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Page 1 金沢大学学術情報州ジトリ 金沢大学 Kanaraพa University

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Page 1 金沢大学学術情報州ジトリ 金沢大学 Kanaraพa University
Title
金沢市周辺の大桑層の堆積サイクル
Author(s)
北村, 晃寿
Citation
北陸地質研究所報告, 5: 211-244
Issue Date
1996-08-00
Type
Departmental Bulletin Paper
Text version
URL
http://hdl.handle.net/2297/6485
Right
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*KURAに登録されているコンテンツの利用については,著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲内で行ってください。
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から著作権等管理事業者(学術著作権協会,日本著作出版権管理システムなど)に権利委託されているコンテンツの利用手続については
,各著作権等管理事業者に確認してください。
http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/
北陸地 質研 究所報告
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静 岡大学理学部地球科 学科
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は じめに
金沢大学理学部地学科に入学 した年 (
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年)の 4月,私は 『
大型化石研究マニュアル (
小高民夫
編)
』を頼 りに,大桑層の露出す る犀川を訪れた.そこで, 貝化石の ぎっしり詰 まった層 を見つけ (
こ
れは堆積サ イクル1
1基底の貝化石密集層であ る)
, きっそ く化石 の採取 を試み た ものの うま くいか
ず,がっか りした.長野市の生 まれの私は,高校時代 に柵層の貝化石 を採取 していたのだが,そこで
培ったテ クニ ックが大桑層では通用 しなかったのだ.大桑層の貝化石 は柵層の もの よ りもず っともろ
かったのである. さらに私 をがっか りさせ たことがある.尉 【
ほ 訪れ るまで, 2個体 しか採取 したこ
とがなかったため,私 に とっては珍品だったウニの化石が,大桑層にはた くさんあったのである.こ
うして,私のウニの化石-の思い入れ もまた見事に粉砕 されたのである. これが大桑層 と私 とのファ
9
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7
年 4月,私 は再 び犀川に立 った. その年の 3月に
ース トコンタク トである.それか ら, 6年後の1
修士論文 を提出し,金沢大学大学院の博士課程 に進学 した私は,新 たなる研究 テーマ を求めて, ここ
にや って きたのである.
修士論文 で,私は富山県高岡市に分布す る頭川層 を研究 した.この研究では,野外調査,粒度分析,
炭酸か レシウム含有量測私
浮遊性有孔虫 と底生有孔虫の比率,生物骨格粒子の組成 な どを検討 し,
頭川層の堆積環境 とその時代の相対的海水準変動の復元 を試みた, しか し,地質時代 を確定できなか
ったこともあ り,研究 をうま くまとめ られなか った. だが,今考える と, この修士論文 は結構 イイ線
をいっていた.なぜ ならば,地層の堆横過程 を相対的海水準変動 と関連づ けて考 えるとい うことは,
シーケンス層序学の概念に通 じるものであ り, また私が用いた手法は シーケン 幻 啓序学的解析で使わ
れているものであったか らだ.残念なが ら,Ⅴa
ile
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.(
1
9
7
7
)
の提案 したシー ケンス層序
挙を,私が
十分に理解できなかったため,修士論文 はイイ線で終 わったのであ る.けれ ども, このイ
射二
論文 を通
じて,私は氷河性海水準変動に伴 う堆積物 と生物相の変遷 に興味 を持 ったのである. そ して, この研
究テ-マ を完遂す るための条件 も理解す るこ とがで きた.その条件 とは,①堆積 時代 が分 か ってお
り,②地層の連続性が良 く,③水深 と海中気候 の変化 を記録す る化石, それ も現地性 で鹿す る,地層
である. これ らの条件 を満 たした地層が大桑層であった.
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),松浦 (
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)の貝化石 の研究があ り,
大桑層は,Ka
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)
の微化石層序学的研究 と大村ほか (
1
9
8
9
)の古地磁気層序学的研 究に よって,その地質
高山ほか (
時代 も明 らかにされてお り,上記の条件が整 っていた.だが,大桑層 を研究す るにあた り, さらに私
は一つの研究戟略 を建 てた. それは, 「
氷河性海水準変動の最 も重要 な特徴 はその周期性である. よ
って,氷河性海水準変動は何か しらの周期性 を持 った現象 として地層や生物相 にその痕 跡 を残す はず
だか ら, その痕跡,つ まり周期性 を地層や生物相の中か ら見つけ出す」 とい うもの であ る. この戦略
は大いに効果 を挙げた. まず,犀川河床の大桑層露頭にケ スタ状の地形 を見出す こ とが で き,それか
ら堆積サ イクルを認定できた.そして,貝化石 の層位分布の精査 に よって,つ いに大桑層の堆槽サイ
.
1万年周期の氷河性海水準変動に起 因す ることを明 らかにす るこ とがで きた (
北村 弓丘藤,
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.だが, これ らの研究は大桑層模式露頭での調査に基づ くのせ,あ る 1
地点における氷河性海水準変動に伴 う浅海環境や生物の時間変化 しか読み とってい ない. そのため,
現在私は模式露頭 よりも沖側 と陸側に堆積 した大桑層 を調査 し,氷期 一間氷期サ イ クルに伴 って沿岸
から陸棚 までの海域で どの ような堆積作用が起 こり, また生物相が どの ように変化 す るのか を復元す
る作業 を行 っている.本論はその研究の途中経過 をま とめた ものである. したが って,今後の研 究に
より,本論の内容 も一新 される可能性があることをあ らか じめ断ってお く.
この度,細野義夫先生か ら小論 を執筆す る機会 を賜 った.金沢大学在学 中の諦座 は違 ったものの,
2
1
2
先 生には多 くの有益 なア ドバ イスを頂いた・ また,先生が保管 されていた大桑層産貝化石標本 は,敬
の研究 に非常に役立 った・ ここに小論 を寄稿 し,先生-の感謝の意 を表する次第です.
氷河性海水準変動
大桑 屑や卯辰山層の堆積サ イクルや そこに含 まれ る化石相の変遷 を理解するには,両層の堆積 した
時代背景 を知 る必要が ある・そこで, ここでは堆積サ イクルを作 り出した主要因の一つ,氷河性海水
準変動 について概説す る.
一つの例外 を除 き,すべ ての地質時代は示準化石によって区分 される.唯一の例外は,大桑層の堆
9
世紀以来議論が続け られ
積 した時代,すなわち第四紀であ る.第匹
粥己と第三紀の境界に関 しては,1
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ntの上限に置かれている.第四紀 を他の地質時代
てお り,現在では古地磁気の正磁極帯 01
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万年周期で氷期 一
と際立 たせ ている特徴 は, この時代が人類の進化 した時代であるこ とと,数万 ∼1
間氷期 サ イ クルが繰 り返 したこ とである. もっ とも,最近の研究 では,人類の起源は約 4M aまで
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で さかのぼ ることが明 らかにされている (
.
5倍 (
2
.
7÷1
.
8)になったこと,
の こ とは,第四紀 を特徴づ ける氷期 一間氷期サ イクルの継続期間が1
人類進化の後半部が氷期 -間氷期サ イクルの下で起 こったことを意味す る.
さて,深海底堆積物 中の有孔 虫の酸素同位体比は,氷期 一間氷期サイクルのインデ ィケー タとして
.
4-2
.
7Maに氷期 一問氷期サ イ クルが開始 したことを示す.そ し
櫨 めて有効 であ り, その記録 は 2
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) ことか ら,氷期 一間氷期サ イクルは北半球高緯度地域 に大規模 な氷床が形成 きれ たこと
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.7Ma以 降の氷期 一間氷期 サ イ クルは,0
.6Maを境 に,それ以前の4.1万
に よ る とされて い る. 2
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万年周期が卓越す る大振幅 ・長周期の時代
年 周期 が卓越す る小振幅 ・短周期の時代 と,それ以後の1
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)によって,0
.
6Ma以降の氷期 一間氷期サ イクル
は, ゆ っ くりと進行す る寒冷化 とその後に来る急激な温暖化 とい う非対称的な変動であったこ とが明
らかに されてい る.
この ような氷期 一間氷期サ イクルの周期性は,地球 の天文学的運動, ミランコビッチサイクルと強
い関係がある. なぜ な らば, ミランコビッチサイクルには,歳差運動による約 2万年周期,地軸の傾
1
万年 と1
0
万年の周期があ り, これ らの周期 と氷期 一間
きの変動による約 4万年周期,離心率による4
ys e
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.
,1
9
7
6)
. これ らの天文学的強制力の うち,
氷期サ イクルの周期が一致す るか らである (
Ha
歳差運動 と地軸の傾 きの変動 に よる日射量の変化は,気候変動 を もたらすのに十分 な大 きさになる
9
92
)
.一方,離心率 の及ぼす 日射量の変化 は小 さ く,氷期 一間氷期サイクルを引
(
例 えば,福山 1
0
万年の間に最 も卓越する1
0
万年周期 は,也
き起 こすだけのパワー をもっていない.そのため,過去6
球 システムのフィー ドバ ック機構 に よって もたらされたものであ って,天文学的強制力はペー ス ・メ
9
9
2を参照)
.
ー カー の役割 を果た しているにす ぎない と考えられている (
詳 し くは,福山,1
氷期 一間氷期サ イクルに伴 い,地球表層環境は劇的に変化す る.気候変動は大気循環 ・海洋循環の
変化 とい う形で現れ, それ らは大気中の温室効果ガス濃度や海水 中の栄養塩濃度 を変 え, さらには生
物生産量や生物分布 も変化 させ る. また,極地域には氷床 として大量の水が トラップされるので,海
水準が下が る. これが氷河性海水準変動である.
氷河性海水準変動 の歴史は,海岸線の高度 と有孔虫の酸素同位体比の統合か らある程度 まで復元で
2
1
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きる.Fa
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1
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)は,バ ルバ ドス島において ボー リン グコアによって, 水深 5m 以浅に住む
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aを採取 し, その年代 と深度 を測定 し,最終氷期最盛期 の海 水準は現在 より
サ ンゴ Ac
も1
2
1
m 低か ったことを明 らかに した.現在の極地城 の氷床 を構 成す る氷 の ♂8
0倍 は平均 -40
‰で
8
0
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m とす ると, 1
2
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m の海水準低下 に よって海 水中の ♂8
0倍 は 1.
2
6
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あ り,全海洋の平均深度を3
変化す る (
0
.
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. ところが,世 界 各地の深 海底生有孔 虫の間氷 期 一氷期の酸素同位 体比の
差は 1
.
2
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を上回 り,約 1
.
7
2
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もある. そのため,長 い間,間氷期 -氷期 を通 じて深 海底の水f
m
E
'
L
は
一定であ り,深海底生有孔虫の酸素同位体変動曲線は氷床量 をモニ ター している と思 われていたが,
7
2- 1.
2
6-0.
4
6
‰=
そ うではな く,氷期の水温は間氷期 よ りも 2℃低か ったこ とが判 明 した (1.
2℃ He
.
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6
上 それゆえ,酸素 同位体変動曲線か らは, 氷河性海水準変
動のタイ ミングは分か るが,海水準の変動量 を直接知 るこ とはで きない. よって,最 終氷期以前の氷
4
6
0
,
品
河性海水準変動については,深海底生有孔虫の酸素 同位体 比変動 曲線に水 温変化 に由来す る 0 .
の変動値 を補正 して,変動量 を見積 もることとす る. この算出方法 を使 うと,前期更新世 の氷河性海
0
m を越 えない. この値の妥当性 は次の こ とか ら支持 され る.
水準変動の変動量は7
CLm4
AP (
J
1
9
8
1
)は,浮遊性有孔虫群集 を統計処理 し,氷期最 盛期 の表 層海 水温 を算 出 した.そ
の結果,太平洋-イン ド洋一大西洋の低緯度海域 では,氷期 と間氷期 で水温に変化の ないことが分か
った. もし, このような状態が過去の氷期 一問氷期サ イクルに も通 用 できるとす る ど,低経度海域の
浮遊性有孔虫同位体比記録は氷床畳 をモニ ター してい るこ とにな る.実 際 に, 赤道 太 平洋の コア V
2
8-2
3
8・V2
8-2
3
9の浮遊性有孔虫同位体比記録 (
Sha
c
k
l
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o
n& Opdyke
,1
9
7
3
,1
97
6)は,戯終氷
期 と現在の差が約1
.
20
A,
i
音溝)リ,上記の1
.
2
61
3
品と良 く-致す る. そ して, これ ら 2つ の コアの記録で
.
7
5
0
諭I
o
内に収 ま り, この値 を海水準の変動鼠に換牌す
は,前期更新世の酸素同位体比の変動幅 は約 0
2
m(
0
.
7
5÷0
.
01
0
4
0
^
.
;
u
/m)となる. この値は上述の値 (
7
0
m)と-致す る.以上 の ことか ら,
ると約7
0
m と考 える.
本論 では大桑層の堆積 した前期更新世の氷河性海水準変動の変動量は貴大 で も7
日本海の第四紀環境変動
大桑層が堆積 した 日本海は練海であ り, 4つの浅 い海峡 で外洋 とつ なが ってい る (
図 1)
. それゆ
え,氷期 一間氷期サ イクルに伴 う環境変動は,太平洋や オホー ツ ク海 とは全 く異 な っ た様相 を皇す
る.その特異性 を知 ることは,大桑層や卯辰山層の堆積サ イ クルの理解 に役 立つ. しか も,近年行わ
れた
O
D
P掘削によって, 日本海の海洋環境変動の知 見は飛躍的 に増 大 した. この よ うな観点 をふま
えて,以下に 日本海の第四紀環境変動について概説す る.
ae
i
a
l
.(
1
9
9
1
)の研究 をもとに,最終氷期以降の 日本海の環境変動 を紹 介す る.
まず,Ob
3
5
m (
図 1)か ら採取 したピス トンコア試料 を解析 し,8
5
,
0
0
0
年 前か ら現在に
彼 らは隠岐唯の水深9
至 るまでの 日本海の環境には, 5つの変化があったこ とを明 らか に した.
(
1)
8
5-2
7kaは対馬暖流は流入せず,冷 たい表層水が卓越 していた.海底の環境 は不良の好気的
状況 と酸化的状況の間で変動 した.
(
2
)2
7-2
0kaは淡水が 日本海に流入 した. これは多分黄河起源 であ り, 淡水 の流 入に よって成層
構造が形成 きれ,海底はシビアな無酸素状態 とな り, ほ とん どの底生生物 が死滅 した. そのた
め, この期 間の堆積物は暗色で平行薬理 を持 ち,黄鉄鉱 を多 く含む.
(
3
)2
0-1
0kaは親潮が 日本海に流入 した.その練乳 深層水の通気性 が 回復 し,北 太平洋の浅海
性底生群集が津軽海峡 を通 って, 日本海に移住 し,空いて いた深海底 のニ ッチ を占有 した.
(
4) 1
0-8kaは対 馬海流が 日本海 に一進一退 を繰 り返 しなが ら,やが て本格 的に流 入 して くる過
2
1
4
図
1
日本
(
1
9
9
2
)は,これを日本周辺域か らの河川水の流入に求めた. これは,東シナ海か ら日本海に流入す
る低塩分水の消長 を指示す る珪藻
Pwa
l
i
as
ul
c
a
t
aの産 出が同時期 に最低になるためである.すなわ
ち,対馬海峡南方海域か らの水の流入は考 えがた く,ゆえに淡水の起源 を日本海周辺城 に求め ざるを
えない. また,現在の黄河の流量は石狩川のたった 4倍 にす ぎない (
斉藤文紀私信) こ とも,黄河説
には不利な材料である. そのため,現在,淡水の供給源 としては, 日本海周辺域か らの河川水説 (
小
泉, 1
9
8
4;Ta
dae
t
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.
,
1
9
9
2
)と,アムール川説 (
Ke
i
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n&Go
r
ba
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nko,1
99
2
)が あげ られている.
0
0
m 以深で起 きた環境変遷 につ いて述べ た. そこで,次 に 日本海沿岸の浅海臨
以上に, 日本海の5
海地域で起 こった環境変遷について述べ る.
海水準変動に対す る浅海臨海地域の地形変化 は,汎世 界的海水準変動,地殻変動,堆積物供給速度
に規制 され る.前二者については最終氷期以降では 日本海特有の地質学的現象は認 め られないが,堰
積物供給速度に関 しては特有の現象が見 られ る.それは,対馬 海流の流入に よる日本海側の陸上気候
の劇的変化に関係す る.すなわち,対馬海流の流入によって, 日本海側はそれ以前 の乾燥気候か ら冬
9
8
2
)
,その結果堆積物の供給量が
季に大量の降雪が もた らされ る気候- と変化 し (
例 えば,安 田, 1
増加 したのである.例 えば,富山深海扇状地 においては, 3万年前か ら現在 までの間では, 1
3
,
0
0
0年前の期間にター ビダイ ト頻度が最大になったが, この原因は対 馬海流の流 入に伴 う多雪化に
6
,
00
0
9
9
1
)
. このように, 日本海の浅海臨海の堆積作用 ・地形変化 を考 察す る上で,
あるという 仲 嶋,1
多雪化は極めて重要である.
さて,最終氷期以降の 日本海の環境変遷 を述べ たが, これ ら一連の環境変動は何 時か ら始 まったの
g1
2
7(
図 1)の コアには,明暗層が認め られ,
か ? その答えは,ODPコアの研究にある. ODPLe
明色層は間氷期 に,暗色層は氷期 に堆積 したことが明 らか となった (
Ta
dae
tal
.
,1
9
92
)
. この明暗
層は約 2
.
6Maに始ま り,約 1
.
2Ma以降,明暗の コン トラス トがはっきりす る (
Ta
da&L
j
i
ma
,1
9
9
.これ らのことは,最終氷期以降の 日本海 に見 られ た環境変遷一 氷期 には海底 が選 元的環境 とな
2)
6
0
万年間続 いたこ とを意味す る. また, 1
.
2Ma (
Be
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り,間氷期には酸化的になる-が,過去2
al
.(
1
9
9
4
)の年代 スケールを使 えば 1.3-1
.4Maとな る)以降に関 しては,間氷期 ご とに暖流系貝
9
9
5
)
,海底に溶存酸素 を送 り込んだ担い手 として は,対馬海流の変
化石群集が現れるので (
北村,1
質 した 日本海固有水が考 えられる. このような時代背景 の下 で,大桑層 と卯 炭山層 が堆積 したのであ
る.
大桑層の概要
大桑層は石川県金沢市菅谷 を西限 とし,東は富山県小 矢部市西部 まで分布 する. 日本海沿岸地域に
露出する同時代 の海成層 としては,韓国の済州島を除けば,大桑層は貴 も西 に位置す る.つ まり,陸
上 に露出す る地層 としては,対馬海流の最 も上流側 に位 置す るの である.大桑層 の研 究史や年代論
は, この論文集の別稿 に詳 しく説明されているので, ここでは大桑層の堆積サイクルの層序学的位置,
ならびに,本論で扱 う模式露頭 と夕 日寺の大桑層の地質概説 を記す.
大桑層の模式露頭は,石川県金沢市大桑町犀川河床 (
図 2) にある.ここの大桑層の走向 ・傾斜は
E-W ・1
0-2oN,全層厚は約 2
1
0m,岩相 ・貝化石群集か ら下部 ・中部 ・上部に 3分 され る(
図 3)
0
(
北村 ・近藤,1
9
9
0
)
.下位 の犀川層 (
Oga
s
a
war
a,1
9
7
7
) と大桑 層 との接触部は観察 で きないが,
9
5
0
) と大桑層の接触部 は,大桑橋 よ り上流側 の犀川右岸の段丘崖で観
上位 の卯辰山層 (
市原ほか, 1
察でき,卯辰山層が大桑層 を削 り込 んでいる (
図 3)(
北札
1
9
9
4)
. ここの大桑層 には少 な くとも1
4
回の堆積サイクルが見 られ, また少な くとも 4枚 の 白色凝灰岩層が挟 まれ る (
図 3)
.微化石層序 ・
2
1
6
古地磁気層序の基準面に基づ くと,大桑層中部 と上部 の堆積時代はそれぞれ1
.
5-1
.
OMa
,1
.
0-0
.
8
Ma (
≒0
.
7
9Ma:Bmnhes/M如uyama境界年代) と推定 され る (
図 3).なお,堆 積 サ イ クル9は
模式露頭では欠落 しているが, これは金沢市山科地域 で見 るこ とができる (
図 2, 4日Ki
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図 3
模式露頭の大桑層の柱状図
8)とSat
と主要な貝化石種の層位分布.生層序基準面
は高山ほか (
1
98
∽
*
酒井ほか (
1
9
&
9
3)
Ta
による.各基準面の年代借
kayama (
1
9
9
2
)に基づ き,古地磁気学的データは大村
は Ber
gere
tal
.(
1
9
9
4
) に基づ
ほか
く.(
1
9
8
9
)と
o
桑層中部の堆積サイクルの番号.
ほか (
1
9
8
9)がフィッション ・トI
ラック法
,
l
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によって求めた凝灰岩層の年代値.
大桑層上部の堆積サ
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大村
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7(
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989
) を使用.図
3参照.
曲線 には, DSDPSi
遷
と酸素
同位体比変動
曲線 との対比.
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1
9
94) は,微化石層序 ・古地磁気層序学のデー タを用 いて,大桑
4の堆積 サ イ クル と酸素 同位体此 変動 曲線 とを対比 した. その結果, これ らの堆積サ イ
層模式露頭の 1
4の堆積サ イクル
クルが 4万 1千年 周期 の氷河性海水準変動 に強 くコン トロール された ものであ り,1
0
か ら2
3(
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.
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.
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19
94)の年代 スケー ルに準拠)
は酸素 同位体 ステー ジ5
に対比 されるこ とが分 か った (
図 5)(
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,1
9
9
4
).大桑層 中部の堆積サ イクルに関 して
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n内に位 置す るので,その対比の精度はか な り高 い.だが,
は,サ イクル 1
それ よ りも下位の堆積 サ イ クルにつ いては,侵 食に よるサ イクルの欠如が ない もの として対比 してい
るので, その確度 は下位 のサ イ クルほ ど低 くなる. しか し,大桑層の堆積サイ クルの中で海水準上昇
.
3-1
.
5Maの期
量の最 も大 きか った と推 定 され る堆積サ イ クル 2が,酸素 同位 体 比記録 において 1
間の間氷期の中で突 出 した ピー クを示す ステー ジ4
7(
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9
4)に対比 され るので,
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994) の対比は妥当なもの と思 われ る.
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金沢市夕 日寺の大桑層露頭は,模式露頭 より約 4km 北に位置する (
図 2).全 層厚 は約 4
0
m 以上,
走向 ・傾斜は N4
0
o
N ・6o
Sである. ここの大桑層は 2分 され,下部 (
層厚 9
.
6m) は貝化石 を良 く
含む青灰色砂岩か らな り,ここには 4つの堆積サ イ クルが見 られ る (
図 4)
.一 方, その上位 の地層
は褐色砂岩か らな り,そこに含 まれ る貝化石 はすべて印象化石 である.下位 よ り 2番 目の堆横サイク
ルは 1枚の白色凝灰岩層 を挟んでいる. この凝灰岩層は,火山ガラスの屈折率 に基づ くと,模式露頭
図 6). この解釈 は,二枚 貝化石 Ana
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aとA.
の堆積サイクル 2の凝灰岩層に対比 される (
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sを用いた生層停学的対比 (
北村,1
9
9
6
)か らも支持 され る. よって, 夕 日寺 の准椅サイ
クルは模式露頭の堆積サ イクル 1か ら 4に対比 され る (
図 4). なお,夕 日寺 の堆積 サ イ クル 1の下
部は観察できない.
大桑層の堆積サイクル と貝化石群集
世界各地の第四系か ら,氷河性海水準変動に起因す る堆積サ イクルが報告 され てい る (
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れ らの堆積サイクルの中で,下総 ・上総層群 と大桑層の堆積サ イクルはユニー クな特徴 を共有 してい
る.それは,堆積サイクルの中に寒暖両海流系生物群の交互出現が見 られ るこ とであ る. この生物群
の交互出現は気候変動 を意味す るので,堆積サイ クルが氷河性海水準変動 で形成 されたこ との確かな
証拠 となる.この大桑層の堆積サ イクルの特徴である寒暖両海流系生物群 の交互 出現のパ ター ンなら
びに岩相の累重様式に注 目すると,模式露頭 と夕 日寺に見られ る堆積サ イ クル を以下の 6つに分類で
きる.
.5m. この堆積サイ
(
1
) タイプ 1の堆積サイクルは,夕 日寺 の堆積 サ イ クル 2である.層厚 は5
クルは,岩相が下位 より,貝化石密集層,淘汰の良い細粒砂岩,泥が ちな極細粒 ∼細粒砂 岩,生痕化
石の発達 した砂質シル ト岩,泥がちな庵細粒∼細粒砂岩の順 に重なる (
図 7). この堆横 サ イ クルの
Ro
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a)の発達 した砂質 シル ト岩であ り, これは他 のサ イ クルには見 られない.
特徴は生痕化石 (
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I
群集
堆積サイクル内の貝化石群集は,上位に向かって,寒流系群集,暖流系群集,Tr
へ と変遷 し,再 び寒流系群集が現れ る (
図 7)
.Tr
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HI群集は,寒流系種 とと もに暖流系稜
の Pe
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neを伴 う. この種の生息深度の上限は水深 1
0
0
m であ り, これ は模 式露頭 と夕 日寺
の大桑層か ら産す る貝化石種の うち最 も深い.
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ところで,私の行 った浮遊性有孔虫群集 の解析結果 による と,下位 の Cl
群集産出層準最上部か ら,Tr
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群集産出層準中部 までの屑準には,暖流系種 Gl
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rが塵す る(
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7). このことか らは,嘘流系貝化石群集 Tugu
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I群集 は もとより,
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Ⅰ
群集や Cl
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a群集産 出層準最上部 は暖流系貝化石が 出現 し始め る層準である.
分かる.Cl
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l
したが って,この層準はまさに寒暖種の交代の時期に相 当す るのだろ う.これに対 して,Tr
I群集産出層準では対馬海流が流入 している水深1
0
0
m の海底に,寒流系の貝化石 が姿 を現すのであ
I
る.寛は, このような状況は現在の 日本海にも見 られ る.相馬海流の流れ る海域 で も水深 1
5
0-1
6
0
m
を越えると寒流系の底生生物種が出現す るのであ る (
西札
1
9
7
3;尾 形, 1
9
7
2
)
. これ は対 馬海流の
5
0-1
6
0
m 程度であ り, それ以深は冷たい中層水の世 界 とな るため であ る.お そ ら くは,海
厚 さが1
水準の上昇量に対馬海流の厚さの増加が追いつかなか ったため,対馬海流 の下 限が 当時 の夕 日寺地域
の深度 よ1
りも浅い ところに位置 し,その結果Tr
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Ⅰ
群集に含まれ る寒流系種 が現れ たのだろう.
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の堆積サイクル
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夕日寺の堆積サイクル 2)の岩相,貝化石群集,噴流系浮遊性
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(
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) タイプ 2の堆積サイクルは,典型的 な ものでは,岩相 が下位 よ り,貝化石密集層,淘汰の良
い細粒砂岩,泥がちな極細粒∼細粒砂岩,淘汰の良 い細粒砂岩 の順 に重 なる (
図 8)・密集層の基底
は侵食面である.堆積サイクル内の貝化石群は,寒流系群集か ら暖流系群 集あ るいは Tr
a
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s
i
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i
o
na
l群
.層厚は 5-1
2m である.大桑層 中部の堆積サ イク
集- と変遷 し,寒流系群集が再 び現れる (
図 8)
0
,l
l
,夕 日寺の堆積サ イクル 3, 4が属す る (
図 5,図 9)
.
ル 1, 5, 6, 8, 9,1
(
3) タイプ 3の堆積サ イクルは,岩相が下位 よ り,貝化石密集層,淘汰の良い細粒砂岩,泥がち
な極細粒∼細粒砂岩の順に重なる (
図1
0
)
.密集層の基底は侵 食面 である. この堆積 サ イクル内の貝
化石群は,寒流系群集か ら暖流系群集- と変遷 し,上位の堆積サ イクル基底の貝化石密集層で寒流系
0)
.大桑層中部の堆積サ イクル 2, 3, 4, 7が このタイプに属す る(
図 5).
群集が再び現れる (
図1
堆積サイクル 2 (
層厚 7m) を除 くと層厚は約 2- 4m である.
なお,私は模式露頭の堆積サイクル 2において,浮遊性有孔虫群集の解析 を行 っている.その結果,
Cl
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a群集産 出層準上部 か らサ イクルの最 上部 まで暖流 系稚 Gl
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b
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rが産す ることが明 らか となった (
図1
0
)
.
図1
1では DSIにあたる).層厚は約5
0
m.
(
4
) タイプ 4は,大桑層上部の堆積サイクル Ⅰである(
岩相は下位 より,貝化石密集層,泥が ちな極細粒 一細粒砂 岩 (
内側陸棚),分級の良い細粒砂岩 (
下
部外浜)
,襟 を含む中粒砂岩 (
中部外浜)
,分級の良 い粗粒砂岩 (
上部外浜)の川
酎こ誼なる (
図1
1
)
.
この堆積サイクル内の貝化石群は,貝化石密集層,泥がちな梅細粒 ∼細粒砂岩 と磯 を含む 中粒砂岩に
見 られるが,中粒砂岩 中の貝化石 は印象化石 となってお り同定で きない.下位の 2つの岩相 中 では,
a
ns
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i
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na
l群集- と変遷 し,寒流系群 基が再 び現れ る (
図1
1
)
.
上位 に向か って,寒流系群集か ら Tr
このタイプの堆積サイクルは,富山県小矢部市八溝田付近に分布 す る大桑屑 に も見 られる(
古屋ほか,
1
9
9
0
)
.
Ⅰである(
図1
1では DSI
Iにあたる).層厚は約 5
5
m.
(
5
) タイプ 5は,大桑層上部の堆積サ イクルⅠ
岩相 は下位 より,砂岩層 とシル ト岩層 との互層 (
後背湿地)
,細粒砂岩 (
内側陸棚)
,分級の良い細粒
砂岩 (
下部外浜)
,磯 を含む中粒砂岩 (
中部外浜)
,斜交層理 を示す砂岩層 と塊状砂岩層 との互層 (
中
1
)
.堆積サ イクル内の貝化石群 は,細粒砂岩 に虚 し,上位 に向か って内
部外浜)の順 に重なる (
図1
湾群集,暖流系群集,寒流系群集へ と変遷す る (
図1
2)
.
(
6
) タイプ 6は,大桑層上部の堆積サイ クルI
I
I
である(
図1
1では DSI
I
I
にあたる).層厚は約 5m.
岩相は下位 より,砂岩層 と泥岩層 との互層 (
内側 陸棚)
,分級の良い細粒砂岩 (
下部外浜)の順に重
1
)
.この堆積サイクルは貝化石 を産 しない.
なる (
図1
1
9
9
4
)にあ る.
タイプ 4, 5, 6の各署相 と堆積環境の詳 しい記載は北村 (
大桑層の堆積サイクルのモデル
以上に述べ た 6つの タイプの堆積サイクルにワル ターの法則 を適用 して,大桑層の堆槽サイクルの
モデルを作成す る.ワルターの法則 とは, 「
垂直的な岩相変化 は元来 その変化の順序 で水平的に配置
勘米良ほか, 1
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). また, ここで言 う堆積サ
した堆積環境の違いに よって生成 した ものである」 (
イクルのモデルは,海岸線に直交す る地層断面に岩相 と貝化石群集 を記 したものであ る. そこで, ま
ず上記の堆積サ イクル を水平配列 させ るため,各堆積サイクルが仮 に同一 の氷期 -間氷期サイクルの
もとで形成 された場合の堆積深度の関係 を検討す る(
実は,タイプ 6を除 く堆積サ イクルに関 しては,
タイプ 1か ら 5-向か って深度は浅 くなるように番号 を付 した).
タイプ 1, 2, 3は,貝化石密集層を除けば,斜交層理 などの初生の物理的堆積構造のない岩相か
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タイプ 4, 5・ 6の堆積サイクル (
模式露頭の大桑層上部の堆積サイクル)の岩相,則 ヒ
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を修正.
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石群集か
ら
推定
した海中気候・ならびにシーケンス層序学
に基づ く堆構体の区分.北村
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ら構成 され,含泥率 も 5%を越 える. これ らの ことか ら, 3つ の堆積サ イ クルは静穏時の波浪限界以
保 で堆積 した と解 釈 され る. そ して,貝化 石 群 は 内湾種 (
例 えば,Pa
phi
aundul
at
aや Ra
e
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c
h
e
l
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) を含 まず, 外洋性種 か ら構成 され るの でL
, これ らの堆積サ イ クルは外洋 に画 した海域 で
0
m である (
斉 藤,1
9
8
8
)
.それ
堆積 した と考 えられ る. この よ うな海域 での静穏時 の波浪限界は約 2
0
m よ りも深 い ところで堆積 した と解釈 され る. これは,現生
ゆ え, 貝化石密集 層 を除 く部分 は約 2
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一
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I
図 1
2
タイプ 5 (
堆 積サ イ クル Ⅰ
Ⅰ
)の堆 積相 1内の貝化 石群集 の層 位分 布 . (1):Ra
e
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O
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c
oma群集 (
内湾群集)
(2):Mac
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ma-Sa
c
c
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a群集 (
暖流系上部浅海帯群集)
(3):Pe
r
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a群集 (
寒流系上部浅海帯群集).
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2
2
9
種の水深分布か ら推定 した貝化石群集の生息深度か らも支持 され る.
ところで,寒流系貝化石群集か ら暖流系貝化石群集-の変遷パ ター ンに注 目す ると, タイプ 2と3
は基本的に同 じだが, それ らとタイプ 1の異なるこ とが分か る.前者 は寒流系群集 Cl
i
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Z群集か ら Tu
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ma群集- と変遷 し,次いで Tu
gur
i
u
mPa
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I
群集が現れる (
図 8,図1
0)
.一方,後者では, あたか も Tu
gur
i
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phi
aI群集あるい
c
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ama群集 を とば して, Cl
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a群 集 か ら Tu
gur
i
um-Pa
phi
aI
I
群集へ
は Cy
. この変遷パ ター ンの違 いは, タイプ 1の堆積サ イ クルの堆積深度が他 の堆積サ
と変遷する (
図 7)
イクルよりも深かったことに起因す る.その理由は次の通 りであ る.
現生種の生息深度に基づ くと, Tu
gur
i
um一物 hi
aI
I
群集の生 息深度は, Tu
gur
i
um-Pa
phi
aI群
集 よりも深い.そして凝灰岩層 04の層位 を見ると,模式露頭では Tu
gur
i
um-Pa
phi
aI
I
群集産出層
準の基底にあ り,夕 日寺では Tu
gur
i
um-Pa
phi
aI
I
群 集産 出層準の中位 にあ る (
図 7,図1
0
)
. よっ
て,夕 日寺のほうが模式露頭 よ り探か ったことは確実である.夕 日寺のほ うが深か ったため,海底が
暖流の影響に入った時に現れた貝化石群集に上記の ような違 いが現れたのである.以上のことか ら,
タイプ 2と 3の沖合いにタイプ 1を配す る (
図1
3-a)
.
タイプ 2と3の違いは,前者は堆積サ イクルの最上部に寒流系貝化石群集が現れるの対 して,後者
では現れないことである.後者の堆構サイクル上部 で寒流系貝化石群集が現れないのは,次の堆積サ
イクルが堆棟するまでに,寒流系群集の産出層準が侵食されて しまったためである.要す るに, タイ
プ 2と3の違いは,堆積後被 った侵食の程度の違 いによる.後述す るが,堆積サ イクル基底の侵食面
は,海水準の低下速度が貴大の時に起 こる侵食 と, その後の海進 に伴 う外浜侵 食によってつ くられた
ものである.そして,侵食畳の大 きい方が,沖合 いでは陸側にあ り,沿岸域 では海側 にある (
図1
4)
.
また沿岸域で侵食を受ける場所は,海水準低下期 には陸上 となっている. タイプ 2と 3の堆横サイク
ルには陸化 した証拠がないので,両堆積サイクルは ともに海水準低位期 に侵 食作用が及ぶ海底に堆積
図1
3-a)
.
したもので,侵食量の差 より, タイプ 3の方が陸側 に位置す ると解釈 され る (
タイ70
4, 5には, タイプ 1, 2, 3に見 られ ない陸上や外浜の堆積物 が見 られ る (
図1
1
)
. した
がって,タイプ 4, 5とタイプ 1, 2, 3の岩相 の違 いは,前者 の堆積深度が浅かったことによると
考えてよい.それゆえ, タイプ 4と 5の堆積サイ クルをタイプ 1, 2, 3よ りも陸側 に配列する (
図
1
3-a
)
.また, タイプ 4と 5に関 しては,暖流系群 集 の出現層準 をもとに, タイプ 5を 4よりも陸
3-a
)
.その理由は以下の通 りであ る.暖流系群 集 の出現層準 は, タイプ 4の
側に配置させ た (
図1
0
c
m上位 に位置す るのに対 して, タイプ 5ではそれ を認定できない (
図
堆積サイクルでは基底 より5
1
2
)
.タイプ 5で認定できないのは,堆積サイクルの堆積場が 日本海に暖流系群集が出現 した時にはま
だ陸上にあ り,海面下に沈んだ時には,すでに対馬海流が流入 していたか らである. この場合,仮に
タイプ 4と 5の堆積サ イクルが同一時期の海水準変動下で堆積 した もの として,暖流系群集の出現期
の海水準を基準にとると,タイプ 4の堆構深度はタイプ 5よ りも深いこ とになる.つ まり, タイプ 5
は 4よりも陸側に位置す るはずの堆積サイクル とい うわけである.
タイプ 6の堆積サイクルの下半部は内側陸棚に堆積 した もの と解釈 され る.砂岩層に挟 まれる泥岩
層 を堆積 しうる場所は,静穏時の波浪限界水深以深である.しか も,スウェール状斜交層理や波長 1m
の大型ウェーブ リップルの存在は,この水域が外洋に面
していたことを示唆す る.なぜ ならば,この
∫
ような長波長の堆積構造の形成には十分 な吹送距髄 が必要であるか らだ. よって, タイプ 6の堆積サ
イクルの下半部 は,水深 2
0
m 以深の内側陸棚堆積物 と解釈 され る. ところで,他 の堆積サ イクルも
内側陸棚で堆積 したものだが, タイプ 6の下草部の ような岩相 を示 さない. この相違 は,堆積物の供
2
30
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図 1
3
大桑層の堆積シーケンス と日本海深海の明暗層における岩相,噴流系の貝化石の出現 ・消
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3 滅層準,最大海成氾ラ
Su
監面,堆構体,シーケ
ンス境界の空間分布.
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e
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イクル とは堆稗環
境が根本的に異なる可能性があるので,
や生物活動の程度に差があったため タイプ
と考えられる.いずれにせ
よ,他の堆積サイクル
6の堆積サイクルを以下の堆積サ
大桑層の堆積サイクルのシーケンス層序学的解析
大桑層の堆積サイクルは,氷河性海水準変動に伴 う 1回の海進 と海退に形成 された ものである (
北
9
9
4:Ki
t
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rae
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l
‥1
9
9
4
)
. このような海進海退現象によって形成 された堆積サイクルを理解
村,1
す るには, シーケンス層序学の概念 (
e
.
g.
,Ⅴa
i1
,e
tal.,1
9
9
1
)が極めて役立つ. この概念は近年構築
されたものであ り,今 日では多 くの研究者が地層解析にシーケンス層序学の概念 を用 いている.本論
で も, このシーケンス層序学の概念 を適用 して,大桑層の堆積サ イクルの形成 メカニズム を記す こと
とす る.なお, シー ケンス層序学 に関す る 日本語 の まとまった解 説 として,堆積 学研 究会報特集
「
se
que
nc
es
t
r
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i
g
r
a
phy」(
1
9
9
2)
,石油技術協会誌特集 「シーケンス層停学- その可能性 を求めて」
(
1
9
9
4)
,地質学論集 「シーケンス層序学一新 しい地層観 を目指 して- 」(
1
99
5
)がある.
1.堆積シーケンス ・シーケンス境界
シー ケ ンス層序 学 で は, 1回の 海 進 海 退 現 象 に伴 って形 成 され た 地 層 を堆 稗 シー ケ ンス
(
de
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ls
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e
) という (
e.
g.Ⅴa
ile
tal
.
,1
9
9
1
)
. したがって,大桑層の堆横サ イクルは堆
積 シーケンスである. 1つの堆積 シーケンスは, 3枚の侵食面を持つ.その うちの 2枚は各堆横 シー
ケンスの上限 と下限の境界をなすシーケンス境界 (
s
e
que
nc
ebo
unda
ry)であ り,残 る 1枚はラビー
r
a
vi
ne
me
nts
ur
f
ac
e)である. シーケンス境界は,相対的海水準の低下速度の澱速期に
ンメン ト面 (
Br
uun,
形成される侵食面である.一方,ラビー ンメン ト面は,海進時の外浜侵食に よって作 られる (
1
9
6
2
)
.外浜侵食 とは,海進に伴 って地形平衡 断面が復唱す るために生 じる海底侵 食作用 で,その牽
0
m である (
Sa
it
o
,1
9
9
1
)
.浅海城では,多 くの場合, シーケンス境界 とラビー ンメン ト
大深度は約4
面は一致する.それは,浅海では海水準最低位期の堆積物が,その後の外浜侵 食によって削刺 されて
しまい,その結果ラビー ンメン ト面 とシーケンス境界 とが融合 して しまうか らだ.大桑層の堆稗サイ
5以外の堆積 シーケンスでは, シーケンス境界 とラビー ンメン ト面が一致 し,負
クルのうち, タイ70
化石密集層直下の侵食面がそれにあたる.
タイプ 1-4の堆積 シーケンス基底の密集層は,そこが堆積 シーケンス形成時に最 も浅かったこと
を物語 る.その理由は以下の通 りである.密集層の構成粒子は,堆積 シー ケンス中で最 も粗粒 であ
り,そのような粗粒物の濃集には強い流水エネルギーが必要である.貝化石群集に基づ くと,タイプ
1-4の堆積 シーケンスは外洋に面 した内側陸棚 に堆積 したものであ り, このような環境下では一般
に水深の減少に伴 って流水エネルギーは増大す る. よって,密集層は堆積 シーケンス形成期間の海水
準低位期に堆積 した と解釈 される. また,貝化石群集の変遷は,密集層が海水準上昇期の開始期に位
置する. これ らのことを考え合わせ,私は貝化石密集層直下の侵食面にシー ケンス境界 とラビー ンメ
ン ト面 を設定 した (
図1
3-a)(
北札
1
9
9
4
)
. また,堆積 シー ケンス基底の 貝化石密集層は,海進 ラ
グ堆積物 (
外浜侵食によって堆積物中か ら洗 い出された粗粒物質のこと)である.
タイプ 5の堆積 シーケンスには, 3枚の侵 食面があ り,その最下位 と黄上位の ものがシーケンス境
1
)
.下位のシー ケンス境界は,上部外浜堆積物 と後背湿地堆積物 を分かつ地層
界 と見なされ る (
図1
境界面である・現世の堆積環境 を見 ると,上部外浜 と後背湿地の間には,前浜,後浜,砂丘が存在 し
ている・ それゆえ,上部外浜堆積物の直上に後背湿地堆積物が重なることは,それ らの間にあった前
浜や後浜の堆積物が削 られてしまったことを示唆す る・ よって,後背湿地堆積物の下面は侵食面であ
り, しか もその直上 は陸成層だか ら侵食面は陸上で形成されたと考 えられる. これ らのこ とか ら,私
1
)(
北村,1
9
9
4
)
.海水準の低下 に伴 って, この地域
はこの侵食面 をシー ケンス境界 と見な した (
図1
は陸上に露出 し,侵食されたのである・なお, このシーケンス境界直下の上部外浜堆積物は下位の同
2
3
2
堆積物 よりも固結 してお り,その堆積物粒子の外縁 には赤色の膜が形成 されている.おそ らく, ここ
は陸化 した時の風化 に よって堆積物が変質 した部分 なのだろう.
図1
1
)
.こ
タイプ 5の堆積 シー ケンスでは,後背湿地堆積物 の上 に内側 陸棚堆積物が直接重 なる (
こで も,前浜や後浜堆積物 が欠落 してお り,両堆積物 の境 界面が侵 食面であることは確実 である. こ
こでの場合には,海成層が 累垂す るこ とか ら (
つ ま り海進)
, この侵 食面 はラビー ンメン ト面 と解釈
され る (
図1
1
)
.
ところで,時間面Tlとラビー ンメン ト面 との層位関係が, タイプ 1- 4と 5では異なっているこ
とが分 かる (
図1
3-a
).す なわち,前者ではラビー ンメン ト面の上位に Tlが位 置す るのに対 して,
ン ト面の形成時期が陸
後者では T lはラビー ンメン ト面 よ りも下位 にある. この相違 は, ラビー ンメ■
側 ほ ど遅 くなるこ とに起 因す る.海進現象は陸側ほ ど遅れ るので, ラビー ンメン ト面の形成時期 も陸
3-b
)
.地層の解析 において, ラビー ンメン ト面が時間面に斜交す るこ と
側 ほ ど遅いのであ る (
図1
Va
i
l
,
e
t
a
l
.
,1
9
91
)
. なお, シーケン ス境 界は同時間面であ る (
Ⅴa
i1
,
e
i
a
l
.
,1
9
9
の認識は重要 である (
1).
2.堆積体
LST:
シー ケンス層序学 では,海水準変動の期間に基づ き,堆槽 シー ケンス内を低醇水準期堆機体 (
l
ows
t
a
nds
ys
t
e
mst
r
act
)
, 梅迫湖堆械体 (
TS
T:t
r
ans
gr
e
s
s
i
ves
ys
t
e
mst
r
a
c
t
)
,縮 瞳水準期堆臓体
e.
g.
,
Va
i
le
t
a
l
.
,1
991
). それぞれの堆構体の境抑 ま,
(
HST:h
i
hs
g
t
a
nds
ys
t
e
mst
r
ac
t
)に区分す る (
LST と TSTの境 界 は梅適 所 (
t
r
a
ns
ge
r
s
s
i
ve s
u
r
f
ace) で,TS
T とHSTの境 界 は酸大晦成 氾 濫面
(
maxi
mum f
l
o
o
di
ngs
ur
f
ac
e) である.海進蘭は海退か ら海進 に移 るときの堆欄面で,海進面の上下
では上位の地層のほ うが堆碩深度が深い. そ して,すでに述べ たように,浅海城 ではシーケンス境界
とラビーンメン ト面 は-致 して しまうことが 多い.大桑屑のタイプ 1- 4の堆棟 シーケンスで も, こ
れ らの 3つの表面 (
s
ur
f
ac
e)は一致す る. その ため, これ らの堆稗 シー ケンスには,低海水準期堆
構体 が ないこ とに な る.一方, タイプ 5の堆横 シー ケンスでは, シー ケンス境 界の約 1
0m 上位 にラ
ビー ンメン ト面が あ る. このよ うな場合,海進画は シーケンス境界 よ りも上位 に, ラビー ンメン ト面
よ りも下位に位置す る. だが, ここの岩相 は後背湿地堆積物であ り,海水準変動 の証拠はない.そこ
で,便宜上 シーケンス境 界 とラビー ンメン ト面の中位 に海進面 を設定 し, それ よ り下位 を低海水準期
堆積体 とした.
海進期堆積体 と高海水準期堆構体 との境界の澱大海成氾濫面は,一般的に非常 に遅 い堆横速度のた
Va
i
le
ta
l
.
,1
9
91
)
. コンデン
め に形成 され るコンデ ンス ・セ クションの上面 もし くは下面に生 じる (
ス ・セ クションは,腐生 ・浮遊性生物化石,海緑石 ・燐灰岩な どの 自生鉱物の浪轟や生物種の偉大 多
Baum & Va
i1
,1
9
8
8;Ⅴa
i1e
ta
l
.1991).世 界各地の第四系か ら,氷河
様性 な どで特徴づ け られ る (
性海水準変動 に起 因す る堆積 シー ケンスが報告 されているが,私の知 る限 り上記の特徴 を持つ狭義の
コンデ ンス ・セ クシ ョンを観察 で きるのは,ニュー ジーラン ド北島ワンガヌイ湾の堆積 シーケンスだ
けであ る (
Abo
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,1
9
94
)
.狭義の コンデ ンス ・セ クションは観察で きない上絵層群 では,
上下 の地層 よ りも細粒 で,生物擾乱の著 しい泥質堆積物 をコンデ ンス ・セ クション としている(
伊藤,
1
992;I
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ha
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a,1
994
)
.
大桑層でもやは りコンデ ンス ・セ クションを観察 で きない. そのため, これ まで私 は,
最大海成氾濫
面 を暖流系群集の産 出層準 の中央 に設定 していた (
北村,1
9
94
)
. 1つの堆積 シー ケンスの暖流系群
集が上部浅海帯群集 と下部浅海帯群集に分かれ る場合 には,後者の産出層準の中央に設定 した.暖流
2
3
3
系種の産出はそこが間氷期であることを意味す るか ら,少 な くともその産出層準内で海水準が最高 と
なったことは間違いない と考 えて, その中央に最大海成氾濫面 を設定 したのである. この設定の妥当
性 を検証すべ く,私はタイプ 2と 3の堆積 シーケンスにおいて,砂サ イズの堆積物粒子の組成 を検討
した.その結果, 1つの堆積 シーケンスにおいて,海緑石粒子の含有率 も,生物骨格粒子 (
浮遊性 ・
0
% まで変化 しているこ とが分 か った (
図 8,図
底生有孔虫殻+その他)の含有率 も, ともに数%-2
1
0上 しか も,両粒子の増減パター ンは基本的に同様 の傾 向 を示 し, 貝化石 密集層 を覆 う淘汰の良い
細粒砂岩では含有率は低 く,暖流系貝化石群集の産 出屑準で高い値 をとる. だが, それ らの含有率の
最大 ピー クは,最大水深 を示唆す る貝化石群集の産 出屑準 内にあ るわけではな く, また含泥率の帝大
ピー クとは明 らかにずれる.それゆえ,最大梅成氾濫面 は暖流系群集の産出層準内にあることは間違
いないが,詳細な層準の位置付けはむずか しいこ とが分 かった. また大桑層の堆積 シーケンスに関 し
ては,上絵層群のような手法一堆積物の粒度組成か ら最大海成氾濫面 を設定一 を適用 できないことも
明 らか となった. このことは,タイプ 1の堆積 シー ケンスにつ いて もあては まりそ うである.堆積物
1
9
9
2
)や I
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ha
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a(
1
99
4
)の基準 に従.
えば, タイプ 1の堆
粒子の検討は行 っていないが,伊藤 (
積 シーケンスでは最大海成氾濫面は生痕化石の発達 したシル ト岩層に設定 される. なぜ ならば,この
地層が最 も細粒であ りしか も生痕化石が顕著 に発達 してお り, これ らの特徴 はまさに彼 らの貰 う澱大
海成氾濫面その ものなのだか ら.だが,浮遊性有孔虫の解析結果 は意外な事英 を示す.下位の層準か
らシル ト岩層に向かって暖洗系種の 占有率 は徐々に低下 し, そこではわずか 1%になって しまうのだ
.暖流系浮遊性有孔虫種の 占有率が氷河性海水準変動の インデ ィケー ター として どの くらい
(
図 7)
有効かは明 らかではないが,その変化パ ター ンは とて も生痕化石 の発達 したシル ト岩層が澱大海成氾
濫面であることを支持するようには思 えない.いずれにせ よ, タイプ 1の堆碑 シーケンスの堆横物粒
子の解析が必要なのだが, どうも大桑層の堆棟 シー ケ ンスの発達様式は上総層群 のそれ とは異なるよ
うに思える.
結局,大桑層の堆積 シーケンスに関 しては,現状 では最大梅成氾濫面の位 置決定 はできない.そこ
で, タイプ 2-5の堆積 シーケンスでは従来 どお り暖流系群集の産 出層準の中央に設定 し, タイプ 1
の堆積 シーケンスでは暖流系群集 とTr
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lI
I群集の産 出層準の境界に置 くこ ととし, これをも
って海進期堆積体 と高海水準期堆積体 を区分す る (
図1
3
)
. もちろん, これ は暫定的な ものである.
大桑層の堆積 シーケンスの形成過程
以上に述べた内容 をまとめて,大桑層の堆積 シー ケンスの形成過程 を氷河性海水準変動や生物相の
変遷 と関連づけて以下に記す.
5- 1).陸側の堆積盆 (タイプ 5)は陸化
氷期の最盛期 に向かって,海水準 は低下 し続け る (
図1
し,そこでは侵 食面が形成 された.沖合い側 (
タイプ 1- 4)で も海水準の低下 に伴 う流水エネルギ
ーの増加 によって浅海底で侵食が起 こる.こうしてシーケンス境 界が作 られ る. この時期 は寒流系生
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)
,
ビノス
物群が 日本海全域に分布 していた.浅海域には,アラスジサ ラガ イ (
ガイ (
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,
エゾタマ キガイ (
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)が生息 していた.対馬海流
が流入 しなかったため,氷期の 日本海の垂直循環 は弱 く
,
そのため深海底 は還元環境 とな り,暗色層
が堆積 した.
やがて,海水準が上昇 し始め る (
図1
5-2).それに伴い水深40
m 付近 までの海底 (タイプ 1-4)
は外浜浸食を被 り,氷期の海水準低位期に生息 していた貝化石 な どの生物遺骸が海底上に洗い出され
る. こうして貝化石密集層が形成 された.その後の海水準の上昇 に伴 い,密集層 は淘汰の良い細粒砂
2
3
4
に覆われ,それをさらに泥が ちな細粒砂 ∼極細粒砂が覆 う.陸域 (
タイプ 5)は後背湿地 となってお
り,そこでは象や鹿が群 れ をな していただろう. この時期 には対馬海流は流れ込 んでいないので,莱
Fe
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a)が生息 し,
流系種が生息 していた. 淘汰の良い細粒砂 には多数の二枚 貝ウソシジ ミ (
Cl
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m)
,
その後の底質の泥質化 に伴 いウソシジ ミに替 って, オンマ イシカゲガ イ (
サ インュウキ ]
)ガイダマ ン (
Tur
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)や フ
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)が現われ る. この時期 も日本海深海は還元環境 であ り,暗色層が堆
リソデガイ (
積 した.
さらに,海水準が上昇 し,つ いに対 馬海流が 日本海 に流入,暖流系貝化石群集が 日本海に侵入 した
(
時間面 Tl)個 1
5- 3)
. この時に現われ る貝化石群集の構成種 は水深 によって異なる (もちろん
底質の状態 も影響す るが)
.浅い ところ (
タイプ 2- 4) では, キヌガサガイ (
Tu
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i
m)
や オオスダレガイ (
Pa
phi
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na)や シオガマガイ (
Cyc
l
a
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c
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mac
umi
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gi
i
)が現 われ, より
深い ところ(タイプ 1)では,これ らの貝類に加 えて下部浅海帯 を特徴づけ るベニ グ リガイ (
Gl
yG
y
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unda)やナ ミジワシラスナガ イ (
Li
mo
ps
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a)などが現われ る.これ らの貝化石群集 は,
No
buha
r
a,1993)
.つ ま り,1
0
0
万年 前か らすでに間
後期鮮新 ∼前期更新統掛川層群 に も見 られ る (
氷期 には, 日本海の対 馬海流流入域 と太平洋側の黒潮 流入城は同 じ生物地理区にあったのだ. さて,
対馬海流の流入は深海底の環境 も激変 させ た.対馬海流が 日本海固有水に変質 し, それが 日本海深海
底 に多量の溶存酸素 を送 り込み,海底 を週元環境か ら酸化環境へ と変化 させたのだ. これによ り,明
色層の堆横が始 ま り, また炭酸塩補償深度 (
CCD) も上昇 した. この解釈が正 しい とす ると,時間
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.
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9
91;CCDの上昇によ
面 T lは,深海底 では明色層の基底 ならびに d
って作 られる石灰質堆横物 の鹿 しない層準の基底)に連続す る と考え られる (
図1
5- 3)
.
海水準は上昇 し統け, よ うや くタイプ 5の地点 も海面下 に没す る (
図1
5- 4)
.その際,そこは外
浜浸食 を受け, ラビー ンメン ト面がで きる.その後,一時的に内湾が形成 された ものの, 引き続 く海
水準上昇によ り外洋に画 した浅海 となった.やがて,海水準の貴 高位期が訪れる.沖合い (
タイプ 1)
では,水深の増加 に伴 って貝化石群集が変化す る. タイプ 2と 3の海域では,暖流系上郡浅海帯群集
か ら暖流系下部浅海帯群集へ と変遷す る. よ り沖合 いでは,海水準の上昇量が対 馬海流の厚さの増加
Pmil
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ma pl
a
ne
)に混 じって寒流系種の
分 を上 回ったため,暖流系種の l
)ユウグウオ トヒメガ イ (
オンマ イシカゲガイやサ イシュウキ リガイデマ シが現 われ る. これ らの寒流系種 は,間氷期に も対馬
海流下 の冷水域に生息 していたのであ る. この時期の深海底 では,表層か ら生物遺骸の継続的供給に
4
図 1
1
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C
大桑層堆積盆における氷河性海水準変動に伴
ha
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う浅海環境
と貝化石群集の変遷の復元.
1
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よって,CC
Dが低下 し,石灰質粒子 を含む明色層の堆積領域が深海へ と拡大 した と推定 される.
その後,海水準が下が り始め,やがて対馬海流の流入が停止す る (
時間面 T2)(
図1
5- 5).寒冷
化は暖流系種 の死滅 を招 き,そのニ ッチを寒流系種が置換 した. タイプ 1・2 ・3 ・4の堆積海域で
は, オンマイシカゲガイ,サインュウキ リガイダマ シ, キララガイや フ リソデガイが現われ, より浅
港 (
タイプ 5)ではア ラスジサ ラガイや ビノスガイや エゾタマ キガ イが現われた.対 馬海流の流入の
停止に よ り,深海底に供給 され る溶存酸素畳は徐々に減少 し,海底 はやがて還元環境へ と変わった.
対馬海流の停 止期 と深海底 の還 元環境-の移行期 には 多少のタイムラグがあるだろ うか ら,時間面 T
2は明色層の最上部付近 に位置す るこ ととなろ う (
図1
3
b).
海水準がさらに低下す ると,浅 い海域 (
タイプ 4・5) は暴風型陸棚 とな り,平行層理や- ンモッ
ク状斜交層理 の発達 した細粒砂 が堆積す る (
図1
5- 5).さらに浅 くなると沿岸流の影響 を受け る外浜
か ら前浜 とな り,後浜 までに至 ったであろ う.外浜には魅粒砂や 中粗砂が堆積 し,海底には海岸線 と
平行 な クレス トを持つ砂粒が発達 した.前浜には海岸に緩 く傾斜 した平行層理 を持 つ淘汰の非常に良
い堆稗物がたまったであろ う.沖合 い (
タイプ 2 ・3)では淘汰の良い細粒砂が堆積 し, そこには し
ば しば暴風時の暴狼が粗粒堆積物 を遊び込んだ.深海 では引 き続 き暗色層が堆積 した.
やがて,海水準の敢低期 になる(
図1
5- 1)
.陸城,浅海域 ともに浸食作用 を被 る. この作用によっ
て堆積 シーケンスの上位 の シ- ケンス境界が作 られ る.浸食作用の程度の大 きい場所では,寒流系群
集の産 出層準 を越 えて, その下位 の暖流系群集の産 出層準 まで削 り込む (タイプ 3)
.場所によって
は, 暖流系群集の産 出屑準 よ り下位 まで削 られ るこ ともあるだ ろう (
図1
3
b). この場所の堆横 シ-ケ
ンスには寒流系群集だけ度 し,堆横 シーケンス形成時に現 われ たはずの暖流系群集 は,上位の堆横 シ
ーケンス最下部の貝化石密集層 内に鹿す るこ とにな る.
この ような過程 を経 て,大桑層の堆横 シーケンスが形成 きれ たのである.そ してこれ らの堆碩 シ-
m で, その周期 は 4
.
1万年 であ り, シー ケンス層序学的
ケンス を作 った海水準変動 は変動幅が約70
概念に従 えば,第 5オー ダーの堆稗 シーケンスに区分 され る (
Va
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le
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.
,1
9
9
1)
.
堆積シーケンスの累重様式か ら見た堆積盆の進化
以上 に述べ た大桑層の堆積 シー ケンスは,卯炭山層 と複合 して, よ り形成期 間の長い堆積 シーケン
6
).大桑層 と卯辰 山層の堆積 時代 に基づ くと, この堆積 シーケンスの形成期
スを構成 している (
図1
間は1
.6Maか ら0
.
6Maの約1
00万年 間 とな り (
卯辰 山層の上 限年代 はそれ を覆 う戸室山火山岩源 の
K-Ar年代 (
Shi
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ya;1
9
93
) に基づ く),第 3オー ダーの堆積 シ-ケンスに区分 され る.食
後に, この第 3オー ダーの堆積 シーケンス と, それか ら読み取 った堆横盆の進化について述べ る.
大桑層の堆積開始は海進 を意味す る. この海進は少 な くとも大桑屑下部堆積期間持続 した と思われ
る. なぜならば,海成層のオンラップは海進現象の直接的な証拠であ り,大桑層下部では同層が下位
on
l
a
p) しているか らであ る (
田中, 1
9
7
0)
. これに対 して,大桑層 中部の堆積
の地層にオンラップ (
シーケ ンスにおいては, それ らを構成す る岩相や貝化石群集の変遷パ ター ンに堆積 シーケ ンス間での
重大 な相違は認め られない. この こ とは,大桑層中部 では,堆横速度 と堆積盆の沈降速度が釣 り合 っ
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gg
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ada
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i
o
na
l)の
ていたことを意味す る. シー ケ ンス層序学 では, この よ うな累重様 式 を累積性 (
累重様式 とい う. この場合,平均的な海岸線の位置 (
氷河性海水準変動に よる海岸線の移動 を差 し引
6
). そ して,大桑層 中部か ら上部 を見 る と,上方 に向か って,堆構 シ
いた もの)は変動 しない (
図1
ーケ ンスが浅海化
)
. この ような累重様 式 を前進性
粗粒化,厚層化 す るこ とが分か る (
図 3,図11
(
pr
o
gr
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i
o
na
l)の累重様式 とい う (
図1
6
)
. この累重様式は,堆積速度が堆積盆 の沈降速度 を上 回
2
3
7
り,その場
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図 1
7
大桑層 と卯辰 山層の堆積時の堆積
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1
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速度
と沈降速度.
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期ではその逆 となる.
そ して,大桑層下部,上部,卯 辰山層 内での堆横深度の変化
程 と見積 もれ るので,各期間の沈降速度は,大桑層下部 ・上部 では 4
5
c
m/1
0
00
年, はせ いぜ い2
0
m
c
m/1
0
0
0
年 と算出さ
卯辰山層では 6
5
以上のことか ら,大桑層
と
1
7)
.
山層か ら構成 される堆積 シー ケンスを生み出 した
れる (
図卯辰
海進は堆積盆の沈降に因 るものであ り,一方海退 は堆積盆の昇降運動の変換 (
沈降海進海退現象は,
するのではな く,堆欄物 の供給量の増加に起因す るこ とが分か る.つま り,大桑層か ら隆起)に起因
.
6Maに堆積 を開始 し, その後 lMaに起 きた砕暦物の大量供給によ り海 の堆積盆は,海進
に伴い1
かなるものであっ
山層の堆積終了をもって, その幕 を閉 じたのである.では, この海進海退現象はい退と転 じ,卯辰
佐藤 (
1
9
8
3)
は,金沢沖の震探記録 と孔井記録 との解析か ら,同海域では鮮新世
たかを考察す
る.
まったことを明らかに した. この海進が大桑層の堆積物 をもた らしたのである. そ後期 よ り海進の始
層の堆積開始の遅れは,金沢地域 の海抜が高か ったためである.同時期の海進 は 日して,海進 と大桑
e.
g.
, Oda
,1
9
77:Ta
kayama
,1
9
8
0
). よって, この海進の原因はか本列島各地 より報
告 されている (
与えたテクトニックイベ ン トによるこ
な り広域に影響 を
lMa以降の大量の砕原物の供給は何とは間違いない.
を意味す るのであろうか ? 大桑層の中部
境が変化するばか りでな く,堆積物の粒子組成にも違いが見 られる.例 えば,私の野 と上部 では堆積環
岩質の亜角
大桑層下中部に見 られ る磯 は花岡岩質の亜円磯であるのに対 して,上部の磯は火山外観察
によると,
る. この磯 の円磨度 の変化 は,砕原物 の供給源が堆積 盆に よ り近 い ところに代 わ った こ とを意味す
る. そ して,その磯種 に基づ くと, その供給源は医王 山丘陵 と考 え られ る. これ らの ことか ら,大量
の砕暦物の供給は, lMaに始 まった医王 山丘陵の隆起 した結果 と解 釈 され る. この医王 山丘陵の隆
起 は, この頃, 中部地方か ら近畿北西部 で起 きた南北性 の浪 曲運動 (
例 えば,藤 乱
1
9
8
5
)で生 じた
ものであろ う.これは,同地域の応力場が東西方向の圧縮場 に変換 したため で,その変換期 は約 1Ma
9
8
3
)
, まさに大桑層に記録 され た海退現象開始期 に一致す る.
とされてお り (
綱川 .竹 内,1
以上の ように,鮮新世後期 に始 まった海進 と, 1Ma以降の南北性 波曲運動 に伴 う後背地の隆起 し
たことによる大量の堆積物供給によって生 じた海退 に よ り,大桑層 と卯辰 山層か らな る第 3オーダー
の堆積 シー ケンスが生 まれた.そ して, この長期的な相対的海水準変動 と氷河性 海水準変動 とが重な
り合 って,大桑層の第 5オー ダーの堆積 シー ケンスが形成 されたのである.
ま と め
1.
大桑層 と卯辰 山層は 1つの堆積 シー ケンス としてみ なす ことが で きる. この堆積 シーケ
.
6Maか ら0
.
6Maの約 1
0
0
万年 間 で あ り, 第 3オー ダーの堆積 シー
ンスの形成期 問は,1
ケンスに区分 され る. また,大桑層下部 ・中部が海進期堆構体 に,大桑層上部 ・卯辰山層
が高海水準期堆積体に 区分 され る.
2. この第 3オー ダーの堆積 シー ケ ンスは,鮮新世 後期 に始 まった海進 と, 1Ma以降の医
王山丘陵の隆起が もた らした大童の堆積物供給 に よる海退 に よって, 形成 された.
3. 大桑層上部 ・中部は第 5オー ダーの堆積 シー ケ ンスの 累重か ら構成 され る. これ らの堆
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万年周期) と第 3オーダー
積 シー ケンスは,氷河性海水準変動 (
変動幅 が約 7
スケールの相対的海水準変動によって,形成 され た.
4. 大桑層上部 ・中部の第 5オー ダーの堆積 シー ケ ンスは, 6つ の タイプに区分 で きる. ま
た,それ らか ら堆積 シー ケンスのモデル を構築 した. そこには, 貝化石群集の変遷か ら認
定 した 2枚 の同時間面 を描 いた. この同時間面 は,世 界に例 を見 ない本邦第四紀の第 5オ
ー ダー堆積 シー ケンスの重要 な特徴 である.
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