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「どこでもMY病院」構想の具体的なイメージ

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「どこでもMY病院」構想の具体的なイメージ
資料5
「どこでもMY病院」構想の具体的なイメージ
「どこでもMY病院」構想の具体化について
「どこでもMY病院」構想の実現に当たり、情報提供を行う医療機関の協力を得る観点から、医療
機関のメリットが明確なものから実施すべきではないか。具体的には、①必要時に参考となる、個
人の医療健康情報を医師等へ提供する仕組みの活用、②生活習慣病などの慢性疾患の悪化抑
制に対して、個人の参画を含めた地域における取組への活用が重要ではないか。
医師・医療機関等
自らの健康管理に活用
個人・患者
治療を担当する医師へ提示
保健指導など
①必要時に参考となる医療情報を提示
救急や介護に役立つ現疾病、現在服薬し
ている薬剤情報や副作用情報など
患者の治療
の参考に
救急時に
保険者
保険者とのやりとり
②個人参加型疾病管理への活用
生活習慣病など慢性疾患の悪化防止に
役立つ検査・健診データ、自己測定バイ
タルデータなど
被保険者の
健康管理に
活用
介護機関へ提示
介護機関
介護の質を
高める情報と
して活用
1
「どこでもMY病院」構想の具体的なイメージ
「どこでもMY病院」構想の具体化に当たり、医療機関に対するメリットが明確な「電子
版「お薬手帳/カード」」や「個人参加型疾病管理への活用」等からサービスを開始する
のがよいのではないか。
薬局
第
期サービス
1
調剤情報
お薬手帳 または 調剤明細書
①電子版「お薬手帳/カード」(必要時に参考となる医療情報を提示)
・患者が服用している薬の内容を過去に処方された薬を含めて把握
することで、重複投与の防止やアレルギーへの注意喚起などの医療
安全の向上に資する。
病院・診療所
・患者が自分が受診した診療について日時、医療機関名等を把握す
ることで、問診時の参考とすることができる。
診療明細書
自宅
第
期サービス
2
健康情報(バイタル等)
健診機関
②個人参加型疾病管理への活用(例:電子版「糖尿病連携手帳/カード」)
・患者が、体重,血圧などを記録することで、医師は診療時に検査し
たデータだけではわからない患者の情報も診療に役立てることができ
る。
病院・診療所
・患者が記録した健康情報と診療時の検査情報がまとめて管理され
ていることで、病診連携など地域連携医療へ役立てることができる。
検査データ
・地域において、未受診の慢性疾患患者(例えば糖尿病患者)の掘り
起しのためのツールとして役立てることができる。
健診情報
2
「どこでもMY病院」構想 実現スケジュールイメージ
調剤情報をベースとした電子版「お薬手帳」と、検査データ、健診データ、健康データを用いた個人
参加型疾病管理のサービスなどを2013年~2014年以降から開始するのがよいのではないか。退院
時に入手可能な診療明細書を活用すると入院中の医療行為プロセスが記述された情報が得られること
から、医師の所見の追加を含めて、「本人提供用退院サマリ」の検討の中で診療明細書情報を取り上
げるのが一案ではないか。
2013年
調剤情報
2014年以降
電子版
「お薬手帳」
※診療明細書が保持する受診した医療機関名等の有用と
考えられる情報は、調剤情報にも含まれるため電子版お
薬手帳の記載内容として検討
診療明細書
退院時に入手できる
診療明細書
健診データ
※個人に提供する情報の範囲を含めて
今後慎重に検討
本人提供用
退院サマリ
検査データ
データ項目の具体化
/標準化を実施
個人参加型疾病
管理等への活用
(例:電子版「糖尿病連携手帳」)
健康データ
本人提供用
退院サマリ
他の疾病管理や疾
病管理以外への応
用について並行し
て検討
3
電子版「お薬手帳」のイメージ
患者本人が自分の現在服用している薬の情報、過去に処方された薬の情報、医療機関・薬局の受診履歴、
自分で記入する主な既往歴、アレルギー情報、薬剤に対する副作用などの反応情報を管理し、医師や薬
剤師に提示することで重複投与の防止やアレルギーへの注意喚起などの医療安全の向上に資する。
電子版「お薬手帳」の内容のイメージ
1.現在服薬しているお薬の情報
・薬局名、調剤日
・薬剤名称
・用法
・用量
・相互作用その他服用に際しての注意すべき事項
薬局から情報提供
※当初より全ての項目の網羅を提案するものではなく、情
報提供方法、患者の利用形態等により、柔軟に検討すべき。
お薬手帳(紙ベース)の記載例
患者名
処方箋発行医療機関名
医師名
2.医療機関の受診記録
・医療機関名、処方箋発行日(or調剤日で代替)
・診療科、処方医師名
薬局名・住所・電話番号
出典:実際に発行されたお薬手帳
4.主な既往歴など患者に関する医療基礎情報
・主な既往歴(入院歴、手術歴)
・アレルギー歴
・副作用歴
利用者が記入
3.過去に処方されたお薬の情報(1.の履歴)
電子版「お薬手帳」のメリット
電子版「お薬手帳」を携帯電話やICカードと想定した場合、紙ベースの「お薬手帳」に比べて、
①携帯性に優れる、②長期間に渡る情報の蓄積が容易、③電子データとして扱えることによる利便
性向上などのメリットがあるのではないか。
・電子版「お薬手帳」は携帯電話、ICカード等で
携帯できることから、紙ベースの「お薬手帳」に
比べ、持参し忘れ等が減少する。
・お薬手帳の持参率の向上は、重複投与や相
互作用の防止等に寄与し、医療安全の向上に
資する。
・電子版「お薬手帳」は、紙ベースの「お薬手
帳」に比べ、長期間に渡る情報の蓄積・管理が
容易である。
・電子データとして扱えることで、調剤された情
報の詳細情報等の付加情報を提供することが
できるなど、患者が必要とする情報を提供する
ことが容易になる。
紙ベースの手帳は
持ち歩くのが面倒。
いざというときに手
元にないことも
携帯性の向上
持参率向上による医療安全
の向上
紙ベースでは、長期
間に渡る情報の蓄積
が難しい
電子データで蓄積・管
理の手間を軽減
ロキソニン錠 60mg
電子データなので、
関連する情報を提
供可能
5
個人参加型疾病管理への活用例としての電子版「糖尿病連携手帳」のイメージ
例えば、糖尿病を例にすると悪化抑制のために必要な最低限の検査データ(医療機関が提供)、
バイタルデータ(自宅で入力)を 管理し、専門病院~診療所間の連携医療への活用だけでなく、
個人、自治体 (保険者)の参加を含めて地域における糖尿病の疾病管理が実現できるのではな
いか。
自宅
患者が日常測定する健康データ(体重/血圧)
例:電子版「糖尿病連携手帳」の記載内容イメージ
利用者が記入
以下の記載内容については、あくまで例示であり、
今後関係機関において検討されるもの。
①個人が自ら入力した情報
・糖尿病疾病管理に最低限必要なデータ
測定日時 体重・血圧(バイタル):kg・mmHg
②医療機関等から提供された情報
血糖値(空腹時/食後)
HbA1c(血液)
HDLコレステロール
中性脂肪
クレアチニン/eGFR
尿アルブミン/尿蛋白
総/LDLコレステロール
AST/ALT/γGTP
等
・検査日時/検査機関名
③検査データをグラフ化した情報
医療機関等から情報提供
・糖尿病疾病管理に必要なデータの例※糖尿病連携手帳(日本糖尿病協会)より引用
病院や診療所
糖尿病に関する検査データ
(例:紙ベースの「糖尿病連携手帳」で提供されているデータ)
地域の薬局や歯科等
HbA1cのみなど特定の簡易検査データ等
血糖値などのデータをグラフ
化することで治療の経過を確
認することが可能。
6
個人参加型疾病管理への活用例としての電子版「糖尿病連携手帳」のメリット
・紙ベースの手帳に比べると、情報の入力などの管理の手間が軽減される。
・紙ベースの「糖尿病連携手帳」をいつも持ち歩かなくても、ICカード、携帯電話
などで携行でき、携帯電話の場合は自分の健康状態を表示し、過去の治療歴を
医師や薬剤師に見せることができる
・患者が電子版「糖尿病連携手帳」を管理することにより、電子ネットワークで繋
がっていない医療機関間においても患者の治療の状況を共有など地域連携医
療を効率的に実現することができる。
複数の検査データを医師か個人が直
接記入したり、毎日の健康情報を記入
手入力することは面倒で負担が大きい
電子データとして
簡単入力
紙ベースの情報は、管理が難しい
・患者が日々の健康情報(体重/血圧など)を自宅で記録できることにより医療機
関連携では、達成できない患者参加型の診療を行うことができる。
電子データで管理
・電子版「糖尿病連携手帳」の情報を共有することにより、治療を中断している
の手間を軽減
患者や未受診の個人に対しても、保険者等から受診の奨励を行うことができる。
⇒P9,10参照
紙ベースの手帳は持ち歩くのが面倒。い
・電子版「お薬手帳」の情報を取り入れることを可能にすることにより、個人の医
療/健康情報を一元的に管理するアプリケーションとして活用することができる。
電子版「糖尿病連携手帳」
(どこでもMY病院)
ざというときに手元にないことも
病院
携帯性の向上
患者が管理する
情報を提示
薬局等
検査データの提供
健康情報の登録
自宅
患者が自宅で測定した情
報(体重/血圧等)
診療所
主治医
7
電子版「糖尿病連携手帳」の活用の広がりについて
糖尿病で治療を受けている患者(230万人)に対して、未受療者はその3倍(約650万人)、糖
尿病の可能性が否定できない人はその6倍(約1320万人)となっており、厚生労働省から
も糖尿病の発症後の重症化予防や合併症の予防の重要性が示されている。治療を受けていな
い層に対して早期の治療開始を促す仕組みとして、電子版「糖尿病連携手帳」が活用できる
のではないか。
「治療を実施できていない未受療者/受療中断者」、「糖尿病の可能性が否定できない者」が多
数(約2000万人)を存在する。
2500
2000
人数 万(人
1320万人
(07年)
1500
1970万人
)
糖尿病の可能性が
否定できない者
(07年)
1000
650万人
500
(07年)
未受療者、受療中断者
全国厚生労働関係部局長会議資料より抜粋
医療機関で治療中の患者
0
1995
2000
237万人
2005
糖尿病および糖尿病予備軍患者数推移のイメージ図
2010
(08年)
「糖尿病予防戦略事業」、「糖尿病疾病管理強
化対策事業」にあるように糖尿病対策の重要
性が高まっている。
8
電子版「糖尿病連携手帳」を活用した地域の糖尿病管理イメージ
医療機関や保険者が運営主体となり、地域の薬局や歯科等で行った住民の血糖値等の簡易
検査情報を電子版「糖尿病連携手帳」の中で活用することにより、糖尿病の未受療者や受
療中断者を治療に向けることが可能になるのではないか。
地域の歯科では、治療の際に
地域の薬局では、HbA1Cを測定でき
「糖尿病の疑い」をチェック
る簡易測定器を備え、買い物のつ
いでに簡易な測定を実施
「糖尿病の疑い」
測定したデータ
に関する情報を
簡易検査
(HbA1Cなど)を登録
地域の薬局
登録
機能
地域の歯科
電子版「糖尿病連携手帳」
(どこでもMY病院)
糖尿病
簡易測定器
電子版「糖尿病連携手帳」
を医療機関や保険者が運営
【管理イメージ】
電子版「糖尿病連携手帳」に登録されているHbA1Cの
値が基準値以上であれば地域の診療所へ
血液センター
献血後、希望者に
送られる検査結果
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→ 未受療者や受療中断者、さらには糖尿病の
可能性が否定できない者の「拾い上げ」が可能に
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