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気づきの時間
2007年 11月号 “ 消費税が戻ってくる ”
公私平行経営
気づきの時間
発行者 ファイナンシャルプランナー
松本修明
〒530-0044 大阪市北区東天満 2-9-4 千代田ビル東館 10F
TEL : 携帯 090-8886-5303 オフィス 06-4800-6201(代)
2007年11月号
秋の気配を感じる様になると早いもので今年も残すところ約二ヶ月となりました。
現在、国会では、11 月のテロ特措法の延長と年金問題が議論されております。
その財源は税収及び社会保険料となります。税収については、国民年金の国庫負担を50%にするのと将来へ
の年金財政の積立不足を改善する為に、消費税率5%(国4%地方1%)を UP させる流れが、出来つつあ
ります。
消費税が戻ってくるのか?
ほとんどの方は、そんな事はありえない事だと思っておられます。でもやり方次第で消費税が戻るケース
があります。本来消費税は受取った消費税と支払った消費税を引いた差額が、納税する消費税となりますが、
支払った消費税が多い場合には逆に差額が戻る事になります。
相続対策や土地の有効活用が目的で賃貸マンションを建設するケースがあります。
5億円の賃貸マンションをゼネコンに発注する場合、工事費の5%にあたる 2,500 万円は消費税として工事
費とは別に支払います。もし 2,500 万円が戻ってくれば、キャッシュフローの改善と共に、将来必要な修繕
費や人口減の環境下で賃貸事業も競争が予想され、選ばれる物件としての営業や募集にかかる費用の財源に
もなります。
◆ 還付される金額の計算式 ◆
受取り消費税
-
課税売上割合
支払い消費税
とは、
*課税売上・・・テナント、駐車場
×
課税売上割合
課税売上
課税売上 + 非課税売上
=
納税額
(還付額)
で計算します。
*非課税売上・・・家賃、地代
課税売上割合を高くする事は戻ってくる消費税額が多くなり、またこの割合が95%以上の場合は、なんと
支払った消費税の 100%、全額が戻ってきます。非課税売上の金額を出来るだけ低くする事が課税売上割合を
高くするポイントになります。でも非課税を低くするというのは、家賃を安くする又は、もらわない状況しか
考えられません。個人の消費税の計算期間は、原則 1 月から 12 月です。12 月に賃貸マンションが完成した
場合は、賃貸マンションの完成時期によっては、消費税の計算期間が 1 年だと非課税売上の金額が多くなり課
税売上割合が低くなり、戻ってくる消費税の金額がスライドして低くなってしまいます。
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個人か法人かにより少し違いはありますが、特例があります。3 ヶ月ごとの課税期間特例か、1 ヶ月ごとの
課税期間特例があります。そこでその特例の期間、課税売上割合を高くする事を考えます。
賃貸マンションで支払った消費税を戻すためには・・・
★ まずは、全体スケジュールをつくる ⇒ 準備段階から着工・完成・引渡し・入居時期を押さえる
<消費税を戻すための基本条件>
・課税業者を選択する
課税売上高 1,000 万円以下の場合、消費税を支払う必要が無い免税業者になるために支払った消費税は
戻ってきません。消費税を戻すためにあえて免税業者にならずに課税業者を選択します。
・本則課税を選択する
本則課税と簡易課税の2制度がありますが、本則課税を選択します。簡易課税は、支払った消費税ではなく
事業の種類により、みなし仕入率が決まっており、支払った消費税の金額は関係がなくなります。
また簡易課税を選択してしまうと2年間は継続する必要があり、その間に工事費と共に支払った消費税を戻
す事はできなくなります。
・一括比例配分方式を選択する
個別対応方式と一括比例配分方式の2方式がありますが、一括比例配分方式を選択します。個別対応方式を
選択すると課税売上に対する消費税しか該当しませんので、非課税売上にあたる賃貸マンションの消費税は
対象外となり、控除対象の消費税にならないのでお金は戻りません。
<できるだけ多くの消費税を戻すために>
・課税売上割合を高くする
消費税の計算期間をどうするかにも関係しますが、家賃を取る賃貸事業を営むため、家賃収入が入ってくる
のが当たり前ですが、出来るだけ家賃収入が消費税の計算期間には入ってこない仕組みを作ります。
課税売り上げ割合を高くするためには、計算式の分母になる非課税売り上げは限りなく0ゼロに近いほうが
割合が高くなり、95%以上になると消費税が全額100%戻る対象になります。その為、消費税の計算期間
はタダの家賃期間を設ける、一括借り上げ方式(サブリース)で家賃の免責期間を作るなどが考えられます。
・課税売上をどう作るか
自動販売機を設置して課税売上にする、駐車場の売上などを課税売上にする方法を検討する必要があります。
賃貸マンションに 1 台自動販売機が設置されているのは、課税売上の為かもしれません。
また、最近の賃貸マンションではオール電化を採用した場合に申請後、助成金が支払われます。その助成金を
課税売上とする場合もある様です。税務署から課税売上の根拠と理由付けを問われる場合もありますので注意
が必要です。
消費税と税収
消費税は、平成元年の 4 月竹下内閣の時に3%で導入され、平成9年 4 月橋本内閣で5%に税率が上りまし
た。税金を分類すると・・・
もうけたお金にかかる税金が
所得税
使ったお金にかかる税金が
消費税
もうけたお金の税率は下がる傾向
49%
DOWN
持っている財産にかかる税金が
相続税
固定資産税
使ったお金の税率は上がる傾向
3% ⇒ 5%
40%
UP
17%?
日本の税金は、もうけたお金・所得にかける税金(所得税・法人税)から使ったお金にかかる税金(消費税)
にシフトしています。もうけたお金が少ないと税率が低いので支払う税金、国から見れば取れる税金が少な
くなります。
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消費税の様に一律○%であれば、国は一番シンプルに〔個人・法人〕、
〔もうかっている・もうかっていない〕
に関係なく税金が集まります。社会保障や年金の財源にも使うとなると将来の消費税率は 20%程度になる
と予想されます。
日本の国家予算(一般会計)を調べてみました。税率さえ上げれば簡単に税収が増えます。
平成19年度一般会計歳出歳入の内訳
〔単位:億円、%〕
租税及び印紙収入
< 歳入とは >
534,670
(64.5)
254,320
(30.7)
その他収入
40,098
(4.8)
租税及び印紙収入は 6 割強
で、残りのうち 25 兆円程度
(約 31%)が公債金収入と
なっています。
所得税
165,450
(20.0)
公債金収入
一般会計
歳入総額
82.9 兆円
(100.0)
法人税
163,590
(19.7)
消費税
その他
99,180 106,450
(12.0) (12.8)
揮発油税
21,350(2.6)
相続税
15,030(1.8)
酒税
14,950(1.8)
関税
9,290(1.1)
たばこ税
〔単位:億円、%〕
国債費
社会保障
209,988
211,409
(25.3)
(25.5)
地方交付税交付金等
一般会計
歳出総額
82.9 兆円
(100.0)
149,316
その他
(10.6)
防衛
48,016
(5.8)
9,260(1.1)
< 歳出とは >
社会保障費、国債費、
地方交付税交付金等の三大
経費で全体の約 3 分の 2 を
占めています。
公共事業
69,473
(8.4)
(18.0)
88,143
など
文教及び
科学振興
52,743
(6.4)
恩給
9,235(1.1)
エネルギー対策
8,647(1.0)
経済協力費
6,913(0.8)
その他
63,348(7.7)
*消費税率5%で年間 10 兆 6,000 億円の収入があります。単純に消費税率が 1.4 倍の7%になれば、
14兆 8,400 億円。仮に欧米並みに20%になれば、42兆 4,000 億円となります。
一般会計の収入83兆円の30%にあたる公債金収入の25兆円は、国債の発行額ですので、将来返す必
要のある国の借金です。
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消費税は現在5%ですが、今後 UP するのは確実です。
3 億円のマンションで5%は 1,500 万円、7%なら 2,100 万円、将来予測とされている17%なら 5,100
万円となり、将来必ず発生する修繕費用を準備する為にも還付される消費税額は大事な財源となります。賃
貸マンション事業も今後の人口減の影響があると考えられ、選ばれるマンション、人気のマンション作りと
メンテナンスの維持と投資の為には、消費税に相当する金額はより大切になります。戻せる消費税について
税理士の先生に質問しましたら、税理士でも知っているのは少数との事でした。又、消費税が戻せるのも税
制の変化があればできなくなるかもしれません。
日経新聞の記事より
平成 19 年度の税制改正の目玉となるであろう「事業承継税制」について、日本経済新聞 10 月 16 日の一
面に大きく
中小の相続税 8 割軽減
と出ました。記事には、事業用の土地等の資産は 8 割軽減がで
きるが非上場株は1割しか減額できず、相続税の支払いで事業用資産の売却をしてその資金としているケース
があり、事業用地並みの 8 割軽減をして相続税の支払い負担が大きく下がるとありました。この記事による
と8割軽減の根拠として事業用地並みとあります。
では、土地に関する相続財産の評価減とは・・・
中小オーナー経営者が自宅や会社の敷地を配偶者・息子に相続する時に、一定の条件と規模で相続税を軽減する
規定で、「小規模宅地の評価減」と言います。
事業用
居住用
特定事業用地
その他事業用・貸付用
その他居住用
特定居住用地
減額割合
限度面積
80%
< 400m2 >
50%
200m2
80%
240m2
この小規模宅地特例の特定事業用資産と同じ 80%評価減割合にし、自社株の評価を10%減額から大き
く減額させるというのが記事です。但し、株式を相続した後継者には 5 年以上の事業継続と 8 割以上の雇用
を維持する事が求められるとあります。また、記事にはありませんでしたが、すべての自社株財産が 8 割軽
減されるのではなく、上記の一覧にある軽減される限度、面積と同じ様な条件が出てくると思います。又、
小規模宅地の評価減と自社株の評価減は併用できますが、どちらを先に選択するかにより評価減の金額が変
わるため自社株評価の改正内容とあわせ有利な選択をするのが重要です。
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(株)ワイズメンコーポレーション
ファイナンシャルプランナー
松本 修明
E-mail : [email protected]
TEL
オフィス 06-4800-6201(代)
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FAX : 06-6354-5403
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URL : http://koushiheikoukeiei.jp/ 公私平行経営 実現サイト
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