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第4章 温室効果ガス排出量の推計結果

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第4章 温室効果ガス排出量の推計結果
第4章
温室効果ガス排出量の推計結果
1. 現況値の推計結果
(1)エネルギー起源の二酸化炭素排出量
エネルギー起源の二酸化炭素排出量の 2006 年度(平成 18 年度)の現況値は、全体で 6,338
千 t-CO2 です。そのうち、産業部門が 37.7%を占め、次いで民生業務部門が 24.0%、運輸部
門 22.3%となっています。
部
2006 年(平成 18 年)度
排出量
割合(%)
門
エネルギー
転換部門
運輸部門
0.0%
22.3%
(千 t-CO2)
製造業
鉱業・建設業
農林水産業
計
産業
民生家庭
民生業務
自動車
鉄道
運輸
船舶
計
エネルギー転換
ガス業
合計
2,234
111
42
2,387
1,015
1,519
1,323
45
47
1,415
2
6,338
35.2
1.8
0.7
37.7
16.0
24.0
20.9
0.7
0.7
22.3
(0.03)
100.0
CO2排出量
構成比
産業部門
37.7%
(現況:2006
(H18))
民生業務部門
24.0%
民生家庭部門
16.0%
【エネルギー起源 CO2 排出量(現況値)の部門別構成比】
エネルギー起源の CO2 排出量(現況値)は約 634 万t、そのうち、産業部門が約 38%、民生業務部門が約 24%
(2)非エネルギー起源の二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素排出量
非エネルギー起源の二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素排出量の 2006 年度(平成 18 年
度)の現況値を算出し、メタン及び一酸化二窒素については、それぞれ地球温暖化係数を乗
じて二酸化炭素換算を行った結果は、以下のとおりです。
現況排出量は、非エネルギー起源 CO2 が 175 千 t-CO2、メタン(CH4)が 57 千 t-CO2、一酸
化二窒素(N2O)が 47 千 t-CO2 となっており、メタンでは、水田(作付作物から排出される)
由来、一酸化二窒素では、自動車走行によるものなどが多くなっています。
活動種別等
燃料燃焼
自動車走行
廃棄物の焼却(一般廃棄物)
廃棄物の焼却(産業廃棄物)
埋立処分場
排水処理
水田
家畜飼養
農業肥料使用
合計
二酸化炭素換算合計(t-CO2)
2006 年(平成 18 年)度の排出量
非エネルギー起源
CH4
N2O
CO2 (t-CO2)
(t-CH4)
(t-N2O)
―
0.012
0.001
―
63.637
115.140
84,778
0.287
13.875
89,912
0.003
5.867
―
783.763
―
―
202.921
11.776
―
1,263.219
―
―
389.242
―
―
―
4.015
174,690
2,703.084
150.673
174,690
56,765
46,709
※CH4 の地球温暖化係数:21、N2O の地球温暖化係数:310
排出量(現況値)は、非エネルギー起源 CO2 約 17 万t、メタン約 6 万t、一酸化二窒素約 5 万t
21
(3)代替フロン等 3 ガス排出量
代替フロン等 3 ガス排出量の 2006 年度(平成 18 年度)の現況値は、全体で 110 千 t-CO2 であ
り、そのうち、ハイドロフルオロカーボン(HFC)が 65 千 t-CO2、パーフルオロカーボン(PFC)
が 28 千 t-CO2、六ふっ化硫黄(SF6)が 16 千 t-CO2 となっています。
ガス種類
2006 年(平成 18 年)度の
排出量(t-CO2)
HFC
65,400
PFC
28,285
SF6
15,984
合計
109,669
代替フロン等3ガス排出量
(現況値)は約 11 万t
※HFC の地球温暖化係数:140~11,700、PFC の地球温暖化係数:6,500~9,200
SF6 の地球温暖化係数:23,900
(4)温室効果ガス総排出量
二酸化炭素とその他のガスを合わせた温室効果ガス総排出量の 2006 年度(平成 18 年度)
の現況値は 6,726 千 t-CO2 であり、そのうち二酸化炭素が 96.9%、特にエネルギー起源の二
酸化炭素排出量が 94.3%を占めています。
部門別にみると、産業部門が最も多く 35.5%となっており、次いで民生業務部門が 22.6%、
運輸部門が 21.1%となっています。
2006 年(平成 18 年)度
割合
排出量
(千 t-CO2)
(%)
製造業
2,234
33.2
鉱業・建設業
111
1.7
産業
農林水産業
42
0.6
計
2,387
35.5
民生家庭
1,015
15.1
民生業務
1,519
22.6
自動車
1,323
19.7
鉄道
45
0.7
運輸
船舶
47
0.7
21.1
計
1,415
エネルギー転換 ガス業
2 (0.03)
小計
6,338
94.3
一般廃棄物
85
1.3
廃棄物
産業廃棄物
90
1.3
計
175
2.6
小 計
6,513
96.9
メタン(CH4)
57
0.8
一酸化二窒素(N2O)
47
0.7
ハイドロフルオロカーボン(HFC)
65
1.0
パーフルオロカーボン(PFC)
28
0.4
六フッ化硫黄(SF6)
16
0.2
合 計
6,726
100.0
ガス種類・部門
22
メタンCH4 一酸化二窒素
N2O
廃棄物 0.8%
0.7%
代替フロン等3
2.6%
ガス
エネルギー転換
1.6%
部門
0.0%
運輸部門
21.1%
CO2排出量
構成比
産業部門
35.5%
(現況:2006
(H18))
民生業務部門
22.6%
民生家庭部門
15.1%
二酸化炭素
96.9%
【温室効果ガス総排出量(現況値)の構成比】
・温室効果ガス総排出量(現況値)は約 670 万t
・CO2 が約 97%
・エネルギー起源 CO2 が約 94%
(5)現況の二酸化炭素排出量の部門別排出特性
①産業部門
産業部門の 2006 年度(平成 18 年度)の二酸化炭素排出量 2,387 千 t-CO2 の業種別内訳は、
製造業が 93.6%を占めています。その内訳は繊維・化学業種が 36.2%、鉄鋼業が 13.0%で、
全体の約半分を占めており、その他業種(出版・印刷・同関連業、金属製品製造業等)も 27.6%
と多くなっています。
製造品出荷額の推移をみると、近年増加傾向で伸びてきており、特に、全体に占める割合
が大きい繊維・化学等の業種も増加傾向となっています。
工業・建設業
4.7%
農林水産業
1.8%
食料品
4.3%
パルプ・紙
7.2%
その他
27.6%
精密機械
2.1%
CO2排出量
構成比
CO2排出量
(t-CO2)
構成比
輸送用機械
0.2%
(現況:2006
(H18))
(現況:2006
(H18))
電気機械等
0.8%
一般機械
0.2%
非鉄金属
1.0%
製造業
93.6%
繊維・化学
36.2%
鉄鋼業
13.0%
窯業・土石
7.4%
石油・石炭
0.0%
【産業部門の CO2 排出量(現況値)構成比】
【製造業の業種別 CO2 排出量(現況値)構成比】
億円
10,500
10,291
10,000
9,657
9,389
9,500
9,000
8,828
8,903
8,537
8,500
【製造品出荷額の推移】
(出典:岡山市統計書工業統計調査結果より作成)
8,000
H14
(2002年)
H15
(2003年)
H16
(2004年)
H17
(2005年)
H18
(2006年)
H19
(2007年)
食料品
億円
3,500
パルプ・紙・紙加工品
3,000
繊維+衣服・その他繊維製品+化
学+プラスチック製品
石油製品・石炭製品
2,500
窯業・土石製品
2,000
鉄鋼業
1,500
非鉄金属
1,000
一般機械
電気機械+情報通信機械+電子
部品・デバイス
輸送用機械
500
0
H14
(2002年)
H16
(2004年)
精密機械
H18
(2006年)
その他
【製造業の業種別製造品出荷額の推移】
(出典:岡山市統計書工業統計調査結果より作成)
23
その他業種:
飲料・たばこ・飼料製造業
木材・木製品製造業
家具・装飾品製造業
出版・印刷・同関連産業
ゴム製品製造業
なめし革・同製品毛皮製造業
金属製品製造業
その他の製造業
②民生家庭部門
民生家庭部門の 2006 年度(平成 18 年度)の二酸化炭素排出量 1,015 千 t-CO2 の内訳は、
電力使用によるものが 75.8%を占めています。
電力使用量の推移をみると、年度によって変動はあるものの、過去増加傾向で推移してい
ます。
都市ガス
6.6%
(百万kwh)
1,250
プロパンガス
3.5%
1,200
灯油
14.1%
1,193
1,160
1,155
1,150
1,142
CO2排出量
構成比
1,109
1,104
1,100
1,085
1,102
1,094
(現況:2006
(H18))
1,073
電力
75.8%
1,050
1,063
1,030
1,038
1,000
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
(1996年) (1997年) (1998年) (1999年) (2000年) (2001年) (2002年) (2003年) (2004年) (2005年) (2006年) (2007年) (2008年)
【電力使用量(従量電灯 A)の推移】
【民生家庭部門の CO2 排出量(現況値)構成比】
(出典:H 8~H15 は岡山市の統計,H18~H20 は中国電力(株)資料)
③民生業務部門
民生業務部門の 2006 年度(平成 18 年度)の二酸化炭素排出量 1,519 千 t-CO2 の内訳は、
民間施設が 83.9%、公共施設 16.1%となっています。民間施設からの排出量の内訳は、卸・
小売業が 48.4%、飲食店が 26.5%となっており、全体の約 75%を占めています。
その他
サービス業
病院・医療関
5.2%
連施設
10.3%
公共施設
16.1%
事務所ビル
7.4%
劇場・娯楽場
0.4%
ホテル・旅館
1.7%
学校・試験研
究機関
0.2%
CO2排出量
構成比
(現況:2006
(現況:2007
(H18))
(H19))
CO2排出量
構成比
飲食店
26.5%
(現況:2006
(H18))
卸・小売業
48.4%
民間施設
83.9%
【民生業務部門の CO2 排出量(現況値)構成比】
【民間施設の建物用途別 CO2 排出量(現況値)構成比】
(千㎡)
10,000
業務系建物床面積の推移をみると、
事
務所・銀行・店舗の用途の建物床面積の
その他
旅館・ホテル・病院・劇場
9,000
事務所・銀行・店舗
8,000
369
861
6,432
389
878
6,682
388
925
6,755
394
942
6,806
388
941
5,023
5,165
5,369
5,419
5,477
7,000
5,961
6,006
6,272
6,253
占める割合が大きく、増加傾向で推移し
6,000
369
809
363
819
447
864
ています。
4,000
4,783
4,824
4,961
5,000
3,000
2,000
1,000
0
平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
【業務系建物床面積の推移】
(出典:岡山市統計書 固定資産概要調書)
24
国内船舶
3.3%
鉄道
3.2%
④運輸部門
運輸部門の 2006 年度(平成 18 年度)の二酸化炭素
排出量 1,415 千 t-CO2 の内訳は、自動車が 93.5%を占
CO2排出量
構成比
めています。
(現況:2006
(H18))
自動車登録台数の推移をみると、近年増加傾向で伸
びてきており、特に軽乗用車の増加傾向が顕著となっ
ています。
自動車
93.5%
【運輸部門の CO2 排出量(現況値)構成比】
台
490,000
300,000
476,717
480,000
台
475,300
250,000
470,000
軽乗用車
456,182
460,000
乗用車
バス
200,000
451,587
450,000
150,000
軽貨物
小型貨物
100,000
普通貨物
特種車
440,000
430,000
424,520
420,000
50,000
410,000
400,000
0
H16
(2004年)
H17
(2005年)
H18
(2006年)
H19
(2007年)
H20
(2008年)
H16
(2004年)
H17
(2005年)
H18
(2006年)
H19
(2007年)
H20
(2008年)
【車種別自動車登録台数の推移】
【自動車登録台数の推移】
(出典:岡山市統計書自動車車種別登録台数より作成、各年 4 月 1 日現在。但し二輪・原付・小型特殊自動車を除く)
⑤部門別二酸化炭素排出量構成比の全国との比較
二酸化炭素排出量の 2006 年度(平成 18 年度)の現況値について、岡山市と全国の部門別
構成比を比較すると、岡山市は全国と比べ、産業部門と運輸部門の割合は同程度、民生家庭
と民生業務部門の割合が大きいという傾向が見られます。
(岡山市)
(全国)
エネルギー転 工業プロセス
4.2%
換部門
6.0%
廃棄物等
2.7%
廃棄物等
2.7%
エネルギー転
換部門
0.0%
運輸部門
21.7%
CO2排出量
構成比
産業部門
36.7%
運輸部門
19.9%
産業部門
36.2%
(現況:2006
(H18))
(現況:2006
(H18))
民生業務部門
23.3%
CO2排出量
構成比
民生業務部門
18.0%
民生家庭部門
15.6%
民生家庭部門
13.0%
(出典:2006 年度温室効果ガス排出量について(環境省)より作成)
【部門別の CO2 排出量(現況値) 構成比の比較】
25
2.推計結果のまとめ
2006 年度(平成 18 年度)の現況推計結果と、2020 年度(平成 32 年度)と 2025 年度(平成 37
年度)の将来推計結果、基準年度である 1990 年度(平成 2 年度)の推計結果をまとめると、以
下のようになります。
基準年度における温室効果ガス総排出量は 6,104 千 t-CO2 であり、基準年度における排出量に
対する増減率は、2006 年度で 10.2%、2020 年度で 18.8%、2025 年度で 18.9%の増加となって
います。また、基準年度からの増減を部門別にみると、産業部門と廃棄物部門は減少しています
が、それ以外の部門は増加傾向にあります。
特に、民生家庭部門での増加率が大きく(2006 年度で 51.5%、2020 年度で 59.4%の増加)、
これは電力使用量の増加によるものと考えられます。次いで、民生業務部門の増加率が大きく
(2006 年度で 36.0%、2020 年度で 45.0%の増加)、これは事務所・ビルや店舗等の延床面積の
増加によるものと考えられます。
ガス種類・部門
産業
製造業
鉱業・建設業
農林水産業
計
民生家庭
民生業務
運輸
自動車
鉄道
国内船舶
計
エネルギー
ガス業
転換部門
小計
廃棄物
一般廃棄物
(CO2)
産業廃棄物
計
小計
メタン(CH4)
一酸化二窒素(N2O)
ハイドロフルオロカーボン(HFC)
パーフルオロカーボン(PFC)
六フッ化硫黄(SF6)
合計
排出量(千 t-CO2)
増減率(%)
1990 年度 2006 年度 2020 年度 2025 年度 2006 年度/ 2020 年度/ 2025 年度/
(平成 2 年度) (平成 18 年度) (平成 32 年度) (平成 37 年度) 1990 年度
1990 年度
1990 年度
2,517
2,234
2,408
2,426
-11.2%
-4.3%
-3.6%
143
111
109
102
-22.4%
-23.1%
-28.7%
60
42
43
43
-30.0%
-28.3%
-28.3%
2,720
2,387
2,560
2,571
-12.2%
-5.8%
-5.5%
670
1,015
1,068
1,068
+51.5%
+59.4%
+59.4%
1,117
1,519
1,620
1,628
+36.0%
+45.0%
+45.7%
936
1,323
1,371
1,363
+41.3%
+46.5%
+45.6%
46
45
47
48
-2.2%
+2.2%
+4.3%
88
47
34
29
-46.6%
-61.4%
-67.0%
1,070
1,415
1,452
1,440
+32.2%
+35.7%
+34.6%
2
2
2
2
+0.0%
+0.0%
+0.0%
5,579
79
117
196
5,775
55
49
82
67
76
6,104
6,338
85
90
175
6,513
57
47
65
28
16
6,726
6,702
91
97
188
6,890
58
50
152
65
37
7,252
6,709
91
98
189
6,898
58
50
152
65
37
7,260
+13.6%
+7.6%
-23.1%
-10.7%
+12.8%
+3.6%
-4.1%
-20.7%
-58.2%
-78.9%
+10.2%
+20.3%
+15.2%
-17.1%
-4.1%
+19.3%
+5.5%
+2.0%
+85.4%
-3.0%
-51.3%
+18.8%
+20.4%
+15.2%
-16.2%
-3.6%
+19.5%
+5.5%
+2.0%
+85.4%
-3.0%
-51.3%
+18.9%
26
(千t-CO
(千t-CO2)
2)
8,000
7,000
6,000
5,000
6,726
7,252
254
6,104
47
57
175
109
225
1,070
49
55
196
運輸
2
4,000
1,117
民生業務
3,000
670
民生家庭
7,260
254
188
1,452
2
1,415
50
58
2
1,440
1,620
1,628
1,068
1,068
2,387
2,560
2,571
現況2006(H18)
将来2020(H32)
1,519
1,015
50
58
189
2
2,000
2,720
1,000
産業
0
基準年度 1990(H2)
将来2025(H37) 年度
産業部門
民生家庭部門
民生業務部門
運輸部門
エネルギー転換部門
廃棄物
メタンCH4
一酸化二窒素N2O
代替フロン等3ガス
【温室効果ガス総排出量の推移】
・温室効果ガス総排出量は、基準年度(1990 年度)比で、2006年度が 10.2%増加、
2020 年度が 18.8%増加、2025 年度が 18.9%の増加
・産業部門、廃棄物以外は、いずれも増加傾向
27
第5章
温室効果ガス排出量の削減目標
1�目標��の���
(1)国の削減目標
国の削減目標は、2009 年(平成 21 年)9 月の国連気候変動首脳会合での鳩山首相(当時)
による「2020 年までに 1990 年比で 25%削減」の演説を契機に大きく転換し、その後 2010
年(平成 22 年)10 月 8 日に、温室効果ガス排出量を「2020 年までに 1990 年比で 25%削減
する」との中期目標を明記した地球温暖化対策基本法案が閣議決定され、現在国会で継続審
議が行われています。
基準年
削減目標(2020 年)
削減目標(2050 年)
地球温暖化対策基本法案
1990 年
-25%
-80%
※2050 年 80%削減は、2009 年 7 月に開催された主要 8 ヶ国首脳会議(G8 ラクイラ・サミット)に
おいて、
「2050 年までに温室効果ガスを世界全体で 50%、先進国全体で 80%削減する(基準年は
未定)
」という長期目標採択に基づく。
しかし、2011 年(平成 23 年)3 月 11 日に発生した東日本大震災・福島第一原子力発電所
事故に伴い、温暖化対策に密接な関係のあるエネルギー政策が大幅に見直される状況となっ
ており、原子力発電に大きく依存した計画となっていた「中長期ロードマップ(中間整理)」
(2010 年 12 月)についても見直しの方向にあります。現在、「2013 年以降の対策・施策に
関する検討小委員会」が設置され、中長期的な低炭素社会構築に向けて 2013 年以降に実施
すべき対策・施策に関する事項についての検討が行われているところです。
(2)目標設定の考え方
削減目標設定にあたっては、対策・施策の
現
状
趨
勢
ケ
排出削減効果を考慮し、対策の積み上げによ
って中期目標を設定します。
ス
削減対策は、現在までに国が公表している
実
行
可
能
な
削
減
ル 量
削
減
ポ
テ
ン
シ
25%削減目標の設定内訳を検証し、その対策
を岡山市に当てはめることで岡山市が担う
排出削減効果を試算します。
H2
H18
基準年
H32
削
減
目
標
値
現
状
趨
勢
ケ
ス
実
行
可
能
な
削
減
ル 量
削
減
ポ
テ
ン
シ
中
期
目
標
Ⅰ
削
減
目
標
値
中
期
目
標
Ⅱ
H37
岡山市への削減対策メニュー当てはめ
岡山市での削減効果
(全国での対策効果を岡山市に案分推計)
国の削減対策メニュー
削減効果
(3)削減量の設定・積み上げの手順
国の 25%削減目標の設定の明確な根拠は示されていませんが、その説明となりうる削減対
策とその削減効果の検討資料として、下記を参考にします。
・
「エネ研日本モデル分析」
(2020 年度時点での最大導入ケースを見込んで積み上げ法で削減ポテン
シャルを想定,2009 年 3 月,日本エネルギー経済研究所)
・「中長期ロードマップ」
(2010 年 3 月,環境大臣試案)
・「中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算(再計算)」
(2010 年 10 月, 国立環境研究所 AIM プロジェクトチーム)
・「中長期ロードマップ(中間整理)
」
(2010 年 12 月,中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会)
28
なお、「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル(2009 年 6
月)
」にも削減対策と削減効果の目安が個別に示されているので参考にします。
【「中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算(再計算)(2010年10月,国立環境研究所AIM
プロジェクトチーム)」で挙げられている削減対策と削減効果の例示】
29
2. 削減量の検討
(1)各部門の対策とその削減量
ここでは、
「削減ポテンシャル量」と「実行可能な削減量」を検討します。
「削減ポテンシャル(潜在可能)量」は、省エネルギー機器、次世代自動車、再生可能エ
ネルギー、公共交通機関の利用促進等の対策について、単純に技術的、物理的に最大限導入
した場合を想定して算定される削減量です。この算定で与件とする削減対策は、前述した「エ
ネ研日本モデル分析」や「中長期ロードマップ」で採用されている施策です。
一方、「実行可能な削減量」は、岡山市の特性やこれまでの推移等をみて、2020 年度(平
成 32 年度)までに達成できるであろう導入率や導入可能量等を見込んで算定した削減量で
す。
①産業部門
産業部門では、工場・事業場における計画的な取組の推進等により、実行可能な削減量と
して 2020 年度までに約 349 千 t- CO2 の削減(1990 年度比 12.8%削減)が見込まれます。
【産業部門の削減量】
主な対策名
削減ポテンシャル量
削減量
実施内容
(千 t-CO2)
実行可能な削減量
削減量
実施内容
熱併給発電設備の更
新時に、CHP 技術の効
率化によってエネルギ
産業施設への省エネ設備の導 ーを削減、
入
自家発電において、高
効率シール等の普及に
よって、自家発電性能
を強化など
9,3
削減ポテンシャル量と同
等の削減量を見込む
9.3
固定資産概要調書より
2020 年の工場・倉庫棟
数を推計し 10KW 設置
344.0
実行可能な削減量は導入
意向 32.1%で算出
110.4
産業施設への太陽光発電導入
耕作放棄地への太陽光発電導 耕 作 放 棄 地 へ の 太 陽
入
光発電導入
削減ポテンシャル量の 5%
117.5 を実行可能な削減量と見
込む
省 エ ネ 法 に よ るエ ネ ル ギ ー 管
理・自主行動計画の着実な実施
全製造業において、年
(工場・事業場の太陽光発電導
1%の排出量削減を実
入、省エネルギー・省 CO2 性能
施
のトップランナー機器の導入促
進 等)
特定排出事業者におい
312.7 て、年 1%の排出量削減を
実施
合 計
(2006 年度比削減割合)
【1990 年度比削減割合】
783.5
(-32.8%)
【-28.8%】
備考
(千 t-CO2)
エネ研日本モデル最大導
入ケースを岡山市に按分
導入意向 32.1%はアンケー
ト調査結果による※1
平成 22 年度実施の「岡山
市クリーンエネルギー資源
5.9 賦存量及び実証調査」結果
及び独自のポテンシャル検
討結果に基づく。
223.6
349.3
(-14.6%)
【-12.8%】
※1:「平成 21 年度岡山市における事業活動の地球温暖化対策に関するアンケート調査」における太陽光
等の再生可能エネルギーの導入意向より、導入率を 32.1%と設定。
30
②民生家庭部門
民生家庭部門では、HEMS 等の見える化技術の導入、住宅の設備・機器等の省エネルギー・
省 CO2 性能の向上等により、実行可能な削減量として、2020 年度までに約 422 千 t- CO2 の削
減(1990 年度比 62.9%削減)が見込まれます。
【民生家庭部門の削減量】
主な対策名
削減ポテンシャル量
削減量
実施内容
(千 t-CO2)
民生家庭部門におけ
HEMS(※1)等の見える化技術
る電力起因の排出量
の導入
の 7%削減を想定
83.4
実行可能な削減量
削減量
実施内容
HEMS 普及率
は 30%を想定
LED 照明、高効率照
明等の導入
78.2
空調の効率化
高効率空調設備の導
入、トップランナー基
準による機器効率向
上
HEMS と省エネ
22.0 住宅の削減分
を控除
19.2
高効率給湯器の
普及
CO2 冷媒ヒートポンプ
給湯器、潜熱回収型
給湯器 等の導入
60.2
導入率は 50%
を想定
30.1
家電機器の普及、 トップランナー基準に
効率改善等
よる機器効率向上
導入率は 50%
35.9 及び 100%を想
定
32.9
新築時の省エネ対策
(断熱回収( 戸建・共
同住宅))
環境性能の向上
既存戸建住宅の省エ
(住宅・建築物)
ネ改修(断熱回収(戸
建):旧基準→新基
準)
37.4
住宅への太陽光発電導入
戸建住宅に 4kW の、
集合住宅に 10kW の
太陽光発電施設を設
置
780.8
各世帯のエコアクション活動
※2
待機電力の節約、冷
房温度 28℃・暖房温
度 20℃の設定、シャ
ワー時間を 1 日 1 分
短縮する
など
合 計
(2006 年度比削減割合)
【1990 年度比削減割合】
HEMS の削減
分を控除
25.0
照明の効率化
住宅の設
備・機器等
の省エネ
ルギー・省
CO2 性 能
の向上
HEMS の削減
分を控除
国推計値のブ
レークダウン
取組率を 80%
47.8
と想定
1�145.7
(-112.9%)
【-171.0%】
備考
(千 t-CO2)
44.2
15.3
216.8
総合資源エネルギー調査会需給部会で
は 2020 年度で HEMS30%普及を想定
LED への転換で、白熱電球の照明電力
を 80%削減する。(実行可能な削減量
は、導入率 100%と想定)
LED への転換で、蛍光灯の照明電力を
50%削減する。(実行可能な削減量は、
導入率 50%と想定)
家庭の冷暖房用の電力起因の排出量
が 22.4%削減、都市ガス・LPG 起因の排
出量が 1.4%削減、灯油起因の排出量
が 3.8%削減される。
ポテンシャル量は、省エネ型給湯器の 1
世帯あたりの削減量に世帯数を乗じる。
実行可能な削減量は、導入率 50%と想
定。
ポテンシャル量は、省エネ型機器の 1 世
帯あたりの削減量に世帯数を乗じる。
実行可能な削減量は、導入率 50%及び
100%と想定。
2006~2020 年の新築戸建住宅(一戸
建・長屋建)の冷暖房起因の排出量が
43%削減、
新築共同住宅(共同住宅)の冷暖房起
因の排出量が 30%削減される(次世代
省エネ基準/旧基準との比較)。
2020 年に現存する既存戸建住宅(一戸
建・長屋建)の冷暖房起因の排出量が
19%削減される(新省エネ基準/旧基準
との比較:現在の普及率は 4%)。
2020 年までに住宅用太陽光発電施設 6
万基導入を想定
家庭でできる身近な削減行動を実践する
ことで 1 世帯あたり 10%の削減を想定。
38.2
実行可能な削減量は、取組率を 80%と
想定。
421.7
(-41.5%)
【-62.9%】
※1:HEMS・・・(Home Energy Management System 家庭用エネルギー管理システム)情報技術により、人に
代わって家庭でのエネルギーマネジメント(省エネ)を支援するシステムのこと。
※2:一般に、冷暖房の設定や風呂・台所等でのエコアクション活動で、家庭からの CO2 排出量が約 1 割削
減できるとされている(1 日約 0.6kg 削減)
。市民アンケート調査から、身近な取組をすでに実行し
ている家庭は平均で 3 割程度であるとし、残り 7 割の家庭で取組が実行された場合の削減ポテンシャ
ル量は、2020 年の世帯数を 312,061 世帯と推計(国勢調査昭和 60 年~平成 17 年の一世帯あたり人員
の対数回帰で平成 32 年(2020 年)2.301 人/世帯と推計とし、総合計画将来人口 731 千人より算出)す
ると、312,061×0.6×365×0.7=47,838,951(kg‐CO2)
31
環境保全のために日ごろ気をつけていること
0%
20%
27.2
1.買い物はマイバッグを持参する
9.4
10.4
12.8
8.1
11.6
9.5
13.フリーマーケット・リサイクルショップを利用する 4.7
18.3
5.7 5.1
8.7 1.4 5.2
21.0
35.8
47.4
できるだけしている
26.0
4.6
9.4
43.1
23.0
20.0
5.6
28.8
28.6
13.4
4.4
56.4
26.4
10.2
いつもしている
18.8
49.6
30.7
11.徒歩や自転車で行ける所へは車で行かない
5.6
16.7
27.4
39.3
19.2
10.ティッシュをぞうきん代わりにしない
10.4 2.74.9
34.1
31.1
5.3
11.0
34.1
31.6
あまりしていない
5.3
5.1
16.2
35.1
8.家電製品を買う時は省エネ性能の高いものを選ぶ
14.再生品や環境にやさしいエコ商品を買う
58.4
31.1
7.エアコンは暖房20度、冷房28度にする
6.3
10.1
37.8
20.4
100%
15.4
24.4
16.8
31.4
6.使わない時はコンセントから電源プラグを抜く
12.車の信号待ちなどの一旦停止時はアイドリング・
ストップをする
19.3
44.2
5.洗濯に粉せっけんを使う
80%
40.2
4.歯磨きや洗面の時はこまめに水を止める
9.雨水を貯めて庭の水やりに使っている
60%
31.7
20.0
2.お店ではレジ袋や包装をできるだけ断る
3.生ごみをたい肥にしている
40%
まったくしていない
5.4
5.7 5.1
無回答
(出典:平成 22 年岡山市の環境に関する市民アンケート調査結果より)
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センターより)
32
③民生業務部門
民生業務部門では、BEMS 等の見える化技術の導入、建築物の設備・機器等の省エネルギー・
省 CO2 性能の向上等により、実行可能な削減量として、2020 年度までに約 335 千 t- CO2 の削
減(1990 年度比 30.0%削減)が見込まれます。
【民生業務部門の削減量】
主な対策名
削減ポテンシャル量
削減量
実施内容
(千 t-CO2)
BEMS(※1)等の見える化技術 業務系用途の排出量の
の導入
削減率 11%を想定
179.1
実行可能な削減量
削減量
実施内容
備考
(千 t-CO2)
BEMS普及率は 32%
を想定
57.3
実行可能な削減量はBE
MS普及率 32%を想定。
100.5
平成 21 年度岡山市におけ
る事業活動の地球温暖化
57.6
対策に関するアンケート調
査に基づく導入率の設定
190.4
62.3
68.7
22.5
新築業務ビルの省エネ
環境性能の向 性能向上、エレベータの
上
省エネ ル ギー 、 省エネ
型 OA 機器等の導入
168.1
55.0
固定資産概要調書より
民生業務施設への太陽光発電
2020 年の業務系の棟数
導入
を推計し 10KW 設置
183.2
61.6
LED 照明、高効率照明
照明の効率化
等の導入
建築物の設備・ 空調の効率化 高効率空調設備の導入
機器等の省エ
ネルギー・省
ヒートポンプ給湯器、潜
業務用給湯器
CO2 性 能 の 向
熱回収型給湯器、ボイ
等の効率化
上
ラー等の導入
公共施設への太陽光発電導入
1.0
最終処分場への太陽光発電導
入※5
5 .6
省エネ 法 によ る エネ ル ギ ー管
理・自主行動計画の着実な実施
製造業以外の特定排出
(工場・事業場の太陽光発電導
事業者において、年 1%
入、省エネルギー・省 CO2 性能
の排出量削減を実施
のトップランナー機器の導入促
進 等)
合 計
(2006 年度比削減割合)
【1990 年度比削減割合】
18.4
915.0
(-60.2%)
【-81.9%】
実行可能な削減量は導入
意向 32.7%で算出※2
実行可能な削減量は導入
意向 33.6%で算出※3
平成 22 年度実施の「岡山
0.2 市クリーンエネルギー資源
賦存量及び実証調査」結
果(※4,※5)及び独自の検
討結果に基づく。
0.1 利用可能量を削減ポテン
シャル量として採用。
削減ポテンシャル量と
同等の削減量を見込む
18.4
製造業以外の業務系の特
定排出事業者を対象とす
る
335.0
(-22.1%)
【-30.0%】
※1:BEMS・・・(Building Energy Management System ビル用エネルギー管理システム)ビルの受変電や照
明、空調など設備機器の稼働状況をコンピュータ(中央管理システム)で把握、高度に管理して最
も効率的な運転を自動的に予測制御することで、エネルギーの浪費を削減する管理システムのこと。
※2:
「平成 21 年度岡山市における事業活動の地球温暖化対策に関するアンケート調査」における高効率・
省エネ型の空調機、照明機器、給湯器、ボイラー等の高効率機器の導入意向より、導入率を 32.7%
と設定。
※3:「平成 21 年度岡山市における事業活動の地球温暖化対策に関するアンケート調査」における太陽光
等の再生可能エネルギーの導入意向より、導入率を 33.6%と設定。
※4:市内の公共施設数を把握し、1 施設当たりの定格発電出力を 10kW、
「新エネルギーガイドブック 2008」
(NEDO)より単位出力あたりの必要面積を 9m2/kW と想定し、利用可能量を 1,542,397 kWh/年と推計
(=1,040t‐CO2)。
※5:市内の最終処分場敷地面積の 50%に太陽光パネル設置可能と想定し、利用可能量を 8,315,948kWh/
年と推計(=5,605t‐CO2)。
33
④運輸部門
運輸部門では、自動車の燃費改善(クリーンエネルギー自動車導入含む)やエコドライブ
の実施等により、実行可能な削減量として、2020 年度までに約 266 千 t- CO2 の削減(1990
年度比 24.9%削減)が見込まれます。
【運輸部門の削減量】
主な対策名
削減ポテンシャル量
実行可能な削減量
削減量 実施内容 削減量
実施内容
(千 t-CO )
(千 t-CO )
2
2020 年までの増加人口を現在の
徒歩、自転車、公共交通機 市街化区域で受け入れ、市街地
関へのシフト、都市機能の 人口密度を高めるとともに、都市
集約化等 の対 策による効 機能を集約化することにより、徒
果
歩、自転車、公共交通機関への
シフトを促進する。
120.9
トップランナー基準による自
クリーンエネルギー自動車を含
動車の燃費改善(クリーン
む省エネ型自動車が全保有台
エネルギー自動車導入含
数に普及する。
む)
502.8
エコドライブ関連機器の導 営業用トラックに対するエコドラ
入
イブ関連機器を導入
9.8
エコドライブ、アイドリングス
トップの普及
DID 人口密度と運輸旅客部門(自
動車)の CO2 排出量の推計式より
一人当たりの排出量を算出し、将
60.5 来人口密度の設定の変動による
CO2 削減量を算出。実行可能な削
減量はポテンシャル量の 50%とす
る。
「次世代自動車普及戦略」(環境
省)の次世代自動車 CO2 削減率の
129.5 平均を元に車種別削減量想定し、
2020 年の世代自動車導入普及率
より算出
7.8
770.6
(-54.5%)
【-72.0%】
合 計
営業用トラックのエコドライブ関連機
器導入台数より算出
エコドライブ等により自動車起因の
排出量の 10%削減を見込む
68.5
実行可能な削減量は、取組率を
50%と想定
137.1
(2006 年度比削減割合)
【1990 年度比削減割合】
備考
2
266.3
(-18.8%)
【-24.9%】
⑤再生可能エネルギー部門
再生可能エネルギー部門では、廃棄物発電、バイオマス系発電・熱利用等により、実行可
能な削減量として、2020 年度までに約 33 千 t- CO2 の削減が見込まれます。
【再生可能エネルギー部門の削減量】
主な対策名
削減ポテンシャル量
削減量
実施内容
(千 t-CO )
2
一般廃棄物発電
バイオマス系発電
小水力発電
合 計
東部クリーンセンター、岡
南環境センター、当新田
環境センターのごみ焼却
量より発電量を算出
32.8
287.9
18.2
338.9
実行可能な削減量
削減量
実施内容
備考
(千 t-CO2)
32.8
ポテンシャル量と実行可能
量は同じとする。
平成 22 年度実施の「岡山市
0.2 クリーンエネルギー資源賦
存量及び実証調査」結果
(※1,※2)及び独自の検討
結果に基づく。
0.1 利用可能量を削減ポテンシ
ャル量として採用。
33.1
※1:バイオマスエネルギーとして、木質系(熱利用)23,118 GJ/年、農業系(農業残渣) 36,232 GJ/年、
と畜産系(家畜排せつ物) 3,144 GJ/年、食品廃棄物(一般廃棄物)1,444,838 GJ/年、食品廃棄物(産
業廃棄物)2,836 GJ/年、その他の一般廃棄物 26,448 GJ/年の合計、利用可能量 1,536,616 GJ/年と
推計(=287,919t‐CO2)。(1GJ=1000MJ=278 kWh)
※2:自然公園、自然環境保全地域等法規制に該当する河川、幅5m以上の2条河川を除外して利用可能
量 27,033,578kWh/年と推計(=18,221t‐CO2)。
34
⑥部門別の削減量のまとめ
排出量
上:1990年度
ガス種類・部門 中:2006年度
1990年度比 2006年度比
下:2020年度
[千t-CO2]
2,720
0%
14.0%
2,387 -12.2%
0%
2,560
-5.9%
7.2%
削減ポテンシャル量
対策名
0%
-34.0%
1,015
51.5%
0%
1,068
59.4%
5.2%
エ
ネ
ル
ギ
1,117
0%
-26.5%
1,519
36.0%
0%
1,620
45.0%
6.6%
0%
-24.4%
1,415
32.2%
0%
1,452
35.7%
2.6%
削減量
削減量総計
[千t-CO2]
[千t-CO2]
9.3
783.5
9.3
349.3 ンシャルと同等を見込む
全工場に太陽光
産業施設への太陽光発電
発電の100%導
の導入
入
344.0
110.4
(▲14.6%) 結果・アンケートに基づく
耕作放棄地への太陽光発
電導入
HEMSの導入
住宅の省エネ性能向上
省エネ機器の導入
全製造業で年
1%の削減を想
定
家庭での電力起
因の排出量の
7%削減
新築での省エネ
住宅100%普及
等
省エネ機器
100%普及等
独自のポテンシャル検討
223.6
83.4
25.0
37.4
1,145.7
15.3
[▲12.8%]
製造業の特定排出事業
者の年1%の削減
HEMSの普及率30%
新築時の55%に省エネ
421.7 対策を実施など
導入率は50%及び100%
196.3
(▲112.9%)
126.4
(▲41.5%) を想定
780.8
[▲171.0%]
216.8
[▲62.9%] を想定
住宅用太陽光発電6万基
38.2
削減率10%、取組率
80%を想定
業務系排出量の
削減率11%
179.1
57.3
BEMSの普及率32%
省エネ機器の
100%導入等
527.7
197.4
335.0 エネ機器の導入率
各世帯のエコア
クション活動
BEMSの導入
省エネ機器の導入
全業務施設に太
民生業務施設への太陽光
陽光発電の
発電導入
100%導入
915.0
アンケートに基づく各省
独自のポテンシャル検討
183.2
(▲60.2%)
61.6
(▲22.1%) 結果・アンケートに基づく
公共施設への太陽光発電
導入
1.0
[▲81.9%]
0.2
[▲30.0%] 市クリーンエネルギー資
最終処分場への太陽光発
電導入
5.6
0.1
18.4
18.4
実行可能量は削減ポテ
ンシャルと同等を見込む
60.5
266.3 化区域で受け入れること
製造業以外の特
定排出事業者の
年1%の削減
徒歩、自転車、公共交通機
関へのシフト、都市機能の
集約化等による効果
770.6
平成22年度実施の「岡山
源賦存量及び実証調査」
結果及び独自の検討結
果に基づく.
を想定
営業用トラックへのエコドラ エコドライブ機器
イブ機器の普及
を100%導入
9.8
(▲54.5%)
7.8
省エネ型自動車
100%普及等
502.8
[▲72.0%]
129.5
省エネ型自動車の普及
削減量の推計
増加人口を、現在の市街
120.9
137.1
エコドライブ機器の80%
(▲18.8%) 普及を想定
[▲24.9%] 国と同じ普及率を想定
削減率10%、取組率
50%を想定
68.5
0.0
2
(▲0.0%)
[▲0.0%]
0%
12.0%
175 -10.7%
0%
-4.1%
7.4%
0.0
(▲0.0%)
[▲0.0%]
32.8
338.9
287.9
バイオマス系発電
18.2
小水力発電
32.8
33.1 平成22年度実施の「岡山
0.2
市クリーンエネルギー資
源賦存量及び実証調査」
結果及び独自の検討結
果に基づく.
0.1
0.0
329
213
(▲0.0%)
[▲0.0%]
362
注1:
注2:
5.9
平成22年度実施の「岡山
市クリーンエネルギー資
源賦存量及び実証調査」
結果及び独自のポテン
シャル検討結果に基づく.
実行可能量は削減ポテ
ンシャルの5%を見込む
47.8
各世帯のエコアクション活
動
一般廃棄物発電
合計
[▲28.8%]
2
188
メタン・一酸化二
窒素・代替フロン
等3ガス
(▲32.8%)
312.7
2
196
実行可能量は削減ポテ
削減量の推計
117.5
エコドライブ、ア
エコドライブ、アイドリングス
イドリングストッ
トップの普及
プの普及100%
非
エ
二ネ
酸ル
化ギ
炭
素起
源
の
備考
[千t-CO2]
特定排出事業者の省エネ
1,070
削減量総計
[千t-CO2]
全住宅に太陽光
住宅への太陽光発電の導
発電が100%普
入
及
起
源
の
二
酸
化
炭
素
削減量
高効率熱併給技
術導入等
省エネ設備の導入
特定排出事業者の省エネ
670
対策概要
実行可能な削減量
6,104
0%
6,726
10.2%
0%
(▲58.8%)
(▲20.9%)
7,252
18.8%
7.8%
[▲64.8%]
[▲23.0%]
-9.2%
3,954
1,405
削減ポテンシャル量、実行可能な削減量の数値の下にある( )内の%は2006年度比、[ ]の%は1990年度比の削減量比率を示す。
再生可能エネルギー部門のうち、太陽光発電・太陽熱利用については、産業部門・民生業務部門・民生家庭部門で、それぞれ見込むこととする。
35
(平成 32 年度)
における削減量は 1,405
各部門での実行可能な削減量をまとめると、2020 年度
千 t-CO2 と試算されます。
これらの対策を講じた場合の 2020 年度の排出量は 5,847 千 t-CO2、
1990 年度比で 4.2%の削減となります。
なお、現状すう勢が続いた場合の 2020 年度の排出量に比較すると 19.4%の削減となりま
す。
【削減量の検討結果】
温室効果ガス排出量
ガス種類
・
部門
(2020 年は現状すう勢ケース)
[千 t-CO2]
1990 年度 2006 年度 2020 年度
産 業
(参考)
電力の排出係数の低減
を考慮した場合の 2020
年度排出量(注 2)
実行可能な対策
の積み上げに
よる削減量
2020 年度排出量
(対策後)(注1)
削減量
[千t-CO2]
排出量 1990 年度比 現状すう
勢ケース比
[千t-CO2]
増減率
増減率
排出量
[千t-CO2]
1990 年度比
増減率
2,720
2,387
2,560
349.3
2,211
-18.7% -13.6%
2,013
-26.0%
民生家庭
670
1,015
1,068
421.7
646
-3.6% -39.5%
432
-35.6%
民生業務
1,117
1,519
1,620
335.0
1,285
+15.0% -20.7%
904
-18.5%
運 輸
1,070
1,415
1,452
266.3
1,186
+10.8% +18.3%
1,171
+9.4%
2
2
2
0.0
2
0
2
0
196
175
188
33.1
155
-20.9% -17.6%
167
-14.8%
329
213
362
0.0
362
+10.0%
0
362
+10.0%
6,104
6,726
7,252
1,405
5,847
-4.2% -19.4%
5,051
-17%
エネルギー転換
廃棄物・
再生可能
エネルギー
メタン・一酸化二窒素・
代替フロン等 3 ガス
合計
0
注 1:2020 年度排出量(対策後)試算における電力の排出係数の取り扱いは、暫定的に現状固定としています。
注 2:「電力の排出係数の低減を考慮した場合の 2020 年度排出量」試算における電力の排出係数の取り扱いは、
電力のエネルギー源の変化に応じて、仮に排出係数が 1990 年度の 3 割減となった場合の試算値です。
注 3:四捨五入の関係で端数処理が一致しない場合があります。
36
3�������������目標
現在、国においては、東日本大震災、福島第一原子力発電所事故の影響により、2010 年(平成
22 年)に策定したエネルギー基本計画が見直しの方向にあり、また、「中長期ロードマップ(中
間整理)」についても、2012 年度(平成 23 年度)の半ばのとりまとめを目指して、見直し作業が
進められています。そのため、今までに国により示されていた中期目標(2020 年)、長期目標(2050
年)の削減目標とその達成の道筋も見直される可能性があります。
そのようなことから、岡山市においては、新たな状況の変化に応じて、今後見直しを行うこと
を前提に、これまでの削減量の検討結果を踏まえ、温室効果ガス排出量の削減目標を次のように
設定します。
温室効果ガス排出量の削減目標
基準年度 : 1990 年度
中期目標 【2020 年度】
:
4.2%削減
【2025 年度】
:
6.3%削減
短期目標 【2015 年度】
:
2.1%削減
※ 本目標値は、国により新たなエネルギー政策や中長期ロードマップ等が示
された時点で見直しを行うことを前提に設定した暫定値であり、電力の排
出係数は現状値で固定して設定したものです。
※ 電力のエネルギー源の変化に応じて、電力の排出係数を 1990 年度の 3 割
減に仮定した場合の中期目標(2020 年度)は 17%削減です。
◎中期目標
2020 年度までに削減可能な量は、国の目標達成に向けた道筋として提示されている中長期ロ
ードマップや地球温暖化対策実行計画策定マニュアル等で使用されている方法を用いて、実行
可能な対策(相当程度の努力を要するレベル)を積み上げることにより推計し、2020 年度まで
に 1990 年度比 4.2%削減を目標とします。
また、岡山市都市ビジョン[新・岡山市総合計画]に目標年度をあわせた 2025 年度における
削減目標は、
2020 年度までの取組を継続的に実行して得られる削減量として、1990 年度比 6.3%
削減を目標とします。
◎短期目標
本計画の進行管理の観点から、中期目標を設定した 2020 年度までの中間年である 2015 年度にお
ける削減目標を設定するものです。2020 年度までに目指す削減量の半分を 2015 年度までに削減す
ることを目標とし、2015 年度までに 1990 年度比 2.1%削減を短期目標とします。
37
◎長期目標
我が国は、2009 年 7 月のラクイラ・サミットを踏まえて、世界に先駆けて低炭素社会を構築
し、環境技術で国際的優位性を確保するとともに、先進国として地球全体の問題に責任を果た
す必要があるとの決意から、2050 年長期目標 80%削減を掲げ、「温室効果ガス 2050 年 80%削
減のためのビジョン」を策定しており、岡山市としてもそれに向けて取り組んでいく必要があ
ります。
しかし、国が示すように、ビジョン達成のための研究・技術開発や政策の導入のあり方は、
数多くの経路があり一通りではなく、国民全体での議論を進めながら実現していくとされてい
ることや、現在、見直し作業が進められているエネルギー計画を踏まえる必要があることなど
から、岡山市としては、2050 年に向けた長期目標は、現段階では具体的数値として設定せず、
中期目標の達成を図りつつ、長期目標及びその達成に必要な施策を検討します。
「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(中間整理)」における 2050 年の姿
中長期ロードマップ(中間整理)では、2050 年の 80%削減の社会を次のように想定しており、温室効果ガス排出源は、ほぼ産
業部門と長距離物流からだけになり、住宅・建築物、電力、乗用車のゼロエミッション化が必須となっています。
2020 年は、その実現に向けた通過点で、既
存・見込まれる対策技術の積み上げにより削
減目標達成は可能としています。
また、2020 年対策導入費用は、目標達成の
ためには、約 6~10 兆円/年の追加的な初期
費用が必要と試算し、その追加対策費用は、
エネルギー費用の節減により、日本全体で長
期的には回収可能と試算しています。
経済影響分析でも、2020 年まで現行の地球
温暖化対策を継続し、何ら追加的な対策をと
らない場合(成り行きケース)は、2020 年には
GDP 成長率を鈍化させる可能性があるが、各
主体が将来の炭素制約を見越して低炭素投
資や一層の技術革新投資を行えば、成り行き
ケースと比べ GDP や雇用者数にプラスの影
響を及ぼしうるとし、低炭素技術へ投資するよ
う促し、技術進歩を促進させる政策を実施す
ることが肝要であると取りまとめています。
今後、東日本大震災を踏まえての 2020 年
の実現可能性等が検証されていくものと考え
られます。
出典:「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(中間整理)の概要について」
環境省地球環境局
38
第6章
削減に向けた取組
1.基本方針
(1)目指す環境目標
岡山市の地球温暖化対策としては、市民・事業者・行政による再生可能エネルギー・省エネ
ルギー設備等の導入促進や、環境に配慮したライフスタイル・ビジネススタイルの普及啓発、
NPO法人が主体となって取り組む市民共同発電事業などを推進しながら、低炭素型のまちづ
くりへの転換に取り組んでいるところです。
今後、地球温暖化対策を推進し、市域全体として温室効果ガス排出量の削減目標を達成して
いくためには、行政がイニシアティブを発揮し取組を牽引していくことが不可欠ですが、同時
に、市民一人ひとりの協力やすべての事業者の主体的な行動が非常に重要となります。
特に、2011 年(平成 23 年)3 月 11 日に発生した東日本大震災、及びそれに伴う福島第一原
子力発電所事故を契機に、エネルギー問題は私たちの生活に直結する切実な問題であることを
再認識するとともに、エネルギー源の多様化や分散化が必要であることを学びました。持続可
能な社会づくりのためには、私たち一人ひとりが危機管理意識を持って、省エネの徹底をはじ
め、低炭素型ライフスタイルへの転換、再生可能エネルギーの加速度的導入に、迅速に効果的
に取り組んでいくことが求められています。
こうした背景を踏まえ、岡山市では、「晴れの国おかやま」として太陽の恵みが豊かな地域
特性を活かして、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーを有効に活用することで、低炭
素型のまちづくりをめざすことを、私たちが共有する基本方針とします。
そして、その基本方針のもとに、市民や事業者一人ひとりが、地球上の一員としての責任を
持って主体的に地球温暖化対策に取り組んでいくことにより、地球にやさしい持続可能な社
会・低炭素社会の構築を実現することを目指します。
<岡山市が目指す地球温暖化対策の推進に向けた環境目標>
地球にやさしい活動と市民・事業者・行政の協働が実現しているまち
太陽・人・エコなまち 地球にやさしい岡山市
た
(2)基本目標
「基本目標」は、岡山市が目指す地球温暖化対策の推進に向けた環境目標を、より具体的な目
標として示したものであり、今後、地球温暖化対策に関する取組や施策を実行した成果として達
成できる将来の具体的な状態を表現したものです。
岡山市では、次の3つの基本目標を掲げ、環境目標の実現に向けて取り組んでいきます。
39
基本目標1 暮らしと産業の低炭素化に取り組もう
地球温暖化とは、人間の活動等に伴い二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に排出され、
地球の平均気温が上昇する現象です。地球温暖化が進行すると、気候システムのエネルギー
バランスが崩れて異常気象の発生や海面上昇を引き起こすと予測され、自然生態系や生活環
境、農作物などへの悪影響が懸念されています。
温室効果ガスを削減するためには、暮らしや産業面であらゆる施策を総合的に行う必要が
あります。工場・事業場や事業所・業務ビル、住宅・マンション等における省エネルギー・
省CO2 性能の設備・機器への更新と、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの利用促
進を進めます。また、市民が低炭素型の商品やサービスを選ぶ行動が、長期的に経済的なメ
リットがあり、生活の豊かさにつながるという意識を広め、そのようなライフスタイルやビ
ジネススタイルに誘導する仕組みを構築していきます。
基本目標2 低炭素型まちづくりを進めよう
省資源でエネルギー効率の高いまちづくりを進めるためには、エネルギー効率が高い都市
構造や都市空間を形成することが必要です。高次な都市機能が集約された都心、日常生活の
基盤となる地域拠点を中心として、土地利用・市街地整備と交通施策の一体性を高め、移動
距離が少なく、公共交通が利用しやすい都市構造や、自転車・歩行者が利用しやすい都市空
間を構築していきます。
また、エネルギーの持続的利用や省エネルギー化を進めるため、建築物・設備・車などの
エネルギー効率の向上を推進します。
基本目標3 協働して低炭素化に取り組もう
私たち一人ひとりが、その責任と役割に応じて、自主的に地球温暖化対策の行動を起こす
ことができるよう、地球温暖化防止の重要性についての知見を広め、地球温暖化対策の普及
啓発を進めます。
また、環境学習・環境教育や、ESD(持続可能な開発のための教育)に関する様々な取
組を行っている関係機関や組織等とも連携しながら、多様な主体がそれぞれの特色や状況に
応じて取組に参加し、協働するための仕組みづくりを構築していきます。そして、情報交換
や共有化を進め、知見を活かした交流・連携を高めることなどにより、地域全体で地球温暖
化防止に取り組んでいくことができる地域力の醸成に役立てていきます。
さらに、地球温暖化防止に係わる人や情報の交流を進め、国内外の他地域との交流、連携
を通して、国際的視野で低炭素社会づくり・持続可能な社会づくりを推進します。
40
2.具体的施策の展開
(1)施策の体系
環境目標、基本目標の実現を目指し、地球温暖化対策の施策を、以下のような施策体系のも
と推進します。
【環境目標】
【基本目標】
【基本的施策】
産業における低炭素化の推進
暮らしと産業の低炭素
化に取り組もう
業務活動における低炭素化の推進
市民生活における低炭素化の推進
地球にやさしい活動と市
民・事業者・行政の協働
が実現しているまち
『太陽・人・エコなまち
地 球 にやさしい
岡 山 市』
低炭素な建物・まちづくりの推進
スマートコミュニティの推進
低炭素型まちづくりを
進めよう
低炭素な自動車交通施策の推進
次世代自動車の導入促進
自動車用燃料の低炭素化の推進
市役所の環境保全行動の推進
協働して低炭素化に取
り組もう
市民・事業者・行政の協働推進
環境教育・環境学習及びESDの推進
地球環境保全のための国際協力の推進
41
(2)具体的施策
基本目標1
基本的
施策
暮らしと産業の低炭素化に取り組もう
主要施策内容
主要施策
エネルギ
ー消費量
の「見える
化」の促進
取組
ロードマップ
主体
短期
~2015 年度
工場・事業場における低炭素化の取組は、エ
ネルギー使用量の削減が大きく寄与し、コスト
縮減にも直結することから、エネルギー消費量
を「見える化」する技術情報提供を行うことに
より省エネルギー行動を喚起します。
エネルギー消費リアルタイム測定表示
の省エネナビの導入促進
市
事業者
普及啓発
協力・実施
普及啓発
市
事業者
協力・実施
工場・事業場におけるボイラー、給湯器、照
明などの設備・機器について、省エネルギー・省
CO2 性能のトップランナー機器への更新を促進
します。また、省エネルギー診断や ESCO 事業の
導入を支援し、省エネルギー対策を促進します。
カーボンフットプリントの導入
産業にお
ける低炭
素化の推
進
低 炭 素
型・省エネ
ルギー設
備・機器の
導入促 進
市
事業者
市
事業者
工場・事業場への太陽光発電等の再生可能エ
ネルギーの導入支援や情報発信により、普及を
拡大します。
また、小水力発電やバイオマスエネルギー等
の導入についても、普及拡大を図ります。
省エネルギー診断・ESCO 事業の利用
促進
太陽光発
電等再生
可能エネ
ルギーの
導 入促 進
国の制度
の活用促
進
太陽光発
電等再生
可能エネ
ルギーの
導入促進
業務活動
省エネルギー性能の高い設備・機器の
導入促進
低 炭 素
の推進
国の制度
の活用促
進
普及啓発
協力・実施
工場・事業場への太陽光発電の導入
促進
市
事業者
推進
協力・実施
小水力発電やバイオマスエネルギー
等の導入促進
市
事業者
普及啓発
協力・実施
CO2 の削減努力が経済的インセンティブに繋が
るよう国の制度等の活用を推進します。
国内クレジット制度やオフセット・クレジ
ット制度などの利用促進
市
事業者
普及啓発
協力・実施
事業所・業務ビルへの太陽光発電等の再生可
能エネルギーの導入支援や情報発信により、普
及を拡大します。
事業所・業務ビルへの太陽光発電の
導入促進
市
事業者
推進
協力・実施
事業所・業務ビルへの給湯器、空調、照明、OA
機器などの設備・機器について、省エネルギー・
省 CO2 性能トップランナー機器の導入を促進し
ます。
に お け る 型・省エネ
低炭素化 ル ギ ー 設 省エネルギー・省 CO2 性能トップランナ 市
備・機器の
導入促進
推進
協力・実施
ー機器の導入促進
事業者
BEMS の導入
市
事業者
推進
協力・実施
普及啓発
協力・実施
CO2 の削減努力が経済的インセンティブに繋が
るよう国の制度等の活用を推進します。
国内クレジット制度やオフセット・クレジ
ット制度などの利用促進
42
市
事業者
普及啓発
協力・実施
中期
~2020 年度
~2025 年度
基本的
施策
主要施策内容
主要施策
取組
ロードマップ
主体
短期
~2015 年度
住宅への太陽光発電、太陽熱利用などの再生
可能エネルギーの導入支援や情報発信により、
普及を拡大します。
太陽光発
電、太陽熱
利用の導
入促進
住宅への太陽光発電の導入促進
市
市民
推進
協力・実施
太陽光発電初期投資ゼロ円ローンの
導入
市
市民
推進
協力・実施
市
市民
住宅やマンションにおける断熱化、高効率の
給湯器、空調、照明など最新の省エネルギー機
器についての導入支援や情報発信により、普及
を拡大します。
住宅への太陽熱利用の導入促進
低 炭 素
型・省エネ
ルギー設
備・機器の
導入促 進
省エネルギー・省 CO2 性能トップランナ
ー機器の導入促進
市
市民
市
市民
センサーやIT技術を活用した設備機器によ
り、住宅のエネルギー消費を一元管理する「見
える化」の導入を支援し、省エネルギー行動を
促進します。
HEMS の導入促進
市民生活
における
住宅にお
けるエネ
ルギー消
費量の「見
える化」の
促進
低炭素化
の推進
市民共同
発電の推
進
エネルギー消費リアルタイム測定表示
の省エネナビの導入促進
フスタイ
ルへの転
換推進
国の制度
の活用促
進
推進
協力・実施
普及啓発
協力・実施
普及啓発
協力・実施
太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及
促進と市民啓発・環境教育を推進していくため、
NPO等が実施する市民参加型の市民共同発電
所設置を支援します。
市民共同発電所の設置促進
エコライ
市
市民
推進
協力・実施
市
NPO 等
市民
推進
協力・実施
協力・参加
環境家計簿モニター、ライトダウンキャンペ
ーンなど、日常生活の中で、省エネルギーや低
炭素化への「気づき」や「きっかけ」となるよ
うな機会や場を提供し、市民主体のエコスタイ
ルの実践を啓発、促進します。また、地産地消
やフードマイレージの普及を促進し、食生活に
おける低炭素化を推進します。
環境家計簿の普及促進
市
市民
普及啓発
ライトダウンキャンペーン等の実施
市
市民
普及啓発
協力・実施
地産地消・フードマイレージの普及
市
市民
普及啓発
協力・実施
協力・実施
CO2 の削減努力が経済的インセンティブに繋が
るよう国の制度等の活用を推進します。
国内クレジット制度やオフセット・クレジ
ット制度などの利用促進
43
市
市民
普及啓発
協力・実施
中期
~2020 年度
~2025 年度
基本目標2
基本的
施策
低炭素型まちづくりを進めよう
主要施策内容
主要施策
エネルギ
ー効率を
高める都
市整備の
推進
ロードマップ
取組
主体
無秩序な市街地の拡大を抑制し、都心や地域
拠点などの各拠点の特性に応じた都市機能の集
積を進めるとともに、都心と地域拠点との連携
軸を強化し、環境負荷の少ない機能配置を進め
ます。
また、民間の開発について、地域のエネルギ
ー需要に応じた地域熱供給システム、コジェネ
レーションシステム(熱電供給システム)など
の導入や、都市排熱の有効利用などに協力を求
めていきます。
地域熱供給システム、コジェネレーショ 市
ンシステム(熱電供給システム)等の導
事業者
入促進
市
事業者
排熱の融通利用の促進
短期
~2015 年度
普及啓発
協力・実施
普及啓発
協力・実施
建築物の断熱性能の向上を図り、省エネルギ
ー・低炭素化を推進するとともに、公共及び民
間建物等への太陽光発電システムの導入を進め
ます。また、省エネルギー型施設・設備の導入
促進や、ESCO 事業の普及拡大を図ります。
さらに、ヒートアイランド防止のため、建物
の屋上や壁面の緑化を進めます。
建築物の CASBEE 普及促進
市
事業者
市民
低炭素な
建物・まち
づくりの
環境配慮
型建築物
等 の普及
処理
ける
効果
排出
削減
まちなか
LED化
の推進
協力・実施
普及啓発
市
事業者
実施・啓発
ESCO 事業の利用促進
緑のカーテンの導入促進
市
事業者
市民
長期優良住宅の普及促進
市有施設への太陽光発電システムの
導入
間
お
室
ス
の
協力・実施
市
事業者
市民
推進
中
に
温
ガ
量
普及啓発
市
協力・実施
協力・実施
協力・実施
普及支援
協力・実施
協力・実施
実施
各焼却施設におけるごみ発電により、引き続
き、温室効果ガス排出量の削減に努めるととも
に、より効率的な発電に向けた整備等による一
層の温室効果ガス排出量の削減を目指します。
各焼却施設におけるごみ発電の継続
実施
市
実施
市有施設へのLED照明等の設置を推進する
とともに、防犯灯のLED化を進めます。
また、エコ通り(市役所筋)等を中心に、市
民・事業者との協働により、公共施設や沿道建
物のLED照明などの設置を推進します。
市
事業者
市民
エコ通り推進事業
44
推進
協力・実施
協力・実施
中期
~2020 年度
~2025 年度
基本的
施策
主要施策内容
主要施策
ロードマップ
取組
中期
短期
主体
~2015 年度
~2020 年度
市
推進支援
実証実験
事業者
協力・参加
協力・実施
市民
協力・参加
協力・実施
~2025 年度
電力利用の効率化を実現するために、情報通
信技術を活用して効率的に需給バランスをと
り、電力の安定供給を実現するための電力送配
電網「スマートグリッド」の導入を検討します。
スマート
グリッド
の構築
スマートグリッドの導入
実施
情報通信技術を活用して、再生可能エネルギ
ーの導入も含めた地域のエネルギーを、家庭・
事業所等で効率的に利用することにより、市民
のライフスタイルなど社会システム全体の在り
方を変えていく、新しい社会インフラのまちづ
くりとなる「スマートコミュニティ」の導入を
検討します。
また、スマートコミュニティ推進のために、
事業者、市民、学識者、関係団体、行政等の関
係機関の参加による組織を立ち上げ、事業の具
体化の推進を検討していきます。
スマート
コミュニ
ティの構
築
スマートコミュニティ推進組織の設置
スマートコミュニティの推進
スマートコ
ミュニティ
市
設置・推進
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
市
推進
実証実験
事業者
協力・参加
協力・実施
市民
協力・参加
協力・実施
実施
の推進
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ヒートポンプ
燃料電池
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~参考~「新しい街づくりとしてのスマートコミュニティのイメージ」
(出典:経済産業省ホームページより)
45
基本的
施策
主要施策内容
主要施策
公共交通
利用の促
進
取組
主体
低炭素な
自動車交
市
推進
事業者
推進
市民
推進
都心における自動車利用の適正化を図るた
め、都心に流入する車両から公共交通への乗り
換え(パーク&ライド)を促進し、都心内の道路
では、歩行者・自転車・公共交通優先の道路空
間を構築していきます。
また、公共交通へのアクセス性を高めるため、
駅前広場やパーク&ライド型駐車場の整備など
交通結節機能を強化していきます。
さらに、時差通勤、ノーマイカーデーなど、
時間的な交通集中の改善を目指します。
通施策の
推進
短期
~2015 年度
岡山市都市交通戦略に基づき、鉄道駅と結節
したバス網の整備や、鉄道系の交通機関を補完
するバス路線の整備など、公共交通を中心とし
た総合的な都市交通体系を構築します。
バスや鉄道事業者などと協働し、公共交通の
「分かりやすさ」
「使いやすさ」の向上に資する
取組を進め、公共交通の利用を促進します。ま
た、人と環境にやさしいLRT(軽量軌道交通
機関)導入を検討します。
さらに、新たな交通基本計画を策定し、地域、
交通事業者、行政が適切な役割を担いながら、
日常生活を支える地域交通手段の確保に取り組
みます。
岡山市都市交通戦略の推進
自動車交
通利用の
抑制・転換
の推進
ロードマップ
岡山市都市交通戦略の推進
市
推進
事業者
推進
市民
推進
自転車利用を促進するため、都心部における
自転車利用空間、ネットワーク等の整備を推進
します。
また、コミュニティサイクルの導入を、社会
実験を通じて検証し、本格導入を目指します。
自転車利
用 の推進
自転車走行環境の整備
自転車利用環境の整備
環境にや
さしいエ
コドライ
ブ の普及
市
推進・実施
市民
理解協力
市
推進・実施
市民
理解協力
エコドライブ(アイドリングストップ、空気
圧・オイルなどの点検、急発進・急ブレーキの
回避など)によるエネルギー効率の良い、無駄
のない運転マナーの普及啓発を進めます。
エコドライブの普及促進
46
市
普及啓発
事業者
協力・実施
市民
協力・実施
中期
~2020 年度
~2025 年度
基本的
施策
次世代自
主要施策内容
主要施策
取組
主体
次世代自
及
電気自動車等普及促進
カーシェアリング普及促進
自動車用
短期
~2015 年度
市
普及啓発
事業者
協力・実施
市民
協力・実施
市
普及啓発
事業者
協力・実施
市民
協力・実施
バイオ燃
市
実施
事業者
協力・実施
推進
市民
協力・実施
市
実施
事業者
協力・実施
市民
理解協力
推進
確保
バイオ燃料の使用拡大
基本目標3
市役所の
協働して低炭素化に取り組もう
主要施策内容
主要施策
取組
主体
短期
~2015 年度
「岡山市環境保全行動計画」に基づき、行政
活動全般にわたる地球温暖化防止活動を進めま
す。
岡山市環
環境保全 境 保 全 行
行動の推 動 計 画 の
進
~2025 年度
市民・事業者との協働により、使用済み天ぷ
ら油の安定的な供給の確保を図ります。
また、ごみ収集車等へのバイオ燃料の使用を
拡大するとともに、公共交通機関等、民間車両
への導入についても、関係機関と協議しながら
検討を進めます。
燃料の低 料 地 域 利
炭素化の 用 事 業 の 使用済み天ぷら油の安定的な供給の
基本的
施策
中期
~2020 年度
電気自動車やハイブリッド自動車など、次世
代自動車の普及に向けた啓発を進めるととも
に、電気自動車充電設備設置を支援し、市民・
事業者と連携しながら整備を促進します。
また、公用車への電気自動車導入を通じて、
市民への理解向上を図るとともに、カーシェア
リング等の市民利用の拡大を推進します。
動車の導 動 車 の 普
入促進
ロードマップ
実行
市役所の環境保全行動の取組実践
47
市
実施
ロードマップ
中期
~2020 年度
~2025 年度
基本的
施策
主要施策内容
主要施策
自主的な
取組への
支援
市民・事
活動団体
間の交流
と連携の
促進
業者・行
取組
主体
岡山市環境パートナーシップ事業の推進など
をとおして、各種活動団体が主体となった地球
温暖化防止活動、人材育成活動を支援していき
ます。
岡山市環境パートナーシップ事業の
推進
市民参加
のまちづ
くりの推
進
協働の取
組を通じ
た情報の
把握と整
理
環 境 教
育・環境
教育・学習
学習及び の 機 会 の
ESDの推
進
提供
市
推進
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
岡山市環境パートナーシップ事業の推進など
をとおして、地域、企業、大学、市民団体間の
交流や連携が高まるような機会の創出に取り組
みます。
活動団体のネットワーク化や交流機会
の創出
政の協働
推進
短期
~2015 年度
市
実施
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
ワークショップ手法等を取り入れ、地球温暖
化防止の意識の共有化や取組の活性化を図りま
す。
市民参加型ワークショップ等の推進
市
実施
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
地球温暖化防止活動を通して、地域、事業者、
大学、市民団体などがもつ環境情報を把握、整
理し、共有化や活用ができるよう情報発信して
いきます。
地球温暖化防止に関する情報発信の
推進
市
実施
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
環境学習・環境教育や、ESDを行っている
関係機関や組織等とも連携しながら、親子環境
学習の開催など、子ども達が体験を通して日常
生活にエコライフ活動を活かすことができるよ
うな機会の提供を充実させていきます。
また、小学校への出前授業、興味を惹く地球
温暖化防止講座の開催、教材の充実等を図り、
教育・学習内容を充実させるとともに、市民団
体や事業者団体等の民間団体のほか、環境NP
Oなどの各種団体や関係機関とも連携し、多様
な学習の場と機会の提供を推進します。
さらに、地域における環境教育・環境学習、
環境配慮行動などについて指導・助言等ができ
る人材や、各活動主体をつなぐコーディネータ
ー等の育成を推進していきます。
環境学習講座の推進
48
市
実施
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
ロードマップ
中期
~2020 年度
~2025 年度
主要施策内容
基本的
施策
主要施策
環 境 教
育・環境
ESD実
学習及び 施 能 力 の
ESDの推
向上
取組
主体
岡山 ESD プロジェクトの推進
保全のた 国 際 協
めの 国際
協力の推
力・国際理
解活動の
支援
短期
~2015 年度
~2020 年度
~2025 年度
ESDに取り組む団体等を対象に、地球温暖
化防止に関する最新の情報発信を行うととも
に、先進的な地球温暖化防止事例等に関する講
習会や情報交換等を行うことのできる場を設
け、指導者の育成、資質の向上を図ります。
また、市民一人ひとりがESDについて理解
し、対象者の属性や学習目的等に合わせて学習
効果が行動に結びつく地球温暖化防止の学習プ
ログラムや教材等を整備します。
進
地球環境
ロードマップ
中期
市
実施
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
地球温暖化対策を含む地球環境保全に関する
国際的な情報交流と協力・支援を進め、国際的
視野で低炭素社会づくり・持続可能な社会づく
りを推進していきます。
国際協力・国際理解活動の支援
進
市
実施
事業者
協力・参加
市民
協力・参加
(3)成果指標
分 野
内
現況値
2010 年度
容
業務活動における低 事業所・業務ビルへの太陽光発電システム
の導入促進
炭素化の推進
(期待できる CO 削減量(10kW の場合))
69 件
目 標 値
2015 年度
2025 年度
140 件
300 件
(1.3 千 t-CO2)
(2.7 千 t-CO2)
2
住宅への太陽光発電システムの導入促進
(期待できる CO2削減量(4kW の場合))
市民共同発電所の設置促進
(期待できる CO2削減量(10kW の場合))
市民生活における低
炭素化の推進
地球温暖化防止行の実践度
※市民意識調査より算出。100 点満点。
ライトダウンキャンペーン等の実施による
CO2削減量
低 炭 素 な 建物 ・ ま ち 市有施設への太陽光発電システムの導入
(期待できる CO2削減量(10kW の場合))
づくりの推進
低炭素な自動車交通
JR岡山駅の 1 日あたりの乗降客数
施策の推進
次 世 代 自 動 車 の 導 公用車への電気自動車導入
入促進
公共の電気自動車充電設備設置基数
6,300 件
21,000 件
70,000 件
(76 千 t-CO2)
(250 千 t-CO2)
6件
15 件
(54t-CO2)
(140t-CO2)
50 点
55 点
70 点
1.2 千 t-CO2
1.9 千 t-CO2
2.5 千 t-CO2
3件
80 件
130 件
(720t-CO2)
(1,200t-CO2)
11.6 万人
12.5 万人
13.0 万人
7台
30 台
公用車の50%
3基
10 基
20 基
35 件
市 役 所 の 環 境 保 全 市役所の事務事業から発生する温室効果 「岡山市環境保全行動計画」に定める各種目
ガス排出量をはじめとする環境負荷の低減 標値を達成する。
行動の推進
市 民 ・ 事 業 者 ・ 行 政 環境パートナーシップ事業に参加する市民の割合
の協働推進
環境パートナーシップ事業に参加する事業所の数
49
5.5%
7.5%
10%
484
550
700
第7章
重点プロジェクト
「暮らしと産業の低炭素化に取り組もう」
、
「低炭素型まちづくりを進めよう」、
「協働して低炭素
化に取り組もう」の3つの基本目標の実現に向け、特に重点的に進める施策として、次の2つのプ
ロジェクトを推進します。
1. 地域協働ソーラー発電&スマートコミュニティ推進プロジェクト
地域協働ソーラー発電&スマートコミュニティ推進プロジェクト
<概要>
太陽光エネルギーに恵まれた市域全体を「ソーラー発電所」と位置づけ、市民、事業者、行政が協働
して、市内に太陽光発電システム等を積極的に導入するとともに、多様なエネルギーの地産地消とネッ
トワーク化を図るスマートコミュニティの導入を推進し、低炭素社会の構築を目指す。
主な取組
取組概要
住宅、事業所等への太
陽光発電システム等
の導入促進
市有施設への太陽光
発電システム等の導
入促進
市民共同発電事業の
推進
太陽光発電導入の加
速化を図る新たな枠
組みづくり
国等の補助制度と連携を図りながら、住宅や事業所等への太陽光発電システムを
中心とした再生可能エネルギーや省エネルギー設備等の設置・導入に対する支援を
行う。
スマートコミュニテ
ィの導入推進
事業効果の高い市有施設を、次世代エネルギーの「見える化」中核施設として位
置づけ、市有施設への導入計画を策定し、これに基づき、計画的・継続的な太陽光
発電システムの導入を図る。
NPO法人が主体となって、市民や事業者等からの募金等を基にして、市有施設
に太陽光発電システムを設置する「市民共同発電所」の設置を行う。
初期投資の調達に伴い発生する金利等、経費の負担軽減を図ることにより、太陽
光発電の導入が加速化することを目指し、新たな枠組みづくりについて関係組織等
と連携のもと検討を行う。
情報通信技術を活用して再生可能エネルギー等を地域の事業所、住宅、交通シス
テム等で効率的に利用しエネルギーの地産地消ができるよう、社会インフラである
スマートグリッドを導入し、スマートコミュニティを構築する。
スマートコミュニティ
の導入推進
市有施設への太陽光発電シ
ステムの導入促進
住宅、事業所等への太陽光発
電システム等の導入促進
地域協働ソーラー発電
&スマートコミュニティ
推進プロジェクト
太陽光発電の加速化を図
る新たな枠組みづくり
市民共同発電事業の推進
50
2. 公共交通&コミュニティサイクル推進プロジェクト
公共交通&コミュニティサイクルプロジェクト
<概要>
岡山市都市交通戦略の推進により、過度に自動車に依存した交通体系から、人と環境にやさしい公共
交通中心の交通体系への移行を目指す。
主な取組
取組概要
誰もが利用しやすい
各鉄道駅の交通結節機能の強化を図るとともに、パークアンドライド駐車場や自
転車等駐車場の整備を行い、公共交通の利便性向上に努める。
公共交通の推進
人と環境にやさしい
LRTの導入検討
公共交通の必要性、重
要性に関する市民コ
ンセンサスの形成
電気自動車等の普及
促進
自転車走行空間ネッ
トワークの整備
コミュニティサイク
ルの導入
市民や来訪者などあらゆる人にとって利便性が高く、環境に優しい公共交通手段
である LRT の導入検討を進める。
公共交通を中心とした交通体系へ移行するため、公共交通の必要性や利用のメリ
ットについての普及啓発や、自動車の使い方の再考を働きかける等、モビリティマ
ネジメントを推進する。
公用車への電気自動車の導入や、市有施設や観光施設等への充電設備の設置促
進、市民の電気自動車購入費等に対する支援を行う。
自転車利用のあり方を検証する社会実験等を行いながら、都心部等における自転
車走行空間ネットワークを整備する。
都市部の手軽な移動補助手段として、返却自由なコミュニティサイクルを導入す
るとともに、市民や事業者を巻き込んだコミュニティサイクルの利用促進策を実施
する。
公共交通の必要性、重要性に関する
市民コンセンサスの形成
誰もが利用しやすい
公共交通の推進
公共交通&
コミュニティサイクル推進プロジェクト
電気自動車等の普及促進
人と環境にやさしい
LRTの導入検討
コミュニティサイクルの導入
自転車走行空間ネットワーク
の整備推進
51
第8章
計画の推進体制及び進行管理
1�進�体�
本計画は、庁内各部局はもとより、市民、事業者、関係団体等の協働により、全市的な推進を
図っていく必要があります。そのため、以下のように多様な主体が連携した推進体制を整備し、
計画を推進します。
(1)岡山市環境基本計画推進本部
庁内では、岡山市環境基本計画のもと岡山市の環境行政を総合的かつ計画的に推進することを目
的として、「岡山市環境基本計画推進本部」が設置されています。
地球温暖化対策においても、この推進組織を活用して計画の効果的な推進及び進行管理、各種施
策・事業の総合的な調整を行い、庁内の各担当部局との連携を図っていきます。
(2)岡山市環境総合審議会
岡山市環境保全条例に基づき、有識者等により組織される会議であり、計画の実施状況や
基本的な環境保全について審議し、計画の総合的・効果的な推進を図っていきます。
(3)市民・事業者・民間団体等との連携
岡山市では特に民生業務部門、民生家庭部門からの温室効果ガス排出量の排出割合が高く
なる傾向にあり、特に市民や事業者による一層の取組強化が不可欠となります。
このため、市民、事業者、行政の各主体が互いに連携・協力し、協働していくことにより
温室効果ガス排出量の削減目標の達成を目指します。また、計画の推進にあたっては、市民
団体や事業者団体等の民間団体のほか、NPOなどの各種団体とも連携し、様々な主体の協
働のもとで取組を進めていきます。
さらに、重点プロジェクト等の推進では、それぞれの内容に応じて機動力をもって推進で
きる体制づくりが必要となってくることから、プロジェクトの推進段階に応じて、関係する
市民、事業者、民間団体等が参画し推進していく効果的な推進体制を検討していきます。
(4)国や県等の関係自治体との連携
温室効果ガスの削減に向けた取組を推進するにあたり、国、岡山県及び周辺市町村との調整・連
携・協力を図りながら、計画を効果的に推進していきます。
N P O
学
校
関係機関
市
民
協働による
計画の推進
行
52
政
ボランティアグループ
事業者
関係団体
2�進���
計画を着実に推進するためには、施策の進行管理を確実に行い、必要に応じて取組内容の見
直し等を行います。
(1)計画の進捗状況の把握
計画の進捗状況を適切に把握し計画を着実に推進するために、毎年、計画に定めた取組の実
施状況、排出量の推移等を把握し、必要に応じて取組の追加・重点化等について検討するPD
CAサイクルを導入します。
特に、市民アンケート調査での施策に対する市民の満足度・重要度の評価を踏まえるととも
に、市民・事業者・民間団体と協働で実施する重点プロジェクトについては、協働で進行管理
を行うことができる仕組みづくりを検討します。
また、これらの進捗状況を毎年度把握し、その結果を市のホームページや年次報告書等に掲
載して、情報の公開と共有を図ります。
A:Action(見直し)
P:Plan(計画)
・ 必要に応じて、取組内容、取組方法な
・ 目標、取組、推進体制などについて計
画をたてる。
どの見直しを行う。
PDCAサイクル
による継続的改善
C:Check(点検及び評価)
D:Do(実施)
・ 計画に定めた取組の実施状況や、温室
効果ガス排出の変動状況について確
・ 計画に定めた取組を実施する。
認、評価する。
市民アンケート等による評価
(2)国内外の動向に応じた計画の見直し
中期目標である 2020 年度(平成 32 年度)及び 2025 年度(平成 37 年度)までの間には、地
球温暖化に関する国内外の動向等の変化が生じることが予想されることから、状況に応じて計
画の見直しを行います。
また、短期目標である 2015 年度(平成 27 年度)における温室効果ガス排出量の評価・検証
にあたっては、必要に応じて中期目標値等も含めた計画の見直しを行います。
53
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