%
78.4%
-7.2%
51
86.3%
80.4%
-5.9%
51
88.2%
76.5%
-11.8%
51
82.4%
78.4%
-3.9%
-
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/169, Table 14.2/176; 5.3.5.4.32 Post-hoc_94055/99012 Table 8
N: number of subjects
PPS for study 13297 and FAS of blinded reading population for study 94055/99012.
Malignancy was not evaluated for the heart in Study 13297.
身体領域別の結果
試 験 13297 、 試 験 304561 及 び 試 験 94055 / 99012 に お け る 悪 性 病 変 検 出 の 診 断 能
( sensitivity 及 び specificity ) の average reader に お け る 身 体 領 域 別 の 結 果 を 表
2.7.3.3.2.2.1- 3 に示す。
Sensitivity は、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」が「非造影画像」と比較し
て向上し、いずれの画像セットも sensitivity が 100%であった試験 13297 の腎臓(12 例)及び
試験 94055/99012 の肺(12 例)を除き average reader の結果では一貫していた。腎病変のみ
を対象とした試験 304561 では、「非造影画像」と比較し「非造影画像と本剤による造影画像の
組み合せ」で向上がみられた(点推定値:73.2%から 91.0%)。
Specificity では、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」が「非造影画像」と比較
して、向上した身体領域とともに低下した身体領域が認められた。試験 13297 及び試験 304561
では、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」の sensitivity の高い身体領域で、「非
造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」では「非造影画像」と比較して specificity が低く
なる傾向がみられた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95
80 of
表 2.7.3.3.2.2.1- 3 Average reader における悪性病変の診断能(sensitivity 及び
specificity)-身体領域別:試験 13297、試験 304561、試験 94055/
99012
Body region
13297
Sensitivity
Breast
Kidney
Extremities
Abdomen
Pelvis
Specificity
Breast
Kidney
Extremities
Abdomen
Pelvis
304561
Sensitivity
Kidney
Specificity
Kidney
94055/99012
Sensitivity
Breast
Bone/soft tissue
Liver
Pelvis
Lung
Specificity
Breast
Bone/soft tissue
Liver
Pelvis
Lung
N
Gadobutrol
Unenhanced Combined Difference
N
Gadopentetate dimeglumine
Unenhanced Combined Difference
20
12
17
20
22
61.7%
100.0%
60.8%
63.3%
83.3%
85.0%
100.0%
70.6%
68.3%
89.4%
23.3%
0.0%
9.8%
5.0%
6.1%
22
20
19
19
21
74.2%
85.0%
61.4%
84.2%
76.2%
90.9%
98.3%
56.1%
82.5%
81.0%
16.7%
13.3%
-5.3%
-1.8%
4.8%
4
17
12
12
10
62.5%
92.2%
72.2%
75.0%
96.7%
33.3%
90.2%
80.6%
86.1%
83.3%
-29.2%
-2.0%
8.3%
11.1%
-13.3%
6
12
11
11
11
61.1%
83.3%
78.8%
100.0%
93.9%
27.8%
83.3%
78.8%
90.9%
87.9%
-33.3%
0.0%
0.0%
-9.1%
-6.1%
138
73.2%
91.0%
(NA)
140
77.0%
92.5%
(NA)
48
55.6%
51.5%
(NA)
47
60.8%
60.8%
(NA)
6
17
8
31
12
11.1%
49.0%
66.7%
63.5%
100.0%
55.6%
56.9%
83.3%
71.5%
100.0%
44.4%
7.8%
16.7%
8.0%
0.0%
-
-
-
-
5
34
20
4
-
13.3%
66.7%
48.3%
8.3%
-
40.0%
72.6%
58.3%
0.0%
-
26.7%
5.9%
10.0%
-8.3%
-
-
-
-
-
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Text Table 46: 5.3.5.1.7 A18088 Table 78, Table 82; 5.3.5.4.32 Post-hoc_94055/99012 Table 13,
Table 14
N: number of subjects, (NA) : not shown in CSR
PPS for studies 13297 and 304561 and FAS for blinded reading for study 94055/99012.
Malignancy was not evaluated for the heart in Study 13297.
2.7.3.3.2.2.1.2
乳腺での被験者内の sensitivity 及び乳房レベルの specificity
国外乳腺第Ⅲ相試験(試験 91743、試験 91782)では、左右乳房をそれぞれ 5 部位(四分区及
び乳頭を含む中心部)に分け、各部位ごとに乳癌の有無を評価した。その結果に基づき、被験者
ごとに被験者内の sensitivity を算出した(算出例:SOT で乳癌が 3 部位で認められた場合、盲
検 読 影 医 が 3 部 位 す べ て で 乳 癌 を 検 出 す る と sensitivity 100 % 、 2 部 位 で 検 出 す る と
sensitivity 67%となる)。
試験 91743 及び試験 91782 の計 6 名の盲検読影医による被験者内の sensitivity は、「非造影
画像と造影画像の組み合せ」で「非造影画像」と比較して大きく向上した。各盲検読影医の「非
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
81 of
95
造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する向上の点推定値は、試験 91743 で
23.3~46.6%、試験 91782 で 15.2~31.9%であった。「非造影画像と造影画像の組み合せ」の
「非造影画像」に対する sensitivity の優越性が示された(2.7.3.2.2.2.2、2.7.3.2.2.2.3 参
照)。
Specificity については、乳房レベルの specificity を、非悪性乳房と悪性乳房(SOT で悪性
病変が認められた部位以外で悪性病変を検出した場合、偽陽性とする)に分けて評価した。「非
造 影 画 像 と 造 影 画 像 の 組 み 合 せ 」 、 「 非 造 影 画 像 」 及 び XRM の specificity を 表
2.7.3.3.2.2.1- 4 に示す。
「非造影画像と造影画像の組み合せ」の非悪性乳房における乳房レベルの specificity の点推
定値は、2 試験の計 6 名の盲検読影医で閾値とした 80%を超えていた。「非造影画像と造影画像
の組み合せ」の specificity の点推定値は、sensitivity の点推定値が低い「非造影画像」及び
XRM と比べ、それぞれ 6 名及び 5 名の盲検読影医において低かった。
悪性乳房における乳房レベルの specificity の「非造影画像と造影画像の組み合せ」の点推定
値は 2 試験で 47.2~61.1%の範囲であり、「非造影画像」及び XRM と比べて 6 名の盲検読影医
において低かった。
表 2.7.3.3.2.2.1- 4 非悪性及び悪性乳房における乳房レベルの specificity(FAS)
:試験 91743、試験 91782
Variables
Breast level
specificity in
non-malignant
breasts
Breast level
specificity in
malignant
breasts
Study
(N)
91743
(372)a
91782
(367)a
91743
(388)b
91782
(390)b
Reader
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
CMRM
85.6
95.0
88.6
91.8
83.9
82.8
61.1
59.4
58.5
54.9
47.2
55.5
UMRM
98.0
96.9
96.5
94.4
96.6
95.9
90.3
82.1
76.0
71.9
76.2
77.6
Point estimates (%)
XRM
CMRM + XRM
91.1
84.5
94.4
95.0
90.6
87.8
92.6
92.2
90.3
83.1
86.1
83.0
77.6
60.8
82.1
59.1
74.2
58.5
86.8
52.7
75.8
46.5
69.4
54.5
UMRM + XRM
95.4
93.7
94.6
94.3
91.0
85.1
82.2
73.2
70.2
69.1
65.4
66.9
Source: 5.3.5.1.10 A58872 Table 14.2.1/6, Table 14.2.1/9, Table14.2.1/11, Table14.2.1/13; 5.3.5.1.11 PH-37278 Table
14.2/18, Table 14.2/21, Table 14.2/23, Table 14.2/25
N: number of subjects
CMRM = combined unenhanced and enhanced breast magnetic resonance imaging , UMRM = unenhanced breast magnetic
resonance imaging, XRM = X-ray mammography
a The patients were evaluable for specificity when breasts with no malignant disease were verified by SoT for which an
assessment of the imaging modality was available.
b The patients were evaluable for specificity when breasts with malignant disease were verified by SoT for which an
assessment by the imaging modality was available.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.2.2.1.3
Page
82 of
95
腎臓での悪性病変検出の診断能(sensitivity 及び specificity)
(病変レベル)
試験 304561 において、複数病変がある場合はそれぞれについて診断した結果に基づいて病変
レベルの診断能を評価した。腎臓での悪性病変検出の診断能(sensitivity 及び specificity)
の結果(average reader)を表 2.7.3.3.2.2.1- 5 に示す。
本剤群及びガドペンテト酸メグルミン群のいずれでも、「非造影画像と造影画像の組み合せ」
は「非造影画像」と比較して sensitivity が高かった。一方、specificity は、いずれの投与群
でも「非造影画像」と「非造影画像と造影画像の組み合せ」がともに 80%以上を示し、ほとん
ど変化しなかった。
表 2.7.3.3.2.2.1- 5 Average reader における悪性病変の診断能(sensitivity 及び
specificity)-病変レベル(PPS):試験 304561
Sensitivity
Specificity
Gadobutrol
Unenhanced (N)
Combined (N)
0.6667 (150)
0.8516 (155)
0.8430 (155)
0.8214 (153)
Gadopentetate dimeglumine
Unenhanced (N)
Combined (N)
0.8874 (148)
0.7233 (143~145*)
0.8608 (170)
0.8623 (166~168*)
Source: 5.3.5.1.7 A18088 Table 57, Table 68, Table 74, Table 77
N: number of SOT lesions
*Number of SOT lesions was different among blinded readers due to different number of subjects whose MRI images were
assessed as not evaluable.
2.7.3.3.2.2.2
MRI における診断の一致度
試験全体集団の結果
「非造影画像」及び「非造影画像と造影画像の組み合せ」における診断(診断名)について、
その一致度を SOT と比較して評価した。
試験 13297 及び試験 94055/99012 における結果を表 2.7.3.3.2.2.2- 1 に示す。いずれの試験
でも「非造影画像と造影画像の組み合せ」における診断の一致度は「非造影画像」と比較して向
上した。得られた結果は 2 試験で一貫していた。
表 2.7.3.3.2.2.2- 1 診断の一致度-試験全体集団:試験 13297、試験 94055/99012
Study
(Region)
13297
(6 body
regions)
94055/
99012
(5 body
regions)
Reader
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Average
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Gadobutrol
N Unenhanced Combined Difference
168
51.2%
64.7%
13.5%
168
56.0%
70.8%
14.9%
168
48.8%
65.5%
16.7%
168
48.8%
57.7%
8.9%
137
35.8%
43.6%
7.8%
145
39.3%
49.0%
9.7%
141
29.1%
38.3%
9.2%
144
38.2%
45.1%
6.9%
Gadopentetate dimeglumine
N Unenhanced Combined Difference
178
53.9%
66.1%
12.2%
178
59.6%
70.8%
11.2%
178
53.4%
65.7%
12.4%
178
48.9%
61.8%
12.9%
-
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/127, Table 14.2/134; 5.3.5.4.32 Post-hoc_94055/99012 Table 16
N: number of subjects
PPS for study 13297 and FAS of blinded reading population for study 94055/99012.
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
95
83 of
身体領域別の結果
試験 13297 及び試験 94055/99012 における average reader の診断の一致度を身体領域別に表
2.7.3.3.2.2.2- 2 に示す。
「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」が「非造影画像」と比較して診断の一致度が
高く、各身体領域において一貫して向上がみられた。
表 2.7.3.3.2.2.2- 2 Average reader における診断の一致度-身体領域別:試験 13297、試験
94055/99012
Body region
13297
Breast
Heart
Kidney
Extremities
Abdomen
Pelvis
94055/99012
Breast
Bone/
soft tissue
Liver
Pelvis
Lung
N
Gadobutrol
Unenhanced Combined
Difference
N
Gadopentetate dimeglumine
Unenhanced Combined Difference
24
22
29
29
32
32
55.6%
21.2%
83.9%
25.3%
41.7%
71.9%
73.6%
81.8%
85.1%
29.9%
47.9%
76.0%
18.1%
60.6%
1.1%
4.6%
6.3%
4.2%
28
26
32
30
30
32
65.5%
10.3%
72.9%
30.0%
73.3%
64.6%
76.2%
76.9%
82.3%
22.2%
76.7%
63.5%
10.7%
66.7%
9.4%
-7.8%
3.3%
-1.0%
11
51
6.1%
26.8%
30.3%
32.7%
24.2%
5.9%
-
-
-
-
-
-
-
28
35
12
38.1%
65.7%
8.3%
48.8%
70.5%
11.1%
10.7%
4.8%
2.8%
-
-
-
-
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/129, Table 14.2/136; 5.3.5.4.32 Post-hoc_94055/99012 Table 16
N: number of subjects
PPS for study 13297 and FAS of blinded reading population for study 94055/99012.
2.7.3.3.2.2.3
MRI 診断の確信度
被験者レベルの評価
試験 13297 及び試験 94055/99012 における診断の確信度の結果を表 2.7.3.3.2.2.3- 1 に示す。
いずれの試験においても、「非造影画像と本剤による造影画像の組み合せ」で「非造影画像」
と比べて、診断の確信度の向上が認められた。
診 断 の 確 信 度 が 高 い 被 験 者 の 割 合 は 、 1990 年 代 に 実 施 さ れ た 試 験 94055 / 99012
( Moderate/high confidence の 割 合 ) の 方 が 2010 ~ 2011 年 に 実 施 さ れ た 試 験 13297
(Confident/Very confident の割合)と比較して、「非造影画像」及び「非造影画像と本剤に
よる造影画像の組み合せ」のいずれでも高かった。「非造影画像」と比較して「非造影画像と本
剤による造影画像の組み合せ」で増加した診断の確信度が高い被験者の割合は、試験 13297 が試
験 94055/99012 より大きかった。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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84 of
95
表 2.7.3.3.2.2.3- 1 診断の確信度-試験全体集団:試験 13297、試験 94055/99012
Study
13297
94055/
99012
Gadobutrol
Blinded reader 1
Number of subjects
Not/somewhat confident
Confident/Very confident
Blinded reader 2
Number of subjects
Not/somewhat confident
Confident/Very confident
Blinded reader 3
Number of subjects
Not/somewhat confident
Confident/Very confident
Blinded reader 1
Number of subjects
None/low confidence
Moderate/high confidence
Blinded reader 2
Number of subjects
None/low confidence
Moderate/high confidence
Blinded reader 3
Number of subjects
None/low confidence
Moderate/high confidence
Gadopentetate
dimeglumine
Unenhanced
168
53
115
(100.0%)
(31.5%)
(68.5%)
178
49
129
(100.0%)
(27.5%)
(72.5%)
346
198
148
(100.0%)
(57.2%)
(42.8%)
168
63
105
(100.0%)
(37.5%)
(62.5%)
178
68
110
(100.0%)
(38.2%)
(61.8%)
346
208
138
(100.0%)
(60.1%)
(39.9%)
168
88
80
(100.0%)
(52.4%)
(47.6%)
178
89
89
(100.0%)
(50.0%)
(50.0%)
346
317
29
(100.0%)
(91.6%)
(8.4%)
151
4
147
(100.0%)
(2.6%)
(97.4%)
-
151
28
123
(100.0%)
(18.5%)
(81.5%)
145
18
127
(100.0%)
(12.4%)
(87.6%)
-
145
36
109
(100.0%)
(24.8%)
(75.2%)
153
12
141
(100.0%)
(7.8%)
(92.2%)
-
153
32
121
(100.0%)
(20.9%)
(79.1%)
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/197; 5.3.5.1.12 A02140 Text Table 11
PPS for study 13297 and blinded reading population for study 94055/99012.
部位ごとの評価(乳腺)
試験 91743 及び試験 91782 における乳腺部位ごとの診断の確信度の平均スコアは、各盲検読影
医の「非造影画像と造影画像の組み合せ」でそれぞれ 2.94~3.78 及び 2.09~2.86 であり、「非
造影画像」と比較した差はそれぞれ 0.83~2.30 及び 0.95~1.73 と大きく向上した。
2.7.3.3.2.2.4
MRA における有意狭窄の検出の sensitivity 及び specificity
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 97099)及び国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759)
における本剤による造影 MRA による有意狭窄の検出の sensitivity 及び specificity の結果をそ
れぞれ表 2.7.3.3.2.2.4- 1 及び表 2.7.3.3.2.2.4- 2 に示す。
試験 97099 における「造影 MRA」の sensitivity の評価血管区域数は各盲検読影医で少なく、
sensitivity の点推定値は少なくとも 2 名の盲検読影医でおおむね 80%以上であったが、盲検読
影医によっては約 75%程度の値も認められた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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85 of
95
表 2.7.3.3.2.2.4- 1 造影 MRA による有意狭窄の検出の sensitivity:試験 97099、試験 91759
Study
97099
L.internal carotid a.
R.internal carotid a.
L. commom iliac a.
R. common iliac a.
L. external iliac a.
R. external iliac a.
91759
L&R renal arteries (3
segments/artery, total 6
segments)a
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Majority
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Sensitivity(%)
96.2
76.9
96.2
85.7
82.1
96.4
91.7
90.0
90.9
85.7
85.7
85.7
76.9
75.0
92.3
75.0
100.0
100.0
CE-MRA
(N)
(95%CI*)
(26)
(80.4
99.9)
(26)
(56.4
91.0)
(26)
(80.4
99.9)
(28)
(67.3
96.0)
(28)
(63.1
93.9)
(28)
(81.7
99.9)
(12)
(61.5
99.8)
(10)
(55.5
99.8)
(11)
(58.7
99.8)
(7)
(42.1
99.6)
(7)
(42.1
99.6)
(7)
(42.1
99.6)
(13)
(46.2
95.0)
(12)
(42.8
94.5)
(13)
(64.0
99.8)
(8)
(34.9
96.8)
(7)
(59.0
100.0)
(8)
(63.1
100.0)
(84)
(
-)
(91)
(
-)
(82)
(
-)
(83)
(
-)
Source: 5.3.5.1.8 A04519 Table 14.31; 5.3.5.1.9 PH-37227 Table 14.2/1, Table 14.2/3, Table 14.2/4, Table 14.2/5
N: Number of subjects assessed
a Number of segments was 119 for majority reader and 114 to 128 for 3 readers..
CE-MRA = contrast enhanced magnetic resonance angiography
CI = confidence interval, L = left, R = right
PPS for study 97099 and FAS for study 91759.
*Two-sided 95% CI for study 97099 and one-sided 95% CI for study 91759.
試験 97099 における specificity の各評価血管区域数は、各盲検読影医で 30 以上であった。
「造影 MRA」の specificity の点推定値は、いずれの試験の盲検読影医でも 85%を超えた。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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86 of
95
表 2.7.3.3.2.2.4- 2 造影 MRA による有意狭窄の検出の specificity:試験 97099、試験 91759
Study
97099
CE-MRA
L.internal carotid a.
R.internal carotid a.
L. commom iliac a.
R. common iliac a.
L. external iliac a.
R. external iliac a.
91759
L&R renal arteries (3
segments/artery, total 6
segments)a
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Majority
Reader 1
Reader 2
Reader 3
Specificity(%)
87.9
90.6
87.9
90.3
96.7
87.5
95.6
85.3
92.7
91.7
87.3
88.9
90.1
89.2
89.6
94.2
89.9
88.7
(N)
(33)
(32)
(33)
(31)
(30)
(32)
(68)
(68)
(68)
(72)
(71)
(72)
(66)
(65)
(67)
(69)
(69)
(71)
(291)
(292)
(291)
(290)
(71.8
(75.0
(71.8
(74.3
(82.8
(71.0
(87.6
(74.6
(83.7
(82.7
(77.3
(79.3
(81.3
(79.1
(79.7
(85.8
(80.2
(79.0
(
(
(
(
(95%CI*)
96.6)
98.0)
96.6)
98.0)
99.9)
96.5)
99.1)
92.7)
97.6)
96.9)
94.0)
95.1)
96.6)
95.6)
95.7)
98.4)
95.8)
95.0)
-)
-)
-)
-)
Source: 5.3.5.1.8 A04519 Table 14.31; 5.3.5.1.9 PH-37227 Table 14.2/1, Table 14.2/3, Table 14.2/4, Table 14.2/5
N: Number of subjects assessed
a Number of segments was 1,555 for majority reader and 1,544 to 1,585 for 3 readers.
CE-MRA = contrast enhanced magnetic resonance angiography
CI = confidence interval, L = left, R = right
PPS for study 97099 and FAS for study 91759.
*Two-sided 95% CI for study 97099 and one-sided 95% CI for study 91759.
2.7.3.3.2.2.5
MRA 診断の確信度
試験 97099 においてスケール(2.7.3.1.5.3.2.1 参照)に従って分類した診断の確信度を表
2.7.3.3.2.2.5- 1 に示す。
単独の検査で治療計画立案に十分な情報が得られるのは 75 ポイント以上(high)と定義した。
造影 MRA の盲検読影医の評価では、確信度が「high」と評価された被験者の割合は、2 名の盲検
読影医では 80%以上であったが、他の 1 名の盲検読影医では 70.5%であった。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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87 of
95
表 2.7.3.3.2.2.5- 1 MRA 診断の確信度(PPS):試験 97099
Diagnostic
Procedure
i.a. DSA clinical
CE-MRA clinical
CE-MRA blinded
reader 1
CE-MRA blinded
reader 2
CE-MRA blinded
reader 3
none
(0-25 pts)
N
%
1
0.57
1
0.57
Diagnostic Confidence
low
moderate
(26-50 pts)
(51-75 pts)
N
%
N
%
1
0.57
7
3.98
8
4.55
14
7.95
1
0.57
21
12.00
high
(76-100 pts)
N
%
167
94.89
154
87.50
152
86.86
Overall
N
%
176 100.00
176 100.00
175 100.00
4
2.29
14
8.00
17
9.71
140
80.00
175
100.00
5
2.84
19
10.80
28
15.91
124
70.45
176
100.00
Source: 5.3.5.1.8 A04519 Text Table 8
PPS = per protocol set, i.a. DSA = intra-arterial digital subtraction angiography, CE-MRA = contrast enhanced magnetic
resonance angiography
試験 91759 において、MRA 画像の診断の確信度を血管区域ごとに 4 段階(1=not confident、
2=somewhat confident、3=confident、4=very confident)で評価し、「not assessable」と
判定された血管区域の確信度は 1(not confident)とした。1,700 を超える血管区域を「非造影
MRA」及び「造影 MRA」で評価した。
「造影 MRA」における診断の確信度の平均値は、盲検読影医 2 名が 3.5、1 名が 3.0 であった。
「非造影 MRA」における診断の確信度の平均値は、3 名の盲検読影医で 1.9、2.1 及び 2.2 であっ
た。診断の確信度の中央値は、「非造影 MRA」では 3 名の盲検読影医全員で 2.0 であり、「造影
MRA」では 3 名の盲検読影医で 3.0、4.0 及び 4.0 であり、「非造影 MRA」と比較して「造影 MRA」
で診断の確信度の向上が認められた。
2.7.3.3.2.3
海外データの外挿可能性についての考察
ICH-E5 に示された考察に基づいて、海外で得られた臨床データを利用することの妥当性につ
いて考察した。本剤の薬物動態、薬力学、ならびに有効性、安全性について民族差の影響を比較
検討した。さらに、外的要因として国内外の医療現場における MRI 検査の位置づけに関して、比
較した。
薬物動態
ヒトにおける薬物動態は、ガドブトロール 0.04~0.5mmol/kg の用量範囲で検討されている。
日本人集団において検討した最大用量は 0.4mmol/kg であった。健康成人にガドブトロールを静
脈内投与したとき、血清/血漿中の Gd 濃度は 2 相性を示し、分布相では速やかに減少し、その
後の消失相では比較的緩やかに減少した。本剤を静脈内投与したとき、血清中濃度-時間曲線下
面積(AUC)及び最高血清中濃度(Cmax)は用量依存的な増加を示したことから、ガドブトロール
の薬物動態は検討した用量範囲で線形性を示すことが示唆される。定常状態の分布容積(Vss)の
評価から、ガドブトロールは主に細胞外液に分布すると考えられた。血漿及び尿の高速液体クロ
マトグラフィー(high performance liquid chromatography:HPLC)による分析結果から、ガド
ブトロールは代謝を受けないことが確認されている。ガドブトロールの大部分は投与後 12 時間
以内に尿中に排泄され、また腎排泄は糸球体ろ過によると考えられた。母集団薬物動態解析によ
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95
り日本人と白人の薬物動態の人種差を詳細に解析した結果、本剤を静脈内投与したときの血中薬
物動態に本質的な人種差はないと判断された。また、日本人と白人で、代謝及び排泄に差は認め
られなかった。以上の結果より、本剤は、他の Gd 含有造影剤と同様、静脈内投与後細胞外液に
分布し、速やかに排泄されることが明らかとなった(2.7.2 参照)。
薬力学
ガドブトロールなどの Gd 含有造影剤の作用機序は希土類金属イオンの Gd3+に基づく。Gd3+は強
い常磁性を示し、水素プロトンの T1 緩和時間を短縮する。そのため、T1 強調撮像シーケンスを用
いたときの MR 信号強度は用量/濃度に依存し大きく増強される。この増強は T1 強調 MR 画像上
で高信号としてとらえられる。Gd 含有細胞外液性造影剤は定常状態では全身の細胞外液腔にと
どまるため、薬理作用は全身で認められる。In vivo の試験において、薬力学(用量‐信号強度)
曲線は 0.5mmol/kg までの範囲で用量依存性を示した(2.6.2.2.3 参照)。日本人と外国人との
薬力学の類似性に示したとおり、日本人及び白人集団において、同様の緩やかな薬力学-用量関
係が認められた(2.7.2.3.5 参照)。
MRI 検査の位置づけ
日本では脳病変が臨床的に疑われた場合、病変の性状(局在部位、大きさ、数、辺縁の形状、
浮腫の程度、造影効果など)を非侵襲的に画像評価する最良の方法として MRI 検査が実施されて
いる(2.5.1.1 参照)。MRI 検査における造影剤の使用については、疑われる病変タイプや過
去に実施された画像検査での造影の有無、検査結果等から判断される。MRI は診断的中度が高く、
中枢神経系の腫瘍、大半の炎症及び脱髄過程を確実に除外診断できる。さらに、造影 MRI は脳・
脊髄の診断検査(精査)として第一選択の検査法であり、特に、脳・脊髄病変の検出、拡がり診
断及び内部性状の描出等が役割として確立されており、その診断結果から患者の治療計画及び予
後予測の両方について重要な情報が得られる。この脳・脊髄の適応での造影 MRI の位置付けは、
ヨーロッパ、米国及びアジア各国において共通している。
様々な中枢神経系病変のなかで病変タイプを鑑別する際の診断基準にも、国内外で差は認めら
れない。実際に脳・脊髄第Ⅲ相試験 3 試験(試験 16260、試験 310124、試験 310123)において、
中枢神経系の適応において可能性のある診断名の一覧表を共通して使用し、MRI 診断と SOT との
一致度について検討した(2.7.3.1.4.2.1 参照)。
躯幹部・四肢では、腹部や腎臓などで、より普及しコストも低い CT が第一選択となる点が
脳・脊髄と異なる。しかし、造影を含む MRI の病変の良悪性及び病変タイプの鑑別診断及び拡が
り診断における役割は確立されており、CT の診断で疑問がある場合その解決のためにしばしば
実施されている。この位置づけはヨーロッパ、米国及びアジア各国において異なることを示唆す
る事実はみられない。MRA についても、国内外で同様の役割が確立されている。
有効性及び安全性の比較
日本人と外国人の有効性は、同様の試験方法である国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260)と
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124)の比較により検討した。主要評価項目とした 4 項目
(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造、検出病変個数)のいずれについても、日本人集団における
有効性は外国人での結果とよく類似するものであった(2.7.3.2.1.1 参照)。また、中国、日
本及び韓国で実施した国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297)においても、日
本人と外国人で有効性に差は認められていない。主要評価項目とした視覚パラメータ 3 項目(造
影効果、辺縁明瞭度、内部構造)の総スコア及び個々のパラメータで、「非造影画像」及び「非
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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95
造影画像と本剤又はガドペンテト酸メグルミンによる造影画像の組み合せ」の国ごとの部分集団
解析結果は、中国、日本及び韓国でよく類似していた(表 2.7.3.3.2.3- 1)。
表 2.7.3.3.2.3- 1
Average reader における主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)
と総スコアの結果(PPS)-国別:試験 13297
Gadobutrol
Gadopentetate dimeglumine
Country N Unenhanced N
Combined N Difference N Unenhanced N
Combined
N Difference
Total score of 3 visualization parameters a
China
80 6.63 ± 0.96 89
9.50 ± 1.05 80 2.85 ± 1.50 83 6.43 ± 0.95 98 9.29 ± 1.32 82 2.95 ± 1.52
Japan
52 6.40 ± 0.90 61
9.31 ± 1.04 52 2.86 ± 1.59 51 6.47 ± 0.80 55 9.45 ± 1.13 51 2.90 ± 1.17
Korea
14 7.00 ± 0.60 14
9.06 ± 1.20 14 2.04 ± 1.26 21 6.57 ± 0.80 21 9.31 ± 1.09 21 2.74 ± 1.13
Degree of contrast enhancement b
China
80 1.01 ± 0.07 89
3.00 ± 0.99 80 1.93 ± 0.99 83 1.01 ± 0.11 98 3.07 ± 0.94 82 1.98 ± 0.95
Japan
52 1.00 ± 0.00 61
2.95 ± 0.95 52 1.85 ± 0.98 51 1.00 ± 0.00 55 3.09 ± 0.82 51 2.04 ± 0.82
Korea
14 1.00 ± 0.00 14
2.42 ± 1.12 14 1.35 ± 1.11 21 1.00 ± 0.00 21 3.05 ± 0.86 21 2.11 ± 0.84
Border delineation b
China
80 3.36 ± 0.66 89
3.62 ± 0.46 80 0.28 ± 0.58 83 3.27 ± 0.63 98 3.43 ± 0.62 82 0.27 ± 0.56
Japan
52 3.26 ± 0.61 61
3.56 ± 0.47 52 0.34 ± 0.53 51 3.28 ± 0.66 55 3.53 ± 0.56 51 0.24 ± 0.54
Korea
14 3.64 ± 0.35 14
3.76 ± 0.29 14 0.12 ± 0.29 21 3.34 ± 0.59 21 3.41 ± 0.63 21 0.01 ± 0.61
Internal morphology c
China
80 2.26 ± 0.42 89
2.88 ± 0.22 80 0.63 ± 0.39 83 2.15 ± 0.39 98 2.79 ± 0.31 82 0.70 ± 0.46
Japan
52 2.15 ± 0.41 61
2.80 ± 0.26 52 0.67 ± 0.55 51 2.19 ± 0.26 55 2.83 ± 0.26 51 0.63 ± 0.30
Korea
14 2.36 ± 0.30 14
2.88 ± 0.21 14 0.58 ± 0.36 21 2.22 ± 0.32 21 2.85 ± 0.18 21 0.61 ± 0.29
Source: 5.3.5.1.6 A51205 Table 14.2/16, Table 14.2/23, Table 14.2/51, Table 14.2/72, Table 14.2/58, Table 14.2/79, Table
14.2/65, Table 14.2/86
Values are the mean ± standard deviation.
Subjects with no lesion were excluded from the analysis.
a: Scores of degree of contrast enhancement, border delineation and internal morphology were summed for each subject.
b: 4-point scale, 1 (no/none), 2 (moderate), 3 (good) and 4 (excellent), was used for assessment.
c: 3-point scale, 1 (poor), 2 (moderate) and 3 (good), was used for assessment.
N: number of subjects
日本人での安全性は、2.7.4 臨床的安全性の概要において、日本人部分集団での併合解析で
検討した。日本人集団における安全性は全集団での結果とよく類似するものであった。
以上より、本剤の臨床用量とする 0.1mmol/kg に薬物動態・薬力学的プロファイル並びに有効
性及び安全性に関して民族差による影響はみられず、国際共同躯幹部・四肢第Ⅲ相試験(試験
13297)の全体成績、国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561)及び国外 MRA 第Ⅲ相試験(試
験 97099、試験 91759)成績の日本人への外挿、及び 3 つの国内外の脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験
16260、試験 310124、試験 310123)の併合解析が可能であると考えられた。
2.7.3.3.3
2.7.3.3.3.1
部分集団における結果の比較
脳・脊髄試験の部分集団解析
脳・脊髄における 3 試験〔評価資料の国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260)及び国外脳・脊
髄第Ⅲ相試験(試験 310124)、並びに参考資料の国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験
310123)〕の average reader の結果の併合データプールを用いて、主要評価項目(検出病変個
数を除く造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)について以下の部分集団解析を行った。脳・脊髄適
応での 3 試験で、主要評価とした盲検読影評価結果に基づいて実施した部分集団解析の主要な結
果を以下に示す。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.3.3.1.1
Page
90 of
95
性
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画
像」と比較して有意に優ることが男性及び女性のいずれの部分集団でも示された。性別で意味の
ある差はみられなかった(表 2.7.3.3.3.1.1- 1)。
表 2.7.3.3.3.1.1- 1 主要評価項目の結果(「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影
画像」の差)-性別:試験 16260、試験 310124、試験 310123 の併合解析
Contrast enhancement
Border delineation
Internal morphology
N
375
375
375
Mean
1.66
0.87
0.90
Male
Lower
1.602
0.815
0.855
Upper
1.728
0.927
0.940
N
473
473
473
Female
Mean
Lower Upper
1.67
1.615 1.715
0.90
0.856 0.943
0.87
0.834 0.900
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.1/7, Table 1.1.1/8, Table 1.1.1/9
Average blinded readings for the pooled data of Studies 16260, 310124 and 310123 - Full analysis set
Values represent mean of the difference (combined image set minus unenhanced image set) and the lower/upper limit of the
95% confidence interval.
2.7.3.3.3.1.2
年齢
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画
像」と比較して有意に優ることがいずれの年齢群(18 歳以上 45 歳未満、45 歳以上 65 歳未満、
65 歳以上 80 歳未満、80 歳以上)でも示された。年齢別で意味のある差はみられなかった(表
2.7.3.3.3.1.2- 1)。
表 2.7.3.3.3.1.2- 1 主要評価項目の結果(「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影
画像」の差)-年齢別:試験 16260、試験 310124、試験 310123 の併合解
析
Age categories
18 to < 45
45 to < 65
65 to < 80
 80
(years)
N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper
Contrast enhancement 267 1.68 1.592 1.758 344 1.65 1.583 1.710 214 1.63 1.576 1.691 23 1.58 1.382 1.783
Border delineation
267 0.86 0.782 0.932 344 0.90 0.843 0.962 214 0.83 0.787 0.882 23 0.78 0.635 0.930
Internal morphology
267 0.80 0.742 0.858 344 0.88 0.832 0.921 214 0.89 0.847 0.925 23 0.86 0.789 0.940
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.1/12, Table 1.1.1/13, Table 1.1.1/14
Average blinded readings for the pooled data of Studies 16260, 310124 and 310123 - Full analysis set
Values represent mean of the difference (combined image set minus unenhanced image set) and the lower/upper limit of the
95% confidence interval.
2.7.3.3.3.1.3
人種
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画
像」と比較して有意に優ることがいずれの人種(白人、黒人、ヒスパニック、アジア人、その他)
でも示された。人種間で意味のある差はみられなかった(表 2.7.3.3.3.1.3- 1)。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
91 of
95
表 2.7.3.3.3.1.3- 1 主要評価項目の結果(「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影
画像」の差)-人種別:試験 16260、試験 310124、試験 310123 の併合解
析
Caucasian
Black
Hispanic
Asian
Other
N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper N Mean Lower Upper
Contrast
235 1.30 1.218 1.373 26 1.26 0.980 1.534 103 1.71 1.570 1.848 469 1.81 1.764 1.862 15 1.79 1.461 2.122
enhancement
Border delineation 235 0.62 0.547 0.700 26 0.62 0.396 0.835 103 0.77 0.639 0.897 469 0.98 0.943 1.025 15 0.77 0.482 1.062
Internal morphology 235 0.59 0.528 0.643 26 0.53 0.368 0.690 103 0.75 0.644 0.849 469 0.99 0.963 1.026 15 0.71 0.424 0.986
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.1/17, Table 1.1.1/18, Table 1.1.1/19
Average blinded readings for the pooled data of Studies 16260, 310124 and 310123 - Full analysis set
Values represent mean of the difference (combined image set minus unenhanced image set) and the lower/upper limit of the
95% confidence interval.
2.7.3.3.3.1.4
悪性病変と非悪性病変
治験実施計画書の定義に基づいて、SOT による全診断を「悪性」、「非悪性」あるいは「判定
不能」に分類し、「判定不能」を除いて部分集団解析を行った。
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画
像」と比較して有意に優ることがいずれの部分集団(悪性病変あり、悪性病変なし)でも示され
た。悪性・非悪性別で意味のある差はみられなかった(表 2.7.3.3.3.1.4- 1)。
表 2.7.3.3.3.1.4- 1 主要評価項目の結果(「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影
画像」の差)-悪性病変と非悪性病変:試験 16260、試験 310124、試験
310123 の併合解析
Status of malignant diagnosis
Contrast enhancement
Border delineation
Internal morphology
N
524
524
524
Non-malignant
Mean
Lower
1.62
1.571
0.87
0.823
0.86
0.831
Upper
1.670
0.911
0.894
N
223
223
223
Malignant
Mean
Lower
1.84
1.770
1.01
0.948
0.97
0.923
Upper
1.904
1.065
1.015
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.1/22, Table 1.1.1/23, Table 1.1.1/24
Average blinded readings for the pooled data of Studies 16260, 310124 and 310123 - Full analysis set
Values represent mean of the difference (combined image set minus unenhanced image set) and the lower/upper limit of the
95% confidence interval.
Subjects with diagnosis “not assessable” and “other” from truth committee were excluded.
2.7.3.3.3.1.5
病変の有無
造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造は、「非造影画像と造影画像の組み合せ」では「非造影画
像」と比較して有意に優ることがいずれの部分集団(病変あり、病変なし)でも示された。病変
の有無で意味のある差はみられなかった(表 2.7.3.3.3.1.5- 1)。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
92 of
95
表 2.7.3.3.3.1.5- 1 主要評価項目の結果(「非造影画像と造影画像の組み合せ」と「非造影
画像」の差)-病変の有無別:試験 16260、試験 310124、試験 310123 の
併合解析
Status of lesions
Contrast enhancement
Border delineation
Internal morphology
N
144
144
144
Without lesions
Mean
Lower
1.50
1.388
0.72
0.619
0.75
0.683
Upper
1.604
0.815
0.827
N
607
607
607
With lesions
Mean
Lower
1.74
1.693
0.96
0.918
0.92
0.897
Upper
1.779
0.992
0.953
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 1.1.1/27,Table 1.1.1/28, Table 1.1.1/29
Average blinded readings for the pooled data of Studies 16260, 310124 and 310123 - Full analysis set
Values represent mean of the difference (combined image set minus unenhanced image set) and the lower/upper limit of the
95% confidence interval.
Subjects with diagnosis “not assessable” from truth committee were excluded.
2.7.3.3.3.2
2.7.3.3.3.2.1
躯幹部・四肢試験の部分集団解析
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験における部分集団解析
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297)において、主要評価項目(造影効果、
辺縁明瞭度及び内部構造)の総スコアについて、性別、年齢別(45 歳未満、45 歳以上 65 歳未満、
65 歳以上 80 歳未満、80 歳以上)、悪性病変の有無別の部分集団解析を行った。
3 つの主要評価項目(病変の造影効果、辺縁明瞭度、内部構造)の総スコアについて、性別及
び年齢別のいずれの部分集団でも、本剤ではガドペンテト酸メグルミンと比較した差の 95%信
頼区間の下限が非劣性マージン-1.2 を上回った。各主要評価項目及び総スコアは、「非造影画
像と本剤による造影画像の組み合せ」では「非造影画像」と比較し優ることが、いずれの部分集
団でも示された。部分集団間で意味のある差はみられず、各部分集団の結果は全集団の結果と一
致していた。
治験実施計画書の定義に基づいて、SOT によるすべての診断を「悪性」、「非悪性」あるいは
「判定不能」に分類し、「判定不能」を除いて部分集団解析を行った。なお、心臓については悪
性の判断は行わなかったため、「判定不能」とした。悪性・非悪性別のいずれの部分集団におい
ても、主要評価項目の総スコアは、本剤がガドペンテト酸メグルミンに対して非劣性を示すこと
が明らかになった。総スコア及び各主要評価項目(造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造)におけ
る「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する向上は、「悪性」部分集団で
「非悪性」部分集団と比べ大きかった。
2.7.3.3.3.2.2
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験における部分集団解析
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561)において、主要評価項目(病変ごとの良悪性分
類の accuracy、sensitivity 及び specificity)は、本剤及びガドペンテト酸メグルミンのいず
れにおいても性別又は年齢別(45 歳未満、45 歳以上 65 歳未満、65 歳以上)の部分集団の間で
差がみられたが、臨床的に意味のある差ではなかった。
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.3.4
Page
93 of
95
推奨用法・用量に関する臨床情報の解析
日本人と他の民族の間に民族差は認められないことから、国外脳・脊髄第Ⅱ相試験(試験
308200)を申請用量(0.1mmol/kg)の妥当性を裏付ける主要な用量設定試験と位置付けた
(2.7.3.1.3 参照)。さらに、国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864)でも、
申請用量を裏付ける結果が得られている。Average reader による検出病変数において本剤
0.1mmol/kg が本剤 0.2mmol/kg と同様にガドテリドールの 0.2mmol/kg 投与に対し非劣性である
ことが示されたことから、申請用量が国内での臨床用量として適切であることの頑健性が確認で
きた(2.7.3.2.1.1.3 参照)。主要評価項目とした average reader による造影効果、辺縁明瞭
度及び内部構造において「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に対する優越性
が示され、また、検出病変数において「非造影画像と造影画像の組み合せ」の「非造影画像」に
対する非劣性が検証された国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260)において、用量設定試験で選
択された用量を用いた日本人での脳・脊髄における有効性は、外国人での有効性成績(試験
310124)と類似していることが確認された。試験 16260 で副次変数として検討した診断の一致度
及び悪性病変検出の sensitivity、accuracy についても、majority reader の結果で「非造影画
像」と比べ「非造影画像と造影画像の組み合せ」で向上が認められ、その向上の程度は試験
310124 と類似していたことによっても、日本人での本剤 0.1mmol/kg 用量の有効性が裏付けられ
た。
また、国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297)の用量 0.1mmol/kg は、国外
脳・脊髄第Ⅱ相試験(試験 308200)の結果、及び躯幹部・四肢の MRI における Gd 含有細胞外液
性造影剤の臨床用量が 0.1mmol/kg であることに基づき設定した。試験 13297 の成績で主要評価
項目とした average reader による造影効果、辺縁明瞭度及び内部構造の総スコアでガドペンテ
ト酸メグルミンに対する非劣性が検証され、躯幹部・四肢の造影における本剤の推奨用量が脳・
脊髄と同様に 0.1mmol/kg であることが確認された。
「躯幹部・四肢の造影」の効能・効果に含まれる造影 MRA に関しては、2000 年代始めに実施
された躯幹部動脈(主に頸動脈及び腹部動脈)の 1 FOV における試験 97099 では、0.05、0.15
及び 0.25mmol/kg を比較した第Ⅱ相用量設定試験の成績で 0.05mmol/kg の有効性が 0.15 及び
0.25mmol/kg と比べ低かったことから、0.15mmol/kg を上限とする固定容量(体重 75kg 未満では
本剤 7.5mL、75kg 超えでは 10mL)の用量が用いられた(投与量の中央値 0.12mmol/kg)。その結
果、診断分類が i.a. DSA に一致した割合の 95%信頼区間の下限は読影盲検医 3 名全員及び治験
担当医師の成績で 80%を上回り、DSA と匹敵する診断能を示した。その後、複数の受信コイルを
用いたパラレルイメージング等の手法により MRA が高速化され、1 FOV の MRA で Gd 含有細胞外
液性造影剤が 0.1mmol/kg を超える用量で使用されることはまれになっており、
の
ために 2011 年に開始された本剤による腎動脈の造影 MRA 試験(試験 91759)及び
では 0.1mmol/kg 用量が用いられている。試験 91759 の試験成
績で、本剤による造影 MRA の非造影 MRA に対する血管区域の描出の有意な向上、及び有意狭窄検
出の sensitivity 及び specificiy の非劣性が確認されている。SOR とした CTA に基づく有意狭
窄の sensitivity は低かったが、測定された狭窄及び正常部位の血管径は CTA とよく一致した。
以上の 2 試験の成績より、1 FOV の躯幹部造影 MRA においても推奨用量は 0.1mmol/kg であると
結論した。
小児/若年患者を対象とし本剤の薬物動態を評価した第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験 310788)では、
申請用量である成人での体重に基づく体重比用量は、2 歳~17 歳までの小児/若年患者において
も適切であることが示された(2.7.2.3.3、2.7.3.2.1.1.5 参照)。また、2 歳未満の乳幼児を
対象とし本剤の薬物動態を評価した第Ⅰ相試験(試験 91741)で、申請用量である成人での体重
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
94 of
95
に基づく体重比用量は、正期産新生児、乳児及び 2 歳未満の幼児においても適切であることが示
された(2.7.2.3.3、2.7.6.22.2.7 参照)。
結論として、本剤 0.1mmol/kg は、脳・脊髄及び躯幹部・四肢の MRI 及び MRA において臨床的
に有効な用量であり、また、0 歳~17 歳までの新生児、乳児、幼児及び小児/若年患者において
も適切であると考えられる。
2.7.3.5
該当せず。
効果の持続、耐薬性
2.7.3 臨床的有効性
Bayer Yakuhin, Ltd.
参考文献
1) Obuchoski NA, Stat Med 1998:17(13):1495-1507
Page
95 of
95
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
1 of
2.7.4 臨床的安全性の目次
2.7.4.1
医薬品への曝露 ................................................... 5
2.7.4.1.1
総括的安全性評価計画及び安全性試験の記述 ................... 5
2.7.4.1.1.1
総括的安全性評価計画 ..................................... 5
2.7.4.1.1.2
併合解析 ................................................. 8
2.7.4.1.1.2.1
有害事象 ............................................... 9
2.7.4.1.1.2.2
臨床検査 .............................................. 10
2.7.4.1.1.2.3
バイタルサイン ........................................ 10
2.7.4.1.1.2.4
心電図 ................................................ 10
2.7.4.1.1.3
個別の臨床安全性試験の文章による説明 .................... 10
2.7.4.1.1.3.1
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 ............. 11
2.7.4.1.1.3.2
国内脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 16260、報告書 PH-37299
...................................................... 11
2.7.4.1.1.3.3
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 310124、報告書 A47570
...................................................... 11
2.7.4.1.1.3.4
国外脳・脊髄実薬対照第Ⅱ相試験:試験 308200、報告
書 A40524.............................................. 12
2.7.4.1.1.3.5
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験:試験
310864、報告書 A41119.................................. 12
2.7.4.1.1.3.6
国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験:試験 310123、
報告書 A47567.......................................... 12
2.7.4.1.1.3.7
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験:試験 13297、
報告書 A51205.......................................... 13
2.7.4.1.1.3.8
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験:試験 304561、報告書
A18088 ................................................ 13
2.7.4.1.1.3.9
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 97099、報告書
A04519 ................................................ 13
2.7.4.1.1.3.10
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 91759、報告書
PH-37227 .............................................. 14
2.7.4.1.2
2.7.4.1.2.1
全般的な曝露状況 .......................................... 15
第Ⅰ相試験併合解析 ...................................... 15
2.7.4.1.2.1.1
治験薬投与例数 ........................................ 15
2.7.4.1.2.1.2
治験薬投与及び治験の完了状況 .......................... 16
2.7.4.1.2.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 ............... 17
2.7.4.1.2.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 .............................. 17
2.7.4.1.2.3.1
治験薬投与例数 ........................................ 17
2.7.4.1.2.3.2
治験薬投与及び治験の完了状況 .......................... 19
133
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.2.4
Page
2 of
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析........... 22
2.7.4.1.2.4.1
治験薬投与例数 ........................................ 22
2.7.4.1.2.4.2
治験薬投与及び治験の完了状況 .......................... 23
2.7.4.1.3
2.7.4.1.3.1
治験対象集団の人口統計学的特性及びその他の特性 ............ 24
第Ⅰ相試験併合解析 ...................................... 24
2.7.4.1.3.1.1
人口統計学的特性 ...................................... 24
2.7.4.1.3.1.2
治験実施地域 .......................................... 26
2.7.4.1.3.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 ............... 27
2.7.4.1.3.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 .............................. 27
2.7.4.1.3.3.1
人口統計学的特性 ...................................... 27
2.7.4.1.3.3.2
アレルギー歴 .......................................... 33
2.7.4.1.3.3.3
前治療及び併用療法 .................................... 33
2.7.4.1.3.3.4
治験実施地域 .......................................... 34
2.7.4.1.3.4
2.7.4.2
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析........... 36
有害事象 ........................................................ 37
2.7.4.2.1
2.7.4.2.1.1
有害事象の解析 ............................................ 37
比較的よく見られる有害事象 .............................. 37
2.7.4.2.1.1.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 37
2.7.4.2.1.1.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 ............. 47
2.7.4.2.1.1.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 49
2.7.4.2.1.1.4
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析 ......... 76
2.7.4.2.1.2
死亡 .................................................... 82
2.7.4.2.1.2.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 82
2.7.4.2.1.2.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 82
2.7.4.2.1.3
その他の重篤な有害事象 .................................. 83
2.7.4.2.1.3.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 83
2.7.4.2.1.3.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 84
2.7.4.2.1.4
その他の重要な有害事象 .................................. 89
2.7.4.2.1.4.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 89
2.7.4.2.1.4.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 90
2.7.4.2.1.5
器官別又は症候群別有害事象の解析 ........................ 90
2.7.4.2.1.5.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 90
2.7.4.2.1.5.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 ............. 91
2.7.4.2.1.5.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 91
2.7.4.2.1.5.4
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析 ......... 92
2.7.4.2.2
個別有害事象の文書による説明 .............................. 93
133
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.2.1
Page
3 of
死亡 .................................................... 93
2.7.4.2.2.1.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 93
2.7.4.2.2.1.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 93
2.7.4.2.2.2
その他の重篤な有害事象 .................................. 93
2.7.4.2.2.2.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 93
2.7.4.2.2.2.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 93
2.7.4.2.2.3
その他の重要な有害事象 .................................. 94
2.7.4.2.2.3.1
第Ⅰ相試験併合解析 .................................... 94
2.7.4.2.2.3.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................ 94
2.7.4.3
臨床検査値の評価 ................................................ 95
2.7.4.3.1
第Ⅰ相試験併合解析 ........................................ 95
2.7.4.3.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 ................. 97
2.7.4.3.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ................................ 99
2.7.4.3.4
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析............ 101
2.7.4.4
バイタルサイン及び安全性に関連する他の観察項目 ................. 103
2.7.4.4.1
バイタルサイン ........................................... 103
2.7.4.4.1.1
第Ⅰ相試験併合解析 ..................................... 103
2.7.4.4.1.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 .............. 104
2.7.4.4.1.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................. 105
2.7.4.4.1.4
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析.......... 107
2.7.4.4.2
心電図 ................................................... 108
2.7.4.4.2.1
第Ⅰ相試験併合解析 ..................................... 108
2.7.4.4.2.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759 .............. 109
2.7.4.4.2.3
米国第Ⅰ相 QT/QTc 評価試験:試験 307362、報告書 A21381
....................................................... 112
2.7.4.4.2.4
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析 ............................. 116
2.7.4.5
特別な患者集団及び状況下における安全性 ......................... 119
2.7.4.5.1
内因性要因 ............................................... 119
2.7.4.5.1.1
人口統計学データ別有害事象 ............................. 119
2.7.4.5.1.2
被験者背景別有害事象 ................................... 122
2.7.4.5.1.3
特別な患者集団における安全性の検討 ..................... 123
2.7.4.5.1.3.1
ドイツ第Ⅲ相試験:試験 95062、報告書 B245 ............. 123
2.7.4.5.1.3.2
小児/若年における第 I/Ⅲ相試験:試験 310788、報
告書 A40794........................................... 125
2.7.4.5.1.3.3
2 歳未満の乳幼児における第 I 相試験:試験 91741、報
告書 PH-37277......................................... 126
133
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
4 of
2.7.4.5.2
外因性要因 ............................................... 127
2.7.4.5.3
薬物相互作用 ............................................. 127
2.7.4.5.4
妊娠及び授乳時の使用 ..................................... 127
2.7.4.5.5
過量投与 ................................................. 127
2.7.4.5.6
薬物乱用 ................................................. 127
2.7.4.5.7
離脱症状及び反跳現象 ..................................... 127
2.7.4.5.8
自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害 ..... 127
2.7.4.6
市販後データ ................................................... 128
2.7.4.6.1
文献 ..................................................... 128
2.7.4.6.2
グローバルファーマコビジランス ........................... 128
2.7.4.6.2.1
市販後概要報告 ......................................... 128
2.7.4.6.2.1.1
医薬品副作用 ......................................... 128
2.7.4.6.2.1.2
市販後の死亡例 ....................................... 129
2.7.4.6.2.1.3
過敏症反応 ........................................... 130
2.7.4.6.2.1.4
腎性全身性線維症/腎性線維化性皮膚症 ................. 130
2.7.4.6.2.1.5
企業中核データシート(CCDS)に記載されている市販
後からの副作用 ....................................... 131
2.7.4.6.2.2
参考文献
市販後安全性データのまとめ ............................. 132
.............................................................. 133
133
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4
2.7.4.1
2.7.4.1.1
2.7.4.1.1.1
Page
5 of
133
臨床的安全性の概要
医薬品への曝露
総括的安全性評価計画及び安全性試験の記述
総括的安全性評価計画
ガドブトロール 1.0mmol/mL 製剤(SH L562BB:以下、本剤とする)は、有効成分であるガドブ
トロールを 1.0mmol/mL の濃度で含有する磁気共鳴コンピューター断層撮影(magnetic resonance
imaging:MRI)用造影剤である。ガドブトロールは非イオン性のマクロ環構造を有するガドリニ
ウム(Gd)キレートであり、静脈内投与後には血漿及び細胞外液に分布して速やかに尿中排泄さ
れる性質を有することから、その製剤はガドペンテト酸メグルミン製剤などと同様に Gd 含有細胞
外液性造影剤に分類される。
脳・脊髄における造影 MRI の適応に続き、本剤は 2002 年以降に「磁気共鳴血管撮影(magnetic
resonance angiography:MRA)における造影」の適応で EU、中国、韓国等で承認された。また、
2006 年以降に「良悪性の鑑別診断を必要とする限局性病変を有する又は強く疑う患者における肝
及び腎の造影 MRI」の適応で EU 及び韓国等で承認されている。2011 年に米国で「脳・脊髄の造影
MRI」の適応で承認された。2012 年 EU で「全身における病変の造影 MRI」に拡大され、その後ト
ルコ、ロシア、ウクライナ、韓国、台湾及びフィリピン等でも承認されている。また、小児での
使用は 2009 年に EU で 7 歳以上の小児での使用が承認され、現在では、EU、米国ほか多くの国で
2 歳以上の小児での使用が承認されている。
今回、「磁気共鳴コンピューター断層撮影における脳・脊髄造影」及び「磁気共鳴コンピュー
ター断層撮影における躯幹部・四肢造影」を効能・効果とし、「通常、本剤 0.1mL/kg を静脈内投
与する」との用法・用量で当該製剤を承認申請するにあたり、全臨床試験成績及び海外市販後安
全性情報より本剤の安全性を評価した。
これまでに、本剤及び処方・濃度の異なる製剤(2.7.4.1.1.2 参照)を含め、国内及び海外で
第Ⅰ相試験を 9 試験、第Ⅱ相~第Ⅳ相試験を 40 試験〔第Ⅱ相試験 13 試験(第Ⅱ/Ⅲ相試験 1 試
験を含む)、第Ⅲ相試験 25 試験(第Ⅰ/Ⅲ相試験 1 試験を含む)、第Ⅳ相試験 2 試験〕実施した。
また、新たに 2 歳未満の乳幼児患者を対象とした第Ⅰ相試験 1 試験(試験 91741)を実施した。
全臨床試験の一覧、各試験のデザイン及び評価項目を表 2.7.4.7- 1 に示し、各試験の総括報告
書をモジュール 5 に添付する。評価資料及び参考資料とした試験及びこれらの試験の概要は、
2.7.6 個々の試験のまとめに示す。
臨床的安全性の項には、主に、併合解析の安全性成績を示す(2.7.4.1.1.2 参照)。第Ⅰ相試
験併合解析に含める試験を表 2.7.4.1.1.1- 1、第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析に含める試験を表
2.7.4.1.1.1- 2 に示す。国内第Ⅰ相試験である試験 310865 の安全性成績も別途提示する。
QT/QTc 評価を目的とした米国第Ⅰ相試験(試験 307362、報告書 A21381)の要約を 2.7.4.4.2.3
に、慢性腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス 80mL/min 未満)及び透析患者を対象とした
ドイツ第Ⅲ相試験(試験 95062、報告書 B245)の要約を 2.7.4.5.1.3.1 に、小児/若年(2 歳か
2.7.4 臨床的安全性
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133
ら 17 歳)患者を対象としたヨーロッパ/カナダ第Ⅰ/Ⅲ相試験(試験 310788、報告書 A40794)
の要約を 2.7.4.5.1.3.2 に、2 歳未満の乳幼児患者を対象とした北米/ヨーロッパ第Ⅰ相試験(試
験 91741、報告書 PH-37277)を 2.7.4.5.1.3.3 に示す。その他の評価資料とした試験、並びに参
考資料とした試験のうち試験 310123 について、試験デザイン及び安全性評価方法の要約を
2.7.4.1.1.3 に示す。
表 2.7.4.1.1.1- 1: 第Ⅰ相試験の一覧
Study No.
Total
91798
(308183)
92001
92010
93016
96063
97113
98098
307362
310865
Report No.
Region/
Country
A40982
Europe
9746
9748
AS29
B534
B000
B291
A21381
A39759
Europe
Europe
Japan
Europe
Europe
Europe
USA
Japan
Gadobutrol
313 (100.0)
31 ( 9.9)
40 (
24 (
24 (
20 (
36 (
45 (
61 (
32 (
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 1, Table 2, Table 8
Percentages of subjects are shown in parentheses.
Studies 91798, 96063, and 98098 did not have a placebo arm.
12.8)
7.7)
7.7)
6.4)
11.5)
14.4)
19.5)
10.2)
Gadobutrol vs. Placebo
Gadobutrol
Placebo
Total
194 (100.0)
68 (100.0) 262 (100.0)
40 (
24 (
24 (
36 (
38 (
32 (
20.6)
12.4)
12.4)
18.6)
19.6)
16.5)
15 (
12 (
8(
12 (
13 (
8(
22.1)
17.6)
11.8)
17.6)
19.1)
11.8)
55 (
36 (
32 (
48 (
51 (
40 (
21.0)
13.7)
12.2)
18.3)
19.5)
15.3)
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.1.1.1- 2: 第Ⅱ相~第Ⅳ相試験の一覧
Phase
Total
Phase II
Phase III
Study No.
Report No.
Region/ Country
MR
imaging
Subjects
enrolled
7471 (100.0)
64 ( 0.9)
103 ( 1.4)
47 ( 0.6)
18 ( 0.2)
38 ( 0.5)
89 ( 1.2)
114 ( 1.5)
62 ( 0.8)
13 ( 0.2)
241 ( 3.2)
226 ( 3.0)
229 ( 3.1)
164 ( 2.2)
Subjects
analyed1
8470 (100.0)
64 ( 0.8)
103 ( 1.2)
47 ( 0.6)
18 ( 0.2)
38 ( 0.4)
89 ( 1.1)
114 ( 1.3)
62 ( 0.7)
13 ( 0.2)
241 ( 2.8)
226 ( 2.7)
452 ( 5.3)
323 ( 3.8)
92095
92096
92097
93017
93018
94061
94368
94369
94383
97035
305501
308200
310864
(Phase II/III)
13297
AC86
AC98
AC42
AS30
AS31
AI69
B315
B314
B313
B204
A22498
A40524
A41119
Europe
Europe
Europe
Japan
Japan
Europe
Japan
Japan
Japan
Europe
Europe
USA, other
Japan
CNS
Body
CNS
CNS
Body
CNS (BP)
CNS
CNS
CNS (BP)
CE-MRA
MP
CNS (BP)
CNS
A51205
Body
363 (
4.9)
363 (
4.3)
16260
91743
PH-37299
A58872
CNS
Body
223 (
426 (
3.0)
5.7)
223 (
426 (
2.6)
5.0)
91759
PH-37277
CE-MRA
315 (
4.2)
315 (
3.7)
91782
PH-37278
Body
439 (
5.9)
439 (
5.2)
94052
94054
94055
95062
95064
95359
95361
95362
95363
95364
97099
302722 (99011)
304300
304561
304562
309761
309762
310123
AI79
AI68
A02140
B245
AK76
B311
B312
B309
B308
B310
A04519
A02885
A04542
A18088
A13389
A40215
A40727
A47567
CNS
CNS
Body
Body
CNS (BP)
Body
CNS
Body
CNS
Body
CE-MRA
CE-MRA
CE-MRA
Body
Body
CNS
CE-MRA
CNS
305 (
296 (
182 (
32 (
44 (
175 (
196 (
134 (
100 (
39 (
179 (
203 (
53 (
466 (
572 (
146 (
83 (
402 (
4.1)
4.0)
2.4)
0.4)
0.6)
2.3)
2.6)
1.8)
1.3)
0.5)
2.4)
2.7)
0.7)
6.2)
7.7)
2.0)
1.1)
5.4)
305 (
296 (
182 (
32 (
44 (
175 (
196 (
134 (
100 (
39 (
179 (
203 (
53 (
466 (
572 (
146 (
159 (
792 (
3.6)
3.5)
2.1)
0.4)
0.5)
2.1)
2.3)
1.6)
1.2)
0.5)
2.1)
2.4)
0.6)
5.5)
6.8)
1.7)
1.9)
9.4)
310124
A47570
CNS
343 (
4.6)
343 (
4.0)
310788
(Phase I/III)
A40794
Japan, China, South
Korea
Japan
Germany, USA, Italy,
South Korea,
Colombia, Finland,
Switzerland
USA, Europe,
South/Central America,
South Korea, Taiwan
USA, Europe,
South/Central America,
Taiwan, India
Europe
Europe
Europe
Europe
Europe
Japan
Japan
Japan
Japan
Japan
Europe
Europe
Europe
Europe
Europe
China
China
USA, Europe, Japan,
Australia, Colombia
USA, South/Central
America, China, South
Korea
Europe, Canada
Pediatric
138 (
1.8)
138 (
1.6)
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.1.1.1- 2: 第Ⅱ相~第Ⅳ相試験の一覧(続き)
Phase
Study No.
Report No.
Region/country
Phase IV
302600
312021
A12063
A51520
Europe
Italy
MR
imaging
CNS (BP)
CNS
Subjects
enrolled
49 ( 0.7)
160 ( 2.1)
Subjects
analyed1
49 ( 0.6)
311 ( 3.7)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/1, Statistical Analysis Plan
CNS: central nervous system; BP: brain perfusion; MRA: MR angiography; MP: myocardial perfusion
Percentages of subjects are shown in parentheses.
Note1: Subjects from crossover studies (308200, 309762, 310123, 310864) were analyzed by period. Therefore, the number
of analyzed subjects is higher than the number of enrolled subjects.
2.7.4.1.1.2
併合解析
これまでに本剤及び処方・濃度の異なる製剤(現行の処方の 0.5mmol/mL 製剤である SH L562AA、
旧処方の 1.0mmol/mL 製剤である SH L562B、及び旧処方の 0.5mmol/mL 製剤である SH L562A:
2.7.1.1.1 製剤開発)を用いて、国内及び海外で第Ⅰ相試験を 9 試験(表 2.7.4.1.1.1- 1)、
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験を 40 試験(表 2.7.4.1.1.1- 2)実施した。同一用量で、1.0mmol/mL 製剤と
0.5mmol/mL 製剤との間で薬物動態に差はなく(2.7.2.3.2.1 参照)、1.0mmol/mL 製剤と 0.5mmol/mL
製剤の間で安全性への影響が異なるとは考えられないことから、より多くの母集団より体系的に
安全性を評価するために、これらのすべての安全性データを併合し、健康成人を対象とした第Ⅰ
相試験併合解析及び患者を対象とした第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析を行った。別途、製剤濃度別
の安全性も確認するため、製剤濃度別の安全性データの集計も行った。併合解析計画書は
5.3.5.3.2 PH-37818 Appendix を参照のこと。
いずれの試験においても、単回静脈内投与による安全性を、有害事象の観察、理学検査、臨床
検査、心電図及びバイタルサインなどの一般的な安全性評価項目により検討した。第Ⅰ相試験で
はプラセボとして生理食塩液を、第Ⅱ相~第Ⅳ相試験では、比較対照として、ガドペンテト酸メ
グルミン製剤(以下、ガドペンテト酸メグルミン)、ガドジアミド水和物製剤(以下、ガドジア
ミド)、gadoversetamide 製剤(以下、gadoversetamide)、ガドテリドール製剤(以下、ガドテ
リドール)、ガドテル酸メグルンミン製剤(以下、Gd-DOTA)を用いた。なお、臨床的安全性の項
では本剤及び本剤と処方・濃度の異なる製剤をまとめて、ガドブトロールと記載する。また、「治
験薬」には、ガドブトロール、プラセボ及び比較薬を含める。被験者は実際の投与用量を基に、
各用量群に割り付けた。
第Ⅰ相試験併合解析のガドブトロール群には、全 9 試験におけるガドブトロールの投与を受け
た全被験者を含めた。クロスオーバー試験でガドブトロールが複数時期に投与された場合、被験
者を最高投与用量群に割り付けた。30 分以内に 2 回の投与が行われた場合、各用量の合計を投与
量とした。また、プラセボ対照試験 6 試験の結果を、ガドブトロール群及びプラセボ群について
まとめた。このプラセボ群との比較では、持ち越し効果を除外するため、各被験者への最初の投
与(並行群間比較試験及びクロスオーバー試験の第 1 期)の結果のみを集計した。
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析には、全試験におけるガドブトロール又はその他の治験薬の投与
を受けた被験者を含めた。クロスオーバー試験で各期に異なる治験薬が投与された場合、それぞ
れの投与結果について集計した。30 分以内に同じ治験薬が 2 回投与された場合、各用量の合計を
投与量とした。第Ⅱ相~第Ⅳ相試験 40 試験のうち、23 試験はガドブトロールのみの試験、11 試
験は並行群間比較試験、6 試験はクロスオーバー試験(1 試験はガドブトロールの異なる用量の投
与、5 試験はガドブトロールと比較薬の投与)であった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
データの併合の一覧を表 2.7.4.1.1.2- 1 に示す。第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析について、国内
で組み入れた被験者(以下、国内被験者)における部分集団解析も実施した。また、第Ⅱ相~第
Ⅳ相試験のうち、日本で実施した評価資料及び参考資料とした試験(試験 310864、310123、13297
及び 16260)について、国内被験者における解析も実施した(4 試験の国内被験者併合解析)。こ
の 4 試験では本剤が用いられた。臨床的安全性の項には、主に、第Ⅰ相試験の併合解析、第Ⅱ相
~第Ⅳ相試験の併合解析、並びに 4 試験の国内被験者併合解析の成績を示す。
表 2.7.4.1.1.2- 1 データの併合
併合データ
対象集団
参照項目
報告書番号
第Ⅰ相試験
健康成人
5.3.5.3.1
A50821
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験
患者(小児/若年を含む)*
5.3.5.3.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験の国内被験者
国内組み入れ被験者
5.3.5.3.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験のうち 4 試験
(試験 310864、310123、13297 及び
16260)の国内被験者
国内組み入れ被験者
5.3.5.3.2
PH-37818
(ias pool 1)
PH-37818
(ias pool 2)
PH-37818
(ias pool 3)
*:試験 91741(2 歳未満の乳幼児患者を対象)は含まず
2.7.4.1.1.2.1
有害事象
臨床的安全性の項では、治験薬投与下で発現した有害事象(治験薬投与後新たに発現した事象、
あるいは投与前にもみられたが投与後悪化した事象)を有害事象と定義した。「治験薬投与下」
の終了時点は、投与後 72 時間あるいは次の投与時期の開始(クロスオーバー試験)のいずれか早
い方とした。それ以降に発現した有害事象は Listing に示す。
全有害事象は、第Ⅰ相試験の併合解析は MedDRA version 12.1 を、第Ⅱ相~第Ⅳ相試験の併合
解析は MedDRA version 16.0 を用いてコード化し、基本語及び器官別大分類を用いて分類した。
有害事象を以下の分類により集計した。有害事象の重症度並びに治験薬との関連性に関する被
験者数の集計では、各被験者及び各有害事象について最も重いカテゴリー(「治験薬との関連性
あり」は「関連性なし」よりも重い)を採用した。

重症度:軽度(mild)、中等度(moderate)、重度(severe)に分類

重篤度:重篤(serious)、非重篤(non-serious)に分類

有害事象と治験薬の関連性:治験薬と関連性あり、治験薬と関連性なしに分類
「治験薬と関連性のある有害事象」には、関連性があるかもしれない(possible)、おそ
らく関連性あり(probable)及び関連性あり(definite)とされた有害事象を含め、「治
験薬と関連性のない有害事象」には、関連性なし(no)及び関連性は考えにくい(unlikely)
とされた有害事象を含めた。

有害事象の発現時期
2.7.4 臨床的安全性
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
用量

ガドブトロール濃度

性別、年齢、人種、体重

治験実施地域

第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のみにおいて、腎機能、肝機能、アレルギー歴、心臓血管疾
患の既往又は合併の有無別の部分集団解析
2.7.4.1.1.2.2
臨床検査
治験薬投与前の最終時点(クロスオーバー試験では各治験薬投与前の最終時点)のデータをベー
スラインとした。第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析では、投与直前の血清クレアチニン値を基に算出
した推定糸球体ろ過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)及び投与前の ALT 又は
AST の最大値を基にした肝機能に関する部分集団解析も行った。
2.7.4.1.1.2.3
バイタルサイン
ベースラインからの変化量
(増減)
のカテゴリー分析に関し、
収縮期血圧は 20mmHg 及び 40mmHg、
拡張期血圧は 15mmHg 及び 30mmHg、心拍数は 15 拍/分及び 30 拍/分、呼吸数は 5 回/分、体温
は 0.5℃をカットオフ値として用いた。
2.7.4.1.1.2.4
心電図
治験薬投与前後の心電図パラメータ(心拍数、QT、QTc、QRS 及び PQ 間隔)、心電図上の異常
所見について評価した。また、第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析では心調律(正常、異常)について
評価した。QT 間隔は主に Fridericia 法による心拍数補正を行った QTc 間隔(QTcF)について評
価し、絶対値で 460 ミリ秒を超える値、ベースラインからの 30~60 ミリ秒の増加、60 ミリ秒を
超える増加をカットオフ値とした。
2.7.4.1.1.3
個別の臨床安全性試験の文章による説明
評価資料とした試験の試験デザイン及び安全性評価方法を以下に要約する。なお、評価資料と
した試験のうち、QT/QTc 評価を目的とした米国第Ⅰ相試験(試験 307362、報告書 A21381)は
2.7.4.4.2.3、慢性腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス 80mL/min 未満)及び透析患者を
対象としたドイツ第Ⅲ相試験(試験 95062、報告書 B245)は 2.7.4.5.1.3.1、国外小児第Ⅰ/Ⅲ
相試験(試験 310788、報告書 A40794)は 2.7.4.5.1.3.2 を参照のこと。
参考資料とした試験のうち、国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験 310123、報告書 A47567)
の試験デザインも以下に示す。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.1.3.1
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国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
単施設、無作為化、プラセボ対照、単盲検、用量漸増試験とし、健康な日本人成人男子(20~
40 歳)を対象に、本剤の安全性及び薬物動態を検討した。本剤 0.1mmol/kg、0.2mmol/kg、0.3mmol/kg
又は 0.1+0.1mmol/kg(本剤 0.1mmol/kg を 30 分間隔で 2 回投与)又はプラセボ(生理食塩液)
を、2mL/秒の速度で静脈内投与した。各群 8 例とし、各用量段階において 8 例に実薬、2 例にプ
ラセボを無作為に割り付けた。
治験薬投与前から投与後 7 日まで、有害事象、理学検査、バイタルサイン、12 誘導心電図、臨
床検査の評価を行った。被験者は投与日の前日から投与後 3 日の安全性評価を終えるまで入院し、
事後検査のため投与後 7 日に来院した。有害事象として、観察されたもの、治験責任医師又は治
験分担医師(以下、治験担当医師)の問診により判明したもの、被験者により自発報告されたも
のを記録した。有害事象は MedDRA(Ver. 10.0)を用いてコード化した。心電図評価は綿密な方
法により行った。
2.7.4.1.1.3.2
国内脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 16260、報告書 PH-37299
参照項目:5.3.5.1.1 PH-37299、2.7.6.9
多施設共同、非対照、非盲検試験とし、脳・脊髄の造影 MRI 検査適応となる日本人患者を対象
に、本剤の有効性及び安全性を検討した。
本剤 0.1mmol/kg を 2mL/秒の速度で単回静脈内投与し、
その後生理食塩液 20mL を同速度でフラッ
シュした。本剤投与前及び投与後に MRI 検査を行った。
治験薬投与後 24 時間まで、理学検査、バイタルサイン、臨床検査の評価を行った。有害事象の
モニタリング期間は治験薬投与後 24 時間までとし、治験薬投与 72 時間後に電話による有害事象
の確認を行った。有害事象は MedDRA(Ver. 16.0)を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.3
国外脳・脊髄第Ⅲ相試験:試験 310124、報告書 A47570
参照項目:5.3.5.1.2 A47570、2.7.6.10
多施設共同、非対照、非盲検試験とし、脳・脊髄の造影 MRI 検査適応となる患者を対象に、本
剤の有効性及び安全性を検討した。本試験は米国、アルゼンチン、コロンビア、中国及び韓国で
実施した。
本剤 0.1mmol/kg を 2mL/秒の速度で単回静脈内投与し、その後生理食塩液 20mL を同速度でフラ
ッシュした。本剤投与前及び投与後に MRI 検査を行った。
治験薬投与後 72 時間まで、バイタルサイン、理学検査、臨床検査の評価を行った。有害事象の
モニタリング期間は治験薬投与後 72 時間までとした。有害事象は MedDRA(Ver. 12.1)を用いて
コード化した。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.1.3.4
Page
12 of
133
国外脳・脊髄実薬対照第Ⅱ相試験:試験 308200、報告書 A40524
参照項目:5.3.5.1.3 A40524、2.7.6.11
多施設共同、無作為化、実薬対照、二重盲検、並行群間用量比較試験とし、血液脳関門障害及
び/又は脳・脊髄の血流異常を有する又は強く疑う患者を対象に、本剤の安全で有効な用量を検
討した。本試験は米国、コロンビア、アルゼンチン及びブラジルで実施した。
本剤(0.03、0.1、0.3mmol/kg のいずれかの用量)を 5mL/秒の速度、及び gadoversetamide
(0.1mmol/kg)を 2mL/秒の速度で静脈内投与し、その後、同じ速度で生理食塩液 20mL をフラッ
シュした。治験実施施設の非盲検協力者が治験薬を投与し盲検性を確保した。本剤及び
gadoversetamide の投与順序は無作為化した。gadoversetamide を用いた撮像は本剤を用いた撮像
の 30~48 時間前、もしくは 72 時間~30 日後に行った。
本剤投与後 72 時間及び gadoversetamide 投与後 24 時間まで、バイタルサイン、12 誘導心電図、
理学検査(mini mental status examination、投与部位及び上肢の詳細な観察を含む)、臨床検
査の評価を行った。また、造影 MRI 前後に酸素飽和度及び心調律の評価を行った。有害事象のモ
ニタリング期間は、2 回目投与後の最終観察時点(本剤では投与後 72 時間、gadoversetamide で
は投与後 24 時間)までとした。有害事象は MedDRA(Ver. 9.1)を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.5
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験:試験 310864、報告書 A41119
参照項目:5.3.5.1.4 A41119、2.7.6.12
多施設共同、無作為化、実薬対照、単盲検、クロスオーバー比較試験とし、転移性脳腫瘍を有
する又は疑う患者で 20 歳以上の日本人男女を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討した。
各被験者に本剤及びガドテリドールを 24(20~28)時間から 2 週間の間隔をあけて投与した。
各治験薬は、13~15 分の間隔をあけて 2 回投与した。1 回あたりの投与量は、0.1mmol/kg で、そ
れぞれ計 0.2mmol/kg を投与した。治験薬は 1~2mL/秒の速度で静脈内投与し、その後生理食塩液
10mL でフラッシュした。各治験薬投与前、本剤初回投与後及び 2 回目投与後、ガドテリドール 2
回目投与後に MRI 検査を行った。
治験薬投与後 24 時間まで、有害事象、理学検査、バイタルサイン、臨床検査の評価を行った。
有害事象として、観察されたもの、治験担当医師の問診により判明したもの、被験者により自発
報告されたものを記録した。有害事象は MedDRA(Ver. 11.0)を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.6
国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験:試験 310123、報告書 A47567
参照項目:5.3.5.1.5 A47567、2.7.6.13
多施設共同、無作為化、実薬対照、二重盲検、クロスオーバー比較試験とし、脳・脊髄の造影
MRI 検査適応となる患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討した。本試験は、オーストラ
リア、オーストリア、コロンビア、ドイツ、日本、スイス及び米国で実施した。臨床症状あるい
は画像検査結果に基づいて、脳・脊髄の造影 MRI 検査が適応となる 18 歳以上の男女を含めた。
各被験者に、本剤及びガドテリドールを投与した。各治験薬は 0.1mmol/kg の用量を 2mL/秒の
速度で静脈内に単回投与し、その後生理食塩液 20mL を同速度でフラッシュした。2 つの造影剤の
投与順序は無作為化し、治験実施施設の非盲検協力者が投与することで盲検性を確保した。本剤
及びガドテリドールの投与間隔は 24 時間以上、15 日以内とした。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
各治験薬投与後 24 時間まで、理学検査、バイタルサイン、臨床検査(血清クレアチニンのみ 2
回目投与後 72 時間まで)の評価を行った。有害事象のモニタリング期間は、2 回目投与後 72 時
間までとした。安全性の評価は盲検下で行った。有害事象として、観察されたもの、治験担当医
師の問診により判明したもの、被験者により自発報告されたものを記録した。有害事象は MedDRA
(Ver. 12.1)を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.7
国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験:試験 13297、報告書 A51205
参照項目:5.3.5.1.6 A51205、2.7.6.14
多施設共同、無作為化、実薬対照、単盲検、並行群間比較試験とし、躯幹部・四肢(乳腺、心
臓、腹部、腎、骨盤又は四肢)の造影 MRI が適応となる患者を対象に、本剤の有効性及び安全性
を検討した。本試験は日本、中国及び韓国で実施した。
本剤 0.1mmol/kg を 1.5~2mL/秒の速度又はガドペンテト酸メグルミン 0.1mmol/kg を 2~3mL/
秒の速度で単回静脈内投与し、その後、生理食塩液 10mL を同速度でフラッシュした。各治験薬投
与前及び投与後に MRI 検査を行った。
治験薬投与後 24 時間まで、臨床検査、バイタルサイン、理学検査の評価を行った。有害事象の
モニタリング期間は治験薬投与後 24 時間までとし、さらに投与 3 日後に電話確認を行った。有害
事象は MedDRA(Ver. 14.0)を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.8
国外腎臓実薬対照第Ⅲ相試験:試験 304561、報告書 A18088
参照項目:5.3.5.1.7 A18088、2.7.6.15
多施設共同、無作為化、実薬対照、単盲検、並行群間比較試験とし、腎病変を有する又は疑わ
れる患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討した。本試験はオーストリア、ベルギー、ド
イツ、イタリア、オランダ及びポーランドで実施した。
本剤 0.1mmol/kg を 1mL/秒の速度又はガドペンテト酸メグルミン 0.1mmol/kg を 2mL/秒の速度で
静脈内に単回投与し、その後生理食塩液 20mL を 2mL/秒の速度でフラッシュした。各治験薬投与
前及び投与後に MRI 撮像を行った。
治験薬投与後 24 時間まで、有害事象、バイタルサイン、理学検査の評価を行った。有害事象は
HARTS version 2.3 を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.9
国外躯幹部動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 97099、報告書 A04519
参照項目:5.3.5.1.8 A04519、2.7.6.16
多施設共同、非対照、非盲検試験とし、躯幹部動脈疾患を有する患者を対象に、本剤の有効性
及び安全性を検討した。本試験はドイツ及び英国で実施した。
体重 75kg 未満の被験者に本剤 7.5mL を、75kg 以上の被験者に本剤 10mL を 0.5~2.0mL/秒の速
度で単回静脈内投与し、生理食塩液 25~30mL を同速度でフラッシュした。使用する MRI に造影剤
の到達を自動的に検知しスキャンを開始する機能がない場合、本剤 1mL(約 0.01mmol/kg)のテス
ト注入後経時的に 2D 撮像を行って測定した造影剤の到達時間を用いて造影 MRI 検査を行った。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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14 of
133
治験薬投与後 72 時間まで、有害事象、臨床検査、バイタルサイン、理学検査及び 12 誘導心電
図(臨床検査と 12 誘導心電図は一部の施設のみ、12 誘導心電図は治験薬投与後 24 時間まで)の
評価を行った。有害事象は HARTS version 2.3 を用いてコード化した。
2.7.4.1.1.3.10
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験:試験 91759、報告書 PH-37227
参照項目:5.3.5.1.9 PH-37227、2.7.6.17
多施設共同、非対照、非盲検試験とし、腎動脈疾患を有する又は疑われる患者を対象に本剤の
有効性及び安全性を検討した。本試験はアルゼンチン、オーストリア、ブラジル、スイス、コロ
ンビア、チェコ共和国、ドイツ、フランス、韓国、ポーランド、トルコ、台湾及び米国で実施し
た。
本剤 0.1mmol/kg を 1.5mL/秒の速度で単回静脈内投与し、その後生理食塩液 30mL を同速度でフ
ラッシュした。本剤投与前に 2D-MRA 検査及び本剤投与後に造影 3D-MRA 検査を行った。
治験薬投与 72 時間後まで、有害事象、臨床検査、バイタルサイン、理学検査の評価を行った。
有害事象は MedDRA(Ver. 15.1)を用いてコード化した。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.2
Page
15 of
133
全般的な曝露状況
2.7.4.1.2.1
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
2.7.4.1.2.1.1
治験薬投与例数
第Ⅰ相試験である計 9 試験において、313 例がガドブトロールの投与を受けた。そのうちプラ
セボとの比較試験は 6 試験で、262 例中 68 例がプラセボ(生理食塩液)の投与を受けた(表
2.7.4.1.1.1- 1)。
第Ⅰ相試験併合解析における治験薬投与例数を、試験別及び用量別に表 2.7.4.1.2.1.1- 1 に示
す。ガドブトロールは主に 0.51mmol/kg 以下の用量で投与された。ガドブトロール投与量の平均
値±標準偏差(範囲)は、ガドブトロール群で 0.352±0.284mmol/kg(0.04~1.55mmol/kg)、プ
ラセボとの比較試験で 0.374±0.335mmol/kg(0.04~1.55mmol/kg)であった(5.3.5.3.1 A50821
Table 5、Table 6)。
ガドブトロールの製剤濃度別の被験者数を表 2.7.4.1.2.1.1- 2 に示す。ガドブトロールが投与
された 313 例中、0.5mmol/mL が 67 例(21.4%)、1.0mmol/mL が 246 例(78.6%)に投与された。
表 2.7.4.1.2.1.1- 1 試験別及び用量別被験者数:第Ⅰ相試験併合解析
Study
No.
Total
91798
92001
92010
93016
96063
97113
98098
307362
310865
≤0.11
81 (100.0)
31 ( 38.3)
16 ( 19.8)
0
12 ( 14.8)
12 ( 14.8)
0
0
1 ( 1.2)
9 ( 11.1)
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
37 (100.0) 74 (100.0) 90 (100.0) 18 (100.0) 10 (100.0)
0
0
0
0
0
8 ( 21.6)
7 ( 9.5)
9 ( 10.0)
0
0
0
8 ( 10.8) 16 ( 17.8)
0
0
6 ( 16.2)
0
6 ( 6.7)
0
0
8 ( 21.6)
0
0
0
0
0
6 ( 8.1)
5 ( 5.6) 12 ( 66.7) 10 (100.0)
0 44 ( 59.5)
1 ( 1.1)
0
0
0
1 ( 1.4) 53 ( 58.9)
6 ( 33.3)
0
15 ( 40.5)
8 ( 10.8)
0
0
0
>1.51
Total
3 (100.0) 313 (100.0)
0 31 ( 9.9)
0 40 ( 12.8)
0 24 ( 7.7)
0 24 ( 7.7)
0 20 ( 6.4)
3 (100.0) 36 ( 11.5)
0 45 ( 14.4)
0 61 ( 19.5)
0 32 ( 10.2)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 7
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.2.1.1- 2 ガドブトロールの製剤濃度別被験者数:第Ⅰ相試験併合解析
Molarity
Total
0.5mmol/mL
1.0mmol/mL
≤0.11
81
29
52
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
37
74
90
18
10
14
9
15
0
0
23
65
75
18
10
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 3
Percentages of subjects are shown in parentheses.
>1.51
3
0
3
Total
313 (100.0)
67 ( 21.4)
246 ( 78.6)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.2.1.2
Page
16 of
133
治験薬投与及び治験の完了状況
治験薬投与の完了状況を表 2.7.4.1.2.1.2- 1 に示す。ガドブトロール群 313 例中 311 例
(99.4%)
が投与を完了した。投与を中止した 2 例の理由は、有害事象 1 例(くしゃみ、嘔吐、膨疹、舌の
ぴりぴり感及び鼻汁)、その他 1 例(骨折及び入院による)であった。プラセボ群では 68 例中
67 例(98.5%)が投与を完了し、1 例が手技上の問題により投与を中止した。投与を中止した被
験者の一覧を 5.3.5.3.1 A50821 Listing 1 及び Listing 2 に示す。
試験の完了状況を表 2.7.4.1.2.1.2- 2 に示す。ガドブトロール群 313 例中 303 例(96.8%)が
試験を完了した。試験を中止した 10 例の理由は、有害事象 2 例(1 例にくしゃみ、嘔吐、膨疹、
舌のぴりぴり感及び鼻汁、1 例に胸部痛及び T 波の変化)、フォローアップ検査未終了 2 例、治
験実施計画書からの逸脱 1 例、その他 5 例(手技上の問題 3 例、骨折及び入院による 1 例、薬物
陽性 1 例)であった。プラセボ群では 68 例中 66 例(97.1%)が試験を完了した。試験を中止し
た 2 例の理由は、同意撤回 1 例、その他 1 例(薬物陽性)であった。試験を中止した被験者の一
覧を 5.3.5.3.1 A50821 Listing 3 及び Listing 4 に示す。
表 2.7.4.1.2.1.2- 1 投与の完了状況:第Ⅰ相試験併合解析
Study medication
≤0.11
Treated
Completed
Discontinued
Adverse events (AE)
Other
Technical problems
81
79
2
1
1
0
Gadobutrol total (mmol/kg bw)
(all 9 studies)
>0.11 >0.21 >0.31 >0.51 >1.01 >1.51 Total
-0.21 -0.31 -0.51 -1.01 -1.51
37
74
90
18
10
3
313
37
74
90
18
10
3
311
0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
Placebo controlled study
(6 studies)
Gado- Placebo Total
butrol
194
68
262
193
67
260
1
1
2
1
0
1
0
0
0
0
1
1
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 11, Table 12
表 2.7.4.1.2.1.2- 2 試験の完了状況:第Ⅰ相試験併合解析
Study completion
≤0.11
Treated
Completed
Discontinued
Withdrawal of
consent
Protocol deviation
AE
Subject lost
Other
81
78
3
0
0
1
0
2
Gadobutrol total (mmol/kg bw)
(all 9 studies)
>0.11 >0.21 >0.31 >0.51 >1.01 >1.51 Total
-0.21 -0.31 -0.51 -1.01 -1.51
37
74
90
18
10
3
313
37
70
87
18
10
3
303
0
4
3
0
0
0
10
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 13, Table 14
0
1
1
2
1
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
2
2
5
Placebo controlled study
(6 studies)
Gado- Placebo Total
butrol
194
68
262
189
66
255
5
2
7
0
1
1
1
2
1
1
0
0
0
1
1
2
1
2
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.2.2
Page
17 of
133
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
各群(本剤 0.1mmol/kg、0.2mmol/kg、0.3mmol/kg、0.1+0.1mmol/kg、プラセボ)にそれぞれ 8
例、計 40 例に治験薬を投与した。本剤 0.1+0.1mmol/kg 群の 1 例に、初回投与後に有害事象がみ
られ、2 回目の投与は行われなかった。その他の 39 例では、予定通りの投与が行われた。
2.7.4.1.2.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
2.7.4.1.2.3.1
治験薬投与例数
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析における被験者数を、
試験別及び用量別に表 2.7.4.1.2.3.1- 1 に、
治験の相別に表 2.7.4.1.2.3.1- 2 に、治験の相別及び用量別に表 2.7.4.1.2.3.1- 3 に示す。第
Ⅱ相~第Ⅳ相試験計 40 試験に計 8,470 例が含まれた。その内訳は、ガドブトロール 6,286 例、ガ
ドペンテト酸メグルミン 1,097 例、ガドジアミド 150 例、gadoversetamide 227 例、ガドテリドー
ル 555 例、Gd-DOTA 155 例であった。ガドブトロールは主に 0.09mmol/kg 以上~0.11mmol/kg 以下
の用量で投与された(4,247 例)。予定される臨床用量は 0.1mmol/kg であり、0.11mmol/kg を超
える用量のガドブトロールが 1,750 例に投与された。
治験の相別では、第Ⅱ相試験 1,790 例、第Ⅲ相試験 6,320 例、第Ⅳ相試験 360 例であった。ガ
ドブトロールの投与を受けた 6,286 例の相別の内訳は、第Ⅱ相試験 1,345 例(21.4%)、第Ⅲ相
試験 4,736 例(75.3%)、第Ⅳ相試験 205 例(3.3%)であった。
ガドブトロールの製剤濃度別の被験者数を表 2.7.4.1.2.3.1- 4 に示す。ガドブトロールが投与
された 6,286 例中、0.5mmol/mL が 1,002 例(15.9%)に、1.0mmol/mL が 5,284 例(84.1%)に投
与された。ガドブトロールのいずれの用量群でも、1.0mmol/mL の投与を受けた被験者の割合が
0.5mmol/mL に比べて高かった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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18 of
133
表 2.7.4.1.2.3.1- 1 試験別及び用量別被験者数:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol
Phase
Study No.
Dose:
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
mmol/
-0.11 -0.21 -0.31 -0.51
kg bw
Total
289 4247 694 1009
47
Phase II
92095
1
63
92096
1
31
40
31
92097
45
2
93017
18
93018
38
94061
11
21
20
37
94368
58
94369
1
61
94383
13
97035
73
7
78
83
305501
114
59
53
308200
68
85
3
69
310864
160
1
Phase III
13297
177
1
16260
223
91743
1
421
4
91759
314
1
91782
431
8
94052
1
154
94054
3
291
2
94055
1
178
3
95062
17
15
95064
44
95359
85
1
95361
98
95362
134
95363
100
95364
20
19
97099
2
70 107
302722
53
147
3
304300
2
13
22
15
1
304561
229
4
304562
1
289
2
309761
69
2
309762
62
14
2
310123
2
390
6
1
310124
340
1
2
310788
2
130
6
Phase IV
302600
1
41
7
312021
155
1
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 2.1.2/2
Gadopentetate Gadodi- Gadover- Gadoteridol Gddimeglumine amide setamide
DOTA
0.1
0.2
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
1016
81
150
227
393
162
155
56
227
162
185
150
89
98
233
280
75
81
393
155
2.7.4 臨床的安全性
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19 of
133
表 2.7.4.1.2.3.1- 2 治験の相別被験者数-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Phase
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
Dose:
mmol/kg bw
Total
Phase II
Phase III
Phase IV
≤0.51
Gadodiamide
0.1-0.2
6286 (100.0)
1345 ( 21.4)
4736 ( 75.3)
205 ( 3.3)
Gadover- Gadoteridol Gd-DOTA
setamide
0.1
0.1
1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0)
56 ( 5.1)
0 227 (100.0)
1041 ( 94.9) 150 (100.0)
0
0
0
0
0.1-0.2
Total
0.1
555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
162 ( 29.2)
0 1790 ( 21.1)
393 ( 70.8)
0 6320 ( 74.6)
0 155 (100.0) 360 ( 4.3)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.2/3
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.2.3.1- 3 治験の相別及び用量別被験者数:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Phase
Dose: <0.09
mmol/
kg bw
Total
289
(100.0)
Phase
256
II
(88.6)
Phase
32
III
(11.1)
Phase
1
IV
(0.3)
Gadobutrol
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
>0.31
-0.51
4247
694 1009
47
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
308 369
373
39
(7.3) (53.2) (37.0) (83.0)
3784
283
629
8
(89.1) (40.8) (62.3) (17.0)
155
42
7
0
(3.6) (6.1) (0.7)
Gadopentetate Gadodi- Gadodimeglumine amide versetamide
0.1
0.2
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
0.2
GdDOTA
0.1
1016
81
150
227
393
162
155
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
56
0
0
227
0
162
0
(5.5)
(100.0)
(100.0)
960
81
150
0
393
0
0
(94.5) (100.0) (100.0)
(100.0)
0
0
0
0
0
0
155
(100.0)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.2/2
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.2.3.1- 4 ガドブトロールの製剤濃度別被験者数:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Molarity
Dose: mmol/kg bw
Total
0.5 mmol/mL
1.0 mmol/mL
<0.09
289 (100.0)
22 ( 7.6)
267 ( 92.4)
≥0.09-0.11
4247 (100.0)
636 ( 15.0)
3611 ( 85.0)
Gadobutrol
>0.11-0.21
>0.21-0.31
694 (100.0) 1009 (100.0)
42 ( 6.1)
300 ( 29.7)
652 ( 93.9)
709 ( 70.3)
>0.31-0.51
47 (100.0)
2 ( 4.3)
45 ( 95.7)
Total
6286 (100.0)
1002 ( 15.9)
5284 ( 84.1)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.2/6
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.1.2.3.2
治験薬投与及び治験の完了状況
治験薬投与の完了状況を表 2.7.4.1.2.3.2- 1 及び表 2.7.4.1.2.3.2- 2 に示す。ガドブトロー
ル群 6,286 例中 6,264 例(99.7%)が投与を完了した。投与を中止した 22 例の理由は、同意撤回
2 例、治験実施計画書からの逸脱 2 例、有害事象 6 例、手技上の問題 2 例、その他 10 例であった。
その他の 10 例の内訳は、手技上の問題 4 例、臨床所見、被験者が落ち着かない(各 2 例)、皮下
に投与、初回投与後被験者が MRI 検査を拒否(各 1 例)であった。ガドジアミド群及び
gadoversetamide 群では各 1 例が投与を中止した。
ガドペンテト酸メグルミン群及びガドテリドー
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
20 of
133
ル群、Gd-DOTA 群では全例が投与を完了した。投与を中止した被験者の一覧を 5.3.5.3.2 PH-37818
Listing 2.1.8/1 に示す。
表 2.7.4.1.2.3.2- 1 投与の完了状況-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study medication
Dose: mmol/kg bw
Treated
Completed
Discontinuation
Withdrawal of
consent
Protocol deviation
AE
Technical problems
Other
Gadobutrol
≤0.51
6286
6264
22
2
2
6
2
10
Gadopentetate
dimeglumine
0.1-0.2
1097
1097
0
0
Gadodiamide
0.1
150
149
1
0
0
0
0
0
Gadoversetamide
0.1
227
226
1
0
0
0
0
1
0
0
1
0
Gadoteridol
0.1-0.2
555
555
0
0
GdDOTA
0.1
155
155
0
0
0
0
0
0
Total
8470
8446
24
2
0
0
0
0
2
6
3
11
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/7
表 2.7.4.1.2.3.2- 2 投与の完了状況-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study
Gadobutrol
medication
Dose:
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
mmol/kg bw
-0.11 -0.21 -0.31 -0.51
289 4247 694 1009
47
Treated
286 4237 688 1006
47
Completed
3
10
6
3
0
Discontinued
Withdrawal
0
2
0
0
0
of consent
Protocol
0
1
0
1
0
deviation
AE
1
3
1
1
0
Technical
1
1
0
0
0
problems
Other
1
3
5
1
0
Gadopentetate Gadodi- Gadover- Gadoteridol Gddimeglumine amide setamide
DOTA
0.1
0.2
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
1016
1016
0
0
81
81
0
0
150
149
1
0
227
226
1
0
393
393
0
0
162
162
0
0
155
155
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/6
試験の完了状況を表 2.7.4.1.2.3.2- 3 及び表 2.7.4.1.2.3.2- 4 に示す。ガドブトロール群 6,286
例中 6,180 例(98.3%)が試験を完了した。試験を中止した 106 例の理由は、同意撤回 16 例、選
択除外基準違反 3 例、治験実施計画書からの逸脱 9 例、有害事象 7 例、フォローアップ検査未終
了 50 例、その他 21 例であった。その他の 21 例の内訳は、造影剤(治験薬)未投与(8 例)、化
学療法(5 例)、被験者の手術(3 例)、被験者脱落又はフォローアップ検査未終了(2 例)、コ
ンピューター断層血管撮影(computed tomographic angiography:CTA)検査未実施、MRI 装置の
停止、不明(各 1 例)であった。試験を中止した被験者は、ガドペンテト酸メグルミン群 1,097
例中 5 例、ガドジアミド群 150 例中 1 例、gadoversetamide 群 227 例中 7 例、ガドテリドール群
555 例中 14 例、Gd-DOTA 群 155 例中 4 例であった。試験を中止した被験者の一覧を 5.3.5.3.2
PH-37818 Listing 2.1.8/2 に示す。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
21 of
133
表 2.7.4.1.2.3.2- 3 試験の完了状況-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study completion
Dose: mmol/kg bw
Treated
Completed
Discontinued
Withdrawal of
consent
In-/exclusion
criteria not met
Protocol deviation
AE
Death
Patient lost
Other
Gadobutrol Gadopentetate Gadodi- Gadover- Gadoteridol Gd-DOTA
dimeglumine
amide setamide
≤0.51
0.1-0.2
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
6286
1097
150
227
555
155
6180
1092
149
220
541
151
106
5
1
7
14
4
16
2
0
0
2
2
Total
8470
8333
137
22
3
0
0
0
0
0
3
9
7
0
50
21
1
2
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
2
4
4
2
1
1
4
1
0
0
1
0
16
11
1
55
29
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/9
表 2.7.4.1.2.3.2- 4 試験の完了状況-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study
Gadobutrol
completion
Dose:
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
mmol/kg bw
-0.11 -0.21 -0.31 -0.51
289 4247 694 1009
47
Treated
286 4189 675 993
37
Completed
3
58
19
16
10
Discontinued
Withdrawal
0
13
2
1
0
of consent
0
3
0
0
0
In-/exclusion
criteria not
met
Protocol
0
9
0
0
0
deviation
AE
1
6
0
0
0
Death
0
0
0
0
0
Patient lost
1
16
10
13
10
Other
1
11
7
2
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/8
Gadopentetate Gadodi- Gadover- Gadoteridol Gddimeglumine amide setamide
DOTA
0.1
0.2
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
1016
1016
0
0
81
76
5
2
150
149
1
0
227
220
7
0
393
381
12
2
162
160
2
0
155
151
4
2
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
4
0
1
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
1
0
0
0
2
4
1
0
1
4
1
1
0
0
0
0
1
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.2.4
Page
22 of
133
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
2.7.4.1.2.4.1
治験薬投与例数
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)、国際共同脳・脊髄
実薬対照第Ⅲ相試験(試験 310123、報告書 A47567)、国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260、報
告書 PH-37299)及び国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297、報告書 A51205)に
おいて、日本で治験に組み入れられた被験者を対象とし、併合解析を行った。
試験 310864 では 164 例、試験 310123 では 109 例、試験 16260 では 223 例、試験 13297 では 120
例の計 616 例が含まれた(表 2.7.4.1.2.4.1- 1)。
試験 310864 及び試験 310123 は本剤及びガドテリドールのクロスオーバー試験で、治験薬の規
定投与量は試験 310864 では 0.2mmol/kg、試験 310123 では 0.1mmol/kg であった。試験 16260 に
おける本剤の規定投与量は 0.1mmol/kg であった。試験 13297 では本剤及びガドペンテト酸メグル
ミンの規定投与量は 0.1mmol/kg であった。
各投与例数は、本剤 555 例、ガドペンテト酸メグルミン 57 例、ガドテリドール 269 例であった
(表 2.7.4.1.2.4.1- 2)。規定の用量範囲の治験薬が、本剤群の 1 例を除く全例に投与された。
表 2.7.4.1.2.4.1- 1 試験別被験者数:4 試験の国内被験者併合解析
Phase
Total
Phase II/III
Phase III
Study No.
Report No.
310864
13297
16260
310123
A41119
A51205
PH-37299
A47567
Subjects enrolled
616 (100.0)
164 ( 26.6)
120 ( 19.5)
223 ( 36.2)
109 ( 17.7)
Subjects analyed1
881 (100.0)
323 ( 36.7)
120 ( 13.6)
223 ( 25.3)
215 ( 24.4)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.1/1
Note1: Subjects from crossover studies (310123, 310864) were analyzed by period. Thus the number of analyzed subjects is
higher then the number of enrolled subjects.
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.2.4.1- 2 試験別及び用量別被験者数:4 試験の国内被験者併合解析
Study No.
Dose: mmol/kg bw
Total
310864
13297
16260
310123
Gadobutrol
≥0.09-0.11 >0.11-0.21 >0.21-0.31
394
160
1
0
160
1
63
0
0
223
0
0
108
0
0
Total
555
161
63
223
108
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
57
0
57
0
0
Gadoteridol
0.1
107
0
0
0
107
0.2
162
162
0
0
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.2/1, 2.3.2/2
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
Total
269
162
0
0
107
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.2.4.2
Page
23 of
133
治験薬投与及び治験の完了状況
治験薬投与の完了状況を表 2.7.4.1.2.4.2- 1 に示す。本剤群 555 例中 554 例が投与を完了した。
1 例は有害事象により投与を中止した。投与を中止した被験者の一覧を 5.3.5.3.2 PH-37818
Listing 2.3.7/1 に示す。
試験の完了状況を表 2.7.4.1.2.4.2- 2 に示す。本剤群 555 例中 551 例が試験を完了した。試験
を中止した 4 例の理由は、治験実施計画書からの逸脱 1 例、有害事象 2 例、その他(被験者の手
術)1 例であった。ガドペンテト酸メグルミン群では全例が試験を完了した。ガドテリドール群
では 269 例中 266 例が試験を完了した。試験を中止した被験者の一覧を 5.3.5.3.2 PH-37818
Listing 2.3.7/2 に示す。
表 2.7.4.1.2.4.2- 1 投与の完了状況:4 試験の国内被験者併合解析
Study medication
Gadobutrol
555
554
1
1
Treated
Completed
Discontinued
AE
Gadopentetate
dimeglumine
57
57
0
0
Gadoteridol
269
269
0
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.1/3
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
表 2.7.4.1.2.4.2- 2 試験の完了状況:4 試験の国内被験者併合解析
Study completion
Treated
Completed
Discontinued
Withdrawal of consent
Protocol deviation
AE
Death
Other
Gadobutrol
555
551
4
0
1
2
0
1
Gadopentetate
dimeglumine
57
57
0
0
0
0
0
0
Gadoteridol
269
266
3
1
0
1
1
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.1/5
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.3
2.7.4.1.3.1
Page
24 of
133
治験対象集団の人口統計学的特性及びその他の特性
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
2.7.4.1.3.1.1
人口統計学的特性
第Ⅰ相試験である計 9 試験における、人口統計学的特性を表 2.7.4.1.3.1.1- 1 に示す。ガドブ
トロール群 313 例中、男性が 233 例(74.4%)、女性が 80 例(25.6%)であった。ガドブトロー
ルのいずれの用量でも、男性の比率が女性よりも高かった。ガドブトロール群の約半数(55.6%)
が白人であり、アジア人が 16.9%、黒人 11.2%、不明 15.3%であった。ガドブトロール群の平
均年齢±標準偏差は 32.3±10.8 歳、平均体重は 72.6±13.5kg であった。
プラセボとの比較試験 6 試験における、人口統計学的特性を表 2.7.4.1.3.1.1- 2 に示す。プラ
セボ群では 68 例中、男性が 63 例(92.6%)、女性が 5 例(7.4%)であった。プラセボ群の約半
数(44.1%)が白人であり、アジア人が 13.2%、黒人 13.2%、不明 29.4%であった。プラセボ
群の平均年齢±標準偏差は 28.8±6.8 歳、平均体重は 75.2±12.4kg であった。
評価資料とした QT/QTc 評価を目的とした米国第Ⅰ相試験(試験 307362、報告書 A21381)の人
口統計学的特性は 2.7.6.3.2.1 を参照のこと。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
25 of
133
表 2.7.4.1.3.1.1- 1 人口統計学的特性-ガドブトロール投与例:第Ⅰ相試験併合解析
Gadobutrol (mmol/kg bw)
≤0.11
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
81 (100.0) 37 (100.0) 74 (100.0) 90 (100.0) 18 (100.0) 10 (100.0)
>1.51
Total
3 (100.0) 313 (100.0)
29 ( 78.4) 57 ( 77.0) 66 ( 73.3) 14 ( 77.8) 10 (100.0)
8 ( 21.6) 17 ( 23.0) 24 ( 26.7) 4 ( 22.2)
0
3 (100.0) 233 ( 74.4)
0 80 ( 25.6)
15 ( 40.5) 39 ( 52.7) 34 (
1 ( 2.7) 1 ( 1.4) 29 (
0
0 1(
15 ( 40.5) 25 ( 33.8) 3 (
0 1 ( 1.4) 1 (
6 ( 16.2) 8 ( 10.8) 22 (
3 (100.0) 174 ( 55.6)
0 35 ( 11.2)
0
1 ( 0.3)
0 53 ( 16.9)
0
2 ( 0.6)
0 48 ( 15.3)
No. of
subjects (%)
Sex, n (%)
male
54 ( 66.7)
female
27 ( 33.3)
Race, n (%)
Caucasian 58 ( 71.6)
Black
2 ( 2.5)
Hispanic
0
Asian
9 ( 11.1)
Other
0
Missing
12 ( 14.8)
Age, years
Mean ± SD 36.4 ± 16.9
Min–Max
20–72
Age, categories,
n (%)
≥18, <45 yrs 64 ( 79.0)
≥45, <65 yrs 2 ( 2.5)
≥65, <80 yrs 15 ( 18.5)
Body weight, kg
Mean ± SD 69.2 ± 12.2
Min–Max 50.0–101.4
Body weight,
categories, n (%)
<60kg
22 ( 27.2)
≥60, <90kg 55 ( 67.9)
≥90kg
4 ( 4.9)
Height, cm
Mean ± SD
172.5
± 10.2
Min–Max
150.0
–201.0
25.1 ± 3.8 31.3 ± 6.3
20–36
20–45
37.8) 15 ( 83.3) 10 (100.0)
32.2) 2 ( 11.1)
0
1.1)
0
0
3.3) 1 ( 5.6)
0
1.1)
0
0
24.4)
0
0
32.0 ± 8.1 32.7 ± 6.4 36.9 ± 5.5 31.0 ± 1.0 32.3 ± 10.8
19–60
22–45
29–44
30–32
19–72
37 (100.0) 71 ( 95.9) 83 ( 92.2) 17 ( 94.4) 10 (100.0)
0 3 ( 4.1) 7 ( 7.8) 1 ( 5.6)
0
0
0
0
0
0
3 (100.0)
0
0
285 (91.1)
13 ( 4.2)
15 ( 4.8)
63.2 ± 10.0 71.9 ± 13.0 80.0 ± 14.1 73.3 ± 9.5 74.5 ± 7.8 67.0 ± 2.7 72.6 ± 13.5
46.5–83.2 47.0–108.0 50.9–115.0 49.5–84.0 62.0–88.0 65.0–70.0 46.5–115.0
17 ( 45.9) 12 ( 16.2) 7 ( 7.8) 2 ( 11.1)
0
20 ( 54.1) 55 ( 74.3) 61 ( 67.8) 16 ( 88.9) 10 (100.0)
0 7 ( 9.5) 22 ( 24.4)
0
0
172.2
± 7.2
160.0
–187.0
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 15
176.2
± 8.6
158.0
–196.0
174.4
± 10.3
155.2
–198.0
175.5
± 9.7
156.5
–188.0
180.0
± 6.5
166.0
–188.0
0 60 ( 19.2)
3 (100.0) 220 ( 70.3)
0 33 ( 10.5)
174.7
± 1.2
174.0
–176.0
174.3
± 9.5
150.0
–201.0
2.7.4 臨床的安全性
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26 of
133
表 2.7.4.1.3.1.1- 2 人口統計学的特性-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
No. of subjects (%)
Sex, n (%)
Male
Female
Race, n (%)
Caucasian
Black
Hispanic
Asian
Other
Missing
Age, years
Mean ± SD
Min–Max
Age, categories, n (%)
≥18, <45 yrs
≥45, <65 yrs
Body weight, kg
Mean ± SD
Min–Max
Body weight, categories, n (%)
<60kg
≥60, <90kg
≥90kg
Height, cm
Mean ± SD
Min–Max
Gadobutrol
194 (100.0)
Placebo
68 (100.0)
Total
262 (100.0)
179 ( 92.3)
15 ( 7.7)
63 ( 92.6)
5 ( 7.4)
242 ( 92.4)
20 ( 7.6)
30 ( 44.1)
9 ( 13.2)
0
9 ( 13.2)
0
20 ( 29.4)
118 (
30 (
1(
43 (
2(
68 (
88 (
21 (
1(
34 (
2(
48 (
45.4)
10.8)
0.5)
17.5)
1.0)
24.7)
45.0)
11.5)
0.4)
16.4)
0.8)
26.0)
29.6 ± 6.9
19–51
28.8 ± 6.8
22–60
29.4 ± 6.9
19–60
188 ( 96.9)
6 ( 3.1)
66 ( 97.1)
2 ( 2.9)
254 ( 96.9)
8 ( 3.1)
74.1 ± 12.2
46.5–104.1
75.2 ± 12.4
49.5–106.3
74.4 ± 12.3
46.5–106.3
24 ( 12.4)
151 ( 77.8)
19 ( 9.8)
5 ( 7.4)
53 ( 77.9)
10 ( 14.7)
29 ( 11.1)
204 ( 77.9)
29 ( 11.1)
176.4 ± 8.5
156.4–201.0
179.5 ± 8.8
155.2–198.0
177.2 ± 8.7
155.2–201.0
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 16
2.7.4.1.3.1.2
治験実施地域
治験実施地域別の被験者数を表 2.7.4.1.3.1.2- 1 に示す。ガドブトロール群 313 例の治験実施
地域の内訳は、ヨーロッパ 196 例(62.6%)、米国 61 例(19.5%)、日本 56 例(17.9%)であっ
た。
プラセボとの比較試験では、ガドブトロール群 194 例の内訳はヨーロッパ 100 例(51.5%)、
日本 56 例(28.9%)、米国 38 例(19.6%)、プラセボ群 68 例の内訳は、ヨーロッパ 39 例(57.4%)、
日本 16 例(23.5%)、米国 13 例(19.1%)であった(表 2.7.4.1.3.1.2- 2)。
表 2.7.4.1.3.1.2- 1 実施地域別被験者数-ガドブトロール投与例:第Ⅰ相試験併合解析
Region/
Country
Total
Europe
Japan
USA
≤0.11
81 (100.0)
59 ( 72.8)
21 ( 25.9)
1 ( 1.2)
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
37 (100.0) 74 (100.0) 90 (100.0) 18 (100.0) 10 (100.0)
16 ( 43.2) 65 ( 87.8) 31 ( 34.4) 12 ( 66.7) 10 (100.0)
21 ( 56.8) 8 ( 10.8) 6 ( 6.7)
0
0
0 1 ( 1.4) 53 ( 58.9) 6 ( 33.3)
0
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 15
Percentages of subjects are shown in parentheses.
>1.51
Total
3 (100.0) 313 (100.0)
3 (100.0) 196 ( 62.6)
0 56 ( 17.9)
0 61 ( 19.5)
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.1.3.1.2- 2 実施地域別被験者数-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
Region/Country
Total
Europe
Japan
USA
Gadobutrol
194 (100.0)
100 ( 51.5)
56 ( 28.9)
38 ( 19.6)
Placebo
68 (100.0)
39 ( 57.4)
16 ( 23.5)
13 ( 19.1)
Total
262 (100.0)
139 ( 53.1)
72 ( 27.5)
51 ( 19.5)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 16
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.1.3.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
国内第Ⅰ相試験(試験 310865)における、人口統計学的特性を表 2.7.4.1.3.2- 1 に示す。被
験者全員がアジア人(日本人)の男性であった。治験薬が投与された 40 例の平均年齢±標準偏差
は 25±3 歳、平均身長は 173±6cm、平均体重は 63.3±7.8kg であった。
表 2.7.4.1.3.2- 1 人口統計学的特性:国内第Ⅰ相試験
Age (years)
Mean ± SD
Min–Max
0.1
(n = 8)
24 ± 4
21–32
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
0.1 + 0.1
(n = 8)
(n = 8)
(n = 8)
25 ± 3
24 ± 4
24 ± 2
21–31
20–29
20–26
Placebo
(n = 8)
Total
(n = 40)
26 ± 5
22–34
25 ± 3
20–34
Body weight (kg) Mean ± SD
Min–Max
65.3 ± 7.2
53.5–74.8
58.9 ± 5.4
53.0–70.0
58.9 ± 5.8
47.9–67.2
67.2 ± 6.5
60.1–77.0
66.3 ±10.2
53.4–85.9
63.3 ± 7.8
47.9–85.9
Mean ± SD
Min–Max
171 ± 3
167–174
172 ± 5
165–181
171 ± 6
159–177
173 ± 4
165–179
178 ± 8
165–186
173 ± 6
159–186
Height (cm)
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Table 5
All subjects were Asian men.
2.7.4.1.3.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
2.7.4.1.3.3.1
人口統計学的特性
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験における、人口統計学的特性を表 2.7.4.1.3.3.1- 1 及び表 2.7.4.1.3.3.12 にまとめる。
ガドブトロール群 6,286 例中、男性が 3,106 例(49.4%)、女性が 3,180 例(50.6%)であっ
た。男性の比率は、ガドペンテト酸メグルミン群では 56.5%、ガドジアミド群 54.0%、
gadoversetamide 群 44.1%、ガドテリドール群 46.8%、Gd-DOTA 群 51.0%であった。ガドブトロー
ルのいずれの用量でも、男性の比率が約 43~72%であった。
ガドブトロール群の 59.8%が白人であり、アジア人は 30.5%であった。ガドペンテト酸メグル
ミン群では 46.5%が白人、53.2%がアジア人、ガドジアミド群では 99.3%が白人、アジア人なし、
gadoversetamide 群では 45.8%が白人、0.9%がアジア人、ガドテリドール群では 41.1%が白人、
2.7.4 臨床的安全性
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49.0%がアジア人、Gd-GOTA 群は白人のみであった。ガドブトロールのいずれの用量でも、白人
の比率が最も高く(54.3~95.7%)、次いでアジア人(4.3~34.7%)であった。
ガドブトロール群の平均年齢±標準偏差は 55.0±15.8 歳であった。ガドペンテト酸メグルミン
群の平均年齢は 57.0±13.8 歳、ガドジアミド群 53.1±15.4 歳、gadoversetamide 群 46.4±15.5
歳、ガドテリドール群 54.0±15.4 歳、Gd-GOTA 群では 59.8±12.0 歳であり、gadoversetamide 群
では平均年齢が若干低かった。ガドブトロール群 6,286 例中、45 歳以上 80 歳未満が 4,681 例
(74.5%)であり、18 歳未満が 140 例(2.2%)、80 歳以上が 151 例(2.4%)であった。ガドブ
トロール以外の治験薬群には 18 歳未満の被験者は含まれなかった。ガドブトロールのいずれの用
量でも平均年齢は同様であった。ガドブトロールのいずれの用量でも 45 歳以上 80 歳未満の被験
者が大部分を占め、0.21mmol/kg 以下の用量群のみに 18 歳未満の被験者が含まれた。
ガドブトロール群の平均体重±標準偏差は 69.3±16.5kg であった。他の治験薬群でも、平均体
重はガドブトロール群と同程度であった。
評価資料とした試験の人口統計学的特性について、国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260、報
告書 PH-37299)は 2.7.6.9.2.3、国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124、報告書 A47570)は
2.7.6.10.2.3、国外脳・脊髄実薬対照第Ⅱ相試験(試験 308200、報告書 A40524)は 2.7.6.11.2.3、
国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)は 2.7.6.12.2.3、国
際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297、報告書 A51205)は 2.7.6.14.2.3、国外腎
臓実薬対照第Ⅲ相試験(試験 304561、報告書 A18088)は 2.7.6.15.2.3、国外躯幹部動脈 MRA 第
Ⅲ相試験(試験 97099、報告書 A04519)は 2.7.6.16.2.3、国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759、
報告書 PH-37227)は 2.7.6.17.2.3 を参照のこと。
2.7.4 臨床的安全性
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133
表 2.7.4.1.3.3.1- 1 人口統計学的特性-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
≤0.51
0.1-0.2
Dose:
mmol/kg bw
Sex, n (%)
No. of subjects 6286 (100.0)
Male
3106 ( 49.4)
Female
3180 ( 50.6)
Race, n (%)
No. of subjects 6286 (100.0)
Caucasian
3759 ( 59.8)
Black
93 ( 1.5)
Hispanic
345 ( 5.5)
Asian
1919 ( 30.5)
Other
170 ( 2.7)
Age, years
No. of subjects
6286
Mean ± SD
55.0 ± 15.8
Min–Max
2–93
Age categories,
n (%)
No. of subjects 6286 (100.0)
≥2, <7 yrs
46 ( 0.7)
≥7, <12 yrs
44 ( 0.7)
≥12, <18 yrs
50 ( 0.8)
≥18, <45 yrs 1314 ( 20.9)
≥45, <65 yrs 2905 ( 46.2)
≥65, <80 yrs 1776 ( 28.3)
≥80 yrs
151 ( 2.4)
Body weight, kg
No. of subjects
6282
Mean ± SD
69.3 ± 16.5
Min–Max
10.7–145.2
Body weight
categories, n (%)
No. of subjects 6286 (100.0)
<60 kg
1709 ( 27.2)
≥60, <90 kg 3844 ( 61.2)
≥90 kg
729 ( 11.6)
missing
4 ( <0.1)
Height, cm
No. of subjects
5303
Mean ± SD 166.0 ± 11.6
Min–Max
87.0–200.0
Gadodiamide
0.1
Gadover- Gadoteridol Gd-DOTA
setamide
0.1
0.1-0.2
Total
0.1
1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
620 ( 56.5) 81 ( 54.0) 100 ( 44.1) 260 ( 46.8) 79 ( 51.0) 4246 ( 50.1)
477 ( 43.5) 69 ( 46.0) 127 ( 55.9) 295 ( 53.2) 76 ( 49.0) 4224 ( 49.9)
1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
510 ( 46.5) 149 ( 99.3) 104 ( 45.8) 228 ( 41.1) 155 (100.0) 4905 ( 57.9)
0
1 ( 0.7) 18 ( 7.9) 23 ( 4.1)
0 135 ( 1.6)
2 ( 0.2)
0 11 ( 4.8) 31 ( 5.6)
0 389 ( 4.6)
584 ( 53.2)
0
2 ( 0.9) 272 ( 49.0)
0 2777 ( 32.8)
1 ( <0.1)
0 92 ( 40.5)
1 ( 0.2)
0 264 ( 3.1)
1097
150
227
57.0 ± 13.8 53.1 ± 15.4 46.4 ± 15.5
18–89
19–86
18–80
555
155
54.0 ± 15.4 59.8 ± 12.0
18–88
19-83
8470
55.0 ± 15.5
2-93
1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
0
0
0
0
0
46 ( 0.5)
0
0
0
0
0
44 ( 0.5)
0
0
0
0
0
50 ( 0.6)
200 ( 18.2) 47 ( 31.3) 106 ( 46.7) 153 ( 27.6) 13 ( 8.4) 1833 ( 21.6)
552 ( 50.3) 65 ( 43.3) 90 ( 39.6) 241 ( 43.4) 82 ( 52.9) 3935 ( 46.5)
318 ( 29.0) 35 ( 23.3) 30 ( 13.2) 141 ( 25.4) 59 ( 38.1) 2359 ( 27.9)
27 ( 2.5)
3 ( 2.0)
1 ( 0.4) 20 ( 3.6)
1 ( 0.6) 203 ( 2.4)
1097
150
227
68.3 ± 15.7 72.4 ± 13.1 71.7 ± 15.4
34.5–135.0 44.8–101.6 39.0–126.0
555
155
68.2 ± 19.8 72.7 ± 14.4
30.9–145.0 45.0–110.0
8466
69.3 ± 16.5
10.7–145.2
1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
337 ( 30.7) 21 ( 14.0) 45 ( 19.8) 222 ( 40.0) 27 ( 17.4) 2361 ( 27.9)
646 ( 58.9) 110 ( 73.3) 149 ( 65.6) 248 ( 44.7) 105 ( 67.7) 5102 ( 60.2)
114 ( 10.4) 19 ( 12.7) 33 ( 14.5) 85 ( 15.3) 23 ( 14.8) 1003 ( 11.8)
0
0
0
0
0
4 ( <0.1)
852
150
213
555
155
7228
168.0 ± 9.4 171.4 ± 9.2 165.9 ± 9.7 165.2 ± 10.6 166.9 ± 8.9 166.3 ± 11.2
141.8–196.0 150.0–196.0 145.0–198.0 135.0–200.0 146.0–193.0 87.0–200.0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/11
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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30 of
133
表 2.7.4.1.3.3.1- 2 人口統計学的特性-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol
Dose:
mmol/kg bw
Sex, n (%)
No. of subjects
Male
Female
Race, n (%)
No. of subjects
Caucasian
Black
Hispanic
Asian
Other
Age, years
No. of subjects
Mean ± SD
Min–Max
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
>0.31
-0.51
Gadodiamide
0.1
Gadoversetamide
0.1
Gadoteridol
<0.09
≥0.09
-0.11
289
(100.0)
200
( 69.2)
89
( 30.8)
4247
(100.0)
1820
( 42.9)
2427
( 57.1)
694
(100.0)
437
( 63.0)
257
( 37.0)
1009
(100.0)
615
( 61.0)
394
( 39.0)
47
(100.0)
34
( 72.3)
13
( 27.7)
1016
(100.0)
568
( 55.9)
448
( 44.1)
81
(100.0)
52
( 64.2)
29
( 35.8)
150
(100.0)
81
( 54.0)
69
( 46.0)
227
(100.0)
100
( 44.1)
127
( 55.9)
393
(100.0)
172
( 43.8)
221
( 56.2)
162
(100.0)
88
( 54.3)
74
( 45.7)
155
(100.0)
79
( 51.0)
76
( 49.0)
289
(100.0)
230
( 79.6)
6
( 2.1)
4
( 1.4)
22
( 7.6)
27
( 9.3)
4247
(100.0)
2308
( 54.3)
77
( 1.8)
332
( 7.8)
1475
( 34.7)
55
( 1.3)
694
(100.0)
439
( 63.3)
6
( 0.9)
6
( 0.9)
241
( 34.7)
2
( 0.3)
1009
(100.0)
737
( 73.0)
4
( 0.4)
3
( 0.3)
179
( 17.7)
86
( 8.5)
47
(100.0)
45
( 95.7)
0
1016
(100.0)
510
( 50.2)
0
81
(100.0)
0
0
0
393
(100.0)
228
( 58.0)
23
( 5.9)
31
( 7.9)
110
( 28.0)
1
( 0.3)
155
(100.0)
155
(100.0)
0
2
0.2)
503
( 49.5)
1
( <0.1)
227
(100.0)
104
( 45.8)
18
( 7.9)
11
( 4.8)
2
( 0.9)
92
( 40.5)
162
(100.0)
0
0
150
(100.0)
149
( 99.3)
1
( 0.7)
0
0
0
162
(100.0)
0
0
289
56.8
± 14.7
2–84
4247
53.8
± 16.3
2–93
694
59.3
± 13.7
2–90
1009
56.4
± 14.8
18–90
47
60.9
± 13.8
22–82
227
46.4
± 15.5
18–80
393
50.8
± 15.6
18–84
162
61.6
± 11.8
27–88
155
59.8
± 12.0
19–83
0
(
(
2
4.3)
0
1016
57.4
± 13.8
18–89
81
(100.0)
0
0
81
52.9
± 13.0
19–77
150
53.1
± 15.4
19–86
0
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
31 of
133
表 2.7.4.1.3.3.1- 2 人口統計学的特性-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
Gadobutrol
Dose:
mmol/kg bw
Age categories,
n (%)
No. of subjects
<0.09
≥0.09
-0.11
289
(100.0)
2
( 0.7)
0
≥12, <18 yrs
0
≥18, <45 yrs
56
( 19.4)
133
( 46.0)
93
( 32.2)
5
( 1.7)
4247
(100.0)
38
( 0.9)
44
( 1.0)
50
( 1.2)
949
( 22.3)
1948
( 45.9)
1123
( 26.4)
95
( 2.2)
289
75.3
± 17.0
12.0
–130.0
4245
68.9
± 16.9
10.7
–145.2
≥2, <7 yrs
≥7, <12 yrs
≥45, <65 yrs
≥65, <80 yrs
≥80 yrs
Body weight, kg
No. of subjects
Mean ± SD
Min–Max
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
>0.31
-0.51
Gadodiamide
0.1
Gadoversetamide
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
694
(100.0)
6
( 0.9)
0
1009
(100.0)
0
47
(100.0)
0
1016
(100.0)
0
81
(100.0)
0
150
(100.0)
0
227
(100.0)
0
393
(100.0)
0
162
(100.0)
0
155
(100.0)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
83
( 12.0)
348
( 50.1)
233
( 33.6)
24
( 3.5)
220
( 21.8)
456
( 45.2)
309
( 30.6)
24
( 2.4)
6
( 12.8)
20
( 42.6)
18
( 38.3)
3
( 6.4)
183
( 18.0)
495
( 48.7)
311
( 30.6)
27
( 2.7)
17
( 21.0)
57
( 70.4)
7
( 8.6)
0
47
( 31.3)
65
( 43.3)
35
( 23.3)
3
( 2.0)
106
( 46.7)
90
( 39.6)
30
( 13.2)
1
( 0.4)
141
( 35.9)
160
( 40.7)
83
( 21.1)
9
( 2.3)
12
7.4)
81
( 50.0)
58
( 35.8)
11
( 6.8)
13
8.4)
82
( 52.9)
59
( 38.1)
1
( 0.6)
692
69.3
± 16.3
11.0
–125.0
1009
69.3
± 14.4
33.0
–133.0
47
72.6
± 13.4
44.0
–102.0
1016
68.5
± 15.9
34.5
–135.0
81
64.7
± 12.4
40.0
–110.0
150
72.4
± 13.1
44.8
–101.6
227
71.7
± 15.4
39.0
–126.0
393
72.9
± 20.4
30.9
–145.0
162
56.9
± 12.2
33.0
–93.0
155
72.7
± 14.4
45.0
–110.0
(
(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
32 of
133
表 2.7.4.1.3.3.1- 2 人口統計学的特性-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
Gadobutrol
Dose:
<0.09
mmol/kg bw
Body weight
categories, n (%)
No. of subjects
289
(100.0)
<60 kg
37
( 12.8)
≥60,<90 kg
197
( 68.2)
≥90 kg
55
( 19.0)
missing
0
Height, cm
No. of subjects
Mean ± SD
Min–Max
263
169.6
± 11.3
87.0
–197.0
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
>0.31
-0.51
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
Gadodiamide
0.1
Gadoversetamide
0.1
Gadoteridol
0.1
0.2
GdDOTA
0.1
4247
(100.0)
1233
( 29.0)
2500
( 58.9)
512
( 12.1)
2
( <0.1)
694
(100.0)
183
( 26.4)
447
( 64.4)
62
( 8.9)
2
( 0.3)
1009
(100.0)
248
( 24.6)
666
( 66.0)
95
( 9.4)
0
47
(100.0)
8
( 17.0)
34
( 72.3)
5
( 10.6)
0
1016
(100.0)
306
( 30.1)
600
( 59.1)
110
( 10.8)
0
81
(100.0)
31
( 38.3)
46
( 56.8)
4
( 4.9)
0
150
(100.0)
21
( 14.0)
110
( 73.3)
19
( 12.7)
0
227
(100.0)
45
( 19.8)
149
( 65.6)
33
( 14.5)
0
393
(100.0)
121
( 30.8)
190
( 48.3)
82
( 20.9)
0
162
(100.0)
101
( 62.3)
58
( 35.8)
3
( 1.9)
0
155
(100.0)
27
( 17.4)
105
( 67.7)
23
( 14.8)
0
3477
164.6
± 12.0
87.0
–200.0
673
166.9
± 11.9
87.5
–193.0
843
169.5
± 8.6
140.0
–200.0
47
170.6
± 9.8
152.0
–189.0
771
168.2
± 9.6
141.8
–196.0
81
165.8
± 7.9
145.0
–181.0
150
171.4
± 9.2
150.0
–196.0
213
165.9
± 9.7
145.0
–198.0
393
167.0
± 10.8
138.0
–200.0
162
160.8
± 8.7
135.0
–181.0
155
166.9
± 8.9
146.0
–193.0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/10
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.3.3.2
Page
33 of
133
アレルギー歴
アレルギー歴(造影剤に対するアレルギー歴を含む)及び造影剤に対するアレルギー歴のある
被験者数及びその割合を表 2.7.4.1.3.3.2- 1 及び表 2.7.4.1.3.3.2- 2 に示す。ガドブトロール
を投与した 6,286 例中アレルギー歴のある被験者は 707 例(11.2%)、造影剤に対するアレルギー
歴のある被験者は 24 例(0.4%)であった。
表 2.7.4.1.3.3.2- 1 アレルギー歴及び造影剤に対するアレルギー歴のある被験者数
-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
Dose:
≤0.51
mmol/kg bw
6286 (100.0)
Total
707 ( 11.2)
Allergies
24 ( 0.4)
Allergies to
contrast
agents
Gadodiamide
Gadoversetamide
Gadoteridol
Gd-DOTA
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
0.1-0.2
Total
1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
124 ( 11.3) 18 ( 12.0) 34 ( 15.0) 93 ( 16.8)
6 ( 3.9) 982 ( 11.6)
9 ( 0.8)
0
1 ( 0.4)
4 ( 0.7)
0
38 ( 0.4)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/25, Table 2.1.1/27
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.3.3.2- 2 アレルギー歴及び造影剤に対するアレルギー歴のある被験者数
-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol
Dose:
mmol/
kg bw
Total
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21 >0.31
-0.31 -0.51
289 4247
694 1009
47
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
28
472
93
106
8
Allergies
(9.7) (11.1) (13.4) (10.5) (17.0)
0
16
4
3
1
Allergies
(0.4) (0.6) (0.3) (2.1)
to
contrast
agents
GdGadopentetate Gadodi- Gado- Gadoteridol
DOTA
dimeglumine amide versetamide
0.1
0.2
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
1016
81
150
227
393
162
155
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
122
2
18
34
74
19
6
(12.0) (2.5) (12.0) (15.0) (18.8) (11.7) (3.9)
9
0
0
1
3
1
0
(0.9)
(0.4) (0.8) (0.6)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/24, Table 2.1.1/26
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.1.3.3.3
前治療及び併用療法
前 治 療 又 は 併 用 療 法 が 行 わ れ た 被 験 者 数 と そ の 割 合 を 表 2.7.4.1.3.3.3- 1 及 び 表
2.7.4.1.3.3.3- 2 に示す。ガドブトロール群 6,286 例中、4,964 例(79.0%)で前治療又は併用
療法が行われた。
前治療又は併用療法で用いられた薬剤別の被験者数を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table
2.1.1/28 及び Table 2.1.1/29 に示す。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
34 of
133
表 2.7.4.1.3.3.3- 1 前治療及び併用療法を行った被験者数-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
Gadodiamide
Gadoversetamide
Gadoteridol
GdDOTA
Total
Dose:
≤0.51
0.1-0.2
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
mmol/kg bw
6286 (100.0) 1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
Total
Concomitant 4964 ( 79.0) 767 ( 69.9) 126 ( 84.0) 205 ( 90.3) 515 ( 92.8) 126 ( 81.3) 6703 ( 79.1)
medication
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/29
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.3.3.3- 2 前治療及び併用療法を行った被験者数-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol
Dose:
mmol/kg bw
Total
Concomitant
medication
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21
-0.11 -0.21 -0.31
289 4247
694 1009
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
260 3197
616
844
(90.0) (75.3) (88.8) (83.6)
>0.31
-0.51
47
(100.0)
47
(100.0)
Gadopentetate Gadodi- Gado- Gadoteridol Gddimeglumine amide versetDOTA
amide
0.1
0.2
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
1016
81
150
227
393
162
155
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
699
68
126
205
361
154
126
(68.8) (84.0) (84.0) (90.3) (91.9) (95.1) (81.3)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/28
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.1.3.3.4
治験実施地域
治験実施地域別の被験者数を表 2.7.4.1.3.3.4- 1 及び表 2.7.4.1.3.3.4- 2 に示す。ガドブト
ロール群 6,286 例の治験実施地域の内訳は、ヨーロッパ 3,497 例(55.6%)、アジア 1,890 例
(30.1%)、米国/カナダ 461 例(7.3%)、中南米 429 例(6.8%)、オーストラリア 9 例(0.1%)
であった。アジア 1,890 例のうち、1,201 例が日本であった。ガドペンテト酸メグルミン群の投
与地域はアジアが 53.2%、ヨーロッパが 46.8%、ガドジアミド群では全例がヨーロッパ、
gadoversetamide 群では中南米 67.8%、
米国/カナダ 32.2%、
ガドテリドール群ではアジア 48.5%、
ヨーロッパ 22.7%、米国/カナダ 21.8%、中南米 5.4%、オーストラリア 1.6%、Gd-DOTA 群で
は全例がヨーロッパであった。比較薬についても、アジアの実施例のうち大部分が日本で実施さ
れた。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
35 of
表 2.7.4.1.3.3.4- 1 実施地域別被験者数-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Region/
Country
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
Dose:
mmol/kg bw
Total
Europe
Asia
(including
Japan)
Japan
USA/
Canada
South/
Central
America
Australia
≤0.51
0.1-0.2
6286 (100.0) 1097 (100.0)
3497 ( 55.6) 513 ( 46.8)
1890 ( 30.1) 584 ( 53.2)
Gadodiamide
Gadoversetamide
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
Total
150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
150 (100.0)
0
126 ( 22.7) 155 (100.0) 4441 ( 52.4)
0
0
269 ( 48.5)
0
2743 ( 32.4)
1201
461 (
7.3)
300
0
0
0
429 (
6.8)
0
0
9(
0.1)
0
0
0
269
73 ( 32.2) 121 ( 21.8)
154 ( 67.8)
0
0
0
1770
655 (
7.7)
30 (
5.4)
0
613 (
7.2)
9(
1.6)
0
18 (
0.2)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/11, Table 2.2.1/7
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.1.3.3.4- 2 実施地域別被験者数-用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Region/
Country
Gadobutrol
Dose:
mmol/kg
bw
Total
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
-0.11 -0.21 -0.31 -0.51
Europe
289 4247
694 1009
47
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
199 2058
434
761
45
(68.9) (48.5) (62.5) (75.4) (95.7)
20 1452
240
176
2
(6.9) (34.2) (34.6) (17.4) (4.3)
Asia
(incl.
Japan)
20
Japan
20
USA/
(6.9)
Canada
50
South/
Central (17.3)
America
0
Australia
Gadopentet- Gadodi- Gadoate
amide versetdimeglumine
amide
0.1
0.2
0.1
0.1
0.1
0.2
GdDOTA
0.1
1016
81
150
227
393
162
155
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
513
0
150
0
126
0
155
(50.5)
(100.0)
(32.1)
(100.0)
0
0
107
162
0
503
81
(49.5) (100.0)
(27.2) (100.0)
844
401
(9.4)
328
(7.7)
175
18
(2.6)
1
(0.1)
162
22
(2.2)
50
(5.0)
0
0
300
0
0
0
0
0
0
0
8
(0.2)
1
(0.1)
0
0
0
0
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/10, Table 2.2.1/6
Percentages of subjects are shown in parentheses.
Gadoteridol
73
(32.2)
154
(67.8)
0
107
121
(30.8)
30
(7.6)
162
0
0
0
0
9
(2.3)
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.1.3.4
Page
36 of
133
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
人口統計学的特性を表 2.7.4.1.3.4- 1 に示す。本剤群 555 例全例がアジア人であり、男性が
282 例(50.8%)、女性が 273 例(49.2%)であった。本剤群では、平均年齢±標準偏差は 62.0
±13.3 歳、平均身長±標準偏差は 159.9±9.0cm、平均体重±標準偏差は 57.8±11.9kg であり、
ガドペンテト酸メグルミン群、ガドテリドール群でも同様であった。
表 2.7.4.1.3.4- 1 人口統計学的特性:4 試験の国内被験者併合解析
Gadobutrol
Asian
555 (100.0)
555 (100.0)
Gadopentetate
dimeglumine
57 (100.0)
57 (100.0)
Sex, n (%)
Male
Female
282 ( 50.8)
273 ( 49.2)
26 ( 45.6)
31 ( 54.4)
133 ( 49.4)
136 ( 50.6)
Age
Mean ± SD
Median, Min−Max
62.0 ± 13.3
64.0, 19−88
62.5 ± 12.5
64.0, 34−85
60.9 ± 12.9
63.0, 19−88
Body weight
(kg)
Mean ± SD
Median, Min−Max
57.8 ± 11.9
57.0, 30.9−113.3
60.3 ± 12.3
58.0, 39.0−97.0
56.3 ± 11.9
55.0, 30.9−93.0
Height (cm)
Mean ± SD
Median, Min−Max
159.9 ± 9.0
160.0, 133.0−185.5
158.8 ± 9.0
158.5, 141.8−180.3
160.3 ± 8.8
160.0, 135.0−181.0
Total
Race, n (%)
Gadoteridol
269 (100.0)
269 (100.0)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.1/7
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2
Page
37 of
133
有害事象
2.7.4.2.1
2.7.4.2.1.1
2.7.4.2.1.1.1
有害事象の解析
比較的よく見られる有害事象
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
有害事象発現率
ガドブトロール群(313 例)で 0.5%以上の発現率でみられた有害事象について、用量別の発現
例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.1- 1 に示す。ガドブトロール群 313 例中 144 例(46.0%)に
337 件の有害事象がみられた。ガドブトロール群で最も高頻度に報告された有害事象は味覚異常
(10.9%)で、次いで頭痛(8.3%)、熱感(7.7%)、悪心(7.0%)であった。これら以外の有
害事象の発現率は 5%未満であった。いずれの有害事象についても、用量と発現率に明らかな相
関性はみられなかった。嗅覚錯誤は開発初期の第Ⅰ相試験で発現率が高かったが、現在の製造方
法(2.3.S.2.6 製造工程の開発の経緯)ではほとんどみられていない。
プラセボ群との比較試験では、ガドブトロール群 194 例中 91 例(46.9%)に 196 件、プラセボ
群 68 例中 20 例(29.4%)に 40 件の有害事象がみられた(表 2.7.4.2.1.1.1- 2)。プラセボ群
で最も高頻度に報告された有害事象は、注射部位冷感(5.9%)であった。
評価資料とした QT/QTc 評価を目的とした米国第Ⅰ相試験(試験 307362、報告書 A21381)でみ
られた有害事象は 2.7.6.3.2.4 を参照のこと。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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38 of
133
表 2.7.4.2.1.1.1- 1 全体の発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)
-ガドブトロール群:第Ⅰ相試験併合解析
Primary System
Organ Class
Preferred Term
Number of
subjects
Subjects with
any AE
Total number of
AEs
Gastrointestinal
disorders
Abdominal pain
Abdominal
pain upper
Diarrhoea
Dyspepsia
Nausea
Vomiting
General
disorders and
administration
site conditions
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11
>0.21
>0.31
>0.51
>1.01
>1.51
Total
-0.21
-0.31
-0.51
-1.01
-1.51
81 (100.0) 37 (100.0) 74 (100.0) 90 (100.0) 18 (100.0) 10 (100.0) 3 (100.0) 313 (100.0)
≤0.11
26 ( 32.1) 16 ( 43.2) 29 ( 39.2) 54 ( 60.0) 12 ( 66.7)
49
胃腸障害
腹痛
上腹部痛
5(
6.2)
0
0
49
3(
50
8.1) 6 (
0
0
1(
1 ( 1.2)
0 2(
下痢
0
0
消化不良
2 ( 2.5) 3 ( 8.1) 3 (
悪心
2 ( 2.5)
0
嘔吐
全身障害 11 ( 13.6) 10 ( 27.0) 12 (
および投
与局所様
態
0
0
Application site
適用部位
dermatitis
皮膚炎
Catheter site
カテーテ 1 ( 1.2) 1 ( 2.7)
pain
ル留置部
位疼痛
0
0 1(
Chest
胸部不快
discomfort
感
Fatigue
0 4 ( 10.8)
疲労
Feeling cold
1 ( 1.2)
0 2(
冷感
Feeling hot
0
0 5(
熱感
Injection site
0 2 ( 5.4) 1 (
注射部位
coldness
冷感
Injection site
0
注射部位 2 ( 2.5)
pain
疼痛
Injection site
0 1(
注射部位 1 ( 1.2)
warmth
熱感
Pain
1 ( 1.2) 1 ( 2.7) 1 (
疼痛
Pyrexia
0 4 ( 10.8)
発熱
Vessel puncture 血管穿刺 3 ( 3.7)
0
site haematoma
部位血腫
Vessel puncture 血管穿刺 2 ( 2.5)
0
site pain
部位疼痛
Investigations
1 ( 1.2) 5 ( 13.5) 1 (
臨床検査
Lymph node
0 4 ( 10.8)
リンパ節
palpable
触知
White blood
0 1 ( 2.7)
白血球数
cell count
増加
increased
140
5 ( 50.0) 2 ( 66.7) 144 ( 46.0)
4
337
8.1) 17 ( 18.9) 2 ( 11.1)
0 1 ( 33.3)
34 ( 10.9)
0 2(
1.4) 1 (
0
0
2.2)
1.1)
37
8
0
0
2.2)
0
3.3)
0
13.3) 2 ( 11.1)
3.3)
0
35.6) 9 ( 50.0)
0
0
2(
2(
0.6)
0.6)
0
0
0 1 ( 33.3)
0
0
0
0
4 ( 40.0) 1 ( 33.3)
5(
4(
22 (
5(
79 (
1.6)
1.3)
7.0)
1.6)
25.2)
2.7)
0
4.1)
0
16.2)
2(
3(
12 (
3(
32 (
0
7(
7.8)
0
0
0
7(
2.2)
0
3(
3.3)
0
0
0
5(
1.6)
1.4) 1 (
1.1)
0
0
0
2(
0.6)
10.0)
0
10.0)
0
20.0) 1 ( 33.3)
10.0)
0
5(
7(
24 (
14 (
1.6)
2.2)
7.7)
4.5)
0
0
0
2.7)
0 3 ( 16.7)
6.8) 8 ( 8.9) 8 ( 44.4)
1.4) 9 ( 10.0) 1 ( 5.6)
0
2(
2.2)
1(
1(
2(
1(
0
0
0
4(
1.3)
5.6)
0
0
8(
2.6)
1.4) 5 (
5.6) 1 (
1.4)
0 2(
0
0
2.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3(
6(
3(
1.0)
1.9)
1.0)
0
0
0
0
2(
0.6)
5.6)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1.4) 4 (
0
0
1(
4.4) 1 (
0
1.1)
12 ( 3.8)
4 ( 1.3)
2(
0.6)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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39 of
133
表 2.7.4.2.1.1.1- 1 全体の発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)
-ガドブトロール群:第Ⅰ相試験併合解析(続き)
Primary System
Organ Class
≤0.11
>0.11
Preferred Term
-0.21
Musculoskeletal 筋骨格系
1 ( 1.2) 2 ( 5.4)
and connective
および結
tissue disorders 合組織障
害
Back pain
0 2 ( 5.4)
背部痛
Pain in
0
0
四肢痛
extremity
Nervous system 神経系障 18 ( 22.2) 8 ( 21.6)
disorders
害
Dizziness
0 1 ( 2.7)
浮動性め
まい
Dizziness
0 1 ( 2.7)
体位性め
postural
まい
Dysgeusia
味覚異常 3 ( 3.7) 2 ( 5.4)
Headache
9 ( 11.1) 4 ( 10.8)
頭痛
Paraesthesia
0
0
錯感覚
Parosmia
嗅覚錯誤 5 ( 6.2) 2 ( 5.4)
Somnolence
0
0
傾眠
Respiratory,
呼吸器、胸 2 ( 2.5) 6 ( 16.2)
thoracic and
郭および
mediastinal
縦隔障害
disorders
Dry throat
0 1 ( 2.7)
咽喉乾燥
Nasal
0
0
鼻閉
congestion
0
Oropharyngeal
口腔咽疼 1 ( 1.2)
pain
痛
Pharyngeal
咽頭紅斑 1 ( 1.2) 4 ( 10.8)
erythema
Rhinorrhoea
2 ( 2.5) 2 ( 5.4)
鼻漏
Skin and
1 ( 1.2)
0
皮膚およ
subcutaneous
び皮下組
tissue disorders 織障害
0
0
Dermatitis
接触性皮
contact
膚炎
Urticaria
1 ( 1.2)
0
蕁麻疹
Vascular
0
0
血管障害
disorders
Thrombophlebi
0
0
血栓性静
-tis
脈炎
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 21, Table 45, Table 49
MedDRA Version12.1
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.21
>0.31
>0.51
>1.01
-0.31
-0.51
-1.01
-1.51
2 ( 2.7)
0 1 ( 5.6)
0
2(
0
2.7)
0 1(
0
5.6)
0
14 ( 18.9) 30 ( 33.3) 8 ( 44.4)
0
1(
1.1) 1 (
Total
0
6(
1.9)
0
0
3(
2(
1.0)
0.6)
2 ( 20.0) 1 ( 33.3)
81 ( 25.9)
0 1 ( 33.3)
4(
1.3)
0
0
0
3(
1.0)
15.6) 7 ( 38.9)
7.8) 3 (16.7)
3.3)
0
4.4) 1 (5.6)
1.1)
0
5.6)
0
1 ( 10.0)
0
0
0
1 (10.0)
0
0
0
0
0
0
0
34 (
26 (
3(
15 (
2(
14 (
10.9)
8.3)
1.0)
4.8)
0.6)
4.5)
1(
1.4) 1 (
7(
3(
9.5)
4.1)
0
4.1)
0
1.4)
14 (
7(
3(
4(
1(
5(
0
0
1(
2(
1.1)
2.2)
0
0
0
0
0
0
2(
2(
0.6)
0.6)
1.4) 1 (
1.1)
0
0
0
3(
1.0)
0
0
0
0
5(
1.6)
0
5.6)
0
0
0
0
4(
9(
1.3)
2.9)
3(
1(
1(
0
2(
0
2.7) 5 (
0
1.1)
5.6)
0
0
>1.51
0
5.6) 1 (
2(
2.2)
0
0
0
2(
0.6)
2(
3(
2.7)
4.1) 1 (
0
1.1)
0
0
0
0
0
0
3(
4(
1.0)
1.3)
2(
2.7)
0
0
0
0
2(
0.6)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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40 of
133
表 2.7.4.2.1.1.1- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)
-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
Primary System Organ Class
Preferred Term
Total number of subjects
Subjects with any AE
Total number of AEs
Blood and lymphatic system disorders
Iron deficiency anaemia
Neutropenia
Cardiac disorders
Ventricular extrasystoles
Eye disorders
Eye pain
Vision blurred
Gastrointestinal disorders
Abdominal discomfort
Abdominal pain
Abdominal pain upper
Diarrhoea
Dry mouth
Dyspepsia
Hyperchlorhydria
Lip dry
Nausea
Paraesthesia oral
Vomiting
General disorders and administration site conditions
Application site irritation
Asthenia
Catheter site haematoma
Catheter site pain
Catheter site related reaction
Chest discomfort
Chills
Fatigue
Feeling abnormal
Feeling cold
Feeling hot
Injection site coldness
Injection site haemorrhage
Injection site pain
Injection site warmth
Malaise
Pain
Puncture site pain
Pyrexia
Thirst
Vessel puncture site pain
Vessel puncture site paraesthesia
Immune system disorders
Anaphylactoid reaction
Gadobutrol
Placebo
194 (100.0) 68 (100.0)
91 ( 46.9) 20 ( 29.4)
196
40
血液およびリンパ系障害
鉄欠乏性貧血
好中球減少症
心臓障害
心室性期外収縮
眼障害
眼痛
霧視
胃腸障害
腹部不快感
腹痛
上腹部痛
下痢
口内乾燥
消化不良
胃酸過多
口唇乾燥
悪心
口の錯感覚
嘔吐
全身障害および投与局所様態
適用部位刺激感
無力症
カテーテル留置部位血腫
カテーテル留置部位疼痛
カテーテル留置部位関連反応
胸部不快感
悪寒
疲労
異常感
冷感
熱感
注射部位冷感
注射部位出血
注射部位疼痛
注射部位熱感
倦怠感
疼痛
穿刺部位疼痛
発熱
口渇
血管穿刺部位疼痛
血管穿刺部位知覚異常
免疫系障害
アナフィラキシー様反応
1(
1(
1(
1(
21 (
1(
1(
2(
2(
1(
2(
1(
1(
14 (
1(
1(
46 (
1(
1(
1(
5(
1(
2(
5(
1(
7(
10 (
8(
2(
4(
1(
2(
1(
5(
1(
1(
1(
1(
1(
0.5)
0.5)
0
0
0
0.5)
0.5)
0
10.8)
0.5)
0.5)
1.0)
1.0)
0.5)
1.0)
0.5)
0.5)
7.2)
0.5)
0.5)
23.7)
0.5)
0.5)
0.5)
2.6)
0.5)
1.0)
0
2.6)
0.5)
3.6)
5.2)
4.1)
0
1.0)
2.1)
0.5)
1.0)
0.5)
2.6)
0.5)
0.5)
0.5)
0.5)
0.5)
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
11 (
1(
1(
1(
2(
4(
1(
3(
1.5)
0
1.5)
1.5)
1.5)
1.5)
0
1.5)
1.5)
0
1.5)
0
0
0
0
0
0
1.5)
0
0
16.2)
0
1.5)
0
0
0
0
1.5)
1.5)
0
2.9)
0
5.9)
1.5)
0
0
0
0
0
4.4)
0
0
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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41 of
133
表 2.7.4.2.1.1.1- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率
(%)-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析(続き)
Primary System Organ Class
Preferred Term
Investigations
Electrocardiogram T wave inversion
Lymph node palpable
Neutrophil count decreased
Neutrophil count increased
Platelet count decreased
White blood cell count decreased
White blood cell count increased
Metabolism and nutrition disorders
Decreased appetite
Musculoskeletal and connective tissue disorders
Arthralgia
Back pain
Muscle spasms
Nervous system disorders
Dizziness
Dizziness postural
Drug withdrawal headache
Dysgeusia
Formication
Head discomfort
Headache
Hemicephalalgia
Neuralgia
Paraesthesia
Parosmia
Somnolence
Renal and urinary disorders
Renal pain
Respiratory, thoracic and mediastinal disorders
Cough
Dry throat
Dyspnoea
Increased upper airway secretion
Nasal congestion
Oropharyngeal pain
Pharyngeal erythema
Rhinorrhoea
Sneezing
Tonsillar hypertrophy
Tracheal pain
Skin and subcutaneous tissue disorders
Acne
Eczema
Pityriasis rosea
Rash maculo-papular
Urticaria
Gadobutrol
臨床検査
心電図 T 波逆転
リンパ節触知
好中球数減少
好中球数増加
血小板数減少
白血球数減少
白血球数増加
代謝および栄養障害
食欲減退
筋骨格系および結合組織障害
関節痛
背部痛
筋痙縮
神経系障害
浮動性めまい
体位性めまい
薬物離脱性頭痛
味覚異常
蟻走感
頭部不快感
頭痛
片側頭痛
神経痛
錯感覚
嗅覚錯誤
傾眠
腎および尿路障害
腎臓痛
呼吸器、胸郭および縦隔障害
咳嗽
咽喉乾燥
呼吸困難
上気道分泌増加
鼻閉
口腔咽頭痛
咽頭紅潮
鼻漏
くしゃみ
扁桃肥大
気管痛
皮膚および皮下組織障害
ざ瘡
湿疹
ばら色粃糠疹
斑状丘疹状皮疹
蕁麻疹
8(
1(
4(
1(
1(
1(
2(
1(
1(
3(
3(
52 (
4(
2(
23 (
1(
12 (
1(
1(
1(
13 (
1(
1(
1(
9(
1(
1(
1(
1(
1(
5(
4(
1(
1(
1(
6(
1(
1(
1(
1(
3(
4.1)
0.5)
2.1)
0.5)
0.5)
0.5)
0
1.0)
0.5)
0.5)
1.5)
0
1.5)
0
26.8)
2.1)
1.0)
0
11.9)
0.5)
0
6.2)
0.5)
0.5)
0.5)
6.7)
0.5)
0.5)
0.5)
4.6)
0.5)
0.5)
0.5)
0
0.5)
0.5)
2.6)
2.1)
0.5)
0.5)
0.5)
3.1)
0.5)
0.5)
0.5)
0.5)
1.5)
Placebo
3(
2(
1(
3(
1(
1(
1(
7(
1(
2(
1(
3(
1(
3(
1(
2(
1(
1(
4.4)
0
2.9)
0
0
0
1.5)
0
0
0
4.4)
1.5)
1.5)
1.5)
10.3)
0
0
1.5)
2.9)
0
1.5)
4.4)
0
0
0
0
1.5)
0
0
4.4)
0
0
0
1.5)
0
0
2.9)
1.5)
0
1.5)
0
0
0
0
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.1- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)
-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析(続き)
Primary System Organ Class
Preferred Term
Vascular disorders
Thrombophlebitis
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Tables 22, Table 46, Table 50
MedDRA Version12.1
Gadobutrol
血管障害
血栓性静脈炎
2(
2(
1.0)
1.0)
Placebo
1(
1(
1.5)
1.5)
治験薬と関連性のある有害事象
ガドブトロール群(313 例)で 0.5%以上の発現率で認められた治験薬と関連性のある有害事象
(治験担当医師による因果関係評価)について、発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.1- 3 に示
す。ガドブトロールを投与した計 313 例中 107 例(34.2%)に 201 件の治験薬と関連性のある有
害事象がみられた。ガドブトロール群で最も高頻度に報告された治験薬と関連性のある有害事象
は味覚異常(10.9%)で、次いで熱感(7.3%)、悪心(5.4%)であった。用量別では、いずれ
の有害事象についても用量と発現率に明らかな相関性はみられなかった。
プラセボ群では 68 例中 9 例(13.2%)に治験薬と関連性のある有害事象がみられた。プラセボ
群で最も高頻度に報告された治験薬と関連性のある有害事象は、注射部位冷感(5.9%)であった
(表 2.7.4.2.1.1.1- 4)。
治験薬と関連性のある有害事象がみられた被験者の一覧を 5.3.5.3.1 A50821 Listing 17 及び
Listing 18 に示す。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.1.1- 3 全体の発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発現例数
及び発現率(%)-ガドブトロール群:第Ⅰ相試験併合解析
Primary System
Organ Class
Preferred Term
Number of
subjects
Subjects with
any drug-related
AE
Total number of
drug-related AEs
Gastrointestinal
disorders
Dyspepsia
Nausea
Vomiting
General
disorders and
administration
site conditions
Chest
discomfort
Feeling cold
Feeling hot
Injection site
coldness
Injection site
pain
Injection site
warmth
Musculoskeletal
and connective
tissue disorders
Pain in
extremity
Nervous system
disorders
Dizziness
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11
>0.21
>0.31
>0.51
>1.01
>1.51
Total
-0.21
-0.31
-0.51
-1.01
-1.51
81 (100.0) 37 (100.0) 74 (100.0) 90 (100.0) 18 (100.0) 10 (100.0) 3 (100.0) 313 (100.0)
≤0.11
16 ( 19.8)
8 ( 21.6) 25 ( 33.8) 42 ( 46.7) 11 ( 61.1)
24
胃腸障害
消化不
良
悪心
嘔吐
全身障害
および投
与局所様
態
胸部不
快感
冷感
熱感
注射部
位冷感
注射部
位疼痛
注射部
位熱感
筋骨格系
および結
合組織障
害
四肢痛
2(
2.5)
12
1(
0
1(
1(
3(
1.2)
1.2)
3.7)
89
31
6
2
201
4.1) 13 ( 14.4)
2 ( 11.1)
0
0
21 ( 6.7)
2.2)
0
0
0
2.7) 3 ( 4.1) 10 ( 11.1)
0
0 1 ( 1.1)
8.1) 11 ( 14.9) 24 ( 26.7)
2 ( 11.1)
0
9 ( 50.0)
2.7)
37
3(
0
1(
3(
0
2(
0
0
1(
1.4)
1(
1.1)
0
0
0
0
0
0
5.4)
2(
5(
1(
2.7)
6.8)
1.4)
0
7 ( 7.8)
9 (10.0)
3 ( 16.7)
8 ( 44.4)
1 ( 5.6)
2(
4 ( 40.0) 1 ( 33.3) 107 ( 34.2)
2(
2.5)
0
0
2(
2.2)
1(
1.2)
0
1(
1.4)
5(
5.6)
0
0
2(
2.7)
0
0
2(
2.7)
神経系障 13 ( 16.0) 4 ( 10.8) 11 (
害
0 1 ( 2.7)
浮動性
めまい
Dizziness
0
0 1(
体位性
postural
めまい
Dysgeusia
3 ( 3.7) 2 ( 5.4) 7 (
味覚異
常
Headache
5 ( 6.2) 1 ( 2.7)
頭痛
Parosmia
5 ( 6.2) 2 ( 5.4) 3 (
嗅覚錯
誤
Skin and
0 2(
皮膚およ 1 ( 1.2)
subcutaneous
び皮下組
tissue disorders 織障害
Urticaria
1 ( 1.2)
0 2(
蕁麻疹
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 25, Table 53, Table 67
MedDRA Version12.1
0
0
0
0
3 ( 30.0) 1 ( 33.3)
0
0
1 ( 10.0)
0
2 ( 20.0) 1 ( 33.3)
1 ( 10.0)
0
2(
0.6)
17 ( 5.4)
2 ( 0.6)
54 ( 17.3)
2(
0.6)
6 ( 1.9)
23 ( 7.3)
14 ( 4.5)
0
0
0
4(
1.3)
5.6)
0
0
8(
2.6)
0
0
0
0
2(
0.6)
0
0
0
0
2(
0.6)
14.9) 24 ( 26.7)
7 ( 38.9)
2 ( 20.0)
0
5.6)
0
0
3(
1.0)
2(
0.6)
1(
0
1(
1.1)
1.4)
1(
1.1)
0
0
0
9.5) 14 ( 15.6)
7 ( 38.9)
1 ( 10.0)
0
34 ( 10.9)
0
4.1)
4(
4(
4.4)
4.4)
1(
1(
5.6)
5.6)
0
0
0
0
11 ( 3.5)
15 ( 4.8)
2.7)
2(
2.2)
0
0
0
5(
1.6)
0
0
0
0
3(
1.0)
2.7)
1(
61 ( 19.5)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.1.1- 4 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発
現例数及び発現率(%)-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
Primary System Organ Class
Preferred Term
Total number of subjects
Subjects with any drug-related AE
Total number of drug-related AEs
Blood and lymphatic system disorders
血液およびリンパ障害
Neutropenia
好中球減少症
Eye disorders
眼障害
Eye pain
眼痛
Vision blurred
霧視
Gastrointestinal disorders
胃腸障害
Abdominal discomfort
腹部不快感
Abdominal pain upper
上腹部痛
Nausea
悪心
Paraesthesia oral
口の錯感覚
Vomiting
嘔吐
General disorders and administration site
全身障害および投与局所様態
conditions
Chest discomfort
胸部不快感
Feeling abnormal
異常感
Feeling cold
冷感
Feeling hot
熱感
Injection site coldness
注射部位冷感
Injection site pain
注射部位疼痛
Injection site warmth
注射部位熱感
Malaise
倦怠感
Immune system disorders
免疫系障害
Anaphylactoid reaction
アナフィラキシー様反応
Investigations
臨床検査
Electrocardiogram T wave inversion
心電図 T 波逆転
White blood cell count decreased
白血球数減少
Nervous system disorders
神経系障害
Dizziness
浮動性めまい
Dizziness postural
体位性めまい
Dysgeusia
味覚異常
Formication
蟻走感
Head discomfort
頭部不快感
Headache
頭痛
Parosmia
嗅覚錯誤
Somnolence
傾眠
Respiratory, thoracic and mediastinal disorders 呼吸器、胸郭および縦隔障害
Dry throat
咽喉乾燥
Rhinorrhoea
鼻漏
Sneezing
くしゃみ
Skin and subcutaneous tissue disorders
皮膚および皮下組織障害
Rash maculo-papular
斑状丘疹状皮疹
Urticaria
蕁麻疹
Vascular disorders
血管障害
Thrombophlebitis
血栓性静脈炎
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Tables 26, Table 54, Table 68
MedDRA Version12.1
Gadobutrol
194 (100.0)
69 ( 35.6)
111
1(
1(
14 (
1(
1(
12 (
1(
1(
30 (
2(
1(
6(
10 (
8(
2(
4(
1(
1(
1(
1(
1(
41 (
3(
1(
23 (
1(
5(
13 (
1(
2(
1(
1(
1(
4(
1(
3(
1(
1(
Placebo
68 (100.0)
9 ( 13.2)
12
0
0
0.5)
0.5)
0
7.2)
0.5)
0.5)
6.2)
0.5)
0.5)
15.5)
1(
1(
1(
1.5)
1.5)
1.5)
0
1 ( 1.5)
0
0
0
0
0
0
6 ( 8.8)
1.0)
0.5)
3.1)
5.2)
4.1)
1.0)
2.1)
0.5)
0.5)
0.5)
0.5)
0.5)
0
21.1)
1.5)
0.5)
11.9)
0.5)
0
2.6)
6.7)
0.5)
1.0)
0.5)
0.5)
0.5)
2.1)
0.5)
1.5)
0.5)
0.5)
0
0
2.9)
0
5.9)
0
0
0
0
0
1.5)
0
1.5)
4.4)
0
0
2.9)
0
1.5)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2(
4(
1(
1(
3(
2(
1(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
45 of
重症度
ガドブトロール群の重症度別の有害事象発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.1- 5 に示す。投
与後に有害事象を認めた被験者 144 例のうち、軽度及び中等度の有害事象の被験者が大部分(約
90%)であった。ガドブトロール群 11 例で重度の有害事象がみられた。重症度とガドブトロール
の用量に明らかな相関性はみられなかった。プラセボ群では重度の有害事象はみられなかった(表
2.7.4.2.1.1.1- 6)。
重度の有害事象がみられた被験者の一覧を 5.3.5.3.1 A50821 Listing 19 及び Listing 20 に示
す。
表 2.7.4.2.1.1.1- 5 重症度別の有害事象発現例数及び発現率(%)-ガドブトロール群
:第Ⅰ相試験併合解析
Intensity
≤0.11
81 (100.0)
>0.11-0.21
37 (100.0)
Number of
subjects
26 ( 32.1) 16 (
Any AE
9 ( 11.1)
4(
Mild
15 ( 18.5)
7(
Moderate
1 ( 1.2)
1(
Severe
1 ( 1.2)
4(
Unknown
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 61
43.2)
10.8)
18.9)
2.7)
10.8)
>0.21-0.31
74 (100.0)
29 (
16 (
9(
4(
39.2)
21.6)
12.2)
5.4)
0
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
90 (100.0) 18 (100.0) 10 (100.0)
54 (
34 (
15 (
5(
60.0)
37.8)
16.7)
5.6)
0
12 ( 66.7)
4 ( 22.2)
8 ( 44.4)
0
0
5 ( 50.0)
1 ( 10.0)
4 ( 40.0)
0
0
>1.51
3 (100.0)
Total
313 (100.0)
2 ( 66.7)
1 ( 33.3)
1 ( 33.3)
0
0
144 (
69 (
59 (
11 (
5(
46.0)
22.0)
18.8)
3.5)
1.6)
表 2.7.4.2.1.1.1- 6 重症度別の有害事象発現例数及び発現率(%)-プラセボとの比較試験
:第Ⅰ相試験併合解析
Intensity
Number of subjects
Any AE
Mild
Moderate
Severe
Unknown
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 62
Gadobutrol
194 (100.0)
91 ( 46.9)
37 ( 19.1)
40 ( 20.6)
10 ( 5.2)
4 ( 2.1)
Placebo
68 (100.0)
20 ( 29.4)
8 ( 11.8)
9 ( 13.2)
0
3 ( 4.4)
Total
262 (100.0)
111 ( 42.4)
45 ( 17.2)
49 ( 18.7)
10 ( 3.8)
7 ( 2.7)
発現時期
発現時期別有害事象の発現件数及びその割合を表 2.7.4.2.1.1.1- 7 に示す。ガドブトロール群
では有害事象 337 件中、約半数はガドブトロール投与後 30 分以内に発現し、多くは投与後 24 時
間以内に発現した。投与後 24 時間超から 72 時間に発現したのは 23 件であった。発現時期が記録
されなかったものが 57 件あった。
ガドブトロール群の治験薬と関連性のある有害事象 201 件中、約 77%は投与後 30 分以内に発
現し、多くは投与後 24 時間以内に発現した。投与後 24 時間超から 72 時間に発現したのは 3 件(悪
心、血栓性静脈炎、溢血各 1 件)であった(5.3.5.3.1 A50821 Listing 17)。発現時期が記録さ
れなかったものが 13 件あった。
プラセボ群では 40 件中 21 件で発現時期が記録されなかったが、発現時期が記録された有害事
象の多くは投与後 24 時間以内に発現した。治験薬と関連性のある有害事象の多くは投与後 30 分
以内に発現した(表 2.7.4.2.1.1.1- 8)。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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46 of
133
表 2.7.4.2.1.1.1- 7 有害事象及び治験薬と関連性のある有害事象の発現時期別件数及び割合
(%)-ガドブトロール群:第Ⅰ相試験併合解析
Time point
≤0.11
>0.11-0.21 >0.21-0.31
49 (100.0) 49 (100.0) 50 (100.0)
12 ( 24.5) 10 ( 20.4) 32 ( 64.0)
2 ( 4.1)
0
0
4 ( 8.2)
1 ( 2.0)
1 ( 2.0)
2 ( 4.1)
0
3 ( 6.0)
5 ( 10.2)
0
3 ( 6.0)
3 ( 6.1)
2 ( 4.1)
7 ( 14.0)
7 ( 14.3)
2 ( 4.1)
4 ( 8.0)
14 ( 28.6) 34 ( 69.4)
0
24 (100.0) 12 (100.0) 37 (100.0)
No. of AEs
0 - 30 min
>30 min - 1 h
>1 h - 3 h
>3 h - 6 h
>6 h - 12 h
>12 h - 24 h
>24 h - 72 h
Missing
No. of
drug-related
AEs
0 - 30 min
9 ( 37.5)
8 ( 66.7) 32 (
>30 min - 1 h
1 ( 4.2)
0
>1 h - 3 h
0
0
1(
>3 h - 6 h
2 ( 8.3)
0
1(
>6 h - 12 h
3 ( 12.5)
0
>12 h - 24 h
0
0
2(
>24 h - 72 h
1 ( 4.2)
0
1(
Missing
8 ( 33.3)
4 ( 33.3)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Tables 49 and Table 53
86.5)
0
2.7)
2.7)
0
5.4)
2.7)
0
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
140 (100.0) 37 (100.0)
8 (100.0)
78 ( 55.7) 29 ( 78.4)
6 ( 75.0)
2 ( 1.4)
0
1 ( 12.5)
2 ( 1.4)
2 ( 5.4)
0
24 ( 17.1)
3 ( 8.1)
0
5 ( 3.6)
0
0
13 ( 9.3)
1 ( 2.7)
1 ( 12.5)
8 ( 5.7)
1 ( 2.7)
0
8 ( 5.7)
1 ( 2.7)
0
89 (100.0) 31 (100.0)
6 (100.0)
70 (
1(
1(
11 (
2(
2(
1(
1(
78.7)
1.1)
1.1)
12.4)
2.2)
2.2)
1.1)
1.1)
28 ( 90.3)
0
0
3 ( 9.7)
0
0
0
0
6 (100.0)
0
0
0
0
0
0
0
>1.51
4 (100.0)
2 ( 50.0)
0
0
1 ( 25.0)
0
0
1 ( 25.0)
0
2 (100.0)
Total
337 (100.0)
169 ( 50.1)
5 ( 1.5)
10 ( 3.0)
33 ( 9.8)
13 ( 3.9)
27 ( 8.0)
23 ( 6.8)
57 ( 16.9)
201 (100.0)
2 (100.0)
0
0
0
0
0
0
0
155 (
2(
2(
17 (
5(
4(
3(
13 (
77.1)
1.0)
1.0)
8.5)
2.5)
2.0)
1.5)
6.5)
表 2.7.4.2.1.1.1- 8 有害事象及び治験薬と関連性のある有害事象の発現時期別件数及び割合
(%)-プラセボとの比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
Time point
No. of AEs
0 - 30 min
>30 min - 1 h
>1 h - 3 h
>3 h - 6 h
>6 h - 12 h
>12 h - 24 h
>24 h - 72 h
Missing
No. of drug-related AEs
0 - 30 min
>30 min - 1 h
>1 h - 3 h
>3 h - 6 h
>6 h - 12 h
>12 h - 24 h
>24 h - 72 h
Missing
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Tables 50, Table 54
Gadobutrol
196 (100.0)
96 ( 49.0)
3 ( 1.5)
5 ( 2.6)
10 ( 5.1)
3 ( 1.5)
13 ( 6.6)
15 ( 7.7)
51 ( 26.0)
111 (100.0)
88 ( 79.3)
2 ( 1.8)
2 ( 1.8)
1 ( 0.9)
2 ( 1.8)
1 ( 0.9)
2 ( 1.8)
13 ( 11.7)
Placebo
40 (100.0)
8 ( 20.0)
0
2 ( 5.0)
3 ( 7.5)
0
4 ( 10.0)
2 ( 5.0)
21 ( 52.5)
12 (100.0)
7 ( 58.3)
0
1 ( 8.3)
0
0
2 ( 16.7)
0
2 ( 16.7)
製剤濃度
有害事象及び治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率を、ガドブトロールの製剤
濃度別に表 2.7.4.2.1.1.1- 9 に示す。全用量群における、
有害事象発現率は 0.5mmol/mL で 53.7%、
1.0mmol/mL で 43.9%、治験薬と関連性のある有害事象の発現率は 0.5mmol/mL で 37.3%、
2.7.4 臨床的安全性
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133
1.0mmol/mL で 33.3%であった。有害事象及び治験薬と関連性のある有害事象の発現率に、製剤濃
度による顕著な差は認められなかった。
ガドブトロールの製剤濃度別の、各有害事象の発現例数及び発現率を 5.3.5.3.1 A50821 Table
47 及び Table 48 に、各治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率を Table 69 及び
Table 70 に示す。
表 2.7.4.2.1.1.1- 9 ガドブトロールの製剤濃度別有害事象発現例数及び発現率(%)
:第Ⅰ相試験併合解析
Molarity
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51
≤0.11
0.5 mmol/mL
Number of subjects
29 (100.0) 14 (100.0) 9 (100.0)
With AE
12 ( 41.4) 12 ( 85.7) 5 ( 55.6)
With drug-related AE
9 ( 31.0)
6 ( 42.9) 4 ( 44.4)
1.0 mmol/mL
Number of subjects
52 (100.0) 23 (100.0) 65 (100.0)
With AE
14 ( 26.9)
4 ( 17.4) 24 ( 36.9)
With drug-related AE
7 ( 13.5)
2 ( 8.7) 21 ( 32.3)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 23, Table 69
2.7.4.2.1.1.2
15 (100.0)
7 ( 46.7)
6 ( 40.0)
0
0
0
75 (100.0)
47 ( 62.7)
36 ( 48.0)
18 (100.0)
12 ( 66.7)
11 ( 61.1)
0
0
0
>1.51
Total
0
0
0
67 (100.0)
36 ( 53.7)
25 ( 37.3)
10 (100.0) 3 (100.0) 246 (100.0)
5 ( 50.0) 2 ( 66.7) 108 ( 43.9)
4 ( 40.0) 1 ( 33.3) 82 ( 33.3)
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
治験薬投与後に 0.5%以上の発現率で認められた有害事象(被験者数が少ないため全有害事象
となる)の発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.2- 1 に示す。
本剤を投与した 32 例中 8 例
(25.0%)
に 12 件の有害事象がみられた。プラセボを投与した 8 例に有害事象はみられなかった。本剤群で
2 例以上の被験者にみられた有害事象は、蕁麻疹(3 例)及び鼻漏(2 例)であった。
本剤投与後にみられた全有害事象を表 2.7.4.2.1.1.2- 2 に示す。治験薬と関連性のある有害事
象(治験担当医師による因果関係評価)は本剤を投与した 6 例に 10 件みられた。2 例以上の被験
者にみられた治験薬と関連性のある有害事象は、蕁麻疹(3 例)であった。本剤投与後にみられ
た有害事象は、軽度及び中等度であり、重度の有害事象はみられなかった。12 件の有害事象のう
ち 10 件は投与 30 分以内に発現し、24 時間以上経過してから発現したのは 1 件(白血球数増加)
であった。
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.2- 1 有害事象の発現例数及び発現率(%):国内第Ⅰ相試験
System organ class
Preferred term
Number of subjects (%)
Subjects with any AE
Total number of AEs
Gastrointestinal disorders
Nausea
Paraesthesia oral
Vomiting
General disorders and
administration site
conditions
Feeling abnormal
Immune system disorders
Anaphylactoid reaction
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
0.1 + 0.1
0.1
胃腸障害
悪心
口の錯感覚
嘔吐
全身障害および
投与局所様態
8 (100.0)
0
0
8 (100.0)
1 ( 12.5)
1
8 (100.0)
3 ( 37.5)
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1 ( 12.5)
0
0 1 ( 12.5)
異常感
0 1 ( 12.5)
0
免疫系障害
0 1 ( 12.5)
0
アナフィラキ
シー様反応
Investigations
0
0
0
臨床検査
WBC count increased
0
0
0
白血球数増加
Respiratory, thoracic and
0
0
0
呼吸器、胸郭お
mediastinal disorders
よび縦隔障害
Rhinorrhoea
0
0
0
鼻漏
Sneezing
0
0
0
くしゃみ
Skin and subcutaneous
0
0 2 ( 25.0)
皮膚および皮下
tissue disorders
組織障害
Urticaria
0
0 2 ( 25.0)
蕁麻疹
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Table 13, Table 14
*: One subject (No. 410) did not receive the second injection because of AEs.
MedDRA Version10.0
8* (100.0)
4 ( 50.0)
8
2(
1(
1(
1(
Placebo
Total
32 (100.0)
8 ( 25.0)
12
8 (100.0)
0
0
25.0)
12.5)
12.5)
12.5)
0
2(
1(
1(
1(
1(
6.3)
3.1)
3.1)
3.1)
3.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
1(
1(
3.1)
3.1)
3.1)
0
0
0
1 ( 12.5)
1 ( 12.5)
2 ( 25.0)
1(
1(
2(
3.1)
3.1)
6.3)
0
0
0
2 ( 25.0)
1 ( 12.5)
1 ( 12.5)
2(
1(
3(
6.3)
3.1)
9.4)
0
0
0
1 ( 12.5)
3(
9.4)
0
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.2- 2 本剤投与後にみられた有害事象:国内第Ⅰ相試験
Treatment:
mmol/kg bw
0.2
Subject MedDRA Preferred term/ Reported
Intensity Causality Onset/
#
term
Duration
209
Anaphylactoid reaction(アナフィラキ Moderate Definite 0 min/2 h
シー様反応)/ Anaphylactoid reaction
0.3
301
Mild
Definite 16 min/49 min
Urticaria(蕁麻疹)/ Wheal
302
Mild
Definite 20 min/45 min
Urticaria(蕁麻疹)/ Wheal
310
Mild
Definite
0 min/3 min
Feeling abnormal(異常感)/ Feeling
poorly
0.1+0.1
406
Mild
Unlikely 22 h/10 h
Rhinorrhoea(鼻漏)/ Nasal discharge
407
Mild
Definite 2 min/0 min
Nausea(悪心)/ Nausea
409
Unlikely 24 h/2 days
WBC count increased(白血球数増加) Mild
/ Elevated WBC
410
Mild
Definite 0 min/0 min
Paraesthesia oral(口の錯感覚)/
Tingling sensation of the tongue
Mild
Definite 3 min/0 min
Rhinorrhoea(鼻漏)/ Nasal discharge
Mild
Definite 0 min/0 min
Sneezing(くしゃみ)/ Sneezing
Mild
Definite 13 min/37 min
Urticaria(蕁麻疹)/ Wheal
Moderate Definite 2 min/1 min
Vomiting(嘔吐)/ Vomiting
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Text Table 22
Onset/Duration: period between AE onset and first injection/period between AE onset and AE stop.
MedDRA Version10.0
2.7.4.2.1.1.3
Remarks
SAE defined
by Sponsor
Prematurely
withdrawn
from study
medication
and study due
to AE
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
有害事象発現率
いずれかの治験薬群で 0.5%以上の発現率でみられた有害事象の発現例数及び発現率を表
2.7.4.2.1.1.3- 1 に示す。ガドブトロールを投与した計 6,286 例中 623 例(9.9%)に 929 件の
有害事象がみられた。ガドペンテト酸メグルミン群では 1,097 例中 63 例(5.7%)に 88 件、ガド
ジアミド群 150 例中 7 例(4.7%)に 9 件、gadoversetamide 群 227 例中 39 例(17.2%)に 51 件、
ガドテリドール群 555 例中 104 例(18.7%)に 156 件、Gd-DOTA 群 155 例中 3 例(1.9%)に 3 件
の有害事象がみられた。gadoversetamide 群及びガドテリドール群では他の群に比べ、有害事象
の発現率がやや高かった。ガドブトロール群で 0.5%以上の発現率でみられた有害事象は頭痛
(1.5%)、悪心(1.2%)及び浮動性めまい(0.5%)であった。ガドブトロールと比較対照とし
た他の細胞外液性造影剤の間で、有害事象症状に特に差はみられなかった。
表 2.7.4.2.1.1.3- 2 に、
いずれかの治験薬群で 0.5%以上の頻度で発現した有害事象について、
用量別の発現例数及び発現率を示す。ガドブトロールのいずれの用量群でも有害事象の発現率は
同様であった。
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.3- 1 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)
-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
System Organ
Class
Preferred Term
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
≤0.51
0.1-0.2
Dose:
mmol/kg bw
Number of
subjects (%)
Subjects with any
AE
Total number of
AEs
Cardiac
disorders
Tachycardia
Gastrointestinal
disorders
Abdominal pain
Diarrhoea
Nausea
Vomiting
General
disorders and
administration
site conditions
Feeling hot
Injection site
erythema
Injection site
pain
Infections and
infestations
Nasopharyngitis
Musculoskeletal
and connective
tissue disorders
Muscular
weakness
Nervous system
disorders
Dizziness
Dysgeusia
Headache
Paraesthesia
Tremor
Gadodiamide
Gadoversetamide
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
Total
6286 (100.0) 1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
623 (
9.9)
63 ( 5.7)
7(
4.7) 39 ( 17.2) 104 ( 18.7)
929
88
9
51
3 ( <0.1)
1 ( <0.1)
0
0
3(
1.9)
839 (
9.9)
156
3
1236
3(
0.5)
0
7 ( <0.1)
0 1(
0.9) 3 (
1.3) 18 (
0 6(
0.2)
0.5)
3.2)
1.1)
0
0
0.6)
0
0
0.9)
1(
0.2)
0
0
0
33 ( 0.4)
5 ( <0.1)
0.7)
0
3(
0.5)
0
17 ( 0.2)
0
0
1(
0.2)
0
心臓障害
頻脈
胃腸障害
腹痛
下痢
悪心
嘔吐
一般・全身
障害およ
び投与部
位の状態
熱感
注射部位
紅斑
注射部位
疼痛
感染症お
よび寄生
虫症
鼻咽頭炎
筋骨格系
および結
合組織障
害
筋力低下
神経系障
害
浮動性め
まい
味覚異常
頭痛
錯感覚
振戦
6(
24 (
73 (
22 (
<0.1)
0.4)
1.2)
0.3)
25 ( 0.4)
3 ( <0.1)
0
1 ( <0.1)
7 ( 0.6)
2 ( 0.2)
1(
1(
1(
0.7)
0.7)
0.7)
0
5(
0.5)
0
2(
1.3)
0
0
1(
13 ( 0.2)
7(
2(
3(
2(
0.1)
0
2 ( <0.1)
0
1(
0.7)
0.2)
1(
0.7)
4(
1.8)
1(
7(
2(
1(
0
0
0
0.7)
32 ( 0.5)
2(
24 (
96 (
8(
2(
3 ( 0.3)
5 ( 0.5)
1 ( <0.1)
0
0.4)
1.5)
0.1)
<0.1)
1(
1(
0.6)
8(
31 (
103 (
30 (
9(
<0.1)
0.4)
1.2)
0.4)
0.1)
0
0
3 ( <0.1)
6(
1.1)
0
45 ( 0.5)
0.4) 3 (
3.1) 11 (
0.9) 2 (
0 1(
0.5)
2.0)
0.4)
0.2)
0
0
0
0
31 (
119 (
13 (
4(
0.4)
1.4)
0.2)
<0.1)
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.3- 1 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)
-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ
Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
Respiratory,
thoracic and
mediastinal
disorders
Wheezing
Skin and
subcutaneous
tissue disorders
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
≤0.51
0.1-0.2
Gadodiamide
Gadoversetamide
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
Total
呼吸器、胸
郭および縦
隔障害
1 ( <0.1)
0
0 2 ( 0.9)
喘鳴
皮膚および
皮下組織障
害
Ecchymosis
2 ( <0.1)
0
0
0
斑状出血
Rash
12
(
0.2)
1
(
<0.1)
0
0
発疹
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/2, Table 2.1.4/4, Table 2.1.4/14
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
0
5(
2(
0.9)
0.4)
1(
0
3 ( <0.1)
0
0.6)
7 ( <0.1)
16 ( 0.2)
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.3- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
System Organ Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
Number of subjects
(%)
Subjects with any AE
Gadobutrol
<0.09
Total number of AEs
Cardiac disorders
Atrial fibrillation
心臓障害
心房細動
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
289
(100.0)
25
(8.7)
41
>0.11
-0.21
694
(100.0)
80
(11.5)
114
>0.21
-0.31
1009
(100.0)
79
(7.8)
109
>0.31
-0.51
47
(100.0)
6
(12.8)
8
1016
(100.0)
56
(5.5)
78
81
(100.0)
7
(8.6)
10
150
(100.0)
7
(4.7)
9
227
(100.0)
39
(17.2)
51
393
(100.0)
85
(21.6)
134
162
(100.0)
19
(11.7)
22
155
(100.0)
3
(1.9)
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
(<0.1)
3
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
1
(<0.1)
1
(<0.1)
0
0
1
(2.1)
0
1
(1.2)
1
(1.2)
0
0
0
2
(0.5)
1
(0.6)
0
5
(0.1)
3
(<0.1)
18
(0.4)
5
(0.1)
58
(1.4)
16
(0.4)
0
0
0
0
0
0
1
(0.7)
0
2
(0.9)
0
1
(0.6)
0
0
2
(0.2)
0
2
(0.2)
1
(<0.1)
0
1
(0.3)
0
0
0
1
(0.7)
0
0
2
(0.3)
4
(0.6)
0
1
(2.1)
0
0
0
7
(1.0)
3
(0.4)
6
(0.6)
3
(0.3)
7
(0.7)
1
(<0.1)
0
1
(0.7)
0
3
(1.3)
0
2
(1.2)
2
(1.2)
1
(0.6)
0
動悸
0
Tachycardia
頻脈
0
0.1
GdDOTA
0.1
≥0.09
-0.11
4247
(100.0)
433
(10.2)
657
Palpitations
Gastrointestinal
disorders
Abdominal pain
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
0.2
胃腸障害
腹痛
0
Constipation
便秘
Diarrhoea
下痢
1
(0.3)
0
Dry mouth
口内乾燥
Nausea
悪心
Vomiting
嘔吐
0
1
(0.3)
0
0
1
(2.1)
1
(2.1)
0
0
0
1
(1.2)
0
3
(0.8)
1
(0.3)
16
(4.1)
4
(1.0)
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.1.3- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
General disorders
一般・全身障害およ
and administration び投与部位の状態
site conditions
Asthenia
無力症
Gadobutrol
<0.09
≥0.09
-0.11
2
(0.7)
0
0
2
(0.3)
0
9
(0.9)
0
2
(<0.1)
7
(0.2)
0
1
(0.1)
0
2
(0.7)
2
(<0.1)
3
(<0.1)
2
(<0.1)
12
(0.3)
6
(0.9)
0
0
0
0
General physical
health deterioration
Injection site
erythema
Injection site pain
全身健康状態低下
0
注射部位紅斑
0
注射部位疼痛
Injection site rash
注射部位発疹
1
(0.3)
0
Injection site
swelling
Malaise
注射部位腫脹
0
倦怠感
0
Oedema peripheral
末梢性浮腫
0
Pyrexia
発熱
肝胆道系障害
Infections and
infestations
感染症および寄生
虫症
Bronchitis
胆管結石
気管支炎
>0.31
-0.51
0
熱感
2
(<0.1)
12
(0.3)
0
>0.21
-0.31
0
Feeling hot
Hepatobiliary
disorders
Bile duct stone
>0.11
-0.21
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
0
0
0
0
0
0
2
(4.3)
0
1
(<0.1)
4
(0.4)
0
1
(1.2)
0
2
(1.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.7)
0
0
0
5
(0.5)
0
2
(0.9)
0
1
(0.6)
0
0
0
1
(0.3)
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
3
(0.3)
1
(1.2)
0
0
1
(0.4)
0
1
(0.6)
0
0
0
1
(<0.1)
0
1
(1.2)
0
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.6)
0
0
0
0
0
1
(1.2)
0
0
0
0
0
0
0
3
(0.8)
2
(0.5)
1
(0.3)
0
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.3- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
Infection
Nasopharyngitis
Gadobutrol
<0.09
0
0
鼻咽頭炎
0
7
(0.2)
0
0
0
>0.31
-0.51
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.3)
0
1
(0.6)
0
0
0
0
0
0
0
2
(0.5)
0
0
1
(<0.1)
1
(0.1)
0
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
1
(0.6)
0
0
1
(<0.1)
1
(0.1)
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.6)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.1)
0
0
好中球数減少
0
0
0
0
0
0
尿中蛋白陽性
0
1
(<0.1)
1
(<0.1)
2
(<0.1)
0
0
0
1
(<0.1)
1
(1.2)
0
0
2
(0.5)
1
(0.3)
2
(1.2)
1
(0.6)
0
0
リンパ球数減少
1
(<0.1)
0
1
(1.2)
0
0
0
1
(0.1)
0
2
(0.5)
0
0
0
Investigations
Alanine
aminotransferase
increased
臨床検査
アラニンアミノト
ランスフェラーゼ
増加
アスパラギン酸ア
ミノトランスフェ
ラーゼ増加
血中ナトリウム増
加
C-反応性蛋白増
加
尿中ブドウ糖陽性
処置によるめまい
1
(0.1)
0
>0.21
-0.31
0
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
2
(4.3)
0
傷害、中毒および処
置合併症
Blood sodium
increased
C-reactive protein
increased
Glucose urine
present
Lymphocyte count
decreased
Neutrophil count
decreased
Protein urine
present
>0.11
-0.21
感染
Injury, poisoning
and procedural
complications
Procedural
dizziness
Aspartate
aminotransferase
increased
≥0.09
-0.11
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.3- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
Metabolism and
代謝および栄養障
nutrition disorders 害
Hypoglycaemia
低血糖症
Musculoskeletal
and connective
tissue disorders
Muscular weakness
筋骨格系および結
合組織障害
Nervous system
disorders
Convulsions local
神経系障害
筋力低下
局在性痙攣
Dizziness
浮動性めまい
Dysgeusia
味覚異常
Headache
頭痛
Paraesthesia
錯感覚
Somnolence
傾眠
Tremor
振戦
Renal and urinary
disorders
Dysuria
Gadobutrol
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
>0.31
-0.51
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
1
(0.3)
2
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
2
(0.5)
0
0
0
2
(<0.1)
0
0
0
0
0
1
(0.7)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
(1.0)
0
25
(0.6)
12
(0.3)
69
(1.6)
4
(<0.1)
3
(<0.1)
2
(<0.1)
2
(0.3)
5
(0.7)
10
(1.4)
1
(0.1)
2
(0.3)
0
2
(0.2)
7
(0.7)
10
(1.0)
3
(0.3)
1
(<0.1)
0
0
0
0
1
(0.7)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.7)
0
5
(1.3)
3
(0.8)
9
(2.3)
2
(0.5)
2
(0.5)
1
(0.3)
0
0
4
(1.8)
1
(0.4)
7
(3.1)
2
(0.9)
0
2
(1.2)
0
0
2
(0.2)
3
(0.3)
5
(0.5)
1
(<0.1)
0
1
(0.6)
1
(0.6)
0
0
0
2
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
7
(2.4)
0
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
腎および尿路障害
排尿困難
2
(0.7)
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.3- 2 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
Reproductive
生殖系および乳房
system and breast
障害
disorders
Dysmenorrhoea
月経困難症
Respiratory,
thoracic and
mediastinal
disorders
Dyspnoea
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
>0.31
-0.51
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
2
(0.5)
0
0
2
(0.7)
0
3
(<0.1)
4
(<0.1)
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
(0.9)
1
(0.3)
2
(0.5)
0
0
0
4
(0.4)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(1.2)
0
0
0
1
(0.6)
2
(1.2)
1
(0.6)
0
0
1
(0.4)
0
5
(1.3)
0
呼吸器、胸郭および
縦隔障害
呼吸困難
Oropharyngeal pain
口腔咽頭痛
Wheezing
喘鳴
Skin and
subcutaneous tissue
disorders
Ecchymosis
Gadobutrol
0
皮膚および皮下組
織障害
2
0
(<0.1)
Pruritus
0
7
1
そう痒症
(0.2)
(0.1)
Rash
0
11
1
発疹
(0.3)
(0.1)
Urticaria
0
8
1
蕁麻疹
(0.2)
(0.1)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/1, Table 2.1.4/3, Table 2.1.4/13
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC
MedDRA Version 16.0
.
斑状出血
0
0
1
(0.3)
1
(0.6)
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
評価資料とした試験の有害事象について、国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260、報告書
PH-37299)は 2.7.6.9.2.6.1.2、国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124、報告書 A47570)は
2.7.6.10.2.6.1.2 、 国 外 脳 ・ 脊 髄 実 薬 対 照 第 Ⅱ 相 試 験 ( 試 験 308200 、 報 告 書 A40524 ) は
2.7.6.11.2.5.1.2、国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)は
2.7.6.12.2.6.1.2、国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297、報告書 A51205)は
2.7.6.14.2.6.1.2 、 国 外 腎 臓 実 薬 対 照 第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 304561 、 報 告 書 A18088 ) は
2.7.6.15.2.6.1.3 、 国 外 躯 幹 部 動 脈 MRA 第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 97099 、 報 告 書 A04519 ) は
2.7.6.16.2.6.1.2、
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759、
報告書 PH-37227)
は 2.7.6.17.2.6.1.2
を参照のこと。
治験薬と関連性のある有害事象
各治験薬群において 0.5%以上の発現率で認められた治験薬と関連性のある有害事象(治験担
当医師による因果関係評価)の発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.3- 3 に示す。ガドブトロー
ルを投与した計 6,286 例中 231 例
(3.7%)
に 310 件の治験薬と関連性のある有害事象がみられた。
ガドペンテト酸メグルミン群では 1,097 例中 21 例(1.9%)に 30 件、ガドジアミド群では 150 例
中 3 例(2.0%)に 3 件、gadoversetamide 群では 227 例中 12 例(5.3%)に 15 件、ガドテリドー
ル群では 555 例中 41 例(7.4%)に 55 件の治験薬と関連性のある有害事象がみられた。Gd-DOTA
群では治験薬と関連性のある有害事象はみられなかった。ガドブトロール群で 0.5%以上の発現
率でみられた治験薬と関連性のある有害事象は、悪心(0.7%)のみであった。すなわち、1.0%
以上の発現率でみられた治験薬と関連性のある有害事象はなかった。
ガドブトロールのいずれの用量群でも有害事象の発現率はほぼ同様であった(表
2.7.4.2.1.1.3- 4)。
治験薬と関連性のある有害事象がみられた被験者の一覧を 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing
2.1.8/8 に示す。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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58 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 3 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発
現例数及び発現率(%)-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
System Organ
Class
Preferred Term
Dose:
mmol/kg bw
Number of
subjects (%)
Subjects with any
drug-related AE
Total number of
drug-related AE
Gastrointestinal
disorders
Diarrhoea
Nausea
Vomiting
General
disorders and
administration
site conditions
Gadobutrol Gadopentetate
dimeglumine
≤0.51
0.1-0.2
Gadodiamide
Gadoversetamide
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
Total
6286 (100.0) 1097 (100.0) 150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
231 (
3.7)
21 ( 1.9)
310
30
3(
2.0)
3
12 ( 5.3) 41 ( 7.4)
15
0 308 (
3.6)
55
0
413
0.2)
2.0)
0.9)
0
0
0
9 ( 0.1)
62 ( 0.7)
14 ( 0.2)
0.2)
0
0
0
28 ( 0.3)
3 ( <0.1)
0.2)
0
12 ( 0.1)
0.4)
0
13 ( 0.2)
0.5)
0
30 ( 0.4)
0.2)
0
3 ( <0.1)
胃腸障害
6 ( <0.1)
0
0
2 ( 0.9) 1 (
下痢
47 ( 0.7)
4 ( 0.4)
0
0 11 (
悪心
7 ( 0.1)
2 ( 0.2)
0
0 5(
嘔吐
一般・全
身障害お
よび投与
部位の状
態
Feeling hot
21 ( 0.3)
5 ( 0.5)
1 ( 0.7)
0 1(
熱感
1
(
<0.1)
0
0
2
(
0.9)
Injection site
注射部
erythema
位紅斑
10 ( 0.2)
0
1 ( 0.7)
0 1(
Injection site
注射部
pain
位疼痛
Nervous system 神経系障
disorders
害
9 ( 0.1)
0
0
2 ( 0.9) 2 (
Dizziness
浮動性
めまい
23 ( 0.4)
3 ( 0.3)
0
1 ( 0.4) 3 (
Dysgeusia
味覚異
常
Tremor
1 ( <0.1)
0
1 ( 0.7)
0 1(
振戦
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/2, Table 2.1.4/4, Table 2.1.4/20
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.3- 4 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Gadobutrol
<0.09
Number of subjects (%)
289
(100.0)
9
(3.1)
14
Subjects with any
drug-related AE
Total number of
drug-related AEs
≥0.09
>0.11
-0.11
-0.21
4247
694
(100.0) (100.0)
148
29
(3.5)
(4.2)
200
34
>0.21
>0.31
-0.31
-0.51
1009
47
(100.0) (100.0)
42
3
(4.2)
(6.4)
58
4
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
1016
81
(100.0) (100.0)
17
4
(1.7)
(4.9)
24
6
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
150
(100.0)
3
(2.0)
3
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
227
393
162
(100.0) (100.0) (100.0)
12
34
7
(5.3)
(8.7)
(4.3)
15
47
8
155
(100.0)
0
0
Cardiac disorders
Palpitations
心臓障害
動悸
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
1
(1.2)
0
0
0
0
0
Gastrointestinal disorders
Diarrhoea
胃腸障害
下痢
0
4
(<0.1)
4
(<0.1)
36
(0.8)
5
(0.1)
2
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
6
(0.9)
2
(0.3)
3
(0.3)
0
1
(2.1)
1
(2.1)
0
4
(0.4)
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
1
(0.6)
2
(1.2)
0
1
(1.2)
1
(0.3)
1
(0.3)
10
(2.5)
3
(0.8)
0
0
2
(0.9)
0
8
(0.2)
1
(<0.1)
5
(0.1)
0
2
(0.3)
0
9
(0.9)
0
2
(4.3)
0
4
(0.4)
0
1
(1.2)
0
1
(0.7)
0
0
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
4
(0.4)
0
0
0
0
0
0
1
(1.2)
1
(0.3)
0
0
0
1
(0.7)
0
0
0
Dry mouth
口内乾燥
Nausea
悪心
Vomiting
嘔吐
General disorders and
administration site
conditions
Feeling hot
0
1
(0.3)
0
0
一般・全身障害および
投与部位の状態
熱感
0
Injection site erythema
注射部位紅斑
0
Injection site pain
注射部位疼痛
Oedema peripheral
末梢性浮腫
1
(0.3)
0
0
2
(0.9)
0
1
(0.4)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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60
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133
表 2.7.4.2.1.1.3- 4 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Investigations
Alanine aminotransferase
increased
Aspartate
aminotransferase
increased
Blood sodium increased
Protein urine present
Nervous system disorders
Dizziness
Gadobutrol
<0.09
臨床検査
アラニンアミノトラ
ンスフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミ
ノトランスフェラー
ゼ増加
血中ナトリウム増加
尿中蛋白陽性
神経系障害
浮動性めまい
Dysgeusia
味覚異常
Headache
頭痛
Tremor
振戦
Skin and subcutaneous
tissue disorders
Pruritus
皮膚および皮下組織障
害
そう痒症
≥0.09
-0.11
0
0
0
0
0
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
>0.31
-0.51
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
Gadodi- Gadoveramide
setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
0.2
1
(0.1)
1
(0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
1
(1.2)
0
0
2
(0.7)
0
5
(0.1)
11
(0.3)
13
(0.3)
1
(<0.1)
1
(0.1)
5
(0.7)
0
1
(<0.1)
7
(0.7)
4
(0.4)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
(0.3)
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
(1.0)
0
0
0
6
0
(0.1)
Rash
0
9
1
発疹
(0.2)
(0.1)
Urticaria
0
7
1
蕁麻疹
(0.2)
(0.1)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/1, Table 2.1.4/3, Table 2.1.4/19
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
0
GdDOTA
0.1
1
(0.6)
1
(0.6)
0
2
(0.5)
1
(0.3)
0
0
0
0
2
(0.5)
3
(0.8)
1
(0.3)
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
1 (0.7)
2
(0.9)
1
(0.4)
1
(0.4)
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(1.2)
0
0
0
0
0
0
1
(0.3)
1
(0.6)
1
(0.6)
1
(0.6)
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
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副作用(薬物有害反応)
FDA ガイダンス(Guidance of labeling for human prescription drug and biological products,
2006 年 1 月発行)に従い、治験依頼者の医学専門家が体系的に行った医学的レビューで薬剤に関
連すると判断された有害事象をガドブトロールの副作用とした。FDA ガイダンスでは、副作用(薬
物有害反応)とは、投与された薬物の薬理作用から説明しうる又は予期されない、当該薬物と合
理的な関連のある望ましくない反応である。この定義は薬剤使用中に生じるすべての有害事象を
含むものではなく、少なくとも合理的な可能性があり、当該薬物との因果関係が否定できないも
のをさすとされている。EU の SmPC についてのガイドライン(2009 年 9 月発行)でも同様の定義
が用いられている。
治験薬との因果関係の評価の手順として、まずガドブトロールが投与された被験者で発現した
すべての有害事象を集計し、これらの有害事象を副作用とするだけの十分な根拠があるか否かを
判断した。次に、市販後成績の評価により、治験薬との因果関係に十分な根拠がある場合、その
有害事象を副作用とした〔企業中核データシート(Core Company Data Sheet: CCDS)の Undesirable
Effects の項の副作用の表に記載〕。
治験薬との因果関係評価の際には、薬理学的特性、他の Gd 含有造影剤で報告されている有害事
象、及び治験担当医師による因果関係評価を考慮に入れた。
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験の併合解析において、ガドブトロール群で 0.1%以上の発現率でみられた
副作用を表 2.7.4.2.1.1.3- 5 に示す。最も高頻度(0.5%以上)にみられたのは、頭痛、悪心及
び浮動性めまいであった。
過敏症/アナフィラキシー様症状については、MedDRA PBMQ(Project Bayer MedDRA Query)の
「即時型過敏症(造影剤)」として検索した(5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/17)。投与
24 時間以内の「即時型過敏症(造影剤)」の発現率は本剤で 0.1%(9 例)であり、他剤での発
現はなかった(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/134、Listing 2.1.8/5)。
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.3- 5 発現率が 0.1%以上の副作用-ガドブトロール群
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Adverse drug reactions
Incidence (%)
Number of subjects
6286
Headache
1.5
頭痛
Nausea
1.2
悪心
Dizziness
0.5
浮動性めまい
Dysgeusia
0.4
味覚異常
Feeling hot
0.4
熱感
Injection site reaction*
0.4
注射部位反応
Vomiting
0.4
嘔吐
Rash (includes generalized, macular, papular, pruritic rash)
0.3
発疹
Pruritis (includes generalized pruritus)
0.2
そう痒症
Erythema
0.2
紅斑
Hypersensitivity/Anaphylacoid reaction**
0.1
過敏症/アナフィラキシー様反応
Dyspnoea
0.1
呼吸困難
Paraesthesia
0.1
錯感覚
*Injection site reactions (various kinds) comprise the following terms: Injection site extravasation, injection site burning,
injection site coldness, injection site warmth, injection site erythema or rash, injection site pain, injection site hematoma
**Hypersensitivity/anaphylactoid reaction may occur with one or more of the following adverse reactions: for example,
hypotension, urticaria, face edema, eyelid edema, flushing
MedDRA Version 16.0
重症度
重症度別有害事象発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.3- 6 及び表 2.7.4.2.1.1.3- 7 に示す。
ガドブトロール群の有害事象がみられた被験者 623 例中、軽度及び中等度の有害事象を有する被
験者が大多数(96%)であった。ガドブトロール群 6,286 例中、重度の有害事象がみられた被験
者は 24 例(0.4%)であった。重度の有害事象の発現率と用量に相関性はみられなかった。重度
の有害事象がみられた被験者の一覧を 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/9 に示す。
表 2.7.4.2.1.1.3- 6 重症度別の有害事象発現例数及び発現率(%)-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Intensity
Gadobutrol Gadopentetate Gadodiamide Gadover- Gadoteridol Gd-DOTA
Total
dimeglumine
setamide
≤0.51
0.1-0.2
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
6286 (100.0)
1097 (100.0)
150 (100.0) 227 (100.0) 555 (100.0) 155 (100.0) 8470 (100.0)
Dose: mmol/kg bw
Number of
subjects
623 ( 9.9)
63 (
Any AE
478 ( 7.6)
51 (
Mild
120 ( 1.9)
11 (
Moderate
24 ( 0.4)
1(
Severe
1 ( <0.1)
Unknown
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/10
5.7)
4.6)
1.0)
<0.1)
0
7(
6(
1(
4.7)
4.0)
0.7)
0
0
39 (
28 (
10 (
1(
17.2)
12.3)
4.4)
0.4)
0
104 (
83 (
18 (
3(
18.7)
15.0)
3.2)
0.5)
0
3(
3(
1.9)
1.9)
0
0
0
839 (
649 (
160 (
29 (
1(
9.9)
7.7)
1.9)
0.3)
<0.1)
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.2.1.1.3- 7 重症度別の有害事象発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Intensity
Gadobutrol
Dose:
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
mmol/kg bw
-0.11 -0.21
-0.31
-0.51
289
4247
694
1009
47
Number of
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
subjects
25
433
80
79
6
Any AE
(8.7) (10.2) (11.5)
(7.8) (12.8)
15
342
57
59
5
Mild
(5.2)
(8.1)
(8.2)
(5.8) (10.6)
8
76
18
17
1
Moderate
(2.8)
(1.8)
(2.6)
(1.7)
(2.1)
1
15
5
3
0
Severe
(0.3)
(0.4)
(0.7)
(0.3)
1
0
0
0
0
Unknown
(0.3)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/9
Gadopentetate Gadodi- Gadoverdimeglumine
amide setamide
0.1
0.2
0.1
0.1
1016
81
(100.0) (100.0)
56
7
(5.5)
(8.6)
47
4
(4.6)
(4.9)
8
3
(0.8)
(3.7)
1
0
(<0.1)
0
0
150
(100.0)
7
(4.7)
6
(4.0)
1
(0.7)
0
0
Gadoteridol
0.1
0.2
GdGOTA
0.1
227
393
162
155
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
39
85
19
3
(17.2) (21.6) (11.7)
(1.9)
28
69
14
3
(12.3) (17.6) (8.6)
(1.9)
10
14
4
0
(4.4)
(3.6) (2.5)
1
2
1
0
(0.4)
(0.5) (0.6)
0
0
0
0
発現時期
発現時期別有害事象の発現件数及びその割合を表 2.7.4.2.1.1.3- 8 及び表 2.7.4.2.1.1.3- 9
に示す。ガドブトロール群でみられた 929 件の有害事象のうち、約 3 割は投与後 30 分以内に発現
し、多くは投与後 24 時間以内に発現した。
治 験 薬 と 関 連 性 の あ る 有 害 事 象 の 発 現 時 期 別 件 数 を 表 2.7.4.2.1.1.3- 10 及 び 表
2.7.4.2.1.1.3- 11 に示す。投与後 24 時間を超えて発現した治験薬と関連性のある有害事象は、
ガドブトロール群で 19 件(頭痛 4 件、血中クレアチニン増加 2 件、手掌紅斑 1 件、ほてり 1 件、
尿中結晶陽性 1 件、尿中血陽性 1 件、アミラーゼ異常 1 件、悪心 1 件、嘔吐 1 件、注射部位疼痛
1 件、血中ブドウ糖増加 1 件、白血球数増加 1 件、味覚異常 1 件、下痢 1 件、そう痒性皮疹 1 件)
みられた(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/28 及び Listing 2.1.8/8)。72 時間を超えて発現
した有害事象の一覧を 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/12 に示す。
表 2.7.4.2.1.1.3- 8 有害事象の発現時期別件数及び割合(%)-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Time point
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
Dose: mmol/kg bw
≤0.51
0.1-0.2
Number of AEs
929 (100.0)
88 (100.0)
>0-30min
262 ( 28.2)
26 ( 29.5)
>30min-1h
36 ( 3.9)
2 ( 2.3)
>1h-3h
68 ( 7.3)
3 ( 3.4)
>3h-6h
68 ( 7.3)
14 ( 15.9)
>6h-12h
82 ( 8.8)
10 ( 11.4)
>12h-24h
156 ( 16.8)
14 ( 15.9)
>24h-72h
166 ( 17.9)
8 ( 9.1)
Missing
91 ( 9.8)
11 ( 12.5)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/4
Gadodiamide
0.1
9 (100.0)
3 ( 33.3)
0
0
1 ( 11.1)
1 ( 11.1)
4 ( 44.4)
0
0
Gadover- Gadoteridol Gd-DOTA
setamide
0.1
0.1-0.2
0.1
51 (100.0)
156 (100.0)
3 (100.0)
4 ( 7.8)
43 ( 27.6)
0
1 ( 2.0)
5 ( 3.2)
0
2 ( 3.9)
5 ( 3.2)
0
3 ( 5.9)
9 ( 5.8)
1 ( 33.3)
4 ( 7.8)
5 ( 3.2)
1 ( 33.3)
17 ( 33.3)
39 ( 25.0)
0
10 ( 19.6)
29 ( 18.6)
0
10 ( 19.6)
21 ( 13.5)
1 ( 33.3)
Total
1236 (100.0)
338 ( 27.3)
44 ( 3.6)
78 ( 6.3)
96 ( 7.8)
103 ( 8.3)
230 ( 18.6)
213 ( 17.2)
134 ( 10.8)
2.7.4 臨床的安全性
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133
表 2.7.4.2.1.1.3- 9 有害事象の発現時期別件数及び割合(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Time point
Gadobutrol
Dose:
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
mmol/kg bw
-0.11 -0.21 -0.31 -0.51
Number of
41
657
114
109
8
AEs
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
>0-30min
10
158
30
60
4
(24.4) (24.0) (26.3) (55.0) (50.0)
>30min-1h
0
27
6
2
1
(4.1) (5.3) (1.8) (12.5)
>1h-3h
3
48
9
8
0
(7.3) (7.3) (7.9) (7.3)
>3h-6h
4
51
4
8
1
(9.8) (7.8) (3.5) (7.3) (12.5)
>6h-12h
2
67
10
3
0
(4.9) (10.2) (8.8) (2.8)
>12h-24h
4
125
18
7
2
(9.8) (19.0) (15.8) (6.4) (25.0)
>24h-72h
7
126
20
13
0
(17.1) (19.2) (17.5) (11.9)
Missing
11
55
17
8
0
(26.8) (8.4) (14.9) (7.3)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/3
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
Gadodiamide
0.2
0.1
78
10
(100.0) (100.0)
25
1
(32.1) (10.0)
2
0
(2.6)
3
0
(3.8)
14
0
(17.9)
10
0
(12.8)
12
2
(15.4) (20.0)
8
0
(10.3)
4
7
(5.1) (70.0)
Gadoversetamide
0.1
Gadoteridol
0.1
0.2
9
51
134
22
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
3
4
39
4
(33.3)
(7.8) (29.1) (18.2)
0
1
4
1
(2.0)
(3.0)
(4.5)
0
2
5
0
(3.9)
(3.7)
1
3
7
2
(11.1)
(5.9)
(5.2)
(9.1)
1
4
4
1
(11.1)
(7.8)
(3.0)
(4.5)
4
17
32
7
(44.4) (33.3) (23.9) (31.8)
0
10
27
2
(19.6) (20.1)
(9.1)
0
10
16
5
(19.6) (11.9) (22.7)
GdDOTA
0.1
3
(100.0)
0
0
0
1
(33.3)
1
(33.3)
0
0
1
(33.3)
表 2.7.4.2.1.1.3- 10 治験薬と関連性のある有害事象の発現時期別件数-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Time point
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
0.1-0.2
30
Dose: mmol/kg bw
≤0.51
Number of
310
drug-related AEs
>0-30min
187
19
>30min-1h
9
0
>1h-3h
14
1
>3h-6h
22
2
>6h-12h
17
1
>12h-24h
27
1
>24h-72h
19
1
Missing
15
5
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/4, 2.1.4/28
Gadodiamide
0.1
3
Gadoversetamide
0.1
15
Gadoteridol
Gd-DOTA
Total
0.1-0.2
55
0.1
0
413
3
0
0
0
0
0
0
0
3
0
1
1
1
5
2
2
31
2
2
1
1
12
1
5
0
0
0
0
0
0
0
0
243
11
18
26
20
45
23
27
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
65 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 11 治験薬と関連性のある有害事象の発現時期別件数-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Time point
Gadobutrol
Dose:
<0.09 ≥0.09 >0.11 >0.21 >0.31
mmol/kg bw
-0.11 -0.21
-0.31
-0.51
Number of
14
200
34
58
4
drug-related
AEs
>0-30min
6
110
21
46
4
>30min-1h
0
5
2
2
0
>1h-3h
2
12
0
0
0
>3h-6h
3
15
1
3
0
>6h-12h
0
14
2
1
0
>12h-24h
0
22
3
2
0
>24h-72h
1
16
0
2
0
Missing
2
6
5
2
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/3, 2.1.4/27
Gadopentetate Gadodi- Gadodimeglumine
amide versetamide
0.1
0.2
0.1
0.1
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.2
0.1
24
6
3
15
47
8
0
19
0
1
2
1
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
5
3
0
0
0
0
0
0
0
3
0
1
1
1
5
2
2
29
1
2
0
0
11
1
3
2
1
0
1
1
1
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
製剤濃度
ガドブトロールの製剤濃度別有害事象の発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.3- 12 に示す。
有害事象発現率は 0.5mmol/mL で 5.5%、1.0mmol/mL で 10.7%であり、治験薬と関連性のある有
害事象の発現率は、0.5mmol/mL で 3.9%、1.0mmol/mL で 3.6%であった。有害事象及び治験薬と
関連性のある有害事象の発現率に、製剤濃度による顕著な差異は認められなかった。
ガドブトロールの製剤濃度別の、
各有害事象の発現例数及び発現率を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table
2.1.4/129 に、治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table
2.1.4/130 に示す。
表 2.7.4.2.1.1.3- 12 ガドブトロールの製剤濃度別有害事象発現例数及び発現率(%)
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Molarity
0.5 mmol/mL Number of subjects
With AE
With drug-related AE
<0.09
22 (100.0)
1 ( 4.5)
1 ( 4.5)
≥0.09-0.11
636 (100.0)
26 ( 4.1)
15 ( 2.4)
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51
Total
42 (100.0) 300 (100.0)
0 1002 (100.0)
9 ( 21.4) 19 ( 6.3)
0
55 ( 5.5)
9 ( 21.4) 14 ( 4.7)
0
39 ( 3.9)
267 (100.0) 3611 (100.0) 652 (100.0) 709 (100.0)
1.0 mmol/mL Number of subjects
With AE
24 ( 9.0) 407 ( 11.3) 71 ( 10.9) 60 ( 8.5)
With drug-related AE
8 ( 3.0) 133 ( 3.7) 20 ( 3.1) 28 ( 3.9)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/127
45 (100.0) 5284 (100.0)
6 ( 13.3) 568 ( 10.7)
3 ( 6.7) 192 ( 3.6)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
66 of
133
アジア人部分集団解析

アジア人部分集団での有害事象発現率
各治験薬投与後、0.5%以上の発現率でみられた有害事象及びその発現率を表 2.7.4.2.1.1.313 に示す。ガドブトロールを投与した計 1,919 例中 153 例(8.0%)に 211 件の有害事象がみら
れた。ガドペンテト酸メグルミン群では 584 例中 36 例(6.2%)に 51 件、ガドテリドール群 272
例中 29 例(10.7%)に 39 件の有害事象がみられた。
ガドブトロール群で 0.5%以上の発現率でみられた有害事象は悪心(0.9%)、頭痛(0.9%)
及び浮動性めまい(0.5%)であった。アジア人部分集団でガドブトロールによりみられた有害事
象と比較対照とした他の細胞外液性造影剤、また全体集団との間にも、特に差はみられなかった。
表 2.7.4.2.1.1.3- 14 に、各治験薬群で 0.5%以上の頻度で発現した有害事象について、用量別
の発現例数及び発現率を示す。ガドブトロールのいずれの用量群でも有害事象の発現率に顕著な
差はなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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67 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 13 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率
(%)
-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団
System Organ
Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Number of
subjects (%)
Subjects with any
AE
Total number of
AEs
Cardiac disorders
Tachycardia
Gastrointestinal
disorders
Nausea
Vomiting
General disorders
and
administration
site conditions
Feeling hot
Investigations
Glucose urine
present
Nervous system
disorders
Dizziness
Gadobutrol Gadopentetate Gadodi- GadoGadoteGdTotal
dimeglumine amide versetridol
DOTA
amide
≤0.51
0.1-0.2
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
1919 (100.0)
584 (100.0)
0
0 272 (100.0)
0 2777 (100.0)
153 (
8.0)
36 ( 6.2)
0
0
29 ( 10.7)
0
211
51
0
0
39
0
301
0.7)
0
1.4)
0
0
0
0
0
0
2(
2(
6(
0.7)
0.7)
2.2)
0
0
0
9 ( 0.3)
3 ( 0.1)
54 ( 1.9)
4 ( 0.7)
2 ( 0.3)
10 ( 1.7)
0
0
0
0
0
0
2(
3(
4(
0.7)
1.1)
1.5)
0
0
0
24 ( 0.9)
13 ( 0.5)
36 ( 1.3)
心臓障害
頻脈
胃腸障害
3 ( 0.2)
1( <0.1)
40 ( 2.1)
悪心
嘔吐
一般・全身
障害および
投与部位の
状態
熱感
臨床検査
尿中ブド
ウ糖陽性
神経系障害
18 ( 0.9)
8 ( 0.4)
22 ( 1.1)
4(
8(
218 (
7.9)
2 ( 0.1)
24 ( 1.3)
0
3(
7(
1(
0.5)
1.2)
0.2)
0
0
0
0
0
0
6(
2(
0
2.2)
0.7)
0
0
0
5 ( 0.2)
37 ( 1.3)
3 ( 0.1)
32 ( 1.7)
4(
0.7)
0
0
5(
1.8)
0
41 ( 1.5)
0
2(
0.7)
0
11 ( 0.4)
0
0
2(
5(
0.7)
1.8)
0
0
23 ( 0.8)
29 ( 1.0)
0
2(
0.7)
0
9 ( 0.5)
0
0
浮動性め
まい
Headache
18 ( 0.9)
3 ( 0.5)
0
頭痛
4 ( 0.7)
20 ( 1.0)
Skin and
0
皮膚および
subcutaneous
皮下組織障
tissue disorders
害
Rash
5 ( 0.3)
1 ( 0.2)
0
発疹
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/64, Table 2.1.4/66, Table 2.1.4/68
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
8(
0.3)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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68 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 14 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Number of subjects
(%)
Subjects with anyAE
Total number of AEs
Cardiac disorders
心臓障害
Atrial fibrillation
心房細動
Palpitations
動悸
Tachycardia
頻脈
Gastrointestinal
胃腸障害
disorders
Constipation
便秘
Epigastric discomfort 心窩部不
快感
Nausea
悪心
Vomiting
嘔吐
General disorders
一般・全身
and administration
障害および
site conditions
投与部位の
状態
Feeling abnormal
異常感
Feeling hot
熱感
General physical
全身健康
health deterioration
状態低下
Injection site pain
注射部位
疼痛
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
<0.09
≥0.09
>0.11
>0.21
>0.31
-0.11
-0.21
-0.31
-0.51
22 (100.0) 1475 (100.0) 241 (100.0) 179 (100.0) 2 (100.0)
1(
4.5) 122 (
2
8.3) 21 ( 8.7)
172
26
1(
0
0
0
0
4.5)
0.1)
0
1 (<0.1)
1 (<0.1)
32 ( 2.2)
1(
0
4.5)
2 ( 0.1)
1 ( <0.1)
4.5)
0
0
14 ( 0.9)
6 ( 0.4)
19 ( 1.3)
0
0
0
0
1(
2(
4(
0
0
0
0
1.7)
8(
3(
0
0
1(
1(
1(
4.5) 1 ( 50.0)
10
1
0 1 ( 50.0)
0
0
0 1 ( 50.0)
0
0
1.7)
0
0.1
Gadodi- Gadoamide versetamide
0.1
0.1
0.2
503 (100.0) 81 (100.0)
1(
7(
0.1
GdDOTA
0.2
0.1
0
0 110 (100.0) 162 (100.0)
0
8.6)
10
0
0
0 10 ( 9.1)
0
17
0
0.4)
0
0.2)
0
1.4)
2 ( 2.5)
1 ( 1.2)
1 ( 1.2)
0
1 ( 1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1.2)
3.7)
0
0
0
0
0
0
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
29 ( 5.8)
41
2(
Gadoteridol
0
0
0
0
1(
0.2)
0
0.4)
0.4)
0.4)
2(
1(
2(
1.1)
0.6)
1.1)
0
0
0
4(
1(
7(
0.8)
0.2)
1.4)
1 ( <0.1)
2 ( 0.1)
0
0
0
0
1(
0.6)
0
0
0
0
0
2(
2(
0.4)
0.4)
0
1 ( <0.1)
0
1(
0.6)
0
0
7(
1(
3(
1(
1(
1(
1(
1(
2(
0.9)
0
0
0.9)
0.9)
1(
0
0
0
0.9)
1.8)
0
0
0
1(
19 ( 11.7)
22
0.9)
0.6)
0
0
0.6)
3.1)
0
0
0
0
0
1(
0.6)
0
0
0
2(
2(
2(
1.2)
1.2)
1.2)
0
0
0
1(
0
0
0.6)
0
0
0
0
0
1(
5(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.3- 14 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Gadobutrol
Dose: mmol/kg bw
Injection site
swelling
Malaise
Oedema peripheral
Pyrexia
Hepatobiliary
disorders
Bile duct stone
Infections and
infestations
Bronchitis
Folliculitis
Investigations
Alanine
aminotransferase
increased
Amylase abnormal
Aspartate
aminotransferase
increased
Blood glucose
abnormal
<0.09
注射部位腫
脹
倦怠感
末梢性浮腫
発熱
肝胆道系障
害
胆管結石
感染症およ
び寄生虫症
気管支炎
毛包炎
臨床検査
アラニンア
ミノトラン
スフェラー
ゼ増加
アミラーゼ
異常
アスパラギ
ン酸アミノ
トランス
フェラーゼ
増加
血中ブドウ
糖異常
0
0
>0.31
-0.51
0
3(
2(
0.1)
0
0.2)
0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
7(
0
0.5)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
17 ( 1.2)
1 ( <0.1)
0
0
1.7)
0.4)
0
0
0
1 ( <0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
≥0.09
-0.11
2 ( 0.1)
2(
>0.11
-0.21
Gadopentetate
dimeglumine
4(
1(
>0.21
-0.31
0.2
Gadoteridol
0.1
1.2)
0
0
0
0 1(
0.4)
0
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 1(
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
1.7)
0
0
0
0
0
0 1(
0
1.0) 2 (
0.2)
1.2)
0
2.5)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.6)
0
0
0
0
0
0
0.4)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3(
1(
2(
5(
1(
1(
1(
1(
1(
2(
1(
GdDOTA
0.2
0 1(
0
1(
0.1
Gadodi- Gadoamide versetamide
0.1
0.1
0.9)
0
0
0.9)
0
1(
0
0.9)
1(
0
0.9)
1.8)
0
0.9)
1(
4(
1(
1(
0.1
0
0
0.6)
0
0
0.6)
0
0
0
0
0.6)
0
0
0
0
0
2.5)
0.6)
0
0
0
0
0
0
0.6)
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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70 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 14 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Gadobutrol
Dose: mmol/kg bw
Blood iron abnormal
Blood lactate
dehydrogenase
abnormal
Blood phosphorus
increased
C-reactive protein
increased
Glucose urine
present
Lymphocyte count
decreased
Protein urine present
Metabolism and
nutrition disorders
Hypoglycaemia
Musculoskeletal and
connective tissue
disorders
Muscle spasms
Nervous system
disorders
Convulsions local
Dizziness
Headache
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
Gadopentetate
dimeglumine
血中鉄異常
血中乳酸脱
水素酵素異
常
血中リン増
加
C-反応性
蛋白増加
尿中ブドウ
糖陽性
リンパ球数
減少
尿中蛋白陽
性
代謝および
栄養障害
低血糖症
筋骨格系お
よび結合組
織障害
筋痙縮
神経系障害
0
0
0
0
0
0
>0.21
-0.31
1 ( 0.6)
1 ( 0.6)
0
0
0
0
0
0
0.4)
0
0
0
局在性痙攣
浮動性めま
い
頭痛
0
0
>0.31
-0.51
0
0
0.1
Gadodi- Gadoamide versetamide
0.1
0.1
0.2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 1(
1.2)
0
0
0
0
0.2)
0
0
1 (0.4)
0
0
0
1(
1(
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.2
0.1
0
0
0
0
0
0
0.9)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2(
1.2)
0
0
0
0
0
1(
0.6)
0
1.2)
0
0
0
0
0
1(
0
2(
0.1)
0
0
0
1(
0.2) 1 (
0
2(
0.1)
0
0
0
1(
0.2)
0
0
0
1(
0.9)
0
0
0
0
0
0.5)
1(
7(
0.9)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1.2)
1(
0
0.6)
0
0
2(
0
0.4)
0
0
0
0
0
0
0
30 ( 2.0)
1 ( 0.4)
1 ( 0.4)
1(
1(
0.6)
0.6)
0
0
4(
0
0.8)
0
0
0
0
0
0
1(
0
0.9)
4(
0
2.5)
0
0
0
0.6)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
0
0.9)
1(
1(
0.6)
0.6)
0
0
17 ( 1.2)
0
0.6)
0
0.6)
0
0
0
0
2(
1.2)
0
9(
3(
1(
3(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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71 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 14 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Gadobutrol
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
Gadopentetate
dimeglumine
>0.21
-0.31
0
0
0
腎および尿
路障害
0
0
0
血尿
0
0
0
蛋白尿
0
0
0
膿尿
0
7 ( 0.5)
0
呼吸器、胸郭
および縦隔
障害
Dyspnoea
0
1 ( <0.1)
0
呼吸困難
Rhinorrhoea
0
1 ( <0.1)
0
鼻漏
0 14 ( 0.9) 6 ( 2.5)
Skin and
皮膚および
subcutaneous tissue
皮下組織障
disorders
害
Eczema
0
0 1 ( 0.4)
湿疹
Pruritus
0
2 ( 0.1) 1 ( 0.4)
そう痒症
Rash
0
4 ( 0.3) 1 ( 0.4)
発疹
Seborrhoeic
0
0
0
脂漏性皮膚
dermatitis
炎
Urticaria
0
4 ( 0.3) 1 ( 0.4)
蕁麻疹
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/65, Table 2.1.4/67
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
Renal and urinary
disorders
Haematuria
Proteinuria
Pyuria
Respiratory, thoracic
and mediastinal
disorders
0
>0.31
-0.51
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.1
Gadodi- Gadoamide versetamide
0.1
0.1
0.2
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.2
0.1
0
0
0
0
1(
0.9)
0
0
1(
0
0
0
0.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
1(
1(
2(
0.9)
0.9)
0.9)
1.8)
0
0
0
0
0
0
0
0
3(
0
0
0.6) 1 (
0
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
1(
1(
1(
0.9)
0.9)
0.9)
0
0
2.5)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 1(
0
0
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
0.9)
0
0
0.9)
1(
2(
0
0.6)
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
0.6)
0
1(
4(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.

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72 of
133
アジア人部分集団での治験薬と関連性のある有害事象
各治験薬投与後、0.5%以上の発現率で認められた治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及
び発現率を表 2.7.4.2.1.1.3- 15 に示す。ガドブトロールを投与した計 1.919 例中 57 例(3.0%)
に 74 件の治験薬と関連性のある有害事象がみられた。ガドペンテト酸メグルミン群では 584 例中
12 例(2.1%)に 20 件、ガドテリドール群では 272 例中 9 例(3.3%)に 13 件の治験薬と関連性
のある有害事象がみられた。ガドブトロール群で 0.5%以上の発現率でみられた治験薬と関連性
のある有害事象は、悪心(0.7%)のみであった。
表 2.7.4.2.1.1.3- 16 に各治験薬群で 0.5%以上の頻度で発現した治験薬と関連性のある有害
事象について、用量別の発現例数及び発現率を示す。ガドブトロールのいずれの用量群でも治験
薬と関連性のある有害事象の発現率に顕著な差はなかった。
表 2.7.4.2.1.1.3- 15 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発
現例数及び発現率(%)-治験薬別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のア
ジア人部分集団
Gadobutrol Gadopentetate Gadodi- Gadoverdimeglumine amide setamide
System Organ
Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Number of
subjects (%)
Subjects with any
drug-related AE
Total number of
drug-related AEs
Gastrointestinal
disorders
Nausea
Vomiting
General disorders
and
administration
site conditions
胃腸障害
≤0.51
1919 (100.0)
0.1-0.2
584 (100.0)
57 ( 3.0)
12 ( 2.1)
0
0
74
20
0
0
0.9)
0
0
0
0
0
19 ( 1.0)
5(
0.1
0
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.1-0.2
2 (100.0) 272 (100.0)
13 ( 0.7)
3 ( 0.5)
0
悪心
2 ( 0.1)
2 ( 0.3)
0
嘔吐
11 ( 0.6)
5 ( 0.9)
0
一般・全身
障害およ
び投与部
位の状態
Feeling hot
2 ( 0.1)
3 ( 0.5)
0
熱感
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/64, Table 2.1.4/66, Table 2.1.4/70
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
0
9(
Total
0 2777 (100.0)
3.3)
0
78 ( 2.8)
13
0
107
3(
1.1)
0
27 ( 1.0)
1(
2(
0.4)
0.7)
0
0
0
0
17 ( 0.6)
6 ( 0.2)
16 ( 0.6)
0
0
5(
0.2)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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73 of
133
表 2.7.4.2.1.1.3- 16 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団
System Organ Class
Preferred Term
Gadobutrol
Dose: mmol/kg bw
<0.09
≥0.09
>0.11
>0.21
>0.31
-0.11
-0.21
-0.31
-0.51
22 (100.0) 1475 (100.0) 241 (100.0) 179 (100.0) 2 (100.0)
Number of subjects
(%)
Subjects with any
drug-related AE
Total number of
drug-related AEs
Cardiac disorders
Palpitations
Tachycardia
Gastrointestinal
disorders
Epigastric
discomfort
Nausea
Vomiting
General disorders
and administration
site conditions
Feeling abnormal
Feeling hot
Injection site pain
Oedema peripheral
Gadopentetate
dimeglumine
1(
心臓障害
動悸
頻脈
胃腸障害
1(
心窩部不 1 (
快感
1(
悪心
嘔吐
一般・全身
障害およ
び投与部
位の状態
異常感
熱感
注射部位
疼痛
末梢性浮
腫
4.5)
42 ( 2.8)
2
55
0
0
0
4.5)
1 ( <0.1)
0
1 ( <0.1)
14 ( 0.9)
4.5)
1 ( <0.1)
4.5)
0
0
9(
2(
8(
0.6)
0.1)
0.5)
9(
2(
3.7)
5(
1(
0.2
503 (100.0) 81 (100.0)
0.1
0 2 (100.0) 110 (100.0) 162 (100.0)
0
4.9)
0
0
4.3)
0
6
0
0
5
8
0
1.2)
1.2)
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0.9)
0
0.9)
0
0
0
0
1.9)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1.2)
2.5)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.6)
1.2)
0
0
0
0
7
0
0
0
0
0.8)
0
0
0
1.1)
0
0
0
0
0
0
1.1)
0
1.1)
0
0
0
3(
1(
3(
0.6)
0.2)
0.6)
0.6)
0
0.6)
0
0
0
2(
0
0.4)
0
1(
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
1.2)
0
0
0
0
0
2(
1(
0
0
0
0
2 ( 0.1)
1 ( <0.1)
0
0
0
0
0
0
2(
1(
4(
0.2
10
0.4)
0
0.4)
1.6)
0.1
GdDOTA
0
2(
8(
Gadoteridol
2.8)
0
1(
0.1
Gado- Gadodia- versetmide amide
0.1
0.1
14
1(
4(
0.2)
0
0
0.8)
1(
1(
1(
0
1(
2(
2(
1(
1(
1.8)
7(
3(
1(
2(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.1.3- 16 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Investigations
Alanine
aminotransferase
increased
Amylase abnormal
Aspartate
aminotransferase
increased
Blood iron abnormal
Blood lactate
dehydrogenase
abnormal
Protein urine present
Nervous system
disorders
Dizziness
Gadobutrol
<0.09
臨床検査
アラニン
アミノト
ランス
フェラー
ゼ増加
アミラー
ゼ異常
アスパラ
ギン酸ア
ミノトラ
ンスフェ
ラーゼ増
加
血中鉄異
常
血中乳酸
脱水素酵
素異常
尿中蛋白
陽性
神経系障
害
浮動性め
まい
0
0
≥0.09
-0.11
3 ( 0.2)
0
>0.11
-0.21
1 ( 0.4)
1 ( 0.4)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1 ( <0.1)
0
7(
0
2(
>0.21
-0.31
3 ( 1.7)
0
0 1(
0
Gadodi- Gadoveramide setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
1(
1(
0.6)
0.6)
0
0
0
0
0.6)
0
0.6)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
0.6)
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
0.6)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 1(
1.2)
0
0
0
0
0
0.5)
0
0
0
0
0
0
0
1(
0.9)
0
0
0.1)
0
0
0
0
0
0
0
1(
0.9)
0
0
1(
1(
>0.31
-0.51
0
0
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
0.4)
1(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.1.3- 16 いずれかの群で発現率が 0.5%以上の治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)-用量別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析のアジア人部分集団(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Renal and urinary
disorders
Haematuria
Proteinuria
Pyuria
Skin and
subcutaneous tissue
disorders
Gadobutrol
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
0
0
0
腎および尿
路障害
0
0
0
血尿
0
0
0
蛋白尿
0
0
0
膿尿
0 11 ( 0.7) 4 ( 1.7)
皮膚および
皮下組織障
害
Pruritus
0
1 ( <0.1)
0
そう痒症
Rash
0
4 ( 0.3) 1 ( 0.4)
発疹
Urticaria
0
3 ( 0.2) 1 ( 0.4)
蕁麻疹
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/65, Table 2.1.4/69
Adverse events are sorted in alphabetical order by primary SOC and preferred term.
A subject is counted only once within each preferred term or any primary SOC.
MedDRA Version 16.0
0
>0.31
-0.51
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
Gadopentetate
dimeglumine
0.1
0.2
2(
Gadodi- Gadoveramide setamide
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.1
0.2
0
0
0
0
1(
0.9)
0
0
0
0
0
0.4)
0
0
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
1(
1(
0.9)
0.9)
0.9)
0
0
0
0
1.9)
0
0
0
0
0
1.2)
0
0
0
0
0
0
0
1 (0.6)
1 (0.6)
1 (0.6)
0
0
0
0
0
0
1(
1(
0
0
0
3(
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.1.1.4
Page
76 of
133
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
有害事象発現率
各治験薬(本剤、ガドペンテト酸メグルミン、ガドテリドール)投与後に認められた有害事象
の発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.4- 1 に示す。本剤群では 555 例中 62 例(11.2%)に 89
件、ガドペンテト酸メグルミン群では 57 例中 6 例(10.5%)に 7 件、ガドテリドール群では 269
例中 30 例(11.2%)に 40 件の有害事象がみられた。比較的高頻度に発現した有害事象は、本剤
群では頭痛(1.1%)、嘔吐(0.9%)、下痢(0.7%)、悪心及び発疹(各 0.5%)、ガドペンテ
ト酸メグルミン群では、耳不快感、口唇炎、尿中ブドウ糖陽性、白血球数減少、四肢不快感、感
覚鈍麻及び薬疹(各 1.8%)、ガドテリドール群では嘔吐(1.1%)、頻脈、悪心、尿中ブドウ糖
陽性、浮動性めまい、頭痛及び発疹(各 0.7%)であった。その他の有害事象の発現率は 0.5%未
満であった。
表 2.7.4.2.1.1.4- 1 有害事象の発現例数及び発現率(%):4 試験の国内被験者併合解析
System Organ Class
Preferred Term
Number of subjects (%)
Subjects with any AE
Total number of AEs
Blood and lymphatic system
disorders
Neutropenia
Cardiac disorders
Palpitations
Tachycardia
Ear and labyrinth disorders
Ear discomfort
Tinnitus
Eye disorders
Conjunctival hyperaemia
Vision blurred
Vitreous floaters
Gastrointestinal disorders
Abdominal discomfort
Abdominal pain
Cheilitis
Constipation
Diarrhoea
Dry mouth
Gastrointestinal haemorrhage
Nausea
Vomiting
General disorders and
administration site conditions
Chest pain
Chills
Fatigue
Feeling abnormal
Feeling hot
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
57 (100.0)
6 ( 10.5)
7
Gadoteridol
0.2)
0
0
0.2)
0.4)
0.2)
0.2)
0.2)
0
1 ( 0.2)
3 ( 0.5)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
16 ( 2.9)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
0
2 ( 0.4)
4 ( 0.7)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
3 ( 0.5)
5 ( 0.9)
12 ( 2.2)
0
0
0
0
1.8)
1.8)
0
0
0
0
0
1.8)
0
0
1.8)
0
0
0
0
0
0
0
555 (100.0)
62 ( 11.2)
89
血液およびリンパ系障害
1(
好中球減少症
心臓障害
動悸
頻脈
耳および迷路障害
耳不快感
耳鳴
眼障害
結膜充血
霧視
硝子体浮遊物
胃腸障害
腹部不快感
腹痛
口唇炎
便秘
下痢
口内乾燥
胃腸出血
悪心
嘔吐
一般・全身障害および投与部
位の状態
胸痛
悪寒
疲労
異常感
熱感
1(
2(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
2(
0.2)
0.2)
0.2)
0.2)
0.4)
1(
1(
1(
1(
0
0
0
0
0
269 (100.0)
30 ( 11.2)
40
2(
2(
6(
1(
2(
3(
5(
0
0.7)
0
0.7)
0
0
0
0
0
0
0
2.2)
0
0
0
0.4)
0
0
0
0.7)
1.1)
1.9)
0
0
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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77 of
133
表 2.7.4.2.1.1.4- 1 有害事象の発現例数及び発現率(%):4 試験の国内被験者併合解析
(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Gait disturbance
General physical health deterioration
Injection site pain
Injection site reaction
Injection site swelling
Injection site warmth
Malaise
Pyrexia
Spinal pain
Hepatobiliary disorders
Bile duct stone
Infections and infestations
Cystitis
Folliculitis
Gastroenteritis
Nasopharyngitis
Urinary tract infection
Injury, poisoning and procedural
complications
Fall
Investigations
Alanine aminotransferase increased
Aspartate aminotransferase increased
Blood creatinine increased
Blood glucose abnormal
Blood phosphorus increased
Blood pressure increased
Electrocardiogram QT prolonged
Glucose urine present
Lymphocyte count decreased
White blood cell count decreased
Metabolism and nutrition disorders
Decreased appetite
Hypoglycaemia
Musculoskeletal and connective
tissue disorders
Back pain
Limb discomfort
Muscle spasms
Musculoskeletal pain
Neck pain
Pain in extremity
Nervous system disorders
Cerebral infarction
Convulsions local
Dizziness
Dysarthria
Head discomfort
Headache
Gadobutrol
歩行障害
全身健康状態低下
注射部位疼痛
注射部位反応
注射部位腫脹
注射部位熱感
倦怠感
発熱
脊椎痛
肝胆道系障害
胆管結石
感染症および寄生虫症
膀胱炎
毛包炎
胃腸炎
鼻咽頭炎
尿路感染
傷害、中毒および処置合併症
転倒
臨床検査
アラニンアミノトランス
フェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトラ
ンスフェラーゼ増加
血中クレアチニン増加
血中ブドウ糖異常
血中リン増加
血圧上昇
心電図 QT 延長
尿中ブドウ糖陽性
リンパ球数減少
白血球数減少
代謝および栄養障害
食欲減退
低血糖症
筋骨格系および結合障害
背部痛
四肢不快感
筋痙攣
筋骨格痛
頚部痛
四肢痛
神経系障害
脳梗塞
局在性痙攣
浮動性めまい
構語障害
頭部不快感
頭痛
1(
1(
1(
2(
1(
0.2)
0
0
0.2)
0.4)
0.2)
0
0.4)
0.2)
0
0
0.9)
0.2)
0
0.2)
0.2)
0.4)
0.2)
1(
6(
1(
0.2)
1.1)
0.2)
1(
1(
1(
2(
1(
2(
1(
5(
1(
2(
1(
1(
1(
1(
5(
Gadopentetate
dimeglumine
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
Gadoteridol
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
0.4)
0.4)
0.4)
0
0.4)
0
0.4)
0.4)
0
0.4)
0.4)
0.4)
0
0.4)
0
0
0
0
0
3.5)
0
6(
1(
0
2.2)
0.4)
0.2)
0
1(
0.4)
0.2)
0
0
0.4)
0.2)
0
0.2)
0
0.2)
0.2)
0
0.9)
0
0
0
0
0
1.8)
0
1.8)
0
0
0
1.8)
0.2)
0
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
12 ( 2.2)
1 ( 0.2)
0
2 ( 0.4)
1 ( 0.2)
1 ( 0.2)
6 ( 1.1)
2(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
0
1.8)
0
0
0
0
1.8)
0
0
0
0
0
0
1(
1(
2(
1(
1(
1(
5(
1(
2(
2(
0
0.4)
0.4)
0
0
0.7)
0.4)
0
0.4)
0
0.4)
0
0
0
0
0
0
0
1.9)
0
0.4)
0.7)
0
0
0.7)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.4- 1 有害事象の発現例数及び発現率(%):4 試験の国内被験者併合解析
(続き)
System Organ Class
Gadobutrol
Gadopentetate Gadoteridol
Preferred Term
dimeglumine
Hydrocephalus
1 ( 0.2)
0
0
水頭症
Hypoaesthesia
1 ( 0.2)
1 ( 1.8)
0
感覚鈍麻
Loss of consciousness
1 ( 0.2)
0
0
意識消失
Renal and urinary disorders
0
0
1 ( 0.4)
腎および尿路障害
Haematuria
0
0
1 ( 0.4)
血尿
Proteinuria
0
0
1 ( 0.4)
蛋白尿
Pyuria
0
0
1 ( 0.4)
膿尿
Respiratory, thoracic and
3 ( 0.5)
0
2 ( 0.7)
呼吸器、胸郭および縦隔障害
mediastinal disorders
Dyspnoea
0
0
1 ( 0.4)
呼吸困難
Haemoptysis
1 ( 0.2)
0
0
喀血
Pneumonia aspiration
1 ( 0.2)
0
0
誤嚥性肺炎
Rhinorrhoea
0
0
1 ( 0.4)
鼻漏
Upper respiratory tract inflammation
1 ( 0.2)
0
0
上気道の炎症
Skin and subcutaneous tissue
10
(
1.8)
1
(
1.8)
5
(
1.9)
皮膚および皮下組織障害
disorders
Dermatitis contact
1 ( 0.2)
0
0
接触性皮膚炎
Drug eruption
0
1 ( 1.8)
0
薬疹
Eczema
1
(
0.2)
0
1
(
0.4)
湿疹
Erythema
1 ( 0.2)
0
0
紅斑
Palmar erythema
1 ( 0.2)
0
0
手掌紅斑
Pruritus
1 ( 0.2)
0
1 ( 0.4)
そう痒症
Rash
3 ( 0.5)
0
2 ( 0.7)
発疹
Rash generalised
1 ( 0.2)
0
0
全身性皮疹
Seborrhoeic dermatitis
0
0
1 ( 0.4)
脂濡性皮膚炎
Urticaria
1 ( 0.2)
0
1 ( 0.4)
蕁麻疹
Vascular disorders
4 ( 0.7)
0
0
血管障害
Flushing
1 ( 0.2)
0
0
潮紅
Hot flush
2 ( 0.4)
0
0
ほてり
Hypertension
1 ( 0.2)
0
0
高血圧
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/2, Table 2.3.4/4, Table 2.3.4/6
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
MedDRA Version 16.0
治験薬と関連性のある有害事象
各治験薬(本剤、ガドペンテト酸メグルミン、ガドテリドール)投与後に認められた治験薬と
関連性のある有害事象(治験担当医師による因果関係評価)の発現例数及び発現率を表
2.7.4.2.1.1.4- 2 に示す。本剤群では 555 例中 24 例(4.3%)に 29 件、ガドペンテト酸メグル
ミン群では 57 例中 1 例(1.8%)に 1 件、ガドテリドール群では 269 例中 9 例(3.3%)に 13 件
の治験薬と関連性のある有害事象がみられた。0.5%以上の頻度で発現した治験薬と関連性のある
有害事象は、本剤群では頭痛及び発疹(各 0.5%)、ガドペンテト酸メグルミン群では四肢不快
感(1.8%)、ガドテリドール群では嘔吐(0.7%)であった。
2.7.4 臨床的安全性
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79 of
133
表 2.7.4.2.1.1.4- 2 治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)
:4 試験の国内被験者併合解析
Primary system organ class
Preferred term
Number of subjects (%)
Subjects with any drug-related AE
Total number of drug-related AEs
Cardiac disorders
Tachycardia
Eye disorders
Vision blurred
Gastrointestinal disorders
Diarrhoea
Dry mouth
Nausea
Vomiting
General disorders and
administration site conditions
Chills
Feeling hot
Injection site reaction
Injection site warmth
Pyrexia
Investigations
Alanine aminotransferase increased
Aspartate aminotransferase increased
Blood pressure increased
Musculoskeletal and connective
tissue disorders
Limb discomfort
Muscle spasms
Nervous system disorders
Dizziness
Headache
Renal and urinary disorders
Haematuria
Proteinuria
Pyuria
Respiratory, thoracic and
mediastinal disorders
Haemoptysis
Skin and subcutaneous tissue
disorders
Dermatitis contact
Eczema
Palmar erythema
Pruritus
Rash
Urticaria
Gadobutrol
555 (100.0)
24 ( 4.3)
29
心臓障害
頻脈
眼障害
霧視
胃腸障害
下痢
口内乾燥
悪心
嘔吐
一般・全身障害および投与部
位の状態
悪寒
熱感
注射部位反応
注射部位熱感
発熱
臨床検査
アラニンアミノトランス
フェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトラ
ンスフェラーゼ増加
血圧上昇
筋骨格系および結合障害
四肢不快感
筋痙攣
神経系障害
浮動性めまい
頭痛
腎および尿路障害
血尿
蛋白尿
膿尿
呼吸器、胸郭および縦隔障害
喀血
皮膚および皮下組織障害
接触性皮膚炎
湿疹
手掌紅斑
そう痒症
発疹
蕁麻疹
Gadopentetate
dimeglumine
57 (100.0)
1 ( 1.8)
1
Gadoteridol
269 (100.0)
9 ( 3.3)
13
1(
1(
1(
1(
4(
1(
1(
1(
1(
6(
0.2)
0.2)
0.2)
0.2)
0.7)
0.2)
0.2)
0.2)
0.2)
1.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(
2(
1(
1(
1(
2(
1(
0.2)
0.4)
0.2)
0.2)
0.2)
0.4)
0.2)
0
0
0
0
0
0
0
1(
1(
0
0
0
0
0
0.4)
0.4)
1(
0.2)
0
1(
0.4)
1(
1(
0.2)
0.2)
1(
1.8)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.4)
0.4)
0
0.4)
0.4)
0.4)
0.4)
0
1(
7(
0.2)
1.3)
0
0
1(
1(
1(
0.2)
0.2)
0.2)
0
0.5)
0.2)
0
0
0
0
0
0
3(
1(
1(
2(
0
0
1(
3(
1(
3(
0.4)
0.4)
0
0
1.1)
0
0
0.4)
0.7)
0
0
1.8)
0
0.2)
0.5)
0
0.5)
0
0
0
0
0.2)
1(
3(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
1(
3(
0
1.1)
1(
1(
1(
0
0
0
0.4)
0.4)
0.4)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.2.1.1.4- 2 治験薬と関連性のある有害事象の発現例数及び発現率(%)
:4 試験の国内被験者併合解析(続き)
Primary system organ class
Gadobutrol
Gadopentetate Gadoteridol
Preferred term
dimeglumine
Vascular disorders
2 ( 0.4)
0
0
血管障害
Hot flush
2 ( 0.4)
0
0
ほてり
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/2, Table 2.3.4/4, Table 2.3.4/18
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
MedDRA Version 16.0
重症度
重症度別有害事象発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.1.4- 3 に示す。本剤群では重度の有害事
象はみられず、中等度が 3 例、その他は軽度であった。ガドペンテト酸メグルミン群では、中等
度が 1 例、その他は軽度であった。ガドテリドール群では、1 例に重度の有害事象(全身健康状
態低下、5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.3.7/3)がみられた。この被験者(試験 310864、報告書
A41119、被験者番号 1506)は死亡したが、治験薬との関連性は否定された(2.7.4.2.1.2.2 参
照)。また、ガドテリドール群では中等度の有害事象が 4 例、その他は軽度であった。
治験薬と関連性のある重度の有害事象はいずれの治験薬群でもみられなかった(5.3.5.3.2
PH-37818 Table 2.3.4/29)。
表 2.7.4.2.1.1.4- 3 重症度別の有害事象発現例数及び発現率(%)
:4 試験の国内被験者併合解析
Intensity
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
57 (100.0)
6 ( 10.5)
5 ( 8.8)
1 ( 1.8)
0
Gadoteridol
555 (100.0)
269 (100.0)
Number of subjects (%)
62 ( 11.2)
30 ( 11.2)
Any AE
59 ( 10.6)
25 ( 9.3)
Mild
3 ( 0.5)
4 ( 1.5)
Moderate
0
1 ( 0.4)
Severe
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/2
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
発現時期
発現時期別有害事象の発現件数及びその割合を表 2.7.4.2.1.1.4- 4 に示す。ガドブトロール群
でみられた 89 件の有害事象のうち、約 20%は投与後 30 分以内に発現し、多くは投与後 24 時間
以内に発現した。
治験薬と関連性のある有害事象の発現時期別件数を表 2.7.4.2.1.1.4- 5 に示す。本剤投与後
24 時間を超えて発現した治験薬と関連性のある有害事象が 1 件みられた。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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81 of
133
表 2.7.4.2.1.1.4- 4 有害事象の発現時期別件数及び割合(%):4 試験の国内被験者併合解析
Time point
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
7 (100.0)
2 ( 28.6)
1 ( 14.3)
0
0
1 ( 14.3)
2 ( 28.6)
0
1 ( 14.3)
Gadoteridol
Number of AEs (%)
89 (100.0)
40 (100.0)
>0-30min
20 ( 22.5)
7 ( 17.5)
>30min-1h
8 ( 9.0)
1 ( 2.5)
3 ( 3.4)
0
>1h-3h
>3h-6h
3 ( 3.4)
2 ( 5.0)
>6h-12h
10 ( 11.2)
1 ( 2.5)
>12h-24h
14 ( 15.7)
13 ( 32.5)
>24h-72h
11 ( 12.4)
8 ( 20.0)
Missing
20 ( 22.5)
8 ( 20.0)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/4
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
表 2.7.4.2.1.1.4- 5 治験薬と関連性のある有害事象の発現時期別件数
:4 試験の国内被験者併合解析
Time point
Gadobutrol
Gadopentetate
dimeglumine
1
1
0
0
0
0
0
0
0
Gadoteridol
Number of drug-related AEs
29
13
>0-30min
12
3
>30min-1h
3
1
>1h-3h
1
0
>3h-6h
1
1
>6h-12h
3
1
>12h-24h
2
2
>24h-72h
1
0
Missing
6
5
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/4, Table 2.3.4/28
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
なお、第Ⅱ相~第Ⅳ相臨床試験のすべての国内被験者の併合解析(5.3.5.3.2 PH-37818 ias pool
2)においても、上記、4 試験の国内被験者の併合解析における結果並びに第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併
合解析における結果と大きな差はみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.1.2
Page
82 of
133
死亡
2.7.4.2.1.2.1
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
いずれの臨床試験においても、死亡例はなかった。
2.7.4.2.1.2.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
試験期間中の死亡は、ガドブトロール群 6.286 例中 1 例、ガドテリドール群 555 例中 1 例であっ
た(表 2.7.4.2.1.2.2- 1 及び表 2.7.4.7-2)。
ガドブトロール群の 1 例は、転移性脳腫瘍患者を対象に国内で実施した第Ⅲ相試験
(試験 95363)
の被験者(被験者番号 1211)であった。本被験者は 72 歳の男性で、肺癌の末期で、治験組み入
れの時点で肺炎を合併していた。0.5mmol/mL ガドブトロール 0.3mmol/kg(30mL)投与後 5 日に、
中等度の呼吸困難の悪化並びに右胸水増量を認め、処置として酸素吸入(経鼻)、胸水除去を施
行されたが、状態の悪化により治験薬投与後 11 日に胸水による呼吸不全で死亡した。治験担当医
師は状態の悪化は原疾患の進行によるものと考え、治験薬投与との関連性を否定した(5.3.5.4.20
B308)。
ガドテリドール群の 1 例は転移性脳腫瘍患者を対象に国内で実施した第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験
310864)の被験者(被験者番号 1506)であった。投与後 1 日に全身健康状態低下がみられ、投与
後 4 日に死亡した。治験担当医師は原発性疾患である乳癌の悪化による死亡と判断し、治験薬と
の関連性はなしと判定した(2.7.6.12.2.6.1.4 参照)。
表 2.7.4.2.1.2.2- 1 死亡例一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Report
No./
Study No.
Treatment
B308/
95363
Gadobutrol
(0.5 mmol/mL)
>0.21-0.31
mmol/kg bw
Subject#/
Race/
Sex/
Age/
Country
1211/
Asian/
male/
72/
Japan
Preferred term/
reported term
System Organ Class
Onset /
Duration
Intensity/
Causality
Dyspnoea(呼吸困
難)/Intensified
breathing difficulty
Respiratory, thoracic
and mediastinal
disorders(呼吸器、
胸郭および縦隔障
害)
Respiratory, thoracic
and mediastinal
disorders(呼吸器、
胸郭および縦隔障
害)
General disorders and
administration site
conditions(一般・全
身障害および投与部
位の状態)
5 days/
7 days
Moderate/
Not related
5 days/
7 days
Moderate/
Not related
1 day/
(Dead 4
days after
injection)
Severe/
Not related
(worsening of
breast cancer)
Pleural effusion(胸
水)/Increased
pleural effusion
(right)
A41119/
310864
Gadoteridol
0.2 mmol/kg bw
1506/
Asian/
female/
31/
Japan
General physical
health deterioration
(全身健康状態低
下)/Reduced
general condition
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/12, Listing 2.1.8/13
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
83 of
133
試験中止又は試験終了後の死亡として、以下の 4 例が報告された。
 試験 97035、被験者番号 80180(69 歳男性):5.3.5.4.13 B204 12.3 項参照
 試験 302600、被験者番号 30001(77 歳女性):5.3.5.4.26 A12063 12.3 項参照
 試験 302600、被験者番号 50005(65 歳男性):5.3.5.4.26 A12063 12.3 項参照
 試験 310123、被験者番号 100080002(70 歳男性):5.3.5.1.5
2.7.4.2.1.3
A47567
10.3.4 項参照
その他の重篤な有害事象
2.7.4.2.1.3.1
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
重篤な有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.3.1- 1 及び表 2.7.4.7-3 に示す。重篤な有害事象を有
したのは、ガドブトロール群 313 例のうち 1 例であった(5.3.5.3.1 A50821 Table 93)。プラセ
ボ群では重篤な有害事象はみられなかった(5.3.5.3.1 A50821 Table 94)。
重篤な有害事象を発現したのは国内第Ⅰ相試験(試験 310865、報告書 A39759)の被験者(被験
者番号 209)で、投与直後から発現したアナフィラキシー様反応が治験依頼者により重篤な有害
事象とされた。本剤投与後 2 時間に、被験者の回復が確認された。治験担当医師は治験薬との関
連性を「関連性あり(defenite)」と判定した。この有害事象を治験担当医師は重篤と判断しな
かったが、治験依頼者は重篤と判断した(2.7.6.1.2.3 参照)。
表 2.7.4.2.1.3.1- 1 重篤な有害事象の一覧:第Ⅰ相試験併合解析
Report
Treatment
No./
Study No.
A39759/
310865
Subject#/
Race/
Sex/
Age/
Cuontry
Gadobutrol
209/
>0.11-0.21 mmol/kg bw Asian/
(Gadobutrol
Male/
0.2 mmol/kg)
27/
Japan
Preferred term/
reported term
System Organ
Class
Anaphylactoid
Immune system
disorders
reaction(アナ
フィラキシー様 (免疫系障害)
反応)/
Anaphylactoid
reaction
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Listing 23, 5.3.3.1.1 A39759 Section 16.2.4
Onset/
Intensity/
Duration Causality
Remarks
0/
120 min
SAE defined
by Sponsor
Moderate/
Definite
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.1.3.2
Page
84 of
133
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
投与後 72 時間以内に重篤な有害事象(死亡を含む)を発現した被験者数及び発現率を表
2.7.4.2.1.3.2- 1 に示す。重篤な有害事象が発現したのは、ガドブトロール群 6,286 例中 16 例
(0.3%)、gadoversetamide 群 227 例中 1 例(0.4%)、ガドテリドール群 555 例中 3 例(0.5%)
であった(うち、ガドテリドール群 1 例が死亡)。
重篤な有害事象について、有害事象及び用量別の発現例数及び発現率を表 2.7.4.2.1.3.2- 2 に
示す。重篤な有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.3.2- 3 及び表 2.7.4.7-4 に示す。
治験薬と関連性のある重篤な有害事象は、ガドブトロール群(0.09mmol/kg 以上 0.11mmol/kg
以下)の 1 例 1 件(投与後 1 日にみられた尿中結晶)のみであった(5.3.5.3.2 PH-37818 Listing
2.1.8/11)。本事象は、併用薬で引き起された可能性があった(2.7.6.8.2.4 参照)。
国内被験者
国内被験者でみられた重篤な有害事象は、本剤群の水頭症(試験 310123)、ガドテリドール群
の全身健康状態低下(試験 310864)及び胆管結石(試験 310864)であった。
水頭症(報告用語:水頭症の悪化)は本剤投与後 23 時間に発現した。治験担当医師は治験薬と
の関連性はないと判定した(5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.2.8/5 参照)。
全身健康状態低下(報告用語:全身状態低下)はガドテリドール投与後 1 日に発現し、死亡に
至った有害事象であった(2.7.4.2.2.1.2 参照)。
胆管結石(報告用語:嵌頓総胆管結石)はガドテリドール投与後 2 日に発現した。治験担当医
師は既往症である総胆管結石の悪化によるものと判断し、治験薬との関連性はないと判定した
(2.7.6.12.2.6.1.4 参照)。
表 2.7.4.2.1.3.2- 1 重篤な有害事象の発現例数及び発現率(%)-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol Gadopentetate Gadodiamide Gadover- Gadoteridol Gd-DOTA
Total
dimeglumine
setamide
Dose: mmol/kg bw
≤0.51
0.1-0.2
0.1
0.1
0.1-0.2
0.1
6286 (100.0)
1097 (100.0)
150 (100.0) 227 (100.0)
555 (100.0) 150 (100.0) 8470 (100.0)
Total
With serious AE
16 ( 0.3)
0
0
1 ( 0.4)
3 ( 0.5)
0 20 ( 0.2)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/24
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.3.2- 2 重篤な有害事象の発現例数及び発現率(%)-有害事象及び用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Gadobutrol
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
<0.09
Number of subjects
(%)
Any SAE
289
(100.0)
1
(0.3)
1
Total number of SAEs
Gadopentetate Gadodidimeglumine
amide
≥0.09
-0.11
4247
(100.0)
8
(0.2)
12
>0.11
-0.21
694
(100.0)
5
(0.7)
10
>0.21
-0.31
1009
(100.0)
2
(0.2)
4
>0.31
-0.51
47
(100.0)
0
0.1
0.2
0.1
0
0
0
1016
81
(100.0) (100.0)
0
0
Gadoversetamide
0.1
Gadoteridol
GdDOTA
0.1
0.2
0.1
393
(100.0)
1
(0.3)
2
162
(100.0)
2
(1.2)
2
155
(100.0)
0
0
227
(100.0)
1
(0.4)
1
150
(100.0)
0
0
General disorders and
administration site
conditions
General physical
health deterioration
Pyrexia
一般・全身障害およ
び投与部位の状態
0
1
(<0.1)
1
(0.1)
0
0
0
0
0
0
1
(0.3)
1
(0.6)
0
全身健康状態低下
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
肝胆道系障害
0
1
(0.1)
0
0
Hepatobiliary
disorders
Bile duct stone
1
(<0.1)
0
1
(0.6)
0
0
発熱
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
Infections and
infestations
Meningitis
感染症および寄生虫
症
髄膜炎
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
(<0.1)
1
(<0.1)
1
(<0.1)
0
1
(0.6)
1
(0.6)
0
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
損傷
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
外傷性頭蓋内出血
0
0
0
1
(<0.1)
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
Pneumonia
Injury, poisoning and
procedural
complications
Injury
Traumatic intracranial
haemorrhage
胆管結石
肺炎
傷害、中毒および処
置合併症
0
0
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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86 of
133
表 2.7.4.2.1.3.2- 2 重篤な有害事象の発現例数及び発現率(%)-有害事象及び用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
Gadobutrol
System Organ Class
Preferred Term
Dose: mmol/kg bw
Investigations
Crystal urine
Neoplasms benign,
malignant and
unspecified (incl cysts
and polyps)
Metastases to central
nervous system
Nervous system
disorders
Aphasia
<0.09
臨床検査
尿中結晶
良性、悪性および詳
細不明の新生物 (嚢
胞およびポリープを
含む)
中枢神経系転移
0
0
0
0
≥0.09
-0.11
1
(<0.1)
1
(<0.1)
1
(<0.1)
>0.11
-0.21
0
>0.21
-0.31
0
>0.31
-0.51
0
0
0
0
1
(<0.1)
4
(<0.1)
0
失語症
1
(0.3)
0
Brain oedema
脳浮腫
0
Cerebral infarction
脳梗塞
0
1
(<0.1)
0
Cerebrovascular
accident
Haemorrhage
intracranial
Haemorrhagic
transformation stroke
Hemiplegia
脳血管発作
0
0
頭蓋内出血
1
(0.3)
0
0
片麻痺
0
0
Hydrocephalus
水頭症
0
Intracranial pressure
increased
頭蓋内圧上昇
0
1
(<0.1)
1
(<0.1)
神経系障害
卒中の出血性変化
Gadopentetate Gadodi- Gadoverdimeglumine
amide
setamide
0
0.1
0.2
0.1
0.1
Gadoteridol
0.1
GdDOTA
0.2
0.1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
(0.7)
1
(0.1)
1
(0.1)
1
(0.1)
1
(0.1)
1
(0.1)
1
(0.1)
1
(0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.3.2- 2 重篤な有害事象の発現例数及び発現率(%)-有害事象及び用量別:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
System Organ Class
Preferred Term
Gadobutrol
Dose: mmol/kg bw
Neurological
symptom
Somnolence
Transient global
amnesia
Transient ischaemic
attack
Respiratory, thoracic
and mediastinal
disorders
Respiratory arrest
<0.09
≥0.09
-0.11
1
(<0.1)
0
>0.11
-0.21
0
>0.21
-0.31
0
>0.31
-0.51
0
1
(0.1)
0
0
1
(0.1)
0
神経学的症状
0
傾眠
0
一過性全健忘
0
一過性脳虚血発作
0
呼吸器、胸郭および
縦隔障害
0
1
(<0.1)
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
呼吸停止
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(0.3)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(<0.1)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(<0.1)
1
(<0.1)
0
0
0
0
1
(0.4)
1
(0.4)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
Vascular disorders
血管障害
0
0
0
低血圧
0
0
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/3, Table 2.1.4/23
MedDRA Version 16.0
0.2
GdDOTA
0
外科および内科処置
Hypotension
0.1
Gadoteridol
0
Surgical and medical
procedures
Hospitalisation
入院
Gadopentetate Gadodi- Gadoverdimeglumine amide
setamide
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.2.1.3.2- 3 重篤な有害事象の一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Report
Study
A04519
97099
A12063
302600
A12063
302600
A12063
302600
A12063
302600
A12063
302600
A12063
302600
A02885
302722
A18088
304561
A18088
304561
A40524
308200
A47567
310123
A47567
310123
A47570
310124
A40794
310788
A40794
310788
A40524
308200
A47567
310123
A41119
310864
A41119
310864
Subject/
Country
50012/
Germany
20002/
Switzerland
Treatment
Gadobutrol
Dose
Event by preferred
(mmol/kg bw) term
≥0.09, ≤0.11
Transient ischaemic
attack
>0.11, ≤0.21
Haemorrhagic
transformation stroke/
cerebral infarction/
brain oedema
>0.11, ≤0.21
Haemorrhage
intracranial
>0.11, ≤0.21
Cerebrovascular
accident
<0.09
Haemorrhage
intracranial
>0.21, ≤0.31
Respiratory
arrest/hypotension
>0.11, ≤0.21
Aphasia/ hemiplegia/
somnolence/ pyrexia
>0.21, ≤0.31
Traumatic intracranial
haemorrhage/ injury
≥0.09, ≤0.11
Transient global
amnesia
≥0.09, ≤0.11
Pyrexia
Gadobutrol
≥0.09, ≤0.11
Gadobutrol
≥0.09, ≤0.11
Gadobutrol
≥0.09, ≤0.11
Gadobutrol
>0.11, ≤0.21
Gadobutrol
≥0.09, ≤0.11
Gadobutrol
≥0.09, ≤0.11
Gadoversetamide
Gadoteridol
0.1
0.1
Gadoteridol
0.2
Gadoteridol
0.2
Gadobutrol
Gadobutrol
20005/
Switzerland
20008/
Switzerland
20009/
Switzerland
30001/
Germany
50005/
Germany
30024/
Germany
314016/
Germany
316001/
Germany
19010/
Argentina
Gadobutrol
100180001/
Germany
200030019/
Japan
140200101/
USA
2017/
Germany
8002/
Austria
27006/
Colombia
100080002/
Germany
1305/
Japan
1506/
Japan
Gadobutrol
Gadobutrol
Gadobutrol
Gadobutrol
Gadobutrol
Gadobutrol
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/11
Serious AEs including fatal were listed.
MedDRA Version 16.0
Causality
一過性脳虚血発 Not related
作
卒中の出血性変 Not related
化/脳梗塞/脳
浮腫
頭蓋内出血
Not related
脳血管発作
Not related
頭蓋内出血
Not related
呼吸停止/低血 Not related
圧
失語症/片麻痺 Not related
/傾眠/発熱
外傷性頭蓋内出 Not related
血/損傷
Not related
一過性全健忘
発熱
Not related
Intracranial pressure
increased/ brain
oedema/ neurological
symptom
Metastases to central
nervous system
Hydrocephalus
頭蓋内圧上昇/
脳浮腫/神経学
的症状
Not related
中枢神経系転移
Not related
水頭症
Not related
Transient ischaemic
attack
Meningitis
一過性脳虚血発
作
髄膜炎
Not related
Crystal urine/
Pneumonia
Hospitalisation
尿中結晶/肺炎
Related/
Not related
Not related
General physical
health deterioration/
somnolence
Bile duct stone
全身健康状態低 Not related
下/傾眠
胆管結石
Not related
General physical
health deterioration
全身健康状態低
下
Not related
入院
Not related
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.1.4
2.7.4.2.1.4.1
Page
89 of
133
その他の重要な有害事象
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
試験の中止につながった治験薬と関連性のある有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.4.1- 1 に示す。
試験の中止につながった治験薬と関連性のある有害事象がみられたのは、ガドブトロール群の 1
例(口の錯感覚、鼻漏、くしゃみ、蕁麻疹、嘔吐)のみであった。
表 2.7.4.2.1.4.1- 1 その他の重要な有害事象の一覧:第Ⅰ相試験併合解析
Report No./ Treatment
Subject#/ Preferred term/
System Organ Class
Study No.
(mmol/kg bw) Race/
reported term
Sex/
Age/
Country
A39759/
Gadobutrol
410/
Sneezing(くしゃみ) Respiratory, thoracic
310865
(1 mmol/mL) Asian/
and mediastinal
/Sneezing
≤0.11
male/
disorders
24/
(呼吸器、胸郭およ
Japan
び縦隔障害)
Gastrointestinal
Paraesthesia oral(
disorders
口の錯感覚)/
Tingling sensation of (胃腸障害)
the tongue
Vomiting(嘔吐)/ Gastrointestinal
disorders
Vomiting
(胃腸障害)
Rhinorrhoea(鼻漏) Respiratory, thoracic
and mediastinal
/Nasal discharge
disorders
(呼吸器、胸郭およ
び縦隔障害)
Urticaria(蕁麻疹) Skin and
subcutaneous tissue
/Wheal
disorders
(皮膚および皮下組
織障害)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Listing 3, Listing 21
MedDRA Version 12.1
Onset
Intensity/
(hh:mm)/ Causality
Duration
Remarks
0:00/
0 min
Mild/
related
(definite)
recovered/
resolved
0:00/
0 min
Mild/
related
(definite)
recovered/
resolved
0:02/
1 min
Moderate/
related
(definite)
Mild/
related
(definite)
recovered/
resolved
Mild/
related
(definite)
recovered/
resolved
0:03/
0 min
0:13/
37 min
recovered/
resolved
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.1.4.2
Page
90 of
133
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
試験の中止につながった治験薬と関連性のある有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.4.2- 1 に示す。
試験の中止につながった治験薬と関連性のある有害事象がみられたのは、ガドブトロール群の 1
例(過敏症)及びガドペンテト酸メグルミン群の 1 例(末梢性浮腫)であった。
表 2.7.4.2.1.4.2- 1 その他の重要な有害事象の一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study No. Treatment
/ Report (mmol/kg bw)
No.
94054/
AI68
Gadobutrol
(1 mmol/mL)
≥0.09-0.11
309762/
A40727
Gadopentetate
dimeglumine
0.2
Subject#/
Race/
Sex/
Age/
Country
20003/
Caucasian/
male/
59/
Germany
2004/
Asian/
male/
66/
China
Preferred term/
reported term
System Organ
Class
Onset
(hh:mm)/
Duration
Hypersensitivity(過
敏症)/ Allergic
reaction with blood
pressure decreased,
heart rate increased,
vomiting, nausea,
flush and sweating
Immune system
disorders(免疫
系障害)
0:00/
3h
Oedema peripheral
(末梢性浮腫)/
Left upper extremity
swollen
General
-/
disorders and
3 days
administration
site conditions
(一般・全身性
障害および投
与部位の状態)
Intensity/
Causality
Remarks
Severe/
related
recovered/
resolved
Moderate/
related
recovered/
resolved
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/10
MedDRA Version 16.0
2.7.4.2.1.5
2.7.4.2.1.5.1
器官別又は症候群別有害事象の解析
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
有害事象の器官別大分類別発現率を 5.3.5.3.1 A50821 Table 45 及び Table 46 に示す。ガドブ
トロール群(313 例)でみられた有害事象の器官別大分類は、神経系障害(81 例、25.9%)が最
も多く、次いで全身障害および投与局所様態(79 例、25.2%)、胃腸障害(34 例、10.9%)、呼
吸器、胸郭および縦隔障害(14 例、4.5%)、臨床検査(12 例、3.8%)、皮膚および皮下組織障
害(9 例、2.9%)、筋骨格系および結合組織障害(6 例、1.9%)、血管障害(4 例、1.3%)、
腎および尿路障害(3 例、1.0%)であった。これら以外の発現率は 1%未満であった。
治験薬と関連性のある有害事象の器官別大分類別発現率を 5.3.5.3.1 A50821 Table 67 及び
Table 68 に示す。ガドブトロール群(313 例)でみられた治験薬と関連性のある有害事象の器官
別大分類は、神経系障害(61 例、19.5%)が最も多く、次いで全身障害および投与局所様態(54
例、17.3%)、胃腸障害(21 例、6.7%)、皮膚および皮下組織障害(5 例、1.6%)、臨床検査
(4 例、1.3%)、血管障害(3 例、1.0%)、呼吸器、胸郭および縦隔障害(3 例、1.0%)であっ
た。これら以外の発現率は 1%未満であった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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91 of
133
評価資料とした QT/QTc 評価を目的とした米国第Ⅰ相試験(試験 307362、報告書 A21381)の器
官別又は症候群別有害事象は 2.7.6.3.2.4 を参照のこと。
2.7.4.2.1.5.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
本剤群(32 例)でみられた有害事象の器官別大分類は、皮膚および皮下組織障害(3 例、9.4%)
が最も多く、次いで胃腸障害(2 例、6.3%)、呼吸器、胸郭および縦隔障害(2 例、6.3%)、全
身障害および投与局所様態(1 例、3.1%)、免疫系障害(1 例、3.1%)、臨床検査(1 例、3.1%)
であった(表 2.7.4.2.1.1.2- 1)。
2.7.4.2.1.5.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
有害事象の器官別大分類別発現率を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/6 に示す。ガドブトロー
ル群(6,286 例)でみられた有害事象の器官別大分類は、神経系障害(194 例、3.1%)が最も多
く、次いで胃腸障害(147 例、2.3%)、一般・全身障害および投与部位の状態(114 例、1.8%)
であった。これら以外の発現率は 1%未満であった。
治験薬と関連性のある有害事象の器官別大分類別発現率を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/18
に示す。ガドブトロール群でみられた治験薬と関連性のある有害事象の器官別大分類は、胃腸障
害(67 例、1.1%)が最も多く、次いで神経系障害(61 例、1.0%)であった。これら以外の発現
率は 1%未満であった。
評価資料とした試験の器官別又は症候群別有害事象について、国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験
16260、報告書 PH-37299)は 2.7.6.9.2.6.1.2、国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124、報告書
A47570)は 2.7.6.10.2.6.1.2、国外脳・脊髄実薬対照第Ⅱ相試験(試験 308200、報告書 A40524)
は 2.7.6.11.2.5.1.2、国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)
は 2.7.6.12.2.6.1.2、国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297、報告書 A51205)
は 2.7.6.14.2.6.1.2 、 国 外 腎 臓 実 薬 対 照 第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 304561 、 報 告 書 A18088 ) は
2.7.6.15.2.6.1.3 、 国 外 躯 幹 部 動 脈 MRA 第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 97099 、 報 告 書 A04519 ) は
は 2.7.6.17.2.6.1.2
2.7.6.16.2.6.1.2、
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759、
報告書 PH-37227)
を参照のこと。
アジア人部分集団解析
有害事象の器官別大分類別発現率を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/68 に示す。ガドブトロー
ル群(1,919 例)でみられた有害事象の器官別大分類は、胃腸障害(40 例、2.1%)が最も多く、
次いで神経系障害(32 例、1.7%)、臨床検査(24 例、1.3%)、一般・全身障害および投与部位
の状態(22 例、1.1%)、皮膚および皮下組織障害(20 例、1.0%)であった。これら以外の発現
率は 1%未満であった。
治験薬と関連性のある有害事象の器官別大分類別発現率を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/70
に示す。ガドブトロール群でみられた治験薬と関連性のある有害事象の器官別大分類は、胃腸障
害(19 例、1.0%)が最も多かった。これら以外の発現率は 1%未満であった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.1.5.4
Page
92 of
133
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
本剤群 555 例でみられた有害事象の器官別大分類は、胃腸障害(16 例、2.9%)が最も多く、
次いで一般・全身障害および投与部位の状態(12 例、2.2%)、神経系障害(12 例、2.2%)、皮
膚および皮下組織障害(10 例、1.8%)、臨床検査(6 例、1.1%)であった。ガドペンテト酸メ
グルミン群(57 例)では臨床検査(2 例、3.5%)が最も多く、次いで耳および迷路障害、胃腸障
害、筋骨格系および結合組織障害、神経系障害及び皮膚および皮下組織障害(各 1 例、1.8%)で
あった。ガドテリドール群(269 例)では、胃腸障害及び臨床検査(各 6 例、2.2%)が最も多く、
次いで一般・全身障害および投与部位の状態、神経系障害及び皮膚および皮下組織障害(各 5 例、
1.9%)であった。これら以外の発現率は 1%未満であった(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/6)。
本剤群でみられた治験薬と関連性のある有害事象の器官別大分類は、皮膚および皮下組織障害
(7 例、1.3%)が最も多く、次いで一般・全身障害および投与部位の状態(6 例、1.1%)であっ
た。ガドペンテト酸メグルミン群では筋骨格系および結合組織障害(1 例、1.8%)が最も多かっ
た。ガドテリドール群では、胃腸障害及び皮膚および皮下組織障害(各 3 例、1.1%)が最も多かっ
た。これら以外の発現率は 1%未満であった(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.4/18)。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.2
2.7.4.2.2.1
2.7.4.2.2.1.1
Page
93 of
133
個別有害事象の文書による説明
死亡
第Ⅰ相試験併合解析
死亡例はなかった。
2.7.4.2.2.1.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
死亡例の一覧を表 2.7.4.2.1.2.2- 1 及び表 2.7.4.7-2 に示す。国内転移性脳腫瘍実薬対照第
Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)の国内被験者でガドテリドール投与後にみられた死
亡の叙述を 2.7.6.12.2.6.1.4 に示す。
2.7.4.2.2.2
2.7.4.2.2.2.1
その他の重篤な有害事象
第Ⅰ相試験併合解析
重篤な有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.3.1- 1 及び表 2.7.4.7-3 に示す。国内第Ⅰ相試験(試
験 310865、報告書 A39759)でみられた重篤な有害事象の叙述を 2.7.4.2.1.3.1 に示す。
2.7.4.2.2.2.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
重篤な有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.3.2- 3 及び表 2.7.4.7-4 に示す。
評価資料とした試験の重篤な有害事象について、国内脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 16260、報告
書 PH-37299)は、2.7.6.9.2.6.1.3、国外脳・脊髄第Ⅲ相試験(試験 310124、報告書 A47570)は
2.7.6.10.2.6.1.4 、 国 外 脳 ・ 脊 髄 実 薬 対 照 第 Ⅱ 相 試 験 ( 試 験 308200 、 報 告 書 A40524 ) は
2.7.6.11.2.5.1.3、国内転移性脳腫瘍実薬対照第Ⅱ/Ⅲ相試験(試験 310864、報告書 A41119)は
2.7.6.12.2.6.1.4、国際共同躯幹部・四肢実薬対照第Ⅲ相試験(試験 13297、報告書 A51205)は
2.7.6.14.2.6.1.3 、 国 外 腎 臓 実 薬 対 照 第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 304561 、 報 告 書 A18088 ) は
2.7.6.15.2.6.1.5 、 国 外 躯 幹 部 動 脈 MRA 第 Ⅲ 相 試 験 ( 試 験 97099 、 報 告 書 A04519 ) は
2.7.6.16.2.6.1.4、
国外腎動脈 MRA 第Ⅲ相試験(試験 91759、報告書 PH-37227)
は 2.7.6.17.2.6.1.4
を参照のこと。
参考資料とした試験の重篤な有害事象について、国際共同脳・脊髄実薬対照第Ⅲ相試験(試験
310123、報告書 A47567)は 2.7.6.13.2.4.1.4、国外小児第 I/Ⅲ相試験(試験 310788、報告書
A40794)は 2.7.6.8.2.4 を参照のこと。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.2.2.3
2.7.4.2.2.3.1
Page
94 of
133
その他の重要な有害事象
第Ⅰ相試験併合解析
その他の重要な有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.4.1- 1 及び 5.3.5.3.1 A50821 Listing 21 に示
す。国内第Ⅰ相試験(試験 310865、報告書 A39759)の詳細を 5.3.3.1.1 A39759 Section 10.3.5
に示す。
2.7.4.2.2.3.2
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
その他の重要な有害事象の一覧を表 2.7.4.2.1.4.2- 1 及び 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing
2.1.8/10 に示す。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.3
2.7.4.3.1
Page
95 of
133
臨床検査値の評価
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
各臨床検査項目について、各時点における試験別の被験者数を 5.3.5.3.1 A50821 Table 129 及
び Table 130 に示す。全臨床検査項目の各時点における値及びベースラインからの変化量につい
て、記述統計量を Table 133 及び Table 134 に示す。いずれの臨床検査項目においても、ガドブ
トロール投与後、明らかな変化はみられなかった。
治験薬投与後に正常範囲の上限値を超える値がみられた臨床検査項目についてその発現率を
Table 135 から Table 144 に、治験薬投与後に正常範囲の下限値未満の値がみられた臨床検査項
目についてその発現率を Table 145 から Table 150 に示す。また、臨床検査値を 5 つのカテゴリー
(正常値未満、正常範囲、正常範囲の上限値超~上限値の 2 倍以下、上限値の 2 倍超~3 倍以下、
上限値 3 倍超)に分類し、各カテゴリー内の被験者数について治験薬投与前後の推移を Table 153
及び Table 154 に示す。大部分の被験者で、治験薬投与前後のカテゴリーに変化はみられなかっ
た。各試験の正常範囲は 5.3.5.3.1 A50821 Listing 25 に示す。
ベースラインが正常範囲内又は正常値以下で、治験薬投与後に正常範囲の上限値の 2 倍又は 3
倍を超える臨床検査値を示した被験者数及びその発現率を表 2.7.4.3.1- 1 及び表 2.7.4.3.1- 2
にまとめる。ガドブトロール群において、直接ビリルビン及び 24 時間クレアチニン補正尿中アラ
ニンアミノペプチダーゼで正常範囲の上限値の 2 倍を超える値の発現率が比較的高かったが、プ
ラセボ群でもこれらの項目の高値の発現率は高い傾向にあった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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96 of
133
表 2.7.4.3.1- 1 正常範囲の上限値の 2 倍又は 3 倍を超える臨床検査値を示した被験者数
-ガドブトロール群:第Ⅰ相試験併合解析
Laboratory
parameter
>2 x ULN
ALT/GPT
Leucine
(LAP)
Pancreatic
amylase
Bilirubin,
total
Bilirubin,
direct
Triglyceride
Beta-NAG
Creatinine
clearance
Basophils
U-Volume
U-Albumin
Urine
U-Glucose
/min
U-Beta-NA
G /min
U-γ-GT
/min
U-a1Microglob
U-Glucose
quant
U-γ-GT
creat. 24h
U-AlanineAminopepti
-dase creat.
24h
U-Kallikrein
creat. 24h
> 3 x ULN
Bilirubin,
direct
Triglyceride
U-Beta-NA
G /min
U-AlanineAminopepti
-dase creat.
24h
≤0.11
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>0.11-0.21 >0.21-0.31 >0.31-0.51 >0.51-1.01 >1.01-1.51 >1.51
Total
0/67
0/29
1/16 (6.3) 0/8
0/71
0/15
1/83 (1.2) 0/18
0/25
-
0/10
-
0/3
-
1/281 (0.4)
1/64 (1.6)
-
-
0/6
0/5
2/9 (22.2)
0/2
2/34
0/66
0/27
0/71
1/87 (1.1) 0/18
0/ 10
0/3
1/282 (0.4)
5/28 (17.9) 1/14 (7.1) 4/15 (26.7)
9/30 (30.0) -
-
-
19/87 (21.8)
2/26 (7.7) 0/13
0/23
0/11
0/34
0/7
3/21 (14.3)
0/15
1/14 (7.1)
5/33 (15.2) 0/12
1/31 (3.2) 0/19
-
0/9
-
0/3
-
10/117 (8.5)
1/80 (1.3)
1/74 (1.4)
0/53
1/1 (100.0)
0/16
1/16 (6.3)
0/16
0/10
0/1
1/21 (4.8)
0/15
1/15 (6.7)
1/60 (1.7) 0/13
0/30
0/12
0/25
0/23
-
0/4
1/10 (10.0)
-
0/2
0/3
-
1/163 (0.6)
1/2 (50.0)
2/100 (2.0)
2/64 (3.1)
1/61 (1.6)
2/16 (12.5) 0/8
0/15
1/25 (4.0) -
-
-
3/64
(4.7)
1/16 (6.3) 0/7
0/13
0/19
-
-
-
1/55
(1.8)
-
0/6
0/3
1/6 (16.7) 0/7
0/1
1/23
(4.3)
1/13 (7.7) 1/7 (14.3) 0/14
0/22
-
-
-
2/56
(3.6)
1/10 (10.0) 0/2
0/10
-
-
-
2/33
(6.1)
1/11 (9.1) 1/4 (25.0) 2/10 (20.0)
3/10 (30.0) -
-
-
7/35 (20.0)
1/14 (7.1)
0/11
0/18
-
-
-
1/49
2/28 (7.1) 0/14
2/15 (13.3)
5/30 (16.7) -
-
-
9/87 (10.3)
1/26 (3.8) 0/13
1/16 (6.3) 0/8
1/21 (4.8)
0/15
0/33
0/25
0/12
-
0/9
-
0/3
-
2/117 (1.7)
1/64 (1.6)
0/11
1/10 (10.0)
0/10
-
-
-
1/35
0/21
0/8
1/8 (12.5)
0/7
-
0/6
0/4
1/11 (9.1)
0/12
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 137, Table 139
Numerator: number of subjects with post-injection high abnormality (> 2 x ULN or > 3 x ULN)
Denominator: number of subjects with low or normal values at baseline
Percentages of subjects are shown in parentheses.
(5.9)
(2.0)
(2.9)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
97 of
133
表 2.7.4.3.1- 2 正常範囲の上限値の 2 倍又は 3 倍を超える臨床検査値を示した被験者数
-プラセボ群との比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
Laboratory parameter
> 2 x ULN
Leucine
Pancreatic amylase
Bilirubin, total
Bilirubin, direct
Triglyceride
β- N-acetyl-D-glucosaminidase
Creatinine clearance
U-volume
U-Albumin
Urin
U-Glucose/min
U- β -N-acetyl-D-glucosaminidase/min
U--glutamyl transferase/min
U--microglobulin
U-Glucose, quantitative
Urine volume, 24 h
U--glutamyl transferase creatinine, 24 h
U-Alanine aminopeptidase creatinine, 24 h
U-Kallikrein creatinine, 24 h
> 3 x ULN
Bilirubin, direct
Triglyceride
U-volume
U- β -N-acetyl-D-glucosaminidase/min
U-Alanine aminopeptidase creatinine, 24 h
Gadobutrol
Placebo
1/64 (1.6)
2/34 (5.9)
1/189 (0.5)
19/87 (21.8)
10/117 (8.5)
1/80
(1.3)
1/55
(1.8)
1/2
(50.0)
2/100 (2.0)
2/64
(3.1)
1/61
(1.6)
3/64
(4.7)
1/55
(1.8)
1/23
(4.3)
2/56
(3.6)
0/15
2/33
(6.1)
7/35 (20.0)
1/49
(2.0)
0/27
0/11
1/67
11/32
3/44
0/33
0/25
1/1
0/38
1/27
0/27
0/26
0/24
0/10
1/25
1/6
2/16
1/16
2/20
9/87 (10.3)
2/117 (1.7)
0/2
1/64
(1.6)
1/35
(2.9)
3/32
0/44
1/1
0/26
1/16
(1.5)
(34.4)
(6.8)
(100)
(3.7)
(4.0)
(16.7)
(12.5)
(6.3)
(10.0)
(9.4)
(100)
(6.3)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 138, Table 140
Numerator: number of subjects with post-injection high abnormality (> 2 x ULN or > 3 x ULN)
Denominator: number of subjects with low or normal values at baseline
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.3.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
治験薬投与前、投与後 1 日、2 日、3 日及び 7 日に臨床検査を実施した。本剤及びプラセボ投与
前及び投与後 1 日の臨床検査値を表 2.7.4.3.2- 1 に示す。
いずれの臨床検査項目においても、治験薬投与後の平均値の変化は小さく、本剤による影響は
特にみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
98 of
133
表 2.7.4.3.2- 1 臨床検査値(平均±標準偏差):国内第Ⅰ相試験
Laboratory
parameter
Leukocytes
(102/μL)
Erythrocytes
(104/mm3)
Hemoglobin
(g/dL)
Hematocrit
(%)
Platelets
(104/mm3)
Neutrophils,
total (%)
Lymphocytes
(%)
Monocytes
(%)
Eosinophils
(%)
Basophils
(%)
AP
(U/L)
γ-GT
(U/L)
AST
(U/L)
ALT
(U/L)
LDH
(U/L)
Bilirubin,
total (mg/dL)
Protein, total
(g/dL)
Albumin
(g/dL)
Cholesterol,
total (mg/dL)
Creatinine
(mg/dL)
Urea-N
(mg/dL)
Calcium
(mg/dL)
Chloride (Cl)
(mEq/L)
Potassium
(K) (mEq/L)
Sodium (Na)
(mEq/L)
Time
point
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
Baseline
1 day
0.1
(n = 8)
51.0 ± 7.93
45.5 ± 7.63
483.9 ± 22.42
478.9 ± 17.65
15.03 ± 0.717
14.85 ± 0.578
43.70 ± 1.775
43.60 ± 1.342
20.48 ± 2.463
20.91 ± 2.205
53.33 ± 5.945
53.00 ± 6.724
35.89 ± 6.427
36.25 ± 6.202
5.96 ± 1.467
6.26 ± 1.800
4.13 ± 1.677
3.75 ± 1.410
0.70 ± 0.414
0.74 ± 0.524
165.6 ± 44.92
161.8 ± 46.81
16.8 ± 9.62
15.8 ± 9.19
18.3 ± 4.43
16.6 ± 3.93
16.0 ± 8.38
15.9 ± 8.41
146.6 ± 24.80
140.4 ± 20.82
0.809 ± 0.3214
0.808 ± 0.2513
6.24 ± 0.151
6.21 ± 0.146
4.26 ± 0.119
4.13 ± 0.128
147.0 ± 25.65
149.0 ± 27.58
0.753 ± 0.0853
0.791 ± 0.0916
12.96 ± 2.124
11.10 ± 1.658
8.91 ± 0.125
9.04 ± 0.177
104.3 ± 1.39
104.5 ± 1.41
3.84 ± 0.262
4.09 ± 0.210
139.8 ± 1.16
140.3 ± 0.71
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Table 32
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
(n = 8)
(n = 8)
53.4 ± 8.60
49.0 ± 7.33
50.4 ± 11.94
47.9 ± 11.51
479.6 ± 34.15 493.4 ± 35.32
481.9 ± 31.71 489.1 ± 32.88
14.78 ± 0.770 15.20 ± 0.832
14.88 ± 0.709 15.00 ± 0.798
42.38 ± 1.862 44.10 ± 2.673
42.76 ± 1.935 43.79 ± 2.085
22.33 ± 2.747 19.64 ± 4.237
22.65 ± 3.071 19.35 ± 4.074
51.65 ± 6.995 53.45 ± 3.659
58.31 ± 7.503 58.56 ± 9.453
35.36 ± 6.285 37.60 ± 3.629
30.64 ± 7.055 32.68 ± 9.523
5.64 ± 1.213
5.59 ± 0.864
5.21 ± 0.615
5.84 ± 0.858
6.60 ± 4.234
2.54 ± 1.085
5.18 ± 3.433
2.23 ± 1.248
0.75 ± 0.431
0.83 ± 0.381
0.66 ± 0.362
0.70 ± 0.293
190.6 ± 39.21 203.0 ± 59.80
186.8 ± 40.69 196.0 ± 57.49
16.0 ± 4.66
17.3 ± 8.28
17.1 ± 5.89
15.6 ± 7.80
14.4 ± 2.00
16.1 ± 4.09
13.5 ± 2.00
14.6 ± 4.03
12.1 ± 3.40
14.4 ± 6.30
11.8 ± 3.28
14.0 ± 6.72
138.0 ± 27.23 140.9 ± 19.58
134.5 ± 20.61 136.3 ± 14.94
0.896 ± 0.3963 0.856 ± 0.2435
0.949 ± 0.3695 0.834 ± 0.1738
6.48 ± 0.282
6.50 ± 0.293
6.41 ± 0.259
6.41 ± 0.217
4.21 ± 0.113
4.19 ± 0.304
4.24 ± 0.151
4.10 ± 0.288
152.8 ± 17.03 163.9 ± 32.72
151.1 ± 17.88 157.4 ± 29.42
0.684 ± 0.0659 0.723 ± 0.0623
0.725 ± 0.0431 0.743 ± 0.0555
10.06 ± 2.520 10.68 ± 1.931
9.68 ± 1.699
9.66 ± 1.659
8.98 ± 0.139
9.40 ± 0.370
9.16 ± 0.250
9.36 ± 0.334
103.8 ± 1.28
104.1 ± 1.36
103.5 ± 0.76
104.1 ± 1.55
3.83 ± 0.158
3.89 ± 0.189
4.16 ± 0.346
4.06 ± 0.160
139.5 ± 0.93
139.6 ± 0.74
140.1 ± 0.99
141.3 ± 1.83
Placebo
0.1+0.1
(n = 7-8)
62.0 ± 17.82
60.6 ± 29.57
479.8 ± 25.99
487.0 ± 33.94
14.64 ± 0.674
14.90 ± 0.666
42.71 ± 2.042
43.47 ± 2.236
21.99 ± 2.874
21.79 ± 3.402
55.81 ± 12.361
57.20 ± 13.445
34.69 ± 11.421
33.37 ± 11.448
5.10 ± 1.242
5.46 ± 1.222
3.94 ± 1.544
3.53 ± 1.755
0.46 ± 0.213
0.44 ± 0.207
163.4 ± 34.55
161.6 ± 28.88
20.0 ± 10.69
20.1 ± 11.57
15.0 ± 2.93
15.0 ± 2.83
15.9 ± 9.45
15.7 ± 9.93
134.5 ± 16.98
132.9 ± 19.57
0.841 ± 0.3675
0.966 ± 0.2840
6.51 ± 0.242
6.60 ± 0.252
4.13 ± 0.175
4.24 ± 0.127
154.9 ± 26.73
157.3 ± 30.92
0.759 ± 0.1273
0.826 ± 0.1338
12.39 ± 3.212
10.43 ± 2.267
9.13 ± 0.139
9.39 ± 0.186
104.5 ± 2.00
102.0 ± 1.53
3.79 ± 0.125
4.16 ± 0.351
140.3 ± 1.28
139.4 ± 1.27
59.9
59.4
481.9
479.0
14.69
14.71
42.56
42.59
21.59
22.00
54.58
60.98
34.48
28.66
6.29
6.09
4.04
3.61
0.63
0.66
187.3
184.4
15.8
15.1
13.8
12.3
12.4
11.4
134.6
128.0
0.946
0.943
6.45
6.50
4.21
4.15
151.8
152.3
0.766
0.818
11.98
11.31
9.09
9.25
103.5
103.6
3.93
4.10
138.8
140.3
± 10.47
± 13.18
± 34.84
± 32.89
± 0.704
± 0.666
± 2.069
± 2.118
± 4.342
± 3.833
± 7.243
± 3.891
± 6.404
± 4.113
± 1.274
± 1.314
± 2.200
± 1.615
± 0.282
± 0.277
± 50.86
± 41.44
± 5.85
± 5.87
± 2.19
± 2.60
± 3.46
± 3.58
± 21.88
± 16.76
± 0.2950
± 0.2958
± 0.262
± 0.283
± 0.181
± 0.169
± 17.79
± 17.14
± 0.0680
± 0.0632
± 3.110
± 2.524
± 0.210
± 0.233
± 2.56
± 1.60
± 0.260
± 0.141
± 0.89
± 1.16
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.3.3
Page
99 of
133
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
全臨床検査項目の各時点における値及びベースラインからの変化量について、記述統計量を
5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.5/5 及び Table 2.1.5/6 に示す。試験期間中、各検査項目(血液
及び尿)の平均値に明らかな変動はみられなかった。個々の変動は多くの場合正常範囲内で、他
の臨床検査値の変動との関連はみられず、肝機能、腎機能パラメータとの関連もみられなかった。
概して、いずれの臨床検査項目においても、ガドブトロール投与後に明らかな変化はみられなかっ
た。
ベースラインが正常範囲内又は正常値以下で、治験薬投与後に正常範囲の上限値の 2 倍を超え
る臨床検査値を示した被験者数を表 2.7.4.3.3- 1 にまとめる。ガドブトロール群におけるこのよ
うな被験者の発現率は、血液検査ではいずれの項目でも 3%以下であり、尿検査項目の一部で散
発的に 5%程度の発現がみられた。ベースラインが正常範囲内又は正常値以下で、治験薬投与後
に正常範囲の上限値の 3 倍を超える臨床検査値を示した被験者数を表 2.7.4.3.3- 2 に示す。
また、
各試験の正常範囲を 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/18 に示す。
臨床検査値を 5 つのカテゴリー(正常値未満、正常範囲、正常範囲の上限値超~上限値の 2 倍
以下、上限値の 2 倍超~3 倍以下、上限値 3 倍超)に分類し、各カテゴリー内の被験者数につい
て治験薬投与前後の推移を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.5/7 及び Table 2.1.5/8 に示す。大部
分の被験者で、治験薬投与前後のカテゴリーに変化はみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
100 of
133
表 2.7.4.3.3- 1 正常範囲の上限値の 2 倍を超える臨床検査値を示した被験者数-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Laboratory parameter
Dose: mmol/kg bw
Alpha-amylase, total
-glumatyl transferase (GGT)
Aspartate aminotransferase
(AST)
Alaninie aminotransferase
(ALT)
Lactate dehydrogenase (LDH)
Bilirubin, total
Glucose
Urea-N
Phosphate inorganic (PI)
C-reactive protein (CRP)
Potassium (K)
Iron (Fe)
Leukocytes
Eosinophils
Basophils
U-glucosaminidase
U-proteins [g/mol creatinine]
U-albumin [g/mol creatinine]
U-N-acetyl beta-Dglucoaminidase (urine-ss-NAG,
nkat/mmol creatinine)
U-red blood cells (/GF 40:1)
U-white blood cells (/GF 40:1)
Gadobutrol
Gadopentetate Gadodidimeglumine
amide
≤0.1-0.5
0.1-0.2
0.1
2/1336 (0.1) 2/317 (0.6)
0/143
4/2973 (0.1) 0/415
0/99
5/3581 (0.1) 0/460
0/137
1/139
0/203
(0.7)
10/3426 (0.3) 1/462
(0.2)
2/118 (1.7)
1/182
(0.5)
4/3353
1/3849
6/1956
4/3896
2/2575
5/191
2/4249
1/1314
5/3826
1/2199
6/2250
4/100
3/267
5/245
1/160
(0.2)
(0.2)
0/139
0/144
0/130
0/149
0/139
2/87 (2.3)
-
0/190
0/213
2/195
0/210
0/206
0/204
0/136
-
-
-
19/361
22/385
(0.1)
(<0.1)
(0.3)
(0.1)
(<0.1)
(2.6)
(<0.1)
(<0.1)
(0.1)
(<0.1)
(0.3)
(4.0)
(1.1)
(2.0)
(0.6)
1/463
1/525
0/118
0/521
0/132
3/118
0/536
0/188
1/516
0/175
0/174
-
(5.3) (5.7) -
(2.5)
(0.2)
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.5/12
Numerator: number of subjects with post-injection high abnormality (>2 x ULN)
Denominator: number of subjects with low or normal values at baseline
Percentages of subjects are shown in parentheses.
Gadoversetamide
0.1
(1.0)
Gadoteridol
0.1
0/432
1/509 (0.2)
0/483
0/440
0/528
1/325
0/517
0/376
0/521
0/491
0/494
0/505
-
(0.3)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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101 of
133
表 2.7.4.3.3- 2 正常範囲の上限値の 3 倍を超える臨床検査値を示した被験者数-治験薬別
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Laboratory parameter
Dose: mmol/kg bw
Alpha-amylase, total
-glumatyl transferase (GGT)
Aspartate aminotransferase (AST)
Alaninie aminotransferase (ALT)
Lactate dehydrogenase (LDH)
Bilirubin, total
Urea-N
C-reactive protein (CRP)
U-Glucosaminidase
U-proteins [g/mol creatinine]
U-Albumin [g/mol creatinine]
U-N-acetyl beta-Dglucoaminidase (urine-ss-NAG,
nkat/mmol creatinine)
U-red blood cells (/GF 40:1)
U-white blood cells (/GF 40:1)
Gadobutrol
Gadodiamide
0.1
0/143
0/99
0/137
1/118 (0.8)
0/139
0/144
0/130
-
Gadoversetamide
0.1
1/139 (0.7)
0/203
0/182
0/190
0/213
0/210
-
Gadoteridol
≤0.1-0.5
2/1336 (0.1)
1/2973 (<0.1)
2/3581 (<0.1)
5/3426 (0.1)
1/3353 (<0.1)
1/3849 (<0.1)
3/3896 (<0.1)
0/191
2/100 (2.0)
2/267 (0.7)
2/245 (0.8)
1/160 (0.6)
Gadopentetate
dimeglumine
0.1-0.2
1/317 (0.3)
0/415
0/460
0/462
0/463
0/525
0/521
2/118 (1.7)
-
10/361 ( 2.8)
8/385 ( 2.1)
-
-
-
-
0.1
0/432
0/509
0/483
0/440
0/528
0/517
-
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.5/14
Numerator: number of subjects with post-injection high abnormality (>3 x ULN)
Denominator: number of subjects with low or normal values at baseline
Percentages of subjects are shown in parentheses.
部分集団解析
臨床検査値(BUN、血清クレアチニン、総蛋白、アルブミン、AST、ALT、γ-GTP)の部分集団解
析を、
腎機能別
(eGFR レベル:30mL/min 未満、30mL/min 以上 60mL/min 未満、
60mL/min 以上 90mL/min
未満、90mL/min 以上)、肝機能別(最大 AST 又は ALT 値:上限値の 1.8 倍以下、上限値の 1.8 倍
超~3.0 倍以下、上限値の 3.0 倍超)に行った。解析結果は 5.3.5.3.2 PH-37818 の各項に示す(腎
機能別解析は Table 2.1.5/15、Table 2.1.5/16、Table 2.1.5/17、Table 2.1.5/18、肝機能別解
析は Table 2.1.5/19、Table 2.1.5/20、Table 2.1.5/21、Table 2.1.5/22)。これらの部分集団
においてもガドブトロールに関連した影響は特にみられなかった。
2.7.4.3.4
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
ベースライン及び投与後 4 時間から 24 時間の臨床検査値、また投与後の臨床検査値の変化量を
表 2.7.4.3.4- 1 に示す。
いずれの臨床検査項目においても、
本剤投与後の平均値の変化は小さく、
本剤による影響は特にみられなかった。5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.5/6 に本剤群、ガドペン
テト酸メグルミン群及びガドテリドール群におけるベースライン及び投与後各時点の臨床検査値
及びその変化の記述統計量を示す。
臨床検査値を 5 つのカテゴリー(正常値未満、正常範囲、正常範囲の上限値超~上限値の 2 倍
以下、上限値の 2 倍超~3 倍以下、上限値 3 倍超)に分類し、各カテゴリー内の被験者数につい
て治験薬投与前後の推移を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.5/7 及び Table 2.3.5/8 に示す。大部
分の被験者で、治験薬投与前後のカテゴリーに変化はみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
102 of
133
表 2.7.4.3.4- 1 本剤投与前後の臨床検査値(平均±標準偏差):4 試験の国内被験者併合解析
Laboratory
parameter
Unit
Leukocytes
Erythrocytes
Hemoglobin
Hematocrit
Platelets
Neutrophils,
total
Lymphocytes
Monocytes
Eosinophils
Basophils
Segmented
neutrophils
stab cells, bands
AP
γ-GT
AST
ALT
LDH
Bilirubin, total
Bilirubin,
indirect
Cholesterol,
total
Creatinine
Glucose
Urea-N
Phosphate
inorganic
Protein, total
Creatinine
clearance estim
Albumin
Calcium
Chloride
Potassium
Sodium
Magnesium
Specific gravity
pH
109/L
1012/L
g/dL
%
109/L
%
n
554
554
554
554
552
331
%
%
%
%
%
554
554
554
554
223
27.594
6.175
2.457
0.431
58.049
± 11.072
± 3.080
± 2.361
± 0.552
± 10.291
549
549
549
549
223
%
U/L
U/L
U/L
U/L
U/L
μmol/L
μmol/L
223
554
554
554
554
554
554
51
2.247
212.771
50.973
25.514
27.964
221.177
8.998
6.874
± 0.662
± 191.509
± 70.750
± 19.845
± 50.800
± 105.424
± 5.247
± 3.488
mmol/L
554
μmol/L
mmol/L
mmol/L
mmol/L
554
330
554
330
65.984
6.031
7.186
1.112
± 18.116
± 2.293
± 3.587
± 0.181
552
328
552
328
66.548
6.279
7.154
1.109
g/L
ml/min
554
554
69.276 ± 6.418
76.347 ± 20.167
552
552
68.335 ± 6.199
75.773 ± 20.651
g/L
mmol/L
mmol/L
mmol/L
mmol/L
mmol/L
g/mL
neg. log
[H+]
554
554
554
554
554
330
328
328
Gadobutrol (mmol/kg bw)
>4 hour - 24 hour after injection
Change from
baseline
Mean ± SD
n
Mean ± SD
Mean ± SD
5.865 ± 2.433
549
5.869 ± 2.727
0.014 ± 1.486
4.055 ± 0.667
549
4.017 ± 0.649
-0.042 ± 0.190
12.619 ± 2.009
549 12.512 ± 1.936
-0.119 ± 0.597
38.018 ± 5.738
549 37.712 ± 5.550
-0.340 ± 1.885
227.547 ± 79.742
547 226.071 ± 80.587
-1.499 ± 19.802
65.318 ± 13.476
326 65.242 ± 13.472
-0.173 ± 8.608
Baseline
5.230 ± 1.100
40.534
2.241
103.572
4.124
139.848
0.890
1.015
6.265
± 5.063
± 0.127
± 3.320
± 0.407
± 3.242
± 0.097
± 0.007
± 0.832
27.732
6.274
2.572
0.431
56.910
± 11.298
± 3.264
± 2.499
± 0.521
± 11.124
0.155
0.109
0.114
0.002
-1.139
± 6.924
± 2.472
± 1.460
± 0.559
± 7.566
223
2.475 ± 1.065
552 213.754 ± 195.516
552 51.243 ± 74.952
552 24.899 ± 18.853
552 27.013 ± 36.126
550 216.260 ± 111.191
552
9.004 ± 5.351
45
7.127 ± 4.034
0.229
0.366
0.141
-0.612
-0.966
-5.289
-0.010
0.139
± 0.985
± 23.174
± 10.217
± 8.380
± 18.057
± 35.023
± 2.367
± 2.095
552
-0.041 ± 0.385
5.192 ± 1.083
± 18.429
± 2.214
± 3.649
± 0.192
552 40.004 ± 4.943
552
2.236 ± 0.127
552 103.469 ± 3.402
552
4.128 ± 0.398
552 139.672 ± 3.540
328
0.887 ± 0.094
326
1.016 ± 0.008
326
6.120 ± 0.791
0.542
0.241
-0.044
-0.003
± 5.770
± 2.279
± 1.280
± 0.133
-0.924 ± 3.840
-0.523 ± 7.378
-0.514
-0.004
-0.092
0.004
-0.174
-0.003
0.001
-0.138
± 2.276
± 0.079
± 1.898
± 0.319
± 2.024
± 0.062
± 0.007
± 0.819
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.5/6
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.4
2.7.4.4.1
2.7.4.4.1.1
Page
103 of
133
バイタルサイン及び安全性に関連する他の観察項目
バイタルサイン
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
バイタルサイン(収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数/脈拍、呼吸数、体温)の測定について、
各試験の被験者数を 5.3.5.3.1 A50821 Table 155 及び Table 156 に示す。治験薬投与前後の各時
点におけるバイタルサイン値及び治験薬投与後のベースラインからの変化量について、記述統計
量を Table 157~Table 166 に示す。
また、今回の申請用量を含むガドブトロール 0.11mmol/kg 以下群及びガドブトロール全被験者
群について、投与前後の一定時点におけるバイタルサイン値を表 2.7.4.4.1.1- 1 に、プラセボと
の比較試験の結果を表 2.7.4.4.1.1- 2 に示す。いずれの項目においても、ガドブトロールによる
影響はみられなかった。
表 2.7.4.4.1.1- 1 バイタルサイン値(平均±標準偏差)-ガドブトロール群
:第Ⅰ相試験併合解析
Variable
Time point
Systolic BP
(mmHg)
Baseline
0-15min
15-30min
1 day
n
81
38
69
68
Diastolic BP
(mmHg)
Baseline
0-15min
15-30min
1 day
81
38
69
68
68.7
65.6
66.9
67.7
± 10.0
± 8.5
± 11.4
± 11.0
313
181
257
256
66.8
65.3
66.6
66.6
± 8.8
± 8.6
± 9.6
± 9.2
Heart rate/ pulse rate
(beats/min)
Baseline
0-15min
15-30min
1 day
80
37
68
67
65.2
56.0
62.8
59.4
± 13.5
± 8.6
± 12.3
± 11.9
252
120
196
195
63.2
59.1
62.3
60.0
± 11.7
± 9.7
± 10.9
± 10.9
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 157, Table 159, Table 161
Gadobutrol (mmol/kg bw)
≤0.11
Total
Mean ± SD
n
Mean ± SD
121.1 ± 14.1
313
118.0 ± 11.4
117.2 ± 10.2
181
117.3 ± 10.9
119.6 ± 15.6
257
116.7 ± 12.2
121.5 ± 16.8
256
117.3 ± 12.8
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
104 of
133
表 2.7.4.4.1.1- 2 バイタルサイン値(平均±標準偏差)-プラセボとの比較試験
:第Ⅰ相試験併合解析
Variable
Time point
Gadobutrol
Mean ± SD
117.3 ± 10.7
117.8 ± 11.1
117.0 ± 11.6
116.1 ± 11.8
n
68
56
56
56
Placebo
Mean ± SD
118.9 ± 10.9
118.5 ± 10.9
117.4 ± 10.1
116.6 ± 10.5
Systolic BP
(mmHg)
Baseline
0-15min
15-30min
1 day
n
194
158
158
157
Diastolic BP
(mmHg)
Baseline
0-15min
15-30min
1 day
194
158
158
157
63.9
64.7
64.8
64.1
± 8.4
± 8.8
± 10.0
± 9.1
68
56
56
56
64.2
65.1
63.5
63.8
± 8.9
± 8.7
± 9.0
± 8.3
Heart rate/ pulse rate
(beats/min)
Baseline
0-15min
15-30min
1 day
156
120
120
119
57.1
59.1
56.9
54.8
± 9.1
± 9.7
± 8.8
± 8.3
55
43
43
43
56.8
57.7
57.6
57.6
± 7.8
± 7.5
± 8.4
± 7.4
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 158, Table 160, Table 162
部分集団解析
バイタルサインについて、治験実施地域別及び体重別に記述統計量を算出した(5.3.5.3.1
A50821 Table 183~Table 202)。これらの部分集団においてもガドブトロール投与による影響は
みられなかった。
2.7.4.4.1.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759
ベースライン、初回投与後 1 時間までの数時点、初回投与後 2 時間、4 時間、8 時間、1 日、2
日、3 日及び 7 日にバイタルサインの測定を行った。ベースライン、投与後 4 分及び 30 分(0.1
+0.1mmol/kg 群では初回投与後 34 分及び 1 時間)のバイタルサイン値を表 2.7.4.4.1.2- 1 に示
す。本剤投与後、収縮期血圧及び拡張期血圧に特に変化はみられなかった。本剤投与直後に、脈
拍数の軽微な増加がみられたが、臨床的に意味のある変化ではなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
105 of
133
表 2.7.4.4.1.2- 1 バイタルサイン値(平均±標準偏差):国内第Ⅰ相試験
Variable
Time point*
Systolic blood pressure
(mmHg)
Baseline
4 min
30 min
Diastolic blood pressure
(mmHg)
Baseline
4 min
30 min
Heart rate/pulse rate
(beats/min)
Baseline
4 min
30 min
0.1
(n = 8)
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
(n = 8)
(n = 8)
0.1 + 0.1
(n = 8)**
Placebo
(n = 8)
108.1 ± 5.9
110.6 ± 9.7
110.8 ± 11.7
106.0 ± 6.9
111.1 ± 4.5
110.1 ± 6.5
105.1 ± 8.0
105.8 ± 10.6
107.5 ± 10.0
111.1 ± 4.8
111.3 ± 6.8
111.3 ± 4.8
111.0 ± 9.0
113.1 ± 8.5
113.5 ± 10.2
58.1 ± 6.0
61.4 ± 6.7
60.8 ± 6.5
58.8 ± 4.5
57.4 ± 5.6
57.5 ± 5.0
58.0 ± 6.1
59.4 ± 5.8
59.8 ± 7.3
59.1 ± 3.8
59.8 ± 3.5
61.0 ± 3.7
57.3 ± 4.6
59.0 ± 5.9
59.3 ± 7.6
49.5 ± 3.1
49.8 ± 4.6
48.3 ± 4.5
58.4 ± 10.1
64.0 ± 11.8
60.1 ± 8.9
55.3 ± 7.6
60.4 ± 8.9
59.4 ± 6.8
52.1 ± 7.6
56.5 ± 9.6
54.6 ± 11.2
51.1 ± 3.8
50.8 ± 6.2
53.4 ± 5.3
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Text Table 23
*: For the 0.1 + 0.1 mmol/kg bw group, data for 4 and 30 min after the second injection (i.e., 34 min and 1 h after the first
injection, respectively) are shown.
**: n = 7 at 30 min because of withdrawal of one subject.
2.7.4.4.1.3
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
治験薬投与前後の各時点でバイタルサイン(収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数/脈拍、呼吸数、
体温)の測定を行った被験者数を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.6/1 に示す。
治験薬投与前後の各時点におけるバイタルサイン値及び治験薬投与後のベースラインからの変
化量について、記述統計量を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.6/2~Table 2.1.6/11 に示す。また、
今回の申請用量を含むガドブトロール 0.09mmol/kg 以上 0.11mmol/kg 以下群及びガドブトロール
全被験者群について、バイタルサイン値のベースライン及び治験薬投与後の一定時点における変
化量を表 2.7.4.4.1.3- 1 に示す。いずれの項目においても、ガドブトロールによる影響はみられ
なかった。
治験薬投与後のバイタルサイン値の変化量をカテゴリー分析(あらかじめ定めたカットオフ値
で分類)した場合の、各カテゴリーに含まれる被験者数を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.6/12
~Table 2.1.6/27 に示す。大部分の被験者で、治験薬投与前後のカテゴリーに変化はみられなかっ
た。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
106 of
133
表 2.7.4.4.1.3- 1 ガドブトロール投与前のバイタルサイン値及び投与後の投与前
からの変化量(平均±標準偏差):第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Variable
Time point
Gadobutrol (mmol/kgbw)
≥0.09-0.11
Total (all dose groups)
Mean ± SD
n
Mean ±SD
130.7 ± 20.1
5918
132.2 ± 20.7
-0.3 ± 11.3
5491
-0.7 ± 11.6
-0.2 ± 12.3
1529
-0.6 ± 12.6
-1.0 ± 11.4
1475
-1.9 ± 12.3
-2.3 ± 13.6
4147
-2.3 ± 13.5
Systolic BP
(mmHg)
Baseline
0-15min
30-60min
2-4h
1 day
n
3902
3658
1215
814
2813
Diastolic BP
(mmHg)
Baseline
0-15min
30-60min
2-4h
1 day
3902
3658
1215
814
2813
79.3
-0.2
0.0
-1.4
-1.7
± 12.3
± 8.4
± 9.2
± 8.5
± 9.8
5918
5491
1529
1475
4147
79.2
-0.3
-0.1
-1.3
-1.5
± 12.3
± 8.4
± 9.4
± 9.2
± 9.8
Heart rate
/pulse rate
(beats/min)
Baseline
0-15min
30-60min
2-4h
1 day
3902
3664
1217
814
2812
75.1
-0.2
-0.5
-0.9
-0.6
± 12.5
± 7.2
± 7.7
± 8.6
± 10.1
5918
5495
1530
1474
4147
75.4
0.0
-0.4
-0.1
-0.6
± 12.7
± 7.4
± 7.9
± 9.0
± 10.0
Respiration rate
(/min)
Baseline
0-15min
2-4h
1 day
1344
312
84
1021
17.6
-0.4
0.1
0.1
± 3.3
± 2.1
± 3.3
± 2.7
1496
313
222
1171
17.6
-0.3
0.1
0.1
± 3.3
± 2.1
± 2.4
± 2.6
Body temperature
(°C)
Baseline
0-15min
2-4h
1 day
1344
311
85
1020
36.44
-0.03
-0.01
0.00
± 0.48
± 0.39
± 0.39
± 0.44
1495
312
223
1169
36.43
-0.03
0.03
0.01
± 0.47
± 0.39
± 0.38
± 0.44
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.6/2, Table 2.1.6/3, Table 2.1.6/4, Table 2.1.6/5, Table 2.1.6/6, Table 2.1.6/7,
Table 2.1.6/8, Table 2.1.6/9, Table 2.1.6/10, Table 2.1.6/11
部分集団解析
バイタルサインについて、性別、年齢別、体重別、治験実施地域別、人種別に記述統計量を算
出した(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.6/28~Table 2.1.6/77)。これらの部分集団においても、
ガドブトロールによる影響は特にみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.4.1.4
Page
107 of
133
第Ⅱ相~第Ⅲ相試験:4 試験の国内被験者併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
本剤投与前後のバイタルサイン値及びベースラインからの変化量を表 2.7.4.4.1.4- 1 に示す。
いずれの項目においても、本剤投与後の平均値の変化は小さく、本剤による影響は特にみられな
かった。本剤、ガドペンテト酸メグルミン及びガドテリドール群におけるベースライン及び投与
後各時点のバイタルサイン値及びその変化量の記述統計量を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.6/2
~Table 2.3.6/11 に示す。
治験薬投与後のバイタルサイン値の変化量をカテゴリー分析(あらかじめ定めたカットオフ値
で分類)した場合の、各カテゴリーに含まれる被験者数を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.6/12
~Table 2.3.6/27 に示す。大部分の被験者で、治験薬投与前後のカテゴリーに変化はみられなかっ
た。
表 2.7.4.4.1.4- 1 本剤投与前後のバイタルサイン値(平均±標準偏差)
:4 試験の国内被験者併合解析
Variable
Gadobutrol
Time point
n
Baseline
Mean ± SD
n
Change from baseline
Mean ± SD
Systolic blood pressure (mmHg)
Baseline
>0–15minafterinjection
>30–60minafterinjection
>2–4hafterinjection
1 day after injection
555
331
555
161
555
125.2
127.4
125.2
115.9
121.6
± 18.2
± 19.1
± 18.3
± 16.2
± 17.8
331
555
161
555
0.6
0.1
-5.3
-3.5
± 12.9
± 13.9
± 13.2
± 14.4
Diastolic blood pressure (mmHg)
Baseline
>0–15minafterinjection
>30–60minafterinjection
>2–4hafterinjection
1 day after injection
555
331
555
161
555
75.3
76.9
75.3
70.0
72.8
± 11.6
± 12.6
± 12.2
± 12.5
± 11.6
331
555
161
555
0.5
0.0
-3.5
-2.5
± 9.3
± 10.1
± 11.6
± 10.6
Heart rate/pulse rate (beats/min)
Baseline
>0–15minafterinjection
>30–60minafterinjection
>2–4hafterinjection
1 day after injection
555
331
555
161
555
73.5
71.5
72.3
77.3
74.2
± 13.3
± 12.6
± 13.1
± 13.7
± 13.0
331
555
161
555
-0.9
-1.3
0.7
0.7
± 7.3
± 7.6
± 10.6
± 9.6
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.3.6/3, Table 2.3.6/5, Table 2.3.6/7
Subjects enrolled in Japan in studies 310864 (Report No. A41119), 13297 (Report No. A51205), 16260 (Report No.
PH-37299) and 310123 (Report No. A47567) were included.
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.4.2
2.7.4.4.2.1
Page
108 of
133
心電図
第Ⅰ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.1 A50821
治験薬投与前後の各時点における心電図検査実施例数を 5.3.5.3.1 A50821 Table 209~
Table 212 に示す。
各評価項目の値
また、心電図のパラメータ(心拍数、QT 間隔、QTcF、QRS 及び PQ 間隔)について、各時点にお
ける値の記述統計量を 5.3.5.3.1 A50821 の各項に示す(心拍数は Table 213~Table 216、QT 間
隔は Table 223 及び Table 224、QTcF は Table 221、Table 222、Table 225 及び Table 226、QRS
間隔は Table 245 及び Table 246、PQ 間隔は Table 247 及び Table 248 を参照)。また、今回の
申請用量を含むガドブトロール 0.11mmol/kg 以下群、ガドブトロール全被験者群における投与前
後の一定時点の心拍数、QT 間隔、QRS 及び PQ 間隔を表 2.7.4.4.2.1- 1 に、プラセボ群との比較
試験における値を表 2.7.4.4.2.1- 2 に示す。QTcF については、結果に含まれたのは 1 試験〔米
国第Ⅰ相 QT/QTc 評価試験(試験 307362、報告書 A21381)〕のみであった(2.7.4.4.2.3 参照)。
いずれのパラメータにおいても、ガドブトロールによる影響はみられなかった。
表 2.7.4.4.2.1- 1 治験薬投与前後の心電図の各パラメータの値(平均±標準偏差)
-ガドブトロール群:第Ⅰ相試験併合解析
Variable
Time point
Gadobutrol
≤0.11 mmol/kg bw
Mean ± SD
63.0 ± 11.1
52.3 ± 8.8
54.5 ± 7.8
54.2 ± 9.3
Heart rate
(beats/min)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
QT (msec)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
41
10
10
9
404.3
443.1
444.7
444.6
± 29.0
± 23.1
± 17.2
± 23.2
205
129
173
128
394.5
405.3
392.8
397.3
± 28.7
± 32.9
± 30.4
± 31.8
QRS (msec)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
57
26
26
25
99.0
103.1
102.5
100.0
± 10.4
± 10.6
± 10.6
± 10.6
269
193
237
192
96.0
98.9
96.0
97.5
± 13.7
± 14.1
± 15.3
± 13.0
PQ (msec)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
48
17
17
17
162.6
169.0
167.8
169.0
± 20.5
± 21.7
± 19.1
± 20.9
237
161
205
161
166.1
166.8
167.9
163.7
± 22.0
± 19.5
± 23.2
± 20.2
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 213, Table 223, Table 245, Table 247
n
148
93
116
116
Total
Mean ± SD
61.6 ± 10.4
64.9 ± 11.5
61.0 ± 10.3
61.9 ± 12.8
n
53
10
22
21
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
109 of
133
表 2.7.4.4.2.1- 2 治験薬投与前後の心電図の各パラメータの値(平均±標準偏差)
-プラセボ群との比較試験:第Ⅰ相試験併合解析
Variable
Time point
Gadobutrol
Mean ± SD
58.0 ± 9.7
63.6 ± 12.8
59.6 ± 11.0
60.0 ± 14.4
n
29
21
29
29
Placebo
Mean ± SD
58.1 ± 8.7
58.7 ± 9.3
58.8 ± 8.6
61.0 ± 16.1
Heart rate (beats/min)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
n
94
70
93
91
QT (msec)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
106
106
105
103
406.0
409.6
404.2
402.0
± 29.1
± 32.4
± 31.0
± 32.5
33
33
33
33
406.2
414.4
403.4
400.9
± 30.5
± 31.6
± 29.1
± 32.8
QRS (msec)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
170
170
169
167
101.1
100.9
101.0
99.9
± 13.2
± 13.8
± 15.1
± 12.5
60
60
60
60
101.3
101.2
101.1
101.7
± 13.2
± 12.5
± 14.5
± 13.2
PQ (msec)
Baseline
0-15 min
15-30 min
1 day
138
138
137
136
168.5
168.4
170.6
165.7
± 24.9
± 19.3
± 26.0
± 20.3
52
52
52
52
168.0
167.3
170.5
167.4
± 20.9
± 20.6
± 20.0
± 21.2
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Table 214, Table 224, Table 246, Table 248
期外収縮及び異常所見
心室性期外収縮がみられた被験者数を 5.3.5.3.1 A50821 Table 219 及び Table 220 に示す。ガ
ドブトロール投与後、0.31mmol/kg 超 0.51mmol/kg 以下群の 1 例及び 0.51mmol/kg 超 1.01mmol/kg
以下群の 1 例に期外収縮がみられた。期外収縮はプラセボ群でもみられ、特にガドブトロールに
多くみられるというものではなかった。
心房性期外収縮がみられた被験者はなかった(5.3.5.3.1 A50821 Table 217 及び Table 218)。
治験薬投与前後の各時点において、
心電図に異常がみられた被験者数及びその割合を 5.3.5.3.1
A50821 Table 227 及び Table 228 に示す。心電図に異常がみられた被験者数及びその割合は、ガ
ドブトロール投与後、特に増加しなかった。
2.7.4.4.2.2
国内第Ⅰ相試験:試験 310865、報告書 A39759
参照項目:5.3.3.1.1 A39759、2.7.6.1
各パラメータの値
ベースライン、初回投与後 1 時間までの数時点、初回投与後 2 時間、4 時間、8 時間、1 日、2
日、3 日及び 7 日に 12 誘導心電図検査を行った。各時点にて 1 分間隔で 3 回測定を行った。心拍
数、PR 間隔、QRS 及び QT 間隔について、3 回の平均値を算出した。QTc は 12 誘導心電図検査で得
られたデータを基にバイエル薬品株式会社で算出した。なお、QTc のカテゴリー分析では、3 回の
うちの最大値を用いた。
2.7.4 臨床的安全性
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110 of
133
ベースライン、投与後 2 分、10 分及び 30 分(0.1+0.1mmol/kg 群では初回投与後 32 分及び 1
時間)の各パラメータの値を表 2.7.4.4.2.2- 1 に、心拍数及び QTc のベースラインからの変化量
を表 2.7.4.4.2.2- 2 に示す。治験薬投与前に比べ、本剤の高用量投与直後に、心拍数及び QTcF
の増加あるいは延長がみられた。PR 間隔、QRS 及び QT 間隔については、特に変化はみられなかっ
た。治験担当医師による評価で、いずれの被験者においても心電図に異常はみられなかった
(5.3.3.1.1 A39759 Section 10.5.2.5)。QTcF の延長は心拍数の増加を伴った一過性のもので
あったことから、米国第Ⅰ相 QT/QTc 評価試験(試験 307362)でみられたのと同様に QT/RR ヒス
テリシスによる変動であることが示唆された(2.7.4.4.2.3 参照)。
表 2.7.4.4.2.2- 1 治験薬投与前後の心電図の各パラメータの値(平均±標準偏差)
:国内第Ⅰ相試験
Variable
Time point
Heart rate (beats/min)
Baseline
2 min
10 min
30 min
PR (msec)
Baseline
2 min
10 min
30 min
QRS (msec)
Baseline
2 min
10 min
30 min
QT (msec)
Baseline
2 min
10 min
30 min
QTcF (msec)
Baseline
2 min
10 min
30 min
0.1
(n = 8)
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
(n = 8)
(n = 8)
0.1 + 0.1
(n = 8)*
Placebo
(n = 8)
49.4
49.6
50.4
49.5
± 3.5
± 4.1
± 4.3
± 3.7
56.0
63.8
60.9
58.6
± 7.1
± 13.1
± 9.4
± 8.4
54.4
61.8
60.4
58.4
± 6.5
± 13.0
± 7.4
± 5.8
54.5
56.6
56.3
55.4
± 8.9
± 10.7
± 9.5
± 11.4
53.3
52.0
53.4
54.8
± 4.6
± 5.3
± 5.3
± 5.0
163.9
164.1
163.4
164.0
± 22.5
± 22.2
± 23.2
± 22.3
152.6
153.1
153.9
151.8
± 18.7
± 14.6
± 16.2
± 16.8
171.9
166.9
170.1
169.9
± 30.8
± 31.2
± 29.3
± 29.3
162.8
160.5
159.9
160.7
± 18.0
± 19.2
± 19.4
± 17.7
169.4
167.8
167.4
170.6
± 16.9
± 17.8
± 18.1
± 18.8
97.4
96.8
97.6
97.6
± 8.5
± 8.6
± 9.1
± 8.5
93.8
93.4
92.0
93.3
± 6.2
± 6.7
± 5.9
± 6.0
100.3
99.1
98.5
98.6
± 8.9
± 8.8
± 7.4
± 8.5
99.6
97.8
98.5
96.3
± 9.4
± 8.9
± 9.4
± 8.6
98.6
98.5
97.9
98.6
± 7.4
± 7.9
± 7.3
± 7.9
447.8
449.1
447.0
448.1
± 18.0
± 16.9
± 17.9
± 16.0
419.6
413.1
409.1
414.0
± 28.4
± 34.2
± 30.4
± 30.1
416.0
407.0
405.1
406.1
± 26.2
± 33.8
± 26.8
± 27.6
432.5
427.8
427.1
428.1
± 34.6
± 36.7
± 36.5
± 40.6
422.8
426.5
420.6
419.6
± 17.4
± 16.5
± 16.7
± 14.3
405.9
408.1
408.1
406.9
± 19.7
± 21.5
± 20.7
± 17.7
403.0
420.4
409.1
406.3
± 5.9
± 19.7
± 11.8
± 10.7
394.5
408.1
404.4
399.1
± 19.0
± 20.1
± 19.5
± 21.0
408.6
411.6
409.4
406.1
± 18.5
± 18.3
± 19.4
± 18.3
397.0
396.1
395.5
399.4
± 10.1
± 12.7
± 14.3
± 13.6
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Table 26 (Text table 24)
For the 0.1 + 0.1 mmol/kg bw group, data for 2, 10 and 30 min after the second injection (i.e., 32 min, 40 min and 1 h after
the first injection, respectively) are shown.
*: n = 7 because of the withdrawal of one subject’s data at 30 min.
2.7.4 臨床的安全性
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111 of
133
表 2.7.4.4.2.2- 2 心拍数及び QTc のベースラインからの変化量:国内第Ⅰ相試験
Variable
Time point
Heart rate
(beats/min)
2 min
Mean ± SD
Min, Max
10 min Mean ± SD
Min, Max
30 min Mean ± SD
Min, Max
QTcF (msec)
2 min
Mean ± SD
Min, Max
10 min Mean ± SD
Min, Max
30 min Mean ± SD
Min, Max
QTcB (msec)
2 min
Mean ± SD
Min, Max
10 min Mean ± SD
Min, Max
30 min Mean ± SD
Min, Max
0.1
(n = 8)
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
(n = 8)
(n = 8)
0.1 + 0.1
(n = 8)*
Placebo
(n = 8)
0.3
-2.0
1.0
-2.0
0.13
-2.0
± 2.5
, 6.0
± 2.3
, 5.0
± 1.1
, 1.0
7.8
-3.0
4.9
-3.0
2.6
-5.0
± 11.8
, 31.0
± 8.1
, 24.0
± 6.8
, 18.0
7.4
0.0
6.0
4.0
4.0
-1.0
± 7.4
, 22.0
± 1.8
, 9.0
± 3.0
, 8.0
2.1
-3.0
1.8
-2.0
0.7
-3.0
± 4.7
, 11.0
± 4.3
, 9.0
± 3.8
, 7.0
-1.3
-3.0
0.1
-3.0
1.5
-4.0
± 1.7
, 2.0
± 2.4
, 4.0
± 3.7
, 6.0
2.3
-2
2.3
-8
1.0
-3
± 3.2
,7
± 7.3
, 14
± 4.1
,8
17.4
-2
6.1
-1
3.3
-3
± 18.5
, 50
± 9.2
, 27
± 8.3
, 21
13.6
4
9.9
8
4.6
0
± 5.1
, 19
± 2.9
, 15
± 4.2
, 11
3.0
-7
0.8
-11
-2.3
-15
± 7.7
, 14
± 8.2
, 14
± 7.0
,7
-0.9
-8
-1.5
-8
2.4
-6
± 4.3
,6
± 6.5
, 12
± 5.1
,8
2.3
0
1.5
-6
0.8
-2
± 1.8
,6
± 4.8
,8
± 3.0
,6
8.9
-1
0.6
-5
-0.1
-4
± 6.5
, 17
± 3.5
,6
± 3.2
,4
6.0
-2
3.0
-1
-0.5
-6
± 4.0
, 10
± 3.1
,9
± 3.3
,5
0.3
-4
-1.4
-8
-2.7
-10
± 3.9
,8
± 4.0
,4
± 4.5
,2
0.8
-6
-1.6
-6
0.8
-3
± 4.2
,6
± 4.3
,8
± 3.1
,6
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Table 27
For the 0.1 + 0.1 mmol/kg group, data at 2, 10 and 30 min after the second injection (i.e., 32 min, 40 min and 1 h after the
first injection, respectively) are shown.
n = number of subjects.
*: n = 7 because of the withdrawal of one subject’s data at 30 min.
QTcF のカテゴリー分析
治験薬投与前後の QTcF 及びベースラインからの QTcF の変化量(最大値)について、カットオ
フ値(QTcF 値では 450 及び 480 ミリ秒、QTcF の変化量では 30 及び 60 ミリ秒)を超えた被験者数
とその割合を表 2.7.4.4.2.2- 3 に示す。ベースラインが 450 ミリ秒を超える QTcF を示した被験
者はなかった。治験薬投与後に 450 ミリ秒を超える QTcF を示した被験者が、0.2mmol/kg 及び 0.1
+0.1mmol/kg 群に各 1 例(12.5%)みられた(0.2mmol/kg 群:投与後 2 分及び 1 時間、0.1+
0.1mmol/kg 群:1 回目投与後 2 分及び 2 回目投与後 10 分)。いずれの被験者でも QTcF は 480 ミ
リ秒以下(すなわち ICH-E14 ガイドラインに示された閾値である 500 ミリ秒以下)であった。治
験薬投与後に 30 ミリ秒を超える QTcF の延長を示した被験者が、0.2mmol/kg に 2 例(25.0%)、
0.1+0.1mmol/kg に 1 例(12.5%)みられた。60 ミリ秒を超える QTcF の延長を示した被験者はい
なかった(5.3.3.1.1 A39759 Table 30、Section 16.2.8.2)。
2.7.4 臨床的安全性
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133
表 2.7.4.4.2.2- 3 各 QTcF 及び QTcF の変化量を示した被験者数:国内第Ⅰ相試験
Variable
0.1
(n = 8)
Baseline QTcF (msec)
≤450
>450, ≤480
>480
QTcF (msec) after injection
≤450
>450, ≤480
>480
QTcF (msec) change
≤0
>0, ≤30
>30, ≤60
>60
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.2
0.3
(n = 8)
(n = 8)
0.1 + 0.1
(n = 8)
Placebo
(n = 8)
8 (100.0)
0
0
8 (100.0)
0
0
8 (100.0)
0
0
8 (100.0)
0
0
8 (100.0)
0
0
8 (100.0)
0
0
7 ( 87.5)
1 ( 12.5)
0
8 (100.0)
0
0
7 ( 87.5)
1 ( 12.5)
0
8 (100.0)
0
0
0
8 (100.0)
0
0
0
6 ( 75.0)
2 ( 25.0)
0
0
8 (100.0)
0
0
0
7 ( 87.5)
1 ( 12.5)
0
0
8 (100.0)
0
0
Source: 5.3.3.1.1 A39759 Table 30
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.4.2.3
米国第Ⅰ相 QT/QTc 評価試験:試験 307362、報告書 A21381
参照項目:5.3.3.1.3 A21381、2.7.6.3
方法
本試験は、FDA preliminary concept paper(2003 年 7 月 17 日、非抗不整脈薬における QT/QTc
間隔の延長と催不整脈作用の潜在的可能性に関する臨床的評価)に従い、陰性対照及び陽性対照
を含む QT/QTc 評価試験として計画された。本試験計画は ICH-E14 ガイドライン(2005 年)にも
合致している。
本剤 3 用量を用いた、単施設、無作為化、プラセボ及び陽性対照、5 期クロスオーバー試験と
し、健康成人(18~80 歳)を対象に、本剤の心再分極に対する影響及び一般的安全性を検討した。
また、
本剤の血漿中濃度の評価も行った。
同一被験者に、本剤 0.1mmol/kg、0.3mmol/kg、
0.5mmol/kg、
プラセボ(生理食塩液)及び陽性対照であるモキシフロキサシン塩酸塩(以下、モキシフロキサ
シン)400mg を投与した。投与順序は無作為に割り付け、次の投与までに 4~14 日の washout 期
間を設定した。本剤及びプラセボは 2mL/秒の速度で静脈内投与し、モキシフロキサシンは 0.07mL/
秒の速度で 60 分かけて静脈内投与した。本剤及びプラセボ投与時には、治験実施施設の非盲検協
力者が自動注入器の準備及び治験薬の投与を行い、盲検性を確保した。
各投与時に 12 誘導心電図を 23.5 時間(投与前 1.5 時間、投与後 22 時間)連続測定し、心機能
を評価した。実施医療機関とは独立した循環器専門医が心電図を盲検下で評価した。また、有害
事象、臨床検査、バイタルサイン、理学検査、通常の 12 誘導心電図の評価を行った。
Fridericia 法による心拍数補正を行った QT 間隔(QTcF)について、ベースラインから投与後
15 分間の平均変化量(15-minute average)を主要評価項目とした。Bazett による心拍数補正を
行った QT 間隔(QTcB)及び回帰分析に基づく被験者ごとの補正を行った QT 間隔(individual QTc)
についても副次的に検討した。ベースラインから投与後 22 時間の最大変化(Maximum value)に
ついても検討した。
2.7.4 臨床的安全性
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113 of
133
主解析では試験完了集団すなわち、全 5 種類の投与(本剤 0.1、0.3、0.5mmol/kg、プラセボ及
びモキシフロキサシン)をうけ、それぞれの試験時期において少なくとも 1 つの評価可能な投与
前 QTc 間隔及び投与後 15 分間の QTc 間隔が得られた被験者を評価対象とした。副次的解析及びそ
の他の安全性の解析は、全解析集団(少なくとも 1 つの試験時期で測定が行われた被験者からな
る)を用いて行った。
中央傾向解析
すべての QT/QTc 間隔評価項目について、ベースラインからの変化量の実薬(本剤又はモキシフ
ロキサシン)とプラセボの差(test-placebo: Treatment contrast)を表 2.7.4.4.2.3- 1 に示
す。QT/QTc 間隔評価項目及び心拍数のベースラインからの平均変化±標準偏差を表 2.7.4.4.2.32 に示す。
主要評価項目である、投与後 15 分間 QTcF のベースラインからの平均変化における、プラセボ
補正を行った値(本剤とプラセボの差)は、本剤のいずれの用量(0.1mmol/kg、0.3mmol/kg 及び
0.5mmol/kg)でも 5 ミリ秒よりも小さかった。また、両側 95%信頼区間の上限値は、本剤のいず
れの用量でも 10 ミリ秒よりも小さかった。すなわち、ICH-E14 ガイドラインに基づき心再分極に
対する影響はないと考えられた。投与後 22 時間までの QTcF 最大値において、ベースラインから
の変化量のプラセボとの差の平均は、本剤の全用量で 5 ミリ秒程度(0.8~5.2 ミリ秒)であり、
両側 95%信頼区間の上限は 10 ミリ秒未満であった(試験完了集団)。
表 2.7.4.4.2.3- 1 QT/QTc 間隔(ミリ秒)のベースラインからの変化量の実薬とプラセボの差
(test-placebo)及び 95%信頼区間:米国第Ⅰ相試験
(試験完了集団、54 例)
Variable
Endpoint
Fridericia QTc
15-minute average
Maximum value
Bazett QTc
15-minute average
Maximum value
Individual QTc
15-minute average
Maximum value
Uncorrected QT
15-minute average
Maximum value
0.1
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.3
Moxifloxacin
-0.3 (-3.0, 2.3)
0.8 (-2.9, 4.1)
2.8 (0.1, 5.5)
1.8 (-1.8, 5.3)
4.2 (1.5, 6.9)
5.2 (1.8, 8.8)
13.4 (10.7, 16.1)
13.5 (9.9, 16.9)
1.2 (-2.0, 4.4)
2.3 (-3.1, 7.3)
6.3 (3.1, 9.4)
3.5 (-2.1, 8.3)
11.2 (8.0, 14.4)
9.9 (4.7, 15.1)
17.2 (14.0, 20.4)
15.6 (10.2, 20.6)
0.5 (-2.4, 3.3)
1.4 (-2.4, 5.0)
3.6 (0.7, 6.4)
1.9 (-1.9, 5.4)
7.1 (4.2, 9.9)
6.6 (2.9, 10.2)
14.0 (11.1, 16.7)
12.8 (9.0, 16.4)
-3.8 (-7.7, -0.2)
-3.2 (-7.3, 0.9)
-3.7 (-7.5, 0.0)
-2.2 (-6.2, 2.0)
-9.6 (-13.3, -5.8)
-6.6 (-10.5, -2.2)
6.0 (2.2, 9.7)
7.6 (3.5, 11.8)
0.5
Source: 5.3.3.1.3 A21381
Test minus placebo: test = active drug (Gadobutrol or moxifloxacin)
15-minute average = mean of QT values over first 15 minutes postinjection minus mean of QT baseline values for each
subject.
Maximum value = mean of maximum QT values up to 22 hours postinjection minus mean of QT baseline values for each
subject.
95% confidence interval for the difference was calculated using an analysis of variance (ANOVA) model with subject,
treatment and period as the main effects.
Confidence intervals are shown in parentheses.
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.4.2.3- 2 QT/QTc 間隔(ミリ秒)及び心拍数(拍/分)のベースラインからの
平均変化(±標準偏差):米国第Ⅰ相試験(試験完了集団、54 例)
Variable
Endpoint
Fridericia QTc
15-minute average
Maximum value
Bazett QTc
15-minute average
Maximum value
Individual QTc
15-minute average
Maximum value
Uncorrected QT
15-minute average
Maximum value
Heart Rate
15-minute average
Maximum value
0.1
Gadobutrol (mmol/kg bw)
0.3
Placebo
(0.9% saline)
Moxifloxacin
0.5
2.3 ± 6.86
19.6 ± 9.84
5.4 ± 7.03
20.6 ± 9.42
6.8 ± 6.59
24.0 ± 10.17
2.6 ± 6.35
18.8 ± 9.03
16.0 ± 8.48
32.3 ± 10.91
3.8 ± 8.39
29.7 ± 17.16
8.9 ± 8.11
30.7 ± 13.65
13.8 ± 8.84
37.4 ± 14.41
2.6 ± 7.91
27.4 ± 12.18
19.8 ± 8.60
43.1 ± 14.61
3.2 ± 6.86
21.8 ± 10.77
6.4 ± 7.31
22.3 ± 9.50
9.8 ± 8.16
26.9 ± 12.06
2.8 ± 6.88
20.4 ± 9.92
16.7 ± 8.39
33.2 ± 11.67
-1.1 ± 9.56
15.2 ± 9.34
-1.0 ± 11.42
16.2 ± 11.58
-6.9 ± 9.56
11.8 ± 10.25
2.7 ± 8.90
18.4 ± 10.52
8.6 ± 12.65
25.9 ± 14.28
1.4 ± 3.94
16.5 ± 10.00
3.3 ± 4.87
16.7 ± 8.08
6.8 ± 4.46
18.9 ± 8.76
0.0 ± 3.78
15.2 ± 8.40
3.4 ± 4.04
16.9 ± 9.16
Source: 5.3.3.1.3 A21381
15-minute average = mean of QT values over first 15 minutes postinjection minus mean of QT baseline values for each
subject.
Maximum value = mean of maximum QT values up to 22 hours postinjection minus mean of QT baseline values for each
subject.
プラセボ及びベースラインとの差で検討した QTc 間隔の変化量で、本剤 0.3mmol/kg 及び
0.5mmol/kg 投与後に QTc 間隔の軽度の延長がみられた。この影響は主に投与後 1 分から 4 分まで
にみられ、投与後の心拍数の増加とともに出現した。心拍数の変化に伴い QT 間隔が変化すること
はよく知られており、心拍数が、例えば薬剤投与後に急に変化した場合、QT 間隔が新しい平衡状
態に達するのに平均 2~3 分間を要することが示されている
(QT/RR ヒステリシスと言われる現象)
。
本試験で計画した補正法では、QT 間隔を心拍数で補正したものの、いずれの式でも QT/RR ヒステ
リシスを考慮しておらず、心拍数増加時に見かけ上の QTc 間隔延長が生じやすい。したがって、
QT/RR ヒステリシスの補正を組み入れた追加解析を、試験完了及び盲検解除後に実施した(統計
解析計画書には必要に応じて追加解析を行うことを記載)。この追加解析にあたっては、事前に
解析計画を作成し、独立した心臓専門医が実施した。すべての測定は厳格な盲検下で行った。
ポピュレーション最適化モデルに基づく、QT/RR ヒステリシス及び心拍数補正 QTc 間隔のプラ
セボ及びベースラインからの平均変化を図 2.7.4.4.2.3- 1 に示す。QT 間隔の補正に QT/RR ヒス
テリシスを組み入れることで、以前にみられた QTc 間隔延長がかなり減少した。以下に示すよう
に、本剤の最高用量(0.5mmol/kg)投与終了後 2 分及び 4 分に、軽度で一過性の延長がみられた。
片側 95%信頼区間の上限は 10 ミリ秒未満であった。
以下の理由により、本剤 0.5mmol/kg 投与後(2~4 分後)の一過性の QTc 間隔の延長が催不整
脈毒性(proarrhythmic toxicitiy)のリスクとならないと考えられた。(1)本剤投与後に生じ
た影響は一過性で小さかった。(2)最小変数(least variable)補正法で評価した影響の大きさ
は、ガイドライン上懸念される閾値である 10 ミリ秒未満であった。(3)QTc の変化は本剤の血
漿中濃度と直接的に関連しなかった。(4)一過性の QTc 間隔延長は、抗心室性不整脈誘発作用と
して知られている心拍数増加と共に出現した。(5)一過性の QTc 間隔延長作用は、中枢及び自律
神経系を介している可能性が最も高い。
2.7.4 臨床的安全性
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Source: 5.3.3.1.3 A21381
図 2.7.4.4.2.3- 1 ポピュレーション最適化モデルに基づく、QT/RR ヒステリシス及び心拍数
補正 QTc 間隔のプラセボ及びベースラインからの平均変化:米国第Ⅰ相試験
QTcF のカテゴリー分析
投与後 15 分間 QTcF のベースラインからの平均変化において、本剤のいずれの用量でも 30 ミリ
秒以上の QTcF の延長を示した被験者はいなかった。QTcF 最大値評価において、投与後に 30 ミリ
秒以上の QTcF 延長を示した被験者数の割合のプラセボとの差は、本剤 0.1mmol/kg で 5.6%、
0.3mmol/kg で 5.6%、0.5mmol/kg で 11.1%、モキシフロキサシンで 46.3%であり、モキシフロ
キサシンでは本剤の 4 倍以上であった。いずれの投与においても、投与後 60 ミリ秒以上の QTcF
の延長を示した被験者はいなかった。
投与後 15 分間平均 QTcF において、本剤のいずれの用量でも 450 ミリ秒を超える値を示した被
験者はいなかった。QTcF 最大値評価において、投与後に 450 ミリ秒を超える値を示した被験者数
の割合は、プラセボ 7.4%、本剤 0.1mmol/kg 9.3%、0.3mmol/kg 5.6%、0.5mmol/kg 13.0%、モ
キシフロキサシン 16.7%であった。480 ミリ秒を超える QTcF を示した被験者が、モキシフロキ
サシン投与後に 1 例(1.9%)みられた。
その他の評価
主要評価項目である投与後 15 分間 QTcF のベースラインからの平均変化について、性別、年齢
及び人種別の部分集団解析を行ったが、顕著な差はみられなかった。なお、一部の部分集団では
被験者数が少なかった。
心拍数のベースラインからの平均変化量は、いずれの評価項目(15 分間平均値及び最大値)で
も、プラセボに比べて本剤及びモキシフロキサシン投与で大きかった(RR 間隔は小さい)。投与
2.7.4 臨床的安全性
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後 15 分間平均値における、本剤の心拍数及び RR に対する影響は用量依存的であった。PR 及び QRS
間隔では、いずれの評価項目においてもベースラインからの平均変化量は小さく、群間に有意な
差はみられなかった。
非補正 QT 間隔について、本剤投与後いずれの用量でも 15 分間平均値はベースラインに比べて
小さかった。非補正 QT 間隔の最大変化でも、本剤のいずれの用量でもプラセボに比べて小さかっ
た。本剤投与後 22 時間までに、60 ミリ秒以上の非補正 QT 間隔の延長を示した被験者はおらず、
480 ミリ秒を超える非補正 QT 間隔を示した被験者もいなかった。
ベースラインの正常 T 波から投与後の異常 T 波への変化は、プラセボを含むすべての投与群に
おいて、投与後 3 時間から 8 時間の間に最も多くみられた。被験者は投与後 2 時間目に軽くおや
つを食べ、投与後 4 時間目に軽食(標準食)を食べることから、投与後 3 時間から 8 時間に T 波
の異常がみられることは想定内であった。1 例の被験者で、ベースラインで正常であった ST 部分
がプラセボ投与後に異常となった。本試験において、異常 U 波はみられなかった。
2.7.4.4.2.4
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
治験薬投与前後の各時点における心電図検査実施例数を表 2.7.4.4.2.4- 1 に示す。
表 2.7.4.4.2.4- 1 各時点での心電図検査実施例数:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Time point
Dose: mmol/kg bw
Baseline
0-15 min
30-60 min
2-4 h
1 day
3 days
Gadobutrol
<0.09
186
186
68
70
70
67
≥0.09
-0.11
344
343
85
103
102
81
>0.11
-0.21
92
92
3
32
32
3
>0.21
-0.31
163
163
69
112
110
66
>0.31
-0.51
2
2
0
2
2
0
Total
Total
Gadoversetamide
0.1
787
786
225
319
316
217
227
227
227
227
222
0
1014
1013
452
546
538
217
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.7/7, Table 2.1.7/8
各評価項目の値
心電図のパラメータ(心拍数、QRS、PQ 及び QT 間隔、QTcF)について、今回の申請用量を含む
ガドブトロール 0.09mmol/kg 以上 0.11mmol/kg 以下群及び全ガドブトロール被験者群における
ベースライン及び投与後の一定時点の変化量を表 2.7.4.4.2.4- 2 に示す。また、全投与群及び全
時点における記述統計量について、心拍数を 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.7/9 及び Table
2.1.7/10 に、
QTcF を Table 2.1.7/15 及び Table 2.1.7/16 に、
QT 間隔を Table 2.1.7/17 及び Table
2.1.7/18 に、QRS 間隔を 2.1.7/31 及び Table 2.1.7/32 に、PQ 間隔を Table 2.1.7/33 及び Table
2.1.7/34 に示す。米国第Ⅰ相 QT/QTc 評価試験(試験 307362)と同様、いずれの項目においても
ガドブトロールによる影響はみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.4.2.4- 2 ガドブトロール投与前の心電図の各パラメータの値及び投与後の変化
(平均±標準偏差):第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Variable
Time point
Heart rate
(beats/min)
Baseline
0-15min
2-4 h
1 day
Gadobutrol
≥0.09-0.11 mmol/kg bw
n
Mean ± SD
n
144
71.9 ± 14.8
447
59
-3.4 ± 8.5
222
83
4.6 ± 8.7
220
83
3.1 ± 8.6
220
QTcF (msec)
Baseline
0-15min
2-4 h
1 day
144
59
83
83
409.7
-0.8
-0.6
-0.9
± 24.5
± 14.9
± 11.6
± 14.5
447
222
220
220
408.9
3.4
1.1
-0.7
± 24.7
± 16.3
± 13.3
± 14.9
QT (msec)
Baseline
0-15min
2-4 h
1 day
103
18
101
101
397.7
6.1
-9.2
-7.5
± 37.4
± 26.6
± 21.7
± 24.6
316
93
313
312
394.3
4.6
-5.8
-5.3
± 38.2
± 21.7
± 21.4
± 22.2
QRS (msec)
Baseline
0-15min
2-4 h
1 day
162
77
101
101
92.6
-1.1
0.3
0.2
± 12.4
± 8.2
± 7.0
± 10.0
540
315
313
312
94.8
-0.3
0.8
0.5
± 15.2
± 8.1
± 6.7
± 7.9
PQ (msec)
Baseline
0-15min
2-4 h
1 day
160
77
99
99
162.6
3.2
-0.8
-1.4
± 24.7
± 13.5
± 10.6
± 10.3
533
310
309
308
163.5
1.3
0.2
-0.9
± 26.8
± 16.4
± 13.6
± 13.7
Total
Mean ± SD
71.2 ± 14.2
-2.3 ± 7.9
3.6 ± 10.5
2.5 ± 9.4
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.7/9, Table 2.1.7/10, Table 2.1.7/15, Table 2.1.7/16, Table 2.1.7/17, Table 2.1.7/18,
Table 2.1.7/31, Table 2.1.7/32, Table 2.1.7/33, Table 2.1.7/34
期外収縮及び異常所見
ガドブトロール投与後、心房性期外収縮又は心室性期外収縮がみられた被験者数の割合は特に
増加しなかった(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.7/11~Table 2.1.7/14)。また、心電図に異常
がみられた被験者の割合は、ガドブトロール投与後、特に増加しなかった(5.3.5.3.2 PH-37818
Table 2.1.7/19、Table 2.1.7/20)。
QTcF のカテゴリー分析
投与後の各時点でベースラインに比べ、30 ミリ秒超 60 ミリ秒以下又は 60 ミリ秒を超える QTcF
の変化を示した被験者数を表 2.7.4.4.2.4- 3 に示す。ガドブトロール群では、30 ミリ秒超 60 ミ
リ秒以下の QTcF の変化は治験薬投与後の 15 分以内から 3 日までのいずれの時点でも、2~4%に
みられた(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.7/22)。同様の影響は gadoversetamide でもみられ、
薬剤の影響よりはむしろ日周変化によるものと考えられた。60 ミリ秒を超える QTcF の変化を示
したのは、ガドブトロール 0.09mmol/kg 未満群の 1 例のみであった。
治験薬投与前後のいずれかの時点で、500 ミリ秒を超える QT 間隔を示した被験者の一覧を
5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/22 に示す。ガドブトロール群では、投与後 8 例が 500 ミリ
2.7.4 臨床的安全性
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133
秒を超える QT 間隔を示した(最大値は投与後 1 日にみられた 580 ミリ秒)。8 例中 4 例は投与前
にも 500 ミリ秒を超える QT 間隔を示していた。
表 2.7.4.4.2.4- 3 治験薬投与後に 30 ミリ秒超 60 ミリ秒以下又は 60 ミリ秒を超える QTcF の変
化を示した被験者数:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Time point
Dose:
mmol/kg bw
QTcF change
>30 to ≤60 msec
Baseline
0-15 min
30-60 min
2-4 h
1 day
3 days
After injection
QTcF change
>60 msec
Baseline
0-15 min
30-60 min
2-4 h
1 day
3 days
After injection
Gadobutrol
<0.09
≥0.09
-0.11
>0.11
-0.21
>0.21
-0.31
Total
Gadoversetamide
0.1
0/182 [2]
8/182 [70]
1/68
[1]
4/68
[1]
3/68
[1]
3/67
[1]
17/182 [2]
0/144 [0]
0/144 [85]
1/85 [1]
0/85 [2]
2/84 [1]
1/81 [2]
4/144 [0]
0/56 [1]
3/56 [5]
1/3 [0]
0/3 [0]
0/3 [0]
0/3 [0]
4/56 [1]
0/69 [1] 0/451 [4] 0/227 [7]
0/69 [69] 11/451 [229] 0/227 [227]
4/69 [1] 7/225 [3] 7/227 [7]
3/69 [2] 7/225 [5] 2/227 [8]
2/68 [1] 7/223 [3] 4/222 [7]
4/66 [1] 8/217 [4]
7/69 [1] 32/451 [4] 11/227 [7]
0/182 [2]
0/182 [70]
0/68
[1]
1/68
[1]
0/68
[1]
1/67
[1]
1/182 [2]
0/144 [0]
0/144 [85]
0/85
[1]
0/85
[2]
0/84
[1]
0/81
[2]
0/144 [0]
0/56 [1]
0/56 [5]
0/3 [0]
0/3 [0]
0/3 [0]
0/3 [0]
0/56 [1]
0/69 [1]
0/69 [69]
0/69 [1]
0/69 [2]
0/68 [1]
0/66 [1]
0/69 [1]
0/451 [4]
0/451 [229]
0/225 [3]
1/225 [5]
0/223 [3]
1/217 [4]
1/451 [4]
0/227 [7]
0/227 [227]
0/227 [7]
0/227 [8]
0/222 [7]
0/227 [7]
Total
0/678 [11]
11/678 [456]
14/452 [10]
9/452 [13]
11/445 [10]
8/217 [4]
43/678 [11]
0/678 [11]
0/678 [456]
0/452 [10]
1/452 [13]
0/445 [10]
1/217 [4]
1/678 [11]
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.7/21, Table 2.1.7/22, Table 2.1.7/23, Table 2.1.7/24
Values represent the number of subjects with QTcF >30 to ≤60 msec and>60 msec / the number of subjects for evaluation
(including missing), and number of subjects with missing evaluation in brackets.
The table bases on studies 305501 and 308200 where QTcF is explicitly documented.
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.5
2.7.4.5.1
2.7.4.5.1.1
Page
119 of
133
特別な患者集団及び状況下における安全性
内因性要因
人口統計学データ別有害事象
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
第Ⅱ相~第Ⅳ相試験における、ガドブトロール投与後の有害事象及び関連性のある有害事象の
発現例数について、製剤濃度(0.5mmol/mL 又は 1.0mmol/mL)、用量、人種、体重、性別、年齢、
治験実施地域別に表 2.7.4.5.1.1- 1 に示す。
性別、体重別の部分集団では有害事象の発現率は 8~13%程度であり、部分集団間でほぼ同様
であった。米国/カナダ(26.0%)及び中南米(22.1%)では他の部分集団(7.3~11.1%)より
も有害事象の発現率が高かった。また、黒人(20.4%)及びヒスパニック(15.7%)でも白人(9.6%)、
アジア人
(8.0%)
に比べて高い傾向がみられた。
年齢別では、
18 歳未満
(2 歳以上 7 歳未満:28.3%、
7 歳以上 12 歳未満:27.3%、12 歳以上 18 歳未満:30.0%)で発現率が高かった。
治験薬と関連性のある有害事象の発現率は、性別及び体重別の部分集団間(約 3~5%)で同様
であった。治験実施地域別では米国/カナダ(11.1%)、人種別では黒人(10.8%)で他の部分
集団(約 3~6%)に比べ、関連性のある有害事象の発現率が高い傾向にあった。年齢別では、12
歳以上 18 歳未満(10.0%)で発現率がやや高かった。
上記各部分集団において 1.0%以上で発現した治験薬と関連性のある有害事象について検討し
た(表 2.7.4.5.1.1- 2~表 2.7.4.5.1.1- 5)。性別では男性、女性とも、いずれの事象も 1.0%
未満の発現率であった。少数例での検討により 1 例で発現した場合でも 1.0%以上の発現率とな
る部分集団もみられた。多数例での検討ができた部分集団では高頻度に発現した有害事象のほと
んどは頭痛及び悪心であった。これらは他の Gd 含有細胞外液性造影剤でもよくみられる有害事象
である。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
120 of
133
表 2.7.4.5.1.1- 1 被験者背景別、有害事象及び関連性のある有害事象の発現例数及び発現率
-ガドブトロール群:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Total
Total
6286
With AEs
623
Number of subjects
%
With drug- related AEs
9.9
231
%
3.7
Molarity
(mol/L)
0.5
1.0
1002
5284
55
568
5.5
10.7
39
192
3.9
3.6
Doses
(mmol/kg bw)
<0.09
≥0.09, ≤0.11
>0.11, ≤0.21
>0.21, ≤0.31
>0.31, ≤0.51
289
4247
694
1009
47
25
433
80
79
6
8.7
10.2
11.5
7.8
12.8
9
148
29
42
3
3.1
3.5
4.2
4.2
6.4
Race
Caucasian
Asian
Black
Hispanic
Other
3759
1919
93
345
170
361
153
19
54
36
9.6
8.0
20.4
15.7
21.2
136
57
10
19
9
3.6
3.0
10.8
5.5
5.3
Weight (kg)
<60
≥60, <90
≥90
Missing
1709
3844
729
4
188
336
98
1
11.0
8.7
13.4
25.0
66
128
37
0
3.9
3.3
5.1
0
Sex
Male
Female
3106
3180
264
359
8.5
11.3
107
124
3.4
3.9
Age (years)
≥2, <7
≥7, <12
≥12, <18
≥18, <45
≥45, <65
≥65, <80
≥80
46
44
50
1314
2905
1776
151
13
12
15
191
243
138
11
28.3
27.3
30.0
14.5
8.4
7.8
7.3
1
2
5
83
89
48
3
2.2
4.5
10.0
6.3
3.1
2.7
2.0
Europe
3497
259
7.4
101
2.9
Asia (incl, Japan)
1890
148
7.8
56
3.0
Japan
1201
88
7.3
40
3.3
USA/Canada
461
120
26.0
51
11.1
South/Central
429
95
22.1
23
5.4
America
Australia
9
1
11.1
0
0
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/1, Table 2.1.4/2, Table 2.1.4/32, Table 2.1.4/40, Table 2.1.4/48, Table 2.1.4/56,
Table 2.1.4/64, Table 2.1.4/127, Table 2.2.4/2
Drug-related AEs include AEs determined by the investigators as "possibly", "probably", and "definitely."
Region
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
121 of
133
表 2.7.4.5.1.1- 2 年齢別の治験薬と関連性のある有害事象
(いずれかの部分集団で発現率 1.0%
以上)-ガドブトロール群:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
(years)
Nausea
Feeling hot
Crystal urine
Dysgeusia
Headache
Rash pruritic
≥2, <7
(n = 46)
1 (2.2)
0
0
0
0
0
≥7, <12
(n = 44)
0
0
1 (2.3)
0
0
1 (2.3)
≥12, <18
(n = 50)
0
2 (4.0)
0
2 (4.0)
1 (2.0)
0
≥18, <45
(n = 1314)
22 (1.7)
4 (0.3)
0
11 (0.8)
9 (0.7)
0
≥45, <65
(n = 2905)
11 ( 0.4)
6 ( 0.2)
1 (<0.1)
7 ( 0.2)
5 ( 0.2)
1 (<0.1)
≥65, <80
(n = 1776)
13 ( 0.7)
8 ( 0.5)
0
3 ( 0.2)
5 ( 0.3)
1 (<0.1)
≥80
(n = 151)
0
1 (0.7)
0
0
0
0
0
0
1 (2.0)
1 (2.0)
4 (0.3)
4 (0.3)
1 (<0.1)
4 ( 0.1)
0
1 (<0.1)
0
0
悪心
熱感
尿中結晶
味覚異常
頭痛
そう痒性
皮疹
Pruritus
0
そう痒症
Rash
0
発疹
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/46
Percentages of subjects are shown in parentheses.
表 2.7.4.5.1.1- 3 人種別の治験薬と関連性のある有害事象
(いずれかの部分集団で発現率 1.0%
以上)-ガドブトロール群:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Dry mouth
口内乾燥
Nausea
悪心
Oral disorder
口腔障害
Vomiting projectile
噴出性嘔吐
Feeling hot
熱感
Injection site erythema
注射部位紅斑
Injection site pain
注射部位疼痛
Headache
頭痛
Blood creatinine
血中クレアチニン増加
increased
Blood glucose increased
血中ブドウ糖増加
Differential white blood
白血球百分率数異常
cell count abnormal
Paraesthesia
錯感覚
Micturition urgency
尿意切迫
Pruritus
そう痒症
Urticaria
蕁麻疹
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/70
Percentages of subjects are shown in parentheses.
Caucasian
(n = 3759)
2 (<0.1)
22 ( 0.6)
0
0
18 ( 0.5)
0
5 ( 0.1)
8 ( 0.2)
0
Black
(n = 93)
1 (1.1)
2 (2.2)
1 (1.1)
1 (1.1)
1 (1.1)
1 (1.1)
0
0
1 (1.1)
Hispanic
(N = 345)
0
8 (2.3)
0
0
0
0
0
3 (0.9)
1 (0.3)
Asian
(n = 1919)
2 ( 0.1)
13 ( 0.7)
0
0
2 ( 0.1)
0
2 ( 0.1)
6 ( 0.3)
0
Other
(n = 170)
0
2 (1.2)
0
0
0
0
3 (1.8)
3 (1.8)
0
2 (<0.1)
0
1 (1.1)
1 (1.1)
0
0
0
0
0
0
4 ( 0.1)
1 (<0.1)
4 ( 0.1)
2 (<0.1)
1 (1.1)
1 (1.1)
1 (1.1)
1 (1.1)
0
0
0
1 (0.3)
0
0
1 (<0.1)
4 ( 0.2)
0
0
0
0
表 2.7.4.5.1.1- 4 体重(kg)別の治験薬と関連性のある有害事象(いずれかの部分集団で発現
率 1.0%以上)-ガドブトロール群:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
(kg)
<60
(n = 1709)
12 (0.7)
Nausea
悪心
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/54
Percentages of subjects are shown in parentheses.
≥60, <90
(n = 3844)
26 (0.7)
≥90
(n = 729)
9 (1.2)
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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133
表 2.7.4.5.1.1- 5 治験実施地域別の治験薬と関連性のある有害事象(いずれかの部分集団で発
現率 1.0%以上)-ガドブトロール群:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Europe
Asia
Japan
USA/Canada
(incl. Japan)
(n = 3497)
(n = 1890)
(n = 1201)
(n = 461)
Nausea
18 (0.5)
13 (0.7)
0
9 (2.0)
悪心
Dysgeusia
14 (0.4)
0
0
7 (1.5)
味覚異常
Headache
5 (0.1)
6 (0.3)
0
5 (1.1)
頭痛
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.1/11, Table 2.1.4/62, Table 2.2.1/7, Table 2.2.4/22
Percentages of subjects are shown in parentheses.
2.7.4.5.1.2
South/Central
America
(n = 429)
7 (1.6)
2 (0.5)
4 (0.9)
Australia
(n = 9)
0
0
0
被験者背景別有害事象
参照項目:5.3.5.3.2 PH-37818
ガドブトロールの有害事象及び関連性のある有害事象について、被験者背景別の部分集団解析
を行った。ガドブトロールの薬理作用並びに本剤及び他の Gd 含有細胞外液性造影剤における臨床
経験を考慮して、以下の被験者背景について結果を要約する。

造影剤を含むアレルギー歴

造影剤アレルギー歴

血清クレアチニンから算出する eGFR により評価した腎機能障害(投与前の eGFR が 90mL/min
未満)

臨床検査値から評価した肝機能障害(投与前の AST 又は ALT のいずれかが正常上限の 1.8 倍
を超える被験者)

循環器系の疾患の既往又は合併

重度の循環器系の疾患の既往又は合併
上述の部分集団別の有害事象及び関連性のある有害事象の発現例数を表 2.7.4.5.1.2- 1 に示す。
アレルギー歴を除いて、いずれの被験者背景についても部分集団間での発現率にあまり差はな
かった。これは他の Gd 含有 MRI 造影剤と同様の傾向であった。造影剤アレルギー歴を有する被験
者では有さない被験者に比べ、有害事象の発現率(それぞれ 29.2%、9.8%)及び治験薬と関連
性のある有害事象の発現率(12.5%、3.6%)が高かった。また、造影剤を含むアレルギー歴を有
する被験者でも有さない被験者に比べ、有害事象の発現率(15.3%、9.2%)及び治験薬と関連性
のある有害事象の発現率(5.8%、3.4%)がやや高かった。
ガドブトロールを投与されたアレルギー歴を有する被験者 707 例のうち、108 例に何らかの有
害事象がみられ、そのうち即時性のアレルギー反応は 1 例のみにみられた(そう痒症及び発疹)
(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/72、Table 2.1.4/142)。
腎機能別では、
ガドブトロールを投与された eGFR が 60mL/min 未満の被験者 594 例のうち 55 例、
eGFR が 90mL/min 未満の被験者では 2254 例のうち 214 例に有害事象がみられたが、腎性全身性線
維症(nephrogenic systemic fibrosis:NSF)を示唆するものはみられなかった(5.3.5.3.2
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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123 of
133
PH-37818 Table 2.1.4/88、Table 2.1.4/92)。また、eGFR が 60mL/min 未満及び 90mL/min 未満
の被験者での有害事象の発現率は、腎機能が正常な被験者と比べて特に差はなかった。
循環器系の疾患の既往又は合併の有無、また重度の循環器系の疾患の既往又は合併の有無によ
る有害事象の発現率に差はなかった。有害事象プロファイルも、これらの部分集団で類似してい
た(5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/108、Table 2.1.4/116)。
表 2.7.4.5.1.2- 1 被験者背景別ガドブトロール群の有害事象の発現例数及び発現率
:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Baseline characteristic
Total
Subjects with
AE
n
%
515
9.2
108
15.3
Subjects with
drug-related AE
n
%
190
3.4
41
5.8
Allergies
(including allergies to contrast media)
No
Yes
5579
707
Allergy to contrast media
No
Yes
6262
24
616
7
9.8
29.2
228
3
3.6
12.5
Renal function, eGFR
<30 ml/min
≥30, <60 ml/min
≥60, <90 ml/min
≥90 ml/min
Missing
43
551
1660
2124
1908
8
47
159
301
108
18.6
8.5
9.6
14.2
5.7
3
15
65
109
39
7.0
2.7
3.9
5.1
2.0
Hepatic function, ALT or AST
≤1.8 ULN
>1.8 ULN, ≤3.0 ULN
>3.0 ULN
Missing
3815
159
90
2222
442
14
10
157
11.6
8.8
11.1
7.1
160
7
3
61
4.2
4.4
3.3
2.7
No
3507
348
9.9
142
4.0
Yes
2779
275
9.9
89
3.2
No
5399
550
10.2
209
3.9
Severe cardiovascular disorder
Yes
887
73
8.2
22
2.5
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Table 2.1.4/72, Table 2.1.4/80, Table 2.1.4/88, Table 2.1.4/96, Table 2.1.4/104, Table 2.1.4/112
n = number of patients
ULN = upper limit of reference range
Cardiovascular disorder
2.7.4.5.1.3
2.7.4.5.1.3.1
特別な患者集団における安全性の検討
ドイツ第Ⅲ相試験:試験 95062、報告書 B245
参照項目:5.3.3.3.1 B245、2.7.6.6
単施設、無作為化、非盲検、単回投与試験とし、MRI 検査予定の腎機能障害被験者(クレアチ
ニンクリアランス 80mL/min 未満)及び透析被験者を対象に、本剤 0.1 又は 0.3mmol/kg を静脈内
投与時の安全性及び薬物動態を検討した。
安全性の評価項目は、有害事象、理学検査、バイタルサイン及び臨床検査とした。部分集団別
の解析、すなわち、軽度から中等度腎機能障害被験者(クレアチニンクリアランス 30mL/min~
80mL/min 未満)、重度の腎機能障害被験者(クレアチニンクリアランス 30mL/min 未満)、透析
被験者における解析も行った。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
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124 of
133
腎機能障害被験者における主要評価項目は、クレアチニンクリアランスの変化(投与前後の比
較)とした。透析被験者における主要評価項目は、投与後の各透析時の血清中ガドブトロール濃
度の減少とした。
安全性結果のまとめ
32 例中 6 例(18.8%)に 10 件の有害事象がみられ、うち 1 件が重篤な有害事象であった。重
症度は、軽度 2 件、中等度 7 件、重度 1 件であった。重篤な有害事象も含め、治験担当医師が治
験薬と関連性があると判断した有害事象はなかった。3 例における有害事象(腎機能不全、めま
い、心不全)は治験期間終了後も続いたが、基礎疾患によるものとされた。その他の被験者では
有害事象は 3 時間から 2 日間続いた。重篤な有害事象(出血)は投与後 3 日以上経過後(投与後
94 時間)の生検後にみられ、30 分間続いた。この出血は生検と直接的に関係していたため、治験
担当医師は治験薬との関連性はなしと判断した。この特別な被験者集団において、本剤の投与用
量群(0.1mmol/kg 及び 0.3mmol/kg)間に、有害事象の特徴及び頻度に差はみられなかった。
被験者の腎機能別に有害事象を分類した場合、Ⅰ群(クレアチニンクリアランス 30mL/min 超
80mL/min 未満)では 2 例に 4 件、Ⅱ群(クレアチニンクリアランス 30mL/min 未満)では 1 例に 2
件、Ⅲ群(透析被験者)では 3 例に 4 件(重篤な有害事象 1 件を含む)の有害事象がみられた(表
2.7.4.5.1.3.1- 1)。
表 2.7.4.5.1.3.1- 1 腎機能別有害事象:腎機能障害被験者又は透析被験者
Group
Creatinine clearance
I
>30 mL/min, <80 mL/min
II
<30 mL/min
III
Subjects on dialysis
Source: 5.3.3.3.1 B245
Number of
subjects
12
9
11
Subjects
with AEs
2
1
3
Number of
AEs
4
2
4
SAEs
Causality
0
0
1
None
None
None
バイタルサインについて、治験担当医師により、本剤投与後臨床的に意味のある変化又は傾向
とされたものはなかった。クレアチニンクリアランスの臨床的に意味のある変化は、腎機能障害
被験者 21 例中 3 例(14.3%、0.1mmol/kg 群 1 例、0.3mmol/kg 群 2 例)にみられたが、本剤投与
と関連すると治験担当医師に判定されたものはなかった。
腎機能障害被験者又は透析被験者において起こり得る、本剤の生理機能への影響を評価するた
め、様々な臨床検査項目の評価を行った。ベースラインからの臨床的に意味のある変化は 32 例中
5 例(15.6%)にみられた。治験担当医師により本剤投与に関連すると判定されたものはなく、
基礎疾患に起因するとされた。
これらの結果より、本剤は 0.3mmol/kg の用量まで腎機能障害被験者の安全性に影響しないこと
が明らかになった。さらに、血液透析被験者において、ガドブトロールは透析可能で、3 回の透
析でほぼ完全に血液から除去できることが示された。腎不全被験者あるいは血液透析被験者にお
いて、本剤を 0.3mmol/kg の用量まで投与しても、有害事象発現率の増加あるいは予期されない有
害事象特性は認められなかった。臨床検査値においても、造影剤投与による腎機能障害の兆候は
みられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.5.1.3.2
Page
125 of
133
小児/若年における第 I/Ⅲ相試験:試験 310788、報告書 A40794
参照項目:5.3.3.3.3 A40794、2.7.6.8
多施設、非盲検、単回投与試験とし、2 歳から 17 歳の患者を対象に、本剤を 0.1mmol/kg の用
量で投与時の安全性及び薬物動態を検討した。4 カ国(オーストリア、カナダ、ドイツ、スウェー
デン)14 施設で計 140 例の被験者をスクリーニングし、試験に組み入れた。安全性評価は、ベー
スラインから治験薬投与後 24 時間まで行った。また、投与 7 日後に電話での追跡調査も行った。
安全性の解析は、FAS(full analysis set)(本剤が投与された被験者すべて)を用いて行った。
安全性の解析に含まれた 138 例の被験者を 3 つの年齢グループに分けた。グループ 1(2 歳から
6 歳)には 46 例、グループ 2(7 歳から 11 歳)には 44 例、グループ 3(12 歳から 17 歳)には 48
例が含まれた。
安全性結果のまとめ
本試験でみられた小児/若年における本剤の安全性プロファイルは、成人被験者で知られてい
るものと同様であった。
FAS の 138 例中 49 例(35.5%)で 74 件の有害事象がみられた。治験薬と関連性のある有害事
象は 8 例(5.8%)にみられた。治験薬と関連性のある有害事象は、味覚異常(2 件)、熱感(2
件)、尿中結晶、頭痛、悪心、発疹、そう痒性皮疹、そう痒症(各 1 件)の計 10 件であった。
重度とされた有害事象は、被験者番号 2012 の背部痛(治験薬と関連性なし)及び被験者番号
8002 の尿中結晶(重篤及び治験薬と関連性あり)の 2 件であった。中等度は 13 件、軽度は 59 件
であった。薬剤治療を 26 件の有害事象に行い、他の 2 件の有害事象に単純な処置(被験者番号
2017:中心ライン感染後のカテーテル除去、被験者番号 9002:四肢の痛みの後、薬物動態用の最
終血液サンプリング後の静脈ラインの除去)を行った。
死亡例はなかった。2 例(1.4%)に 3 件の重篤な有害事象がみられた。被験者番号 8002 で併
用薬に起因する可能性のある尿中結晶(重篤、治験薬との関連性あり、上記参照)及び肺炎(軽
度、治験薬と関連性なし、入院が必要となったため重篤と判定)がみられたが、完全に回復した。
被験者番号 2017 では髄膜炎(中等度、治験薬との関連性なし、入院が必要となったため重篤と判
定)がみられたが、完全に回復した。
治験薬と関連性のある有害事象の多く
(10 件中 7 件)は投与後 3 時間以内に発現したのに対し、
治験薬と関連性のない有害事象の多く(64 件中 46 件)は、投与後 3 時間超から 7 日目までに発
現した。
いずれの年齢グループでも、ベースラインから本剤投与後に、臨床検査値に特に変化はみられ
なかった。多くの項目で、MRI 検査前後の臨床検査値は正常範囲内であった。観察期間中に異常
値がみられた被験者のうち、多くはベースラインにも異常値がみられた。正常範囲からの逸脱は、
一般的に、基礎疾患、基礎治療又は絶食状態等の影響と考えられた。
バイタルサインの平均値は、いずれの時点でも、3 つの年齢グループで同様であった。ベース
ラインに比べて本剤投与後のいずれの時点でも、顕著な変化はみられなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.5.1.3.3
Page
126 of
133
2 歳未満の乳幼児における第 I 相試験:試験 91741、報告書 PH-37277
参照項目:5.3.3.3.4 PH-37277、2.7.6.22
多施設、非盲検、単回投与試験とし、2 歳未満の乳幼児(正期産新生児から 23 ヵ月までの乳幼
児)患者を対象に、本剤を 0.1mmol/kg の用量で投与時の安全性、薬物動態及び有効性を検討した。
3 ヵ国(米国、ドイツ、カナダ)9 施設で計 47 例の被験者を試験に組み入れた。安全性評価は、
ベースラインから治験薬投与後 24 時間まで行った。
また、
投与 7 日後に電話で追跡調査を行った。
本剤が投与された被験者すべてを安全性の解析対象とし、44 例が含まれた。
安全性結果のまとめ
本試験でみられた 2 歳未満の乳幼児患者における本剤の安全性プロファイルは、2 歳以上の小
児及び成人被験者におけるものと同様であった。
44 例中 18 例(40.9%)に有害事象が認められた。発現割合が高かった有害事象は、咳嗽 5 例
(11.4%)、発熱 5 例(11.4%)、鼻咽頭炎 3 例(6.8%)、鼻炎 2 例(4.5%)及び嘔吐 2 例(4.5%)
であった。治験薬と関連性のある有害事象は、軽度の嘔吐の 1 例(2.3%)のみであった。44 例
中 5 例(11.4%)において、治験実施手順と関連性のある有害事象が認められた。
死亡例はなかった。44 例中 3 例(6.8%)に、重篤な有害事象(硬膜下蓄膿症、呼吸不全及び
感染性嚢腫)が認められた。いずれも治験薬の投与開始後に発現した事象であったが、治験薬と
の関連性はないと判断された。1 例の事象(呼吸不全)は治験実施手順と関連性があると判断さ
れ、その他の事象は原疾患との関連が考えられた。
臨床検査及びバイタルサインに臨床的に意味のある変化は認められなかった。
2.7.4 臨床的安全性
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.4.5.2
Page
127 of
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外因性要因
該当なし。
2.7.4.5.3
薬物相互作用
本剤の臨床試験及び市販後の成績より相互作用はみられていない。
2.7.4.5.4
妊娠及び授乳時の使用
妊娠中の女性に本剤を投与した十分な臨床試験のデータはない。
非臨床試験で、器官形成期のラット及びウサギに 7.5~10.0mmol/kg(母動物に死亡を含む重度
の全身毒性が発現する用量)を反復静脈内投与した結果、早産の増加傾向、発育遅延の所見が観
察されたが、次世代に奇形を含む重度な影響は及ぼさないことが確認された(2.6.6 毒性試験の
概要文)。ヒトへ影響する可能性のあるリスクは明らかにされていない。よって、明らかな必要
性がない限り、本剤を妊娠中の女性に投与すべきではない。
本剤投与後、ガドブトロールが母乳に移行するかどうかは分かっていない。非臨床試験におい
て、ラット乳汁中へのわずかな移行が認められている(2.6.4.6.1.1 ラット)。
2.7.4.5.5
過量投与
第Ⅰ相試験で少数例に本剤 1.5mmol/kg が投与された(5.3.3.1.2 報告書 B000)。有害事象の
発現率は本剤の他の臨床試験での発現率と比べて高かったが、問題となるような未知の有害事象
は認められなかった。海外で承認されている本剤の最高用量は 0.3mmol/kg であり、当該用量の忍
容性は確認されている。
市販後に過量投与された症例における安全性に関する情報は報告されていない。
3 回の透析によりガドブトロールはほぼ完全に血清中より除去することができる(2.7.2.3.4
腎機能障害を有する患者における薬物動態)。
2.7.4.5.6
薬物乱用
該当なし。
2.7.4.5.7
離脱症状及び反跳現象
該当なし。
2.7.4.5.8
自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害
影響を示すデータはない。
2.7.4 臨床的安全性
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2.7.4.6
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市販後データ
2.7.4.6.1
文献
14,299 例の被験者において本剤に対する急性副作用の発現率を評価した1)。Bayer HealthCare
(BHC)社主導のプロスペクティブに計画された多施設共同、非介入、非無作為化、非盲検、観察
試験が 6 試験実施され、そのうちの 2 試験は本剤の造影 MRA 試験、他の 4 試験は造影 MRI での本
剤の一般的な使用試験であった。14,299 例中 78 例(0.55%)に計 128 件の副作用がみられた。
発現率が 1%を超える副作用はなく、いずれも「まれ(uncommon)」に分類された。最も高頻度
に報告された副作用は、悪心(36 例、0.25%)で、続いて嘔吐(7 例、0.05%)、蕁麻疹(urticaria)
(6 例、0.04%)、温感、頻脈、膨疹(各 4 例、0.03%)、浮動性めまい、そう痒、血管拡張、
咽喉そう痒(各 3 例、0.02%)、咳嗽、呼吸困難、潮紅、蕁麻疹(hives)、全身性そう痒、口腔
乾燥、顔面発赤、熱感、皮膚障害、悪心増悪(各 2 例、0.01%)であった。2 件の重篤な副作用
(アナフィラキシー様反応及び咽喉のそう痒と腫脹)が認められ(0.01%)、これらは担当医師
により本剤の投与と「おそらく関連性あり(probably associated)」とされた。
小児を対象とする観察研究2)では、2 歳未満の小児 60 例における造影 MRI での本剤の使用を評
価した。本剤投与に関連する有害事象を発現した患者はいなかった。2 歳未満の患者において、
本剤の標準用量は安全であり、種々の疾患に対する診断情報を提供することが示された。
成人及び小児における造影 MRI での本剤の使用について検討した3)。小児患者及び成人患者(若
年成人及び高齢成人)、中等度から重度の肝又は腎機能障害あるいは心血管障害を有する患者を
含む、広範囲の患者を対象とした豊富な臨床使用経験に基づき、本剤造影 MRI 及び造影 MRA にお
いて有効で、おおむね良好な忍容性を示す細胞外 Gd 含有造影剤であることが示された。
2.7.4.6.2
グローバルファーマコビジランス
2014 年 月
日時点で、本剤は 104 ヵ国で承認され、69 ヵ国で市販されている。患者集団に
は、種々の年齢、性別及び人種が含まれる。世界の販売及びマーケティングデータに基づくと(2014
年 月 日現在)、1999 年にスイスで最初に発売されてから、約
例に本剤が投与さ
れたと推定された。
2.7.4.6.2.1
2.7.4.6.2.1.1
市販後概要報告
医薬品副作用
1999 年の製品発売から 2014 年 月
日までに、BHC 社のグローバルファーマコビジランス部
門(GPV)は、本剤を投与された患者における有害事象の報告を 3,891 件受領している。同期間に
受領された副作用の数及び種類は臨床試験において報告された有害事象と同様で、本剤及び他の
Gd 含有造影剤の既知の安全性プロファイルと一致している。本剤の良好なベネフィット・リスク
プロファイルにかかわる新たな重要な安全性情報は得られていない。
これらの症例報告は、
重篤性及び医学的確認の有無に従って分類されている
(表 2.7.4.6.2.1.11)。
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.6.2.1.1- 1 1999 年の製品発売から 2014 年 月 日までに重症度及び医学的確認に
よってカテゴリー分類された医薬品副作用に関する市販後症例報告
Medically confirmed
Non-medically confirmed
Total
Serious
1,041
31
1,072
Non-serious
2,667
152
2,819
Total
3,708
183
3,891
Source: Global Pharmacovigilance database
2.7.4.6.2.1.2
市販後の死亡例
1998 年の本剤の最初の市販承認から 2014 年 月 日までに、市販後調査により、致死的転帰
又は死亡の報告が 41 件確認された。これらは年齢 31~91 歳で、女性 19 例、男性 20 例及び性別
の報告されなかった 2 例が含まれていた。本剤投与から死亡日までの期間は同日~22 ヵ月であっ
た。
18 例における死因は、本剤に対するアナフィラキシー/アナフィラキシー様反応であると考え
られた。4 例は、アレルギー様反応の可能性が不明確なままであった。すなわち、死因が「肺塞
栓症」、「造影剤ショック」(評価のための追加情報が欠如)、本剤投与後の「痙攣発作、胸痛
及び呼吸困難」(患者の病歴、アレルギー歴及びに合併症に関する情報がない)、原疾患である
心疾患及び肺水腫による死亡(本剤との関連性なしと報告された)であった。
2 例の自発症例は、情報不足のために「評価不能(non-assessable)」と分類された(1 例は、
本剤投与から 2 ヵ月後に心停止により死亡した。本剤投与後 30 分間観察し、異常のない状態で自
宅に帰った 1 例は、同日に進行性の肺塞栓症で死亡した)。2 例は、死亡と本剤投与との密接な
時間的関連性が報告されたが、評価のための他の情報が不足していた。
他の 11 例の死亡例(BHC 社が主導でない試験、観察研究、臨床試験及び自発報告による)につ
いては、原疾患、遠隔転移を伴う疾患、腫瘍進行、原疾患である癌の合併症、進行した心疾患、
胃腸出血、肺出血、敗血症下での肝不全、腸梗塞下での多臓器不全を含む種々の理由があるが、
いずれも本剤との関連性はないと思われた。
NSF を発現した患者から 3 例の死亡例が報告されたが、いずれも本剤との関連性はないと思わ
れた。1 例(本剤投与は確認されなかった)では、退院時サマリーによると致死性心停止(無酸
素性脳損傷後)が死因であった。2 例目の死因は、剖検の結果によると原疾患であった。3 例目の
死亡は、公表文献に「もう生存していない」高齢者と言及されていたことに由来しており、追加
情報を依頼したが死亡に関するさらなる情報は得られなかった。
試験由来の 1 例の報告では、本剤を投与していることは確認されなかったが、ガドジアミドを
投与していることが確認された被験者が、原疾患により死亡していた。
2.7.4 臨床的安全性
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概して、本剤に対するアナフィラキシー様反応に関係する報告致死率(100,000 例当たり約
a
0.12)は、Gd 含有造影剤に対して公表されている範囲内 )であり、安全性に関して最も多くの経
験がある Gd 含有造影剤であるガドペンテト酸メグルミンにより観察された安全性と一致してい
る。
2.7.4.6.2.1.3
過敏症反応
主に皮膚症状、呼吸症状及び心血管症状からなる過敏症/アナフィラキシー様反応は、すべて
の Gd 含有造影剤と関係して発生すると認識されている。これらの反応は極めてまれ(very
unusual)であり、生命を脅かす又は致死的転帰のまれな例を含めて、0.004~0.7%の頻度で変動
する4)。
市販後安全性データは本剤が投与された約
万例に基づいており、臨床試験中に得られた
既知の安全性プロファイルと一致している。本剤の投与を受けた患者における「アレルギー性」
反応に似た反応の報告率は、経時的に安定しており、0.01%前後であった。本剤により報告され
た過敏性反応の大半は、本剤の投与後間もない時間枠に発生し、通常、軽度から中等度であり、
ほとんどの患者が回復した。極めてまれな致死例を含む、重篤なアナフィラキシー様反応に関す
るまれな報告が本剤で確認されているが、これは同様の造影剤から得られた安全性の経験と一致
している。
2.7.4.6.2.1.4
腎性全身性線維症/腎性線維化性皮膚症
2014 年 月 日のデータ固定時点までに、本剤を投与された患者(他の Gd 含有造影剤の併用
の有無を問わない)において、計 11 例の NSF/NSF 様症状が、BHC 社の GPV に報告され、評価を
行った。可能な限り多くの情報を得るために、すべての報告について重点的に追跡した。11 例の
報告は、2007 年 7 月からデータ固定時点までに第 1 報の情報が受領された。企業主導の臨床試験
での NSF/NSF 様症状の報告はなかった。
これらの報告における本剤最終投与日は 2009 年 9 月 1 日であった。
NSF の可能性がある報告は、
すべて重篤とみなした。
自発報告源から受領された NSF に関する報告は、それ自体で NSF の医学的診断の確定を意味し
ない。患者が NSF であるか否かを評価するために、BHC 社は Cowper によって提案された NSF の臨
床病理学的定義を適用している5)。
臨床スコアリングは、特徴的な臨床症状の存在に従って、0(除外される)~4(高度に一致し
ている)の尺度に基づく。病理スコアリングも、特徴的な生検所見の存在に基づいて 0(除外さ
れる)~4(高度に一致している)の尺度に基づく。
これらの報告に関する入手可能なすべての情報を評価したところ、4 例では本剤が単独で投与
され(単剤報告)、残りの 7 例では、他の Gd 含有造影剤も投与されていた(多剤報告)。
a)生命を脅かす重度のアナフィラキシー様又は非アレルギー性アナフィラキシー反応は、極めてまれ
(exceedingly rare)である(0.001~0.01%)。Gd キレート剤に対する致死性反応は発生するが、極めてまれで
ある 4)。
2.7.4 臨床的安全性
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
単剤報告:4 例の単剤報告のうち 3 例において報告された症状は、最新のフォローアップ
情報で、企業又は皮膚科医/病理医である専門家の Dr. Cowper のいずれかにより NSF と判
断され、本剤との因果関係を除外することはできない。1 例の単剤報告においては、現在
入手可能な情報から評価するには不十分であり、「評価不能」と分類されている。

多剤報告:他の 7 件は多剤報告(患者は、NSF の発現の前に複数の Gd 含有造影剤の投与を
受けていることが報告されている)である。これらの多剤報告の 2 例において、報告され
た症状は NSF と一致しているとみなされたが、1 例では本剤投与が確認されておらず、も
う 1 例には NSF の発現に影響する可能性のある時間枠内での 2 種の Gd 含有造影剤(本剤と
ガドテル酸メグルミン)の投与による交絡があった。この患者は、症状が NSF であると報
告される約 5 年前にガドペンテト酸メグルミンと詳細不明の Gd 含有造影剤の投与も受けて
いた。結果として、これら 2 例では本剤との因果関係を判定することができない。現在入
手可能な情報に基づいて、残り 5 例の多剤報告については引き続き「評価不能」と分類す
る。
NSF 市販後試験 – GRIP(Gadovist in Renally Impaired Patients):試験 13273
試験表題:診断上特異的な臨床及び組織病理学的情報に基づいて NSF の発現に対する中等度~
重度の腎機能障害患者におけるガドブトロール 1.0mmol/mL の潜在的なリスクの規模を検討する
プロスペクティブな多施設共同非無作為化(薬剤疫学)非盲検化コホート研究
GRIP 試験は、診断上特異的な臨床及び組織病理学的情報に基づいて NSF の発現に対する中等度
から重度の腎機能障害患者における本剤の投与による潜在的なリスクの規模を評価するための臨
床試験である。
GRIP 試験は市販後要求事項ではない。GRIP 試験の設定は、米国で承認されているすべての Gd
含有造影剤に対する同様な試験への FDA の要求に基づいた。GRIP 試験のデザインは、これらの試
験のデザインと一致している。GRIP 試験は 2008 年に BHC 社によって自主的に開始され、現在も
進行中である。GRIP 試験では、本剤の投与後 2 年間、1、3、6、12、18 及び 24 ヵ月時に追跡調査
を行うことが要求される。
本報告のデータ固定時点において、NSF 症例は GRIP 試験でみられなかった。また、他の安全性
への懸念も検出されていない。市販後データは、NSF のリスクに取り組むために実施されたリス
ク最小化の方策が成功していることを示している。登録終了の最終目標期日であった
年
月末までに約 900~920 例の患者の登録が見込まれたことにより、1000 例の登録による転帰と異
ならない可能性が高くなると考えられた。試験をさらに継続しても、ガドビスト投与後の NSF リ
スクの規模に関するいかなる洞察も追加されないと考えられる。これらの事実に基づいて、BHC
社は
年 月末までにガドビスト GRIP 試験の登録を中止することを決定した。計
例の患
者が登録されている。現在登録されている全患者の追跡は、試験実施計画書に従ってあらかじめ
定められた期間である 2 年間継続する。2014 年 月 日現在、 例が試験を終了しており、
例が追跡調査中である。
2.7.4.6.2.1.5
企業中核データシート(CCDS)に記載されている市販後からの副作用
以下の副作用が本剤の世界的な市販後使用により報告されており(表 2.7.4.6.2.1.5- 1)、CCDS
に記載されている。
2.7.4 臨床的安全性
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表 2.7.4.6.2.1.5- 1 市販後自発報告からの追加副作用
器官別大分類
免疫系障害
心臓障害
皮膚および皮下組織障害
基本語
過敏症/アナフィラキシー様反応(アナフィラキシー様ショッ
ク、循環虚脱、呼吸停止、肺水腫、気管支痙攣、チアノーゼ、
口腔咽頭腫脹、喉頭浮腫、血圧上昇、胸痛、血管浮腫、結膜炎、
多汗症、咳嗽、くしゃみ、灼熱感、蒼白)
心停止
腎性全身性線維症(NSF)
Source: Global Pharmacovigilance database
2.7.4.6.2.2
市販後安全性データのまとめ
結論として、1999 年の販売開始からデータ固定時点までの本剤の市販後安全性データは、臨床
試験中に得られた、また他の細胞外 Gd 含有造影剤の投与後に報告された既知の安全性プロファイ
ルと一致している。市販後安全性データは、本剤の良好なベネフィット/リスクバランスを裏付
ける。本剤の安全な使用に影響を及ぼす可能性のある安全性への懸念は、累積市販後安全性デー
タから確認されなかった。
2.7.4 臨床的安全性
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参考文献
1) Forsting M et al., Eur J Radiol 2010:74:e186-e192
2) Bhargava R et al., Magnetic Resonance Insights 2013:6:1-12
3) Scott LJ, Clin Drug Investig 2013:33:303-314
4) American College of Radiology - Manual on Contrast Media, Version 9, 2013:Chapter 10
(Adverse Reactions to Gadolinium-Based Contrast Media)
5) Girardi M et al., J Am Acad Dermatol 2011:65:1095-1106
2.7.4.7 付録
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表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表
Study No/ Number of
Report No study
centers/
Location
Phase I
310865/ 1 center
A39759
Japan
Study
period
97113/
B000
1 center
Europe
1998.10– Double-blind,
1999.2 randomized (only
within a dosage level),
independent group
comparison
SH L 562 BB (1.0 M): 0.3, PK and safety n=48
0.5, 0.75, 1.0, 1.25, or
1.5 mmol/kg
Saline: same volume to
SH L 562 BB
307362/
A21381
1 center
USA
SH L 562 BB (1.0 M): 0.1, PK and safety n=64
0.3 and 0.5 mmol/kg
Saline: 0.5 mL/kg
Moxifloxacin: 400 mg
infusion
93016/
AS29
1 center
Japan
2004.3– Randomized, placebo2004.6 controlled, 5-period
crossover, dosecomparison with a
concurrent positive
control, double blind
for SH L 562 BB and
placebo
1992.10– Randomized, placebo1992.11 controlled, double
blind, dose escalation
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Adverse events,
5.3.3.1.1
laboratory, vital signs,
12-lead ECG, and
physical examination/
7 days
Healthy male (age, Adverse events,
5.3.3.1.2
Males/
laboratory tests of blood
22–44 years 18–45 years)
and urine, creatinine
clearance, vital signs,
ECG, physical
examination, body
temperature, partial O2
saturation/
7 days
35 males,
Normal
Continuous 12-lead
5.3.3.1.3
29 females/ nonsmoking, male ECG, adverse events,
34 ± 9 years and non-pregnant laboratory, vital signs,
female (age, 18– physical examination,
79 years)
conventional 12-lead
ECG/
1 day
2007.6– Randomized, placebo- SH L 562 BB (1.0 M): 0.1, PK and safety n=40
Males/
Healthy Japanese
2007.10 controlled, single-blind, 0.2, 0.3 or 0.1+0.1 mmol/kg
(8/dose group) 25 ± 3 years male (age, 20–
40 years)
dose escalation
Saline: same volume to
SH L 562 BB
SH L 562 A (0.5 M): 0.05,
0.1, 0.2, and 0.4 mmol/kg
Saline: same volume to
SH L 562 A
PK and safety n=32
Males
(SH L 562 A: 20–34 years
n=24, Saline:
n=8)
Healthy Japanese Subjective and objective 5.3.3.1.4
male (age, 20–
symptoms, ECG, vital
35 years)
signs, laboratory/
7 days
2.7.4.7 付録
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2 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of
Report No study
centers/
Location
Phase I
92001/
1 center
9746
Europe
91798
1 center
(308183)/ Europe
A40982
92010/
9748
1 center
Europe
96063/
B534
2 centers
Europe
Study
period
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
1992.3– Randomized, placebo- SH L 562 A (0.5 M): 0.04,
1992.6 controlled, double
0.1, 0.2, 0.3, and
blind, dose escalation 0.4 mmol/kg
Saline: same volume to
SH L 562 A
2008.8– Open-label, singleSH L 562 BB (1.0 M):
2009.1 dose, single-treatment, 0.1 mmol/kg
parallel-group,
nonrandomized
1992.6– Randomized, placebo- SH L 562 B (1.0 M): 0.3,
1992.8 controlled, double
0.4, and 0.5 mmol/kg
blind, dose escalation Saline: same volume to
SH L 562 B
1996.12– Open-label, intraSH L 562 AA (0.5 M)
1997.3 individual comparison and/or SH L 562 BB
(1.0 M): 0.05, 0.1 or
0.2 mmol/kg (4 injections)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Diagnosis and
Age:
main criteria for
Mean ± SD inclusion
(range)
PK and safety n=55
Males/
Healthy male (age,
(SH L 562 A: 21–39 years 20–40 years)
n=40, Saline:
n=15)
Safety variables/
Reference
Main observation
documenperiod for safety after tation
injection
Adverse events,
laboratory, vital signs,
ECG/
3 days
5.3.3.1.5
PK and safety n=31
Healthy volunteers Adverse events,
(age, either 18–45 laboratory, vital signs/
or ≥65 years)
6 days
5.3.3.3.2
Safety
Healthy young
male (age, 20–
40 years)
5.3.5.4.1
Safety and
efficacy
8 elderly
males:
67 ± 2 years
7 elderly
females:
69 ± 2 years
8 young
males:
34 ± 6 years
8 young
females:
38 ± 7 years
n=36
Males/
(SH L 562 B: 21–38 years
n=24, Saline:
n=12)
n=20
Females/
21–44 years
Adverse events,
laboratory, vital signs,
ECG /
3 days
Healthy male and Adverse events, vital
female (age, 18– signs, physical
50 years)
examination/
1 day
5.3.5.4.2
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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3 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of
Report No study
centers/
Location
Phase I
98098/
1 center
B291
Europe
Phase II
308200/
A40524
Study
period
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
1998.10– Intra-individually
SH L 562 AA (0.5 M) and
1998.11 controlled, randomized, SH L 562 BB (1.0 M):
crossover concentration 0.3 mmol/kg of each
comparison
concentration
Safety and
efficacy
n=45
27 males,
18 females/
Caucasian
(28 subjects):
33 ± 6 years
Japanese
(17 subjects):
32 ± 6 years
Healthy male and
female at least one
third were
Japanese (age, 18–
45 years)
20 centers 2005.8– Double-blind,
SH L 562 BB (1.0 M):
2007.3 randomized, controlled, 0.03, 0.1 or 0.3 mmol/kg
USA,
Columbia,
parallel group, dose- Gadoversetamide (0.5 M):
Argentina,
comparison
0.1 mmol/kg
and Brazil
Safety and
efficacy
n=229,
(69–90/dose
group)
Safety and
efficacy
n=164
100 males,
Patients with focal Adverse events, oxygen 5.3.5.1.3
129 females/ areas of disruption saturation, 12-lead
ECGs, cardiac rhythm,
46 ± 15 years in blood-brain
physical examinations,
barrier (BBB)
and/or abnormal laboratory/
vascularity in the 3 days for SH L 562 BB
CNS (age,
≥18 years)
90 males, 74 Patients with
Adverse events, vital
5.3.5.1.4
signs, physical
females/
known or
62 ± 12 years suspected brain
examinations,
laboratory/
metastasis (age,
≥20 years)
1 day
Safety and
efficacy
n=64
310864/ 20 centers 2007.8– Randomized, singleA41119 Japan
2008.8 blind, controlled,
(Phase 2/3)
crossover, intraindividual comparison
92095/
AC86
3 centers
Europe
1993.1– Open-label
1993.9
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1+0.1 mmol/kg (Total:
0.2 mmol/kg)
Gadoteridol (0.5 M):
0.1+0.1 mmol/kg (Total:
0.2 mmol/kg)
SH L 562 A (0.5 M):
0.1+0.2 mmol/kg (Total:
0.3 mmol/kg)
34 males,
30 females/
59 ± 12
(20–83) years
Adverse events, physical 5.3.5.4.3
examination, vital signs,
ECG, concomitant
medication, laboratory/
1 day
Patients with
Adverse events, vital
5.3.5.4.4
diagnosis of
signs, physical
enhancing brain
examination, laboratory/
metastases on CT 1 day
or MRI and known
primary cancer
outside the CNS
(age, ≥18 years)
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of
Report No study
centers/
Location
Phase II
92096/
3 centers
AC98
Europe
Study
period
1993.2– Open-label,
1993.10 randomized dosecomparison
92097/
AC42
4 centers
Europe
93017/
AS30
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
SH L 562 A (0.5 M):
0.1, 0.2, or 0.3 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=103
30 males,
73 females/
52 in median
(19–85) years
1993.1– Open-label
1993.10
SH L 562 A (0.5 M):
0.1+0.1+0.1 mmol/kg
(total 0.3 mmol/kg)
Safety and
efficacy
n=47
Patients with
recurrent herniated
disc lesion,
primary and
secondary bone
tumors, or breast
lesions (age,
≥18 years)
Patients with brain
tumor or glioma
(age, ≥18 years)
2 centers
Japan
1993.6– Open-label
1993.9
SH L 562 A (0.5 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=18
93018/
AS31
4 centers
Japan
1993.6– Open-label
1993.10
SH L 562 A (0.5 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=38
94061/
AI69
2 centers
Europe
1995.1– Randomized, double SH L 562 BB (1.0 M):
1995.11 blind, dose comparison 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, or
0.5 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=89
35 males,
Adverse events, vital
12 females/
signs, physical
52 (21–76)
examination, laboratory/
years
1 day
8 males,
Hospitalized
Adverse events, clinical
10 females/ patients with tumor symptoms, ECGs, vital
49 ± 11 years in the CNS (age, signs, laboratory/
20–65 years)
1 day
24 males,
Hospitalized
Adverse events, clinical
14 females/ patients with tumor symptoms, ECGs, vital
54 ± 12 years in the liver, pelvis, signs, laboratory/
or bone and soft 1 day
tissue (age, 20–
65 years)
65 males,
Patients with
Adverse events, vital
24 females/ unilateral carotid signs, physical
18–82 years artery stenosis or examination, laboratory/
unilateral cerebral 2 days
infarcts (age,
≥18 years)
Adverse events, vital
5.3.5.4.5
signs, physical
examination, laboratory/
2 days
5.3.5.4.6
5.3.5.4.7
5.3.5.4.8
5.3.5.4.9
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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5 of
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表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of
Report No study
centers/
Location
Phase II
94368/
14 centers
B315
Japan
Study
period
94369/
B314
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
1994.5– Randomized, double- SH L 562 A (0.5 M):
Safety and
1995.3 blind, inter-individual 0.1mmol/kg
efficacy
comparison
Gadopentetate dimeglumine
(0.5 M): 0.1 mmol/kg
n=114
9 centers
Japan
1994.6– Open-label, intraSH L 562 AA (0.5 M):
Safety and
1995.3 individual comparison 0.1+0.1+0.1 mmol/kg (total: efficacy
0.3 mmol/kg)
n=62
94383/
B313
1 center
Japan
1994.11– Randomized, crossover, SH L 562 AA (0.5 M) and
1995.6 concentration
SH L 562 BB (1.0 M):
comparison
0.15 mmol/kg
n=13
97035/
B204
12 centers 1998.2– Randomized, double SH L 562 BB (1.0 M):
Safety and
Europe
1999.1 blind, dose comparison 0.05, 0.15 or 0.25 mmol/kg efficacy
SH L 562 A: Patients with brain
29 males,
tumor (age, 20–
29 females/ 70 years)
56 ± 11 years
Gadopentetate
dimeglumine:
31males,
25 females/
55 ± 13 years
42 males,
Hospitalized
20 females/ patients with brain
58 ± 10 years metastases (age,
20–70 years)
9 males,
Patients who
4 females/
require MRI
59 ± 13 years examination (for
cerebral infarction
or post-operative
brain tumor, etc)
(age, 20–70 years)
184 males,
Patients with
57 females/ known or
Males:
suspected stenosis
62±10 years in the abdominal
Females:
aorta and its
64 ± 13 years branches (age,
≥18 years)
Safety and
efficacy
n=241
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Adverse events, vital
5.3.5.4.10
signs, clinical symptoms,
laboratory/
1–4 days
Adverse events, vital
5.3.5.4.11
signs, clinical symptoms,
ECG, laboratory/
1–4 days
Adverse events, vital
5.3.5.4.12
signs, clinical symptoms,
laboratory/
1–4 days
Adverse events, vital
signs, physical
examination/
1 day
5.3.5.4.13
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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6 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of
Report No study
centers/
Location
Phase II
305501/ 14 centers
A22498
Europe
Phase III
95062/
1 center
B245
Europe
310788/
A40794
(Ph I/III)
Study
period
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
2004.3– Randomized, double2006.5 blind, inter-individual
parallel group
comparison
SH L 562 BB (1.0 M):
Safety and
0.01, 0.025 or 0.05, or
efficacy
0.1 mmol/kg; two injections
(Total: 0.02, 0.05 or 0.1, or
0.2 mmol/kg)
1996.10– Open label, randomized SH L 562 BB (1.0 M):
1998.2
0.1 or 0.3 mmol/kg
14 centers 2007.5– Open-label
Europe and 2008.4
Canada
Evaluation
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
n=226
156 males,
70 females/
29–83 years
Adverse events, vital
Patients with
signs, physical
reversible focal
hypoperfusion in at examination, ECG/
least 2 adjoining 1 day
segments in
SPECT (age,
≥18 years)
PK and safety n=32
PK, Safety and n=138
efficacy
5.3.5.4.14
23 males,
Patients with
Adverse events, physical 5.3.3.3.1
9 females/
creatinine
examination, vital signs,
55 ± 15 years clearance of
laboratory/
<80 mL/min or on 3–5 days
dialysis (age,
≥18 years)
5.3.3.3.3
85 males,
Patients who were Adverse events,
53 females/ scheduled to
laboratory, vital signs,
9 ± 5 (2–17) undergo Gdphysical examination,
years
enhanced MRI of physical check-up,
brain, spine, liver cardiac rhythm
and/or kidneys or monitoring, pulse
Gd-enhanced MRA oxymetry/
(3 age groups of 1 day
2–6, 7–11, 12–
17 years)
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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7 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Phase III
16260/
15 centers 2012.9– Open-label
PH-37299 Japan
2013.6
310124/
A47570
22 centers 2007.12– Open-label
2008.12
USA,
Argentina,
Colombia,
China,
South
Korea
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=223
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=343
111 males,
Patients referred
112 females/ for contrast63 ± 14 years enhanced MRI of
the CNS based on
current
clinical symptoms
or on a previous
imaging procedure
(age, ≥18 years)
146 males,
Patients referred to
197 females/ contrast-enhanced
48 ± 15 years MRI of the CNS
based on current
clinical symptoms
or on a previous
imaging procedure
(age, ≥18 years)
Adverse events, vital
signs, physical
examinations,
laboratory/
3 days
5.3.5.1.1
Adverse events, vital
signs, physical
examinations,
laboratory/
3 days
5.3.5.1.2
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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8 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Safety and
efficacy
n=402
13297/
A51205
17 centers 2010.1– Single-blind,
SH L 562 BB (1.0 M):
Safety and
China,
2011.4 randomized, controlled, 0.1 mmol/kg
efficacy
Japan,
parallel group
Gadopentetate dimeglumine
South
comparison
(0.5M): 0.1 mmol/kg
Korea
n=363
304561/
A18088
25 centers 2002.5– Single-blind,
SH L 562 BB (1.0 M):
Safety and
Europe
2003.5 randomized, inter0.1 mmol/kg
efficacy
individually controlled Gadopentetate dimeglumine
(0.5M): 0.1 mmol/kg
n=466
(233/each
treatment)
97099/
A04519
10 centers 2000.1– Open-label,
Europe
2001.1 comparative
n=179
175 males,
Patients referred to
227 females/ contrast-enhanced
51 ± 16 years MRI of the CNS
based on current
clinical symptoms
or on a previous
imaging procedure
(age, ≥18 years)
173 males,
Patients referred
190 females/ for contrast56 ± 15 years enhanced MRI of
the body or
extremities based
on current clinical
symptoms or on a
previous imaging
procedure (age,
≥20 years)
311 males,
Patients with
155 females/ known or
62 ± 12 (18– suspected renal
90) years
lesions (age,
≥18 years)
133 males,
Patients with
46 females/ suspected or
63 ± 11 years known disease of
body arteries (age,
≥18 years)
Phase III
310123/ 51 centers 2008.6– Double-blind,
2009.4 randomized,
A47567 USA,
comparative (2 period
Europe,
crossover)
Japan,
Australia,
Colombia
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Gadoteridol (0.5 M):
0.1 mmol/kg
SH L 562 BB (1.0 M):
Safety and
7.5 mL for patients <75 kg; efficacy
10 mL for patients ≥75 kg
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Adverse events, vital
5.3.5.1.5
signs, physical
examinations,
laboratory/ up to 3 days
after injection in period
2
Adverse events, vital
5.3.5.1.6
signs, physical
examination, laboratory/
3 days
Adverse events, physical 5.3.5.1.7
examination, vital signs/
1 day
Adverse events, physical 5.3.5.1.8
examination, vital signs,
ECG, laboratory/
3 days
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
9 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Phase III
91759/
55 centers
PH-37227 Europe,
USA,
South
America,
South
Korea,
Taiwan
91743/
28 centers
A58872 Europe,
USA,
South
Korea,
Colombia
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
2011.5– Open-label
2012.7
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=315
170 males,
Patients with
145 females/ known or
55 ± 17 years suspected renal
artery disease
(age, ≥18 years)
Adverse events, vital
signs, physical checks,
laboratory/
3 days
5.3.5.1.9
2010.2– Open-label, non2011.7 randomized
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=426
91782/
39 centers 2010.5– Open-label, non2011.9 randomized
PH-37278 Europe,
USA,
Canada,
Argentina,
India,
Taiwan
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=439
Adverse events, vital
0 male,
Patients with
5.3.5.1.10
signs, physical
426 females/ histologically
56 ± 10 years confirmed breast examination, laboratory/
cancer referred to 1 day
contrast-enhanced
MR mammography
prior to surgery
after X-ray
mammography
(age, ≥18 years)
Adverse events, vital
5.3.5.1.11
1 male,
Patients with
438 females/ histologically
signs, physical
57 ± 11 years confirmed breast examination, laboratory/
cancer referred to 1 day
contrast-enhanced
MR mammography
prior to surgery
after X-ray
mammography
(age, ≥18 years)
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
10 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Phase III
94055/
7 centers
A02140 Europe
94054/
AI68
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
1995.11– Open-label
1998.12
94052/
AI79
13 centers 1994.9– Open-label, nonEurope
1995.8 randomized, dosecomparative, intraindividually controlled
11 centers 1994.10– Randomized, double
Europe
1995.10 blind, comparative
95064/
AK76
1 center
Europe
1996.1– Open-label, non1996.6 randomized
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=182
SH L 562 BB (1.0 M):
0.1 and 0.2 mmol/kg (total
0.3 mmol/kg)
Safety and
efficacy
n=296
SH L 562 AA (0.5 M):
Safety and
0.1 mmol/kg
efficacy
Gadodiamide: 0.1 mmol/kg
n=305
SH L 562 BB (1.0 M):
0.3 mmol/kg
n=44
111 males,
Patients with
71 females/ evidence or
51 ± 16 years suspected focal
liver lesion; tumor
(-like) lesion of
breast, pelvic
organs, bone/soft
tissue; known
obstructive
pulmonary artery
disease or disease
of the thoracic
aorta
(age,≥18 years)
161 males,
Patients with
135 females/ evidence of brain
49 ± 16 years or spine lesions
(age, ≥18 years)
173 males,
Patients with
132 females/ evidence of brain
53 ± 15 years lesions (age,
≥18 years)
31 males,
Patients with a
13 females/ unilateral carotid
64 ± 10 years artery stenosis of
more than 70%
(age, ≥18 years)
Safety and
efficacy
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Adverse events, physical 5.3.5.1.12
examination, vital signs,
laboratory/
1 day
Adverse events, physical 5.3.5.2.1
examination, vital signs,
laboratory/
1 day
Adverse events, physical 5.3.5.4.15
examination, vital signs,
laboratory/
1 day
Adverse events, physical 5.3.5.4.16
examination, vital signs/
1 day
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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11 of
17
表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Phase III
95359/
16 centers 1995.10– Double blind, parallel SH L 562 AA (0.5 M):
B311
Japan
1996.9 comparison
0.1 mmol/kg
Gadopentetate dimeglumine
(0.5 M): 0.1 mmol/kg
95361/
20 centers 1995.10– Double blind, parallel SH L 562 AA (0.5 M):
B312
Japan
1996.9 comparison
0.1 mmol/kg
Gadopentetate dimeglumine
(0.5 M): 0.1 mmol/kg
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Safety and
efficacy
n=175
n=174 (for
efficacy)
n=196
Patients with
disorder in liver or
pelvis (age,
≥20 years)
Patients with CNS
disease (age,
≥20 years)
Adverse events, clinical 5.3.5.4.17
symptoms, laboratory/
1–4 days
Safety and
efficacy
85 males,
89 females /
25–80 years
(for efficacy)
107 males,
88 females/
SH L 562
AA:
54 ± 16 years
Magnevist:
52 ± 16 years
93 males,
40 females/
57 ± 14 years
Patients with
disorder in the
head and neck,
heart, chest, bone/
soft tissue or spine
(age, ≥20 years)
67 males,
Patients with
33 females/ known or
59 ± 11 years suspected brain
metastasis (age,
≥20 years)
30 males,
Patients with
9 females/
known or
61 ± 12 years suspected renal
disorder (age,
≥20 years)
Adverse events, clinical 5.3.5.4.19
symptoms, laboratory/
1–4 days
95362/
B309
16 centers 1996.1– Open-label
Japan
1997.3
SH L 562 AA (0.5 M):
0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=134
95363/
B308
13 centers 1996.1– Open-label
Japan
1997.3
SH L 562 AA (0.5 M):
0.1+0.2 mmol/kg (total:
0.3 mmol/kg)
Safety and
efficacy
n=100
95364/
B310
5 centers
Japan
SH L 562 AA (0.5 M):
0.05 or 0.1 mmol/kg
Safety and
efficacy
n=39
1996.3– Open-label
1997.3
Adverse events, clinical 5.3.5.4.18
symptoms, laboratory/
1–4 days
Averse events, clinical
symptoms, vital sign,
laboratory/
1–4 days
5.3.5.4.20
Adverse events, clinical 5.3.5.4.21
symptoms, laboratory/
1–4 days
2.7.4.7 付録
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表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
Phase III
302722, 10 centers 2000.2– Open-label,
99011/
Europe
2000.10 comparative
A02885
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
SH L 562 BB (1.0 M):
15 mL for patients
<75 kg bw; 20 mL for
patients ≥75 kg
Safety and
efficacy
n=203
SH L 562 BB (1.0 M):
7.5 or 15 mL for patients
<75 kg; 10 or 20 mL for
patients ≥75 kg
Safety and
efficacy
n=53
Safety and
efficacy
n=572
Safety and
efficacy
n=83
139 males,
Patients with
Adverse events, physical 5.3.5.4.22
64 females/ suspected or
examination, vital signs,
64 ± 11 years known disease of ECG, laboratory/
pelvic and
3 days
peripheral arteries
(age, ≥18 years)
40 males,
Patients with
Adverse events, physical 5.3.5.4.23
13 females/ suspected or
examination, vital signs,
55 ± 15 years known diseases of ECG, laboratory/
arterial vessels
3 days
(age, ≥18 years)
326 males,
Patients with
Adverse events, physical 5.3.5.4.24
246 females/ highly suspected or examination, vital signs/
59 ± 13 (21– known liver lesions 1 day
93) years
(aged ≥18 years)
Adverse events,
5.3.5.4.25
54 males,
Patients with
29 females/ known or
laboratory, physical
53 ± 13 years suspected vascular examination, vital signs/
lesions (age,
1 day
≥18 years)
Safety and
efficacy
n=146
304300/
A04542
4 centers
Europe
304562/
A13389
25 centers 2001.7– Double-blind,
SH L 562 BB (1.0 M):
Europe
2002.8 randomized, inter0.1 mmol/kg
individually controlled Gadopentetate dimeglumine
(0.5 M): 0.1 mmol/kg
3 centers 2006.10– Single-blind (keep
SH L 562 BB (1.0 M):
China
2007.10 patients blind), intra- 0.2 mmol/kg (up to
individual, crossover, 0.3 mmol/kg)
Gadopentetate dimeglumine
comparative
(0.5 M): 0.2 mmol/kg (up to
0.3 mmol/kg)
4 centers 2006.9– Single-blind,
SH L 562 BB (1.0M):
China
2007.4 randomized, parallel 0.1 mmol/kg
group comparison
Gadopentetate dimeglumine
(0.5 M):
0.1 mmol/kg
309762/
A40727
309761/
A40215
2000.9– Open-label
2001.2
Evaluation
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Patients with
71 males,
75 females/ known or
43 ± 11 years suspected CNS
lesions indicated
for contrast
enhanced MRI for
diagnosis and
further treatment
(age, 18–65 years)
Adverse events,
5.3.5.4.31
laboratory, physical
examination, vital signs/
1 day
2.7.4.7 付録
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表 2.7.4.7- 1 臨床安全性試験の一覧表(続き)
Study No/ Number of Study
Report No study
period
centers/
Location
Phase IV
302600/ 5 centers
A12063
Europe
312021/
A51520
Study design and type Study and control drugs:
of control
Dosage and regimen
(route: intravenous)
2000.8– Open-label,
2002.9 uncontrolled,
intraindividual followup
12 centers 2008.3– Single-blind,
Italy
2009.5 randomized, intraindividually controlled
comparison
Evaluation
Number of
subjects
treated
Sex/
Age:
Mean ± SD
(range)
Safety and
SH L 562 BB (1.0 M):
2 injections (≥3 hours apart) efficacy
of 12 or 15 mL depending
on body weight (approx.
0.2 mmol/kg)
n=49
34 males,
15 females/
62 ± 12 (39–
85) years
SH L 562 BB (1.0M):
0.1 mmol/kg
Gd-DOTA (0.5M):
0.1 mmol/kg
n=160
Safety and
efficacy
Diagnosis and
Safety variables/
Reference
main criteria for Main observation
documeninclusion
period for safety after tation
injection
Patients suffering Adverse events, physical 5.3.5.4.26
an ischemic event examination, vital signs/
of the middle
1 day
cerebral artery,
anterior and/or
posterior cerebral
artery within 12
hours after onset
(age, ≥18 years)
81 males,
Patients with
Adverse events, physical 5.3.5.4.30
79 females/ known cerebral
examination, vital signs/
60 ± 12 years intra and extra
1 day
axial neoplastic
lesions who were
scheduled for
contrast-enhanced
MRI for diagnostic
work-up (age,
>18 years)
2.7.4.7 付録
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表 2.7.4.7- 2 死亡例一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study No/
Subject No
Treatment
Country
Race
Sex
Age
95363/
1211
Gadobutrol
(0.5M)
>0.21-0.31
mmol/kg
Japan
Asian
male
72
310864/
1506
Gadoteridol
0.2mmol/kg
Japan
Asian
female
31
Adverse
Events
Preferred term
(MedDRA
version 16.0)
Dyspnoea
Intensity
SAE
Relative
Day of AE
Duration
of AE
Related to
study drug
Action
Taken
with Study
Treatment
Outcome
of AE
呼吸困難
Moderate
Yes
5 day
7 days
Not related
-
fatal
Pleural effusion
胸水
Moderate
Yes
5 day
7 days
Not related
-
fatal
General
physical health
deterioration
全身健康
状態低下
Severe
Yes
1 day
3 days
Not related
Dose not
changed
fatal
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/13、5.3.5.4.20 B308 Table 14.3.2
表 2.7.4.7- 3 重篤な有害事象の一覧:第Ⅰ相試験併合解析
Study
No/
Subject
No
310865/
209
Treatment
Country
Race
Sex
Age
Gadobutrol
>0.11-0.21
mmol/kg
(0.2mmol/kg)
Japan
Asian
Male
27
*:Sponsor’s assessment (Investigator’s assessment: No)
Source: 5.3.5.3.1 A50821 Listing/23
Adverse Events
Preferred term
(MedDRA
version 12.1)
Anaphylactoid
reaction
アナフィラキ
シー様反応
Intensity
SAE
Relative
Day of
AE
Duration
of AE
Related to
study
drug
Moderate
Yes*
0:00
120 min
related
(definite)
Action
Taken
with Study
Treatment
not
applicable
Outcome
of AE
recovered
/ resolved
2.7.4.7 付録
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表 2.7.4.7- 4 治験薬投与下で発現した重篤な有害事象の一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析
Study
No/
Subject
No
Treatment
Country
Race
Sex
Age
97099/
50012
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Germany
Caucasian
Female
34
Gadobutrol
(1.0M)
>0.11-0.21
mmol/kg
Switzerla
nd
302600/
20002
302600/
20005
302600/
20008
302600/
20009
302600/
30001
Gadobutrol
(1.0M)
>0.11-0.21
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>0.11-0.21
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
<0.09mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>0.21-0.31
mmol/kg
Caucasian
Male
75
Adverse
Events
Preferred term
(MedDRA
version 16.0)
Transient
ischaemic
attack
Transient
ischaemic
attack
Haemorrhagic
transformation
stroke
Cerebral
infarction
Brain oedema
Intensity
SAE
Relative
Time of
AE
[hh:mm]
Duration
of AE
Related to
study drug
Action
Taken
with Study
Treatment
Outcome
of AE
一過性脳虚
血発作
Severe
Yes
29:14
13 hrs
Not related
Dose not
changed
Recovered/
resolved
一過性脳虚
血発作
Severe
Yes
64:44
5 hrs
Not related
Dose not
changed
Recovered/
resolved
卒中の出血
性変化
Mild
Yes
23:25
-
Not related
Dose not
changed
Recovering
/resolving
脳梗塞
Severe
Yes
23:25
-
Not related
脳浮腫
Moderate
Yes
48:25
-
Not related
Dose not
changed
Dose not
changed
Dose not
changed
Recovering
/resolving
Recovering
/resolving
Unknown
Switzerla
nd
Caucasian
Male
67
Haemorrhage
intracranial
頭蓋内出血
Severe
Yes
1:02
-
Not related
Switzerla
nd
Caucasian
Male
58
Cerebrovascula
r accident
脳血管発作
Moderate
Yes
0:38
-
Not related
Dose not
changed
Unknown
Switzerla
nd
Caucasian
Male
77
Haemorrhage
intracranial
頭蓋内出血
Moderate
Yes
16:24
-
Not related
Dose not
changed
Unknown
Germany
Caucasian
Female
77
Respiratory
arrest
Hypotension
呼吸停止
Severe
Yes
1:21
2 sec
Not related
低血圧
Severe
Yes
1:21
5 hrs
Not related
Drug
withdrawn
Drug
withdrawn
Recovered/
resolved
Recovered/
resolved
17
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
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16 of
17
表 2.7.4.7-4 治験薬投与下で発現した重篤な有害事象の一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
Study
No/
Subject
No
Treatment,
actual dose
Country
Race
Sex
Age
302600/
50005
Gadobutrol
(1.0M)
>0.11-0.21
mmol/kg
Germany
Caucasian
Male
65
302722/
30024
304561/
314016
304561/
316001
308200/
19010
308200/
27006
Adverse
Events
Preferred term
(MedDRA
version 16.0)
Aphasia
Intensity
SAE
Relative
Time of
AE
[hh:mm]
Duration
of AE
Related to
study drug
Action
Taken
with Study
Treatment
Outcome of
AE
失語症
Severe
Yes
1:15
-
Not related
Hemiplegia
片麻痺
Severe
Yes
1:15
-
Not related
Somnolence
傾眠
Severe
Yes
1:15
-
Not related
Pyrexia
発熱
Moderate
Yes
4:15
-
Not related
Traumatic
intracranial
haemorrhage
Injury
外傷性頭蓋
内出血
Severe
Yes
2:18
-
Not related
Dose not
changed
Dose not
changed
Dose not
changed
Dose not
changed
Dose not
changed
損傷
Severe
Yes
58:33
-
Not related
Dose not
changed
Gadobutrol
(1.0M)
>0.21-0.31
mmol/kg
Germany
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Germany
Caucasian
Male
66
Transient
global amnesia
一過性全健
忘
Mild
Yes
0:50
40 min
Not related
Dose not
changed
Recovering/
resolving
Recovering/
resolving
Recovering/
resolving
Recovering/
resolving
Not
recovered/
not resolved
Not
recovered/
not resolved
Recovered/
resolved
Germany
Caucasian
Male
52
Pyrexia
発熱
Moderate
Yes
23:51
3 days
Not related
Not
applicable
Recovered/
resolved
Argentina
Hispanic
Female
42
Intracranial
pressure
increased
Brain oedema
頭蓋内圧上
昇
Moderate
Yes
-
-
Not related
Dose not
changed
脳浮腫
Moderate
Yes
-
-
Not related
Dose not
changed
Neurological
symptom
神経学的症
状
Moderate
Yes
-
-
Not related
Dose not
changed
Hospitalisation
入院
Severe
Yes
3:30
-
Not related
Dose not
changed
Not
recovered/
not resolved
Not
recovered/
not resolved
Not
recovered/
not resolved
Not
recovered/
not resolved
Gadoversetamide
0.1 mmol/kg
Colombia
Caucasian
Other
Male
Male
85
34
2.7.4.7 付録
Bayer Yakuhin, Ltd.
Page
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表 2.7.4.7-4 治験薬投与下で発現した重篤な有害事象の一覧:第Ⅱ相~第Ⅳ相試験併合解析(続き)
Study No/
Subject No
Treatment,
actual dose
Country
Race
Sex
Age
310123/
100080002
Gadoteridol
0.1 mmol/kg
Germany
Caucasian
Male
70
310123/
100180001
310123/
200030019
310124/
140200101
310788/
2017
310788/
8002
310864/
1305
310864/
1506
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>0.11-0.21
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Gadobutrol
(1.0M)
>=0.09-0.11
mmol/kg
Gadoteridol
0.2 mmol/kg
Gadoteridol
0.2 mmol/kg
Adverse
Events
Preferred term
(MedDRA
version 16.0)
General
physical health
deterioration
Intensity
SAE
Relative
Time of
AE
[hh:mm]
Duration
of AE
Related to
study drug
Action
Taken
with Study
Treatment
Outcome
of AE
全身健康状
態低下
Severe
Yes
26:13
-
Not related
Dose not
changed
Somnolence
傾眠
Severe
Yes
26:13
-
Not related
Dose not
changed
Germany
Caucasian
Female
62
Metastases to
central nervous
system
中枢神経系
転移
Severe
Yes
1:48
-
Not related
Dose not
changed
Not
recovered/
not
resolved
Not
recovered/
not
resolved
Recovering
/resolving
Japan
Asian
Male
52
Hydrocephalus
水頭症
Moderate
Yes
22:52
8 days
Not related
Dose not
changed
Recovered/
resolved
USA
Caucasian
Male
59
Transient
ischaemic
attack
一過性脳虚
血発作
Moderate
Yes
17:01
2 hrs
Not related
Dose not
changed
Recovered/
resolved
Germany
Caucasian
Male
3
Meningitis
髄膜炎
Moderate
Yes
8:16
11 days
Not related
Not
applicable
Recovered/
resolved
Austria
Caucasian
Female
9
Crystal urine
尿中結晶
Severe
Yes
21:34
3 hrs
Related
Pneumonia
肺炎
Mild
Yes
1:34
6 days
Not related
Not
applicable
Not
applicable
Dose not
changed
Dose not
changed
Recovered/
resolved
Recovered/
resolved
Recovered/
resolved
Fatal
Japan
Asian
Male
80
Bile duct stone
胆管結石
Moderate
Yes
46:39
-
Not related
Japan
Asian
Female
31
General
physical health
deterioration
全身健康状
態低下
Severe
Yes
-
-
Not related
Source: 5.3.5.3.2 PH-37818 Listing 2.1.8/11
17
2.7.5 参考文献
Bayer Yakuhin, Ltd.
2.7.5
Page
参考文献
2.7 臨床概要における参考文献の掲載先以下に示す。
2.7.2 臨床薬理試験;「参考文献」の項
2.7.3 臨床的有効性;「参考文献」の項
2.7.4 臨床的安全性;「参考文献」の項
2.7.6.6;
「参考文献」の項
2.7.6.14;
「参考文献」の項
1 of
1
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