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JICAボランティア事業(PDF/968KB)

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JICAボランティア事業(PDF/968KB)
日本が世界にできること。
あなたが世界にできること。
JICAボランティア事業
ODAとJICAボランティア
「国際協力を日本の文化に」
貧困、紛争、環境破壊、エイズなどの感染症の蔓延、
食糧問題など、地球規模の問題は今世紀に入り、ますま
す深刻化しています。また、貧富の差はさらに拡大して
います。グローバル化が進む現在、これらはいずれも私
たち日本人にとっても遠い世界の問題ではありません。
日本も国際社会の一員として、世界の国々と協調しな
がら解決の道を模索していかねばならないのです。
日本にとって、ODA(政府開発援助)は、国際貢献の
主要な手段です。ODAの一端を担うJICA
(国際協力機構)
は、
「日本の平和と繁栄は、世界の平和と安定なくして
はありえない」という考えのもと、平和で豊かな世界の
実現をめざして日々努力しています。
国際協力を行うにあたって、JICAが心がけていること
世界には貧困と飢えに苦しみ、満足な教育
や医療が受けられない人々が大勢います。そう
いった開発途上国に住む人々は世界人口の 8 割
以上を占めています。日本も明治維新の発展が
戦争による破壊で後退しましたが、世界銀行や
他国の支援により復興し、現在の繁栄につなが
りました。日本はこの経験を生かし、1954年か
ら 政 府 開 発 援 助(ODA:Official Development
Assistance)を行っています。これは経済・社
会インフラや貧困や病気、災害などの問題を
抱える開発途上国にさまざまな援助を行う事
業で、相手国からの要請に基づき、日本が国
として支援をするものです。
環境破壊や紛争、災害、伝染病なども国際
的な協力がなければ防げません。経済・貿易を
例にとっても、他国の発展は日本の発展につな
がります。その点でも、
日本にとって国際協力、
ODA による開発途上国支援は重要な国際活動
です。
が三点あります。第一に、開発途上国のニーズに的確に
日本政府
**
中南米地域の
日系団体
JICA
派遣決定
青年海外協力隊事務局
選考
派遣前訓練
出発
相手国政府
日系団体
現地訓練
配属・活動開始
JICA
事務所
帰国
報告会・研修など
*青年海外協力隊、シニア海外ボランティアは相手国政府から日
本政府への要請で派遣されます
**日系社会青年ボランティア、日系社会シニア・ボランティアは
中南米の日系団体から JICA への要請で派遣されます
日系社会
青年ボランティア
日系社会
シニア・ボランティア
1965
(昭和 40)
年度
開発途上国の住民を対象としてその地域の経
済と社会の発展、または復興に協力すること
を目的とする国民などの協力活動を推進し、
助長するための業務
開発途上国の住民を対象としてその地域の
経済と社会の発展、または復興に協力する
ことを目的とする国民などの協力活動を推
進し、助長するための業務
1. 募集、選考および訓練
2. 選考と訓練を受けた人の開発途上地域への
派遣
3. 国民などの協力活動に関する知識の普及と
国民理解の増進
中南米の日系社会への支援活動
の一つとして、日系社会の要請に
応じて、ボランティア精神に富
み、かつ実務経験の豊富な人材
を派遣する。現地日系社会への
貢献を通じて国際協力に資する
派遣実績国:82 カ国
派遣中:77 カ国
1. 募集、選考および訓練
2. 選考と訓練を受けた人の開発途上地域へ
の派遣
3. 国民などの協力活動に関する知識の普
及と国民理解の増進
派遣実績国:56 カ国
派遣中:53 カ国
中南米の日系社会に対して、そ
のいっそうの発展をはかるため
に、優秀な技術とボランティア
精神に富んだ日本の青年を派遣
する制度(1985 年、海外開発青
年事業創設当初は、ボランティ
ア派遣事業ではなく、後続移住
の促進を目的としていた)
派遣実績国:9 カ国
派遣中:6 カ国
派遣実績国:10 カ国
派遣中:6 カ国
派遣実績
現在:2,420 名
累計:29,466 名
現在:653 名
累計:2,871 名
現在:50 名
累計:909 名
現在:36 名
累計:319 名
部門・分野
農林水産、加工、保守操作、土木建築、
保健衛生、教育文化、スポーツ、計画・行政の
8 分野
発 足 年
国際協力を日本の文化にしていきましょう。1954 年に
スタートした日本のODAは、2004年には50周年を迎え、
事業概要
原動力としています。JICA はこれからも、平和で豊かな
世界の実現に向けて活動を進めてまいります。
理事長 緒方貞子
相手国政府
1985
(昭和 60)
年度
1990
(平成 2)
年度
1985年度から1995年度の間は「海 1990年度から1995 年度の間は
「移
外 開 発 青 年」事 業 と し て 実 施。 住シニア専門家」
事業として実施。
1996年度から標記事業
1996年度から標記事業
世界の人々から信頼され、期待される国になるために、
独立行政法人国際協力機構
要請
*
1990
(平成 2)
年度
1990 年度から1995 年度の間は「シニアー
協力専門家」事業として実施。1996 年度
から標記事業
て、事業の効果・効率性をいっそう高めていくことです。
JICA の国際協力は、日本のみなさんの理解と支持を
JICAボランティア派遣の流れ
シニア海外ボランティア
切にすること。第二に「人間の安全保障」の視点を取り
そのための土壌は十分育っていると考えます。
JICA ボランティア事業の基本姿勢は「現
地の人々と共に」という言葉に集約されてい
ます。つまり、派遣された国の人々と共に生
活し、彼らの言葉で話し、相互理解をはか
りながら、彼らの自助努力を促進させる形
で、協力活動を展開していくということです。
青年海外協力隊
かつ迅速に応えられるよう、現場の声、現場の目を大
入れて活動すること。そして第三に、独立行政法人とし
JICA(Japan International Cooperation
Agency:独立行政法人国際協力機構)は、
ODAの主に技術協力、つまりその国の人々に
技術を伝え、人々が自立していく自助努力の
ための支援を行っています。その協力はアジ
アを中心にアフリカ、中南米、中東、大洋州、
欧州など 160 以上の国や地域に、農業からコ
ンピュータ、教育、医療、災害、紛争復興な
どあらゆる分野で行われています。そして
JICA は 2003 年の独立行政法人化によって、
より自立した幅広い活動を展開しています。
JICA の 行 っ て い る 青 年 海 外 協 力 隊
(JOCV:Japan Overseas Cooperation
Volunteers)をはじめとする JICA ボランティ
ア事業は、技術協力の一つで、地域住民に
直接協力が行き渡る事業として、相手国から
高い評価を得ています。同時に、国内でも
ODA 予算に対する厳しい状況が続くなか、
「国民参加型国際協力」の中核を担う事業と
して、期待と評価が高まっています。
JICAは、開発途上地域の住民と一体になっ
て行う協力活動を志す人を募集し、選考と
訓練のうえでその地域に派遣して、経済と社
会の発展や復興に協力するために、次のボラ
ンティアを海外に派遣しています。① 青年
海外協力隊、② シニア海外ボランティア、
③ 日系社会青年ボランティア、④ 日系社会
シニア・ボランティア。
対 象 国
対象年齢
募
集
待
遇
男 942 名
女 1,478 名
男 17,321 名 女 12,145 名
20∼39 歳
年 2 回(春と秋)
※青年海外協力隊派遣取極締結国は 84 カ国
男 554 名 女 99 名
男 2,439 名 女 432 名
計画・行政、公共・公益事業、農林水産、
鉱工業、エネルギー、商業・観光、人的資源、
保健・医療、社会福祉の9分野
40∼69 歳
年 2 回(春と秋)
男 7 名 女 43 名
男 331 名 女 578 名
教育文化、日本語教育、
保健衛生、医療福祉、ほか
男 12 名 女 24 名
男 184 名 女 135 名
教育文化、日本語教育、
保健衛生、医療福祉、ほか
20∼39 歳
40∼69 歳
年1回
(秋)
年1回
(秋)
JICA の規定により往復渡航費、現地活動費などの経費を支給します。
2007年2月28日実績
Activity
「やれば、できる。」
窪田 保
モザンビーク・理数科教師
モザンビークの公立中学校に青年海外協
力隊の理数科教師として派遣された窪田さ
んは、理科実験室の整備・管理を行い、主
に生物と化学の実験授業を受け持ちまし
た。また短期派遣隊員とともに近隣の中学
校を訪問し、現地教員に理科実験の指導も
行いました。活動全般を通して必要だった
のは、
「健康」
「忍耐」
「継続」
。特に当初、
同僚たちが自分の思うようには動いてくれな
いなかで、一定の目標をクリアするには、相
手のことを認めながらも、あきらめずに活動
を続けることが大切だと感じたといいます。
授業内容は日本よりも高度だったので、
「多くを学ぶチャンス」
青年海外協力隊(JOCV)
正確な知識と、現地にあるものだけで実験
を行う柔軟な対応も求められました。
遠く離れた国で 2 年間生活することで、
いろいろな文化があり、考えをもつ人がい
るのだということを、身をもって理解しまし
た。隊員生活は、予測とはまったく違った
青 年 海 外 協 力 隊(JOCV:Japan Overseas
Cooperation Volunteers)は「自分の知識や技術
を活かし、開発途上国とその人々のために貢献し
たい」という意欲と情熱をもった日本人の若者
たちを公募し、開発途上国へ派遣する制度です。
急速なグローバリゼーションが進むなか、
貧困、紛争、環境破壊、エイズなどの感染症
の蔓延、食糧不足など地球規模の課題が、よ
り顕在化してきています。これらは日常では
なかなか自分たちの問題としてとらえること
はできませんが、地球上の 5 人に 1 人が 1 日 1
ドル未満で生活しているといわれています。
協力隊員の活動はこれら草の根の人々の
ニーズにこたえるために、「現地の人々ととも
に」をモットーに、派遣された地域の人々と同
じ言葉を話し、同じものを食べ、働き、生活を
ともにして、相互理解をはかりながら、彼らの
自助努力を促進させる形で開発途上国の人づ
くり、国づくりに身をもって協力するものです。
帰国後は途上国で受けた感動や経験、知識を
日本に伝え、広めるという点でも、国内の国際
化に大きな役割を果たしています。
青年海外協力隊事務局では、そうした協力
隊員の活動を支援するため、研修・派遣前訓
練の実施、必要経費の支給、各種情報提供、
進路相談などを行うとともに、さまざまな団体
からの支援の輪を拡げていく努力をしています。
結果が出てくることばかり。
「失敗やうま
くいかないことを受け入れる心のキャパシ
ティが大きくなり、どんなことも思い切って
チャレンジできるようになった気がします」
また休日には、けん玉を教えて住民たち
とコミュニケーションをはかったことが、
地域内の信頼関係を築くのに役立ちまし
た。そして教え子の一人は世界チャンピオ
ンになりました。
募集から帰国まで
応募期間
春 4∼5月 秋 10∼11月 日系社会ボランティアは秋のみ
1次選考
書類審査(技術・健康)
内山 麻希
2 次選考
春 7月 秋 12月 面接・語学試験・健康診断
マラウイ・エイズ対策
合格発表
春 8月 秋 2月
派遣前訓練
❶ 4∼6月 ❷ 7∼9月 ❸ 10∼12月 ❹ 1∼3月
「現金を得て仲間を助ける」
内山さんがマラウイで配属された「ティ
コレラネコ・エイズ対策事務所」は、2001
年に米国のボランティア医師の個人的な資
金援助で、地元住民が設立した NGO です。
合格時期によりいずれかに参加
派遣国によりJICA 二本松(福島県二本松市)、JICA 駒ヶ根(長野県駒ヶ根市)のいずれかで実施されます。
(原則 65 日間)
派遣
❶ 6月 ❷ 9月 ❸ 12∼1月 ❹ 3月
3 名のスタッフを中心に HIV 陽性者と孤児
派遣期間は 1 年または2 年、日系社会ボランティアは原則2年
の支援、エイズ予防啓発活動などを実施し
* 派遣期間が 1 年未満の短期派遣制度もあります。
ています。資金難のため一昨年からスタッ
帰国
フは無給ですが、みんな積極的に活動して
帰国時プログラム ❶ 進路支援など ❷ 進路(就職、進学など)❸ 社会還元
いるといいます。内山さんは主に、HIV 陽
性者グループなどの現金収入プログラムと
孤児支援を行っています。
現金収入プログラムでは、地元の青年た
ちを組織し、身近にあるものを利用したポ
ストカードやかばんを作り、その売上げの
一部を孤児支援資金に活用しています。
「こ
の活動で無職の青年が現金を得られるよう
になり、孤児に対する栄養改善も実現しま
した」と話します。
マラウイの HIV 感染率は約 14%と高く、
エイズ問題が地域全体に負の影響を及ぼし
ています。このような背景があるため、エ
イズ対策隊員として派遣されましたが、エ
イズ問題にとどまらない地域全体を見据え
た活動が求められています。
「小学校の工作の時間に習ったことや、
大学院で学んだ行政学・文化人類学など、
すべての知識が現場で役立っています。自
分たちの力でお金を稼ぎ、その一部で地域
の仲間を助けていくという、いまの状況が
続けばいいな、とスタッフとともに願って
います」
待遇・制度
ボランティアには生活費や各種手当てが支給されます。
派遣されるボランティアには、給料や報酬とは異なりますが、次の現地生活費、
往復の渡航費などの経費をJICAの規定により支給します。
❶ 派遣前訓練経費
参加費、宿泊費、食費は無料、訓練所への移動経費。
❷ 海外手当
現地生活費:月額 300∼700 ドル(国によって異なる)
住居費:原則は相手国から提供(JICA が住居手当を支給する場合もある)
往復渡航費:日本と任国の往復にかかる赴帰任旅費。
❸ 現地支援費:活動をサポートするための支援経費。
❹ 国内積立金
帰国後の生活基盤の構築などのために、無職や無給休職で参加する場合、国内訓
練期間中と海外在任中に、それぞれ日本国内で一定額が積み立てられます。
なお、現職で参加される方への支援は所属先人件費補填の適用となります。
❺ 現職参加制度(所属先人件費補填)
有給休職で参加する場合、所属先に対し、派遣期間中の人件費を補填。民間企業
に対しては諸経費も合わせて支給する制度です。人件費補填とは、
JICAがボランティ
アの所属先に対して、現職参加する職員・社員の人件費を補填することで、ボランティ
アへ参加しやすい環境を整える制度です。
❻ 福利厚生
業務上災害と認定された傷害や疾病については、労災保険による保障が行われます。
業務外の災害については、国際協力共済会による給付などが行われます。また万一、協力
活動中に死亡した場合は、業務上、業務外を問わず遺族に対して弔慰金が支払われます。
❼ 配偶者と子女の一時呼び寄せ制度
隊員の配偶者や子女が現地へ短期間訪問・視察できる制度。旅費の一部を JICA
が負担します。派遣期間中1回。
❽ 技術情報支援制度
❾ 帰国後支援制度
健康管理・安全対策など
JICAではすべての派遣国に現地事務所を設け、ボランティアの活動を側面からサ
ポートしています。
❶ 健康管理システム
JICA 健康管理センター、在外健康管理員、健康診断、緊急移送システムなど
❷ 安全対策システム
情報提供、住居防犯、通信連絡手段の確保、渡航制限、緊急国外退避
外務省海外安全ホームページ
(http://mofa.go.jp/anzen もしくは http://www.anzen.mofa.go.jp/)
その他の制度
「現職教員特別参加制度」
: 国公立の教員が身分を保持したまま青年海外協力隊に
参加するための制度
「働く人の所属先推薦制度」
:現職参加を促進・支援するための所属先からの推薦に
よる一次選考技術審査免除制度
「経験を生かすチャンス」
シニア海外ボランティア(SV)
Activity
「継続は力」
菊池 正敏
ラオス・柔道
欧米ではボランティア活動は、人々の
生活のなかで日常化しています。一方、
日本でも近年、社会の高齢化に伴い、長
い人生をより有意義なものにしたいと望
み、ボランティア活動に関心を寄せる人
が増えています。
日本も含めた先進諸国と開発途上国と
の技術的・経済的格差がますます広がる
につれて、開発途上国で必要とされる技
術・知識と、日本の高度成長を支えた技
術・経験が一致するという状況が生まれ
ています。そしていま、開発途上国では、
工業技術、中小企業育成、農村・地域開発、
教育、医療などのさまざまな分野で、優
れた技術・知識、豊かな経験をもつ中高
年層の活躍が求められています。
近年はますます要請が増える傾向にあ
り、今後、一人でも多くのボランティア
精神にあふれた方々の長年の経験を生か
せる活躍の場が拓けていくことが期待さ
れています。
募集から帰国まで
柔道六段の菊池さんはナショナルチーム強
化のために派遣されました。青年海外協力隊
による教え子が成長していましたが、柔道
人口は50人で道場は1つでした。
「生涯柔道」が信念の菊池さんは、毎朝 6
時の基礎トレーニングと夜 2 時間の練習を日
曜以外休まず行い、日本には「ラオス柔道を
育てる会」を設立、寄付を募り中古畳や柔道
着の寄贈や遠征費支援を行いました。そして
道場も7つ、柔道人口も200.人を超え、教え子
はベトナムやタイの選手権でメダルをとるまで
になり、帰国時にはシニア海外ボランティアと
して初めてラオス首相から労働功労賞を贈ら
れました。
「
『継続は力なり』の精神が伝われ
ば」と 語 る 菊
池さんは、い
ま日本でラオ
ス選手受入れ
の支援を行っ
ています。
「きっかけは阪神大震災」
青年海外協力隊に準拠します。
中西 加津
待遇・制度
青年海外協力隊に準拠しますが、異なる
待遇・制度もあります。
家族随伴制度:シニア海外ボランティア
と日系社会シニア・ボランティアは、家族
(配偶者・子女)と一緒に現地へ行くことも
可能です。派遣期間の半分以上現地に滞在
する場合には、後から呼び寄せることもで
きるほか、派遣中に 1 回、一時的に呼び寄
せることができる制度もあります(随伴家
族も健康診断を受診)
。
そのほか、国内積立金(65 歳未満の受給
対象者のみ)
、現地生活費など。
トルコ・住民活動支援
中学で家庭科の教師だった中西さんは、
2003 年、トルコの巨大地震から復興中のリ
ハビリセンターで、手工芸・販促など女性
の自立活動を支援するために、北西部にあ
るアダパザルに赴任しました。
「阪神淡路大震災の惨状を知っているの
で、被災者の役に立ちたかった」という中
西さんは、手工芸、和裁や押し花などのセ
ミナーを開きました。また、
「手が痛いから
手工芸は」という高齢者には、拳法の心得が
あるため健康エクササイズを始め、これは
健康管理・安全対策など
他の復興都市にも広がりました。これらのセ
青年海外協力隊の項を参照ください。
ミナーは、
家族を失った女性たちの自立を促し、
破壊された街に集まる人々のバラバラに
その他の制度
一定の基準に達している応募者を有資格
者として登録し、
開発途上国に提案する「有
資格者制度」
、地方自治体と海外の友好親
善を目的とした「友好・姉妹都市シニア・
ボランティア制度」なども行っています。
なった心をつなげる、
いずれも詳細は JICA ホームページ、募集
要項にてご確認ください。
んです」
きっかけにもなりま
した。
「持ち込んだミ
シンは、いまも女性
たちが活用している
Activity
「同じルーツをもつ人々と」
「おもしろいと思える余裕」
和美 智子
日系社会青年ボランティア
日系社会シニア・ボランティア
ブラジル・日本語教師
日系社会青年ボランティア
和美さんは、ブラジル南部のパラナ州パ
ラナグア文化体育協会に派遣され、日本語
学校で子どもには歌や工作、朗読大会、成
人には日本語会話を指導しました。また習
字教室を開き、日本語指導者不足解消のた
めにも努力しました。
「初めは日本と違うところばかり目につい
たが、だんだん同じ人間として受け入れられ
るようになった」
「何でも“おもしろい”と
思える余裕があれば大丈夫」ともいいます。
「行く前に華道を習っておけば、現地の花
で教えられた」と残念がる和美さんは、今後
は日本語教育について専門的に研究したいと
語ってい
ます。
「新たな道」
三浦 智香子
ボリビア・福祉
日系社会シニア・ボランティア
50 年前、日本からボリビアの日系移住地
に移住した一世は、いま高齢化を迎えていま
す。看護師として長年働いてきた三浦さんへ
の要請は「高齢者の健康管理」と「福祉対策
への助言と指導」など。
「福祉のあり方につ
現在、中南米各国には 150 万人以上の日
系人が住んでいます。日系人とは、すで
に海外に移住しそこに根を下ろした移住者
とその子孫。そして現在も永住の目的で
渡航していく人々の総称です。そして日系
社会として日本の文化や言葉を守って生活
しながらも、二世、三世、四世となる世代が
その国にとけ込んでいます。
彼らは、日本とは異なる風土や社会の
なかで営々と新生活の確立に励んだ結果、
自らの生活水準を著しく引き上げたばかり
でなく、
「周辺地域社会の発展と活性化」と
いう大きな波及効果をもたらしています。
また、日本のイメージを形成する役割も果た
しているといえるでしょう。
これらの日系人と日系社会が今後いっそ
うの充実と発展に向けて努力を重ねること
は、結果的にはその国の発展に貢献し、日
本にとっても望ましい状況につながること
から、日本政府としても、可能なかぎり彼
らを支援することが望ましいと考えています。
日系社会青年ボランティアは、日系人が
その国の「国づくり」の大きな力になって
いることをふまえ、日系社会支援のために、
1985 年度に始まりました。また日系社会シ
ニア・ボランティアは「日系人を通じた技
術協力」
として、
1990年度から始まりました。
単に技術協力だけを目的とするのではな
く、その指導を通じて任国と日系人社会の
人々の心に直接触れ合い相互理解を深め
る、草の根の友好・親善が促進されること
をめざしています。
いて考えさせられる 2 年間だった」とふり返
ります。
い ま 三 浦 さ ん は、地 元 で カ イ ロ プ ラ ク
ティックの仕事をしています。
募集から帰国まで
「看護師の仕事は病気になった人の世話を
青年海外協力隊に準拠します。募集は秋
のみで、派遣期間は 2 年間です。
することですが、病気にならないためのアド
待遇・制度
バイスができる仕事がしたいと思って始めま
した。サンファ
ンで高齢者の方
たちと接した 2
年間が、私に新
たな道を開いて
それぞれ青年海外協力隊およびシニア海
外ボランティアに準拠しますが、派遣前訓
練は、日系社会青年ボランティアは60日間、
日系社会シニア・ボランティアは3週間です。
健康管理・安全対策など
くれたのだと
青年海外協力隊の項を参照ください。
思っています」
いずれも詳細は JICA ホームページ、募集
要項にてご確認ください。
青年海外協力隊のあゆみ
1954
(昭和 29)
年 10 月
1961
(昭和 36)
年
1962
(昭和 37)
年
1963
(昭和 38)
年
1964
(昭和 39)
年
コロンボプラン加盟、日本の国際技
技術協力(技術協力事業)のスタート
4月 20日 自民党青年部「日本平和部隊構
想」まとめる
6月
「海外産業開発協力隊(日本平和
部隊)」案
6月
「海外技術協力事業団」
(OTCA)
設立
7月
「海外移住事業団」
(JEMIS)
設立
8月
「日本青年奉仕隊推進協議会」が
発足
8月
「日本青年奉仕隊」推進協議会が
「日本青年奉仕隊」
(仮称)に関す
る要項、日本健青会中央本部
「日
(仮称)に関
本海外協力青年隊」
する要項をともに自民党政務調
査会に提出
1月21日 施政方針演説で、池田首相は青
年技術者海外派遣を明らかにする
3月
「日本青年海外奉仕隊」に関する
特別委員会設置
5月
「奉仕隊派遣の可能性」
について
4 調査団派遣
1965
(昭和 40)年 1月15日 外務省「日本青年海外協力隊要網」
4月20日「日本青年海外協力隊」誕生。現
青年海外協力隊事務局開設
12月24日 青年海外協力隊員 1 期生派遣ラ
オスへ。
翌年 1 月にカンボジア、
マレーシア、3 月にフィリピン、
ケニアへ出発
1974
(昭和 49)年 8月
OTCAとJEMISが合併して「国際
協力事業団」(JICA)設立。協力
隊事務局はJICAの1局として位置
づけられ、国民的事業であること
が法文化される
2000
(平成 12)年 6月
青年海外協力隊、派遣隊員が2万
人突破
2003
(平成 15)年 10月 「独立行政法人国際協力機構」
発足
2005
(平成 17)年 10月
青年海外協力隊発足40周年
2007
(平成 19)年
青年海外協力隊、
派遣隊員が 3
万人突破
■ 国内機関……16 カ所
札幌/帯広/東北/二本松/筑波/地球ひろば/横浜/駒ヶ根/北陸/中部/大阪/兵庫/中国/四国/九州/沖縄
■ 海外機関……103 カ所
● アジア̶̶23
カ所
インド/インドネシア/ウズベキスタン/カンボジア/キルギス共和国/シンガポール/スリランカ/タイ/タジキスタン/中国/ネパール/バングラデシュ/
パキスタン/東ティモール/フィリピン/ブータン/ベトナム/マレーシア/ミャンマー/モルディブ/モンゴル/ラオス/アジア地域支援事務所
● 中東̶̶12
カ所
アフガニスタン/イエメン/イラン/エジプト/サウジアラビア/シリア/チュニジア/トルコ/パレスチナ/モロッコ/ヨルダン(イラク支援)
● アフリカ̶̶26
カ所
ウガンダ/エチオピア/カメルーン/ガーナ/ガボン/ケニア/コートジボワール/ザンビア/ジブチ/ジンバブエ/セネガル/タンザニア/ナ
イジェリア/ナミビア/ニジェール/ブルキナファソ/ベナン/ボツワナ/マダガスカル/マラウイ/南アフリカ共和国/モザンビーク/ルワン
ダ/東南部アフリカ地域支援事務所/中西部アフリカ地域支援事務所/アフリカ地域支援(経理・調達)事務所
● 北・中南米̶̶25
カ所
アルゼンチン/ウルグアイ/エクアドル/エルサルバドル/グアテマラ/コスタリカ/コロンビア/ジャマイカ/セントビンセント/セントルシ
ア/チリ/ドミニカ/ドミニカ共和国/ニカラグア/パナマ/パラグアイ/ブラジル/米国/ベネズエラ/ベリーズ/ペルー/ホンジュラス/ボ
リビア/メキシコ/中米・カリブ地域支援事務所 ● 大洋州̶̶10
カ所
サモア/ソロモン/トンガ/バヌアツ/パプアニューギニア/パラオ/フィジー/マーシャル/ミクロネシア/大洋州地域支援事務所
● 欧州̶̶7 カ所
英国/ハンガリー/バルカン/フランス/ブルガリア/ポーランド/ルーマニア
内容の詳細はJICAホームページにてご確認ください
www.jica.go.jp
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